一体のシールおよび破裂可能な膜を有するシリンジインシリンジにおける中空のインナーバレル/プランジャー、それに関連したキット、システム、および、方法
二液性歯科用組成物を混合するためのシリンジインシリンジミキシングシステム内で使用するための中空のインナープランジャー(100)である。その中空のインナープランジャーは、第1の成分(HOa)を収容するための内部チャンバー(108)を画定する連続した円筒形の壁(102)を有する本体を含んでいる。その本体(100)は、基端(104)および末端(106)を含む。シーリングプラグおよび破裂可能な膜(116)は、その本体の末端に配され、そのシーリングプラグおよび破裂可能な膜(116)が、一つの一体化成形されて一緒に形成される(例えば、一体成形のエラストマー材料で作られる)。関連付けられたシリンジインシリンジミキシングシステム(124)は、第1のプランジャー(126)、中空のインナープランジャー(100)、および、第2の成分(HOb)を収容するように構成されるシリンジバレル(128)を含む。組み立てられる場合、第1のプランジャー(126)は、中空のインナープランジャー(100)内に摺動可能に配され、中空のインナープランジャー(100)は、シリンジバレル(128)内に摺動可能に配される。2つの成分(110a,110b)は、当初、破裂可能な膜(116)により分離されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二液性の歯科用組成物を混合、貯蔵および小出しするための装置および方法について述べられている。
【背景技術】
【0002】
多くの化学的な調合物は、しばしば、AおよびB成分として知られ、当初、2つの個別の部品で包装されている。AおよびB成分における個別の貯蔵は、混合がもたらされる成分がある期間にわたって不安定の場合、必要である。例えば、セルフエッチング歯科用プライマーの組成物は、その樹脂の主要素が化学的に結合される官能基を加水分解することにより、その酸成分が重合性樹脂成分をゆっくりと不安定にさせることを妨げるように、当初、2つの別個の部品で設けられる場合がある。そのような不安定さは、多くのそのような成分によって混合直後に起きないけれど、その成分は、初期の混合後、ある期間(例えば、30日、60日、または90日)内で使い切られ、即ち、廃棄されることがしばしば、推奨される。
【0003】
そのような成分が一旦、混合されたならば不安定なので2つの部品が混合以前において時期尚早の混合および不安定を妨げるように分離したままであることを確実にすることが重要である。また、開業医が大きな容器から各成分を計量し、それから、混合された成分を貯蔵場所に、および/または、小出し装置に導入する以前に、一緒に混合することは危険であり、時間がかかることである。上述のことを考慮し、開業医に予め計量された量のいつでも混合できる各成分をもたらすこととなり、使用者に、成分を貯蔵しその後、小出しするように使用されながら、混合をもたらすように容易に作動可能な一体化された装置をもたらすこととなるであろう二液性の成分により使用するための一体化された混合および小出しするシステムにおいて、シリンジインシリンジをもたらすことは有益であろう。一体化された混合および小出し装置が、その複数の成分の時期尚早な混合の可能性を減らしたならば、さらに有益であり、そして、使い捨て後、処分可能となるように大量生産に対し費用がかからず、容易となる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、二液性の歯科用組成物を混合するためのシリンジインシリンジミキシングシステム内で使用する中空のインナープランジャーについて述べられている。その中空のインナープランジャーは、第1の成分を収容する内部チャンバーを画定する連続した円筒形の壁を有する本体を含んでいる。その本体は、基端および末端を含んでいる。シーリングプラグおよび破裂可能な膜は、本体における末端に配され、シーリングプラグおよび破裂可能な膜は、一体成形で(例えば、エラストマー物質で一体成形で作られる)共に一体に形成される。
【0005】
一体成形の物質からなるように一体とされるシーリングプラグおよび破裂可能な膜の場合、中空のインナープランジャー、および、一部を形成するシリンジインシリンジミキシングシステムの大量生産を非常に簡略化する。破裂可能な膜も、もし中空のインナープランジャーの末端に対し接合される個別の部品からなる場合、もしそうでなければ生じるであろう汚染を最小限および/または妨げながら、一体のシーリングプラグおよび破裂可能な膜は、シリンジインシリンジミキシングシステム内における二液性の歯科用組成物の初期の分離を確実にする簡単な、安価な方法をもたらす。
【0006】
例えば、膜を接合するために使用される如何なる接着剤も、その破裂可能な膜により分離される成分の一方または双方によって汚染され、即ち、化学的に侵される場合がある。その結果、その接着剤の脆弱化、または、破壊を引き起こす(例えば、保管中)。さらに、その組成物がその破裂可能な膜の接着以前においてそのチャンバー内に導入される場合、その組成物は、その壁またはその膜が接着される他の表面を汚染し、強い接合の形成を妨げる場合がある。また、いずれの接着剤も、分離されるべき2つの成分の一方、又は双方により、さもなければ、汚染、即ち、化学的に侵す場合があり、その結果、混合された組成物を効果のないものにし、あるいは、使用に適さないものとする場合がある。従って、一体のシーリングプラグおよび破裂可能な膜は、部品点数および組み立てに必要とされる工数を減らすばかりでなく、二液性の組成物または如何なる接着剤の汚染の可能性を減らす。
【0007】
その中空のインナープランジャーは、二液性の歯科用組成物の混合および小出しにおいて使用するための関連するシリンジインシリンジミキシングシステムの一部を構成するものでもよい。そのようなシステムは、第1のプランジャー、上述したような中空のインナープランジャー、第2の成分を収容するように構成されるシリンジバレルを含む。組み立てられる場合、第1のプランジャーは、その中空のインナープランジャー内に気密係合状態で摺動可能に配される。その中空のインナープランジャーは、気密係合状態でシリンジバレル内で摺動可能に配される。その第1の成分は、当初、その中空のインナープランジャーのチャンバー内に貯蔵され、そのシリンジバレルのチャンバー内に貯蔵される第2の成分と分離している。その2つのチャンバーは、当初、その破裂可能な膜により、分離される。
【0008】
一つの実施例において、中空のインナープランジャーの内部チャンバーは、本体の基端における内部チャンバーの直径未満の直径を本体の末端に有する。好ましくは、本体の末端近傍に、直径におけるこの狭窄が存在する(例えば、一体のシーリングプラグ/破裂可能な膜の基端に隣接し、即ち、近傍にある)。チャンバーにおける狭窄した直径は、破裂可能な膜に対し第1の成分による作用される圧力を著しく増大させ、第2の成分への第1の成分の噴出をもたらすようにその膜の破裂を引き起こすことにおいて大いに助けとなることが分かった。そのような噴出動作の結果が、特に、2つの比較的低粘度の液体についての2つの成分におけるほぼ瞬時の混合となる。そのようなものとして、本体の末端における内径は、好ましくは、チャンバーの最大直径(例えば、基端における直径)の約75%以下の直径である。さらに好ましくは、その内径は、基端におけるチャンバーの最大直径(例えば、基端における直径)の約50%以下の直径であり、最も好ましくは、チャンバーの最大直径(基端における直径)の約35%以下の直径である。発明者等は、そのチャンバーの最大直径(例えば、基端からその直径が急に細くなっているシーリングプラグに隣接した位置までの直径)の約1/3の寸法である末端における直径(即ち、その膜に隣接する)は、その膜の突発的な破裂、および、その破裂可能な膜を通じて実質的にすべての第1の成分を第2の成分へ噴出し、均一な混合をもたらすということが分かった。
【0009】
破裂可能な膜の実際の厚さは、選択された物質における強度、膜がある本体の基端までの直径における縮小の構成とともに、および、他の物理的特性次第である。その破裂可能な膜は、好ましくは、約0.0005インチから約0.04インチまでの範囲の厚さを有し、より好ましくは、約0.002インチから約0.025インチまでの範囲の厚さを有し、最も好ましくは、約0.005インチから約0.015インチまでの範囲の厚さを有する。例えば、約0.005インチから約0.010インチまでの厚さを有する熱可塑性のエラストマー物質は、内部チャンバーの直径が、基端における値の約1/3まで末端に隣接して縮小される場合、特に、上述の理由から好ましい。
【0010】
本発明におけるこれらの利点及び他の利点は、以下の説明および添付の請求の範囲からさらに十分に明らかとなり、また、以下に述べる本発明のやり方によって知り得るであろう。
【0011】
本発明における上述の列挙した他の利益、利点および特徴が得られるために上述に簡単に説明された本発明のより詳細な説明が、添付図面に示される具体的な実施例を参照してなされるだろう。これらの図面は、本発明の代表的な実施例を示すだけであり、従って、発明の範囲を制限するものと考えられるものではないと理解し、本発明は、添付図面を使用することにより、付加的な限定および詳細をもって述べられ説明されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1A】一体に形成されるシーリングプラグおよび破裂可能な膜を含む例示的な中空のインナープランジャーの斜視図である。
【図1B】図1Aにおける一体のシーリングプラグおよび破裂可能な膜を含む中空のインナープランジャーの末端の詳細な断面図である。
【図1C】その全長に沿って実質的に一様な直径の内部チャンバーを含む代替的な中空のインナープランジャーの詳細な断面図である。
【図2】本発明に従う中空のインナープランジャーを内蔵する例示的なシリンジインシリンジシステムの斜視図である。
【図3A】シリンジインシリンジミキシングシステム内で使用するための例示的な第1のプランジャーであって、一旦、その中空のインナープランジャー内に十分に挿入されたならば、第1のプランジャーの離脱を防止するための一例としてのロック機構を含む第1のプランジャーの斜視図である。
【図3B】代替的なロック機構を含む代替的な第1のプランジャーの斜視図である。
【図3C】一体のシーリングプラグおよび破裂可能な膜が、シリンジツウシリンジミキシングシステム内に内蔵される代替的な実施例を示す図である。
【図3D】一体のシーリングプラグおよび破裂可能な膜が、シリンジツウシリンジミキシングシステム内に内蔵される代替的な実施例を示す図である。
【図4A】その中空のインナープランジャーの末端における破裂可能な膜を破裂させ、その結果、第1の成分を第2の成分に噴流混合させるようにその中空のインナープランジャーに押し込まれる第1のプランジャーを示す図である。
【図4B】中空のインナープランジャからの第1のプランジャーの離脱を防止するようにその中空のインナープランジャーに対し固定された配置で第1のプランジャーを示す図である。
【図4C】所望される表面に対する引き続いて起こる塗布のためのパッドへの混合された二液性組成物の一部の供給を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
I. 序 説
一つの特徴においては、本発明は、二液性の歯科用組成物を混合するためのシリンジインシリンジミキシングシステム(syringe−in−syringe mixing system)内で使用するための中空のインナープランジャーについて述べられている。その中空のインナープランジャーは、第1の成分を収容するための内部チャンバーを画定する連続した円筒形の壁を有する本体を含む。その本体は、基端および末端を含む。シーリングプラグおよび破裂可能な膜は、その本体の末端に配され、そのプラグおよび破裂可能な膜は、一体成形のように一緒に一体に形成される(例えば、一体成形のエラストマー材料で作られる)。
【0014】
その中空のインナープランジャーは、二液性の歯科用組成物を混合および一定量吐出するための関連付けられるシリンジインシリンジミキシングシステムの一部を構成し得る。
そのようなシステムは、第1のプランジャー、上述の中空のインナープランジャー、および、第2の成分を収容するように構成されるシリンジバレルを含む。組み立てられる場合、第1のプランジャーは、その中空インナープランジャー内で封止接触で摺動可能に配され、その中空のインナープランジャーは、そのシリンジバレル内で封止接触で摺動可能に配される。その中空のインナープランジャーのチャンバー内に貯留される第1の成分は、当初、そのシリンジバレルのチャンバー内に貯留される第2の成分から分離している。
【0015】
II. 例示の中空のインナープランジャー
図1Aは、連続した円筒形の壁102を含む本体を有する中空のインナープランジャー100の斜視図である。本体および壁102は、基端104および相対向する末端106を含む。壁102の内側は、第1の成分110aを収容するように構成される内部チャンバー108を画定する。フランジ112は、基端104に配され、一方、一体に形成されるシーリングプラグおよび破裂可能な膜116は、末端106に配される。好都合なことに、図1Bに示されるように、シーリングプラグ114および膜116は、一体成形のように、例えば、エラストマー物質で一体に形成される。破裂可能な膜116は、チャンバー108内に第1の成分110aを収容するように中空のインナープランジャー100の末端を覆い封鎖し、使用者が混合をもたらすことを望むまで第1の成分から分離させるシーリングプラグ114は、本体の壁102の外側に配され、中空のインナープランジャー100がシリンジインシリンジミキシングシステム内に組み付けられる場合、シリンジバレルの基端を密封するように、シリンジバレル(図2参照)内で塞ぐように構成される。
【0016】
シーリングプラグ114が嵌合される中空のインナープランジャー100の本体の末端部は、好都合なことに、破裂可能な膜116の破裂の期間、プラグ114が中空のインナープランジャー100が分離することを妨げる外方に延在する環状の隆起部118を含む。シーリングプラグ114は、対応する環状の溝120を含む。シーリングプラグおよび破裂可能な膜116を中空のインナープランジャー100の本体に対し確実に取り付けるように隆起部118に嵌りあって係合するように構成されている。
【0017】
シーリングプラグ114および破裂可能な膜116は、好都合なことにエラストマー物質で作られ(例えば、熱硬化性エラストマーまたは熱可塑性エラストマー)、好都合なことに、破裂可能な膜116に対し所望の強度をもたらしながら、シリンジバレルに対し優れたシールをもたらす。破裂可能な膜116は、中空のインナープランジャー100の末端を密封し、使用者が破裂可能な膜116を意図的に破裂させ、第1の成分110aがシリンジバレル128に押し込まれ、2つの成分が一緒に混合されるまで第1の成分110aをシリンジバレル内に収容される第2の成分110bから分離する。
【0018】
一体成形の物質を含むように一体化しているシーリングプラグ114および破裂可能な膜116を設けることは、それが一部を形成する中空のインナープランジャー100およびシリンジインシリンジミキシングシステムの大量生産を非常に簡単にする。一体型のシーリングプラグ114および破裂可能な膜116は、破裂可能な膜116およびシーリングプラグ114が、本体即ち壁102に対するそれぞれの接合を必要とする二つの個別の部品からなるならば、他の状況で生じるかもしれない汚染を最小限および/または防止しながら、扱いやすく、シリンジインシリンジミキシングシステム内で二液性の歯科用組成物の二液を当初、確実に分離する廉価な方法をもたらす。
【0019】
例えば、破裂可能な膜を壁102(またはその他の構造)に対し接合するために使用される如何なる接着剤も、破裂可能な膜により分離された成分のうちの一方または双方によって、汚染され、または、化学的におかされる場合がある(例えば、保管中)。そのような汚染または化学的な反応は、その膜を所定位置に保持する接着の脆弱化および/または失敗を招きそうである。さらに、その組成物がその膜の接着以前にチャンバー内に導入される場合、その組成物は、その膜が接着されるべき壁または他の表面を汚染し、その結果、良好な接着の形成を妨げる場合がある。
【0020】
また、如何なる接着剤も、さらに、シリンジインシリンジミキシングシステム内で分離することを目的としている2つの成分のうちの一方または双方に対し汚染、または、化学的に反応し、一つの成分、双方の成分、または、混合された組成物を効果の弱いもの、さもなければ、使用に適さないものにしてしまう場合がある。従って、一体のシーリングプラグおよび破裂可能な膜を設けることは、中空のインナープランジャーと関連付けられるシリンジインシリンジミキシングシステムとを組み立てるために必要とされる部品点数および工程を低減させるばかりでなく、また、二液性の組成物、または、如何なる接着剤、そのミキシングシステムおよび/または組成物を使用に適さないものにする可能性がある双方における汚染の可能性を減らす。
【0021】
図1Bおよび図1Cは、代替的な実施例の断面図を示す。図1Bは、チャンバー108の内径が、破裂可能な膜116に隣接して縮小される一例を示し、図1Cは、チャンバー108´の直径Dが縮小されないが、膜116´およびプラグ114´に隣接する直径Dがチャンバー108´に沿った他の部分の直径Dと実質的に同じであるように、チャンバー108´の長手方向に沿って実質的に一定である代替的な例を示す。
【0022】
図1Bは、中空のインナープランジャー100の内部チャンバー108が、基端104におけるチャンバーの直径DL未満である本体の末端106における直径Dsを有する好ましい実施例を示す。示されるように、好ましくは、この直径の狭窄は、本体の末端106近傍にある。例えば、示される実施例において、そのチャンバーの直径における狭窄は、シーリングプラグ114の基端に対し隣接して、即ち、シーリングプラグ114の基端近傍にある。この末端部に沿って本体の壁112の外径を縮小することも、シリンジバレルの内面に対して密封するように構成される第1および第2のシール面122aおよび122bをそれぞれ除いて、全長(即ち、フランジ112に隣接する基端104と末端106との間)に沿って実質的に一定であるプランジャー100の最大外径を与える方法で
シーリングプラグ114を受け入れるための空間をもたらす。そのような構成は、シリンダーバレル(例えば、図2参照)内にインナープランジャー100の締りばめをもたらし、シール面122aおよび122b(例えば、基端104近傍)からさらに離す傾向が特に顕著になるそのシリンジバレル内でインナープランジャーのがたつく傾向を低減する。
【0023】
また、チャンバー108における狭窄の直径が、力が使用者により基端104内に挿入されたプランジャーに選択的に加えられる場合、破裂可能な膜116に対し第1の成分110aにより作用される圧力を十分に増大させる。直径の狭窄は、第2の成分110bに第1の成分110aを噴射するといった結果となる方法で膜を破裂させる非常に助けとなることがわかった。そのような噴射作用の結果は、2つの成分、特に2つの比較的低粘度の液体のためのほぼ即時の混合である。
【0024】
そのように、末端106における内径DSは、好ましくは、チャンバー108の残部に沿って基端104における直径DLの約75%以下、さらに好ましくは、直径DLの約50%以下、最も好ましくは、直径DLの約35%以下である。本発明者等は、そのチャンバーの最大直径(例えば、その直径は、実質的に基端104から直径が急に細くなるシーリングプラグ114に隣接した位置まで実質的に一定である)の約1/3程度である末端における直径(即ち、その破裂可能な膜に隣接)が、突発的な膜の破裂、破裂可能な膜116を通じ均質な混合をもたらすように第2の成分への実質的にすべての第1の成分110aの噴出をもたらすことがわかった。
【0025】
破裂可能な膜116の実際の厚さは、膜が配される本体の基端に至る直径の縮小の構成とともに、強度および選択された物質の他の物理的な特性に依存する。その破裂可能な膜は、好ましくは、約0.0005インチから約0.04インチまでの範囲の厚さを有し、さらに好ましくは、約0.002インチから約0.025インチまで、最も好ましくは、約0.005インチから約0.015インチまでの範囲の厚さを有している。例えば、約0.005インチから約0.010インチまでの厚さを有する熱可塑性プラスチックのエラストマーで作られた破裂可能な膜は、内部チャンバー108の直径Dsが基端104におけるその値の約1/3まで隣接する末端106において縮小される場合、特に、上述の理由で好ましい。
【0026】
III. 例示のシリンジインシリンジ、および、シリンジツウシリンジミキシングシステム
図2は、例示のシリンジインシリンジミキシングシステム124を示す。システム124は、第1のプランジャー126、中空のインナープランジャー100、および、シリンジバレル128の末端にキャップ130を有するシリンジバレル128(シリンジバレル128の末端の内側に嵌合するプラグが同じように使用可能とされる)。第1のプランジャー126は、シリンジバレル128内に摺動可能に配される中空のインナープランジャー100内に摺動可能に配される。示されるように、中空のインナープランジャー100は、第1の成分110aを収容し、シリンジバレル128は、第2の成分110bを収容する。第1のプランジャー126は、細長いステム132、ステム132の末端に関連するシーリングプラグ134を含む。
【0027】
おそらく図3Aにおいて最もよく分かるように、ロック機構136は、好都合なことに、第1のプランジャー126の基端近傍に含まれ、一旦、挿入されると、インナープランジャー100からの第1のプランジャー126の引き抜きを防止する。そのようなロック機構は、その膜が一旦、破裂されるとき、有用であり、その装置は、すべてが供給されるまで混合された組成物を一定量供給するように使用可能とされるけれど、2つの成分を混合するために再利用できない。インナープランジャー100内に第1のプランジャーを固定すると、その小出し装置がバレルおよびプランジャーを含む注射器として操作可能であり、損失、汚染、混合成分の浪費の原因となる第1のプランジャーの引き出しも防止しながら、使用者による小出しを簡単にする。示されるロック機構136は、縦方向に延在する複数のインターロックリブ140を有する拡大直径部138(ステム132の残部に対し)の外周の延在部からなる。使用中、インターロックリブ140は、中空のインナープランジャー100内に挿入され、リブ140は、中空のインナープランジャー100の内壁102に対し付勢する。そのシステムは、第1のプランジャー126は、中空のインナープランジャー100に十分に挿入される場合、外周の延在部138が中空のインナープランジャー100のフランジ112の範囲内に載置され、一方、インターロックリブ140は、フランジ112を通り過ぎて末端方向に中空のインナープランジャー100内に入る。フランジ112は、中空のインナープランジャー100の残部に対し強化したバレル強度をもたらすので変形が、部分138のために中空のインナープランジャー100の内壁に対しほとんど起きないが、しかし、変形がリブ140により引き起こされる。その結果、中空のインナープランジャー100の内壁102におけるフランジ112に対し末端方向に形成される関連した窪みが、中空のインナープランジャー100(例えば、図4D参照)からの第1のプランジャー126の外れを防止、即ち、少なくとも妨げることとなる。
【0028】
図3Bは、円筒形の細長いステム132、および、シーリングプラグ134を含む代替的な第1のプランジャー126´を示す。第1のプランジャー126´と図3Aおよび図2における第1のプランジャー126との間の動作原理の相違は、第1のプランジャー126´が、図3Aにおける実施例の複数のインターロックリブ140および拡大直径部138ではなく環状のインターロックリング140´からなる代替的なロック機構136´を含む点にある。環状のインターロックリング140´は、複数のインターロックリブ140と類似して、中空のインナープランジャー100の内壁102内にくぼみ、即ち、溝を形成する。環状のインターロックリング140´は、一旦、中空のインナープランジャー100内に完全に挿入されたならば、その形成された溝にあり、第1のプランジャー126の引き抜きを防止、即ち、少なくとも妨げる。他のロック機構(例えば、その中空のインナープランジャーに対する第1のプランジャーの締りばめ)が、代替的に使用されてもよい。
【0029】
一つの方法によれば、予め計量され、予め充填されたシリンジインシリンジミキシングシステム(図2に示されるように)は、第1のプランジャー126が中空のインナープランジャー100内に摺動可能に収容されるように、先ず、第1のプランジャー126を中空のインナープランジャー100に挿入することにより、製造され得る。第1のプランジャー126のシーリングプラグ134は、中空のインナープランジャーの基端を密封する。それから、第1の成分110aは、中空のインナープランジャー100の内部チャンバー108内に導入され得る。それから、一体に形成される破裂可能な膜116およびシーリングプラグ114は、中空のインナープランジャー100の末端106に配され、チャンバー108内に第1の成分110aを有効に密封する。次に、中空のインナープランジャー100は、中空のインナープランジャー100が摺動可能にその中に収容されるように、シリンジバレル128内に挿入され得る。第1および第2のシール面122aおよび122bは、それぞれ、シールを形成し、シール114の回りの如何なる流体の通過を妨げる。一方、膜116は、その膜が使用者により、意図して破裂されるまでシールを形成し、シール114を介した如何なる流体の通過を妨げる。それから、第2の成分110bは、そのバレルの末端を介してシリンジバレル128内に導入され得る。最後に、キャップ130が、その末端を密封するようにバレル128の末端に配され得る。そのような方法で、組み立ては、インナープランジャー100および/またはシリンジバレル128のチャンバー内で気泡の形成および封じ込めを防止、即ち、少なくとも最小限とし、従って、一般に好ましい。
【0030】
図3Cおよび図3Dは、一体のシーリングプラグおよび破裂可能な膜がシリンジツウシリンジミキシングシステム224内に内蔵され得る代替的な実施例を示す。図3Cは、第1の成分を収容するように構成される内部チャンバー208を画定する連続した円筒壁202を含む図1Bおよび図1Cに示されるものに類似した代替的なシリンジバレル200の断面図を示す。図1Bおよび図1Cに示されるものに対する代替的なシリンジバレル200の動作原理の相違は、シリンジバレル200がシリンジバレル内に摺動するように構成されたものでなく、むしろ、図3Dに示されるように、シリンジツウシリンジミキシング(シリンジインシリンジミキシングとは対照的に)を可能とするように他方のシリンジバレルに結合される点にある。
【0031】
シリンジバレル200は、他方のシリンジバレルに結合するための手段を含む。示される実施例においては、結合機構の雌部は、バレル200の末端に配される。その中に形成される複数の溝252を有する円筒形の外壁250は、円筒形の延在する空洞254内に受け止められる他方のシリンジバレルの対応した形状の雄部を受け止めるように作用する。結合機構の雄部は、代替的に、他方のシリンジに配される雌部により、一体に形成された破裂可能な膜およびシーリングプラグを含むシリンジバレル200の末端に配され得る。他の結合手段および機構は、その分野の当業者にとって明らかであろう。
【0032】
また、シリンジバレル200は、中空のインナープランジャー100と類似して、破裂可能な膜216、シーリングプラグ214、外方に延在する環状の隆起部218、および、環状の溝220を含む。破裂可能な膜216は、チャンバー208内に第1の成分を収容するようにシリンジバレル200の末端を覆い、密封し、使用者が混合をもたらすように要望するまで第2の成分と分離しておく。シーリングプラグ214は、本体壁202の外部に配され、プラグは摺動せず、即ち、シリンジバレル(シリンジインシリンジミキシングシステムなどの場合)の内側に対しシールをもたらすけれど、それらが一緒に結合される場合、プラグの存在が、密封し、二つのシリンジ相互間にさもないと起こるかもしれない如何なる漏れを妨げることに役立つ。加えて、エラストマー物質(例えば、熱可塑性エラストマー物質)で作られるそのようなシーリングプラグは、他方のシリンジバレルの雄部がシーリングプラグ214に接触するとき(即ち、プラグ214が結合されたシリンジバレルの雄部に接触し把持することにより、結合用摩擦を増大し得る)、他方のシリンジバレルに対するシリンジバレル200の締り力、把持力、結合力を改善し得る。また、そのような一体のシーリングプラグおよび破裂可能な膜、特に、環状の隆起部218および環状の溝220の構成は、接着剤または他の粘着剤を要することなく、破裂可能な膜216をシリンジバレル200に対して取り付ける手段をもたらし、上述したように、汚染を防止するために役立つ。
【0033】
二液性組成物の混合をもたらすことが要望される場合、使用者が、第1の成分110aを押圧するように第1のプランジャー226をシリンジバレル200内に押圧する。最初に対向するプランジャー226aを押圧することも可能とされるが、これは、一方の成分を他方の成分に対しての噴出混合作用を小さくする場合があるので好ましくない。第1のプランジャー226は、第1のプランジャーが最初に押圧されることを示すマークラベル(mark label)(不図示)を含んでもよい。一旦、十分な力が加えられたならば、破裂可能な膜216は、破裂し、第1の成分110aが、加圧下でシリンジバレル200から第2の成分110bと混合するシリンジバレル228内に滲出される。
【0034】
示されるシリンジツウシリンジミキシングシステム224により、使用者がその2つの成分を一緒にさらに混合するようにプランジャー226および226aを容易く交互に押圧することが可能とされるけれど、そのような破裂力および第1の成分110aの第2の成分110bへの噴出は、多くの場合、更なる混合が必要とされないように均一な混合をもたらすのに十分である。そのようなシリンジツウシリンジミキシングシステムは、一つまたは双方の成分が付加的な混合が必要される場合のように特に高粘度である場合、特に、好ましいだろう。
【0035】
III. 例示の使用方法
図4Aは、例示のシリンジインシリンジミキシングシステム124を示す。二液性組成物の混合をもたらすことが要望される場合、使用者は、第1の成分110aを圧縮するように第1のプランジャー126を中空のインナープランジャー100内に押圧する。十分な力が加えられたならば、破裂可能な膜116は、破裂し、第1の成分110aが、加圧下で、中空のインナープランジャー100から第2の成分110bと混合するシリンジバレル128に滲出される。
【0036】
そのような破裂力および第1の成分110aの第2の成分110bへの噴出は、付加的な混合(例えば、振動による)が必要とされない、特に、双方の成分が低粘度の液体の場合のように均一な混合をもたらすのに十分である。液―液システムによる使用に好ましいけれど、第1の成分110aおよび第2の成分110bは、それぞれ、混合されるべき二液性の組成物の特性に従って、液体、または、一方が固体粉末であってもよい。
【0037】
シリンジインシリンジミキサーは、特に、2つの比較的低粘度の液体(例えば、約100センチポイズ未満、より好ましくは、約10センチポイズ未満、最も好ましくは、約3センチポイズ)を一緒に混合するために好適であり、そのシステムの能力のせいで如何なる付加的な労力なく(例えば、振動が必要としない)、混合をもたらすように一方の成分が他方の成分に対して強制的に吐出される。一つの考えられる比較的低粘度の液―液の二液性の組成物は、2005年10月28日出願の米国特許出願第11/261171号(発明の名称:SELF−ETHCHING DENTAL PRIMER COMPOSITIONS AND METHODS AND SYSTEMS UTILIZING SUCH COMPOSITIONS)に説明される二液性のセルフエッチングデンタルプライマーコンポジション(self etching dental primer composition)である。
【0038】
特に、低粘度の液体による使用に対して好適であるけれど、また、そのシステムは、より高粘度の液体(例えば、約1000センチポイズまで、それとも、約3500センチポイズまで)、または、固液粉末二液性の組成物により使用されてもよい。そのような二液性の組成物を混合するために使用される場合、膜の破裂および一方の成分の他方の成分への乱流噴出によりもたらされる以上のさらなる混合が、必要とされる場合がある。例えば、そのシステムは、そのような組成物を混合しキャップ130を取り外し、その組成物のシリンジツウシリンジミキシングを可能とするようにそのシステムを他のシリンジに結合する場合、役立ち得る。
【0039】
言い換えれば、破裂可能な膜116は、第1の成分の第2の成分への噴出を引き起こすように(例えば、その2つの成分を一緒に混合させるために乱流を十分に作るように)、十分な高圧下で、第2の成分110bと混合させるために第1の成分110aだけを通過させるように構成されている。キャップ130は、第1の成分110aがバレル128内に滲出されるとき、バレル128内の空気または他のガスが押し出し可能とされる逆止弁、または、他の排気口(不図示)を含み得る。その分野において知られるいずれの逆止弁も、バレル128に対し取り付けるように使用または変更可能とされる。
【0040】
そのシステムは、必要とされないけれど、好都合にも、膜116を破裂させるために必要とされる力が、円筒形の細長いステム132のロック機構136(即ち、拡大直径部138およびインターロックリブ140)を中空のインナープランジャー100に挿入し固定するために必要とされる力とほぼ等しいように構成され得る。そのような構成は、円滑な連続した移動をもたらし、そのシステムの使用中、第1のプランジャー126が中空のインナープランジャー100内に押圧されるとき、膜116を破裂させる感覚、および、第1のプランジャー126を中空のインナープランジャー100内に固定する感覚、単一の移動内のすべての感覚をもたらす。図4Bは、第1のプランジャー126が中空のインナープランジャー100内に完全に挿入された時点で、そのシステムを示す。この構成においては、第1のプランジャー126は、中空のインナープランジャー100に固定される。
【0041】
示されるような固定用の構成において、不可能ではないにしても、そのシステムを破壊することなく、第1のプランジャー126を中空のインナープランジャー100から引き出すことは困難である。拡大直径部138は、フランジ112の中央内に配され、複数のリブ140がフランジ112から末端方向にさらに中空のインナープランジャー100内に延在する。フランジ112が、フランジ112のすぐ末端側の中空のインナープランジャー100の部分に対し高められたバレル強度を有するので中空のインナープランジャーの内壁面102が、その接触される内壁102の一部に窪みを形成するようにリブ140により変形されるだろう。同時に、複数のリブ140により接触される部分に比してフランジ部112のバレル強度が高められているのでフランジ112の真下となる中空のインナープランジャー100の内壁面102が、仮にあったとしても、わずかだけ変形されるだろう。言い換えれば、複数のリブ140は、中空のインナープランジャー100の内面に対する連結を作り、その後の第1のプランジャー126の中空のインナープランジャー100からの引き出しを防止、即ち、少なくとも妨げる。
【0042】
図4Cは、使用者が混合された二液性の組成物110を小出しできるようにバレル128の末端に結合されたディスペンシングチップ142を有するシステム124を示す。示されるように、組成物110が、次の塗布(例えば、ブラシ用具による)のためのパッド上に小出しされ得る。代替的に、組成物110は、使用者の選択次第で、歯または他の表面に直接的に小出しされ得る。
【0043】
請求される本発明は、その精神または重要な特徴から逸脱することなく、他の具体的な方式で具体化されてもよいことは分かるであろう。その説明された複数の実施例は、例示にすぎず、限定されることなく、全ての点で考慮されるべきである。従って、本発明の範囲は、上述の説明によるものではなく、添付の請求の範囲により表明される。請求の範囲と均等の範囲および意義内にあるすべての変更は、それらの範囲内に包含される。
【技術分野】
【0001】
本発明は、二液性の歯科用組成物を混合、貯蔵および小出しするための装置および方法について述べられている。
【背景技術】
【0002】
多くの化学的な調合物は、しばしば、AおよびB成分として知られ、当初、2つの個別の部品で包装されている。AおよびB成分における個別の貯蔵は、混合がもたらされる成分がある期間にわたって不安定の場合、必要である。例えば、セルフエッチング歯科用プライマーの組成物は、その樹脂の主要素が化学的に結合される官能基を加水分解することにより、その酸成分が重合性樹脂成分をゆっくりと不安定にさせることを妨げるように、当初、2つの別個の部品で設けられる場合がある。そのような不安定さは、多くのそのような成分によって混合直後に起きないけれど、その成分は、初期の混合後、ある期間(例えば、30日、60日、または90日)内で使い切られ、即ち、廃棄されることがしばしば、推奨される。
【0003】
そのような成分が一旦、混合されたならば不安定なので2つの部品が混合以前において時期尚早の混合および不安定を妨げるように分離したままであることを確実にすることが重要である。また、開業医が大きな容器から各成分を計量し、それから、混合された成分を貯蔵場所に、および/または、小出し装置に導入する以前に、一緒に混合することは危険であり、時間がかかることである。上述のことを考慮し、開業医に予め計量された量のいつでも混合できる各成分をもたらすこととなり、使用者に、成分を貯蔵しその後、小出しするように使用されながら、混合をもたらすように容易に作動可能な一体化された装置をもたらすこととなるであろう二液性の成分により使用するための一体化された混合および小出しするシステムにおいて、シリンジインシリンジをもたらすことは有益であろう。一体化された混合および小出し装置が、その複数の成分の時期尚早な混合の可能性を減らしたならば、さらに有益であり、そして、使い捨て後、処分可能となるように大量生産に対し費用がかからず、容易となる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、二液性の歯科用組成物を混合するためのシリンジインシリンジミキシングシステム内で使用する中空のインナープランジャーについて述べられている。その中空のインナープランジャーは、第1の成分を収容する内部チャンバーを画定する連続した円筒形の壁を有する本体を含んでいる。その本体は、基端および末端を含んでいる。シーリングプラグおよび破裂可能な膜は、本体における末端に配され、シーリングプラグおよび破裂可能な膜は、一体成形で(例えば、エラストマー物質で一体成形で作られる)共に一体に形成される。
【0005】
一体成形の物質からなるように一体とされるシーリングプラグおよび破裂可能な膜の場合、中空のインナープランジャー、および、一部を形成するシリンジインシリンジミキシングシステムの大量生産を非常に簡略化する。破裂可能な膜も、もし中空のインナープランジャーの末端に対し接合される個別の部品からなる場合、もしそうでなければ生じるであろう汚染を最小限および/または妨げながら、一体のシーリングプラグおよび破裂可能な膜は、シリンジインシリンジミキシングシステム内における二液性の歯科用組成物の初期の分離を確実にする簡単な、安価な方法をもたらす。
【0006】
例えば、膜を接合するために使用される如何なる接着剤も、その破裂可能な膜により分離される成分の一方または双方によって汚染され、即ち、化学的に侵される場合がある。その結果、その接着剤の脆弱化、または、破壊を引き起こす(例えば、保管中)。さらに、その組成物がその破裂可能な膜の接着以前においてそのチャンバー内に導入される場合、その組成物は、その壁またはその膜が接着される他の表面を汚染し、強い接合の形成を妨げる場合がある。また、いずれの接着剤も、分離されるべき2つの成分の一方、又は双方により、さもなければ、汚染、即ち、化学的に侵す場合があり、その結果、混合された組成物を効果のないものにし、あるいは、使用に適さないものとする場合がある。従って、一体のシーリングプラグおよび破裂可能な膜は、部品点数および組み立てに必要とされる工数を減らすばかりでなく、二液性の組成物または如何なる接着剤の汚染の可能性を減らす。
【0007】
その中空のインナープランジャーは、二液性の歯科用組成物の混合および小出しにおいて使用するための関連するシリンジインシリンジミキシングシステムの一部を構成するものでもよい。そのようなシステムは、第1のプランジャー、上述したような中空のインナープランジャー、第2の成分を収容するように構成されるシリンジバレルを含む。組み立てられる場合、第1のプランジャーは、その中空のインナープランジャー内に気密係合状態で摺動可能に配される。その中空のインナープランジャーは、気密係合状態でシリンジバレル内で摺動可能に配される。その第1の成分は、当初、その中空のインナープランジャーのチャンバー内に貯蔵され、そのシリンジバレルのチャンバー内に貯蔵される第2の成分と分離している。その2つのチャンバーは、当初、その破裂可能な膜により、分離される。
【0008】
一つの実施例において、中空のインナープランジャーの内部チャンバーは、本体の基端における内部チャンバーの直径未満の直径を本体の末端に有する。好ましくは、本体の末端近傍に、直径におけるこの狭窄が存在する(例えば、一体のシーリングプラグ/破裂可能な膜の基端に隣接し、即ち、近傍にある)。チャンバーにおける狭窄した直径は、破裂可能な膜に対し第1の成分による作用される圧力を著しく増大させ、第2の成分への第1の成分の噴出をもたらすようにその膜の破裂を引き起こすことにおいて大いに助けとなることが分かった。そのような噴出動作の結果が、特に、2つの比較的低粘度の液体についての2つの成分におけるほぼ瞬時の混合となる。そのようなものとして、本体の末端における内径は、好ましくは、チャンバーの最大直径(例えば、基端における直径)の約75%以下の直径である。さらに好ましくは、その内径は、基端におけるチャンバーの最大直径(例えば、基端における直径)の約50%以下の直径であり、最も好ましくは、チャンバーの最大直径(基端における直径)の約35%以下の直径である。発明者等は、そのチャンバーの最大直径(例えば、基端からその直径が急に細くなっているシーリングプラグに隣接した位置までの直径)の約1/3の寸法である末端における直径(即ち、その膜に隣接する)は、その膜の突発的な破裂、および、その破裂可能な膜を通じて実質的にすべての第1の成分を第2の成分へ噴出し、均一な混合をもたらすということが分かった。
【0009】
破裂可能な膜の実際の厚さは、選択された物質における強度、膜がある本体の基端までの直径における縮小の構成とともに、および、他の物理的特性次第である。その破裂可能な膜は、好ましくは、約0.0005インチから約0.04インチまでの範囲の厚さを有し、より好ましくは、約0.002インチから約0.025インチまでの範囲の厚さを有し、最も好ましくは、約0.005インチから約0.015インチまでの範囲の厚さを有する。例えば、約0.005インチから約0.010インチまでの厚さを有する熱可塑性のエラストマー物質は、内部チャンバーの直径が、基端における値の約1/3まで末端に隣接して縮小される場合、特に、上述の理由から好ましい。
【0010】
本発明におけるこれらの利点及び他の利点は、以下の説明および添付の請求の範囲からさらに十分に明らかとなり、また、以下に述べる本発明のやり方によって知り得るであろう。
【0011】
本発明における上述の列挙した他の利益、利点および特徴が得られるために上述に簡単に説明された本発明のより詳細な説明が、添付図面に示される具体的な実施例を参照してなされるだろう。これらの図面は、本発明の代表的な実施例を示すだけであり、従って、発明の範囲を制限するものと考えられるものではないと理解し、本発明は、添付図面を使用することにより、付加的な限定および詳細をもって述べられ説明されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1A】一体に形成されるシーリングプラグおよび破裂可能な膜を含む例示的な中空のインナープランジャーの斜視図である。
【図1B】図1Aにおける一体のシーリングプラグおよび破裂可能な膜を含む中空のインナープランジャーの末端の詳細な断面図である。
【図1C】その全長に沿って実質的に一様な直径の内部チャンバーを含む代替的な中空のインナープランジャーの詳細な断面図である。
【図2】本発明に従う中空のインナープランジャーを内蔵する例示的なシリンジインシリンジシステムの斜視図である。
【図3A】シリンジインシリンジミキシングシステム内で使用するための例示的な第1のプランジャーであって、一旦、その中空のインナープランジャー内に十分に挿入されたならば、第1のプランジャーの離脱を防止するための一例としてのロック機構を含む第1のプランジャーの斜視図である。
【図3B】代替的なロック機構を含む代替的な第1のプランジャーの斜視図である。
【図3C】一体のシーリングプラグおよび破裂可能な膜が、シリンジツウシリンジミキシングシステム内に内蔵される代替的な実施例を示す図である。
【図3D】一体のシーリングプラグおよび破裂可能な膜が、シリンジツウシリンジミキシングシステム内に内蔵される代替的な実施例を示す図である。
【図4A】その中空のインナープランジャーの末端における破裂可能な膜を破裂させ、その結果、第1の成分を第2の成分に噴流混合させるようにその中空のインナープランジャーに押し込まれる第1のプランジャーを示す図である。
【図4B】中空のインナープランジャからの第1のプランジャーの離脱を防止するようにその中空のインナープランジャーに対し固定された配置で第1のプランジャーを示す図である。
【図4C】所望される表面に対する引き続いて起こる塗布のためのパッドへの混合された二液性組成物の一部の供給を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
I. 序 説
一つの特徴においては、本発明は、二液性の歯科用組成物を混合するためのシリンジインシリンジミキシングシステム(syringe−in−syringe mixing system)内で使用するための中空のインナープランジャーについて述べられている。その中空のインナープランジャーは、第1の成分を収容するための内部チャンバーを画定する連続した円筒形の壁を有する本体を含む。その本体は、基端および末端を含む。シーリングプラグおよび破裂可能な膜は、その本体の末端に配され、そのプラグおよび破裂可能な膜は、一体成形のように一緒に一体に形成される(例えば、一体成形のエラストマー材料で作られる)。
【0014】
その中空のインナープランジャーは、二液性の歯科用組成物を混合および一定量吐出するための関連付けられるシリンジインシリンジミキシングシステムの一部を構成し得る。
そのようなシステムは、第1のプランジャー、上述の中空のインナープランジャー、および、第2の成分を収容するように構成されるシリンジバレルを含む。組み立てられる場合、第1のプランジャーは、その中空インナープランジャー内で封止接触で摺動可能に配され、その中空のインナープランジャーは、そのシリンジバレル内で封止接触で摺動可能に配される。その中空のインナープランジャーのチャンバー内に貯留される第1の成分は、当初、そのシリンジバレルのチャンバー内に貯留される第2の成分から分離している。
【0015】
II. 例示の中空のインナープランジャー
図1Aは、連続した円筒形の壁102を含む本体を有する中空のインナープランジャー100の斜視図である。本体および壁102は、基端104および相対向する末端106を含む。壁102の内側は、第1の成分110aを収容するように構成される内部チャンバー108を画定する。フランジ112は、基端104に配され、一方、一体に形成されるシーリングプラグおよび破裂可能な膜116は、末端106に配される。好都合なことに、図1Bに示されるように、シーリングプラグ114および膜116は、一体成形のように、例えば、エラストマー物質で一体に形成される。破裂可能な膜116は、チャンバー108内に第1の成分110aを収容するように中空のインナープランジャー100の末端を覆い封鎖し、使用者が混合をもたらすことを望むまで第1の成分から分離させるシーリングプラグ114は、本体の壁102の外側に配され、中空のインナープランジャー100がシリンジインシリンジミキシングシステム内に組み付けられる場合、シリンジバレルの基端を密封するように、シリンジバレル(図2参照)内で塞ぐように構成される。
【0016】
シーリングプラグ114が嵌合される中空のインナープランジャー100の本体の末端部は、好都合なことに、破裂可能な膜116の破裂の期間、プラグ114が中空のインナープランジャー100が分離することを妨げる外方に延在する環状の隆起部118を含む。シーリングプラグ114は、対応する環状の溝120を含む。シーリングプラグおよび破裂可能な膜116を中空のインナープランジャー100の本体に対し確実に取り付けるように隆起部118に嵌りあって係合するように構成されている。
【0017】
シーリングプラグ114および破裂可能な膜116は、好都合なことにエラストマー物質で作られ(例えば、熱硬化性エラストマーまたは熱可塑性エラストマー)、好都合なことに、破裂可能な膜116に対し所望の強度をもたらしながら、シリンジバレルに対し優れたシールをもたらす。破裂可能な膜116は、中空のインナープランジャー100の末端を密封し、使用者が破裂可能な膜116を意図的に破裂させ、第1の成分110aがシリンジバレル128に押し込まれ、2つの成分が一緒に混合されるまで第1の成分110aをシリンジバレル内に収容される第2の成分110bから分離する。
【0018】
一体成形の物質を含むように一体化しているシーリングプラグ114および破裂可能な膜116を設けることは、それが一部を形成する中空のインナープランジャー100およびシリンジインシリンジミキシングシステムの大量生産を非常に簡単にする。一体型のシーリングプラグ114および破裂可能な膜116は、破裂可能な膜116およびシーリングプラグ114が、本体即ち壁102に対するそれぞれの接合を必要とする二つの個別の部品からなるならば、他の状況で生じるかもしれない汚染を最小限および/または防止しながら、扱いやすく、シリンジインシリンジミキシングシステム内で二液性の歯科用組成物の二液を当初、確実に分離する廉価な方法をもたらす。
【0019】
例えば、破裂可能な膜を壁102(またはその他の構造)に対し接合するために使用される如何なる接着剤も、破裂可能な膜により分離された成分のうちの一方または双方によって、汚染され、または、化学的におかされる場合がある(例えば、保管中)。そのような汚染または化学的な反応は、その膜を所定位置に保持する接着の脆弱化および/または失敗を招きそうである。さらに、その組成物がその膜の接着以前にチャンバー内に導入される場合、その組成物は、その膜が接着されるべき壁または他の表面を汚染し、その結果、良好な接着の形成を妨げる場合がある。
【0020】
また、如何なる接着剤も、さらに、シリンジインシリンジミキシングシステム内で分離することを目的としている2つの成分のうちの一方または双方に対し汚染、または、化学的に反応し、一つの成分、双方の成分、または、混合された組成物を効果の弱いもの、さもなければ、使用に適さないものにしてしまう場合がある。従って、一体のシーリングプラグおよび破裂可能な膜を設けることは、中空のインナープランジャーと関連付けられるシリンジインシリンジミキシングシステムとを組み立てるために必要とされる部品点数および工程を低減させるばかりでなく、また、二液性の組成物、または、如何なる接着剤、そのミキシングシステムおよび/または組成物を使用に適さないものにする可能性がある双方における汚染の可能性を減らす。
【0021】
図1Bおよび図1Cは、代替的な実施例の断面図を示す。図1Bは、チャンバー108の内径が、破裂可能な膜116に隣接して縮小される一例を示し、図1Cは、チャンバー108´の直径Dが縮小されないが、膜116´およびプラグ114´に隣接する直径Dがチャンバー108´に沿った他の部分の直径Dと実質的に同じであるように、チャンバー108´の長手方向に沿って実質的に一定である代替的な例を示す。
【0022】
図1Bは、中空のインナープランジャー100の内部チャンバー108が、基端104におけるチャンバーの直径DL未満である本体の末端106における直径Dsを有する好ましい実施例を示す。示されるように、好ましくは、この直径の狭窄は、本体の末端106近傍にある。例えば、示される実施例において、そのチャンバーの直径における狭窄は、シーリングプラグ114の基端に対し隣接して、即ち、シーリングプラグ114の基端近傍にある。この末端部に沿って本体の壁112の外径を縮小することも、シリンジバレルの内面に対して密封するように構成される第1および第2のシール面122aおよび122bをそれぞれ除いて、全長(即ち、フランジ112に隣接する基端104と末端106との間)に沿って実質的に一定であるプランジャー100の最大外径を与える方法で
シーリングプラグ114を受け入れるための空間をもたらす。そのような構成は、シリンダーバレル(例えば、図2参照)内にインナープランジャー100の締りばめをもたらし、シール面122aおよび122b(例えば、基端104近傍)からさらに離す傾向が特に顕著になるそのシリンジバレル内でインナープランジャーのがたつく傾向を低減する。
【0023】
また、チャンバー108における狭窄の直径が、力が使用者により基端104内に挿入されたプランジャーに選択的に加えられる場合、破裂可能な膜116に対し第1の成分110aにより作用される圧力を十分に増大させる。直径の狭窄は、第2の成分110bに第1の成分110aを噴射するといった結果となる方法で膜を破裂させる非常に助けとなることがわかった。そのような噴射作用の結果は、2つの成分、特に2つの比較的低粘度の液体のためのほぼ即時の混合である。
【0024】
そのように、末端106における内径DSは、好ましくは、チャンバー108の残部に沿って基端104における直径DLの約75%以下、さらに好ましくは、直径DLの約50%以下、最も好ましくは、直径DLの約35%以下である。本発明者等は、そのチャンバーの最大直径(例えば、その直径は、実質的に基端104から直径が急に細くなるシーリングプラグ114に隣接した位置まで実質的に一定である)の約1/3程度である末端における直径(即ち、その破裂可能な膜に隣接)が、突発的な膜の破裂、破裂可能な膜116を通じ均質な混合をもたらすように第2の成分への実質的にすべての第1の成分110aの噴出をもたらすことがわかった。
【0025】
破裂可能な膜116の実際の厚さは、膜が配される本体の基端に至る直径の縮小の構成とともに、強度および選択された物質の他の物理的な特性に依存する。その破裂可能な膜は、好ましくは、約0.0005インチから約0.04インチまでの範囲の厚さを有し、さらに好ましくは、約0.002インチから約0.025インチまで、最も好ましくは、約0.005インチから約0.015インチまでの範囲の厚さを有している。例えば、約0.005インチから約0.010インチまでの厚さを有する熱可塑性プラスチックのエラストマーで作られた破裂可能な膜は、内部チャンバー108の直径Dsが基端104におけるその値の約1/3まで隣接する末端106において縮小される場合、特に、上述の理由で好ましい。
【0026】
III. 例示のシリンジインシリンジ、および、シリンジツウシリンジミキシングシステム
図2は、例示のシリンジインシリンジミキシングシステム124を示す。システム124は、第1のプランジャー126、中空のインナープランジャー100、および、シリンジバレル128の末端にキャップ130を有するシリンジバレル128(シリンジバレル128の末端の内側に嵌合するプラグが同じように使用可能とされる)。第1のプランジャー126は、シリンジバレル128内に摺動可能に配される中空のインナープランジャー100内に摺動可能に配される。示されるように、中空のインナープランジャー100は、第1の成分110aを収容し、シリンジバレル128は、第2の成分110bを収容する。第1のプランジャー126は、細長いステム132、ステム132の末端に関連するシーリングプラグ134を含む。
【0027】
おそらく図3Aにおいて最もよく分かるように、ロック機構136は、好都合なことに、第1のプランジャー126の基端近傍に含まれ、一旦、挿入されると、インナープランジャー100からの第1のプランジャー126の引き抜きを防止する。そのようなロック機構は、その膜が一旦、破裂されるとき、有用であり、その装置は、すべてが供給されるまで混合された組成物を一定量供給するように使用可能とされるけれど、2つの成分を混合するために再利用できない。インナープランジャー100内に第1のプランジャーを固定すると、その小出し装置がバレルおよびプランジャーを含む注射器として操作可能であり、損失、汚染、混合成分の浪費の原因となる第1のプランジャーの引き出しも防止しながら、使用者による小出しを簡単にする。示されるロック機構136は、縦方向に延在する複数のインターロックリブ140を有する拡大直径部138(ステム132の残部に対し)の外周の延在部からなる。使用中、インターロックリブ140は、中空のインナープランジャー100内に挿入され、リブ140は、中空のインナープランジャー100の内壁102に対し付勢する。そのシステムは、第1のプランジャー126は、中空のインナープランジャー100に十分に挿入される場合、外周の延在部138が中空のインナープランジャー100のフランジ112の範囲内に載置され、一方、インターロックリブ140は、フランジ112を通り過ぎて末端方向に中空のインナープランジャー100内に入る。フランジ112は、中空のインナープランジャー100の残部に対し強化したバレル強度をもたらすので変形が、部分138のために中空のインナープランジャー100の内壁に対しほとんど起きないが、しかし、変形がリブ140により引き起こされる。その結果、中空のインナープランジャー100の内壁102におけるフランジ112に対し末端方向に形成される関連した窪みが、中空のインナープランジャー100(例えば、図4D参照)からの第1のプランジャー126の外れを防止、即ち、少なくとも妨げることとなる。
【0028】
図3Bは、円筒形の細長いステム132、および、シーリングプラグ134を含む代替的な第1のプランジャー126´を示す。第1のプランジャー126´と図3Aおよび図2における第1のプランジャー126との間の動作原理の相違は、第1のプランジャー126´が、図3Aにおける実施例の複数のインターロックリブ140および拡大直径部138ではなく環状のインターロックリング140´からなる代替的なロック機構136´を含む点にある。環状のインターロックリング140´は、複数のインターロックリブ140と類似して、中空のインナープランジャー100の内壁102内にくぼみ、即ち、溝を形成する。環状のインターロックリング140´は、一旦、中空のインナープランジャー100内に完全に挿入されたならば、その形成された溝にあり、第1のプランジャー126の引き抜きを防止、即ち、少なくとも妨げる。他のロック機構(例えば、その中空のインナープランジャーに対する第1のプランジャーの締りばめ)が、代替的に使用されてもよい。
【0029】
一つの方法によれば、予め計量され、予め充填されたシリンジインシリンジミキシングシステム(図2に示されるように)は、第1のプランジャー126が中空のインナープランジャー100内に摺動可能に収容されるように、先ず、第1のプランジャー126を中空のインナープランジャー100に挿入することにより、製造され得る。第1のプランジャー126のシーリングプラグ134は、中空のインナープランジャーの基端を密封する。それから、第1の成分110aは、中空のインナープランジャー100の内部チャンバー108内に導入され得る。それから、一体に形成される破裂可能な膜116およびシーリングプラグ114は、中空のインナープランジャー100の末端106に配され、チャンバー108内に第1の成分110aを有効に密封する。次に、中空のインナープランジャー100は、中空のインナープランジャー100が摺動可能にその中に収容されるように、シリンジバレル128内に挿入され得る。第1および第2のシール面122aおよび122bは、それぞれ、シールを形成し、シール114の回りの如何なる流体の通過を妨げる。一方、膜116は、その膜が使用者により、意図して破裂されるまでシールを形成し、シール114を介した如何なる流体の通過を妨げる。それから、第2の成分110bは、そのバレルの末端を介してシリンジバレル128内に導入され得る。最後に、キャップ130が、その末端を密封するようにバレル128の末端に配され得る。そのような方法で、組み立ては、インナープランジャー100および/またはシリンジバレル128のチャンバー内で気泡の形成および封じ込めを防止、即ち、少なくとも最小限とし、従って、一般に好ましい。
【0030】
図3Cおよび図3Dは、一体のシーリングプラグおよび破裂可能な膜がシリンジツウシリンジミキシングシステム224内に内蔵され得る代替的な実施例を示す。図3Cは、第1の成分を収容するように構成される内部チャンバー208を画定する連続した円筒壁202を含む図1Bおよび図1Cに示されるものに類似した代替的なシリンジバレル200の断面図を示す。図1Bおよび図1Cに示されるものに対する代替的なシリンジバレル200の動作原理の相違は、シリンジバレル200がシリンジバレル内に摺動するように構成されたものでなく、むしろ、図3Dに示されるように、シリンジツウシリンジミキシング(シリンジインシリンジミキシングとは対照的に)を可能とするように他方のシリンジバレルに結合される点にある。
【0031】
シリンジバレル200は、他方のシリンジバレルに結合するための手段を含む。示される実施例においては、結合機構の雌部は、バレル200の末端に配される。その中に形成される複数の溝252を有する円筒形の外壁250は、円筒形の延在する空洞254内に受け止められる他方のシリンジバレルの対応した形状の雄部を受け止めるように作用する。結合機構の雄部は、代替的に、他方のシリンジに配される雌部により、一体に形成された破裂可能な膜およびシーリングプラグを含むシリンジバレル200の末端に配され得る。他の結合手段および機構は、その分野の当業者にとって明らかであろう。
【0032】
また、シリンジバレル200は、中空のインナープランジャー100と類似して、破裂可能な膜216、シーリングプラグ214、外方に延在する環状の隆起部218、および、環状の溝220を含む。破裂可能な膜216は、チャンバー208内に第1の成分を収容するようにシリンジバレル200の末端を覆い、密封し、使用者が混合をもたらすように要望するまで第2の成分と分離しておく。シーリングプラグ214は、本体壁202の外部に配され、プラグは摺動せず、即ち、シリンジバレル(シリンジインシリンジミキシングシステムなどの場合)の内側に対しシールをもたらすけれど、それらが一緒に結合される場合、プラグの存在が、密封し、二つのシリンジ相互間にさもないと起こるかもしれない如何なる漏れを妨げることに役立つ。加えて、エラストマー物質(例えば、熱可塑性エラストマー物質)で作られるそのようなシーリングプラグは、他方のシリンジバレルの雄部がシーリングプラグ214に接触するとき(即ち、プラグ214が結合されたシリンジバレルの雄部に接触し把持することにより、結合用摩擦を増大し得る)、他方のシリンジバレルに対するシリンジバレル200の締り力、把持力、結合力を改善し得る。また、そのような一体のシーリングプラグおよび破裂可能な膜、特に、環状の隆起部218および環状の溝220の構成は、接着剤または他の粘着剤を要することなく、破裂可能な膜216をシリンジバレル200に対して取り付ける手段をもたらし、上述したように、汚染を防止するために役立つ。
【0033】
二液性組成物の混合をもたらすことが要望される場合、使用者が、第1の成分110aを押圧するように第1のプランジャー226をシリンジバレル200内に押圧する。最初に対向するプランジャー226aを押圧することも可能とされるが、これは、一方の成分を他方の成分に対しての噴出混合作用を小さくする場合があるので好ましくない。第1のプランジャー226は、第1のプランジャーが最初に押圧されることを示すマークラベル(mark label)(不図示)を含んでもよい。一旦、十分な力が加えられたならば、破裂可能な膜216は、破裂し、第1の成分110aが、加圧下でシリンジバレル200から第2の成分110bと混合するシリンジバレル228内に滲出される。
【0034】
示されるシリンジツウシリンジミキシングシステム224により、使用者がその2つの成分を一緒にさらに混合するようにプランジャー226および226aを容易く交互に押圧することが可能とされるけれど、そのような破裂力および第1の成分110aの第2の成分110bへの噴出は、多くの場合、更なる混合が必要とされないように均一な混合をもたらすのに十分である。そのようなシリンジツウシリンジミキシングシステムは、一つまたは双方の成分が付加的な混合が必要される場合のように特に高粘度である場合、特に、好ましいだろう。
【0035】
III. 例示の使用方法
図4Aは、例示のシリンジインシリンジミキシングシステム124を示す。二液性組成物の混合をもたらすことが要望される場合、使用者は、第1の成分110aを圧縮するように第1のプランジャー126を中空のインナープランジャー100内に押圧する。十分な力が加えられたならば、破裂可能な膜116は、破裂し、第1の成分110aが、加圧下で、中空のインナープランジャー100から第2の成分110bと混合するシリンジバレル128に滲出される。
【0036】
そのような破裂力および第1の成分110aの第2の成分110bへの噴出は、付加的な混合(例えば、振動による)が必要とされない、特に、双方の成分が低粘度の液体の場合のように均一な混合をもたらすのに十分である。液―液システムによる使用に好ましいけれど、第1の成分110aおよび第2の成分110bは、それぞれ、混合されるべき二液性の組成物の特性に従って、液体、または、一方が固体粉末であってもよい。
【0037】
シリンジインシリンジミキサーは、特に、2つの比較的低粘度の液体(例えば、約100センチポイズ未満、より好ましくは、約10センチポイズ未満、最も好ましくは、約3センチポイズ)を一緒に混合するために好適であり、そのシステムの能力のせいで如何なる付加的な労力なく(例えば、振動が必要としない)、混合をもたらすように一方の成分が他方の成分に対して強制的に吐出される。一つの考えられる比較的低粘度の液―液の二液性の組成物は、2005年10月28日出願の米国特許出願第11/261171号(発明の名称:SELF−ETHCHING DENTAL PRIMER COMPOSITIONS AND METHODS AND SYSTEMS UTILIZING SUCH COMPOSITIONS)に説明される二液性のセルフエッチングデンタルプライマーコンポジション(self etching dental primer composition)である。
【0038】
特に、低粘度の液体による使用に対して好適であるけれど、また、そのシステムは、より高粘度の液体(例えば、約1000センチポイズまで、それとも、約3500センチポイズまで)、または、固液粉末二液性の組成物により使用されてもよい。そのような二液性の組成物を混合するために使用される場合、膜の破裂および一方の成分の他方の成分への乱流噴出によりもたらされる以上のさらなる混合が、必要とされる場合がある。例えば、そのシステムは、そのような組成物を混合しキャップ130を取り外し、その組成物のシリンジツウシリンジミキシングを可能とするようにそのシステムを他のシリンジに結合する場合、役立ち得る。
【0039】
言い換えれば、破裂可能な膜116は、第1の成分の第2の成分への噴出を引き起こすように(例えば、その2つの成分を一緒に混合させるために乱流を十分に作るように)、十分な高圧下で、第2の成分110bと混合させるために第1の成分110aだけを通過させるように構成されている。キャップ130は、第1の成分110aがバレル128内に滲出されるとき、バレル128内の空気または他のガスが押し出し可能とされる逆止弁、または、他の排気口(不図示)を含み得る。その分野において知られるいずれの逆止弁も、バレル128に対し取り付けるように使用または変更可能とされる。
【0040】
そのシステムは、必要とされないけれど、好都合にも、膜116を破裂させるために必要とされる力が、円筒形の細長いステム132のロック機構136(即ち、拡大直径部138およびインターロックリブ140)を中空のインナープランジャー100に挿入し固定するために必要とされる力とほぼ等しいように構成され得る。そのような構成は、円滑な連続した移動をもたらし、そのシステムの使用中、第1のプランジャー126が中空のインナープランジャー100内に押圧されるとき、膜116を破裂させる感覚、および、第1のプランジャー126を中空のインナープランジャー100内に固定する感覚、単一の移動内のすべての感覚をもたらす。図4Bは、第1のプランジャー126が中空のインナープランジャー100内に完全に挿入された時点で、そのシステムを示す。この構成においては、第1のプランジャー126は、中空のインナープランジャー100に固定される。
【0041】
示されるような固定用の構成において、不可能ではないにしても、そのシステムを破壊することなく、第1のプランジャー126を中空のインナープランジャー100から引き出すことは困難である。拡大直径部138は、フランジ112の中央内に配され、複数のリブ140がフランジ112から末端方向にさらに中空のインナープランジャー100内に延在する。フランジ112が、フランジ112のすぐ末端側の中空のインナープランジャー100の部分に対し高められたバレル強度を有するので中空のインナープランジャーの内壁面102が、その接触される内壁102の一部に窪みを形成するようにリブ140により変形されるだろう。同時に、複数のリブ140により接触される部分に比してフランジ部112のバレル強度が高められているのでフランジ112の真下となる中空のインナープランジャー100の内壁面102が、仮にあったとしても、わずかだけ変形されるだろう。言い換えれば、複数のリブ140は、中空のインナープランジャー100の内面に対する連結を作り、その後の第1のプランジャー126の中空のインナープランジャー100からの引き出しを防止、即ち、少なくとも妨げる。
【0042】
図4Cは、使用者が混合された二液性の組成物110を小出しできるようにバレル128の末端に結合されたディスペンシングチップ142を有するシステム124を示す。示されるように、組成物110が、次の塗布(例えば、ブラシ用具による)のためのパッド上に小出しされ得る。代替的に、組成物110は、使用者の選択次第で、歯または他の表面に直接的に小出しされ得る。
【0043】
請求される本発明は、その精神または重要な特徴から逸脱することなく、他の具体的な方式で具体化されてもよいことは分かるであろう。その説明された複数の実施例は、例示にすぎず、限定されることなく、全ての点で考慮されるべきである。従って、本発明の範囲は、上述の説明によるものではなく、添付の請求の範囲により表明される。請求の範囲と均等の範囲および意義内にあるすべての変更は、それらの範囲内に包含される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二液性の歯科用組成物を混合するためのシリンジミキシングシステム内で使用するための中空のインナープランジャーにおいて、
基端および末端を有し、第1の成分を収容する内部チャンバーを画定する連続した円筒形の壁を含む本体と、
前記本体における末端に配されるシーリングプラグおよび破裂可能な膜と、を含み、
前記シーリングプラグおよび前記破裂可能な膜は、一体成形で共に一体に形成される中空のインナープランジャー。
【請求項2】
前記内部チャンバーは、前記本体の基端における前記内部チャンバーの直径未満の直径を該本体の末端に有する請求項1記載の中空のインナープランジャー。
【請求項3】
前記内部チャンバーは、前記基端における該チャンバーの直径の約75%以下の直径を該本体の末端に有する請求項1記載の中空のインナープランジャー。
【請求項4】
前記内部チャンバーは、前記基端における該チャンバーの直径の約50%以下の直径を該本体の末端に有する請求項1記載の中空のインナープランジャー。
【請求項5】
前記内部チャンバーは、前記基端における該チャンバーの直径の約35%以下の直径を該本体の末端に有する請求項1記載の中空のインナープランジャー。
【請求項6】
前記破裂可能な膜およびシーリングプラグは、エラストマー物質からなる請求項1記載の中空のインナープランジャー。
【請求項7】
前記破裂可能な膜およびシーリングプラグは、熱可塑性エラストマーまたは熱硬化性エラストマーからなる請求項1記載の中空のインナープランジャー。
【請求項8】
前記破裂可能な膜は、約0.0005インチから約0.04インチまでの厚さを有する請求項1記載の中空のインナープランジャー。
【請求項9】
前記破裂可能な膜は、約0.002インチから約0.025インチまでの厚さを有する請求項1記載の中空のインナープランジャー。
【請求項10】
前記破裂可能な膜は、約0.005インチから約0.015インチまでの厚さを有する請求項1記載の中空のインナープランジャー。
【請求項11】
前記本体の基端に配されるフランジをさらに含む請求項1記載の中空のインナープランジャー。
【請求項12】
前記本体は、さらに、該本体の末端近傍に配され外方に延在する環状の隆起部を含み、前記シーリングプラグは、前記シーリングプラグおよび破裂可能な膜を前記中空のインナープランジャーの本体に対し取り付けるように前記環状の隆起部に嵌って係合するように構成される対応する環状の溝をさらに含む請求項1記載の中空のインナープランジャー。
【請求項13】
前記中空のインナープランジャーは、シリンジバレルを含み、さらに、前記本体の末端に配され、シリンジツウシリンジミキシングに備えるために該シリンジバレルを他のシリンジバレルに結合するための結合手段を含む請求項1記載の中空のインナープランジャー。
【請求項14】
二液性の歯科用組成物の混合において使用するためのシリンジインシリンジミキシングシステムにおいて、
第1のプランジャーと、
気密係合状態で前記第1のプランジャーを摺動可能に受け入れるように構成される中空のインナープランジャーであって、基端および末端を有し第1の成分を収容するための内部チャンバーを画定する連続した円筒形の壁を含む本体と、該本体の末端に配され、一体成形で共に一体に形成されるシーリングプラグおよび破裂可能な膜と、を含む中空のインナープランジャーと、
第2の成分を収容するように構成され、気密係合状態で前記中空のインナープランジャーを摺動可能に受け入れるように構成されるシリンジバレルと、
を含むシリンジインシリンジミキシングシステム。
【請求項15】
さらに、前記中空のインナープランジャー内に完全に挿入されたならば、該中空のインナープランジャーから前記第1のプランジャーが取り外されることを防止、即ち、少なくとも妨げるためのロック機構を含む請求項14記載のシリンジインシリンジミキシングシステム。
【請求項16】
前記ロック機構は、前記第1のプランジャーの基端近傍に形成される複数のインターロックリブを含み、該複数のインターロックリブは、該複数のインターロックリブが前記中空のインナープランジャー内に挿入されたならば、前記第1のプランジャーが取り外されることを防止、即ち、少なくとも妨げるように該中空のインナープランジャー内に挿入されるように構成される請求項15記載のシリンジインシリンジミキシングシステム。
【請求項17】
前記ロック機構は、前記第1のプランジャーの基端近傍に形成される環状のインターロックリングを含み、該環状のインターロックリングは、該環状のインターロックリングが前記中空のインナープランジャー内に挿入されたならば、前記第1のプランジャーが取り外されることを防止、即ち、少なくとも妨げるように該中空のインナープランジャー内に挿入されるように構成される請求項15記載のシリンジインシリンジミキシングシステム。
【請求項18】
二液性の歯科用組成物の混合において使用するためのシリンジインシリンジミキシングシステムにおいて、
第1のプランジャーと、
気密係合状態で前記第1のプランジャーを摺動可能に受け入れるように構成される中空のインナープランジャーであって、基端および末端を有し第1の成分を収容するための内部チャンバーを画定する連続した円筒形の壁を含む本体と、該本体の末端に配され、一体成形で共に一体に形成されるシーリングプラグおよび約0.0005インチから約0.04インチまでの間の厚みを有する破裂可能な膜と、を含み、前記内部チャンバーは、該チャンバーの最大直径の約75%以下である直径を前記本体の末端において有する中空のインナープランジャーと、
第2の成分を収容するように構成され、気密係合状態で前記中空のインナープランジャーを摺動可能に受け入れるように構成されるシリンジバレルと、
を含むシリンジインシリンジミキシングシステム。
【請求項19】
前記破裂可能な膜は、約0.005インチから約0.010インチまでの厚さを有する請求項18記載のシリンジインシリンジミキシングシステム。
【請求項20】
前記内部チャンバーは、該チャンバーの最大直径の約1/3以下である直径を該本体の末端に有する請求項18記載のシリンジインシリンジミキシングシステム。
【請求項21】
中空のインナープランジャーの製造方法において、
基端および末端を有し、第1の成分を収容するための内部チャンバーを画定する連続した円筒形の壁を含む本体を設け、
一体成形で共に一体に形成されるシーリングプラグおよび破裂可能な膜を設け、
前記本体の末端上に、前記一体に形成されたシーリングプラグおよび破裂可能な膜を配置することを含む製造方法。
【請求項22】
さらに、前記本体の末端上に、前記一体に形成されたシーリングプラグおよび破裂可能な膜を配置する以前に、第1の成分を前記中空のインナーチャンバーの内部チャンバー内に導入することを含む請求項20記載の製造方法。
【請求項23】
シリンジインシリンジミキシングシステムの製造方法において、
第1のプランジャーが気密係合状態で中空のインナープランジャー内に摺動可能に受け入れられるように該第1のプランジャーを該中空のインナープランジャー内に挿入し、
第1の成分を前記中空のインナープランジャーの内部チャンバー内に導入し、
一体に形成されるシーリングプラグおよび破裂可能な膜を前記中空のインナープランジャーの末端上に配置し、
前記中空のインナープランジャーが気密係合状態で前記シリンジバレル内に摺動可能に受け入れられるように前記中空のインナープランジャーをシリンジバレル内に挿入し、
第2の成分を前記シリンジバレルの内部チャンバーに導入し、
前記シリンジバレルの末端をキャップまたはプラグにより密封することを含む製造方法。
【請求項24】
二液性の歯科用組成物を混合するシリンジツウシリンジシステム内で使用するためのシリンジバレルにおいて、
基端および末端を有し、第1の成分を収容する内部チャンバーを画定する連続した円筒形の壁を含む本体と、
一体成形で共に一体に形成され、前記本体の末端に配されるシーリングプラグおよび破裂可能な膜と、
前記本体の末端に配され、シリンジツウシリンジミキシングに備えるために前記シリンジバレルを他のシリンジバレルに結合する結合手段と、
を含むシリンジバレル。
【請求項1】
二液性の歯科用組成物を混合するためのシリンジミキシングシステム内で使用するための中空のインナープランジャーにおいて、
基端および末端を有し、第1の成分を収容する内部チャンバーを画定する連続した円筒形の壁を含む本体と、
前記本体における末端に配されるシーリングプラグおよび破裂可能な膜と、を含み、
前記シーリングプラグおよび前記破裂可能な膜は、一体成形で共に一体に形成される中空のインナープランジャー。
【請求項2】
前記内部チャンバーは、前記本体の基端における前記内部チャンバーの直径未満の直径を該本体の末端に有する請求項1記載の中空のインナープランジャー。
【請求項3】
前記内部チャンバーは、前記基端における該チャンバーの直径の約75%以下の直径を該本体の末端に有する請求項1記載の中空のインナープランジャー。
【請求項4】
前記内部チャンバーは、前記基端における該チャンバーの直径の約50%以下の直径を該本体の末端に有する請求項1記載の中空のインナープランジャー。
【請求項5】
前記内部チャンバーは、前記基端における該チャンバーの直径の約35%以下の直径を該本体の末端に有する請求項1記載の中空のインナープランジャー。
【請求項6】
前記破裂可能な膜およびシーリングプラグは、エラストマー物質からなる請求項1記載の中空のインナープランジャー。
【請求項7】
前記破裂可能な膜およびシーリングプラグは、熱可塑性エラストマーまたは熱硬化性エラストマーからなる請求項1記載の中空のインナープランジャー。
【請求項8】
前記破裂可能な膜は、約0.0005インチから約0.04インチまでの厚さを有する請求項1記載の中空のインナープランジャー。
【請求項9】
前記破裂可能な膜は、約0.002インチから約0.025インチまでの厚さを有する請求項1記載の中空のインナープランジャー。
【請求項10】
前記破裂可能な膜は、約0.005インチから約0.015インチまでの厚さを有する請求項1記載の中空のインナープランジャー。
【請求項11】
前記本体の基端に配されるフランジをさらに含む請求項1記載の中空のインナープランジャー。
【請求項12】
前記本体は、さらに、該本体の末端近傍に配され外方に延在する環状の隆起部を含み、前記シーリングプラグは、前記シーリングプラグおよび破裂可能な膜を前記中空のインナープランジャーの本体に対し取り付けるように前記環状の隆起部に嵌って係合するように構成される対応する環状の溝をさらに含む請求項1記載の中空のインナープランジャー。
【請求項13】
前記中空のインナープランジャーは、シリンジバレルを含み、さらに、前記本体の末端に配され、シリンジツウシリンジミキシングに備えるために該シリンジバレルを他のシリンジバレルに結合するための結合手段を含む請求項1記載の中空のインナープランジャー。
【請求項14】
二液性の歯科用組成物の混合において使用するためのシリンジインシリンジミキシングシステムにおいて、
第1のプランジャーと、
気密係合状態で前記第1のプランジャーを摺動可能に受け入れるように構成される中空のインナープランジャーであって、基端および末端を有し第1の成分を収容するための内部チャンバーを画定する連続した円筒形の壁を含む本体と、該本体の末端に配され、一体成形で共に一体に形成されるシーリングプラグおよび破裂可能な膜と、を含む中空のインナープランジャーと、
第2の成分を収容するように構成され、気密係合状態で前記中空のインナープランジャーを摺動可能に受け入れるように構成されるシリンジバレルと、
を含むシリンジインシリンジミキシングシステム。
【請求項15】
さらに、前記中空のインナープランジャー内に完全に挿入されたならば、該中空のインナープランジャーから前記第1のプランジャーが取り外されることを防止、即ち、少なくとも妨げるためのロック機構を含む請求項14記載のシリンジインシリンジミキシングシステム。
【請求項16】
前記ロック機構は、前記第1のプランジャーの基端近傍に形成される複数のインターロックリブを含み、該複数のインターロックリブは、該複数のインターロックリブが前記中空のインナープランジャー内に挿入されたならば、前記第1のプランジャーが取り外されることを防止、即ち、少なくとも妨げるように該中空のインナープランジャー内に挿入されるように構成される請求項15記載のシリンジインシリンジミキシングシステム。
【請求項17】
前記ロック機構は、前記第1のプランジャーの基端近傍に形成される環状のインターロックリングを含み、該環状のインターロックリングは、該環状のインターロックリングが前記中空のインナープランジャー内に挿入されたならば、前記第1のプランジャーが取り外されることを防止、即ち、少なくとも妨げるように該中空のインナープランジャー内に挿入されるように構成される請求項15記載のシリンジインシリンジミキシングシステム。
【請求項18】
二液性の歯科用組成物の混合において使用するためのシリンジインシリンジミキシングシステムにおいて、
第1のプランジャーと、
気密係合状態で前記第1のプランジャーを摺動可能に受け入れるように構成される中空のインナープランジャーであって、基端および末端を有し第1の成分を収容するための内部チャンバーを画定する連続した円筒形の壁を含む本体と、該本体の末端に配され、一体成形で共に一体に形成されるシーリングプラグおよび約0.0005インチから約0.04インチまでの間の厚みを有する破裂可能な膜と、を含み、前記内部チャンバーは、該チャンバーの最大直径の約75%以下である直径を前記本体の末端において有する中空のインナープランジャーと、
第2の成分を収容するように構成され、気密係合状態で前記中空のインナープランジャーを摺動可能に受け入れるように構成されるシリンジバレルと、
を含むシリンジインシリンジミキシングシステム。
【請求項19】
前記破裂可能な膜は、約0.005インチから約0.010インチまでの厚さを有する請求項18記載のシリンジインシリンジミキシングシステム。
【請求項20】
前記内部チャンバーは、該チャンバーの最大直径の約1/3以下である直径を該本体の末端に有する請求項18記載のシリンジインシリンジミキシングシステム。
【請求項21】
中空のインナープランジャーの製造方法において、
基端および末端を有し、第1の成分を収容するための内部チャンバーを画定する連続した円筒形の壁を含む本体を設け、
一体成形で共に一体に形成されるシーリングプラグおよび破裂可能な膜を設け、
前記本体の末端上に、前記一体に形成されたシーリングプラグおよび破裂可能な膜を配置することを含む製造方法。
【請求項22】
さらに、前記本体の末端上に、前記一体に形成されたシーリングプラグおよび破裂可能な膜を配置する以前に、第1の成分を前記中空のインナーチャンバーの内部チャンバー内に導入することを含む請求項20記載の製造方法。
【請求項23】
シリンジインシリンジミキシングシステムの製造方法において、
第1のプランジャーが気密係合状態で中空のインナープランジャー内に摺動可能に受け入れられるように該第1のプランジャーを該中空のインナープランジャー内に挿入し、
第1の成分を前記中空のインナープランジャーの内部チャンバー内に導入し、
一体に形成されるシーリングプラグおよび破裂可能な膜を前記中空のインナープランジャーの末端上に配置し、
前記中空のインナープランジャーが気密係合状態で前記シリンジバレル内に摺動可能に受け入れられるように前記中空のインナープランジャーをシリンジバレル内に挿入し、
第2の成分を前記シリンジバレルの内部チャンバーに導入し、
前記シリンジバレルの末端をキャップまたはプラグにより密封することを含む製造方法。
【請求項24】
二液性の歯科用組成物を混合するシリンジツウシリンジシステム内で使用するためのシリンジバレルにおいて、
基端および末端を有し、第1の成分を収容する内部チャンバーを画定する連続した円筒形の壁を含む本体と、
一体成形で共に一体に形成され、前記本体の末端に配されるシーリングプラグおよび破裂可能な膜と、
前記本体の末端に配され、シリンジツウシリンジミキシングに備えるために前記シリンジバレルを他のシリンジバレルに結合する結合手段と、
を含むシリンジバレル。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図1B】
【図1C】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【公表番号】特表2010−517671(P2010−517671A)
【公表日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−549066(P2009−549066)
【出願日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際出願番号】PCT/US2007/067556
【国際公開番号】WO2008/100321
【国際公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【出願人】(399128493)ウルトラデント プロダクツ インコーポレイテッド (30)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際出願番号】PCT/US2007/067556
【国際公開番号】WO2008/100321
【国際公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【出願人】(399128493)ウルトラデント プロダクツ インコーポレイテッド (30)
【Fターム(参考)】
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