説明

ワイヤー係止構造

【課題】ワイヤーのレイアウトに制限を受けることなく、構造の単純化及び組立性の向上を図ることができるワイヤー係止構造を提供すること。
【解決手段】周面にワイヤー19を巻装するワイヤードラム14の周面に凹部23を形成し、該凹部23に前記ワイヤー19に取着された係止部材26を嵌め込むことによってワイヤー19を前記ワイヤードラム14に係止するワイヤー係止構造において、前記ワイヤー19の長さ方向中間部に前記係止部材26を取着し、前記ワイヤードラム14の周面の軸方向中央部に前記凹部23を形成するとともに、ワイヤードラム14の周面の前記凹部23を挟んでこれの周方向両側に前記ワイヤー19が嵌合するためのガイド溝23を部分的に形成する。又、前記ワイヤードラム14の周面の前記ガイド溝24の縁部にリブ25を立設する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイヤードラムの周面に形成された凹部にワイヤーに取着された係止部材を嵌め込むことによってワイヤーをワイヤードラムに係止するワイヤー係止構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば電子写真方式によって用紙に画像を形成する複写機には、原稿画像を露光走査するための走査光学装置が設けられているが、この走査光学装置は、複写倍率に応じた速度で往復移動する走査光学系を備えており、この走査光学系の往復移動はワイヤー駆動機構によってなされる。
【0003】
上記ワイヤー駆動機構は、複写機のフレームに回転可能に支持されたワイヤードラム、該ワイヤードラムに巻装されたワイヤー、該ワイヤーを巻き掛ける複数のプーリ、ワイヤードラムを回転駆動するステッピングモータ等を含んで構成されており、露光時には走査光学系を往復移動させて待機位置に戻し、走査光学系が往動する過程で原稿画像が露光走査される。
【0004】
ところで、斯かるワイヤー駆動機構においては、ワイヤーをワイヤードラムに係止する必要があるが、その係止構造として例えば特許文献1には、ワイヤーの両端部に係止部材を取着し、各係止部材をワイヤードラムの内部に形成された収容部に収容する構成が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−203737号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、特許文献1において提案されたワイヤー係止構造では、係止部材がワイヤーの両端部に取着されているため、ワイヤードラムには2つの係止部材を収容するための2つの収容部を形成する必要があり、それらの収容部の加工に多くの工数を要する他、係止部材をワイヤードラムの奥まで収容する必要があるためにワイヤーの係止作業が容易ではなく、組立性が悪いという問題がある。又、ワイヤードラムの軸方向中央部に係止部材を係止する構成が採用されないため、ワイヤーのレイアウトに大きな制限を受けるという問題もある。
【0007】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、ワイヤーのレイアウトに制限を受けることなく、構造の単純化及び組立性の向上を図ることができるワイヤー係止構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、周面にワイヤーを巻装するワイヤードラムの周面に凹部を形成し、該凹部に前記ワイヤーに取着された係止部材を嵌め込むことによってワイヤーを前記ワイヤードラムに係止するワイヤー係止構造において、前記ワイヤーの長さ方向中間部に前記係止部材を取着し、前記ワイヤードラム周面の軸方向中央部に前記凹部を形成するとともに、ワイヤードラム周面の前記凹部を挟んでこれの周方向両側に前記ワイヤーが嵌合するためのガイド溝を部分的に形成したことを特徴とする。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記係止部材を球状部材で構成するとともに、前記凹部の深さを係止部材の半径以上に設定したことを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記ワイヤードラム周面の前記ガイド溝の縁部にリブを立設したことを特徴とする。
【0011】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明において、前記リブを前記凹部縁部を最大高さとして前記ワイヤードラムの周方向に延設するとともに、その最大高さを前記ワイヤーの半径よりも高く設定したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1記載の発明によれば、ワイヤーの長さ方向中央に取着された係止部材をワイヤードラム周面の軸方向中間部に形成された凹部に嵌め込み、該係止部材から周方向両側に延びるワイヤーをワイヤードラム周面に形成されたガイド溝に嵌め込んでワイヤードラムに巻き付けるようにしたため、該ワイヤーの組み付けが容易になされて組立性が高められるとともに、ワイヤーをワイヤードラムの軸方向中央部を起点として軸方向両側に同じ長さだけ均等に巻き付けることができるために該ワイヤーのレイアウトが制限を受けることがない。又、ワイヤーがワイヤードラムの軸方向中間部から軸方向両側に向けて巻き付けられるため、ワイヤーの巻き取りと引き出し操作における該ワイヤーのワイヤードラムの軸方向の移動が半分となり、ワイヤーの伸縮量が小さく抑えられて例えば走査光学系の移動が正確且つスムーズになされる。そして、ワイヤードラムには1つの凹部を周面に形成するだけで済むため、ワイヤー係止構造の単純化と加工コストの低減を図ることができる。
【0013】
請求項2記載の発明によれば、係止部材を球状部材で構成するとともに、ワイヤードラムの周面に形成された凹部の深さを係止部材の半径以上に設定したため、係止部材の凹部からの脱落が防がれ、ワイヤーがワイヤードラムに確実に係止される。
【0014】
請求項3記載の発明によれば、ワイヤーの係止部材の両側部分はワイヤードラム周面のガイド溝に落ち込み、これと隣り合うワーヤー部分がその上に重なって二重に巻き付けられるという不具合の発生がガイド溝の縁部に立設されたリブによって防がれる。
【0015】
請求項4記載の発明によれば、リブの最大高さをワイヤーの半径よりも高く設定したため、ワイヤーのガイド溝への落ち込みが一層確実に防がれる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】複写機の基本構成図である。
【図2】複写機の走査光学装置の駆動系の構成を示す部分平断面図
【図3】本発明に係るワイヤー係止構造を示すワイヤーを巻き付ける前の状態を示す斜視図である。
【図4】本発明に係るワイヤー係止構造を示す斜視図である。
【図5】図4のA−A線断面図である。
【図6】図4のB−B線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は複写機の基本構成図、図2は同複写機の走査光学装置の駆動系の構成を示す部分平断面図であり、図1に示す複写機は、上部に走査光学装置1を備え、その下方には画像形成部30と用紙搬送部40が配置されている。
【0018】
上記走査光学装置1は、複写すべき原稿(不図示)を載置するためのコンタクトガラス2と、往復動可能な第1走査光学系3及び第2走査光学系4と、集光レンズ5と、CCD等の撮像素子6と、信号処理部7及びレーザーユニット8を含んで構成されている。
【0019】
ここで、上記第1走査光学系3は、前記コンタクトガラス2上に載置された不図示の原稿の画像を露光走査するための露光ランプ9と、原稿からの反射光を反射するための第1反射ミラー10を備えており、前記第2走査光学系4は、第1走査光学系3の前記第1反射ミラー10によって反射された光を集光レンズ5に導くための第2及び第3反射ミラー11,12を備えている。又、前記撮像素子6は、集光レンズ5によって得られた光情報を電気信号に変換するためのものであり、前記信号処理部7は、撮像素子6によって得られた画像情報に対して各種の画像処理を行うためのものである。更に、前記レーザーユニット8は、信号処理部7からの出力信号を光信号(レーザー光)に変換するものであって、該レーザーユニット8から出力されるレーザー光は、画像形成部30に設けられた後述の感光ドラム31に照射される。
【0020】
ところで、前記第1走査光学系3と第2走査光学系4は、図2に示すワイヤー駆動機構によって駆動されて往復動作する。尚、ワイヤー駆動機構は第1及び第2走査光学系3,4を挟んでこれらの両側に配されているが、その構成は同じであるため、図2には一方の構成のみ示す。
【0021】
図2に示すように、矩形ボックス枠状の本体フレーム13にはワイヤードラム14とプーリ15,16が回転可能に軸支されており、ワイヤードラム14は、ステッピングモータMからギヤG1,G2を経て伝達される駆動力によって所定の速度で回転駆動される。又、第2走査光学系4の軸方向端部には2連のプーリ17,18が回転可能に取り付けられている。
【0022】
而して、前記ワイヤードラム14の周面にはワイヤー19が巻装されており、ワイヤードラム14から延びるワイヤー19の一端は、プーリ15,17に巻き掛けられた後にフレーム13に取り付けられたワイヤー固定部材20に接続されている。又、ワイヤードラム14から延びるワイヤー19の他端は、プーリ16,18に巻き掛けられた後に本体フレーム13に形成された孔13aを通過して本体フレーム13の外部へと引き出され、本体フレーム13の外面に固定されたワイヤー固定部材21に引張コイルバネ22を介して接続されている。
【0023】
又、前記画像形成部30は、像担持体である感光ドラム31と、その周囲に配された帯電器32、現像装置33、転写帯電器34、分離用帯電器35、クリーニング装置36及び除電器37を含んで構成されている。
【0024】
更に、前記用紙搬送部40は、給紙カセット41に収容された用紙を画像形成部30の下方に略水平に配された用紙搬送路Lに沿って定着装置45まで搬送するものであって、用紙搬送路Lに沿って配されたレジストローラ42と搬送ベルト43を備えている。尚、給紙カセット41の近傍には給紙ローラ44が配されており、用紙搬送路Lに沿って用紙搬送方向に順にレジストローラ42、転写帯電器34、分離帯電器35、搬送ベルト43及び定着装置45が配置されている。
【0025】
次に、以上のように構成された複写機による複写動作を説明する。
【0026】
走査光学装置1のコンタクトカラス2上に不図示の原稿が載置され、複写開始信号が入力されると、ステッピングモータMが起動され、その回転はギヤG1,G2を経てワイヤードラム14に伝達され、該ワイヤードラム14が所定の速度が所定方向に回転駆動される。すると、今まで待機位置に待機していた第1走査光学系3と第2走査光学系4はワイヤー19によって引っ張られて図1の矢印F方向に移動し、その過程で原稿画像が露光走査される。そして、これらの第1走査光学系3と第2走査光学系4は、原稿サイズの応じて定まるリターン位置で移動方向が切り換えられて矢印R方向に移動して元に待機位置に戻る。尚、第2走査光学系4は、第1走査光学系3の1/2の速度で第1走査光学系3の移動距離の1/2の距離を移動する。
【0027】
而して、原稿の露光走査によって集光レンズ5へと導かれる光は、撮像素子6によって電気信号に変換された後、信号処理部7によって画像処理されてレーザーユニット8へと入力され、レーザーユニット8は、信号処理部7からの出力信号を光信号としてのレーザー光に変換し、前述のようにレーザー光は画像形成部30の感光ドラム31に照射される。
【0028】
他方、画像形成部30においては、感光ドラム31が不図示のモータによって図1の矢印方向(時計方向)に所定の速度(プロセイスピード)で回転駆動されており、該感光ドラム31の表面は帯電器32によって所定の極性に一様に帯電されている。そして、この感光ドラム31にレーザーユニット8からレーザー光が照射されると、その表面には画像情報に応じた静電潜像が形成され、この静電潜像は現像装置33によって現像剤であるトナーを用いて現像されてトナー像として顕像化される。
【0029】
又、同時に給紙カセット41からは用紙が給紙ローラ44によってレジストローラ42へと搬送され、用紙はレジストローラ42において一時待機状態とされ、感光ドラム31上のトナー像と同期するタイミングで感光ドラム31と転写帯電器34の間の転写ニップ部へと搬送される。すると、転写帯電器34の作用によって感光ドラム31上のトナー像が用紙上に転写され、トナー像が転写された用紙は分離帯電器35の作用によって感光ドラム31から分離された後、搬送ベルト43によって定着装置45へと搬送される。尚、トナー像の転写後に感光ドラム31上に残留する転写残トナーと電荷はクリーニング装置36と除電器によってそれぞれ除去され、クリーニング及び除電後の感光ドラム31は次の複写動作に備えられる。
【0030】
定着装置45においては、用紙上のトナー像が加熱及び加圧されて用紙に定着され、トナー像が定着された用紙は機外へと排出されて一連の複写動作が完了する。
【0031】
次に、走査露光装置1におけるワイヤー19のワイヤードラム14への係止構造を図3〜図6に基づいて説明する。
【0032】
図3は本発明に係るワイヤー係止構造を示すワイヤーを巻き付ける前の状態を示す斜視図、図4は同ワイヤー係止構造を示す斜視図、図5は図4のA−A線断面図、図6は図4のB−B線断面図である。
【0033】
図3に示すように、ワイヤードラム14の周面の軸方向中央部には円穴状の凹部23が形成されており、同ワイヤードラム14の周面の凹部23を挟んでこれの周方向両側には、ワイヤー19が嵌合するためのガイド溝24が周方向に沿って部分的に形成されている。このガイド溝24の深さd(図5参照)は、凹部23に近い部分が最大で、凹部23から周方向に遠ざかるに従って次第に浅くなって最終的にはワイヤードラム14の周面に連なっている。
【0034】
又、ワイヤードラム14の周面の前記ガイド溝24の縁部には円弧状のリブ25がそれぞれ垂直に立設されており、各リブ25の高さhは凹部23に近い部分が最大で、凹部23から周方向に遠ざかるに従って次第に低くなって最終的にはワイヤードラム14の周面に連なっている。
【0035】
他方、図3及び図4に示すように、ワイヤー19の長さ方向中間部には球状の係止部材26が挿通固着されており、この係止部材26をワイヤードラム14の周面に形成された前記凹部23に図4及び図5に示すように嵌め込むことによってワイヤー19の長さ方向中間部がワイヤードラム14の軸方向中央部に係止される。そして、ワイヤー19の係止部材26から両側に延びる部分は、ワイヤードラム14の周面の凹部23の周方向両側に形成されたガイド溝24にそれぞれ嵌め込まれ、ワイヤードラム14の周面のガイド溝24の軸方向両側部分に巻回され、ワイヤードラム14から延びる端部は、図2に示したように、一方がプーリ15,17に巻き掛けられた後に本体フレーム13に取り付けられたワイヤー固定部材20に接続され、他方がプーリ16,18に巻き掛けられた後に本体フレーム13に形成された孔13aを通過して本体フレーム13の外部へと引き出され、本体フレーム13の外面に固定されたワイヤー固定部材21に引張コイルバネ22を介して接続されている。
【0036】
ところで、本実施の形態では、図5に示すように、ワイヤードラム14の周面の軸方向中央部に形成された凹部23の深さdは、球状の係止部材26の半径r1以上に設定されている(d≧r1)。又、図6に示すように、各リブ25の凹部23に近い部分の最大高さhmax はワイヤー19の半径r2よりも高く設定されている(hmax >r2)。
【0037】
而して、本発明に係るワイヤー係止構造によれば、ワイヤー19の長さ方向中央に取着された球状の係止部材26をワイヤードラム14の周面の軸方向中間部に形成された凹部23に嵌め込み、該係止部材26から周方向両側に延びるワイヤー19をワイヤードラム14の周面に形成されたガイド溝24に嵌め込んでワイヤードラム14に巻き付けるようにしたため、該ワイヤー19の組み付けが容易になされて組立性が高められるとともに、ワイヤー19をワイヤードラム14の軸方向中央部を起点として軸方向両側に同じ長さだけ均等に巻き付けることができるために該ワイヤー19のレイアウトが制限を受けることがない。
【0038】
又、ワイヤー19がワイヤードラム14の軸方向中間部から軸方向両側に向けて巻き付けられるため、ワイヤー19の巻き取りと引き出し操作における該ワイヤー19のワイヤードラム14の軸方向の移動が半分となり、ワイヤー19の伸縮量が小さく抑えられて図1に示す第1走査光学系3と第2走査光学系4の移動が正確且つスムーズになされる。
【0039】
そして、ワイヤードラム14には1つの凹部23を周面に形成するだけで済むため、ワイヤー係止構造の単純化と加工コストの低減を図ることができる。
【0040】
又、本実施の形態では、係止部材26を球状部材で構成するとともに、ワイヤードラム14の周面に形成された凹部23の深さdを係止部材26の半径r1以上に設定したため(d≧r1)、係止部材26の凹部23からの脱落が防がれ、ワイヤー19がワイヤードラム14に確実に係止される。
【0041】
更に、本実施の形態では、ワイヤー19の係止部材26の両側部分はワイヤードラム14周面のガイド溝24に落ち込むが、これと隣り合うワーヤー19部分がその上に重なって二重に巻き付けられるという不具合の発生がワイヤードラム14の周面のガイド溝24の縁部にリブ25に立設されたリブ25によって防がれる。特に、本実施の形態ではリブ25の最大高さhmax をワイヤー19の半径r2よりも高く設定したため(hmax >r2)、ワイヤー19のガイド溝24への落ち込みが一層確実に防がれる。
【0042】
尚、以上の実施の形態では、本発明を特に複写機の走査光学装置のワイヤー駆動機構に適用した形態について説明したが、本発明は、他の任意の装置のワイヤー係止構造に対しても同様に適用可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0043】
1 走査光学装置
2 コンタクトガラス
3 第1走査光学系
4 第2走査光学系
5 集光レンズ
6 撮像素子
7 信号処理部
8 レーザーユニット
9 露光ランプ
10 第1反射ミラー
11 第2反射ミラー
12 第3反射ミラー
13 本体フレーム
13a 本体フレームの孔
14 ワイヤードラム
15〜18 プーリ
19 ワイヤー
20,21 ワイヤー固定部材
22 引張コイルバネ
23 ワイヤードラムの凹部
24 ガイド溝
25 リブ
26 係止部材
30 画像形成部
31 感光ドラム
32 帯電器
33 現像装置
34 転写帯電器
35 分離帯電器
36 クリーニング装置
37 除電器
40 用紙搬送部
41 給紙カセット
42 レジストローラ
43 搬送ベルト
44 給紙ローラ
45 定着装置
d 凹部の深さ
hmax リブの最大高さ
G1,G2 ギヤ
L 用紙搬送路
M ステッピングモータ
r1 係止部材の半径
r2 ワイヤーの半径

【特許請求の範囲】
【請求項1】
周面にワイヤーを巻装するワイヤードラムの周面に凹部を形成し、該凹部に前記ワイヤーに取着された係止部材を嵌め込むことによってワイヤーを前記ワイヤードラムに係止するワイヤー係止構造において、
前記ワイヤーの長さ方向中間部に前記係止部材を取着し、前記ワイヤードラム周面の軸方向中央部に前記凹部を形成するとともに、ワイヤードラム周面の前記凹部を挟んでこれの周方向両側に前記ワイヤーが嵌合するためのガイド溝を部分的に形成したことを特徴とするワイヤー係止構造。
【請求項2】
前記係止部材を球状部材で構成するとともに、前記凹部の深さを係止部材の半径以上に設定したことを特徴とする請求項1記載のワイヤー係止構造。
【請求項3】
前記ワイヤードラム周面の前記ガイド溝の縁部にリブを立設したことを特徴とする請求項1又は2記載のワイヤー係止構造。
【請求項4】
前記リブを前記凹部縁部を最大高さとして前記ワイヤードラムの周方向に延設するとともに、その最大高さを前記ワイヤーの半径よりも高く設定したことを特徴とする請求項3記載のワイヤー係止構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−7271(P2011−7271A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−151688(P2009−151688)
【出願日】平成21年6月26日(2009.6.26)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】