説明

ワイヤボンディング装置における湾曲回路基板の固定方法及びプログラム

【課題】ワイヤボンディング装置における湾曲回路基板の固定方法であって、簡便な方法によって湾曲した回路基板を吸着ステージに効果的に固定する。
【解決手段】回路基板15を吸着する吸着ステージ23の基板吸着面23aに真空吸着キャビティ24a〜24eを設ける。真空装置によって真空吸着キャビティ24a〜24eの空気を排気しながら、ボンディングアーム13の先端に取り付けられたキャピラリ16で回路基板15を押し下げる。回路基板15に少なくとも1つの真空吸着キャビティ24a〜24eの上面をシールさせることによって他の真空吸着キャビティの上面を連鎖的にシールさせる。全ての真空吸着キャビティ24a〜24eの上面を回路基板15でシールして回路基板15を吸着ステージ23に吸着させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイヤボンディング装置における湾曲した回路基板を吸着ステージに吸着、固定する方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
回路基板上に装着された半導体ダイと回路基板の間をワイヤにて接続するワイヤボンダは、搬送されてくるリードフレームを吸着ステージの上面に真空吸着固定した状態でワイヤボンディングを行う。一方、近年の半導体パッケージの薄型化の要求、高機能要求及び製造効率化の要求から、回路基板の薄板化、大型化が進むと共に、ダイの多層装着、いわゆるスタッキングが多用されるようになってきている。しかし、薄い回路基板の場合には回路基板に湾曲あるいは反りが生じてしまい、吸着ステージで回路基板を吸着して真空固定することができず、ワイヤボンディングができなくなる場合があった。
【0003】
半導体ダイが装着されて湾曲した回路基板を吸着ステージに確実に吸着固定する方法として、内部に真空吸引孔を備えた吸着筒を吸着ステージに貫通させて上下に移動させる吸着固定装置がある。これは、半導体ダイが装着されて湾曲した回路基板が吸着ステージに搬送されてきたら、吸着筒を回路基板に当たるように上昇させて、内部の真空吸引孔によって回路基板を吸着し、この吸着筒を下降させて基板吸着面の真空吸引孔で回路基板を吸着固定するものである(例えば、特許文献1参照)。また、吸着ステージの貫通孔にベロー型の真空グリッパを上下に可動するように取り付けて回路基板を基板吸着面に引き込む方法がある(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
一方、回路基板にワイヤを接続する場合に回路基板あるいは回路基板上の半導体ダイを加熱することが必要な場合がある。ところが、特許文献1、2に示す従来技術の回路基板の吸着機構は、吸着ステージ下部に吸着筒や真空グリッパを上下させる上下動機構を備えているため吸着ステージ下部に加熱機構を取り付けられず、ボンディングと加熱を同時に行うボンディング装置には用いることができないという問題があった。
【0005】
このため、回路基板を吸着ステージの下から吸着ステージ上に引き込むのではなく、回路基板の上面から吸着ステージに回路基板を押し下げる方法が提案されている。例えば、図6に示されているように、搬送ガイド22に沿って吸着ステージ23の上に搬送された湾曲した回路基板15に、回路基板15の上面の配設されたエアノズル71から空気を吹き付けて回路基板15を吸着ステージ23の基板吸着面23aに押し下げて、真空吸着孔27によって回路基板15を吸着固定する方法がある(例えば、特許文献1参照)。また、図7に示されているように、半導体ダイ14が装着された回路基板15の両側をグリッパエレメント73a,73bで挟んで両側に引っ張って平らにすると共に、回路基板15を吸着ステージ23に押しつけるようグリッパ73を下動させる。そして、回路基板15を吸着ステージ23の基板吸着面23aに押し付けて、真空吸着孔27によって吸着固定する方法がある(例えば、特許文献3参照)。
【0006】
【特許文献1】特開2000−138253号公報
【特許文献2】特開2001−203222号公報
【特許文献3】特開2001−176915号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、図6に示された従来技術では、空気を上面から吹き付けると、すでに半導体ダイ14と回路基板15との間に接続されているワイヤ12が風圧で曲がってしまい、ワイヤ12同士が接触してしまうという問題があった。また、図7に示された従来技術では、吸着ステージ23の下部にグリッパの駆動機構を配設する必要はないものの、吸着ステージ23の横に大きな駆動機構を取り付ける必要があることから装置が大型、複雑になってしまうという問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、簡便な方法によって湾曲した回路基板を吸着ステージに効果的に固定することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るワイヤボンディング装置における湾曲回路基板の固定方法は、回路基板を吸着する基板吸着面に少なくとも1つの真空吸着キャビティを有する吸着ステージと、ボンディングアームの先端に取り付けられたワイヤボンディングツールと、を備えるワイヤボンディング装置における湾曲回路基板の固定方法であって、前記回路基板が少なくとも1つの前記真空吸着キャビティをシールするように、前記ワイヤボンディングツールによって前記湾曲回路基板を前記吸着ステージに向かって押し下げること、を特徴とする。また、前記ワイヤボンディングツールによって前記湾曲回路基板を前記吸着ステージの少なくとも1つの前記真空吸着キャビティに向かって押し下げること、としても好適である。
【0010】
本発明に係るワイヤボンディング装置における湾曲回路基板の固定方法は、回路基板を吸着する基板吸着面に少なくとも1つの真空吸着キャビティを有する吸着ステージと、ボンディングアームの先端に取り付けられたワイヤボンディングツールと、を備えるワイヤボンディング装置における湾曲回路基板の固定方法であって、前記吸着ステージ上に搬送された前記湾曲回路基板の位置を確認した後、真空装置を起動する回路基板セット工程と、前記回路基板セット工程の後に、前記ワイヤボンディングツールに挿通されたワイヤの先端をボールに形成するボール形成工程と、前記ボール形成工程の後に、前記湾曲回路基板を押し下げるXY方向の位置を設定する回路基板押し下げ位置設定工程と、前記回路基板押し下げ位置設定工程によって設定したXY方向の位置にワイヤボンディングツールを移動させるボンディングツール移動工程と、前記ボンディングツール移動工程の後に、ワイヤボンディングツールを下動させて前記湾曲基板を前記吸着ステージに押し下げる回路基板押し下げ工程と、前記回路基板押し下げ工程の後に、真空吸着状態を確認する真空吸着状態確認工程と、前記真空吸着状態確認工程の後に、前記ボールを捨てボンドする捨てボンド工程と、を有することを特徴とする。また、更に、前記真空吸着状態確認工程において、真空吸着状態が確認できなかった場合に、前記湾曲回路基板を押し下げるXY方向の位置を変更する回路基板押し下げ位置設定変更工程と、を有することとしても好適である。また、前記ボールは、通常のワイヤボンディング用ボールよりも直径の大きい湾曲回路基板押し下げ用ボールであること、としても好適である。
【0011】
本発明に係るボンディング装置における湾曲回路基板の固定プログラムは、回路基板を吸着する基板吸着面に少なくとも1つの真空吸着キャビティを有する吸着ステージと、ボンディングアームの先端に取り付けられたワイヤボンディングツールと、を備えるワイヤボンディング装置における湾曲回路基板の固定プログラムであって、前記吸着ステージ上に搬送された前記湾曲回路基板の位置を確認した後、真空装置を起動する回路基板セットプログラムと、前記回路基板セットプログラムの後に、前記ワイヤボンディングツールに挿通されたワイヤの先端をボールに形成するボール形成プログラムと、前記ボール形成プログラムの後に、前記湾曲回路基板を押し下げるXY方向の位置を設定する回路基板押し下げ位置設定プログラムと、前記回路基板押し下げ位置設定プログラムによって設定したXY方向の位置にワイヤボンディングツールを移動させるボンディングツール移動プログラムと、前記ボンディングツール移動プログラムの後に、ワイヤボンディングツールを下動させて前記湾曲基板を前記吸着ステージに押し下げる回路基板押し下げプログラムと、前記回路基板押し下げプログラムの後に、真空吸着状態を確認する真空吸着状態確認プログラムと、前記真空吸着状態確認工程の後に、前記ボールを捨てボンドする捨てボンドプログラムと、を有することを特徴とする。また、更に、前記真空吸着状態確認プログラムにおいて、真空吸着状態が確認できなかった場合に、前記湾曲回路基板を押し下げるXY方向の位置を変更する回路基板押し下げ位置設定変更プログラムと、を有することとしても好適である。また、前記ボールは、通常のワイヤボンディング用ボールよりも直径の大きい湾曲回路基板押し下げ用ボールであること、としても好適である。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、簡便な方法によって湾曲した回路基板を吸着ステージに効果的に固定することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の好適な実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1は本発明の実施形態の湾曲回路基板の固定方法およびプログラムが適用されるワイヤボンダの系統構成図であり、図2はこのワイヤボンダの吸着ステージの上面を示す平面図であり、図3は図2に示すX方向中心線35に沿ったワイヤボンダの吸着ステージの断面を示す図である。
【0014】
図1に示すように、ワイヤボンダ10はXYテーブル20の上にボンディングヘッド19が設置され、ボンディングヘッド19にモータにて先端が上下方向であるZ方向に駆動されるボンディングアーム13を備えている。ボンディングアーム13の先端には、ボンディングツールであるキャピラリ16が取り付けられている。XYテーブル20とボンディングヘッド19は移動機構18を構成し、移動機構18はXYテーブル20によってボンディングヘッド19を水平面内(XY面内)で自在な位置に移動することができ、これに取り付けられたボンディングアーム13を駆動させることによって、ボンディングアーム13先端に取り付けられたキャピラリ16をXYZの方向に自在に移動させることができる。XYテーブル20にはキャピラリ16先端のXY方向の位置を検出するXY位置検出手段31が備えられている。このXY位置検出手段31はボンディングへッド19の所定個所のXY座標位置を検出し、この所定個所とキャピラリ16先端とのXY方向の距離を補正することによってキャピラリ16の先端のXY位置を検出するものである。XY位置検出手段31は電気式、光学式などの非接触式のものでもよいし、機械式の接触式であってもよい。また、XY位置検出手段31はキャピラリ16先端のXY位置を測定できれば、ボンディングへッド19の所定個所のXY位置の測定値を補正せず、直接キャピラリ16の先端位置を測定するXY位置センサであってもよい。更に、XY位置検出手段31はリニアスケールであってもよい。ボンディングへッド19にはキャピラリ16先端にかかる荷重を検出する荷重センサ28が備えられている。ボンディングアーム13の先端のキャピラリ16にはワイヤ12が挿通され、ワイヤ12はスプール11に巻回されている。スプール11に巻回されたワイヤ12にはワイヤ12と半導体ダイ14又は、ワイヤ12と回路基板15との間の通電状態を取得する通電状態取得手段38が接続されている。キャピラリ16の先端付近にはワイヤ12先端をボールに形成するためのボール形成手段17が取り付けられている。ボール形成手段17はワイヤ12との間で放電を行ってボールを形成する電気トーチであってもよいし、ガストーチであってもよい。また、ボンディングヘッド19にはキャピラリ16と半導体ダイ14と回路基板15の画像の撮像を行う撮像手段21が取り付けられている。
【0015】
キャピラリ16の下部には、半導体ダイ14が装着された回路基板15を吸着固定する吸着ステージ23が図示しないワイヤボンダフレームに取り付けられている。吸着ステージ23の両側には回路基板15をガイドする搬送ガイド22が固定されており、搬送ガイド22の近傍には回路基板15を挟みこんで所定の位置へ移動させる回路基板位置出しクランプ機構30が取り付けられている。吸着ステージ23には回路基板15によって上面がシールされることによって真空状態となる複数の真空吸着キャビティ24が形成され、真空吸着キャビティ24の下部には真空吸引孔27が開けられている。真空吸引孔27は真空配管33によって真空装置26に接続されている。そして、吸着ステージ23の近傍には、真空吸着キャビティ24の圧力を検出する圧力センサ29が取り付けられている。圧力センサ29は連続的に測定圧力信号を出力するものでもよいし、所定の圧力に達した時に信号を出力する圧力スイッチでもよい。圧力センサ29は各真空吸着キャビティ24の圧力を検出するように複数取り付けてもよいし、真空吸着キャビティ24の下の真空吸引孔27に取り付けてもよいし、真空装置26と真空吸引孔27を接続している真空配管33の一箇所あるいは複数個所に取り付けてもよい。また、吸着ステージ23の下部には真空吸着した半導体ダイ14が装着された回路基板15を加熱するヒートブロック25が取り付けられている。
【0016】
移動機構18は移動機構インターフェース59に接続され、ボール形成手段17はボール形成手段インターフェース61に接続され、通電状態取得手段38は通電状態取得手段インターフェース56に接続され、XY位置検出手段31はXY位置検出手段インターフェース60に接続され、荷重センサ28は荷重センサインターフェース57に接続され、撮像手段21は撮像手段インターフェース55に接続され、回路基板位置出しクランプ機構30は回路基板位置出しクランプ機構インターフェース53に接続され、圧力センサ29は圧力センサインターフェース51に接続され、真空装置26は真空装置インターフェース47に接続され、ヒートブロック25はヒートブロックインターフェース49に接続されている。そして、各インターフェースはデータバス43を介してワイヤボンダ10の制御を行う制御部41に接続されている。制御部41は内部に制御用のCPUを含んでいる。また、データバスには制御用データを記憶している記憶部45が接続されている。
【0017】
図2及び図3を参照しながら、上記のワイヤボンダ10の吸着ステージ23回りについて詳しく説明する。説明においては、図2に示すように水平面上の回路基板の搬送方向をY方向、回路基板の搬送と直角方向をX方向として説明する。図2に示すように吸着ステージ23は搬送ガイド22の間に配設された四角い平板である。そして、吸着ステージ23の基板吸着面23a中央のX方向中心線35上に並んだ複数の真空吸着キャビティ24a〜24eが形成されている。真空吸着キャビティ24a〜24eはX方向中心線35とY方向中心線36の双方に対して略45度の傾きをもって交差したX型の四角断面溝であり、その各中心点に真空吸引孔27a〜27eが開けられている。上記の真空吸着キャビティ24a〜24eのX型の溝の長さは回路基板15に装着される半導体ダイ14の対角線長さより少し短い長さとなっている。真空吸着キャビティ24a〜24eの溝の断面形状は四角に限らず、半円形など他のでもよい。また、平面形状は回路基板15を効率的に吸着できるよう真空吸引孔27a〜27eの中心から放射状に形成された溝であればX型に限らず十字形状や星型形状などであってもよい。ボンディングにおいては回路基板15に装着された半導体ダイ14の中心が上記のX方向中心線35上に来るように回路基板15の位置がセットされる。回路基板15のこの位置をボンディング位置という。
【0018】
図3は図2に示したX方向中心線35に沿った吸着ステージ23の断面図で、真空吸着キャビティ24は溝の長手方向の断面を示してある。図3に示すように、吸着ステージ23はベース34の上に固定されたヒートブロック25の上に重ねて固定されている。各真空吸着キャビティ24a〜24eの中心の各真空吸引孔27a〜27eは吸着ステージ23の内部でヘッダに接続されて吸着ステージ23からベース34の下部に導かれている。そしてベース34の下部において、真空配管33が接続されている。各真空吸引孔27a〜27eは吸着ステージ23の内部でヘッダを構成せずにそれぞれ吸着ステージ23の下側に貫通し、各貫通部に真空配管33が接続され、真空配管33の途中で1つのヘッダにまとめられて真空装置26に接続されるように構成されていてもよい。
【0019】
以下、図4及び図5a〜5eを参照しながら湾曲回路基板の固定方法、プログラムの動作について説明する。図4は本実施形態の動作を表すフローチャートであり、図5a〜5eは動作状態を示す説明図である。
【0020】
ワイヤボンダ10が起動されると、図5aに示すように、半導体ダイ14が装着されて湾曲した回路基板15が吸着ステージ23の両側の搬送ガイド22によってガイドされて吸着ステージ23に搬送されてくる。回路基板15は薄い基板であるため、湾曲が大きく、吸着ステージ23の基板吸着面23aから大きく浮き上がった状態となっている。また、先端にキャピラリ16が取り付けられたボンディングアーム13は回路基板15の搬送路から外れた待機位置で、先端のキャピラリを上昇位置として待機している。本実施形態ではボンディングアーム13の待機位置は先端のキャピラリ16が搬送ガイド22の外側に来るような位置として説明するが、この待機位置はキャピラリ16の先端が搬送されてくる湾曲した回路基板15と干渉しなければ、2つの搬送ガイド22の間の領域であってもよい。また、ワイヤボンダ10が起動されると、制御部41はヒートブロックインターフェース49にヒートブロック起動指令を出力し、これに従ってヒートブロックインターフェース49は加熱源25aを起動してヒートブロック25の加熱を開始する。
【0021】
図4のステップS101に示すように、回路基板位置出しクランプ機構30によって回路基板15が移動されている際には、回路基板位置出しクランプ機構30によって回路基板15の位置が所定の位置に来ているかどうかが検出され、その検出信号は回路基板位置検出インターフェース53によって制御部41に入力可能な信号に変換されて、制御部41に入力される。制御部41は、この信号によって図5bに示すように回路基板15が、ボンディング位置に来ているかどうかを撮像手段21で検出する。
【0022】
回路基板15がボンディング位置に達すると回路基板位置出しクランプ機構30からボンディング位置到達信号が発信され、この信号が回路基板位置出しクランプインターフェース53から制御部41に入力される。図4のステップS102に示すように、制御部41は上記信号の入力によって、回路基板15が所定のボンディング位置に来たと判断して、搬送動作を停止する指令を図示しない搬送装置に出力し、回路基板15はボンディング位置に停止する。
【0023】
次に、制御部41は、図4のステップS103に示すように真空装置26を起動する。ボンディング位置に搬送された回路基板15は図5aに示したように基板吸着面23aから大きく浮き上がっていることから、真空装置26によって真空吸引孔27a〜27eの空気を排気しても、真空吸着キャビティ24a〜24eの圧力は真空とならず回路基板15を吸着固定することはできない。このため、回路基板15は浮き上がったままである。
【0024】
図4のステップS104に示すように、制御部41はボール形成手段インターフェース61にボールの形成信号を出力する。ボール形成手段インターフェース61はこの指令によって、キャピラリ16の先端に導出されているワイヤ12とボール形成手段17との間に放電を行い、図5aに示すようにボール37を形成する。このボール37の形成により、回路基板15を吸着固定後にスムーズにボンディング工程に移れるためである。また、ボール37の形成において、通常のボンディング用ボールよりも大きな電力によって放電を行い、通常のボンディング用のボールよりも大きな押し下げ用ボール37を形成することも好適である。大きなボールを形成することによって、湾曲した回路基板15を押し下げる面積が増加し、回路基板15をより効果的に押し下げることができるためである。
【0025】
図4のステップS105に示すように、制御部41は、予め記憶部45に入力された回路基板15のデータに基づいて、最適な回路基板15のXY方向の押し下げ位置を設定する。本実施形態では、押し下げ位置は回路基板15の中央の半導体ダイ14の端部の位置に設定されている。これは、回路基板15の中央に近い位置は回路基板全体を一様に吸着ステージ23に押し下げることができること、半導体ダイ14の端部は半導体の回路部分がないことから押し下げによって半導体回路部を損傷することがないことによるものである。また、この押し下げ位置は、真空吸着キャビティ24a〜24eのいずれか1つをシールできれば半導体ダイ14のない回路基板15上の位置でもよい。また、この押し下げ位置は、半導体ダイ14の種類や回路基板15の種類によっては、真空吸引孔27a〜27eのいずれかの直上としてもよい。この位置は、他の位置よりも、各真空吸着キャビティ24a〜24eの中心に向かって真直ぐに回路基板15を押し下げることができる位置なので、より効果的に回路基板15の吸着を行うことができる位置であるためである。
【0026】
回路基板15の押し下げ位置が設定されると、図4のステップS106に示すように、制御部41は、その設定したXY方向の位置にキャピラリ16の先端位置を移動させる指令を移動機構インターフェース59に出力する。図5bに示すように、移動機構インターフェース59はこの指令に基づいてXYテーブル20を駆動して、ボンディングアーム13の先端のキャピラリ16が設定されたXY方向の押し下げ位置に来るようにボンディングへッド19の移動を開始する。制御部41は、図4のステップS107に示すように、XY位置検出手段31からの検出信号をXY位置検出手段インターフェース60から取得して、キャピラリ16の先端位置と設定された押し下げ位置との差を監視する。また、撮像手段21によってキャピラリ16と半導体ダイ14と回路基板15との画像を撮像し、その画像データを撮像手段インターフェース55によって制御部41に入力し、制御部41で画像処理によってキャピラリ16の先端位置を取得し、指令値との差を監視してもよい。そして、制御部41はこの差が閾値以下になったと判断すると、図4のステップS108に示すように、移動機構インターフェース59にキャピラリ16の先端位置の移動を停止するような指令を出力する。移動機構インターフェース59は、この指令によってボンディングへッド19の移動を停止して、キャピラリ16の先端位置のXY方向の移動を停止する。ボンディングへッド19の移動が停止した時には、図5bに示すように、キャピラリ16の先端位置は、回路基板15の中央の半導体ダイ14の端部の押し下げ位置にきており、キャピラリ16の先端は回路基板15又は、半導体ダイ14から離れた上昇位置となっている。
【0027】
図4ステップS109に示すように、制御部41は、移動機構インターフェース59にキャピラリ16の先端を下動させる指令を出力する。この指令にもとづいて移動機構インターフェース59はボンディングへッド19に備えられているボンディングアーム13の駆動用のモータを駆動して、キャピラリ16の先端を下動させるような信号を出力する。そして、ボンディングへッド19のモータが駆動され、ボンディングアーム13が下動方向に回転を開始する。荷重センサ28のキャピラリ先端の荷重検出信号は荷重センサインターフェース57から制御部41に入力される。制御部41は、図4のステップS110に示すように、この信号と所定のキャピラリ接地荷重との差を監視する。接地荷重は、キャピラリ16の先端が接地したときに検出される荷重で、通常のボンディングのときのワイヤ圧着荷重よりも小さい荷重である。回路基板15の押し下げによってキャピラリ先端のボール37が半導体ダイ14又は回路基板15に圧着されることを防止するためである。
【0028】
図5cに示すように、ボンディングアーム13の下動によってキャピラリ16の先端が湾曲した回路基板15に向かって下がり始める。そして、キャピラリ先端のワイヤに形成されたボール37が半導体ダイ14に当接する。この状態では、回路基板15は基板吸着面23aから大きく浮き上がっており、この隙間を真空装置26に向かって空気が流れるため、真空吸着キャビティ24a〜24eはいずれもシールされず、回路基板15を真空吸着できない。
【0029】
制御部41はボンディングアーム13の下動中、荷重センサ28からの入力信号によってキャピラリ先端にかかる荷重が所定の接地荷重以上になっているかどうかの監視を続ける。そして、制御部41は、図4のステップS111に示すように、荷重センサ28からの入力信号と接地荷重との差が閾値以下となった場合にキャピラリ16が接地したと判断し、移動機構インターフェース59にキャピラリ16の下動停止指令を出力する。移動機構18はこの指令に基づいてボンディングへッド19のボンディングアーム13の下動を停止して、キャピラリ16の下動を停止する。また、キャピラリ16の接地検出は、通電状態取得手段38によって通電電流を検出することによって行ってもよい。キャピラリ16が接地するとワイヤ12に通電状態検出用の電流が流れる。このワイヤ12から半導体ダイ14又は回路基板15への通電電流は通電状態取得手段38によって検出され、その信号は通電状態取得手段インターフェース56から制御部41に入力される。制御部41はこの信号の入力によって、キャピラリ16の接地を検出してキャピラリ16の下動を停止する。通電状態取得手段38はワイヤ12と半導体ダイ14又は回路基板15との間の直流電流の状態変化を検知する直流式でも良いし、交流電流の変化を検出する交流式であっても良い。
【0030】
このとき、図5dに示すように、キャピラリ16の先端の下動によって回路基板15の中央部が吸着ステージ23の基板吸着面23aに押し下げられ、中央の半導体ダイ14の下面の回路基板15の一部が基板吸着面23aに当接すると共に、回路基板15が真空吸着キャビティ24c上側の面に被さってきている。これによって真空吸着キャビティ24a〜24eから真空装置26への空気流路の一部が塞がれて真空装置26への空気流量が少なくなり真空吸着キャビティ24a〜24e全体の圧力が低下してくる。そして、真空吸着キャビティ24a〜24e全体の圧力が大気圧よりも低くなってくると、大気圧によって回路基板15は吸着ステージ23に押し付けられ始める。すると、回路基板15の下面と基板吸着面23a隙間が一番小さくなっている真空吸着キャビティ24cの周囲に回路基板15の下面が密着して真空吸着キャビティ24cの上面をシールする。これによって、回路基板15の中央部は基板吸着面23aに吸着される。図5dに示すように、真空吸着キャビティ24a,24b,24d,24eの上の回路基板15は、まだ基板吸着面23aから浮き上がっている状態である。しかし、真空吸着キャビティ24cがシールされたことによって真空装置26で排気される空気流量が更に少なくなり、真空吸着キャビティ24a〜24e全体の圧力が更に低下してくる。これによって、真空吸着キャビティ24a,24b,24d,24eの上面にある回路基板15は更に大気圧によって吸着ステージ23に強く押し付けられる。
【0031】
そして、回路基板15が真空吸着キャビティ24a,24b,24d,24eのいずれか1つの上面をシールすると、その真空吸着キャビティから真空装置26に空気が流れなくなることから、真空吸着キャビティ24a〜24e全体の圧力が更に低下し、大気圧との圧力差が大きくなる。そして、圧力差が大きくなると回路基板15を下に押し付ける力も大きくなり、連鎖的に周囲の真空吸着キャビティ24a〜24eが回路基板15によって次々にシールされる。そして全部の真空吸着キャビティ24a〜24eが回路基板15によってシールされると、回路基板15が吸着ステージに完全に真空吸着される。このように、1つの真空吸着キャビティがシールされると真空吸着キャビティ全体の圧力が連鎖的に低下して、大気圧との圧力差によって一気に回路基板15が基板吸着面に吸着される。全ての真空吸着キャビティ24a〜24eが回路基板15によってシールされると、図5eに示すように、回路基板15は基板吸着面23aに吸着固定され、各真空吸着キャビティ24a〜24e、各真空吸引孔27a〜27e、及び真空配管33の圧力は略真空状態となる。
【0032】
図4のステップS112に示すように、制御部41は圧力センサ29の検出圧力を圧力センサインターフェース51の圧力信号として取得し、その圧力と所定の真空圧力との差が所定の閾値以下になっているかどうか判断する。そして、その差が所定の閾値以下の場合には、制御部41は、各真空吸着キャビティ24a〜24eは全て真空で回路基板15は吸着ステージ23の上に吸着固定されたと判断する。
【0033】
制御部41は回路基板15の真空吸着状態を確認すると、移動機構インターフェース59にキャピラリ16を上昇させて、回路基板15又は回路基板の端部等のワイヤボンディングに支障をきたさない場所にある捨てボンド位置に移動する指令を出力する。移動機構18はボンディングアーム13の駆動モータを駆動してボンディングアーム13を上昇させた後、指令に従って、XYテーブルによってキャピラリ先端を回路基板15の捨てボンド位置に移動させる。捨てボンド位置への移動が終了すると、制御部41はキャピラリ16を下動させて捨てボンド位置にボンディングを行う。この場合は、通常のボンディングと同様にキャピラリ16の先端に形成されているボール37を捨てボンド位置に圧着させる。キャピラリ16によってボール37が圧着されるとワイヤ12に通電状態検出用の電流が流れる。この通電電流は通電状態取得手段38によって検出され、その信号は通電状態取得手段インターフェース56から制御部41に入力される。制御部41はこの信号の入力によって、ボール37が圧着されたと判断する。その後、制御部41は、キャピラリ16を上昇させてテールワイヤの切断を行う。テールワイヤが切断されると、ワイヤ12に流れていた通電状態検出用の電流が流れなくなる。この通電電流がなくなった状態は通電状態取得手段38によって検出され、その信号は通電状態取得手段インターフェース56から制御部41に入力される。制御部41はこの信号によって、ワイヤ12が正常に切断されたものと判断する。そして、制御部41は、ボール37の圧着による通電信号とワイヤ切断による通電電流がなくなったことを示す信号の双方が入力された場合に、捨てボンドが正常に行われたと判断する。上記の捨てボンド工程によって捨てボンドが正常に終了した場合には、制御部41は湾曲回路基板の固定プログラムを終了する。捨てボンド工程によって捨てボンドに不良が発生した場合には、制御部41は、図4のステップS116に示すようにエラー停止処理を行い、ワイヤボンディング装置を停止する。
【0034】
一方、上記の圧力差が所定の閾値以下となっていない場合には、制御部41は、いずれかの真空吸着キャビティがシールされずに空気を吸込んでいる状態となっており、回路基板15は完全に吸着固定されていないと判断する。そして、回路基板15の真空吸着状態を確認できなかった場合には、図4のステップS112に示すように、制御部41は、再度、回路基板15の押し下げ動作を行う。
【0035】
図4のステップS115に示すように、制御部41は移動機構インターフェース59にキャピラリ高さを上昇位置までリセットする指令を出力する。移動機構インターフェース59はこの指令に従って、ボンディングアーム13のモータを駆動して、ボンディングアーム13を上昇させ、キャピラリ16の先端を初期状態の上昇位置にリセットする。そして、制御部41は、図4のステップS105に示すように、回路基板のXY方向の押し下げ位置の設定を変更する。これは、前回の押し下げ位置の隣の半導体ダイ14の端面に設定するようにしてもよい。また、各真空吸着キャビティ24a〜24eそれぞれに圧力センサ29を取り付けておき、一番圧力の高い真空吸着キャビティの近傍を押し下げるように設定しても良い。
【0036】
そして、押し下げ位置の設定が終了したら、制御部41は、図4のステップS106に示すように、再度移動機構18によってキャピラリ16の先端位置を再設定された押し下げ位置に移動させて、図4のステップS109からステップS111に示すように再度押し下げ動作を行う。そして、図4のステップS112に示すように、真空吸着キャビティの真空状態が確認されると、回路基板15が吸着ステージ23に吸着されたと判断する。そして、図4のステップS113に示すように、捨てボンド工程が開始され、図4のステップS114に示すように、捨てボンドが正常に終了したら、制御部41は、湾曲回路基板の固定プログラムを終了する。
【0037】
回路基板15が吸着ステージ23に吸着固定されると、回路基板15と半導体ダイ14はすでに加熱可能温度まで温度上昇されている下部のヒートブロック25によって加熱され、ワイヤボンディングが可能な状態となる。制御部41はボンディングプログラムを起動させて、半導体ダイ14と回路基板15との間にワイヤボンディングを行っていく。そしてX方向中心線35の上にならんだ半導体ダイ14のボンディングを終了したら、真空を開放し、回路基板15の真空吸着固定をはずして、次の半導体ダイ14の列がX方向中心線35に来るまで回路基板15を搬送し、上記と同様に回路基板15の吸着動作をおこなっていく。
【0038】
以上説明した様に、本実施形態は、通常のワイヤボンダ10に特殊な構造を付け加えることなく、制御プログラムを変更するだけで、簡単に湾曲した回路基板15を効果的に吸着ステージ23に真空吸着固定することができるという効果を奏する。また、下部に可動機構を配置することが必要ないことから回路基板の吸着と加熱を同時に行うことができ、ボンディング効率の向上を図ることが出来るという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明に係る湾曲した回路基板の固定方法及びプログラムを適用したワイヤボンダの系統構成を示す図である。
【図2】図1に示すワイヤボンダの吸着ステージ上面を示す平面図である。
【図3】図1に示ワイヤボンダの吸着ステージの断面を示す図である。
【図4】本発明の実施形態のフローチャートである。
【図5a】湾曲回路基板がセットされた状態を示す説明図である。
【図5b】湾曲回路基板の押し下げ位置にキャピラリを移動させる状態を示す説明図である。
【図5c】キャピラリが湾曲回路基板の押し下げを開始する状態を示す説明図である。
【図5d】キャピラリが下動停止位置に達した時の湾曲回路基板の状態を示す説明図である。
【図5e】湾曲回路基板が吸着固定された状態を示す説明図である。
【図6】従来技術による回路基板の固定方法を示す図である。
【図7】従来技術による回路基板の固定方法を示す図である。
【符号の説明】
【0040】
10 ワイヤボンダ、11 スプール、12 ワイヤ、13 ボンディングアーム、14 半導体ダイ、15 回路基板、16 キャピラリ、17 ボール形成手段、18 移動機構、19 ボンディングヘッド、20 XYテーブル、21 撮像手段、22 搬送ガイド、23a 基板吸着面、23 吸着ステージ、24,24a〜24e 真空吸着キャビティ、25 ヒートブロック、25a 加熱源、26 真空装置、27,27a〜27e 真空吸引孔、28 荷重センサ、29 圧力センサ、30 回路基板位置出しクランプ機構、31 XY位置検出手段、33 真空配管、34 ベース、35 X方向中心線、36 Y方向中心線、37 ボール、38 通電状態取得手段、41 制御部、43 データバス、45 記憶部、47 真空装置インターフェース、49 ヒートブロックインターフェース、51 圧力センサインターフェース、53 回路基板位置出しクランプ機構インターフェース、55 撮像手段インターフェース、56 通電状態取得手段インターフェース、57 荷重センサインターフェース、59 移動機構インターフェース、60 XY位置検出手段インターフェース、61 ボール形成手段インターフェース、71 エアノズル、73 グリッパ、73a,73b グリッパエレメント。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路基板を吸着する基板吸着面に少なくとも1つの真空吸着キャビティを有する吸着ステージと、ボンディングアームの先端に取り付けられたワイヤボンディングツールと、を備えるワイヤボンディング装置における湾曲回路基板の固定方法であって、
前記回路基板が少なくとも1つの前記真空吸着キャビティをシールするように、前記ワイヤボンディングツールによって前記湾曲回路基板を前記吸着ステージに向かって押し下げること、
を特徴とするワイヤボンディング装置における湾曲回路基板の固定方法。
【請求項2】
請求項1に記載のワイヤボンディング装置における湾曲回路基板の固定方法であって、
前記ワイヤボンディングツールによって前記湾曲回路基板を前記吸着ステージの少なくとも1つの前記真空吸着キャビティに向かって押し下げること、
を特徴とするワイヤボンディング装置における湾曲回路基板の固定方法。
【請求項3】
回路基板を吸着する基板吸着面に少なくとも1つの真空吸着キャビティを有する吸着ステージと、ボンディングアームの先端に取り付けられたワイヤボンディングツールと、を備えるワイヤボンディング装置における湾曲回路基板の固定方法であって、
前記吸着ステージ上に搬送された前記湾曲回路基板の位置を確認した後、真空装置を起動する回路基板セット工程と、
前記回路基板セット工程の後に、前記ワイヤボンディングツールに挿通されたワイヤの先端をボールに形成するボール形成工程と、
前記ボール形成工程の後に、前記湾曲回路基板を押し下げるXY方向の位置を設定する回路基板押し下げ位置設定工程と、
前記回路基板押し下げ位置設定工程によって設定したXY方向の位置にワイヤボンディングツールを移動させるボンディングツール移動工程と、
前記ボンディングツール移動工程の後に、ワイヤボンディングツールを下動させて前記湾曲回路基板を前記吸着ステージに押し下げる回路基板押し下げ工程と、
前記回路基板押し下げ工程の後に、真空吸着状態を確認する真空吸着状態確認工程と、
前記真空吸着状態確認工程の後に、前記ボールを捨てボンドする捨てボンド工程と、
を有することを特徴とするワイヤボンディング装置における湾曲回路基板の固定方法。
【請求項4】
請求項3に記載のワイヤボンディング装置における湾曲回路基板の固定方法であって、
更に、前記真空吸着状態確認工程において、真空吸着状態が確認できなかった場合に、前記湾曲回路基板を押し下げるXY方向の位置を変更する回路基板押し下げ位置設定変更工程と、
を有することを特徴とするワイヤボンディング装置における湾曲回路基板の固定方法。
【請求項5】
請求項3又は4に記載のボンディング装置における湾曲回路基板の固定方法であって、
前記ボールは、通常のワイヤボンディング用ボールよりも直径の大きい湾曲回路基板押し下げ用ボールであること、
を特徴とするボンディング装置における湾曲回路基板の固定方法。
【請求項6】
回路基板を吸着する基板吸着面に少なくとも1つの真空吸着キャビティを有する吸着ステージと、ボンディングアームの先端に取り付けられたワイヤボンディングツールと、を備えるワイヤボンディング装置における湾曲回路基板の固定プログラムであって、
前記吸着ステージ上に搬送された前記湾曲回路基板の位置を確認した後、真空装置を起動する回路基板セットプログラムと、
前記回路基板セットプログラムの後に、前記ワイヤボンディングツールに挿通されたワイヤの先端をボールに形成するボール形成プログラムと、
前記ボール形成プログラムの後に、前記湾曲回路基板を押し下げるXY方向の位置を設定する回路基板押し下げ位置設定プログラムと、
前記回路基板押し下げ位置設定プログラムによって設定したXY方向の位置にワイヤボンディングツールを移動させるボンディングツール移動プログラムと、
前記ボンディングツール移動プログラムの後に、ワイヤボンディングツールを下動させて前記湾曲回路基板を前記吸着ステージに押し下げる回路基板押し下げプログラムと、
前記回路基板押し下げプログラムの後に、真空吸着状態を確認する真空吸着状態確認プログラムと、
前記真空吸着状態確認工程の後に、前記ボールを捨てボンドする捨てボンドプログラムと、
を有することを特徴とするワイヤボンディング装置における湾曲回路基板の固定プログラム。
【請求項7】
請求項6に記載のワイヤボンディング装置における湾曲回路基板の固定プログラムであって、
更に、前記真空吸着状態確認プログラムにおいて、真空吸着状態が確認できなかった場合に、前記湾曲回路基板を押し下げるXY方向の位置を変更する回路基板押し下げ位置設定変更プログラムと、
を有することを特徴とするワイヤボンディング装置における湾曲回路基板の固定プログラム。
【請求項8】
請求項6又は7に記載のボンディング装置における湾曲回路基板の固定プログラムであって、
前記ボールは、通常のワイヤボンディング用ボールよりも直径の大きい湾曲回路基板押し下げ用ボールであること、
を特徴とするボンディング装置における湾曲回路基板の固定プログラム。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5a】
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【図5b】
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【図5c】
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【図5d】
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【図5e】
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【図6】
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【図7】
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