説明

ワイヤボンディング装置

【課題】電子部品の電極とボンディングパッド間を正確にワイヤボンディングすることが可能なワイヤボンディング装置を提供する。
【解決手段】電子部品40の電極と、ボンディングパッド間をワイヤボンディングする際における標準キャピラリ移動位置データSDと、第1回目のワイヤボンディング動作による電子部品40のずれ量を基板温度毎に対応させた温度対応ずれ量データTDを予め記憶させた記憶手段32と、基板温度計測手段70と、基板温度に該当する温度対応ずれ量データTDから第2回目以降のワイヤボンディング動作時のキャピラリ40の移動位置データである補正キャピラリ移動位置データMDを生成する補正キャピラリ移動位置データ生成手段34を有し、温度対応ずれ量データTDを用いて、補正キャピラリ移動位置データMDを生成し、これを用いて第2回目以降のワイヤボンディング動作を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はワイヤボンディング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子部品の電極と基板に形成されたボンディングパッドとをワイヤボンディングする際には、加熱手段により基板を加熱しながらワイヤボンディングを行っている。
近年は、半導体装置の小型化が進み、ワイヤボンディングのボンディングピッチが非常に微細になっている。また、半導体装置の薄型化の要請から基板と電子部品との接合には熱硬化性接着剤に替えてより薄型化が可能な熱可塑性の接着フィルムが用いられている。
【0003】
このような熱可塑性の接着フィルムを用いて半導体チップを搭載した半導体装置において基板を加熱しながらワイヤボンディングを行うと、熱可塑性の接着シートが軟化し、基板に搭載された電子部品が最初のボンディング動作の際に、キャピラリによって押されて当初の基板搭載位置からずれてしまい、第2回目以降のワイヤボンディング動作の際に当初の予定位置にボンディングすることができないことがある。近年では、基板を加熱しながらワイヤボンディングを行っても電子部品が基板に搭載した位置から位置ずれしないように電子部品および基板を冷却する機能を付加してワイヤボンディングする装置(たとえば特許文献1)が提供されている。
【特許文献1】特開平8−330347号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1記載のワイヤボンディング装置によれば、基板を加熱しながら電子部品にエアを吹き付けて電子部品を冷却しているので熱可塑性の背着フィルムの変形が抑制され、ワイヤボンディングを行う際にキャピラリにより電子部品を押圧しても、電子部品が基板上の当初位置からずれなくすることができ、第2回目以降のワイヤボンディング動作の際も正確なワイヤボンディングが可能になる。
しかしながら、電子部品の電極が冷却されることにより、ボンディング強度が十分確保できない場合があるという課題や、エアの吹付装置が別途必要になるためワイヤボンディング装置が高価になるという課題の他、ワイヤボンディング部分に異物が付着しやすくなるといった課題がある。
【0005】
そこで本願発明は、電子部品の電極とボンディングパッド間のワイヤボンディングのボンディング強度を向上させるために基板を加熱することにより、ワイヤボンディングの際に電子部品が当初位置からずれてしまっても、電子部品の電極とボンディングパッド間を正確にワイヤボンディングすることが可能なワイヤボンディング装置の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、基板を加熱しながらワイヤボンディングをおこなう場合の電子部品の位置ずれの状態を詳しく観察したところ、第1回目のワイヤボンディング動作時において、キャピラリが電子部品の電極にワイヤを押圧する際に生じるずれ量が加熱された基板に対する電子部品のずれ量のほとんどの部分を占めていることを見出し、本願発明を完成させた。
すなわち、加熱手段により電子部品が搭載された基板を加熱しながらワイヤボンディングを行うワイヤボンディング装置において、前記電子部品の電極と、前記基板に形成されたボンディングパッド間をワイヤボンディングする際におけるキャピラリの移動位置データである標準キャピラリ移動位置データと、前記電子部品に対する第1回目のワイヤボンディング動作による前記電子部品の当初基板搭載位置からのずれ量を基板温度毎に対応させてなる温度対応ずれ量データとを予め記憶させてある記憶手段と、基板の温度を計測する基板温度計測手段と、該基板温度計測手段により計測された基板温度に該当する温度対応ずれ量データに基づいて、前記標準キャピラリ移動位置データの第2回目以降の各々のワイヤボンディング動作時におけるキャピラリの移動位置を補正した補正キャピラリ移動位置データを生成する補正キャピラリ移動位置データ生成手段と、を有し、前記基板温度計測手段により基板の温度を計測し、計測温度に該当する温度対応ずれ量データを記憶手段から読み取ると共に、補正キャピラリ移動位置データ生成手段が補正キャピラリ移動位置データを生成し、第2回目以降のワイヤボンディング動作を補正キャピラリ移動位置データに基づいて行うことを特徴とするワイヤボンディング装置である。
【0007】
また、前記温度対応ずれ量データは、あるずれ量に対して所定範囲の基板温度を対応させていることを特徴とする。これにより、温度対応ずれ量データの精度を維持しながらもデータ容量を減らすことができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明にかかるワイヤボンディング装置によれば、電子部品の電極とボンディングパッド間のワイヤボンディングのボンディング強度を向上させるために基板を加熱することにより、十分な接合強度を持たせた状態でワイヤボンディングすることが可能になる。また、基板の加熱により第1回目のワイヤボンディング動作の際に電子部品が当初位置からずれてしまっても、電子部品の電極とボンディングパッド間を正確にワイヤボンディングすることが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明にかかるワイヤボンディング装置の実施形態について、図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態におけるワイヤボンディング装置の概略構成を示す図である。図2は、基板を加熱した状態でワイヤボンディングを行う場合の第1回目のボンディング動作を行った直後の状態を示した正面図である。図3は、図2中のキャピラリを除いた平面図である。図4は、第1回目のワイヤボンディング動作によって生じる電子部品のずれ量を基板温度毎にまとめた図である。図2と図3中において破線で示された部分は、第1回目のワイヤボンディング動作を行う前の半導体チップ(電子部品)の位置を示している。
【0010】
図1に示すように、本実施形態におけるワイヤボンディング装置10は、キャピラリ20と、キャピラリ20をX−Y−Z(縦―横―高さ)方向に移動させるキャピラリ移動手段22と、キャピラリ移動手段22の動作を制御する制御部30と、ワイヤボンディングする電子部品である半導体チップ40を搭載した基板50を加熱する加熱手段60と、基板50の温度を計測する温度計測手段70を有している。
【0011】
制御部30は、キャピラリ移動手段22を移動させるための半導体チップ40の各電極42と基板50の各ボンディングパッド52の位置データプログラムである標準キャピラリ移動位置データSD(基板50に搭載した半導体チップ40が当初搭載位置を維持していることが前提の移動データ)と、基板50の温度に応じて、第1回目のワイヤボンディング動作時において、キャピラリ20が半導体チップ40を当初基板位置からずらす量を対応させた温度対応ずれ量データTDを記憶させた記憶手段32と、標準キャピラリ移動位置データSDを温度対応ずれ量データTDを用いて補正し、補正キャピラリ移動位置データMDを生成する補正キャピラリ移動位置データ生成手段34と、ワイヤボンディング装置10の全体の動作を制御するCPU36を有している。
【0012】
まず、温度対応ずれ量データTDの算出方法について説明する。図2に示すように、ボンディングパッド52が形成された基板50には半導体チップ40が搭載されている。半導体チップ40には電極42が形成されていて、半導体チップ40は熱可塑性接着フィルム80を介して基板50に接着されている。
導線である金ワイヤ24を挿通させたキャピラリ20は、標準キャピラリ移動位置データSDに基づいて半導体チップ40の電極42と基板50のボンディングパッド52間を移動する。この際、キャピラリ20の先端部から露出している金ワイヤ24の端部を放電により溶融させて電極42に接合し、ボンディングパッド52には金ワイヤ24を押圧し摩擦させて接合している。このようにして電極42とボンディングパッド52とを金ワイヤ24を介して電気的に接続している。金ワイヤ24は図示しない金ワイヤ供給部から繰り出されることによりキャピラリ20に順次供給されている。
【0013】
金ワイヤ24と半導体チップ40の電極42および基板50のボンディングパッド52との接合性を高めるために基板50が加熱手段60により百数十℃に加熱されている。加熱手段60としてはヒートブロックが好適に用いられ、制御手段であるCPU36により加熱温度が制御されている。半導体チップ40は熱可塑性接着フィルム80により基板50に接着されているので、基板50が加熱されると熱可塑性接着フィルム80が軟化し、キャピラリ20が半導体チップ40の電極42に金ワイヤ24を押圧すると、図2、図3に示すように半導体チップ40が基板50に当初搭載されていた位置からずれてしまう。この半導体チップ40の基板当初位置からのずれ量を基板50の温度毎に詳細に計測し、まとめたものが図4に示す温度対応ずれ量データTDである。
【0014】
本実施形態における温度対応ずれ量データTDを計測する際の基準位置は、図3に示すように、半導体チップ40および基板50の左上コーナー部A,aと半導体チップ40および基板50の右下コーナー部B,bとしている。
温度対応ずれ量データTDの収集は、以下のとおりに行った。
まず、基板50を加熱する前におけるA点とa点、B点とb点の位置関係をそれぞれカメラ等の撮影手段(図示せず)により撮影して記憶手段32に記憶させる。その後、基板温度を100℃〜180℃の範囲で5℃ずつ変化させ、それぞれの基板温度下で第1回目のワイヤボンディング動作を行った直後におけるA点とa点、B点とb点の位置関係をそれぞれ撮影手段により撮影して記憶手段32に記憶させる。そして、基板50の加熱前における撮影映像と各基板温度における撮影映像から、各基板温度におけるA点とa点、B点とb点のずれ量を計測し、計測したずれ量データをまとめたものを温度対応ずれ量データTDとしている。本実施形態においては、基板温度100℃において計測したずれ量と基板温度105℃において計測したずれ量の平均値を基板温度100℃〜105℃における温度対応ずれ量データTDとしている。
温度対応ずれ量データTDは、半導体チップ40、基板50、熱可塑性接着フィルム80の種類に応じて事前に実験しておくことにより入手し、記憶手段32に予め記憶されている。
【0015】
温度計測手段70は基板50の温度を計測するものでありサーモグラフィー装置等が好適に用いられる。温度計測手段70は、加熱手段60により所定時間基板50を加熱した後、第1回目のワイヤボンディング動作を行う直前に基板50の表面温度を計測する。
温度計測手段70により、基板50の表面温度を計測した後、記憶手段32に記憶されている温度対応ずれ量データTDを参照すれば、そのときの基板温度において予想される第1回目のワイヤボンディング動作時における半導体チップ40のずれ量が得られる。
【0016】
補正キャピラリ移動位置データ生成手段34は記憶手段32から温度対応ずれ量データTDを読み込んだ後、記憶手段32に記憶されている標準キャピラリ移動位置データSDを読み出し、標準キャピラリ移動位置データSDに温度対応ずれ量データTDを適用することで、補正キャピラリ移動位置データMDを生成する。具体的には、標準キャピラリ移動位置データSDにおいて、第2回目以降のワイヤボンディング動作における電極42の位置データに温度対応ずれ量データTDの位置データを加えることで補正キャピラリ移動位置データMDを得ている。
【0017】
CPU36は、補正キャピラリ移動位置データMDに基づいてキャピラリ移動手段22を移動させることにより2回目以降のワイヤボンディングを行うので、第1回目のワイヤボンディング動作により基板50上の当初搭載位置から位置ずれした半導体チップ40の各電極42とそれぞれの電極42に対応するボンディングパッド52とを正確にワイヤボンディングすることができる。
【0018】
本実施形態におけるワイヤボンディング装置10の概略構成は以上のようになっている。次に、本実施形態におけるワイヤボンディング装置10を用いたワイヤボンディング方法について詳細に説明する。図5は、本実施形態におけるワイヤボンディング方法の作業工程を示すフロー図である。
まず、加熱手段60の上に半導体チップ40を搭載した基板50を載置し(ステップ1)、加熱手段60により基板50を所定温度に加熱する(ステップ2)。加熱手段60により所定時間基板50を加熱した後、基板温度計測手段70により基板50の表面温度を計測する(ステップ3)。基板50の表面温度がワイヤボンディング可能な温度に到達していたら、CPU36が標準キャピラリ移動位置データSDに基づいて第1回目のワイヤボンディング動作を行う(ステップ4)。第1回目のワイヤボンディング動作の実行中に、補正キャピラリ移動位置データ生成手段34が、記憶手段32から標準キャピラリ移動データSDと基板50の表面温度に該当する温度対応ずれ量データTDを読み出し(ステップ5)て、補正キャピラリ移動位置データMDを生成する(ステップ6)。
【0019】
補正キャピラリ移動位置データMDが生成されると、CPU36は補正キャピラリ移動位置データMDに基づいてキャピラリ移動手段22の動作を制御し、第2回目以降のワイヤボンディング動作を行い(ステップ7)、基板50に搭載されている半導体チップ40のすべての電極42と基板50に形成されているボンディングパッド52をワイヤボンディングして、ワイヤボンディングを終了する(END)。
【0020】
以上のようにして、基板50の表面温度に対応する第1回目のワイヤボンディング動作時による基板50上の半導体チップ40の当初搭載位置からのずれ量を反映させた補正キャピラリ移動位置データMDに基づいて、第2回目以降のワイヤボンディング動作を行っているので、半導体チップ40の電極42と基板50のワイヤボンディングパッド52との間を正確にワイヤボンディングすることができる。これにより、従来のワイヤボンディング装置に比べてワイヤボンディングの位置精度を大幅に向上させることができる。
【0021】
以上に本願発明を実施形態に基づいて説明したが、本願発明にかかるワイヤボンディング装置10は以上に説明した実施形態における構成に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲に各種の改変をおこなった形態であっても、本願発明の技術的範囲に属することがあるのはもちろんである。
【0022】
例えば以上の実施形態においては、基板50に半導体チップ40が1つ搭載された形態について説明しているが、図6に示すように、大判の基板50に複数個の半導体チップ40,40,・・・を搭載し、それぞれの半導体チップ40,40,・・・と基板50のワイヤボンディングが完了した後に、個片化する形態を採用することもできる。このように基板50が大判になれば、基板50内における加熱温度のばらつきが生じるため、図6に示すように基板50の一部の範囲を加熱手段60により加熱し、加熱された部分においてのみに本発明を適用することが好適である。
【0023】
一方、大判の基板50の全体を加熱手段60により加熱する形態とすることもできる。この場合には基板50内の位置により温度が異なるおそれが高いので、基板温度計測手段70により基板50全体の温度を計測した後、ワイヤボンディングの対象となる半導体チップ40の外周縁から所要距離離反し、半導体チップ40を外方から囲む基板50の所要領域における表面温度に対して温度対応ずれ量データTDをそれぞれ適用する形態としてもよい。この構成を採用することにより大判の基板50内で温度のばらつきがある場合であっても、第1回目のワイヤボンディング動作により生じるそれぞれの半導体チップ40における当初基板搭載位置からのずれ量を正確に得ることができるので、本実施形態と同様に正確なワイヤボンディングを行うことができる。
【0024】
また、以上の実施形態においては、基板50の表面温度が100℃〜180℃の範囲で5℃ずつ変化させ、それぞれの状態で第1回目のワイヤボンディング動作時における半導体チップ40の当初基板位置からのずれ量を計測した後、各基板温度において計測したずれ量(位置ずれ量)の平均値を算出し、この平均値をその温度範囲における半導体チップ40の温度対応ずれ量データTDとしているが、半導体チップ40を基板50に接着する際に用いる熱可塑性接着フィルム80の材質によって上記ずれ量を計測する温度範囲を変更しても良いし、基板温度の差分も5℃以外にしてもよいのはもちろんである。
ボンディング装置10のボンディング性能に応じて温度対応ずれ量データTDの詳細度合いは適宜変更することができる。
【0025】
また、本実施形態においては、基板50がワイヤボンディング実行可能な温度に到達した後、直ちに第1回目のワイヤボンディング動作を実行し、第1回目のワイヤボンディング動作の実行と共に、補正キャピラリ移動位置データ生成手段34が記憶手段32から標準キャピラリ移動位置データSDと温度対応ずれ量データTDを読み出して補正キャピラリ移動位置データMDを算出する実施形態を採用しているが、補正キャピラリ移動位置データMDは第1回目のワイヤボンディング動作実行後に生成しても良いし、第1回目のワイヤボンディング動作実行前に生成しても良いのはもちろんである。
つまり、第2回目以降のワイヤボンディング動作におけるキャピラリ20の移動位置データとして補正キャピラリ移動位置データMDを用いる形態であれば、補正キャピラリ移動位置データMDの生成タイミングは特に限定されるものではない。
【0026】
また、本実施形態においては、温度対応ずれ量TDを収集する際の半導体チップ40と基板50の基準位置を左上コーナー部A,aと右下コーナー部B,bとしているが、記憶手段32に記憶させた撮影映像に基づいて他の部分と識別することができれば、実施形態で説明した部分以外の部分を基準位置として設定してもよい。
さらに、補正キャピラリ移動位置データMDを算出する補正キャピラリ移動位置データ算出手段34は、ワイヤボンディング装置10の全体の動作を制御するCPU36と別に示しているが、CPU36に補正キャピラリ移動位置データ算出手段34の機能を実行させる事ももちろん可能である。
【0027】
また、本実施形態においては、ボンディングワイヤとして金ワイヤ24を用いているが、アルミニウムワイヤ等の他の導体により形成されたボンディングワイヤを採用することももちろん可能である。金ワイヤ24以外のボンディングワイヤを採用したことにより、基板50の設定加熱温度が異なる場合には、基板50の設定加熱温度に応じた温度対応ずれ量データTDを実験により設定しておく必要があるのはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本実施形態におけるワイヤボンディング装置の概略構成を示す図である。
【図2】基板を加熱した状態でワイヤボンディングを行う場合の第1回目のワイヤボンディング動作を行った直後の状態を示した正面図である。
【図3】図2においてキャピラリを除いた平面図である。
【図4】第1回目のワイヤボンディング動作時における電子部品のずれ量を基板温度毎にまとめた図である。
【図5】本実施形態におけるワイヤボンディング方法の作業工程を示すフロー図である。
【図6】他の実施形態の一例を示す平面図である。
【符号の説明】
【0029】
10 ワイヤボンディング装置
20 キャピラリ
22 キャピラリ移動手段
24 金ワイヤ
30 制御部
32 記憶手段
34 補正キャピラリ移動位置データ生成手段
36 CPU
40 半導体チップ
42 電極
50 基板
52 ボンディングパッド
60 加熱手段
70 基板温度計測手段
80 熱可塑性接着フィルム
A,B 温度対応ずれ量データ収集時における半導体チップ側基準位置
a,b 温度対応ずれ量データ収集時における基板側基準位置
SD 標準キャピラリ移動位置データ
TD 温度対応ずれ量データ
MD 補正キャピラリ移動位置データ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱手段により電子部品が搭載された基板を加熱しながらワイヤボンディングを行うワイヤボンディング装置において、
前記電子部品の電極と、前記基板に形成されたボンディングパッド間をワイヤボンディングする際におけるキャピラリの移動位置データである標準キャピラリ移動位置データと、前記電子部品に対する第1回目のワイヤボンディング動作による前記電子部品の当初基板搭載位置からのずれ量を基板温度毎に対応させてなる温度対応ずれ量データとを予め記憶させてある記憶手段と、
基板の温度を計測する基板温度計測手段と、
該基板温度計測手段により計測された基板温度に該当する温度対応ずれ量データに基づいて、前記標準キャピラリ移動位置データの第2回目以降の各々のワイヤボンディング動作時におけるキャピラリの移動位置を補正した補正キャピラリ移動位置データを生成する補正キャピラリ移動位置データ生成手段と、を有し、
前記基板温度計測手段により基板の温度を計測し、計測温度に該当する温度対応ずれ量データを記憶手段から読み取ると共に、補正キャピラリ移動位置データ生成手段が補正キャピラリ移動位置データを生成し、第2回目以降のワイヤボンディング動作を補正キャピラリ移動位置データに基づいて行うことを特徴とするワイヤボンディング装置。
【請求項2】
前記温度対応ずれ量データは、あるずれ量に対して所定範囲の基板温度を対応させていることを特徴とする請求項1記載のワイヤボンディング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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