説明

ワイヤボンディング方法

【課題】更なる低ループ化が図れるワイヤボンディング方法を提供する。
【解決手段】第1ボンド点であるダイ3のパッド2に第1ボンディングを行った後、第2ボンド点である配線上に第2ボンディングを行い、パッド2と配線間をワイヤ10で接続するワイヤボンディング方法である。パッド2上に予めバンプ12を形成し、このバンプ12形成工程におけるワイヤ切断工程によって、キャピラリ6の先端部より突出したワイヤ10を横方向に折り曲げて曲げ部15を形成し、その後曲げ部15をバンプ12にボンディングして前記第1ボンディング工程を行い、その後ワイヤ10を配線にボンディングして前記第2ボンディング工程を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイヤボンディング方法に係り、特に低ループ化に好適なワイヤボンディング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
第1ボンド点にボールをボンディングするボールボンディング方法は、ボールのネック部は再結晶領域となっており、硬くて脆いため、ワイヤループは、再結晶領域部分より上の部分から折り曲げる必要がある。このため、低ループ化の要望に応えることができない。
【0003】
この改善策として、特許文献1及び2に示すワイヤボンディング方法が挙げられる。この方法は、まずダイのパッドにワイヤ先端に形成したボールをボンディングして圧着ボールを形成する。次にキャピラリを上昇させた後、配線(外部リード)と反対方向に移動させる。続いてキャピラリを上昇させた後、パッドの真上まで移動させる。次にキャピラリを下降させて前記圧着ボール上にワイヤを圧着させる。その後はキャピラリを配線上に移動させてワイヤを配線にボンディングする。
【特許文献1】特開平9−51011号公報
【特許文献2】特開2004−172477号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術は、パッドにボンディングした圧着ボール上にワイヤの再結晶領域部分を折り曲げてボンディングするので、パッド上のボンディング高さを低くすることができ、低ループ化が図れる。しかし、圧着ボール上にワイヤを2重に重ね合わせてボンディングする必要があり、低ループ化には自ずから限度があった。
【0005】
本発明の課題は、更なる低ループ化が図れるワイヤボンディング方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明の請求項1は、第1ボンド点であるダイのパッドに第1ボンディングを行った後、第2ボンド点である配線上に第2ボンディングを行い、前記パッドと前記配線間をワイヤで接続するワイヤボンディング方法において、前記パッド上に予めバンプを形成し、このバンプ形成工程におけるワイヤ切断工程によって、キャピラリの先端部より突出したワイヤを横方向に折り曲げて曲げ部を形成し、その後前記曲げ部を前記バンプにボンディングして前記第1ボンディング工程を行い、その後ワイヤを前記配線にボンディングして前記第2ボンディング工程を行うことを特徴とする。
【0007】
上記課題を解決するための本発明の請求項2は、第1ボンド点である配線に第1ボンディングを行った後、第2ボンド点であるダイのパッド上に第2ボンディングを行い、前記配線と前記パッド間をワイヤで接続するワイヤボンディング方法において、前記パッド上に予めバンプを形成し、このバンプ形成工程におけるワイヤ切断工程によって、キャピラリの先端部より突出したワイヤを横方向に折り曲げて曲げ部を形成し、この曲げ部を前記配線にボンディングして下部第1ボンディング部を形成する工程と、キャピラリを上昇及び前記下部第1ボンディング部の上方に移動させ、その後キャピラリを下降させてワイヤを前記下部第1ボンディング部上に重ねて接続して上部第1ボンディング部を形成する工程とから前記第1ボンディング工程を行い、その後ワイヤを前記バンプにボンディングして前記第2ボンディング工程を行うことを特徴とする。
【0008】
上記課題を解決するための本発明の請求項3は、上記請求項1又は2において、前記曲げ部は、クランパでワイヤをクランプして該クランパを横方向に移動させてワイヤを切断して形成することを特徴とする。
【0009】
上記課題を解決するための本発明の請求項4は、上記請求項1において、前記曲げ部は、クランパでワイヤをクランプし、次にボンディングするパッドと配線を結ぶ方向に平行で、かつ配線側にキャピラリを移動させてワイヤを切断して形成することを特徴とする。
【0010】
上記課題を解決するための本発明の請求項5は、上記請求項1又は2において、前記バンプは、ボールを前記パッドにボンディングした後、キャピラリの下端のエッジ部がバンプ上に形成されたホール部分の高さ以内に位置するようにキャピラリを上昇させ、次にキャピラリを横方向に移動させてバンプとワイヤとの接続部に薄肉部を形成し、続いてキャピラリを一定量上昇させた後、ワイヤを引っ張って前記薄肉部より切断して形成されることを特徴とする。
【0011】
上記課題を解決するための本発明の請求項6は、上記請求項1又は2において、前記バンプは、ボールを前記パッドにボンディングし、この時のボールの潰しをワイヤを引っ張った時にボールネック部下部より引きちぎれる厚さになるまで押し潰してボールネック部下部に薄肉部を形成し、次にワイヤを斜め上方に引っ張って前記薄肉部より切断して形成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1及び2は、第1ボンド点であるパッドにバンプを形成し、該バンプよりワイヤ10を切断する時に、キャピラリの先端部に突出したワイヤ曲げ部を形成するので、第1ボンド点にボンディングする場合のワイヤ先端部の曲げ部を特別な装置を設けることなく、既存のワイヤボンディング装置によって形成することができる。
【0013】
また請求項1はバンプに曲げ部を直接ボンディングするので、第1ボンド点のループ高さを低くすることができ、低ワイヤループ化が図れる。請求項2はバンプを第2ボンド点としてワイヤを直接ボンディングするので、請求項1と同様に、第2ボンド点のループ高さを低くすることができ、低ワイヤループ化が図れる。また請求項2は、曲げ部を第1ボンド点である配線にボンディングしてまず下部第1ボンディング部を形成し、その後この下部第1ボンディング部上にワイヤを折り曲げて重ね合わせて上部第1ボンディング部を形成するので、配線へのボンディング強度の信頼性が一段と向上する。
【0014】
請求項4は請求項1において、曲げ部は、バンプよりワイヤを切断する時に次に接続するバンプと配線に平行で、かつ第2ボンド点である配線側にキャピラリを移動させて形成するので、ワイヤ先端部の曲げ部の方向を次のボンディングに適した方向に曲げることができると共に、この曲げ部をバンプにボンディングした後、第2ボンド点である配線にボンディングするためのワイヤループ形状を低くすることができる。この点からも低ワイヤループ化が図れる。
【0015】
請求項5は、バンプの上面が平坦となるので、このバンプに接続されたワイヤの配線方向がほぼ水平となり、低ワイヤループ化が図れる。
【0016】
請求項6は、バンプの形成時におけるボールの潰しをワイヤを引っ張った時にボールネック部下部より引きちぎれる厚さになるまで押し潰すので、バンプの高さが極めて低く形成され、更にパッド上のループ高さを低くすることができ、更なる低ワイヤループ化が図れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明のワイヤボンディング方法の第1の実施の形態を図1及び図2により説明する。図2に示すように、セラミック基板やプリント基板又はリードフレーム等よりなる回路基板1上には、パッド2が形成されたダイ3がマウントされている。また回路基板1には配線4が形成されている。
【0018】
まず、図1(a)に示すように、クランパ5を通してキャピラリ6に挿通されたワイヤ10の先端には、図示しない電気トーチによりボール11を形成し、その後、クランパ5は開状態となる。次に図1(b)に示すように、キャピラリ6が下降して第1ボンド点であるパッド2にボール11をボンディングする。これにより、ボール11の一部はキャピラリ6の貫通孔6a内に盛り上がり、バンプ12上にホール部分13が形成される。続いて図1(c)に示すように、キャピラリ6の下端のエッジ部6bがホール部分13の高さ以内に位置するようにキャピラリ6を上昇させる。
【0019】
次に図1(d)に示すように、クランパ5及びキャピラリ6を共に第2ボンド点である配線4側方向に移動させ、バンプ12とワイヤ10との接続部に薄肉部14を形成する。次に図1(e)に示すように、クランパ5及びキャピラリ6が共に一定量上昇する。続いてクランパ5が閉じ、図1(f)に示すように、クランパ5及びキャピラリ6は共に第2ボンド点である配線4側に移動する。これにより、ワイヤ10は薄肉部14より切断され、パッド2上にバンプ12が形成される。またキャピラリ6の下端より突出したワイヤ10の先端は、バンプ12側方向に曲げられた曲げ部15が形成される。
【0020】
次に図1(g)に示すように、曲げ部15がバンプ12の上方に位置するように移動させられる。続いて図1(h)に示すように、キャピラリ6が下降してバンプ12に曲げ部15をボンディングして第1ボンディング部16を形成する。またクランパ5は開状態となる。
【0021】
その後は従来と同様に第2ボンド点である配線4にワイヤ10を接続する。即ち、図2(a)に示すように、キャピラリ6は上昇及び図2(b)に示すように、配線4の方向に移動してワイヤ10を繰り出し、その後下降してワイヤ10を配線4にボンディングして第2ボンディング部17とする。次に図2(c)に示すように、クランパ5及びキャピラリ6が共に上昇し、この上昇途中でクランパ5が閉じ、ワイヤ10は第2ボンディング部17の付け根より切断される。
【0022】
このように、第1ボンド点であるパッド2にバンプ12を形成し、該バンプ12よりワイヤ10を切断する時に、キャピラリ6の先端部に突出したワイヤ曲げ部15を形成するので、第1ボンド点にボンディングする場合のワイヤ先端部の曲げ部15を特別な装置を設けることなく、既存のワイヤボンディング装置によって形成することができる。またバンプ12に曲げ部15を直接ボンディングするので、第1ボンド点のループ高さを低くすることができる。即ち、低ワイヤループ化が図れる。また前記曲げ部15は、バンプ12よりワイヤ10を切断する時に次に接続するバンプ12と配線4に平行で、かつ第2ボンド点である配線4側にキャピラリ6を移動させて形成する。これにより、ワイヤ先端部の曲げ部15の方向を次のボンディングに適した方向に曲げることができると共に、この曲げ部15をバンプ12にボンディングした後、第2ボンド点である配線4にボンディングするためのワイヤループ形状を低くすることができる。この点からも低ワイヤループ化が図れる。
【0023】
またバンプ12は、ボール11をパッド2にボンディングした後、キャピラリ6の下端のエッジ部6bがバンプ12上に形成されたホール部分13の高さ以内に位置するようにキャピラリ6を上昇させ、次にキャピラリ6を横方向に移動させてバンプ12とワイヤ10との接続部に薄肉部14を形成し、続いてキャピラリ6を一定量上昇させた後、ワイヤ10を引っ張って薄肉部14より切断して形成し、バンプ12の上面が平坦となるので、このバンプ12に接続されたワイヤ10の配線方向がほぼ水平となり、低ワイヤループ化が図れる。
【0024】
本発明のワイヤボンディング方法の第2の実施の形態を図1(a)乃至(f)、図3及び図4により説明する。本実施の形態は、図1(a)乃至(f)の工程により、パッド2上にバンプ12を形成すると共に、キャピラリ6下面のバンプ12側方向に折り曲げられた曲げ部15を形成するまでは前記実施の形態と同じである。次に前記実施の形態はバンプ12上に曲げ部15をボンディングしたが、本実施の形態は、曲げ部15を配線4上にボンディングする。即ち、前記実施の形態はパッド2が第1ボンド点で、配線4が第2ボンド点となった。本実施の形態は逆に配線4が第1ボンド点で、パッド2が第2ボンド点の場合を示す。
【0025】
図1(f)の工程の後、図3(a)に示すように、キャピラリ6は配線4の上方に移動させられる。次に図3(b)に示すように、キャピラリ6が下降して第1ボンド点である配線4に曲げ部15をボンディングして下部第1ボンディング部20を形成する。またクランパ5は開状態となる。
【0026】
次に図3(c)に示すように、キャピラリ6を上昇させ、続いて図3(d)に示すように、下部第1ボンディング部20の上方に移動させる。次に図3(e)に示すように、キャピラリ6を下降させ、図3(d)に示すワイヤ部分21を折り曲げて下部第1ボンディング部20上にワイヤ部分21をボンディングして上部第1ボンディング部22を形成し、第1ボンディング部23とする。
【0027】
その後は第2ボンド点であるパッド2上に形成されたバンプ12上にワイヤ10を接続する。即ち、図3(f)に示すように、キャピラリ6は上昇及び図4(a)に示すように、パッド2の方向に移動してワイヤ10を繰り出し、その後下降してワイヤ10をバンプ12にボンディングして第2ボンディング部24とする。次に図4(b)に示すように、クランパ5及びキャピラリ6が共に上昇し、この上昇途中でクランパ5が閉じ、ワイヤ10は第2ボンディング部24の付け根より切断される。
【0028】
本実施の形態は、第1ボンド点が配線4となっている。そこで、単に曲げ部15を配線4にボンディングしたのみではボンディング強度が弱い。本実施の形態は、曲げ部15を第1ボンド点にボンディングしてまず下部第1ボンディング部20を形成し、その後この下部第1ボンディング部20上にワイヤ部分21を折り曲げて重ね合わせて上部第1ボンディング部22を形成するので、第1ボンド点へのボンディング強度の信頼性が一段と向上する。またパッド2にバンプ12を形成し、該バンプ12を第2ボンド点としてワイヤ10を直接ボンディングするので、パッド2側のループ高さが低くなる。即ち、低ワイヤループ化が図れる。また第2ボンド点であるパッド2にバンプ12を形成し、該バンプ12よりワイヤ10を切断する時に、キャピラリ6の先端部に突出したワイヤ曲げ部15を形成するので、第1ボンド点にボンディングする場合のワイヤ先端部の曲げ部15を特別な装置を設けることなく、既存のワイヤボンディング装置によって形成することができる。
【0029】
本発明のワイヤボンディング方法の第3の実施の形態を図5及び図6により説明する。なお、前記各実施の形態と同じ又は相当部材には同一符号を付して説明する。本実施の形態は、前記第1の実施の形態とバンプ12の形成方法が異なるのみである。
【0030】
まず、図5(a)に示すように、クランパ5を通してキャピラリ6に挿通されたワイヤ10の先端には、図示しない電気トーチによりボール11を形成し、その後、クランパ5は開状態となる。次に図5(b)に示すように、キャピラリ6が下降して第1ボンド点であるパッド2にボール11をボンディングする。この場合、ボール11を極限まで押し潰す点が前記実施の形態と異なる。例えば、ボールネック部下部の高さHが0〜5μm程度(ワイヤ10を斜め上方に引っ張った時にボールネック部下部より引きちぎれる厚さ)になるまでボール11を押し潰す。これにより、ボールネック部下部の高さHは薄肉部30となる。次に図5(c)に示すように、キャピラリ6の下端のエッジ部6bがホール部分13の高さより高い位置になるのようにクランパ5及びキャピラリ6を一定量上昇させる。
【0031】
次にクランパ5が閉じ、図5(d)に示すように、クランパ5及びキャピラリ6は共に第2ボンド点である配線4側の斜め上方に移動する。これにより、ワイヤ10はボールネック部下部の薄肉部30より切断され、パッド2上にバンプ12が形成される。またキャピラリ6の下端より突出したワイヤ10の先端は、バンプ12側方向に曲げられた曲げ部15が形成され、この曲げ部15の先端にはボールネック部31が設けられる。
【0032】
その後は図1(g)、(h)及び図2と同じ工程が行われる。即ち、図5(e)に示すように、曲げ部15がバンプ12の上方に位置するように移動させられる。続いて図5(f)に示すように、キャピラリ6が下降してバンプ12に曲げ部15をボンディングして第1ボンディング部16を形成する。またクランパ5は開状態となる。
【0033】
その後は従来と同様に第2ボンド点である配線4にワイヤ10を接続する。即ち、図6(a)に示すように、キャピラリ6は上昇及び図6(b)に示すように、配線4の方向に移動してワイヤ10を繰り出し、その後下降してワイヤ10を配線4にボンディングして第2ボンディング部17とする。次に図6(c)に示すように、クランパ5及びキャピラリ6が共に上昇し、この上昇途中でクランパ5が閉じ、ワイヤ10は第2ボンディング部17の付け根より切断される。
【0034】
このように構成しても前記第1の実施の形態と同様の効果が得られる。特に本実施の形態は、バンプ12の形成時におけるボール11の潰しをワイヤ10を引っ張った時にボールネック部下部より引きちぎれる厚さになるまで押し潰すので、バンプ12の高さが極めて低く形成される。このため、本実施の形態は前記第1の実施の形態より更にパッド2上のループ高さを低くすることができ、更なる低ワイヤループ化が図れる。
【0035】
本発明のワイヤボンディング方法の第4の実施の形態を図5(a)乃至(d)、図7及び図8により説明する。本実施の形態は、図5(a)乃至(d)の工程により、パッド2上にバンプ12を形成すると共に、キャピラリ6下面のバンプ12側方向に折り曲げられた曲げ部15及びボールネック部31を形成するまでは前記実施の形態と同じである。その後は前記第2の実施の形態(図3及び図4参照)と同じ工程が行われる。
【0036】
即ち、図5(d)の工程の後、図7(a)に示すように、キャピラリ6は配線4の上方に移動させられる。次に図7(b)に示すように、キャピラリ6が下降して第1ボンド点である配線4に曲げ部15をボンディングして下部第1ボンディング部20を形成する。またクランパ5は開状態となる。
【0037】
次に図7(c)に示すように、キャピラリ6を上昇させ、続いて図7(d)に示すように、下部第1ボンディング部20の上方に移動させる。次に図7(e)に示すように、キャピラリ6を下降させ、図7(d)に示すワイヤ部分21を折り曲げて下部第1ボンディング部20上にワイヤ部分21をボンディングして上部第1ボンディング部22を形成し、第1ボンディング部23とする。
【0038】
その後は第2ボンド点であるパッド2上に形成されたバンプ12上にワイヤ10を接続する。即ち、図7(f)に示すように、キャピラリ6は上昇及び図8(a)に示すように、パッド2の方向に移動してワイヤ10を繰り出し、その後下降してワイヤ10をバンプ12にボンディングして第2ボンディング部24とする。次に図8(b)に示すように、クランパ5及びキャピラリ6が共に上昇し、この上昇途中でクランパ5が閉じ、ワイヤ10は第2ボンディング部24の付け根より切断される。
【0039】
このように構成しても前記第2の実施の形態と同様の効果が得られる。特に本実施の形態は前記第3の実施の形態と同様に、バンプ12の形成時におけるボール11の潰しをワイヤ10を引っ張った時にボールネック部下部より引きちぎれる厚さになるまで押し潰すので、バンプ12の高さが極めて低く形成される。このため、本実施の形態は前記第2の実施の形態より更にパッド2上のループ高さを低くすることができ、更なる低ワイヤループ化が図れる。
【0040】
なお、第2及び第4の本実施の形態の場合は、曲げ部15を下部第1ボンディング部20とし、この下部第1ボンディング部20上に上部第1ボンディング部22を形成するので、曲げ部15の曲げ方向は、第2ボンド点方向である必要はなく、任意の方向でよい。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明のワイヤボンディング方法の第1の実施の形態を示す工程図である。
【図2】図1の続きの工程図である。
【図3】本発明のワイヤボンディング方法の第2の実施の形態を示し、図1(f)の続きの工程図である。
【図4】図3の続きの工程図である。
【図5】本発明のワイヤボンディング方法の第3の実施の形態を示す工程図である。
【図6】図5の続きの工程図である。
【図7】本発明のワイヤボンディング方法の第4の実施の形態を示し、図5(d)の続きの工程図である。
【図8】図7の続きの工程図である。
【符号の説明】
【0042】
1 回路基板
2 パッド
3 ダイ
4 配線
5 クランパ
6 キャピラリ
10 ワイヤ
11 ボール
12 バンプ
13 ホール部分
14 薄肉部
15 曲げ部
16 第1ボンディング部
17 第2ボンディング部
20 下部第1ボンディング部
22 上部第1ボンディング部
23 第1ボンディング部
24 第2ボンディング部
30 薄肉部
31 ボールネック部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ボンド点であるダイのパッドに第1ボンディングを行った後、第2ボンド点である配線上に第2ボンディングを行い、前記パッドと前記配線間をワイヤで接続するワイヤボンディング方法において、前記パッド上に予めバンプを形成し、このバンプ形成工程におけるワイヤ切断工程によって、キャピラリの先端部より突出したワイヤを横方向に折り曲げて曲げ部を形成し、その後前記曲げ部を前記バンプにボンディングして前記第1ボンディング工程を行い、その後ワイヤを前記配線にボンディングして前記第2ボンディング工程を行うことを特徴とするワイヤボンディング方法。
【請求項2】
第1ボンド点である配線に第1ボンディングを行った後、第2ボンド点であるダイのパッド上に第2ボンディングを行い、前記配線と前記パッド間をワイヤで接続するワイヤボンディング方法において、前記パッド上に予めバンプを形成し、このバンプ形成工程におけるワイヤ切断工程によって、キャピラリの先端部より突出したワイヤを横方向に折り曲げて曲げ部を形成し、この曲げ部を前記配線にボンディングして下部第1ボンディング部を形成する工程と、キャピラリを上昇及び前記下部第1ボンディング部の上方に移動させ、その後キャピラリを下降させてワイヤを前記下部第1ボンディング部上に重ねて接続して上部第1ボンディング部を形成する工程とから前記第1ボンディング工程を行い、その後ワイヤを前記バンプにボンディングして前記第2ボンディング工程を行うことを特徴とするワイヤボンディング方法。
【請求項3】
前記曲げ部は、クランパでワイヤをクランプして該クランパを横方向に移動させてワイヤを切断して形成することを特徴とする請求項1又は2記載のワイヤボンディング方法。
【請求項4】
前記曲げ部は、クランパでワイヤをクランプし、次にボンディングするパッドと配線を結ぶ方向に平行で、かつ配線側にキャピラリを移動させてワイヤを切断して形成することを特徴とする請求項1記載のワイヤボンディング方法。
【請求項5】
前記バンプは、ボールを前記パッドにボンディングした後、キャピラリの下端のエッジ部がバンプ上に形成されたホール部分の高さ以内に位置するようにキャピラリを上昇させ、次にキャピラリを横方向に移動させてバンプとワイヤとの接続部に薄肉部を形成し、続いてキャピラリを一定量上昇させた後、ワイヤを引っ張って前記薄肉部より切断して形成されることを特徴とする請求項1又は2記載のワイヤボンディング方法。
【請求項6】
前記バンプは、ボールを前記パッドにボンディングし、この時のボールの潰しをワイヤを引っ張った時にボールネック部下部より引きちぎれる厚さになるまで押し潰してボールネック部下部に薄肉部を形成し、次にワイヤを斜め上方に引っ張って前記薄肉部より切断して形成されることを特徴とする請求項1又は2記載のワイヤボンディング方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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