説明

不飽和カルボン酸およびニトリルの製造方法

【課題】不飽和カルボン酸およびニトリルの製造方法の提供。
【解決手段】本発明は、アルカン原料中に存在する硫黄含有不純物が(アンモ)酸化反応から上流で除去される改善されたアルカン(アンモ)酸化方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、混合金属酸化物(MMO)触媒を用いて、不飽和カルボン酸もしくはニトリルへのアルカン(アンモ)酸化の方法に関する。詳細には、フィード中の硫黄不純物を除去する方法および硫黄不純物の還元形態を選択的に除去する方法に関する。さらに詳細には、プロパン、またはアクリル酸に酸化されるプロパン酸化フィードから硫黄不純物を除去することに関する。
【背景技術】
【0002】
本明細書において用いられる場合、用語「(メタ)アクリレート」の使用はアクリレートおよびメタクリレートの両方をさす。同様に、用語「(メタ)アクリル」は、アクリルもしくはメタクリルのいずれもさし;用語「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸もしくはメタクリル酸のいずれもさす。
【0003】
本明細書において用いられる場合、(アンモ)酸化なる用語は、プロパン、アンモニア、および酸素の混合物が触媒の存在下で主生成物としてニトリルに変換されるプロセス、およびプロパン、および酸素の混合物が触媒の存在下で生成物としてカルボン酸に変換されるプロセスの両方をさすことを意味する。
【0004】
不飽和カルボン酸の一例であるアクリル酸(AA)、およびニトリルの一例であるアクリロニトリルは、広範囲に及ぶ用途において使用される。典型的な最終用途としては:アクリルプラスチックシート:成型用樹脂;ポリ塩化ビニル改質剤;加工助剤;アクリルラッカー;塗料およびコーティング;建材;床磨き剤;シーラント;オートマチックトランスミッション液;クランクケース油改質剤;自動車コーティング;イオン交換樹脂;セメント改質剤;水処理ポリマー;電子部品用接着剤;金属コーティング;およびアクリル繊維が挙げられる。AAは、これが使用される製品に付与する硬さのために、これらおよび他の用途において特に重要である。これは、ある製品において用いられる場合、化学安定性および光安定性、ならびに紫外線耐性も向上させる。従って、AAは、優れた透明性、強度および屋外耐久性の樹脂を必要とする用途においてしばしば使用される。AA市場は、非常にコストに影響を受けやすく、従って、プロセス収率における改善は、若干であっても著しいコスト削減をもたらし得る。
【0005】
不飽和カルボン酸およびニトリルの製造用原料として使用することができる業務用のプロパンは、典型的には多くの硫黄含有化合物を含有し、例えばこれに限定されないが、メルカプタン(RSH、即ち、メチルおよびエチル)、二酸化硫黄(SO)、硫化カルボニル(COS)、硫化水素(HS)、硫化物(RSR)、および二硫化物(RSSR)(ここで、Rはアルキルまたはアリール基である)を含有する。業務用の典型的な規格レベルは全硫黄元素の重量基準で100から150ppmの範囲である。
【特許文献1】特開2001−342169号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
アルカンの(アンモ)酸化に有用な混合金属酸化物触媒上でのこれらの硫黄化合物の吸着および反応は、触媒性能および安定性に対して有害であり得る。長期性能、特に長期触媒安定性の損失が特に懸念される。例えば硫化水素などの硫黄化合物の還元形態のMMOアルカン酸化触媒上への吸着およびその後の反応は、触媒の構成触媒金属の酸化状態を還元し得る。従って、これらのMMOの触媒特性に重要なレドックス特性が影響を受ける場合があり、したがってアルカン酸化フィード中のこれらの還元化合物の存在は、触媒性能および/または安定性を低下させ、その結果、当該分野において「硫黄被毒」として知られる状態をもたらし得る。(アンモ)酸化フィード中の硫黄の低レベルの酸化形態は、MMO触媒に対して有害ではなく、実際、触媒寿命を改善し、(アンモ)酸化収率を向上させる。MMO触媒性能は、触媒が促進剤として硫黄酸化物を含有するように調製される場合にも改善される。従って、アルカン(アンモ)酸化フィードから硫黄の還元形態を選択的に除去する必要性が存在する。
【0007】
特開2001−342169号は、吸着プロセスにより、少量の硫黄不純物を含有するアクリル酸および/またはアクリロニトリルを製造する方法を開示している。この反応は、必須の元素としてMo、V、およびTeもしくはSbを含有する触媒を用いて、プロパンから行われ、ここでフィードガス全体は200ppm未満の硫黄を含有する。この出願は、例えばHS、COS、二硫化炭素、SO、RSH、RSR、RSSR、およびチオフェンなどの硫黄化合物の酸化および還元形態を排除するための、酸化亜鉛、活性炭、酸化銅、酸化鉄、ルテニウム、ニッケル、パラジウム、もしくはアルミニウム脱硫吸着剤の使用を開示している。
【0008】
アクリル酸もしくはアクリロニトリルの、プロパン(アンモ)酸化による商業的製造に関して、特開2001−342169号に開示されている脱硫吸着剤の使用は、それらが硫黄不純物を蓄積するか、もしくは硫黄不純物と反応するので、長期にわたるとそれらの物質が消耗する点で問題である。従ってそれらは定期的に再生もしくは交換しなければならず、従って、硫黄除去それ自体がバッチまたは半連続操作において行われる。吸着剤の再生もしくは交換は大規模連続プロセスに関しては煩雑で高価になる。従って、(メタ)アクリル酸もしくは(メタ)アクリロニトリルをアルカンから、硫黄が連続して除去されるプロセスにより製造する方法が必要とされる。
【0009】
さらに、(メタ)アクリル酸もしくは(メタ)アクリロニトリルをアルカンから製造する方法に関してアルカン酸化フィード中に存在する硫黄の酸化形態から利益を得るために、硫黄の還元形態が選択的に除去される方法が必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の改善されたアルカン(アンモ)酸化方法は、連続硫黄除去技術を本発明の分野において公知のアルカン(アンモ)酸化技術と統合することにより、硫黄被毒の問題を回避し、方法効率を増大させ、アルカン(アンモ)酸化反応から硫黄を選択的に除去する方法を提供する。
【0011】
本発明の有効な硫黄除去技術は、これに限定されないが、主に、吸着および吸収ユニット操作を含む。前者に関して、業務用のアルカン原料を、床中に保持されているかもしくは液体中に懸濁された固体吸着剤上を通過させ、前記吸着剤上に硫黄が選択的に吸着する。吸着剤は定期的に再生するか、もしくは交換する必要があり、従って、硫黄除去はバッチまたは半連続方式で行われる。吸収技術は原料を液体吸収剤に付し;硫黄不純物は化学反応もしくは吸収剤での溶媒和により保持される。吸収は連続もしくはバッチ方式において操作される。
【0012】
本発明の一つの態様において、アルカンを、不飽和カルボン酸もしくはニトリルに(アンモ)酸化する方法であって:
i.アルカンを酸素、酸素およびアンモニア、もしくは酸素およびアンモニア含有ガスと酸化触媒の存在下で反応させて、少なくとも1種の不飽和カルボン酸もしくはニトリル、およびある硫黄不純物濃度を含むある濃度の飽和カルボン酸もしくはニトリルを含む生成物を得て;
ii.吸収プロセスにより硫黄不純物濃度を下げること;
を含む方法が提供される。
【0013】
本発明の第二の態様において、アルカンを不飽和カルボン酸もしくはニトリルに(アンモ)酸化する方法であって:
i.アルカンを酸素、酸素およびアンモニア、もしくは酸素およびアンモニア含有ガス、例えば空気と触媒の存在下で反応させて、少なくとも1種の不飽和カルボン酸もしくはニトリルおよびある硫黄不純物濃度を含むある濃度の飽和カルボン酸もしくはニトリルを含む生成物を得;(ここで、硫黄不純物濃度は硫黄の還元形態を含む);
ii.アルカンもしくは(アンモ)酸化フィードから、吸収プロセスにより、ある濃度の還元硫黄形態不純物を選択的に除去することを含む方法が提供される。
【0014】
本方法は、単一の反応容器中で、少なくとも1種のC〜C直鎖もしくは分岐アルカンを反応させることを含む。本明細書において用いられる場合、「C〜C直鎖もしくは分岐アルカン」なる用語は、アルカン分子あたり、3から8個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖アルカン(例えば、プロパン、ブタンおよびペンタンが挙げられる)を意味するが、さらに長いアルカンも使用することができる。特に、C〜C直鎖もしくは分岐アルカンが本発明のアルカンの例である。
【0015】
アルカンがプロパンを含む場合、不飽和カルボン酸はアクリル酸を含み、およびニトリルはアクリロニトリルを含む。アルカンを酸素と、もしくは不活性ガス、例えば、窒素との混合物中に存在する酸素と、触媒の存在下、550℃、480℃、および400℃の上限から250℃、275℃、および300℃の下限までの範囲の温度で反応させる。全ての温度範囲は両端を含み、組み合わせ可能である。
【0016】
一つの実施形態において、触媒は実験式:

(式中、Aは、MoおよびWからなる群から選択される少なくとも1つの元素であり;MはVおよびCeからなる群から選択される少なくとも1つの元素であり;NはTe、SbおよびSeからなる群から選択される少なくとも1つの元素であり;XはNb、Ta、Ti、Al、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ni、Pt、Sb、Bi、B、In、As、Ge、Sn、Li、Na、K、Rb、Cs、Fr、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Ra、Hf、Pb、P、Pm、Eu、Gd、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLuからなる群から選択される少なくとも1つの元素であり;ZはZn、Ga、Ir、Sm、Pd、Au、Ag、Cu、Sc、Y、Pr、NdおよびTbからなる群から選択される少なくとも1つの元素であり;a=1である場合、b=0.01〜1.0、c=0.01〜1.0、d=0.01〜1.0、e=0〜0.1、およびfは他の元素の酸化状態に依存する)
を有する混合金属酸化物(MMO)を含む。
【0017】
反応物質を希釈剤と混合するか、もしくは他の方法で希釈剤を提供する。希釈剤は好ましくは室温および周囲圧力で気体であり;既存の反応条件下で反応環境に対して不活性である。好適な気体としては、窒素、アルゴン、ヘリウムなどが挙げられる。希釈剤の量は特に重要ではないが、好ましくは、使用される場合、反応容器への全フィードに基づいて、0.1モルパーセント以上から70モルパーセントまでの量で存在する。さらに、蒸気がフィードガス中、0から50パーセントまで変化する量で存在してもよい。
【0018】
好適な反応容器は、気相均一反応を行うために設計され、これに限定されないが、固定床、流動床、プレート・フレーム、およびミクロチャンネルリアクターを包含する。プロパンが出発アルカンとして使用され、空気が酸素源として使用される場合、反応容器は固定床システムであるか、もしくは流動床システムであってよい。反応システムに供給される空気の比率は、得られるアクリル酸もしくはニトリルについての選択性に関して重要である。アクリル酸に関して、供給される空気の比率は、通常最高で25モルであるが、通常、プロパン1モルあたり0.2から18モルの範囲であり、これによりアクリル酸について高い選択性を得ることができる。この反応は、大気圧下で行うことができる。しかしながら、反応は、若干高い圧力もしくは若干低い圧力で行うこともできる。他のアルカン、例えば、イソブタンに関して、フィードガスの組成はプロパンについての条件に従って選択することができる。
【0019】
プロパンのアクリル酸もしくはメタクリル酸又はアクリロニトリルへの酸化について典型的な反応条件を本発明の実施において使用することができる。方法は、新鮮なフィードのみが反応容器に供給されるシングルパスモード、もしくは反応容器流出物の少なくとも一部が反応容器に戻されるリサイクルモードで実施してもよい。本発明の方法についての一般的条件は次のとおりである:反応温度は550℃、480℃、400℃の上限から、250℃、275℃、および300℃の下限までの範囲であり;気相反応容器中におけるガス空間速度「SV」は、典型的に、10000、6000、および2000hr−1の上限から300、200、および100hr−1の下限までの範囲内であり;触媒との平均接触時間は、10、8、6、および2秒の上限から、0.01、0.01、0.5および1秒の下限までの範囲でありえ;反応領域における圧力は、通常、0から75psigの範囲であるが、典型的には、50psig以下である。前記範囲の値は全て両端を含み、所定の組の中で組み合わせ可能である。シングルパスモードプロセスにおいて、酸素は酸素含有ガス、例えば、空気から供給されるのが好ましい。シングルパスモードプロセスは、酸素を添加して行うこともできる。リサイクルモードプロセスの実施において、それ自体による酸素ガスが、反応領域における不活性ガスの増加を回避するための好ましい供給源である。
【0020】
少なくとも1種のアルカンを酸素、酸素およびアンモニア、または酸素およびアンモニア含有ガス(例えば、空気など)と、少なくとも1種の触媒の存在下で反応させた結果として、少なくとも1種の不飽和カルボン酸もしくはニトリルおよび少なくとも1種の硫黄不純物を含有するある濃度の飽和カルボン酸もしくはニトリルを含む生成物が形成される。本明細書において用いられる場合、「硫黄不純物」とは、HS、COS、二硫化炭素、SO、RSH、RSR、RSSR、およびチオフェンを意味する。
【0021】
1つの実施形態において、これらの硫黄化合物は、物理的吸収により除去される。硫黄化合物は、アルカンもしくは(アンモ)酸化フィードガスを吸収領域において吸収剤と接触させることにより除去される。本明細書において用いられる場合、「吸収領域」は、硫黄化合物が吸収剤中に吸収される反応プロセスにおける有形の場所として定義される。硫黄化合物を含有する吸収剤を次に、同様に吸収された硫黄化合物が、例えば、フラッシュ蒸発もしくはストリッピングにより除去される脱離領域に連続して循環させる。吸収剤を連続して脱離領域から集め、吸収領域に戻し;次に、脱離領域において集められた硫黄化合物を廃棄する。硫黄化合物の好適な物理吸収剤としては、これに限定されないが、メタノール、ポリエチレングリコールのジメチルエーテル、プロピレンカーボネート、スルホラン、および1−アセチルモルホリンが挙げられる。典型的な物理的吸収プロセスの非制限的例は圧力スイング吸収である。
【0022】
もう一つ別の実施形態において、硫黄化合物は、硫黄化合物が吸収領域において吸収され、脱離領域において脱離される点で物理的吸収プロセスと同様に機能する化学的吸収により除去される。決定的な違いは、硫黄化合物が可逆的化学反応または錯体形成により吸収剤と化学的に相互作用することである。硫黄化合物の好適な化学吸収剤としては、水性有機アミン、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジグリコールアミン、およびメチルジエタノールアミン、ならびに水性アルカリ炭酸塩、例えば、炭酸カリウムが挙げられる。商業的な化学吸収プロセスの一例は、Petrolite’s Sulfa−scrub HSWプロセスであって、このプロセスにおいて、硫黄は水性トリアジン中への吸収により天然ガスから除去される。
【0023】
本発明のもう一つ別の態様において、本方法は、アルカンもしくは(アンモ)酸化フィードガスからの、硫黄化合物の還元硫黄形態の選択的除去として特徴づけられる。硫黄のかかる還元形態の例としては、これに限定されないが、HS、RSH、RSR、RSSR、およびチオフェンが挙げられる。選択的吸着剤は、バッチまたは半連続硫黄化合物除去に使用することができ、選択的吸収剤は、連続硫黄化合物除去に使用することができる。有用な吸着剤の一例は酸化鉄である。硫黄化合物は酸化鉄と反応し、これは消費され、最終的に再生または廃棄されるべきである。硫化水素は、例えば、反応して、硫化鉄および水を形成する。メルカプタンは反応して、鉄メルカプチドを形成する。使用済み吸着剤は、酸素との反応により再生される。硫化鉄を、例えば、酸化鉄および硫黄元素を回収するために、酸素と反応させる。酸化鉄は典型的には固定床において提供される。「海綿鉄」と一般に呼ばれる手段は、木材チップへの含浸もしくは酸化鉄粒子での切削を含む。
【0024】
同様に、硫黄は、典型的にはスラリーとして提供される酸化亜鉛粒子上に吸着させることもできる。酸化亜鉛粒子は典型的には水性酢酸亜鉛溶液中に懸濁される。吸着メカニズムは酸化鉄上への吸着と同様であるが、硫化鉄とは異なり、硫化亜鉛は再生することができない。
【0025】
別法として、硫黄はモレキュラシーブ上に吸着させることができる。硫黄成分は、化学反応ではなく、物理的吸着の作用により除去される。再生は、熱ガスを吸着剤上に大気圧以下の圧力で通すことにより達成される。
【0026】
最後に、硫黄除去は、商業的吸着技術により行うことができる。かかる商業的技術の一つに非制限的例はEngelhard Selexsorb吸着剤を使用するSulfaTreat114プロセスである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルカンを不飽和カルボン酸またはニトリルにアンモ酸化する方法であって:
i.アルカンを酸素、酸素およびアンモニア、または酸素およびアンモニア含有ガスと酸化触媒の存在下で反応させて、少なくとも1種の飽和カルボン酸もしくはニトリルおよびある硫黄不純物濃度を含むある濃度の飽和カルボン酸もしくはニトリルを含む生成物を得て;
ii.吸収プロセスにより硫黄不純物濃度を下げること;
を含む方法。
【請求項2】
前記吸収プロセスが物理的吸収である請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記吸収プロセスが化学的吸収である請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記吸収プロセスが連続的である請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記アルカンがプロパンであり、および前記不飽和カルボン酸がアクリル酸である請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記酸化触媒が実験式:

(式中、Aは、MoおよびWからなる群から選択される少なくとも1つの元素であり;MはVおよびCeからなる群から選択される少なくとも1つの元素であり;NはTe、SbおよびSeからなる群から選択される少なくとも1つの元素であり;XはNb、Ta、Ti、Al、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ni、Pt、Sb、Bi、B、In、As、Ge、Sn、Li、Na、K、Rb、Cs、Fr、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Ra、Hf、Pb、P、Pm、Eu、Gd、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLuからなる群から選択される少なくとも1つの元素であり;ZはZn、Ga、Ir、Sm、Pd、Au、Ag、Cu、Sc、Y、Pr、NdおよびTbからなる群から選択される少なくとも1つの元素であり;および、a=1である場合、b=0.01〜1.0、c=0.01〜1.0、d=0.01〜1.0、e=0〜0.1、およびfは他の元素の酸化状態に依存する)
を有する混合金属酸化物である請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記硫黄不純物が吸収により連続的に除去される請求項1記載の方法。
【請求項8】
アルカンを不飽和カルボン酸もしくはニトリルに(アンモ)酸化する方法であって:
i.アルカンを酸素、酸素およびアンモニア、または酸素およびアンモニア含有ガス(例えば空気)と触媒の存在下で反応させて、少なくとも1種の不飽和カルボン酸もしくはニトリルおよびある硫黄不純物濃度を含むある濃度の飽和カルボン酸もしくはニトリルを含む生成物を得て(ここで、硫黄不純物濃度は硫黄の還元形態を含む);
ii.アルカンもしくは(アンモ)酸化フィードから、吸着プロセスにより、ある濃度の還元硫黄形態不純物を選択的に除去することを含む方法。
【請求項9】
吸着プロセスが物理的吸着である請求項8記載の方法。
【請求項10】
吸着プロセスが化学的吸着である請求項8記載の方法。

【公開番号】特開2009−51816(P2009−51816A)
【公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−167142(P2008−167142)
【出願日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【出願人】(590002035)ローム アンド ハース カンパニー (524)
【氏名又は名称原語表記】ROHM AND HAAS COMPANY
【Fターム(参考)】