説明

ローラコンベヤ装置

【課題】磁気式動力伝達手段を採用し摩耗や発塵、接触騒音等を軽減するとともに、搬送力を確保して装置全体をコンパクトに配置できメンテナンス性の良好なローラコンベヤ装置を提供すること。
【解決手段】複数の搬送軸110が回転可能に並列配置されており、それぞれの搬送軸110に磁気式動力伝達手段130を介して駆動軸120が搬送軸110と直交して設けられ、駆動軸120が中空軸モータ150により駆動されること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送物の搬送面を構成する複数の搬送ローラと、該複数の搬送ローラを軸着して回転可能に並列配置された複数の搬送軸と、該複数の搬送軸に直交する方向に設けられ搬送軸を駆動する駆動軸と、複数の搬送軸の両端を軸支するとともに駆動軸を軸支する軸支部材を有するフレームと、駆動軸に設けられた磁気回転体と各搬送軸に設けられた磁気回転体とが対向して動力伝達する磁気式動力伝達手段とを有するローラコンベヤ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ローラコンベヤ装置において、クリーンな環境でのハンドリングが要求される電子部品基板、液晶パネル、精密部品等を搬送するために、各軸間の動力伝達手段として摩耗や発塵、接触騒音等を軽減できる磁気式動力伝達手段を備えたものが知られている。
【0003】
公知のローラコンベヤ装置は、例えば図19、図20に示すように、複数の搬送軸510、610が回転可能に並列配置され、該搬送軸510、610にはそれぞれ搬送面を構成する複数の搬送ローラ(図示せず)が備えられて一体に回転して搬送物を搬送するよう構成されている。
【0004】
搬送軸510、610の側部には駆動軸520、620が直交方向に設けられ、該駆動軸520、620は磁気式動力伝達手段530、630を介して搬送軸510、610を駆動する。
磁気式動力伝達手段530、630は、駆動軸520、630に設けられた駆動用磁気回転体521、621と搬送軸510、610に設けられた被駆動用磁気回転体511、611とが空間を介して非接触で磁気的に駆動力を伝達するように構成されている(例えば、特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第2648566号公報(第5頁、図4)
【特許文献2】特許第2683319号公報(第3頁、図4)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、図19に示す公知のローラコンベヤ装置500は、駆動軸520に設けられたプーリー591にベルト592を掛け回して駆動軸520に駆動手段(図示せず)からの回転を伝達するように構成されているため、プーリー591とベルト592の間の摩擦による摩耗や発塵、接触騒音等が発生するという問題があった。
【0007】
また、モータ等の駆動手段を離れた位置に設置する必要があり、ローラコンベヤ装置全体を小型化することができず、ベルト592の掛け回しを行うために装置全体を解体する必要があるとともに随時ベルト592の張力の調整が必要となるなどメンテナンス性が悪いという問題があった。
【0008】
また、図20に示す公知のローラコンベヤ装置600は、駆動軸620に平行に駆動手段(図示せず)からの回転を伝達するための動力軸640が設けられ、該動力軸640に動力用磁気回転体641が設けられ、駆動軸620に設けられた駆動用磁気回転体621に非接触で磁気的に動力を伝達することで、摩耗や発塵、接触騒音等を軽減している。
【0009】
しかしながら、駆動軸620と動力軸640が長尺で撓み等が発生しやすいため、動力用磁気回転体641と駆動用磁気回転体621の間隔を小さくすることが困難であり、また、動力用磁気回転体641、駆動用磁気回転体621ともに円筒型のため容積当たりの伝達トルクが小さく、大きな動力を伝達するためには動力用磁気回転体641と駆動用磁気回転体621を大型化したり、軸受を大型化したりする必要があり、ローラコンベヤ装置全体を小型化することができないという問題があった。
【0010】
本発明は、前述したような従来技術の問題を解決するものであって、すなわち、本発明の目的は、磁気式動力伝達手段を採用し摩耗や発塵、接触騒音等を軽減するとともに、搬送力を確保して装置全体をコンパクトに配置できメンテナンス性の良好なローラコンベヤ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本請求項1に係る発明は、搬送物の搬送面を構成する複数の搬送ローラと、該複数の搬送ローラを軸着して回転可能に並列配置された複数の搬送軸と、該複数の搬送軸に直交する方向に設けられ搬送軸を駆動する駆動軸と、前記複数の搬送軸の両端を軸支するとともに前記駆動軸を軸支する軸支部材を有するフレームと、前記駆動軸に設けられた磁気回転体と各搬送軸に設けられた磁気回転体とが対向して動力伝達する磁気式動力伝達手段とを有するローラコンベヤ装置において、前記駆動軸が、前記フレームに設けられた中空軸モータに挿入されて駆動されるように構成されていることにより、前記課題を解決するものである。
【0012】
本請求項2に係る発明は、請求項1に記載されたローラコンベヤ装置の構成に加えて、前記中空軸モータが、前記フレームに設けられた駆動軸を軸支する軸支部材の少なくとも一つを兼ねていることにより、前記課題をさらに解決するものである。
【0013】
本請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に記載されたローラコンベヤ装置の構成に加えて、前記中空軸モータが、前記フレームの最端部に設けられた駆動軸を軸支する軸支部材を兼ねていることにより、前記課題をさらに解決するものである。
【0014】
本請求項4に係る発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載されたローラコンベヤ装置の構成に加えて、前記中空軸モータが、前記フレームの複数個所に設けられていることにより、前記課題をさらに解決するものである。
【0015】
本請求項5に係る発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか1つに記載されたローラコンベヤ装置の構成に加えて、前記中空軸モータが、前記フレームの上下方向の幅より小さく構成されていることにより、前記課題をさらに解決するものである。
【0016】
本請求項6に係る発明は、請求項1乃至請求項5のいずれか1つに記載されたローラコンベヤ装置の構成に加えて、前記中空軸モータが同期モータであることにより、前記課題をさらに解決するものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明のローラコンベヤ装置は、搬送物の搬送面を構成する複数の搬送ローラと、該複数の搬送ローラを軸着して回転可能に並列配置された複数の搬送軸と、該複数の搬送軸に直交する方向に設けられ搬送軸を駆動する駆動軸と、複数の搬送軸の両端を軸支するとともに駆動軸を軸支する軸支部材を有するフレームと、駆動軸に設けられた磁気回転体と各搬送軸に設けられた磁気回転体とが対向して動力伝達する磁気式動力伝達手段とを有することにより、摩耗や発塵、接触騒音等を軽減できるとともに、以下のような格別の効果を奏することができる。
【0018】
すなわち、本請求項1に係る発明のローラコンベヤ装置は、駆動軸がフレームに設けられた中空軸モータに挿入されて駆動されるように構成されていることによって、フレームに沿った磁気式動力伝達手段および軸支部材の延在する空間に中空軸モータを配置することができるため、駆動軸を確実に駆動しつつローラコンベヤ装置全体を小型化することができる。
【0019】
本請求項2に係る発明のローラコンベヤ装置は、請求項1に係るローラコンベヤ装置が奏する効果に加えて、中空軸モータがフレームに設けられた駆動軸を軸支する軸支部材の少なくとも一つを兼ねていることにより、構成部品が少なくなり、さらにローラコンベヤ装置全体を小型化することができる。
【0020】
本請求項3に係る発明のローラコンベヤ装置は、請求項1または請求項2に係るローラコンベヤ装置が奏する効果に加えて、中空軸モータがフレームの最端部に設けられた駆動軸を軸支する軸支部材を兼ねていることにより、構成部品が少なくなりローラコンベヤ装置全体を小型化することができるとともに、中空軸モータへのアクセスが容易となりメンテナンス性が向上する。
【0021】
本請求項4に係る発明のローラコンベヤ装置は、請求項1乃至請求項3のいずれかに係るローラコンベヤ装置が奏する効果に加えて、中空軸モータがフレームの複数個所に設けられていることにより、ローラコンベヤ装置全体を大型化することなく駆動力を増大することができる。
【0022】
本請求項5に係る発明のローラコンベヤ装置は、請求項1乃至請求項4のいずれか1つに係るローラコンベヤ装置が奏する効果に加えて、中空軸モータがフレームの上下方向の幅より小さく構成されていることにより、ローラコンベヤ装置をフレーム単位で上下に重ねることができるため、組立・移動・保管時においても小型化することができる。
【0023】
本請求項6に係る発明のローラコンベヤ装置は、請求項1乃至請求項5のいずれかに係るローラコンベヤ装置が奏する効果に加えて、中空軸モータが同期モータであることにより、複数の中空軸モータの回転速度を容易に一致させることができるため、複数の中空軸モータを設けたり、複数のフレームを連結してローラコンベヤ装置を構成したりする際も搬送を円滑に行い、騒音等を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の第1実施例であるローラコンベヤ装置の斜視図。
【図2】図1に示す本発明の第1実施例であるローラコンベヤ装置の平面図。
【図3】図1に示す本発明の第1実施例であるローラコンベヤ装置の側面図。
【図4】図1に示す本発明の第1実施例であるローラコンベヤ装置の正面図。
【図5】図1に示す本発明の第1実施例であるローラコンベヤ装置の断面図。
【図6】本発明の第2実施例であるローラコンベヤ装置の斜視図。
【図7】図6に示す本発明の第2実施例であるローラコンベヤ装置の平面図。
【図8】図6に示す本発明の第2実施例であるローラコンベヤ装置の側面図。
【図9】本発明の第3実施例であるローラコンベヤ装置の斜視図。
【図10】図9に示す本発明の第3実施例であるローラコンベヤ装置の平面図。
【図11】図9に示す本発明の第3実施例であるローラコンベヤ装置の側面図。
【図12】本発明の第4実施例であるローラコンベヤ装置の平面図。
【図13】図12に示す本発明の第4実施例であるローラコンベヤ装置の側面図。
【図14】図9に示す本発明の第3実施例であるローラコンベヤ装置を接続した平面図。
【図15】図1に示す本発明の第1実施例であるローラコンベヤ装置を重ねた正面図。
【図16】図1に示す本発明の第1実施例であるローラコンベヤ装置を重ねた斜視図。
【図17】本発明の磁気式動力伝達手段の一実施例の磁極配置の説明図。
【図18】本発明の磁気式動力伝達手段の他の実施例の磁極配置の説明図。
【図19】従来のローラコンベヤ装置の斜視図。
【図20】従来の他のローラコンベヤ装置の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明のローラコンベヤ装置は、搬送物の搬送面を構成する複数の搬送ローラと、該複数の搬送ローラを軸着して回転可能に並列配置された複数の搬送軸と、該複数の搬送軸に直交する方向に設けられ搬送軸を駆動する駆動軸と、複数の搬送軸の両端を軸支するとともに駆動軸を軸支する軸支部材を有するフレームと、駆動軸に設けられた磁気回転体と各搬送軸に設けられた磁気回転体とが対向して動力伝達する磁気式動力伝達手段とを有するローラコンベヤ装置において、駆動軸が一方のフレームに設けられた中空軸モータに挿入されて駆動されるように構成されて、摩耗や発塵、接触騒音等が軽減されるとともに、搬送力を確保して装置全体をコンパクトに配置できメンテナンス性の良好なローラコンベヤ装置を提供できるものであれば、その具体的な実施態様は如何なるものであっても何ら構わない。
【0026】
すなわち、本発明で用いる磁気式動力伝達手段は、直交する駆動軸と搬送軸の間で動力伝達が行われるものであれば具体的な形態は如何なるものでも良く、駆動側及び被駆動側それぞれの磁気回転体は、円盤、円錐あるいは円筒のいずれの形状であっても良く、磁気回転体の磁極の配列は、駆動力を有効に伝達できるものであればいかなる配列であっても良い。
【0027】
特に、円筒表面に磁極を交互に配置した磁気円筒と円盤表面に磁極を交互に配置した磁気円盤を対向させたものであれば、小型で効率の良い動力伝達が可能となり好適であり、磁気円盤が、内周から外周に向けて放射曲線状に配置された磁極を有するものであれば、トルク変動が少なく騒音や振動が少なくなり、さらに好適である。
【0028】
そして、本発明で用いる搬送ローラについては、搬送軸と一体に回転するものであれば良く、搬送物の特性に応じてその形状は如何なるものであっても良い。例えば、一つの搬送軸に対して一つの円筒状のものであっても良く、複数に分割した円筒状のものや円盤状のものであっても良い。
【0029】
また、本発明で用いる搬送ローラの具体的な材料についても、搬送物の特性に応じて如何なるものを使用しても良く、搬送物と接触する外周表面のみを搬送に適した材料としても良い。
【実施例1】
【0030】
以下に、本発明の実施例であるローラコンベヤ装置について図面に基づいて説明する。
本発明の第1実施例であるローラコンベヤ装置100は、図1乃至図5に示すように、複数の搬送軸110がそれぞれの両端部付近をフレーム160に回転可能に支持されて並列配置されており、それぞれの搬送軸110の少なくとも一方のフレーム160を越えた端部には被駆動用磁気回転体111が設けられている。
また、それぞれの搬送軸110には搬送面を構成する複数の円盤状の搬送ローラ112が、搬送軸110と一体的に回転可能に設けられている。
【0031】
一方のフレーム160の被駆動用磁気回転体111が設けられている側面には、複数の軸支部材161が設けられており、該軸支部材161に支持されて搬送軸110と直交する方向に駆動軸120が設けられている。
【0032】
駆動軸120には複数の搬送軸110の被駆動用磁気回転体111と対向して駆動力を伝達する複数の駆動用磁気回転体121が設けられており、被駆動用磁気回転体111と駆動用磁気回転体121は磁気式動力伝達手段130を構成して駆動軸120からそれぞれの搬送軸110に駆動力を伝達する。
【0033】
また、一方のフレーム160の被駆動用磁気回転体111が設けられている側面の所定の位置には中空軸モータ150が設けられており、駆動軸120が中空軸モータ150に挿入されて回転方向固定され、中空軸モータ150により駆動軸120が回転駆動される。
中空軸モータ150は、図1乃至図5に示すように、外形及び取付位置がフレーム160の上下方向幅内に収まるように構成されている。
【0034】
駆動用磁気回転体121は円筒表面に磁極を交互に配置した磁気円筒からなり、被駆動用磁気回転体111は円盤表面に磁極を交互に配置した磁気円盤からなる。
また、図5に示すように、複数の搬送軸110は中空軸で構成されフレーム160に軸受163を介して回転可能に支持されており、駆動軸120は中実軸で構成され軸支部材161に軸受162を介して回転可能に支持されている。
【0035】
本実施例では、駆動軸120が直接中空軸モータ150によって駆動され、駆動用磁気回転体121が被駆動用磁気回転体111と対向して搬送軸110に駆動力を伝達することで、摩耗や発塵、接触騒音等を軽減できるとともに、ローラコンベヤ装置100全体を小型化することができる。
【実施例2】
【0036】
次に、本発明の第2実施例であるローラコンベヤ装置について以下に詳しく説明する。
本発明の第2実施例であるローラコンベヤ装置200は、図6乃至図8に示すように、第1実施例と同様に、複数の搬送軸210がそれぞれの両端部付近をフレーム260に回転可能に支持されて並列配置されており、それぞれの搬送軸210の少なくとも一方のフレーム260を越えた端部には被駆動用磁気回転体211が設けられている。
また、それぞれの搬送軸210には搬送面を構成する複数の円盤状の搬送ローラ212が、搬送軸210と一体的に回転可能に設けられている。
【0037】
一方のフレーム260の被駆動用磁気回転体211が設けられている側面には、複数の軸支部材261及び中空軸モータ250が設けられており、該軸支部材261及び中空軸モータ250に支持されて搬送軸210と直交する方向に駆動軸220が設けられている。
【0038】
駆動軸220には複数の搬送軸210の被駆動用磁気回転体211と対向して駆動力を伝達する複数の駆動用磁気回転体221が設けられており、被駆動用磁気回転体211と駆動用磁気回転体221は磁気式動力伝達手段230を構成して駆動軸220からそれぞれの搬送軸210に駆動力を伝達する。
また、駆動軸220が中空軸モータ250に挿入されて回転方向固定され、中空軸モータ250により駆動軸220が支持されると同時に回転駆動される。
駆動用磁気回転体221は円筒表面に磁極を交互に配置した磁気円筒からなり、被駆動用磁気回転体211は円盤表面に磁極を交互に配置した磁気円盤からなる。
【0039】
本実施例では、駆動軸220が直接中空軸モータ250によって駆動され、駆動用磁気回転体221が被駆動用磁気回転体211と対向して搬送軸210に駆動力を伝達することで、摩耗や発塵、接触騒音等を軽減できるとともに、中空軸モータ250が駆動軸220の軸支を兼ねているため、軸支部材261を少なくすることができさらにローラコンベヤ装置200全体を小型化することができる。
【実施例3】
【0040】
次に、本発明の第3実施例であるローラコンベヤ装置について以下に詳しく説明する。
本発明の第3実施例であるローラコンベヤ装置300は、図9乃至図11に示すように、第1実施例と同様に、複数の搬送軸310がそれぞれの両端部付近をフレーム360に回転可能に支持されて並列配置されており、それぞれの搬送軸310の少なくとも一方のフレーム360を越えた端部には被駆動用磁気回転体311が設けられている。
また、それぞれの搬送軸310には搬送面を構成する複数の円盤状の搬送ローラ312が、搬送軸310と一体的に回転可能に設けられている。
【0041】
一方のフレーム360の被駆動用磁気回転体311が設けられている側面には、複数の軸支部材361及びフレーム360の搬送方向最端部に中空軸モータ350が設けられており、該軸支部材361及び中空軸モータ350に支持されて搬送軸310と直交する方向に駆動軸320が設けられている。
【0042】
駆動軸320には複数の搬送軸310の被駆動用磁気回転体311と対向して駆動力を伝達する複数の駆動用磁気回転体321が設けられており、被駆動用磁気回転体311と駆動用磁気回転体321は磁気式動力伝達手段330を構成して駆動軸320からそれぞれの搬送軸310に駆動力を伝達する。
また、駆動軸320が中空軸モータ350に挿入されて回転方向固定され、中空軸モータ350により駆動軸320が支持されると同時に回転駆動される。
駆動用磁気回転体321は円筒表面に磁極を交互に配置した磁気円筒からなり、被駆動用磁気回転体311は円盤表面に磁極を交互に配置した磁気円盤からなる。
【0043】
本実施例では、駆動軸320が直接中空軸モータ350によって駆動され、駆動用磁気回転体321が被駆動用磁気回転体311と対向して搬送軸310に駆動力を伝達することで、摩耗や発塵、接触騒音等を軽減できるとともに、中空軸モータ350が駆動軸320の軸支を兼ねているため、軸支部材361を少なくすることができさらにローラコンベヤ装置300全体を小型化することができる。
また、中空軸モータ350がフレーム360の搬送方向最端部に設けられていることにより、中空軸モータ350へのアクセスが容易となりメンテナンス性が向上する。
【実施例4】
【0044】
次に、本発明の第4実施例であるローラコンベヤ装置について以下に詳しく説明する。
本発明の第4実施例であるローラコンベヤ装置400は、図12および図13に示すように、第1実施例と同様に、複数の搬送軸410がそれぞれの両端部付近をフレーム460に回転可能に支持されて並列配置されており、それぞれの搬送軸410の少なくとも一方のフレーム460を越えた端部には被駆動用磁気回転体411が設けられている。
また、それぞれの搬送軸410には搬送面を構成する複数の円盤状の搬送ローラ412が、搬送軸410と一体的に回転可能に設けられている。
【0045】
一方のフレーム460の被駆動用磁気回転体411が設けられている側面には、複数の軸支部材461及び複数の中空軸モータ450が設けられており、該軸支部材461及び中空軸モータ450に支持されて搬送軸410と直交する方向に駆動軸420が設けられている。
【0046】
駆動軸420には複数の搬送軸410の被駆動用磁気回転体411と対向して駆動力を伝達する複数の駆動用磁気回転体421が設けられており、被駆動用磁気回転体411と駆動用磁気回転体421は磁気式動力伝達手段430を構成して駆動軸420からそれぞれの搬送軸410に駆動力を伝達する。
また、駆動軸420が中空軸モータ450に挿入されて回転方向固定され、中空軸モータ450により駆動軸420が支持されると同時に回転駆動される。
【0047】
駆動用磁気回転体421は円筒表面に磁極を交互に配置した磁気円筒からなり、被駆動用磁気回転体411は円盤表面に磁極を交互に配置した磁気円盤からなる。
本実施例では、駆動軸420が直接中空軸モータ450によって駆動され、駆動用磁気回転体421が被駆動用磁気回転体411と対向して搬送軸410に駆動力を伝達することで、摩耗や発塵、接触騒音等を軽減できるとともに、中空軸モータ450が駆動軸420の軸支を兼ねているため、軸支部材461を少なくすることができさらにローラコンベヤ装置200全体を小型化することができる。
また、中空軸モータ450が複数設けられることで、ローラコンベヤ装置400全体を大型化することなく駆動力を増大することができる。
【0048】
さらに、複数の中空軸モータ450を適当な間隔を置いて配置することで、中空軸モータ450や駆動軸420に係る負荷を分散して低減することができ、駆動軸420の軸径を小さくし中空軸モータ450を小型化することが可能となるため、長スパンのコンベヤユニットにおいても出力を落とすことなく装置の小型化や騒音等の軽減を図ることができる。
【0049】
また、中空軸モータ450を同期モータとすることで、複数の中空軸モータ450の回転速度を容易に一致させることができ、駆動軸420を円滑に駆動してローラコンベヤ装置400による搬送を円滑に行い、騒音等を軽減することができるとともに、複数のコンベヤユニットを並べた場合でもコンベヤ速度を容易に一定にできる。
【0050】
また、上記第1実施例乃至第3実施例のローラコンベヤ装置100、200、300は、フレーム160、260、360の長さを所定の長さとしたものを1ユニットとし、該ユニットを搬送方向に適宜連結することにより任意の長さのローラコンベヤ装置とすることが可能である。
【0051】
そして、図14に示すように、例えば、フレーム360に6つの搬送軸310が回転可能に支持されて並列配置されたものを1ユニットとするローラコンベヤ装置300を搬送方向に並べた場合、中空軸モータ350を同期モータとすることで、複数の中空軸モータ350の回転速度を容易に一致させることができ、複数のユニットの駆動軸320を容易に同じ速度で駆動することができ、ローラコンベヤ装置による搬送を円滑に行い、騒音等を軽減することができる。
【0052】
また、上記第1実施例乃至第4実施例のローラコンベヤ装置100、200、300、400の中空軸モータ150、250、350、450は、フレーム160、260、360、460の上下方向の幅より小さく構成されており、ローラコンベヤ装置全体を小型化することができる。
【0053】
そして、図15、図16に示すように、例えば、フレーム160に6つの搬送軸110が回転可能に支持されて並列配置されたものを1ユニットとするローラコンベヤ装置100のユニットを重ねた場合、フレーム100同士がぴったりと重なることで小型化することができ、組立・移動・保管時にも小型化されるとともに取り扱いが容易となる。
【0054】
また、上記第1実施例乃至第4実施例の磁気式動力伝達手段は、例えば、図17及び図18に示すように、駆動用磁気回転体121(221、321、421)は円筒形状であり、被駆動用磁気回転体111(211、311、411)は円盤形状であって、駆動用磁気回転体121(221、321、421)と被駆動用磁気回転体111(211、311、411)の回転軸は同一平面上で直交している。
【0055】
駆動用磁気回転体121(221、321、421)と被駆動用磁気回転体111(211、311、411)の対向面には、回転によって磁極が交互に入れ替わるように配置されており、駆動用磁気回転体121(221、321、421)と被駆動用磁気回転体111(211、311、411)の対向する磁極同士の吸引、対向する隣の磁極との反発により回転が伝達される。図17、図18に示す実施例では、交互に配置される磁極数は8極であるが、必要とするトルクと回転の静粛性に応じて適宜の数を設定することができる。
【0056】
図17に示すものは、被駆動用磁気回転体111(211、311、411)の磁極が、内周から外周に向けて放射曲線状に配置されており、駆動用磁気回転体121(221、321、421)の磁極はそれと対向するために傾斜して配置され、回転時に対向位置に来る磁極の境界線が連続的に移動するため、吸引力及び反発力を生じる位置が駆動用磁気回転体121(221、321、421)の円筒の軸方向、被駆動用磁気回転体111(211、311、411)の円盤の周方向に滑らかに変化し、回転振動やトルク変動が少ない回転が可能である。
【0057】
図18に示すものは、被駆動用磁気回転体111(211、311、411)の磁極が扇状に配置されており、駆動用磁気回転体121(221、321、421)の磁極はそれと対向するために直線状に配置され、構造が単純となる。駆動用磁気回転体121(221、321、421)は円筒形状であり、被駆動用磁気回転体111(211、311、411)は円盤形状であるため、磁極の周速が駆動用磁気回転体121(221、321、421)では一定であるのに対し、被駆動用磁気回転体111(211、311)では内周と外周で異なるため、扇状、直線状の配置であっても滑りを生じて回転振動やトルク変動を吸収し滑らかに回転可能である。
【0058】
図17及び図18に示すように、磁気式動力伝達手段が、駆動側に設けられて円筒表面に磁極を交互に配置した磁気円筒と、被駆動側に設けられて円盤表面に磁極を交互に配置した磁気円盤とを有し、磁気円筒と磁気円盤の回転軸が、同一平面上で直交するように配置されていることにより、搬送軸と駆動軸が直交しつつ、磁気円筒が磁気円盤の前面の空間から大きくはみ出すことがないため、磁気式動力伝達装置全体をコンパクトにできるとともに、効率が良く振動やトルク変動の少ない動力伝達が可能となりローラコンベヤ装置全体を小さくすることができる。
なお、磁気式動力伝達手段は、他の形状のものとしても良い。
【符号の説明】
【0059】
100、200、300、400、500、600 ・・・ローラコンベヤ装置
110、210、310、410、510、610 ・・・搬送軸
111、211、311、411、511、611 ・・・被駆動用磁気回転体
112、212、312、412 ・・・搬送ローラ
120、220、320、420、520、620 ・・・駆動軸
121、221、321、421、521、621 ・・・駆動用磁気回転体
130、230、330、430、530、630 ・・・磁気式動力伝達手段
640 ・・・動力軸
641 ・・・動力用磁気回転体
150、250、350、450 ・・・中空軸モータ
160、260、360、460 ・・・フレーム
161、261、361、461 ・・・軸支部材
162 ・・・軸受
163 ・・・軸受
591 ・・・プーリー
592 ・・・ベルト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送物の搬送面を構成する複数の搬送ローラと、該複数の搬送ローラを軸着して回転可能に並列配置された複数の搬送軸と、該複数の搬送軸に直交する方向に設けられ搬送軸を駆動する駆動軸と、前記複数の搬送軸の両端を軸支するとともに前記駆動軸を軸支する軸支部材を有するフレームと、前記駆動軸に設けられた磁気回転体と各搬送軸に設けられた磁気回転体とが対向して動力伝達する磁気式動力伝達手段とを有するローラコンベヤ装置において、
前記駆動軸が、前記フレームに設けられた中空軸モータに挿入されて駆動されるように構成されていることを特徴とするローラコンベヤ装置。
【請求項2】
前記中空軸モータが、前記フレームに設けられた駆動軸を軸支する軸支部材の少なくとも一つを兼ねていることを特徴とする請求項1に記載のローラコンベヤ装置。
【請求項3】
前記中空軸モータが、前記フレームの最端部に設けられた駆動軸を軸支する軸支部材を兼ねていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のローラコンベヤ装置。
【請求項4】
前記中空軸モータが、前記フレームの複数個所に設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のローラコンベヤ装置。
【請求項5】
前記中空軸モータが、前記フレームの上下方向の幅より小さく構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1つに記載のローラコンベヤ装置。
【請求項6】
前記中空軸モータが、同期モータであることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1つに記載のローラコンベヤ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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