説明

三次元物体を生産するプロセスおよびデバイス

凝固可能な材料を固化することによって少なくとも1つの三次元物体を生産するためのプロセスであって、以下のステップを含む:生産される前記物体を担持することが可能な物体キャリアを提供するステップ;エネルギー供給を受けるときに固化することが可能な材料を提供するステップ;凝固可能な材料が固化される少なくとも構築領域において凝固可能な材料を担持する/提供する位置に、凝固可能材料のキャリア/プロバイダをもたらすステップ;前記凝固可能な材料を固化することが可能なエネルギーを前記構築領域に供給するステップ;および、圧力および/または歪みから成るグループから選択される状態を測定し、および/または制御するステップ。代わりに、または組み合わせて、接触圧、流体圧および/または材料の流動性が、感知されることができておよび/または調整されることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、凝固可能な材料を固化することによって少なくとも1つの三次元物体を生産するためのプロセスおよびデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
凝固可能な材料を固化することによって少なくとも1つの三次元物体を生産するための既知のプロセスおよびデバイスは、ソリッド・フリーフォーム・ファブリケーション(solid freeform fabrication)、ラピッド・プロトタイピング・アンド・マニュファクチャリング・テクニークス(rapid prototyping and manufacturing techniques)、と時折呼ばれる。そして、時々それらは、より詳しくは、ステレオリソグラフィ(stereolithography)、レーザー焼結(laser sintering)、融合堆積モデリング(fused deposition modelling)、選択性の光モデュレーション(selective light modulation)などと呼ばれる。
【0003】
信頼性が高い方法で三次元物体を生産するためにこの種のプロセスおよびテクニックを適用することは、特に、その物体が、例えば大量の部分と精巧なまたは微細な部分という全く別々の構造物の部分を有する場合、あるいは、補助的な支持構造の形成が含まれる場合に、時折困難である。さらに、使用するテクニックに部分的に応じて、そして、生産される三次元物体の所望のタイプに部分的に応じて、材料を固化することの別々のタイプまたは組成物の使用に上述したテクニックを採用することは、しばしば困難である。
【0004】
従って、本発明の目的は、凝固可能な材料を固化することによって少なくとも1つの三次元物体を生産するためのプロセスおよびデバイスを提供することであり、そのプロセスまたはデバイスは信頼性に関して改善される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態によれば、本発明は、凝固可能な材料を固化することによって少なくとも1つの三次元物体を生産するためのプロセスであって、以下のステップを含むプロセスを提供する:生産される物体を担持することが可能な物体キャリアを提供するステップ;エネルギー供給を受けるときに固化することが可能な材料を提供するステップ;凝固可能な材料が固化される少なくとも構築領域において凝固可能な材料を担持するまたは提供する位置に、凝固可能材料のキャリア/プロバイダをもたらすステップ;凝固可能な材料を固化することが可能なエネルギーを構築領域に供給するステップ;および、構築領域が形成されそうか、あるいは、物体キャリアまたはその上に担持される先に固化された材料と、凝固可能材料のキャリア/プロバイダとの間に位置しているかの構築領域の状態において、圧力および/または歪みから選択される状態を測定し、および/または調整するステップ。圧力および/または歪みは、したがって、構築領域での圧力および/または歪みとして示す位置で感知または測定されることができる。
【0006】
好ましくは、圧力および/または歪みは、構築領域内または構築領域で、物体キャリア内または物体キャリアで、凝固可能材料のキャリア/プロバイダ内またはキャリア/プロバイダで、凝固可能材料のキャリア/プロバイダを担持するフレーム内またはフレームで、そして、好ましくは、物体を担持するフレーム内またはフレームで、の中から選択される少なくとも領域で感知され、または測定される。
【0007】
代わりに、または、圧力および/または歪みの感知/測定と組み合わせて、接触圧、流体圧および/または材料の流動性は、構築領域内または構築領域でこれらの状態の任意の1つのための効率的な位置で、都合よく感知されることができ、または制御されることが/調整されることができる。
【0008】
単独で、または組み合わせて、前述の状態を感知し、測定し、または調整することは、したがって、凝固可能な材料の供給中に構築領域が形成されそうなところのステータス、および/または、エネルギー供給によって固化が行われた後に、ちょうど固化された材料からの凝固可能材料のキャリア/プロバイダの分離が実行されるところのステータスにおける、特有の課題に対処するために、効果的に予備成形することができる。
【0009】
本発明は、さらに、凝固可能な材料を固化することによって少なくとも1つの三次元物体を生産するためのデバイスであって、以下を含むデバイスを提供する:構築領域に対してエネルギーを供給するための、凝固可能な材料を固化することが可能なデバイス;生産される物体を担持することが可能な物体キャリア;凝固可能な材料を少なくとも構築領域に担持または提供するように構成されている凝固可能材料のキャリア/プロバイダ;および、(i)圧力、(ii)歪み、(iii)接触圧、(iv)流体圧、および(v)材料流動性、のうちの少なくとも1つの状態を、感知しまたは測定するように構成されるセンサ、および/または制御するように構成されるコントローラ;そこにおいて、構築領域内または構築領域でのそれぞれの状態として示す位置で、センサ、センサ・グループまたはセンサアレイが提供される。
【0010】
センサは、単一センサ、一群のセンサまたはセンサアレイでもよい。
状態(i)および/または(ii)が感知されるかまたは測定されるとき、対応するセンサ、センサ・グループまたはセンサアレイは、構築領域内または構築領域で、物体キャリア内または物体キャリアで、凝固可能材料のキャリア/プロバイダ内またはキャリア/プロバイダで、凝固可能材料のキャリア/プロバイダを担持するフレーム内またはフレームで、そして、好ましくは、物体を担持するフレーム内またはフレームで、の中から選択される少なくとも領域で構成されることが好ましい。
【0011】
状態(iii)〜(v)の任意の1つが感知されるかまたは測定されるとき、対応するセンサ、センサ・グループまたはセンサアレイは、少なくとも構築領域内または構築領域で構成されることが好ましい。状態(iii)〜(v)の任意の1つが制御/調整されるとき、少なくとも構築領域内または構築領域でこの種の状態を制御するのに効率的な、適切な撹拌器または撹拌手段が提供される。
【0012】
本明細書において使われる用語「構築領域」は、まだ固化されていない材料が固化のために提供される領域を意味するか、または実際に固化に委ねられる領域を意味する。そしてそれは、固化の後に、ちょうど固化された材料から凝固可能材料のキャリア/プロバイダの分離が実行される「分離領域」に同様に対応する。
【0013】
上述した実施形態において、凝固可能な材料の固化のために構築領域にエネルギーを供給した後、通常、次のステップは、凝固可能な材料が次に固化される構築領域に、前と同じように新鮮な凝固可能な材料を提供するために処理される。この次のステップのために、通常、先に固化された材料を担持する物体キャリアは、構築領域内または構築領域で、そこから垂直、横断および/または傾斜移動を作成する。
【0014】
ここで使用しているように、用語「感知すること」、「検出された」および「測定すること」および「測定された」は、センサまたは測定デバイスまたはユニットの使用を含む活動を意味する。さらに本明細書において使われるように、用語「制御する」「調整する」および「調整」は、それ自身の単なる非制御の、受動性の、および固有な属性と対比しての、影響を与える測定、手段または力を含む活動を意味する。好ましくは、前記活動は、凝固可能な材料が凝固可能材料のキャリア/プロバイダによって構築領域に与えられるとき;前もった時刻に、またはエネルギーの供給の間;および/または、固化された材料が、構築領域から、または凝固可能材料のキャリア/プロバイダから分離されるときに、実行される。特に、前記活動は、物体キャリア(またはその上に形成される先に固化されたレイヤ)が、構築領域を形成するために、新鮮な凝固可能な材料(または新鮮な凝固可能な材料を担持している凝固可能材料のキャリア/プロバイダ)に接触しそうなとき、および/または、固化された材料が、構築領域で、または、凝固可能材料のキャリア/プロバイダから分離されるときに、実行される。したがって、必要に応じて、本発明の構想は、プリントヘッドまたは現像ドラムを用いて単なるプリントが実行される場合において省略されてもよく、凝固可能な材料を少なくとも構築領域にもたらすための接触圧がない場合において、および/または、エネルギー供給によって固化が行われた後に、ちょうど固化された材料から凝固可能材料のキャリア/プロバイダを分離するための分離力が生じなくてもよい場合において、任意に省略されてもよい。
【0015】
本発明の意味において、上述で特定された領域の「内(in)」またはその領域「において(at)」、所定の条件を感知または測定することは、「内」または「において」をそのまま含むのみならず、感知または測定された値が、それに対応する領域(例えば、構築領域、物体キャリア、および/または凝固可能材料のキャリア/プロバイダ)の内、その領域における、またはその領域付近における対応する特徴を示すような感知または測定をも含む。構築領域は、例えば、X、Y、およびZ方向(例えば、XY平面およびエリア、XY平面およびエリア、ならびにYZ平面およびエリア)における所望の大きさで、構築平面または凝固エリアによって、形成されてもよい。構築エリアは平坦であってもよいが、30は必ずしも平坦ではない。さらに、構築領域は、レイヤ、断面、ボクセルマトリクスなどのマトリクス、または他の任意の形態として形成されてもよい。一般に、所定の条件を感知または測定するための領域は、例えば、構築領域、または物体キャリア、または凝固可能材料のキャリア/プロバイダに接続される要素の上またはそれらにおける、固化される3次元の物体上またはそれにおける領域または位置をさらに含み、かつ例えば、無線転送などを介して、接触しない感知または測定方法をさらに含む。物体キャリアは物体キャリア・プラットフォームであってもよいので、感知または測定は、好ましくは、プラットフォームの主平面などの表面内またはそこにおいて、または複数のプラットフォーム間で実行されてもよい。さらに、構築領域「内またはそこにおいて」、物体キャリア「内またはそこにおいて」、および凝固可能材料のキャリア/プロバイダ「内またはそこにおいて」の両方を感知または測定する組み合わせが利用可能である。
【0016】
さらに別の実施形態によれば、本発明は、凝固可能な材料を固化することにより少なくとも1つの三次元物体の生産プロセスを準備するための準備プロセスであって、準備された生産プロセスは以下を含む準備プロセスを提供する:生産される物体を担持することが可能な物体キャリアを提供するステップ;凝固可能な材料が固化される少なくとも構築領域において凝固可能な材料を担持しまたは提供する位置に、凝固可能材料のキャリア/プロバイダをもたらすステップ;および、凝固可能な材料を固化することが可能なエネルギーを構築領域に供給するステップ;そこにおいて、準備プロセスは、以下のステップを含む:構築データすなわち、例えばしかしこれに限定されない、構築される断面積および/またはレイヤのビットマップ・データであることが可能な構築データ、または、実行されるときに、少なくとも1つの三次元物体を生産することを許容する分割データ、を提供するステップ;および、凝固可能な材料および/または断面積または隣接する断面積および/または均一のまたは不均一の平面の構築データに基づいてプロセス・パラメータを正常に設定するステップ;そこにおいて、プロセス・パラメータは、以下の少なくとも1つのパラメータを制御するために、生産される少なくとも1つの三次元物体の構造、補助支持体の有無またはその構造、凝固可能な材料のタイプおよび凝固可能な材料の組成物、の少なくとも1つに応じて正常に設定される:(a)固化するためのエネルギーを提供する前の、物体キャリアと構築領域との間、または、物体キャリアと凝固可能材料のキャリア/プロバイダの表面(例えば、主平面)との間の移動距離;(b)それぞれ構築領域に向かう、物体キャリアまたは凝固可能材料のキャリア/プロバイダのいずれかの圧力;(c)任意にその上に先に固化された材料を有する物体キャリアの、担持されまたは提供される凝固可能な材料への挿入の程度;(d)それぞれ構築領域からの、物体キャリアまたは凝固可能材料のキャリア/プロバイダのいずれかの分離力;(e)構築領域内または構築領域での流体圧;(f)それぞれ構築領域に向かう、または構築領域から離れる、物体キャリアまたは凝固可能材料のキャリア/プロバイダの移動速度;(g)凝固可能材料のキャリア/プロバイダの引っ張り荷重;(h)物体キャリアの表面と凝固可能材料のキャリア/プロバイダの表面(例えば、主平面)との間の共平面性または傾斜角度;および、(i)構築エリアからの凝固可能材料のキャリア/プロバイダの転動離れまたは滑動離れ。
【0017】
さらなる好ましい実施形態は、独立項のさらなるサブクレームに記載される。上で定義されるパラメータ(a)〜(i)の各種実施形態において、物体キャリアは、物体キャリア・プラットフォームとして適切に設計されてもよい。
【0018】
本発明によるプロセスおよびデバイスによって、構築領域または物体キャリアまたは凝固可能材料のキャリア内またはこれらで(近くを含む)生じる、前述の重要な条件のうちの少なくとも1つの感知されまたは測定された値として、構築領域の実際の状況に応じて重要な要因のリアルタイム観測を提供することが可能である。例えば、三次元物体を生産することの特定のプロセスタイプにおいて使用する凝固可能な材料のタイプまたは組成物に対応して、および/または、特定の時刻に生産した確かな構築構造または補助の支持構造に対応して、三次元物体は信頼性が高いプロセスで生産されることができる。例えば、増加するであろう、あるいは、構築領域内またはそこにあり、および/または、物体キャリアまたはその支持構造内またはそこにあり、および/または、凝固可能材料のキャリア/プロバイダまたはその支持構造内またはそこにあり、存在するであろう実際の圧力(pressure)および応力(stress)は、その凝固可能材料が液状または粒状であるかどうか、その凝固可能材料が硬いのかどうか、チキソトロピー的であるのかどうか、比較的高いまたは中程度の、あるいは比較的低い粘度をゆうするかどうか、その凝固可能材料が液体であるのかまたは流体であるが分散した粒子を含んでいるかどうか、あるいは、それが一度に固化されるときに、大きいまたは小さい構築エリア、大きいまたは小さいボクセルマトリクス、または、大きいまたは小さい断面、および/または、大きいまたは小さい3Dのレイヤであるかどうかによって著しく異なる場合がある。同様の観察は、構築領域内または構築領域での、歪み、接触圧、流体圧および/または材料の流動性、の状態にあてはまる。特に、圧力、歪み、接触圧、流体圧および材料の流動性から選択される条件は、物体キャリア(または、その上に移送された、以前に固化した材料)と凝固可能材料のキャリア/プロバイダとの間に置かれる構築領域内または構築領域での、本発明のコンセプトにしたがって関連する。すなわち、少なくとも構築領域内において凝固可能材料を提供するために、相互に垂直および/または水平のいずれかでの、物体キャリアおよび/または凝固可能材料のキャリア/プロバイダの移動は、凝固可能材料のキャリア/プロバイダまたはその支持構造内、そこにおいて、またはその付近において、および/あるいは、構築領域内またはそこにおいて、および/あるいは、特に、その物体キャリアまたはその支持構造内またはそこにおいて、圧力、歪み、接触圧、流体圧、および材料の流動性の前述の条件のうちの少なくとも1つに、関連する影響を与える。凝固可能材料のキャリア/プロバイダ内、そこにおいて、またはその付近において、および/あるいは、構築領域内、そこにおいて、またはその付近において、および/あるいは、物体キャリア内またはそこにおいて、高すぎるまたは低すぎる圧力または歪み、あるいは、各々、高すぎるまたは低すぎる接触圧、流体圧、および材料の流動性は、その構築プロセスを害する場合がある。これらの条件は、また、フレキシブル、および/または透明(clear)、および/または弾力のあるフィルム/箔、あるいはタンク(vat)、あるいは容器など、例えば凝固可能材料のプロバイダなどの3次元物体製造デバイスの部品を損傷させる場合があるか、または、それらは、エネルギーによって以前に固化された構築物の下で、3次元物体の既に形成された部分を損傷させる場合がある。それゆえ、構築領域内、またはそこで、および/または、物体キャリア内またはそこで、および/または、凝固可能材料のキャリア/プロバイダ内、またはそこにおいて生じる前述の重大な条件のいずれか1つまたは組み合わせを感知または測定し、かつ、デバイス内において、適切なセンサ、または複数のセンサ、あるいは、対応のセンサアレイを提供することによって、そのデバイスに対する、または3次元物体の以前に形成された部分に対する処理のより高い信頼線および損傷の少なさが効果的に実現でき、それにより、システム全体の著しい改善に貢献する。さらに、本発明のコンセプトは、任意の所望されない物体(不純物または第3の所望されない部品)または対象(オペレータの指など)が、構築プロセスに敏感である位置、例えば、凝固可能材料のキャリア/プロバイダと、以前に凝固された材料との間に、誤って置かれたかどうか、あるいは、故意ではない切り取りまたは部分的な切り取りが構築プロセス中に生じたかどうかを決定することを可能にする。
【0019】
前述の説明は、凝固可能材料が少なくとも構築領域内に提供された場合の状況に当てはまるだけではなく、分離の工程、例えば、いまだ固化していない材料から既に固化した材料を分離する工程、または、例えば、固化した材料を、凝固可能材料のキャリア/プロバイダから、または物体キャリアから、あるいは、構築領域内またはその付近にある、あるいは、凝固可能材料のキャリア/物体キャリア内またはその付近にある別の要素から、分離して、その固化した材料に、部分的にか一時的に、接着または付着あるいは化学的に結合される工程が存在する場合にも当てはまる。
【0020】
適切にも、圧力および応力は、圧力センサによって測定または感知可能であり、歪みは、歪みセンサによって感知または測定可能であり、材料の流動性は流量計または流量感知デバイスによって感知または測定可能である。用語「歪み」または「歪みセンサ」は、本発明に従って用いられる「圧力」または「圧力センサ」と類似してよい。例えば、適切なセンサは、圧電デバイス、歪みゲージ、圧力差センサ、タッチセンサ、または任意の他の公知または開発済みの圧力または歪みセンサなどの力センサである。適切な種類の圧力センサまたは材料の流動性センサはさらに、射出成形デバイスに応用されるものである。あるいは、構築領域/平面、好ましくは、フレキシブルな凝固可能材料フィルム/箔、または、構築プロセスにおける機能を単独で有する分離フィルム/箔内、またはそこにおいて、あるいはその付近において提供される要素のズレまたは変形を感知または測定することは、本発明に係る圧力、応力、または歪みの間接的な感知または測定を提供し得る。すなわち、圧力および歪みの増加下での、このようなフレキシブルでおよび/または透明なおよび/または、または箔フィルム/箔は、元の平面からそれに対応したズレを生じ、これは、適切なズレ検出デバイス、例えば、カメラ、バーコードベースのズレ検出器などによって測定可能である。本発明によれば、1つ以上のセンサ、1つの線内に並べられるか、またはそのいくつかの場所において分散された複数のセンサなどの一群のセンサ、あるいはセンサアレイが利用されてもよい。類似の説明は、物体キャリア内またはそこにおける、構築領域内またはそこにおける、ならびに、凝固可能材料のプロバイダ/キャリア内またはそこにおける感知にも当てはまる。各々のセンサまたは複数のセンサの特に適切な位置は、物体キャリアを移送するか、支持するフレームの任意の位置である。前述のセンサは、従って、上述のように、感知され、測定され、または制御/調節される各々の状況を示す位置、またはその状況に効果的である位置において提供可能である。
【0021】
適切なセンサまたは適切なセンサの組み合わせを用いることによって、あるいは、コントローラとそれに対応する作用手段を用いることによって、特定の状況の全体的および局所的な状態が、構築領域内またはそこにおいて、および/または、物体キャリア内またはそこにおいて、および/または、凝固可能材料のキャリア/プロバイダまたはそれらの各々のフレーム構造内またはそこにおいて、有利な形で感知、測定、および/または調節/制御できる。
【0022】
圧力センサは、本発明とは異なる技術分野、状況、および目的において記載されている。例えば、米国特許出願第2005/0208168号は、粉末状物質を印刷することによって前もって既に形成されたレイヤを、別個の第2の加熱パッド上において過熱する状況において圧力感知機構の使用を記載しており、欧州特許第1674243A号明細書は、ローラーが材料レイヤと接触することを指示するか、または3次元印刷システムの印刷ヘッドから分配されて、既に前もって印刷されたレイヤの輪郭を決定するためのセンサの使用を記載しているが、これらの文献のいずれも、構築領域が、物体キャリアまたはその上に移送された、前もって固化された材料と、凝固可能材料のキャリア/プロバイダとの間に位置する場合の、本発明に係り、扱われる重大な状態において、圧力、歪み、接触圧、流体圧、または流動性のいずれか1つを感知および/または測定することに関連していない。
【0023】
本発明によれば、放射源などのエネルギーを供給するデバイスは、相乗的な刺激または電磁エネルギーによって凝固可能材料を固化することができる任意の種類のデバイスであってもよい。例えば、放射線エネルギーを供給するための適切なデバイスは、適切な光源、または別の波長の放射体、またはレーザシステム、あるいはLEDシステムを有する画像投射器である。放射は、例えば、光学部品、レンズ、シャッター、ボクセルマトリクス投射器、ビットマップ生成またはマスク投射器、ミラーおよびマルチミラー部品等などのさらなる適切な部品(これらに限定されるわけではない)によって、構築領域に供給可能である。適切な放射技術の例は、空間光変調器(SLM)、ならびに、DLP(登録商標)、DMD(登録商標)、LCD(登録商標)、ILA(登録商標)、LCOS、SXRD等に基づいた投射器、反射および透過LCD、LED、または、一直線またはマトリクス状に発光するレーザダイオード、光バルブ、MEM、レーザシステム等を含むがこれらに限定されるわけではない。
【0024】
放射エネルギーを供給するためのデバイスの多くの適切な配置構成が可能であり、これは、デバイスが、構築領域または凝固可能材料のキャリア/プロバイダの上からエネルギーを供給するもの(この場合、物体キャリアは通常、構築領域または凝固可能材料のキャリア/プロバイダの下方に配置される)、あるいは、デバイスが、構築領域または凝固可能材料のキャリア/プロバイダの下方からエネルギーを供給するもの(この場合、物体キャリアは通常、構築領域または凝固可能材料のキャリア/プロバイダの上方に配置される)を含む。
【0025】
本発明の利点は、上述で説明したように、重大な状況における感知または測定のために、即時に用いられる所定の種類の3D物体製造デバイスに対して利用可能である様々な凝固可能材料が拡張されるという事実に基づいている。凝固可能材料の例は、液体、流体、チキソトロピック性のもの、固体、半固体、高粘度、中粘度、低粘度の材料、粉末材料、および、マトリクスを有する複合材料、ならびにそれに分散された粒子状物質を含むがそれらに限定されない。この材料の一般的な性質は、上記の放射源などのエネルギー源の作用によって凝固可能であることである。凝固は、光硬化性ポリマーなどの直接的な有効放射、または、熱融解性、熱溶解性、または熱焼結性材料の共融解または共焼結の場合など、エネルギー供給によって生成された熱を介した間接的な作用放射によって実行されてもよい。例えば、適切な材料は、光硬化ポリマー、感熱ポリマー、ポリマー粒子またはポリマービーズ、感熱材料(例えば、ワックス、ワックス状物質、共焼結性または共溶解性のセラミック粒子、ならびに、共焼結性または共溶解性の金属または金属合金粒子、あるいは、前述の材料の合成物または組み合わせ)を含むがそれらに限定されない。凝固可能物質に加え、凝固可能材料は、充填剤、補助添加物、着色剤、湿潤剤、または任意の他の機能的または不活性物質など、所望されるさらなる補助的な添加物を含んでもよい。3D物体製造技術および/または用いられるエネルギー供給の種類に依存して、本発明のコンセプトは、場合によっては、より感度が高く、またはより強い物質を選択する利益を提供し、圧力、歪み、および/または材料の流動性の重大な状況は感知できるかまたは測定でき、その後、選択された選択に依存して調節できる。
【0026】
凝固可能材料のキャリア/プロバイダは、また、公知の、または適切に適合された方法において具体化されてもよい。その機能は、凝固可能材料が、放射線などのエネルギーの作用によって固化される、少なくとも構築領域内において、凝固可能材料を移送または提供する。その物体キャリアに関連して、互いに対して垂直または水平の移動でもよく、あるいは、各々、適切なガイドまたは移動機構によって、互いに離れてもよい。凝固可能材料を構築領域に提供する工程において、物体キャリアおよび凝固可能材料のプロバイダは、通常、互いに対向した位置および方向を利用する。特に、物体キャリア(例えば、1つ以上のプラットフォームの主平面)および凝固可能材料のキャリア/プロバイダ両方の各々の主平面は、または、互いに同一平面および構築領域に対して同一平面に、実際に設定されるか、またはそのように設定されるであろう。構築領域内に凝固可能材料を提供するために、物体キャリアまたは凝固可能材料プロバイダのいずれか、あるいは両方の横断方向または特に垂直方法への移動は、本発明に従って感知または測定される構築領域内またはそこにおいて、圧力の増加および/または材料の流動性の低下、あるいは、歪みの増加を通常、導く。それゆえ、本発明に従って感知または測定された関連の状況は、前もって以前に凝固された物体構造を含む物体キャリアが、必要に応じて、移送されたまたは提供された凝固可能材料を圧迫する場合、またはその逆に、適宜配置されたその材料を有する凝固可能な材料キャリア/プロバイダが、物体キャリアまたはその上に移送された既に凝固された物体構造に対して圧迫される場合に生じる。材料が放射の作用または相乗的な刺激によって固化された後、垂直の、横断方向の、または傾斜した移動において固化された材料を分離する工程は、その後、構築領域内またはそこにおいて、圧力または応力、歪みおよび/またはリフロー、従って、未使用の凝固可能な材料の流動性への影響が生じ、これは、再び、所望の場合、本発明に従って、感知されるか、または測定されてもよい。
【0027】
本発明において用いられる凝固可能材料のキャリア/プロバイダのための適切な例は、凝固可能材料を含む容器またはタンク、または、その凝固可能材料を運搬するフレキシブルおよび/または透明なおよび/または弾力性のフィルム/箔を含むがそれらに限定されない。フィルムとして実現される場合、固化された材料は、次いで、フィルム転送イメージング技術によって転送されてもよい。大量の凝固可能な材料は保存されてもよく、かつ容器または凝固可能材料のカートリッジから供給されて、凝固可能材料のプロバイダへと運搬されてもよい。
【0028】
上記の状態の1つ以上を感知して、測定しておよび/または調整することを含む本発明の構想は、直接にまたは間接的に、能動的にまたは受動的に、要因の測定を提供する。そしてそれは、三次元物体を構築するプロセスのために単独でまたは組み合わせて重要でもよい。前述の状態の1つ以上を感知して、測定しておよび/または調整することは、以下のプロセス・パラメータの少なくとも1つを制御するのに好ましくは使用される:
(a)物体キャリアと構築領域との間の、または、物体キャリアと凝固可能材料のキャリア/プロバイダの表面(例えば、主平面)との間の距離、おそらく移動距離。上述の状況を感知または測定することによって、物体キャリア(場合によっては、既に移送された、以前に固化された材料)が、その物体キャリアの位置が、凝固可能材料のプロバイダが動かされる一方で固定される場合、または、逆の場合においても、その凝固可能材料の表面、あるいは、その材料を含む、または移送する凝固可能材料のキャリア/プロバイダの表面(例えば、主平面)に到達するかどうか、またはその時間に関して検出するか、または決定することができる。さらに好ましい実施形態によれば、物体キャリアと、凝固可能材料または凝固可能材料プロバイダとの間の名目上設定された位置関係に関連して、実際の発生がそれと同調するかどうかを検出および制御することを可能にする。そのような同調性が存在せず、または、所定の許容差範囲内ではない場合、その実際の位置関係がその名目上の設定にまで調製されるように補正できる。さらに、この制御機構は、例えば、異なる底板の厚さ、または異なる厚さを有するフレキシブルおよび/または透明なおよび/または弾力性のフィルム/箔を有するタンクなどの所定の凝固可能材料のプロバイダの使用に依存して、所定のシステムに対する調製を可能にする。さらに、この機構は、以前に製造された3次元の物体が取り除かれることを忘れられていたかどうか、以前に形成された3次元の物体または誤って製造された、固化した材料の部分的構造物の残りが意図せずに残っているかどうかを制御することを確保することが可能である。この方法における制御および補正は、凝固可能材料のプロバイダが損傷を殆ど受けない場合に用いられる、容器またはフレキシブル、および/または透明なおよび/または弾力性のあるフィルム/箔など、システムの部品として、信頼性を改善する。
【0029】
(b)それぞれ構築領域に向かう、物体キャリアまたは凝固可能材料のキャリア/プロバイダのいずれかの圧力は、制御されておよび/または調整される。このように、構築領域において少なくとも提供される改善された、または最適な圧縮圧力が決定でき、かつ制御できる。つまり、凝固可能材料のキャリア/プロバイダと物体キャリア(または、その上に移送された、以前に凝固された材料)との間に挟まれた凝固可能材料は最適な状態において設定できる。この機構は、比較的粘度があり、チキソトロピー性がある、あるいは、微粒子特性または複合性を有する凝固可能材料を用いる場合、特に好まれる。圧力の力、または圧縮の程度は、材料の種類または製造システムの種類に最適に適合できる。さらなる有利な実施形態によれば、圧力の力の制御および/または調節は、一方で、物体キャリアまたは以前に固化された材料と、他方で凝固可能な材料プロバイダとの間の重複領域から凝固可能材料の圧搾が終了し、それゆえ放射期間が開始可能となるかどうか、およびその時間を検出可能にする。これにより、無駄な時間の最小限にするなどの有利な特徴、および、凝固可能材料の性質および構成の最適な適合が可能となる。
【0030】
(c)物体キャリア(これは、(場合によっては部分的またな複数の構造物において)3次元の物体のZ(垂直)方向に徐々に成長する大きさを有する)を凝固可能材料へと挿入する程度の制御および/または調節が提供される。この機構は、その後のエネルギー供給または放射工程のために、最適化されたプリセット状態を可能にする。以前に名目上構築されたパラメータとは異なり、それとは独立して、実際に形成された、以前に凝固した材料を考慮することがさらに可能となる。
【0031】
(d)それぞれ構築領域からの、物体キャリアまたは凝固可能材料のキャリア/プロバイダのいずれかの分離力の制御または調整。この機構は、物体キャリアが、または凝固可能材料のキャリア/プロバイダが、それぞれ、他の構成要素が適所に固定されると共に、垂直にまたは横に能動的に移動するときに、、または、両方の構成要素が能動的に移動するときに、分離ステップに適用できる。別法として、物体キャリアおよび凝固可能材料のキャリア/プロバイダの両方のうち1つがまたは1つも能動的に移動せず、しかし、構築領域に対して受動的に移動または傾斜する。他の実施態様において、能動的に移動する物体キャリアおよび/または凝固可能材料のキャリア/プロバイダなしで、分離力は、他の手段またはエレメントによって制御されておよび/または調整される。そのような実施形態は、下記の実施形態(e)で提供される。この機構は、放射期間が終了されるかまたは中断された後に、そして、構築領域への新鮮な凝固可能材料の次の供給を許容するために、構築領域から固化された材料が分離されるときに、分離力の適切な制御に対して有利に許容される。好ましい実施形態において、分離力は、分離プロセスの間、可変的な方法で制御される。より好ましくは、分離の開始時に比較的高い分離力をセットする一方、さらなる分離プロセスの間、分離力を減少する。さらに、分離力の制御または調整は、ちょうど固化された材料の構造に応じて、分離力のより穏やかなおよび有利に最適化された調整を適用することができる。例えば、より精巧なまたは微細な構造は、その後、比較的低い分離力を調整することを許容する、比較的低い歪みによって感知される。これに対して、固化された材料の大容量または大容積の構造は、比較的高い歪みによって感知されまたは測定されて、その後の分離プロセスの間、比較的高い分離力を許容する。このように、分離力は、分離プロセスの間、変わってもよい。この実施形態は、より精巧なおよび微細な構造が分離期間の間に損傷を受けそうにない効果をリードする。
【0032】
(e)構築領域内または構築領域での流体圧の制御および/または調整。流体圧は、凝固可能材料のキャリア/プロバイダによって提供される材料を固化することによって生じてもよい。そして、それは、凝固可能材料のプロバイダとしての大樽または容器内への流動性の凝固可能材料の制御された注入によって、あるいは、大樽または容器からの流動性の凝固可能材料の制御された排出によって、調整されることができる。あるいは、それは、ちょうど固化された材料と、分離面またはフィルム/箔との間での、または、分離面の側と、ちょうど固化された材料の反対側のフィルム/箔との間での、他の任意の流動性のあるまたはガス状の物質の注入または排出によって、調整されることができる。
【0033】
(f)それぞれ構築領域に向かう、または構築領域から離れる、物体キャリアまたは凝固可能材料のキャリア/プロバイダの移動速度の制御および/または調整。この機構は、物体キャリアが移動する場合、または、凝固可能材料のキャリア/プロバイダが移動する場合、または、両方の構成要素が互いに垂直におよび/または横に能動的に移動する場合、の1つを含む場合に同様にあてはまる。凝固可能な材料が構築領域内に提供されるとき、移動速度は構築領域に関連する方向に向かい、そして、分離プロセスにおいて凝固可能な材料が構築領域から取り除かれるとき、移動速度は構築領域に関連する方向から離れる。この機構は有利な特徴を提供する。そして、凝固可能材料を提供するステップにおける、および/または固化された材料を分離するステップにおける移動速度は、それぞれ、固化されるかまたは分離される材料および/または構造に応じて、最適化されることができておよび最大化されることができる。
【0034】
(g)凝固可能材料のキャリア/プロバイダの引っ張り荷重の制御および/または調整。この機構は、凝固可能材料のプロバイダが、フィルム/箔キャリアまたは分離フィルム/箔である場合に好ましくは適用される。しかし、他の場合(例えば大樽または容器を使用する場合)にも基本的には適用することができる。例えば、フィルム/箔は、可変引っ張り荷重または力で、フレームに取り付けられることができるかまたはクランプされることができる。引っ張り荷重は、したがって、制御されることができておよび/または調整されることができる。引っ張り荷重は、例えば生産される3D物体のタイプ、および凝固可能な材料の構造のような、それぞれの構築システムに対する適応に対して、そして、フィルム/箔キャリアのような凝固可能材料のキャリア/プロバイダの、または、実際に最適化された荷重が関係していて、これにより、システムの全体的な改良された信頼性に関与している分離フィルム/箔の、より穏やかな処理に対して、許容する。好適な実施形態によれば、引っ張り荷重の制御および/または調整は、自動的に調整するために、より好ましくは分離速度を最大化するために用いられる。その一方で、分離力は最適に調整されることができるので、固化された材料構造の切り取りの発生を最小化する。さらに、この機構は、物体キャリアからのすでに固化された材料の不注意による切り取りが発生したかどうかまたは発生するときを、決定しまたは検出することに対して、許容する。そして、全体の構築プロセスは、この時点で停止されてもよく、これにより、不良品の三次元物体のためのさらなる凝固可能材料の消費を節約してもよい。
【0035】
(h)物体キャリアの表面と凝固可能材料のキャリア/プロバイダの表面(例えば、主平面)との間の共平面性または傾斜角度の制御および/または調整。この機構は、特に全体の構築プロセスの期間に依存して役立つ。固化のための放射期間の間は、共平面性が好ましい。これに対して、分離期間の間は、分離ステップの分離力を調整するかまたは改良するために、および/または、新鮮な凝固可能材料を構築領域にもたらすステップにおいて接触圧力を調整するために、少なくとも一時的に、所定のまたは可変の傾斜角度を適用するのが好ましくてもよい、共平面性または傾斜角度の調整および/または制御は、圧力センサの適切な配分によって実行されることができて、所望通りの共平面性または特定の傾斜角度を確実にするために、それらの測定値を使用することができる。この機構は、物体キャリアまたは凝固可能材料のプロバイダのいずれか一方、あるいは両方が、制御された方法で能動的に傾斜される実施形態を含んでもよい。この実施形態は、プロセス速度、信頼性および精巧な構造の慎重な処理、等に賛成しているファイン・チューニングを実現するために都合よく適用されることができる。正常なデフォルト設定が、共平面性の表面によって作動する。これに対して、分離ステップでは、感知されまたは測定される歪みが特定の、所定の許容限界に達した後に、傾斜機構が提供される。逆に、接触ステップでは、関係された表面が最初に傾斜させられるが、それらは、任意に漸進的な方法で、相互に共平面の様式に置かれて、センサがそれを感知するかまたは測定するときに、圧力は特定の、所定の許容限界に達する。分離ステップが完了した後に、表面の共平面性は再制定されてもよい。あるいは、傾斜させられた装置は、次の固化ステップが前と同じように感知されるために、再度の接触まで維持されることができる。
【0036】
(i)構築エリアからの凝固可能材料のプロバイダの転動離れまたは滑動離れの制御および/または調整。この機構は、分離プロセスのために、そしてより好ましくは、転動離れするキャリア・フィルム/箔を使用するか、または、物体キャリアの主平面の向きに対して横への水平移動において(そしてこれにより、三次元物体の先に固化された材料の主平面から)、滑動離れするキャリア・プレートを使用するときに、都合よく適用可能である。例えば、転動離れまたは滑動離れの動きは、キャリア・フィルムまたはキャリア箔またはキャリア・プレートまたはキャリア面が、固化された材料とまだ接触しているか、または、構築エリアとまだ重なっている限り、減速されることができる。その一方で、全体的な分離速度を調整して最適化するために、その後に加速されることができる。同時に、分離力は、微細構造をより穏やかに処理するために、この機構によって制御されることができる。その一方で、ラフなまたは大容量の構造はより粗く扱うことを許容する。
【0037】
上記した制御または調節の手段または機構(a)〜(i)は、単独で個々に適用されることができ、または、所望の組み合わせにおいて適用されることができることに注意されたい。さらに、上記した制御または調節の手段または機構(a)〜(i)は、必要に応じて、省略されることができ、または、免除されることができる。上で定義されるパラメータ(a)〜(i)の各種実施形態において、物体キャリアは、物体キャリア・プラットフォームとして適切に設計されてもよい。
【0038】
他の実施形態によれば、上記の特定の状態の1つ以上を感知するかまたは測定することは、構築プロセスが妨害されるかどうか、例えば、任意の望まれない物体(例えば不純物または第3の望まれない構成要素)または対象(例えばオペレータの指)が、構築プロセスに対する感応性の位置(例えば凝固可能材料のキャリア/プロバイダと、先に固化された材料との間)に誤って位置付けられるかどうか、または、構築プロセス中に不注意による切り取りまたは部分的な切り取りが発生したかどうか、を決定するために都合よく用いられてもよい。本発明によって提供される感知機構は、それから、例えば、構築プロセスを中断することまたは終了することによって、あるいは適切な警報信号を出力することによって、のような状況に対して反応することを許容する。
【0039】
上述した制御および/または調節の手段または機構(a)〜(i)、および/または上述した妨害の決定の1つ以上は、それぞれ適切に選択された1つ以上のセンサによって実行されてもよく、そして、1つ以上の制御ユニットによって制御されてもよい。
【0040】
さらにまた、感知または測定システムに適用可能でこれらに限定されない例えば、モーター、撹拌器、プレス・デバイスまたは引っぱり設備、滑動デバイスを含む、上記したプロセス・パラメータの制御および/または調整のための適切な技術的手段を、当業者が選択できることに注意されたい。
【0041】
本発明による感知、測定、または調整、制御が、構築領域でのそれぞれの状態として示されるように、対応する少なくとも1つのセンサは、構築領域内または構築領域で、物体キャリア内または物体キャリアで、凝固可能材料のキャリア/プロバイダ内またはキャリア/プロバイダで、凝固可能材料のキャリア/プロバイダを担持するフレーム内または当該フレームで、そして、好ましくは、物体を担持するフレーム内またはフレームで、の中から選択される少なくとも領域での位置に提供されることが好ましい。前述の担持フレームでの提供を含む実施形態は、センサの添付または組み込みの容易さおよび安さ、ならびにセンサの扱いやすさに関して有益である。担持フレームに位置するセンサが、構築領域および対応する分離領域における圧力および歪みの状態として示される十分に感応的であることを、驚くほど気づかされた。
【0042】
上記の記載は、主に、実際の作業または構築プロセスの下で、前述の状態を感知するかまたは測定することによって、本発明の構想に関係する。他の実施形態では、圧力、応力、歪み、接触圧、流体圧および/または材料流動性のうちの少なくとも1つの測定によって決定されるこれらの真の値は、先に正常に設定されたプロセス・パラメータと比較される。プロセス・パラメータのこの種の正常な設定は、独自の役立つ実施形態を構成する。そしてそれは、以下に詳述されるように、凝固可能な材料を固化することによる少なくとも1つの三次元物体の生産プロセスを準備するための準備プロセスに都合よく適用されることができる。
【0043】
本発明の他の実施形態によれば、構築データに基づくプロセス・パラメータの正常設定は、生産される少なくとも1つの三次元物体の構造に応じて、または、凝固可能な材料として選ばれる材料に応じて、項目(a)〜(i)の下で上記に定義されたプロセス・パラメータの少なくとも1つ(単独でまたは組み合わせて)を、前もって、すなわち、実際の作業または構築プロセスが開始する前にそれとは分けて制御するために、単独で実行される。これらの正常に設定されるプロセス・パラメータに関する情報は、それから、実行のための三次元物体の生産デバイスに、都合よく出力されることができ、または供給されることができて、これにより、三次元物体を生産する。主に、例えば一時に固化される構築エリアまたは構築領域におけるエリアの大きさまたは形状のような、固化される構造に応じて、あるいはまた、補助の支持構造または適切な3D物体の構造が固化されるかどうかに応じて、前記のプロセス・パラメータは、構築プロセス中に効果的に変化されることができる。より好ましい態様では、前記正常に設定されたプロセス・パラメータと、構築領域内または構築領域でまたはその付近に存在している圧力または応力、歪み、接触圧および/または材料流動性の測定によって決定される真の値との比較は、構築プロセス中に連続的に実行される。そして、得られた真の値は、それから、正常に設定されたプロセス・パラメータに対してあらかじめ決められた許容範囲内の再適合または調整をするために、項目(a)〜(i)の下で上記に挙げられたプロセス・パラメータの制御または調整に用いられる。このように、適切なリアルタイム調整が実行可能されることができ、そして、全部のプロセスの信頼性および欠点の回避がさらに改善されることができる。
【0044】
それ自身で役立ち、したがって、上記したように圧力および/または歪みの状態を実際に感知するかまたは測定することと組み合わせるだけでなく、そこから独立しても適用可能な他の実施形態によれば、放射線発生源、物体キャリアおよび凝固可能材料のキャリア/プロバイダを含むタイプの三次元物体の生産のためのプロセスおよびデバイスに関係がある。そこにおいて、構築領域内または構築領域で発生する接触圧、流体圧および/または凝固可能材料の流動性は、感知されておよび/または測定される。これらの重要な要因は、凝固可能な材料が凝固可能材料のキャリア/プロバイダによって、またはさらに影響を与える手段によって提供されるような方法により、感知されてもよくおよび/または調整されてもよい。これらの重要な要因の任意の1つは、構築プロセス中、好ましくは、(i)構築領域および/または凝固可能材料キャリアに凝固可能な材料が提供されるとき、(ii)エネルギーの供給に前もってまたはその間、(iii)構築領域および/または凝固可能材料キャリアから固化された材料を分離する間、に変化されることが好ましい。好ましくは、これらの接触圧、流体圧および/または流動性の重要な要因は、上記の手段または機構(a)〜(i)のいずれかによって制御されることができおよび/または調整されることができる。さらに好ましい例として、これらの要因は、流体圧をそれぞれ増加または減少するために、凝固可能材料のプロバイダとしての大樽または容器内へのさらなる流動性の凝固可能材料の制御された注入によって、あるいは、大樽または容器からの流動性の凝固可能材料の制御された排出によって、調整されることができる。さらなる好ましい実施形態によれば、固化された材料と、参照または分離フィルム/箔との間のバイアス分離力は、新鮮な凝固可能材料の流体圧または流動性の供給によって制御されることができておよび/または調整されることができる。物体キャリアと凝固可能材料のプロバイダとの間に、追加的な能動分離活動によって提供されるさらなる分離力の利点に対するリードは、減少されることがありえる。デッド時間および分離時間の利点に対するリードは、有意に減少されることがありえる。そして、分離運動の延びる長さの利点に対するリードは、同様に減少されることがありえる。
【0045】
あるいは、接触圧、流体圧および/または凝固可能材料の流動性は、固化のためのエネルギー供給中に、好ましくはそれに前もって、適切な時間および/または位置で、凝固可能な材料の予熱処理によって調整されることができる。例えば、固体の、半固体のまたは比較的高い粘性の凝固可能な材料の以前の供給は言及されてもよい。そして、それに対する加熱によって、対応する、比較的より高い流動性の材料に変換される。そしてそれは、接触圧および/または流体圧に影響を与える。この目的のために適切な特定の実施形態として、感光性のワックス材料またはワックスのような材料が言及されてもよい。
【0046】
必要に応じて、接触圧、流体圧および/または流動性の上述した要因は、構築プロセスの臨界ステップ中に、特に、凝固可能な材料が物体キャリアまたはその上に形成される先に固化された材料と接触するときに、これらの値のいずれか1つに関して変化してもよい。それらの値の任意の1つの変化は、構築領域内または構築領域で、あるいは物体キャリア内または物体キャリアで、検知する圧力および/または歪みによって、補助される。そして、上記のプロセス・パラメータ(a)〜(i)の任意の1つを変えることによって、制御されることができてまたは調整されるされることができる。
【0047】
以下に、添付の図面を参照すると共に、原理、対象、有利な特徴および好ましい実施態様はさらに詳細に記述される。しかしながら、本発明がそれに制限されない点に注意する。図において、同じ参照符号は、同じかまたは対応する要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係る三次元物体を生産するためのプロセスおよびデバイスを、部分的に断面にして概略的に示す。
【図2A】図2Aは、本発明の別の実施形態に係る三次元物体を生産するためのプロセスおよびデバイスを、部分的に断面にして概略的に示す。
【図2B】図2Bは、本発明の別の実施形態に係る三次元物体を生産するためのプロセスおよびデバイスを、部分的に断面にして概略的に示す。
【図3】図3は、本発明に係る好ましい実施形態において圧力および/または歪みを感知または測定するために使われることができるセンサアレイの可能な配置の一例を概略的に示す。
【図4】図4は、本発明のさらなる実施形態に係る三次元物体を生産するためのプロセスおよびデバイスを、部分的に断面にして概略的に示す。
【図5A】図5Aは、本発明のさらに別の実施形態に係る三次元物体を生産するためのプロセスおよびデバイスを、部分的に断面にして概略的に示す。
【図5B】図5Bは、本発明のさらに別の実施形態に係る三次元物体を生産するためのプロセスおよびデバイスを、部分的に断面にして概略的に示し、図5Bは特定の傾動機構を詳細に示す。
【図6】図6は、凝固可能な材料のキャリア/プロバイダとしてフレキシブルなおよび/またはクリアなおよび/または弾力のあるフィルム/箔、および特定の感知機構を使用している、本発明の別の実施形態に係る三次元物体を生産するためのプロセスおよびデバイスを、部分的に断面にして概略的に示す。
【図7】図7は、凝固可能な材料のキャリア/プロバイダとしてフレキシブルなおよび/またはクリアなおよび/または弾力のあるフィルム/箔、および別の特定の感知機構をまた使用している、本発明のさらに他の実施形態に係る三次元物体を生産するためのプロセスおよびデバイスを、部分的に断面にして概略的に示す。
【図8】図8は、凝固可能な材料のキャリア/プロバイダとしてフレキシブルなおよび/またはクリアなおよび/または弾力のあるフィルム/箔、および別の特定の感知機構をまた使用している、本発明のさらに他の実施形態に係る三次元物体を生産するためのプロセスおよびデバイスを、部分的に断面にして概略的に示す。
【図9A】図9Aは、凝固可能な材料のキャリア/プロバイダとして低い大樽またはフィルム生成デバイス、および、物体キャリアを担持しているフレームに付属されるかまたは組み込まれる別の特定の感知機構を使用している、本発明のさらに他の実施形態に係る三次元物体を生産するためのプロセスおよびデバイスを概略的に示す。
【図9B】図9Bは、凝固可能な材料のキャリア/プロバイダとして低い大樽またはフィルム生成デバイス、および、物体キャリアを担持しているフレームに付属されるかまたは組み込まれる別の特定の感知機構を使用している、本発明のさらに他の実施形態に係る三次元物体を生産するためのプロセスおよびデバイスを概略的に示す。
【図9C】図9Cは、凝固可能な材料のキャリア/プロバイダとして低い大樽またはフィルム生成デバイス、および、物体キャリアを担持しているフレームに付属されるかまたは組み込まれる別の特定の感知機構を使用している、本発明のさらに他の実施形態に係る三次元物体を生産するためのプロセスおよびデバイスを概略的に示す。
【図9D】図9Dは、凝固可能な材料のキャリア/プロバイダとして低い大樽またはフィルム生成デバイス、および、物体キャリアを担持しているフレームに付属されるかまたは組み込まれる別の特定の感知機構を使用している、本発明のさらに他の実施形態に係る三次元物体を生産するためのプロセスおよびデバイスを概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0049】
図1において、三次元物体を生産するデバイス10、圧力および/または歪みを感知するかまたは測定するために配置されるセンサ20、制御ユニット30、および撹拌器40を含む、三次元物体を生産するための本発明の第1実施形態による基本的なデバイスが概略的に示される。三次元物体を生産するデバイス10は、物体3を、ビットマップ・マスク、ボクセルマトリクスの形態で段階的に、または、所望の部分において連続的に、のいずれかで固化するために、光硬化性材料4が装填されている鉢または容器または大樽6より上方に提供されるイメージング・オプティク2を有する、放射線発生源および投影ユニット1を含む。あるいは、物体3は、レイヤ的に形成されてもよい。放射線は、所望のエリアまたは部分的な構築されたエリアの凝固可能な材料を固化するために構築平面7内に照射され、これにより、構築領域を形成する。センサ20は、例えば、構築または凝固エリアに位置付けられ、そして、基準平面または基準エリア(必ずしも平坦ではない)として、および、分離フィルム/箔としての両方ともに貢献してもよいフレキシブルフィルム/箔に感知することによって、構築平面7内の圧力または歪みのいずれかを感知または測定することが可能である。撹拌器40の動作によって、物体キャリアは、制御ユニット30の制御の下に、上方へ、そして、下方へ移動することができる(二重矢印によって概略的に図示される)。
【0050】
物体キャリア5が、固化された材料のないはじめに、または、その上に担持されるすでに固化された材料を有している後で、上方へ移動する場合、少なくとも構築または凝固エリアに凝固可能な材料を提供するステップの間、構築または凝固エリア7においてフレキシブルなおよび/またはクリアなおよび/または弾力のあるフィルム/箔に適用される圧力および歪みの増加が発生する。この圧力および/または歪みは、センサ20によって感知されまたは測定される。結果としての測定値は、制御ユニット30に出力される。制御ユニット30は、(i)プラットフォーム5の主平面の上面、または、先に固化された材料表面と、構築平面7との距離、(ii)構築平面7に向けてのプラットフォーム5の移動速度、を含むがこれに限らない、少なくとも1つのプロセス・パラメータを調整するために、撹拌器40に適切な信号を出力する。ついで、物体3の先に固化された上面と構築平面7との間に挟まれている材料を固化することが、主にまたは投影エリア8のみの放射線の動きで実施される。それから、分離プロセスを実行する場合に、歪みの増加がセンサ20によって感知または測定されると共に、撹拌器40によってプラットフォーム5は下方へ移動するように作用することができる。その測定されまたは感知された値(s)は、撹拌器40のフィードバック制御のために、そして、これにより、(i)分離力、(ii)構築平面7から遠ざかるプラットフォーム5の移動速度、または(iii)上記のその他のプロセス・パラメータ、を制御または調整するために、制御ユニット30に出力される。
【0051】
前述のステップが連続的にまたは間欠的にさらに進行されることができ、これにより、所望の三次元物体を生産する。
【0052】
本発明の同様の構想を使用する一方で、図1の実施形態は修正されることができる。例えば、図1に示されている1つの圧力および/または歪センサ20の代わりに、複数のセンサおよび、好ましくはラインまたはマトリクスに配置されるセンサ、そして特に、センサアレイが、都合よく使われてもよい。このように、臨界条件は、所望の平面において全般的および局地的の両方で感知または測定されることができる。そして、圧力および/または歪み上の全般的値と局地的値との間の比率は、より微細なおよび正確な結果を得るために有利に決定されることができる。
【0053】
図1に示した実施形態の別の代替の修正として、構築または凝固エリア内にまたは、構築または凝固エリアで存在している圧力および/または歪みを感知するかまたは測定するために、例えばカメラまたはバーコード変位検出器のような、変位検出デバイス(図示せず)を用いてもよい。もう1つの実施形態では、プラットフォーム5を作動する撹拌器またはマルチプル撹拌器は、傾き角を発生するのに役立つか、あるいは、プラットフォーム5の上面または先に形成された固化された材料表面と、構築平面または凝固エリア7内に位置付けられるフレキシブルなおよび/またはクリアなおよび/または弾力のあるフィルム/箔の主(水平)平面との間に、共平面性を調整するのに役立つ。
【0054】
図1に示した実施形態の別の代替の修正によれば、1つ以上の圧力および/または歪センサ20あるいはセンサマトリクスまたはアレイは、物体キャリア5内または物体キャリア5で提供される。図2Aおよび2Bに示されているこの種の実施形態に対応する例として、修正された物体キャリアに1つ以上のセンサが提供される。この実施形態において、物体キャリアは2つのプラットフォーム5および5(両者間にセンサアレイ20が分配される)の形態で具体化される。そこにおいて、2つのセンサ20および20のみが図2Aおよび2Bの断面図に示される。
【0055】
図2Aおよび2Bの実施形態に、そして他の実施形態に一般に適用できるセンサアレイ20の可能な配置のより詳細な図は、図3の簡素な図によって与えられる。この例では、センサ20は、凝固エリアのような構築領域の周辺内に配置される。しかし、例えば図3に示されるセンサ20の関連線の交差点で、より少ないセンサが可能であり、または、さらなるセンサが提供されることができる。センサ20は、所望の情報を供給するための適切な手段を通して制御ユニットに接続される。
【0056】
ありうるさらなる修正として、図2Bの実施形態は、凝固可能な材料のための別個のリザーバ50を示す。制御ユニット30の制御の下で、そして、弁および/またはポンプ51によって制御されて(リザーバ50および大樽6間の接続で二重矢印によって概略的に図示される)、リザーバ50は、凝固可能な材料がそこから容器または大樽6に射出されることが、または、凝固可能な材料が容器または大樽6からそこへ流出することが、それぞれできる。このように、容器または大樽6内の凝固可能な材料の流体圧、および、特に、フレキシブルなおよび/またはクリアなおよび/または弾力のあるフィルム/箔によって形成されている構築平面または凝固エリア7内で発生する流体圧は、制御されることができて、調整されることができる。
【0057】
図4に示した代替の実施形態によれば、圧力および/または歪センサ20の代わりに、構築平面または凝固エリア7内に位置付けられて、センサ20A/20B間に取り付けられる、クリアなおよび/またはフレキシブルなおよび/または弾力のあるフィルム/箔7’に適用される応力および/または歪みを感知するかまたは測定することのできる1つまたは2ついずれかの歪センサ20A、20Bが、提供される。両方のセンサ20A/20Bのうちの1つは省略されることもできる。その結果、フィルム/箔7’は単に片側で、容器または大樽6の壁に固定されるだけである。前述の実施形態およびそれらの修正と関連して図示されるかまたは記述される実施形態と同様に、放射による次の凝固のための少なくとも構築平面に凝固可能な材料を提供する状況において、あるいは、ちょうど固化された材料をクリアなおよび/またはフレキシブルなおよび/または弾力のあるフィルム/箔7’から、そしてこれにより、構築平面または凝固エリア7から、分離する状況において、センサ(s)20A/20Bは、圧力/応力および/または歪みの状態を感知するかまたは測定する。同様に、前述の実施形態と関連して上記される修正は、本実施形態にも適用されてよい。例えば、圧力および歪みの複合感知のためのプラットフォーム・センサアレイ20が、および/または、図2Bに示すように流体圧の調整のための弁/ポンプ51の制御の下でのリザーバ50が、加えて使用されてもよい。
【0058】
図5Aおよび5Bに概略的に示されるように他の実施形態によれば、修正された三次元物体の生産デバイス10Aおよび修正されたタイプのセンサ20Aが提供される。本実施形態において、三次元物体の生産デバイス10Aは、少なくとも構築平面7A内に凝固可能な材料4Aを収容する大樽6A、ガラスプレート9によって形成される透明な基準平面および、撹拌器40Aで上下に移動することが可能な物体キャリア5A、を含む。大樽6Aおよびプレート9は、あるいは、1つの一部として一体的に形成されることができる。放射線発生源11(例えば焦点を合わせたレーザービームまたはUVランプ)は、凝固可能な材料4Aを所望の構築領域内に固化するために、これにより、三次元物体3Aを連続的または不連続的に形成するために、能動的な放射線を構築平面7A内に提供することに役立つ。本実施形態において、本発明による圧力および/または歪みを感知するかまたは測定するために、マルチプル圧力センサ20Aが、透明な基準プレート9の上部分への取り込みによって提供される。マルチプル圧力センサ20Aは、透明な基準プレート9に、線またはアレイ状に配列されてもよい。能動的な構築エリアにおいて提供される場合、圧力センサ20Aは、好ましくは透明に、または本質的に透明に作成されるべきである。それぞれ、凝固可能な材料を提供するステップが実行されるかどうかに応じて、または、固化した材料を構築平面または凝固エリア7Aから分離するステップが実行されるかどうかに応じて、センサ20Aによって測定される圧力および/または歪みの値は、制御ユニット30Aにデジタル的に出力される。制御ユニットは、それに応えて、物体キャリア5Aの上方または下方への移動のための信号を撹拌器40Aへ送信する。前述の実施形態およびその修正形態の記載と同様の方法において、制御ユニット30Aは、これにより、物体キャリア5Aとその下部平面6Aとの間の距離、物体キャリア5Aの移動速度、および任意にさらなるプロセス・パラメータ、を制御および/または調整してもよい。さらに、使用する凝固可能な材料のタイプおよび/または組成物に応じて、特に粉体またはパウダーの粘性、存在または欠如に関して、圧縮度は、制御されてもよいし、または、調整されてもまたよい。図5Aにおいてさらに示すように、任意にまたは撹拌器40Aの代わりに、基準プレート9の、そしてこれにより大樽6Aの、相対移動のためのさらなる撹拌器40Bが提供されてもよい。これにより、撹拌器40Aまたは40Bの相対的な上下移動あるいはその両方は、所望のプロセス・パラメータを制御しおよび調整するために実行されることができる。撹拌器40Bを作動するために、プレート9の、そしてこれにより大樽6の傾斜は、構築平面7Aに対して所望の傾斜に制御されおよび調整されることができる。撹拌器40Bは、しかしながら省略されることもできる。あるいは、撹拌器40Aは、Z方向において適切な水平レベルで物体キャリア5Aを局地化して、向きを定めながら、しかしまた、構築平面7Aに対して適切な傾斜角度で傾斜した方法にそれの向きを定めるように、制御されおよび調整される。
【0059】
この実施形態のさらなる発展において、図5Bに2つの撹拌器で示すように、加えて1つ以上の撹拌器40Cが提供される。分離ステップ中に、制御ユニット30Aによって、そして、構築平面7Aにおける(または、一般に、構築領域における)応力または歪みを感知するかまたは測定することに応答して制御される、物体キャリア5A(または共平面の構築平面7A)と容器または大樽6Aとの間の傾斜角度は、調整される(二重矢印によって図示される)。分離が実現されたあと、そして、次の凝固のための構築平面または構築領域に、固化された材料が、前と同じように持ってこられるとすぐ、物体キャリア5Aが前と同じように上方へ移動するときに、撹拌器40Cによって、共平面性は前と同じようにセットされることができる。図5Bにおいて、2つの撹拌器40Cが示される。しかしながら、プレート9の他端側が固定されるとき、傾斜のための1つの撹拌器で充分であること、あるいは、他の個数の撹拌器が使用可能であること、好ましくは、構築エリアにおける傾斜動作をより微細に調整するために、4つの撹拌器が、透明プレート9のすべての四隅に、またはその近くに位置付けされること、が明らかでなければならない。図5Bにおいて図示される他のコンポーネントは、図5Aで示す同じあり、上記の通りに任意に修正されることができる。
【0060】
図6に図示したようにさらなる実施形態において、フィルム転写イメージングのために設計される三次元物体の生産デバイス10Bが、本発明の構想を適用するために使われる。本実施形態において、透明なおよび/またはフレキシブルなおよび/または弾力のあるゴム/フィルム/箔でできているエンドレスベルト80が、凝固可能な材料を提供するために用いられる。この材料は、同方向に回転する回転ローラー60、60’によって、構築領域または凝固エリア7Bへの材料レイヤの形態でリザーバ50Bからローラー55により供給される。ローラー60、60’は、しかしながら、同方向だけでなく別方向にも回転するために、制御ユニット30Bによって独立して制御されることができる。新鮮な凝固可能な材料が、構築または凝固エリアに提供されるとき、先に固化された物体材料3Bの無い、または、それをその上に有する物体キャリア5Bは、構築平面7Bにおいてこの提供される凝固可能な材料に対して押圧される。撹拌器40Bによるキャリア5Bの上方移動からのこの圧縮動作による、構築または凝固エリアにおいて生じる圧力または応力および/または歪みの値は、透明なおよび/またはフレキシブルなおよび/または弾力のあるゴム/フィルム/箔のエンドレスベルト80の対応する属性を感知するセンサ20Bまたは適切なセンサ群(図示せず)またはセンサアレイ(図示せず)によって検出される。加えて、または、あるいは、省略されることができるセンサ20Bの代わりに、ローラー60、60’に組み込まれていて、したがって、エンドレスベルト80に作用している圧力および/または歪みを間接的に感知するかまたは測定するために、凝固可能な材料の搬送システムの一部を形成している他のセンサ70が、任意に提供されることができる。任意のセンサ70のうちの1つが、この機能を実行するためにすでに充分でもよい。その一方で、他のセンサは省略される。例えば、先に形成された物体3Bの上面とエンドレスベルト80との間の距離、これらの位置間の移動速度、エンドレスベルト80の圧力による力および/または引っ張り荷重、のような適切なプロセス・パラメータは、適切に制御される。放射線発生源90による放射線は、構築平面または領域において提供される凝固可能な材料を固化するために始動されることができる。分離プロセス中に、物体3Bのちょうど固化された材料の上面と、エンドレスベルト80の透明なおよび/またはフレキシブルなおよび/または弾力のあるフィルム/箔との間の分離力は、センサ20Bまたはセンサ70またはその両方によって感知されて、そして、圧力または応力および/または歪みを感知して測定することによって、その後制御されて調整される。これを実行するために、各ローラー60、60’は、反対回転されてもよい。撹拌器、モーター、ローラーその他は、制御ユニット30Bによって制御される。さらに、プロセス・パラメータはまた、センサ20Bおよび/または70によって感知されまたは測定される状態に応答して、制御ユニット30Bによって制御される。
【0061】
図7は、凝固可能な材料50Bのためのキャリア/プロバイダとしての、透明なおよび/またはフレキシブルなおよび/または弾力のあるフィルム/箔80A、先に形成された物体3Cの一部を担持する物体キャリアが5C、を含む、三次元物体10Cを生産するためのプロセスおよびデバイスのための本発明の他の実施形態を示す。制御ユニット30Cの制御の下で、図示された矢印で示すように、物体キャリア5Cは、上方および下方へ移動することができる。放射線は、適切な放射線発生源11Cから提供される。本実施形態において、凝固可能な材料50Bの流動性は、センサ20Cによってここで示される適切な流量計または流量感知デバイスによって感知されまたは測定される。図示される場合には、センサ20Cは、構築プロセス全体を通じて凝固可能な材料の一般的性質を感知するかまたは測定するために、構築エリアまたは構築領域の外側で位置付けされる。そこにおいて、測定されたかまたは感知された値は、さらなるプロセス・パラメータの調整または制御に使用するために、制御ユニット30Cに出力される。しかしながら、ここでは示されない場合において、センサ20Cは、例えば、凝固可能な材料を構築平面に提供するステップにおいて、または、構築平面から固化した材料を分離するステップにおいて、凝固可能な材料の実際の流動性状態を感知するかまたは測定するために、構築エリアまたは構築領域内で位置付けられることができる。例えば放射期間中ではない場合、構築エリアまたは構築領域内でのセンサ20Cの配置は、一時的にのみ実行されることができる。さらなる修正、例えば、構築プロセス中(例えば、図6と関連して図示および記載される)に、透明なおよび/またはフレキシブルなおよび/または弾力のあるフィルム/箔80Aに適用される圧力および/または歪みを感知しているかまたは測定しているさらなるセンサ(図示せず)の追加的な使用、が可能である。これにより、上記の他の実施形態と関連して述べたようなさらなるプロセス・パラメータの制御を可能にする。
【0062】
図6および7の図示した実施形態は、前述のように同様に修正されることができる。特定の修正は、三次元物体10Dを生産するプロセスおよびデバイスに関して図8に示される。本実施形態において、圧力センサ20Aの配列は、2つのプラットフォーム5Aおよび5Aによって形成される物体キャリア間に配置される。前者のプラットフォームは、基本的なプレートとして機能していて、後者のプラットフォームは、固化された物体3を実際に担持している担持プレートとして機能している。センサ20Aの配列は、感知性の方法において物体キャリアで発生している圧力および/または歪みを全般的におよび/または局地的に感知するために、図3に示すように配置してもよいし、あるいは、マルチプル圧力センサの別の個数または配置でもよい。物体キャリアは、構築平面7Dで発生している圧力および/または歪みとして示される。撹拌器40Dは、制御ユニット30Dの制御の下に、そして、センサアレイ20Aによって感知される圧力値の結果に部分的に応答して、調整された移動速度で、プラットフォーム5Aおよび5Aを上方へまたは下方へ移動するために撹拌される。適切な放射線発生源は、参照符号7Dによって示される構築平面に対する焦点を合わせたレーザービームによって、あるいは、同時かまたはほぼ同時の露光によって、例えば空間光変調(SLM)を通じてエネルギー11Dを提供する。本実施形態において適用されるさらなる修正は、特定の凝固材料キャリアに関する。この場合に、それは、透明なおよび/またはフレキシブルなおよび/または弾力のあるフィルム/箔80Bの形態で具体化される。供給ステーションから構築平面7Dへ、そして、放射線アクションに委ねられるために構築エリアへ供給されるフィルムは、その片側上に、凝固材料リザーバ50Dから分配される固化している材料を運搬するのに適合される。運搬は、制御ユニット30Dの管理の下で、能動性のローラー85によって実施されてもよい。その一方で、他のローラー85および85は受動性でもよくて、単に透明なフレキシブルフィルム80Bの余端を巻くだけでもよい。
【0063】
図9A、9B、9Cおよび9Dは、他の特定の感知機構が、物体キャリアを担持しているフレームに付属されるかまたは組み込まれる、本発明の、さらなる実施形態の概略的にさまざまな状態をそれぞれ示す。具体的には、本実施形態において(図9Aにおいて使用する参照符号は、図9Bおよび9Cのそれぞれの要素に対応して適用する)、平坦な大樽またはフィルムのようなデバイス600が、凝固可能な材料(特に示されない)を担持するかまたは収容している、凝固可能な材料のキャリア/プロバイダの他のタイプとして用いられる。平坦な大樽またはフィルムのようなデバイス600は、機構を傾斜させることを可能にするために、任意に1つ(401)または2つ(401,402)の撹拌器を有するテーブル上に担持される。ちょうど処理される物体301を担持する物体キャリア501は、対応するフレーム構造502によって担持される。さらに詳細に図示されずに、フレーム構造は、垂直ロッドによって構成されてもよい。そして、垂直ロッドは、物体を担持するシステムの安定度を改善するために、さらなるU字型のフレーム構造によって補完されてもよい。図9Aの二重矢印によって示されるように、物体キャリアは、駆動エレメント(フレーム構造502に組み込まれる、図示せず)によって動作する適切な滑動機構によって上方へおよび下方へ移動することができる。本実施形態に特に示されるように、センサ200は、例えば棒状体で、物体キャリアを担持しているフレームに取り付けられる。任意に、そして、感知能力を改良するために、追加的なセンサがまた、U字形フレーム構造(図示せず)の1つ以上の位置に取り付けられてもよい。
【0064】
図9Bに示すように、物体キャリアの下方への移動(下方への矢印によって示される)と、平坦な大樽またはフィルムのようなデバイス600において提供される凝固可能な材料との間の接触構成の重要なステップにおいて、−これにより、接触プロセスの後にエネルギーが供給される構築領域を形成する−、接触力が形成され増加するにつれて、背向力F1が生成され、この背向力F1は、フレーム502上に作用する力F2を生成し、この力F2は、結局、センサ200によって感知され、そして任意に測定される。感知されるかまたは測定される圧力は、コントローラ(図示せず)に入力される。このコントローラは、感知された/測定された圧力値に応じて、駆動エレメントおよびしたがって、凝固材料上にあるいは大樽またはフィルムのようなデバイス600の上面上に適用される実際の接触圧を制御する。この機構によって、物体キャリア501(または、それに載った先に固化された物体301)と、凝固材料の表面あるいは大樽またはフィルムのようなデバイス600の上面との間の、穏やかな接触プロセスおよび慎重に調整された接触圧の慎重な制御を許容する。
【0065】
定義された期間中、放射線発生源110の動作に応じて凝固が行われた後、先に形成された物体301に固着している今ちょうど固化された材料は、図9Cの上方への矢印によって示されるように、物体キャリア500を上方へ移動することによって、大樽またはフィルムのようなデバイス600(または固化されない材料の残部)から分離される。固着力は、下向きの力F1’を生成して、このF1’は、前と同じようにフレーム502に作用する力F2’を生成する。そしてこの力F2’は、結局、センサ200によって感知され、そして任意に測定されるが、しかし、今度は向きが反対である。接触プロセスとは別の今度は、感知されるかまたは測定される歪みは、コントローラ(図示せず)に入力される。コントローラは、今度は、感知された/測定された圧力値に応じて、駆動エレメントおよび適用されるその分離力を制御する。
【0066】
図9Cに示すように物体キャリアの上方への移動によって生じる分離プロセスから独立に、または、分離プロセスに加えて、撹拌器402は、図9Dに示すように(傾斜運動は下方への矢印によって示される)、分離プロセスを容易にするための大樽またはフィルムのようなデバイス600を傾斜させる傾動機構を生成するために活性化される。結果として、同様の力F1’およびF2’は、固着によって生成され、そしてそれは、センサ200によって同様に感知されて、任意に測定される。コントローラ(図示せず)を介したフィードバック制御によって、制御されたおよびより精密な傾動機構が可能になる。図9Cおよび9Dに図示される感知および制御は、任意に、そして、好ましくは、物体キャリアの上方への移動と、撹拌器401および/または402を介した傾動機構との両方を感知して、制御することによって組み合わせられることができる。この種の組み合わせのさらなる好ましい実施形態において、物体キャリア500の上方への移動によって感知される/測定される歪み値が所定の閾値に達する前にでなく、撹拌器401および/または402は活性化される。
【0067】
本実施形態が図示されて、具体的に記述されることに注意されたい。その一方で、さまざまな修正および変更が可能であり、本発明の構想の範囲内で当業者によって適用されることができる。さらに、上記の実施形態の個々の特徴または特定の構成要素は、組み合わせられることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
凝固可能な材料を固化することによって少なくとも1つの三次元物体を生産するためのプロセスであって、
生産される前記物体を担持することが可能な物体キャリアを提供するステップ;
エネルギー供給を受けるときに固化することが可能な材料を提供するステップ;
凝固可能な材料が固化される少なくとも構築領域において凝固可能な材料を担持する/提供する位置に、凝固可能材料のキャリア/プロバイダをもたらすステップ;
前記凝固可能な材料を固化することが可能なエネルギーを前記構築領域に供給するステップ;および
形成されそうか、あるいは、前記物体キャリアまたはその上に担持される先に固化された材料と、前記凝固可能材料のキャリア/プロバイダとの間に位置しているか、の前記構築領域のステータスにおける、(i)圧力、(ii)歪み、(iii)接触圧、(iv)流体圧、(v)材料流動性、のうちの1つ以上から選択される状態を感知し、測定し、および/または調整するステップを含む、プロセス。
【請求項2】
請求項1に記載のプロセスにおいて、単独のまたは組み合わせの前記状態が、前記構築領域での前記圧力および/または歪みに対して示す位置で感知され、測定され、または調整される。
【請求項3】
請求項1または2に記載のプロセスにおいて、圧力および/または歪みは感知され、または測定され、あるいは、流体圧および/または材料流動性は調整され、または制御される。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のプロセスにおいて、前記圧力および/または歪みが、前記構築領域内または当該構築領域で、前記物体キャリア内または当該物体キャリアで、前記凝固可能材料のキャリア/プロバイダ内または当該キャリア/プロバイダで、前記物体を担持するフレーム内または当該フレームで、前記凝固可能材料のキャリア/プロバイダを担持するフレーム内または当該フレームで、の中から選択される少なくとも領域で感知され、または測定される。
【請求項5】
請求項4に記載のプロセスにおいて、前記圧力および/または歪みが、前記物体を担持する前記フレーム内または当該フレームで、感知され、または測定される。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載のプロセスにおいて、単独のまたは組み合わせの前記状態(i)〜(iv)が、構築プロセス中に、好ましくは、新鮮な凝固可能な材料が前記物体キャリアと、またはその上に形成される先に固化された材料と接触するときに、エネルギーが供給されるときに、および/または、固化された材料が前記構築領域から、または前記凝固可能材料のキャリア/プロバイダから分離されるときに、感知され、測定され、または調整される。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載のプロセスにおいて、前記凝固可能材料のキャリア/プロバイダが、フィルム/箔キャリア、または分離フィルム/箔、あるいは大樽または容器である。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載のプロセスにおいて、前記状態を感知し、測定し、および/または調整するステップが、
(a)前記物体キャリアと前記構築領域との間の、または、前記物体キャリアと前記凝固可能材料のキャリア/プロバイダの表面との間の距離;
(b)それぞれ前記構築領域に向かう、前記物体キャリアまたは前記凝固可能材料のキャリア/プロバイダのいずれかの圧力;
(c)任意にその上に先に固化された材料を有する物体キャリアの、提供される凝固可能な材料への挿入の程度;
(d)それぞれ前記構築領域からの、前記物体キャリアまたは前記凝固可能材料のキャリア/プロバイダのいずれかの分離力;
(e)前記構築領域内または当該構築領域での流体圧;
(f)それぞれ前記構築領域に向かう、または前記構築領域から離れる、前記物体キャリアまたは前記凝固可能材料のキャリア/プロバイダの移動速度;
(g)凝固可能材料のキャリア/プロバイダの引っ張り荷重;
(h)前記物体キャリアの表面と前記凝固可能材料のキャリア/プロバイダの表面との間の共平面性または傾斜角度;および
(i)構築エリアからの前記凝固可能材料のキャリア/プロバイダの転動離れまたは滑動離れというプロセス・パラメータの少なくとも1つをそれぞれ単独でまたは組み合わせて制御するのに使用される。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載のプロセスにおいて、前記状態を感知し、または測定するステップが、構築プロセスが妨害されるかどうか決定するために使用される。
【請求項10】
凝固可能な材料を固化することにより少なくとも1つの三次元物体の生産プロセスを準備するための準備プロセスであって、前記準備された生産プロセスは、
生産される前記物体を担持することが可能な物体キャリアを提供するステップ;
凝固可能な材料が固化される少なくとも構築領域において凝固可能な材料を提供する位置に、凝固可能材料のキャリア/プロバイダをもたらすステップ;および
前記凝固可能な材料を固化することが可能なエネルギーを前記構築領域に供給するステップを含み、
そこにおいて、前記準備プロセスは、
実行されるときに、少なくとも1つの三次元物体を生産することを許容する構築データを提供するステップ;および
前記構築データに基づいてプロセス・パラメータを正常に設定するステップを含み、
そこにおいて、前記プロセス・パラメータは、
生産される前記少なくとも1つの三次元物体の構造;
補助支持体の有無またはその構造;
凝固可能な材料のタイプおよび凝固可能な材料の組成物;
凝固可能材料のキャリア/プロバイダに対する凝固可能な材料の固着;および
先に固化されたレイヤおよび/または断面に対する凝固可能な材料の固着、および/または先に固化された材料のボクセルマトリクスの少なくとも1つに応じて正常に設定され、
(a)固化するためのエネルギーを提供する前の、前記物体キャリアと前記構築領域との間、または、前記物体キャリアと前記凝固可能材料のキャリア/プロバイダの表面との間の移動距離;
(b)それぞれ前記構築領域に向かう、前記物体キャリアまたは前記凝固可能材料のキャリア/プロバイダのいずれかの圧力;
(c)任意にその上に先に固化された材料を有する物体キャリアの、提供される凝固可能な材料への挿入の程度;
(d)それぞれ前記構築領域からの、前記物体キャリアまたは前記凝固可能材料のキャリア/プロバイダのいずれかの分離力;
(e)前記構築領域内または当該構築領域での流体圧;
(f)それぞれ前記構築領域に向かう、または前記構築領域から離れる、前記物体キャリアまたは前記凝固可能材料のキャリア/プロバイダの移動速度;
(g)凝固可能材料のキャリア/プロバイダの引っ張り荷重;
(h)前記物体キャリアの表面と前記凝固可能材料のキャリア/プロバイダの表面との間の共平面性または傾斜角度;および
(i)構築エリアからの前記凝固可能材料のキャリア/プロバイダの転動離れまたは滑動離れの少なくとも1つのパラメータを制御する準備プロセス。
【請求項11】
請求項10に記載の準備プロセスにおいて、前記プロセス・パラメータが、1度に固化されるための領域の大きさあるいはレイヤの形状または断面に応じて、または、補助支持体の有無に応じて、正常に設定される。
【請求項12】
請求項10または11に記載の準備プロセスにおいて、前記プロセス・パラメータが、粘性、粉体またはパウダーの存在、および溶融する属性、凝固可能材料のキャリア/プロバイダに対する凝固可能な材料の固着、ならびに、レイヤおよび/または断面に対する凝固可能な材料の固着、および/または先に固化された材料のボクセルマトリクス、の中から選択される、固化される材料の任意の1つの属性に応じて、正常に設定される。
【請求項13】
請求項10〜12のいずれか1項に記載の準備プロセスを含む生産プロセスであって、前記正常に設定されるプロセス・パラメータを、三次元物体の生産デバイスまたはその実行のための構成要素(例えば制御ユニット)に供給するステップ、そしてこれにより、前記三次元物体を生産するステップ、をさらに含む。
【請求項14】
請求項10〜13のいずれか1項に記載のプロセスにおいて、正常に設定されるプロセス・パラメータ、または、構築プロセスの実行中に制御される真のプロセス・パラメータが、構築プロセスの少なくとも1つの期間中に変化される。この期間は、凝固可能な材料が前記構築領域内に提供されることによって定義されるか、あるいはまた、前記構築領域からまたは当該構築領域で、あるいは前記凝固可能材料のキャリア/プロバイダからまたは当該キャリア/プロバイダで、固化された材料を分離することによって定義される。
【請求項15】
請求項10〜14のいずれか1項に記載のプロセスであって、前記正常に設定されるプロセス・パラメータ、および、前記構築領域内または当該構築領域で存在する圧力、歪み、接触圧および/または材料流動性の測定によって決定されるプロセス・パラメータの対応する真の値を比較するステップ、をさらに含む。そして、任意に、前記比較ステップの結果に応じて、前記プロセス・パラメータをリアルタイムで調整するステップをさらに含む。
【請求項16】
凝固可能な材料を固化することによって少なくとも1つの三次元物体を生産するためのプロセスであって、
生産される前記物体を担持することが可能な物体キャリアを提供するステップ;
エネルギー供給を受けるときに固化することが可能な材料を提供するステップ;
凝固可能な材料が固化される少なくとも構築領域において凝固可能な材料を担持する/提供する位置に、凝固可能材料のキャリア/プロバイダをもたらすステップ;
前記凝固可能な材料を固化することが可能なエネルギーを前記構築領域に供給するステップを含み、
そこにおいて、前記構築領域内または当該構築領域で発生している、前記凝固可能な材料の表面または前記凝固可能材料のキャリア/プロバイダの表面に向かう、前記物体キャリアの、または、先の固化を通じてその上に形成された固化された材料の、接触圧は、感知されておよび/または調整される。
【請求項17】
凝固可能な材料を固化することによって少なくとも1つの三次元物体を生産するためのプロセスであって、
生産される前記物体を担持することが可能な物体キャリアを提供するステップ;
適当なエネルギー量を受けるときに固化することが可能な材料を提供するステップ;
凝固可能な材料が固化される少なくとも構築領域において凝固可能な材料を担持する/提供する位置に、凝固可能材料のキャリア/プロバイダをもたらすステップ;
前記凝固可能な材料を固化することが可能なエネルギーを前記構築領域に供給するステップを含み、
そこにおいて、前記構築領域内または当該構築領域で、あるいは、前記凝固可能材料のキャリア/プロバイダ内または当該キャリア/プロバイダで発生している、流体圧および/または凝固可能材料の流動性は、感知されておよび/または調整される。
【請求項18】
請求項16または17に記載のプロセスにおいて、前記構築領域内または当該構築領域で、あるいは、前記凝固可能材料のキャリア/プロバイダ内または当該キャリア/プロバイダで発生している、前記接触圧、前記流体圧および/または凝固可能材料の前記流動性の任意の1つが、構築プロセス中に、好ましくは、新鮮な凝固可能な材料が前記物体キャリアと、またはその上に形成される先に固化された材料と接触するときに、エネルギーが供給されるときに、および/または、固化された材料が前記構築領域から、または前記凝固可能材料のキャリア/プロバイダから分離されるときに、感知され、または測定される。
【請求項19】
請求項16〜18のいずれか1項に記載のプロセスにおいて、前記構築領域内または当該構築領域で発生している、前記接触圧、前記流体圧および/または凝固可能材料の前記流動性の任意の1つが、前記構築プロセス中に、好ましくは、新鮮な凝固可能な材料が前記物体キャリアと、またはその上に形成される先に固化された材料と接触するときに、エネルギーが供給されるときに、および/または、固化された材料が前記構築領域から分離されるときに、変化される。
【請求項20】
請求項16〜19のいずれか1項に記載のプロセスにおいて、前記構築領域内または当該構築領域で、あるいは、前記凝固可能材料のキャリア/プロバイダ内または当該キャリア/プロバイダで発生している、前記接触圧、前記流体圧および/または凝固可能材料の前記流動性が、請求項8に関連したプロセス・パラメータ(a)〜(i)のうちの任意の1つによって調整され、または変化される。
【請求項21】
請求項16〜20のいずれか1項に記載のプロセスにおいて、前記構築領域内または当該構築領域で発生している、前記接触圧、前記流体圧および/または凝固可能材料の前記流動性の任意の1つが、流体圧をそれぞれ増加または減少するために、前記凝固可能材料のプロバイダとしての大樽または容器内への流動性の凝固可能材料の制御された注入によって、あるいは、前記大樽または容器からの流動性の凝固可能材料の制御された排出によって、調整される。
【請求項22】
請求項16〜21のいずれか1項に記載のプロセスにおいて、前記接触圧、前記流体圧および/または凝固可能材料の前記流動性の任意の1つが、凝固可能材料の加熱処理によって調整される。
【請求項23】
請求項16〜22のいずれか1項に記載のプロセスにおいて、固体の、半固体のまたは比較的高い粘性の凝固可能な材料が、用いられる。そして、それに対する加熱によって、対応する、比較的より高い流動性の材料に変換される。
【請求項24】
請求項23に記載のプロセスにおいて、感光性のワックス材料またはワックスのような材料が用いられる。
【請求項25】
凝固可能な材料を固化することによって少なくとも1つの三次元物体を生産するためのデバイスであって、
構築領域に対してエネルギーを供給するための、前記凝固可能な材料を固化することが可能なデバイス;
生産される前記物体を担持することが可能な物体キャリア;
凝固可能な材料を少なくとも前記構築領域に提供するように構成されている凝固可能材料のキャリア/プロバイダ;および
前記構築領域でのそれぞれの状態を示すための、またはそのための効率的な位置での、(i)圧力、(ii)歪み、(iii)接触圧、(iv)流体圧、(v)材料流動性、のうちの1つ以上から選択される状態を感知し、または測定し、および/または調整するように構成されるセンサおよび/またはコントローラを含むデバイス。
【請求項26】
請求項25に記載のデバイスにおいて、前記センサが、(i)圧力および/または(ii)歪みを感知するかまたは測定するための単一のセンサ、一群のセンサまたはセンサアレイであり、そして、前記センサが、前記構築領域内または当該構築領域で、前記物体キャリア内または当該物体キャリアで、前記凝固可能材料のキャリア/プロバイダ内または当該キャリア/プロバイダで、前記凝固可能材料のキャリア/プロバイダを担持するフレーム内または当該フレームで、そして、好ましくは、前記物体を担持するフレーム内または当該フレームで、の中から選択される少なくとも領域で構成される。
【請求項27】
請求項26に記載のデバイスにおいて、前記凝固可能材料のキャリア/プロバイダが、フィルム/箔キャリア、または分離フィルム/箔、あるいは大樽または容器である。
【請求項28】
請求項25〜27のいずれか1項に記載のデバイスであって、前記センサの前記感知または前記測定の結果として、
(a)前記物体キャリアと前記構築領域との間の、または、前記物体キャリアと前記凝固可能材料のキャリア/プロバイダの表面との間の距離;
(b)それぞれ前記構築領域に向かう、前記物体キャリアまたは前記凝固可能材料のキャリア/プロバイダのいずれかの圧力;
(c)任意にその上に先に固化された材料を有する物体キャリアの、提供される凝固可能な材料への挿入の程度;
(d)それぞれ前記構築領域からの、前記物体キャリアまたは前記凝固可能材料のキャリア/プロバイダのいずれかの分離力;
(e)前記構築領域内または当該構築領域での流体圧;
(f)それぞれ前記構築領域に向かう、または前記構築領域から離れる、前記物体キャリアまたは前記凝固可能材料のキャリア/プロバイダの移動速度;
(g)凝固可能材料のキャリア/プロバイダの引っ張り荷重;
(h)前記物体キャリアの表面と前記凝固可能材料のキャリア/プロバイダの表面との間の共平面性または傾斜角度;および
(i)構築エリアからの前記凝固可能材料のキャリア/プロバイダの転動離れまたは滑動離れから成るグループから選択される少なくとも1つの他の状態を制御するように構成されるコントローラを含む。
【請求項29】
請求項25〜28のいずれか1項に記載のデバイスにおいて、前記コントローラが、前記センサの前記感知または前記測定の結果として、構築プロセスが妨害されるかどうかを決定するように構成される。
【請求項30】
請求項25〜29のいずれか1項に記載のデバイスであって、請求項25〜28に関連する前記状態の任意の1つについての構築プログラムによって設定される公称値、および、前記センサによってオペレーション中に測定されまたは感知される真の値を比較するように構成される、制御システムをさらに含む。

【図1】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5A】
image rotate

【図5B】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9A】
image rotate

【図9B】
image rotate

【図9C】
image rotate

【図9D】
image rotate


【公表番号】特表2011−504819(P2011−504819A)
【公表日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−513779(P2010−513779)
【出願日】平成20年7月2日(2008.7.2)
【国際出願番号】PCT/EP2008/005403
【国際公開番号】WO2009/003696
【国際公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【出願人】(504090282)エンビジョンテク・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (5)
【氏名又は名称原語表記】ENVISIONTEC GMBH
【Fターム(参考)】