説明

不正文字を検出するための装置、システム、プログラム、および方法(複数スキャン手法を用いる不正文字検出のための装置、システム、および方法)

【課題】 不正文字を検出する装置、システム、および方法を開示する。
【解決手段】 第1の光学文字認識モジュールが、媒体の上に磁気インクを用いて転写された文字を第1の光学文字認識アルゴリズムを用いて光学的に認識する。第2の光学文字認識モジュールも第2の光学文字認識アルゴリズムを用いて文字を光学的に認識する。さらに、磁気インク文字認識モジュールが磁気認識アルゴリズムを用いて文字を磁気的に認識する。投票モジュールが第1の光学文字認識モジュール、第2の光学文字認識モジュール、および磁気インク文字認識モジュールの認識結果に基づいて文字が不正である可能性があるか否かを判断する。文字が不正である可能性がある場合、結果モジュールが不正標識を伝達する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は文字の不正(fraud)を検出すること関し、特に複数スキャン手法を用いて不正文字を検出することに関する。
【背景技術】
【0002】
小売業の販売時点情報管理(point of sale:“POS”)装置は多くの場合、磁気インクを用いて紙の勘定書のような媒体の上に転写された文字を読み取るように構成されている。これらの文字は通常、銀行交換番号(bank routing number)や勘定書が引き落とされる銀行口座の番号のような銀行情報を含む。POS装置は文字を認識し、認識した銀行情報を金銭登録機のような別のPOSシステムに伝達する、あるいは、企業コンピュータ・システムに伝達する。
【0003】
POSシステムは認識モジュールを用いて文字を認識する。たとえば、POSシステムは磁気インク文字認識(magnetic ink character recognition: “MICR”)モジュールを用いて文字を磁気的に認識する。MICRモジュールは磁気スキャナを磁気的に含み、文字の磁気インクをスキャンし、そのスキャン結果を復号して文字を認識する。多くのPOS装置は光学文字認識(optical character recognition:“OCR”)モジュールも使用して文字を光学的に認識する。OCRモジュールは文字を光学的にスキャンする光学スキャナを含む。さらに、OCRモジュールはスキャン結果を復号して文字を認識する。
【0004】
復号された文字データは認識結果を含む。MICRモジュールとOCRモジュールの認識結果は通常、複数の文字候補を含み、各々は信頼水準を含んでいる。たとえば、認識結果は95%の信頼水準を備えた文字候補「2」、65%の信頼水準を備えた文字候補「3」、43%の信頼水準を備えた文字候補「8」を含む。POS装置は信頼水準に基づいて認識結果から文字候補「2」を選択する。
【0005】
OCRモジュールの認識結果はMICRモジュールの認識結果を明確にするために使用される。一実施形態では、ある文字のためのMICRの認識結果が不確定である場合、MICRの認識結果を明確にするためにOCRモジュールの認識結果を使用する。たとえば、MICRモジュールの認識結果が84%の信頼水準を備えた文字候補「8」と92%の信頼水準を備えた文字候補「9」であった場合、認識結果は不確定であると考えられる。93%の信頼水準を備えた文字候補「9」と48%の信頼水準を備えた文字候補「8」から成るOCRモジュールの認識結果を使用し、MICRモジュールに由来する不確定な認識結果を解消して文字候補「9」を選択する。
【0006】
MICRモジュールとOCRモジュールは矛盾する認識結果を有することもある。矛盾する認識結果は不正文字によって引き起こされる。有効な金融証書を模倣するために、勘定書の上に文字が不正に転写される。たとえば、白紙の勘定書の上に銀行情報を模倣した文字が印刷される。偽造者はMICRモジュール、OCRモジュール、または両モジュールが認識できない文字を銀行情報に少なくとも1つ含む印刷された勘定書を作成する。
【0007】
あいにく、POS装置はMICRモジュールとOCRモジュールの認識結果のみを用いて、不正文字を常に検出できるわけではないし、あるいは、認識の矛盾を常に解消できるわけでもない。たとえば、勘定書の上の不正な銀行情報はMICRモジュールとOCRモジュールの認識結果を不一致にさせる異常を含む。POS装置はMICRモジュールとOCRモジュールを用いるのみでは、矛盾する認識結果を解消できないし、認識結果の矛盾から不正文字を検出することもできない。なぜならば、POS装置は2組の認識結果に制限されているからである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述した考察から、少なくとも3つの認識モジュールを用いて不正文字を検出する装置、システム、および方法を求める要求が存在する、ということが明らかになるはずである。好都合なことに、そのような装置、システム、および方法はPOS装置の不正な情報を検出する能力を向上させる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は当技術の現在の状態を受けて、特に現在利用可能な不正文字検出方法によって未だに完全には解決されていない、当技術における問題点と要求を受けて開発された。したがって、本発明は当技術における上述した弱点の多数またはすべてを克服する、不正文字検出のための装置、システム、および方法を提供するために開発された。
【0010】
不正文字を検出する本装置は小売業のPOS装置において、印刷された不正な文字を検出するのに必要なステップ群を機能的に実行するように構成された複数のモジュールを具備する論理ユニットを備えている。記述されている実施形態におけるこれらのモジュールにはMICRモジュール、第1のOCRモジュール、第2のOCRモジュール、投票モジュール、および結果モジュールがある。
【0011】
MICRモジュールは磁気インクを用いて媒体の上に転写された文字を磁気的に認識する。この媒体は勘定書であり、銀行情報がこの文字を含んでいる。MICRモジュールは文字を認識することによって認識結果を生成する。一実施形態では、認識結果は各々が信頼水準を備えた複数の文字を含む。第1のOCRモジュールは第1のOCRアルゴリズムを用いて光学的に文字を認識し、認識結果も生成する。さらに、第2のOCRモジュールは第2のOCRアルゴリズムを用いて光学的に文字を認識し、認識結果を生成する。
【0012】
投票モジュールはMICRモジュール、第1のOCRモジュール、および第2のOCRモジュールの認識結果を用いて文字が不正である可能性があるか否かを判断する。一実施形態では、投票モジュールはルックアップ・テーブルを用いて文字が不正である可能性があるか否かを判断する。結果モジュールは文字が不正である可能性がある場合に不正標識を伝達する。一実施形態では、結果モジュールは不正標識をPOS装置のディスプレイに伝達する。
【0013】
不正文字を検出する、本発明のシステムも提示する。本システムはPOSの受領証のプリンタ/スキャナの中に組み込まれる。特に、本発明のシステムは一実施形態において、メモリ・モジュール、プロセッサ・モジュール、ならびに、MICRモジュール、第1のOCRモジュール、第2のOCRモジュール、投票モジュール、および結果モジュールを含む検出モジュールを含む。一実施形態では、検出モジュールは移送モジュールも含む。
【0014】
MICRモジュールは磁気スキャナを含む。さらに、MICRモジュールは磁気インクを用いて勘定書の上に転写された文字を磁気認識アルゴリズムを用いて磁気的に認識する。第1のOCRモジュールは光学スキャナも含む。一実施形態では、光学スキャナは勘定書を光学的にスキャンし、スキャン結果を記録する。第1のOCRモジュールは第1のOCRアルゴリズムを用いてこのスキャン結果から文字を光学的に認識する。さらに、第2のOCRモジュールが第2のOCRアルゴリズムを用いてこのスキャン結果から文字を光学的に認識する。
【0015】
投票モジュールはMICRモジュール、第1のOCRモジュール、および第2のOCRモジュールの認識結果に用いて文字が不正である可能性があるか否かを判断する。ある実施形態では、投票モジュールは文字が不正である可能性があるとの判断をメモリ・モジュールに格納する。結果モジュールは文字が不正である可能性がある場合、不正標識を伝達する。一実施形態では、結果モジュールは警告メッセージのような不正標識をディスプレイに伝達する。
【0016】
一実施形態では、移送モジュールは磁気スキャナと光学スキャナに関連する勘定書を伝達し、磁気スキャンと光学スキャンを可能にしている。さらに、投票モジュールは磁気スキャナと光学スキャナに関連する勘定書を再移送し、MICRモジュール、第1のOCRモジュール、および第2のOCRモジュールの認識結果に応じて当該勘定書を再スキャンしうるようにしている。
【0017】
不正文字を検出する、本発明の方法も提示する。ここで開示する実施形態における方法は説明済みの装置とシステムについて上で提示した機能を実行するのに必要なステップ群を実質的に含む。一実施形態では、本方法は第1のOCRアルゴリズムを用いて文字を光学的に認識するステップと、第2のOCRアルゴリズムを用いて文字を光学的に認識するステップと、文字を磁気的に認識するステップと、文字が不正である可能性があるか否かを判断するステップと、不正標識を伝達するステップとを含む。
【0018】
第1のOCRモジュールが第1のOCRアルゴリズムを用いて文字を光学的に認識し、第2のOCRモジュールが第2のOCRアルゴリズムを用いて文字を光学的に認識する。さらに、MICRモジュールが磁気認識アルゴリズムを用いて文字を磁気的に認識する。投票モジュールが、文字が不正である可能性があるか否かを判断する。一実施形態では、投票モジュールは決定木を用いて文字が不正である可能性があるか否かを判断する。文字が不正である可能性がある場合、結果モジュールが不正標識を伝達する。
【0019】
特徴、利点、または類似の用語の、この明細書を通じる参照は本発明で実現される特徴と利点のすべてが本発明の任意の単一の実施形態の中に存在しているはずである、あるいは存在している、ということを含意していない。そうではなく、特徴と利点を指す用語は、実施形態とともに説明される特定の特徴、利点、または特性は本発明の少なくとも1つの実施形態の中に含まれている、ということを意味するように理解される。したがって、特徴および利点ならびに類似の用語の説明は、この明細書を通じて同一の実施形態を指すが、必ずしもそうとは限らない。
【0020】
さらに、本発明の記述される特徴、利点、および特性は少なくとも1つの実施形態において任意の好適な形態で組み合わされうる。本発明は、特定の実施形態の少なくとも1つの特定の特徴または利点がなくとも実施することができる、とういうことを当業者は理解しうる。別の例として、本発明のすべての実施形態に存在するわけではない付加的な特徴と利点が、ある実施形態においては認められる。
【0021】
本発明はMICRモジュール、第1のOCRアルゴリズムを使用する第1のOCRモジュール、および第2のOCRアルゴリズムを使用する第2のOCRモジュールの認識結果から不正である可能性のある文字を検出する。さらに、本発明は文字が不正である可能性がある場合、不正標識を伝達する。
【0022】
当業者にとって周知のように、MICR技術は文字の磁気的な特性に基づいている。OCR技術は文字の光学的な特性に基づいている。これら2つの技術が異なる復号結果を示すならば、それは低品位の磁気特性または光学特性の結果であるか、あるいは、不正な勘定書の標識である。2つのOCRエンジン(これらは普通は一致する)がMICRエンジンの結果とは異なる結果を提示するならば、あるいは、2つのOCRの結果が異なるならば、それを、不正である可能性のある勘定書の標識として、そしてオペレータが顧客のアイデンティティをより厳密に観察するために使用することができる。
【0023】
すべての不正な勘定書を捕獲する、すなわち特定する全体的なソリューションはない、ということが理解される。しかし、技術が、MICRによって復号される文字を(たとえばこの発明を介して記述したように)より詳細に観察することを継続するのにつれて、検出の水準は向上し、処理される不正な勘定書の数量は少なくなる。本発明のこれらの特徴と利点は、以下の記述および添付した特許請求の範囲からより完全に明らかになる、あるいは、以下に提示する本発明の実施によって学習される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
この明細書に記述されている機能ユニットの多くがモジュールとしてラベル付けされているのは、それらが実装と無関係であることを特に強調するためである。たとえば、モジュールはカスタムの超大規模集積回路(VLSI)もしくはゲート・アレイ、論理チップのような既製の半導体、トランジスタ、または、他の個別回路素子を含むハードウェア回路として実現される。モジュールはフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ、プログラマブル・アレイ・ロジック、プログラマブル・ロジック・デバイスなどのようなプログラム可能なハードウェア・デバイスでも実現される。
【0025】
モジュールはソフトウェアでも実現され、様々な種類のプロセッサによる実行の用に供される。実行可能なコードから成る特定のモジュールはたとえば、コンピュータ命令から成る少なくとも1つの物理ブロックまたは論理ブロックを含み、これらのブロックはたとえばオブジェクト、プロシージャ、または機能として構成されている。それにもかかわらず、特定のモジュールの実行可能プログラム群は、物理的に一緒に配置されている必要はないが、論理的に結合されたときに当該モジュールを構成し、当該モジュールの規定された目的を達成する、様々な場所に格納された様々な命令を含む。
【0026】
無論、実行可能なコードから成るモジュールは単一の命令であってもよいし、多数の命令であってもよい、そして、いくつかの異なるコード・セグメントにわたって分散していてもよく、それは複数の異なるプログラムの間でもよく、さらに、いくつかの記憶装置わたっていてさえよい。同様にここでは、オペレーショナル・データはモジュールの中において特定されるとともに図解されており、任意の適切な形態で記録されるとともに、任意の適切な種類のデータ構造の中に編成されている。オペレーショナル・データは、単一のデータ・セットとして集約されていてもよいし、あるいは、様々な場所にわたって分散されていてもよいし(たとえば複数の異なる記憶装置にわたっていてもよいし)、そして、少なくとも部分的に、システムまたはネットワークの上の単なる電子信号として存在していてもよい。
【0027】
「一実施形態」、「実施形態」、または類似の用語の、この明細書を通しての言及は、実施形態とともに記述される特定の特徴、構造、または特性が本発明の少なくとも1つの実施形態の中に含まれている、ということを意味する。したがって、この明細書を通して「一実施形態において」、「実施形態において」なる文言の出現は、すべて同一の実施形態を参照しているが、必ずしもそうとは限らない。
【0028】
さらに、本発明の記述された特徴、構造、または特性は少なくとも1つの実施形態において任意の好適な態様で組み合わされる。本発明の実施形態の完全な理解のために、以下の記述において、プログラミング、ソフトウェアのモジュール、ユーザの設定(user selection)、ネットワークのトランザクション、データベースの照会、データベースの構成、ハードウェアのモジュール、ハードウェアの回路、ハードウェアのチップなどから成る例のような特定の詳細を数多く提示する。しかし、本発明は、少なくとも1つの特定の詳細がなくとも、あるいは、他の方法、コンポーネント、材料などとともに実施することができる、ということを当業者は理解しうる。別の例を挙げると、本発明の諸側面を不明確にするのを避けるために、周知の構造、材料、またはオペレーションは詳細には示されておらず、記述されてもいない。
【0029】
図1は本発明のPOSシステム100の一実施形態を示す模式的なブロック図である。システム100はプロセッサ・モジュール105、メモリ・モジュール110、ブリッジ・モジュール115、通信モジュール155、ユーザ・インターフェース・モジュール160、プリンタ・モジュール165、ディスプレイ・モジュール170、ならびに、MICRモジュール120、第1のOCRモジュール125、第2のOCRモジュール130、投票モジュール135、結果モジュール140、および移送モジュール145から成る検出モジュール175を含む。
【0030】
メモリ・モジュール110はディジタルの命令とデータを格納する。一実施形態では、メモリ・モジュール110はランダム・アクセス・メモリ(RAM)のような揮発性メモリを含む。あるいは、メモリ・モジュール110はフラッシュRAMのような不揮発性メモリを含む。メモリ・モジュール110はソフトウェアの命令を含むプログラム可能な読み出し専用メモリ(PROM)も含む。プロセッサ・モジュール105は当業者に周知であるように、そソフトウェアの命令を実行し、データを操作する。
【0031】
プロセッサ・モジュール105とメモリ・モジュール110はブリッジ・モジュール115を通じて検出モジュール175、通信モジュール155、ユーザ・インターフェース・モジュール160、およびディスプレイ・モジュール170と通信する。通信モジュール155は少なくとも1つの外部の装置と通信する。一実施形態では、通信モジュール155は金銭登録機のような別のPOSシステムと通信する。別の実施形態では、通信モジュール155はネットワークを介して企業コンピュータ・システムに通じている。
【0032】
ユーザ・インターフェース・モジュール160はユーザの入力とコマンドを受領する。一実施形態では、ユーザ・インターフェース・モジュール160は少なくとも1つの入力キーを含む。別の実施形態では、ユーザ・インターフェース・モジュール160はタッチ・スクリーンとして構成されている。一実施形態では、プリンタ・モジュール165は顧客の受領証を印刷する。さらに、プリンタ・モジュール165は勘定書のような媒体の上に印刷する。ディスプレイ・モジュール170はユーザに情報を伝達する。一実施形態では、ディスプレイ・モジュール170は各々が特定のメッセージを伝達する少なくとも1つの発光ダイオード(LED)として構成されている。別の実施形態では、ディスプレイ・モジュール170はたとえば液晶表示装置(LCD)において複数の画素を表示する。
【0033】
システム100は媒体を処理する。一実施形態では、媒体は勘定書であり、磁気インクで転写された少なくとも1つの文字を含んでいる。各文字は磁気的に、かつ光学的に認識可能である。文字は銀行交換番号や銀行口座の番号のような銀行情報を含む。システム100はMICRモジュール120、第1のOCRモジュール125、および第2のOCRモジュール130を用いて文字を認識する。各認識モジュール120、125、130は認識結果に寄与する。システム100は少なくとも3つの認識モジュール120、125、130に由来する認識結果を用いて媒体をトランザクションの一部として処理する。さらに、システム100は認識結果を用いて不正文字を検出する。
【0034】
第1のOCRモジュール125は光学スキャナ185を含む。光学スキャナ185は光学的に文字をスキャンする。さらに、第1のOCRモジュール125はプロセッサ・モジュール105の上で実行される少なくとも1つのソフトウェアのプログラムを含む。第1のOCRモジュール125は文字をスキャンし、第1のOCRアルゴリズムを用いて文字を復号することにより、文字を認識する。一実施形態では、第1のOCRモジュール125は認識結果を生成する。認識結果は複数の文字候補を含む。たとえば、第1のOCRモジュール125は文字のスキャン結果を復号し、「2」、「3」、および「8」のような3つの文字候補から成る認識結果を生成する。さらに、認識結果は各文字候補ごとに信頼水準(たとえば80%)を含む。信頼水準とは文字候補が当該文字に一致する確率のことである。
【0035】
第2のOCRモジュール130は光学スキャナ185が出すスキャン結果から第2のOCRアルゴリズムを用いて文字を認識する。さらに、第2のOCRモジュール130は認識結果も生成する。第2のOCRモジュール130はプロセッサ・モジュール105の上で実行される少なくとも1つのソフトウェアのプログラムを含む。
【0036】
MICRモジュール120は磁気スキャナ180を含む。さらに、MICRモジュール120はプロセッサ・モジュール105の上で実行される少なくとも1つのソフトウェアのプログラムから成る。磁気スキャナ180は文字を磁気的にスキャンする。MICRモジュール120は磁気認識アルゴリズムを用いて磁気スキャン結果を復号することにより、文字を認識する。さらに、MICRモジュール120は磁気認識アルゴリズムの適用から認識結果を生成する。システム100は1つのMICRモジュール120と2つのOCRモジュール125、130とを備えているように示されているけれども、任意個数のMICRモジュール120と2つ以上のOCRモジュール125、130とを使用することができる。
【0037】
投票モジュール135はMICRモジュール120、第1のOCRモジュール125、および第2のOCRモジュール130の認識結果群に基づいて、文字が不正である可能性があるか否かを判断する。一実施形態では、投票モジュール135はプロセッサ・モジュール105の上で実行されるソフトウェアのプログラムとして構成されている。結果モジュール140は、投票モジュール135が文字が不正である可能性があると判断した場合に、不正標識に伝達する。たとえば、結果モジュール140はディスプレイ・モジュール170に警告メッセージを伝達する。システム100は少なくとも3つの認識モジュール120、125、130を用いて可能性のある不正を検出する。
【0038】
一実施形態では、移送モジュール145は磁気スキャナ180と光学スキャナ185に関連する媒体を移送しており、文字の磁気スキャンと光学スキャンを可能にする。ある実施形態では、移送モジュール145は少なくとも1つのモータ化されたローラーを含む。移送モジュール145はMICRモジュール120、第1のOCRモジュール125、および第2のOCRモジュール130の認識結果に基づいて、磁気スキャナ180と光学スキャナ185に関連する媒体を再移送する。たとえば、第1のOCRモジュール125の認識結果と第2のOCRモジュール130の認識結果とによって、ある文字に対して矛盾する認識結果が生じる場合、移送モジュール145は媒体を再移送し、光学検出モジュール185が当該媒体を再スキャンする。さらに、第1のOCRモジュール125および第2のOCRモジュール130は文字を再度復号して認識結果を生成する。
【0039】
図2は本発明の不正検出装置200の一実施形態を示す模式的なブロック図である。第1のOCRモジュール125は第1のOCRアルゴリズムを用いて文字を光学的に認識する。文字は磁気インクで印刷されており、光学的かつ磁気的に認識される。たとえば、文字はE−3BまたはCMC−7のようなフォントに属する磁気的な文字を含む。あるいは、文字はOCR−AやOCR−BのようなOCRフォントを含む。
【0040】
一実施形態では、第1のOCRモジュール125は光学スキャナ185を含み、文字をスキャンする。別の実施形態では、第1のOCRモジュール125は文字のスキャン結果を受領する。第1のOCRモジュール125はさらに、第1のOCRアルゴリズムを用いてスキャン結果を復号し、認識結果を生成する。さらに、第2のOCRモジュール130も第2のOCRアルゴリズムを用いて文字を認識し、付加的な認識結果を生成する。一実施形態では、第2のOCRモジュール130は第1のOCRモジュール125の光学スキャナが生成したスキャン結果を復号する。
【0041】
MICRモジュール120は磁気認識アルゴリズムを用いて文字を認識し、認識結果を生成する。さらに、MICRモジュール120は文字の磁気インクの磁気信号の強度を検出する。MICRモジュール120は磁気信号を検出しない、低強度の磁気信号を検出する、あるいは、期待される強度の磁気信号を検出する。ここで使用する低強度の磁気信号は、磁気インクで転写された文字のための指定済み磁気信号の強度よりも50%弱い磁気信号を指す。指定済み磁気信号の強度は勘定書のような金融証書に適用され、国によって変化する。ここで使用する期待される強度の磁気信号は、指定された磁気信号の強度の50%よりも大きい磁気信号の強度を指す。
【0042】
投票モジュール135はMICRモジュール120、第1のOCRモジュール125、および第2のOCRモジュール130の認識結果に基づいて、文字が不正である可能性があるか否かを判断する。さらに、投票モジュール135はこの判断を文字の磁気信号の強度に部分的に基づかせる。たとえば、投票モジュール135は文字が検出可能な磁気信号を有さない場合、当該文字は不正である可能性があると判断する。
【0043】
一実施形態では、投票モジュール135はルックアップ・テーブルを用いて、文字が不正である可能性があるか否かを判断する。ある実施形態では、投票モジュール135は認識結果に基づいて、複数の関係を規定する。この関係は次のものを含むが、それらに限定されない。すなわち、MICRモジュール120の高信頼水準の文字候補は第1のOCRモジュール125の高信頼水準の文字候補と等価である、第1のOCRモジュール125の高信頼水準の文字候補は第2のOCRモジュール130の高信頼水準の文字候補と等価である、そして、MICRモジュール120の高信頼水準の文字候補は第2のOCRモジュール130の高信頼水準の文字候補と等価である。
【0044】
投票モジュール135はルックアップ・テーブルを処理して1つの結果を選択するする条件として複数の関係を使用する。たとえば、MICRモジュール120、第1のOCRモジュール125、および第2のOCRモジュール130の高信頼水準の文字候補が同一である場合であって、MICRモジュール120が文字について期待される磁気信号の強度を検出した場合、投票モジュール135は当該文字は不正である可能性がないと判断する。あるいは、MICRモジュール120の最高信頼水準の文字候補が第1のOCRモジュール125および第2のOCRモジュール130の高信頼水準の文字候補とは異なる場合、投票モジュール135は当該文字は不正である可能性があると判断する。
【0045】
投票モジュール135が当該文字は不正である可能性があると判断した場合、結果モジュール140は不正標識を伝達する。一実施形態では、結果モジュール140はプリンタ、金銭登録機などのような、POSシステム100のディスプレイ・モジュール170に不正標識を伝達する。たとえば、結果モジュール140はLEDを点灯させて勘定書が不正である可能性があることを表示し、オペレータを促して、当該勘定書を受領することを拒否する、付加的なアイデンティティ情報を求める、といったことをさせる。
【0046】
MICRモジュール120、第1のOCRモジュール125、および第2のOCRモジュール130のような少なくとも3つの認識モジュールの認識結果群を使用すると、装置200は2つの認識モジュールが一致する場合に利用可能な情報を拡張することにより、文字が不正である可能性があるか否かを精度を向上させて判断することが可能になる。たとえば、MICRモジュール120の認識結果と第1のOCRモジュール125の認識結果とが一致しない場合、投票モジュール135は第2のOCRモジュール130の認識結果を用いて文字の認識を向上させ、文字が不正である可能性があるか否かを判断する。
【0047】
図3は本発明のPOSシステム300の一実施形態を示す透視図である。POSシステム300はペーパー・ドラム305、排出スロット310、ユーザ入力部315、およびLED320を含む。一実施形態では、POSシステム300はインターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション(International Business Machines Corporation)(ニューヨーク州アーモンク)が製造している「TI8」型プリンタである。
【0048】
ペーパー・ドラム305は紙から成る交換式のロールまたは他の印刷可能な媒体を具備している。POSシステム300は熱印刷技術や衝撃(インパクト)印刷技術などを用いて紙の上に文字を転写する。印刷された紙は排出スロット310から現れる。
【0049】
ユーザ入力部315は押しボタンを含み、ユーザ入力を受領するように構成されている。一実施形態では、ユーザ入力部315は図1のユーザ・インターフェース・モジュール160として構成されている。LED320はPOSシステム300の少なくとも1つのステータスを表示する。一実施形態では、LED320は図1のディスプレイ・モジュール170である。ある実施形態では、LED320は不正標識を表示する。
【0050】
以下に続く次の模式的なフローチャート図は一般に論理フローチャート図として示されている。したがって、図示した順序とラベルを付したステップ群は提示される方法の一実施形態を示す。説明されている方法の少なくとも1つのステップまたはその部分と、機能、論理、または効果において等価である他のステップおよび方法が考えられる。さらに、使用している形式と記号は本方法の論理ステップを説明するために提示されており、本方法の範囲を限定しないように理解される。フローチャート図においては様々な矢の種類と線の種類を使用しているけれども、それらは対応する方法の範囲を限定しないように理解される。無論、本方法の論理フローのみを示すために、いくつかの矢または他の結合子を使用してもよい。たとえば、ある矢は、示されている方法の列挙されたステップの間の不特定の期間から成る待機期間または監視期間を示している。さらに、特定の方法を行う順序はここに示す対応するステップ群の順序に厳格に準拠していてもよいし、そうでなくともよい。
【0051】
図4は本発明の不正検出方法400の一実施形態を示す模式的なフローチャート図である。第1のOCRモジュール125は第1のOCRアルゴリズムを用いて、勘定書のような媒体の上に転写された文字を光学的に認識する(405)。一実施形態では、第1のOCRアルゴリズムは当技術分野において当業者に周知のライン・セグメント化(line segmentation)OCRアルゴリズムである。別の実施形態では、第1のOCRアルゴリズムは隠れマルコフ(hidden Markov)モデルのOCRアルゴリズムである。文字を認識する(405)と、認識結果が生成される。
【0052】
第2のOCRモジュール130は第2のOCRアルゴリズムを用いて、文字を光学的に認識し(405)、認識結果を生成する。一実施形態では、第2のOCRアルゴリズムは統計的パターン認識OCRアルゴリズムである。第2のOCRアルゴリズムはライン・セグメント化OCRアルゴリズムでも隠れマルコフ・モデルのOCRアルゴリズムでもよいが、第1のOCRアルゴリズムとは異なっていなければならない。
【0053】
MICRモジュール120は磁気認識アルゴリズムを用いて文字を認識し、認識結果を生成する。文字は磁気インクを用いて転写されている。一実施形態では、文字は7×11の四角形の格子の上に構成される。別の実施形態では、文字は可変寸法のスペースで分離された7つの垂直なバーとして構成される。
【0054】
投票モジュール135は文字が不正である可能性があるか否かを判断する(420)。一実施形態では、投票モジュール135は決定木を用いて文字が不正である可能性があるか否かを判断する(420)。さらに、投票モジュール135はMICRモジュール120に由来する磁気信号の強度に関する情報を用いて文字が不正である可能性があるか否かを判断する(420)。図示した実施形態では投票モジュール135は1つの文字が不正である可能性があるか否かを判断しているけれども、投票モジュール135は複数の文字が不正である可能性があるか否かを判断する。
【0055】
投票モジュール135が文字が不正である可能性があると判断した(420)場合、結果モジュール140は不正標識を伝達する(425)。たとえば、結果モジュール140は不正標識命令をLCDディスプレイ・モジュール170を介して伝達し(425)、オペレータに写真によるIDを求めるように指示する、あるいは、マネージャから承認を得るように指示する。一実施形態では、結果モジュール140は「文字が不正である可能性があるとの判断」を格納する(435)。たとえば、結果モジュール140は格納されているトランザクションに「文字が不正である可能性があるとの判断」を付加する。
【0056】
一実施形態では、投票モジュール135が文字が不正である可能性はないと判断した場合、結果モジュール140は受容標識を伝達する(430)。一実施形態では、受容標識は勘定書を受容するのに付加的な承認すなわち文書は必要でないということを伝達する(430)。たとえば、結果モジュール140は受容LEDディスプレイ・モジュール170を点灯させて、当該勘定書が受容されることを示す。あるいは、結果モジュール140は受容LEDディスプレイ・モジュール170を介してオペレータに受容メッセージを伝達する(430)。方法400は少なくとも3つの別個のアルゴリズムに由来する認識結果を用いて、不正の可能性のある文字を検出する。
【0057】
図5は本発明のルックアップ・テーブル500の一実施形態を示す模式的なブロック図である。このルックアップ・テーブルは無磁気信号条件505、低強度磁気信号条件510、MICR結果=第1OCR結果条件515、MICR結果=第2OCR結果条件520、および第1OCR結果=第2OCR結果条件525を含む複数の条件を含む。ルックアップ・テーブル500はさらに複数のテーブル・エントリを含み、各々は条件値505、510、520、525、および伝達値530から成る一意の組を備えている。
【0058】
投票モジュール135は監視する条件をルックアップ・テーブル500の条件値505、510、515、520、525と比較し、対応する条件を用いてテーブル・エントリ535を選択することにより、文字が不正である可能性があるか否かを判断する。たとえば、MICR結果=第2OCR結果条件520がアサートされている、すなわち「1」に等しく、他のすべての条件505、510、515、525がアサートされていない、すなわち「0」に等しい場合、投票モジュール135は対応するテーブル・エントリ535dを選択する。加えて、結果モジュール140が、対応するテーブル・エントリ535dの伝達値530を不正標識として伝達する。ルックアップ・テーブル500は文字が不正である可能性があるか否かを判断するのに使用されるとともに、適正な不正標識または受容標識を供給するのに使用される。
【0059】
図6は本発明の決定木の方法600の一実施形態を示す模式的なフローチャート図である。投票モジュール135は文字が磁気信号を有するか否かを判断する(605)。文字が磁気信号を有さない場合、結果モジュール140は重大な不正の標識を伝達し(630)、決定木の方法600を終了する。重大な不正の標識は、文字が不正である可能性が高いこと、そして、たとえば、当該文字を用いて転写された勘定書のような媒体をオペレータは受容すべきでないとういことを示す。
【0060】
文字が磁気信号を有する場合、投票モジュール135はさらに文字が低磁気信号強度を有するか否かを判断する。一実施形態では、投票モジュール135は文字の信号強度を指定された値と比較することにより、文字が低磁気信号強度を有することを判断する(610)。文字が低磁気信号強度を有する場合、結果モジュール140は不正標識を伝達し(645)、方法600は終了する。
【0061】
文字が低磁気信号強度を有さない場合、投票モジュール135はMICRモジュール120の認識結果が第1のOCRモジュール125の認識結果と等価であるか否かを判断する(615)。たとえば、投票モジュール135はMICRモジュール120の最高信頼水準の文字候補を第1のOCRモジュール125の最高信頼水準の文字候補と比較し、これら最高信頼水準の文字候補の双方が等価でるあ場合、これらの認識結果は等価であると判断する(615)。
【0062】
MICRモジュール120の認識結果が第1のOCRモジュール125の認識結果と等価でない場合、投票モジュール135は第1のOCRモジュール125の認識結果が第2のOCRモジュール125の認識結果と等価であるか否かを判断する(640)。第1のOCRモジュール125の認識結果が第2のOCRモジュール125の認識結果と等価である場合、結果モジュール140は受容標識を伝達し(625)、方法600は終了する。第1のOCRモジュール125の認識結果が第2のOCRモジュール125の認識結果と等価でない場合、結果モジュール140は不正標識を伝達し(645)、方法600は終了する。
【0063】
MICRモジュール120の認識結果が第1のOCRモジュール125の認識結果と等価である場合、投票モジュール135は第1のOCRモジュール125の認識結果が第2のOCRモジュール125の認識結果と等価であるか否かを判断する(620)。第1のOCRモジュール125の認識結果が第2のOCRモジュール125の認識結果と等価でない場合、移送モジュール145は文字の媒体を再移送し(635)、光学スキャナ185が文字を再スキャンしうるようにする。さらに、投票モジュール135は第1のOCRモジュール125の認識結果が第2のOCRモジュール125の認識結果と等価であるか否かを判断する(640)。第1のOCRモジュール125の認識結果が第2のOCRモジュール125の認識結果と等価である場合、結果モジュール140は受容標識を伝達し(625)、決定木の方法600は終了する。第1のOCRモジュール125の認識結果が第2のOCRモジュール125の認識結果と等価でない場合、結果モジュール140は不正標識を伝達し(645)、方法600は終了する。
【0064】
投票モジュール135が第1のOCRモジュール125の認識結果は第2のOCRモジュール125の認識結果と等価であると判断した場合、結果モジュール140は受容標識を伝達し(6125)、決定木の方法600は終了する。方法600は少なくとも3つの認識モジュール120、125、130から抽出された条件を用いて、不正の可能性のある文字を検出する。
【0065】
図7は本発明の不正検出ホスト700の一実施形態を示す模式的なブロック図である。不正検出ホスト700はPOSシステム100と通信している企業コンピュータ・システムである。図示する実施形態では、不正検出ホスト700はMICRモジュール120、第1のOCRモジュール125、第2のOCRモジュール130、投票モジュール135、および通信インターフェース・モジュール705を含む。
【0066】
通信インターフェース・モジュール705は磁気スキャナ180から文字の磁気スキャン結果を受領し、光学スキャナ185から文字の光学スキャン結果を受領する。一実施形態では、POSシステム100は磁気スキャナ180と光学スキャナ185を含む。MICRモジュール120は磁気認識アルゴリズムを用いて文字を認識する。第1のOCRモジュール125も第1のOCRアルゴリズムを用いて文字を認識し、第2のOCRモジュール130は第2のOCRアルゴリズムを用いて文字を認識する。投票モジュール135はMICRモジュール120、第1のOCRモジュール125、および第2のOCRモジュール130の認識結果群に基づいて、文字が不正である可能性があるか否かを判断する。加えて、結果モジュール140は文字が不正である可能性がある場合、不正標識を伝達する。一実施形態では、結果モジュール140は不正標識を通信インターフェース・モジュール705を通じてPOSシステム100に伝達する。
【0067】
本発明は磁気文字認識アルゴリズムを使用するMICRモジュール120、第1のOCRアルゴリズムを使用する第1のOCRモジュール125、および第2のOCRアルゴリズムを使用する第2のOCRモジュール130の認識結果群から不正である可能性のある文字を検出する。さらに、本発明は文字が不正である可能性のある場合、不正標識を伝達する。したがって、本発明は少なくとも3つの認識モジュールの認識結果を用いて、可能性のある不正文字を検出する。本発明はその本旨すなわち本質的な特徴を逸脱することなく、他の特定の形態で実施することができる。上述した実施形態はあらゆる観点において、説明を目的としたものとして考慮されるべきであり、限定するものとして考慮されるできではない。したがって、本発明の範囲は上述した記述ではなく、添付した特許請求の範囲によって示されている。特許請求の範囲の等価性の意味および範囲の内に入るすべての変形例はその範囲の内に包含される。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明に従うPOSシステムの一実施形態を示す模式的なブロック図である。
【図2】本発明に従う不正検出装置の一実施形態を示す模式的なブロック図である。
【図3】本発明のPOSシステムの一実施形態を示す透視図である。
【図4】本発明に従う不正文字検出方法の一実施形態を示す模式的なフローチャート図である。
【図5】本発明のルックアップ・テーブルの一実施形態を示す模式的なブロック図である。
【図6】本発明の決定木の方法の一実施形態を示す模式的なブロック図である。
【図7】本発明の不正文字検出ホストの一実施形態を示す模式的なブロック図である。
【符号の説明】
【0069】
100 POSシステム
105 プロセッサ・モジュール
110 メモリ・モジュール
115 ブリッジ・モジュール
120 MICRモジュール
125 第1のOCRモジュール
130 第2のOCRモジュール
135 投票モジュール
140 結果モジュール
145 移送モジュール
155 通信モジュール
160 ユーザ・インターフェース・モジュール
165 プリンタ・モジュール
170 ディスプレイ・モジュール
175 検出モジュール
180 磁気スキャナ
185 光学スキャナ
200 不正文字検出装置
300 POSシステム
400 不正文字検出方法
500 ルックアップ・テーブル
600 決定木の方法
700 不正文字検出ホスト
705 通信インターフェース・モジュール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
不正文字を検出する装置であって、
磁気インクを用いて媒体の上に転写された文字を認識するMICRモジュールと、
第1のOCRアルゴリズムを用いて文字を認識する1のOCRモジュールと、
第2のOCRアルゴリズムを用いて文字を認識する第2のOCRモジュールと、
前記MICRモジュール、前記第1のOCRモジュール、および前記第2のOCRモジュールの認識結果に基づいて文字が不正である可能性があるか否かを判断する投票モジュールと、
文字が不正である可能性がある場合に不正標識を伝達する結果モジュールと
を含む装置。
【請求項2】
前記媒体が勘定書である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記MICRモジュールは磁気スキャナを含み、前記第1のOCRモジュールは光学スキャナを含み、
さらに、前記磁気スキャナおよび前記光学スキャナに関連する媒体を移送する移送モジュールを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記投票モジュールは前記MICRモジュール、前記第1のOCRモジュール、および前記第2のOCRモジュールの認識結果に基づいて、前記移送モジュールに媒体を再移送するように指示する、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記MICRモジュール、前記第1のOCRモジュール、および前記第2のOCRモジュールの前記認識結果は各々、信頼水準を備えた複数の文字候補を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記投票モジュールはさらに、ルックアップ・テーブルを用いて文字が不正である可能性があるか否かを判断する、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記投票モジュールはさらに、決定木を用いて文字が不正である可能性があるか否かを判断する、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
不正文字を検出する装置であって、
磁気インクを用いて勘定書の上に転写された文字の光学スキャン結果および磁気スキャン結果を受領する通信インターフェース・モジュールと、
前記磁気スキャン結果から文字を認識するMICRモジュールと、
第1のOCRアルゴリズムを用いて前記光学スキャン結果から文字を認識する第1のOCRモジュールと、
第2のOCRアルゴリズムを用いて前記光学スキャン結果から文字を認識する第2のOCRモジュールと、
前記MICRモジュール、前記第1のOCRモジュール、および前記第2のOCRモジュールの認識結果に基づいて、文字が不正である可能性があるか否かを判断する投票モジュールと、
文字が不正である可能性がある場合に不正標識を伝達する結果モジュールと
を含む装置。
【請求項9】
不正文字を検出するシステムであって、
メモリ・モジュールと、
プロセッサ・モジュールと、
検出モジュールと備え、
当該検出モジュールは、
磁気インクを用いて勘定書の上に転写された文字を認識するMICRモジュールと
第1のOCRアルゴリズムを用いて光学スキャン結果から文字を認識する第1のOCRモジュールと、
第2のOCRアルゴリズムを用いて光学スキャン結果から文字を認識する第2のOCRモジュールと、
前記MICRモジュール、前記第1のOCRモジュール、および前記第2のOCRモジュールの認識結果に基づいて、文字が不正である可能性があるか否かを判断する投票モジュールと、
文字が不正である可能性がある場合に不正標識を伝達する結果モジュールとを含む、システム。
【請求項10】
さらに、販売時点情報管理の記録を印刷するプリンタ・モジュールを含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
さらに、企業コンピュータ・システムと通信する通信モジュールを含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
コンピュータを、
磁気インクを用いて媒体の上に転写された文字を第1のOCRアルゴリズムを用いて光学的に認識する手段と、
第1のOCRアルゴリズムを用いて文字を光学的に認識する手段と、
磁気認識アルゴリズムを用いて文字を磁気的に認識する手段と、
前記第1のOCRアルゴリズム、第2のOCRアルゴリズム、および前記磁気認識アルゴリズムの認識結果に基づいて文字が不正である可能性があるか否かを判断する手段と、
不正標識を伝達する手段として機能させて、不正文字を検出するためのプログラム。
【請求項13】
磁気インクを用いて媒体の上に転写された文字を第1のOCRアルゴリズムを用いて光学的に認識するステップと、
第1のOCRアルゴリズムを用いて文字を光学的に認識するステップと、
磁気認識アルゴリズムを用いて文字を磁気的に認識するステップと、
前記第1のOCRアルゴリズム、第2のOCRアルゴリズム、および磁気認識アルゴリズムの認識結果に基づいて文字が不正である可能性があるか否かを判断するステップと、
不正標識を伝達するステップとを含む、
不正文字を検出するための方法。
【請求項14】
磁気インクを用いて媒体の上に転写された文字を第1のOCRアルゴリズムを用いて光学的に認識する手段と、
第1のOCRアルゴリズムを用いて文字を光学的に認識する手段と、
磁気認識アルゴリズムを用いて文字を磁気的に認識する手段と、
前記第1のOCRアルゴリズム、前記第2のOCRアルゴリズム、および磁気認識アルゴリズムの認識結果に基づいて文字が不正である可能性があるか否かを判断する手段と、
不正標識を伝達する手段とを含む、不正文字を検出するための装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−146901(P2006−146901A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−318184(P2005−318184)
【出願日】平成17年11月1日(2005.11.1)
【出願人】(390009531)インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション (4,084)
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MASCHINES CORPORATION
【Fターム(参考)】