ロールペーパー用収納具
【課題】製作コストを極力低廉になしえ、しかも、強固で簡単に取り付けられる軸筒を有したロールペーパー用の収納具を提供する。
【解決手段】ダンボール紙d又は厚紙kなどの板紙により成形され、平行に配置される一対の支持板部11,11を備え、前記両支持板部11,11間にロールペーパーRの巻芯Sに挿通する軸筒2を配置してなり、前記軸筒2は正多角筒状に成形されると共に長手方向に沿った両端部の内少なくとも一方とこれと対向する前記支持板部11とに係脱自在に係合し得る係合手段3,15,16,24,26を設けた構成からなる。
【解決手段】ダンボール紙d又は厚紙kなどの板紙により成形され、平行に配置される一対の支持板部11,11を備え、前記両支持板部11,11間にロールペーパーRの巻芯Sに挿通する軸筒2を配置してなり、前記軸筒2は正多角筒状に成形されると共に長手方向に沿った両端部の内少なくとも一方とこれと対向する前記支持板部11とに係脱自在に係合し得る係合手段3,15,16,24,26を設けた構成からなる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筒状の巻芯にロール状に巻回したロールペーパーを引き出してティッシュペーパーのような感覚で使用できるようにしたロールペーパー用収納具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のロールペーパー用収納具として、例えば次のようなものが開示されている。すなわち、このロールペーパー用収納具は中空箱状に成形され、その上面が蓋になっていると共に該上面にロールペーパーを引き出すためのスリットが開設され、前記箱内にロールペーパーを収納して上面のスリットからそのロールペーパーを引き出して使用できるようにしている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、他のロールペーパー用収納具は中空箱状に成形され、その一側面に蓋が設けられると共に該蓋に軸受け穴を介してロールペーパー用収納具内に横断状に突出する軸筒を挿入し、これと対向する側面に軸受け穴を介して軸筒と螺合し該軸筒の自由端をしっかりと保持して固定するストッパーを挿入し、ロールペーパー用収納具の上面にはロールペーパーを引き出すためのスリットが開設される。そして、スリットからロールペーパーを引き出して使用できるようにしている(例えば、特許文献2参照。)。
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3118518号公報(第2−3頁、図3)
【特許文献2】特開2002−17609号公報(第2−3頁、図1、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記特許文献1に係るロールペーパー用収納具は、軸筒が無くロールペーパーをそのまま収納して使用するので、ロールペーパーが内部の底面に擦れて摩擦が大きい。このため、新しい状態ではロールーペーパーが重くて回転しにくく、スリットからロールペーパーを引き出す際にそのロールペーパーが途中で切れてしまい使いものにならない場合が有る。このため、ロールペーパーを切れないようにゆっくり慎重に引き出すようにしなければならず、極めて使い勝手が悪いといった課題がある。
【0006】
一方、前記特許文献2に係るロールペーパー用収納具は、ロールペーパー用収納具内に突出する軸筒をロールペーパーの巻芯に挿通してロールペーパーが自在に回転し得るようにしているので、スリットからのロールペーパーは引き出し易い。しかしながら、この種のロールペーパー用収納具は、例えば合成樹脂、金属、セラミック、木といった素材により強固な構造に製作されることから、それら製作コストが高くつくといった課題がある。
【0007】
製作コストを極力下げるために、ダンボール紙や圧紙などの板紙によってロールペーパー用収納具を製作すれば良いが、前記軸筒を板紙により円筒状に成形して取着しようとすると、ロールペーパーの交換のため該軸筒を係脱自在に取着する必要がある関係上、その取付構造に苦慮する。また、前記軸筒を板紙により円筒状に成形するにはまだ成形に掛るコストが高い。同様に、軸筒を合成樹脂材により成形すれば、特許文献2のように成形が簡単でありロールペーパーの交換も容易にできることになるが、その成形に金型や加工を必要とするのでロールペーパー用収納具の製作コストが嵩むという課題がある。
【0008】
そこで、本発明は上記課題を解決すべくなされたもので、製作コストを極力低廉になしえ、しかも、強固で簡単に取り付けられる軸筒を有したロールペーパー用の収納具を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる目的を達成するため本発明に係るロールペーパー用収納具は、ダンボール紙又は厚紙などの板紙により成形され、平行に配置される一対の支持板部を備え、前記両支持板部間にロールペーパーの巻芯に挿通する軸筒を配置してなり、前記軸筒は正多角筒状に成形されると共に長手方向に沿った両端部の内少なくとも一方とこれと対向する前記支持板部とに係脱自在に係合し得る係合手段を設けたことを特徴とする。
【0010】
具体的には、前記係合手段は、前記軸筒の端部から延設され透孔を設けた舌片と、前記支持板部に設けられ前記舌片が挿通されるスリット及び該スリットに挿通した舌片を折り曲げた際に前記透孔に合致する透孔と、前記両透孔に嵌合する止め具と、からなる。
【発明の効果】
【0011】
請求項1乃至2に係るロールペーパー用収納具は、両支持板部間に配置される軸筒を正多角筒状に成形すると共に長手方向に沿った両端部の内少なくとも一方とこれと対向する支持板部とに係脱自在に係合し得る係合手段を設けるようにしたので、軸筒も板紙により成形でき、強固な構成とすることができる。しかも、軸筒が正多角形状に成形され、折れ線を設けて折り曲げるのみで成形できることから、円筒状のものに比べ簡単に製作できかつ取り付けられ成形コストも安い。これにより、ロールペーパー用収納具が板紙により強固な構成に成形され、その製作コストも極めて低廉になし得るという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明に係るロールペーパー用収納具の実施の形態を図面に基づき詳しく説明する。図1乃至図6は第一実施の形態に係るロールペーパー用収納具を示し、図7乃至図12は第二実施の形態に係るロールペーパー用収納具を示す。本発明にあって、ロールペーパー収納具とは、机などの台の上に設置して使用する設置タイプと吊下げバンドにより柱などに吊下げて使用する吊下げタイプの両タイプを含む。また、形態としてロールペーパーが覆われる箱型や露出する皿型のいずれも含むものである。また、ロールペーパー用収納具の材質は、ダンボール紙や厚紙といった丈夫な板紙であれば良い。
【0013】
そこで、まず第一実施の形態に係るロールペーパー用収納具について説明する。図1は第一実施の形態に係るロールペーパー用収納具の斜視図、図2は同ロールペーパー用収納具の分解斜視図、図3は同軸筒の展開平面図、図4は図1のW−W線断面図、図5は図1のX−X線断面図である。
【0014】
ロールペーパー用収納具A1は、板紙としての両面ダンボール紙dにより成形され、収納具本体1と該収納具本体1とは別個に成形される軸筒2とからなる。収納具本体1は、略方形状の底板部10と該底板部10の対向する両側縁に一体に設けられ互いに起立して平行に配置される支持板部11,11とからなる。両支持板部11,11は台形状をなす。底板部10も両支持板部11,11も共に所定の形状に打ち抜かれ、所定の個所に折り曲げ線を設けて折り曲げることによりダンボール紙dを2重に貼り合せてなり、所要の強度が得られるようになっている。
【0015】
底板部10における両支持板部11,11間の両側縁に沿って、両支持板部11,11間に亘り上側のダンボール紙dを上方へ折り曲げ断面三角形状となる突条部12,12が設けられている。これら突条部12,12の外側面12aの底板部10に対する傾斜角度は、起立した支持板部11,11における両側縁11aの底板部10に対する傾斜角度と同じに設定され、それら突条部12,12の外側面12a,12aが両支持板部11,11の両側縁11a,11aとほぼ合致してデザイン性を高めるようにしている。また、両突条部12,12を含め底板部10の上側のダンボール紙dにおける両支持板部11,11と対向する側縁10a,10aに、両突条部12,12の外側面12aを除き支持板部11の厚み寸法程度の深さの切欠凹部13,13が凹設されている。
【0016】
両支持板部11,11の内面には、その中央部に内側のダンボール紙dのみを正三角形状に切り抜いて軸筒2の両端を嵌り込ませるための窪み部14,14が設けられる。そして、各窪み部14内の下側縁に沿って外側のダンボール紙dに、係合手段としてのスリット15が開設される。また、各窪み部14内のほぼ中央部であって外側のダンボール紙dに、円形状の係合手段としての透孔16が開設されている。
【0017】
軸筒2は長方形状のダンボール紙dからなり、長手方向に沿って平行な三本の折れ線20により同じ方向へ折り曲げることにより正三角筒状になる。短手方向の両端に位置する折り曲げ片21a,21bには、その外側縁の対応位置に差込片22と該差込片22が差し込まれる差込凹部23が設けられている。また、折れ線20で挟まれる折り曲げ片21cの長手方向の両端縁に、窪み部14のスリット15に挿入される半円形状の係合手段としての舌片24,24が折り線25,25を介して連設され、両舌片24,24にスリット15に挿通して折り曲げた際に支持板部11,11側の透孔16,16に合致する係合手段としての透孔26,26が開設されている。
【0018】
第一実施の形態に係るロールペーパー用収納具A1は上記構成からなり、次にその組立方法を説明する。まず、折り曲げ片21a,21b,21cをそれぞれ折れ線20によって同じ方向へ折り曲げ、差込凹部23が設けられた折り曲げ片21bを内側にしてその外側へ差込片22が設けられた折り曲げ片21aを重ね、差込凹部23へ差込片22を差し込む。これにより、正三角筒状の軸筒2が成形される。そして、該軸筒2をロールペーパーRの巻芯Sに挿通する。
【0019】
そこで、収納具本体1の一方の支持板部11を起立させると共に底板部10の切欠凹部13内に嵌めた状態で、軸筒2の長手方向の一端の舌片24を窪み部14のスリット15に挿通する。更に、該舌片24を透孔16側へ折り曲げる。このとき、両透孔16,26とが合致する。そして、両透孔16,26内に係合手段としての止め具3を挿入して係止する。これにより、図4、図5に示すように支持板部11側の窪み部14に軸筒2の一端が嵌り込んだ状態で、支持板部11の外側のダンボール紙dと舌片24とが一体に挟着されて強固に保持される。この作業は、収納具本体1の他方に支持板部11についても同様に行なわれる。
【0020】
止め具3は合成樹脂材から成形され、図2、図4に示すように透孔16、26の内径よりも外径の大きい円板状の頭部30を有する。該頭部30の一側面に、該一側面と直交しかつその中心軸線に沿って分離する半割状の軸部31a,31bが突設される。そして、一方の軸部31aに該軸部31aに対して直交する係止突部32が設けられ、他方の軸部31bに該軸部31bに対して直交する縦長の係止突部33が設けられる。
【0021】
係止突部32と縦長の係止突部33とは互いに逆方向に向き、頭部30と両係止突部32,33との間に支持板部11の外側のダンボール紙d及び舌片24とが挟まれることになる。しかも、一方の縦長の係止突部33が長く支持板部11のダンボール紙dの内面にそって深く嵌り込むので、止め具3が透孔16,26から抜け難い構造になっている。
【0022】
このようにして、ロールペーパーRを装填したロールペーパー用収納具A1が完成する。このロールペーパー用収納具A1は、例えば机(図示せず。)の上面に置いて使用される。該ロールペーパーRは軸筒2が挿通され底板部10の上面から浮いているので、ロールペーパーRを引いても簡単に回転して取り出し易い。また、使用上、ロールペーパーRの引き出し動作と共に巻芯Sが回転する際、軸筒2の外周面であって三角形の頂部の2箇所に接触することから、これにより軸筒2の回転がフラフラせずに安定し、ロールペーパーRが無用に引き出されることが抑えられ使い易い。
【0023】
ロールペーパーRが無くなれば、一方の透孔16,26から止め具3を外し、スリット15から舌片24を抜いて巻芯Sを外す。そして、新しいロールペーパーRの巻芯Sに軸筒2を挿通し、前記と同様な作業を行なって組み付けが行なわれる。軸筒2を正三角筒状に成形したのは、例えば、これを円筒状に成形するのに特殊な装置が必要になり、その成形コストが高くなるからである。
【0024】
第一実施の形態に係るロールペーパー用収納具A1にあっては、収納具本体1や軸筒2などすべてダンボール紙を打ち抜き、折り曲げるのみで成形されることから、成形が楽であると共に製作コストが極めて低廉になし得る。また、両支持板部11,11間に配置される軸筒2を正三角筒状に成形すると共に長手方向に沿った両端部の内少なくとも一方とこれと対向する支持板部11とに係脱自在に係合し得るスリット15と該スリット15に挿通されて固定される舌片24とを設けたので、強固な構成とすることができる。
【0025】
第一実施の形態に係るロールペーパー用収納具A1は、机などの台の上に設置して使用されるタイプのものとして説明したが、図6に示すように、合成樹脂製の細長い吊下げバンド部34の両端にそれぞれ止め具3を一体に設けるようにしても良い。そして、両止め具3,3を透孔16,26に挿通して係止するようにすれば、柱(図示せず。)などに吊下げて使用するタイプとして使用できる。このようにすれば、吊下げバンド部34の両端部で軸筒2が固定できることから、両方の機能を兼用できる。
【0026】
軸筒2は、三角筒状に成形したが、これに限られることはなく、例えば正四角筒状、正五角筒状、正六角筒状など他の正多角形状であっても良い。また、両支持板部11,11に対して軸筒2の両端部を係脱自在に係合するようにしたが、その構成を一方のみとし、他方を支持板部11の内面に接着して固定するようにしても良い。
【0027】
次に、第二実施の形態に係るロールペーパー用収納具について説明する。図7は第二実施の形態に係るロールペーパー用収納具の斜視図、図8は同ロールペーパー用収納具の分解斜視図、図9(イ)(ロ)は同組立て手順を示す斜視図、図10は図7のY−Y線断面図、図11は図7のZ−Z線断面図である。なお、第一実施の形態に係るロールペーパー用収納具と同一構成の部位には同一番号を附す。
【0028】
ロールペーパー用収納具A2は、板紙としての厚紙kにより成形され、収納具本体4と該収納具本体4とは別個に成形される軸筒5と同じく収納具本体4の開放する上面を覆う蓋板6とから構成される。収納具本体4は、略方形状の底板部40を有し、該底板部40の対向する両側縁に互いに起立して平行に配置される支持板部41,41が一体に設けられる。両支持板部41,41の上縁は円弧状に成形され、デザイン性を高めるようにしている。また、両支持板部41,41には、その中央部に係合手段としてのスリット15とその上方に位置して同じく係合手段としての透孔16が開設されている。
【0029】
底壁部40における両支持板部41,41間の対向する両側縁に、所定高さの方形状の第一側板部42,42が連設される。各第一側板部42の両側縁に、第二側板部43,43が連設される。両第二側板部43,43は、起立した状態で上縁が先端に向うに従い漸次低くなるようになっており、先端側に上縁から下方へ又は下縁から上方へ伸びる切り溝44が設けられている。これら第二側板部43,43は、ロールペーパー用収納具A2を組立てる際に、支持板部41の内側に配置されるようになっており、しかも、その上縁とスリット15とがほぼ同じ高さになるように設定される。
【0030】
両第一側板部42,42の上端縁には、該第1側板部42の内面側へ折れ曲り接着される補強片45が連設される。また、両第一側板部42,42の下縁の中央部にその下縁に沿って挿通孔46が設けられている。これは、後記する蓋板6の挿入片47を挿入させるためである。
【0031】
軸筒5は長方形状の厚紙kからなり、第一実施の形態と同様に長手方向に沿って平行な三本の折れ線20により同じ方向へ折り曲げることにより正三角筒状になる。短手方向の両端に位置する折り曲げ片21a,21bには、その外側縁の対応位置に差込片22と該差込片22が差し込まれる差込凹部23が設けられている。また、折れ線20で挟まれる折り曲げ片21cの長手方向の両端縁に、支持板部41のスリット15に挿入される半円形状の係合手段としての舌片24,24が折り線25,25を介して連設される。また、両舌片24,24に、スリット15に挿通して舌片24を折り曲げた際に支持板部41,41側の透孔16,16に合致する係合手段としての透孔26,26が開設されている。
【0032】
蓋板6も厚紙からなり、収納具本体4の上面を覆うことができる横長長方形状に成形され、長手方向の両端縁の中央部に挿入片47が突設される。また、蓋板6の中央部には、ロールペーパーRを引き出すため楕円形状に切り抜かれた取出口48が開設されている。
【0033】
第二実施の形態に係るロールペーパー用収納具A2は上記構成からなり、次にその組立方法を説明する。まず、図8に示すように収納具本体4において、両第一側板部42,42を起立させると共にそれぞれ両第二側板部43,43を互いに内側へ折り曲げ、対応位置する切り溝44,44を嵌め込む。これにより、両第二側板部43,43が連設され、両第一側板部42,42と合わせて上面が開放する箱状に組立てられる。更に、支持板部41を起立させる。
【0034】
軸筒5については、第一実施の形態と同様に折り曲げ片21a,21b,21cをそれぞれ折れ線20によって同じ方向へ折り曲げる。そして、差込凹部23が設けられた折り曲げ片21bを内側にしてその外側へ差込片22が設けられた折り曲げ片21aを重ね、差込凹部23へ差込片22を差し込む。これにより、正三角筒状の軸筒2が成形される。そして、図9(イ)に示すように、軸筒5の一端の舌片24を一方のスリット15に挿通する。更に、該舌片24を透孔16側へ折り曲げる。このとき、両透孔16,26とが合致する。そして、両透孔16,26内に係合手段としての止め具3を挿入して係止する。この状態で、軸筒5をロールペーパーRの巻芯Sに挿通する。
【0035】
同様に、図9(ロ)に示すように軸筒5の他端の舌片24を他方のスリット15に挿通して、各舌片24を各透孔16側へ折り曲げる。また、両透孔16,26内に、止め具30を挿入して係止する。最後に、各第一側板部42の下端縁に設けられた挿通孔46に、挿入片47を挿入して上面を覆う。ロールペーパーRの一端は、取出口48から少し外側へ出しておく。これにより、図10、図11に示すように軸筒5の下面の両端部が両第二側板部43,43の上端縁に乗った状態で、支持板部41と舌片24とが一体に挟着されて強固に保持される。
【0036】
止め具3は第一実施の形態と同様に合成樹脂材から成形され、図9(ロ)、図10に示すように透孔16、26の内径よりも外径の大きい円板状の頭部30を有する。該頭部30の一側面に、該一側面と直交しかつその中心軸線に沿って分離する半割状の軸部31a,31bが突設される。そして、一方の軸部31aに該軸部31aに対して直交する係止突部32が設けられ、他方の軸部31bに該軸部31bに対して直交する縦長の係止突部33が設けられる。
【0037】
係止突部32と縦長の係止突部33とは互いに逆方向に向き、頭部30と両係止突部32,32との間に支持板部41である厚紙k及び舌片24である厚紙kとが挟まれることになる。しかも、一方の係止突部33が長く支持板部41の内面に沿って深く嵌り込むので、止め具3が透孔16,26から抜け難い構造になっている。
【0038】
このようにして、ロールペーパーRを装填したロールペーパー用収納具A2が完成する。このロールペーパー用収納具A2は、例えば机(図示せず。)の上面に置いて使用される。該ロールペーパーRは軸筒5が挿通され底板部40の上面から浮いているので、ロールペーパーRを引き出す際、簡単に回転して取り出し易い。また、使用上、ロールペーパーRの引き出し動作と共に巻芯Sが回転する際、軸筒5の外周面であって三角形の頂部の2箇所に接触することから、これにより軸筒5の回転がフラフラせずに安定し、ロールペーパーRが無用に引き出されることが抑えられ使い易い。
【0039】
ロールペーパーRが無くなれば、一方の透孔16,26から止め具3を外し、スリット15から舌片24を抜いて巻芯Sを外す。そして、新しいロールペーパーRの巻芯Sに軸筒5を挿通し、前記と同様な作業を行なって組み付けが行なわれる。軸筒5を正三角筒状に成形したのは、例えばこれを円筒状に成形するのに特殊な装置が必要になり、その成形コストが高くなるからである。
【0040】
第二実施の形態に係るロールペーパー用収納具A2にあっても、収納具本体4や軸筒5などすべてダンボール紙を打ち抜き、折り曲げるのみで成形されることから、成形が楽であると共に製作コストが極めて低廉になし得る。また、両支持板部41,41間に配置される軸筒5を正三角筒状に成形すると共に長手方向に沿った両端部の内少なくとも一方とこれと対向する支持板部41とに係脱自在に係合し得るスリット15と該スリット15に挿通されて固定される舌片24とを設けたので、強固な構成とすることができる。
【0041】
第二実施の形態に係るロールペーパー用収納具A2は、机などの台の上に設置して使用されるタイプのものとして説明したが、図12に示すように、合成樹脂製の細長い吊下げバンド部34の両端にそれぞれ止め具3を一体に設けるようにしても良い。そして、両止め具3,3を透孔16,26に挿通して係止するようにすれば、柱(図示せず。)などに吊下げて使用するタイプとして使用できる。このようにすれば、吊下げバンド部34の両端部で軸筒5が固定できることから、両方の機能を兼用できる。
【0042】
軸筒5は、三角筒状に成形したが、これに限られることはなく、例えば正四角筒状、正五角筒状、正六角筒状など他の正多角形状であっても良い。また、両支持板部41,41に対して軸筒5の両端部を係脱自在に係合するようにしたが、その構成を一方のみとし、他方を支持板部41の内面に接着剤により接着して固定するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】第一実施の形態に係るロールペーパー用収納具の斜視図。
【図2】同ロールペーパー用収納具の分解斜視図。
【図3】同軸筒の展開平面図。
【図4】図1のW−W線断面図。
【図5】図1のX−X線断面図。
【図6】吊り下げバンド部を使用したロールペーパー用収納具の斜視図。
【図7】第二実施の形態に係るロールペーパー用収納具の斜視図。
【図8】同ロールペーパー用収納具の分解斜視図。
【図9】(イ)(ロ)は同組立て手順を示す斜視図。
【図10】図7のY−Y線断面図。
【図11】図7のZ−Z線断面図。
【図12】吊り下げバンド部を使用したロールペーパー用収納具の斜視図。
【符号の説明】
【0044】
2 軸筒
3 係合手段(止め具)
5 軸筒
11 支持板部
15 係合手段(スリット)
16 係合手段(透孔)
24 係合手段(舌片)
26 係合手段(透孔)
41 支持板部
A1 ロールペーパー用収納具
A2 ロールペーパー用収納具
d ダンボール紙
k 厚紙
R ロールペーパー
S 巻芯
【技術分野】
【0001】
本発明は、筒状の巻芯にロール状に巻回したロールペーパーを引き出してティッシュペーパーのような感覚で使用できるようにしたロールペーパー用収納具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のロールペーパー用収納具として、例えば次のようなものが開示されている。すなわち、このロールペーパー用収納具は中空箱状に成形され、その上面が蓋になっていると共に該上面にロールペーパーを引き出すためのスリットが開設され、前記箱内にロールペーパーを収納して上面のスリットからそのロールペーパーを引き出して使用できるようにしている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、他のロールペーパー用収納具は中空箱状に成形され、その一側面に蓋が設けられると共に該蓋に軸受け穴を介してロールペーパー用収納具内に横断状に突出する軸筒を挿入し、これと対向する側面に軸受け穴を介して軸筒と螺合し該軸筒の自由端をしっかりと保持して固定するストッパーを挿入し、ロールペーパー用収納具の上面にはロールペーパーを引き出すためのスリットが開設される。そして、スリットからロールペーパーを引き出して使用できるようにしている(例えば、特許文献2参照。)。
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3118518号公報(第2−3頁、図3)
【特許文献2】特開2002−17609号公報(第2−3頁、図1、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記特許文献1に係るロールペーパー用収納具は、軸筒が無くロールペーパーをそのまま収納して使用するので、ロールペーパーが内部の底面に擦れて摩擦が大きい。このため、新しい状態ではロールーペーパーが重くて回転しにくく、スリットからロールペーパーを引き出す際にそのロールペーパーが途中で切れてしまい使いものにならない場合が有る。このため、ロールペーパーを切れないようにゆっくり慎重に引き出すようにしなければならず、極めて使い勝手が悪いといった課題がある。
【0006】
一方、前記特許文献2に係るロールペーパー用収納具は、ロールペーパー用収納具内に突出する軸筒をロールペーパーの巻芯に挿通してロールペーパーが自在に回転し得るようにしているので、スリットからのロールペーパーは引き出し易い。しかしながら、この種のロールペーパー用収納具は、例えば合成樹脂、金属、セラミック、木といった素材により強固な構造に製作されることから、それら製作コストが高くつくといった課題がある。
【0007】
製作コストを極力下げるために、ダンボール紙や圧紙などの板紙によってロールペーパー用収納具を製作すれば良いが、前記軸筒を板紙により円筒状に成形して取着しようとすると、ロールペーパーの交換のため該軸筒を係脱自在に取着する必要がある関係上、その取付構造に苦慮する。また、前記軸筒を板紙により円筒状に成形するにはまだ成形に掛るコストが高い。同様に、軸筒を合成樹脂材により成形すれば、特許文献2のように成形が簡単でありロールペーパーの交換も容易にできることになるが、その成形に金型や加工を必要とするのでロールペーパー用収納具の製作コストが嵩むという課題がある。
【0008】
そこで、本発明は上記課題を解決すべくなされたもので、製作コストを極力低廉になしえ、しかも、強固で簡単に取り付けられる軸筒を有したロールペーパー用の収納具を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる目的を達成するため本発明に係るロールペーパー用収納具は、ダンボール紙又は厚紙などの板紙により成形され、平行に配置される一対の支持板部を備え、前記両支持板部間にロールペーパーの巻芯に挿通する軸筒を配置してなり、前記軸筒は正多角筒状に成形されると共に長手方向に沿った両端部の内少なくとも一方とこれと対向する前記支持板部とに係脱自在に係合し得る係合手段を設けたことを特徴とする。
【0010】
具体的には、前記係合手段は、前記軸筒の端部から延設され透孔を設けた舌片と、前記支持板部に設けられ前記舌片が挿通されるスリット及び該スリットに挿通した舌片を折り曲げた際に前記透孔に合致する透孔と、前記両透孔に嵌合する止め具と、からなる。
【発明の効果】
【0011】
請求項1乃至2に係るロールペーパー用収納具は、両支持板部間に配置される軸筒を正多角筒状に成形すると共に長手方向に沿った両端部の内少なくとも一方とこれと対向する支持板部とに係脱自在に係合し得る係合手段を設けるようにしたので、軸筒も板紙により成形でき、強固な構成とすることができる。しかも、軸筒が正多角形状に成形され、折れ線を設けて折り曲げるのみで成形できることから、円筒状のものに比べ簡単に製作できかつ取り付けられ成形コストも安い。これにより、ロールペーパー用収納具が板紙により強固な構成に成形され、その製作コストも極めて低廉になし得るという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明に係るロールペーパー用収納具の実施の形態を図面に基づき詳しく説明する。図1乃至図6は第一実施の形態に係るロールペーパー用収納具を示し、図7乃至図12は第二実施の形態に係るロールペーパー用収納具を示す。本発明にあって、ロールペーパー収納具とは、机などの台の上に設置して使用する設置タイプと吊下げバンドにより柱などに吊下げて使用する吊下げタイプの両タイプを含む。また、形態としてロールペーパーが覆われる箱型や露出する皿型のいずれも含むものである。また、ロールペーパー用収納具の材質は、ダンボール紙や厚紙といった丈夫な板紙であれば良い。
【0013】
そこで、まず第一実施の形態に係るロールペーパー用収納具について説明する。図1は第一実施の形態に係るロールペーパー用収納具の斜視図、図2は同ロールペーパー用収納具の分解斜視図、図3は同軸筒の展開平面図、図4は図1のW−W線断面図、図5は図1のX−X線断面図である。
【0014】
ロールペーパー用収納具A1は、板紙としての両面ダンボール紙dにより成形され、収納具本体1と該収納具本体1とは別個に成形される軸筒2とからなる。収納具本体1は、略方形状の底板部10と該底板部10の対向する両側縁に一体に設けられ互いに起立して平行に配置される支持板部11,11とからなる。両支持板部11,11は台形状をなす。底板部10も両支持板部11,11も共に所定の形状に打ち抜かれ、所定の個所に折り曲げ線を設けて折り曲げることによりダンボール紙dを2重に貼り合せてなり、所要の強度が得られるようになっている。
【0015】
底板部10における両支持板部11,11間の両側縁に沿って、両支持板部11,11間に亘り上側のダンボール紙dを上方へ折り曲げ断面三角形状となる突条部12,12が設けられている。これら突条部12,12の外側面12aの底板部10に対する傾斜角度は、起立した支持板部11,11における両側縁11aの底板部10に対する傾斜角度と同じに設定され、それら突条部12,12の外側面12a,12aが両支持板部11,11の両側縁11a,11aとほぼ合致してデザイン性を高めるようにしている。また、両突条部12,12を含め底板部10の上側のダンボール紙dにおける両支持板部11,11と対向する側縁10a,10aに、両突条部12,12の外側面12aを除き支持板部11の厚み寸法程度の深さの切欠凹部13,13が凹設されている。
【0016】
両支持板部11,11の内面には、その中央部に内側のダンボール紙dのみを正三角形状に切り抜いて軸筒2の両端を嵌り込ませるための窪み部14,14が設けられる。そして、各窪み部14内の下側縁に沿って外側のダンボール紙dに、係合手段としてのスリット15が開設される。また、各窪み部14内のほぼ中央部であって外側のダンボール紙dに、円形状の係合手段としての透孔16が開設されている。
【0017】
軸筒2は長方形状のダンボール紙dからなり、長手方向に沿って平行な三本の折れ線20により同じ方向へ折り曲げることにより正三角筒状になる。短手方向の両端に位置する折り曲げ片21a,21bには、その外側縁の対応位置に差込片22と該差込片22が差し込まれる差込凹部23が設けられている。また、折れ線20で挟まれる折り曲げ片21cの長手方向の両端縁に、窪み部14のスリット15に挿入される半円形状の係合手段としての舌片24,24が折り線25,25を介して連設され、両舌片24,24にスリット15に挿通して折り曲げた際に支持板部11,11側の透孔16,16に合致する係合手段としての透孔26,26が開設されている。
【0018】
第一実施の形態に係るロールペーパー用収納具A1は上記構成からなり、次にその組立方法を説明する。まず、折り曲げ片21a,21b,21cをそれぞれ折れ線20によって同じ方向へ折り曲げ、差込凹部23が設けられた折り曲げ片21bを内側にしてその外側へ差込片22が設けられた折り曲げ片21aを重ね、差込凹部23へ差込片22を差し込む。これにより、正三角筒状の軸筒2が成形される。そして、該軸筒2をロールペーパーRの巻芯Sに挿通する。
【0019】
そこで、収納具本体1の一方の支持板部11を起立させると共に底板部10の切欠凹部13内に嵌めた状態で、軸筒2の長手方向の一端の舌片24を窪み部14のスリット15に挿通する。更に、該舌片24を透孔16側へ折り曲げる。このとき、両透孔16,26とが合致する。そして、両透孔16,26内に係合手段としての止め具3を挿入して係止する。これにより、図4、図5に示すように支持板部11側の窪み部14に軸筒2の一端が嵌り込んだ状態で、支持板部11の外側のダンボール紙dと舌片24とが一体に挟着されて強固に保持される。この作業は、収納具本体1の他方に支持板部11についても同様に行なわれる。
【0020】
止め具3は合成樹脂材から成形され、図2、図4に示すように透孔16、26の内径よりも外径の大きい円板状の頭部30を有する。該頭部30の一側面に、該一側面と直交しかつその中心軸線に沿って分離する半割状の軸部31a,31bが突設される。そして、一方の軸部31aに該軸部31aに対して直交する係止突部32が設けられ、他方の軸部31bに該軸部31bに対して直交する縦長の係止突部33が設けられる。
【0021】
係止突部32と縦長の係止突部33とは互いに逆方向に向き、頭部30と両係止突部32,33との間に支持板部11の外側のダンボール紙d及び舌片24とが挟まれることになる。しかも、一方の縦長の係止突部33が長く支持板部11のダンボール紙dの内面にそって深く嵌り込むので、止め具3が透孔16,26から抜け難い構造になっている。
【0022】
このようにして、ロールペーパーRを装填したロールペーパー用収納具A1が完成する。このロールペーパー用収納具A1は、例えば机(図示せず。)の上面に置いて使用される。該ロールペーパーRは軸筒2が挿通され底板部10の上面から浮いているので、ロールペーパーRを引いても簡単に回転して取り出し易い。また、使用上、ロールペーパーRの引き出し動作と共に巻芯Sが回転する際、軸筒2の外周面であって三角形の頂部の2箇所に接触することから、これにより軸筒2の回転がフラフラせずに安定し、ロールペーパーRが無用に引き出されることが抑えられ使い易い。
【0023】
ロールペーパーRが無くなれば、一方の透孔16,26から止め具3を外し、スリット15から舌片24を抜いて巻芯Sを外す。そして、新しいロールペーパーRの巻芯Sに軸筒2を挿通し、前記と同様な作業を行なって組み付けが行なわれる。軸筒2を正三角筒状に成形したのは、例えば、これを円筒状に成形するのに特殊な装置が必要になり、その成形コストが高くなるからである。
【0024】
第一実施の形態に係るロールペーパー用収納具A1にあっては、収納具本体1や軸筒2などすべてダンボール紙を打ち抜き、折り曲げるのみで成形されることから、成形が楽であると共に製作コストが極めて低廉になし得る。また、両支持板部11,11間に配置される軸筒2を正三角筒状に成形すると共に長手方向に沿った両端部の内少なくとも一方とこれと対向する支持板部11とに係脱自在に係合し得るスリット15と該スリット15に挿通されて固定される舌片24とを設けたので、強固な構成とすることができる。
【0025】
第一実施の形態に係るロールペーパー用収納具A1は、机などの台の上に設置して使用されるタイプのものとして説明したが、図6に示すように、合成樹脂製の細長い吊下げバンド部34の両端にそれぞれ止め具3を一体に設けるようにしても良い。そして、両止め具3,3を透孔16,26に挿通して係止するようにすれば、柱(図示せず。)などに吊下げて使用するタイプとして使用できる。このようにすれば、吊下げバンド部34の両端部で軸筒2が固定できることから、両方の機能を兼用できる。
【0026】
軸筒2は、三角筒状に成形したが、これに限られることはなく、例えば正四角筒状、正五角筒状、正六角筒状など他の正多角形状であっても良い。また、両支持板部11,11に対して軸筒2の両端部を係脱自在に係合するようにしたが、その構成を一方のみとし、他方を支持板部11の内面に接着して固定するようにしても良い。
【0027】
次に、第二実施の形態に係るロールペーパー用収納具について説明する。図7は第二実施の形態に係るロールペーパー用収納具の斜視図、図8は同ロールペーパー用収納具の分解斜視図、図9(イ)(ロ)は同組立て手順を示す斜視図、図10は図7のY−Y線断面図、図11は図7のZ−Z線断面図である。なお、第一実施の形態に係るロールペーパー用収納具と同一構成の部位には同一番号を附す。
【0028】
ロールペーパー用収納具A2は、板紙としての厚紙kにより成形され、収納具本体4と該収納具本体4とは別個に成形される軸筒5と同じく収納具本体4の開放する上面を覆う蓋板6とから構成される。収納具本体4は、略方形状の底板部40を有し、該底板部40の対向する両側縁に互いに起立して平行に配置される支持板部41,41が一体に設けられる。両支持板部41,41の上縁は円弧状に成形され、デザイン性を高めるようにしている。また、両支持板部41,41には、その中央部に係合手段としてのスリット15とその上方に位置して同じく係合手段としての透孔16が開設されている。
【0029】
底壁部40における両支持板部41,41間の対向する両側縁に、所定高さの方形状の第一側板部42,42が連設される。各第一側板部42の両側縁に、第二側板部43,43が連設される。両第二側板部43,43は、起立した状態で上縁が先端に向うに従い漸次低くなるようになっており、先端側に上縁から下方へ又は下縁から上方へ伸びる切り溝44が設けられている。これら第二側板部43,43は、ロールペーパー用収納具A2を組立てる際に、支持板部41の内側に配置されるようになっており、しかも、その上縁とスリット15とがほぼ同じ高さになるように設定される。
【0030】
両第一側板部42,42の上端縁には、該第1側板部42の内面側へ折れ曲り接着される補強片45が連設される。また、両第一側板部42,42の下縁の中央部にその下縁に沿って挿通孔46が設けられている。これは、後記する蓋板6の挿入片47を挿入させるためである。
【0031】
軸筒5は長方形状の厚紙kからなり、第一実施の形態と同様に長手方向に沿って平行な三本の折れ線20により同じ方向へ折り曲げることにより正三角筒状になる。短手方向の両端に位置する折り曲げ片21a,21bには、その外側縁の対応位置に差込片22と該差込片22が差し込まれる差込凹部23が設けられている。また、折れ線20で挟まれる折り曲げ片21cの長手方向の両端縁に、支持板部41のスリット15に挿入される半円形状の係合手段としての舌片24,24が折り線25,25を介して連設される。また、両舌片24,24に、スリット15に挿通して舌片24を折り曲げた際に支持板部41,41側の透孔16,16に合致する係合手段としての透孔26,26が開設されている。
【0032】
蓋板6も厚紙からなり、収納具本体4の上面を覆うことができる横長長方形状に成形され、長手方向の両端縁の中央部に挿入片47が突設される。また、蓋板6の中央部には、ロールペーパーRを引き出すため楕円形状に切り抜かれた取出口48が開設されている。
【0033】
第二実施の形態に係るロールペーパー用収納具A2は上記構成からなり、次にその組立方法を説明する。まず、図8に示すように収納具本体4において、両第一側板部42,42を起立させると共にそれぞれ両第二側板部43,43を互いに内側へ折り曲げ、対応位置する切り溝44,44を嵌め込む。これにより、両第二側板部43,43が連設され、両第一側板部42,42と合わせて上面が開放する箱状に組立てられる。更に、支持板部41を起立させる。
【0034】
軸筒5については、第一実施の形態と同様に折り曲げ片21a,21b,21cをそれぞれ折れ線20によって同じ方向へ折り曲げる。そして、差込凹部23が設けられた折り曲げ片21bを内側にしてその外側へ差込片22が設けられた折り曲げ片21aを重ね、差込凹部23へ差込片22を差し込む。これにより、正三角筒状の軸筒2が成形される。そして、図9(イ)に示すように、軸筒5の一端の舌片24を一方のスリット15に挿通する。更に、該舌片24を透孔16側へ折り曲げる。このとき、両透孔16,26とが合致する。そして、両透孔16,26内に係合手段としての止め具3を挿入して係止する。この状態で、軸筒5をロールペーパーRの巻芯Sに挿通する。
【0035】
同様に、図9(ロ)に示すように軸筒5の他端の舌片24を他方のスリット15に挿通して、各舌片24を各透孔16側へ折り曲げる。また、両透孔16,26内に、止め具30を挿入して係止する。最後に、各第一側板部42の下端縁に設けられた挿通孔46に、挿入片47を挿入して上面を覆う。ロールペーパーRの一端は、取出口48から少し外側へ出しておく。これにより、図10、図11に示すように軸筒5の下面の両端部が両第二側板部43,43の上端縁に乗った状態で、支持板部41と舌片24とが一体に挟着されて強固に保持される。
【0036】
止め具3は第一実施の形態と同様に合成樹脂材から成形され、図9(ロ)、図10に示すように透孔16、26の内径よりも外径の大きい円板状の頭部30を有する。該頭部30の一側面に、該一側面と直交しかつその中心軸線に沿って分離する半割状の軸部31a,31bが突設される。そして、一方の軸部31aに該軸部31aに対して直交する係止突部32が設けられ、他方の軸部31bに該軸部31bに対して直交する縦長の係止突部33が設けられる。
【0037】
係止突部32と縦長の係止突部33とは互いに逆方向に向き、頭部30と両係止突部32,32との間に支持板部41である厚紙k及び舌片24である厚紙kとが挟まれることになる。しかも、一方の係止突部33が長く支持板部41の内面に沿って深く嵌り込むので、止め具3が透孔16,26から抜け難い構造になっている。
【0038】
このようにして、ロールペーパーRを装填したロールペーパー用収納具A2が完成する。このロールペーパー用収納具A2は、例えば机(図示せず。)の上面に置いて使用される。該ロールペーパーRは軸筒5が挿通され底板部40の上面から浮いているので、ロールペーパーRを引き出す際、簡単に回転して取り出し易い。また、使用上、ロールペーパーRの引き出し動作と共に巻芯Sが回転する際、軸筒5の外周面であって三角形の頂部の2箇所に接触することから、これにより軸筒5の回転がフラフラせずに安定し、ロールペーパーRが無用に引き出されることが抑えられ使い易い。
【0039】
ロールペーパーRが無くなれば、一方の透孔16,26から止め具3を外し、スリット15から舌片24を抜いて巻芯Sを外す。そして、新しいロールペーパーRの巻芯Sに軸筒5を挿通し、前記と同様な作業を行なって組み付けが行なわれる。軸筒5を正三角筒状に成形したのは、例えばこれを円筒状に成形するのに特殊な装置が必要になり、その成形コストが高くなるからである。
【0040】
第二実施の形態に係るロールペーパー用収納具A2にあっても、収納具本体4や軸筒5などすべてダンボール紙を打ち抜き、折り曲げるのみで成形されることから、成形が楽であると共に製作コストが極めて低廉になし得る。また、両支持板部41,41間に配置される軸筒5を正三角筒状に成形すると共に長手方向に沿った両端部の内少なくとも一方とこれと対向する支持板部41とに係脱自在に係合し得るスリット15と該スリット15に挿通されて固定される舌片24とを設けたので、強固な構成とすることができる。
【0041】
第二実施の形態に係るロールペーパー用収納具A2は、机などの台の上に設置して使用されるタイプのものとして説明したが、図12に示すように、合成樹脂製の細長い吊下げバンド部34の両端にそれぞれ止め具3を一体に設けるようにしても良い。そして、両止め具3,3を透孔16,26に挿通して係止するようにすれば、柱(図示せず。)などに吊下げて使用するタイプとして使用できる。このようにすれば、吊下げバンド部34の両端部で軸筒5が固定できることから、両方の機能を兼用できる。
【0042】
軸筒5は、三角筒状に成形したが、これに限られることはなく、例えば正四角筒状、正五角筒状、正六角筒状など他の正多角形状であっても良い。また、両支持板部41,41に対して軸筒5の両端部を係脱自在に係合するようにしたが、その構成を一方のみとし、他方を支持板部41の内面に接着剤により接着して固定するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】第一実施の形態に係るロールペーパー用収納具の斜視図。
【図2】同ロールペーパー用収納具の分解斜視図。
【図3】同軸筒の展開平面図。
【図4】図1のW−W線断面図。
【図5】図1のX−X線断面図。
【図6】吊り下げバンド部を使用したロールペーパー用収納具の斜視図。
【図7】第二実施の形態に係るロールペーパー用収納具の斜視図。
【図8】同ロールペーパー用収納具の分解斜視図。
【図9】(イ)(ロ)は同組立て手順を示す斜視図。
【図10】図7のY−Y線断面図。
【図11】図7のZ−Z線断面図。
【図12】吊り下げバンド部を使用したロールペーパー用収納具の斜視図。
【符号の説明】
【0044】
2 軸筒
3 係合手段(止め具)
5 軸筒
11 支持板部
15 係合手段(スリット)
16 係合手段(透孔)
24 係合手段(舌片)
26 係合手段(透孔)
41 支持板部
A1 ロールペーパー用収納具
A2 ロールペーパー用収納具
d ダンボール紙
k 厚紙
R ロールペーパー
S 巻芯
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダンボール紙又は厚紙などの板紙により成形され、平行に配置される一対の支持板部を備え、前記両支持板部間にロールペーパーの巻芯に挿通する軸筒を配置してなり、前記軸筒は正多角筒状に成形されると共に長手方向に沿った両端部の内少なくとも一方とこれと対向する前記支持板部とに係脱自在に係合し得る係合手段を設けたことを特徴とするロールペーパー用収納具。
【請求項2】
前記係合手段は、前記軸筒の端部から延設され透孔を設けた舌片と、前記支持板部に設けられ前記舌片が挿通されるスリット及び該スリットに挿通した舌片を折り曲げた際に前記透孔に合致する透孔と、前記両透孔に嵌合する止め具と、からなる請求項1記載のロールペーパー用収納具。
【請求項1】
ダンボール紙又は厚紙などの板紙により成形され、平行に配置される一対の支持板部を備え、前記両支持板部間にロールペーパーの巻芯に挿通する軸筒を配置してなり、前記軸筒は正多角筒状に成形されると共に長手方向に沿った両端部の内少なくとも一方とこれと対向する前記支持板部とに係脱自在に係合し得る係合手段を設けたことを特徴とするロールペーパー用収納具。
【請求項2】
前記係合手段は、前記軸筒の端部から延設され透孔を設けた舌片と、前記支持板部に設けられ前記舌片が挿通されるスリット及び該スリットに挿通した舌片を折り曲げた際に前記透孔に合致する透孔と、前記両透孔に嵌合する止め具と、からなる請求項1記載のロールペーパー用収納具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2008−94406(P2008−94406A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−275480(P2006−275480)
【出願日】平成18年10月6日(2006.10.6)
【出願人】(594097594)藤徳紙器株式会社 (14)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年10月6日(2006.10.6)
【出願人】(594097594)藤徳紙器株式会社 (14)
【Fターム(参考)】
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