説明

不正記録システム、不正記録システムの制御方法およびプログラム

【課題】不正行為の有無を高確度で判断するための最新の不正発生パターンを、複数店舗間で共有する。
【解決手段】複数の不正度算出装置16と、これらを統括する不正管理サーバー15と、から成る不正監視システムSYであって、各不正度算出装置16は、店舗内において想定される1以上の不正発生要素について、それぞれの重み付けである基礎点数を記述した不正発生パターンを記憶する不正発生パターン記憶部と、1以上の不正発生要素の発生を検出する不正発生検出部と、発生が検出された不正発生要素に対応する基礎点数を合計して不正度を算出する不正度算出部と、を備え、不正管理サーバー15は、複数の不正度算出装置16のうちいずれかの不正発生パターン記憶部が更新された場合、その更新内容を他の不正度算出装置16に反映させる不正発生パターン更新部を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スーパーマーケット等の小売店やファミリーレストラン等の飲食店内において、店員や顧客による不正行為を検出するための不正記録システム、不正記録システムの制御方法およびプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、小売店や飲食店内において、店員による会計処理時の不正行為を検出するためのシステムとして、特許文献1が提案されている。当該特許文献1に記載のシステムは、POS(Point Of Sales)端末(POSターミナル)と、POS端末周辺を撮像するカメラと、フォトジャーナルレコーダーと、検索端末と、により構成されている。フォトジャーナルレコーダーとは、ジャーナルデーター(取引履歴データー)と、カメラにより撮像されたPOS端末周辺の画像データーと、店員によるPOS端末の操作履歴(操作履歴データー)と、を関連付けて記録するものである。そして、管理者が検索端末を用いて、時間やPOS端末の操作情報等の所定の検索条件を指定することにより、検索条件に一致するジャーナルデーターや画像データーをディスプレイに表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−115504号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載のシステムでは、管理者が指定した検索条件に一致する記録データー(会計処理の内容およびその時の撮像画像)を一覧表示するのみであり、会計処理において不正行為が行われたか否かを検出するためには、逐一、管理者が記録データーを確認しなければならない。また、膨大な記録データーを確認する必要があるため、不正行為の検出漏れが発生するといった問題もある。このように、従来提案されているシステムでは、確実に不正行為を検出することができないといった問題があった。また、近年では、不正行為の手口が、多様化・複雑化し、POS端末周辺を撮像した撮像画像だけでは、不正行為が行われたか否かを正確に判断することができない。そのため、幾つかの不正発生要素(POS端末周辺の状況、店員の行動、会計処理の内容など)の相関関係から、不正が行われたか否かを判断する必要がある。ところが、不正発生要素の相関関係が考慮されたシステムは、未だ提案されていない。
【0005】
また、不正発生要素の相関関係を考慮して不正発生パターンを確立し、当該不正発生パターンに対する防止策を講じたとしても、その裏をかいて、新たな手口を考える犯罪者が出てくる。このため、同じパターンがいつまでも有効ということはなく、常に新たな不正発生パターンを追加、更新していく必要がある。ところが、このような不正発生パターンの更新作業は非常に手間がかかる。特に、多店舗を有する大型小売店の場合、店舗ごとに更新作業を行う必要があり、その更新作業はより煩雑となることが予想される。
【0006】
本発明は、上記の問題に鑑み、不正行為の有無を常に高確度で判断するための最新の不正発生パターンを、複数店舗間で共有可能な不正記録システム、不正記録システムの制御方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の不正記録システムは、複数の不正度算出装置と、当該複数の不正度算出装置を統括する不正管理サーバーと、がネットワークを介して接続された不正記録システムであって、各不正度算出装置は、店舗内において想定される1以上の不正発生要素について、それぞれの重み付けである基礎点数を記述した不正発生パターンを記憶する不正発生パターン記憶部と、1以上の不正発生要素について、それぞれ発生/非発生を検出する不正発生検出部と、不正発生検出部により発生が検出された不正発生要素に対応する基礎点数を合計し、不正度を算出する不正度算出部と、を備え、不正管理サーバーは、複数の不正度算出装置のうちいずれかの不正度算出装置の不正発生パターン記憶部が更新された場合、その更新内容を他の不正度算出装置の不正発生パターン記憶部に反映させる不正発生パターン更新部を備えたことを特徴とする。
【0008】
本発明の不正記録システムの制御方法は、複数の不正度算出装置と、当該複数の不正度算出装置を統括する不正管理サーバーと、がネットワークを介して接続された不正記録システムの制御方法であって、各不正度算出装置は、店舗内において想定される1以上の不正発生要素について、それぞれの重み付けである基礎点数を記述した不正発生パターンを記憶する不正発生パターン記憶部を備えており、1以上の不正発生要素について、それぞれ発生/非発生を検出する不正発生検出ステップと、発生が検出された不正発生要素に対応する基礎点数を合計し、不正度を算出する不正度算出ステップと、を実行し、不正管理サーバーは、複数の不正度算出装置のうちいずれかの不正度算出装置の不正発生パターン記憶部が更新された場合、その更新内容を他の不正度算出装置の不正発生パターン記憶部に反映させる不正発生パターン更新ステップを実行することを特徴とする。
【0009】
これらの構成によれば、不正管理サーバーは、ネットワークに接続された複数の不正度算出装置のうちいずれかの不正度算出装置において、不正発生パターンの更新が行われた場合、その更新内容を他の不正度算出装置に反映させるため、システム管理者等による不正発生パターンの更新作業の手間を軽減できる。また、複数の不正度算出装置の間で最新の不正発生パターンを共有するため、店舗内における不正行為の有無を常に高確度で判断できる。
また、各不正度算出装置では、発生が検出された1以上の不正発生要素に対応する基礎点数を合計することで不正度(不正が行われた可能性の高さ)を算出するため、ユーザー(管理者など)は、その算出結果から不正が行われた可能性を把握することができる。これにより、複雑な手口の不正行為についても、不正行為の有無をより正確に判断できる。
なお、不正発生要素とは、会計処理部による所定のキー操作、例外処理時と精算処理時におけるレシートの不一致、例外処理時と精算処理時における対象顧客の不一致、例外処理時における所定音声キーワードの非検出、キャッシュドロアの開閉状態の変化、店員の所定エリアへの侵入、レジカウンター周りに会計処理部を操作する店員以外の人物が存在しない状況における会計処理の実行、店員の不審行動、店員の生体信号の変化のうち、少なくとも1つの要素を含む。
また、各不正度算出装置に、不正度算出手段(不正度算出ステップ)の算出結果を記録用のデーターベースに出力する不正度出力手段(不正度出力ステップ)や、不正度算出手段(不正度算出ステップ)による算出結果に基づいて不正行為の有無を判定する不正判定手段(不正判定ステップ)をさらに備えても良い。
【0010】
上記に記載の不正記録システムにおいて、不正発生パターン更新部は、いずれかの不正度算出装置の不正発生パターン記憶部に新規の不正発生パターンが追加された場合、当該新規の不正発生パターンを他の不正度算出装置の不正発生パターン記憶部に追加することが好ましい。
【0011】
この構成によれば、不正発生パターンの更新内容として、新規の不正発生パターンを追加することができる。
【0012】
上記に記載の不正記録システムにおいて、不正管理サーバーは、各不正度算出装置の、不正発生検出部を実現するための1以上の検出機器に関する機器情報を記憶する機器情報記憶部をさらに備え、新規の不正発生パターンに含まれる各不正発生要素には、各不正発生要素を検出可能な1種類以上の検出機器が関連付けられており、不正発生パターン更新部は、新規の不正発生パターンが追加された場合、機器情報記憶部を参照し、当該新規の不正発生パターンに含まれる全ての不正発生要素について検出可能な検出機器を備えた不正度算出装置を対象として、不正発生パターン記憶部に新規の不正発生パターンを追加することが好ましい。
【0013】
この構成によれば、追加された新規の不正発生パターンに含まれる全ての不正発生要素について検出可能な検出機器を備えた不正度算出装置を対象として不正発生パターンを追加する。つまり、新規の不正発生パターンが追加された場合でも、それを検出するための検出機器が導入されていない店舗の不正度算出装置に対しては更新の対象としないため、無駄な不正発生パターンの追加を防止できる。
【0014】
上記に記載の不正記録システムにおいて、不正管理サーバーは、複数の不正度算出装置のうちいずれかの不正度算出装置の不正発生パターン記憶部に、新規の不正発生パターンが追加された場合であって、機器情報記憶部の参照結果から、当該新規の不正発生パターンに含まれる全ての不正発生要素について検出可能な検出機器を備えていない不正度算出装置が存在すると判定した場合、当該不正度算出装置に対して、該当する検出機器の導入を促す通知を行う機器導入通知部をさらに備えたことが好ましい。
【0015】
この構成によれば、新規の不正発生パターンを検出するための検出機器が導入されていない店舗の不正度算出装置に対して、該当する検出機器(導入することによって新規の不正発生パターンを検出可能となる検出機器)の導入を促す通知を行うため、システム管理者等による通知の手間を軽減できる。
【0016】
上記に記載の不正記録システムにおいて、各不正度算出装置は、不正発生検出部を実現するための1以上の検出機器について、その稼働状況を示す稼動データーを、不正管理サーバーに通知する稼動データー通知部をさらに備え、不正管理サーバーは、機器情報記憶部に記憶している機器情報を、各不正度算出装置から取得した稼動データーに基づいて更新する機器情報更新部をさらに備えたことが好ましい。
【0017】
この構成によれば、機器情報記憶部に記憶している機器情報を、取得した稼動データーに基づいて更新するため、例えば故障等によって稼動不能な検出機器については、導入されていないものとして扱うことができる。これにより、検出機器が稼動していないにも拘わらず、当該検出機器を必要とする新規の不正発生パターンが誤って追加される、などの問題を解消できる。
【0018】
上記に記載の不正記録システムにおいて、各不正度算出装置は、在庫管理データーベースと、売上管理データーベースの参照結果に基づき、在庫品に対する売上予定額と、実際の売上との差額に相当する損失額を算出する損失額算出部と、算出した損失額を、不正管理サーバーに通知する損失額通知部と、をさらに備え、不正管理サーバーは、複数の不正度算出装置の不正発生パターン記憶部に記憶されている全ての不正発生パターンを記憶するサーバー側不正発生パターン記憶部と、サーバー側不正発生パターン記憶部に記憶されている各不正発生パターンについて、それを記憶している不正度算出装置の装置IDを記憶する装置ID記憶部と、任意の不正度算出装置から、所定額を超える損失額が通知された場合、当該任意の不正度算出装置に対し、装置ID記憶部を参照して特定した、当該不正度算出装置に記憶されていない不正発生パターンである未採用パターンを、サーバー側不正発生パターン記憶部から読み出して通知する未採用パターン通知部と、を備えたことが好ましい。
【0019】
この構成によれば、損失額が大きい不正度算出装置に対し、当該不正度算出装置に記憶されていない不正発生パターンである未採用パターンを通知するため、各店舗では、当該未採用パターンを検証して、採用するか否かを判断することができる。また、未採用パターンを積極的に採用することで、損失金の低減が期待できる。
なお、未採用パターンの採用には、検出機器の導入が必要となるため、未採用パターン通知部は、未採用パターンと共に、これを検出するための検出機器を通知することが好ましい。
また、不正度算出装置を設置している各店舗において、通知された未採用パターンを採用するか否かを判断するのではなく、各不正度算出装置に対し、不正管理サーバーが強制的に未採用パターンを採用させても良い。すなわち、各不正度算出装置は、不正管理サーバーから未採用パターンが通知された場合、そのまま不正発生パターン記憶部に記憶しても良い。
【0020】
上記に記載の不正記録システムにおいて、各不正度算出装置は、不正度算出部により、所定値を超える不正度が算出された場合、警告を行う警告部をさらに備えたことが好ましい。
【0021】
この構成によれば、不正行為が行われた可能性が高い場合、各店舗に備えられる不正度算出装置において警告が行われるため、店員や店舗管理者(マネージャーや店長など)にその旨を知らせることができる。
【0022】
上記に記載の不正記録システムにおいて、各不正度算出装置は、警告の対象となった不正度算出部の算出結果を、不正管理サーバーに通知する不正度算出結果通知部をさらに備え、不正管理サーバーは、機器情報記憶部を参照し、通知された不正度算出結果に、これを通知した不正度算出装置に備えられている1以上の検出機器を対応付けて記憶する不正度算出結果記憶部と、不正度算出結果記憶部に記憶されている任意の不正発生パターンの不正度算出結果を、対応する検出機器ごとに集計した結果、対応する検出機器により偏りが生じている場合、不正度が高いまたは平均値に近い検出機器を、任意の不正発生パターンの推奨機器として特定する推奨機器特定部と、任意の不正発生パターンを記憶している不正度算出装置であって、且つ推奨機器を備えていない不正度算出装置に対し、当該推奨機器を通知する推奨機器通知部と、をさらに備えたことが好ましい。
【0023】
各不正発生要素は、1種類以上の検出機器が関連付けられているため、各店舗に導入されている検出機器の種類に応じて、同じ不正行為(同じ不正発生パターンによって検出される不正行為)についても、算出される不正度に偏りが生じる可能性がある。このため、不正度が高いまたは平均値に近い検出機器を、任意の不正発生パターンの推奨機器として特定し、これを推奨機器が未導入の不正度算出装置に対して通知することで、推奨機器の導入を促し、ひいてはその店舗における不正行為の検出確度を向上させることができる。
【0024】
上記に記載の不正記録システムにおいて、各不正度算出装置は、会計処理部により、会計処理の一部の処理に相当する例外処理が発生したことを検出する例外処理検出部をさらに備え、不正度算出部は、例外処理検出部により例外処理が検出されたことを条件として機能することが好ましい。
【0025】
一般的に、不正行為は、例外処理に伴って実行されることが多い。この構成によれば、各不正度算出装置において、例外処理の発生時のみ不正度の算出を行うため、効率的に不正行為を検出できる。
なお、例外処理とは、「中止処理」、「取消処理」、「返品処理」、「値引処理」、「割引処理」、「両替処理」、「点検処理」、「出金/返金処理」、「再発行処理」などを指す。
【0026】
上記に記載の不正記録システムにおいて、例外処理検出部は、例外処理の種別を検出し、不正発生パターン記憶部は、例外処理の種別ごとに、不正発生パターンを記憶しており、不正度算出部は、不正発生パターン記憶部から、例外処理検出部により検出された例外処理の種別に対応する不正発生パターンを抽出して、不正度を算出することが好ましい。
【0027】
この構成によれば、例外処理の種別ごとに、不正発生パターンが記憶されているため、各不正度算出装置では、例外処理の種別に適した不正発生パターンを用いて、さらに不正行為の検出確度を向上させることができる。
【0028】
本発明のプログラムは、コンピューターに、上記に記載の不正記録システムの制御方法における各ステップを実行させることを特徴とする。
【0029】
このプログラムを実行することにより、不正行為の有無を常に高確度で判断するための最新の不正発生パターンを、複数店舗間で共有可能な不正記録システムの制御方法を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の一実施形態に係る不正監視システムのシステム構成図である。
【図2】不正度算出装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】不正度算出装置の機能ブロック図である。
【図4】不正発生パターンの一覧を示す図である。
【図5】記録用データーベースの記録内容を示す図である。
【図6】不正発生要素の構造を示す図である。
【図7】不正発生要素の具体例を示す図である。
【図8】不正発生パターンA1の発生順序定義例を示す図である。
【図9】不正発生パターンA1に対する検出結果の一例を示す図である。
【図10】不正度算出装置の不正度記録処理を示すフローチャートである。
【図11】不正管理サーバーの機能ブロック図である。
【図12】装置IDの一覧を示す図である。
【図13】機器情報の一覧を示す図である。
【図14】不正度算出結果の一例を示す図である。
【図15】不正管理サーバーの不正発生パターン更新処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、添付の図面を参照し、本発明の不正記録システム、不正記録システムの制御方法およびプログラムについて説明する。なお、以下に示す実施形態では、本発明の不正記録システムを、店舗の不正監視システムに適用した場合について例示する。当該不正監視システムは、スーパーマーケット等の小売店内において、店員や顧客による不正行為を検出するべく構築されたものである。
【0032】
図1は、不正監視システムSYのシステム構成図である。同図に示すように、不正監視システムSYは、複数台の不正度算出装置16(同図では、16a,16b,16cの3台を図示)と、1台の不正管理サーバー15と、これらを接続するネットワークNTと、を備えている。不正度算出装置16は、1台ずつ各店舗に配置され、各店舗において発生した店員および/または顧客の行為の不正の度合いを示す「不正度」を算出する。つまり、不正度が高いほど、不正行為が行われた可能性が高いと判定する。
【0033】
一方、不正管理サーバー15は、インターネット等のネットワークNTを介して複数台の不正度算出装置16と接続され、これらを統括管理する。また、不正管理サーバー15は、不正発生データーベース91、機器情報データーベース92および不正度算出結果データーベース93など、各種データーベースを備えている。不正発生データーベース91は、不正行為を定義した不正発生パターンを多数記憶する。機器情報データーベース92は、不正行為を検出するために各店舗に設置された検出機器に関する情報を記憶する。また、不正度算出結果データーベース93は、各不正度算出装置16にて算出された不正度の算出結果を記憶する。不正管理サーバー15は、これらのデーターベースを備えることにより、各不正度算出装置16に対する不正発生パターンの提供、各不正度算出装置16からの不正度算出結果の取得、各不正度算出装置16に対する情報通知、などを行う。詳細については、図11以降を参照して後述する。
【0034】
次に、図2を参照し、不正度算出装置16のハードウェア構成について説明する。不正度算出装置16は、会計処理を行うPOS端末1と、レシート(図示省略)を発行するレシートプリンター2と、商品に貼付または印刷されたバーコードを読み取るハンディスキャナー3と、レジカウンター10の周囲において店員カードCの非接触読取を行うレジカードリーダー4と、店員(オペレーター)の手首に装着される店員用リストバンド5と、商品情報を表示するカスタマディスプレイ6と、店員の頭部に装着されるヘッドセット7と、レシートを読み取るレシートスキャナー8と、レジカウンター周りを監視するレジ監視カメラ9と、店内を監視する店内監視カメラ11と、店内の任意の場所において店員カードCの非接触読取を行う店内カードリーダー14と、不正度算出装置16を統括する店舗サーバー12と、から成る。POS端末1とレシートプリンター2およびハンディスキャナー3、レシートプリンター2とレジカードリーダー4、店員用リストバンド5、カスタマディスプレイ6、ヘッドセット7およびレシートスキャナー8は、それぞれシリアルインターフェース(例えば、USB(Universal Serial Bus)インターフェース)または無線LANにより接続されている。また、POS端末1、レシートプリンター2、レジ監視カメラ9、店内監視カメラ11、店内カードリーダー14および店舗サーバー12は、店舗内LAN13(有線LANまたは無線LAN)により接続されている。
【0035】
なお、特に図示しないが、店舗サーバー12は、店舗において所定の権限を有する管理者(マネージャーや店長など)が所持する管理者用携帯電話に対し、電子メール(不正発生を通知するための警告文書など)を送信可能となっている。また、店舗サーバー12は、マイクを有し、サーバー管理者と、ヘッドセット7を装着した店員とが通話可能となっている。また、図2では、POS端末1が1台の場合を示しているが、店舗内に複数のレジカウンター10が設置されている場合、レジカウンター10ごとに、POS端末1等が設けられる。
【0036】
POS端末1は、レジカウンター10に設置され、会計処理を行うPOSアプリケーション41と、レシートプリンター2に対しPOS端末1の操作結果を出力するデーターフックドライバー42と、現金を収容するキャッシュドロア43と、を有している。その他、特に図示しないが、一般的なレジスターの構成を有している。ハンディスキャナー3は、商品コードなどが記録された商品バーコードを読み取り、その読取結果をPOS端末1に出力する。
【0037】
レジカードリーダー4および店内カードリーダー14は、無線IC(RFID:Radio Frequency Identificationなど)が組み込まれた店員カードCから店員IDを読み取る。勤務中の店員は、当該店員カードCの所持が義務付けられている。店員用リストバンド5は、装着者の発汗量を計測する発汗センサー45と、装着者の脈拍数を計測する脈拍センサー46と、が組み込まれている。レジカウンター10内でPOS端末1を操作する店員(オペレーター)は、当該店員用リストバンド5の装着が義務付けられている。
【0038】
カスタマディスプレイ6は、顧客に対して、商品名や商品価格を表示する顧客用ディスプレイとしての一般的な機能の他、顧客用マイク6aにより、顧客の音声を取得する機能を有している。顧客用マイク6aは、小型集音マイクであり、カスタマディスプレイ6の周縁部に、顧客側に向けて設けられる。ヘッドセット7は、インカムとも称されるものであり、店員用マイク7aと、ヘッドフォン(図示省略)と、を有している。POS端末1を操作する店員は、当該ヘッドセット7の装着も義務付けられている。レシートスキャナー8は、レシートの真贋判定を目的としてレシートを読み取る。
【0039】
レシートプリンター2は、POS端末1から出力された会計情報に基づいて、レシートを発行する機能の他、温度計44により、レジカウンター10内の温度を計測する機能を有している。また、レシートプリンター2は、シリアル接続された周辺装置から各種情報を入力して店舗サーバー12へ出力する。このように、レシートプリンター2を主幹として各種情報の入出力を行うことで(レシートプリンター2が、取得した各種情報をフィルタリングして必要な情報を出力することで)、POS基幹ネットワーク(POS端末1を主幹としたネットワーク)のトラフィックに影響を与えることがない。また、既存のPOSシステムに本発明を適用する際、POS基幹ネットワーク自体の変更が不要となる。
【0040】
レジ監視カメラ9は、レジカウンター10の天井などに設けられ、レジカウンター10内部(店員やPOS端末1の周囲など)、レジカウンター10上(会計処理の対象となる商品、現金のやり取りなど)、レジカウンター10前(顧客など)を撮像する。また、店内監視カメラ11は、店舗内の複数個所に設けられ、所定エリアや所定の部屋への店員の出入りを監視する。なお、レジ監視カメラ9および店内監視カメラ11としては、CCDカメラやPTZ(Pan Tilt Zoom)カメラを採用可能である。
【0041】
店舗サーバー12は、店員の顔特徴量をデーターベース化した顔特徴量データーベース21と、会計処理時に発声される店員および顧客のキーワードをデーターベース化したキーワードデーターベース22と、店員や顧客の不正度を記録するための記録用データーベース23と、を有している。店舗サーバー12は、上記の各装置により検出された店舗内の状況データー、並びに顔特徴量データーベース21やキーワードデーターベース22の参照結果に基づいて、店員や顧客の不正度を算出し、算出した不正度を記録用データーベース23に記録する。また、算出した不正度が所定値を超える場合は、オペレーターや管理者に対して警告を行うと共に、不正管理サーバー15に対して不正度算出結果を通知する。
【0042】
次に、図3を参照し、不正度算出装置16の機能構成について説明する。POS端末1は、主な機能構成として、会計処理部51を有している。会計処理部51は、POSアプリケーション41を主要部とするものであり、精算処理や例外処理を含む会計処理を実行する。また、それらの処理結果を、会計情報としてレシートプリンター2に出力する。
【0043】
なお、本実施形態において、例外処理とは、不正行為に関連する可能性の高い所定の処理を指す。具体的には、商品の返品を行うための「返品処理」、会計処理後に当該会計処理の取り消し行うための「ミスレジ処理(取消処理)」、商品の値引きを行うための「値引処理」、商品の割引きを行うための「割引処理」、会計処理中において入力データーをキャンセルするための「中止処理」、および金銭の両替を行うための「両替処理」、キャッシュドロア43内の金銭と売上を照合するための「点検処理」、出金または返金を行うための「出金/返金処理」、およびレシートを再発行するための「再発行処理」などを指す。これらの各処理は、例外処理の種別として区別される。
【0044】
レジカードリーダー4は、主な機能構成として、レジID読取部52を有している。レジID読取部52は、店員カードCと近距離無線通信を行い、レジカウンター10周りに存在する店員カードCから、店員IDを読み取る。店員用リストバンド5は、主な機能構成として、発汗量計測部53および脈拍数計測部54を有している。発汗量計測部53は、発汗センサー45により実現され、脈拍数計測部54は、脈拍センサー46により実現される。
【0045】
カスタマディスプレイ6に設けられた顧客用マイク6aは、主な機能構成として、顧客用音声取得部55を有している。顧客用音声取得部55は、顧客の音声信号を取得し、レシートプリンター2に出力する。また、ヘッドセット7に設けられた店員用マイク7aは、主な機能構成として、店員用音声取得部56を有している。店員用音声取得部56は、店員の音声信号を取得し、レシートプリンター2に出力する。
【0046】
レシートスキャナー8は、主な機能構成として、レシート読取部57を有している。レシート読取部57は、レシートを読み取って、当該レシートに印刷された商品情報(トランザクション番号、レシート発行日時、商品名、数量、商品単価、合計金額など)を取得する。レジ監視カメラ9は、主な機能構成として、レジ撮像部58を有している。レジ撮像部58は、レジカウンター10周りの映像を撮像し、その撮像結果を店舗サーバー12に出力する。店内監視カメラ11は、主な機能構成として、店内撮像部59を有している。店内撮像部59は、店舗内における店員や顧客の行動(移動)を含む店内映像を撮像し、その撮像結果を店舗サーバー12に出力する。店内カードリーダー14は、主な機能構成として、店内ID読取部60を有している。店内ID読取部60は、店員カードCと近距離無線通信を行い、店内の任意の場所(例えば、更衣室)に入室/出室する店員の店員カードCから、店員IDを読み取る。
【0047】
レシートプリンター2は、主な機能構成として、会計情報取得部61、例外処理検出部62、店員ID検出部63、生体信号検出部64、音声認識部65、読取結果取得部66、印刷部67およびオペレーター警告部68を有している。会計情報取得部61は、POS端末1(会計処理部51)から出力された会計情報を取得する。
【0048】
例外処理検出部62は、会計情報取得部61により取得された会計情報、またはデーターフックドライバー42の検出結果に基づいて、会計処理部51において例外処理が発生したこと、およびその種別を検出する。なお、後述する不正度算出部73、不正度記録部74、オペレーター警告部68、管理者警告部75および不正度算出結果通知部76は、当該例外処理検出部62により例外処理が検出されたことを条件として機能する。
【0049】
店員ID検出部63は、レジID読取部52の読取結果から店員IDを検出し、その検出結果を不正発生検出部72(後述する)に出力する。当該店員IDの検出数により、レジカウンター10周りに存在する店員数が特定され、検出された店員IDにより、POS端末1を操作している店員を特定できる。なお、店員ID検出部63は、指向性を有する複数のレジカードリーダー4により実現されても良い。この構成によれば、会計操作を行っている店員と、その他の店員とを明確に区別して検出することができる。
【0050】
生体信号検出部64は、発汗量計測部53および脈拍数計測部54の計測結果である生体信号を検出し、その検出結果を不正発生検出部72に出力する。音声認識部65は、顧客用音声取得部55および店員用音声取得部56から音声データーを取得して音声認識を行う。当該音声認識部65は、顧客の音声と店員の音声とをそれぞれ独立して認識するための2つの専用認識部を有しており、各専用認識部には、音響分析部、音響モデル、言語モデル、単語辞書およびテキスト変換部が含まれる(いずれも図示省略)。各専用認識部は、これらを用いて、取得した音声信号を、テキスト情報に変換する。当該テキスト情報は、不正発生検出部72に出力される。
【0051】
読取結果取得部66は、レシート読取部57の読取結果である商品情報を検出し、その検出結果を不正発生検出部72に出力する。印刷部67は、会計情報取得部61により取得した会計情報をレシート用紙に印刷し、レシートを発行する。オペレーター警告部68は、不正度算出部73(後述する)により、所定値を超える不正度が算出された場合、オペレーターに対して、不正行為が行われた可能性が高い旨を報知する。報知方法としては、オペレーターディスプレイ(図示省略)への表示、音声発生、LEDの点灯/点滅、バイブレーターによる振動などが挙げられる。
【0052】
店舗サーバー12は、主な機能構成として、不正発生パターン記憶部71、不正発生検出部72、不正度算出部73、不正度記録部74、管理者警告部75、不正度算出結果通知部76、不正発生パターン通知部77、稼動データー通知部78、損失額算出部79および損失額通知部80を有している。不正発生パターン記憶部71は、店舗内において想定される1以上の不正発生要素が定義された不正発生パターンを記憶する。ここで、「不正発生要素」とは、会計処理部51による所定のキー操作、例外処理時と精算処理時におけるレシートの読取結果(商品情報)の不一致、例外処理時と精算処理時における対象顧客の不一致、例外処理時における所定音声キーワードの非検出、キャッシュドロア43の開閉状態の変化、店員の所定エリア(更衣室など)への侵入、レジカウンター10周りにオペレーター以外の店員や顧客が存在しない状況における会計処理の実行、店員の不審行動(周囲を見渡すなど)、店員の生体信号の変化、などを指す。
【0053】
図4に示すように、不正発生パターンは、例外処理の種別ごとに分類され、記憶されている。なお、図4に示す不正発生パターンの一覧において、「不正手口」とは、対応する例外処理の種別が実行された場合に想定される不正行為の手口を示したものである。同図では、「例外処理の種別」と「不正手口」とが、1:1の関係となる例を示しているが、N:1(但し、Nは2以上の整数)または1:Nの関係であっても良い。また、「不正発生パターン」の欄に示すように、各例外処理の種別について、複数の不正発生パターンが対応付けられている。
【0054】
不正発生検出部72は、上記の不正発生パターンに定義された不正発生要素について、それぞれ発生/非発生を検出する。また、発生を検出した不正発生要素については、必要に応じてその適合率を検出する。当該適合率とは、「発生」を100%、非発生を0%としたときの、中間値(0%より大きく100%より小さい値)を指す。不正度算出部73は、不正発生パターン記憶部71から、例外処理検出部62により検出された例外処理の種別に対応する不正発生パターンを抽出し、当該不正発生パターンを参照して、不正度を算出する。具体的には、当該不正発生パターンに記述された不正発生要素のうち、不正発生検出部72により発生が検出された不正発生要素に対応する基礎点数(=異常値)を合計して、不正度を算出する。なお、不正発生検出部72により適合率が検出された不正発生要素については、対応する基礎点数に適合率を乗算し、その乗算結果を異常値とする。詳細については、後述する。不正度記録部74は、不正度算出部73の算出結果を、記録用データーベース23(図5参照)に記録する。
【0055】
図5に示すように、記録用データーベース23には、会計処理(会計処理番号)ごとに、各種情報が記録される。具体的には、不正発生日時、トランザクションデーター、対象レジID(POS端末1のID)、レジ担当者ID(店員ID)、例外処理の種別、各不正発生要素の検出結果(状況データー)、顧客情報および不正度などが記録される。なお、顧客情報とは、会員カード、クレジットカード、電子マネーなどの利用によって特定される顧客IDの他、レジ監視カメラ9の撮像結果から得られる顔特徴量や、顧客用マイク6aの音声取得結果から得られる声紋などの生体情報を指す。また、例外処理の種別は、例外処理検出部62の検出結果を指し、不正度は、不正度算出部73の算出結果を指す。
【0056】
管理者警告部75は、不正度算出部73により、所定値を超える不正度が算出された場合、管理者に対して警告を行う。本実施形態では、管理者が所持する管理者用携帯電話に対して、電子メールにより警告文書を送信する。当該電子メールには、上記の記録用データーベース23に記録される各項目が含まれる。なお、管理者は、当該警告文書に含まれる情報を検索キーとして、レジ監視カメラ9や店内監視カメラ11により撮像された不正発生時の撮像データーを抽出し、確認できることが好ましい。また、管理者に対する警告方法として、電子メールではなく、Webアプリケーションや店舗内LANと接続された携帯型の情報端末を用いても良い。このように、電子メールやWebアプリケーションを用いることで、管理者の居場所に関わらず、確実に警告内容を通知することができる。
【0057】
不正度算出結果通知部76は、オペレーター警告部68または管理者警告部75による警告の対象となった不正度算出部73の算出結果を、不正管理サーバー15に通知する。通知内容としては、上記の記録用データーベース23に記録される各項目が含まれる。
【0058】
不正発生パターン通知部77は、不正発生パターン記憶部71が更新された場合、その更新内容を、不正管理サーバー15に通知する。更新内容としては、新規不正発生パターンの追加や不正発生パターンの修正、不正発生パターンの削除などが考えられる。なお、不正発生パターンは、それに含まれる検出機器の構成に変更がない場合、「修正」として扱われ、検出機器の構成に変更がある合、「新規追加」として扱われる。
【0059】
稼動データー通知部78は、不正発生検出部72を実現するための1以上の検出機器について、その稼働状況を示す稼動データー(電源のON/OFF、店舗サーバー12への情報出力の有無など)を、不正管理サーバー15に通知する。当該稼動データーは、不正管理サーバー15の機器情報データーベース92(図1参照)を更新するために用いられる。
【0060】
損失額算出部79は、商品の在庫数を記録した在庫管理データーベース(図示省略)と、会計処理部51の処理結果から得られる売上を記録した売上管理データーベース(図示省略)との参照結果に基づき、在庫品に対する売上予定額と、実際の売上との差額に相当する損失額を算出する。当該損失額は、所定期間(日、週、月単位など)ごとに算出され、不正行為が行われている頻度を類推するために用いられる。すなわち、損失額が大きい場合、不正行為の防止策を強化すべきと判断される。損失額通知部80は、損失額算出部79により算出された損失額を、不正管理サーバー15に通知する。
【0061】
次に、図6を参照し、不正発生要素の構造について説明する。上記のとおり、不正発生要素は、不正発生パターン内で定義されるが、ユーザーは、レシートプリンター2や店舗サーバー12などに備えられた操作部(図示省略)を用いて、その詳細を定義付けることができる。また、当該定義付けにより、レシートプリンター2または店舗サーバー12では、予め組み込まれた所定のウィザードを用いて、不正発生パターンの作成および修正が可能となっている。
【0062】
同図に示すように、不正発生要素には、「分類番号」、「要素番号」、「検出機器」、「判定内容」および「重み付け」に関する情報が含まれる。「分類番号」とは、不正発生要素を複数のグループに分類したときのグループ識別情報であり、具体的には、図示のa〜eなどが挙げられる。ユーザーは、この分類番号を索引として、不正発生パターンに組み込むべき不正発生要素を検索する。また、「要素番号」とは、各不正発生要素に一意に割り当てられた識別情報である。また、「検出機器」とは、その不正発生要素を検出するための機器であり、具体的には、図示のm1〜m9などが挙げられる。また、図7にて後述するが、「判定内容」とは、「判定項目」および「判定条件」を指し、「重み付け」とは、その不正発生要素に割り当てられた「基礎点数」と、適合率を算出するための「係数」と、を指す。
【0063】
なお、複数の検出機器で検出可能な不正発生要素については、複数の「検出機器」を対応付けることができる。例えば、不正発生要素が、レジカウンター10周囲の店員数を制限する内容である場合、店員数については、レジカードリーダー4(m1)およびレジ監視カメラ9(m6)で検出可能であるため、その2つの検出機器を対応付けても良い。また、不正発生要素が、店員(オペレーター)の更衣室への入室である場合、更衣室内外に設置された店内監視カメラ11(m7)および店内カードリーダー14(m8)で検出可能であるため、その2つの検出機器を対応付けても良い。また、「判定内容」および「重み付け」についても、ユーザーが任意に設定可能である。
【0064】
ここで、図7を参照し、不正発生要素の具体例について説明する。例えば、「要素番号:E1」の不正発生要素は、POS端末1に組み込まれたデーターフックドライバー42(図2参照)(m9)によって検出され、当該データーフックドライバー42から出力された操作情報によりPOS端末1における取消キーの押下を検出できた場合、「POS例外キーが押下された」ものとして、不正発生検出部72により「発生」が検出される。この場合、データーフックドライバー42またはレジカードリーダー4を用いて、オペレーターの店員IDを検出し、当該店員IDを検出結果として記録用データーベース23に記録する。なお、「POS例外キーが押下された」ことは、データーフックドライバー42を用いるのではなく、POS端末1から出力された会計情報、レシート印刷用の印刷データーおよびカスタマディスプレイ6に表示するための表示データーなどに基づいて検出しても良い。
【0065】
また、「要素番号:E2」の不正発生要素は、レジ監視カメラ9(m6)によって検出され、同一人物の判定により、類似度が60%以下と判定された場合、「購入者と例外申請者が異なる」ものとして、不正発生検出部72により「発生」が検出される。また、同図の例では、基礎点数が「20」、係数が「1−画像類似度」と定義されているため、画像類似度が20%の場合、その適合率(購入者と例外申請者が異なる=Trueとなる確率)は80%となり、異常値は、基礎点数×適合率=16となる。なお、同一人物であるか否かは、会計処理ごとに記録用データーベース23に記録される顧客の顔特徴量に基づいて行われる(図5参照)。つまり、例外申請時(例外処理時)の対象顧客の顔特徴量(レジ監視カメラ9の撮像結果を解析して顔検出を行い、当該顔部分の画像を正規化して算出された顔特徴量)と、例外申請時に提示されたレシートなどから特定される商品購入時(スキャン処理時)の対象顧客の顔特徴量とを照合し、その類似度から判定される。
【0066】
その他の発生要素については、図示のとおりである。なお、簡単に補足すると、「要素番号:E3」、「要素番号:E5」および「要素番号:E6」については、レジ監視カメラ9(m6)の撮像結果から動領域を検出し、その動領域から人の顔、手、ドロアの開閉、紙幣の動きを検出する、といった工程を繰り返すことにより判定を行う。なお、「要素番号:E5」については、レジカードリーダー4およびレジ監視カメラ9の監視結果から、レジカウンター10周りの店員数が1、顧客数0と判定されることが、「発生」検出の条件となる。
【0067】
また、「要素番号:E4」については、更衣室の入り口近傍に配置された店内監視カメラ11により、オペレーターの顔特徴量(顔特徴量データーベース21に店員IDと関連付けて記憶されているもの)と類似した顔特徴量が検出された場合、「発生」が検出される。また、「要素番号:E4」については、更衣室の入り口近傍に設置された店内カードリーダー14にて、店員カードCを読み取ることにより、店員IDを検出しても良い。
【0068】
なお、図7では、E1〜E6の6つの不正発生要素のみ例示したが、不正発生要素として以下の要素を追加可能である。例えば、「例外申請者が無声でレジ前に居る」ことを、顧客用マイク6a(m3)により取得した音声から検出しても良い。通常、例外申請時には、「レシートの内容が間違っています。」などのフレーズを顧客が発声するため、無声であることは不正行為の可能性が高いと考えられるためである。この場合、所定の音声キーワード(例えば、「間違」)が認識できなかったことを条件として、「例外申請者が無声でレジ前に居る」ことを判定する。なお、当該音声キーワードについては、キーワードデーターベース22(図2参照)の中から1以上のキーワードを選択して定義することができる。同様に、「店員が無声でレジ操作を行っている」ことを、店員用マイク7a(m3)により取得した音声から検出しても良い。
【0069】
なお、顧客の音声を集音する顧客用マイク6aと、店員の音声を集音する店員用マイク7aと、を独立して設けるのではなく、1のマイクで集音するようにしても良い。この場合、店員の声紋を記憶しておく店員声紋記憶部(図示省略)を、レシートプリンター2または店舗サーバー12内に設けておく。そして、音声認識部65が、取得した音声の声紋と、店員声紋記憶部に記憶されている声紋とを照合し、一致するか否かに応じて、店員の音声と顧客の音声とを区別する。この構成によれば、店員用と顧客用のマイクをそれぞれ独立して設ける必要がない。これにより、不正度算出装置16のローコスト化を図ることができる。
【0070】
また、不正発生要素として、「例外発生の元データーと処理データーの相違が大きい」ことを、レシートスキャナー8(m5)の読取結果から検出しても良い。偽造したレシートを用いて返品処理を行う手口などに対応するためである。この場合、商品購入時に読み取った商品情報(レシート記載項目)と、例外申請時に読み取った商品情報と、の照合結果から、「発生/非発生」および「適合率」を検出する。
【0071】
また、不正発生要素として、「レジカウンター周りに店員が一人しか居ない」ことを、レジカードリーダー4(m1)の読取結果から検出しても良い。通常、不正行為は、周囲に他の店員が居ないときに行われるためである。この場合、レジカードリーダー4が取得した店員IDの数が1以下か否かに応じて「発生/非発生」を検出する。また、不正発生要素として、「レジカウンター前に顧客が居ない」ことを、レジ前に向けられたレジ監視カメラ9の撮像結果から検出しても良い。この場合、レジ監視カメラ9の撮像結果から顔検出ができたか否かに応じて、「発生/非発生」を検出する。
【0072】
また、不正発生要素として、「店員が発汗している」ことを、発汗センサー45(m2)の測定結果から検出しても良い。通常、不正行為が行われるとき、店員の生体信号に変化が生じるためである。この場合、例外処理の前後における発汗量の増加量に基づいて「発生/非発生」を検出する。但し、温度計44により、例外処理の前後の気温差が大きいことが検出された場合(急に暑くなった場合)、その気温差(気温差に基づく係数)を考慮して、適合率を求めることが好ましい。また、不正発生要素として、「店員の動悸が激しい」ことを、脈拍センサー46(m2)の測定結果から検出しても良い。この場合、例外処理の前後における脈拍数の増加量に基づいて「発生/非発生」を検出する。但し、レジ監視カメラ9の監視結果から、例外処理前のオペレーターの移動量が大きい場合、その移動量(移動量に基づく係数)を考慮して、適合率を求めることが好ましい。
【0073】
次に、図8を参照し、不正発生パターンの発生順序について説明する。同図は、ある不正発生パターン(「パターンA1」と記載する)の定義例を示している。なお、パターンA1は、店員が、顧客が受け取らなかったレシートを使って取消処理を行い、レシートの売上額に相当する現金を着服し、着服した現金を更衣室のロッカーに隠す手口に対応するものである。同図に示すように、不正発生パターンは、各不正発生要素の「発生順序」と、「各要素との間隔」を定義づけることができる。ここで「発生順序」は、記載された数字によって定義されるが、必ずしも全ての不正発生要素について定義される必要はない(発生順序を問わない不正発生要素が含まれていても良い)。また、「発生順序」が空欄(ハイフン表示)の不正発生要素は、検出対象外であることを意味する。さらに、「各要素との間隔」とは、時間的制限を意味する。例えば、「要素番号:E5」の発生(店員がキョロキョロした)から、10秒以内に「要素番号:E1」が発生(POS例外キーが押下された)したとき、発生順序1→2については、規定された発生順序どおりに不正発生要素が発生していると看做す。
【0074】
一方、同図下部に示すように、各不正発生パターンには、「一致加算値」を定義づけることができる。この「一致加算値」とは、不正発生パターンに規定された「発生順序」と、不正発生検出部72により検出された発生順序と、が一致する場合、異常値の合計値に加算される値である。つまり、異常値の合計値と、一致加算値との合計値が、不正度として算出される。
【0075】
次に、図9を参照し、不正発生パターン(パターンA1)の検出結果と、当該検出結果に基づく不正度の算出結果について説明する。上記のとおり、不正発生検出部72は、不正発生要素ごとに発生/非発生を検出する。また、「重み付け」として「係数」が定義されている不正発生要素については(図7参照)、適合率を検出する。そして、「発生」が検出され、且つ適合率が検出されない不正発生要素については、基礎点数=異常値として算出する。また、「発生」が検出され、且つ適合率が検出された不正発生要素(同図の例では、「要素番号:E6」)については、基礎点数×適合率=異常値として算出する。さらに、同図の例には存在しないが、「非発生」が検出された不正発生要素については、異常値を「0」とする。また、同図の例は、不正発生パターンに規定された「発生順序」と、不正発生検出部72により検出された発生順序と、が一致する場合を示している。したがって、パターンA1に定義された全不正発生要素の異常値の合計値に、一致加算値を合計して、不正度を算出する。なお、本実施形態では、不正度が所定値「60」を超える場合、オペレーター警告部68および管理者警告部75により警告を行う。したがって、同図の例では、不正度が所定値「60」を超えているため、警告が行われる。
【0076】
次に、図10のフローチャートを参照し、不正度算出装置16の不正度記録処理の流れについて説明する。不正度算出装置16は、会計処理が開始されると(S10)、例外処理の発生であるか否かを判別し(S11,例外処理検出部62)、例外処理の発生であると判定した場合は(S11:Yes)、不正発生パターン記憶部71に記憶されている多数の不正発生パターンの中から、例外処理の種別に応じた不正発生パターンを抽出する(S12,図4参照)。また、不正発生検出部72の検出結果を取得し(S13)、異常値の合計値を「0」にリセットして(S14)、抽出した不正発生パターンのn番目について、基礎点数×適合率=異常値を、異常値の合計値に加算していく(S15)。その後、同一不正発生パターン内の全不正発生要素について計算を行ったか否かを判別し(S16)、未計算の不正発生要素がある場合は(S16:No)、S15に戻る。
【0077】
一方、全不正発生要素について計算を行った場合は(S16:Yes)、発生順序のチェックを行う(S17)。ここで、不正発生パターンに定義された発生順序と、不正発生検出部72により検出された発生順序とが一致する場合は(S18:Yes)、異常値の合計値に一致加算値を加算して不正度を算出する(S19)。また、発生順序が一致しない場合は(S18:No)、異常値の合計値を不正度として算出する(S20)。以上、S12ないしS20は、不正度算出部73により実行される工程である。
【0078】
その後、不正度の算出対象となった不正発生パターンについて、記録用データーベース23に不正度を記録する(S21,不正度記録部74)。また、パターンが一致したか(発生順序が一致したか)、若しくは同一の例外処理の種別に対応付けられた全不正発生パターンについて算出を終えたかを判別し(S22)、これらのいずれにも該当しない場合は(S22:No)、S14に戻って不正度の算出処理を繰り返す。また、S22:Yesの場合は、不正度が所定値を超える不正発生パターンが存在するか否かを判別し(S23)、所定値を超える不正発生パターンが存在する場合は(S23:Yes)、オペレーター警告部68および管理者警告部75により警告を行う(S24)。その後、不正度算出結果通知部76により、不正度の算出結果を、不正管理サーバー15に通知する(S25)。一方、所定値を超える不正発生パターンが存在しない場合(S23:No)、並びに例外処理が発生していない場合(S11:No,例えば、精算処理時など)は、警告および通知を行うことなく、不正度記録処理を終了する。
【0079】
なお、S24において、管理者警告部75により電子メールを送信する場合は、不正度が所定値を超える1以上の不正発生パターンについて、各不正発生要素の検出結果や算出された不正度を通知する。また、不正度が所定値を超える不正発生パターンが複数存在する場合は、そのうち最も不正度が高い不正発生パターンについてのみ通知を行うようにしても良い。
【0080】
次に、図11を参照し、不正管理サーバー15の機能構成について説明する。不正管理サーバー15は、主な機能構成として、サーバー側不正発生パターン記憶部101、装置ID記憶部102、機器情報記憶部103、機器情報更新部104、不正度算出結果記憶部105、不正発生パターン取得部106、不正発生パターン更新部107、機器導入通知部108、未採用パターン通知部109、推奨機器特定部110および推奨機器通知部111を備えている。
【0081】
サーバー側不正発生パターン記憶部101は、不正管理サーバー15に接続された複数の不正度算出装置16の不正発生パターン記憶部71に記憶されている全ての不正発生パターンを記憶する。また、装置ID記憶部102は、サーバー側不正発生パターン記憶部101に記憶されている各不正発生パターンについて、それを記憶している不正度算出装置16の装置IDを記憶する。なお、サーバー側不正発生パターン記憶部101および装置ID記憶部102は、不正発生データーベース91を主要部とする。
【0082】
図12は、装置ID記憶部102の具体例を示す図である。同図に示すように、装置ID記憶部102は、不正発生パターンと、それを記憶している不正度算出装置16(装置ID)と、を関連付けて記憶している。同図の例では、不正発生パターン「パターンA1」は、3つの不正度算出装置16a(ID000A),16b(ID000B),16c(ID000C)に記憶され(採用され)、不正発生パターン「パターンB1」は、2つの不正度算出装置16a,1bに記憶されていることを示している。
【0083】
機器情報記憶部103は、各不正度算出装置16に備えられた(接続された)1以上の検出機器に関する機器情報を記憶するものであり、機器情報データーベース92を主要部とする。図13は、機器情報記憶部103の具体例を示す図である。同図に示すように、機器情報記憶部103は、各不正度算出装置16について、m1〜m9に示す検出機器の有無を、「○」、「×」で示している。同図の例では、例えば不正度算出装置16a(ID000A)について、店内カードリーダー14(m8)が未導入または使用不能であり、例えば不正度算出装置16b(ID000B)について、店員用リストバンド5(m2)および店内監視カメラ11(m7)が、未導入または使用不能であることを示している。
【0084】
機器情報更新部104は、各不正度算出装置16(稼動データー通知部78)から通知された稼動データーに基づいて、機器情報記憶部103に記憶している機器情報を更新する。具体的には、稼動データーが「稼動していること」を示すものである場合、これを不正管理サーバー15が所定期間取得しなかった場合、該当する検出機器の状態を「×」に変更する。また、稼動データーが「稼動していないこと」を示すものである場合、不正管理サーバー15がこれを取得したときに、該当する検出機器の状態を「×」に変更する。このように、各不正度算出装置16から稼動データーを取得し、機器情報更新部104を更新することで、各店舗において現在使用可能な検出機器を正確に判定することができる。
【0085】
不正度算出結果記憶部105は、各不正度算出装置16(不正度算出結果通知部76)から通知された不正度算出結果を記憶するものであり、不正度算出結果データーベース93を主要部とする。不正度算出結果記憶部105は、不正度算出結果を記憶する際、当該不正度算出結果に機器情報を対応付けて記憶する。つまり、機器情報記憶部103を参照し、通知された不正度算出結果に、これを通知した不正度算出装置16に備えられている(稼動状態で対応付けられている)1以上の検出機器を関連付けて記憶する。例えば、不正度算出装置16a(ID000A)から不正度算出結果が通知された場合、m1〜m7およびm9の機器コードを対応付けて記憶する(図13参照)。なお、不正度算出結果記憶部105により、不正度算出結果に機器情報を対応付けるのではなく、各不正度算出装置16において不正度算出結果に機器情報を付加し、不正管理サーバー15に通知しても良い。
【0086】
図14は、不正度算出結果記憶部105の具体例を示す図である。不正度算出結果記憶部105は、不正度算出結果の取得日時、不正発生パターン、不正度、送信元となる不正度算出装置16、当該不正度算出装置16に備えられている検出機器、を関連付けて記憶している。なお、同図では、便宜上、同一パターン(「パターンA1」)についてのみ図示しているが、不正度算出結果記憶部105は、取得した全ての不正度算出結果を記憶する。
【0087】
不正発生パターン取得部106は、各不正度算出装置16(不正発生パターン通知部77)から通知された不正発生パターンを取得する。また、不正発生パターン更新部107は、接続された複数の不正度算出装置16のうちいずれかの不正度算出装置16の不正発生パターン記憶部71が更新された場合、その更新内容を他の不正度算出装置16の不正発生パターン記憶部71に反映させる。具体的には、任意の不正度算出装置16から取得した不正発生パターンに基づいて、まずサーバー側不正発生パターン記憶部101に記憶されている不正発生パターンの追加、差し替え、削除などを行う。また、任意の不正度算出装置16以外の他の不正度算出装置16に対して、不正発生パターンの送信(追加指令)、差し替え指令、削除指令などを行う。このとき、不正発生パターン更新部107は、任意の不正度算出装置16に新規の不正発生パターンが追加された場合、機器情報記憶部103を参照し、新規の不正発生パターンに含まれる全ての不正発生要素について検出可能な検出機器を備えた不正度算出装置16のみを対象として、追加指令を行う。言い換えれば、新規の不正発生パターンを検出するための検出機器が十分に備えられていない不正度算出装置16に対しては、追加指令を行わない。
【0088】
機器導入通知部108は、任意の不正度算出装置16に新規の不正発生パターンが追加された場合であって、各不正度算出装置の機器情報から、接続されている複数の不正度算出装置16の中に、当該新規の不正発生パターンに含まれる全ての不正発生要素について検出可能な検出機器を備えていない不正度算出装置16が存在すると判定した場合、当該不正度算出装置16に対して、該当する検出機器の導入を促す通知を行う。例えば、図7に示した不正発生パターンが追加された場合、不正度算出装置16c(ID000C)は、m7およびm8の両検出機器を備えていないため(図13参照)、不正発生要素E4「更衣室に近づいた」の検出が不能である。したがって、m7またはm8の検出機器を導入するようにメッセージ通知を行う。なお、不正度算出装置16a(ID000A)と不正度算出装置16b(ID000B)については、図7に示した不正発生パターンに含まれる全ての不正発生要素について検出可能であるため、不正発生パターン更新部107により追加指令が行われる。
【0089】
未採用パターン通知部109は、任意の不正度算出装置16(損失額通知部80)から、所定額を超える損失額が通知された場合、当該任意の不正度算出装置16に対し、当該不正度算出装置16に記憶されていない不正発生パターンである未採用パターンを通知する。例えば、不正度算出装置16b(ID000B)から所定額を超える損失額が通知された場合であって、装置ID記憶部102が図12に示す記憶内容である場合、不正度算出装置16bに対し「パターンD1」および「パターンE1」を、未採用パターンとして通知する。なお、各不正度算出装置16(各店舗)において未採用パターンを採用するためには、検出機器の導入が必要となるため、未採用パターン通知部109は、未採用パターンと共に、これを検出するための検出機器を通知することが好ましい。
【0090】
推奨機器特定部110は、不正度算出結果記憶部105に記憶されている任意の不正発生パターンの不正度算出結果を、対応する検出機器ごとに集計した結果、対応する検出機器により偏りが生じている場合、不正度が高い検出機器を、任意の不正発生パターンの推奨機器として特定する。例えば、不正度算出結果記憶部105が図14に示した記憶内容である場合、同じ不正発生パターン「パターンA1」について、検出機器m7(店内監視カメラ11)が関連付けられている不正度は不正度算出装置16a(ID000A)の「68」、「61」の2つがあり、検出機器m8(店内カードリーダー14)が関連付けられている不正度は不正度算出装置16b(ID000B)の「96」、「92」の2つがある。このように、関連付けられた検出機器によって不正度に偏りが生じる場合、高い不正度が関連付けられている検出機器を、その不正発生パターンの推奨機器として特定する。つまりこの場合は、検出機器m8を「パターンA1」の推奨機器として特定する。なお、推奨機器特定部110は、不正度が高い検出機器ではなく、不正度の集計結果から平均値に近い検出機器を特定しても良い。また、推奨機器特定部110による推奨機器の特定は、所定期間ごと、または所定の操作ごとに行われる。
【0091】
推奨機器通知部111は、推奨機器特定部110による特定後、任意の不正発生パターンを記憶している不正度算出装置16であって、且つ推奨機器を備えていない(推奨機器が稼動状態にない)不正度算出装置16に対し、特定された推奨機器を通知する。具体的には、装置ID記憶部102(図12参照)および機器情報記憶部103(図13参照)を参照し、該当する不正度算出装置16に対して、特定された推奨機器を導入するように、メッセージを通知する。
【0092】
次に、図15のフローチャートを参照し、不正管理サーバー15の不正発生パターン更新処理について説明する。不正管理サーバー15は、不正発生パターン取得部106により不正発生パターンを取得すると(S31:Yes)、不正発生パターン更新部107により、当該不正発生パターンが新規追加されたものであるか否かを判別する(S32)。新規追加されたものであるか否かは、不正発生パターンのパターンIDが既に不正発生データーベース91に記憶されているか否かによって判別する。ここで、新規追加されたものであると判定された場合は(S32:Yes)、機器情報データーベース92を参照し、追加対象となる不正度算出装置16を選択する(S33)。つまり、不正発生パターンに含まれる検出機器の情報(図7参照)と、機器情報データーベース92を照合し、不正発生パターンに含まれる全ての検出機器を備えた不正度算出装置16を選択する。
【0093】
その後、選択した追加対象装置(不正度算出装置16)に対し、S31で取得した新規の不正発生パターンを送信(転送)する(S34)。なお、同図のフローチャートにおいて、S32〜S34および後述するS36〜S37は、不正発生パターン更新部107による工程である。また、接続された複数の不正度算出装置16のうち追加対象装置以外の不正度算出装置16である非追加対象装置に対しては、機器導入通知部108により、機器導入を促す通知を行い(S35)、処理を終了する。
【0094】
一方、S31で取得した不正発生パターンが新規追加されたものではないと判定した場合は(S32:No)、不正発生データーベース91(装置ID記憶部102)を参照し、更新対象装置を選択する(S36)。つまり、取得した不正発生パターンのパターンIDが対応付けられている不正度算出装置16を選択する(図12参照)。その後、選択した更新対象装置に対し、修正後の不正発生パターンを通知、若しくは削除する不正発生パターンを通知し(S37)、処理を終了する。なお、削除する不正発生パターンの通知を受けた不正度算出装置16は、当該通知にしたがって、対象となる不正発生パターンを、不正発生パターン記憶部71から削除する。
【0095】
以上説明したとおり、本実施形態の不正監視システムSYによれば、不正度算出装置16において、発生が検出された1以上の不正発生要素に対応する異常値を合計することで不正度を算出し、その算出結果を記録しておくため、当該記録から、不正が行われた可能性を把握することができる。これにより、複雑な手口の不正行為についても、不正行為の有無を正確に判断することができる。また、不正度の算出は、不正発生要素の適合率や不正発生要素の発生順序を加味するため、より正確な不正度を算出することができる。また、所定値を超える不正度が算出された場合は警告を行うため、店員や管理者にその旨を知らせることができる。
【0096】
また、不正発生パターン記憶部71には、例外処理の種別ごとに不正発生パターンを記憶しているため、例外処理の種別に適した不正発生パターンを用いて、より現実的な不正度を算出することができる。また、各例外処理の種別について複数の不正発生パターンを記憶しておくことができるため、多数の不正行為の手口に対応することができる。また、一般的に不正行為は、例外処理に伴って実行されることが多いため、本実施形態のように、例外処理の発生時のみ不正度の算出および記録を行うことで、効率的に不正行為を検出することができる。
【0097】
また、不正管理サーバー15は、接続された複数の不正度算出装置16のうちいずれかの不正度算出装置16において、不正発生パターンの更新が行われた場合、その更新内容を他の不正度算出装置16に反映させるため、システム管理者等による不正発生パターンの更新作業の負担を軽減できる。また、複数の不正度算出装置16の間で最新の不正発生パターンを共有できるため、店舗内における不正行為の有無を常に高確度で判断することができる。
【0098】
また、不正管理サーバー15は、新規の不正発生パターンが追加された場合、当該不正発生パターンに含まれる全ての不正発生要素について検出可能な検出機器を備えた不正度算出装置16を追加対象装置として不正発生パターンを追加するため、無駄な不正発生パターンの追加を防止できる。また、追加対象装置以外の非追加対象装置については、該当する検出機器(導入することによって新規の不正発生パターンを検出可能となる検出機器)の導入を促す通知を行うため、システム管理者等による通知の手間を軽減できる。
【0099】
また、追加対象装置/非追加対象装置を判定するための機器情報については、不正度算出装置16から通知された稼動データーに基づいて更新するため、例えば故障等によって稼動不能な検出機器については、導入されていないものとして扱うことができる。これにより、検出機器が稼動していないにも拘わらず、当該検出機器を必要とする新規の不正発生パターンを誤って追加する、などの問題を解消できる。
【0100】
また、不正管理サーバー15は、不正度算出装置16から通知された損失額が大きい場合、当該不正度算出装置16に記憶されていない不正発生パターンである未採用パターンを通知するため、各店舗では、当該未採用パターンを検証して、採用するか否かを判断することができる。また、各店舗にて未採用パターンを積極的に採用することで、損失金の低減が期待できる。
【0101】
また、推奨機器特定部110により、各不正度算出装置16から通知された不正度算出結果が、その検出機器によって(不正度算出装置16によって)偏りが生じている場合、不正度が高いまたは平均値に近い検出機器を、任意の不正発生パターンの推奨機器として特定し、これを推奨機器を導入していない不正度算出装置16に対して通知するため、推奨機器の導入を促し、ひいてはその店舗における不正行為の検出確度を向上させることができる。
【0102】
なお、上記の実施形態において、オペレーター警告部68および管理者警告部75は、算出された不正度や、そのときに検出された例外処理の種別に応じて、警告先や警告方法などの警告態様を可変しても良い。「警告先を可変する」とは、電子メールの送信先の数を増減する、オペレーターに対する警告の有無を切り替える、などを意味する。また、「警告方法を可変する」とは、音声警告の場合、音声パターン、音量、警告回数、警告間隔などを可変することを意味する。また、表示警告の場合、表示内容、表示色、表示回数、表示間隔などを可変することを意味する。また、通知警告(電子メールによる通知など)の場合、通知内容、通知方法、通知回数などを可変することを意味する。さらに、音声、表示、通知など、警告手段を可変することも、警告方法を可変することに含まれる。なお、不正度と、警告先や警告方法との対応付けを、レシートプリンター2や店舗サーバー12などに備えられた操作部を用いて、ユーザーが変更可能としても良い。この構成によれば、例外処理の種別に適した警告態様(警告先および警告方法)で警告を行うことができる。また、例外処理の種別に応じて警告態様を可変することで、オペレーターや管理者は、当該警告態様から発生した不正行為の手口を容易に推測することができる。
【0103】
また、上記の実施形態では、例外処理の発生時のみ不正度の算出、記録および通知を行うとしたが、全ての会計処理時において、不正度の算出、記録および通知を行っても良い。この構成によれば、記録データーを、店員のオペレーション教育や、顧客の動向分析に利用することができる。
【0104】
また、上記の実施形態では、レジカードリーダー4、店員用リストバンド5、顧客用マイク6a、店員用マイク7aおよびレシートスキャナー8による検出結果や読取結果を、レシートプリンター2を介して店舗サーバー12に送信する構成としたが、店舗内LAN13を介して、店舗サーバー12に直接送信する構成としても良い。つまり、レシートプリンター2の印刷部67およびオペレーター警告部68を除く各部を、店舗サーバー12内に設けても良い。また、逆に、店舗サーバー12の各部をレシートプリンター2内に設けても良い。
【0105】
また、上記の実施形態において、管理者警告部75は、電子メールやWebアプリケーションを用いて、警告を行うとしたが、オペレーター警告部68と同様に、ディスプレイへの表示、音声発生、LEDの点灯/点滅、バイブレーターによる振動などを用いて警告を行っても良い。
【0106】
また、上記の実施形態において、新規の不正発生パターンを作成する手段としては、システム提供者が不正度算出装置16の損出額通知部80から送信された情報をトリガーにして、レジ監視カメラ9の映像など店舗内で発生した状況を分析することで、不正パターンと検出方法を作成し、対象店舗で効果を確認する方法と、店舗側が独自に不正発生パターンを作成する方法がある。後者の場合、不正管理サーバー15は、不正発生パターンの送信元となる不正度算出装置16に対し、インセンティブ(例えば、金銭、ポイントの付与など)を付与しても良い。この構成によれば、各店舗が積極に不正発生パターンの作成、追加(または更新)を行うこととなり、不正監視システムSY全体での不正行為の軽減を図ることができる。
【0107】
また、上記の実施形態において、推奨機器特定部110により特定された推奨機器は、推奨機器通知部111により、各不正度算出装置16に通知されるとしたが、推奨機器特定部110による特定にしたがって、不正発生パターンを更新しても良い。例えば、不正度算出結果記憶部105の参照結果から、任意の不正発生パターンについて、店内監視カメラ11(m7)を用いた場合の不正度の平均値に比べ、店内カードリーダー14(m8)を用いた場合の不正度の平均値が極端に大きいと判定した場合などは、その不正発生パターンについて、店内監視カメラ11(m7)を削除する更新を行うことが好ましい。なお、この場合、検出機器に変更が生じるため、更新内容としては、既存の不正発生パターンを削除し、新規の不正発生パターンを追加する内容となる。この構成によれば、不正管理サーバー15により、適切な不正発生パターンを書き換えて、不正行為の検出確度を高めることができる。
【0108】
また、推奨機器通知部111は、通知する検出機器が複数存在する場合、優先順位をつけて推奨機器を通知することが好ましい。なお、この優先順位は、不正度算出結果記憶部105の参照結果に基づき、不正度の平均値が高い順に付与されることが好ましい。同様に、機器導入通知部108についても、1の不正発生要素に対して複数の検出機器が関連付けられている場合、優先順位をつけて(不正発生パターン内の不正発生要素ごとに、1以上の検出機器とその優先順位が予め定義されているものとする)、導入すべき機器名を通知することが好ましい。
【0109】
また、上記の実施形態に示した不正度算出装置16および不正管理サーバー15の各処理をプログラムとして提供することが可能である。また、そのプログラムを各種記録媒体(CD−ROM、フラッシュメモリー等)に格納して提供することも可能である。すなわち、コンピューターを、不正度算出装置16および不正管理サーバー15の各構成要素として機能させるためのプログラム、およびそれを記録した記録媒体も、本発明の権利範囲に含まれるものである。
【0110】
また、上記の各実施形態では、本発明の不正記録システムを、店舗内における不正防止のために用いたが、他の用途(店員の育成、管理)を目的としたシステムに適用しても良い。また、店舗サーバー12や不正管理サーバー15の各部を、POSシステムやWWWサーバーで実現しても良い。その他、上述した実施例によらず、不正監視システムSYのシステム構成や処理工程等について、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更が可能である。
【符号の説明】
【0111】
1…POS端末 2…レシートプリンター 3…ハンディスキャナー 4…レジカードリーダー 5…店員用リストバンド 6…カスタマディスプレイ 7…ヘッドセット 8…レシートスキャナー 9…レジ監視カメラ 10…レジカウンター 11…店内監視カメラ 12…店舗サーバー 13…店舗内LAN 14…店内カードリーダー 15…不正管理サーバー 16…不正度算出装置 23…記録用データーベース 62…例外処理検出部 68…オペレーター警告部 71…不正発生パターン記憶部 72…不正発生検出部 73…不正度算出部 74…不正度記録部 75…管理者警告部 76…不正度算出結果通知部 77…不正発生パターン通知部 78…稼動データー通知部 79…損失額算出部 80…損失額通知部 91…不正発生データーベース 92…機器情報データーベース 93…不正度算出結果データーベース 101…サーバー側不正発生パターン記憶部 102…装置ID記憶部 103…機器情報記憶部 104…機器情報更新部 105…不正度算出結果記憶部 106…不正発生パターン取得部 107…不正発生パターン更新部 108…機器導入通知部 109…未採用パターン通知部 110…推奨機器特定部 C…店員カード NT…ネットワーク SY…不正監視システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の不正度算出装置と、当該複数の不正度算出装置を統括する不正管理サーバーと、がネットワークを介して接続された不正記録システムであって、
各不正度算出装置は、
店舗内において想定される1以上の不正発生要素について、それぞれの重み付けである基礎点数を記述した不正発生パターンを記憶する不正発生パターン記憶部と、
前記1以上の不正発生要素について、それぞれ発生/非発生を検出する不正発生検出部と、
前記不正発生検出部により発生が検出された不正発生要素に対応する基礎点数を合計し、不正度を算出する不正度算出部と、を備え、
前記不正管理サーバーは、
前記複数の不正度算出装置のうちいずれかの不正度算出装置の前記不正発生パターン記憶部が更新された場合、その更新内容を他の不正度算出装置の前記不正発生パターン記憶部に反映させる不正発生パターン更新部を備えたことを特徴とする不正記録システム。
【請求項2】
前記不正発生パターン更新部は、いずれかの不正度算出装置の前記不正発生パターン記憶部に新規の不正発生パターンが追加された場合、当該新規の不正発生パターンを他の不正度算出装置の前記不正発生パターン記憶部に追加することを特徴とする請求項1に記載の不正記録システム。
【請求項3】
前記不正管理サーバーは、
各不正度算出装置の、前記不正発生検出部を実現するための1以上の検出機器に関する機器情報を記憶する機器情報記憶部をさらに備え、
前記新規の不正発生パターンに含まれる各不正発生要素には、各不正発生要素を検出可能な1種類以上の検出機器が関連付けられており、
前記不正発生パターン更新部は、前記新規の不正発生パターンが追加された場合、前記機器情報記憶部を参照し、当該新規の不正発生パターンに含まれる全ての不正発生要素について検出可能な検出機器を備えた不正度算出装置を対象として、前記不正発生パターン記憶部に前記新規の不正発生パターンを追加することを特徴とする請求項2に記載の不正記録システム。
【請求項4】
前記不正管理サーバーは、
前記複数の不正度算出装置のうちいずれかの不正度算出装置の前記不正発生パターン記憶部に、新規の不正発生パターンが追加された場合であって、前記機器情報記憶部の参照結果から、当該新規の不正発生パターンに含まれる全ての不正発生要素について検出可能な検出機器を備えていない不正度算出装置が存在すると判定した場合、当該不正度算出装置に対して、該当する検出機器の導入を促す通知を行う機器導入通知部をさらに備えたことを特徴とする請求項3に記載の不正記録システム。
【請求項5】
各不正度算出装置は、
前記不正発生検出部を実現するための1以上の検出機器について、その稼働状況を示す稼動データーを、前記不正管理サーバーに通知する稼動データー通知部をさらに備え、
前記不正管理サーバーは、
前記機器情報記憶部に記憶している機器情報を、各不正度算出装置から取得した前記稼動データーに基づいて更新する機器情報更新部をさらに備えたことを特徴とする請求項3または4に記載の不正記録システム。
【請求項6】
各不正度算出装置は、
在庫管理データーベースと、売上管理データーベースの参照結果に基づき、在庫品に対する売上予定額と、実際の売上との差額に相当する損失額を算出する損失額算出部と、
算出した前記損失額を、前記不正管理サーバーに通知する損失額通知部と、をさらに備え、
前記不正管理サーバーは、
前記複数の不正度算出装置の前記不正発生パターン記憶部に記憶されている全ての前記不正発生パターンを記憶するサーバー側不正発生パターン記憶部と、
前記サーバー側不正発生パターン記憶部に記憶されている各不正発生パターンについて、それを記憶している不正度算出装置の装置IDを記憶する装置ID記憶部と、
任意の不正度算出装置から、所定額を超える前記損失額が通知された場合、当該任意の不正度算出装置に対し、前記装置ID記憶部を参照して特定した、当該不正度算出装置に記憶されていない不正発生パターンである未採用パターンを、前記サーバー側不正発生パターン記憶部から読み出して通知する未採用パターン通知部と、を備えたことを特徴とする請求項3ないし5のいずれか1項に記載の不正記録システム。
【請求項7】
各不正度算出装置は、
前記不正度算出部により、所定値を超える不正度が算出された場合、警告を行う警告部をさらに備えたことを特徴とする請求項3ないし6のいずれか1項に記載の不正記録システム。
【請求項8】
各不正度算出装置は、
前記警告の対象となった前記不正度算出部の算出結果を、前記不正管理サーバーに通知する不正度算出結果通知部をさらに備え、
前記不正管理サーバーは、
前記機器情報記憶部を参照し、通知された前記不正度算出結果に、これを通知した不正度算出装置に備えられている1以上の検出機器を対応付けて記憶する不正度算出結果記憶部と、
前記不正度算出結果記憶部に記憶されている任意の不正発生パターンの前記不正度算出結果を、対応する検出機器ごとに集計した結果、対応する検出機器により偏りが生じている場合、不正度が高いまたは平均値に近い検出機器を、前記任意の不正発生パターンの推奨機器として特定する推奨機器特定部と、
前記任意の不正発生パターンを記憶している不正度算出装置であって、且つ前記推奨機器を備えていない前記不正度算出装置に対し、当該推奨機器を通知する推奨機器通知部と、をさらに備えたことを特徴とする請求項7に記載の不正記録システム。
【請求項9】
各不正度算出装置は、
会計処理部により、会計処理の一部の処理に相当する例外処理が発生したことを検出する例外処理検出部をさらに備え、
前記不正度算出部は、前記例外処理検出部により例外処理が検出されたことを条件として機能することを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の不正記録システム。
【請求項10】
前記例外処理検出部は、例外処理の種別を検出し、
前記不正発生パターン記憶部は、前記例外処理の種別ごとに、前記不正発生パターンを記憶しており、
前記不正度算出部は、前記不正発生パターン記憶部から、前記例外処理検出部により検出された例外処理の種別に対応する前記不正発生パターンを抽出して、不正度を算出することを特徴とする請求項9に記載の不正記録システム。
【請求項11】
複数の不正度算出装置と、当該複数の不正度算出装置を統括する不正管理サーバーと、がネットワークを介して接続された不正記録システムの制御方法であって、
各不正度算出装置は、
店舗内において想定される1以上の不正発生要素について、それぞれの重み付けである基礎点数を記述した不正発生パターンを記憶する不正発生パターン記憶部を備えており、
前記1以上の不正発生要素について、それぞれ発生/非発生を検出する不正発生検出ステップと、
発生が検出された不正発生要素に対応する基礎点数を合計し、不正度を算出する不正度算出ステップと、を実行し、
前記不正管理サーバーは、
前記複数の不正度算出装置のうちいずれかの不正度算出装置の前記不正発生パターン記憶部が更新された場合、その更新内容を他の不正度算出装置の前記不正発生パターン記憶部に反映させる不正発生パターン更新ステップを実行することを特徴とする不正記録システムの制御方法。
【請求項12】
コンピューターに、請求項11に記載の不正記録システムの制御方法における各ステップを実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−38130(P2012−38130A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−178382(P2010−178382)
【出願日】平成22年8月9日(2010.8.9)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】