説明

一体化されたロ―タ軸を備えた発電用小型ガスタービン

本発明は、一体化されたロ―タ軸を備えた発電用小型ガスタービンに関する。特に、1つの製造工程で、タービン、コンプレッサ及びロ―タ軸を一体化した場合に、エンジンは、高度に一体化されたロータ軸を有することになる。タービン及びコンプレッサは、オーバーハングした状態で軸上に互いに隣接して配置され、前側の軸受をエンジンの低温ゾーンに配置することを可能にする。好ましくは、窒化シリコン等のセラミックにより一体物として一体化されたロータ軸を製造するために、モールドSDM法を利用する。それにより、製造後の処理を不要とし、一体化されたロータ軸の均質性、信頼性及び性能を向上させることができる。一体化されたロータ軸に永久磁石を一体化すれば、小型ガスタービンは、1kW程度までの出力を発生することができる。更に、小型ガスタービンエンジンは、約100mm以下の軸長を有する。従って、本発明の小型ガスタービンエンジンは、無人乗物、自律ロボット等の、軽量であることを要しかつ自己充足的な運転を行う用途に適する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小型ターボ機械に関し、特に、タービン、コンプレッサ、ロ―タ軸及び発電機を一体化するような、一体化されたロ―タ軸を備えた発電用小型ガスタービンに関する。
【背景技術】
【0002】
発電用ガスタービンエンジンは、基本的な要素として、燃焼器、タービン、コンプレッサ、ロ―タ軸及び、ロ―タ軸の延長部に設けられ、機械エネルギを有用な電気エネルギに変換するための交流発電機を有する。タービン及びコンプレッサは、エンジンの高温部に配置され、タービン及びコンプレッサを支持するロ―タ軸が、高温部から低温部に向けて延出する。公知のガスタービンエンジンでは、タービン、コンプレッサ及びロ―タ軸は、通常互いに結合或いは組み付けられ、一体品として製造されることはなかった。しかも、ロ―タ軸は、鋼及びセラミック等の2つ異なる材料を組み合わせて製造される場合もあった。
【0003】
Hueberらに付与され、ドイツ国、ミュンヘンに所在するMotoren- und Turbinen-Union Munchen GmbHに譲渡された米国特許第4,063,850号「タービンガスタービンエンジン」(以下Hueberとする)には、金属部分及びセラミック部分を含むロ―タ軸が開示されている。Hueberに於いては、タービンホイールが、ロ―タ軸のセラミック部分により一体形成されている。セラミック部分に対して、ろう付け、インターロック又は融着により結合された結合部分は、エンジンの低温部分に位置している。Hueberに開示されているガスタービンエンジンを製造するためには、精密な軸アセンブリが必要となる。
【0004】
Bescobyらに付与され、米国、ニュージャージー州に所在するAllied-Signal Inc.に譲渡された米国特許第5,102,305号「一体化されたセラミック回転アセンブリを備えたターボ機械」(以下Bescobyとする)には、2つ割りのハウジング内に取り付けられた一体化されたセラミック回転アセンブリが開示されている。Bescobyに於いては、一体化されたセラミック回転アセンブリは、セラミック軸、複数のフィン、軸受ランナ、セラミック軸の両端に対称に取り付けられたタービン及びコンプレッサを備え、これら各部分は、2つ割りのハウジング内に取り付けられている。Bescobyの一体化された回転アセンブリは複雑な構造を有し、ロ―タ軸は2つ割りのハウジング内に取り付けられていなければならず、流体の流体力学的な膜により支持されていなければならない。しかも、Bescobyは、一体化された回転アセンブリが、小型の発電用の用途に適しているかについては、何らの解答を与えていない。
【0005】
Hueber及びBescobyに図示されているように、ガスタービンエンジンのための従来のタービン及びコンプレッサは、ターボ機械の設計理論に基づく複雑な三次元的な幾何学的形状を有する。設計及び形状が複雑であることにより、個々の部品は別個に製造され、様々な結合技術により、互いに組み付けられる。小型の用途においては、このような従来技術の結合過程は、部品が小型になるに従って困難となる。
【0006】
無人飛行機、自律ロボット、或いは他の小型化されたモバイル機器、センサ及び監視装置等の開発に伴い、携帯可能な小型の動力源に対する需要が高まっている。当業者であれば容易に理解できるように、小型の装置を開発する際に、小型化を妨げるような、克服困難な問題が生じることがある。このような問題としては、例えば、流体の粘性力、表面積対体積の比、化学反応時間、電界強度、製造上の制約等があり、これらは概ね二次元的な平面幾何学上の問題である。小型ターボ機械のコンプレッサ及びタービンに関する他の設計及び流体力学上の問題としては、低いレイノルズ数、表面粗さ、ティップクリアランス、特徴部分の最小寸法等があり、これらはいずれも、性能レベルを低下させる原因となり得る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このような点を鑑み、本発明の主な目的は、発電用の、新規であって、有用でしかも信頼性の高い小型ガスタービンエンジンを提供することにある。このような目的は、タービン、コンプレッサ及び軸を一体品として組み合わせ且つ一体化したような高品質且つ高性能のロータ軸を提供することにより達成される。極めて高い強度の材料である窒化シリコン等のセラミックから、このような一体化されたロータ軸を三次元的な一体部品として製作するために、モールドSDM(Mold SDM)製造技術を用いると良い。タービン及びコンプレッサは、オーバーハングした状態で軸上に互いに隣接して配置され、前側の軸受をエンジンの低温ゾーンに配置することを可能にする。
【0008】
一体化されたロータ軸に永久磁石を一体化することにより、小型ガスタービンエンジンが1kW以下、例えば100W程度の出力を発生するものとすることが出来る。小型ガスタービンエンジンの軸長は約100mm以下である。高度に一体化されたロータ軸が、このように一体的であることにより、各部分を製造した後の高コストな組立工程を省略することが出来る。また本発明は、ロータ軸の一体性及び信頼性を高める設計を提供する。本発明に基づく小型ガスタービンエンジンの部品は、従来のガスタービンエンジンに比較して極めて小型であって、ある実施例に於いては、タービン及びコンプレッサ構造の直径が約20mm以下である。このように軽量であって小型であることにより、小型ガスタービンエンジンは、携帯装置、無人の乗物あるいは自律ロボットのようなモバイルの用途に於いて電力を供給するために特に適している。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、タービン、コンプレッサ及び軸が一体品からなるような一体化されたロータ軸を備えた発電用の小型ガスタービンエンジンを提供する。極めて小型、込入った、しかも三次元的に複雑な形状を有するような部品を提供するために新規な製造方法を用いることにより、本発明に基づく設計は、部品の製造後に必要となるような組付工程を不要とし、高品質且つ高信頼性の一体化されたロータ軸の製造を可能とし、発電用のために好適且つ高信頼の小型ガスタービンエンジンを提供することが出来る。小型ガスタービンエンジンのサイズは軸長が約100mm以下であって、例えば100Wといった1kW以下の電力を発生することが出来る。小型且つ軽量であることにより、この小型ガスタービンエンジンはモバイルの用途に於いて電力を供給するために特に適している。
【0010】
携帯用の電源、自律ロボットあるいは小型工場のための小型且つ軽量な発電機を開発しようとする努力が当該技術分野に於いて活発に行われている。これらの用途は、1kW程度間での出力レベルに於いて、高いエネルギ密度及び高い電力密度を必要とする。ここで説明されているように、スケーリング効果のために、信頼性が高く好適な小型の電源を設計製造することは極めて困難である。燃焼式の発電装置の中では、ガスタービンエンジンが、その構造が単純であって往復運動する部分がなく、連続的な燃焼を利用するものであるために、小型化のためには理想的な候補と考えられる。
【0011】
ガスタービンエンジンの基本的な設計は、燃焼器、タービン、コンプレッサ、ロ―タ軸及び、ロ―タ軸の延長部に設けられ、機械エネルギを有用な電気エネルギに変換するための交流発電機を含む。本明細書に開示されている小型ガスタービンエンジンの部品は従来のものに比較して極めて小型である。或る実施例に於いては、コンプレッサ/タービンホイールの直径が20mm以下であって、ブレードの厚さが500μm以下である。本発明に基づく一体化されたロータ軸は、連続動作に於いて、50,000rpm以上の速度で回転することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に添付の図面に示された具体例に基づいて本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0013】
図1は、完璧に一体化されたロータ軸100の側面図であって、その第1の端部110に非対称的に配置されたタービン部101及びコンプレッサ部102と、前記第1の端部から該ロ―タ軸の第2の端部120に向けて線方向に延在する軸部103とを有する。本明細書に於いて説明されているように、或る実施例に於いては、第1の端部110が、小型ガスタービンの高温ゾーンに位置し、第2の端部120が前記小型ガスタービンの低温ゾーンに位置する。また、第1の端部から第2の端部間での距離が約100mm以下である。
【0014】
本発明の或る側面によれば、一体化されたロータ軸には発電機が一体化されされている。或る実施例に於いては、発電のための永久磁石が軸部に一体化されている。図2は、永久磁石230が一体化された一体化されたロータ軸の断面図を示す。一体化されたロータ軸200は、その第1の端部110に互いに隣接して、かつ非対称的に配置されたタービン部201及びコンプレッサ部202を備え、軸部203が、ロータ軸200の第1の端部110から第2の端部120に向けて軸線方向に延在している。本実施例に於いては、永久磁石230が、コンプレッサ部202から離反する側から第2の端部120にかけて一体化されている。
【0015】
永久磁石230は、製造過程中にロータ軸200に埋め込むことにより、その一部とするようにしたり、収縮嵌め、接着、ろう付け又は拡散接合(diffusion bonding)等の様々な方法によりロータ軸200に取り付けることができる。
【0016】
図3は、小型ガスタービンエンジン300を示しており、このエンジンは、燃焼室360、入口ノズル365、ディフューザ370及び発電用の永久磁石330が一体化された一体化ロータ軸305を備えている。更にコネクタ380により構造的な支持が図られている。一体化ロータ軸305は、互いに隣接して、オーバーハングした状態でタービン部301及びコンプレッサ部302を備えている。軸部303は、コンプレッサ部302から延出している。この実施例に於いては、永久磁石330が、コンプレッサ302から離れた位置に於いて軸部303に一体化されており、ステータ及びコイル351を備えたステータアセンブリ350と共にハウジング340内に収容されている。ガスタービンエンジンの各部品は、当該技術分野に於いて良く知られており、従ってその詳しい説明を省略する。
【0017】
一体化ロータ軸305は、低温ゾーン390内に位置するジャーナル/スラスト軸受345により支持されている。従来のエンジンに於いては、後側軸受がコンプレッサとタービンとの間に、或いはそれらの近傍に配置されていることにより高温に曝されるため、運転条件が熱的に過酷であることが一般的な問題であった。本発明に基づくガスタービンエンジン300は、軸受345を、コンプレッサから離れた前端部即ち温度がそれほど高くならない低温ゾーン390に配置することにより、軸受が熱的に過酷な運転条件に曝されるのを回避する利点を備えている。
【0018】
その反面に於いて、一体化ロータ軸は高温、高圧、高速及び小型ガスタービンエンジンにおける内部振動に耐えるものでなくてはならない。従って、一体化ロータ軸を製造するために用いられる製造方法は、小型、複雑、入り組んでおり、しかもマクロ及びマイクロ構造が一体化された三次元的な部品として、形状の精度、表面の特性、材料の均質性及び整合性の要件を満たすように、高品質の一体化ロータ軸を製作可能とするものでなければならない。そのような製造方法の例としては、層形成法(layer manufacturing)(LM) 、型堆積法(mold shape deposition manufacturing)(Mold SDM)及びレーザ成形法(laser engineered net shape)(LENS)等がある。
【0019】
好適実施例に於いては、一体ロータ軸はモールドSDM法により製造される。モールドSDMは、単純なあるいは複雑な三次元的セラミック、金属及びポリマー部品を製造するために用いることが出来る2段階式の方法である。まず、加算的あるいは減算的な層形成方法を用いて、一時的な型を製造する。この型はろう等の、一時的な型を製造するのに適する任意の材料からなるものであってよい。キャスティング即ち鋳造可能な熱硬化性ポリマーやセラミックあるいは金属のゲルキャスティングスラリー等を含む様々な鋳造用の材料を、これらの型に流し込み、所望の部品を製作する。モールドSDM法は、3Dプリンディング、ステレオリソグラフィー(SLA)、選択的なレーザ焼結(SLS)及び融着堆積法(FDM)等の他の高速プロトタイプ形成方法に比較して、複雑な形状及び良好な表面仕上げを達成し得る点で優れている。モールドSDMの詳しい内容については A. G. Cooper, S. Kang, J. W. Kietzman, F. B. Prinz, J. L. Lombardi, and L. Weiss, "Automated Fabrication of Complex Molded Parts Using Mold Shape Deposition Manufacturing" Materials and Design, 20 (2/3):83-89, 1999を参照されたい。
【0020】
一体ロータ軸は、その全体が、主たる成分としてニッケル、クロミウム及びコバルトを含み、更にそれらよりも少量のアルミニウム、チタン、タングステン、モリブデン、タンタル、カドミウム、銅及び亜鉛を様々な割合で含む硬質合金等耐熱金属からなる一体的な構造を有するものであってよい。そのようなものとしては、インコネル(登録商標)がある。
【0021】
好ましくは、一体ロータ軸は、その全体が、窒化シリコン(Si)等からなる一体セラミック材料、炭化シリコン(SiC)のウィスカにより強化された窒化シリコン(Si)等からなるセラミック複合材料からなる。セラミック材料中、窒化シリコンが極めて高い耐熱性を有すると共に、約3.3の低い密度を有する。これらの性質のために、窒化シリコンはモバイル電源の部品の構成材料として極めて好ましい。しかしながら、窒化シリコンを用いる上で2つの障害が存在する。特に、複数の部分を互いに結合して特定の形状を形成することが困難であり、且つ高い信頼性をもって行うことが出来ない。しかもセラミック部品の強度はその脆さのために表面仕上げに対して極めて敏感であって、セラミックの材料を製造する上で表面仕上げが極めて重要である。本発明のある側面によれば、モールドSDM法により一体ロータ軸を製造するための方法が提供される。本発明に基づく一体ロータ軸はそれが一体的であることにより、複数の部分を互いに結合する際に生じ得る問題を好適に回避することが出来、しかもモールドSDM法は本明細書に於いて記載しているように極めて良好な表面仕上げを提供する。
【0022】
コンプレッサホイール及びタービンホイールを耐熱性の金属及びセラミックにより個別に製作し、インターロック、ろう付け或いは収縮嵌めにより結合されるような従来の方法に比較して、本発明に基づく一体ロータ軸は次のような利点を有する。
1.ロータ軸の強度は、概ねその材料の強度に等しい。なぜなら、強度を低下させるようなボトルネックが存在しないからである。
2.シャフトを真直に形成することが比較的容易であって、しかもそれを維持することも容易である。
3.本発明に基づく新規な製造方法のおかげで、500μm以下の寸法を有する三次元的に複雑な特徴部分を有するような一体化されたロ―タ軸を製造可能とし、困難、高コストかつ多大な時間を要する、製造後の組立工程を不要としたり、大幅に最小化することができる。
4.低温及び高温ゾーンの間或いはその近傍に於いて発生し得るような熱膨張率の差に起因する問題を解消することが出来る。
【0023】
高度に一体化されたロータ軸をセラミック材料で製作する場合には、本発明は次のような利点を提供する。
5.セラミック材料の密度が低いことから、装置全体の重量を低減し、それによりロータの慣性質量を低減させ、軸受により支持する必要のある力を小さくすることが出来る。
6.遠心力による応力が大幅に軽減される。
7.セラミック材料の熱膨張率が低いことから、ロータ軸の熱膨張を低減させ、それによって金属等からなるディフューザ、シュラウド及び入口ノズル等、小型ガスタービンエンジンの他の部品と組み合わせる際に生じ得る問題を最小化することが出来る。
8.例えばコンプレッサ、タービン、軸受等の主要な部品の配置等の点に関して、本発明に基づくロータの構成は、各ゾーンの温度の問題を緩和することが出来るため、今までになかったような設計の自由度が得られる。
9.熱伝導率が低いことから、高温度部から低温ゾーンに伝達させる熱の量を減少させることが出来る。
【0024】
本発明に基づく小型ガスタービンエンジンの他の利点としては、出力密度を向上し得る点にある。出力密度は、出力/体積あるいは出力/重量により測定される。後者は、或るモバイルの応用に於いては特に重要である。しかも、複数の小型エンジンを用いることにより、同様の出力を、より小さな体積内に於いて得ることが出来ることから、1つの大きなエンジンに代えて、冗長性を有するシステムを構築することが出来る。複数のマイクロエンジンを用いた冗長なシステムは、モバイルの用途における信頼性を向上させることが出来る。
【0025】
以上、本発明を特定の実施例について説明したが、本発明は本明細書及び図面に記載された実施例に限定されない。例えば、本発明は、エンジンのガスの流れの方向の形式、即ち軸流式かラジアル式であるかには限定されない。即ち、明細書及び図面は、本発明の好適実施例を開示するためのものであって、本発明を何ら限定するものではない。また、本発明の原理が見失われてしまうことのないように、公知の方法、システム、部品等についての説明は省略した。
【0026】
本発明の特定の実施例について言及したが、当業者に知られているように実施例の様々な変更及び変形を、本発明の範囲を逸脱することなくなし得るということを理解されたい。即ち、本発明の範囲は、添付の請求の範囲及びその均等範囲により規定されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明に基づく一体化されたロ―タ軸の側面図である。
【図2】本発明の或る側面に基づく、発電用の永久磁石が一体化された一体化されたロ―タ軸の断面図である。
【図3】本発明の或る側面に基づく、発電用の永久磁石が一体化された一体化されたロ―タ軸を備えた小型ガスタービンエンジンの断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
約100mm以下の軸長を有する小型ガスタービンであって、
高度に一体化されたロ―タ軸を有し、該ロ―タ軸が、その第1の端部に非対称的に配置されたタービン部及びコンプレッサ部と、前記第1の端部から該ロ―タ軸の第2の端部に向けて線方向に延在する軸部とを有することを特徴とする小型ガスタービン。
【請求項2】
前記第1の端部が前記小型ガスタービンの高温ゾーンに位置し、前記第2の端部が前記小型ガスタービンの低温ゾーンに位置することを特徴とする請求項1に記載の小型ガスタービン。
【請求項3】
前記一体ロ―タ軸を支持するために、前記低温ゾーンに配置されたジャーナル/スラスト軸受を更に有することを特徴とする請求項2に記載の小型ガスタービン。
【請求項4】
前記タービン部及びコンプレッサ部の直径が約20mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の小型ガスタービン。
【請求項5】
前記タービン部及びコンプレッサ部のブレード厚さが約500μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の小型ガスタービン。
【請求項6】
前記一体ロ―タ軸の作動速度が、約500,000rpm以上であることを特徴とする請求項1に記載の小型ガスタービン。
【請求項7】
前記第1の端部から前記第2の端部間の距離が約100mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の小型ガスタービン。
【請求項8】
約100kW以下のパワーを発生するために前記軸部に磁石手段が一体化されていることを特徴とする請求項1に記載の小型ガスタービン。
【請求項9】
前記磁石手段が、前記軸部に埋め込まれ、前記一体ロ―タ軸の一部をなす永久磁石からなることを特徴とする請求項8に記載の小型ガスタービン。
【請求項10】
前記磁石手段が、前記一体ロ―タ軸に取り付けられた永久磁石からなることを特徴とする請求項8に記載の小型ガスタービン。
【請求項11】
前記磁石手段が、前記一体ロ―タ軸に、収縮嵌め、接着、ろう付け又は接合(ボンディング)により一体化されていることを特徴とする請求項8に記載の小型ガスタービン。
【請求項12】
前記一体ロ―タ軸が、主たる成分としてニッケル、クロミウム及びコバルトを含み、更にそれらよりも少量のアルミニウム、チタン、タングステン、モリブデン、タンタル、カドミウム、銅及び亜鉛を様々な割合で含む硬質合金からなることを特徴とする請求項1に記載の小型ガスタービン。
【請求項13】
前記一体ロ―タ軸が、複合(complex)超合金、一体セラミック材料、セラミック複合材料、窒化シリコン及び炭化シリコンのウィスカにより強化された窒化シリコンからなる群から選択された耐熱材料からなることを特徴とする請求項1に記載の小型ガスタービン。
【請求項14】
前記一体ロ―タ軸が、層形成法(layer manufacturing) 、形状堆積法(shape deposition manufacturing) 、型堆積法(mold shape deposition manufacturing) 、立体リソグラフィー(stereolithography)及びレーザ成形法(laser engineered net shape)からなる群から選択された方法により形成されることを特徴とする請求項1に記載の小型ガスタービン。
【請求項15】
約500,000rpm以上で作動可能な発電用小型ガスタービンの製造方法であって、
層形成法(layer manufacturing) 、形状堆積法(shape deposition manufacturing) 、型堆積法(mold shape deposition manufacturing) 、立体リソグラフィー(stereolithography)及びレーザ成形法(laser engineered net shape)からなる群から選択された方法を用いて、その第1の端部に互いに非対称に配置されたタービン部及びコンプレッサ部と、前記第1の端部から該ロ―タ軸の第2の端部に向けて線方向に延在する軸部とを有する高度に一体化されたロ―タ軸を形成する過程を有し、
前記タービン部及びコンプレッサ部の直径を約20mm以下とし、前記タービン部及びコンプレッサ部のブレード厚さを約500μm以下とし、前記第1の端部から前記第2の端部間での距離を約100mm以下としたことを特徴とする製造方法。
【請求項16】
前記軸部に磁石手段を一体化する過程を更に含むことを特徴とする請求項15に記載の製造方法。
【請求項17】
前記形成過程の後に、前記永久磁石を前記一体ロ―タ軸に取り付ける過程を更に含むことを特徴とする請求項15に記載の製造方法。
【請求項18】
前記磁石手段が、前記一体ロ―タ軸に、収縮嵌め、接着、ろう付け又は接合(ボンディング)により一体化されることを特徴とする請求項15に記載の製造方法。
【請求項19】
前記一体ロ―タ軸が、主たる成分としてニッケル、クロミウム及びコバルトを含み、更にそれらよりも少量のアルミニウム、チタン、タングステン、モリブデン、タンタル、カドミウム、銅及び亜鉛を様々な割合で含む硬質合金からなることを特徴とする請求項15に記載の製造方法。
【請求項20】
前記一体ロ―タ軸が、複合(complex)超合金、一体セラミック材料、セラミック複合材料、窒化シリコン及び炭化シリコンのウィスカにより強化された窒化シリコンからなる群から選択された耐熱材料からなることを特徴とする請求項15に記載の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2006−504902(P2006−504902A)
【公表日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−570353(P2004−570353)
【出願日】平成15年5月14日(2003.5.14)
【国際出願番号】PCT/US2003/015510
【国際公開番号】WO2004/046522
【国際公開日】平成16年6月3日(2004.6.3)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【出願人】(599108976)ザ・ボード・オブ・トラスティーズ・オブ・ザ・レランド・スタンフォード・ジュニア・ユニバーシティ (61)
【氏名又は名称原語表記】THE BOARD OF TRUSTEES OF THE LELAND STANFORD JUNIOR UNIVERSITY
【Fターム(参考)】