説明

ワイヤハーネス用のグロメット

【課題】優れた追従変形性を備えることにより車体パネルの貫通穴に対して安定した装着力を有し、かつ、変形後の復元力にも優れるグロメットを提供する。
【解決手段】車両に配索されるワイヤハーネス25に外装して車体パネル20の貫通穴21に装着するグロメット10は、ワイヤハーネス25を密着して挿通する小径筒部11の一端の外周面に外径方向突出部12を設け、外径方向突出部12の外周端より大径筒部13を連続させ、大径筒部13の外周面に環状の車体係止凹部14を設け、小径筒部11と外径方向突出部12とが連続する部位に、大径筒部13と同方向に突出した後に折り返してU形状とした伸縮部15を環状に設け、該伸縮部15と小径筒部11との境界位置の内周面に段差Sを設けて小径筒部11より伸縮部15を薄肉にすると共に外周面に環状リブ18を設け、かつ、伸縮部15の突出側面15aに周方向に間隔をあけて放射状に復元用リブ16を設けている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はワイヤハーネス用のグロメットに関し、詳しくは、自動車に配索するワイヤハーネスを内部に挿通させて車体パネルの貫通穴に装着するグロメットにおいて、該グロメットの追従変形性と変形後の復元力の向上を図るものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車に配索するワイヤハーネスを車体パネルの貫通穴に挿通するとき、ワイヤハーネスを内部に挿通させたグロメットを車体パネルの貫通穴に装着して、該貫通穴の貫通部分におけるワイヤハーネスW/Hの保護および防水、防塵を図っている。
【0003】
図5にグロメットの周知の一例を示す。図5に示すグロメット1は、ワイヤハーネスW/Hを密着して挿通する小径筒部2と、車体の貫通穴(図示せず)に嵌合する環状凹部5を設けた大径筒部4とを外径方向突出部3を介して軸線方向に連続し、該外径方向突出部3と小径筒部2とが連続する部位に、前記軸線方向と平行に大径筒部4側へ断面U形状に突出する伸縮部6が設けられている。該グロメットにワイヤハーネスを通した後、小径筒部2から引き出されたワイヤハーネスの外周面から小径筒部2の外周面にかけてワイヤハーネス固定用の粘着テープ8を巻き付けて固着している。
【0004】
前記グロメット1を車体の貫通穴に装着する際に、グロメットは貫通穴に押し込まれ、引っ張られる外力を受け、さらに、歪められる等の外力を受けても、図6(A)(B)(C)に示すように、前記伸縮部6が前記外力に追従して縮んだり、伸びたり、屈曲することによって外力を吸収し、前記環状凹部5を設けた大径筒部4に外力が及ぶことを防ぎ、貫通穴から環状凹部5が外れたり貫通穴と環状凹部5との間に隙間が発生しないようにしている。
【0005】
しかしながら、前記伸縮部6は柔軟な変形性を求められることから、薄肉に形成されるため、変形後の復元力が弱い点に問題があった。特に、グロメット1の軸線方向に伸びる変形後、あるいは縮む変形後は復元しにくく、それによってハーネス経路が変わり、他の部品と干渉したり、作業空間が狭くなる等の問題が発生する場合がある。
【0006】
この種の問題に対して、特開平11−63313号公報(特許文献1)で、図7(A)(B)に示すグロメット100が提案されている。このグロメット100は、ワイヤハーネス110を密着させて挿通する小径筒部101と、車体パネル108の貫通穴109に嵌合する環状凹部104を設けた大径筒部103とを周壁部102を介して連続させてなり、周壁部102と小径筒部101とが連続する部位に、グロメット100の軸線方向と平行に大径筒部103側へ突出する伸縮部105を設け、該伸縮部105の小径筒部101側の凹部106内に該凹部106の両側壁内面間を連結する補強リブ107を配置している。
【0007】
前記グロメット100は、前記補強リブ107によって伸縮部105の変形後の復元力を高めることができると考えられる。しかしながら、この補強リブ107によって、伸縮部105が前記軸線方向へ伸縮変形することは難しくなるため、グロメット100を貫通穴109に装着する際に追従変形性が低下し、貫通穴への挿入力の低減が図られず、かつ、貫通穴への装着した状態で保持力が低くなりやすい問題もある。
【0008】
さらに、前記図5に示すグロメットでは、伸縮部6の変形量が大きくなると、小径筒部2の外周面からワイヤハーネスW/Hの外周面にかけて巻き付けたワイヤハーネス固定用の粘着テープ8が図6(D)に示すように、先端から捲れが発生しやすくなる。このように、捲れが発生すると、伸縮部6が元の形状に戻ってもテープの捲れは残り、固着力が弱くなって、ワイヤハーネスとグロメットとの取付位置に位置ずれが生じる可能性がある。さらに、作業者がグロメットを掴んだ時、捲れたテープの粘着面が作業員の手に張り付き、テープが捲れきってグロメットから外れる可能性もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平11−63313号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は前記問題に鑑みてなされたものであり、ワイヤハーネス用のグロメットにおいて、車体の貫通穴に装着する際にグロメットへの押し込み力や引っ張り力に対する追従変形性を備えながら、追従変形後の復元力を向上させ、貫通穴に対して正しい姿勢でグロメットを装着保持することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を解決するために、本発明は、車両に配索されるワイヤハーネスに外装して、車体パネルの貫通穴に装着するグロメットであって、
ゴムまたはエストラマーで成形され、前記ワイヤハーネスを密着して挿通する小径筒部の一端の外周面に外径方向突出部を設け、該外径方向突出部の外周端より大径筒部を連続させ、該大径筒部の外周面に環状の車体係止凹部を設け、
前記小径筒部と外径方向突出部とが連続する部位に、前記大径筒部と同方向に突出させた後に折り返してU形状とした伸縮部を環状に設け、前記小径筒部の内周面と前記伸縮部の突出側面との境界位置に段差を設けた前記伸縮部の肉厚は前記小径筒部の肉厚より薄くすると共に、該境界位置の外周面に環状リブを突設し、かつ、前記伸縮部の突出側面に周方向に間隔をあけて放射状に復元用リブを設けていることを特徴とするワイヤハーネス用のグロメットを提供している。
【0012】
このように、U形状に折り返した前記伸縮部の凹部側の外面ではなく、大径筒部に囲まれた中空部内に突出する突出側面に復元用リブを設けることにより、該伸縮部はグロメットの径方向のみでなく軸線方向へも優れた伸縮変形性を備えることができる。また、該復元用リブによって伸縮部が部分的に肉厚化することにより、変形後の伸縮部の復元力を高めることができる。よって、前記グロメットは車体の貫通穴への装着作業等の引っ張り、押し込み、屈曲に対して優れた追従変形性を備えるため、車体貫通穴への装着作業性を高めることができる。同時に、前記伸縮部は追従変形後に伸びっぱなしあるいは縮みっぱなしになることなく、迅速に原形状に復元するため、ハーネス経路が変わって該ハーネスが他の車載部品と干渉したり、作業空間が狭くなる等の不具合を防止することができる。
【0013】
さらに、厚肉の小径筒部から薄肉の伸縮部に移る境界位置に、内周に段差を設けると共に外周に環状のリブを設けて、内外の両側で剛性を高めているため、伸縮部が押し込まれた際に境界位置で抵抗が発生し、伸縮部の押し込み量を規制できる。また、外周の環状リブの幅を一気に捲らないといけなくなり、この幅でも抵抗が生ずる。
さらに、外周の環状リブが小径筒部の外周からワイヤハーネスの外周にかけて巻き付けるワイヤハーネス固定用の粘着テープの端部の保護となる。よって、伸縮部が押し込まれてもテープ端部が伸縮部に掛からないので、テープ捲れを防止することができる。
【0014】
前記のように、伸縮部の肉厚は前記小径筒部の肉厚よりも薄くし、かつ、前記復元用リブの突出高さは前記小径筒部の内周面より内側に突出しない高さとし、前記外径方向突出部の外周部分および大径筒部の肉厚は、前記伸縮部の肉厚の2倍から4倍としていることが好ましい。
【0015】
このように、前記復元用リブの突出高さを小径筒部の内周面より内側に突出しない高さとすることにより、小径筒部内にワイヤハーネスを通しやすくでき、復元用リブがワイヤハーネスと干渉することを防止できる。
【0016】
また、伸縮部の肉厚を小径筒部の肉厚よりも薄くしているため、伸縮部が優れた追従変形性を備える。かつ、車体係止凹部の周辺に位置する外径方向突出部の外周部分および大径筒部の肉厚を伸縮部の肉厚の2倍〜4倍とすることにより、貫通穴に対する優れた装着力を備えることとをバランスよく両立させることができる。
【0017】
なお、外径方向突出部の外周部分および大径筒部の肉厚が伸縮部の2倍未満では、伸縮部の肉厚が厚過ぎて伸縮変形性が低下する、あるいは、前記肉厚部分の肉厚化が足りないために貫通穴への装着力が低下し、4倍超では、伸縮部の肉厚が薄すぎて復元用リブを設けていてもその復元力を十分に機能させられなくなる、あるいは、前記肉厚部分が必要以上に肉厚化してしまい、グロメットのコスト高および重量増の起因になりやすい。
【0018】
前記復元用リブは、その形成面積を、前記伸縮部の前記突出側面を正面から投影した円形投影全面積に対して5%〜25%の範囲としている。
復元用リブの形成面積をこの範囲内に設定することにより、伸縮部は、伸縮変形性と復元力とをバランスよく備えることができる。
各復元用リブは、幅を1mm〜9mmとし、本数を3本〜16本とすることが好ましい。
また、前記伸縮部と小径筒部との境界の外周面に設ける環状リブの幅は1mm〜6mmが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
上述したように、本発明のグロメットは、小径筒部と外径方向突出部との連続部分に断面U形状の伸縮部を設け、該伸縮部の突出側面に周方向に間隔をあけて放射状に復元用リブを設けているため、該伸縮部の変形性を損なうことなく、変形後の復元力を向上させることができる。
【0020】
よって、グロメットを車体の貫通穴に装着する作業時にグロメットに対して引っ張り、押し込み、屈曲等の外力が作用しても、前記伸縮部が追従変形することにより車体係止部分が変形することを防ぎ、貫通穴に対して優れた装着力を有することができ、かつ、前記伸縮部は、伸びっぱなし、縮みっぱなしになることなく、前記復元用リブによってすぐに復元するため、ハーネス経路が変わることや、それに伴って車載部品とハーネスが干渉すること、あるいは、作業空間が狭くなること等を防止することができる。
【0021】
さらに、小径筒部と伸縮部との境界位置には内面側に段差、外面側に環状リブを突設し、境界位置での剛性を高めているため、伸縮部の押し込み量を規制でき、かつ、小径筒部の外周面からワイヤハーネスの外周面にかけて巻き付けるワイヤハーネス固定用の粘着テープの端部からの捲れを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施形態に係るグロメットを示し、(A)は側面図、(B)は正面図、(C)は斜視図である。
【図2】(A)は図1(B)のII−II線断面図、(B)は(A)の要部拡大断面図である。
【図3】図1に示すグロメットを車体の貫通穴に装着する際の伸縮変形を示し、(A)は押し込まれた状態の断面図、(B)は引っ張られた状態の断面図、(C)は押された状態の断面図である。
【図4】実施形態の変形例を示す要部拡大断面図である。
【図5】従来例のグロメットを示す断面図である。
【図6】図5に示すグロメットの変形を示し、(A)は押し込まれた状態の断面図、(B)は引っ張られた状態の断面図、(C)は屈曲した状態の断面図、(D)はワイヤハーネス固定用の粘着テープに捲れが発生する状態を示す図面である。
【図7】他の従来例のグロメットを示し、(A)は側面図(一部断面図)、(B)は正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図3に本発明の実施形態に係るグロメット10を示す。
グロメット10は自動車の車体パネル20に穿設された貫通穴21に挿通するワイヤハーネス25に外嵌して、前記貫通穴21に取り付けられるものである。
【0024】
前記グロメット10は、図1および図2(A)に示すように、ワイヤハーネス25を密着して挿通する小径筒部11と、該小径筒部11の一端の外周面から突出する外径方向突出部12と、該外径方向突出部12の外周端より突出する大径筒部13とを軸線方向Aに連続させて備え、ゴムまたはエストラマーからなる弾性材で一体成形している。前記大径筒部13の外周面には、前記貫通穴21の周縁と嵌合する環状の車体係止凹部14を凹設している。
【0025】
前記小径筒部11と外径方向突出部12とが連続する部位には環状の伸縮部15を設けている。該伸縮部15は軸線方向Aと平行に大径筒部13側へ突出した後に折り返してU形状とし、かつ、周方向に連続させて環状に膨出させている。図2(B)に示すように、小径筒部11の内周面から伸縮部15の窪み側面15bとの境界位置には段差Sを設け、伸縮部15の肉厚T2は、小径筒部11の肉厚T1より薄くしている。また、該小径筒部11と伸縮部15との境界位置の外周には小径筒部11の外周面11bと伸縮部15の窪み側面15bとの間に環状リブ18を全周方向に突設している。該環状リブの幅W2は1mm〜4mmとしている。
また、伸縮部15の突出側面15aに、U形状に湾曲しながら径方向全長に延在する8本の復元用リブ16を、周方向に等間隔をあけて放射状に突設している。
【0026】
前記環状の伸縮部15は、図1(B)に示すように、内径D1を18mm、外径D2を75mmとしている。一方、前記復元用リブ16は、幅W1を2mmとしている。これにより、正面側からの投影面積において、復元用リブ16の合計面積を伸縮部15の突出側面15aの全面積の8.5%としている。
【0027】
また、図2(B)に示すように、前記伸縮部15に突設した復元用リブ16の厚みT4(突出高さ)は、復元用リブ16の突出端16aが、小径筒部11の内周面11aよりも突出しないように設定している。すなわち、前記T2とT4の合計厚さT3を小径筒部11の肉厚T1と同様としている。
【0028】
前記外径方向突出部12の外周部分と前記大径筒部13の肉厚T5は、前記伸縮部15の肉厚T2の2倍〜4倍の範囲内に設定している。
【0029】
前記構成のグロメット10は、復元用リブ16が伸縮部15の窪み側面15bではなく突出側面15aに形成されているため、伸縮部15の伸縮変形性を損うことなく変形後の復元力を向上させることができる。また、伸縮部15の肉厚T2を小径筒部11の肉厚T1と同等もしくはやや薄く設定すると共に、該伸縮部15の突出側面15aの前記投影全面積に対して復元用リブ16の投影面積を8.5%として5%〜25%の範囲内に設定していることにより、伸縮部15の伸縮変形性と復元力とをバランスよく両立させることができる。
【0030】
前記グロメット10の小径筒部11を拡げ治具(図示せず)で拡げながらワイヤハーネス25をグロメット10の軸線に沿って挿通し、挿通後に、小径筒部11の外周面から、小径筒部11の先端から引き出されたワイヤハーネス25の外周面にかけてワイヤハーネス固定用の粘着テープ19を巻き付けて固着する。該粘着テープ19の先端は前記環状リブ18に達する位置までとしている。
【0031】
車体にワイヤハーネス25を配索し、ワイヤハーネス25を車体20の貫通穴に通すとき、ワイヤハーネス25に取り付けた前記グロメット10を貫通穴に押し込んだり、引っ張ったりしてグロメット10を車体貫通穴に装着する。その際、グロメット10は図3(A)に示すように押し込み方向と、図3(B)に示す引っ張り方向との外力を受ける。このような外力を受けると、図3(A)(B)に示すように、伸縮部15が縮む、あるいは、伸びて外力を吸収することができる。かつ、グロメット10を車体に装着した後においても、同様な外力がグロメット10に作用しても、伸縮部15は同様に変形して外力を吸収できる。よって、外力が大径筒部13にまで及んで車体係止凹部14と貫通穴21との嵌合が外れたり、貫通穴21との間に隙間が生じる等の不具合の発生を防止することができる。しかも、外力を受けなくなった時点で、前記復元用リブ16が機能することにより伸縮部15は伸びっぱなしや縮みっぱなしになることなく直ちに原形に復元するため、ハーネス25の経路が変更してしまったり、それによってハーネス25が他の車載部品と干渉したり、作業スペースが狭くなるなどの不具合も防止できる。
【0032】
特に、図3(C)に示すように、伸縮部15を大径筒部13の中空部内へ押し込む力が大きくなっても、伸縮部15と小径筒部11との境界位置には内面に段差S、外面に環状リブ18を設け、内外両面で補強をしているため、小径筒部11の変形の抵抗となる。よって、小径筒部11の先端の環状リブ18を設けた部分が外方へと湾曲して変形することはない。そのため、小径筒部11の外周面で環状リブ18に達する位置まで巻き付けているワイヤハーネス固定用の粘着テープ19が先端から捲れるのを確実に防止できる。その結果、粘着テープ19によりグロメット10とワイヤハーネス25とに位置ずれを発生させずに固着保持することができる。
【0033】
さらに、前記外径方向突出部12の外周部分と大径筒部13、即ち、前記車体係止凹部14に近接する部位の肉厚T5は、伸縮部15の肉厚T2の2倍〜4倍の範囲内に設定しているため、前記グロメット10は、ハーネスさばき作業等による変形に対して優れた追従性を備えつつ、貫通穴21への強固な装着力もバランスよく備えることができる。
【0034】
また、前記復元用リブ16の突出端16aは、小径筒部11の内周面11aよりも内側に突出していないため、小径筒部11内に挿通するワイヤハーネス25と復元用リブ16との干渉も防ぐことができる。
【0035】
なお、図4に示す変形例のように、伸縮部15の肉厚T2に復元用リブ16の厚みT4を加えた肉厚T3を小径筒部11の肉厚T1よりも薄く設定してもよい。この場合、復元用リブ16の突出端16aは、小径筒部11の内周面11aよりも外側に段状にへこませている。
【符号の説明】
【0036】
10 グロメット
11 小径筒部
12 外径方向突出部
13 大径筒部
14 車体係止凹部
15 伸縮部
16 復元用リブ
21 貫通穴
25 ワイヤハーネス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に配索されるワイヤハーネスに外装して、車体パネルの貫通穴に装着するグロメットであって、
ゴムまたはエストラマーで成形され、前記ワイヤハーネスを密着して挿通する小径筒部の一端の外周面に外径方向突出部を設け、該外径方向突出部の外周端より大径筒部を連続させ、該大径筒部の外周面に環状の車体係止凹部を設け、
前記小径筒部と外径方向突出部とが連続する部位に、前記大径筒部と同方向に突出させた後に折り返してU形状とした伸縮部を環状に設け、前記小径筒部の内周面と前記伸縮部の突出側面との境界位置に段差を設けた前記伸縮部の肉厚は前記小径筒部の肉厚より薄くすると共に、該境界位置の外周面に環状リブを突設し、かつ、前記伸縮部の突出側面に周方向に間隔をあけて放射状に復元用リブを設けていることを特徴とするワイヤハーネス用のグロメット。
【請求項2】
前記復元用リブの突出高さは前記小径筒部の内周面より突出しない高さとする一方、前記外径方向突出部の外周部分および大径筒部の肉厚は、前記伸縮部の肉厚の2倍から4倍としている請求項1に記載のワイヤハーネス用のグロメット。
【請求項3】
前記復元用リブは、その形成面積を、前記伸縮部の前記突出側面を正面から投影した円形投影全面積に対して5%〜25%としている請求項1または請求項2に記載のワイヤハーネス用のグロメット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−167046(P2011−167046A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−30511(P2010−30511)
【出願日】平成22年2月15日(2010.2.15)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【Fターム(参考)】