説明

一体化されたセンサ型ヘッドセット

生理的データの測定のために人間の頭部に配置され得るハウジング内にセンサを一体化する装置が述べられる。装置は、ハウジングに接続された少なくとも1つのセンサ及び基準電極を含む。プロセッサは、センサ及び基準電極に結合され、ユーザの組織内の電気活動を表す信号を受信する。プロセッサは、信号の第1と第2の周波数帯域のそれぞれのエネルギーレベル間の差のデータを含む出力信号を生成する。エネルギーレベル間の差は、ユーザの解放レベル現在の情動状態に比例する。装置は、出力信号を遠隔装置に送信する無線送信機を含む。したがって、装置は、生理的データを処理して、人の精神的で情動的な状態(応答)に相当する出力信号を生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2007年3月2日に出願された米国(US)特許出願第11/681,265号の一部継続出願である。
【0002】
本出願は、2007年5月17日に出願されたUS特許出願第11/804,517号の一部継続出願である。
本出願は、2007年9月7日に出願されたUS特許出願第60/970,898号の利益を主張する。
【0003】
本出願は、2007年9月7日に出願されたUS特許出願第60/970,900号の利益を主張する。
本出願は、2007年9月7日に出願されたUS特許出願第60/970,905号の利益を主張する。
【0004】
本出願は、2007年9月7日に出願されたUS特許出願第60/970,908号の利益を主張する。
本出願は、2007年9月7日に出願されたUS特許出願第60/970,913号の利益を主張する。
【0005】
本明細書の開示は、一般にセンサに関する。特に、本開示は、センサ型ヘッドセットを装着するユーザの生理的データを採取するセンサ型ヘッドセットに関する。
【背景技術】
【0006】
組織内の電気活動を検知するために使用される装置は、現代社会において多くの用途を有する。特に、最新の脳波図(electroencephalogram)(EEG)は、用途の中でもとりわけ、麻酔監視、注意欠陥傷害処置、てんかん予測、及び睡眠監視のために、人々の脳内の電気活動を測定するのに使用される。残念ながら、従来技術のEEGの複雑さ及びコストは、典型的には、その使用を、診療所や、訓練された医療従事者の専門家の注意の下で装置が多数の人々に対して使用される他の施設に制限する。臨床の場において多数の人々に対してEEGを使用することは、機械のコストを、機械を使用する人々に分配するのに役立つ。EEGは数千ドルかかる可能性がある。
【0007】
関係する複雑さのために、訓練された要員が、EEGをセットアップし動作させるために使用される。従来のEEGをセットアップすることは、電極の接続のために皮膚を処理することを含む。皮膚は、典型的には、電極を皮膚に取り付ける前に、領域から毛を剃り、外側表面を除去するために皮膚を剥削し、皮膚に導電性ゲル又は液体を塗ることによって処理される。従来のEEGが適切に働くために、電極と皮膚との間の接触抵抗が減少しなければならないため、こうした広範囲にわたる皮膚の下処理が必要とされる。これらの従来のEEGの接触抵抗は典型的には20kオーム以下であることが必要である。
【0008】
代表的な従来のEEGは、人を取り巻く環境からの電気及び磁気ノイズによって生じるエラーを受け易い。エラーはまた、EEGの内部コンポーネントのわずかな変動及びEEGの動作中における人の動きなどの他の発生源によって生じる。環境ノイズは、EEGが使用される領域における電気配線及び光源の60Hz電力及び他の発生源によって生じる可能性がある。空気を通して動く任意の物体の摩擦さえも、静電気によるノイズを生じ得る。ほとんど又は全ての従来のEEGは、人の頭部に接続される2つの電極及び電極のそれぞれからEEG機械まで延びるワイヤを有する。ワイヤのルーティング及び環境内のノイズ生成要素の位置が、EEGによって行われる測定の著しいエラーをもたらす可能性がある。
【0009】
脳内の電気活動を測定することは難しい。測定される電気信号はシステム内のノイズより数倍小さいからである。多くの場合、ノイズは数ボルト又は数十ボルト程度であり、一方、測定される電気信号はマイクロボルト範囲内であるに過ぎない。これは、10−6の信号対雑音比を与える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従来のEEGは、電気信号を測定するために、計装増幅器などの非常に精密な差動増幅器を使用してきた。増幅器は、ユーザの脚などの共通基準を参照する。人の頭部上の2つの電極からの2つのワイヤのそれぞれは、差動増幅器の入力に接続される。差動増幅器の出力は、基準に対する電圧であり、2つの電極間の電圧差に定数を乗じた値に比例する。この場合の測定高感度である。これは、差動増幅器が、10―6倍程度である2つの信号間の小さな差すなわち脳波信号を見出すためである。これらが、コンポーネントのわずかの変動、ワイヤのルーティング、及び他の因子が測定において著しいエラーを生じ、また、従来のEEGが費用がかり且つ使用するのが難しい理由である。
【0011】
従来のEEGに関する別の問題は、60Hzノイズが初段で増幅され、それにより、信号が減算される前に信号を飽和させることである。従来のEEGでは、設計者は、飽和を回避するためにノイズを均衡させるか又はシールドするシステムを設計するために種々の努力をする。小さな数を測定するときに2つの大きな数を減算する原理を使用するシステムは、これらの種類の問題を受け易い。
(参照による援用)
本明細書で述べるそれぞれの特許、特許出願、及び/又は出版物は、それぞれの個々の特許、特許出願、及び/又は、出版物が参照により援用されることを特別に且つ個別に指示されるかのように、参照によりその全体が本明細書に援用される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】ユーザの現在の情動状態を確定するために電気活動を測定するセンサ装置を使用するシステムの図である。
【図2】ユーザの現在の情動状態のレベルの表示及びユーザの現在の情動状態に関してユーザを誘導するときに使用されるメディア素材に対するコントロールを有するプログラムの図である。
【図3】ユーザの現在の情動状態に基づいてメディア素材がユーザを誘導する一例のダイアグラムである。
【図4】ユーザの現在の情動状態に基づいてメディア素材がユーザを誘導する別の例のダイアグラムである。
【図5】ユーザの現在の情動状態に基づいてメディア素材がユーザを誘導するなお別の例のダイアグラムである。
【図6】図1に示すセンサ装置の斜視図である。
【図7】図1に示すセンサ装置及びコンピュータのブロック図である。
【図8】図7に示すセンサ装置で使用される増幅器の回路図である。
【図9】図7に示すセンサ装置で使用されるフィルタ段の回路図である。
【図10】図7に示すセンサ装置で使用される抵抗−コンデンサRCフィルタの回路図である。
【図11】図8、図9及び図10に示す、増幅器、3つのフィルタ段、及びRCフィルタの回路図である。
【図12】図7に示すセンサ装置のデジタルプロセッサのブロック図である。
【図13a】或る実施の形態の下での、センサ型ヘッドセットのあるかの図のうちの1つの図である。
【図13b】或る実施の形態の下での、センサ型ヘッドセットの幾つかの図のうちの1つの図である。
【図13c】或る実施の形態の下での、センサ型ヘッドセットの幾つかの図のうちの1つの図である。
【図14】或る実施の形態の下での、センサ型ヘッドセットを使用して生理的データを測定するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
人の生理的信号(データ)は、心拍数、脳波、脳波図(EEG)信号、まばたき回数、呼吸、動き、筋肉の動き、皮膚電気反応、皮膚温度、及び人の任意の他の生理的応答を含むが、それに限定されない。生理的信号を採取する医療装置は、何十年もの間存在し、新しい技術の開発によって徐々に一層正確になってきた。非制限的な例として、頭部センサは、個人(試験対象者(test subject)又は試験者(tester))の頭部の周りに配置された多数の電極を使用して、人の脳から電気信号を収集する。得られるデータは、脳活動レベルの監視及び睡眠障害の検出を含む多くの異なる用途のために、収集され解釈され得る。別の非制限的な例の場合、非侵襲的心拍数センサは、患者を追跡するために、病院における診断又は監視ツールとして頻繁に使用される。患者の健康にとって心拍数が最も重要な成分のうちの1つであるため、これらの心拍数センサは、非常に重要である。多くの他の医療等級の生理的センサもまた医療分野で使用されている。
【0014】
現在使用されている多くの従来型生理的センサは、ほとんど排他的に、医療研究及び診断を目的としており、複雑でかさばり、費用がかかり、使い難い。これらのセンサは、考えられる最高の精度及びデータ完全性のために設計される。結果として、これらのセンサは、いずれのタイプの通常の人間の活動をも制限する特別な環境で、訓練された専門家によって作動される必要がある。その結果、これらのセンサはコストが高くて複雑なので、医療分野以外でセンサを使用することは実用的でない。非制限的な例の場合、EEGキャップは、人の頭部全体を覆う必要があり、また、データ収集機に接続される長いトレイルのワイヤを有する。このタイプのEEGは、良好で高品質の接触(及び良好な導電性)を保証するために、皮膚を剥削し、導電性ゲルを塗布することによって、それぞれの皮膚接触点を処理することを必要とする。こうした処理プロセスは、皮膚を剥削する必要があるため、時間がかかると共に苦痛を与える。その結果、こうした装置は、人と共に容易に動き回ることができないため極めて拘束的あり、また、自分の頭部に大きなキャップを取り付けられているため人が普通に振舞うことを不可能にする。別の非制限的な例の場合、非侵襲的心拍数センサは、通常、人の手又は足に取り付けられ、ワイヤによって記録用機械に接続される。このタイプの機構を人の手や足に取り付けると、人は装置が自分の手や指から垂れ下がることを十分に認識しているため、普通に振舞えなくなる。
【0015】
人間の身体からの生理的信号は、医療適用を超える多くの用途を有する豊富な情報を含み、本明細書で述べる一体化したセンサ型ヘッドセットはこれらの用途をサポートする。広告者、メディア制作者、教育者、及び他の関連する団体は、簡単な調査よりも、彼等の目標とする人、顧客、クライアント、及び生徒からの一層多くのフィードバックを得ることを長い間望んできた。任意の問い掛けに応答する前に人が考えなければならず、また、種々の観念、思考、又は経験が、調査に対する意見及び応答に影響を及ぼし得るので、調査は損なわれる可能性がある。データを収集するために生理的センサを使用することは、人の中に構築される層又はフィルタの下の世界に入ることを可能にし、それにより、人に提示される刺激がどんなものであれ、それに対する人からの真の反応についての一層良好な理解が得られる。興味のある団体に対してこのタイプのデータ及び試験を利用可能にすることは、おそらく、非常に大きな商業的な且つ社会的な良い影響を及ぼす。先に説明したように、このタイプの情報を収集するために医療等級(medical grade)センサを使用することについての複雑さ及び高コストは、医療等級センサの使用を長期で難しいプロセスにする。
【0016】
以下の説明では、多数の特定の詳細を導入して、本明細書で一体化されたヘッドセット又は一体化されたセンサ型ヘッドセットとも呼ばれるセンサ装置の実施の形態の完全な理解、及び、センサ装置の実施の形態についての説明を強化する説明を提供する。しかし、当業者は、これらの実施の形態が、1つ又は複数の特定の詳細なしに、或いは、他のコンポーネント、システムなどと共に実施され得ることを認識するであろう。他の場合には、開示される実施の形態の態様を曖昧にすることを回避するために、周知の構造又は作動を示さず、又は、詳細に述べないことにする。
【0017】
生理的データの測定のために人間の頭部上に配置され得るハウジング内にセンサを一体化する装置が記述される。装置は、ハウジングに接続された少なくとも1つのセンサ及び基準電極を含む。プロセッサは、センサ及び基準電極に結合され、ユーザの組織内の電気活動を表す信号を受信する。プロセッサは、信号の第1と第2の周波数帯域のそれぞれのエネルギーレベル間の差のデータを含む出力信号を生成する。エネルギーレベル間の差は、ユーザの解放レベルでの現在の情動状態に比例する。装置は、出力信号を遠隔装置に送信する無線送信機を含む。したがって、装置は、生理的データを処理して、人の精神的で情動的な状態(応答)に相当する出力信号を生成する。
【0018】
本説明を組み込むシステム30は図1に示される。例示的なシステム30は、ユーザの前頭前野葉内の電気活動からの所定の信号を検知し分離するためにユーザ34に接続されるセンサ装置32を含む。所定の信号は、電気活動の測定可能な特性を有し、又は、ユーザ34の現在の情動状態(present time emotional state)(PTES)に関連する。PTESは、所与の時間のユーザの情動状態に関連する。たとえば、ユーザに情動的苦悩をもたらす何かをユーザが考えている場合、PTESは、ユーザの情動の鎮静作用をもたらす何かをユーザが考えているときとは異なる。別の例では、思考に関して制限的情動をユーザが感じるとき、PTESは、こうした思考に関して解放状態をユーザが感じるときとは異なる。所定の信号とPTESとの間に関係があるので、システム30は、電気活動を測定し、ユーザの脳内の他の電気活動から所定の信号を分離することによって、ユーザ34によって経験されるPTESのレベルを決定することができる。
【0019】
本例では、センサ装置32は、第1の位置に配置されたセンサ電極36及び第2の位置に配置された基準電極38を含む。第1の位置及び第2の位置は、互いに極めて接近したままでありながら、離間した関係で設置される。位置は好ましくは互いから20.32cm(8インチ)以内にあり、一例では、位置は約10.16cm(4インチ)離れる。本例では、センサ電極36はユーザの前頭部の皮膚上に配置され、基準電極38はユーザの耳に接続される。基準電極はまた、ユーザの前頭部に取り付けられることができ、ユーザの耳の上にセンサ電極を配置することを含む。
【0020】
センサ電極36及び基準電極38は、センサ装置32の電子回路モジュール40に接続され、電子回路モジュール40は、基準電極38の近くに配置されるため、両者は、実質的に同じノイズ環境内に位置する。電子回路モジュール40は、ユーザのこめかみに又はこめかみの上に、或いは、電子回路モジュール40が基準電極38に非常に接近する他の場所に位置してもよい。本例では、ヘッドバンド42又は他の取り付け装置は、センサ電極36及び電子回路モジュール40を、こめかみの近くの所定の場所に保持し、一方、クリップ44は、基準電極38をユーザの耳に保持する。一例では、電子回路モジュール及び基準電極は、両者が容量的に結合するように互いに対して配置される。
【0021】
センサ電極36は、ユーザの前頭前野葉内の電気活動を検知し、電子回路モジュール40は、存在しセンサ電極によって検出される他の電気活動から所定の信号を分離する。電子回路モジュール40は、無線リンク50を通じて無線受信機48に所定の信号を送信する無線送信機46(図6)を備えている。無線受信機48(図1)は、電子回路モジュール40から所定の信号を受信し、ポートコネクタ53によって、コンピュータ54又はプロセッサを有する他の装置のポート52に接続して、無線受信機48からコンピュータ54へ所定の信号を転送する。電子回路モジュール40はLED55(図6)を備え、無線受信機48はLED57を備え、これらのLEDは無線送信機及び無線受信機が電力供給されると点灯する。
【0022】
本例では、所定の信号から導出されるPTESのレベルは、コンピュータ54のコンピュータスクリーン58上の計器56(図1及び図2)に表示される。この例では、コンピュータ54及び計器56を表示するスクリーン58は、インジケータの役をする。計器56の詳細のレベルは、ユーザに適するように調整され得る。計器56を観察することは、ユーザ34が、客観的であるように任意の特定の時間にPTESのレベルを決定することを可能にする。計器56から得られる客観的フィードバックは、そのPTESを改善し、ユーザが或る刺激にさらされるときに、ユーザ34の心に生まれる特定の記憶又は思考に関連するPTESのレベルを決定するようにユーザを誘導するために使用される。計器56は、数字付きバー62を垂直方向に上下に移動させてユーザのPTESのレベルを指示するインジケータ60を含む。計器56はまた、一定期間にわたって、又は、メディア素材66からの刺激にユーザ34がさらされるセッション中に達成されるPTESの最小レベルを示す最小レベルインジケータ64を含む。計器56はまた、セッション中の、ユーザの解放の最大、最小及び平均のレベルを含み得る。PTESのレベルはまた、可聴的にユーザに伝達されてもよく、この例では、コンピュータ及びスピーカはインジケータの役をする。また、レベルを用紙上に印刷することによりレベルはユーザに示され得る。
【0023】
別の例では、同じメディア素材に対する反応に関連する異なる解放レベルが、メモリ装置上に所定期間にわたって格納され得る。これらの異なる解放レベルは、次々に表示されて、メディア素材に関係する否定的な情動を解放するときの進行状況をユーザに知らせ得る。
【0024】
システム30では、メディア素材66は、ユーザ内の高いレベルのPTESに関連する特定の思考又は情動をユーザ34に生ませるように設計された刺激にユーザ34をさらすのに使用される。本例では、メディア素材66は、コンピュータ54を通してスピーカ68上で再生される音声素材を含む。メディア素材66及び計器56は、コンピュータ54上で実行され、コンピュータスクリーン58上で表示されるコンピュータプログラム70内に一体化される。メディア素材66は、この例では、オンスクリーンボタン72を使用して制御される。コンピュータプログラム70はまた、プログラム機能の操作用の他のメニューボタン74及び無線リンク50の接続強度を示すインジケータ76を有する。プログラム70は典型的にはコンピュータ54のメモリに格納され、この又は別のメモリ装置は、自己報告日誌及び自己観察進行状況を格納するデータベースを含み得る。
【0025】
一部の例では、プログラム70は、ユーザ34からの応答又は他の入力を必要とすることがある。これらのまた他の状況では、ユーザ34は、キーボード78、マウス80、及び/又は、マイクロフォン82などの任意の1つ又は複数の適した周辺装置又は入力装置を使用して、プログラム70と対話してもよい。たとえば、マウス80は、メディア素材66を制御するために、ボタン72の1つを選択するのに使用され得る。
【0026】
メディア素材66は、自己問い掛け又は支援型問い掛けのために、ユーザ34がコンピュータ54と対話することを可能にする。メディア素材66は、音声、視覚、音声と視覚であることができ、及び/又は、書かれた素材ファイル又はコンピュータ54上で再生され或いはコンピュータ54によって提示される他のタイプのファイルを含み得る。メディア素材66は、「解放技法」などのような1つ又は複数のプロセスに基づき得る。一部の例では、一般的なトピックは、予め記述された課題の形態で提示される音声ビデオファイルの形態で提供され得る。これらの課題は、金、勝利、関係などのほとんどの個人にとっての代表的な重要な生活問題又は目的、及び、多くの他の一般的なトピックであり、これらのトピックに関して自由状態(freedon state)をユーザが達成することを可能にする、多くの他の一般的なトピックを含み得る。目的に関する自由状態は、非常に低い(或るプリセットされた閾値より低い)レベルのPTESが、目的に関してユーザによって達成されるときに表示され得る。解放技法は、或る事例における例として使用され、他のプロセスも本明細書で述べる技術的手法と共に使用されることができる。
【0027】
一例では、「解放技法」を含むメディア素材66は、ユーザの神経系の乱れをもたらす、制限的情動又は情動的な経験タイプのPTESをユーザ34が生むようにさせる。プロセスは、その後、ユーザが乱れの原因の認識に集中しながら、神経系を正規化し又は情動を解放するようにユーザ34を誘導する。この例におけるPTESのレベル又は解放レベルがプリセットされた閾値より低いとき、プロセスは終了する。
【0028】
解放レベルに関連する所定の信号は、4〜12Hzの範囲のユーザの脳の前頭前野葉における脳波又は電気活動である。電気活動のこれらの特徴的な周波数は、アルファ波(Alpha)及びシータ波(Theta)帯域にある。アルファ波帯域活動は8〜12Hzの範囲にあり、シータ波帯域活動は4〜7Hzの範囲にある。アルファ波帯域とシータ波帯域との振幅間の線形関係は解放レベルの指標である。ユーザ34が非解放状態にあるとき、活動は主にシータ波帯域内にあり、アルファ波帯域は減少し、ユーザ34が解放状態にあるとき、活動は主にアルファ波帯域内にあり、シータ波帯域内のエネルギーは減少する。
【0029】
ユーザ34が情動を解放すると、乱れが心から徐々に解放されるにつれて、潜在意識に残る思考の全体が脳内で低下する。潜在意識内の多数の思考は、神経系の乱れである不幸又は憂鬱の感情として知られるものをもたらす。潜在意識内の少数の思考は、神経系における正規化又は乱れの存在しないことをもたらす、幸福又は喜びに満ちた感情として知られるものをもたらす。
【0030】
1つ又は複数の自己問い掛け又は支援型問い掛けのプロセスを利用する例示的な方法84が図3に示される。方法84は開始86で始まり、開始86からステップ88に移る。ステップ88にて、プログラム70は、メディア素材66内の刺激を使用して、制限的情動などのPTESにおける情動的乱れをもたらす思考又は対象を生むように、ユーザ34を誘導する。本例では、メディア素材66は、スピーカ68を通してユーザ34に向けられる質問又は陳述を含む。この例及び他の例では、コンピュータは、ユーザによってメディア素材66に入力された目的又は問題に関する陳述を挿入し得る。たとえば、ユーザ34は、キーボード78を使用して目的陳述を入力してもよく、コンピュータは、目的陳述をメディア素材に挿入する声を生成してもよい。別の例では、ユーザは、マイクロフォン82を使用して目的陳述を入力してもよく、コンピュータは、目的陳述をメディア素材に挿入してもよい。
【0031】
次いで、方法84はステップ90に進み、プログラム70は、メディア素材66を使用して、依然として、制限的情動をもたらす思考又は対象に集中しながら、制限的情動を解放するようにユーザ34を誘導する。プログラムはステップ90からステップ92に進み、ユーザ34が制限的情動を解放したかどうかについての判定が行われる。この判定は、センサ装置32からの所定の信号を使用して行われる。その例では、解放レベルは、図2に示すように、計器56のバー62上のインジケータ60の位置によって示される。計器が、ユーザ34が制限的情動をプリセット閾値より低いなどの適切な程度に解放したことを示す場合、92における判定はyesであり、方法84は終了ステップ94に進む。92における判定が、ユーザ34が制限的情動を適切な程度に解放しなかったことである場合、92における判定はnoであり、方法84はステップ88に戻って、制限的情動をもたらす思考又は対象を生むようにユーザを再び誘導する。方法84は、ユーザ34が制限的情動を解放し、自由状態を達成することが必要とされる限り、継続し得る。また、プロセスは浄化セッションを含むことができる。浄化セッションにおいて、ユーザは、制限的情動を解放する低い思考頻度をユーザが達成するのを支援するように、メディア素材によって誘導され、多くの典型的な制限的情動を解放する。
【0032】
ユーザ34は、制限的情動を解放しようと試みながら計器56を観察することによって、感情を制限的情動に相関させることができる。このプロセスを繰り返すことは、相関を強化するため、ユーザは、解放することがどんな感じかを学び、解放技量を向上させることによって、計器56の有無に拘わらず、効果的に解放することができる。ループ機能により、ユーザは、課題の解放部分が連続して繰り返されるループセッションに入るためのボタンをクリックすることを可能にする。ユーザのPTESのレベルがユーザに示され、レベルは、後で検討するために、これらのループセッション中に自動的に記録される。ループセッションは、特定の対象に関連する特定の思考を取り巻く制限的情動から抜け出るようにユーザを誘導する迅速な方法を提供する。ループセッションは、繰返しの間にユーザに何かをさせることを全く必要とせず、ユーザが低い思考活動の所望の状態又は解放状態を維持することを可能にする。ループセッションは、自分のPTESを改善するようにユーザを誘導する任意のプロセスに含まれ得る。
【0033】
コンピュータ54はまた、メモリ装置に所定期間にわたって解放レベルを記録して、記録セッション中に達成される解放進行状況をユーザ34が検討することを可能にし得る。メモリ装置からセッションを呼び出すことによって、他のセッションをより最新のセッションと共に検討し、ユーザの解放能力の進行状況を示すことができる。
【0034】
システム30はまた、どんな特定の思考又は対象がユーザのPTESに影響を及ぼすかをユーザ34が決定するのを助けるために使用される。この用途の例は図4に示す方法100である。方法100は開始102で始まり、開始102からステップ104に移る。ステップ104にて、ユーザ34は、所定の期間にわたってユーザ34に提示される、複数の刺激を含むメディアコンテンツ42のセッションにさらされる。方法100はステップ106に進み、ユーザが複数の刺激にさらされる間に、ユーザ34のPTESのレベルがセッション中に決定される。ステップ106に続いて、方法はステップ108に進み、高い情動的制限などの、PTESに悪い影響をもたらしたメディアコンテンツ42から刺激が選択される。したがって、方法100は、PTESに否定的影響をもたらすユーザ領域を特定する。方法100は、その後、ステップ110に進み、選択された刺激がプロセスで使用されて、ユーザが否定的情動を解放するのを補助する。方法100はステップ112で終了する。
【0035】
一例では、プログラム70は、「利点/欠点」と呼ぶ質問パターンを含む方法120(図5)を使用する。この方法では、メディアファイルは、ユーザに否定的情動を経験させる、「或る対象」の利点/欠点に関連する幾つかの質問を次々にユーザに尋ねる。「或る対象」の語又は句が、キーボード78、マウス80、及び/又は、マイクロフォン82などの入力装置の1つを使用して、ユーザによってコンピュータに入力されることができ、それにより、コンピュータが語又は句を質問に挿入することが可能になる。システム30はまた、目的に関する質問パターンと共に表示されるユーザの陳述及び目的に関するユーザの解放レベルデータを有する目的文書を有してもよい。例として、ユーザは、航空会社の便に遅れるという心配などの、制御に関連する問題を有する可能性がある。この例では、「航空会社のフライトに遅れるという心配」のような何かを、「或る対象」として入力することになる。
【0036】
利点及び欠点に関連する一連の質問は、解放の状態又は他のPTESが、できる限り低く、すなわち、最大の解放量を持って安定化されるまで、交互に行われ得る。図5に示す方法120は開始122で始まり、開始122からステップ124に進み、プログラム70は、「或る対象によって制限されると感じることが、自分にとってどんな利点/欠点であるか」とユーザ34に尋ねる。プログラム70は、その後、入力装置の1つを通してユーザからのフィードバックを待つ。
【0037】
プログラムは、その後、ステップ126に進み、プログラム70は、「それは、許可の欠如、制御の欠如、又は安全感情の欠如を生むか」をユーザ34に尋ねる。プログラム70は入力装置からのユーザからの応答を待ち、たとえば、「制御感情」など、感情のうちのどの感情でユーザが応答するかを解読する。その後、方法120はステップ128に進み、プログラム70は、この例では、「その制御感情の欠如をやり過ごすことができるか」と尋ねることにより、ステップ128に与えられる応答に基づいてユーザに質問する。この時点で、方法120はステップ130に進み、センサ装置32は、ユーザ34の解放レベルを決定するための所定の信号を決定する。解放レベルが監視され、解放レベルがその最低点で安定化したときに、メディアファイルは再生を停止する。この時点で、方法120はステップ132に進み、セッションは終了する。セッションが終了すると、ユーザ34は、或る対象に関して自由感を感じることになる。何らかの好ましくない情動的残渣が残っている場合、問題に関する完全な自由がユーザによって実現されるまで、この同じプロセスが繰り返され得る。
【0038】
上記方法は、思考によって生成された否定的情動を心があきらめるまで、或る対象又は特定の問題に関する良い面と悪い面を考えるように個人が誘導される、「分極解放」の例である。「好き/嫌い」などの他の分極解放法、ならびに、本明細書で述べる目的のためにセンサ装置32などのセンサ装置と共に同様に使用されてもよい、低い思考頻度をユーザが達成するのに役立つ他の概念及び方法が存在する。
【0039】
プログラム70はメディアに対する応答の履歴をメモリ装置上に格納し、同じメディアに対する応答の複数の反復を組み合わせて、ユーザ34についての改善のチャートを作成する。種々の色及び次元効果を使用して、同じチャート上にこれらの応答をプロットすることは、同じメディア刺激に対する所定期間にわたる種々のPTES反応をユーザ34に対して実証し、改善を実証する。
【0040】
プログラム70は、ライブコンテンツに対する反応も格納し得る。ライブコンテンツは、同じ物理的場所において人又は音声を聴取すること、或いは、電話、インターネット又はテキスト通信のような遠隔通信メディアを通じて音声ストリーミングを聴取することからなり得る。プログラム70は、インターネットのような通信メディアを使用してポイントツーポイントでPTESデータを送出し得る。ライブコンテンツが一方向に流れ、PTESデータが他方向に流れる状態で、ライブコンテンツの配信側は、個人のPTESデータ反応に応じて、即座に、反応しコンテンツを変更するという強力で新しい能力を有する。この配信主体は、変化するPTESを理解し、それに反応する能力を有する人又はウェブサーバアプリケーションであってよい。
【0041】
プログラム70は、潜在的に、送出されるデータのタイプ及びバイト数に基づいて電子回路モジュール40のバージョンを検出し得る。この情報を使用して、電子回路モジュール40内の機能の利用可能性に応じて、プログラム70の種々の機能をオン/オフすることができる。
【0042】
或るタイプのコンピュータによって、また、或るタイプの無線リンクが使用されるとき、無線受信機48とコンピュータ54との間の不適合が発生する可能性がある。コンピュータ54のOHCI(open host controller interface)と無線受信機48内のUHCI(universal host controller interface)との間のこの不適合は、通信の障害をもたらす。プログラム70は、この特定の不適合の兆候を検出し、兆候をユーザに報告することができる。検出方式は、無線受信機48からのピング「P」に対する単一の応答を探し、ピングに対する全ての将来の応答は無視される。プログラム70は、その後、不適合についての回避策を示唆する様式警告をユーザに対して表示する。
【0043】
プログラム70は、新しいデータの到着を連続してチェックすることによって、無線リンク50の接続断を検出する。新しいデータの到来が停止した場合、それは無線リンク障害を仮定でき、メディアの再生及びPTESデータの記録を自動的に休止する。コンピュータ54に到来する新しいデータを検出すると、プログラム70は、メディア及び記憶を自動的に再開する。
【0044】
プログラム70は、練習を作成し、特定のPTESレベルについての目的を設定し得る。たとえば、プログラム70は、PTESの目標レベルを設定し、ユーザがその目的に達するまで無期限に継続するようにユーザに求める。プログラム70はまた、多数の他の活動中の反応を格納し得る。これらの他の活動は、電話の会話、会合、雑用、瞑想、及び組織化を含むが、それに限定されない。さらに、プログラム70は、ユーザが、音声、タイトル、及びセッションの長さを選択することによって自分のセッションをカスタマイズすることを可能にし得る。
【0045】
プロセッサベースのコンピューティング装置を含み得る他のコンピューティング装置(図示せず)は、センサ装置32と共に使用されて、メディア素材66を再生し、PTESを表示するか又は他の方法で示し得る。これらの装置は、コンピュータのポートに差し込む別個の無線受信機48ではなく、一体化された無線受信機を利用して、センサ装置32に接続されてもよい。これらの装置はコンピュータ54より可搬性があり、日夜を通じてユーザがPTESのレベルを監視することを可能にし、ユーザが潜在意識をより迅速に解放することを可能にする。これらのコンピューティング装置は、後で検討するためにメモリ装置上に反応度の事例を格納するようデータを格納し受信機に送信する音声記録器を有するカメラを含み得る。これらのコンピューティング装置はまた、反応度の事例、これらの事例の強度、及び/又は、これらの事例の音声ビデオ記録をコンピュータ54にアップロードすることができ、愛情プロセス及び嫌悪プロセス又は他のプロセスを用いてこれらの事例に関する反応度を永久的に減少させ又はなくし得る。
【0046】
センサ装置32の一例が図6及び図7に示されている。センサ装置32は、センサ電極36、基準電極38及び電子回路モジュール40を含む。電子回路モジュール40は、所定の信号を1,000〜100,000倍増幅するとともに、60Hzノイズがいずれの時点でも増幅されないことを保証する。電子回路モジュール40は所定の信号を不要な電気活動から分離する。
【0047】
また、本例のセンサ装置32は、無線リンク50を通じて電子回路モジュールから所定の信号を受信し、所定の信号をコンピュータ54に伝達する無線受信機48を備える。本例では、無線リンク50は無線周波数エネルギーを使用する。しかし、赤外線などの他の無線技術が使用されてもよい。無線接続を使用することは、センサ装置32をコンピュータ54から電気的に分離するワイヤがセンサ装置32とコンピュータ54との間に接続される必要をなくす。
【0048】
基準電極38は、本例では、ユーザ34の耳150に基準電極38を取り付けるのに使用されるクリップ148に接続される。センサ電極36は、センサ電極36をヘッドバンド42に取り付けるためのスナップ又は他のばね式装置を備える。また、ヘッドバンド42は、ユーザのこめかみの位置に電子回路モジュール40を収容するポケットを備える。ヘッドバンド42は、センサ電極及び/又は電子回路モジュール40を保持するのに使用される弾性バンドの一例であり、同じ機能を提供する別のタイプの弾性バンドもまた使用されることができ、弾性バンドに帽子の一部分を形成させることを含む。
【0049】
弾性バンド以外に、他のタイプの取り付け装置が、センサ電極をユーザの皮膚に当てて保持するのに使用され得る。センサ電極をユーザの皮膚に当てて保持する保持力は、28.35〜113.40g(1〜4オンス)の範囲にあり得る。保持力は、たとえば、42.52g(1.5オンス)であり得る。
【0050】
取り付け装置の別の例は、センサ電極をユーザの皮膚に当てて保持するメガネフレームと類似のフレームを含む。フレームは、電子回路モジュール40を支持するのにも使用され得る。フレームは、センサ電極36がユーザの皮膚に接触する、ユーザの耳及び鼻梁によって支持されるように、ユーザ34によって装着される。
【0051】
センサ電極36及び基準電極38は、それぞれ、導電面152及び154を含み、測定が行われる位置でユーザの皮膚に接触状態にするのに使用される。本例では、導電面は、銅、金、導電性ゴム、又は導電性プラスチックなどの非反応性の材料からなる。センサ電極36の導電面152は約3.23cm(0.5平方インチ)の表面積を有し得る。導電面152は、皮膚を特別に処理する必要なしで、また、皮膚と導電面との間に見出される接触抵抗を減少させるための物質を使用する必要なしで、ユーザの皮膚に直接接触するのに使用される。
【0052】
センサ装置32は500,000オームという高い接触抵抗で働き、高い接触抵抗は、特別に処理されない皮膚に導電面が直接接触した状態で装置が働くことを可能にする。対照的に、特別の皮膚処理及び導電性ゲル又は他の物質は、接触抵抗を約20,000オーム以下に減少させるために従来のEEG電極とともに使用される。より高い接触抵抗を扱うことの1つの結果は、ノイズが測定に結合され得ることである。ノイズは、60Hz電力に接続される光源及び他の機器に、また、空気を通して動く任意の物体の摩擦(静電気を生成する)に由来する。ノイズの振幅は、電子回路モジュール40と基準電極38との距離に比例する。本例では、電子回路モジュールを、耳の直上のこめかみ領域に配置し、基準電極を耳に接続することによって、センサ装置32はノイズを受信せず、又は、ノイズによって実質的に影響を受けない。電子回路モジュールを基準電極と同じ物理的空間に配置し、電子回路モジュールを基準電極に容量結合させることによって、電子回路モジュールの局所基準電位144と耳とがほぼ同電位になることが保証される。基準電極38は、センサ装置32のための電源158において使用される局所基準電位144に電気接続される。
【0053】
電源158は、電力導体を通じてモジュール内の電子コンポーネントに電力146を供給する。電源158は、センサ装置32に対して0ボルトの基準電位144と正及び負の電源電圧−VCC及び+VCCとを供給する。電源158は、電子回路モジュールに適するレベルの電源電圧を生成するためにチャージポンプを利用する。
【0054】
電源は、スイッチ156を介してモジュール40内の他のコンポーネントに接続される。電源158は、電力が切断される前に一定時間だけ電子回路モジュール40が電力供給されるようにするタイマ回路を備えることができる。この機能は、電子回路モジュール40に対する電力をユーザ34が誤ってオンにしたままにする場合に電力を節約する。電力146は、測定に対して局所的に参照され、外部接地系に対する基準接続を持たない。センサ回路32は無線リンク50を使用するからである。
【0055】
センサ電極36は、脳内の電気活動が検知され又は測定される位置に、ユーザの皮膚に接触した状態で配置される。基準電極38は、センサ電極が配置される位置からわずかの距離離れた位置に、皮膚に接触した状態で配置される。本例では、この距離は10.16cm(4インチ)であるが、距離は、約20.32cm(8インチ)くらいの大きさであってもよい。ノイズの振幅は電子回路モジュールと基準電極との距離に比例するため、より長い長さはシステムにノイズを付加する可能性がある。電子回路モジュール40は基準電極38に極めて接近して配置される。これによって、電子回路モジュール40は、基準電極38と同じ電気的及び磁気的環境内にあることになり、容量的に及び相互インダクタンスによって基準電極38に接続される。基準電極38及び増幅器168は結合されて共にノイズ環境に置かれ、センサ電極36は、センサ装置32に対するノイズの影響を減少させ又はなくすように、基準電極から少しの距離離れた位置で所定の信号を測定する。基準電極38は導体166によって電源158の0Vに接続される。
【0056】
センサ電極36は、ユーザの脳内の電気活動を検知し、電気活動に関連する電圧信号160を生成するが、電圧信号160は、局所基準電位144を基準とする、センサ電極36がユーザの皮膚に接触する位置における電気活動の電位である。電圧信号160は、導体162を通じて電極36から電子回路モジュール40に伝達される。導体162及び166は、導電面152及び154上にはんだが存在しないように、電極36及び38に接続される。導体162は実用上できるだけ短く、本例では約7.62cm(3インチ)長である。センサ装置32が使用されるとき、導体162は、ユーザ34から或る距離離れて保持されるため、ユーザ34との間に信号の結合はない。本例では、導体162はユーザ34から約1.27cm(0.5インチ)の距離に保持される。モジュール40と電極36及び38との間に延びる導体162及び166以外には、他のワイヤ、光ファイバ、又は他のタイプの延長部はいずれも、電子回路モジュール40から延びない。その理由は、これらのタイプの構造が電子ノイズを受信する傾向があるからである。
【0057】
電子回路モジュール40は、所定の信号を含む電気活動と所定の信号に関連しない他の不要な電気活動とを測定し、又は決定する。電子回路モジュール40は、基準電極38を持つ測定環境でのノイズに密結合するシングルエンド増幅器168(図7及び図8)を使用する。シングルエンド増幅器168は、アルファ波及びシータ波帯域での電気活動を含む12Hzまでの周波数について2の利得を提供し、60Hzの高調波を含む60Hz以上の周波数について1未満の利得を提供する。
【0058】
増幅器168(図8及び図11)は、電極36から電圧信号160を受け取り、電源158から電力146を受け取る。シングルエンド増幅器168は、電圧信号160に比例する出力信号174を生成する。出力信号174は所定の信号を含む。本例では、電圧信号160は導体162により抵抗170に供給され、抵抗170は、高インピーダンス低電力オペアンプ172の非反転入力に接続される。出力信号174は、並列に接続される抵抗176とコンデンサ178を介してのオペアンプ172の反転入力へのフィードバックとして使用される。オペアンプ172の反転入力は抵抗180を介して基準電圧144に接続される。
【0059】
増幅器168は、出力信号174を搬送する出力導体184によって、3段センサフィルタ182に接続される。電気活動又は電圧信号160は、段168及び182のそれぞれによって増幅され、不要な信号、たとえば、60Hz以上の信号はそれぞれの段によって減衰される。3段センサフィルタは3つの段206a、206b及び206cを有し、各段は1.2Hzと12Hzとの間の信号を5の利得で通過させ、その周波数より低い信号及び高い信号を減衰させるバンドパスフィルタを提供するために同じ設計を有する。バンドパスフィルタ機能は、60Hzなどのノイズ及び60Hzの高調波を減衰させながら、アルファ波及びシータ波帯域内の信号が通過することを可能にする。3段センサフィルタ182は、部品でのバイアス及びオフセットに起因する、信号のオフセットを除去する。3つの段はそれぞれ、電源電圧146及び基準電位144に接続される。3つの段のそれぞれは、出力導体188a、188b及び188c上に、それぞれ出力信号186a、186b及び186cを生成する。
【0060】
3段センサフィルタ182の第1段206a(図9及び図11)において、出力信号174は、抵抗192a及びコンデンサ194aを介して第1段オペアンプ190aの非反転入力に供給される。コンデンサ196a及び別の抵抗198aは、非反転入力と基準電圧144との間に接続される。第1段からの出力信号186aのフィードバックは、並列に接続される抵抗200aとコンデンサ202aを介してオペアンプ190aの反転入力に接続される。オペアンプ190aの反転入力は抵抗204aを介して基準電圧144にも接続される。
【0061】
第2段206b及び第3段206cは、それぞれ第1段206aと直列に配列される。第1段出力信号186aは、抵抗192bとコンデンサ194bを介して第2段206bのオペアンプ190bの非反転入力へ供給される。第2段出力信号186bは、抵抗192cとコンデンサ194cを介して第3段206cに供給される。抵抗198b及びコンデンサ196bは、オペアンプ190bの非反転入力と基準電位144との間に接続され、抵抗198c及びコンデンサ196cは、オペアンプ190cの非反転入力と基準電位144との間に接続される。出力導体188bからオペアンプ190bの反転入力へのフィードバックは、抵抗200b及びコンデンサ202bを通り、オペアンプ190bの反転入力はまた、抵抗204bによって基準電位144に接続される。出力導体188cからオペアンプ190cの反転入力へのフィードバックは、抵抗200c及びコンデンサ202cを通り、オペアンプ190cの反転入力はまた、抵抗204cによって基準電位144に接続される。
【0062】
3段センサフィルタ182は、3段センサフィルタ182(図7)の第3段206cからの出力信号186cを搬送する出力導体188cによってRCフィルタ208(図10及び図11)に接続される。RCフィルタ208は、基準電位144と出力導体216との間に接続されたコンデンサ212と、出力導体216に直列に接続された抵抗210とを含む。RCフィルタは、12Hzを超える周波数をさらにフィルタリング除去するためにローパスフィルタの役をする。RCフィルタ208は、出力導体216上にフィルタ信号214を生成する。RCフィルタ208は、アナログ−デジタル(A/D)変換器218(図7)に接続される。
【0063】
A/D変換器218は、アナログフィルタ信号214を60Hzの倍数であるサンプルレートでサンプリングすることによって、RCフィルタからのアナログフィルタ信号214をデジタル信号220に変換する。本例では、サンプルレートは9600サンプル/秒である。デジタル信号220は、出力導体222でデジタルプロセッサ224に搬送される。
【0064】
デジタルプロセッサ224(図7及び図12)は、さらなる利得と60Hzのノイズの除去と高周波データの減衰とを提供する。デジタルプロセッサ224は、コンピューティング装置上で作動するソフトウェアで実施されてもよい。デジタルプロセッサ224は、デジタル信号220の160個のデータ点を同時に加算して60Hzの情報の無い60Hzデータストリームを生成するノッチフィルタ230(図12)を含む。ノッチフィルタ230の後にエラーチェッカ232がある。エラーチェッカ232は、60Hzデータストリームから範囲外のデータ点を除去する。これらの範囲外のデータ点は、エラーデータであるか、又は、脳活動以外の外部発生源によって引き起こされる。
【0065】
エラーチェッカ232の後、デジタルプロセッサ224は、離散フーリエ変換器234を使用してデータストリームを変換する。従来のEEGシステムは、とりわけアルファ波及びシータ波周波数を選択するためにバンドパスフィルタを使用するが、これらのフィルタは、連続周期関数の処理と選択に制限される。フーリエ変換を使用することによって、デジタルプロセッサ224は、任意の間隔のイベントを識別することができる。各イベントは全ての周波数のエネルギーを有するが、短いイベントは、高い周波数に多くのエネルギーを有することになり、長いイベントは、低い周波数に多くのエネルギーを有することになる。アルファ波とシータ波周波数におけるエネルギー間の差を見ることによって、システムは、長いイベント又は短いイベントの優勢を識別することができる。その後、差は帯域における全エネルギーによってスケーリングされる。これにより、出力はエネルギーのタイプに基づくものになり、エネルギー量に結びつけられるものが除去される。
【0066】
フーリエ変換器234は、それぞれが異なる周波数幅を有するビン236a〜236oにエネルギーを分離するスペクトル信号を生成する。一例では、スペクトル信号は30個のサンプルを有し、エネルギースペクトルを2Hz幅のビンに分離させる。別の例では、スペクトル信号は60個のサンプルを有し、エネルギースペクトルを1Hz幅のビンに分離させる。ビン236は、或る帯域でのエネルギー信号を生成するために加算される。本例では、4Hzと8Hzとの間のビン236が加算器238に渡され、加算器238は、これらのビンを加算してシータ波帯域エネルギー信号240を生成し、8Hzと12Hzとの間のビンは加算器242に渡され、加算器242はこれらのビンを加算してアルファ波帯域エネルギー信号244を生成する。
【0067】
本例では、シータ波帯域エネルギー信号240及びアルファ波帯域エネルギー信号244は、(シータ波−アルファ)/(シータ波+アルファ)を計算し、結果として導体228上に出力信号226を生成する計算器246に渡さる。
【0068】
出力信号226(図7)は無線送信機46に渡され、無線送信機46は無線リンク50を介して無線受信機48に出力信号226を送信する。本例では、出力信号226は、ポート52を介してコンピュータ54に渡される信号であり、計器56に表示するためのPTESを生成するためにコンピュータによって使用される所定の信号でもある。
【0069】
コンピュータ54は、一部の例では、出力信号226のさらなる処理を提供することができる。解放技法を使用する例では、コンピュータ54は出力信号226を処理し、ユーザ34によって経験される解放レベルを決定するために出力信号内のアルファ波及びシータ波帯域信号の相対的な量を決定する。
【0070】
上述した原理及び機能を利用するセンサは、今述べた脳組織に加えて、筋肉及び心臓組織内の電気活動などの、ユーザの他の組織の電気活動を決定するのに使用され得る。これらの例では、センサ電極は、電気活動が測定される位置で皮膚上に配置され、基準電極及び電子回路モジュールは、基準電極がセンサ電極の近くの位置に取り付けられた状態で近くに配置される。電子回路モジュールは、これらの例では、増幅と、他の周波数をフィルタリング除去しながら筋肉又は心臓電気活動の周波数を分離するフィルタリングとを含む。
【0071】
上述したように、装置からの干渉量を最小にした状態で、試験対象者が通常の活動に関わることを可能にする非侵襲的検知装置(センサ)によって使用可能にされ得る生理的データの多くの実用的な適用が存在する。この装置のデータ品質は、こうしたデータに興味を持つ団体のニーズを満たすのに十分正確に装置がデータを測定する限り、医療装置ほどに厳しくある必要はなく、障害又は疾病を処置することに全く関心がもたれないとき、生理的データの使用及び収集を大幅に簡略化することが可能になる。現存する種々のタイプの非侵襲的センサが存在する。非制限的な例の場合、最新の3軸加速度計が単一シリコンチップ上に存在することができ、多くの最新の装置内に含まれ得る。加速度計は、加速度計が取り付けられる任意の対象の動きを追跡し記録することを可能にする。別の非制限的な例の場合、温度センサもまた、有線接続か又は無線接続によって、多くの形態で長い間存在してきた。これらのセンサは全て、刺激に対する試験対象者の応答について有用なフィードバックを提供することができるが、これまで、1つの装置も、センサの全てをシームレスに組み込むことができなかった。これらのセンサのそれぞれを個人に別々に取り付けることは、正しい設置及び使用を保証するために時間がかかり、難しく、訓練された専門家を必要とする。さらに、新たに付加される各センサは、試験計装機器に対して、追加のレベルの複雑さ、ユーザの困惑、及びかさばりをもたらす。
【0072】
上述したように、複数のセンサを単一のピースに一体化し、生理的データを測定するために人の頭部上に配置され得る一体化されたヘッドセットが導入される。こうした一体化されたヘッドセットは、適応性があり、患者の頭部の特定の形状及び/又はサイズに適合させるための調整の容易性を可能にする。一体化されたヘッドセットは、複数のセンサ間の電子干渉、複数のセンサと人の頭部との間の接触不良、及び人の頭部の動きのうちの少なくとも1つ又は複数から生じるデータアーチファクトを最小にする。さらに、幾つかのタイプの生理的センサを組み合わせて1ピースにすることは、測定される生理的データを全体としてより頑強に且つ正確にする。
【0073】
実施の形態の一体化されたヘッドセットは、複数のセンサを単一ピースに一体化し、生理的データを測定するために人の頭部上に配置され得る。こうした一体化されたヘッドセットは、使い易く、複数のセンサと人の皮膚との間の接触点において導電性ゲル又は皮膚処理を全く必要とすることなく、人からの生理的データを正確に測定する。さらに、幾つかのタイプの生理的センサを組み合わせて1ピースにすることは、測定される生理的データを全体として一層頑強に且つ正確にする。
【0074】
或る実施の形態の一体化されたヘッドセットは、複数のセンサを単一ピースに一体化し、自分の生理的データを測定するために人の頭部上に配置され得る。こうした一体化されたヘッドセットは、非侵襲的であり、ヘッドセット内に一体化される生理的センサから実質的な干渉が無い状態で、ヘッドセットを装着する人が複数の機能を自由に行うことを可能にする。さらに、幾つかのタイプの生理的センサを組み合わせて1ピースにすることは、測定される生理的データを全体として一層頑強に且つ正確にする。
【0075】
多数のセンサを組み込む単一装置を有することはまた、広告者、メディア制作者、教育者、及び生理的データに関心を持つ多くの他の関係者のために大きな価値を提供する。これらの関係者は、自分達の情報又はメディアを調節して、エンドユーザのニーズにより良く合い、及び/又は、メディアの効果を増大させるために、自分達の特定の刺激に対して人々が持つ反応及び応答を理解したいと思う。フォーカスグループ、調査、ノブ、又は容易に偏る他の応答の尺度を使用する代わりに、これらの正確な変化を検知することによって、一体化されたセンサは、測定され記録されるデータと、こうしたデータの粒度とを改善する。その理由は、生理的データが、1秒について多数回、コンピュータプログラム/装置によって記録され得るからである。複数のセンサからの生理的データはまた、数学的に結合され、人の心理的及び情動的状態(応答)に相当する特定の出力が生成される。
【0076】
上述したセンサ型ヘッドセットのより特定の例示的な実施の形態として、図13a〜13cが、或る実施の形態の下でのセンサ型ヘッドセットの幾つかの図を示す。ダイアグラムは、機能的に別個であるものとしてコンポーネントを示すが、こうした図は、例証のためだけのものである。この図に描かれるコンポーネントは、任意に組み合わされ又は分割されて別個のソフトウェア、ファームウェア、及び/又はハードウェアコンポーネントになり得ることが当業者に理解されるであろう。さらに、当業者に理解されるように、こうしたコンポーネントは、どのように組み合わされるか又は分割されるかによらず、同じコンピューティング装置又は複数のコンピューティング装置上で実施されることができ、複数のコンピューティング装置は1つ又は複数のネットワークによって接続され得る。
【0077】
図13(a)〜(c)を参照すると、一体化されたヘッドセットは、以下のコンポーネントの少なくとも1つ又は複数を含んでもよく、限定はしないがマイクロプロセッサであり得る処理ユニット1301は、ヘッドセットを装着する人から測定される生理的データを収集し、デジタル化し、処理し、こうしたデータを別個の/遠隔の場所に送信する、信号収集、処理、及び送信回路要素として機能する。限定はしないが3軸加速度計であり得る動き検出ユニット1302は人の頭部の動きを検知する。限定はしないがシリコン安定化ストリップであり得る安定化コンポーネント1303は、ヘッドセットの種々のコンポーネントを共に安定化させ、接続する。こうした安定化コンポーネントは、ストリップの下の発汗層によって生成される表面張力によって頭部に対する付着を提供して、ヘッドセットを安定化させ、それにより、人の頭部の動きに対する応答を最小にするヘッドセットの安定化によってより頑健な検知が行われる。限定はしないが人の前頭部の中心線に関して対称に配置された右EEG電極1304及び左EEG電極1306であり得る一組のEEG電極が利用されて、人からEEG信号を検知し得、及び/又は、測定し得る。電極はまた、接地基準のために、人の一方の耳上に別の接触部を有してもよい。これらのEEG電極は、導電性ゲル又は皮膚処理が使用される必要がない前頭前野乾式電極であることができ、過剰な圧力を加えることなく、電極と人の皮膚との間に接触が必要とされる。心拍数センサ1305は、人の心拍数を測定し得る頑健な血液容積パルスセンサであり、センサは、一組のEEG電極間で人の前頭前野の中心に直接配置され得る。限定はしないが充電式又は交換式電池モジュールであり得る電力操作及び伝送回路要素1307は、ヘッドセットのコンポーネントに作動電力を供給し、人の耳の一方の上に位置し得る。人の頭部の後ろに配置される調整可能ストラップ1308が使用されて、人の形状及びサイズについて快適な張力設定にヘッドセットを調整することができるため、複数のセンサに加えられる圧力は、不快をもたらすことなく、頑健な検知のために適切になる。動き検出ユニット、EEG電極及び心拍数センサは、ここではセンサの非制限的な例として使用されるが、他のタイプのセンサもまた、ヘッドセットに一体化されることができ、これらのタイプのセンサは、限定はしないが、脳波、血液酸素センサ、検流計、筋電計、皮膚温度センサ、呼吸センサ、及び任意の他のタイプの生理的センサであり得ることに留意されたい。
【0078】
一部の実施の形態では、一体化されたヘッドセットは、プッシュボタンによってターンオンされ、試験対象者の生理的データが直ちに測定され、記録され得る。ヘッドセットからのデータ送信は、ヘッドセットがリンクする先のコンピュータインタフェースを介して無線で操作され得る。正確な測定を得るために、試験者上に皮膚処理又は導電性ゲルは全く必要とされず、ヘッドセットは、試験者から容易に取り外され、別の人によって直ぐに使用され得る。ヘッドセットの劣化は使用中に起こらず、ヘッドセットは、何千回も再使用されることができ、測定が、短時間に且つ低コストで多くの関係者に対して行われることを可能にする。
【0079】
一部の実施の形態では、加速度計1302は、電子パッケージの3つの軸が、3次元空間内の習慣的に許容される軸方向に厳密に揃うことを可能にするように、電子パッケージ内に組み込まれ得る。こうした要件は、標準的な3軸システムに適合するようにデータを正規化する複雑な数学的演算を必要とすることなく容易に解釈され得るデータを加速度計が出力するために必要である。温度センサなどの他のセンサは、厳しくない配置要件を有し、より頑健であり、ヘッドセット上の種々の場所に配置され得る。
【0080】
図14は、本発明の一実施の形態による、一体化されたヘッドセットによって生理的データを測定することをサポートする例示的なプロセスを示すフローチャートである。この図は、機能ステップを例証のために特定の順序で示すが、プロセスは、ステップの任意特定の順序又は配置に限定されない。この図に描かれる種々のステップは、種々の方法で省略され、再配置され、組合わされ、及び/又は、適応され得ることを当業者は理解するであろう。
【0081】
図14を参照すると、一体化されたヘッドセットは、1401にて、人の頭部上に配置されることができ、ヘッドセットは、人の頭部の形状及び/又はサイズに適合するように自動的に調整される。ヘッドセットの作動は、1402にて、電力供給ユニットによって起動され得る。1403にて、ヘッドセットの複数のセンサが利用されて、複数のセンサからの実質的な干渉がない状態で人が複数の機能を自由に行うことを可能にしながら、ヘッドセットを装着した人から生理的データが測定され得る。ここで、こうした機能は、複数のメディアインスタンスを見ること、又は、自分の通常の活動を行うことを含むが、それに限定されない。こうした測定は、複数のセンサと人の皮膚との間の接触点において導電性ゲル又は皮膚処理を全く必要としない。
【0082】
1404にて、生理的データは、ヘッドセット内の信号処理ユニットによって、最小のアーチファクトを持って収集され、デジタル化され、処理され、無線で送信され得る。信号処理ユニットは、複数のセンサ間の電子干渉、複数のセンサと人の頭部との間の不良の接触、及び人の頭部の動きのうちの少なくとも1つ又は複数から生じるデータアーチファクトを最小にする。
【0083】
人間から発する生理的信号は、特に、常に存在する一般的な環境背景ノイズと比較して著しく小さい。これは、非常に安定であり、データアーチファクトを最小にする一体化されたヘッドセットを作成するという難題を呈し、アーチファクトは、電子干渉、不良の接触点、静電気を生成する頭部の動きのうちの少なくとも1つ又は複数から生じる可能性がある。
【0084】
人の生理的信号を記録するときの主要な問題の1つは電気干渉の問題であり、電気干渉は、外部環境発生源か、単一ヘッドセット内に組み込まれる種々のセンサか、又は、その両方に由来する可能性がある。複数のセンサを組み合わせて単一の一体化されたヘッドセットにすることによって、検出される信号は極めて弱いため、1つのコンポーネント(センサ)から別のコンポーネントに電気干渉が漏洩する。非制限的な例の場合、EEG電極は、干渉に対して極めて感度が高く、他のセンサからの信号は、EEGの読みにアーチファクトを生成する可能性がある。
【0085】
一部の実施の形態では、ヘッドセットからのデータ送信は、ヘッドセットがリンクする先のコンピュータインタフェースを介して無線で操作され得る。無線通信は高周波で起こるため、非制限的な例の場合、信号ワイヤに結合され、ワイヤによって転送される測定データに干渉する可能性がある典型的な50/60Hz電気ノイズは最小になり得る。
【0086】
一部の実施の形態では、一体化されたヘッドセット内に一体化された、センサの1つ又は複数の電力レベルは、電気干渉を最小にするために、できる限り低く調節されてもよい。さらに、センサの信号搬送ワイヤ間の特定の距離はまた、ワイヤ間の(電子)クロストークを低減するように設定され施行され得る。
【0087】
一部の実施の形態では、図13(a)〜(c)を参照すると、一体化されたヘッドセットの電力操作及び伝送回路要素1307は、信号収集及び処理回路要素1301から分離され得る。無線装置であるため、一体化されたヘッドセットは、電池を使用し、測定される電気信号よりも電池ノイズがずっと大きいため、電池によって生成されるノイズは測定を損なう。回路を物理的に分離し、必要とされる最小数のワイヤによって電力を送出することによって、一体化されたヘッドセットは電気干渉を著しく低減し得る。
【0088】
一部の実施の形態では、電力及び信号処理回路要素は、それぞれ、試験者の対向する耳の上に配置され得る。平らなケーブルが使用されて、左耳の上の電池モジュール1307から右耳の上の信号処理回路要素1301へ電力が伝送され得る。心拍数センサ1305からのデータはまた、同様な平らなケーブルを使用して搬送されることができ、それにより、ワイヤ配置に対するより大きな制御が可能になり、また、従来の撚ったワイヤの場合にそうであるが、使用中にワイヤが動き回るのが制限される。さらに、EEG電極1304及び1306は、信号処理回路1301に信号を搬送するために、従来の撚った銅ワイヤを使用して配線され得る。EEG電極からのワイヤは、心臓センサケーブルから少なくとも0.254cm(0.1インチ)離れてヘッドセットのプラスチックハウジングの範囲に配置されることができ、考えられる電気干渉を許容可能なレベルまで減少させるのに役立つ。
【0089】
一部の実施の形態では、一体化されたヘッドセット内の複数のセンサは、試験対象者との異なるタイプの接触部を有し得る。ここで、接触部は、導電性材料で作られることができ、導電性材料は、非制限的な例の場合、限定はしないが、ニッケルコーティングされた銅又は導電性プラスチック材料であり得る。一体化されたヘッドセットは、導電性ゲル又は皮膚剥削を使用することなく、許容可能なノイズレベルで働く乾式EEG電極を採用することによって、センサの測定用接触点に入るノイズを最小にし得る。
【0090】
一部の実施の形態では、非研磨性の又はゴムに似た物質が、皮膚に対して塗布されて、皮膚とヘッドセットとの間に発汗層が生成されることができ、発汗層は、通常1分未満で、皮膚とヘッドセットとの間の摩擦を増加させる。この発汗液は、皮膚と複数のセンサの接触部との間により良い導電性を提供する。さらに、この液は、皮膚とヘッドセットとの間の摩擦及び保持強度を増加させる表面張力を生成し、ゲル、接着剤、又は外来性取付け機構を使用することなく、ヘッドセット用の自然の安定化器が生成される。保持力は、皮膚の平面に平行にだけ著しく増加し、ノイズ発生における主要な問題領域である皮膚上をヘッドセットが摺動しないようにする。しかし、こうした非付着性物質は、保持強度を皮膚の平面に垂直に著しくは増加させず、そのため、多くの医療検知装置の場合のようにヘッドセットを所定場所に保持するために接着剤が塗布される場合には不快であるが、試験者からヘッドセットを取り外すことは不快ではない。
【0091】
一部の実施の形態では、ヘッドセットは、人の頭部の前部及び後部においてほぼ均等の圧力分布を促進して、快適さを改善し、及び/又は、測定される生理的データの一層良い信号を生成するように作動する。フォームパッドが使用されて、センサ(心拍数センサ1305など)の周りに大きな接触面積が作成され、また、ヘッドセットの内部用の一定の高さが作成され得る。この結果、隆起したEEG接触部において普通なら存在することになる接触点の圧力をフォームが減少させるため、ユーザの快適さが増加する。これはまた、前頭部上の接触点において正しい量の圧力を生成するのに役立つ。
【0092】
人の頭部は、多くの異なる形状及びサイズで存在し、使い易い任意のヘッドセットは、試験者の頭部の種々の形状及びサイズに対応しなければならない。しかし、一体化されたヘッドセットに対して多数の異なる形状及びサイズを作成することは実用的でない。これは、それぞれの異なる試験者について正しいものを選択する訓練されたフィッタを必要とすることになるからである。さらに、適合プロセスは極めて時間がかかるため、ヘッドセットを使い易くするという主要な目的を挫折させる。
【0093】
一部の実施の形態では、一体化されたヘッドセットは、適応性があり、柔軟性があり、柔らかくあるように設計され、試験者の頭部の異なる頭部形状及びサイズに自動的に調整され得る。接触不良又は皮膚に対する動きは、ヘッドセットが操作し得るより多量のノイズを生成する可能性があるため、ヘッドセットは、動きを最小にし、いろいろな頭部形状及びサイズに対する整合性及び適合性を生成するように設計される。試験者は、単に、ヘッドセットを装着し、ヘッドセットが快適に装着されることを可能にする調整可能ストラップ1308を締め、作業する準備ができるべきである。
【0094】
一部の実施の形態では、ヘッドセットの調整可能ストラップ1308の整合性は、柔らか過ぎず、ヘッドセットの重量を支持することができるように調節されなければならない。そうでなければ、ヘッドセットは、移動するヘッドセットからのノイズが、センサからの測定信号を無効にする状況をもたらす可能性がある。一方、整合性は、ヘッドセットの過剰の締付けを必要とするほどに小さくなることができない。頭部に直接加えられる高い圧力に人の頭部がうまく対処せず、きつ過ぎるヘッドセットを装着する試験対象者に頭痛及び閉所恐怖感をもたらす可能性があるからである。
【0095】
一部の実施の形態では、ヘッドセット自体は、頭部の眉毛の上でこれらのコンポーネントを囲んで保持し、両耳の上を、また頭部の後部の周りを通過する。ヘッドセットの本体部は、プラスチック又は織物などの薄い軽量材料で作られ、ヘッドセットが、異なる頭部形状に一致するために屈曲することを可能にするが、ねじれ(電極を移動させノイズを生成する可能性がある)させないよう副平面内で剛性がある。
【0096】
一部の実施の形態では、前頭部の中心の近くにあり、また、摺動しないEEG電極及び心拍数センサは共に、試験者の頭部の皮膚に接触する必要がある。しかし、過剰の接触圧力は、試験者にとって不快な状況を生む可能性があり、そのため、許容されない。したがって、一体化されたヘッドセットは、試験者の異なる頭部形状及びサイズに対して複数の接触点で一定の圧力を加え、こうした圧力は、異なる頭部幾何形状に一致すると共に、皮膚に対する粘着性を生成するのに十分に柔らかく、ヘッドセットを安定化するのに役立つ。ここで、ヘッドセットは、接触点の所望のロケーションにおいて種々の厚さ、材料、及び/又は幾何形状を使用することによって、予め規定された圧力を達成するように作動する。
【0097】
一部の実施の形態では、データ収集、信号処理、及び情報送信に対処する1つ又は複数の処理ユニット1301は、支持されない状態でユニットが懸架されることで、任意のタイプの頭部の動きによりユニットが振動することになるため、耳の上に位置して、ユニット(ヘッドセット上の最大のコンポーネント)に安定なベースが与えられる。シリコン安定化ストリップ1303は、動きを最小にすることによるヘッドセットの安定化により一層頑健な検知を可能にする。
【0098】
一部の実施の形態では、ヘッドセットの電子配線及び/又は回路要素(電子コンポーネント)は、ヘッドセットのプラスチックハウジングの内部に配置され、0.038cm(0.015インチ)厚ABSプラスチックの別の層が電子コンポーネントと皮膚との間にあって、ヘッドセット用のコンポーネント及び/又は美的カバーに対する保護を提供する。内部プラスチックは、一連のクリップ及びタブによって保持されて、プラスチックが外側ハウジングに対して摺動することを可能にすることができ、それにより、接着剤又は任意の硬質取付け機構を使用して2つのプラスチックが共に取り付けられる場合の複合梁の形成を排除する。2つの独立した材料片に比べて、複合梁は剛性が高く、そのため、ヘッドセットの整合性を減少させることになるからである。
【0099】
一部の実施の形態では、調整可能ゴムストリップ1308は、ヘッドセットの全長に沿う底部において内部プラスチックに取り付けられることができ、それにより、大きな表面積が作成され、大きな表面積にわたる摩擦力の増加によってヘッドセットが動かなくさせることができる。一定で再現性のある接触部を持つことは、EEGデータの品質にとって重要であり、ゴムストリップによる摩擦増加はそのプロセスを促進させる。ストリップはまた、ユーザの快適さを増す或る程度の緩衝作用を提供する。
【0100】
以下の実施の形態及びその態様は例示的であり、例証的であり、範囲を制限しないことを意味するシステム、ツール及び方法に関連して述べられ示される。種々の実施の形態では、先に述べた問題の1つ又は複数は減少され又はなくなっており、一方、他の実施の形態は他の改善を対象とする。
【0101】
ユーザの組織内の電気活動を検知する方法が述べられる。電気活動は、ユーザの皮膚上の第1位置と第2位置との間の組織から検出され、所定の信号と不要信号を含む電圧信号は、その電気活動に応答して生成される。ノイズを実質的に増幅することなく、所定の信号と不要信号を増幅するために、電圧信号が増幅される。増幅は出力信号をもたらす。
【0102】
電気ノイズを受けるノイズ環境内でユーザの組織内の電気活動を検知する別の方法が開示される。センサ電極は、第1位置でユーザの皮膚に接続される。基準電極は、第1位置と離間した関係にある第2位置においてユーザの皮膚に接続されて、センサ電極が、組織内の電気信号を、第2位置を基準にして第1位置で検知することを可能にする。ノイズ環境からの影響を実質的に減少させながら、電気活動を増幅させるよう構成される増幅器が設けられる。
【0103】
ユーザの組織内の電気活動を検知し、検知された電気活動から所定の信号を分離し増幅するセンサ回路が述べられる。センサ回路は、第1位置点でユーザの皮膚上に配置されるセンサ電極を含む。第1位置から或る距離離れた第2位置に配置される基準電極は、センサ電極が電気活動を検知し、第2位置を基準とする、応答して所定の信号を含む電圧信号を生成することを可能にする。センサ回路の電子モジュールは、正及び負の電源電圧ならびに基準電極に電気接続される電源基準電圧を有する電源を含む。増幅器は、電源から電力を受信し、センサ電極及び電源基準電圧から電圧信号を受信するように接続される。増幅器は、電源基準電圧を基準とする電圧信号に比例する出力信号を生成する。フィルタ部分は、増幅器から出力信号を受信し、所定の信号を通過させながら、所定の信号に無関係の電気活動を減衰させる。
【0104】
本明細書に述べるシステム及び方法の実施の形態は装置を含み、装置は、取り付け装置に接続される少なくとも1つのセンサ及び基準電極と、センサ及び基準電極に結合され、ユーザの組織内の電気活動を表す信号をセンサから受信するプロセッサであって、信号の第1周波数帯域内の第1エネルギーレベルと信号の第2周波数帯域内の第2エネルギーレベルとの差のデータを含む出力信号を生成し、差はユーザの解放レベル現在の情動状態に比例する、プロセッサと、出力信号を遠隔装置に送信する無線送信機とを備える。
【0105】
本明細書に述べるシステム及び方法の実施の形態は、一体化されたヘッドセットを含み、ヘッドセットは、ヘッドセットのための作動電力を供給するよう作動する電力ユニットと、ヘッドセットを装着した人から生理的データを測定するように作動する複数のセンサであって、人の頭部の動きを検知するように作動する動き検出ユニット、人の心拍数を測定するように作動する心拍数センサ、及び人からEEG信号を測定するように作動する一組の脳波(EEG)電極のうちの1つ又は複数を含む、複数のセンサと、人から測定される生理的データを、収集し、デジタル化し、処理し、別個の場所に送信するように作動する信号処理ユニットと、人の頭部形状及びサイズのための快適な張力設定にヘッドセットを調整するように作動する調整可能ストラップと、ヘッドセットの上記コンポーネントを安定化させ共に接続するように作動する安定化コンポーネントとを備える。
【0106】
或る実施の形態の電力供給ユニットは、充電式又は交換式電池である。
或る実施の形態の生理的データは、心拍数、脳波、EEG信号、まばたき回数、呼吸、動き、筋肉の動き、皮膚電気反応、皮膚温度、及び人の任意の他の生理的応答のうちの1つ又は複数である。
【0107】
或る実施の形態の複数のセンサは、さらに、脳波、血液酸素センサ、検流計、筋電計、皮膚温度センサ、呼吸センサ、及び任意の他のタイプの生理的センサの1つを含む。
或る実施の形態の複数のセンサの1つ又は複数は、さらに、測定される生理的データを記録するように作動する。
【0108】
或る実施の形態の動き検出ユニットは3軸加速度計である。
或る実施の形態の加速度計の軸は、3次元空間内の習慣的に許容される軸方向に厳密に揃えられる。
【0109】
或る実施の形態の一組のEEG電極は、人の一方の耳上に人の接地基準のための別の接触部を有する、
或る実施の形態の一組のEEG電極は、ゲル又は皮膚処理が使用される必要がない前頭前野乾式電極である。
【0110】
或る実施の形態の一組のEEG電極は、人の前頭部の中心線に関して対称に位置決めされる。
或る実施の形態の心拍数センサは、一組のEEG電極間で人の前頭前野の中心に直接配置される。
【0111】
或る実施の形態の信号処理ユニットは、測定される生理的データを無線で送信するように作動する。
或る実施の形態の電力供給ユニット及び信号処理ユニットは、それぞれ、人の耳に配置される。
【0112】
或る実施の形態の調整可能ストラップは、人の頭部の後部に配置される。
或る実施の形態の安定化コンポーネントは、シリコン安定化ストリップである。
或る実施の形態の安定化コンポーネントは、人の頭部の動きを最小にするように作動する。
【0113】
或る実施の形態のヘッドセットは、プッシュボタンによってオンされ、生理的データを直ちに測定し、及び/又は記録するように作動する。
或る実施の形態のヘッドセットは非侵襲的であり、ヘッドセット内に一体化される複数のセンサから実質的な干渉が無い状態で、ヘッドセットを装着下人が複数の機能を自由に行うことを可能にする。
【0114】
或る実施の形態のヘッドセットは、複数のセンサ間の電子干渉、複数のセンサと人の頭部との間の接触不良、及び人の頭部の動きのうちの少なくとも1つ又は複数から生じるデータアーチファクトを最小にするように作動する。
【0115】
或る実施の形態のヘッドセットは、複数のセンサと人の皮膚との間の接触点においてゲル又は皮膚処理を全く必要とすることなく、人からの生理的データを正確に測定するように作動する。
【0116】
本明細書で述べるシステム及び方法の実施の形態は、一体化されたヘッドセットを含み、一体化されたヘッドセットは、ヘッドセットのための作動電力を供給する手段と、ヘッドセットを装着した人から生理的データを測定する手段と、人から測定される生理的データを、収集し、デジタル化し、処理し、別個のロケーションに送信する手段と、人の頭部形状及びサイズのための快適な張力設定にヘッドセットを調整する手段と、ヘッドセットの上記コンポーネントを安定化させ共に接続する手段とを備える。
【0117】
本明細書で述べるシステム及び方法の実施の形態は、一体化されたヘッドセットを含み、一体化されたヘッドセットは、ヘッドセットのための作動電力を供給するように作動する電力ユニットと、ヘッドセットを装着した人から生理的データを測定するように作動する複数のセンサと、測定される生理的データを、収集し、デジタル化し、処理し、別個のロケーションに送信するように作動する信号処理ユニットとを備え、ヘッドセットは、人の頭部の形状及び/又はサイズに適合させるための調整の容易性を可能にする。
【0118】
或る実施の形態の生理的データは、心拍数、脳波、脳波(EEG)信号、まばたき回数、呼吸、動き、筋肉の動き、皮膚電気反応、皮膚温度、及び人の任意の他の生理的応答のうちの1つ又は複数である。
【0119】
或る実施の形態の複数のセンサはそれぞれ、脳波、加速度計、EEG電極、心拍数センサ、血液酸素センサ、検流計、筋電計、皮膚温度センサ、呼吸センサ、及び任意の他の生理的センサの1つである。
【0120】
或る実施の形態のシステムは、ストリップの下の発汗層によって生成される表面張力によって頭部に対する付着を促進して、より頑健な検知のためにヘッドセットを安定化させるように作動する平滑で柔軟なストリップを含む。
【0121】
或る実施の形態のシステムは、複数のセンサの周りに大きな接触面積を作成し、及び/又は、ヘッドセットの内部用の一定の高さを作成するように働くフォームパッドを含む。
或る実施の形態のシステムは、人の頭部形状及びサイズについて快適な張力設定にヘッドセットを調整するように働く調整可能ストラップを含み、複数のセンサに加えられる圧力は、不快をもたらすことなく、頑健な検知のために適切になる。
【0122】
或る実施の形態の調整可能ストラップの整合性は、柔らか過ぎずないように調節され、ヘッドセットの重量を支持することができる。
或る実施の形態の調整可能ストラップの整合性は、ヘッドセットの過剰の締付けを必要としないほどに十分に大きい。
【0123】
或る実施の形態の調整可能ストラップは、大きな表面積が作成され、大きな表面積にわたる摩擦力の増加によってヘッドセットを動かなくさせるように、ヘッドセットに取り付けられる。
【0124】
或る実施の形態のヘッドセットは、頭部の眉毛の上で、電力供給ユニット、信号処理ユニット、及び複数のセンサを囲んで保持し、両耳を、また人の頭部の後部の周りを通過する。
【0125】
或る実施の形態のヘッドセットの本体部は、薄い軽量材料で作られ、ヘッドセットが、人の頭部形状及びサイズに一致するために屈曲することを可能にするが、ねじれさせないよう副平面内で剛性がある。
【0126】
或る実施の形態の薄い軽量材料は、プラスチック又は織物である。
或る実施の形態のヘッドセットは、人の頭部の前部及び後部において均等の圧力分布を促進して、快適さを改善し、及び/又は、測定される生理的データのより良い信号を生成するように作動する。
【0127】
或る実施の形態のヘッドセットは、複数のセンサと人の皮膚との間の複数の接触点に予め規定された圧力を加えるように作動し、こうした圧力は、人の頭部幾何形状に一致すると共に、皮膚に対する粘着性を生成するのに十分に柔らかく、ヘッドセットを安定化するのに役立つ。
【0128】
或る実施の形態のヘッドセットは、接触点の所望の場所において、種々の厚さ、材料、及び/又は幾何形状のうちの1つ又は複数によって、予め規定された圧力を達成するように作動する。
【0129】
或る実施の形態のヘッドセットは、複数のセンサ間の電子干渉、複数のセンサと人の頭部との間の接触不良、及びヘッドセットと人の頭部と間の動きのうちの少なくとも1つ又は複数から生じるデータアーチファクトを最小にするように作動する。
【0130】
或る実施の形態のヘッドセットは、信号処理ユニットを人の耳に配置して、ユニットに安定なベースを与えるように作動する。
或る実施の形態のヘッドセットは、ヘッドセットの電子コンポーネントをヘッドセットのプラスチックハウジングの内部に配置して、複合梁を形成することなく、ヘッドセットのためのコンポーネント及び/又は美的カバーに対する保護を提供するように作動する。
【0131】
本明細書で述べるシステム及び方法の実施の形態は、一体化されたヘッドセットによって生理的データを測定することをサポートする方法を含み、方法は、一体化されたヘッドセットであって、人の頭部の形状及び/又はサイズに適合するための調整の容易性を可能にする、一体化されたヘッドセットを人に配置すること、ヘッドセット内の電力供給ユニットによってヘッドセットの作動を起動させること、ヘッドセット内の複数のセンサによって、ヘッドセットを装着した人から生理的データを測定すること、及び、ヘッドセット内の信号処理ユニットによって、測定される生理的データを、収集し、デジタル化し、処理し、別個のロケーションに送信することを含む。
【0132】
或る実施の形態の方法は、より頑健な検知のためにヘッドセットを安定化させるために、ストリップの下の発汗層によって生成される表面張力によって頭部に対する付着を促進させることを含む。
【0133】
或る実施の形態の方法は、人の頭部形状及びサイズについて快適な張力設定にヘッドセットを調整することを含み、複数のセンサに加えられる圧力は、不快をもたらすことなく、頑健な検知のために適切になる。
【0134】
或る実施の形態の方法は、快適さを改善し、及び/又は、測定される生理的データのより良い信号を生成するために、人の頭部の前部及び後部において均等の圧力分布を促進することを含む。
【0135】
或る実施の形態の方法は、複数のセンサと人の皮膚との間の複数の接触点に予め規定された圧力を加えることを含み、こうした圧力は、人の頭部幾何形状に一致すると共に、皮膚に対する粘着性を生成するのに十分に柔らかく、ヘッドセットを安定化するのに役立つ。
【0136】
或る実施の形態の方法は、複合梁を形成することなく、ヘッドセット用のコンポーネント及び/又は美的カバーに対する保護を提供するために、ヘッドセットの電子コンポーネントをヘッドセットのプラスチックハウジングの内部に配置することを含む。
【0137】
本明細書で述べるシステム及び方法の実施の形態は、一体化されたヘッドセットによって生理的データを測定することをサポートするシステムを含み、システムは、一体化されたヘッドセットであって、人の頭部の形状及び/又はサイズに適合するための調整の容易性を可能にする、一体化されたヘッドセットを人に配置する手段と、ヘッドセット内の電力供給ユニットによってヘッドセット用の作動を起動させる手段と、ヘッドセット内の複数のセンサによって、ヘッドセットを装着する人から生理的データを測定する手段と、ヘッドセット内の信号処理ユニットによって、測定される生理的データを、収集し、デジタル化し、処理し、別個のロケーションに送信する手段とを備える。
【0138】
本明細書で述べるシステム及び方法の実施の形態は、一体化されたヘッドセットを含み、一体化されたヘッドセットは、ヘッドセットのための作動電力を供給するように作動する電力ユニットと、ヘッドセットを装着した人から生理的データを測定するように作動する複数のセンサと、測定される生理的データを、収集し、デジタル化し、処理し、別個の場所に送信するように作動する信号処理ユニットとを備え、ヘッドセットは、複数のセンサ間の電子干渉、複数のセンサと人の頭部との間の接触不良、及び人の頭部の動きのうちの少なくとも1つ又は複数から生じるデータアーチファクトを最小にするように作動する。
【0139】
或る実施の形態のヘッドセットは、複数のセンサの1つ又は複数の電力レベルを下げるように調節すること、複数のセンサの信号搬送ワイヤ間に特定の距離を設定すること、信号処理ユニットと電力供給ユニットを物理的に分離すること、及び、60Hzノイズを最小にするために、測定された生理的データを無線で送信することのうちの1つ又は複数によって、電子干渉を最小にするように作動する。
【0140】
或る実施の形態のヘッドセットは、信号処理ユニット及び電力供給ユニットを、一緒に、又は、それぞれ人の対向する耳に別々に配置するように作動する。
或る実施の形態の複数のセンサは、人との異なるタイプの接触部を有する。
【0141】
或る実施の形態の接触部は導電性材料で作られる。
或る実施の形態の導電性材料は、ニッケルコーティングされた銅又は導電性プラスチック材料である。
【0142】
或る実施の形態の複数のセンサは、電子干渉を最小にするように信号処理ユニットに配線される。
或る実施の形態のシステムは、人の頭部形状及びサイズのための快適な張力設定にヘッドセットを調整するように作動する調整可能ストラップを含む。
【0143】
或る実施の形態のシステムは、より頑健な検知のためにヘッドセットを安定化させるように作動する安定化ストリップを含む。
或る実施の形態の生理的データは、心拍数、脳波、脳波(EEG)信号、まばたき回数、呼吸、動き、筋肉の動き、皮膚電気反応、皮膚温度、及び人の任意の他の生理的応答のうちの1つ又は複数である。
【0144】
或る実施の形態の複数のセンサはそれぞれ、脳波、加速度計、EEG電極、心拍数センサ、血液酸素センサ、検流計、筋電計、皮膚温度センサ、呼吸センサ、及び任意の他の生理的センサの1つである。
【0145】
或る実施の形態の複数のセンサの1つ又は複数は、測定される生理的データを記録するように作動する。
或る実施の形態のヘッドセットは非侵襲的であり、ヘッドセット内に一体化される複数のセンサから実質的な干渉が無い状態で、ヘッドセットを装着した人が複数の機能を自由に行うことを可能にする。
【0146】
或る実施の形態のヘッドセットは、複数のセンサと人の皮膚との間の接触点においてゲル又は皮膚処理を全く必要とすることなく、人からの生理的データを正確に測定するように作動する。
【0147】
或る実施の形態のヘッドセットは、良好な導電性を提供し、及び/又は、皮膚と複数のセンサの接触部との間の摩擦を増加させるために、非付着性の又はゴムに似た物質を塗布して、複数のセンサと人の皮膚との間に発汗層を生成する。
【0148】
本明細書で述べるシステム及び方法の実施の形態は、一体化されたヘッドセットによって生理的データを測定することをサポートする方法を含み、方法は、一体化されたヘッドセットを人に配置すること、ヘッドセット内の電力供給ユニットによってヘッドセットの作動を起動させること、別個のロケーションにヘッドセット内の複数のセンサによって、ヘッドセットを装着した人から生理的データを測定すること、及び、複数のセンサ間の電子干渉、複数のセンサと人の頭部との間の接触不良、及び人の頭部の動きのうちの少なくとも1つ又は複数から生じるデータアーチファクトを最小にしながら、ヘッドセット内の信号処理ユニットによって、測定される生理的データを、収集し、デジタル化し、処理し、送信することを含む。
【0149】
或る実施の形態の方法は、複数のセンサの1つ又は複数の電力レベルを下げるように調節すること、複数のセンサの信号搬送ワイヤ間に特定の距離を設定すること、信号処理ユニットと電力供給ユニットを物理的に分離すること、及び、60Hzノイズを最小にするために、測定された生理的データを無線で送信することのうちの1つ又は複数によって、電子干渉を最小にすることを含む。
【0150】
或る実施の形態の方法は、電子干渉を最小にするように複数のセンサを信号処理ユニットに配線することを含む。
或る実施の形態の方法は、ヘッドセット内に一体化される複数のセンサから実質的な干渉が無い状態で、ヘッドセットを装着する人が複数の機能を自由に行うことを可能にすることを含む。
【0151】
或る実施の形態の方法は、複数のセンサと人の皮膚との間の接触点においてゲル又は皮膚処理を必要とすることなく、人からの生理的データを正確に測定することを含む。
或る実施の形態の方法は、良好な導電性を提供し、及び/又は、皮膚と複数のセンサの接触部との間の摩擦を増加させるように複数のセンサと人の皮膚との間に発汗層を生成するために、非付着性の又はゴムに似た物質を塗布することを含む。
【0152】
本明細書で述べるシステム及び方法の実施の形態は、一体化されたヘッドセットによって生理的データを測定することをサポートするシステムを含み、システムは、一体化されたヘッドセットを人に配置する手段と、ヘッドセット内の電力供給ユニットによってヘッドセットの作動を起動させる手段と、ヘッドセット内の複数のセンサによって、ヘッドセットを装着した人から生理的データを測定する手段と、複数のセンサ間の電子干渉、複数のセンサと人の頭部との間の接触不良、及び人の頭部の動きのうちの少なくとも1つ又は複数から生じるデータアーチファクトを最小にしながら、ヘッドセット内の信号処理ユニットによって、測定される生理的データを、収集し、デジタル化し、処理し、送信する手段とを備える。
【0153】
本明細書で述べるシステム及び方法の実施の形態は、一体化されたヘッドセットを含み、一体化されたヘッドセットは、ヘッドセットのための作動電力を供給するように作動する電力ユニットと、ヘッドセットを装着した人から生理的データを測定するように作動する複数のセンサと、測定される生理的データを、収集し、デジタル化し、処理し、送信するように作動する信号処理ユニットとを備え、ヘッドセットは、複数のセンサと人の皮膚との間の接触点において導電性ゲル又は皮膚処理を必要とすることなく、人からの生理的データを正確に測定するように作動する。
【0154】
或る実施の形態のシステムは、人の頭部形状及びサイズのための快適な張力設定にヘッドセットを調整するように作動する調整可能ストラップを含む。
或る実施の形態のシステムは、より頑健な検知のためにヘッドセットを安定化させるように作動する安定化ストリップを含む。
【0155】
或る実施の形態のシステムは、複数のセンサの周りに大きな接触面積を作成し、及び/又は、ヘッドセットの内部用の一定の高さを作成するように働くフォームパッドを含む。
或る実施の形態のヘッドセットは、良好な導電性を提供し、及び/又は、皮膚と複数のセンサの接触部との間の摩擦を増加させるように、非付着性の又はゴムに似た物質を塗布して複数のセンサと人の皮膚との間に発汗層を生成する。
【0156】
或る実施の形態の摩擦は、皮膚の平面に平行にだけ著しく増加し、一方、皮膚の平面に垂直な保持強度はそれほど増加しない。
或る実施の形態の生理的データは、心拍数、脳波、脳波(EEG)信号、まばたき回数、呼吸、動き、筋肉の動き、皮膚電気反応、皮膚温度、及び人の任意の他の生理的応答のうちの1つ又は複数である。
【0157】
或る実施の形態の複数のセンサはそれぞれ、脳波、加速度計、EEG電極、心拍数センサ、血液酸素センサ、検流計、筋電計、皮膚温度センサ、呼吸センサ、及び任意の他の生理的センサの1つである。
【0158】
或る実施の形態のヘッドセットは、導電性ゲル又は皮膚剥削を使用することなく、許容可能なノイズレベルで働く乾式EEG電極を採用するように作動する。
或る実施の形態の複数のセンサの1つ又は複数は、さらに、測定される生理的データを記録するように作動する。
【0159】
或る実施の形態の信号処理ユニットは、測定される生理的データを無線で送信するように作動する。
或る実施の形態のヘッドセットは、非侵襲的であり、ヘッドセット内に一体化される複数のセンサから干渉が無い状態でヘッドセットを装着する人が複数の機能を自由に行うことを可能にする。
【0160】
或る実施の形態のヘッドセットは、複数のセンサ間の電子干渉、複数のセンサと人の頭部との間の接触不良、及びヘッドセットと人の頭部との間の動きのうちの少なくとも1つ又は複数から生じるデータアーチファクトを最小にするように作動する。
【0161】
本明細書で述べるシステム及び方法の実施の形態は、一体化されたヘッドセットによって生理的データを測定することをサポートする方法を含み、方法は、一体化されたヘッドセットを人に配置すること、ヘッドセット内の電力供給ユニットによってヘッドセットの作動を起動させること、複数のセンサと人の皮膚との間の接触点において導電性ゲル又は皮膚処理を全く必要とすることなく、ヘッドセット内の複数のセンサによって、ヘッドセットを装着した人から生理的データを正確に測定すること、及び、ヘッドセット内の信号処理ユニットによって、測定される生理的データを、収集し、デジタル化し、処理し、送信することを含む。
【0162】
或る実施の形態の方法は、複数のセンサの周りの大きな接触面積及び/又はヘッドセットの内部用の一定の高さを作成することを含む。
或る実施の形態の方法は、良好な導電性を提供し、及び/又は、皮膚と複数のセンサの接触部との間の摩擦を増加させるように複数のセンサと人の皮膚との間に発汗層を生成するために、非付着性の又はゴムに似た物質を塗布することを含む。
【0163】
或る実施の形態の方法は、導電性ゲル又は皮膚剥削を使用することなく、許容可能なノイズレベルで働く乾式EEG電極を採用することを含む。
或る実施の形態の方法は、人の頭部形状及びサイズについて快適な張力設定にヘッドセットを調整することを含む。
【0164】
或る実施の形態の方法は、ヘッドセット内に一体化される複数のセンサから実質的な干渉が無い状態で、ヘッドセットを装着した人が自分の通常の機能を自由に行うことを可能にすることを含む。
【0165】
或る実施の形態の方法は、測定される生理的データを無線で送信することを含む。
本明細書で述べるシステム及び方法の実施の形態は、一体化されたヘッドセットによって生理的データを測定することをサポートするシステムを含み、システムは、一体化されたヘッドセットを人に配置する手段と、ヘッドセット内の電力供給ユニットによってヘッドセットの作動を起動させる手段と、複数のセンサと人の皮膚との間の接触点において導電性ゲル又は皮膚処理を必要とすることなく、ヘッドセット内の複数のセンサによって、ヘッドセットを装着した人から生理的データを正確に測定する手段と、ヘッドセット内の信号処理ユニットによって、測定される生理的データを、収集し、デジタル化し、処理し、送信する手段とを備える。
【0166】
本明細書で述べるシステム及び方法の実施の形態は、一体化されたヘッドセットを含み、一体化されたヘッドセットは、ヘッドセット用の作動電力を供給するように作動する電力ユニットと、ヘッドセットを装着する人から生理的データを測定するように作動する複数のセンサと、測定される生理的データを、収集し、デジタル化し、処理し、別個のロケーションに送信するように作動する信号処理ユニットとを備え、ヘッドセットは非侵襲的であり、ヘッドセット内に一体化される複数のセンサから実質的な干渉が無い状態で、ヘッドセットを装着した人が複数の機能を自由に行うことを可能にする。
【0167】
或る実施の形態のシステムは、人の頭部形状及びサイズのための快適な張力設定にヘッドセットを調整するように作動する調整可能ストラップを備える。
或る実施の形態のシステムは、ヘッドセットの上記コンポーネントを共に安定化させ、接続するように作動する安定化コンポーネントを備える。
【0168】
或る実施の形態の電力供給ユニットは、充電式又は交換式電池である。
或る実施の形態の生理的データは、心拍数、脳波、脳波(EEG)信号、まばたき回数、呼吸、動き、筋肉の動き、皮膚電気反応、皮膚温度、及び人の任意の他の生理的応答のうちの1つ又は複数である。
【0169】
或る実施の形態の複数のセンサはそれぞれ、脳波、加速度計、EEG電極、心拍数センサ、血液酸素センサ、検流計、筋電計、皮膚温度センサ、呼吸センサ、及び任意の他の生理的センサの1つである。
【0170】
或る実施の形態の加速度計の軸は、3次元空間内の習慣的に許容される軸方向に厳密に揃えられる。
或る実施の形態の複数のセンサの1つ又は複数は、さらに、測定される生理的データを記録するように作動する。
【0171】
或る実施の形態の信号処理ユニットは、測定される生理的データを無線で送信するように作動する。
或る実施の形態の複数の機能は、複数のメディアインスタンスを見ること、及び/又は、自分の通常の活動を行うことを含む。
【0172】
或る実施の形態のヘッドセットは、複数のセンサ間の電子干渉、複数のセンサと人の頭部との間の接触不良、及び人の頭部の動きのうちの少なくとも1つ又は複数から生じるデータアーチファクトを最小にするように作動する。
【0173】
或る実施の形態のヘッドセットは、複数のセンサと人の皮膚との間の接触点においてゲル又は皮膚処理を全く必要とすることなく、人からの生理的データを正確に測定するように作動する。
【0174】
本明細書で述べるシステム及び方法の実施の形態は、一体化されたヘッドセットによって生理的データを測定することをサポートする方法を含み、方法は、一体化されたヘッドセットを人に適合させること、ヘッドセット内の電力供給ユニットによってヘッドセットの作動を起動させること、ヘッドセット内に一体化される複数のセンサから実質的な干渉が無い状態で、人が複数の機能を自由に行うことを可能にしながら、ヘッドセット内の複数のセンサによって、ヘッドセットを装着した人から生理的データを測定すること、及び、ヘッドセット内の信号処理ユニットによって、測定される生理的データを、収集し、デジタル化し、処理し、別個のロケーションに送信することを含む。
【0175】
或る実施の形態の方法は、人の頭部形状及びサイズについて快適な張力設定にヘッドセットを調整することを含む。
或る実施の形態の方法は、測定される生理的データを無線で送信することを含む。
【0176】
或る実施の形態の方法は、測定される生理的データを記録することを含む。
或る実施の形態の方法は、複数のセンサ間の電子干渉、複数のセンサと人の頭部との間の接触不良、及び人の頭部の動きのうちの少なくとも1つ又は複数から生じるデータアーチファクトを最小にしながら、生理的データを、収集し、デジタル化し、処理し、送信することを含む。
【0177】
或る実施の形態の方法は、複数のセンサと人の皮膚との間の接触点においてゲル又は皮膚処理を全く必要とすることなく、人からの生理的データを正確に測定することを含む。
本明細書で述べるシステム及び方法の実施の形態は、一体化されたヘッドセットによって生理的データを測定することをサポートするシステムを含み、システムは、一体化されたヘッドセットを人に適合させる手段と、ヘッドセット内の電力供給ユニットによってヘッドセットの作動を起動させる手段と、ヘッドセット内に一体化される複数のセンサから実質的な干渉が無い状態で、人が複数の機能を自由に行うことを可能にしながら、ヘッドセット内の複数のセンサによって、ヘッドセットを装着した人から生理的データを測定する手段と、ヘッドセット内の信号処理ユニットによって、測定される生理的データを、収集し、デジタル化し、処理し、送信する手段とを備える。
【0178】
本明細書で述べる実施の形態は、処理システムを含み、及び/又は、処理システムの下で動作し、及び/又は処理システムに関連して動作する。処理システムは、当技術分野で知られているように、プロセッサベースの装置、共に作動するコンピューティング装置、或いは、処理システム又は装置のコンポーネントの任意の集合体を含む。たとえば、処理システムは、可搬型コンピュータ、通信ネットワーク内で作動する可搬型通信装置及び/又はネットワークサーバのうちの1つ又は複数を含み得る。可搬型コンピュータは、パーソナルコンピュータ、携帯電話、個人情報端末、可搬型コンピューティング装置、及び可搬型通信装置の中から選択される幾つかの装置及び/又は装置の任意の組合せでもあり得るが、それに限定されない。処理システムは、大型コンピュータシステム内のコンポーネントを含み得る。
【0179】
或る実施の形態の処理システムは、少なくとも1つのプロセッサ及び少なくとも1つのメモリ装置又はサブシステムを含む。処理システムはまた、少なくとも1つのデータベースを含み得るか、又は、それに結合され得る。本明細書で一般に使用される用語「プロセッサ」は、1つ又は複数の中央処理ユニット(CPU)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)などのような任意のロジック処理ユニットを指す。プロセッサ及びメモリは、単一チップ上にモノリシックに集積化され得、本明細書で述べるシステムの幾つかのチップ又はコンポーネントの間に分散され得、及び/又は、アルゴリズムの或る組合せによって設けられ得る。本明細書で述べる方法は、ソフトウェアアルゴリズム、プログラム、ファームウェア、ハードウェアコンポーネント、回路要素の1つ又は複数において、任意に組み合わせて実施され得る。
【0180】
本明細書で述べるコンポーネントは、一緒に又は別個の場所に位置し得る。通信経路はコンポーネントを結合し、コンポーネント間でファイルを伝達するか又は転送する任意のメディアを含む。通信経路は、無線接続、有線接続、及びハイブリッド無線/有線接続を含む。通信経路はまた、ローカルエリアネットワーク(LAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、独占的ネットワーク、インターオフィス又はバックエンドネットワーク、及びインターネットを含むネットワークに対する結合又は接続を含む。さらに、通信経路は、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクドライブ、及びCD−ROMのような取外し可能な固定メディア、ならびに、フラッシュRAM、ユニバーサルシリアルバス(USB)接続、RS−232接続、電話回線、バス、及び電子メールメッセージを含む。
【0181】
本明細書で述べるシステム及び方法の態様は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などのプログラマブルロジック装置(PLD)、プログラマブルアレイロジック(PAL)装置、電気的にプログラム可能なロジック及びメモリ装置、及び標準的なセルベース装置、ならびに、特定用途向け集積回路(ASIC)を含む、種々の回路要素の任意の回路要素内にプログラムされる機能として実施されてもよい。システム及び方法の態様を実施するための幾つかの他の可能性は、メモリ(電子的に消去可能でプログラム可能な読出し専用メモリ(EEPROM))を有するマイクロコントローラ、組込み式マイクロプロセッサ、ファームウェア、ソフトウェアなどを含む。さらに、システム及び方法の態様は、ソフトウェアベース回路エミュレーションを有するマイクロプロセッサ、ディスクリートロジック(順次及び組合せ)、カスタム装置、ファジー(ニューラル)ロジック、量子装置、及び上記装置タイプの任意の装置のハイブリッドで具現化されてもよい。もちろん、基礎にある装置技術、たとえば、相補的金属酸化物半導体(CMOS)のような金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)技術、エミッタ結合型ロジック(ECL)のようなバイポーラ技術、ポリマー技術(たとえば、シリコン共役ポリマー及び金属共役ポリマー金属構造)、アナログとデジタルの混合型などが、種々のコンポーネントタイプにおいて提供されてもよい。
【0182】
本明細書に開示される任意のシステム、方法、及び/又は他のコンポーネントは、コンピュータ支援型設計ツールを使用して記述され、その振舞い、レジスタ転送、ロジックコンポーネント、トランジスタ、レイアウト幾何形状、及び/又は他の特性の観点から、種々のコンピュータ読取り可能メディアで具現化されるデータ及び/又は命令として表現されてもよい(又は示されてもよい)ことが留意されるべきである。こうしてフォーマットされたデータ及び/又は命令がそこで具現化されてもよいコンピュータ読取り可能メディアは、種々の形態の不揮発性記憶メディア(たとえば、光、磁気、又は半導体記憶メディア)、並びに、こうしてフォーマットされたデータ及び/又は命令を、無線、光、又は有線信号送信メディア或いはその任意の組合せを通して転送するのに使用されてもよい搬送波を含むが、それに限定されない。こうしてフォーマットされたデータ及び/又は命令の搬送波による転送の例は、1つ又は複数のデータ転送プロトコル(たとえば、HTTP、複数のHTTP、FTP、SMTP、WAPなど)によってインターネット及び/又は他のコンピュータネットワークを通じての転送(アップロード、ダウンロード、電子メールなど)を含むが、それに限定されない。1つ又は複数のコンピュータ読取り可能メディアによってコンピュータシステム内で受信されると、上述したコンポーネントのこうしたデータ及び/又は命令ベース表現は、1つ又は複数の他のコンピュータプログラムの実行と連携して、コンピュータシステム内の処理エンティティ(たとえば、1つ又は複数のプロセッサ)によって処理されてもよい。
【0183】
文脈が別途明確に要求しない限り、説明及び特許請求の範囲全体を通して、語「備える」、「備え」などは、排他的な意味又は網羅的な意味と対照的に、包含的意味で、すなわち、「含むが、それに限定されない」の意味で解釈される。単数又は複数で使用する語はまた、それぞれ複数又は単数を含む。さらに、語「ここで」、「このあとに」、「上記の」、「以下の」及び同様のインポートの語は、本出願で使用されると、全体として本出願を指し、本出願の任意特定の部分を指さない。語「又は」は、2つ以上のアイテムのリストを参照して使用され、その語は、語の以下の解釈の全て、すなわち、リスト内のアイテムの任意のアイテム、リスト内のアイテムの全て、及びリスト内のアイテムの任意の組合せを包含する。
【0184】
上記システム及び方法の実施の形態の先の説明は、網羅的であること、又は、システム及び方法を開示される厳密な形態に限定することを意図されない。システム及び方法の特定の実施の形態及びそれについての例が、例証のために本明細書で述べられるが、当業者が認識するように、種々の等価な変更が、システム及び方法の範囲内で可能である。本明細書で提供されるシステム及び方法の教示は、上述したシステム及び方法のためだけでなく、他のシステム及び方法に適用され得る。
【0185】
上述した種々の実施の形態の要素及び行為は、組合わされて、さらなる実施の形態を提供する。先に詳述した説明に照らして、システム及び方法に対してこれらのまた他の変更が行われ得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
取り付け装置に接続された少なくとも1つのセンサ及び基準電極と、
前記センサ及び前記基準電極に結合され、ユーザの組織内の電気活動を表す信号を前記センサから受信するプロセッサであって、前記信号の第1周波数帯域の第1エネルギーレベルと前記信号の第2周波数帯域の第2エネルギーレベルとの差のデータを含む出力信号を生成し、前記差は、前記ユーザの解放レベル現在の情動状態に比例する、プロセッサと、
前記出力信号を遠隔装置に送信する無線送信機と
を備える装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13(a)】
image rotate

【図13(b)】
image rotate

【図13(c)】
image rotate

【図14】
image rotate


【公表番号】特表2010−538701(P2010−538701A)
【公表日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−524229(P2010−524229)
【出願日】平成20年9月8日(2008.9.8)
【国際出願番号】PCT/US2008/075640
【国際公開番号】WO2009/033181
【国際公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【出願人】(508059085)エムセンス コーポレイション (10)
【Fターム(参考)】