説明

ロール紙計測装置

【課題】製造コストの増加を抑制したロール紙計測システムを提供すること
【解決手段】ロール紙の外周に当接して当該ロール紙を回転させる搬送ローラと、ロール紙に対して投光すると共に反射光を検出する反射型センサと、上記搬送ローラと上記反射型ローラとの動作を制御する制御部と、を備える。そして、上記制御部は、上記ロール紙を巻き取り方向に回転させるよう上記搬送ローラを駆動制御すると共に上記反射型センサによる検出値から上記ロール紙のエッジを検出するエッジ検出部と、上記エッジの検出間隔と上記搬送ローラの回転速度とに基づいて上記ロール紙の残量を算出する残量算出部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロール紙計測装置にかかり、特に、ロール紙の残量を計測可能な機能を有するロール紙計測装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ファクシミリなどに用いられるロール紙の残量を検出する装置として、例えば、特許文献1に開示の装置がある。特許文献1に開示の装置は、当該特許文献1の図6に示すように、ロールに巻かれた記録紙を支持し、繰り出しを案内するスプールのフランジに切り欠きを設け、このスプールを挟んでホトインタラブタを取り付けている。そして、記録紙つまりスプールの1回転に1回、ホトインタラブタの投光器からの光が切り欠きを通って同受光器に入り、パルスを生じるようにしている。あるいは、特許文献1の図7に示すように、スプールに光反射用のシールを張り、このスプールに対向して光信号検出器を取り付けている。そして、記録紙つまりスプールの1回転に1回、光信号検出器の投光器からの光がシールで反射して同受光器に入り、パルスを生じるようにしている。上記構成に加え、上述した記録紙回転パルスと、送りローラを駆動するパルスモータに供給されるパルスモータ駆動パルスとに基づいて、記録紙の残量を計測している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭63−134457号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した構成のロール紙残量検出装置では、記録紙と共に回転するスプール及び当該スプールに切り欠きやシールなどの部品が必要となり、さらに、スプールと投光器との設定も必要となる。すると、装置を構成する部品点数が増加すると共に、装置構成及び設定が複雑となり、装置コストが増加する、という問題が生じる。
【0005】
このため、本発明の目的は、上述した課題である、製造コストの増加を抑制したロール紙計測装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的を達成するため本発明の一形態であるロール紙計測装置は、
ロール紙の外周に当接して当該ロール紙を回転させる搬送ローラと、
ロール紙に対して投光すると共に反射光を検出する反射型センサと、
上記搬送ローラと上記反射型ローラとの動作を制御する制御部と、を備える。
そして、上記制御部は、上記ロール紙を巻き取り方向に回転させるよう上記搬送ローラを駆動制御すると共に上記反射型センサによる検出値から上記ロール紙のエッジを検出するエッジ検出部と、上記エッジの検出間隔と上記搬送ローラの回転速度とに基づいて上記ロール紙の残量を算出する残量算出部と、を備える。
【0007】
また、本発明の他の形態であるプログラムは、
ロール紙の外周に当接して当該ロール紙を回転させる搬送ローラと、ロール紙に対して投光すると共に反射光を検出する反射型センサと、上記搬送ローラと上記反射型ローラとの動作を制御する制御部と、を備えたロール紙計測装置の上記制御部に、
上記ロール紙を巻き取り方向に回転させるよう上記搬送ローラを駆動制御すると共に上記反射型センサによる検出値から上記ロール紙のエッジを検出するエッジ検出部と、
上記エッジの検出間隔と上記搬送ローラの回転速度とに基づいて上記ロール紙の残量を算出する残量算出部と、
を実現させるためのプログラムである。
【0008】
また、本発明の他の形態であるロール紙計測方法は、
ロール紙の外周に当接して当該ロール紙を回転させる搬送ローラと、ロール紙に対して投光すると共に反射光を検出する反射型センサと、上記搬送ローラと上記反射型ローラとの動作を制御する制御部と、を備えたロール紙計測装置にて、
上記ロール紙を巻き取り方向に回転させるよう上記搬送ローラを駆動制御すると共に上記反射型センサによる検出値から上記ロール紙のエッジを検出し、
上記エッジの検出間隔と上記搬送ローラの回転速度とに基づいて上記ロール紙の残量を算出する。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、以上のように構成されることにより、低コストにて、ロール紙の残量を算出することが可能なロール紙計測装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施形態1におけるロール紙計測装置の構成を示す図である。
【図2】図1に開示した制御部の構成を示す機能ブロック図である。
【図3】図1に開示した反射型センサによる反射光の検出例を示す図である。
【図4】ロール紙計測装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】ロール紙計測装置の他の構成例を示す図である。
【図6】ロール紙計測装置の他の構成例を示す図である。
【図7】実施形態2におけるロール紙計測装置の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<実施形態1>
本発明の第1の実施形態を、図1乃至図6を参照して説明する。図1は、ロール紙計測装置の構成を示す図であり、図2は、制御部の構成を示す機能ブロック図である。図3は、反射型センサによる反射光の検出例を示す図である。図4は、ロール紙計測装置の動作を示すフローチャートである。図5乃至図6は、ロール紙計測装置の他の構成例を示す図である。
【0012】
[構成]
本実施形態におけるロール紙計測装置は、例えば、ファクシミリなどロール紙を搭載する装置に設置されるものである。そして、ロール紙計測装置は、図1に示すように、ロール紙ケース5に収容されているロール紙1の外周に当接して当該ロール紙1を回転させる搬送ローラ2と、ロール紙1に対して投光すると共に反射光を検出する反射型センサ3と、搬送ローラ2と反射型ローラ3との動作を制御する制御部4と、を備えている。以下、各構成について詳述する。
【0013】
上記搬送ローラ2は、ロール紙1の外周に当接するよう2つ装備されており、それぞれが制御部4により回転速度が制御され、回転駆動する。そして、搬送ローラ2の外周が、ロール紙1の外周に当接した状態で回転駆動することで、ロール紙1が回転する。このとき、図1に示す例では、搬送ローラ2が時計回りに回転することで、ロール紙1が反時計回りに回転し、ロール紙1の先端つまりエッジ10が引き出される状態となる。逆に、搬送ローラ2が反時計回りに回転することで、ロール紙1が時計回りに回転し、ロール紙1の先端つまりエッジ10が巻き取られる状態となる。
【0014】
上記反射型センサ3は、発光素子と受光素子とが同方向を向いて装備されたセンサであり、ロール紙1の外周表面に対して投光すると共に、反射光を受光して検出するよう作動する。特に、本実施形態では、紙が正常に巻き付けられている状態であり外周に凹みや損傷のない正常な状態のロール紙1に投光すると、反射光を受光できる位置に、反射型センサ3を設置する。そして、反射光の受光状態を制御部4にて計測する。
【0015】
上記制御部4は、CPU(Central Processing Unit)といった演算装置やフラッシュメモリといった記憶装置を備えて構成されている。そして、制御部4は、図2に示すように、演算装置にプログラムが組み込まれることによって構築された、エッジ検出部41と、ロール紙状態検出部42と、残量算出部43と、を備えている。
【0016】
上記エッジ検出部41は、ロール紙1の残量を検出する際に、上記搬送ローラ2を回転駆動制御すると共に、反射型センサ3から投光して反射光の検出を行う。具体的には、まず、搬送ローラ2を反時計回りに回転させて、ロール紙1のエッジ10が巻き取られるよう当該ロール紙1を時計回りに回転させる。これと同時に、反射型センサ3の発光素子にて投光して、その反射光を検出する。このとき、反射光の検出値は、例えば、縦軸は検出値を表し、横軸は時間を表した、図3の(1)−(4)のような形状になる。この図において、符号Hに示すように検出値が高いときは、反射光を検出している状態であり、符号Lに示すように検出値が低いときは、反射光を検出していない(非検出)状態である。
【0017】
そして、エッジ検出部41は、特に、ロール紙1のエッジ10を検出するよう作動する。ここで、図3(1)に示す反射光の検出値が得られた場合を考える。この図の例では、予め設定された規定時間A内に、非検出状態Lが存在する。この場合に、非検出状態Lの箇所を、ロール紙1のエッジが通過した候補として検出する。さらに具体的には、この非検出状態Lが継続する時間が、規定時間B内である場合に、かかる箇所をエッジ10が通過した箇所として検出する。なお、上記規定時間Aは、予め設定されて制御部4に記憶されている値であり、例えば、搬送ローラ2にて巻き取り方向に回転された新品ロール紙の外周が一周する時間と同等、あるいは、それよりも少し長い時間である。また、上記規定時間Bは、予め設定されて制御部4に記憶されている値であり、例えば、搬送ローラ2にて巻き取り方向に回転されたロール紙1のエッジ10が、反射型センサ3の投光箇所を通過する時間と同等、あるいは、それよりも少し長い時間である。
【0018】
上記ロール紙状態検出部42は、上述した反射型センサ3の検出値に応じて、ロール紙1の状態が正常であるか、異常であるか、を判断する機能を有する。具体的に、ロール紙状態検出部42は、反射型センサ3による反射光の検出値が、図3(4)に示すように、検出状態Hが規定時間A以上継続した場合に、ロール紙1の状態が異常、特に、搬送不良であると判断する。また、ロール紙状態検出部42は、図3(3)の符号L’に示すように、非検出状態L’(検出値が低い状態)が規定時間B以上継続した場合に、ロール紙1の状態が異常であると判断する。このとき、特に、ロール紙1の外周表面に凹みがあるなど、当該ロール紙1が変形したことによる異常と判断する。さらに、ロール紙状態検出部42は、図3(2)の符号L,L’に示すように、規定時間A内に2回の非検出状態L,L’を検出した場合に、ロール紙1の状態が異常であると判断する。つまり、エッジ10であると判断できる非検出状態Lがある場合であっても、エッジ10と判断できない規定時間B以上継続した非検出状態L’が混在しており、規定時間A内に複数の非検出状態L,L’を検出した場合に、上記同様に、ロール紙1の外周表面に凹みがあるなど当該ロール紙1が変形しているなど異常である、と判断する。
【0019】
そして、ロール紙状態検出部42は、上述したように、ロール紙1の状態が異常であると判断すると、上位装置に対してアラームを発生するなど、報知処理を行う。
【0020】
一方、ロール紙状態検出部42は、上述したようにロール紙1の状態が異常であると判断せず、上記エッジ検出部41にてエッジ10のみを検出した場合には、ロール紙1の状態は正常であると判断して、残量算出部43に通知する。
【0021】
上記残量算出部43は、ロール紙1の状態が正常であるとの通知を受けると、当該ロール紙1の残量を算出する。このため、まず、現在のロール紙1の半径r1[mm]を求める。具体的には、上記エッジ検出部41にて検出したロール紙1のエッジ10の検出間隔の時間S[s]、つまり、エッジ10が1回転する時間Sを、図3(1)に示すような反射型センサ3による検出値から、例えば、連続する非検出状態Lの間隔を取得する。また、搬送ローラ2の回転速度V[mm/s]、つまり、1秒間にロール紙1の外周が移動する距離を取得する。この搬送ローラ2の回転速度Vの値は、制御部4自体が搬送ローラ2の回転を制御しているため、制御値から取得することができる。そして、現在のロール紙1の円周は、2πr1[mm]と表せるため、上記エッジ10の検出間隔の時間S[s]は、下記数1式にて表せる。
【0022】
(数1)
2πr1/V=S
そして、上記数1式を変形することで、下記数2式に示すように、ロール紙1の半径r1を算出することができる。
【0023】
(数2)
r1=V・S/2π
【0024】
続いて、算出した現在のロール紙1の半径r1[mm]から、現在のロール紙1の断面積、つまり、側面の面積R1[mm]を、下記数3式にて求める。
【0025】
(数3)
R1=r1・π
【0026】
ここで、事前にまだ使用していないロール紙つまり新品ロール紙の断面積(側面の面積)R0[mm]の値を調べておき、その値を制御部4に記憶しておく。あるいは、新品ロール紙の半径r0[mm]を記憶しておき、この半径r0から、下記数4式にて新品ロール紙の断面積R0を調べる
【0027】
(数4)
R0=r0・π
【0028】
そして、上記新品ロール紙の断面積R0に対する現在のロール紙1の断面積R1の面積比率Y[%]を、下記数5式にて求める。
【0029】
(数5)
Y=R1/R0
【0030】
その後、上記面積比率Yに、下記数6式に示すように、新品ロール紙の量X、例えば、1回の使用によって所定量が使用された場合に何回使用が可能かを表した回数、をかけることで、現在のロール紙1の残量Z(例えば、残使用回数)を算出することができる。
【0031】
(数6)
Z=Y・X
【0032】
そして、残量算出部43は、上述のようにした算出した現在のロール紙1の残量Zを、上位装置に通知したり、あるいは、必要に応じて、ロール紙1の補充が必要である旨のアラームを行うなどの処理を行う。
【0033】
[動作]
次に、上述したロール紙計測装置の動作を、図4のフローチャートを参照して説明する。まず、ロール紙1を巻き取り方向(図1では、時計回り)に回転させるよう、搬送ローラ2を回転駆動制御する(ステップS1)。同時に、反射型センサ3からロール紙1に対して投光して、その反射光の検出を行う。
【0034】
そして、反射光の検出値から、ロール紙1のエッジ10を検出する。このとき、図3に示すような検出値から、規定時間A内に非検出状態Lが存在する場合には、エッジ検出が可能であると判断する(ステップS2でYES)。そして、この段階では、まだ、エッジとなる候補を検出しただけであるため、さらに、検出値から、規定時間B以上継続する非検出状態L’が存在するか調べる(ステップS3)。このとき、図3(1)に示すように、規定時間B以上継続する非検出状態L’が存在しない場合には(ステップS3でNO)、ロール紙1に異常はないと判断し、ロール紙の残量の算出を行う(ステップS4)。なお、ロール紙1の残量の算出は、上述した数1−数6式を用いて行う。
【0035】
一方、上記ステップS2において、図3(4)の検出値のように、規定時間A内に非検出状態Lがない場合には(ステップS2でNO)、ロール紙1の搬送不良と判断し、ロール1の異常と判断する(ステップS5)。また、上記ステップS3において、図3(2),(3)の検出値のように、規定時間A内に非検出状態が存在した場合であっても、規定時間B以上継続する非検出状態L’が存在する場合には(ステップS3でYES)、ロール紙1の変形と判断し、ロール1の異常と判断する(ステップS5)。なお、このとき、図3(2)に示すように、規定時間A内に非検出状態L,L’が複数(所定回数以上)存在していることを検出した場合も同様に、ロール紙1の異常と判断する。そして、ロール紙1の以上と判断した場合には、上位装置へアラームを発生するなど、報知処理を行う(ステップS7)。
【0036】
以上のように、本実施形態におけるロール紙計測装置では、反射型センサ3といった部品のみを装備することで、ロール紙の残量を算出することができる。そして、さらに、この反射型センサ3の検出値を用いることで、ロール紙の異常も検出することができる。従って、ロール紙を装備する装置の製造コストの低減を図りつつ、装置の付加価値の向上を図ることができる。
【0037】
そして、上記ロール紙計測装置では、例えば、ロール紙ケース5にロール紙1をセットした際に、すぐに搬送不良や変形を検知することが可能である。その結果、ロール紙1の異常を早期に発見することができ、利便性の向上を図ることができる。
【0038】
ここで、上記では、発光素子と受光素子とが一体型の反射型センサ3を例示したが、図5に示すように、発光部3aと受光部3bとが分離した反射型センサ3を用いてもよい。そして、図5の例では、ロール紙1の外周のほぼ接線に沿って発光するよう発光部3aを配置し、そして、ロール紙1の半径方向に受光部3bを配置している。このように配置することで、ロール紙1の外周表面に異常がない場合には、発光部3aから発光された光がロール紙1の外周表面に反射して、受光部3bにて受光される。一方で、ロール紙1のエッジ部分や外周表面に凹部がある場合には、発光部3aから発光された光が受光部3bにて受光可能なよう反射しない。従って、このような構成の反射型センサ3を用いた場合であっても、上述同様に作動しうる。
【0039】
また、上記では、反射型センサ3を1つ装備した構成を説明したが(図6(A)参照)、図6(B)のロール紙1を外周表面側から見た図に示すように、2つの反射型センサ3を装備してもよい。そして、例えば、いずれか一方のセンサでのみ、上述したようにロール紙1の状態が異常であると判断できる反射光の非検出状態L’を検出した場合に、異常と判断してもよい。なお、反射型センサ3をさらに多く装備してもよい。
【0040】
<実施形態2>
本発明の第1の実施形態を、図7を参照して説明する。図7は、ロール紙計測装置の構成を示す図である。なお、本実施形態では、ロール紙計測装置の概略を説明する。
【0041】
図7に示すように、本実施形態におけるロール紙計測装置は、
ロール紙1の外周に当接して当該ロール紙1を回転させる搬送ローラ2と、
ロール紙1に対して投光すると共に反射光を検出する反射型センサ3と、
上記搬送ローラ2と上記反射型ローラ3との動作を制御する制御部4と、を備える。
【0042】
そして、上記制御部4は、上記ロール紙1を巻き取り方向に回転させるよう上記搬送ローラ2を駆動制御すると共に上記反射型センサ3による検出値から上記ロール紙1のエッジ10を検出するエッジ検出部41と、上記エッジ10の検出間隔と上記搬送ローラの回転速度とに基づいて上記ロール紙1の残量を算出する残量算出部43と、を備えている。
【0043】
また、上記ロール紙計測装置では、
上記反射型センサは、正常に巻き付けられている上記ロール紙の外周に対して投光したときに反射光を検出するよう設置されており、
上記エッジ検出部は、上記反射光の非検出状態が継続する時間が予め設定された時間内であるときの投光箇所を上記ロール紙のエッジとして検出する、
という構成を採る。
【0044】
また、上記ロール紙計測装置では、
上記残量算出部は、上記ロール紙の上記エッジの検出間隔と上記搬送ローラの回転速度とに基づいて上記ロール紙の断面積を算出すると共に、当該ロール紙の断面積と予め設定された新品ロール紙の断面積とに基づいて上記ロール紙の残量を算出する、
という構成を採る。
【0045】
上記ロール紙計測装置によると、まず、搬送ローラを回転駆動制御してロール紙を巻き取り方向に回転する。同時に、反射型センサにてロール紙に対して投光し、反射光を検出する。そして、反射光の検出値に応じて、例えば、反射光の非検出状態が継続する時間が予め設定された時間内であるときの投光箇所を、ロール紙のエッジとして検出する。そして、ロール紙のエッジの検出間隔と、搬送ローラの回転速度と、に基づいて、ロール紙の残量を算出する。例えば、エッジの検出間隔と搬送ローラの回転速度とからロール紙の半径を算出して断面積を求め、さらに、新品ロール紙の断面積に対する割合から、現在のロール紙の残量を算出する。以上のように、本発明におけるロール紙計測装置では、反射型センサといった部品のみを装備することで、ロール紙の残量を算出することができる。その結果、ロール紙を装備する装置の製造コストの低減を図ることができる。
【0046】
また、上記ロール紙計測装置では、
上記制御部は、上記反射型センサによる検出値に基づいて、上記ロール紙の状態が異常であることを検出するロール紙状態検出部を備えた、
という構成を採る。
【0047】
そして、上記ロール紙計測装置では、
上記ロール紙状態検出部は、上記反射光の非検出状態が継続する時間が予め設定された時間よりも長い場合に、上記ロール紙の異常を検出する、
という構成を採る。
【0048】
また、上記ロール紙計測装置では、
上記ロール紙状態検出部は、予め設定された時間内における上記反射光の非検出状態の回数が予め設定された回数以上である場合に、上記ロール紙の異常を検出する、
という構成を採る。
【0049】
また、上記ロール紙計測装置では、
上記ロール紙状態検出部は、上記反射光の検出状態が予め設定された時間以上継続した場合に、上記ロール紙の状態の異常を検出する、
という構成を採る。
【0050】
上記構成にすることで、反射型センサからの検出値を用いて、ロール紙の異常も検出することができる。従って、上述したロール紙の残量を検出するために装備した反射型センサを有効利用することができ、装置コストを抑制しつつ、装置の付加価値の向上を図ることができる。
【0051】
また、上述したロール紙計測装置の制御部は、当該制御部にプログラムが組み込まれることで実現できる。具体的に、本発明の他の形態であるプログラムは、
演算装置である制御部に、
上記ロール紙を巻き取り方向に回転させるよう上記搬送ローラを駆動制御すると共に上記反射型センサによる検出値から上記ロール紙のエッジを検出するエッジ検出部と、
上記エッジの検出間隔と上記搬送ローラの回転速度とに基づいて上記ロール紙の残量を算出する残量算出部と、
を実現させるためのプログラムである。
【0052】
そして、上記プログラムでは、
上記反射型センサは、正常に巻き付けられている上記ロール紙の外周に対して投光したときに反射光を検出するよう設置されている場合に、
上記エッジ検出部は、上記反射光の非検出状態が継続する時間が予め設定された時間内であるときの投光箇所を上記ロール紙のエッジとして検出する、
という構成を採る。
【0053】
さらに、上記プログラムでは、
上記制御部に、上記反射型センサによる検出値に基づいて、上記ロール紙の状態が異常であることを検出するロール紙状態検出部をさらに実現させる、という構成を採る。
【0054】
また、上述したロール紙計測装置が作動することにより実行される、本発明の他の形態であるロール紙計測方法は、
上記制御部が、上記ロール紙を巻き取り方向に回転させるよう上記搬送ローラを駆動制御すると共に上記反射型センサによる検出値から上記ロール紙のエッジを検出し、
上記制御部が、上記エッジの検出間隔と上記搬送ローラの回転速度とに基づいて上記ロール紙の残量を算出する、
という構成を採る。
【0055】
そして、上記ロール紙計測方法では、
上記反射型センサは、正常に巻き付けられている上記ロール紙の外周に対して投光したときに反射光を検出するよう設置されている場合に、
上記エッジの検出時に、上記反射光の非検出状態が継続する時間が予め設定された時間内であるときの投光箇所を上記ロール紙のエッジとして検出する、
という構成を採る。
【0056】
さらに、上記ロール紙計測方法では、
上記反射型センサによる検出値に基づいて、上記ロール紙の状態が異常であることを検出する工程をさらに有する、
という構成を採る。
【0057】
上述した構成を有する、プログラム、又は、ロール紙計測方法、の発明であっても、上記ロール紙計測装置と同様の作用を有するために、上述した本発明の目的を達成することができる。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明は、ファクシミリなどロール紙を装備する装置に利用することができ、産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0059】
1 ロール紙
10 エッジ
2 搬送ローラ
3 反射型センサ
3a 発光部3
3b 受光部3
4 制御部
41 エッジ検出部
42 ロール紙状態検出部
43 残量算出部
5 ロール紙ケース


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロール紙の外周に当接して当該ロール紙を回転させる搬送ローラと、
ロール紙に対して投光すると共に反射光を検出する反射型センサと、
前記搬送ローラと前記反射型ローラとの動作を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記ロール紙を巻き取り方向に回転させるよう前記搬送ローラを駆動制御すると共に前記反射型センサによる検出値から前記ロール紙のエッジを検出するエッジ検出部と、前記エッジの検出間隔と前記搬送ローラの回転速度とに基づいて前記ロール紙の残量を算出する残量算出部と、を備えた、
ロール紙計測装置。
【請求項2】
請求項1記載のロール紙計測装置であって、
前記反射型センサは、正常に巻き付けられている前記ロール紙の外周に対して投光したときに反射光を検出するよう設置されており、
前記エッジ検出部は、前記反射光の非検出状態が継続する時間が予め設定された時間内であるときの投光箇所を前記ロール紙のエッジとして検出する、
ロール紙計測装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載のロール紙計測装置であって、
前記残量算出部は、前記ロール紙の前記エッジの検出間隔と前記搬送ローラの回転速度とに基づいて前記ロール紙の断面積を算出すると共に、当該ロール紙の断面積と予め設定された新品ロール紙の断面積とに基づいて前記ロール紙の残量を算出する、
ロール紙計測装置。
【請求項4】
請求項2記載のロール紙計測装置であって、
前記制御部は、前記反射型センサによる検出値に基づいて、前記ロール紙の状態が異常であることを検出するロール紙状態検出部を備えた、
ロール紙計測装置。
【請求項5】
請求項4記載のロール紙計測装置であって、
前記ロール紙状態検出部は、前記反射光の非検出状態が継続する時間が予め設定された時間よりも長い場合に、前記ロール紙の異常を検出する、
ロール紙計測装置。
【請求項6】
請求項4又は5記載のロール紙計測装置であって、
前記ロール紙状態検出部は、予め設定された時間内における前記反射光の非検出状態の回数が予め設定された回数以上である場合に、前記ロール紙の異常を検出する、
ロール紙計測装置。
【請求項7】
請求項4乃至6のいずれか一項に記載のロール紙計測装置であって、
前記ロール紙状態検出部は、前記反射光の検出状態が予め設定された時間以上継続した場合に、前記ロール紙の状態の異常を検出する、
ロール紙計測装置。
【請求項8】
ロール紙の外周に当接して当該ロール紙を回転させる搬送ローラと、ロール紙に対して投光すると共に反射光を検出する反射型センサと、前記搬送ローラと前記反射型ローラとの動作を制御する制御部と、を備えたロール紙計測装置の前記制御部に、
前記ロール紙を巻き取り方向に回転させるよう前記搬送ローラを駆動制御すると共に前記反射型センサによる検出値から前記ロール紙のエッジを検出するエッジ検出部と、
前記エッジの検出間隔と前記搬送ローラの回転速度とに基づいて前記ロール紙の残量を算出する残量算出部と、
を実現させるためのプログラム。
【請求項9】
請求項8記載のプログラムであって、
前記反射型センサは、正常に巻き付けられている前記ロール紙の外周に対して投光したときに反射光を検出するよう設置されている場合に、
前記エッジ検出部は、前記反射光の非検出状態が継続する時間が予め設定された時間内であるときの投光箇所を前記ロール紙のエッジとして検出する、
プログラム。
【請求項10】
請求項9記載のプログラムであって、
前記制御部に、前記反射型センサによる検出値に基づいて、前記ロール紙の状態が異常であることを検出するロール紙状態検出部をさらに実現させるためのプログラム。
【請求項11】
ロール紙の外周に当接して当該ロール紙を回転させる搬送ローラと、ロール紙に対して投光すると共に反射光を検出する反射型センサと、前記搬送ローラと前記反射型ローラとの動作を制御する制御部と、を備えたロール紙計測装置にて、
前記ロール紙を巻き取り方向に回転させるよう前記搬送ローラを駆動制御すると共に前記反射型センサによる検出値から前記ロール紙のエッジを検出し、
前記エッジの検出間隔と前記搬送ローラの回転速度とに基づいて前記ロール紙の残量を算出する、
ロール紙計測方法。
【請求項12】
請求項11記載のロール紙計測方法であって、
前記反射型センサは、正常に巻き付けられている前記ロール紙の外周に対して投光したときに反射光を検出するよう設置されている場合に、
前記エッジの検出時に、前記反射光の非検出状態が継続する時間が予め設定された時間内であるときの投光箇所を前記ロール紙のエッジとして検出する、
ロール紙計測方法。
【請求項13】
請求項12記載のロール紙計測方法であって、
前記反射型センサによる検出値に基づいて、前記ロール紙の状態が異常であることを検出する工程をさらに有する、
ロール紙計測方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−265045(P2010−265045A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−115287(P2009−115287)
【出願日】平成21年5月12日(2009.5.12)
【出願人】(000168285)エヌイーシーコンピュータテクノ株式会社 (572)
【Fターム(参考)】