説明

万華鏡付き収納ケース

【課題】 本発明は、物品を収納することができる上、万華鏡としても利用できる万華鏡付き収納ケースを提供する。
【解決手段】 本発明の万華鏡付き収納ケース1は、第1壁面21及び第2壁面22が山形状に連設され且つ第1壁面21及び第2壁面22の間に他の壁面23,24が連設された筒状体2を有し、筒状体2内を2つの空間に区画する仕切壁面25が、筒状体2の長手方向に沿って設けられており、筒状体2内には、仕切壁面25、第1壁面21及び第2壁面22の3面によって三角筒状部5が形成されていると共に、仕切壁面25及び他の壁面23,24によって物品Aを収納可能な筒状収納部6が形成されており、仕切壁面25、第1壁面21及び第2壁面22に反射層4が積層され、筒状体2の長手方向後側には、筒状体2の長手方向に対して直交する方向に模様シートを挿入脱できる挿入口と、光を取り入れる採光部が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収納ケースに万華鏡機能が具備された万華鏡付き収納ケースに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各種の物品を包装する収納ケースは、様々な形態のものが知られている。例えば、菓子、食品、化粧品などの物品が収納ケース内に入れられて市販されている。
このうち、比較的安価に製造でき、さらに、不使用時には折り畳んで扁平状にして保管できるなどの理由から、透光性のある合成樹脂製シート材を組み立てた収納ケースが多用されている(例えば、特許文献1及び2)。
【特許文献1】特開平11−301655号公報
【特許文献2】特開2004−59050号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、収納ケースは、物品を収納することを主目的としているが、単に物品を収納するだけの収納ケースは、面白みがない。このため、物品の収納機能以外に、消費者が興味を示すような機能を具備する収納ケースが市場で求められている。
そこで、本発明者らは、収納ケースに万華鏡機能を一体的に具備させることを検討した。
【0004】
万華鏡は、厚紙等を円筒状に形成した筒状体の内部に、三角筒状に形成した鏡面筒を挿入し、筒状体の長手方向前側に覗き窓を形成し、筒状体の長手方向後側に所望の模様小片を内在しており、覗き窓から覗きながら筒状体を回転させることにより、その模様小片の像が鏡面筒に映り、その模様変化を楽しむことができる玩具の一種である。
従来、万華鏡を一体的に具備する物品の収納ケースは知られておらず、かかる収納ケースが提供されることにより、物品の販売促進効果が期待できる。
【0005】
本発明は、シート材を用いて形成された収納ケースであって、物品を収納することができる上、万華鏡としても利用できる万華鏡付き収納ケースを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の万華鏡付き収納ケースは、透光性シート材を組み立てて形成されており、第1壁面及び第2壁面が山形状に連設され且つ前記第1壁面及び第2壁面の間に他の壁面が連設されて筒状に形成された筒状体と、前記筒状体の長手方向前側の開口部を閉塞可能な第1蓋部と、前記筒状体の長手方向後側の開口部を閉塞可能な第2蓋部と、を有し、前記筒状体内を2つの空間に区画する仕切壁面が、前記筒状体の長手方向に沿って設けられており、前記筒状体内には、前記仕切壁面、第1壁面及び第2壁面の3面によって三角筒状部が形成されていると共に、前記仕切壁面及び他の壁面によって物品を収納可能な筒状収納部が形成されており、前記仕切壁面、第1壁面及び第2壁面に反射層が積層されることにより、前記三角筒状部の内側に反射面が形成され、前記筒状体の長手方向後側であって第2蓋部の近傍には、筒状体の長手方向に対して直交する方向に模様シートを挿入脱できる挿入口が設けられていると共に、前記挿入口と前記三角筒状部の反射面の後縁との間の領域に採光部が形成されていることを特徴とする。
好ましくは、上記万華鏡付き収納ケースは、記反射面に対応する領域に反射層が積層された1枚の透光性シート材からなる。
【0007】
上記本発明の万華鏡付き収納ケースは、筒状収納部に所望の物品を収納して使用される。
本発明の万華鏡付き収納ケースは、第1蓋部から三角筒状部内を覗きながら、挿入口に模様シートを挿入脱することにより、模様シートに表された模様が、採光部を通じて入射する光によって三角筒状部内の反射面に映り、その模様変化を鑑賞できる。
【0008】
本発明の好ましい万華鏡付き収納ケースは、前記筒状体が、前記第1壁面と、前記第1壁面の一側に連設された第2壁面と、前記第2壁面の一側に連設された第3壁面と、前記第3壁面の一側に連設され且つ前記第1壁面の他側に連設された第4壁面と、を有する折り畳み可能な四角筒状に形成されており、前記仕切壁面の一側が、前記第2壁面と第3壁面の境界部分に連設され、且つ前記仕切壁面の他側が、前記第1壁面と第4壁面の境界部分に接している。
【0009】
上記好ましい万華鏡付き収納ケースは、筒状体が、折り畳み可能に形成されていると共に、仕切壁面の一側が筒状体を構成する第2壁面と第3壁面に連設され、且つ仕切壁面の他側が第1壁面と第4壁面の境界部分に接しているので、筒状体を扁平状に折り畳むことができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る万華鏡付き収納ケースは、物品を収納できるだけでなく、万華鏡としても利用できる。かかる万華鏡付き収納ケースは、消費者の興味を喚起し、販売促進効果を高めることができる。さらに、本発明の万華鏡付き収納ケースは、透光性シート材で形成されているので、比較的安価に製造できる。
また、本発明の好ましい万華鏡付き収納ケースは、不使用時には扁平状に折り畳むことができるため、保管の便に優れている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の好ましい一実施形態について、図面を参照しつつ具体的に説明する。なお、各部の用語の接頭語として、第1、第2などを付す場合があるが、該接頭語は、用語を区別するために付加されるものであり、各部の順序や優劣などを意味するわけではない。
図1〜図5に於いて、1は、透光性シート材を組み立てて形成された万華鏡付き収納ケースを示す。
該万華鏡付き収納ケース1は、万華鏡として機能する部分と、物品Aの収納部として機能する部分と、を有する筒状体2を有し、さらに、筒状体2の長手方向前側の開口部を閉塞可能な第1蓋部31と、前記筒状体2の長手方向後側の開口部を閉塞可能な第2蓋部32と、を有する。
また、万華鏡付き収納ケース1には、必要に応じて模様シート9が附属されている。
この模様シート9は、万華鏡を覗く際に用いられ、反射面に模様を映し出すための部材である。
【0012】
筒状体2は、第1壁面21及び第2壁面22が山形状に連設され且つ前記第1壁面21及び第2壁面22の間に他の壁面が連設されて筒状に形成されている。
筒状体2内には、筒状体2の長手方向に沿って仕切面壁25が設けられている。該仕切壁面25によって、筒状体2の内部は、筒状体2の長手方向に延び且つ仕切壁面25を介して隣接された、2つの筒状空間に区画されている。この2つの筒状空間の一方の内面には、反射面が形成され、該一方の筒状空間は、万華鏡として機能し得る。他方の筒状空間は、物品Aの収納部として機能する。
以下、具体的に説明する。
【0013】
万華鏡付き収納ケース1は、透光性シート材を組み立てて形成されている。
透光性シート材は、光を透過し得るシート材であれば特に限定されず、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン系、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系、ポリスチレン系、ポリアミド系などの各種合成樹脂製シートを用いることができる。また、シート材は、同種又は異種の積層シートでもよい。シート材は、無色であることが好ましいが、透光性を損なわない範囲で着色(例えば、乳白色など)されていてもよい。シート材の厚みは、特に限定されないが、好ましくは0.2mm〜1.0mm程度である。中でも、適度な剛性と柔軟性を有することから、厚み0.2mm〜0.6mm程度の透明なポリプロピレン製シートを用いることが好ましい。
【0014】
透光性シート材は、その全光線透過率が70%以上であることが好ましく、より好ましくは80%以上であり、さらに好ましくは90%以上である。
ただし、全光線透過率は、JIS K7105(プラスチックの光学的特性試験方法)に準拠した測定法によって測定される値をいう。
【0015】
上記シート材には、反射面を形成するために、所定領域に反射層4が積層されている。
反射層4としては、アルミニウム箔などの金属箔、金属蒸着層、光沢性のある印刷層などが挙げられる。例えば、シート材の所定領域にホットスタンプ法又はコールドスタンプ法によって金属箔を転写することにより、シート材に反射層4を積層できる。また、シート材の所定領域に金属粒子を蒸着することにより、シート材に反射層4を積層できる。さらに、シート材の所定領域に銀インキなどを印刷することにより、シート材に反射層4を積層できる。
【0016】
上記筒状体2は、細長い長方形状の第1壁面21と、第1壁面21の一側に連設された第2壁面22と、第2壁面22の一側に連設された第3壁面23と、第3壁面23の一側に連設され且つ第1壁面21の他側に連設された第4壁面24と、を有する四角筒状に形成されている。なお、26は、第2壁面22と第3壁面23を連設するための糊代壁面を示す。
前記第1壁面21、第2壁面22、第3壁面23及び第4壁面24は、各連設部分において互いに折り曲げ可能であり、従って、筒状体2は、折り畳み可能である。折り畳んだ筒状体2を起立させると、第1壁面21、第2壁面22、第3壁面23及び第4壁面24は、各連設部分において山形状(例えば、直角状)となり、四角筒状の筒状体2が形成される。なお、図示した例では、第1壁面21、第2壁面22、第3壁面23及び第4壁面24が略直角状となっており、従って、筒状体2は、長方形筒状となっている。ただし、第1壁面21、第2壁面22、第3壁面23及び第4壁面24の短手方向長さが略同じの場合には、筒状体2は、正方形筒状となる。また、第1壁面21と第2壁面22、及び、第3壁面23と第4壁面24が鋭角(例えば60度等)な山形状に連設されている場合には、筒状体2は、菱形筒状となる。
【0017】
前記第2壁面22と第3壁面23の境界部分には、仕切壁面25の一側が折り曲げ可能に連設され、且つ前記第1壁面21と第4壁面24の境界部分には、仕切壁面25の他側が内接している。従って、仕切壁面25は、四角筒状の筒状体2の内部において、該筒状体2の対角線上であって筒状体2の長手方向に沿って配置されている。
仕切壁面25の長手方向長さは、第1壁面21及び第3壁面23と略同じ長さに形成されており、仕切壁面25の短手方向長さは、筒状体2の対角線長さと略同じに形成されていることが好ましい。
該仕切壁面25によって、筒状体2の内部が2つの空間に区画されている。すなわち、筒状体2の内部は、仕切壁面25、第1壁面21及び第2壁面22の3面によって形成された三角筒状部5と、仕切壁面25、第3壁面23及び第4壁面24の3面によって形成された三角筒状の筒状収納部6と、を有する。
仕切壁面25が筒状体2の対角線上に配置され且つ第1壁面21及び第2壁面22が直角状に連設されている場合には、三角筒状部5は、直角三角形筒状となる。また、仕切壁面25が筒状体2の対角線上に配置され且つ第1壁面21及び第2壁面22が60度の山形状に連設されている場合には、三角筒状部5は、正三角形筒状となる。
【0018】
前記仕切壁面25、第1壁面21及び第2壁面22には、一部領域を除いて、反射層4が積層されている。従って、三角筒状部5の内側には、光を反射する反射面が形成されている。
なお、三角筒状部5の後端から所定長さ(5mm〜15mm程度)の領域には、反射層4が積層されていない。この反射層4が積層されていない領域は、透光性シート材のみから構成されているので、光が透過し、後述する採光部8となる。
【0019】
筒状収納部6内は、中空であるため、そこに所望の物品Aを収納できる。収納する物品Aは、特に限定されず、例えば、菓子などの食品、おもちゃ、化粧品、文房具類などが挙げられる。
なお、三角筒状部5内も中空であるため、そこに所望の物品Aを収納してもよい。もっとも、三角筒状部5は、万華鏡として機能するので、模様を鑑賞する際には、三角筒状部5内に収納された物品Aは取り出される。
【0020】
次に、第1蓋部31は、図6に示すように、例えば、1つの封緘片311と2つのフラップ片312,312から構成されている。封緘片311は、第1壁面21の前縁に折り曲げ可能に連設されている。この封緘片311には、第1壁面21の連設部分と対向する側に差し込み片313が折り曲げ可能に連設されている。2つのフラップ片312,312は、第2壁面22及び第4壁面24の前縁に折り曲げ可能に連設されている。
前記フラップ片312を筒状体2の開口部側へ折り曲げ、その上に封緘片311を折り曲げて重ね合わせ、封緘片311の差し込み片313を第3壁面23の内面側に係入することにより、筒状体2の開口部が第1蓋部31によって閉塞されている。
また、第1蓋部31を開くことにより、筒状体2の前側の開口部を開放でき、筒状収納部6に収納された物品Aを出し入れできる。
【0021】
さらに、第1蓋部31には、三角筒状部5に対応した領域に、孔部314が穿設されている。具体的には、封緘片311及びフラップ片312には、それらを重ね合わせたとき合致し、且つ三角筒状部5の長手方向前側の開口部に位置する孔部314がそれぞれ穿設されている。この第1蓋部31の孔部314は、万華鏡の覗き窓として利用できる。
ただし、第1蓋部31には前記孔部314が形成されていなくてもよい。第1蓋部31も透光性シート材で形成されているので、第1蓋部31を介して三角筒状部5の前側の開口部を覗いても、三角筒状部5の内部を透視することができるからである。
【0022】
一方、第2蓋部32は、例えば、1つの封緘片321と1つのフラップ片322から構成されている。該封緘片321は、第4壁面24の後縁に折り曲げ可能に連設されている。この封緘片321には、切込み線323が形成されている。また、フラップ片322は、第2壁面22の後縁に折り曲げ可能に連設されている。このフラップ片322には、前記切込み線323に係入される係止部324が形成されている。
前記封緘片321を筒状体2の開口部側へ折り曲げ、その上にフラップ片322を折り曲げて重ね合わせ、フラップ片322の係止部324を封緘片321の切込み線323に係入することにより、筒状体2の後側の開口部が第2蓋部32によって閉塞されている。
【0023】
筒状体2の長手方向後側であって第2壁面22の近傍には、筒状体2の長手方向に対して直交する方向に模様シート9を挿入脱できる挿入口7が形成されている。
具体的には、第1壁面21の後側及び第3壁面23の後側は、模様シート9の厚みよりも少し長く切り欠かれている。従って、第1壁面21及び第3壁面23の後縁は、第2壁面22及び第4壁面24の後縁よりも少し短くなっており、第1壁面21の後縁と第2壁面22の間、及び第3壁面23の後縁と第2壁面22の間に、それぞれ挿入口7が形成されている。この対向する2つの挿入口7に模様シート9を挿入脱することにより、模様シート9の表面が筒状体2の長手方向に対して直交しながら模様シート9を筒状体2内において移動させることができる。
【0024】
また、筒状体2の長手方向後側であって前記挿入口7と前記三角筒状部5の反射面の後縁との間の領域に、採光部8が形成されている。この採光部8は、仕切壁面25、第1壁面21及び第2壁面22の後縁から所定長さの領域に反射層4を積層しないことにより、その領域に確保された光が透過する部分である。
なお、透光性シート材の一部を切除することにより、上記採光部8を形成することもできる。
【0025】
次に、模様シート9について説明する。模様シート9は、シート材の少なくとも表面に所望の模様が表されており、本発明の万華鏡付き収納ケース1に、任意的に附属される。模様シート9の幅は、挿入口7(第1壁面21及び第3壁面23の短手方向長さ)と略同寸法又は少し短く形成されている。模様シート9の長手方向長さは、特に限定されず、筒状体2の長手方向長さと略同じでもよいし、それよりも短い又は長くてもよい。
模様シート9は、筒状体2の外側に添付する、或いは、筒状体2の内部に挿入するなどの方法で、万華鏡付き収納ケース1に附属させることができる。なお、模様シート9が、筒状体2の長手方向長さよりも長く形成されている場合には、模様シート9を折り畳めばよい。
【0026】
また、模様シート9は、挿入口7に挿入脱できるシート状のものであれば特に限定されない。例えば、模様シート9は、シート材と透光性フィルムを重ね且つ両者の周縁部を接着してシート材と透明フィルムの間に袋部が形成されていると共に、その袋部内に任意のオブジェクト(色付き粒子や扁平状の模様小片など)が自由に移動できるように封入されたものでもよい。
模様シート9を構成する上記シート材は、透光性を有するものでもよいし、透光性を有しないものでもよい。
【0027】
上記模様シート9は、本発明の万華鏡付き収納ケース1に附属していることが好ましいが、本発明の万華鏡付き収納ケース1は、模様シート9を具備しないものでもよい。例えば、本発明の万華鏡付き収納ケース1は、所望の物品Aを収納して消費者に販売されるが、購入した消費者が、任意のシート材に模様を表し、これを本発明の万華鏡付き収納ケース1に適用して、その模様を鑑賞できるからである。
【0028】
次に、図7に、上記万華鏡付き収納ケース1を構成する展開シート10を示す。同図に付した符号のうち、上記万華鏡付き収納ケース1の各構成要素に対応する部分については、同じ符号を付し、その具体的な説明を省略する場合がある。また、同図において、便宜上、全ての折り罫線を一点鎖線で表し、反射層4が積層された領域を薄墨塗りで表している。
【0029】
展開シート10は、三角筒状部5の反射面に対応する領域に反射層4が積層された1枚の透光性シート材を打ち抜いて形成されている。
該展開シート10は、下記のような構成からなる。
すなわち、第1壁面21の前縁には、折り罫線を介して、第1蓋部31を構成する封緘片311が連設されている。
第1壁面21の一側には、折り罫線を介して、第2壁面22が連設されている。第2壁面22の前縁には、折り罫線を介して、第1蓋部31を構成する一方のフラップ片312が連設されており、第2壁面22の後縁には、折り罫線を介して、第2蓋部32を構成するフラップ片322が連設されている。さらに、第2壁面22の他側には、折り罫線を介して、仕切壁面25が連設されている。
また、第1壁面21の他側には、折り罫線を介して、第4壁面24が連設されている。第4壁面24の前縁には、折り罫線を介して、第1蓋部31を構成する他方のフラップ片312が連設されており、第4壁面24の後縁には、折り罫線を介して、第2蓋部32を構成する封緘片321が連設されている。
さらに、第4壁面24の他側には、折り罫線を介して、第3壁面23が連設されている。
第3壁面23の一側には、折り罫線を介して、糊代壁面26が連設されている。
【0030】
展開シート10において、第1壁面21の前縁、第2壁面22の前縁、第3壁面23の前縁、第4壁面24の前縁及び仕切壁面25の前縁は、略同一直線上に揃って位置している。一方、第1壁面21の後縁、第3壁面23の後縁及び仕切壁面25の後縁は、略同一直線上に揃って位置している。第2壁面22の後縁及び第4壁面24の後縁は、略同一直線上に揃って位置し、且つ前記第1壁面21の後縁よりも少し長く延出されている(挿入口7の幅に相当する分だけ長い)。
【0031】
さらに、第1壁面21、第2壁面22及び仕切壁面25の表面には、反射層4が積層されている。反射層4は、第1壁面21、第2壁面22及び仕切壁面25のほぼ前縁から、第1壁面21、第2壁面22及び仕切壁面25の後縁から少し離れた前側寄りの領域に亘って積層されている。なお、反射層4は、第1壁面21と第4壁面24の連設部分を越え、第4壁面24の側部に跨った領域にまで積層されている。
なお、反射層4は、第1壁面21、第2壁面22及び仕切壁面25の裏面に積層してもよい。
【0032】
上記展開シート10を、反射層4が内側となるようにしながら各壁面を折り罫線において折り曲げ、仕切壁面25の他側を第1壁面21及び第4壁面24の境界部分に当接させる。さらに、糊代壁面を第2壁面22の外面に接着し(接着方法としては、接着剤又は粘着テープなどが挙げられる)、第2側面の一側に第3壁面23を連設することにより、筒状体2を構成できる。なお、反射層4が、第1壁面21、第2壁面22及び仕切壁面25の裏面に積層されている展開シート10の場合には、反射層4が外側となるようにして、展開シート10を折り曲げる。透光性シート材を用いているので、反射層4が外側となっても、三角筒状部5の内側に、光を反射する反射面を構成できる。
次に、第2蓋部32によって筒状体2の後側の開口部を閉塞し、且つ第1蓋部31によって筒状体2の前側の開口部を閉塞することにより、本発明の万華鏡付き収納ケース1が得られる。
【0033】
上記万華鏡付き収納ケース1は、仕切壁面25の一側が第2壁面22に折り曲げ可能に連設され、且つ仕切壁面25の他側が第1壁面21と第4壁面24の境界部分に接している(仕切壁面25の他側が連設されていない)ので、図8及び図9に示すように、第1壁面21の内面と第4壁面24の内面及び第2壁面22の内面と第3壁面23の内面が接するようにして、筒状体2を扁平状に折り畳むことができる。
折り畳んだ万華鏡付き収納ケース1は、従来公知の収納ケースを折り畳んだ状態と変わらない。
【0034】
本発明の万華鏡付き収納ケース1は、筒状収納部6に物品Aを収納して使用される。
かかる万華鏡付き収納ケース1は、第1蓋部31の覗き窓(孔部)から三角筒状部5内を覗きながら、挿入口7に模様シート9を挿入して移動させることにより、模様シート9に表された模様が、採光部を通じて入射する光によって三角筒状部5の反射面に映り、その模様変化を鑑賞できる(図10参照)。
本発明の万華鏡付き収納ケース1は、それに附属している模様シート9を用いる他、消費者が任意に作製したものを用いることができる。このため、バリエーションに富んだ模様を鑑賞することができる。
本発明の万華鏡付き収納ケース1は、上記のように物品Aを収納するケースとして機能するだけでなく、万華鏡として利用することもできる。
なお、本発明の万華鏡付き収納ケース1は、透光性シート材からなるので、筒状収納部6に収納した物品Aを外部から透視できる。
【0035】
次に、本発明の万華鏡付き収納ケース1の変形例を示す。
ただし、下記変形例の説明するにあたっては、上記実施形態と同様の構成及び効果については説明を省略し、用語及び符号をそのまま援用する場合がある。
【0036】
上記実施形態の万華鏡付き収納ケース1は、筒状収納部6が、仕切壁面25、第3壁面23及び第4壁面24の3面によって形成された三角筒状に形成されているが、筒状収納部6は、三角筒状に限定されず、様々な筒形状に変更できる。例えば、筒状収納部6が、筒状体2を構成する半円弧状の壁面と仕切壁面25から構成された半円筒状に形成されていてもよい。
【0037】
また、上記実施形態の万華鏡付き収納ケース1は、1枚の透光性シート材から形成されているが、例えば、2枚以上の透光性シート材を適宜連設することによって形成されていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の万華鏡付き収納ケースの右側面から見た斜視図。なお、万華鏡付き収納ケースに附属される、模様シートも併わせて表している(図2も同様)。
【図2】同左側面から見た斜視図。
【図3】同右側面図。
【図4】図3のI−I線端面図。
【図5】図3のII−II線断面図。
【図6】同万華鏡付き収納ケースの第1蓋部31を開いた状態を示す右側面から見た斜視図。
【図7】同万華鏡付き収納ケースを構成する展開シートの平面図。
【図8】同万華鏡付き収納ケースを扁平状に折り畳んだ状態を示す平面図。
【図9】図8のIII−III線断面図。
【図10】同万華鏡付き収納ケースの使用状態を示す右側面から見た斜視図。
【符号の説明】
【0039】
1…万華鏡付き収納ケース、2…筒状体、21…第1壁面、22…第2壁面、23…第3壁面、24…第4壁面、25…仕切壁面、31…第1蓋部、32…第2蓋部、4…反射層、5…三角筒状部、6…筒状収納部、7…挿入口、8…採光部、9…模様シート、10…展開シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透光性シート材を組み立てて形成されており、
第1壁面及び第2壁面が山形状に連設され且つ前記第1壁面及び第2壁面の間に他の壁面が連設されて筒状に形成された筒状体と、前記筒状体の長手方向前側の開口部を閉塞可能な第1蓋部と、前記筒状体の長手方向後側の開口部を閉塞可能な第2蓋部と、を有し、
前記筒状体内を2つの空間に区画する仕切壁面が、前記筒状体の長手方向に沿って設けられており、
前記筒状体内には、前記仕切壁面、第1壁面及び第2壁面の3面によって三角筒状部が形成されていると共に、前記仕切壁面及び他の壁面によって物品を収納可能な筒状収納部が形成されており、
前記仕切壁面、第1壁面及び第2壁面に反射層が積層されることにより、前記三角筒状部の内側に反射面が形成され、
前記筒状体の長手方向後側であって第2蓋部の近傍には、筒状体の長手方向に対して直交する方向に模様シートを挿入脱できる挿入口が設けられていると共に、前記挿入口と前記三角筒状部の反射面の後縁との間の領域に採光部が形成されていることを特徴とする万華鏡付き収納ケース。
【請求項2】
前記筒状体が、前記第1壁面と、前記第1壁面の一側に連設された第2壁面と、前記第2壁面の一側に連設された第3壁面と、前記第3壁面の一側に連設され且つ前記第1壁面の他側に連設された第4壁面と、を有する折り畳み可能な四角筒状に形成されており、
前記仕切壁面の一側が、前記第2壁面と第3壁面の境界部分に連設され、且つ前記仕切壁面の他側が、前記第1壁面と第4壁面の境界部分に接している請求項1に記載の万華鏡付き収納ケース。
【請求項3】
前記反射面に対応する領域に反射層が積層された1枚の透光性シート材からなる請求項1または2に記載の万華鏡付き収納ケース。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−173321(P2009−173321A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−15846(P2008−15846)
【出願日】平成20年1月28日(2008.1.28)
【出願人】(000238005)株式会社フジシールインターナショナル (641)
【Fターム(参考)】