説明

ローラドリル或いはローラビット

【課題】運転時間或いは使用期間が先行技術に比べて改良されているローラドリル或いはローラビットを創作すること。
【解決手段】この発明は、同心円に中心軸線(M)を中心に形成されてローラドリルの前面(11)に対して円錐状に拡大する切断面(12)と、切断面(12)の内面に配置されて工具の前面(11)にまで延びている支持部材(15)とを備えて、アンダーカット原理に基く特に岩石、鉱物などのような材料を削り取るローラドリルに関する。先行技術に比べて運転時間或いは使用期間を改良させたローラドリル或いはローラビットを創作するために、この発明によると、切断面(12)が支持部材(15)としての硬質材料から成り、そして支持部材が少なくとも一つの外周壁(20)に円錐状リングウエブ(22)を形成し、このリングウエブがその内周壁(23)により自由空間(21)を工具の前面(11)に限定する。自由空間と異なった材料対とによって工具が独自に倣いできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、同心円に中心軸線を中心に形成されてローラドリルの前面に対して円錐状に拡大する切断面と、切断面の内面に配置されて工具の前面にまで延びている支持部材とを備えて、アンダーカット原理に基く特に岩石、鉱物などのような材料を削り取るローラドリル或いはローラビットに関する。
【背景技術】
【0002】
先行技術では、異なった種類の切断システムが知られていて、この切断システムにより採掘や道路工事の領域ではローラドリル或いはローラビットによってアンダーカット原理に基いて加工され得る。アンダーカット原理に基いて作動するローラドリル或いはローラビットは、ローラドリルがその中心軸線を中心に自由に回転できるように、ドリルヘッド或いは工具アームには例えば棒推力機により組立てられる片側の円錐状工具部材或いは円板を特徴とする。特に岩石、硬質岩石、或いは鉱物岩石のような材料のアンダーカット原理に基く削取りが薄い層に行われる。材料はドリルヘッドから出発して円錐状に拡大して、岩石を薄い層にアンダーカットして切り離す切断面によりほとんど掌の大きい部材に取り出される。高い削取り出力を得るために、ほとんど複数のローラビット或いはローラドリルが回転可能な及び/又は打撃重複により迅速に回転して駆動されるドリルヘッドに支承されている(例えばドイツ特許出願公開第19838195号明細書[特許文献1]或いは国際出願公開第92/10647号明細書[特許文献2])。
【0003】
アンダーカット原理に基いて作動するローラドリル或いはローラビットが片側のみに形成されて円錐状に拡大する切断面により斜めに採掘すべき岩石面に当接されるので、ローラビットの切断面と特に切断面の移行部における切断辺が前面にシステム条件付けで高い軸方向力にさらされている。この軸方向力は再び特に切断面の自由縁における切断辺では個々のローラビットのシステム条件付けで迅速な摩耗を奏する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】ドイツ特許出願公開第19838195号明細書
【特許文献2】国際出願公開第92/10647号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明の課題は、運転時間或いは使用期間が先行技術に比べて改良されているローラドリル或いはローラビットを創作することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題は、この発明によると、切断面が支持部材として硬質材料から成り立ち、そして支持部材が少なくとも外部周辺壁に円錐状に延びていて且つ内部周辺壁により工具の前面にて自由空間を形成するリングウエブを形成することによって解決される。硬化された或いはより硬質な切断面とより軟質な支持部材の異なった材料対の協力によって一方及び自由空間に支持部材の支持領域では即ち半径方向に観察されてそれぞれに切断面の後に、他方で比較的長い時間にわたり切断面の移行における切断辺が前面に独立に倣い形成され得る。自動倣い形成効果は、特に硬化された切断面の磨減りの際に支持部材の切断面に存在する軟質な材料が削り取るべき岩石によってしまい込まれ、それにより実質的に永久的に硬化された切断面が削り取るべき材料と接触作用することによって達成される。
【発明の効果】
【0007】
工具の独立倣いのこの発明による効果を達成させるために、自由空間が中空空間としてなど形成されることが無条件に必要なく;支持部材の後部の半径方向における自由空間がさらに軟質な材料により支持部材の材料として充填され得る。特に好ましい構成では、無論、自由空間が支持部材の背面で中空窪みとして形成されている。自由空間が工具の前面から少なくとも部分的に工具の切断面の軸方向膨張によって拡張されるときに、特に好ましい。自由空間が軸方向により深く形成されるならば深いほど、切断面の有効な軸方向長さが大きくなり、その際にローラドリルの切断辺の独立倣いが得られ得る。支持部材の後部の中空空間には、支持部材のしまい込まれた材料がさらに一時的に収集され得る。
【0008】
特に好ましい構成では、リングウエブがその内周壁と外周壁の間に正確に一定或いは実質的に一定厚さを有する。この構成は、ローラドリルが全使用期間にわたり倣いの際に同じ戻り力をローラドリルが使用される機械にもたらすという利点を有し、というのは、磨り減りと無関係に、硬質材料から成る切断面の軸方向短縮により、専ら硬質材料から成る切断辺が削り取るべき岩石に作用することを達成させるために、同じ横断面が軟質な支持部材材料によりしまい込まれなければならないからである。このために、目的に適って内周壁が円錐状に延びていて、それにより自由空間或いは窪みが同様に自由空間の底で円錐状に先細になっている。好ましい構成によると、内周壁の円錐角と切断面の円錐角が正確に同じであり得る。リングウエブのウエブ厚がほぼ一定であるときに、使用された材料対に応じて、十分である。この場合に、好ましくは内周壁の円錐角と切断面の円錐角が8°より少なく、特に5°より少なく、好ましくは2°より少なく互いにそれている。使用された材料対に応じて、ウエブ厚が変動でき、通常には、ウエブ厚が大抵2倍から10倍まで切断面の半径方向厚さより厚く形成される。一般に、ウエブ厚は、同時に軟質材料を迅速にしまい込みできるために、出来るだけ薄く形成されるべきである。
【0009】
この発明によるリング状支持部材により支持された硬質半径方向切断面を備えるローラドリル或いはローラビットが異なって構成され得る。好ましい構成によると、支持部材は円筒状首部分とリングウエブを形成する円錐状カラー部分とを有する。切断面はある実施態様ではリングウエブの円錐状に延びている外周壁に取付けられた表面硬化部或いは硬質層から成立つ。選択的に切断面はリングウエブの円錐状に延びている外周壁に固定された切断セグメント或いは硬質金属セグメントから成立つ。この切断セグメント或いは硬質金属セグメントは支持部材のリングウエブの外周壁に固定され得て、特に半田付けされ得る。切断セグメントの使用は、同心円に循環する切断面が比較的簡単に製造され得るという利点を有する。最高軸方向負荷の際さえ生じる切断セグメント或いは硬質金属セグメントを衝撃荷重或いは打ち抜きによる損傷から保護するために、切断セグメント或いは硬質金属セグメントが少なくとも一つのリング或いはカバー層によって覆われ得て、このリング或いはカバー層が切断面より軟質な材料から成立つ。それ故に、適切なリング或いは適切なカバー層が切断セグメントと切断面を支持部材に追加的に固定させる。リング或いはカバー層の材料が目的に適ってリングウエブの材料より柔らかく、この発明による工具の倣い効果をマイナス的に影響させない。
【0010】
代替的実施態様によると、切断面は円筒状首部分と円錐状カラー部分とを有する切断リングの構成部材であり、その内面には支持部材が当接しているか、或いは形成されている。全切断リングが硬質金属或いは他の耐摩耗性材料から成り得る。材料削取り用作業機の機械ヘッドの工具軸に適切なローラドリルを簡単な方法で固定できるために、ある実施態様では切断リング或いは支持部材が首部分の内部外套には斜面と共働して工具軸と分離自在に連結できるクランプ円板用の斜面とを有する。この場合に、首部分は工具軸の軸端を特に回転せずに収容する軸ヘッド収容部を備え得る。クランプ円板は斜面を備えるクランプカラーを有し、ボルトによって工具軸の軸端と連結できる。さらに選択的に、支持部材がそのリングウエブと分離可能に切断リングの内面に当接でき、リングウエブと一体に結合された床を有し、その床が軸方向に切断リングの首部分に対して工具軸の軸端へねじ込むボルト手段によって固定できる。
【0011】
この発明によるローラドリル或いはローラビットは特に好ましくは工具軸の軸端と連結され得て、工具軸が工具軸の軸柄の周辺に配置された二つの軸受並びに他の自由軸端を軸方向に支持する軸方向軸受によって機械ヘッドの軸収容部内に支持されている。機械ヘッドにおけるローラドリル用の工具軸の適切な支持は独自の発明的意義を有し、唯一の材料或いは均一な硬度を備える材料から成る一部材の切断面を有するローラドリルでも使用できる。
【0012】
支持部材が例えば鋼から成り、切断面が支持部材の外周における表面硬化部或いは例えば塗布溶接によって塗布された硬質層から成り得るか、或いは例えば切断面、切断リング或いは切断セグメント用の硬質金属並びに支持部材用の鋼などのような最初から異なった材料が問題になる。
【0013】
この発明の更なる利点と構成は、図面に概略的に示されたこの発明によるローラドリル或いはローラビットの実施態様用の次の詳細な説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】機械ヘッドに支承された複数のこの発明によるローラビットをアンダーカット原理に基く作業する機械ヘッドにおける平面図を概略的に強力に簡略化する。
【図2】部分的に分解された図1の側面図から機械ヘッドを示す。
【図3】この発明によるローラドリルを前面における平面図で示す。
【図4】図3によるローラドリルを通る水平図を示す。
【図5】第二実施例によるローラドリルを切断面における平面図で示す。
【図6】第三実施例による切断セグメントを備えるローラドリルを示す。
【図7】第四実施例によるローラドリルを切断面で示す。
【図8】第五実施例によるローラドリルを切断面で示す。
【図9】第六実施例によるローラドリルを示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1と2は、概略的に図示された解体前面1において岩石のような材料を解体するその他にさらに図示されていない機械から、駆動軸3によって機械ヘッド2の中心軸線を中心に回転する機械ヘッド2を示す。この機械ヘッド2は例えば駆動軸3を介してトンネル掘進機、区間掘進機、部分切断機或いは完全切断機又は打撃重複により作業する機械に支承され得る。示された実施例では、機械ヘッド2は三つの軸ヘッド収容部5を有し、この収容部には、それぞれ一つの工具軸6が支承されている。各工具軸6の前面2’には機械ヘッド2から外へ突き出す自由軸端7には、全体に符号10で示されてアンダーカット原理に基づいて作業するローラドリルが回転しなく固定される。既に図2で良く認められるように、ローラドリル或いはローラビットの際に周辺に自由前面11で円錐状に拡大する切断面12を備える片面の円錐状切断円板が用いられる。工具軸6が工具軸6の回転軸線Mを中心に収容部5内に回転可能に支承されて、支持が工具軸6の柄に当接してスリーブ8を介して二つの互いに間隔を置いた半径方向軸受30並びにカバー板32に逆支承されている後部軸端7’に対して当接する他の軸方向軸受31によって行われ、カバー板32が複数のボルト33によって機械ヘッド2の背面に固定されて、軸収容部5を閉鎖する。ローラビット10と安全リング34の分解された際に工具軸6が機械ヘッド2の背面における軸収容部5から引き出され得る。図2の上半径方向軸受30が開放軸受を形成し、下軸方向軸受31が固定軸受を形成する。全軸収容部5が軸パッキング59によって汚染や湿気の侵入から保護されている。軸方向軸受31は高い軸方向力にさえ、後部軸端7’における工具軸6の最外有効支持を考慮し、軸方向力が材料部材1’のアンダーカット切離しの際に図2に示されるように、解体前面1にて生じ得る。
【0016】
稼働開始には、機械ヘッド2が作業方向Aにおいて作業機械の旋回アーム或いは運動によって移動される。同時に機械ヘッド2が中心軸線を中心に矢印方向Rに(図1)回転する。工具軸6が自由回転するように支承されているので、ローラビット10が中心軸線Mを中心に回転するように移動され得て、図2で切断されて図示された黒い梁として図示されている切断面12が均一に周辺にわたり磨り減らされる。ローラビット10における円錐状或いは楔状切断面12と機械ヘッド2の回転運動によって、削り取るべき材料が層状に矢印Aの方向にアンダーカットして削り取られる。
【0017】
図3と4は、図1と2からローラビット10を詳細に示す。図3は、円錐状に外周14で拡大する切断面12を備えて稼働開始において機械ヘッドに向いて位置する下面13に関する図を形成する。ローラビット10はずっしりした一部材の支持部材15を有し、この支持部材が一体に工具軸7(図2)の自由端用の軸ヘッド収容部16を備えて並びに中心軸線Mに対して同心円に固定ボルト9用の中央孔17(図2)を備えていて、支持部材を回転しなく工具軸の軸端と連結させる。特に鋼から成る支持部材15が周辺に円筒状首部分18を有し、この首部分がローラビット10の下面13から延びている。首部分18は一体に円錐状に拡大するカラー部分19に移行する。支持部材15のカラー部分19の円錐状外周壁20には、切断面12が形成されていて、この切断面はここで表面硬化部或いは硬質金属塗布層から成る。切断面12はこの発明によると特に明らかに支持部材15の材料として耐摩耗性且つ硬質材料から成る。切断面12を形成する硬質金属層カバー或いは表面硬化部が均一に循環してカラー部分19の外周壁20のわたり延びている。軸ヘッド収容部16と反対を向いて位置する中心軸線Mに対して垂直に傾斜されて延びているローラビット10の前面11は同時に中央窪み21を備えていて、この窪みが支持部材15の軸方向長さのおよそ三分の一にわたり延びている。例えば支持部材15の前面11におけるねじれ或いは他に製造された余白から成る窪み21は、支持部材19の横断面を前面11に準備された材料にて狭いリングウエブ22に限定する。狭いリングウエブ22は半径方向に、即ちローラビット10の中心軸線Mに垂直に窪み21の底23から前面11にまで同じままのウエブ厚さを有する。窪み21は自由空間を形成し、硬質切断面12と軟質なウエブ状支持部材15の異なった材料対と一緒に、ローラビット10の切断面12の独自の倣いを奏するか、或いは支持する。切断面12がアンダーカット削り取りの際に削り取る材料と作用するので、切断面12が特に縁辺14にてゆっくりと磨り減される。無論、切断辺14が磨り減される直ぐに、前面11における支持部材15の本質的軟質な材料が削り取るべき材料によって直ぐにしまい込まれ、そのために、いつも僅かに傾斜されて硬化された切断辺14が切断面12の移行部にて前面11に削り取るべき材料と作用する。この独自の倣い効果が図4に示された摩耗限界線Vにまで調整し、この限界線が窪み21の底23の上部に僅かに存在し、その限界線にまで各ローラビット10が機械ヘッドに案内される実質的に同じままの戻り力の際に摩耗され得る。リングウエブ22の同じままの半径方向厚さは、ローラビット10の際に図3と4で実質的に、支持部材15のリングウエブ22として形成されたカラー部分19の内周壁24が実質的に中心軸線Mに対して切断面12或いは外周壁20と同じ円錐角或いは傾斜角で延びていることによって支持される。円錐角或いは傾斜角は示された実施例ではおよそ45°である。
【0018】
図5は他の実施例によるローラビット60を示す。以前の実施例の際にローラビット60が円錐状に外辺64で各する切断面62を備える一部材の支持部材65を有する。支持部材65の下面の中央ではさらに円筒状首部分66に工具軸の軸端用の軸ヘッド収容部67が形成されている。以前の実施例と相違して、無論、切断面62が表面硬化部或いは塗布層から生じなく、むしろ円錐状に拡大する切断面62が複数のここで17個の切断セグメントによって形成され、これら切断セグメントが支持部材65の円錐状外周壁に半田付けされているか、或いは他の形式に固定されている。各切断セグメント90がこの発明によると、支持部材65の材料として明白により高い硬度を有し、支持部材65は円錐状に拡大する外周壁には切断セグメント90が支持されるカラー部分の半径方向後部にリングウエブを有し、このリングウエブが自由空間として窪みを備えていて、切断セグメント90により形成された切断面62にも、独自倣いを得る。
【0019】
図6には、ずっしりした一部材の支持部材115を備えるローラビット110用の他の実施例が示されて、支持部材が一体に軸ヘッド収容部116を包囲する首部分と軸ヘッド収容部に接続して円錐状に拡大するカラー部分119とを有し、カラー部分が中央に窪み121を備えているので、切断面112の背面には、専ら支持部材115の支持する部材としての一定厚さを備えるリングウエブが形成されている。図5の実施例では、切断面112が循環する硬化部から形成されなく、むしろ個々の切断セグメント140から成り、切断セグメントがリングウエブ122の円錐状に外方に拡大する外周壁120に半田付けされている。以前の実施例と相違して、全切断セグメント140が循環してカバー層145により切断面112の全軸方向長さにわたりカバーされている。示された実施例では、カバー層145がほぼ切断辺114から切断面112の移行部にて前面111に首部分118の円筒状周辺にまで延びている。連続的カバー層の代わりに、一つの或いは複数のリングが、カラー部分119の領域のリング状支持部材において係留を支持するために、個々のセグメント140の周りに循環できる。カバー層145或いはリングの材料が特に切断セグメント140の材料より著しく軟質であるか、或いは支持部材115の材料より軟質か或いは少なくともと同様な軟質である。カバー層145は例えば半田付けされ得る。
【0020】
図7には、ローラビット210が図示されていて、このローラビットでは、支持部材215がさらに首部分218と円錐状に拡大するカラー部分219とを有し、このカラー部分が前面211の窪み221に基づいて半径方向に切断面212の後部に円錐状に延びている外周壁220を備えるリングウエブ222まで並びにこのために平行に延びている内周壁224に先細になっている。切断面212が表面硬化部、半田付けされた摩耗層或いは塗布された切断セグメントから成り、リングウエブ222の支持部材の材料より硬質である。工具軸206の軸端207に支持部材215を回転しなく固定することは、ここで別体のクランプ円板235によって行われ、このクランプ円板が固定ボルト209によって軸端207に対してねじ込まれ得る。軸端207は複数に段状に形成され、中央に袋孔227と外部に段部228とを有する。軸端207の外段部228には、円筒状中央孔225を備える支持部材215の首部分218が当接する。支持部材215はその中央孔225により軸端207の段部228に嵌め込まれる。窪み221の底223の中央孔225の移行部には、斜めクランプ面226が形成されていて、このクランプ面に対して逆斜面236を備えるクランプリング235がその周辺にボルト209の引き締めによって締め付けできる。両斜めクランプ面226、236の協働は支持リング215を軸端207に対して締め付けるので、この支持リングが回転しなく且つ同時に分離可能に工具軸206に固定される。支持部材215の材料が切断面212の材料より著しく軟質であり、それにより窪み221と協働作用して、切断面212における倣い効果が調整される。
【0021】
図8は、この発明によるローラビット310の他の実施例を示し、このローラビットが工具軸の複数の段になった軸端307に固定できる。ローラビット310は切断リング346を有し、この切断リングが円筒状首部分347と円錐状に外方にウエブ状に拡大するカラー部分348とを有する。このカラー部分は外部周壁により岩石からアンダーカット削取りする切断面312を形成する。全切断リング346が支持部材315としての耐摩耗性材料から成り、この支持部材がローラビット310では同時に固定ボルト309によって軸端307に切断リング346を固定させるクランプ部材を形成する。倣い効果を得られ得るために、同時にクランプ要素を形成する支持部材315がリングウエブ状に外方に拡大するカラー部分319を有し、このカラー部分が床部分375に移行し、床部分が支持部材315の内周壁324の内部に自由空間を限定する。支持部材315が切断リング346に当接するか、或いはこの切断リングとしっかりと連結されているけれども、組立て状態では、リングウエブ状カラー部分319がその外周壁320により切断リング346の外套内面348’に対して当接するか、或いは押圧する。軸端307に切断リング346を回転しなく係留することは、軸端307のクランプ斜面326並びに切断リング346の下面の移行部におけるクランプ斜面336の協働によって切断リング346の中央孔325に達成される。ローラビット310の際にも、自由空間321のこの発明により企図された組合せと一方で切断リング346と、他方で支持部材315の半径方向に切断面312の後部に先細になったリングウエブ322との異なった材料とによって、それぞれの切断辺が独自に倣い得る。
【0022】
図9は、ローラビット410用の第六実施例を示し、この実施例はさらに固定ボルト409によって段状軸端407に回転しなく固定され得る。ここでも、切断面412が切断リング446に硬質金属などから形成され、切断リング446には円錐状に拡大する周面により形成される。軸端307における切断リング446の係留はクランプ円板435によって行われ、クランプ円板が周縁にはクランプ斜面436を有し、この斜面が切断リング446における他のクランプ斜面426に対して押圧する。支持部材415はローラビット410の際に無論、平行四辺状横断面を備えるリング部材と互いに平行な外周壁420と内周壁423から成る。支持部材は切断リング446のウエブ状カラー部分428の内周壁428’に半田付けられるか、或いは係留される。支持リング415は出来るだけ薄く形成され、一体に切断リング446に形成されたアンダーカット処理用の切断面412が安定に十分に形成されている。
【0023】
全実施例では、切断面の材料が支持部材の材料より明白に高い剛性或いは硬度を有する。異なった硬度が使用目的に応じて変動できる。支持部材用の鋼の使用と切断面用の塗布溶接によって塗布された硬質金属が保護範囲をこれらに限定することなしに、模範的のみである。
【符号の説明】
【0024】
1.....削取り(対称)前面
2.....機械ヘッド
3.....駆動軸
4.....中心軸線
5.....軸ヘッド収容部
6.....工具軸
7,207,307.....軸端
7’....後部軸端
8.....スリーブ
9,209,309,409....ボルト
10,110,210,310,410....ローラドリル或いはローラビット
11....前面
12,62,212,312,412....切断面
13....下面
14....縁辺
15,65,115,215,315,415....支持部材
16,116....軸ヘッド収容部
17....中央孔
18,66,218....首部分
19,119,219,319....カラー部分
20,120,320....外周壁
21,221....窪み
22,222,322....リングウエブ
23,223....底
24,324,423....内周壁
90....切断セグメント
140...セグメント
145...カバー層
226,236,426,436...斜めクランプ面
228...外段部
235...クランプリング
326,336...クランプ斜面
346,446...切断リング
375...底部分
435...クランプ円板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
同心円に中心軸線(M)を中心に形成されてローラドリルの前面(11)に対して円錐状に拡大する切断面(12)と、切断面(12)の内面に配置されて工具の前面(11)にまで延びている支持部材(15)とを備えて、アンダーカット原理に基く特に岩石、鉱物などのような材料を削り取るローラドリルにおいて、切断面(12)が支持部材(15)としての硬質材料から成り、そして支持部材が少なくとも一つの外周壁(20)に円錐状リングウエブ(22)を形成し、このリングウエブがその内周壁(23)により自由空間(21)を工具の前面(11)に限定することを特徴とするローラドリル。
【請求項2】
自由空間(21)が窪みとして形成されていることを特徴とする請求項1に記載のローラドリル。
【請求項3】
中空自由空間(21)が前面(11)から少なくとも部分的に工具の切断面(12)の軸方向膨張によって拡大されることを特徴とする請求項1或いは2に記載のローラドリル。
【請求項4】
リングウエブ(22)が内周壁(23)と外周壁(20)の間に一定厚さ或いは実質的に一定厚さを有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のローラドリル。
【請求項5】
内周壁(23)が円錐状に延びていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のローラドリル。
【請求項6】
内周壁(23)の円錐角と切断面(12)の円錐角とが同じであか、或いは8°より僅かなだけ、特に5°より僅かなだけ、好ましくは2°より僅かなだけ互いにそれていることを特徴とする請求項5に記載のローラドリル。
【請求項7】
支持部材(15;115;215)が円筒状首部分(18;118;218)と円錐状にリングウエブ(22;122;222)を形成するカラー部分(19;119;219)とを有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のローラドリル。
【請求項8】
切断面(12;212)がリングウエブ(22;222)の円錐状に延びている外周壁(220)に塗布された表面硬化部或いは硬質層から成ることを特徴とする請求項7に記載のローラドリル。
【請求項9】
切断面(12;212)がリングウエブ(122)の円錐状に延びている外周壁(120)に固定された切断セグメント(90;140)或いは硬質金属セグメントから成ることを特徴とする請求項7に記載のローラドリル。
【請求項10】
切断セグメント(140)が少なくとも一つのリング或いはカバー層(145)によってカバーされていて、このカバー層が切断面(112)の材料としての軟質材料から成ることを特徴とする請求項9に記載のローラドリル。
【請求項11】
リング或いはカバー層(145)の材料がリングウエブ(122)の材料より軟質であることを特徴とする請求項9に記載のローラドリル。
【請求項12】
切断面(312;412)が硬質金属などから成る切断リング(346;446)の構成部材であり、この構成部材が円筒状首部分(347;447)と円錐状カラー部分(348;448)とを有し、それらの内面には支持部材(315;415)が当接されるか、或いは形成されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のローラドリル。
【請求項13】
切断リング(346)或いは支持部材(215;415)が首部分(218;347;447)の内孔(225;325;425)にはクランプ斜面と共働して且つ工具軸と分解可能に結合できるクランプ円板(235;315;435)用のクランプ斜面(226;326;426)を有することを特徴とする請求項7乃至12のいずれか一項に記載のローラドリル。
【請求項14】
クランプ円板(235;435)が勾配を備えるクランプ斜面(226;426)を有し、ボルトによって工具軸の軸端と結合できることを特徴とする請求項13に記載のローラドリル。
【請求項15】
首部分(118)が工具軸の軸端を回転しなく収容する軸ヘッド収容部(116)を有することを特徴とする請求項1乃至14のいずれか一項に記載のローラドリル。
【請求項16】
支持部材(315)はそのリングウエブ(322)により特に分解可能に切断リング(346)の内面(348’)に当接して、一体にリングウエブと結合された底(375)を有し、その底が軸方向に切断リング(346)の首部分(347)に対して工具軸の軸端にねじ込まれるボルト手段(309)によって締め付けできることを特徴とする請求項1乃至15のいずれか一項に記載のローラドリル。
【請求項17】
支持部材或いは切断リングが工具軸の軸端と結合されていて、この工具軸が軸柄の周辺に配置された二つの軸受(30)並びに他の軸端(7’)を軸方向に支持する軸方向軸受(31)によって機械ヘッド(2)の軸収容部(5)に支持されていることを特徴とする請求項1乃至16のいずれか一項に記載のローラドリル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2010−539353(P2010−539353A)
【公表日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−524357(P2010−524357)
【出願日】平成19年9月18日(2007.9.18)
【国際出願番号】PCT/EP2007/008120
【国際公開番号】WO2009/036781
【国際公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(506205996)ビュサイラス・ヨーロッパ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング (3)
【Fターム(参考)】