説明

ワイヤハーネス用のネット状保護材および製造方法

【課題】ワイヤハーネスの保護機能と異音低減機能を備えたネット状保護材を提供する。
【解決手段】それぞれネット状とした内面材と外面材とからなる2層状のチューブまたはシートからなり、前記内面材および外面材は、それぞれ樹脂線材からなる縦線と横線との交点が加圧熱融着されてネット状とされると共に、前記内面材の外面と外面材の内面とが融着され、裁断端でほつれ止めされていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両に配索されるワイヤハーネス用のネット状保護材および該ネット状保護材の製造方法に関し、該ネット状保護材はワイヤハーネスの電線群の外周面に外装するシートまたはチューブからなるものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車両に配索されるワイヤハーネスの電線群の結束、保護、外部干渉材による干渉防止、さらに緩衝用のために、電線群に粘着テープを巻き付けたり、コルゲートチューブや丸チューブ等のチューブに電線群を通している。
これらのテープおよびチューブからなる外装材としては、従来、テープは塩化ビニルテープが汎用され、コルゲートチューブとしてはポリプロピレン等が用いられ、いずれも樹脂で形成されている。
さらに、実開平4−21119号等で提案されている樹脂糸からなるネットチューブも用いられている。
【0003】
ネットチューブは使用する樹脂量が少ないため軽量化が図れ、燃費向上に寄与できる。 また、伸縮性および可撓性に優れ、ワイヤハーネスの通し作業が容易であると共にワイヤハーネスの配索経路に沿って容易に屈曲できる利点がある。
【0004】
一方、ネットチューブは、コルゲートチューブや円筒状チューブ内の閉断面空間にワイヤハーネスを挿通する場合と比較して、ネットの空孔に電線群が露出するため保護機能は低下する。かつ、 厚さが比較的薄いと共に比較的硬いため、干渉部材との接触時にクッション性が劣り、異音が発生しやすいと共に、耐摩耗性についても改善の余地がある。
さらに、従来のネットチューブは縦糸と横糸とを編んで隣接する交点と縦糸と横糸の上下を逆転してネット状に形成している。よって、交点での縦糸と横糸との結合力が弱い。よって、裁断口から解れやすく、かつ、交点に引張力や引裂力が負荷されると、交点での剥がれ、所謂目崩れが生じて、形状保持力が低い問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平4−21119号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は前記問題に鑑みてなされたもので、比較的厚くすると共にクッション性を付与して保護機能を高めると共に異音防止効果を高め、さらに、裁断口からほつれが発生しないと共に交点で剥がれないように結合力を高めたワイヤハーネス用のシートまたはチューブからなるネット状保護材を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、本発明は、それぞれネット状とした内面材と外面材とからなる2層状のチューブまたはシートからなり、
前記内面材および外面材は、それぞれ樹脂線材からなる縦線と横線との交点が加圧熱融着されてネット状とされると共に、前記内面材の外面と外面材の内面とが融着され、裁断端でほつれ止めされていることを特徴とするワイヤハーネス用のネット状保護材を提供している。
【0008】
前記のように、本発明のシートまたはチューブからなるネット状保護材は、難燃性樹脂線材から構成しているため、車両のエンジンルーム内に配索するワイヤハーネスに外装することができる。また、ネット状の内面材とネット状の外面材とを積層しているため、その厚さを増加させることができ、1層のネット材と比較してクッション性、耐摩耗性を高めることができる。
【0009】
前記外面材と前記内面材とは、前記樹脂線材の材質、太さ、硬度、あるいは/および網目の大きさを相違させ、前記内面材と外面材とは異種のネット材としていることが好ましい。
このように、外面材と内面材の物性を変えることにより、多様な特性を有するネット状保護材を容易に得ることができ、ワイヤハーネスの配索条件に応じた適宜な保護材とすることができる。
【0010】
前記各縦横線の厚みを例えば0.4〜0.8mmの範囲で変化させ、内面材を薄く、外面材を厚くしてもよい。
また、前記縦横線で囲まれる各空孔の形状は、正方形、長方形、ひし形、六角形、あるいは真円、楕円、長円のいずれかの円形とされ、内面材と外面材で空孔の形状および大きさを変えてもよい。前記空孔の形状は、要求される伸縮性および強度によって調整される。例えば、内面材は空孔を小さくし、外面材は空孔を大きくしてもよい。
【0011】
特に、前記外面材および内面材は熱可塑性材料からなり、かつ、外面材は発泡材を含むことで内面材よりクッション性を有するものとすることが好ましい。
【0012】
前記内面材および外面材を構成する難燃性樹脂線材は、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、これらを2種以上の混合物から選択されるノンハロゲンの樹脂成分の一種以上に、臭素系、リン酸エステル、金属水酸化物、メラミンから選択される難燃剤が配合され、かつ、
該難燃性樹脂線材からなる前記縦線と横線とは編まずに交点で上下に重ねられ、該縦線と横線のいずれか一方または両方が、断面積の40%〜50%が溶融されて相手方の繊維中に埋設された状態で互いに融着されていることが好ましい。
【0013】
このように、また、縦横線の交点では外周面が線接触で溶着されているのではなく、縦線と横線とを断面楕円形状とし、かつ、一方または両方の線材が相手方の線材中に埋設されるように互いに融着すると、強固に固着されている。よって、ネット状保護材に引っ張り力や引き裂き力が負荷されても交点で縦横線の結合が剥がれることはなく、目崩れが発生せず、形状保持力が強くネット状保護材としての信頼性が高いものとなる。
前記樹脂成分としては、加工容易性、コストの点等からポリプロピレンが最も好適に用いられる。
【0014】
本発明の縦横線は、隣接する交点が上下逆となるように編んだものではなく、後述するサイジング機でネット状に成形し、例えば、縦線を上側、横線を下側として重ね合わせ、前記縦横線の交点を面接触させると共に、前記のように、互いに相手方線材中に埋め込まれるように融着したものとしている。
【0015】
前記のように、本発明のネット状保護材は、内面材と外面材とからなる2層状のチューブまたはシートからなり、
前記シートは巾方向の両端がラップする円筒状に曲げ癖がつけられており、また、
前記チューブは一枚のシートの巾方向の端縁を互いに熱融着してチューブとしている。
【0016】
さらに、本発明は前記ネット状保護材の製造方法として、
サイジング機に、アウトダイスとインダイスとからなる内面材形成用ダイスセットおよび外面材形成用ダイスセットとを設け、
前記外面材形成用ダイスセットは上段、内面材形成用ダイスセットは下段として同軸に配置し、
上段の外面材形成用ダイスセットから紡出する前記縦線と横線とでネット状の外面材を形成し、該外面材の内周側に、前記下段の内面材形成用ダイスセットから紡出する前記縦線と横線とでネット状の内面材を形成し、該内面材の外面を外周の前記外面材の内面と接触させて融着しているワイヤハーネス用のネット状保護材の製造方法を提供している。
【0017】
前記ダイスセットから紡出される内面材および外面材はネット状の連続シートであり、
前記ネット状のシートを所要長さに裁断し、裁断されたネット状シートの巾方向の両端縁がラップして筒状になるように賦形している。
【0018】
本発明のネット状保護材は、ワイヤハーネスの電線群の外周に巻き付け、長さ方向の両端に粘着テープを巻き付けて電線群と固着している。
【発明の効果】
【0019】
前述したように、本発明のワイヤハーネス用のシートまたはチューブからなるネット状保護材は、ネット状の内面材とネット状の外面材とを積層した形状としているため、その厚さを増加してクッション性を高めることができる。また、難燃性の樹脂線材からなる縦横線を交点で融着しているため、車両のエンジンルーム内に配索する難燃性が要求されるワイヤハーネスの外装材として用いることができ、ネット状保護材に引っ張り力や引き裂き力が負荷されても交点で縦横線の結合が剥がれることはなく、目崩れが発生せず、形状保持力が強いネット状保護材とすることができる。
さらに、ネット状としていることにより、従来の樹脂製の丸チューブと比較して1/2以下にまで軽量化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1実施形態の積層ネットシートを示す斜視図である。
【図2】(A)は内面材の平面図、(B)は外面材の平面図、(C)は積層状態の断面図である。
【図3】(A)は縦線および横線となる難燃性樹脂線材を示す斜視図、(B)は縦線と横線を重ねている状態を示す斜視図、(C)は縦横線の交点の拡大図である。
【図4】(A)はサイジング機の全体概略図、(B)は外面材形成用ダイセットの斜視図、(C)は内面材形成用ダイセットの斜視図である。
【図5】ダイセット部分の拡大図である。
【図6】ネット状のシートを円弧状に賦形する工程をそれぞれ示す図面である。
【図7】(A)(B)(C)は第2実施形態のネット状チューブの実施形態を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1に示す第一実施形態のネット状保護材は積層ネットシート1としている。
該積層ネットシート1はネット状の内面材2とネット状の外面材3との積層とし、熱融着している。内面材2および外面材3は、それぞれ難燃性の樹脂線材10からなる縦線と横線とを交点で加圧熱融着し、縦横線で囲まれた菱形状の空孔を設けたネット状としている。
【0022】
図2(A)に示すように、内面材2は縦線20と横線21とを交点22で加圧熱融着し、縦横線で囲まれた菱形状の空孔25を設けたネット状としている。図2(B)に示すように、外面材3も同様に縦線30と横線31とを交点32で加圧熱融着し、縦横線で囲まれた菱形状の空孔35を設けたネット状としている。
【0023】
前記内面材2の縦横線20、21はポリプロピレンを主成分とする比較的硬度を有する樹脂で成形する一方、外面材3の縦横線30、31はポリプロピレンにウレタン等の弾性樹脂を配合した樹脂材で成形している。
また、内面材2の縦横線20、21は小径とし、内面材の厚さを薄くしている。一方、外面材3の縦横線30、31は大径とし、厚さを大としている。かつ、内面材2の空孔25は小さくし、外面材3の空孔35は大きくしている。なお、空孔25と35とは同じ大きさとしてもよい。
このように、内外に積層固着する内面材2と外面材3とはそれぞれの機能に応じて物性および形状を相違させている。
【0024】
内面材2および外面材3の縦横線20、21、30、31を構成する樹脂線材10は図3(A)に示すように、いずれも断面楕円形状としている。これら縦横線は、難燃性の樹脂線材で形成すればよく、前記ポリプロピレンに限定されず、ポリエステル、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、これらを2種以上の混合物から選択されるノンハロゲンの樹脂成分の一種以上に、臭素系、リン酸エステル、金属水酸化物、メラミンから選択される難燃剤が配合されている。
前記樹脂成分100質量部に対して前記難燃剤が0.5〜100質量部配合されている。さらに必要に応じて、酸化マグネシウムあるいは/および炭酸カルシウムからなる充填剤が前記樹脂成分100質量部に対して0〜50質量部配合されている。
前記のように、本実施形態では樹脂成分としてポリプロピレン(PP)を用い、難燃剤として「テトラプロモビスフェノール」からなる臭素系難燃剤を用いている。
【0025】
前記内面材2および外面材3の縦横線20と21、30と31とは編まずに、図2、図3に示すように、縦線20、30を上側、横線21、31を下側に配置し、交点22、32で上下に重ねて融着している。
該交点22、32では、図3(C)に示すように、上下の断面楕円形状の縦線20と横線21、30と31とが面接触し、かつ、下側の横線の断面積の40〜50%の部分を上側の縦線中に入り込ませる状態で融着している。
【0026】
前記内面材2と外面材とを固着した積層ネットシート1は、後述する方法で、図1に示すように、長さ方向の軸線方向と直交する巾方向の両端側が互いにラップするように曲げ癖をつけて、円筒形状となるように予め賦形されている。
積層ネットシート1をワイヤハーネス5に取り付ける工程では、ワイヤハーネス5の電線群の長さ方向に沿って縦沿えし、該状態で巻癖をつけた積層ネットシート1の内面材2を電線群の外周面に密着させながら巻き付けている。この状態で、巾方向の両端側がラップして電線群の全外周面を完全に被覆することができる。その後、積層ネットシート1の長さ方向の両端と積層ネットシート1から引き出された電線群とに粘着テープTを巻き付けて固着している。
【0027】
つぎに、積層ネットシート1の製造方法を説明する。
図4(A)〜(C)に示すサイジング機40で積層ネットシート1を成形している。詳細には、前記樹脂成分に難燃剤、安定剤等をホッパー41に投入し、ホッパー41で撹拌混合し、該撹拌混合した混合物をスクリューコンベヤ42で混練りしながらダイセット45へ搬送し、混練物をダイセット45で難燃性の樹脂線材からなるネット状シートとして成形している。
【0028】
前記ダイセット45は、図4(B)に示す外面材3の成形用のアウトダイス50とインダイス51とからなる外面材用ダイセット52を上段に配置し、図4(C)に示す内面材2の成形用のアウトダイス53とインダイス54とからなる内面材用ダイセット55を下段に配置している。外面材用ダイセット52と内面材用ダイセット55はモータ57の同一回転軸上に配置している。
【0029】
前記外面材用ダイセット52のアウトダイス50とインダイス51はモータ57で逆回転している。これにより、アウトダイス50の孔50aとインダイス51の孔51aがかさなる部分で縦線30と横線31とが重なる交差部(交点)32を形成し、アウトダイス50の孔とインダイス51の孔とが離れることで格子形状(本実施形態では菱目)を形成している。
同様に、内面材用ダイセット55のアウトダイス53とインダイス54もモータ57で逆回転して、縦線20と横線21とで格子形状の内面材2を形成している。
【0030】
前記外面材用ダイセット52、内面材用ダイセット55からそれぞれ押し出し成形される際に、縦線20と横線21、30と31とは加熱加圧され、縦横線20と21、30と31とが溶着する。かつ、縦横線20と21、30と31の交点22、32では、加圧加熱されるため、交点22、32では縦横線が相手方繊維に入り込んだ状態で熱融着される。
【0031】
前記のように外面材用ダイセット52を上段に、内面材用ダイセット55を下段に配置し、かつ、外面材用ダイセット52と内面材用ダイセット55の間に大径ガイド円板56を配置して、上段の外面材用ダイセット52で成形される外面材3を拡径している。
また、内面材用ダイセット55の下方に小径ガイド板57を配置して、下段の内面材用ダイセット55で成形される内面材2を押し拡げ、外面材用ダイセット52で成形される外面材3の内面に内面材ダイセット55で成形される内面材2の外周を接触させるように誘導し、加熱して熱融着して積層シート4を形成している。
このように、ダイセット45を外面材用ダイセット52と内面材用ダイセット55とを上下段に備えた構成とすることで、ネット状の内面材2にネット状の外面材3を重ね、熱融着して積層シート4を形成している。
【0032】
ついで、積層シート4を延伸ローラ62A、62Bで延伸している。ついで、発泡用加熱炉63へ搬送して、外面材3を発泡させ、さらに、延伸ローラ62Cで延伸後、槽64へ搬送し、その後、積層シート4をコイルとして巻回している。
【0033】
前記積層シート4は、図6に示す工程で、巾方向の両側端が互いにラップして円筒状となるように曲げ癖をつけている。
台円錐筒形状とした成形機70を用い、該成形機70の上流と下流とに引っ張りロール71A、71Bを配置している。積層シート4をロール71Aより成形機70に通し、該成形機70の内部で円弧状に癖づけしていき、最終の小径部分では巾方向の端縁部がラップするようにしている。該状態でロール71Bで引き出し、連続した積層ネットシート1を製造している。該積層ネットシート1は使用条件に応じて所要長さに裁断機73で裁断している。
【0034】
前記構成とした積層ネットシート1は、内面材2と外面材3との積層材であるため、厚さが大となり、かつ、外面材3の縦横線にはウレタンを配合をした樹脂線材で形成しているためクッション性が優れたものとなり、ワイヤハーネスの保護機能を高めることができる。また、クッション性を備えることにより、ワイヤハーネスがパネルに接触して発生する異音を低減防止することができる。
【0035】
また、内面材2および外面材3のいずれも縦横線の交点で前記図3(A)に示すように、縦横線が断面楕円形状に変形し、互いに相手方線中に入り込んだ状態で熱融着されている。よって、縦横線の外周面を溶着しただけの場合と比較して剥がれにくくなり、前記した引張強度および引き裂き強度を備えたものとなり、目崩れが発生せず、信頼性の高いものとなる。
また、内面材2および外面材3の縦横線20と21、30と31は難燃性の樹脂線材から形成しているため、積層ネットシート1は難燃性を備え、エンジンルームに配索するワイヤハーネスの外装材として用いることができ、かつ、縦横線が互いに強固に固着されているため、内面材2、外面材3の各縦横線が裁断端でほつれを生じることはない。しかも、ネット状としているため、丸チューブと比較して重量を半減できる。特に、自動車に配索する多数本のワイヤハーネスの外装材として用いると、自動車の重量軽減にも寄与でき、燃費を向上させることができる。
【0036】
図7に第二実施形態の積層ネットチューブ1ーBを示す。
前記第一実施形態の積層ネットシート1は円弧形状に賦形し、巾方向の両端側がラップするように賦形したものであるが、第二実施形態では、ラップさせた両端縁を熱融着して積層ネットチューブ1−Bとしている。
この積層ネットチューブ1−Bは図7(B)に示すように、収縮させてワイヤハーネス5を挿通し、挿通後に図7(C)に示すように引き伸ばして、ワイヤハーネス5の電線群と粘着テープTで固着している。
【符号の説明】
【0037】
1 積層ネットシート
1−B 積層ネットチューブ
2 内面材
3 外面材
10 樹脂線材
20、30 縦線
21、31 横線
22、32 交点
25、35 空孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれネット状とした内面材と外面材とからなる2層状のチューブまたはシートからなり、
前記内面材および外面材は、それぞれ樹脂線材からなる縦線と横線との交点が加圧熱融着されてネット状とされると共に、前記内面材の外面と外面材の内面とが融着され、裁断端でほつれ止めされていることを特徴とするワイヤハーネス用のネット状保護材。
【請求項2】
前記外面材と前記内面材とは、前記樹脂線材の材質、太さ、硬度、空孔の大き、あるいは/および空孔の形状を相違させている請求項1に記載のワイヤハーネス用のネット状保護材。
【請求項3】
前記外面材および内面材は熱可塑性材料からなり、かつ、外面材は発泡材を含むことで内面材よりクッション性を有する請求項1または請求項2に記載のワイヤハーネス用のネット状保護材。
【請求項4】
前記シートは巾方向の両端がラップする円筒状に曲げ癖がつけられており、また、
前記チューブは一枚のシートの巾方向の端縁を互いに熱融着してチューブとしている請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のワイヤハーネス用のネット状保護材。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のネット状保護材の製造方法であって、
サイジング機に、アウトダイスとインダイスとからなる内面材形成用ダイスセットおよび外面材形成用ダイスセットとを設け、
前記外面材形成用ダイスセットは上段、内面材形成用ダイスセットは下段として同軸に配置し、
上段の外面材形成用ダイスセットから紡出する前記縦線と横線とでネット状の外面材を形成し、該外面材の内周側に、前記下段の内面材形成用ダイスセットから紡出する前記縦線と横線とでネット状の内面材を形成し、該内面材の外面を外周の前記外面材の内面と接触させて融着しているワイヤハーネス用のネット状保護材の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−33293(P2012−33293A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−169684(P2010−169684)
【出願日】平成22年7月28日(2010.7.28)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】