説明

両足踏下駆動式の立乗り型乗物

【課題】 爪先を動かさずに踵を上下動させるような足踏みの体勢で左右の踏下板を交互に踏下げることにより前進できる新規の両足踏下駆動式の立乗り型乗物を提供する。
【解決手段】 車台の前部にハンドル付き舵取輪を備え後部に駆動輪を備えた立乗り型乗物に関し、車台の上面には立乗り者が左右各足の踵への体重移動動作により交互に踏み下げる左右一対の踏下板が設けられ、これら左右各踏下板には踏み下げ前の状態に戻す力を常に付与するための戻し部が附設され、またこれら左右各踏下板と上記駆動輪の間には左右各踏下板の踏み下げ作動中のみ当該作動力を駆動輪の前進力に変えて当該駆動輪に伝えるフリーホイール等伝動部が設けられ、ハンドルは倒しうる構成にされ、車台には伸縮部が設けられ、荷物載せ部が設けられたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、爪先を動かさずに踵を上下動させるような足踏みの体勢で左右の踏下板を交互にゆっくりと踏下げることにより前進できる両足踏下駆動式の立乗り型乗物に関する。具体的には荷物載せ部を備えた両足踏下駆動式の立乗り型乗物に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、多用されている自転車は、比較的広いスペースを占領するために、混雑する道路では迷惑がられ、電車内やショッピングセンター等公衆利用の建物内には入れてもらえないのみならず駐輪場所の確保が難しいというような問題があった。
【0003】
他方、移動手段として、軽量小型で携行性に優れているキックボードを利用する人も決して少なくない。しかも、キックボードは電車内やショッピングセンター等公衆利用の建物内への持込ができることから、電車移動する時の駅までの移動および駅からの移動やショッピングに便利に役立ている人も多い。
【0004】
しかしながら、キックボードは、キックし続けるには体力を必要とするものであって、体力的には若年者向きで、高年齢者向き、婦人向きに構成されていなく、ゆっくり行動したい人が安全に行動するようにはなっていないものであった。また、折り畳んでコンパクトにできるようになってはいるが、電車内やショッピングセンター等公衆利用の建物内への持込には未だ充分に小さいとは言えない構成になっている。さらには、片足で地面を蹴って前進する必要があるタイプのキックボードや片足でペダルを蹴るタイプのキックボード(特許文献1参照)による場合には、これに荷物を載せることは安全ではないので、リュックサックを背負ったスタイルでショッピングをすることが多くなり、背負うことを好まない人には向いていない。況してや店内でショッピング・カートとして使用するようなことはできないものであった。
【特許文献1】特開2005−263193号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記のような実情に鑑み、軽量小型で移動性および携行性に優れた立乗り型乗物、具体的には混雑する道路での迷惑を軽減でき、電車内やショッピングセンター等大衆利用の建物内への持込ができ、電車移動の際の駅までの移動および駅からの移動やショッピングした荷物の運搬に便利に使用できるようにした、ゆっくり走行が可能な新規の両足踏下駆動式の立乗り型乗物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に係る両足踏下駆動式の立乗り型乗物は、車台の前部にハンドル付き舵取輪を備え後部に駆動輪を備えた立乗り型乗物に関し、車台の上面には立乗り者が左右各足の踵への体重移動動作により交互に踏み下げる左右一対の踏下板が設けられ、これら左右各踏下板には踏み下げ前の状態に戻す力を常に付与するための戻し部が附設され、またこれら左右各踏下板と上記駆動輪の間には左右各踏下板の踏み下げ作動中のみ当該作動力を駆動輪の前進力に変えて当該駆動輪に伝えるフリーホイール等伝動部が設けられたことを特徴とする。
【0007】
したがって、請求項1に係る両足踏下駆動式の立乗り型乗物は、車台の上に設けた左右一対の踏下板を左右各足の踵への体重移動動作すなわち爪先を動かさずに踵を上下動させるような足踏みの体勢で左右の踏下板を交互に踏み下げることにより人力前進および慣性前進させることができる。すなわち、上記の特許文献1により開示されたペダルを蹴るタイプのキックボードに比べて操作しやすく、疲労度も危険度も少ない乗物を提供できる。
【0008】
なお、本文中、人力前進とは、駆動輪が左右各踏下板の踏み下げ作動力を受けて回転している間だけの走行のことであり、慣性前進とは、駆動輪が左右各踏下板の踏み下げ作動力を受けていない間の人力前進の惰性などによる走行のことである。
【0009】
また、請求項2に係る両足踏下駆動式の立乗り型乗物は、ハンドルが前方または後方若しくは両方へ倒しうる構成にされたことを特徴とする。
【0010】
したがって、ハンドルは、本来の舵取り機能の他に前方に倒してカートの曳き手として使用することができ、また全体を小さく折畳む場合には後方に倒すことができる。
【0011】
また、請求項3に係る両足踏下駆動式の立乗り型乗物は、車台には短い状態にするための伸縮部が設けられたことを特徴とする。
【0012】
したがって、車台の伸縮部は、全体をより小さく折畳むことを可能にする。
【0013】
また、請求項4に係る両足踏下駆動式の立乗り型乗物は、ハンドルの軸部には高い若しくは低い状態にするための調整部が設けられ且つハンドルの握り部には横への張出し長さを短くするための折畳部若しくは伸縮部が設けられたことを特徴とする。
【0014】
したがって、ハンドルの軸部に設けた調整部は、立乗り者の身長に適合したハンドルの高さに任意に調節することを可能にするのみならず全体を小さく折畳むことを可能にする。また握り部の折畳部若しくは伸縮部は全体を小さく折畳むことを可能にする。
【0015】
また、請求項5に係る両足踏下駆動式の立乗り型乗物は、ハンドル又は車台若しくは両方には、荷物載せ部が設けられたことを特徴とする。
【0016】
したがって、荷物載せ部は、ショッピングセンター等内ではショッピングカートの品物入れ部として、またショッピングした品物の持ち帰りにはその運搬に使用することができる。すなわち、本発明に係る両足踏下駆動式の立乗り型乗物は、ショッピングセンターの入口までの乗物として、また出口を出てからの乗物として利用でき、店内の入口ではショッピングカートに早代わりさせて、また出口では乗物に早代わりさせて利用できる。結果として上記リュックサックの使用を解消できる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、混雑する道路での迷惑を軽減でき、電車内やショッピングセンター等大衆利用の建物内への持込ができ、電車移動の際の駅までの移動および駅からの移動やショッピングした荷物の運搬に便利に使用できる新規の両足踏下駆動式の立乗り型乗物を提供するという所期の目的を完全に達成できる。
【0018】
本発明に係る両足踏下駆動式の立乗り型乗物は、爪先を動かさずに踵を上下動させるような足踏みの体勢で左右の踏下板を交互に操作することが可能であり、左右一対の踏下板の操作に緩急をつけて速度コントロールすることが容易にできるから安全な走行をし易い利点があるのみならず上記したように爪先を動かさないので、踏下板を操作する踵に位置がズレが生じてしまうような事態を招く惧れがなく、安定した安全な前進操作ができる。したがって、混雑する道路での迷惑を軽減できる。
【0019】
また、車台を短くし且つハンドルを後方に倒し且つ握り部を小さく折畳む若しくは縮めることで全体を小型にすることが可能であるので、電車内やショッピングセンター等大衆利用の建物内への持込に有利である。さらにハンドル又は車台若しくは両方に設けた荷物載せ部には、ショッピングした荷物等を収納して運ぶことができるから、ショッピングセンター等内ではショッピングカートとして利用でき、代金支払い後は品物を積んだそのままで外に出ることも可能になるので煩わしさがなく利便である。しかも、ショッピングした荷物や鞄等を収納して運ぶ際には、乗って移動することも、ハンドルを前方に倒した状態で曳いて移動することができるので便利に役立てることができる。電車での通勤、通学の場合には鞄等を荷物載せ部に入れて移動できる重宝さがあるのみならず荷物載せ部に荷物を載せて両手をフリーにできるからハンドル操作、踏下げ操作等を安全に行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1〜図5は、本発明の第1実施の形態に係る両足踏下駆動式の立乗り型乗物を示すものであり、図1は要部拡大側面図であり、図2は全体を示す側面図であり、図3は同じく平面図であり、図4は折り畳んだ状態を示す側面図であり、図5は同じく平面図である。
【0021】
この第1実施の形態に係る両足踏下駆動式の立乗り型乗物1は、車台2の前部にハンドル3付き舵取輪4を備え、後部に駆動輪5を備え、また車台2の後部寄り個所の上面に左右一対の踏下板6a、6bを備えた構成にしてあり、これら左右一対の踏下板6a、6bを立乗り者(図示せず)が左右各足の踵への体重移動動作で交互に踏み下げることにより人力前進し、当該人力前進による慣性により慣性前進するようにしてあるものである。なお、本発明は舵取輪4を二輪タイプ構造にすることは任意である。
【0022】
上記車台2は、前端にハンドル3付き舵取輪4を舵取り自在に支持する支承軸7を有する前半部フレーム8と、後端寄り個所に左右対の軸承部9a、9bおよび車軸10を介して駆動輪5を回転自在に支承した後半部フレーム11とからなり、そして前半部フレーム8と後半部フレーム11とは、前半部フレーム8が有する細径の前半部パイプ12a、12bを後半部フレーム11が有する太径の後半パイプ13a、13b内に摺動可能に嵌挿することにより連結されている。これにより上記車台2は、任意に長尺状態にしたり短尺状態にしたりすることができる。なお、図には示していないが、上記車台2には、長尺状態の維持または短尺状態の維持をするための長さ維持装置を設けてある。この長さ維持装置としては、ピンと当該ピンを択一に挿し込んで止める並列配置の複数個の孔からなる単純な構成の長さ維持装置でも、ロックができるような複雑な構成の長さ維持装置でもよく、またはコレットチャック式、ネジ止め式のものでも良い。さらには、本発明にあって車台2は、立乗り者の体格に合わせてその長さを任意に調節しうる構成にすることができる。
【0023】
ハンドル3付き舵取輪4は、前方に倒した状態に維持したり後方に倒した状態に維持したりしうる倒れ角度維持装置14をハンドル3の基端寄り個所に設けてあり、ハンドル3は必要に応じて任意に前方または後方に倒した状態に維持できるようにしてあり、ハンドル3の左右握り部3b、3bは必要に応じて任意に折り畳んで短い状態にできるようにしてある。なお、この左右握り部3b、3bを短い状態にする構造は伸縮させる構成のものであってもよい。
【0024】
図に示す倒れ角度維持装置14は、ハンドル3の軸部3aを基端で切離し状態にし、一方の切離端には中間回転板15を固定し他方の切離端には両側固定板16a、16bを固定すると共に中間回転板15を両側固定板16a、16b間に挟んだ状態にし且つ中心軸17により回転可能に支承することによりハンドル3を前後に倒しうるようにし、また、外周縁に多数本の爪状ピン18・・を均等配置で設けた円形の操作ツマミ19a付き操作板19と一方の固定板16aに車座配置で設けた多数個のピン孔20・・との係合・離脱操作により倒れ角度の維持機能を果たすようにしてある。
【0025】
爪状ピン18・・とピン孔20・・との係合・離脱操作は、使用者が操作ツマミ19aを一方の固定板16aから離す方向に引いたときに離脱し、放したときに係合しうる状態になる構成にしてある。なお、倒れ角度維持装置14は、要するにハンドル3を前後に倒しうる機能および倒れ角度を維持する機能を備えているものであれば足りるので、他の構造例えば爪装置とネジ締め装置とを組み合わせた構造等の装置でも実施することができる。
【0026】
左右一対の踏下板6a、6bは、その前端部が上記後半部フレーム11の後半パイプ13a、13bの上に渡し固定した取付板21に左右対の軸承部22a、22bおよび支承軸23a、23bを介して支承され、この支承軸23a、23bを中心にして後端が上下に揺動するようにしてある。また、これら各踏下板6a、6bは、弾機装置24a、24bにより無荷重状態時には自動的に上方に戻るようにしてある。なお、この弾機装置24a、24bは、図に示すように上記支承軸23a、23bを中心とする円弧形状のガイド軸25と当該ガイド軸25に沿って伸縮するコイルバネ26とにより構成されているが、本発明は当該構成の弾機装置24a、24bに拘る必要はなく、板バネやトーションバネ等を採用した構成にしてもよい。
【0027】
さらに、上記左右各踏下板6a、6bの揺動端の下面には扇形歯車28a、28bが固定され、また上記駆動輪4の車軸10には扇形歯車28a、28bと常時噛合する左右の駆動歯車29a、29bが爪車(ラチェット)とバネの付いた爪の組み合わせによる周知のフリーホイール30を介して取り付けられている。したがって、立乗り者(図示せず)によって左右各踏下板6a、6bが左右各足の踵による踏下力により下降作動している間にのみ扇形歯車28a、28bの回転力を前進力として駆動輪5に伝えるようにしてある。上記のフリーホイール30は、左右各踏下板の踏み下げ作動中のみ当該作動力を駆動輪の前進力に変えて当該駆動輪に伝える装置であるが、本発明は、フリーホイール30と同等の機能を果たす他の装置を採用することができる。
【0028】
また、上記左右各踏下板6a、6bの基端(前端)部には、爪先部を当てて安定させるための反上り形状当り部31を設けてあり、これにより左右各足の踵による踏下動作を行う際の足の位置決め、足の遊動阻止ができ、安全に踏下動作を行い得るようにしてある。また、上記の当り部31は、上記爪先を動かさない足踏みの体勢を行う場合において左右各踏下板6a、6bが弾機装置24a、24bにより上方に戻るときには、当該左右各踏下板6a、6bに対して靴底を正しい位置に密着させるのに有効に機能するので、結果として、踵による左右各踏下板6a、6bの踏下げ力のロスを少なくすることができる。そしてその分、前進力を増すことができるから疲労要因を減らすことができる。
【0029】
なお、図中符号32は、後端縁を上記取付板21の前端縁にヒンジ部33を介して起伏自在に取り付けた補助板であって、荷物や荷箱を載せる等に使用するものである。この補助板32は、折畳自在な箱型構造、皿状構造、取外自在構造にすることができる。また、この補助板32は設けない構成で実施することもある。
【0030】
第1実施の形態に係る両足踏下駆動式の立乗り型乗物1は、路上を移動する場合には、先ず片方の足の踵で片方の踏下板を踏み下げて惰性をつけてから他方の足を他方の踏下板に載せて他方の踏下板の踏下動作を行う要領で前進走行状態にし、その後は足の踵の踏下動作を交互に連続的若しくは間欠的に行えばよいものである。このようにすれば人力による前進および当該人力前進による慣性前進ができ、踏下動作の速さに意識的に緩急をつけることができ、好みの速さの走行ができる。
【0031】
また、第1実施の形態に係る両足踏下駆動式の立乗り型乗物1は、図4および図5に示すように折り畳むことができる。すなわち、先ず補助板32を起してから踏下板6a、6bの上に倒し重ねたのちに車台2を短くし且つハンドル3の握り部3bを短くしてからハンドル3の軸部3aを後方に倒すことで小さく折り畳むことができる。この場合、ハンドル3の軸部3aは、図5に示すように、後輪5に当らないように二股形状にしてある。
【0032】
また、第1実施の形態に係る両足踏下駆動式の立乗り型乗物1は、ハンドル3を図2において仮想線で示すように、前方斜めに倒した状態にしてカートとして使用することが可能である。すなわち、補助板32の上に適宜に荷物34を載せ、そして上記の前方斜めに倒したハンドル3を曳いて移動したり、ハンドル3を図2において実線で示すように立てた状態のまま恰も自転車を乗らずに曳くような要領で移動したりできる。また、路上を単に所謂空の状態で引き回し移動したい場合にも、ハンドル3を前方斜めに倒した状態で移動できるので便利である。なお、ハンドル3を前方斜めに倒して曳き移動する場合に曳き易くするために、ハンドル3の適宜個所に曳き用の取手を設けることもできる。
【0033】
図6〜図8は、第2実施の形態に係る両足踏下駆動式の立乗り型乗物36を示すものであり、図6は全体を示す側面図であり、図7は同じく平面図であり、図8は折り畳んだ状態を示す側面図である。
【0034】
この第2実施の形態に係る両足踏下駆動式の立乗り型乗物36は、上記第1実施の形態に係る両足踏下駆動式の立乗り型乗物1とは、基本的には同様の構成にしてあるから、同じ部位には同一の符号を付してその詳細説明は省略することにする。特に異なる部分を次に続けて説明する。すなわち、後輪は二輪の駆動輪5a、5bとしてあり、前半部フレーム8および後半部フレーム11は一本構造にしてあり、ハンドル3の軸部3aには荷物カゴ37を取り付けてあり、ハンドル3は任意に高くしたり低くしたりできる構成にしてあるものである。なお、ハンドル3の高低変更構造部38は、レンチハンドル付きネジを一旦緩めてから締め付けて固定する周知の構造にしてあるが、その詳細説明は省略する。さらには、本発明にあってハンドル3は、立乗り者の体格に合わせてその長さを任意に調節しうる構成にすることができる。
【0035】
図9および図10は、第3実施の形態に係る両足踏下駆動式の立乗り型乗物39を示すものであり、図9は全体を示す側面図であり、図10はカートとしての使用形態を示す側面図である。
【0036】
この第3実施の形態に係る両足踏下駆動式の立乗り型乗物39は、上記第2実施の形態に係る両足踏下駆動式の立乗り型乗物36とは、基本的には同様の構成にしてあるから、同じ部位には同一の符号を付してその詳細説明は省略することにする。特に異なる部分を次に続けて説明する。すなわち、走行移動に使用するときには図9に示すようにハンドル3のところへ折り畳んでおけるようにした荷台40を備えているものである。なお、この荷台40は、前端部41が車台2に軸承された起伏自在な台板42と、当該台板42を起立状態または倒伏状態に維持する伸縮可能な脚棒43と、荷重を支える支え脚(図中省略してある)とにより折畳状態にしたり使用状態にしたりできるようにしてあるが、当該荷台40の折畳構造は、特に本願の要点ではなく、周知の構成にしてあるので、本文ではその詳細説明は省略する。要するに、本願にあって荷台40は、使用する場合には使用の状態にでき、不要の場合には走行動作の邪魔にならない状態に折り畳んでおくことができる構成であればよく、図に示す以外の構成にすることは任意である。
【0037】
本発明は、上記にあっては、前一輪・後一輪のタイプおよび前ー輪・後二輪のタイプについて述べたが、前二輪・後一輪のタイプや、前二輪・後二輪のタイプで実施することができる。また、左右各踏下板の踏み下げ動作力を駆動輪の前進力に変えて当該駆動輪に伝える伝動部および当該前進力を受けていない状態の駆動輪を遊転自在にする許容部に歯車機構およびフリーホイールを用いた構成について述べたが、チェーン・スプロケットからなるチェーン機構とフリーホイールからなるものを用いてもよい。要するに、伝動部は、左右各踏下板の踏み下げ作動中のみ当該作動力を駆動輪の前進力に変えて当該駆動輪に伝える機構であれば足りるから他の機構であってもよい。さらには、上記のように後輪を二輪構成にした場合には差動ギヤを用いて左右の車輪の回転を滑らかにするようにしてもよい。
【0038】
また、本発明に係る両足踏下駆動式の立乗り型乗物は、上記したように、爪先を動かさずに踵を上下動させるような足踏みの体勢で左右の踏下板を交互に踏下げることで速度コントロールしながらゆっくり移動できるので、床に段差がないリハビリ施設内であれば、踵への体重移動ができるリハビリ中の訓練者等でも安全に施設内移動に使用でき、歩行の訓練にもなるものである。なお、このような使用に供するものである場合には、転倒等に備えて安全用ガードをつけて実施・提供することが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】要部拡大側面図である。
【図2】第1実施の形態を示す全体の側面図である。
【図3】同じく平面図である。
【図4】折り畳んだ状態を示す側面図である。
【図5】同じく平面図である。
【図6】第2実施の形態を示す全体の側面図である。
【図7】同じく平面図である。
【図8】折り畳んだ状態を示す側面図である。
【図9】第3実施の形態を示す全体の側面図である。
【図10】カートとしての使用形態を示す側面図である。
【符号の説明】
【0040】
1 第1実施の形態に係る両足踏下駆動式の立乗り型乗物
2 車台
3 ハンドル
3a 軸部
3b 左右握り部
4 舵取輪
5、5a、5b 駆動輪
6a、6b 踏下板
7 支承軸
8 前半部フレーム
9a、9b 軸承部
10 車軸
11 後半部フレーム
12a、12b 前半部パイプ
13a、13b 後半パイプ
14 倒れ角度維持装置
15 中間回転板
16a、16b 両側固定板
17 中心軸
18 爪状ピン
19 操作板
19a 操作ツマミ
20 ピン孔
21 取付板
22a、22b 軸承部
23a、23b 支承軸
24a、24b弾機装置
25 ガイド軸
26 コイルバネ
28a、28b 扇形歯車
29a、29b 駆動歯車
30 フリーホイール
31 当り部
32 補助板
33 ヒンジ部
34 荷物
36 第2実施の形態に係る両足踏下駆動式の立乗り型乗物
37 荷物カゴ
38 高低変更構造部
39 第3実施の形態に係る両足踏下駆動式の立乗り型乗物
40 荷台
41 前端部
42 台板
43 脚棒

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車台の前部にハンドル付き舵取輪を備え後部に駆動輪を備えた立乗り型乗物に関し、車台の上面には立乗り者が左右各足の踵への体重移動動作により交互に踏み下げる左右一対の踏下板が設けられ、これら左右各踏下板には踏み下げ前の状態に戻す力を常に付与するための戻し部が附設され、またこれら左右各踏下板と上記駆動輪の間には左右各踏下板の踏み下げ作動中のみ当該作動力を駆動輪の前進力に変えて当該駆動輪に伝えるフリーホイール等伝動部が設けられたことを特徴とする両足踏下駆動式の立乗り型乗物。
【請求項2】
ハンドルは、前方または後方若しくは両方へ倒しうる構成にされたことを特徴とする請求項1記載の両足踏下駆動式の立乗り型乗物。
【請求項3】
車台には、短い状態にするための伸縮部が設けられたことを特徴とする請求項1又は2記載の両足踏下駆動式の立乗り型乗物。
【請求項4】
ハンドルには、高い若しくは低い状態にするための伸縮部が設けられ且つハンドルの握り部には横への張出し長さを短くするための折畳部若しくは伸縮部が設けられたことを特徴とする請求項1、2又は3記載の両足踏下駆動式の立乗り型乗物。
【請求項5】
ハンドル又は車台若しくは両方には、荷物載せ部が設けられたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに一つに記載の両足踏下駆動式の立乗り型乗物。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−159776(P2007−159776A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−359032(P2005−359032)
【出願日】平成17年12月13日(2005.12.13)
【出願人】(000242035)
【Fターム(参考)】