説明

一次粒子径がサブミクロンの生成物の製造方法、該方法によって製造された生成物、及び該方法に用いる装置

本発明は、金属酸化物、金属含水酸化物、又は金属水酸化物の一次粒子径がサブミクロンの生成物を製造する方法であって、前記生成物の製造方法は、反応容器充填用固体物質を反応容器に導入するステップと、金属含有前駆体を前記反応容器に導入するステップと、両親媒性溶媒を前記反応容器に導入するステップと、超臨界溶媒を前記反応容器に導入するステップとを含む。これらのステップによって、前記金属含有前駆体と前記両親媒性溶媒とを接触させ、その結果として前記反応容器充填用固体物質の近傍に前記生成物を生成させる。本発明によれば、50℃〜100℃の間の可能な限りの低い温度で、同時に100−200barの圧力でアナターゼ相のTiOを生成する驚くべき可能性を提供することができる。また、本発明は、上記方法によって生成されるアナターゼTiO等の生成物、及び、上記方法を利用する装置に関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
ゾルゲル法を用いて金属酸化物、金属含水酸化物、金属水酸化物を製造する目的は、これらの方法が簡易な低コストプロセスであって、低温で実施できるからである。これらの方法では、製造パラメータを変化させることができ、それによって生成物の特性を変化させることができる([Moran etal., 1999]:非特許文献7参照)。
【0002】
従来のゾルゲル法では、金属酸化物、金属含水酸化物、又は金属水酸化物を製造することにより、1μm〜10μmの範囲に限定された粒子サイズのアモルファスの生成物が得られる([Livage etal., 1998]:非特許文献5参照。)。従来のゾルゲル法では、結晶性の生成物を得るために生成物を高温で最高24時間まで焼成することが必要となる。さらに、高エネルギーを使用するために、好ましくない影響、例えば、触媒用途について、比表面積が80%まで減少する([Andersen, 1975]:非特許文献1参照。)。
【0003】
ゾルゲル法の溶媒として従来のアルコールに代えて超臨界流体を用いることによって、ナノメートルの範囲の非常に小さい粒子サイズが得られる。これは、超臨界媒体での高い反応レートのためと考えられている([Jung & Perrut, 2001])。
【0004】
最近数十年にわたって、超臨界媒体(例えば超臨界CO)の流体中のセラミック及び金属酸化物の合成は、例えば、化学的均一性、構造及び形態学の点について粒子特性を改善するために大きく発展している([Jung & Perrut, 2001])
【0005】
従来技術において、アナターゼ相のTiO粒状物が生成された最低温度は、250℃である([Robbe et al. 2003])。しかし、これは、まず超臨界状態の下でアモルファスのTiOを作成し、その後250℃でそのアモルファス物質を焼成して得たものである。
【0006】
250℃でアナターゼ相を生成する上記方法は、超臨界プロセスにおける金属酸化物及び酸化ケイ素の生成について記載された特許に基づいている([Sarrade etal., 2002])。この方法は、本発明と比較すると、アモルファス酸化物しか得られず、結晶化するためにはその後の焼成を必要とする点で相違する。これらの酸化物は、100nm〜1000nmの範囲の粒子サイズを有する。
【0007】
また、連続的超臨界生成法によってアモルファスのナノサイズのチタニウム水酸化物粒子が得られる([Reverchon et al. 2002])。
【0008】
また、粒径100nm〜650nmのアモルファス粒子の超臨界生成方法がある([Sievers and Karst, 1997])。
【0009】
ナノサイズの金属酸化物、金属含水酸化物、又は金属水酸化物を生成するさらに別の方法としては、チャンバ内にあらかじめ生成された粉末を導入し、例えば超臨界COによって乾燥させる超臨界乾燥法を応用することによって行われる。このプロセスは、様々な金属酸化物が後工程の超臨界乾燥の対象となり、その結果、非常に大きな比表面積が得られることが記載されている([Yamanis, 1989])。また、この方法によれば、比表面積を減らすことなく結晶性の生成物を得ることができる([Yoda et al. 2001])。このYoda et alには、超臨界乾燥によってTiO及びSiOの比表面積を700〜900m/gまで増加させることができることが実証されている。
【0010】
市販の結晶性TiOは、酸水素炎(H/O flame)中でのTiClの火炎中酸化合成によって主に製造されている。この一例として、35nmの粒子サイズを有し、TiOのルチル相とアナターゼ相との混合物からなる市販のDegussa P25(Degussa GmbH、ドイツ)がある。ゾルゲル法と比較すると、プロセスパラメータを変化させることは困難であり、そのため火炎中酸化合成の結果物を変化させることは困難である([Brinker 1990])。さらに、純粋なアナターゼ相はルチル相より安定性が低いので、純粋なアナターゼ相を生成できない。また、火炎合成は、例えば、二酸化ケイ素、アルミナ、二酸化ジルコニウムを生成するために利用されている([Brinker, 1990])。
【0011】
用途
近年、上記従来技術で示唆されているように、アモルファス及び結晶性のナノ粒子は、大きな注目を集めている。この注目は、物質の多くの特性がナノ粒子の様々な形態を含むことで根本的に変化するとの観測によって駆り立てられたものである。微少体積と体積に対する大きな表面積比とによって、物質の電子的特性及び物理的特性のいずれもが強く影響を受ける。いくつかの特性については、ナノ粒子がアモルファスであることが重要であり、あるいは、ほぼ結晶相であることが重要である。
【0012】
金属酸化物のナノ粒子によって大きな性能改良が得られる分野の不完全なリストとしては、化学的機械的研磨法、電気伝導性コーティング、磁性流体シール、磁気記録媒体、多層セラミックコンデンサ、光ファイバ、蛍光体、量子光デバイス、太陽電池、抗菌薬、生物探知(biodetection)、生体磁気分離、MRI造影剤、整形外科、日焼け止め剤、自動車用触媒、セラミック膜、燃料電池、写真用触媒、推進薬、傷つき防止コーティング、構造的セラミック、溶射コーティングがある。
【0013】
上記分野のうちのいくつかの分野では金属酸化物のナノ粒子の組み込み(integration)は、既に工業的規模で実現されている。しかし、多くの分野についてはナノ粒子のコストが法外であって、役に立つ用途の多くを大きく制限している。一般的な傾向としては、ナノ粒子のサイズが小さくなるにつれて価格が上昇する。また、残念なことに、一般的な傾向として、小さいナノ粒子ほど大きな性能改善が生じる。
【0014】
【非特許文献1】[Andersen, 1975] J. R. Andersen. Structure of Metallic Catalysts. Acedemic Press, 1975.
【非特許文献2】[Beaucage and Schaefer, 1994] Beaucage, G. and D. W. Schaefer. "Structural studies of complex systems using small angle scattering: a unified Guinier I power law approach." Journal of Non-Crystalline Solids 172-174: 797-805, (1994).
【非特許文献3】[Brinker etal., 1990] C. Jeffrey Brinker, George W. Scherer. Sol-gel Science, The Physics and Chemistry of Sol-Gel Processing Academic Press 1990.
【非特許文献4】[Jenkins et al., 1996]Ron Jenkins and Robert L. Snyder. Introduction to X-ray Powder Diffractometry. John Wiley & Sons, Inc., 1996.
【非特許文献5】[Jessop et al., 1999]Philip G. Jessop and Walter Leitner. Chemical Synthesis Using Supercritical Fluids. Wiley-VCH, 1999.
【非特許文献6】[Livage etal., 1988]J. Livage, M. Henry and C. Sanchez. Sol-Gel Chemistry of Transition Metal Oxides. Progress in Solid State Chemistry, 18 (4), 259-342, 1988.
【非特許文献7】[Moran etal., 1999] Paul D. Moran, John R. Bartlett, Graham A. Bowmaker, James L. Woolfrey, Ralph P. Cooney. Formation of TiO2 Sols, Gels and Nanopowders from Hydrolysis of Ti(O'Pr) 4 in AOT Reverse Micelles. Journal of Sol-Gel Science and Technology 15, 251-262, 1999.
【非特許文献8】[Porter etal., 1999]Porter, J. F., Y. -G. Li and C. K. Chan. "The effect of calcination on the microstructural characteristics and photoreactivity of degussa P-25 TiO2." J. Mat. Sci 34: 1523-1531 (1999).
【非特許文献9】[Pozzo etal., 2002] Pozzo, R. L. , A. E. Cassano and M. A.Baltanas."The Performance in Fluidized Bed Reactors of Photo catalysts Immobilized onto Inert Supports." http://www.unl.edu.ar/cepac/abstract/bbaltana.htm. (2002)
【非特許文献10】[Soloviev, 2000] Soloviev, A. Sol-Gel Process: Study of the Kinetics of Particle Growth by Light Scattering Technique. Ph. D. Thesis, Universit Paris Nord, (2000).
【非特許文献11】[Stojanovic etal., 2000]B. D. Stojanovic, Z. V. Marinkovic, G.O. Brankovic and E. Fridancevska. Evaluation of Kinetic Data for Crystallizationof Ti02 prepared by Hydrolysis Method. Jour. of Thermal Analysis and Calorimetry, Vol. 60,595-604, 2000.
【0015】
本発明の目的は、総エネルギー収支が最小であって、それによって最終生成物のコストをかなり減らすことができる方法で、ナノ粒子径の金属酸化物を製造することである。
【0016】
また、本発明の目的は、通常、特に高価な微少なナノ粒子を安価に生成できる方法によって金属酸化物のナノ粒子を生成することである。
【0017】
さらに、本発明の目的は、粒子径、結晶相、及び結晶度をコストのかかる後反応プロセスに頼ることなく外部パラメータによって制御できる金属酸化物のナノ粒子を生成することである。
【0018】
第1の態様によれば、これらの一以上の目的及び可能性のある他の目的は、金属酸化物、金属含水酸化物、又は金属水酸化物の一次粒子径がサブミクロンの生成物を製造する方法によって解決でき、前記生成物の製造方法は、
反応容器充填用固体物質(solid reactor filling material)を反応容器に導入するステップと、
金属含有前駆体を前記反応容器に導入するステップと、
両親媒性溶媒(co-solvent)を前記反応容器に導入するステップと、
超臨界溶媒を前記反応容器に導入するステップと、
前記金属含有前駆体と前記両親媒性溶媒とを接触させるステップと、
上記の結果として前記反応容器充填用固体物質の近傍に前記生成物を生成するステップと
を含むことを特徴とする。
【0019】
この明細書において、一次粒子は、生成の結果得られるナノ粒子、又は少なくともサブミクロン粒子である。通常、これらの一次粒子は、粒子の集合体の中でそれぞれ互いに弱く結合している。これらの集合体は、二次粒子と考えられる。その近似スケールは、原子レベル、ナノレベル、ミクロンレベルからマクロレベルまでの範囲の任意スケールであってよい。
【0020】
この生成は、好ましくは、ゾルゲル反応を含むプロセスによって行われる。得られる生成物は、実質的に結晶体、実質的にアモルファスのいずれであってもよい。また、一般的には、生成物はいくつかの異なる相の組み合わせであってもよい。
【0021】
この方法は、簡易に、且つ、迅速に製造するために、反応容器充填用固体物質、金属含有前駆体、両親媒性媒体、及び超臨界媒体の上記反応容器への導入を、任意の順序で行うように応用してもよい。
【0022】
さらに、反応容器に導く前に、反応容器充填用固体物質、金属含有前駆体、両親媒性溶媒、又は超臨界溶媒のうちの一つを上記の他の一つと混合してもよい。さらに、この方法は、バッチモード、擬バッチモード、及び連続モードのうちから選択されるいずれか一つのモードで実行してもよい。さらに、これを詳細な説明において説明する。
【0023】
生成物を生成する間の反応容器の温度は、一定温度に保持できるが、好ましくは実現すべき超臨界状態に関して昇温過程又は降温過程としてもよい。また、別例では、反応容器の温度は、一以上の一定温度、一以上の昇温過程、一以上の降温過程の任意の選択を含む温度プロファイルを有してもよい。
【0024】
上記生成物を生成する間の反応容器の温度は、好ましくは最大400℃であって、さらに好ましくは最大300℃であって、より好ましくは最大200℃であって、またさらに好ましくは最大100℃であって、なおさらに好ましくは最大50℃である。
【0025】
生成物を生成する間の反応容器内の圧力は、所定圧力に保持することができるが、あるいは、実現すべき超臨界状態に関して圧力を増加又は減少してもよい。さらに、反応容器内の圧力は、一以上の一定圧力の過程、一以上の増圧過程、一以上の減圧過程の任意の選択を含む圧力プロファイルを有していてもよい。
【0026】
超臨界溶媒として二酸化炭素を用いると、生成物の生成の間の反応容器内の圧力は、最低74barとなり、反応容器内の温度は最低31℃となる。超臨界溶媒としてイソプロパノールを用いた場合には、生成物の生成の間の反応容器内の圧力は、最低47barとなり、反応容器内の温度は最低235℃となる。
【0027】
超臨界溶媒は、反応容器内に導入前に超臨界であってもよく、反応容器内に導入後に超臨界相にされてもよい。
【0028】
本発明によれば、上記プロセスパラメータを専ら選択することによって、50℃〜100℃の間の可能な限りの低い温度で、同時に100−200barの圧力でアナターゼ相のTiOを生成する驚くべき可能性を提供することができる。
【0029】
生成物の生成時間は、最大0.5時間〜最大24時間の間にわたり、プロセスパラメータの数、プロセスコンポーネントの数、及びプロセスによって生成される一以上の生成物に依存する。
【0030】
好ましくは、多様な合金の可能性を広げ、生成物にドープする可能性を広げるために、複数の様々な金属含有前駆体を反応容器の中に導入してもよい。
【0031】
上記金属含有前駆体は、例えば、チタニウム・テトライソプロポキシド、チタニウム・ブトキシド、チタニウム・エトキシド、チタニウム・メトキシド、アルミニウム・イソプロポキシド、アルミニウム−SEC−ブトキシド、又はマグネシウム・エトキシド等の金属アルコキシドであってもよい。
【0032】
上記金属含有前駆体は、Ti(SO、TiCl、AlCl等の金属塩であってもよい。
【0033】
上記両親媒性溶媒は、エタノール、メタノール、過酸化水素水、及びイソプロパノールの群から選ばれることが好ましいが、その一方で複数の異なる両親媒性媒体を反応容器内に導入してもよい。
【0034】
上記反応容器充填用固体物質は、不均一系触媒として機能してもよく、好ましくはプロモータを含んでいてもよい。
【0035】
上記反応容器充填用固体物質は、一又は複数の繊維、粉末、及び実質的に多孔性の構造等の様々な形態を有していてもよい。
【0036】
また、反応容器充填用固体物質は、金属含有前駆体を反応容器の限定的な部分に実質的に制限できるサイズ及び形状を有するものであってもよい。例えば、反応容器の上部に上記前駆体を限定する反応容器の上部の繊維の束であってもよく、それによって、例えば、反応容器の底の液体などの反応容器の残りの部分から金属含有前駆体を分離することができる。別例では、上記反応容器充填用固体物質は、スポンジ、グリッド、及びシートの群から選ばれる形状を有する。
【0037】
上記反応容器充填用固体物質は、ポリスチレン(PS)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリビニルクロライド(PVC)、ポリビニリデンクロライド(PVDC)、酢酸ポリビニル(PVAc)等のポリマであってもよい。
【0038】
あるいは、上記ポリマは、アクリルポリマ、フッ素化(fluorinated)ポリマ、ジエンポリマ、ビニルコポリマ、ポリアミドポリマ、ポリエステルポリマ、ポリエーテルポリマ、又はポリイミドポリマの群から選ばれるものであってもよい。
【0039】
また、上記反応容器充填用固体物質は、チタン、アルミニウム、亜鉛、バナジウム、マグネシウム、ジルコニウム、クロム、モリブデン、ニオブ、タングステン、銅、鉄などの金属であってもよい。
【0040】
上記反応容器充填用固体物質は、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化銅、酸化アルミニウム、酸化バナジウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化クロム、酸化ケイ素、酸化モリブデン、酸化ニオブ、酸化タングステン、酸化鉄などの金属酸化物であってもよい。
【0041】
上記反応容器充填用固体物質は、天然又は人工のセラミックが好ましい。上記反応容器充填用固体物質は、金属硫酸塩又は金属ハライドを含んでもよい。
【0042】
上記反応容器充填用固体物質は、上記生成物の生成の種物質として働いてもよい。上記反応容器充填用固体物質は、生成物の生成を導くために、反応容器内での生成の結果の生成物と同一の金属酸化物、金属含水酸化物、又は金属水酸化物を含むことが好ましい。また、この生成は、例えば、沈殿、触媒反応、又は成長によって行われるものであってもよい。別例として、上記反応容器充填用物質は、生成物を収集する作用物質として機能してもよい。
【0043】
生成物は、反応容器充填用固体物質を何も処理することなく反応容器充填用固体物質から分離可能であることが好ましい。この場合に、反応容器充填用固体物質は、実質的に品質を損なわないことが好ましい。これによって、反応容器充填用固体物質を新たな生成過程に再利用することができることが好ましい。反応容器充填用固体物質からの分離は、反応容器充填用固体物質を液体中にフラッシングすることによって行ってもよく、あるいは揺らすことによって、またあるいは、真空吸引手段、ブロー手段、又は超音波手段によって行ってもよい。
【0044】
従来技術、例えば、ナノ構造化されたテンプレートを利用する技術と比較すると、本発明は、プラズマ処理、焼成、又は他の反応容器充填物質の化学的処理を行うことなく、サブミクロンの生成物が反応容器充填物質から容易に分離できるということを特徴とする。例えば、ナノ構造化されたテンプレートを用いて、テンプレートに生成物を埋め込むと、分離ステップが必要となり、それによってテンプレートを劣化させる。本発明の場合にはこのようなことはない。
【0045】
本発明の第2の態様は、第1の態様の方法によって製造される金属酸化物、金属含水酸化物、金属水酸化物の生成物に関するものであって、上記生成物は、10−1000nmの範囲の平均一次粒子径を有する一次粒子の集合体の形態をとる。
【0046】
より好ましい実施の形態によれば、この方法で得られる金属酸化物の生成物はTiOであり、好ましくは最低20%の結晶度を有し、さらに好ましくは最低30%の結晶度を有し、より好ましくは最低40%の結晶度を有し、またさらに好ましくは最低60%の結晶度を有し、またより好ましくは最低80%の結晶度を有する。二酸化チタンは、実質的にアナターゼ結晶であってもよい。
【0047】
別の場合には、上記金属酸化物は、Al、TiO、ZrO、Y、WO、Nb、TaO、CuO、CoO、NiO、SiO、Fe、ZnOの群から選ばれる。
【0048】
さらに別の場合には、上記金属含水酸化物は、含水酸化鉄、含水酸化チタン、含水酸化マンガン、含水酸化アルミニウムの群から選ばれる。
【0049】
またさらに別の場合には、上記金属水酸化物は、水酸化鉄、水酸化ケイ素、水酸化ジルコニウム、水酸化チタン、水酸化マンガン、水酸化アルミニウムの群から選ばれる。
【0050】
本発明の第3の態様は、金属酸化物、金属含水酸化物、又は金属水酸化物のサブミクロンの一次粒径を有する生成物を製造する装置に関し、前記装置は、
反応容器充填用固体物質を反応容器に導入する手段と、
金属含有前駆体を前記反応容器に導入する手段と、
両親媒性溶媒を前記反応容器に導入する手段と、
超臨界溶媒を前記反応容器に導入する手段と、
前記金属含有前駆体と前記両親媒性溶媒とを接触させるためのスペースとしての前記反応容器と、
前記反応容器充填用固体物質の近傍に前記生成物を生成するためのスペースとしての前記反応容器と
を備えることを特徴とする。
【0051】
本発明によって、ナノサイズの金属酸化物、金属含水酸化物、又は金属水酸化物を生成でき、金属アルコキシド又は金属塩の前駆体を用いたゾルゲル法を利用することが好ましい。TiOの生成の場合、金属アルコキシドの前駆体としては、例えば、チタニウム・テトライソプロポキシド、Ti(OPr)、チタニウム・ブトキシド、Ti(OBu)、チタニウム・メトキシド、Ti(OEt)、チタニウム・メトキシド、Ti(OMe)であってもよく、また、金属塩の前駆体は、TiCl、Ti(SO等であってもよい。
【0052】
ゾルゲルプロセスは、水と接触した場合の前駆体の加水分解で始まる。上記加水分解は、同時にナノサイズ粒子の生成を導く加水分解されたモノマの固体化へと続く。全体のプロセスは、およそ以下のように記載することができる([Livage etal., 1988])。
M(OR)+1/2nHO→MO1/2n+nROH
【0053】
例えば、TiO生成の場合の全加水分解/固体化反応は、以下のように記載できる。
Ti(OR)+2HO→TiO+4ROH
【0054】
プロセスは、所望の構造及び所望の最終生成物のサイズを得るために制御しなければならない。コロイド溶液はゾルとして始まる。ゾルが安定な場合には、溶液は変化せず残る。しかし、たいていはゲル化又は粒状物質の沈殿が生じる。ゾル、ゲル、又は沈殿生成のいずれであろうと、従来のゾルゲル法では、生成物は乾燥され、たいてい焼成されて最終生成物を得る。
【0055】
粒子サイズを反応時間の関数として表した結果の概略図を図1に示す。これにより、従来のゾルゲル法では、1〜10μmの最終粒子サイズのものが得られることがわかる([Soloviev, 2000])。
【0056】
超臨界溶媒(例えば、CO)を用いることによって、図1に示される方法を制約(arrest)できる。超臨界溶媒によって、(図1の)曲線が急勾配の部分に達する前の部分に粒子成長を制約し、その結果、ナノサイズ粒子が得られるように、粒子を制御し、安定化することができる。超臨界流体中で所定のプロセスパラメータにより粒子を生成することによって、また、本発明による種又は触媒として機能する反応容器物質を含ませることによって、さらに、相対的に低温で部分的又は全体的に結晶化された生成物を得ることができる。
【0057】
このプロセスでは、超臨界流体を溶媒として用いている。超臨界流体は、圧力が臨界圧力(pc)より高く、温度が臨界温度(Tc)より高い状態にある混合物又は元素の流体として規定されている。精選された流体の臨界パラメータを表1に示した。表1は、精選された無機流体及び有機流体の臨界パラメータを示すものである([Jessop et al. 1999])。
【0058】
【表1】

【0059】
超臨界流体の特性は、たいてい気体とその液体の特性の組み合わせとして記述されている。現実には超臨界流体は、気体の粘度と、液体の密度を持つ。これは化学反応の媒体として理想的なものである。表2は、これらの物理的特性を比較したものである。表2は、物理特性の一般的な比較である([Jessop etal., 1999])。
【0060】
【表2】

【0061】
高密度及び低粘度のために、超臨界流体は、ゾルゲル法を安定させると共に制御すると同時に、高い反応レートで生成物を得るために理想的である。これによって、図1のゾルゲル法を制約し、約1〜100nmのナノ範囲の粒子サイズに安定化できる可能性がある。
【0062】
ナノサイズの粒子を生成し、収集するために、反応容器充填用固体物質を生産物内に導入する。これらの充填物質は、ナノ粒子を収集するリザーバであると共に種又は触媒として機能させてもよい。様々な充填物質の例としては、ポリマ、セラミック、金属ファイバ、及び天然物がある。充填物質は、被覆してもよく、それによって親水性表面又は疎水性表面等の様々な表面特性を有する。反応容器充填用物質が特に低温で結晶相の生成を促進する助けになっていると思われる。
【0063】
装置及び準備
サブミクロンの生成物を得るために用いられる装置の概略図を図2に示す。この装置の中心は、超臨界条件下で生成物を生成する反応容器である。一般的に反応容器は、温度及び圧力の両方がコントロールできるように構成される。
【0064】
金属含有前駆体、両親媒性溶媒、溶媒及び反応容器充填用物質はいずれも反応容器のチャンバ内に導かれる。導入の正確な順序及びこれらが導入される環境は、実質的に変更してもよい。
【0065】
例えば、純粋なバッチルートの実施例を考慮したある生成ルーチンでは、たとえ合成が開始しないように何らかの方法で分離されていても、金属含有前駆体、両親媒性溶媒、及び反応容器充填用物質を室温及び常圧で反応容器のチャンバ内に導入してもよい。一度反応容器のチャンバが閉じられたら、まず温度を上昇させるか圧力を上昇させるか、のいずれかによって、あるいは、温度及び圧力の両方をさらに複雑に組み合わせて超臨界レベルに上昇させてもよい。例えば、圧力の上昇は、十分に多量の溶媒を導入することの直接の結果として実現してもよい。
【0066】
温度及び圧力の上昇のいかなる組み合わせにおいても、すばやく超臨界状態に達することが優先される。溶媒によって、金属含有前駆体及び両親媒性媒体が互いに接触し、合成が開始するまで、それらを輸送する。しばらく後に、反応容器充填用物質及び該反応容器充填用物質の近傍に存在する生成物を反応容器から取り出すために、チャンバを除圧させ、冷却し、開ける。
【0067】
擬バッチプロセスの実施例についての別の例では、いくつかの構成要素を室温及び常圧で反応容器に導入してもよい。例えば、反応容器充填用物質及び金属含有前駆体は室温及び常圧で反応容器に導入してもよい。このような擬バッチプロセスでは、温度及び圧力は、任意の順で上昇させてもよく、あるいは、以下のより複雑な温度−圧力経路のいずれであってもよい。上記バッチプロセスにおけるように、溶媒の導入によって圧力を上昇させてもよく、あるいは、従来技術で利用できる他の方法によって実現してもよい。合成を開始させるためには、両親媒性溶媒を導入することが必要である。これは、溶媒の導入と同時に行ってもよく、あるいは反応容器のチャンバ内へ導入する前に溶媒と両親媒性溶媒とを混合して同時に導入してもよい。
【0068】
別の例としては、両親媒性溶媒の導入は、溶媒の導入の後に行ってもよく、超臨界状態に導入してもよい。この場合には、合成のレートは、反応容器のチャンバ内への両親媒性溶媒の導入レートによってコントロールできる。もちろん、室温及び常圧で反応容器充填用物質及び両親媒性溶媒を導入し、その後、金属含有前駆体及び溶媒を導入することを考えるほうがむしろ自然なことである。また、セミ−バッチ法のさらなる拡張として、反応容器のチャンバ内に室温及び常圧で配置する反応容器充填用物質について、それに続いて添加する溶媒、両親媒性溶媒、及び金属含有前駆体について好ましい有利な順序及び割合について検討してもよい。しばらく後、反応容器充填物質及び生成物を反応容器から取り出せるように、チャンバの圧力を低下させ、冷却し、開ける。
【0069】
最後に、連続法では、反応チャンバは、連続して(あるいは非常に長時間にわたって)超臨界温度及び圧力に維持されると考えられる。このようなシステムでは、反応容器充填物質の導入及び取り出しは連続して、あるいは擬連続であり、例えば、超臨界状態のままで反応容器充填物質を反応容器に充填し、反応容器から取り出すことができるロード・ロックシステムを利用できる。
【0070】
このようなロード・ロックシステムは、
ロード・ロックに反応容器に導入するステップと、
ロード・ロックを閉じるステップと、
ロード・ロックエリアを反応チャンバと類似の状態にもっていくステップと、
反応チャンバとロード・ロックとの間のバルブを開放するステップと、
反応チャンバ内に反応容器充填物質を導入するステップと、
反応を起こさせて、その結果、反応容器充填物質の近傍に生成物を生成させるステップと、
反応容器充填物質を反応チャンバからロード・ロックへ取り出すステップと、
反応チャンバをロード・ロックから閉鎖するステップと、
ロード・ロック内の圧力及び温度を低下させるステップと、
反応容器充填物質(及び、生成物)をロード・ロックから取り出すステップと、続いて、
反応容器充填物質から生成物を上記一以上の方法によって分離するステップと
によって行う。
このような2つのロード・ロックシステムを備えるので、反応容器充填物質を導入するためにもう一方のロード・ロックを利用することによって、生成をほとんど連続的に行うことができる。
【0071】
連続法においては、金属含有前駆体、両親媒性溶媒、及び溶媒の導入は、所望の生成物の特性を得るために、それぞれ考えられるかぎりの割合及び経路の多くの組合せで実行してもよい。
【0072】
上記処理経路の全てにおいて、最終的に生成物は反応容器充填物質の近傍に生成する。従来技術と比較すると、生成物をファイバから分離するプロセスでは、加熱処理を要しない。たいていの場合には、生成物を充填物質から分離するためには、簡単な仕掛け、あるいはダイナミックな操作を必要とするだけである。そのような操作の例としては、液体中でのフラッシング、ラビング、揺らす、振動させる、衝撃を与える、真空吸引を利用等の吸い込み、又は超音波振動等がある。
【0073】
化学的ゾルゲル法を超臨界環境で実現することが本発明における鍵となる特徴であり、再現可能な結果を得るための必要条件である。反応容器を満たす物があると共に、超臨界環境での反応によって、例えば、後処理を要しない低温での準安定なアナターゼ相のTiOを生成できると考えられる。
【0074】
生成物パラメータ及び関連した効果
プロセスパラメータを変化させることによって、生成物の特性を変えることができる。以下の表では、様々なプロセスパラメータ及びそれらの最終生成物への影響について載せている。
【0075】
表3は、最終生成物におけるプロセスパラメータの影響を示すものである。
【0076】
【表3】

【0077】
表3から、温度を変化させることによって結晶相を変えることができることがわかる。採りうる最低のプロセス温度は、超臨界状態を得るために必要とされる温度であり、超臨界流体としてのCOについては31.1℃である。温度は、例えば、TiO相の生成に非常に大きな影響を有する。図3では、TiOの結晶相は、温度の関数として示される。商業的に重要なTiOの結晶相(アナターゼ及びルチル)は、通常、それぞれ350−500℃と、900℃以上で得られることがわかる([Stojanovic etal., 2000])。
【0078】
また、圧力は、COについての臨界圧力の73.8barより大きい圧力を維持できる限りは変化させることができる。圧力及び温度を変化させることによって、溶液の特性を密度の点で変化させることができる。溶媒の密度は、溶液における物質の溶解パラメータと同様に、コロイド状懸濁液の安定性に大きな影響を有している。図5から、COは、ガスである通常の状態(20℃、1bar)では、低い密度を有することがわかる。さらに、密度の大きな増加は臨界圧力の付近で生じることがわかる。そのため、最適な生成環境を得るためにこれらのパラメータを精密に調整できる。
【0079】
また、プロセスパラメータを変化させることに加えて、通常の生成プロセスを行った後で生成物を超臨界乾燥させてもよい。乾燥は、超臨界溶媒をバルブV1を介して所定流量(F1)で、所定時間の間、供給しながら、バルブV2を開放することによって行われる。この追加の超臨界乾燥は、比表面積と同様に結晶度にも影響を及ぼすと予想される。
【0080】
ナノ粒子の特性
明確な構造のブラベー格子が記述できる場合には、結晶度についても理論的に考察できる。本発明の方法による生成物の結晶度は、X線粉末回折パターン(XRD)によって決定される。そのパターンは、数多くの標準的な商用ディフラクトメータによって記録できるが、ここではSTOEディフラクトメータからのCuKα線(λ=15.40nm)を用いて記録された。X線回折パターンは、TiOサンプルについては2θが10°〜50°にわたって測定され、AlOOHサンプルについては2θが20°〜80°にわたって測定される。
【0081】
この明細書中で用いられているように、結晶度は、100%のレファレンスサンプルCaFについて規定され、また、結晶度は、100%結晶性のCaFの100%ピークのバックグラウンド除去された面積を分母として、未知の結晶度の100%ピークのバックグラウンド除去された面積を分子とする分数によって規定される。結晶度の比は、100%の結晶サンプルとCaFについてのそれぞれのピーク比の表の値と対比される。未知の結晶度を有するサンプルとCaFを50重量%で混合する。
【0082】
TiO試料の結晶度をどのように決定するかについて以下に示す。アナターゼ(101)についての100%のピークのバックグラウンドを除去した面積と重量比50%のコランダムとの比は、下記式で表される。
【0083】
【数1】

【0084】
また、CaFの100%ピークと、50重量%のコランダムとの間の比は、次式となる。
【0085】
【数2】

【0086】
これによって、100%結晶性のアナターゼと重量比50%のCaFとの間の比は、次式で得られる。
【0087】
【数3】

【0088】
この方法は、燃焼酸化合成法によって生成され、ルチル相と共にアナターゼ相とを含む商用のTiO粉末であるドイツのDegussa GmbHによるDegussa P25について実証されている。そのルチル(110)とCaFとの比は0.85である。
【0089】
試料は、CaFを重量比で50%混合している。Degussa P25の結晶度を決定するための回折パターンを図6に示した。図6に示すように、Degussaは、ルチル相のTiOと共にアナターゼを含む。Degussa P25の粉末からの測定スペクトルを分析し、ピーク面積を計算することによって、71%の結晶のアナターゼ相と、27%の結晶のルチル相と、残り2%がアモルファス相であることがわかる。これは、[Pozzo etal., 2002]によって測定され、Degussa P25粉末は75%のアナターゼと25%のルチルとからなると同意されており、[Porter etal., 1999]によっても測定されており、76.5%のアナターゼと23.5%のルチルであると同意を得ている。また、[Porter etal., 1999]は、Degussa P25粉末のアモルファス比率についても報告している。
【0090】
また、X線粉末回折パターンは、下記のシェラーの式を用いて試料の結晶粒径τ又は一次粒子径を決定するために用いられる([Jenkins etal., 1996])。
【0091】
【数4】

【0092】
ここで、Kは、形状因子であって0.9である。βτは、装置ノイズから差し引く全値半幅である。θは、回折角である。
【0093】
(101)ピークについて、Degussa P25の結晶粒径は35nmである。
【0094】
一次粒子径は、上述のように決定される結晶粒径とは異なっていてもよく、それは走査型電子顕微鏡(SEM)及び低角X線回折(SAXS)によって測定される。
【0095】
SAXSデータは、多くの商用システム又は自作システムを用いて測定できるが、ここでは、回転アノードX線発生器、Cross−coupled Goebelミラー、及びBruker AXS Hi−starエリア検出器を備えたBruker AXS、Nanostar SAXSシステムの装置を用いて測定した。
【0096】
散乱強度Iは、散乱ベクトル係数q=4n・sin(θ)/λの項について測定されるが、ここで、λ=15.4nmである。散乱強度は、q=0.00071nm−1〜q=0.0334nm−1まで測定された。データは、qに対する平均強度のスペクトルを得るためにバックグラウンドについて修正され、方位角について平均化された。データは、Beaucageモデルにフィッティングさせて解析された([Beaucage and Schaefer, 1994])。
【0097】
【数5】

【0098】
ここで、
Rg:回転半径
P:マス・フラクタル・ディメンジョン(Mass fractal dimension)
B:exp Pが減少するレジューム(regime)によって特定される指数法則的な散乱のタイプに固有のプリファクタ
G:標準的なギニエ・プリファクタ(Classic Guinier pre-factor)
【0099】
Beaucageモデルによって、回転半径を通じて一次粒子のサイズの情報を得ることができる。回転半径は、粒子の重量平均半径で規定される。XRDデータとは異なり、SAXSでは、アモルファスサンプルと同様に、結晶についてもその一次粒子のサイズを測定できる。
【0100】
ThermoQuestからのSorptomatic 1990は、生成された粉末の比表面積を測定するために使用される。この装置によって、サンプル上の窒素の吸着等温線を測定し、この等温線から比表面積を算出する。
【0101】
実施例1
ナノサイズのTiOの生成
この実施例では、バッチプロセスによるナノサイズの結晶性TiOの生成について説明する。この実施例における前駆体は、Sigma Aldrich社からの97%のチタニウム・テトライソプロポキシド、Ti(OPri)である。以下ではTTIPと呼ぶ。TTIPは、種又は触媒物質として機能する反応容器充填用物質を含む超臨界環境で蒸留水と反応する。この実施例での超臨界流体は、COである。実験装置を図2に示し、装置及び準備セクションでのバッチプロセスを一般的に示した。
【0102】
プロセス用機器は、超臨界ゾルゲル反応を行う反応容器を備える。この実施例で、反応容器は繊維状の反応容器充填用物質を含む。反応容器は、圧力及び温度が制御されたオーブン内に置かれる。圧力は、所望の生成物に応じて1〜680barの範囲で変化させてもよく、ポンプ(P1)で制御する。温度は、25〜250℃の範囲で変化させてもよく、温度レギュレータ(T1)によって制御する。この設備は、Applied Separation Inc.社によるSpe−ed SFE−2である。
【0103】
バッチ実験では、超臨界反応容器に、まず、反応容器充填物質が満たされる。TTIPは、反応容器充填物質の中に反応容器の上部から導入され、水が反応容器充填物質の中に反応容器の底部から導入される。反応容器充填用物質の量は、COが反応容器の中に添加される前に反応が起こるのを避けるように調整されている。反応容器は96℃であらかじめ加熱されたオーブンの中に置かれる。温度1.3℃で圧力60barのCOが素早く添加される。圧力を開始設定点の100barに上昇させる。反応容器内の温度は30分で設定点に達する。反応容器の温度が室温から96℃まで上昇した結果、圧力は100barから約170−200barまで30分で上昇する。TiOについての標準実験の実験パラメータ及び反応物の量は、表4に示した。
【0104】
表4は、標準的な実験条件である。
【0105】
【表4】

【0106】
標準実験におけるTTIPの量は、2.10mlであり、蒸留水の量は1.00mlであり、それによって、7.87の加水分解比が得られる。上記充填物質は、親水性ポリプロピレンポリマ繊維(PP)である。
【0107】
本発明による上記プロセスパラメータを有する標準実験によって、純粋なアナターゼ相のTiOを得ることができる。上記の実験及び方法を用いて得られた粉末のX線回折スペクトルを示した場合が図4に示されている。この図では、生成物のスペクトルが純粋なアナターゼから予想される回折線と比較されている。結晶粒子の微少サイズのために生じる広がりを除いて、観測された回折線は、アナターゼから予測される回折線に一致することがわかる。他のTiO相は存在しない。この生産工程の結晶サイズτは、約10nmと決定された。下記の表は、上記の生成方法及びプロセスパラメータによって生成される物質の特性を示すものである。
【0108】
表5は、標準的な実験で得られたTiO粉末の特性を示すものである。
【0109】
【表5】

【0110】
表5は、本発明によって得られた結果を示している。生成物の結晶度は、5つの実施例のシリーズにわたって40±5%を示している。残部はアモルファスのTiOである。結晶粒径から見積もられた平均粒径は、10.7±1.0nmである。粒径と結晶度のいずれも図8に示されるスペクトルから導かれる。SAXS測定によって、粉末が10−15nmの一次粒子からなることが確認される。また、SEM分析によって、試料が15−25nmの範囲のナノサイズの一次粒子からなることがわかる。これらの一次粒子は、より大きな集合体となっている。BET測定によれば、試料は236m/gの大きな比表面積を有していることがわかる。
【0111】
実施例1A
反応時間を変化させた場合のTiO生成物
以下の実施例では、反応時間を変化させた影響について記述する。実験は実施例1で記載した標準的な実験であるが、反応時間を変化させた。下記の表では、反応時間の変化の影響を示している。
【0112】
表6は、様々な反応時間で生成されたTiO粉末の特性を示すものである。
【0113】
【表6】

【0114】
反応時間を変化させることによって、一次粒径は2時間から4時間にかけてわずかに変化するが、4時間から8時間にわたっては変化しない。反応時間の増加は、試料の結晶度の増加には寄与しない。結晶度は、全ての反応時間で約40%である。
【0115】
実施例1B 43℃でのTiOの製造
この実施例では、実施例1で記載したような標準的な実験条件で行われたが、温度はより低い43℃であった。この実験の結果は、表7に示した。
【0116】
表7は、43℃で生成されたTiO粉末の特性を示すものである。
【0117】
【表7】

【0118】
表7に示すように、43℃で生成した場合、粉末はアモルファスであった。その一次粒子径は、SAXSによって測定され、最小5.6nmであった。
【0119】
実施例2
様々な反応容器充填用物質によるTiOの製造である。この実施例では、様々な反応容器充填用物質の影響について調べた。5つの異なる充填物質が試験され、生成物への影響について測定された。
【0120】
反応容器充填用物質は、4つのカテゴリ、ポリマ(ファイバ形状)、セラミックス(微少ボール形状)、金属(金属ウール形状)、及び天然物質(麻のシート)に分けられる。異なる表面特性を有する2つのポリプロピレン(PP)ポリマが試験された。
【0121】
実施例1で記載したような標準的な10の実験を行った。5つの異なる反応容器充填用物質が用いられ、その量は個別に調整された。それぞれの実験について、超臨界CO2を添加する前に反応物が反応しないような量に決められた。表8では、これらの実験結果を示している。各物質について2つの実験で、その結果は平均的な値を示している。
【0122】
表8は、様々な充填物質の場合に生成されたTiOの測定された特性を示すものである。
【0123】
【表8】

【0124】
表8から、反応容器充填用物質として親水性のPPを用いた場合に最高の結晶性が得られることがわかる。それによってアナターゼ相の結晶性のTiOを40%含むものが得られる。天然物を用いても、わずか16%のアナターゼ相を含む結晶性のTiOしか得られない。セラミックと金属線を用いた場合は、その中間に入る。これらの3つの反応容器充填用物質によって、約25−33%の範囲の全ての結晶性のTiOが得られるが、不確かさのために、結晶度についてこれら3つの反応容器充填用物質を識別することができない。また、これらの3つの物質に親水性のPPを加えることによって12.4nmから13.4nmの同じ結晶粒径が得られることがわかる。天然物によって、大きな18.5nmの結晶サイズが得られた。大きな結晶サイズは、小さいピークから得られるピークパラメータの決定における大きな不確かさのためである。表8の結果から、これらの5つの物質を用いることによって全てにおいてアナターゼ相の結晶TiOを得ることができることがわかる。
【0125】
実施例3 Alの生成
この実施例では、バッチプロセスによるナノサイズのAlの生成について説明する。この実施例での前駆体は、Sigma Aldrichからのアルミニウム・sec−ブトキシド、Al(OBus)である。親水性ポリプロピレン繊維を反応容器充填用物質として用いた。反応容器をオーブンに挿入する前に、反応容器充填用物質と、Al(OBus)と、水とを反応容器内に入れて、実施例1と同様に実験を行った。表9は、プロセスパラメータと反応物の量とを示している。
【0126】
表9は、Alの実施例の条件である。
【0127】
【表9】

【0128】
反応物の量から加水分解比6.8が得られる。生成物はナノサイズであり、その結晶性は弱い。粒子の特性は表10に示した。
【0129】
表10は、Al粉末の特性を示すものである。
【0130】
【表10】

【0131】
一次粒子径は、SAXS測定によって決定され、19.4nmであった。SAXSスペクトルは、図7に示す。
【0132】
実施例3A 173℃でのAlの生成
この実施例では、実施例3より高温で高い加水分解比でAlが生成した。バッチプロセスによって生成物が生成され、この実施例の前駆体は、Sigma Aldrich社のアルミニウム−sec−ブトキシド、Al(OBus)である。金属線は、反応容器充填物質として用いられた。反応容器充填物質のAl(OBus)3と水は、オーブンに入れる前に反応容器内に配置され、実施例1と同様に実験が行われた。表11には、プロセスパラメータ及び反応物量を示している。
【0133】
表11は、Alの実施例の条件である。
【0134】
【表11】

【0135】
反応物の量から、29.9の加水分解比が得られる。生成物は、ナノサイズのものであり、結晶性のアルミニウム含水酸化物のベーマイトである。生成物の特性は、表12に示されており、回折スペクトルは図9に示されている。
【0136】
表12は、173℃で生成したAlOOH粉末の特性を示すものである。
【0137】
【表12】

【0138】
粉末は、94%が結晶性のベーマイトであり、主な残りの部分がアモルファス粉末であるが、酸化アルミニウム/水酸化アルミニウムの遷移相のわずかな部分も含んでいる。その結晶は、シェラーの式によれば12.7nmの大きさである。
【図面の簡単な説明】
【0139】
【図1】粒子サイズが後の反応時間の関数である従来のゾルゲル法の概略図である([Soloviev, 2000])。
【図2】本発明による超臨界ゾルゲル法で用いられる汎用の装置を示す概略図である。
【図3】結晶相の生成温度の関数として、ブルカイト、アナターゼ、ルチルの各結晶相のTiOを示す図である。
【図4】生成したアナターゼTiO粉末とアナターゼの回折ピークの予想される位置とを重ねたX線回折スペクトルである。
【図5】減圧するにつれて密度が下がる通常の状態のCOの密度を示す図である。
【図6】TiOと、結晶サイズと同時に酸化チタンの結晶度を決定するために用いられたCaFとの重量比が50/50のX線回折スペクトルである。
【図7】本発明によって生成されたAl生成物の一次粒子径を決定するために用いられる低角X線スペクトルである。
【図8】本発明によって生成されたTiOと、結晶サイズと同時に酸化チタンの結晶度を決定するために用いられたCaFとの重量比が50/50のX線回折スペクトルである。
【図9】ベーマイトと呼ばれる結晶構造による明確な回折ピークを示す、本発明によって生成されたAl生成物のX線回折スペクトルである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属酸化物、金属含水酸化物、又は金属水酸化物の一次粒子径がサブミクロンの生成物を製造する方法であって、前記生成物の製造方法は、
反応容器充填用固体物質を反応容器に導入するステップと、
金属含有前駆体を前記反応容器に導入するステップと、
両親媒性溶媒を前記反応容器に導入するステップと、
超臨界溶媒を前記反応容器に導入するステップと
を含み、
前記金属含有前駆体と前記両親媒性溶媒とを接触させ、その結果として前記反応容器充填用固体物質の近傍に前記生成物を生成することを特徴とする製造方法。
【請求項2】
前記生成物の生成は、少なくともゾルゲル反応を含むプロセスによって行われることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記金属酸化物、金属含水酸化物、又は金属水酸化物は、実質的に結晶であることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記金属酸化物、前記金属含水酸化物、又は前記金属水酸化物は、実質的にアモルファスであることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項5】
前記金属酸化物、前記金属含水酸化物、又は前記金属水酸化物は、複数の異なる相の混合相であることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項6】
前記反応容器充填用固体物質(solid reactor filling material)、前記金属含有前駆体、前記両親媒性溶媒、及び前記超臨界溶媒の導入は、任意の順序で行われることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記反応容器充填用固体物質、前記金属含有前駆体、前記両親媒性溶媒、及び前記超臨界溶媒の少なくとも一つは、前記反応容器への導入の前に前記反応容器充填用固体物質、前記金属含有前駆体、前記両親媒性溶媒、及び前記超臨界溶媒の少なくとも一つと混合されることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記金属酸化物、前記金属含水酸化物、又は前記金属水酸化物の生成物は、バッチモード、擬バッチモード、及び実質的に連続モードの群から選ばれるモードで製造されることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記反応容器内の温度は、前記生成物の生成の間において所定温度に保持されることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記生成物の生成の間、前記反応容器内の温度は昇温されることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記生成物の生成の間、前記反応容器内の温度は降温されることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記生成物の生成の間、前記反応容器内の温度は、一定温度、降温過程、降温過程のうち少なくとも2つの組み合わせである温度プロファイルとされることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記生成物の生成の間、前記反応容器内の温度は、最大400℃であって、好ましくは最大300℃であって、さらに好ましくは最大200℃であって、より好ましくは最大100℃であって、さらになお好ましくは最大50℃であることを特徴とする請求項9から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記生成物の生成の間、前記反応容器内の圧力は、所定圧力に保持されることを特徴とする請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記生成物の生成の間、前記反応容器内の圧力は昇圧されることを特徴とする請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記生成物の生成の間、前記反応容器内の圧力は降圧されることを特徴とする請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記生成物の生成の間、前記反応容器内の圧力は、所定圧力、降圧過程、降圧過程のうちの少なくとも二つの任意の組み合わせで行われることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記超臨界溶媒は、COであって、前記生成物の生成の間における前記反応容器内の圧力は、最小74barであり、あるいは最小80barであり、またあるいは最小90barであり、さらにあるいは最小100barであることを特徴とする請求項1から17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記超臨界溶媒は、COであって、前記生成物の生成の間における前記反応容器内の温度は、最低31℃であり、あるいは最低43℃であり、またあるいは最低100℃であり、さらにあるいは最低200℃であり、またさらに最低300℃であり、よりさらに最低400℃であることを特徴とする請求項1から18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記超臨界溶媒は、イソプロパノールであって、前記生成物の生成の間における前記反応容器内の圧力は、最低47barであって、あるいは最低80barであって、さらに最低90barであって、またさらに最低100barであることを特徴とする請求項1から17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記超臨界溶媒は、イソプロパノールであって、前記生成物の生成の間における前記反応容器内の温度は、最低235℃であって、あるいは最低250℃であって、さらに最低270℃であって、またさらに最低300℃であって、400℃であることを特徴とする請求項1から17、又は20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記超臨界溶媒は、前記反応容器の中に導入される以前から超臨界状態であることを特徴とする請求項1から21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記超臨界溶媒は、前記反応容器の中に導入された後、超臨界状態とされることを特徴とする請求項1から21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記生成物の生成時間は、最大1時間であり、好ましくは最大0.75時間であり、さらに好ましくは最大0.5時間であることを特徴とする請求項1から23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記生成物の生成時間は、最大8時間であり、好ましくは最大6時間であり、さらに好ましくは最大2時間であることを特徴とする請求項1から24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記生成物の生成時間は、最大24時間であり、好ましくは最大17時間であり、さらに好ましくは最大10時間であることを特徴とする請求項1から25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
複数の異なる金属含有前駆体が前記反応容器内に導入されることを特徴とする請求項1から26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記金属含有前駆体は、金属アルコキシドであることを特徴とする請求項1から27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記金属含有前駆体は、チタニウム・テトライソプロポキシド、チタニウム・ブトキシド、チタニウム・エトキシド、及びチタニウム・メトキシドの群から選ばれることを特徴とする請求項1から28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記金属含有前駆体は、アルミニウム・イソプロポキシド、アルミニウム−SEC−ブトキシドの群から選ばれることを特徴とする請求項1から28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記金属含有前駆体は、マグネシウム・エトキシドであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項32】
前記金属含有前駆体は、金属塩であることを特徴とする請求項1から27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記金属含有前駆体は、Ti(SOであることを特徴とする請求項1から27、又は32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記金属含有前駆体は、TiClとAlClの群から選ばれることを特徴とする請求項1から27、又は32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記両親媒性溶媒は、水、エタノール、メタノール、過酸化水素水、及びイソプロパノールの群から選ばれることを特徴とする請求項1から34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記反応容器には複数の異なる両親媒性溶媒が導入されることを特徴とする請求項1から34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記反応容器充填用固体物質は、不均一系触媒として機能することを特徴とする請求項1から36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
前記反応容器充填用固体物質は、少なくとも一つのプロモータ(promoter)を含むことを特徴とする請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記反応容器充填用固体物質は、少なくとも一つの繊維から構成されることを特徴とする請求項1から38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
前記反応容器充填用固体物質は、粉末から構成されることを特徴とする請求項1から38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
前記反応容器充填用固体物質は、スポンジ、グリッド、繊維の束、及びシートの群から選ばれる形状を有することを特徴とする請求項1から38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
前記反応容器充填用固体物質は、実質的に多孔性構造を有することを特徴とする請求項1から41のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
前記反応容器充填用固体物質は、金属含有前駆体を反応容器の制限された部分に実質的に限定することができるサイズ及び形状を有することを特徴とする請求項1から42のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
前記反応容器充填用固体物質は、ポリマを含むことを特徴とする請求項1から43のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
前記ポリマは、ポリスチレン(PS)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリビニルクロライド(PVC)、ポリビニリデンクロライド(PVDC)、及び酢酸ポリビニル(PVAc)からなる群から選ばれることを特徴とする請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記ポリマは、アクリルポリマ、フッ素化ポリマ、ジエンポリマ、ビニルコポリマ、ポリアミドポリマ、ポリエステルポリマ、ポリエーテルポリマ、及びポリアミドポリマの群から選ばれることを特徴とする請求項44に記載の方法。
【請求項47】
前記反応容器充填用固体物質は、金属を含むことを特徴とする請求項1から46のいずれか一項に記載の方法。
【請求項48】
前記金属は、チタン、アルミニウム、亜鉛、バナジウム、マグネシウム、ジルコニウム、クロム、モリブデン、ニオブ、タングステン、銅、及び鉄の群から選ばれることを特徴とする請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記反応容器充填用固体物質は、金属酸化物を含むことを特徴とする請求項1から48のいずれか一項に記載の方法。
【請求項50】
前記金属酸化物は、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化銅、酸化アルミニウム、酸化バナジウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化クロム、酸化シリコン、酸化モリブデン、酸化ニオブ、酸化タングステン、酸化鉄の群から選ばれることを特徴とする請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記反応容器充填用固体物質は、セラミックを含むことを特徴とする請求項1から50のいずれか一項に記載の方法。
【請求項52】
前記反応容器充填用固体物質は、金属硫酸塩を含むことを特徴とする請求項1から51のいずれか一項に記載の方法。
【請求項53】
前記反応容器充填用固体物質は、金属ハロゲン化物を含むことを特徴とする請求項1から52のいずれか一項に記載の方法。
【請求項54】
前記反応容器充填用固体物質は、前記反応容器内での生成の結果の生成物に対応する金属酸化物、金属含水酸化物、又は金属水酸化物を含むことを特徴とする請求項1から53のいずれか一項に記載の方法。
【請求項55】
前記反応容器充填用固体物質は、前記生成物の生成に関する種物質として機能することを特徴とする請求項1から53のいずれか一項に記載の方法。
【請求項56】
前記反応容器充填用固体物質は、前記生成物を収集する作用物質として機能することを特徴とする請求項1から54のいずれか一項に記載の方法。
【請求項57】
前記生成物は、前記反応容器充填用固体物質をさらに処理することなく前記反応容器充填用固体物質から分離可能なことを特徴とする請求項1から56のいずれか一項に記載の方法。
【請求項58】
前記生成物は、実質的に前記反応容器充填用固体物質の品質を低下させることなく前記反応容器充填用固体物質から分離可能なことを特徴とする請求項1から57のいずれか一項に記載の方法。
【請求項59】
前記生成物は、前記反応容器充填用固体物質を再利用できる方法で前記反応容器充填用固体物質から分離可能なことを特徴とする請求項1から58のいずれか一項に記載の方法。
【請求項60】
前記生成物は、液体中で前記反応容器充填用固体物質をフラッシングすることによって前記反応容器充填用固体物質から分離可能なことを特徴とする請求項1から59のいずれか一項に記載の方法。
【請求項61】
前記生成物は、真空吸引手段によって前記反応容器充填用固体物質から分離可能なことを特徴とする請求項1から60のいずれか一項に記載の方法。
【請求項62】
前記生成物は、ブロー手段によって前記反応容器充填用固体物質から分離可能なことを特徴とする請求項1から61のいずれか一項に記載の方法。
【請求項63】
前記生成物は、超音波発生手段によって前記反応容器充填用固体物質から分離可能なことを特徴とする請求項1から62のいずれか一項に記載の方法。
【請求項64】
請求項1から63のいずれか一項に記載の方法によって製造された金属酸化物、金属含水酸化物、又は金属水酸化物の生成物であって、前記金属酸化物、前記金属含水酸化物、又は前記金属水酸化物の前記生成物は、平均一次粒径が最大1000nmであって、好ましくは最大500nmであって、さらに好ましくは最大100nmである一次粒子の集合体の形態を有することを特徴とする金属酸化物、金属含水酸化物、又は金属水酸化物の生成物。
【請求項65】
請求項1から63のいずれか一項に記載の方法によって製造された金属酸化物の生成物であって、前記金属酸化物、前記金属含水酸化物、又は前記金属水酸化物の前記生成物は、平均一次粒径が100nmであって、好ましくは最大50nmであって、さらに好ましくは最大20nmであって、またさらに好ましくは最大10nmである一次粒子の集合体の形態を有することを特徴とする金属酸化物の生成物。
【請求項66】
請求項1から63のいずれか一項に記載の方法によって製造された金属酸化物の生成物であって、前記金属酸化物の前記生成物は、TiOであって、好ましくは最低20%の結晶度を有し、さらに好ましくは最低30%の結晶度を有し、またさらに好ましくは最低40%の結晶度を有し、さらになお好ましくは最低60%の結晶度を有することを特徴とする金属酸化物の生成物。
【請求項67】
請求項1から63のいずれか一項に記載の方法によって製造された金属酸化物の生成物であって、アナターゼ構造のTiOであることを特徴とする金属酸化物の生成物。
【請求項68】
請求項1から63のいずれか一項に記載の方法によって製造された金属酸化物の生成物であって、Al、TiO、ZrO、Y、WO、Nb、TaO、CuO、CoO、NiO、SiO、Fe、ZnOからなる群から選ばれることを特徴とする金属酸化物の生成物。
【請求項69】
請求項1から63のいずれか一項に記載の方法によって製造された金属含水酸化物の生成物であって、前記金属含水酸化物は、含水酸化鉄、含水酸化チタニウム、含水酸化マンガン、含水酸化アルミニウムの群から選ばれることを特徴とする金属含水酸化物の生成物。
【請求項70】
請求項1から63のいずれか一項に記載の方法によって製造された金属含水酸化物の生成物であって、前記金属含水酸化物は、ベーマイト構造の含水酸化アルミニウムであることを特徴とする金属含水酸化物の生成物。
【請求項71】
請求項1から63のいずれか一項に記載の方法によって製造された金属水酸化物の生成物であって、前記金属水酸化物は、水酸化鉄、水酸化ケイ素、水酸化ジルコニウム、水酸化チタニウム、水酸化マンガン、水酸化アルミニウムの群から選ばれることを特徴とする金属水酸化物の生成物。
【請求項72】
金属酸化物、金属含水酸化物、又は金属水酸化物のサブミクロンの一次粒径を有する生成物を製造する装置であって、前記装置は、
反応容器充填用固体物質を反応容器に導入する手段と、
金属含有前駆体を前記反応容器に導入する手段と、
両親媒性溶媒を前記反応容器に導入する手段と、
超臨界溶媒を前記反応容器に導入する手段と、
前記金属含有前駆体と前記両親媒性溶媒とを接触させるためのスペースとしての前記反応容器と、
前記反応容器充填用固体物質の近傍に前記生成物を生成するためのスペースとしての前記反応容器と
を備えることを特徴とする製造装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属酸化物、金属含水酸化物、又は金属水酸化物の一次粒子径がサブミクロンの生成物を製造する方法であって、前記生成物の製造方法は、
反応容器充填用固体物質(solid reactor filling material)を反応容器に導入するステップと、
金属含有前駆体を前記反応容器に導入するステップと、
両親媒性溶媒(co-solvent)を前記反応容器に導入するステップと、
超臨界溶媒を前記反応容器に導入するステップと
を含み、
前記金属含有前駆体と前記両親媒性溶媒とを接触させ、その結果として前記反応容器充填用固体物質の近傍に前記生成物を生成することを特徴とする製造方法。
【請求項2】
前記生成物の生成は、少なくともゾルゲル反応を含むプロセスによって行われることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記金属酸化物、金属含水酸化物、又は金属水酸化物は、実質的に結晶であることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記金属酸化物、前記金属含水酸化物、又は前記金属水酸化物は、実質的にアモルファスであることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項5】
前記金属酸化物、前記金属含水酸化物、又は前記金属水酸化物は、複数の異なる相の混合相であることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項6】
前記反応容器充填用固体物質(solid reactor filling material)、前記金属含有前駆体、前記両親媒性溶媒、及び前記超臨界溶媒の導入は、任意の順序で行われることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記反応容器充填用固体物質、前記金属含有前駆体、前記両親媒性溶媒、及び前記超臨界溶媒の少なくとも一つは、前記反応容器への導入の前に前記反応容器充填用固体物質、前記金属含有前駆体、前記両親媒性溶媒、及び前記超臨界溶媒の少なくとも一つと混合されることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記金属酸化物、前記金属含水酸化物、又は前記金属水酸化物の生成物は、バッチモード、擬バッチモード、及び実質的に連続モードの群から選ばれるモードで製造されることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記反応容器内の温度は、前記生成物の生成の間において所定温度に保持されることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記生成物の生成の間、前記反応容器内の温度は昇温されることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記生成物の生成の間、前記反応容器内の温度は降温されることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記生成物の生成の間、前記反応容器内の温度は、一定温度、昇温過程、降温過程のうち少なくとも2つの組み合わせである温度プロファイルとされることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記生成物の生成の間、前記反応容器内の温度は、最大400℃であって、好ましくは最大300℃であって、さらに好ましくは最大200℃であって、より好ましくは最大100℃であって、さらになお好ましくは最大50℃であることを特徴とする請求項9から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記生成物の生成の間、前記反応容器内の圧力は、所定圧力に保持されることを特徴とする請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記生成物の生成の間、前記反応容器内の圧力は昇圧されることを特徴とする請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記生成物の生成の間、前記反応容器内の圧力は降圧されることを特徴とする請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記生成物の生成の間、前記反応容器内の圧力は、所定圧力、昇圧過程、降圧過程のうちの少なくとも二つの任意の組み合わせで行われることを特徴とする請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記超臨界溶媒は、COであって、前記生成物の生成の間における前記反応容器内の圧力は、最小74barであり、あるいは最小80barであり、またあるいは最小90barであり、さらにあるいは最小100barであることを特徴とする請求項1から17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記超臨界溶媒は、COであって、前記生成物の生成の間における前記反応容器内の温度は、最低31℃であり、あるいは最低43℃であり、またあるいは最低100℃であり、さらにあるいは最低200℃であり、またさらに最低300℃であり、よりさらに最低400℃であることを特徴とする請求項1から18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記超臨界溶媒は、イソプロパノールであって、前記生成物の生成の間における前記反応容器内の圧力は、最低47barであって、あるいは最低80barであって、さらに最低90barであって、またさらに最低100barであることを特徴とする請求項1から17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記超臨界溶媒は、イソプロパノールであって、前記生成物の生成の間における前記反応容器内の温度は、最低235℃であって、あるいは最低250℃であって、さらに最低270℃であって、またさらに最低300℃であって、400℃であることを特徴とする請求項1から17、又は20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記超臨界溶媒は、前記反応容器の中に導入される以前から超臨界状態であることを特徴とする請求項1から21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記超臨界溶媒は、前記反応容器の中に導入された後、超臨界状態とされることを特徴とする請求項1から21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記生成物の生成時間は、最大1時間であり、好ましくは最大0.75時間であり、さらに好ましくは最大0.5時間であることを特徴とする請求項1から23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記生成物の生成時間は、最大8時間であり、好ましくは最大6時間であり、さらに好ましくは最大2時間であることを特徴とする請求項1から23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記生成物の生成時間は、最大24時間であり、好ましくは最大17時間であり、さらに好ましくは最大10時間であることを特徴とする請求項1から23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
複数の異なる金属含有前駆体が前記反応容器内に導入されることを特徴とする請求項1から26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記金属含有前駆体は、金属アルコキシドであることを特徴とする請求項1から27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記金属含有前駆体は、チタニウム・テトライソプロポキシド、チタニウム・ブトキシド、チタニウム・エトキシド、及びチタニウム・メトキシドの群から選ばれることを特徴とする請求項1から28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記金属含有前駆体は、アルミニウム・イソプロポキシド、アルミニウム−SEC−ブトキシドの群から選ばれることを特徴とする請求項1から28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記金属含有前駆体は、マグネシウム・エトキシドであることを特徴とする請求項1から27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記金属含有前駆体は、金属塩であることを特徴とする請求項1から27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記金属含有前駆体は、Ti(SOであることを特徴とする請求項1から27、又は32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記金属含有前駆体は、TiClとAlClの群から選ばれることを特徴とする請求項1から27、又は32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記両親媒性溶媒は、水、エタノール、メタノール、過酸化水素水、及びイソプロパノールの群から選ばれることを特徴とする請求項1から34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記反応容器には複数の異なる両親媒性溶媒が導入されることを特徴とする請求項1から35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記反応容器充填用固体物質は、不均一系触媒として機能することを特徴とする請求項1から36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
前記反応容器充填用固体物質は、少なくとも一つのプロモータ(promoter)を含むことを特徴とする請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記反応容器充填用固体物質は、少なくとも一つの繊維から構成されることを特徴とする請求項1から38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
前記反応容器充填用固体物質は、粉末から構成されることを特徴とする請求項1から38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
前記反応容器充填用固体物質は、スポンジ、グリッド、繊維の束、及びシートの群から選ばれる形状を有することを特徴とする請求項1から38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
前記反応容器充填用固体物質は、実質的に多孔性構造を有することを特徴とする請求項1から41のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
前記反応容器充填用固体物質は、金属含有前駆体を反応容器の制限された部分に実質的に限定することができるサイズ及び形状を有することを特徴とする請求項1から42のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
前記反応容器充填用固体物質は、ポリマを含むことを特徴とする請求項1から43のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
前記ポリマは、ポリスチレン(PS)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリビニルクロライド(PVC)、ポリビニリデンクロライド(PVDC)、及び酢酸ポリビニル(PVAc)からなる群から選ばれることを特徴とする請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記ポリマは、アクリルポリマ、フッ素化ポリマ、ジエンポリマ、ビニルコポリマ、ポリアミドポリマ、ポリエステルポリマ、ポリエーテルポリマ、及びポリアミドポリマの群から選ばれることを特徴とする請求項44に記載の方法。
【請求項47】
前記反応容器充填用固体物質は、金属を含むことを特徴とする請求項1から43のいずれか一項に記載の方法。
【請求項48】
前記金属は、チタン、アルミニウム、亜鉛、バナジウム、マグネシウム、ジルコニウム、クロム、モリブデン、ニオブ、タングステン、銅、及び鉄の群から選ばれることを特徴とする請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記反応容器充填用固体物質は、金属酸化物を含むことを特徴とする請求項1から43のいずれか一項に記載の方法。
【請求項50】
前記金属酸化物は、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化銅、酸化アルミニウム、酸化バナジウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化クロム、酸化シリコン、酸化モリブデン、酸化ニオブ、酸化タングステン、酸化鉄の群から選ばれることを特徴とする請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記反応容器充填用固体物質は、セラミックを含むことを特徴とする請求項1から43のいずれか一項に記載の方法。
【請求項52】
前記反応容器充填用固体物質は、金属硫酸塩を含むことを特徴とする請求項1から43のいずれか一項に記載の方法。
【請求項53】
前記反応容器充填用固体物質は、金属ハロゲン化物を含むことを特徴とする請求項1から43のいずれか一項に記載の方法。
【請求項54】
前記反応容器充填用固体物質は、前記反応容器内での生成の結果の生成物に対応する金属酸化物、金属含水酸化物、又は金属水酸化物を含むことを特徴とする請求項1から53のいずれか一項に記載の方法。
【請求項55】
前記反応容器充填用固体物質は、前記生成物の生成に関する種物質として機能することを特徴とする請求項1から54のいずれか一項に記載の方法。
【請求項56】
前記反応容器充填用固体物質は、前記生成物を収集する作用物質として機能することを特徴とする請求項1から55のいずれか一項に記載の方法。
【請求項57】
前記生成物は、前記反応容器充填用固体物質をさらに処理することなく前記反応容器充填用固体物質から分離可能なことを特徴とする請求項1から56のいずれか一項に記載の方法。
【請求項58】
前記生成物は、実質的に前記反応容器充填用固体物質の品質を低下させることなく前記反応容器充填用固体物質から分離可能なことを特徴とする請求項1から57のいずれか一項に記載の方法。
【請求項59】
前記生成物は、前記反応容器充填用固体物質を再利用できる方法で前記反応容器充填用固体物質から分離可能なことを特徴とする請求項1から58のいずれか一項に記載の方法。
【請求項60】
前記生成物は、液体中で前記反応容器充填用固体物質をフラッシングすることによって前記反応容器充填用固体物質から分離可能なことを特徴とする請求項1から59のいずれか一項に記載の方法。
【請求項61】
前記生成物は、真空吸引手段によって前記反応容器充填用固体物質から分離可能なことを特徴とする請求項1から59のいずれか一項に記載の方法。
【請求項62】
前記生成物は、ブロー手段によって前記反応容器充填用固体物質から分離可能なことを特徴とする請求項1から59のいずれか一項に記載の方法。
【請求項63】
前記生成物は、超音波発生手段によって前記反応容器充填用固体物質から分離可能なことを特徴とする請求項1から59のいずれか一項に記載の方法。
【請求項64】
請求項1から63のいずれか一項に記載の方法によって製造された金属酸化物、金属含水酸化物、又は金属水酸化物の生成物であって、前記金属酸化物、前記金属含水酸化物、又は前記金属水酸化物の前記生成物は、平均一次粒径が最大1000nmであって、好ましくは最大500nmであって、さらに好ましくは最大100nmである一次粒子の集合体の形態を有することを特徴とする金属酸化物、金属含水酸化物、又は金属水酸化物の生成物。
【請求項65】
請求項1から63のいずれか一項に記載の方法によって製造された金属酸化物の生成物であって、前記金属酸化物、前記金属含水酸化物、又は前記金属水酸化物の前記生成物は、平均一次粒径が100nmであって、好ましくは最大50nmであって、さらに好ましくは最大20nmであって、またさらに好ましくは最大10nmである一次粒子の集合体の形態を有することを特徴とする金属酸化物の生成物。
【請求項66】
請求項1から63のいずれか一項に記載の方法によって製造された金属酸化物の生成物であって、前記金属酸化物の前記生成物は、TiOであって、好ましくは最低20%の結晶度を有し、さらに好ましくは最低30%の結晶度を有し、またさらに好ましくは最低40%の結晶度を有し、さらになお好ましくは最低60%の結晶度を有することを特徴とする金属酸化物の生成物。
【請求項67】
請求項1から63のいずれか一項に記載の方法によって製造された金属酸化物の生成物であって、アナターゼ構造のTiOであることを特徴とする金属酸化物の生成物。
【請求項68】
請求項1から63のいずれか一項に記載の方法によって製造された金属酸化物の生成物であって、Al、TiO、ZrO、Y、WO、Nb、TaO、CuO、CoO、NiO、SiO、Fe、ZnOからなる群から選ばれることを特徴とする金属酸化物の生成物。
【請求項69】
請求項1から63のいずれか一項に記載の方法によって製造された金属含水酸化物の生成物であって、前記金属含水酸化物は、含水酸化鉄、含水酸化チタニウム、含水酸化マンガン、含水酸化アルミニウムの群から選ばれることを特徴とする金属含水酸化物の生成物。
【請求項70】
請求項1から63のいずれか一項に記載の方法によって製造された金属含水酸化物の生成物であって、前記金属含水酸化物は、ベーマイト構造の含水酸化アルミニウムであることを特徴とする金属含水酸化物の生成物。
【請求項71】
請求項1から63のいずれか一項に記載の方法によって製造された金属水酸化物の生成物であって、前記金属水酸化物は、水酸化鉄、水酸化ケイ素、水酸化ジルコニウム、水酸化チタニウム、水酸化マンガン、水酸化アルミニウムの群から選ばれることを特徴とする金属水酸化物の生成物。
【請求項72】
金属酸化物、金属含水酸化物、又は金属水酸化物のサブミクロンの一次粒径を有する生成物を製造する装置であって、前記装置は、
反応容器内の反応容器充填用固体物質と、
金属含有前駆体を前記反応容器に導入する手段と、
両親媒性溶媒を前記反応容器に導入する手段と、
超臨界溶媒を前記反応容器に導入する手段と、
前記金属含有前駆体と前記両親媒性溶媒とを接触させるためのスペースとしての前記反応容器と、
前記反応容器充填用固体物質の近傍に前記生成物を生成するためのスペースとしての前記反応容器と
を備えることを特徴とする製造装置。
【請求項73】
前記反応容器充填用固体物質を前記反応容器に導入する手段を備えることを特徴とする請求項72に記載の製造装置。
【請求項74】
前記反応容器充填用固体物質を前記反応容器から取り出す手段を備えることを特徴とする請求項72又は73に記載の製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2006−512264(P2006−512264A)
【公表日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−514594(P2004−514594)
【出願日】平成15年6月25日(2003.6.25)
【国際出願番号】PCT/DK2003/000439
【国際公開番号】WO2004/001278
【国際公開日】平成15年12月31日(2003.12.31)
【出願人】(505000594)オルボア・ウニヴェルシテート (1)
【氏名又は名称原語表記】AALBORG UNIVERSITET
【Fターム(参考)】