説明

ローラハースキルン、速度差補正方法、および速度差補正筒部材

【課題】被処理物の速度差を補正可能なローラハースキルン、速度差補正方法、および速度差補正筒部材を提供することを課題とする。
【解決手段】ローラハースキルン1は、搬送方向に延在する複数の被処理物行X1〜X3を形成する複数の被処理物90に熱処理を施す熱処理区間A2と、熱処理区間A2に配置され、複数の被処理物90を搬送する複数のローラ30と、ローラ30の外周面に脱着可能に配置され、ローラ30一回転あたりの被処理物90の搬送長を長くすることにより、複数の被処理物行X1〜X3間の搬送速度の速度差を補正する速度差補正筒部材5と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転する複数のローラにより被処理物を搬送するローラハースキルン、当該被処理物の速度差補正方法、および当該ローラに取り付けられる速度差補正筒部材に関する。
【背景技術】
【0002】
図10(a)に、理想的な搬送状態で被処理物を搬送する従来のローラハースキルンの模式上面図を示す。図10(b)に、実際の搬送状態で被処理物を搬送する従来のローラハースキルンの模式上面図を示す。図10(a)、図10(b)においては、一列ごとに被処理物110にハッチングを施して示す。
【0003】
図10(a)、図10(b)に示すように、ローラハースキルン100は、多数のローラ101を備えている。多数のローラ101は、各々、軸受により支持されている。多数のローラ101は、各々、自身の軸回りに回転可能である。多数のローラ101には、多数の被処理物110が並べられている。具体的には、左右方向に延在する被処理物行X101〜X103が、上下方向に並置されている。
【0004】
上流側(左側)のローラ101から下流側(右側)のローラ101に次々と被処理物110が受け継がれることにより、被処理物110は炉内を搬送される。すなわち、被処理物110は、搬入区間A100→熱処理区間A101→搬出区間A102と連なる搬送経路を、多数のローラ101により搬送される。熱処理区間A101においては、雰囲気制御が行われている。雰囲気を確保するため、熱処理区間A101の上流端には扉102が、下流端には扉103が、各々、配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平5−27592号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
図10(a)に示すように、理想的には、被処理物行X101〜X103の搬送速度は一定である方が好ましい。この場合、被処理物列Y101〜Y122は、前後方向に延在することになる。また、隣り合う被処理物列Y101〜Y122同士は、互いに平行になる。このため、扉103の手前において、被処理物列Y122が前後方向に直線状に並びやすい。したがって、扉103により、被処理物列Y122を形成する三つの被処理物110を、一度に払い出しやすい。すなわち、被処理物列Y101〜Y122毎に、熱処理区間A101から、被処理物110を搬出しやすい。
【0007】
しかしながら、図10(b)に示すように、実際には、被処理物行X101〜X103の搬送速度は一定になりにくい。その理由としては、ローラ101の成形精度、軸受の位置精度、軸受に対するローラ101の取付精度などが挙げられる。この場合、被処理物列Y101〜Y122は、前後方向に対して、傾斜して延在することになる。また、隣り合う被処理物列Y101〜Y122同士は、互いに平行にならない。このため、扉103の手前において、被処理物列Y122が前後方向に直線状に並びにくい。したがって、扉103により、被処理物列Y122を形成する三つの被処理物110を、一度に払い出しにくい。
【0008】
このように、実際には、被処理物列Y101〜Y122毎に、熱処理区間A101から、被処理物110を搬出しにくい。このため、同じ被処理物列Y101〜Y122を形成する三つの被処理物110間において、熱処理時間がばらついてしまう。また、同じ被処理物列Y101〜Y122を形成する三つの被処理物110を、熱処理区間A101から一度に払い出そうとすると、扉103の開時間が長くなる。このため、熱処理区間A101の雰囲気確保、温度確保が困難になる。
【0009】
特許文献1には、螺旋状のフィンが外周面に形成されたローラを有するローラハースキルンが開示されている。同文献記載のローラハースキルンによると、フィンにより、ローラの軸方向中央部に、搬送中の被処理物を寄せることができる。このため、被処理物の蛇行を抑制することができる。しかしながら、同文献には、複数の被処理物行間の搬送速度の速度差については、開示されていない。また、当該速度差を補正する方法についても、開示されていない。
【0010】
本発明のローラハースキルン、速度差補正方法、および速度差補正筒部材は、上記課題に鑑みて完成されたものである。本発明は、被処理物の速度差を補正可能なローラハースキルン、速度差補正方法、および速度差補正筒部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(1)上記課題を解決するため、本発明のローラハースキルンは、搬送方向に延在する複数の被処理物行を形成する複数の被処理物に熱処理を施す熱処理区間と、該熱処理区間に配置され、複数の該被処理物を搬送する複数のローラと、該ローラの外周面に脱着可能に配置され、該ローラ一回転あたりの該被処理物の搬送長を長くすることにより、複数の該被処理物行間の搬送速度の速度差を補正する速度差補正筒部材と、を備えることを特徴とする。
【0012】
ローラの径が大きいほど、ローラの外周面の周長が長くなる。このため、複数のローラの回転速度が全て等しい場合、ローラの径が大きいほど、一回転あたりのローラの周方向移動距離が長くなる。ここで、被処理物は、ローラの外周面により搬送される。したがって、ローラの径が大きいほど、一回転あたりの被処理物の搬送長が長くなる。言い換えると、被処理物の搬送速度が速くなる。反対に、ローラの径が小さいほど、一回転あたりの被処理物の搬送長が短くなる。言い換えると、被処理物の搬送速度が遅くなる。
【0013】
ローラの外周面に速度差補正筒部材を配置すると、ローラの径を、見かけ上、大きくすることができる。このため、ローラ一回転あたりの被処理物の搬送長を長くすることができる。したがって、搬送速度を速くすることができる。よって、ローラにおける、搬送速度が遅い被処理物行に対応する部分に、速度差補正筒部材を配置すると、当該被処理物行の搬送速度を速くすることができる。このため、複数の被処理物行間の搬送速度の速度差を補正することができる。
【0014】
(1−1)好ましくは、上記(1)の構成において、複数の前記ローラに対する、前記速度差補正筒部材の配置数により、前記速度差を補正する構成とする方がよい。速度差補正筒部材の配置数を多くすると、当該速度差補正筒部材が配置された部分に対応する被処理物行の搬送速度の増加量を、大きくすることができる。反対に、速度差補正筒部材の配置数を少なくすると、当該速度差補正筒部材が配置された部分に対応する被処理物行の搬送速度の増加量を、小さくすることができる。
【0015】
(1−2)好ましくは、上記(1)または(1−1)の構成において、複数の前記ローラに対する、前記速度差補正筒部材の径により、前記速度差を補正する構成とする方がよい。速度差補正筒部材の径を大きくすると、当該速度差補正筒部材が配置された部分に対応する被処理物行の搬送速度の増加量を、大きくすることができる。反対に、速度差補正筒部材の径を小さくすると、当該速度差補正筒部材が配置された部分に対応する被処理物行の搬送速度の増加量を、小さくすることができる。
【0016】
(2)好ましくは、上記(1)の構成において、さらに、前記熱処理区間の下流端を外部から遮断する扉を備え、前記速度差補正筒部材は、該扉付近の前記ローラに配置される構成とする方がよい。
【0017】
以下、熱処理区間の上流端において、被処理物行に対して直交する方向に、複数の被処理物が並んで形成される列を、「被処理物列」という。例えば、図10(b)の被処理物列Y121のように、熱処理区間A101の下流端において、被処理物行X101〜X103に対して直交する方向に、複数の被処理物110が並んでいない場合であっても、熱処理区間A101の上流端において、被処理物行X101〜X103に対して直交する方向に、複数の被処理物110が並んでいれば(被処理物列Y101参照)、ここでいう「被処理物列」に含まれる。
【0018】
本構成によると、扉付近において、複数の被処理物行間の搬送速度の速度差を補正することができる。このため、同じ被処理物列を形成する複数の被処理物を、扉から、一度に払い出しやすくなる。したがって、同じ被処理物列を形成する複数の被処理物間において、熱処理時間がばらつきにくい。また、扉の開時間が短くなるため、熱処理区間の温度確保が簡単になる。また、熱処理区間が雰囲気制御されている場合、扉の開時間が短くなるため、雰囲気確保が簡単になる。
【0019】
(3)好ましくは、上記(1)または(2)の構成において、前記熱処理区間は、前記被処理物を冷却する冷却区間を有し、前記速度差補正筒部材は、該冷却区間に配置される構成とする方がよい。
【0020】
本構成によると、速度差補正筒部材が加熱区間に配置されている場合と比較して、速度差補正筒部材に加わる熱負荷が小さくなる。このため、速度差補正筒部材の寿命が長くなる。また、速度差補正筒部材に使用できる材料選択の自由度が高くなる。
【0021】
(4)好ましくは、上記(1)ないし(3)のいずれかの構成において、前記ローラは、セラミック製である構成とする方がよい。セラミック製のローラは、成形、焼結という工程を経て製造される。このため、金属製やカーボン製のローラと比較して、寸法精度が低くなる。したがって、複数の被処理物行間において、搬送速度の速度差が発生しやすい。
【0022】
また、ローラの径にばらつきがある場合、ローラの外周面の周長がばらついてしまう。このため、複数の被処理物行間において、搬送速度の速度差が発生しやすい。例えば金属製やカーボン製のローラの場合、肉盛加工や切削加工により、ローラの径のばらつきを補正することができる。つまり、搬送速度の速度差を補正することができる。これに対して、セラミック製のローラの場合、肉盛加工や切削加工により、ローラの径のばらつきを補正することは困難である。つまり、搬送速度の速度差を補正することが困難である。
【0023】
このように、セラミック製のローラの場合、複数の被処理物行間において搬送速度の速度差が発生しやすく、また速度差を補正しにくい。本構成によると、セラミック製のローラに速度差補正筒部材を配置することにより、簡単に、複数の被処理物行間における搬送速度の速度差を補正することができる。
【0024】
(5)好ましくは、上記(4)の構成において、前記速度差補正筒部材における前記被処理物との接触面は、セラミック製である構成とする方がよい。被処理物の種類によっては、金属スケールの混入を嫌うものがある。本構成によると、速度差補正筒部材における被処理物との接触面がセラミック製である。並びに、ローラがセラミック製である。このため、被処理物に金属スケールが混入しにくい。
【0025】
(6)上記課題を解決するため、本発明の速度差補正方法は、上記(1)ないし(5)のいずれかの構成のローラハースキルンの速度差補正方法であって、前記速度差補正筒部材を配置せずに前記ローラハースキルンを運転することにより、複数の前記被処理物行間の搬送速度の速度差を検出する速度差検出工程と、前記ローラにおける、最も該搬送速度が遅い該被処理物行に対応する部分に、該速度差補正筒部材を配置することにより、該速度差を補正する筒部材配置工程と、を有することを特徴とする。
【0026】
本発明の速度差補正方法は、速度差検出工程と筒部材配置工程とを有する。速度差検出工程においては、速度差補正筒部材を配置せずに、ローラハースキルンを運転する。そして、複数の被処理物行間の搬送速度の速度差を検出する。筒部材配置工程においては、ローラにおける、最も搬送速度が遅い被処理物行に対応する部分に、速度差補正筒部材を配置する。そして、複数の被処理物行間の搬送速度の速度差を補正する。
【0027】
異種の複数のローラハースキルン間においては勿論、同種の複数のローラハースキルン間においても、搬送速度の速度差の出方は一定ではない。例えば、同種の複数のローラハースキルン間において、あるローラハースキルンではN(Nは自然数)番目の被処理物行の搬送速度が最も遅く、別のローラハースキルンではM(MはN以外の自然数)番目の被処理物行の搬送速度が最も遅い場合がある。このため、複数のローラハースキルン間において、画一的に、搬送速度の速度差の補正を行うのは困難である。
【0028】
この点、本発明の速度差補正方法によると、実際の運転結果を基に、複数の被処理物行間の搬送速度の速度差を補正することができる。このため、ローラハースキルンの個体差に応じて、複数の被処理物行間の搬送速度の速度差を補正することができる。
【0029】
(6−1)好ましくは、上記(6)の構成において、前記筒部材配置工程においては、複数の前記ローラに対する、前記速度差補正筒部材の配置数により、前記速度差を補正する構成とする方がよい。速度差補正筒部材の配置数を多くすると、当該速度差補正筒部材が配置された部分に対応する被処理物行の搬送速度の増加量を、大きくすることができる。反対に、速度差補正筒部材の配置数を少なくすると、当該速度差補正筒部材が配置された部分に対応する被処理物行の搬送速度の増加量を、小さくすることができる。
【0030】
(6−2)好ましくは、上記(6)または(6−1)の構成において、前記筒部材配置工程においては、複数の前記ローラに対する、前記速度差補正筒部材の径により、前記速度差を補正する構成とする方がよい。速度差補正筒部材の径を大きくすると、当該速度差補正筒部材が配置された部分に対応する被処理物行の搬送速度の増加量を、大きくすることができる。反対に、速度差補正筒部材の径を小さくすると、当該速度差補正筒部材が配置された部分に対応する被処理物行の搬送速度の増加量を、小さくすることができる。
【0031】
(7)上記課題を解決するため、本発明の速度差補正筒部材は、搬送方向に延在する複数の被処理物行を形成する複数の被処理物に熱処理を施す熱処理区間と、該熱処理区間に配置され、複数の該被処理物を搬送する複数のローラと、を備えるローラハースキルンの、該ローラの外周面に脱着可能に配置され、該ローラ一回転あたりの該被処理物の搬送長を長くすることにより、複数の該被処理物行間の搬送速度の速度差を補正することを特徴とする。
【0032】
ローラの径が大きいほど、ローラの外周面の周長が長くなる。このため、複数のローラの回転速度が全て等しい場合、ローラの径が大きいほど、一回転あたりのローラの周方向移動距離が長くなる。ここで、被処理物は、ローラの外周面により搬送される。したがって、ローラの径が大きいほど、一回転あたりの被処理物の搬送長が長くなる。言い換えると、被処理物の搬送速度が速くなる。反対に、ローラの径が小さいほど、一回転あたりの被処理物の搬送長が短くなる。言い換えると、被処理物の搬送速度が遅くなる。
【0033】
ローラの外周面に速度差補正筒部材を配置すると、ローラの径を、見かけ上、大きくすることができる。このため、ローラ一回転あたりの被処理物の搬送長を長くすることができる。したがって、搬送速度を速くすることができる。よって、ローラにおける、搬送速度が遅い被処理物行に対応する部分に、速度差補正筒部材を配置すると、当該被処理物行の搬送速度を速くすることができる。このため、複数の被処理物行間の搬送速度の速度差を補正することができる。
【発明の効果】
【0034】
本発明によると、被処理物の速度差を補正可能なローラハースキルン、速度差補正方法、および速度差補正筒部材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】第一実施形態のローラハースキルンの長手方向一部の斜視図である。
【図2】図1のII−II方向断面図である。
【図3】図1の右端のローラの部分斜視図である。
【図4】図3の区間IVの分解斜視図である。
【図5】図3のV−V方向断面図である。
【図6】図6(a)は、同ローラハースキルンの模式上面図である。図6(b)は、図6(a)の簡略図である。
【図7】第二実施形態のローラハースキルンの模式上面図(簡略図)である。
【図8】図8(a)は、小径の速度差補正筒部材の斜視図である。図8(b)は、中径の速度差補正筒部材の斜視図である。図8(c)は、大径の速度差補正筒部材の斜視図である。
【図9】分割タイプの速度差補正筒部材の分解斜視図である。
【図10】図10(a)は、理想的な搬送状態で被処理物を搬送する従来のローラハースキルンの模式上面図である。図10(b)は、実際の搬送状態で被処理物を搬送する従来のローラハースキルンの模式上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明のローラハースキルン、速度差補正方法、および速度差補正筒部材の実施の形態について説明する。
【0037】
<第一実施形態>
[ローラハースキルンの構成]
まず、本実施形態のローラハースキルンの構成について説明する。図1に、本実施形態のローラハースキルンの長手方向(左右方向)一部の斜視図を示す。図2に、図1のII−II方向断面図を示す。
【0038】
図1、図2に示すように、ローラハースキルン1は、ハウジング2と、多数のローラアセンブリ3と、多数のヒータ4と、多数の速度差補正筒部材5と、を備えている。なお、ローラハースキルン1の左側が、上流側(搬入側)に相当する。また、ローラハースキルン1の右側が、下流側(搬出側)に相当する。
【0039】
(ハウジング2)
ハウジング2は、ハウジング本体20と、熱処理室21と、多数のローラ挿通孔22と、多数のヒータ挿通孔23と、駆動側ブラケット24と、従動側ブラケット25と、を備えている。
【0040】
ハウジング本体20は、外壁200と、断熱材201と、を備えている。外壁200は、ステンレス鋼(SUS)製であって、左右方向に長い、薄肉の角筒状を呈している。外壁200は、左右方向に延在している。断熱材201は、セラミックファイバー製あるいは耐火煉瓦製であって、左右方向に長い、厚肉の角筒状を呈している。断熱材201は、外壁200の内側に配置されている。熱処理室21は、断熱材201の内側に区画されている。ハウジング本体20の左右両端には、各々、開閉可能な扉(図略)が配置されている。扉により、熱処理室21内は窒素ガス雰囲気が確保されている。
【0041】
多数のローラ挿通孔22は、ハウジング本体20の前後両壁の、上下方向中央付近に配置されている。ローラ挿通孔22は、熱処理室21とハウジング本体20の外部とを連通している。多数のローラ挿通孔22は、左右方向に所定間隔ずつ離間して、配置されている。前壁のローラ挿通孔22と後壁のローラ挿通孔22とは、前後方向に対向している。
【0042】
多数のヒータ挿通孔23は、ハウジング本体20の前後両壁において、ローラ挿通孔22を挟んで、上下二段に配置されている。ヒータ挿通孔23は、熱処理室21とハウジング本体20の外部とを連通している。多数のヒータ挿通孔23は、左右方向に所定間隔ずつ離間して、配置されている。また、前壁のヒータ挿通孔23と後壁のヒータ挿通孔23とは、前後方向に対向している。
【0043】
駆動側ブラケット24は、SUS製であって、L字状を呈している。駆動側ブラケット24は、ハウジング本体20の前壁に配置されている。駆動側ブラケット24は、多数の軸受部240を備えている。多数の軸受部240は、駆動側ブラケット24の立壁部の前面に配置されている。多数の軸受部240は、左右方向に所定間隔ずつ離間して、配置されている。
【0044】
従動側ブラケット25は、SUS製であって、L字状を呈している。従動側ブラケット25は、ハウジング本体20の後壁に配置されている。従動側ブラケット25は、多数のタイヤ250を備えている。多数のタイヤ250は、従動側ブラケット25の立壁部の後面に配置されている。多数のタイヤ250は、左右方向に所定間隔ずつ離間して、配置されている。
【0045】
(ヒータ4)
ヒータ4は、電熱ヒータである。ヒータ4は、炭化ケイ素製であって、前後方向に延びる円筒状を呈している。ヒータ4は、左右方向に並んで、熱処理室21に、多数配置されている。多数のヒータ4は、後述するローラ30を挟んで、上下二段に配置されている。ヒータ4の前後方向両端は、各々、ヒータ挿通孔23を介して、熱処理室21からハウジング本体20の外部に突出している。ヒータ4は、外部の電源(図略)に、電気的に接続されている。
【0046】
(ローラアセンブリ3)
ローラアセンブリ3は、ローラ30と、駆動端キャップ31と、従動端キャップ32と、を備えている。ローラ30は、ムライト製であって、軸方向全長に亘って同径の、円筒状を呈している。ローラ30は、前後方向に延在している。ローラ30は、左右方向に並んで、熱処理室21に多数配置されている。ローラ30の前端および後端は、各々、ローラ挿通孔22を介して、熱処理室21からハウジング本体20の外部に突出している。
【0047】
駆動端キャップ31は、SUS製であって、後方に開口するカップ状を呈している。駆動端キャップ31は、空回りしないように、ローラ30の前端に取り付けられている。駆動端キャップ31と駆動軸部材91とは、空回りしないように、連結されている。図2に示すように、駆動軸部材91は、軸受部240に、回転可能に支持されている。駆動軸部材91の前端には、スプロケット92が固定されている。スプロケット92には、図示しないチェーンを介して、モータの駆動力が伝達される。当該駆動力により、ローラアセンブリ3は、軸回りに回転可能である。
【0048】
従動端キャップ32は、SUS製であって、前方に開口するカップ状を呈している。従動端キャップ32は、空回りしないように、ローラ30の後端に取り付けられている。従動端キャップ32は、従動側ブラケット25の左右一対のタイヤ250上に、回転可能に支持されている。
【0049】
(速度差補正筒部材5)
図3に、図1の右端のローラの部分斜視図を示す。なお、図3に示すのは、ローラ30において、熱処理室21内に収容されている部分である。図4に、図3の区間IVの分解斜視図を示す。図5に、図3のV−V方向断面図を示す。
【0050】
図3〜図5に示すように、速度差補正筒部材5は、筒本体50と、溶射層51と、固定孔52と、タッピングスクリュー53と、を備えている。筒本体50は、SUS製であって、円筒状を呈している。筒本体50は、ローラ30の外周面に環装されている。溶射層51は、アルミナ製であって、筒本体50の外周面に形成されている。溶射層51の外周面は、本発明の「接触面」の概念に含まれる。固定孔52は、大孔部520と小孔部521とを備えている。固定孔52は、速度差補正筒部材5を径方向に貫通している。大孔部520は、小孔部521の径方向外側に配置されている。タッピングスクリュー53は、固定孔52に螺合されている。タッピングスクリュー53の頂部530は、大孔部520に収容されている。このため、頂部530は、溶射層51の外周面から、径方向外側に突出しない。タッピングスクリュー53の先端部531は、ローラ30の外周面に圧接している。このため、速度差補正筒部材5は、ローラ30と一体的に回転可能である。
【0051】
[速度差補正方法]
次に、本実施形態の速度差補正方法について説明する。図6(a)に、本実施形態のローラハースキルンの模式上面図を示す。図6(b)に、図6(a)の簡略図を示す。図6(a)においては、一列ごとに被処理物90にハッチングを施して示す。図6(b)においては、二つの速度差補正筒部材5の配置部分を「・」で示す。
【0052】
図6(a)、図6(b)に示すように、ローラハースキルン1は、搬入区間A1と、熱処理区間A2と、搬出区間A3と、を備えている。熱処理区間A2には、熱処理室21が配置されている。搬入区間A1と熱処理区間A2とは、開閉式の扉202により仕切られている。熱処理区間A2の冷却区間A20と搬出区間A3とは、開閉式の扉203により仕切られている。
【0053】
図6(b)に示すように、多数の被処理物90は、左右方向(搬送方向)に延在する三つの被処理物行X1〜X3を形成している。また、多数の被処理物90は、少なくとも熱処理区間A2の上流端において、前後方向(搬送方向に対して直交する方向)に延在する多数の被処理物列Y01〜Y20を形成している。なお、被処理物90は、ケースに入れられた、電池材料の原料である。本実施形態の速度差補正方法は、速度差検出工程と筒部材配置工程とを有している。
【0054】
(速度差検出工程)
本工程においては、ローラ30に速度差補正筒部材5を配置しない状態で、ローラハースキルン1を運転する(前出図10(b)参照)。運転の結果、被処理物90の搬送速度は、被処理物行X3が最も速く、被処理物行X2が次に速く、被処理物行X1が最も遅いことが判る。すなわち、被処理物行X1〜X3間の搬送速度の速度差が検出される。
【0055】
(筒部材配置工程)
本工程においては、速度差検出工程の検出結果を基に、ローラ30に速度差補正筒部材5を配置する。具体的には、図6(b)に示すように、ローラ30における、搬送速度が最も遅い被処理物行X1に対応する部分、搬送速度が次に遅い被処理物行X2に対応する部分に、速度差補正筒部材5を配置する。
【0056】
被処理物行X1に対応する部分については、冷却区間A20に配置される全てのローラ30に対して、各々、二つずつ速度差補正筒部材5を配置する。被処理物行X2に対応する部分については、冷却区間A20に配置される全てのローラ30に対して、4つに1つの割合で、二つずつ速度差補正筒部材5を配置する。
【0057】
速度差補正筒部材5を配置することにより、冷却区間A20において、被処理物行X1〜X3間の搬送速度の速度差が補正される。すなわち、被処理物行X1の搬送速度が、大幅に速くなる。また、被処理物行X2の搬送速度が、被処理物行X1の搬送速度ほどではないものの、速くなる。具体的には、熱処理区間A2の上流端の被処理物列Y01に対して、冷却区間A20直前の被処理物列Y10は、前端が右側に突出するように、傾斜している。一方、熱処理区間A2の上流端の被処理物列Y01に対して、冷却区間A20の下流端の被処理物列Y20は、平行に戻っている。このため、被処理物列Y20を形成する三つの被処理物90は、扉203により、一度に、かつ短時間で搬出される。
【0058】
[作用効果]
次に、本実施形態のローラハースキルン1、速度差補正方法、および速度差補正筒部材5の作用効果について説明する。本実施形態の速度差補正筒部材5は、ローラ30の外周面に配置されている。このため、ローラ30の径を、見かけ上、大きくすることができる。したがって、ローラ30一回転あたりの被処理物90の搬送長を長くすることができる。つまり、搬送速度を速くすることができる。
【0059】
本実施形態によると、図6(b)に示すように、ローラ30における、搬送速度が最も遅い被処理物行X1に対応する部分、搬送速度が次に遅い被処理物行X2に対応する部分に、速度差補正筒部材5が配置されている。このため、被処理物行X1、被処理物行X2の搬送速度を速くすることができる。したがって、被処理物行X1〜X3間の搬送速度の速度差を補正することができる。
【0060】
また、本実施形態によると、搬送速度が最も遅い被処理物行X1の方が、搬送速度が次に遅い被処理物行X2よりも、速度差補正筒部材5が多く配置されている。このため、被処理物行X1の方が、被処理物行X2よりも、搬送速度の増加量が大きくなる。このように、速度差補正筒部材5の配置数により、搬送速度の増加量を調整することができる。
【0061】
また、本実施形態によると、図6(b)に示すように、扉203付近において、被処理物行X1〜X3間の搬送速度の速度差を補正することができる。このため、同じ被処理物列Y20を形成する複数の被処理物90を、扉203から、一度に払い出しやすくなる。したがって、同じ被処理物列Y20を形成する三つの被処理物90間において、熱処理時間がばらつきにくい。また、扉203の開時間が短くなるため、熱処理区間A2の温度確保が簡単になる。また、扉203の開時間が短くなるため、熱処理区間A2の窒素ガス雰囲気の確保が簡単になる。
【0062】
また、図6(b)に示すように、全ての速度差補正筒部材5は、冷却区間A20に配置されている。冷却区間A20の温度は、500℃以下に保持されている。このため、速度差補正筒部材5に加わる熱負荷が小さくなる。したがって、速度差補正筒部材5の寿命が長くなる。また、速度差補正筒部材5に使用できる材料選択の自由度が高くなる。
【0063】
また、ローラ30は、ムライト製(セラミック製)である。ムライト製のローラ30を用いると、被処理物行X1〜X3間において搬送速度の速度差が発生しやすく、また速度差を補正しにくい。この点、本実施形態によると、ムライト製のローラ30に速度差補正筒部材5を配置することにより、簡単に、被処理物行X1〜X3間における搬送速度の速度差を補正することができる。
【0064】
また、図5に示すように、速度差補正筒部材5は、アルミナ製(セラミック製)の溶射層51を備えている。また、ローラ30は、ムライト製である。このため、電池材料の原料である被処理物90に、SUS中のCr(クロム)、Fe(鉄)、Ni(ニッケル)などの金属スケールが、混入しにくい。したがって、電池材料の性能が低下しにくい。
【0065】
また、本実施形態によると、実際のローラハースキルン1の運転結果を基に、被処理物行X1〜X3間の搬送速度の速度差を補正することができる。このため、ローラハースキルン1の個体差に応じて、被処理物行X1〜X3間の搬送速度の速度差を補正することができる。
【0066】
また、図5に示すように、速度差補正筒部材5は、タッピングスクリュー53により、ローラ30の外周面に固定されている。このため、ローラ30に大掛かりな加工を施すことなく、速度差補正筒部材5を固定することができる。また、ローラ30に対する、速度差補正筒部材5の前後方向位置を、自在に変更することができる。
【0067】
<第二実施形態>
本実施形態と第一実施形態との相違点は、速度差補正筒部材の配置だけである。ここでは、主に相違点について説明する。図7に、本実施形態のローラハースキルンの模式上面図(簡略図)を示す。なお、図6(b)に対応する部位については、同じ符号で示す。
【0068】
図7に示すように、ローラ30における、搬送速度が最も遅い被処理物行X1に対応する部分、搬送速度が次に遅い被処理物行X2に対応する部分には、速度差補正筒部材5が配置されている。この点においては、図6(b)と同様である。
【0069】
しかしながら、ローラ30における、被処理物行X2に対応する部分については、冷却区間A20の下流端付近に、速度差補正筒部材5が集中的に配置されている。冷却区間A20の中間部分には、速度差補正筒部材5が配置されていない。このため、被処理物列Y15のように、被処理物行X2の搬送速度が最も遅くなる。
【0070】
本実施形態のローラハースキルン1、速度差補正方法、および速度差補正筒部材5は、構成が共通する部分に関しては、第一実施形態のローラハースキルン、速度差補正方法、および速度差補正筒部材と同様の作用効果を有する。
【0071】
本実施形態のように、速度差補正筒部材5を集中的に配置しても、被処理物列Y20のように、下流端において、被処理物行X1〜X3間における搬送速度の速度差を補正することができる。
【0072】
また、速度差補正筒部材5を集中的に配置すると、図6(b)のように速度差補正筒部材5を間欠的に配置する場合と比較して、被処理物90が搬送される際に、ローラ30と速度差補正筒部材5との間の径差に伴う上下動が、小さくなる。このため、被処理物90ががたつきにくくなる。
【0073】
<その他>
以上、本発明のローラハースキルン、速度差補正方法、および速度差補正筒部材の実施の形態について説明した。しかしながら、実施の形態は上記形態に特に限定されるものではない。当業者が行いうる種々の変形的形態、改良的形態で実施することも可能である。
【0074】
図8(a)に、小径の速度差補正筒部材の斜視図を示す。図8(b)に、中径の速度差補正筒部材の斜視図を示す。図8(c)に、大径の速度差補正筒部材の斜視図を示す。なお、図4と対応する部位については、同じ符号で示す。
【0075】
図8(a)〜図8(c)に示すように、径の異なる複数種類の速度差補正筒部材5を組み合わせて用いることにより、複数の被処理物行間における搬送速度の速度差を補正してもよい。
【0076】
径の異なる速度差補正筒部材5は、同じ被処理物行に用いてもよい。また、同じ被処理物列に用いてもよい。速度差補正筒部材5の径を大きくすると、搬送速度の増加量を大きくすることができる。速度差補正筒部材5の径を小さくすると、搬送速度の増加量を小さくすることができる。
【0077】
径の異なる速度差補正筒部材5を同じ被処理物行に用いる場合、上流側から下流側に向かって、段階的に、径の大きい速度差補正筒部材5を配置することにより、速度差補正筒部材5間の径差に伴う上下動が、小さくなる。このため、被処理物90ががたつきにくくなる。
【0078】
図9に、分割タイプの速度差補正筒部材の分解斜視図を示す。なお、図4と対応する部位については、同じ符号で示す。図9に示すように、速度差補正筒部材5は、第一分割体54と、第二分割体55と、を備えている。第一分割体54は、半円筒状を呈している。第一分割体54には、固定孔52が穿設されている。第一分割体54の外周面の前後両端付近には、各々、溝部540が凹設されている。第二分割体55は、半円筒状を呈している。第二分割体55の外周面の前後両端付近には、各々、溝部550が凹設されている。速度差補正筒部材5は、第一分割体54と第二分割体55とが合体することにより、形成される。周方向に繋がった溝部540、550には、固定リング(図略)が環装される。図9に示すように、複数の分割体により、速度差補正筒部材を構成してもよい。なお、分割体の数は特に限定しない。
【0079】
上記実施形態においては、被処理物行X1〜X3を三つ配置したが、被処理物行X1〜X3の配置数は特に限定しない。また、熱処理区間A2における、被処理物列Y01〜Y20の配置数は特に限定しない。
【0080】
上記実施形態においては、図2に示すように、前後方向において、一つの被処理物90を、二つの速度差補正筒部材5により支持したが、一つ、あるいは三つ以上の速度差補正筒部材5により支持してもよい。
【0081】
上記実施形態においては、図5に示すように、タッピングスクリュー53により、速度差補正筒部材5を、ローラ30の外周面に固定した。しかしながら、クリップ、ピンなどにより、速度差補正筒部材5を、ローラ30の外周面に固定してもよい。上記実施形態においては、速度差補正筒部材5にアルミナ製の溶射層51を配置したが、速度差補正筒部材5全体をセラミック製としてもよい。また、速度差補正筒部材5全体を金属製、カーボン製としてもよい。
【0082】
上記実施形態においては、熱処理室21内を窒素ガス雰囲気にしたが、雰囲気ガスの種類は特に限定しない。不活性ガス(ヘリウム、アルゴンなど)、還元性ガス(一酸化炭素ガスなど)などを用いてもよい。また、熱処理室21内を雰囲気制御しなくてもよい。熱処理室21の熱源も特に限定しない。マイクロ波などであってもよい。
【0083】
上記実施形態においては、被処理物90を、電池材料の原料としたが、被処理物90の種類は特に限定しない。例えば、フェライト、LCC(積層セラミックコンデンサ)、セラミックボール、茶碗、タイルなどであってもよい。
【0084】
本発明のローラハースキルンとしては、熱処理区間A2と外部とを遮断する必要があるタイプのもの(例えば、雰囲気処理炉、マイクロ波炉など)が好適である。すなわち、熱処理区間A2と搬出区間A3との間に、扉203が配置されているタイプのものが好適である。その理由は、被処理物90を、扉203の直前(上流側)で整列させる必要があるからである。
【0085】
溶射層51の材質は特に限定しない。アルミナ、ムライト、ジルコニア、炭化ケイ素、窒化ケイ素などのセラミックを用いることができる。ローラ30の材質は特に限定しない。アルミナ、ムライト、ジルコニア、炭化ケイ素、窒化ケイ素などのセラミック、SUSなどの金属、カーボンなどを用いることができる。
【符号の説明】
【0086】
1:ローラハースキルン、2:ハウジング、3:ローラアセンブリ、4:ヒータ、5:速度差補正筒部材。
20:ハウジング本体、21:熱処理室、22:ローラ挿通孔、23:ヒータ挿通孔、24:駆動側ブラケット、25:従動側ブラケット、30:ローラ、31:駆動端キャップ、32:従動端キャップ、50:筒本体、51:溶射層、52:固定孔、53:タッピングスクリュー、54:第一分割体、55:第二分割体、90:被処理物、91:駆動軸部材、92:スプロケット。
200:外壁、201:断熱材、202:扉、203:扉、240:軸受部、250:タイヤ、520:大孔部、521:小孔部、530:頂部、531:先端部、540:溝部、550:溝部。
A1:搬入区間、A2:熱処理区間、A20:冷却区間、A3:搬出区間、X1〜X3:被処理物行、Y01〜Y20:被処理物列。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送方向に延在する複数の被処理物行を形成する複数の被処理物に熱処理を施す熱処理区間と、
該熱処理区間に配置され、複数の該被処理物を搬送する複数のローラと、
該ローラの外周面に脱着可能に配置され、該ローラ一回転あたりの該被処理物の搬送長を長くすることにより、複数の該被処理物行間の搬送速度の速度差を補正する速度差補正筒部材と、
を備えるローラハースキルン。
【請求項2】
さらに、前記熱処理区間の下流端を外部から遮断する扉を備え、
前記速度差補正筒部材は、該扉付近の前記ローラに配置される請求項1に記載のローラハースキルン。
【請求項3】
前記熱処理区間は、前記被処理物を冷却する冷却区間を有し、
前記速度差補正筒部材は、該冷却区間に配置される請求項1または請求項2に記載のローラハースキルン。
【請求項4】
前記ローラは、セラミック製である請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のローラハースキルン。
【請求項5】
前記速度差補正筒部材における前記被処理物との接触面は、セラミック製である請求項4に記載のローラハースキルン。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のローラハースキルンの速度差補正方法であって、
前記速度差補正筒部材を配置せずに前記ローラハースキルンを運転することにより、複数の前記被処理物行間の搬送速度の速度差を検出する速度差検出工程と、
前記ローラにおける、最も該搬送速度が遅い該被処理物行に対応する部分に、該速度差補正筒部材を配置することにより、該速度差を補正する筒部材配置工程と、
を有する速度差補正方法。
【請求項7】
搬送方向に延在する複数の被処理物行を形成する複数の被処理物に熱処理を施す熱処理区間と、
該熱処理区間に配置され、複数の該被処理物を搬送する複数のローラと、
を備えるローラハースキルンの、該ローラの外周面に脱着可能に配置され、
該ローラ一回転あたりの該被処理物の搬送長を長くすることにより、複数の該被処理物行間の搬送速度の速度差を補正する速度差補正筒部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−97935(P2012−97935A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−244496(P2010−244496)
【出願日】平成22年10月29日(2010.10.29)
【出願人】(390008431)高砂工業株式会社 (53)
【Fターム(参考)】