説明

ロールペーパー収納箱

【課題】紙製のシートロール収納箱の利便性等を向上させる。
【解決手段】
収納箱X1の外形を構成する箱本体1と、ロールペーパーを箱体内で支持する支持体2とで構成され、前記支持体2は、両側部21,21及び中央部22が略コ字状をなして箱本体1内に位置され、その両側部には、凹形状に欠損された一対の軸支持部20,20を有し、前記箱本体1は、ロールペーパーの軸芯を軸支持部に回動自在に支持した状態でそのロールペーパーの胴面に臨む位置に形成された取り出し口30と、前記軸支持部20の開口に臨む面を構成しヒンジHとする蓋片11と、前記ヒンジHに対する縁から延在し、ロールペーパーの周面に接しての逆回転を防止する逆回転抑止片15とを有するロールペーパー収納箱により解決される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、帯状の薄葉紙をロール状に巻いたロールペーパーを内部に収納するロールペーパー収納箱に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のロールペーパー収納箱は、ペーパーを芯部の側から箱外に引き出すセンタープルタイプとテール端部から引き出すテール引き出しタイプの二種に大別される。
テール引き出しタイプは、箱本体内にロールペーパーを回転可能に納め、箱本体に形成した取り出し口からテールを露出させて、順次引き出して使用する。
【特許文献1】特開2002−177163
【特許文献2】特開2007−119045
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このテール引き出しタイプは、センタープルタイプのように引き出したシートが密にならずに平らなシート状態のまま引き出せる上に、ロールペーパーが箱内で回転してスムーズに引き出せるという利点があるものの、箱体中で固定されていないため、取り口から外部に露出したテール端部が箱内に逆戻りしてテールが摘めなくなる問題があった。
また、箱体内でロールペーパーを効果的に位置固定させることが困難であった。
そこで、本発明の主たる課題は、ロールペーパーを箱体内へ納めやすく、また、使用時にテール端が箱体内部に戻ってしまう事故が起きづらいロールペーパー収納箱を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決した本発明は、帯状の薄葉紙が巻き取られたロールペーパーを内部に収納するロールペーパー収納箱であって、
前記ロールペーパー収納箱は、収納箱の外形を構成する箱本体と、ロールペーパーを前記箱本体内で支持する支持体とで構成され、
前記支持体は一対の軸支持部を有し、
前記箱本体は、ロールペーパーを軸支持部に対して回動自在に支持した状態でそのロールペーパーの周面に臨む位置に形成された取り出し口と、前記軸支持部の開口に臨む面を構成する蓋片と、前記ロールペーパーの周面に接しての逆回転を防止する逆回転抑止片とを有することを特徴とするロールペーパー収納箱である。
前記支持体は、両側部及び中央部とで略コ字状をなして箱本体内に位置され、その各側部に凹形状に欠損された一対の軸支持部を有し、
前記側部は、中央部に連続する連続部とこの連続部から延在する自由片とを有し、その自由片が前記連続部に折り重ねられた二重構造をなしているのが望ましい。
また、箱本体、支持体は共に、又は少なくとも一方が紙製であるのがコストの面で望ましい。
前記逆回転防止片は、折曲部を有し弾性をもってロール周面に当接するようにするのが望ましい。
また、前記軸支持部は、蓋片に対面する開口から所定長延在したのち折曲して略く字状をなしているが望ましい。
また、前記取り出し口は、開口側に凸となる略V字状片を有するのが望ましい。
【発明の効果】
【0005】
以上の本発明によれば、ロールペーパーを箱体内へ納めやすく、また、使用時にテール端が箱体内部に戻ってしまう事故が起きづらいロールペーパー収納箱が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
次いで、本発明の実施の形態を図1〜4を参照しながら以下に詳述する。
本形態のロールペーパー収納箱X1は、ロールペーパーを内部に収納するロールペーパー収納箱である。
ロールペーパーは、具体的には、キッチンロール、産業用ワイプ、トイレットロール等であり、用途応じて設計した帯状の薄葉紙を巻き取って構成したものである。本発明ではこのロールペーパーの種類については特に限定されない。
本形態のロールペーパー収納箱X1は、収納箱X1の外形を構成する箱本体1と、ロールペーパーを箱体内で支持する支持体2とで構成されている。
【0007】
本形態の箱本体1は、略直六面体をなしており、上面11が背面14との間の一縁をヒンジHとする蓋片11となっていて、内部へのアクセスが可能となっている。この蓋片11を開けて収納箱X1の内部の支持体にロールペーパーをセットする。
本形態の収納箱では、ロールペーパーが、収納箱内において前記軸心方向がその前面及び背面に平行となるようにして、前記支持体に対してセットされるように構成されている。
前記蓋片11はその巾が前面13及び背面14の巾よりほぼ同幅か若干巾狭であり、その側縁には上面に対して実質的に垂直に側縁片11A、11Bが延在している。この側縁片11A,11Bの延在長L11は内部にセットされたロールペーパーの軸芯又はロールペーパーの管軸に通した軸棒に対して接する程度の長さとされ、ロールペーパーの過度の回転を防止するとともに、ロールペーパーの軸心方向への意図しない移動を抑制して安定した回転に貢献している。
【0008】
他方、本形態の箱本体1は、前記蓋体11のヒンジHとなる縁と平行な縁である前面13の上縁から延在し、内部にセットされた状態のロールペーパーの周面に接しての逆回転を防止する逆回転抑止片15が形成されている。
本形態の逆回転防止片15は、好適な例として内部に支持されるロールペーパーの軸心方向に対して平行な折曲部15bを有しており、箱本体前面11との縁及び折曲部15bを弾性原としてロールペーパーの周面に弾性をもって当接するように構成されている。これにより、ロールペーパーの回転を過度に妨げることなく適度にそのブレーキ機能を発揮させて、ロールペーパーの逆回転が防止される。
【0009】
他方、本形態の箱本体1では、ヒンジHと平行な前面11に取り出し口30が形成されている。従って、この取り出し口30は、ロールペーパーの軸芯等を前記軸支持部に回動自在に支持した状態で、そのロールペーパーの周面に臨む。
なお、この取り出し口の幅30Lは、特に限定さないが、好適には内部に納めるロールペーパーの幅とほぼ等幅か概ね±50mm程度とするのがよい。この程度であれば、ペーパーをシート状のまま引き出すことが可能である。ただし、前面の巾とロール巾を考慮する。
また、取り出し口30の位置は、前面の高さのほぼ中間に位置させるのがよい。取り出し性が向上する。
本形態の取り出し口30は、望ましい形態として開口側に凸となる略V字状片31が形成されている。このV字状片31によってシートを切断しやすくなるとともに、引き出されるペーパーに接して摩擦によるブレーキ機能を発揮する。
【0010】
また、本形態の箱本体には、その上面(蓋片)の背面側近傍と背面の上面側近傍にそれぞれ持ち運びがしやすいよう長孔11H,14Hがそれぞれ形成されており、上面側の孔から背面側の孔に、反対に背面側の孔から上面側の孔に向かって指等を通して、容易に収納箱を持ち運べるようになっている。
【0011】
他方、本形態の箱本体1の素材等は必ずしも限定されるものではないが、段ボール紙、コートボール紙等の紙を折り曲げ、組み立てて形成するのが望ましい。好ましくは段ボール紙である。
その具体的な展開状態の好適な例を示すと、特に図2に示すように、背面14、側面12(A)、前面13、側面12(B)がこの順で連接し、背面14に連接する糊代片14nと側面12Bとを接着することで四面が形成され、さらに前面13に逆回転防止片30が連接し、背面14に上面(蓋片)11が連接して、それぞれが形成される。
底面は、側面12A,12Bに連接する側面片16A,16Bと前面13に連接する底面係止片17と、背面14に連接する底面係止凹片18とで構成され、底面係止凹片18を折曲げたのち底面側面片16A,16Bを折曲げ、底面係止片17の先端係止凸部17tを底面係止凹片18の先端係止凹部18tに係止させることで構成されるようになっている。
この構造の箱本体1は製造が容易であるとともに、材料コストの点できわめて望ましい。
【0012】
他方、ロールペーパーを支持する支持体2は、両側部21,21と中央部とで構成され、これらの連接部分で折曲げられて略コ字状をなして箱本体1内に位置されている。
【0013】
前記中央部22の幅は、本形態では箱本体1の前面13の幅とほぼ同幅か又は若干幅狭とされ、箱本体1の前面13内側に接するように配される。
【0014】
本形態の支持体は、前記中央部が前面の高さよりも若干低い程度に構成され、取り出し口からペーパーの露出を可能とすべく、これと重なる位置に前記取り出し口と同形状またはそれよりも大きい開口22Hが形成されている。
また、前記両側部21,21は、前記中央部22と前面13との関係で箱本体1の側面12,12の内側に接するか、または略平行となるように配される。
本形態の支持体2の両側部21,21は、その高さが箱本体1の高さのほぼ半分程度となっており、各側部の上縁21e、すなわち蓋片11に臨む部分には凹形状に欠損された軸支持部20,20が形成されている。ロールペーパーはその端面から突出する軸芯又は管に通した軸棒を前記軸支持部20,20に嵌めることで収納箱内で回動自在に支持されてセットされる。
【0015】
ここで本形態の支持体2は、段ボール紙、コートボール紙等の紙からなるのがよい。また、特に図2に示すように、展開状態において、中央部22と側部21,21との連接間を構成する折り曲げ線2b,2bから延在するように切り込み線2c,2cが形成されており、この切り込み線2c,2cによって形成される側部の一部分を折り返すことで、二重構造となってその強度が増すように構成されている。なお、好ましい素材は、後述する軸支持部の耐久性等の問題から段ボール紙である。
さらに、側部21,21のほぼ中央部22,22に略楕円形状の長穴が形成されており、前記折り返しによって係る長穴部分が凹形状に欠損する軸支持部20,20が形成されるように構成されている。
かかる折り返しによって軸支持部20を形成することで、この軸支持部20も二重構造となり、ロールペーパーの回動時に軸芯又は紙管に通す軸棒とで生ずる摩擦に対しての耐久性が著しく向上する。
【0016】
<その他の形態>
本発明の他の形態として、例えば、図4にその示すように、前記軸支持部20は、蓋片11に対面する開口20Aから所定長延在したのち折曲して略く字状をなしている形態とすることができる。
この形態を取ると使用の際に引き出してロールペーパーが回転したときに、これにともなって軸支持部との接触部を移動して軸支持部から飛び出してしまう事故が効果的に防災されるようになる。
【0017】
また、使用する際に、取り出し口を上方、すなわち前面が上面となるように置き換えて使用するようにしても、内部のロールが軸から外れることなくスムーズに引き出すことができ、かかる使用形態をとることもできるようになる。
なお、屈曲部の角度及び屈曲部後の深さなどは、ロールペーパーの軸芯や軸棒に応じて適宜設計すればよい。例示すれば、角度aは120〜150°、屈曲部後の長さは10〜30mm程度にするのがよい。
【産業上の利用可能性】
【0018】
本発明は、種々の帯状のシートをロール状にしたシートロールを収納して使用する収納箱に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本形態のロールペーパー収納箱の斜視図である。
【図2】箱本体の展開図である。
【図3】支持体の展開図である。
【図4】本発明の軸支持部の他の形態を示す図である。
【符号の説明】
【0020】
1…箱本体、2…支持体、2b…折曲げ線、2c…切り込み線、11…上面(蓋片)、12(A,B)…側面、13…前面、14…背面、14n…糊代片、14H…開口、15…逆回転防止片、16A,16B…底面側片、17…底面係止片、18…底面係止凹片、20…軸支持部、21…側部、21…側部の上縁、22…中央部、30…取り出し口、30L…取り出し口の幅、31…V字状片、H…ヒンジ、X1…衛生薄葉紙収納箱。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状の薄葉紙が巻き取られたロールペーパーを内部に収納するロールペーパー収納箱であって、
前記ロールペーパー収納箱は、収納箱の外形を構成する箱本体と、ロールペーパーを前記箱本体内で支持する支持体とで構成され、
前記支持体は一対の軸支持部を有し、
前記箱本体は、ロールペーパーを軸支持部に対して回動自在に支持した状態でそのロールペーパーの周面に臨む位置に形成された取り出し口と、前記軸支持部の開口に臨む面を構成する蓋片と、前記ロールペーパーの周面に接しての逆回転を防止する逆回転抑止片とを有することを特徴とするロールペーパー収納箱。
【請求項2】
前記逆回転防止片は、折曲部を有し弾性をもってロール周面に当接する請求項1記載のロールペーパー収納箱。
【請求項3】
前記取り出し口は、開口側に凸となる略V字状片を有する請求項1又は2記載のロールペーパー収納箱。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−132399(P2009−132399A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−308196(P2007−308196)
【出願日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【出願人】(390029148)大王製紙株式会社 (2,041)
【Fターム(参考)】