説明

ワクチン

本発明は、一般的に、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)に、そして特に、HIV−1エンベロープ(Env)免疫原に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2007年4月13日出願の米国仮出願第60/907,719号から優先権を請求し、該出願の全内容は、本明細書に援用される。
本発明は、米国衛生研究所によって授与される助成金番号AI067854のもとに米国政府の援助を受けて作成された。米国政府は、本発明において特定の権利を有する。
技術分野
本発明は、一般的に、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)に、そして特に、HIV−1エンベロープ(Env)免疫原に関する。
【背景技術】
【0002】
HIV−1感染における免疫応答において、定量的および定性的異常のいくぶんかは、Envスーパー抗原(SA)活性によって仲介されるgp160の免疫抑制活性の存在のためである(Karrayら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 94(4):1356−1360(1997))か、あるいはT細胞、マクロファージまたはDC上のCD4へのgp120結合の免疫抑制効果による(Pantaleoら, N. Engl. J. Med. 328(5):327−335(1993)、Vingerhoetsら, Clin. Exp. Immunol. 111(1):12−19(1998))可能性があると仮定されてきている。本発明は、少なくとも部分的に、この仮説を試験するように設計された研究から生じる。これらの研究には、広範中和抗体が結合可能であるエピトープを発現するHIV−1 Envの産生、およびこうしたEnvがスーパー抗原活性を持たず、そして/またはこれらが免疫抑制方式で免疫細胞CD4に結合不能であるような突然変異が含まれた。本発明は、こうした突然変異エンベロープに、そして該エンベロープを用いて免疫応答を誘導する方法に関する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】Karrayら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 94(4):1356−1360(1997)
【非特許文献2】Pantaleoら, N. Engl. J. Med. 328(5):327−335(1993)
【非特許文献3】Vingerhoetsら, Clin. Exp. Immunol. 111(1):12−19(1998)
【発明の概要】
【0004】
本発明は、一般的に、HIVに、そしてより具体的には、免疫原性組成物、および該組成物を用いて、HIVに対する免疫応答を誘導する方法に関する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】HIV−1 JRFL Env、ならびにCD4結合部位およびスーパー抗原モチーフに突然変異を含む突然変異体JRFL Envの模式的構造。
【図2】HIV−1 JRFL突然変異体gp140 Envのウェスタンブロット分析およびELISAアッセイ。
【図3】HIV−1 JRFL突然変異体gp140 Envの表面プラズマ共鳴。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本発明は、CD4結合部位、可変ループ、MPER 4E10および2F5中和エピトープとともに、他の中和エピトープなどの多様な抗原性エピトープを含有するHIV−1エンベロープ(Env)に関して、以下に例示される。今日まで免疫原として用いられているHIV−1 Envは、選択されたHIV−1初代単離体のみを中和する抗体を誘導する。広範中和抗体が作製不能な1つの理由が、SAg活性およびまたはCD4結合性免疫抑制活性によるという仮説を試験するため:1)HIV−1 Env gp140CFオリゴマー上のSAg結合モチーフを除去し、そして2)HIV EnvオリゴマーのCD4結合部位を破壊するための戦略を発展させた。
【0007】
HIV−1サブタイプB初代単離体JRFLは、中和するのが比較的困難な単離体である2層(tier 2)ウイルスであるが、それでも、このオリゴマー上によく発現されるMPER 4E10および2F5 gp41広範中和エピトープ両方を有する(Liaoら, Virology 353:268−282(2006))。JRFL gp140 WT免疫原は、選択されたいくつかのサブタイプB単離体のみを中和するが、自己JRFL単離体を中和しない抗体を誘導した(Liaoら, Virology 353:268−282(2006))。プロトタイプとしてJRFL Env 140オリゴマーを用いて実験を行った(以下の実施例を参照されたい)。
【0008】
pcDNA3.1プラスミド(Invitrogen、カリフォルニア州カールスバッド)を用いて、3つの突然変異体JRFL gp140発現構築物を設計し、そして生成した(図1)。CD4結合部位が突然変異した組換えJRFL gp140(JRFLΔCD4BS)、SA結合モチーフの欠失を含むJRFL gp140(JRFLΔSAg)、ならびにCD4結合部位およびスーパー抗原モチーフ両方が突然変異したJRFL gp140(JRFLΔCD4BS−SAg)を産生する、安定トランスフェクション293T細胞株が樹立されている。3つの組換えタンパク質すべてを発現させ、そしてレクチンカラムによって、安定トランスフェクション293T細胞株の上清から精製した(図2A)。PNGアーゼ消化での脱グリコシル化を伴いまたは伴わなず、HIV−1 gp120 MAb T8、JRFL突然変異体Envを用いたウェスタンブロット分析は、野生型JRFL Envと比較した際、還元または非還元条件下で、SDS−PAGEにおける見かけの移動パターンに相違を示さなかった(図2A)。ELISAアッセイによって、CD4結合部位またはSAモチーフいずれかでの突然変異は、gp120 MAb T8、ならびにMPER MAbである2F5および4E10が結合する能力を維持する一方、これらの突然変異体EnvがCD4およびCD4結合部位MAb、1B12に結合する能力を無効にすることが立証された(図2B)。JRFLΔSAg突然変異体Envはまた、CD4i MAb A32に結合する能力も失った(図2B)。
【0009】
表面プラズマ共鳴分析によって、JRFL Env突然変異体上の機能性および抗原性エピトープをさらに性質決定した(図3)。JRFLΔCD4BS EnvがHIV gp120 MAb T8に強く結合し、そして低レベルでMAb A32に結合する(図3A)ことが見出されているが、JRFLΔCD4BS EnvへのMAb 17Bの恒常的結合、または抗gp41 MAb 7B2結合は観察されなかった。CD4結合接触点の1つでアミノ酸DPEをAPAで置換すると、JRFLΔCD4BS EnvがCD4に結合する能力が完全に無効にされた(図3A)。多様な抗HIV−1 V3抗体もまた、JRFL gp140 Env(図3B、実線)とともに、JRFLΔCD4BS gp140 Env(図3B、破線)の両方に結合した。HIV−1 MPER mAbである2F5および4E10が、JRFL gp140(図3C、実線)およびJRFLΔCD4BS gp140(図3C、破線)の両方に、匹敵するレベルで結合したため、HIV−1 MPER中和エピトープは保持されていた。しかし、JRFLΔCD4BS gp140は、低アビディティーでJRFL gp140に結合する非中和性ネズミMPER MAb 5A9に結合せず、一方、JRFL gp140(図3D、実線)およびJRFLΔCD4BS gp140(図3D、破線)の両方へのヒト・クラスターII MAb 98−6および126−6の強い結合が観察された。CD4結合部位およびSAモチーフ両方での突然変異を含むJRFL Envの機能特性および免疫原性特性の研究が進行中である。
【0010】
本発明の1つの側面の免疫原は、可溶性型であるか、あるいは例えばトランス脂質(translipid)二重層エンベロープを含有する細胞小胞またはリポソーム中に係留されたかいずれかのエンベロープを含む。より天然のエンベロープを作製するため、天然三量体エンベロープ形成のため、脂質二重層中で配列を形成してもよい。あるいは、本発明は、gp160の形で、免疫原として使用可能である。
【0011】
当該技術分野に周知の技術を用いて、本発明の免疫原を薬学的に許容されうるキャリアーおよび/またはアジュバント(ミョウバンまたはoCpGなど)とともに配合してもよい。本免疫原の適切な投与経路には、全身(例えば筋内または皮下)が含まれる。粘膜免疫系における免疫応答が求められる場合、別の経路を用いてもよい(例えば鼻内)。
【0012】
本発明の免疫原を化学的に合成してもよいし、または周知の組換えDNA技術を用いて合成してもよい。本発明の免疫原をコードする核酸を、例えばコード配列を裸のDNAとして投与するDNAワクチンの構成要素として用いてもよいし、または例えば、免疫原をコードするミニ遺伝子が、ウイルスベクター中に存在してもよい。コード配列は、例えば、複製または非複製アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクター、弱毒化結核菌(mycobacterium tuberculosis)ベクター、カルメット・ゲラン桿菌(Bacillus Calmette Guerin)(BCG)ベクター、ワクシニアまたは修飾ワクシニアアンカラ(MVA)ベクター、別のポックスウイルスベクター、組換えポリオおよび他の腸管ウイルスベクター、サルモネラ属(Salmonella)種細菌ベクター、赤痢菌属(Shigella)種細菌ベクター、ベネズエラ・ウマ脳炎ウイルス(VEE)ベクター、セムリキ森林ウイルスベクター、またはタバコモザイクウイルスベクター中に存在してもよい。コード配列はまた、例えばCMVプロモーターなどの活性プロモーターを含むDNAプラスミドとして発現されてもよい。また、他の生存ベクターを用いて、本発明の配列を発現してもよい。好ましくはヒト細胞における発現を最適化するコドンおよびプロモーターを用いて、免疫原をコードする核酸を細胞内に導入することによって、患者自身の細胞において、本発明の免疫原の発現を誘導してもよい。DNAワクチンを作製し、そして用いる方法の例は、米国特許第5,580,859号、第5,589,466号、および第5,703,055号に開示される。
【0013】
本発明はさらに、免疫学的に有効な量の本発明の免疫原、または該免疫原をコードする核酸配列を、薬学的に許容されうる送達系中に含む組成物に関する。免疫不全ウイルス感染の予防および/または治療のために、該組成物を用いてもよい。アジュバント、乳化剤、薬学的に許容されうるキャリアー、またはワクチン組成物中でルーチンに提供される他の成分を用いて、本発明の組成物を配合してもよい。最適な配合物は、一般の当業者によって容易に設計可能であり、そしてこれには、即時放出および/または持続放出用の、そして全身免疫の誘導および/または局所粘膜免疫の誘導用の配合物が含まれてもよい(例えば配合物を鼻内投与用に設計してもよい)。皮下、鼻内、経口、筋内、または他の非経口もしくは経腸経路を含む、任意の好適な経路によって、本組成物を投与してもよい。単回用量または多数回用量として、免疫原を投与してもよい。最適免疫スケジュールは、一般の当業者によって容易に決定可能であり、そして患者、組成物および求める効果で多様でありうる。
【0014】
本発明は、本発明の免疫原両方および/または該免疫原をコードする核酸および/または上述のベクター中のミニ遺伝子として発現される免疫原の直接の使用を意図する。例えば、免疫原をコードするミニ遺伝子を初回刺激および/またはブーストとして用いてもよい。
【0015】
本発明の特定の側面は、以下の限定されない実施例により詳細に記載されうる。(米国出願第10/572,638号もまた参照されたい。)
【実施例】
【0016】
実施例1
CD4結合部位に突然変異を含むJRFL Env gp140CFのクローニング
358〜360位のアミノ酸配列(DPE)は、HIV−1 EnvがCD4に結合する際の接触点の1つであった(Kwongら, Nature 398:648−659(1998))。JRFL Env上のCD4結合部位を突然変異させるため、PCRにおいて使用するための突然変異誘発プライマー2対を設計し、そして合成して(表1)、PCRによってDPEコード配列をAPAコード配列に変化させることによって、遺伝子配列中に突然変異を導入した。HIV−1 JRFL gp140CF遺伝子構築物(Liaoら, Virology 353:268−282(2006))をPCR増幅におけるテンプレートとして用いて、JRFL Env突然変異体遺伝子を産生した。2セットの第一周期PCRを実行して、部位特異的突然変異を導入し、そしてJRFL 140 DNA断片の前半および後半を生成した。順方向プライマー(JRFL−F1)および逆方向プライマー(JRFL−mut1165)のプライマー対を用いることによって、前半JRFL 140 DNA断片を増幅した。順方向プライマー(JRFL−mut1142)および逆方向プライマー(JRFL−R1978)のプライマー対を用いることによって、後半JRFL 140 DNA断片を増幅した(表1)。これら2セットのPCRから増幅された2つのJRFL DNA断片(各10ng)を第二周期のPCRのテンプレートとして用い、JRFL−F1およびJRFL−R1978のプライマー対を用いて、全長JRFL 140遺伝子を産生した。1単位の高忠実度AccuPrime Taqポリメラーゼ(Invitrogen;カリフォルニア州カールスバッド)、および各50pmolプライマーを用いて、総体積50:l中で、すべてのPCRを行った。PCR熱サイクリング条件は以下の通りであった:1周期の94℃1分間;25周期の94℃30秒間の変性工程、55℃30秒間のアニーリング工程、68℃2分間の伸長工程;および1周期の68℃5分間のさらなる伸長。生じた全長JRFL 140 DNA断片をPCR精製カラム(Qiagen)で精製し、そして制限酵素SalIおよびBamHIで酵素消化し、そして次いで、XbaIおよびBamHI部位を介して、発現ベクターpcDNA3.1(−)/Hygro(Invitrogen Co、カリフォルニア州)にクローニングした。CD4BSが突然変異したJRFLの生じたDNAクローン(pJRFLΔCD4BS)を遺伝子構築物の全長のDNA配列決定によって検証した。
【0017】
【表1】

【0018】
スーパー抗原(SAg)モチーフに突然変異を含むJRFL Env gp140CFのクローニング。スーパー抗原結合部位は、HIV−1 gp120の2つの領域由来のタンパク質配列によって形成される。コアモチーフは、V4可変領域およびC4定常ドメイン隣接アミノ末端領域に渡る不連続エピトープである。358〜360位のアミノ酸配列(APA)は、HIV−1 EnvがCD4に結合する際の接触点の1つであった(Karrayら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 94(4):1356−1360(1997))。スーパー抗原結合部位を破壊するため、プライマー対(表1、JRFL−F1128およびJRFL−R1237)を設計して、SAg1領域のLFNコード配列をAAAコード配列に変化させ、そしてSAg2領域のIKQコード配列をAAAコード配列に変化させた(図1)。HIV−1 JRFL gp140CF遺伝子構築物(Liaoら, Virology 353:268−282(2006))をPCR増幅におけるテンプレートとして用いて、JRFL Env突然変異体遺伝子を産生した。2セットの第一周期PCRを実行して、部位特異的突然変異を導入し、そしてJRFL 140 DNA断片の前半および後半を生成した。順方向プライマー(JRFL−F1)および逆方向プライマー(JRFL−mut−R1237)のプライマー対を用いることによって、前半JRFL 140 DNA断片を増幅した。順方向プライマー(JRFL−mut F1128)および逆方向プライマー(JRFL−R1978)のプライマー対を用いることによって、後半JRFL 140 DNA断片を増幅した(表1)。これら2セットのPCRから増幅された2つのJRFL DNA断片(各10ng)を第二周期のPCRのテンプレートとして用い、JRFL−F1およびJRFL−R1978のプライマー対を用いて、全長JRFL 140遺伝子を産生した。1単位の高忠実度AccuPrime Taqポリメラーゼ(Invitrogen;カリフォルニア州カールスバッド)、および各50pmolプライマーを用いて、総体積50μl中で、すべてのPCRを行った。PCR熱サイクリング条件は以下の通りであった:1周期の94℃1分間;25周期の94℃30秒間の変性工程、55℃30秒間のアニーリング工程、68℃2分間の伸長工程;および1周期の68℃5分間のさらなる伸長。生じた全長JRFL 140 DNA断片をPCR精製カラム(Qiagen)で精製し、そして制限酵素SalIおよびBamHIで酵素消化し、そして次いで、XbaIおよびBamHI部位を介して、発現ベクターpcDNA3.1(−)/Hygro(Invitrogen Co、カリフォルニア州)にクローニングした。スーパー抗原結合領域が突然変異したJRFLの生じたDNAクローン(pJRFLΔSAg)を遺伝子構築物の全長のDNA配列決定によって検証した。
【0019】
CD4BSおよびスーパー抗原(SAg)モチーフ両方に突然変異を含むJRFL Env gp140CFのクローニング。CD4BSおよびスーパー抗原結合部位の両方を破壊するため、HIV−1 JRFLΔCD4SAg DNA構築物をPCR増幅においてテンプレートとして用いて、JRFL Env突然変異体遺伝子を産生した。2セットの第一周期PCRを実行して、部位特異的突然変異を導入し、そしてJRFL 140 DNA断片の前半および後半を生成した。順方向プライマー(JRFL−F1)および逆方向プライマー(JRFL−mut1237)のプライマー対を用いることによって、前半JRFL 140 DNA断片を増幅した。順方向プライマー(JRFL−mutF1128)および逆方向プライマー(JRFL−R1978)のプライマー対を用いることによって、後半JRFL 140 DNA断片を増幅した(表1)。これら2セットのPCRから増幅された2つのJRFL DNA断片(各10ng)を第二周期のPCRのテンプレートとして用い、JRFL−F1およびJRFL−R1978のプライマー対を用いて、全長JRFL 140遺伝子を産生した。1単位の高忠実度AccuPrime Taqポリメラーゼ(Invitrogen;カリフォルニア州カールスバッド)、および各50pmolプライマーを用いて、総体積50μl中で、すべてのPCRを行った。PCR熱サイクリング条件は以下の通りであった:1周期の94℃1分間;25周期の94℃30秒間の変性工程、55℃30秒間のアニーリング工程、68℃2分間の伸長工程;および1周期の68℃5分間のさらなる伸長。生じた全長JRFL 140 DNA断片をPCR精製カラム(Qiagen)で精製し、そして制限酵素SalIおよびBamHIで酵素消化し、そして次いで、XbaIおよびBamHI部位を介して、発現ベクターpcDNA3.1(−)/Hygro(Invitrogen Co、カリフォルニア州)にクローニングした。CD4BSが突然変異したJRFLの生じたDNAクローン(pJRFLΔCD4BS−SAg)を遺伝子構築物の全長のDNA配列決定によって検証した。
【0020】
安定細胞株の生成および発現:突然変異体JRFL Envを発現させるための安定トランスフェクション細胞株を樹立するため、ヒト細胞株293Tを用いた。組織培養プレート中の293T細胞をpJRFLΔCD4BS、pJRFLΔCDBS−SAg、またはpJRFLΔCD4BS−SAgプラスミドのいずれかでトランスフェクションした。20%ウシ胎児血清およびハイグロマイシン(200μg/ml)を含有する培地中で、ハイグロマイシンに耐性である安定トランスフェクション293T細胞クローンを選択した。ハイグロマイシン圧(200μg/ml)のもとで、単一コロニーを選択する限界希釈によって、ハイグロマイシン耐性クローンをさらにクローニングした。JRFLΔCD4BS、JRFLΔCDBS−SAg、またはJRFLΔCD4BS−SAg遺伝子構築物を発現する個々の細胞株が正しいことを、DNA配列決定によって確認した。
【0021】
上記に引用するすべての文書および他の情報供給源は、その全体が本明細書に援用される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
CD4結合部位突然変異またはスーパー抗原(SAg)結合モチーフ突然変異を含むHIV−1エンベロープ(Env)タンパク質を含む免疫原。
【請求項2】
前記Envタンパク質がgp140を含む、請求項1記載の免疫原。
【請求項3】
CD4結合部位突然変異およびSAg結合モチーフ突然変異を含む、請求項1記載の免疫原。
【請求項4】
前記Envタンパク質が前記CD4結合部位突然変異を含み、そして前記免疫原がCD4に結合しない、請求項1記載の免疫原。
【請求項5】
前記突然変異が358〜360位のアミノ酸の1以上にある、請求項2記載の免疫原。
【請求項6】
突然変異が358〜360位でアミノ酸配列APAを生じる、請求項5記載の免疫原。
【請求項7】
前記Envタンパク質が前記SAg結合モチーフ突然変異を含む、請求項1記載の免疫原。
【請求項8】
SAg1モチーフの配列LFNがAAAに突然変異し、そしてSAg2モチーフの配列IKQがAAAに突然変異する、請求項7記載の免疫原。
【請求項9】
モノクローナル抗体2F5または4E10が前記免疫原に結合する、請求項1記載の免疫原。
【請求項10】
請求項1記載の前記免疫原およびキャリアーを含む、組成物。
【請求項11】
請求項1記載の免疫原をコードする配列を含む、核酸構築物。
【請求項12】
請求項11記載の核酸およびキャリアーを含む、組成物。
【請求項13】
哺乳動物において免疫応答を誘導する方法であって、前記哺乳動物に、前記誘導を達成するのに十分な量の請求項1記載の免疫原を投与する工程を含む、前記方法。
【請求項14】
哺乳動物において免疫応答を誘導する方法であって、前記哺乳動物に、請求項11記載の前記核酸を、前記配列が発現され、前記免疫原が産生され、そして前記誘導が達成されるような条件下で投与する工程を含む、前記方法。
【請求項15】
前記哺乳動物がヒトである、請求項13または14記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公表番号】特表2010−523146(P2010−523146A)
【公表日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−503046(P2010−503046)
【出願日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際出願番号】PCT/US2008/004579
【国際公開番号】WO2008/127596
【国際公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【出願人】(591101777)デューク ユニバーシティ (10)
【氏名又は名称原語表記】DUKE UNIVERSITY
【出願人】(592090692)ダナ ファーバー キャンサー インスティテュート,インコーポレイテッド (20)
【Fターム(参考)】