説明

不揮発性メモリ用のインタフェース

データを格納するための携帯記憶デバイスである。この携帯記憶デバイスは、第1の特性を有する第1の不揮発性メモリと、上記の第1の特性と異なる第2の特性を有する第2の不揮発性メモリと、上記の第1の不揮発性メモリ及び上記の第2の不揮発性メモリのうちいずれかに上記のデータを送るべきかを判定する制御装置と、を備える。上記の判定は、上記の第1の不揮発性メモリ及び上記の第2の不揮発性メモリ間において定義された関連性に基づいており、上記の定義された関連性は、バッファ又はバックアップについてである。

【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
本発明は、不揮発性メモリ用のインタフェースに関し、特に、排他的にではないが、異なる種類の不揮発性メモリ間のインタフェースに言及する。
【発明の背景】
【0002】
携帯メモリデバイス、例えば、フラッシュドライブ、サムドライブ及びMP3プレーヤなどは、多くの場合、単一の特性(character)をもつメモリを有する。そのようなデバイスにおいて、例えば、フラッシュメモリ及びハードディスクドライブなどの異なる特性をもつ複数のメモリを有することは、不可能である。
【発明の概要】
【0003】
第1の好ましい態様によれば、データを格納するための携帯記憶デバイスが与えられる。この携帯記憶デバイスは、
(a)第1の特性を有する第1の不揮発性メモリと、
(b)上記の第1の特性と異なる第2の特性を有する第2の不揮発性メモリと、
(c)上記の第1の不揮発性メモリ及び上記の第2の不揮発性メモリのうちいずれかに上記のデータを送るべきかを判定する制御装置と、を備える。
【0004】
上記の判定は、上記の第1の不揮発性メモリ及び上記の第2の不揮発性メモリ間において定義された関連性に基づくことができる。上記の定義された関連性は、上記の第1の不揮発性メモリが上記の第2の不揮発性メモリ用のバッファ又はバックアップについてとすることができる。上記の関連性は、ユーザ設定又はプリセットされるとよい。
【0005】
上記の第1の不揮発性メモリはフラッシュメモリ、上記の第2の不揮発性メモリはハードディスクドライブとすることができる。上記の制御装置は、フラッシュコントローラ、ハードディスクコントローラ及びブリッジコントローラのうち少なくとも1つを備えるものとすることができる。上記のブリッジコントローラは、フラッシュトゥハードディスクドライブコントローラ(flash-to-hard-disk-drive controller)を備えるものとすることがよい。
【0006】
上記のハードディスクドライブは、IDE(integrated deviceelectronics)インタフェースを備えるものとすることができる。上記の制御装置は、フラッシュメモリコントローラ及びハードディスクドライブコントローラを備えるものとしてもよい。
【0007】
上記のブリッジコントローラ及び上記のフラッシュメモリは、同一のバスに置くことができる。上記のブリッジコントローラは、上記のフラッシュメモリから上記のデータ及びアドレスデータを読み込み上記のハードディスクドライブに上記のデータを書き込むための専用の制御装置であってもよい。
【0008】
第2の好ましい態様によれば、携帯記憶デバイスにおいてデータを格納するための方法が与えられる。上記の携帯記憶デバイスは、
(a)第1の特性を有する第1の不揮発性メモリと、
(b)上記の第1の特性と異なる第2の特性を有する第2の不揮発性メモリと、
(c)上記の第1の不揮発性メモリ及び上記の第2の不揮発性メモリのうちいずれかに上記のデータを送るべきかを判定する制御装置と、を備えており、上記の方法は、
(d)上記の第1の不揮発性メモリ及び上記の第2の不揮発性メモリの関連性を判定し、該関連性に基づいて上記のデータを送るステップを備える。
【0009】
上記の関連性は、上記の第1の不揮発性メモリが上記の第2の不揮発メモリ用のデータバッファであること及び上記の第1の不揮発性メモリが上記の第2の不揮発性メモリ用のデータバックアップであることのうちの1つとすることができる。
【0010】
上記のデータは、最初に上記の第1の不揮発性メモリに格納され、その後上記の第2の不揮発性メモリに格納されるとよい。すなわち、上記の第1の不揮発性メモリは、上記の第2の不揮発性メモリ用のデータバッファとするのがよい。代替的に又は付加的に、上記の第1の不揮発性メモリは、上記の第2の不揮発性メモリ用のデータバックアップであってもよい。そのような場合、上記のデータは、上記の第1の不揮発性メモリ及び上記の第2の不揮発性メモリに対して逐次的に又は同時的に格納されるとよい。
【0011】
上記の第1の不揮発性メモリコントローラが最初に上記の制御装置に上記のデータを送り、上記の制御装置が格納用の上記のデータを上記の第2の不揮発性メモリにおいて変換してもよい。
【0012】
本発明が完全に理解され容易に実用的な効果を奏する目的のため、説明に役立つ添付の図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態のみを非限定的な例を用いて以下に記載する。
【好ましい実施形態の詳細な説明】
【0013】
以下の実施形態では、第1の形態又は種類の不揮発性メモリ(例えば、ハードディスクドライブ)と第2の形態又は種類の不揮発性メモリ(例えば、固体メモリ)との間のインタフェースで接続するための、様々な方法論や構造を示す。固体メモリは、フラッシュメモリとすることができる。
【0014】
インタフェースでの接続関連性は、2つのメモリ間において定義された関連性に基づいている。その関連性は、バックアップ又はバッファについてであるとすることができる。また、その関連性は、プリセットされるか又はユーザセット若しくはユーザ選択されるかするとよい。
【0015】
図1のフラッシュメモリ10は、ホストコンピュータ12からハードディスクドライブ(以下、HDD)14へのデータ転送中又はHDD14からホストコンピュータ12へのデータ転送中に、データバッファとして機能する。ダウンロード中において、データは、ホストコンピュータ12からUSBフラッシュコントローラ16に流れる。このUSBフラッシュコントローラ16の機能は、フラッシュメモリ10にデータを格納することと、そのデータをHDD14に格納する予定の場所を示すアドレスデータをフラッシュメモリに格納することである。その後、USBフラッシュコントローラ16は、フラッシュトゥIDE(flash to IDE)ブリッジコントローラ18に信号を送り、フラッシュメモリ10からHDD14へのデータ転送を初期化する。ブリッジコントローラ18は、HDDインタフェース20を含む。このHDDインタフェース20は、IDEデバイスとすることができる。ブリッジコントローラ18は、フラッシュメモリ10からデータ及びそのアドレスデータを読み込み、HDD14のインタフェース20を経由してHDD14にデータを書き込む、専用のコントローラである。HDDインタフェース20は、IDEインタフェース、ATA、シリアルATA又はコンパクトフラッシュタイプIIインタフェースであってもよい。
【0016】
図2のフラッシュメモリ10は、データバックアップ用のものである。ホストコンピュータ12からそれに接続されたUSBフラッシュ・HDD(USB FLASH AND HDD)コントローラ22にデータが流れると、HDD14及びフラッシュメモリ10の両方にデータが書き込まれる。データを読み込む場合、ユーザには、HDD14又はフラッシュメモリ10から読み込む選択肢がある。データの読み込み用のデフォルトの設定は、HDD14からの読み込みである。データは、1つの記憶媒体に一時に書き込まれてもよいし、フラッシュメモリ10及びHDD14に逐次的に書き込まれてもよい。この場合、図示されているように、最初にHDD14に書き込みその後フラッシュメモリ10に書き込んでもよいし、フラッシュメモリ10の後にHDD14に書き込んでもよい。データは、最初に一方に完全にダウンロードされ、そのダウンロードが完了すると、他方にバックアップされる。このバックアップは、全データ基準(全データの後のバックアップ)に基づいてもよいし、ファイルバイファイル基準(file-by-filebasis)(各ファイルの後のバックアップ)に基づいてもよい。
【0017】
図3は、フラッシュメモリ10及びHDD14に対して同時的にデータを書き込む場合を示す。ここで、データは、ホストコンピュータ12からUSBフラッシュコントローラ16に流れ、その後、フラッシュメモリ10及びフラッシュトゥIDEブリッジコントローラ18に同時的に流れる。その後、IDEブリッジコントローラ18は、フラッシュメモリコマンドを解釈し、データをHDD14に格納するIDEコマンドにそのコマンドを変換する。この場合、フラッシュメモリ10及びHDD14にデータを同時的に書き込むことができる。ブリッジコントローラ18及びフラッシュメモリ10は、同一のバスにあってもよい。
【0018】
データをHDD14及び/又はフラッシュメモリ10からアップロードする場合、その逆のプロセスが生じる。
【0019】
図4を参照する。プロセスは、データダウンロードが初期化される(41)ときにHDD14とフラッシュメモリ10との関連性が重要である。この関連性は、プリセットされるか又はユーザ定義されるかするとよい。ユーザ定義の場合、ユーザは、バッファ(42)又はバックアップ(43)を選択する。バックアップ(43)の場合、それは二者択一的又は同時的であってもよい。バッファ(42)については、フラッシュコントローラ16が、動作し(44)、フラッシュメモリ10にデータを格納し(45)、そのデータ用のハードディスク上のアドレスに関するアドレスデータを格納する(46)。
【0020】
その後、フラッシュコントローラ16は、ブリッジコントローラ18に初期化信号を送り(47)、ブリッジコントローラ18を経由してHDD14にデータを送る(48)。
【0021】
バックアップ(43)については、二者択一的の場合、データがUSBフラッシュ・HDDコントローラ22によって処理され(49)、フラッシュメモリ10に格納される(50)。データは、フラッシュメモリ10からHDD14に格納される(51)。格納ステップ50及び51は、逆の順序であってもよく、最初にHDD14に格納しその後フラッシュメモリ10に格納してもよい。2番目の格納(バックアップ)は、1番目の格納の完了後である。これは、完全なデータに対するものであってもよく、ファイルバイファイル基準に基づいてもよい。
【0022】
バックアップ(43)については、同時的である場合、USBコントローラ16は、データを送り(52)、フラッシュメモリ10(53)及びHDD14用のブリッジコントローラ18(54)に同時的にデータを送る。
【0023】
当然ながら、プリセットの場合、ステップ(41)からステップ(44),(49)及び(52)のうちの一つに、プリセットされた関係に従って処理が進行する。
【0024】
前述のように本発明の好ましい実施形態を記載してきたが、当業者は、設計又は構成の詳細において多くの変形又は修正を本発明から逸脱することなくなし得ることを理解するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】第1の実施形態のブロック図である。
【図2】第2の実施形態のブロック図である。
【図3】第3の実施形態のブロック図である。
【図4】好ましい方法のためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0026】
10…フラッシュメモリ、12…ホストコンピュータ、14…ハードディスクドライブ(HDD)、16…フラッシュコントローラ、18…フラッシュトゥIDEブリッジコントローラ、20…HDDインタフェース、22…USBフラッシュ・HDDコントローラ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データを格納するための携帯記憶デバイスであって、
(a)第1の特性を有する第1の不揮発性メモリと、
(b)前記第1の特性と異なる第2の特性を有する第2の不揮発性メモリと、
(c)前記第1の不揮発性メモリ及び前記第2の不揮発性メモリのうちいずれかに前記データを送るべきかを判定する制御装置と、
を備える、携帯記憶デバイス。
【請求項2】
前記第1の不揮発性メモリがフラッシュメモリであり、前記第2の不揮発性メモリがハードディスクドライブである、請求項1に記載の携帯記憶デバイス。
【請求項3】
前記制御装置が、フラッシュコントローラ、ハードディスクコントローラ及びブリッジコントローラのうち少なくとも1つを備える、請求項2に記載の携帯記憶デバイス。
【請求項4】
前記ブリッジコントローラがフラッシュトゥハードディスクドライブコントローラを備える、請求項2又は3に記載の携帯記憶デバイス。
【請求項5】
前記ハードディスクドライブがIDEインタフェースを備える、請求項4に記載の携帯記憶デバイス。
【請求項6】
前記制御装置が、フラッシュメモリコントローラ及びハードディスクドライブコントローラを備える、請求項2又は3に記載の携帯記憶デバイス。
【請求項7】
前記判定が、前記第1の不揮発性メモリと前記第2の不揮発性メモリとの間において定義された関連性に基づいており、
前記定義された関連性が、バッファ及びバックアップからなるグループから選択される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の携帯記憶デバイス。
【請求項8】
前記定義された関連性が、ユーザ設定及びプリセットからなるグループから選択される、請求項7に記載の携帯記憶デバイス。
【請求項9】
前記データが、最初に前記第1の不揮発性メモリに格納され、その後前記第2の不揮発性メモリに格納され、
前記第1の不揮発性メモリが、前記第2の不揮発性メモリ用のデータバッファである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の携帯記憶デバイス。
【請求項10】
前記第1の不揮発性メモリが、前記第2の不揮発性メモリ用のデータバックアップであり、
前記データが、前記第1の不揮発性メモリ及び前記第2の不揮発性メモリに対して逐次的に又は同時的に格納される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の携帯記憶デバイス。
【請求項11】
前記ブリッジコントローラ及び前記フラッシュメモリが同一のバスにある、請求項3に付随する請求項10に記載の携帯記憶デバイス。
【請求項12】
前記ブリッジコントローラが、前記フラッシュメモリから前記データ及びアドレスデータを読み込み前記ハードディスクドライブに前記データを書き込むための専用の制御装置である、請求項3に記載の携帯記憶デバイス。
【請求項13】
携帯記憶デバイスにおいてデータを格納するための方法であって、
前記携帯記憶デバイスが、
(a)第1の特性を有する第1の不揮発性メモリと、
(b)前記第1の特性と異なる第2の特性を有する第2の不揮発性メモリと、
(c)前記データが、前記第1の不揮発性メモリ及び前記第2の不揮発性メモリのうちいずれかに前記データを送るべきかを判定する制御装置と、
を備えており、
当該方法が、
(d)前記第1の不揮発性メモリ及び前記第2の不揮発性メモリの関連性を判定し、該関連性に基づいて前記データを送るステップを備える、方法。
【請求項14】
前記関連性が、前記第1の不揮発性メモリが前記第2の不揮発メモリ用のデータバッファであること及び前記第1の不揮発性メモリが前記第2の不揮発性メモリ用のデータバックアップであることのうちの1つである、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記データが、最初に前記第1の不揮発性メモリに格納され、その後前記第2の不揮発性メモリに格納され、
前記第1の不揮発性メモリが、前記第2の不揮発性メモリ用のデータバッファである、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記第1の不揮発性メモリが、前記第2の不揮発性メモリ用のデータバックアップであり、
前記データが、前記第1の不揮発性メモリ及び前記第2の不揮発性メモリに対して逐次的に又は同時的に格納される、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記制御装置が、フラッシュコントローラ、ハードディスクコントローラ及びブリッジコントローラのうち少なくとも1つを備える、請求項12〜16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の不揮発性メモリコントローラが最初に前記制御装置に前記データを送り、前記制御装置が格納用の前記データを前記第2の不揮発性メモリにおいて変換する、請求項13又は14に記載の方法。
【請求項19】
前記第1の不揮発性メモリがフラッシュメモリであり、前記第2の不揮発性メモリがハードディスクドライブである、請求項12〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記関連性が、ユーザ設定及びプリセットからなるグループから選択される、請求項13〜19のいずれか一項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2008−537251(P2008−537251A)
【公表日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−507604(P2008−507604)
【出願日】平成18年3月24日(2006.3.24)
【国際出願番号】PCT/SG2006/000072
【国際公開番号】WO2006/112794
【国際公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.コンパクトフラッシュ
【出願人】(502158287)トレック・2000・インターナショナル・リミテッド (21)
【Fターム(参考)】