並列入力演算平均モジュールを用いてイメージャ雑音低減化を行う方法及び装置
【課題】メモリ容量を少なくし、雑音補正値を有効に発生させてCMOSイメージャのピクセル出力に与える方法と装置の提供。
【解決手段】校正処理に際し、ピクセルオフセット値及び平均ピクセル出力値を計算することにより雑音補正値を発生させる。校正用の行を読む度に、複数のピクセル出力値に対する平均ピクセル出力値を決定する。複数のピクセル出力の各々と、計算した平均ピクセル出力値との差をとることで、複数のピクセル出力の各々に対するオフセット値を発生させる。イメージャの行における複数の光学的に黒のピクセルに対する平均ピクセル出力値を求めることにより、ピクセル出力の行全体に対するオフセット値を計算することもできる。光学的に黒のピクセル値に対する平均ピクセル出力値は、しきい値窓の外にあるピクセル値を排除し、これに代えて平均ピクセル出力値を用い、新たな平均ピクセル値を計算することにより真値に近づけることができる。
【解決手段】校正処理に際し、ピクセルオフセット値及び平均ピクセル出力値を計算することにより雑音補正値を発生させる。校正用の行を読む度に、複数のピクセル出力値に対する平均ピクセル出力値を決定する。複数のピクセル出力の各々と、計算した平均ピクセル出力値との差をとることで、複数のピクセル出力の各々に対するオフセット値を発生させる。イメージャの行における複数の光学的に黒のピクセルに対する平均ピクセル出力値を求めることにより、ピクセル出力の行全体に対するオフセット値を計算することもできる。光学的に黒のピクセル値に対する平均ピクセル出力値は、しきい値窓の外にあるピクセル値を排除し、これに代えて平均ピクセル出力値を用い、新たな平均ピクセル値を計算することにより真値に近づけることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に半導体イメージャに関するものであり、特に半導体イメージャにおける雑音補正に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、電荷結合装置(CCD)より成るイメージセンサ及び相補型金属酸化物半導体(CMOS)より成るイメージセンサを含む種々のイメージャ又はイメージセンサが用いられている。CMOS技術によれば、低価格化、製造の容易化、CCDイメージセンサに対する高集積化のような多数の利点が得られる。しかし、CMOSイメージセンサ技術には、固定パターン雑音(FPN)が存在するという欠点がある。固定パターン雑音は、集積回路の製造処理におけるばらつきの為に回路構造が互いに一致しないことにより生じる。CMOSイメージセンサにおける固定パターン雑音による影響は、ピクセルの群、代表的にセンサアレイの各列が均一な入力光に応答して相対的に異なる強度を呈するということである。図1は、画像に対する固定パターン雑音の影響を示す。図1において、画像110はセンサアレイ130を介してCMOSイメージセンサ120により検出される。センサアレイ130はピクセル132のマトリックスを有している。センサアレイ130における雑音の為に、雑音障害を受けた画像140がCMOSイメージセンサ120により発生される。固定パターン雑音が、殆ど、雑音障害を受けた画像140に現われる列方向ひずみの原因となる。
【0003】
固定パターン雑音はCMOSイメージセンサに存在する唯一の雑音源ではない。行雑音(所定の行における全てのピクセルに共通な雑音)も存在するおそれがある。図2において、画像210はセンサアレイ230を介してCMOSイメージセンサ220により検出される。センサアレイ230はピクセル232のマトリックスを有している。センサアレイ230における雑音の為に、雑音障害を受けた画像240がCMOSイメージセンサ220により発生される。行方向雑音が、殆ど、雑音障害を受けた画像240に現われる行方向ひずみの原因である。従って、列方向の固定パターン雑音を補正した後でも、行方向雑音が依然として、補正された画像中に現われるおそれがある。
【0004】
固定パターン雑音の影響を除去するために、通常の校正処理には、周知の光入力に基づく出力を測定する過程と、この出力を予測(期待)値と比較する過程とが含まれている。CMOSイメージセンサでは、代表的に、周知の光度及び周波数の光がセンサ上にそそがれ、入力校正信号として用いられる。ある場合には、校正中に、不作動の暗ピクセルのセンサからの出力を用いて、このセンサの出力を予測暗出力と比較するようにすることもできる。センサ装置に互いに不一致が生じない場合には、原則的に、各ピクセルからの電圧信号出力が互いに同じである必要がある。しかし、実際には、均一な入力光刺激がセンサアレイに与えられた際でも、このセンサアレイのピクセル列間でかなり相違する信号出力値が読出される。ピクセル信号出力値と予測ピクセル信号出力値との間の相違は一般にピクセルオフセットと称されている。これらのピクセルオフセットが計算されて、全センサアレイを校正するのに用いられるように記憶される。
【0005】
オフセット低減化処理を採用する従来のセンサアレイ校正処理では、通常のイメージセンサ動作中に、計算されたそれぞれのオフセットが各ピクセルの出力に適用される。校正されない出力が予測値よりも大きいピクセルの信号出力値は、その対応する大きさのオフセット値だけ低減化される。同様に、校正されない出力が予測値よりも小さいピクセルの信号出力値は、その対応する大きさのオフセット値だけ増大される。従って、動作モードにおいてオフセット値に影響を及ぼす変化がいかなるものであっても、各ピクセルに対しオフセット値を再計算する必要がある。
【0006】
正確なオフセット値を発生させ且つ記憶させるには、計算時間及び追加のメモリ手段が必要となる。図3は、従来のCMOSイメージセンサ300を示す。このイメージセンサ300は、N個のピクセル列とR個のピクセル行とに配列したピクセルアレイ310を有する。1行を読出すと、各列からの並列ピクセル出力(すなわち、N個のピクセル出力)が、一組のアナログ‐デジタル変換器(ADC)に送られる。次に、各ピクセル列からのデジタル出力が一組の読出しバッファ330に送られる。代表的なイメージセンサ300では、デジタルピクセル出力は直列データ流340となるように処理される。アレイの各行は行順次で読出される。一般に、この直列データ流340には、列方向オフセット校正及び行雑音補正が適用される(ブロック350)。換言すれば、直列データ流340において各ピクセル出力に対し雑音低減化処理が行われる。その結果、雑音低減化処理がN×R個のピクセル信号全体を読出すのにかなりの遅延を加える。更に、校正中に予測基準値からオフセット値を測定する為、オフセット値を表わすのに多数のビット、従って、大きなメモリ容量が必要となる。
【0007】
従って、必要とするメモリ容量を少なくして、雑音補正値を有効に発生させてCMOSイメージャのピクセル出力に与える方法及び装置が必要となる。
【発明の開示】
【0008】
本発明は、雑音補正値を有効に発生させてCMOSイメージャのピクセル出力に与える方法及び装置を提供する。
【0009】
本発明の代表的な一例では、校正処理中にピクセルオフセット値及び平均ピクセル出力値を計算することにより雑音補正値を発生させる。校正用の行を読む度に、この行の複数のピクセル列からの対応する複数のピクセル出力値に対する平均ピクセル出力値を決定する。更に、複数のピクセル出力の各々と計算した平均ピクセル出力値との差を求めることにより、複数のピクセル出力の各々に対するオフセット値を発生させる。オフセット値は、他の校正用の行におけるピクセルに対しても同様にして求める。次に、各列におけるオフセット値を平均化して各列に対する1つのオフセット値を決定する。
【0010】
本発明の他の代表的な例では、イメージャ行における複数の光学的に黒のピクセルに対する平均ピクセル出力値を求めることにより、ピクセル出力の行全体に対するオフセット値を計算しうるようにする。光学的に黒のピクセル値に対する平均ピクセル出力値は、しきい値窓外のピクセル値の代わりに平均ピクセル出力値を用い、新たな平均ピクセル値を計算することにより真値に近づけることができる。光学的に黒のピクセルからの出力は信号に無関係な雑音を呈する為、負の平均ピクセル出力をオフセット値として処理することができる。
【0011】
イメージャによる画像収集中、収集された画像における雑音を、デジタル化されたピクセル出力値とその対応するオフセット値とを加算することにより、低減化することができる。平均及びピクセルオフセット値の計算は、並列入力演算平均モジュールを使用することにより容易にすることができる。
【0012】
本発明の上述した及びその他の利点及び特徴は、添付図面を参照して行う代表的な実施例の詳細な説明からより一層明らかとなるであろう。
次に、種々の代表的な実施例につき本発明を詳細に説明する。これらの実施例は説明の便宜上のためのみのものであり、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。更に、本発明は、当業者にとって既知であるようにソフトウェア、ハードウエア又はそのいかなる組み合わせを用いても実施しうるものである。
【0013】
本発明の一実施例では、雑音低減化校正処理は、CMOSイメージャからの行順次並列の列ピクセル出力に適用する。この雑音低減化校正処理の結果は、ピクセル出力の直列データ流へのその後の適用のために記憶される。
【0014】
図4を参照するに、本発明の一実施例により構成したCMOSイメージャ400は、ピクセルアレイ410と、一組のアナログ‐デジタル変換器(ADC)420と、一組の読出しバッファ430とを有している。ピクセルアレイ410は、N個のピクセル列とR個のピクセル行とに配列されている。このピクセルアレイ410は、能動領域412と、列方向校正領域415と、行方向校正領域417とを有している。ピクセルアレイ410のN個のピクセル列からのピクセル出力は、並列ADC420によりデジタル化され、次に読出しバッファ430により一時的に保持される。図3のCMOSイメージャと同様に、アレイの行の全ての列に対するデジタルピクセル出力は読出しバッファ430から直列データ流440を介して転送され、アレイの全ての行が行順次に読出される。更に、校正処理中に生ぜしめられた雑音低減化用のピクセルオフセットがメモリ460内に記憶され、これらの記憶されたピクセルオフセットが、画像収集及び読出し中に生ぜしめられた直列データ流440中のそれぞれのピクセル出力と、合成器455において合成される。雑音低減化用のオフセットを、直列データ流440から計算せずに、校正期間中のピクセル出力の並列解析により発生させ且つ記憶させることにより、より多くのピクセル出力が所定の期間で解析され、雑音低減化用のオフセットがより迅速に発生される。更に、以下に、より詳細に説明するように、オフセット値を記憶するのに少数のメモリビットで足り、オフセットを記憶するのに必要な容量を小さくしうる。
【0015】
雑音低減化用のオフセットの発生は、列方向オフセット校正モジュール452及び行雑音補正モジュール454を介して実行される。雑音低減化ファクタ発生器(ブロック450)により発生された雑音低減化用のオフセットは雑音低減化メモリブロック460内に記憶される。雑音低減化メモリブロック460内に記憶された雑音低減化用のオフセットは、通常のイメージャ動作中に、直列データ流440にあるピクセル出力を必要に応じ変えるのに用いられる。
【0016】
図4に示す本発明の代表的な実施例によれば、列方向の雑音低減化用のオフセットはイメージャによりピクセルアレイの校正中に発生させる。イメージャの校正は、通常のイメージャ動作の前、又はイメージャが校正を必要としうるいかなる時にも行なわれる。雑音低減化用のオフセットの発生は、基準光信号又は基準電圧信号を列方向校正領域415に供給することにより達成される。供給される基準光信号は、いかなる入射光も存在しないことを表わす信号、又は供給される光のその他の基準値とすることができる。或いはまた、供給される基準電圧信号は、内部的にピクセルアレイ410に供給され、光信号の供給をシミュレートする既知の電圧とすることができる。列方向校正領域415は、ピクセルアレイ410のうちの数個の行を有し、これらの行は通常ピクセルアレイ410のエッジ付近に位置する。列方向オフセット校正モジュール452は、基準光信号又は基準電圧信号が列方向校正領域415に供給されることにより得られるピクセル出力を読出す。列方向オフセット校正モジュール452は、ピクセルの所定の行に対し、N個のピクセル出力をn個のピクセル出力ずつ読み取る。ここに、nは列方向オフセット校正モジュール452に対する入力数に関連する。例えば、列方向校正モジュールが8個のみの入力を有する場合(この場合nは8に等しい)、1024個のピクセル出力(すなわち、1024列)を含む各行は、各組が8個のピクセル出力となる128組で読出される。n個のピクセル出力の各組(上述した例では、8個のピクセル出力の各組)に対し、平均ピクセル出力を求める。次に、この平均値からn個のピクセル出力の各々に対するオフセット値を計算する。計算されたオフセット値の各々は、n個のピクセル出力の1つと、n個のピクセル出力の対応する組の対応する平均ピクセル出力との間の差を表わす。オフセット値を計算するこの方法は、ピクセル出力と、(所定の基準信号の場合に各ピクセルに対し予測されるピクセル出力である)予測ピクセル出力との差に関連してオフセット値を決定する代表的な方法と相違するものである。この代表的な方法とは相違して、平均ピクセル出力を参照してオフセット値を計算することにより、より少ないメモリを用いてオフセット値を記憶することができる。換言すれば、列方向オフセット校正モジュール452は、(予測されるピクセル出力に対して発生され)各々が多数のメモリビットを必要とし、場合に応じ大きくなるピクセルオフセット値を記憶するのではなく、(n個のピクセル出力の平均値に対して発生され)各々が少数のメモリビットしか必要とせずにメモリの条件を軽減させる比較的小さなn個のピクセルオフセット値を記憶するものである。このことを図5及び図6Aにおいて明らかとする。
【0017】
図5は、従来のイメージャ300(図3)の標準オフセットメモリ技術(ブロック510)と、本発明の低減化オフセットメモリ技術(ブロック520)とがそれぞれ必要とするビット深さを、n個のピクセル出力の組に適用した場合につき示す。標準のオフセットメモリ技術(ブロック510)では、n個の列の組(便宜上nは8に等しいものとする)からのピクセル出力の各々が予測したピクセル出力514と比較され、n個のピクセル出力の各々と予測ピクセル出力514との間の差を表わす対応のピクセルオフセットが計算される。例示にすぎないが、代表的なピクセル出力値と予測ピクセル出力514とを図5に示す。ブロック510における例示の値を用いて、n個のピクセルの各々に対するオフセット値を計算してメモリブロック512に記憶する。本例では、メモリブロック512は、差が大きくなるおそれがある為に各オフセット値を記憶するのに少なくとも5ビットのビット深さを必要とする。図示の例では、ピクセル値は二進値で0〜255の範囲をとる。校正基準レベル514は約154の値に設定されている。これに対し、ブロック520は、本発明と関連してオフセット値のメモリ条件を軽減させることを示している。ブロック520において用いる代表的なピクセル出力値をブロック510において用いたのと同じにする。これらの代表的なピクセル出力値を用いて、n個のピクセルの組に対する平均ピクセル出力値526を発生させ、次にn個のピクセル出力の各々につき、平均ピクセル出力値526対するオフセット値を計算する。得られたオフセット値をメモリブロック522に記憶する。本例では、平均ピクセル値が実際のピクセル値に接近する為、ピクセルオフセット値を記憶するのに3ビットのみのビット深さで足りる。
【0018】
図6Aは、読出しバッファ430(図4)からのn個のピクセル出力の各組に対し校正モジュール452において並列に用いうる数個の列方向オフセット校正回路の1つを示すブロック線図である。図6Aの回路では、複数の演算平均ユニット610が用いられており、その各々がこれらユニットに対するn個の入力の各対に対し平均値を決定するとともに、この平均値からのオフセット値を決定する。演算平均ユニット610は図示のように加算器620と一緒に配置されて単一の回路605を構成しており、この回路605がこれに入力信号DIN0〜DIN7として供給されるn個のピクセル出力の平均値を出力端630に生ぜしめるのと一緒に、供給される信号の各々に対しこの平均値からのピクセルオフセット値を出力OFST0〜OFST7として生ぜしめる。例示にすぎないが、前述したようにnを8に等しくする。本例では、演算平均ユニット610と加算器620とを用いるだけで、n個の入力ピクセル出力が、平均ピクセル出力630(信号DOUTとして示す)と、n個の低減化されたメモリオフセット値(信号OFST0〜7として示す)とに変換される。列方向オフセット校正モジュールはメモリを含んでいない為、計算されたオフセット値OFST0〜OFST7が遅延なく発生される。演算平均ユニット610の一例を図6Bに示す。図6Bの演算平均ユニット610は、加算器614と、乗算器616と、割算器618とを用いるだけで2つの入力の平均値及びこの平均値からのオフセット値を出力させる。
【0019】
図6に示すオフセット計算処理は、行内のn個のピクセル出力の各組に対しそれぞれ回路605を用いて、この各組に対し繰返す。nがNに等しい場合には、回路605は1つのみで足りる。或いはまた、行内のn個のピクセル出力の各組を単一回路605に多重送信しうる。いずれにしても、N個のピクセル出力の行全体を処理した後に、(図4の)列方向オフセット校正モジュール452がN/n個の平均ピクセル出力及びN個のオフセット値を出力する。
【0020】
1行当りの平均ピクセル出力の個数が1よりも多い(N/nが1よりも大きい)場合、n個のピクセル出力の各組の平均ピクセル出力相互間の変動を考慮するために、回路605を、更なる回の平均化において再度用いる必要がある。二回目の平均化においては、前に計算されたn個の平均ピクセル出力の各組に対する平均ピクセル出力が求められる。例えば、前述したように、Nが1024に等しく、nが8に等しいピクセルアレイは最初に128個の平均ピクセル出力を生じる。これらの128個の平均ピクセル出力を更に、回路605を用いる二回目の平均化処理で平均化して16個(nが8に等しい場合に、128をnで割る)の平均ピクセル出力を得る。三回目の平均化処理により2つの平均ピクセル出力が得られる。四回目の平均化処理により、N個のピクセル出力の行全体に対し1つの平均ピクセル出力が得られる。N個のピクセル出力に対するオフセットは、各回の平均化処理により得られる関連のオフセットを加算することにより計算される。このようにすることにより、N個のピクセルの各々に対するオフセットが、ピクセル出力値と行のN個のピクセル全てに対する平均出力値との間の差を表わすようになる。
【0021】
図6Aにつき説明したオフセット計算処理は、行中のn個のピクセル出力の各組に対し繰返されるとともに列方向校正領域415における全ての行に対し繰返される為、この列方向校正領域415における全てのピクセルに対しオフセット値が求められる。換言すれば、アレイ中の各列は、列方向校正領域415における行数と同じ個数のオフセット値と関連する。平均列オフセット値は各列に対し計算したオフセットから得られ、メモリ460に記憶される。平均を考慮したオフセット値を記憶するのに必要とするビット数は少なくて足りる為、オフセットを固定の基準点から決定する場合よりも、メモリ460の容量を少なくしうる。
【0022】
オフセット値が上述した処理により計算されると、これらのオフセット値を用いて列方向雑音を低減化させることができる。読出し処理中、直列データ流440(図4)におけるデジタルピクセル出力は雑音を有する。この雑音は、各出力ピクセル値と、当該ピクセルの対応する平均列オフセット値とを合成回路455(図4)において加算することにより低減させることができる。このようにすることにより、ハードウエアが原因となる、ピクセル出力値の列方向変化がN個の列のピクセル出力全てに亘り平滑となる。
【0023】
アレイの異なる行からのピクセルも同様に平滑にするために、本発明の他の実施例において行雑音補正モジュール454(図4)を用いることができる。再び図4を参照するに、行雑音補正モジュール454はノイズトレラントな(雑音に影響されない)行方向オフセット値を発生するように作用する。これを達成するために、行雑音補正モジュール454が行方向校正領域417から生じるピクセル出力信号を読み取る。行方向校正領域417におけるピクセルは光学的に黒のピクセルであり、このことは、行方向校正領域417におけるピクセルが光源にさらされないということを意味する。その結果、行方向校正領域417におけるピクセルからのピクセル出力信号は信号に依存しない雑音を呈する。ピクセルアレイ410から各行が読出されるにつれ、行方向校正領域417におけるピクセルからのピクセル出力信号がn個の出力信号ずつ行雑音補正モジュール454に入力される。n個の出力信号の各組当り、平均出力信号が計算される。行方向校正領域417からの平均出力信号の計算は、図6Aに示す、列方向校正モジュール452に対し用いたのと同じ回路を用いて達成しうる。例えば、図6Aの回路を用いることにより、行雑音補正モジュール454が行方向校正領域417におけるピクセルの行からのn個のピクセル出力の平均を計算する。行方向校正領域417におけるピクセルの個数がnよりも大きい場合には、行方向校正領域417におけるピクセルの行全体に対し平均ピクセル出力値が得られるまで図6Aの回路を繰返し用いる。計算された平均は信号に依存しない雑音を表わす為、計算された平均ピクセル出力をピクセル出力のそれぞれの行に対するオフセット値として用いることができる。雑音を低減させるには、行中の各ピクセル出力から、対応して計算した平均ピクセル出力の量、すなわち、行方向校正領域417からのオフセットを減じる。
【0024】
行雑音補正モジュール454により用いられる平均化処理は、この行雑音補正モジュール454により発生される計算された平均ピクセル出力が、行方向オフセットの計算中に平均ピクセル出力から著しく異なるピクセル出力により過度に影響されないようにするものである。例えば、図6Aに示すような平均化回路を用いた場合に、n個のピクセル出力値の1つが残りのn−1個のピクセル出力値と著しく異なるものとすると、n個のピクセル出力のこの組に対し計算した平均ピクセル出力は雑音性のこの1つのピクセル出力値の方向にシフトする。n個のピクセルの組の平均ピクセル出力値における上述した雑音に関連するシフトを回避するために、本発明の第2の実施例では、計算した平均ピクセル出力値を真値に近づける。真値に近づけた行方向平均ピクセル出力は、大きな雑音を有するピクセル出力の値の代わりに最も新たに計算した行方向平均ピクセル出力を用いるピクセル出力の多重平均をとることにより決定される。
【0025】
図7は、本発明の第2実施例に応じて、図4の行雑音補正モジュール454により実行される行雑音補正方法を示す。ブロック710では、図6Aにつき説明した回路を用いて行の複数のピクセル出力から得られるn個のピクセル出力の組から平均ピクセル出力712が計算される。この場合も、例示にすぎないが、n個のピクセル出力を(D0〜D7で示すように)8個のピクセル出力とする。n個のピクセル出力に対する種々の値の例を図示してある。例えば、D0は4の値を有し、D1は66の値を有し、以下図示の通りである。これらのピクセル出力は光学的に黒のピクセルから成るものである為、これらのピクセル出力は、列方向校正処理中に発生される出力よりも著しく小さい。ピクセル出力D0〜D7の計算された平均ピクセル出力712は、図6Aに示すような回路を用いて発生させる。n個のピクセルより成る1つの組に対しブロック710の例示のピクセル出力値D0〜D7を用いると、計算した平均ピクセル出力712は46となる。ブロック710では、ピクセル出力D0は、計算された平均ピクセル出力712から、予め決定した雑音しきい値714を越えて変化しているものとして識別される。この場合、例示にすぎないが、予め決定した雑音しきい値を23に設定したものであり、このことは、計算された平均ピクセル出力712から±23の範囲内にないいかなるピクセル出力も過大雑音を有するピクセル出力として識別されるということを意味する。従って、平均ピクセル出力を真値に近づけるために、ブロック720において、ピクセル出力D0の値を、n個のピクセルの組に対し前に計算した平均ピクセル出力712に等しく設定する。すなわち、ブロック720における信号D0は4から46に変更されている。ブロック720においては、n個のピクセルの組に対し新たな平均ピクセル出力722が計算され、この計算された新たな例の値は51である。この場合、ピクセル出力D5と新たに計算された平均ピクセル出力722との差が予め決定された雑音しきい値724を越えており、このピクセル出力D5もこの平均ピクセル出力722とは著しく相違するピクセル出力として識別される。従って、ブロック730では、ピクセル出力D0及びD5の双方が、前に計算した平均ピクセル出力722の値に等しく設定される(これら双方のピクセル出力は計算した平均ピクセル出力722の値である51に設定される)。これらの新たな値を用いて、新たな平均ピクセル出力732が計算される。この処理は、新たに計算した平均ピクセル出力がその前に計算した平均ピクセル出力と同じ値になるまで続けられる。換言すれば、この処理は、最後に計算した平均値に基づく雑音しきい値を越えるピクセル値がn個のピクセルの組に存在しなくなるまで続けられる。このことは、図7では、ブロック750において平均ピクセル出力752が計算されると、この平均ピクセル出力752はブロック740の平均ピクセル出力742と等しい値となることにより生じる。他の何れかのピクセル出力が予め決定された雑音しきい値714、724、734、744、754を越える場合には、これらの出力もその前に計算された平均ピクセル出力と等しく設定される。
【0026】
図7に示す方法を用いることにより、行雑音校正領域417(図4)の各行におけるn個のピクセル出力の各組に対し、真値に近づけたノイズトレラントな時間経過型の平均ピクセル出力が決定される。行方向校正領域417における1行当りの出力数がnを越える場合には、図7の方法及び図6Aの回路を用いる平均化の回数は複数となり、その結果、各行に対しノイズトレラントな単一の平均ピクセル出力が得られる。本発明によれば、大きな雑音、すなわち、予め決定した雑音しきい値を越える雑音は平均ピクセル出力の計算に当り考慮されない。このようにして行方向オフセット値が発生され、これらをメモリ460に記憶することができる。行方向オフセット値が計算されると、列方向オフセットを前述したようにして用いたのと同様にして、これら列方向オフセット値を用いて行方向雑音を低減させることができる。読出し処理に当り、直列データ流440(図4)におけるデジタルピクセル出力の雑音は、行中の各出力ピクセル値を合成回路455(図4)においてこのピクセルの対応する平均行方向オフセット値だけ減少させることにより低減させることができる。このようにして、ピクセル出力値における行方向変動がピクセル出力の全ての行に亘り平滑化される。
【0027】
図8は、行雑音補正モジュール454(図4)を構成するノイズトレラントな時間経過型平均化回路800を示すブロック線図である。このノイズトレラントな時間経過型平均化回路800は、行方向校正領域417における行のn個のピクセルの組に対し入力としてデジタルピクセル出力信号810を受ける。この回路800は、行方向校正領域417の各行におけるn個のピクセルの組の個数に相当する複数個存在する。或いはまた、用いる回路800を1つとすることができ、この場合、行中のn個のピクセルの各組を回路800中に多重送信して処理する。更に、行方向校正領域417内に1行当りn個のみのピクセルしか存在しない場合には、回路800は1つ必要とするだけである。回路800に入力されるデジタルピクセル出力信号810は、複数個の入力セレクタ820により入力として選択される。これらの入力セレクタの役割は以下の通りである。入力セレクタ820の出力は、図6Aに示す回路のような平均化回路830に入力される。この平均化回路830の出力信号には複数のオフセット信号814と、1つの平均ピクセル出力信号816とが含まれる。オフセット信号814の各々が比較器840により評価されて、この信号が予め決定した雑音しきい値を越えているか否かが決定される。オフセット信号814がこのしきい値を越えていると、対応する入力セレクタ820が雑音低減処理の後の繰返し過程に対する入力として平均ピクセル出力信号816を選択するように設定される。随意ではあるが、オフセット信号814がしきい値を越えると、対応の加算器850をも動作させるようにすることができる。随意ではあるが、動作させた加算器850は、回路830からの出力としての対応のオフセット信号814と、記憶された対応のオフセット信号とを加算する。このようにすることにより、随意ではあるが、図7の処理を依然として用いて大きな雑音のピクセル出力に対するオフセット値を計算して記憶させ、大きな雑音により悪影響を受けない平均ピクセル出力値を得るようにすることができる。この雑音低減モジュール800は、記憶した平均ピクセル出力819と計算した平均ピクセル出力816とが比較器870により互いに等しいと見いだされるまで繰返し用いられる。
【0028】
本発明の第3実施例では、第1実施例の列方向校正モジュール452と、第2実施例の行雑音補正モジュール454とを一緒に用いて、ピクセルアレイ410の能動領域412における各ピクセルに対し2つのオフセットを生ぜしめる。本発明のこの第3実施例によれば、各ピクセルに対し2つのオフセット値を用い、従ってピクセルアレイの双方の方向において画像出力を平滑にすることに加えて、列方向オフセット校正モジュール452(図4)と列雑音補正モジュール454(図4)との双方が図6Aに示す同じ回路を用いることができ、従ってオフセット計算処理に必要とする回路面積が著しく低減するという利点が得られる。しかも、オフセット計算処理がn個の並列ピクセル出力の組に作用する為に、全計算時間が少なくなる。更に、使用する回路が簡単となる為に、CMOSイメージャを動作させるのに用いる場合のある追加の誤り検査及び解決過程も簡単となる。
【0029】
図4を再度参照するに、n個のピクセルの組に対し真値に近づけた平均からオフセット値を計算した後、行及び列オフセット値の双方がメモリ460内に記憶される。実際の画像収集中、雑音を低減させるために、記憶されたオフセット値が直列データ流440における対応のピクセル出力値と加算される。
【0030】
図9は、上述した本発明の第3実施例の過程を要約するフローチャートである。最初に、イメージャの校正が必要であるか否かを決定する(ブロック905)。校正は、イメージャが最初にターンオンされた際、又はイメージャの動作モードが変更された際に必要となるか、或いは所望に応じ実行することができる。校正が必要であることが決定されると、基準光信号又は基準電圧信号がピクセルアレイの列方向校正領域に供給される(ブロック910)。次に、列方向校正領域における行からのピクセル出力を含む全てのピクセル出力をデジタル化する(ブロック915)。次に、ブロック917において、どの種類のオフセットを測定して供給する必要があるかを判定する。列方向のオフセットを決定する必要がある場合には、列方向校正モジュールがn個のデジタルピクセル出力を列方向校正領域から読出す(ブロック920)。これらのn個のピクセル出力からその平均ピクセル出力を決定し、関連のピクセルオフセット値を計算する。列方向校正領域の同じ行からの追加のデジタルピクセル出力をも、追加の列方向校正モジュールに入力させるか、或いは単一の列方向校正モジュールに多重送信する。列方向校正モジュールを反復的に用いることにより、列方向校正領域415におけるピクセルの各行に対し平均列信号出力値が決定される。対応する平均列信号出力値に関連して測定した個々のピクセルオフセットは列方向校正領域415における各ピクセルに対しても決定する。列方向校正領域内の複数の行における各列に対し平均の列オフセットを求める。従って、アレイ中の各列に対し列オフセット値が決定される。この計算後、列オフセットが記憶される(ブロック935)。
【0031】
ピクセルが行方向校正領域から読出される場合、行方向校正領域417内に位置するピクセルの部分の各行に対する平均ピクセル出力を、列オフセット値を発生させるのに用いるのと同じ基本演算平均回路を用いるノイズトレラントな時間経過型の平均化処理により決定する(ブロック925)。各行に対し計算された平均ピクセル出力の負値が行オフセット値である。その理由は、行方向校正領域417におけるピクセルは光学的に黒である為である。計算した行オフセット値を記憶し(ブロック935)、次にこの行オフセット値と記憶されている列オフセット値との双方を、対応する行から読出したピクセル出力に与える(ブロック955B)。オフセットをピクセル出力の行に与えた後、次の行をアレイから読出す。再び、行オフセット値を計算して記憶し、次にこの新たに計算した行オフセットと記憶されている列オフセット値とを新たに読出した行のピクセル出力に与える。この処理は、ピクセルアレイ410から全ての行を読出し、このピクセルアレイの能動領域における各行に対し行オフセット値を計算するまで続ける。
【0032】
計算したオフセットは、校正中に、収集した画像に与えることができる為、上述した校正処理は、イメージャにより実行されるいかなる、又は全ての画像収集に対し同時に用いることができる。或いはまた、オフセット値を記憶し、これを非校正モードで用いることができ、この場合、画像を収集し(ブロック945)、これによるピクセル信号をデジタル化し(ブロック950)、次に記憶されている行及び列の双方のオフセットを対応するピクセルに与える(ブロック955A)。得られた信号における雑音は、ピクセルオフセット値と各対応のデジタルピクセル出力信号とを加算することにより低減される。本発明の第1実施例では、適用した雑音低減化処理により、収集した画像の列方向の平滑化を達成する。この列方向の平滑化は、ピクセルオフセット値とピクセル出力との加算による直接的な結果によるものである。本発明の第2実施例では、収集した画像が行方向の平滑化を呈する。この行方向の平滑化は、ノイズトレラントな平均行ピクセル出力値を決定する、従って、ピクセルオフセットの計算結果をイメージャアレイの行に亘ってより均一にする結果によるものである。本発明の第3実施例では、収集した画像が行方向及び列方向の双方において平滑となる。
【0033】
上述したところでは、本発明の代表的な実施例を示したが、本発明はハードウエアの実施に限定されないこと、当業者にとって明らかである。本発明は、ハードウエア、ソフトウェア又はそのいかなる組み合わせでも実施しうるものである。
【0034】
本発明により構成したピクセル列及び行補正システムを有するCMOSイメージャ装置1030を含む代表的なプロセッサ主体システム1000を図10に示す。このプロセッサ主体システムは、CMOSイメージャ装置を含むことのできるデジタル回路を有するシステムの代表例である。このようなシステムには、コンピュータシステム、カメラシステム、スキャナ、マシンビジョンシステム、ビークルナビゲーションシステム、テレビジョン電話、監視システム、オートフォーカスシステム、スタートラッカーシステム、動き検出システム、画像安定システムが含まれるが、これらに限定されるものではなく、その他の撮像分野も含まれるものである。
【0035】
カメラシステムのようなプロセッサシステムは、例えば一般に、バス1090を介して入力/出力(I/O)装置1020と通信するマイクロプロセッサのような中央処理ユニット(CPU)1010を有している。CMOSイメージャ1030もバス1090を介してシステム構成素子と通信する。プロセッサ主体システム1000はランダムアクセスメモリ(RAM)1040をも有しており、撮像システムの場合には、バス1090を介してCPU1010とも通信する取外し自在のメモリ1050のような周辺装置を含むことができる。CMOSイメージャ1030は、フォトゲート又はフォトダイオードのようなフォトセンサを含むピクセルを有する集積回路として構成するのが好ましい。このCMOSイメージャ1030は、単一の集積回路においてメモリ記憶装置を有する又は有しない、CPU、デジタル信号プロセッサ又はマイクロプロセッサのようなプロセッサと組み合わせたり、このプロセッサとは異なるチップ上に設けたりすることができる。
【0036】
本発明の種々の実施例を上述したが、これらは例示にすぎず、本発明をこれらに限定するものではない。本発明の精神及び範囲を逸脱することなしに、本発明に種々の変更を施こしうることは当業者にとって明らかである。従って、本発明は上述した実施例の何れによっても制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】図1は、従来の撮像システムにより処理される画像への固定パターン雑音の影響を示すこの撮像システムのブロック線図である。
【図2】図2は、従来の撮像システムにより処理される画像への行方向雑音の影響を示すこの撮像システムのブロック線図である。
【図3】図3は、従来のCMOSイメージャのブロック線図である。
【図4】図4は、本発明の代表的な実施例によるCMOSイメージャのブロック線図である。
【図5】図5は、本発明の代表的な実施例によりピクセルオフセット値を記憶するメモリ条件を示すブロック線図である。
【図6A】図6Aは、本発明の代表的な実施例による演算平均ユニットを有する並列入力演算平均回路を示すブロック線図である。
【図6B】図6Bは、図6Aの1つの演算平均ユニットの一例を示すブロック線図である。
【図7】図7は、本発明の代表的な実施例による、多フレームでノイズトレラントな平均ピクセル出力値を計算する方法を示すブロック線図である。
【図8】図8は、並列入力演算平均回路を図7の方法により如何に用いるかを示す本発明の代表的な実施例のブロック線図である。
【図9】図9は、本発明の代表的な実施例による雑音低減化処理の過程を示すフローチャートである。
【図10】図10は、本発明の代表的な実施例によるプロセッサシステムのブロック線図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に半導体イメージャに関するものであり、特に半導体イメージャにおける雑音補正に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、電荷結合装置(CCD)より成るイメージセンサ及び相補型金属酸化物半導体(CMOS)より成るイメージセンサを含む種々のイメージャ又はイメージセンサが用いられている。CMOS技術によれば、低価格化、製造の容易化、CCDイメージセンサに対する高集積化のような多数の利点が得られる。しかし、CMOSイメージセンサ技術には、固定パターン雑音(FPN)が存在するという欠点がある。固定パターン雑音は、集積回路の製造処理におけるばらつきの為に回路構造が互いに一致しないことにより生じる。CMOSイメージセンサにおける固定パターン雑音による影響は、ピクセルの群、代表的にセンサアレイの各列が均一な入力光に応答して相対的に異なる強度を呈するということである。図1は、画像に対する固定パターン雑音の影響を示す。図1において、画像110はセンサアレイ130を介してCMOSイメージセンサ120により検出される。センサアレイ130はピクセル132のマトリックスを有している。センサアレイ130における雑音の為に、雑音障害を受けた画像140がCMOSイメージセンサ120により発生される。固定パターン雑音が、殆ど、雑音障害を受けた画像140に現われる列方向ひずみの原因となる。
【0003】
固定パターン雑音はCMOSイメージセンサに存在する唯一の雑音源ではない。行雑音(所定の行における全てのピクセルに共通な雑音)も存在するおそれがある。図2において、画像210はセンサアレイ230を介してCMOSイメージセンサ220により検出される。センサアレイ230はピクセル232のマトリックスを有している。センサアレイ230における雑音の為に、雑音障害を受けた画像240がCMOSイメージセンサ220により発生される。行方向雑音が、殆ど、雑音障害を受けた画像240に現われる行方向ひずみの原因である。従って、列方向の固定パターン雑音を補正した後でも、行方向雑音が依然として、補正された画像中に現われるおそれがある。
【0004】
固定パターン雑音の影響を除去するために、通常の校正処理には、周知の光入力に基づく出力を測定する過程と、この出力を予測(期待)値と比較する過程とが含まれている。CMOSイメージセンサでは、代表的に、周知の光度及び周波数の光がセンサ上にそそがれ、入力校正信号として用いられる。ある場合には、校正中に、不作動の暗ピクセルのセンサからの出力を用いて、このセンサの出力を予測暗出力と比較するようにすることもできる。センサ装置に互いに不一致が生じない場合には、原則的に、各ピクセルからの電圧信号出力が互いに同じである必要がある。しかし、実際には、均一な入力光刺激がセンサアレイに与えられた際でも、このセンサアレイのピクセル列間でかなり相違する信号出力値が読出される。ピクセル信号出力値と予測ピクセル信号出力値との間の相違は一般にピクセルオフセットと称されている。これらのピクセルオフセットが計算されて、全センサアレイを校正するのに用いられるように記憶される。
【0005】
オフセット低減化処理を採用する従来のセンサアレイ校正処理では、通常のイメージセンサ動作中に、計算されたそれぞれのオフセットが各ピクセルの出力に適用される。校正されない出力が予測値よりも大きいピクセルの信号出力値は、その対応する大きさのオフセット値だけ低減化される。同様に、校正されない出力が予測値よりも小さいピクセルの信号出力値は、その対応する大きさのオフセット値だけ増大される。従って、動作モードにおいてオフセット値に影響を及ぼす変化がいかなるものであっても、各ピクセルに対しオフセット値を再計算する必要がある。
【0006】
正確なオフセット値を発生させ且つ記憶させるには、計算時間及び追加のメモリ手段が必要となる。図3は、従来のCMOSイメージセンサ300を示す。このイメージセンサ300は、N個のピクセル列とR個のピクセル行とに配列したピクセルアレイ310を有する。1行を読出すと、各列からの並列ピクセル出力(すなわち、N個のピクセル出力)が、一組のアナログ‐デジタル変換器(ADC)に送られる。次に、各ピクセル列からのデジタル出力が一組の読出しバッファ330に送られる。代表的なイメージセンサ300では、デジタルピクセル出力は直列データ流340となるように処理される。アレイの各行は行順次で読出される。一般に、この直列データ流340には、列方向オフセット校正及び行雑音補正が適用される(ブロック350)。換言すれば、直列データ流340において各ピクセル出力に対し雑音低減化処理が行われる。その結果、雑音低減化処理がN×R個のピクセル信号全体を読出すのにかなりの遅延を加える。更に、校正中に予測基準値からオフセット値を測定する為、オフセット値を表わすのに多数のビット、従って、大きなメモリ容量が必要となる。
【0007】
従って、必要とするメモリ容量を少なくして、雑音補正値を有効に発生させてCMOSイメージャのピクセル出力に与える方法及び装置が必要となる。
【発明の開示】
【0008】
本発明は、雑音補正値を有効に発生させてCMOSイメージャのピクセル出力に与える方法及び装置を提供する。
【0009】
本発明の代表的な一例では、校正処理中にピクセルオフセット値及び平均ピクセル出力値を計算することにより雑音補正値を発生させる。校正用の行を読む度に、この行の複数のピクセル列からの対応する複数のピクセル出力値に対する平均ピクセル出力値を決定する。更に、複数のピクセル出力の各々と計算した平均ピクセル出力値との差を求めることにより、複数のピクセル出力の各々に対するオフセット値を発生させる。オフセット値は、他の校正用の行におけるピクセルに対しても同様にして求める。次に、各列におけるオフセット値を平均化して各列に対する1つのオフセット値を決定する。
【0010】
本発明の他の代表的な例では、イメージャ行における複数の光学的に黒のピクセルに対する平均ピクセル出力値を求めることにより、ピクセル出力の行全体に対するオフセット値を計算しうるようにする。光学的に黒のピクセル値に対する平均ピクセル出力値は、しきい値窓外のピクセル値の代わりに平均ピクセル出力値を用い、新たな平均ピクセル値を計算することにより真値に近づけることができる。光学的に黒のピクセルからの出力は信号に無関係な雑音を呈する為、負の平均ピクセル出力をオフセット値として処理することができる。
【0011】
イメージャによる画像収集中、収集された画像における雑音を、デジタル化されたピクセル出力値とその対応するオフセット値とを加算することにより、低減化することができる。平均及びピクセルオフセット値の計算は、並列入力演算平均モジュールを使用することにより容易にすることができる。
【0012】
本発明の上述した及びその他の利点及び特徴は、添付図面を参照して行う代表的な実施例の詳細な説明からより一層明らかとなるであろう。
次に、種々の代表的な実施例につき本発明を詳細に説明する。これらの実施例は説明の便宜上のためのみのものであり、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。更に、本発明は、当業者にとって既知であるようにソフトウェア、ハードウエア又はそのいかなる組み合わせを用いても実施しうるものである。
【0013】
本発明の一実施例では、雑音低減化校正処理は、CMOSイメージャからの行順次並列の列ピクセル出力に適用する。この雑音低減化校正処理の結果は、ピクセル出力の直列データ流へのその後の適用のために記憶される。
【0014】
図4を参照するに、本発明の一実施例により構成したCMOSイメージャ400は、ピクセルアレイ410と、一組のアナログ‐デジタル変換器(ADC)420と、一組の読出しバッファ430とを有している。ピクセルアレイ410は、N個のピクセル列とR個のピクセル行とに配列されている。このピクセルアレイ410は、能動領域412と、列方向校正領域415と、行方向校正領域417とを有している。ピクセルアレイ410のN個のピクセル列からのピクセル出力は、並列ADC420によりデジタル化され、次に読出しバッファ430により一時的に保持される。図3のCMOSイメージャと同様に、アレイの行の全ての列に対するデジタルピクセル出力は読出しバッファ430から直列データ流440を介して転送され、アレイの全ての行が行順次に読出される。更に、校正処理中に生ぜしめられた雑音低減化用のピクセルオフセットがメモリ460内に記憶され、これらの記憶されたピクセルオフセットが、画像収集及び読出し中に生ぜしめられた直列データ流440中のそれぞれのピクセル出力と、合成器455において合成される。雑音低減化用のオフセットを、直列データ流440から計算せずに、校正期間中のピクセル出力の並列解析により発生させ且つ記憶させることにより、より多くのピクセル出力が所定の期間で解析され、雑音低減化用のオフセットがより迅速に発生される。更に、以下に、より詳細に説明するように、オフセット値を記憶するのに少数のメモリビットで足り、オフセットを記憶するのに必要な容量を小さくしうる。
【0015】
雑音低減化用のオフセットの発生は、列方向オフセット校正モジュール452及び行雑音補正モジュール454を介して実行される。雑音低減化ファクタ発生器(ブロック450)により発生された雑音低減化用のオフセットは雑音低減化メモリブロック460内に記憶される。雑音低減化メモリブロック460内に記憶された雑音低減化用のオフセットは、通常のイメージャ動作中に、直列データ流440にあるピクセル出力を必要に応じ変えるのに用いられる。
【0016】
図4に示す本発明の代表的な実施例によれば、列方向の雑音低減化用のオフセットはイメージャによりピクセルアレイの校正中に発生させる。イメージャの校正は、通常のイメージャ動作の前、又はイメージャが校正を必要としうるいかなる時にも行なわれる。雑音低減化用のオフセットの発生は、基準光信号又は基準電圧信号を列方向校正領域415に供給することにより達成される。供給される基準光信号は、いかなる入射光も存在しないことを表わす信号、又は供給される光のその他の基準値とすることができる。或いはまた、供給される基準電圧信号は、内部的にピクセルアレイ410に供給され、光信号の供給をシミュレートする既知の電圧とすることができる。列方向校正領域415は、ピクセルアレイ410のうちの数個の行を有し、これらの行は通常ピクセルアレイ410のエッジ付近に位置する。列方向オフセット校正モジュール452は、基準光信号又は基準電圧信号が列方向校正領域415に供給されることにより得られるピクセル出力を読出す。列方向オフセット校正モジュール452は、ピクセルの所定の行に対し、N個のピクセル出力をn個のピクセル出力ずつ読み取る。ここに、nは列方向オフセット校正モジュール452に対する入力数に関連する。例えば、列方向校正モジュールが8個のみの入力を有する場合(この場合nは8に等しい)、1024個のピクセル出力(すなわち、1024列)を含む各行は、各組が8個のピクセル出力となる128組で読出される。n個のピクセル出力の各組(上述した例では、8個のピクセル出力の各組)に対し、平均ピクセル出力を求める。次に、この平均値からn個のピクセル出力の各々に対するオフセット値を計算する。計算されたオフセット値の各々は、n個のピクセル出力の1つと、n個のピクセル出力の対応する組の対応する平均ピクセル出力との間の差を表わす。オフセット値を計算するこの方法は、ピクセル出力と、(所定の基準信号の場合に各ピクセルに対し予測されるピクセル出力である)予測ピクセル出力との差に関連してオフセット値を決定する代表的な方法と相違するものである。この代表的な方法とは相違して、平均ピクセル出力を参照してオフセット値を計算することにより、より少ないメモリを用いてオフセット値を記憶することができる。換言すれば、列方向オフセット校正モジュール452は、(予測されるピクセル出力に対して発生され)各々が多数のメモリビットを必要とし、場合に応じ大きくなるピクセルオフセット値を記憶するのではなく、(n個のピクセル出力の平均値に対して発生され)各々が少数のメモリビットしか必要とせずにメモリの条件を軽減させる比較的小さなn個のピクセルオフセット値を記憶するものである。このことを図5及び図6Aにおいて明らかとする。
【0017】
図5は、従来のイメージャ300(図3)の標準オフセットメモリ技術(ブロック510)と、本発明の低減化オフセットメモリ技術(ブロック520)とがそれぞれ必要とするビット深さを、n個のピクセル出力の組に適用した場合につき示す。標準のオフセットメモリ技術(ブロック510)では、n個の列の組(便宜上nは8に等しいものとする)からのピクセル出力の各々が予測したピクセル出力514と比較され、n個のピクセル出力の各々と予測ピクセル出力514との間の差を表わす対応のピクセルオフセットが計算される。例示にすぎないが、代表的なピクセル出力値と予測ピクセル出力514とを図5に示す。ブロック510における例示の値を用いて、n個のピクセルの各々に対するオフセット値を計算してメモリブロック512に記憶する。本例では、メモリブロック512は、差が大きくなるおそれがある為に各オフセット値を記憶するのに少なくとも5ビットのビット深さを必要とする。図示の例では、ピクセル値は二進値で0〜255の範囲をとる。校正基準レベル514は約154の値に設定されている。これに対し、ブロック520は、本発明と関連してオフセット値のメモリ条件を軽減させることを示している。ブロック520において用いる代表的なピクセル出力値をブロック510において用いたのと同じにする。これらの代表的なピクセル出力値を用いて、n個のピクセルの組に対する平均ピクセル出力値526を発生させ、次にn個のピクセル出力の各々につき、平均ピクセル出力値526対するオフセット値を計算する。得られたオフセット値をメモリブロック522に記憶する。本例では、平均ピクセル値が実際のピクセル値に接近する為、ピクセルオフセット値を記憶するのに3ビットのみのビット深さで足りる。
【0018】
図6Aは、読出しバッファ430(図4)からのn個のピクセル出力の各組に対し校正モジュール452において並列に用いうる数個の列方向オフセット校正回路の1つを示すブロック線図である。図6Aの回路では、複数の演算平均ユニット610が用いられており、その各々がこれらユニットに対するn個の入力の各対に対し平均値を決定するとともに、この平均値からのオフセット値を決定する。演算平均ユニット610は図示のように加算器620と一緒に配置されて単一の回路605を構成しており、この回路605がこれに入力信号DIN0〜DIN7として供給されるn個のピクセル出力の平均値を出力端630に生ぜしめるのと一緒に、供給される信号の各々に対しこの平均値からのピクセルオフセット値を出力OFST0〜OFST7として生ぜしめる。例示にすぎないが、前述したようにnを8に等しくする。本例では、演算平均ユニット610と加算器620とを用いるだけで、n個の入力ピクセル出力が、平均ピクセル出力630(信号DOUTとして示す)と、n個の低減化されたメモリオフセット値(信号OFST0〜7として示す)とに変換される。列方向オフセット校正モジュールはメモリを含んでいない為、計算されたオフセット値OFST0〜OFST7が遅延なく発生される。演算平均ユニット610の一例を図6Bに示す。図6Bの演算平均ユニット610は、加算器614と、乗算器616と、割算器618とを用いるだけで2つの入力の平均値及びこの平均値からのオフセット値を出力させる。
【0019】
図6に示すオフセット計算処理は、行内のn個のピクセル出力の各組に対しそれぞれ回路605を用いて、この各組に対し繰返す。nがNに等しい場合には、回路605は1つのみで足りる。或いはまた、行内のn個のピクセル出力の各組を単一回路605に多重送信しうる。いずれにしても、N個のピクセル出力の行全体を処理した後に、(図4の)列方向オフセット校正モジュール452がN/n個の平均ピクセル出力及びN個のオフセット値を出力する。
【0020】
1行当りの平均ピクセル出力の個数が1よりも多い(N/nが1よりも大きい)場合、n個のピクセル出力の各組の平均ピクセル出力相互間の変動を考慮するために、回路605を、更なる回の平均化において再度用いる必要がある。二回目の平均化においては、前に計算されたn個の平均ピクセル出力の各組に対する平均ピクセル出力が求められる。例えば、前述したように、Nが1024に等しく、nが8に等しいピクセルアレイは最初に128個の平均ピクセル出力を生じる。これらの128個の平均ピクセル出力を更に、回路605を用いる二回目の平均化処理で平均化して16個(nが8に等しい場合に、128をnで割る)の平均ピクセル出力を得る。三回目の平均化処理により2つの平均ピクセル出力が得られる。四回目の平均化処理により、N個のピクセル出力の行全体に対し1つの平均ピクセル出力が得られる。N個のピクセル出力に対するオフセットは、各回の平均化処理により得られる関連のオフセットを加算することにより計算される。このようにすることにより、N個のピクセルの各々に対するオフセットが、ピクセル出力値と行のN個のピクセル全てに対する平均出力値との間の差を表わすようになる。
【0021】
図6Aにつき説明したオフセット計算処理は、行中のn個のピクセル出力の各組に対し繰返されるとともに列方向校正領域415における全ての行に対し繰返される為、この列方向校正領域415における全てのピクセルに対しオフセット値が求められる。換言すれば、アレイ中の各列は、列方向校正領域415における行数と同じ個数のオフセット値と関連する。平均列オフセット値は各列に対し計算したオフセットから得られ、メモリ460に記憶される。平均を考慮したオフセット値を記憶するのに必要とするビット数は少なくて足りる為、オフセットを固定の基準点から決定する場合よりも、メモリ460の容量を少なくしうる。
【0022】
オフセット値が上述した処理により計算されると、これらのオフセット値を用いて列方向雑音を低減化させることができる。読出し処理中、直列データ流440(図4)におけるデジタルピクセル出力は雑音を有する。この雑音は、各出力ピクセル値と、当該ピクセルの対応する平均列オフセット値とを合成回路455(図4)において加算することにより低減させることができる。このようにすることにより、ハードウエアが原因となる、ピクセル出力値の列方向変化がN個の列のピクセル出力全てに亘り平滑となる。
【0023】
アレイの異なる行からのピクセルも同様に平滑にするために、本発明の他の実施例において行雑音補正モジュール454(図4)を用いることができる。再び図4を参照するに、行雑音補正モジュール454はノイズトレラントな(雑音に影響されない)行方向オフセット値を発生するように作用する。これを達成するために、行雑音補正モジュール454が行方向校正領域417から生じるピクセル出力信号を読み取る。行方向校正領域417におけるピクセルは光学的に黒のピクセルであり、このことは、行方向校正領域417におけるピクセルが光源にさらされないということを意味する。その結果、行方向校正領域417におけるピクセルからのピクセル出力信号は信号に依存しない雑音を呈する。ピクセルアレイ410から各行が読出されるにつれ、行方向校正領域417におけるピクセルからのピクセル出力信号がn個の出力信号ずつ行雑音補正モジュール454に入力される。n個の出力信号の各組当り、平均出力信号が計算される。行方向校正領域417からの平均出力信号の計算は、図6Aに示す、列方向校正モジュール452に対し用いたのと同じ回路を用いて達成しうる。例えば、図6Aの回路を用いることにより、行雑音補正モジュール454が行方向校正領域417におけるピクセルの行からのn個のピクセル出力の平均を計算する。行方向校正領域417におけるピクセルの個数がnよりも大きい場合には、行方向校正領域417におけるピクセルの行全体に対し平均ピクセル出力値が得られるまで図6Aの回路を繰返し用いる。計算された平均は信号に依存しない雑音を表わす為、計算された平均ピクセル出力をピクセル出力のそれぞれの行に対するオフセット値として用いることができる。雑音を低減させるには、行中の各ピクセル出力から、対応して計算した平均ピクセル出力の量、すなわち、行方向校正領域417からのオフセットを減じる。
【0024】
行雑音補正モジュール454により用いられる平均化処理は、この行雑音補正モジュール454により発生される計算された平均ピクセル出力が、行方向オフセットの計算中に平均ピクセル出力から著しく異なるピクセル出力により過度に影響されないようにするものである。例えば、図6Aに示すような平均化回路を用いた場合に、n個のピクセル出力値の1つが残りのn−1個のピクセル出力値と著しく異なるものとすると、n個のピクセル出力のこの組に対し計算した平均ピクセル出力は雑音性のこの1つのピクセル出力値の方向にシフトする。n個のピクセルの組の平均ピクセル出力値における上述した雑音に関連するシフトを回避するために、本発明の第2の実施例では、計算した平均ピクセル出力値を真値に近づける。真値に近づけた行方向平均ピクセル出力は、大きな雑音を有するピクセル出力の値の代わりに最も新たに計算した行方向平均ピクセル出力を用いるピクセル出力の多重平均をとることにより決定される。
【0025】
図7は、本発明の第2実施例に応じて、図4の行雑音補正モジュール454により実行される行雑音補正方法を示す。ブロック710では、図6Aにつき説明した回路を用いて行の複数のピクセル出力から得られるn個のピクセル出力の組から平均ピクセル出力712が計算される。この場合も、例示にすぎないが、n個のピクセル出力を(D0〜D7で示すように)8個のピクセル出力とする。n個のピクセル出力に対する種々の値の例を図示してある。例えば、D0は4の値を有し、D1は66の値を有し、以下図示の通りである。これらのピクセル出力は光学的に黒のピクセルから成るものである為、これらのピクセル出力は、列方向校正処理中に発生される出力よりも著しく小さい。ピクセル出力D0〜D7の計算された平均ピクセル出力712は、図6Aに示すような回路を用いて発生させる。n個のピクセルより成る1つの組に対しブロック710の例示のピクセル出力値D0〜D7を用いると、計算した平均ピクセル出力712は46となる。ブロック710では、ピクセル出力D0は、計算された平均ピクセル出力712から、予め決定した雑音しきい値714を越えて変化しているものとして識別される。この場合、例示にすぎないが、予め決定した雑音しきい値を23に設定したものであり、このことは、計算された平均ピクセル出力712から±23の範囲内にないいかなるピクセル出力も過大雑音を有するピクセル出力として識別されるということを意味する。従って、平均ピクセル出力を真値に近づけるために、ブロック720において、ピクセル出力D0の値を、n個のピクセルの組に対し前に計算した平均ピクセル出力712に等しく設定する。すなわち、ブロック720における信号D0は4から46に変更されている。ブロック720においては、n個のピクセルの組に対し新たな平均ピクセル出力722が計算され、この計算された新たな例の値は51である。この場合、ピクセル出力D5と新たに計算された平均ピクセル出力722との差が予め決定された雑音しきい値724を越えており、このピクセル出力D5もこの平均ピクセル出力722とは著しく相違するピクセル出力として識別される。従って、ブロック730では、ピクセル出力D0及びD5の双方が、前に計算した平均ピクセル出力722の値に等しく設定される(これら双方のピクセル出力は計算した平均ピクセル出力722の値である51に設定される)。これらの新たな値を用いて、新たな平均ピクセル出力732が計算される。この処理は、新たに計算した平均ピクセル出力がその前に計算した平均ピクセル出力と同じ値になるまで続けられる。換言すれば、この処理は、最後に計算した平均値に基づく雑音しきい値を越えるピクセル値がn個のピクセルの組に存在しなくなるまで続けられる。このことは、図7では、ブロック750において平均ピクセル出力752が計算されると、この平均ピクセル出力752はブロック740の平均ピクセル出力742と等しい値となることにより生じる。他の何れかのピクセル出力が予め決定された雑音しきい値714、724、734、744、754を越える場合には、これらの出力もその前に計算された平均ピクセル出力と等しく設定される。
【0026】
図7に示す方法を用いることにより、行雑音校正領域417(図4)の各行におけるn個のピクセル出力の各組に対し、真値に近づけたノイズトレラントな時間経過型の平均ピクセル出力が決定される。行方向校正領域417における1行当りの出力数がnを越える場合には、図7の方法及び図6Aの回路を用いる平均化の回数は複数となり、その結果、各行に対しノイズトレラントな単一の平均ピクセル出力が得られる。本発明によれば、大きな雑音、すなわち、予め決定した雑音しきい値を越える雑音は平均ピクセル出力の計算に当り考慮されない。このようにして行方向オフセット値が発生され、これらをメモリ460に記憶することができる。行方向オフセット値が計算されると、列方向オフセットを前述したようにして用いたのと同様にして、これら列方向オフセット値を用いて行方向雑音を低減させることができる。読出し処理に当り、直列データ流440(図4)におけるデジタルピクセル出力の雑音は、行中の各出力ピクセル値を合成回路455(図4)においてこのピクセルの対応する平均行方向オフセット値だけ減少させることにより低減させることができる。このようにして、ピクセル出力値における行方向変動がピクセル出力の全ての行に亘り平滑化される。
【0027】
図8は、行雑音補正モジュール454(図4)を構成するノイズトレラントな時間経過型平均化回路800を示すブロック線図である。このノイズトレラントな時間経過型平均化回路800は、行方向校正領域417における行のn個のピクセルの組に対し入力としてデジタルピクセル出力信号810を受ける。この回路800は、行方向校正領域417の各行におけるn個のピクセルの組の個数に相当する複数個存在する。或いはまた、用いる回路800を1つとすることができ、この場合、行中のn個のピクセルの各組を回路800中に多重送信して処理する。更に、行方向校正領域417内に1行当りn個のみのピクセルしか存在しない場合には、回路800は1つ必要とするだけである。回路800に入力されるデジタルピクセル出力信号810は、複数個の入力セレクタ820により入力として選択される。これらの入力セレクタの役割は以下の通りである。入力セレクタ820の出力は、図6Aに示す回路のような平均化回路830に入力される。この平均化回路830の出力信号には複数のオフセット信号814と、1つの平均ピクセル出力信号816とが含まれる。オフセット信号814の各々が比較器840により評価されて、この信号が予め決定した雑音しきい値を越えているか否かが決定される。オフセット信号814がこのしきい値を越えていると、対応する入力セレクタ820が雑音低減処理の後の繰返し過程に対する入力として平均ピクセル出力信号816を選択するように設定される。随意ではあるが、オフセット信号814がしきい値を越えると、対応の加算器850をも動作させるようにすることができる。随意ではあるが、動作させた加算器850は、回路830からの出力としての対応のオフセット信号814と、記憶された対応のオフセット信号とを加算する。このようにすることにより、随意ではあるが、図7の処理を依然として用いて大きな雑音のピクセル出力に対するオフセット値を計算して記憶させ、大きな雑音により悪影響を受けない平均ピクセル出力値を得るようにすることができる。この雑音低減モジュール800は、記憶した平均ピクセル出力819と計算した平均ピクセル出力816とが比較器870により互いに等しいと見いだされるまで繰返し用いられる。
【0028】
本発明の第3実施例では、第1実施例の列方向校正モジュール452と、第2実施例の行雑音補正モジュール454とを一緒に用いて、ピクセルアレイ410の能動領域412における各ピクセルに対し2つのオフセットを生ぜしめる。本発明のこの第3実施例によれば、各ピクセルに対し2つのオフセット値を用い、従ってピクセルアレイの双方の方向において画像出力を平滑にすることに加えて、列方向オフセット校正モジュール452(図4)と列雑音補正モジュール454(図4)との双方が図6Aに示す同じ回路を用いることができ、従ってオフセット計算処理に必要とする回路面積が著しく低減するという利点が得られる。しかも、オフセット計算処理がn個の並列ピクセル出力の組に作用する為に、全計算時間が少なくなる。更に、使用する回路が簡単となる為に、CMOSイメージャを動作させるのに用いる場合のある追加の誤り検査及び解決過程も簡単となる。
【0029】
図4を再度参照するに、n個のピクセルの組に対し真値に近づけた平均からオフセット値を計算した後、行及び列オフセット値の双方がメモリ460内に記憶される。実際の画像収集中、雑音を低減させるために、記憶されたオフセット値が直列データ流440における対応のピクセル出力値と加算される。
【0030】
図9は、上述した本発明の第3実施例の過程を要約するフローチャートである。最初に、イメージャの校正が必要であるか否かを決定する(ブロック905)。校正は、イメージャが最初にターンオンされた際、又はイメージャの動作モードが変更された際に必要となるか、或いは所望に応じ実行することができる。校正が必要であることが決定されると、基準光信号又は基準電圧信号がピクセルアレイの列方向校正領域に供給される(ブロック910)。次に、列方向校正領域における行からのピクセル出力を含む全てのピクセル出力をデジタル化する(ブロック915)。次に、ブロック917において、どの種類のオフセットを測定して供給する必要があるかを判定する。列方向のオフセットを決定する必要がある場合には、列方向校正モジュールがn個のデジタルピクセル出力を列方向校正領域から読出す(ブロック920)。これらのn個のピクセル出力からその平均ピクセル出力を決定し、関連のピクセルオフセット値を計算する。列方向校正領域の同じ行からの追加のデジタルピクセル出力をも、追加の列方向校正モジュールに入力させるか、或いは単一の列方向校正モジュールに多重送信する。列方向校正モジュールを反復的に用いることにより、列方向校正領域415におけるピクセルの各行に対し平均列信号出力値が決定される。対応する平均列信号出力値に関連して測定した個々のピクセルオフセットは列方向校正領域415における各ピクセルに対しても決定する。列方向校正領域内の複数の行における各列に対し平均の列オフセットを求める。従って、アレイ中の各列に対し列オフセット値が決定される。この計算後、列オフセットが記憶される(ブロック935)。
【0031】
ピクセルが行方向校正領域から読出される場合、行方向校正領域417内に位置するピクセルの部分の各行に対する平均ピクセル出力を、列オフセット値を発生させるのに用いるのと同じ基本演算平均回路を用いるノイズトレラントな時間経過型の平均化処理により決定する(ブロック925)。各行に対し計算された平均ピクセル出力の負値が行オフセット値である。その理由は、行方向校正領域417におけるピクセルは光学的に黒である為である。計算した行オフセット値を記憶し(ブロック935)、次にこの行オフセット値と記憶されている列オフセット値との双方を、対応する行から読出したピクセル出力に与える(ブロック955B)。オフセットをピクセル出力の行に与えた後、次の行をアレイから読出す。再び、行オフセット値を計算して記憶し、次にこの新たに計算した行オフセットと記憶されている列オフセット値とを新たに読出した行のピクセル出力に与える。この処理は、ピクセルアレイ410から全ての行を読出し、このピクセルアレイの能動領域における各行に対し行オフセット値を計算するまで続ける。
【0032】
計算したオフセットは、校正中に、収集した画像に与えることができる為、上述した校正処理は、イメージャにより実行されるいかなる、又は全ての画像収集に対し同時に用いることができる。或いはまた、オフセット値を記憶し、これを非校正モードで用いることができ、この場合、画像を収集し(ブロック945)、これによるピクセル信号をデジタル化し(ブロック950)、次に記憶されている行及び列の双方のオフセットを対応するピクセルに与える(ブロック955A)。得られた信号における雑音は、ピクセルオフセット値と各対応のデジタルピクセル出力信号とを加算することにより低減される。本発明の第1実施例では、適用した雑音低減化処理により、収集した画像の列方向の平滑化を達成する。この列方向の平滑化は、ピクセルオフセット値とピクセル出力との加算による直接的な結果によるものである。本発明の第2実施例では、収集した画像が行方向の平滑化を呈する。この行方向の平滑化は、ノイズトレラントな平均行ピクセル出力値を決定する、従って、ピクセルオフセットの計算結果をイメージャアレイの行に亘ってより均一にする結果によるものである。本発明の第3実施例では、収集した画像が行方向及び列方向の双方において平滑となる。
【0033】
上述したところでは、本発明の代表的な実施例を示したが、本発明はハードウエアの実施に限定されないこと、当業者にとって明らかである。本発明は、ハードウエア、ソフトウェア又はそのいかなる組み合わせでも実施しうるものである。
【0034】
本発明により構成したピクセル列及び行補正システムを有するCMOSイメージャ装置1030を含む代表的なプロセッサ主体システム1000を図10に示す。このプロセッサ主体システムは、CMOSイメージャ装置を含むことのできるデジタル回路を有するシステムの代表例である。このようなシステムには、コンピュータシステム、カメラシステム、スキャナ、マシンビジョンシステム、ビークルナビゲーションシステム、テレビジョン電話、監視システム、オートフォーカスシステム、スタートラッカーシステム、動き検出システム、画像安定システムが含まれるが、これらに限定されるものではなく、その他の撮像分野も含まれるものである。
【0035】
カメラシステムのようなプロセッサシステムは、例えば一般に、バス1090を介して入力/出力(I/O)装置1020と通信するマイクロプロセッサのような中央処理ユニット(CPU)1010を有している。CMOSイメージャ1030もバス1090を介してシステム構成素子と通信する。プロセッサ主体システム1000はランダムアクセスメモリ(RAM)1040をも有しており、撮像システムの場合には、バス1090を介してCPU1010とも通信する取外し自在のメモリ1050のような周辺装置を含むことができる。CMOSイメージャ1030は、フォトゲート又はフォトダイオードのようなフォトセンサを含むピクセルを有する集積回路として構成するのが好ましい。このCMOSイメージャ1030は、単一の集積回路においてメモリ記憶装置を有する又は有しない、CPU、デジタル信号プロセッサ又はマイクロプロセッサのようなプロセッサと組み合わせたり、このプロセッサとは異なるチップ上に設けたりすることができる。
【0036】
本発明の種々の実施例を上述したが、これらは例示にすぎず、本発明をこれらに限定するものではない。本発明の精神及び範囲を逸脱することなしに、本発明に種々の変更を施こしうることは当業者にとって明らかである。従って、本発明は上述した実施例の何れによっても制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】図1は、従来の撮像システムにより処理される画像への固定パターン雑音の影響を示すこの撮像システムのブロック線図である。
【図2】図2は、従来の撮像システムにより処理される画像への行方向雑音の影響を示すこの撮像システムのブロック線図である。
【図3】図3は、従来のCMOSイメージャのブロック線図である。
【図4】図4は、本発明の代表的な実施例によるCMOSイメージャのブロック線図である。
【図5】図5は、本発明の代表的な実施例によりピクセルオフセット値を記憶するメモリ条件を示すブロック線図である。
【図6A】図6Aは、本発明の代表的な実施例による演算平均ユニットを有する並列入力演算平均回路を示すブロック線図である。
【図6B】図6Bは、図6Aの1つの演算平均ユニットの一例を示すブロック線図である。
【図7】図7は、本発明の代表的な実施例による、多フレームでノイズトレラントな平均ピクセル出力値を計算する方法を示すブロック線図である。
【図8】図8は、並列入力演算平均回路を図7の方法により如何に用いるかを示す本発明の代表的な実施例のブロック線図である。
【図9】図9は、本発明の代表的な実施例による雑音低減化処理の過程を示すフローチャートである。
【図10】図10は、本発明の代表的な実施例によるプロセッサシステムのブロック線図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピクセル行におけるピクセル出力値に対する平均ピクセル出力値を計算する過程と、
ピクセル出力の各々と計算された平均ピクセル出力値との差を計算することにより、行の各ピクセル出力に対しオフセット値を発生させる過程と、
これらのオフセット値を記憶する過程と
を有するイメージャピクセル補正値決定方法。
【請求項2】
請求項1に記載のイメージャピクセル補正値決定方法において、並列入力演算平均モジュールを用いることにより、前記ピクセル出力値に対し、オフセット値を発生させるとともに平均ピクセル出力値を計算するイメージャピクセル補正値決定方法。
【請求項3】
請求項1に記載のイメージャピクセル補正値決定方法において、前記平均ピクセル出力値は、N個のピクセルより成るイメージャ行におけるn個のピクセルの各組に対し平均ピクセル出力値を計算し、次に、N/n個の平均ピクセル出力値の組に対する平均ピクセル出力値を決定することにより計算するイメージャピクセル補正値決定方法。
【請求項4】
請求項1に記載のイメージャピクセル補正値決定方法において、この方法が更に、
行の光学的に黒の部分からのピクセルに対する平均ピクセル出力を求めることにより、行全体に対する追加のオフセット値を決定する過程
を有するイメージャピクセル補正値決定方法。
【請求項5】
請求項4に記載のイメージャピクセル補正値決定方法において、追加のオフセット値を決定する前記過程が、
光学的に黒のピクセル出力値に対し最初の平均ピクセル出力値を計算する過程と、
この最初の平均ピクセル出力値を基準平均ピクセル出力値として設定する過程と、
この基準平均ピクセル出力値とは、予め決定したしきい値だけ異なるピクセル出力値を識別する過程と、
この識別したピクセル出力値の代わりに前記の基準平均ピクセル出力値を用いた後に新たな基準平均ピクセル出力値を決定する過程と
を有するイメージャピクセル補正値決定方法。
【請求項6】
請求項5に記載のイメージャピクセル補正値決定方法において、この方法が更に、
前記新たな平均ピクセル出力値がその前の基準平均ピクセル出力値に等しいか否かを求める過程と、
前の基準平均ピクセル出力値を前記新たな平均ピクセル出力値に置き換える過程と、
新たに決定される平均ピクセル出力値がその前の基準平均ピクセル出力値に等しくなるまで、ピクセル出力値を識別する前記過程、新たな基準平均ピクセル出力値を決定する前記過程、新たな平均ピクセル出力値がその前の基準平均ピクセル出力値に等しいか否かを求める前記過程及び新たな平均ピクセル出力値に置き換える前記過程を繰返す過程と
を有するイメージャピクセル補正値決定方法。
【請求項7】
請求項6に記載のイメージャピクセル補正値決定方法において、基準平均ピクセル出力値とは、予め決定したしきい値だけ異なるピクセル出力値が存在しなくなるまで、ピクセル出力値を識別する前記過程、新たな基準平均ピクセル出力値を決定する前記過程、新たな平均ピクセル出力値がその前の基準平均ピクセル出力値に等しいか否かを求める前記過程及び新たな平均ピクセル出力値に置き換える前記過程を繰返すイメージャピクセル補正値決定方法。
【請求項8】
ピクセル行におけるピクセル出力値に対する平均ピクセル出力値を計算する過程と、ピクセル出力の各々と計算された平均ピクセル出力値との差を計算することにより、行の各ピクセル出力に対しオフセット値を発生させる過程と、これらのオフセット値を記憶する過程とを有するイメージャ校正を実行する過程と、
画像を収集する過程と、
前記オフセット値の各々と画像の対応のピクセル値とを合成する過程と
を具えるイメージャのピクセル信号補正方法。
【請求項9】
請求項8に記載のイメージャのピクセル信号補正方法において、並列入力演算平均モジュールを用いることにより、前記ピクセル出力値に対し、オフセット値を発生させるとともに平均ピクセル出力値を計算するイメージャのピクセル信号補正方法。
【請求項10】
請求項8に記載のイメージャのピクセル信号補正方法において、前記ピクセル出力値は、N個のピクセルより成るイメージャ行におけるn個のピクセルの各組に対し平均ピクセル出力値を計算し、次に、N/n個の平均ピクセル出力値の組に対する平均ピクセル出力値を決定することにより計算するイメージャのピクセル信号補正方法。
【請求項11】
請求項8に記載のイメージャのピクセル信号補正方法において、この方法が更に、
行の光学的に黒の部分からのピクセルに対する平均ピクセル出力を求めることにより、行全体に対する追加のオフセット値を決定する過程
を有するイメージャのピクセル信号補正方法。
【請求項12】
請求項11に記載のイメージャのピクセル信号補正方法において、平均出力値を計算する前記過程が更に、
光学的に黒のピクセル出力値に対し最初の平均ピクセル出力値を計算する過程と、
この最初の平均ピクセル出力値に基準平均ピクセル出力値を設定する過程と、
この基準平均ピクセル出力値とは、予め決定したしきい値だけ異なるピクセル出力値を識別する過程と、
この識別したピクセル出力値の代わりに前の基準平均ピクセル出力値を用いた後に新たな基準平均ピクセル出力値を決定する過程と
を有するイメージャのピクセル信号補正方法。
【請求項13】
請求項12に記載のイメージャのピクセル信号補正方法において、この方法が更に、
前記新たな平均ピクセル出力値がその前の基準平均ピクセル出力値に等しいか否かを求める過程と、
前の基準平均ピクセル出力値を前記新たな平均ピクセル出力値に置き換える過程と、
新たに決定される平均ピクセル出力値がその前の基準平均ピクセル出力値に等しくなるまで、ピクセル出力値を識別する前記過程、新たな基準平均ピクセル出力値を決定する前記過程、新たな平均ピクセル出力値がその前の基準平均ピクセル出力値に等しいか否かを求める前記過程及び新たな平均ピクセル出力値に置き換える前記過程を繰返す過程と
を有するイメージャのピクセル信号補正方法。
【請求項14】
請求項13に記載のイメージャのピクセル信号補正方法において、基準平均ピクセル出力値とは、予め決定したしきい値だけ異なるピクセル出力値が存在しなくなるまで、ピクセル出力値を識別する前記過程、新たな基準平均ピクセル出力値を決定する前記過程、新たな基準平均ピクセル出力値がその前の基準平均ピクセル出力値に等しいか否かを求める前記過程及び新たな基準平均ピクセル出力値に置き換える前記過程を繰返すイメージャのピクセル信号補正方法。
【請求項15】
イメージャ行における複数のピクセル列と関連する対応の複数のピクセル出力値に対する平均ピクセル出力値を決定するピクセル値補正回路と、
複数のピクセル出力の各々と計算した平均ピクセル出力値との差を計算することにより、複数のピクセル出力の各々に対するオフセット値を発生させるように構成した列方向オフセット校正モジュールと、
これらオフセット値を記憶する記憶回路と、
各オフセット値を対応のピクセル出力信号と合成するように構成した加算回路と
を具え、前記オフセット値はイメージャ雑音を低減させるのに用いられるようにしたイメージャの雑音低減化回路。
【請求項16】
請求項15に記載のイメージャの雑音低減化回路において、並列入力演算平均モジュールを用いることにより、オフセット値を発生させるとともに平均ピクセル出力値を計算するようになっているイメージャの雑音低減化回路。
【請求項17】
請求項15に記載の雑音低減化回路において、複数のピクセル出力値が、N個のピクセルより成るイメージャ行におけるn個のピクセルと関連し、イメージャ行におけるピクセルの複数の組でその各組がn個のピクセルより成る当該各組に、前記ピクセル値補正回路、前記列方向オフセット校正モジュール、前記記憶回路及び前記加算回路が適用されるようになっている雑音低減化回路。
【請求項18】
請求項15に記載の雑音低減化回路において、この雑音低減化回路が更に、イメージャ行における複数の光学的に黒のピクセルに対する平均ピクセル出力を求めることにより、複数のピクセル出力に対する追加のオフセット値を決定する行方向オフセット校正モジュールを有している雑音低減化回路。
【請求項19】
請求項18に記載の雑音低減化回路において、前記行方向オフセット校正モジュールは更に、複数の光学的に黒のピクセル出力値に対する最初の平均ピクセル出力値を計算し、この最初の平均ピクセル出力値に基準平均ピクセル出力値を設定し、この基準平均ピクセル出力値とは、予め決定したしきい値だけ異なるピクセル出力値を識別し、この識別されたピクセル出力値の代わりに前の基準平均ピクセル出力値を用いた後に新たな基準平均ピクセル出力値を決定するように構成されている雑音低減化回路。
【請求項20】
請求項19に記載の雑音低減化回路において、前記行方向オフセット校正モジュールは更に、新たな平均ピクセル出力値が前の基準平均ピクセル出力値に等しいか否かを求め、前の基準平均ピクセル出力値を新たな平均ピクセル出力値に置き換え、新たに決定される平均ピクセル出力値がその前の基準平均ピクセル出力値に等しくなるまで、ピクセル出力値を識別する過程、新たな基準平均ピクセル出力値を決定する過程、新たな平均ピクセル出力値がその前の基準平均ピクセル出力値に等しいか否かを求める過程及び新たな平均ピクセル出力値に置き換える過程を繰返すように構成されている雑音低減化回路。
【請求項21】
請求項20に記載の雑音低減化回路において、この雑音低減化回路は、基準平均ピクセル出力値とは、予め決定したしきい値だけ異なるピクセル出力値が存在しなくなるまで、ピクセル出力値を識別する前記過程、新たな基準平均ピクセル出力値を決定する前記過程、新たな基準平均ピクセル出力値がその前の基準平均ピクセル出力値に等しいか否かを求める前記過程及び新たな基準平均ピクセル出力値に再設定する前記過程を繰返すように構成されている雑音低減化回路。
【請求項22】
イメージャ行におけるピクセルの組からのピクセル値をそれぞれ用いる入力端の組と、
これらの入力端に供給されるピクセル値から平均ピクセル値を発生させ、供給される前記ピクセル値の各々に対し前記平均ピクセル値からの対応オフセット値を決定する補正値決定回路と
を具えるイメージャピクセル補正値発生装置。
【請求項23】
請求項22に記載のイメージャピクセル補正値発生装置において、この装置が更に、前記オフセット値を記憶するメモリを具えているイメージャピクセル補正値発生装置。
【請求項24】
請求項22に記載のイメージャピクセル補正値発生装置において、並列入力演算平均モジュールを用いることにより、オフセット値を発生させるとともに平均ピクセル値を計算するようになっているイメージャピクセル補正値発生装置。
【請求項25】
請求項22に記載のイメージャピクセル補正値発生装置において、前記補正値決定回路が、イメージャ行におけるピクセルの複数の順次の組に対する平均ピクセル値及び対応のオフセット値を発生するようになっているイメージャピクセル補正値発生装置。
【請求項26】
請求項22に記載のイメージャピクセル補正値発生装置において、前記補正値決定回路は更に、イメージャ行における複数の光学的に黒のピクセルに対する平均ピクセル出力を求めることにより、イメージャ行における全てのピクセル値に対する追加のオフセット値を決定するように構成されているイメージャピクセル補正値発生装置。
【請求項27】
請求項26に記載のイメージャピクセル補正値発生装置において、前記補正値決定回路は更に、入力の組に対する最初の平均ピクセル値を計算し、この最初の平均ピクセル値に基準平均ピクセル値を設定し、この基準平均ピクセル値とは、予め決定したしきい値だけ異なるピクセル値を識別し、この識別されたピクセル値の代わりに前の基準平均ピクセル値を用いた後に新たな基準平均ピクセル値を決定するように構成されているイメージャピクセル補正値発生装置。
【請求項28】
請求項27に記載のイメージャピクセル補正値発生装置において、前記補正値決定回路は更に、新たな平均ピクセル値がその前の基準平均ピクセル値に等しいか否かを求め、前の基準平均ピクセル値を新たな平均ピクセル値に置き換え、新たに決定される平均ピクセル値がその前の基準平均ピクセル値に等しくなるまで、ピクセル値を識別する過程、新たな基準平均ピクセル値を決定する過程、新たな平均ピクセル値がその前の基準平均ピクセル値に等しいか否かを求める過程及び新たな平均ピクセル値に置き換える過程を繰返すように構成されているイメージャピクセル補正値発生装置。
【請求項29】
請求項28に記載のイメージャピクセル補正値発生装置において、前記補正値決定回路は、基準平均ピクセル値とは、予め決定したしきい値だけ異なるピクセル値が存在しなくなるまで、ピクセル値を識別する前記過程、新たな基準平均ピクセル値を決定する前記過程、新たな基準平均ピクセル値がその前の基準平均ピクセル値に等しいか否かを求める前記過程及び新たな基準平均ピクセル値に置き換える前記過程を繰返すように構成されているイメージャピクセル補正値発生装置。
【請求項30】
イメージャにおける複数のピクセル列と関連する対応の複数のピクセル出力値に対する平均ピクセル出力値を計算する計算手段と、
複数のピクセル出力の各々と計算した平均ピクセル出力値との差を計算することにより、複数のピクセル出力の各々に対するオフセット値を発生させる発生手段と、
オフセット値を記憶する記憶手段と、
各オフセット値を対応のピクセル出力と合成する合成手段と
を具えるイメージャの雑音低減化回路。
【請求項31】
請求項30に記載のイメージャの雑音低減化回路において、並列入力演算平均モジュールを用いることにより、オフセット値を発生させるとともに平均ピクセル出力値を計算するようになっているイメージャの雑音低減化回路。
【請求項32】
請求項30に記載のイメージャの雑音低減化回路において、複数のピクセル出力値が、N個のピクセルより成るイメージャ行におけるn個のピクセルと関連し、イメージャ行におけるピクセルの複数の組でその各組がn個のピクセルより成る当該各組に、前記計算手段、前記発生手段、前記記憶手段及び前記合成手段が適用されるようになっているイメージャの雑音低減化回路。
【請求項33】
請求項30に記載のイメージャの雑音低減化回路において、この回路が更に、イメージャ行の光学的に黒の部分からのピクセルに対する平均ピクセル出力を求めることにより、イメージャ行全体に対する追加のオフセット値を決定する計算手段を具えているイメージャの雑音低減化回路。
【請求項34】
請求項33に記載のイメージャの雑音低減化回路において、前記計算手段が更に、
光学的に黒のピクセル出力値に対する最初の平均ピクセル出力値を求める計算手段と、
この最初の平均ピクセル出力値に基準平均ピクセル出力値を設定する設定手段と、
この基準平均ピクセル出力値とは、予め決定したしきい値だけ異なるピクセル出力値を識別する識別手段と、
この識別したピクセル出力値の代わりに前の基準平均ピクセル出力値を用いた後に新たな基準平均ピクセル出力値を決定する決定手段と
を有しているイメージャの雑音低減化回路。
【請求項35】
請求項34に記載のイメージャの雑音低減化回路において、追加のオフセット値を決定する前記計算手段が更に、
新たな平均ピクセル出力値が前の基準平均ピクセル出力値に等しいか否かを決定する認定手段と、
前の基準平均ピクセル出力値を前記新たな平均ピクセル出力値に置き換える置き換え手段と、
新たに決定される平均ピクセル出力値が前の基準平均ピクセル出力値に等しくなるまで、前記識別手段、前記決定手段、前記認定手段及び前記置き換え手段の使用を繰返す繰返し手段と
を有しているイメージャの雑音低減化回路。
【請求項36】
請求項35に記載のイメージャの雑音低減化回路において、この回路は、基準平均ピクセル出力値とは、予め決定したしきい値だけ異なるピクセル出力値が存在しなくなるまで、ピクセル出力値を識別する識別過程、新たな基準平均ピクセル出力値を決定する決定過程、新たな平均ピクセル出力値がその前の基準平均ピクセル出力値に等しいか否かを決定する認定過程及び新たな平均ピクセル出力値に置き換える置き換え過程を繰返すように構成されているイメージャの雑音低減化回路。
【請求項37】
雑音低減化回路を具えるイメージャにおいて、前記雑音低減化回路が、
イメージャにおける複数のピクセル列と関連する対応の複数のピクセル出力値に対する平均ピクセル出力値を計算するように構成したピクセル値補正回路と、
複数のピクセル出力の各々と計算した平均ピクセル出力値との差を計算することにより、複数のピクセル出力の各々に対するオフセット値を発生させるように構成した列方向オフセット校正モジュールと、
これらオフセット値を記憶する記憶回路と、
各オフセット値を対応のピクセル出力と合成するように構成した加算回路と
を有するイメージャ。
【請求項38】
請求項37に記載のイメージャにおいて、並列入力演算平均モジュールを用いることにより、オフセット値を発生させるとともに平均ピクセル出力値を計算するようになっているイメージャ。
【請求項39】
請求項37に記載のイメージャにおいて、複数のピクセル出力値が、N個のピクセルより成るイメージャ行におけるn個のピクセルと関連し、イメージャ行におけるピクセルの複数の組でその各組がn個のピクセルより成る当該各組に、前記ピクセル値補正回路、前記列方向オフセット校正モジュール、前記記憶回路及び前記加算回路が適用されるようになっているイメージャ。
【請求項40】
請求項37に記載のイメージャにおいて、前記雑音低減化回路が更に、イメージャ行における複数の光学的に黒のピクセルに対する平均ピクセル出力を求めることにより、複数のピクセル出力に対する追加のオフセット値を決定する行方向オフセット校正モジュールを有しているイメージャ。
【請求項41】
請求項40に記載のイメージャにおいて、前記行方向オフセット校正モジュールは更に、複数のピクセル出力値に対する最初の平均ピクセル出力値を計算し、この最初の平均ピクセル出力値に基準平均ピクセル出力値を設定し、この基準平均ピクセル出力値とは、予め決定したしきい値だけ異なるピクセル出力値を識別し、この識別されたピクセル出力値の代わりに前の基準平均ピクセル出力値を用いた後に新たな基準平均ピクセル出力値を決定するように構成されているイメージャ。
【請求項42】
請求項41に記載のイメージャにおいて、前記行方向オフセット校正モジュールは更に、新たな平均ピクセル出力値が前の基準平均ピクセル出力値に等しいか否かを求め、前の基準平均ピクセル出力値を新たな平均ピクセル出力値に置き換え、新たに決定される平均ピクセル出力値が前の基準平均ピクセル出力値に等しくなるまで、ピクセル出力値を識別する過程、新たな基準平均ピクセル出力値を決定する過程、新たな平均ピクセル出力値が前の基準平均ピクセル出力値に等しいか否かを求める過程及び新たな平均ピクセル出力値に置き換える過程を繰返すように構成されているイメージャ。
【請求項43】
請求項42に記載のイメージャにおいて、前記行方向オフセット校正モジュールは、基準平均ピクセル出力値とは、予め決定したしきい値だけ異なるピクセル出力値が存在しなくなるまで、ピクセル出力値を識別する前記過程、新たな基準平均ピクセル出力値を決定する前記過程、新たな平均ピクセル出力値が前の基準平均ピクセル出力値に等しいか否かを求める前記過程及び新たな平均ピクセル出力値に置き換える前記過程を繰返すように構成されているイメージャ。
【請求項44】
イメージャを具える撮像システムにおいて、前記イメージャが雑音低減化回路を具え、この雑音低減化回路が、
イメージャにおける複数のピクセル列と関連する対応の複数のピクセル出力値に対する平均ピクセル出力値を計算するように構成したピクセル値補正回路と、
複数のピクセル出力の各々と計算した平均ピクセル出力値との差を計算することにより、複数のピクセル出力の各々に対するオフセット値を発生させるように構成した列方向オフセット校正モジュールと、
これらオフセット値を記憶する記憶回路と、
各オフセット値を対応のピクセル出力と合成するように構成した加算回路と
を有する撮像システム。
【請求項45】
請求項44に記載の撮像システムにおいて、並列入力演算平均モジュールを用いることにより、オフセット値を発生させるとともに平均ピクセル出力値を計算するようになっている撮像システム。
【請求項46】
請求項44に記載の撮像システムにおいて、複数のピクセル出力値が、N個のピクセルより成るイメージャ行におけるn個のピクセルと関連し、イメージャ行におけるピクセルの複数の組でその各組がn個のピクセルより成る当該各組に、前記ピクセル値補正回路、前記列方向オフセット校正モジュール、前記記憶回路及び前記加算回路が適用されるようになっている撮像システム。
【請求項47】
請求項44に記載の撮像システムにおいて、前記雑音低減化回路が更に、イメージャ行における複数の光学的に黒のピクセルに対する平均ピクセル出力を求めることにより、複数のピクセル出力に対する追加のオフセット値を決定する行方向オフセット校正モジュールを有している撮像システム。
【請求項48】
請求項47に記載の撮像システムにおいて、前記行方向オフセット校正モジュールは更に、複数のピクセル出力値に対する最初の平均ピクセル出力値を計算し、この最初の平均ピクセル出力値に基準平均ピクセル出力値を設定し、この基準平均ピクセル出力値とは、予め決定したしきい値だけ異なるピクセル出力値を識別し、この識別されたピクセル出力値の代わりに前の基準平均ピクセル出力値を用いた後に新たな基準平均ピクセル出力値を決定するように構成されている撮像システム。
【請求項49】
請求項48に記載の撮像システムにおいて、前記行方向オフセット校正モジュールは更に、新たな平均ピクセル出力値が前の基準平均ピクセル出力値に等しいか否かを求め、前の基準平均ピクセル出力値を新たな平均ピクセル出力値に置き換え、新たに決定される平均ピクセル出力値が前の基準平均ピクセル出力値に等しくなるまで、ピクセル出力値を識別する過程、新たな基準平均ピクセル出力値を決定する過程、新たな平均ピクセル出力値が前の基準平均ピクセル出力値に等しいか否かを求める過程及び新たな平均ピクセル出力値に置き換える過程を繰返すように構成されている撮像システム。
【請求項50】
請求項49に記載の撮像システムにおいて、前記行方向オフセット校正モジュールは、基準平均ピクセル出力値とは、予め決定したしきい値だけ異なるピクセル出力値が存在しなくなるまで、ピクセル出力値を識別する前記過程、新たな基準平均ピクセル出力値を決定する前記過程、新たな平均ピクセル出力値が前の基準平均ピクセル出力値に等しいか否かを求める前記過程及び新たな平均ピクセル出力値に置き換える前記過程を繰返すように構成されている撮像システム。
【請求項1】
ピクセル行におけるピクセル出力値に対する平均ピクセル出力値を計算する過程と、
ピクセル出力の各々と計算された平均ピクセル出力値との差を計算することにより、行の各ピクセル出力に対しオフセット値を発生させる過程と、
これらのオフセット値を記憶する過程と
を有するイメージャピクセル補正値決定方法。
【請求項2】
請求項1に記載のイメージャピクセル補正値決定方法において、並列入力演算平均モジュールを用いることにより、前記ピクセル出力値に対し、オフセット値を発生させるとともに平均ピクセル出力値を計算するイメージャピクセル補正値決定方法。
【請求項3】
請求項1に記載のイメージャピクセル補正値決定方法において、前記平均ピクセル出力値は、N個のピクセルより成るイメージャ行におけるn個のピクセルの各組に対し平均ピクセル出力値を計算し、次に、N/n個の平均ピクセル出力値の組に対する平均ピクセル出力値を決定することにより計算するイメージャピクセル補正値決定方法。
【請求項4】
請求項1に記載のイメージャピクセル補正値決定方法において、この方法が更に、
行の光学的に黒の部分からのピクセルに対する平均ピクセル出力を求めることにより、行全体に対する追加のオフセット値を決定する過程
を有するイメージャピクセル補正値決定方法。
【請求項5】
請求項4に記載のイメージャピクセル補正値決定方法において、追加のオフセット値を決定する前記過程が、
光学的に黒のピクセル出力値に対し最初の平均ピクセル出力値を計算する過程と、
この最初の平均ピクセル出力値を基準平均ピクセル出力値として設定する過程と、
この基準平均ピクセル出力値とは、予め決定したしきい値だけ異なるピクセル出力値を識別する過程と、
この識別したピクセル出力値の代わりに前記の基準平均ピクセル出力値を用いた後に新たな基準平均ピクセル出力値を決定する過程と
を有するイメージャピクセル補正値決定方法。
【請求項6】
請求項5に記載のイメージャピクセル補正値決定方法において、この方法が更に、
前記新たな平均ピクセル出力値がその前の基準平均ピクセル出力値に等しいか否かを求める過程と、
前の基準平均ピクセル出力値を前記新たな平均ピクセル出力値に置き換える過程と、
新たに決定される平均ピクセル出力値がその前の基準平均ピクセル出力値に等しくなるまで、ピクセル出力値を識別する前記過程、新たな基準平均ピクセル出力値を決定する前記過程、新たな平均ピクセル出力値がその前の基準平均ピクセル出力値に等しいか否かを求める前記過程及び新たな平均ピクセル出力値に置き換える前記過程を繰返す過程と
を有するイメージャピクセル補正値決定方法。
【請求項7】
請求項6に記載のイメージャピクセル補正値決定方法において、基準平均ピクセル出力値とは、予め決定したしきい値だけ異なるピクセル出力値が存在しなくなるまで、ピクセル出力値を識別する前記過程、新たな基準平均ピクセル出力値を決定する前記過程、新たな平均ピクセル出力値がその前の基準平均ピクセル出力値に等しいか否かを求める前記過程及び新たな平均ピクセル出力値に置き換える前記過程を繰返すイメージャピクセル補正値決定方法。
【請求項8】
ピクセル行におけるピクセル出力値に対する平均ピクセル出力値を計算する過程と、ピクセル出力の各々と計算された平均ピクセル出力値との差を計算することにより、行の各ピクセル出力に対しオフセット値を発生させる過程と、これらのオフセット値を記憶する過程とを有するイメージャ校正を実行する過程と、
画像を収集する過程と、
前記オフセット値の各々と画像の対応のピクセル値とを合成する過程と
を具えるイメージャのピクセル信号補正方法。
【請求項9】
請求項8に記載のイメージャのピクセル信号補正方法において、並列入力演算平均モジュールを用いることにより、前記ピクセル出力値に対し、オフセット値を発生させるとともに平均ピクセル出力値を計算するイメージャのピクセル信号補正方法。
【請求項10】
請求項8に記載のイメージャのピクセル信号補正方法において、前記ピクセル出力値は、N個のピクセルより成るイメージャ行におけるn個のピクセルの各組に対し平均ピクセル出力値を計算し、次に、N/n個の平均ピクセル出力値の組に対する平均ピクセル出力値を決定することにより計算するイメージャのピクセル信号補正方法。
【請求項11】
請求項8に記載のイメージャのピクセル信号補正方法において、この方法が更に、
行の光学的に黒の部分からのピクセルに対する平均ピクセル出力を求めることにより、行全体に対する追加のオフセット値を決定する過程
を有するイメージャのピクセル信号補正方法。
【請求項12】
請求項11に記載のイメージャのピクセル信号補正方法において、平均出力値を計算する前記過程が更に、
光学的に黒のピクセル出力値に対し最初の平均ピクセル出力値を計算する過程と、
この最初の平均ピクセル出力値に基準平均ピクセル出力値を設定する過程と、
この基準平均ピクセル出力値とは、予め決定したしきい値だけ異なるピクセル出力値を識別する過程と、
この識別したピクセル出力値の代わりに前の基準平均ピクセル出力値を用いた後に新たな基準平均ピクセル出力値を決定する過程と
を有するイメージャのピクセル信号補正方法。
【請求項13】
請求項12に記載のイメージャのピクセル信号補正方法において、この方法が更に、
前記新たな平均ピクセル出力値がその前の基準平均ピクセル出力値に等しいか否かを求める過程と、
前の基準平均ピクセル出力値を前記新たな平均ピクセル出力値に置き換える過程と、
新たに決定される平均ピクセル出力値がその前の基準平均ピクセル出力値に等しくなるまで、ピクセル出力値を識別する前記過程、新たな基準平均ピクセル出力値を決定する前記過程、新たな平均ピクセル出力値がその前の基準平均ピクセル出力値に等しいか否かを求める前記過程及び新たな平均ピクセル出力値に置き換える前記過程を繰返す過程と
を有するイメージャのピクセル信号補正方法。
【請求項14】
請求項13に記載のイメージャのピクセル信号補正方法において、基準平均ピクセル出力値とは、予め決定したしきい値だけ異なるピクセル出力値が存在しなくなるまで、ピクセル出力値を識別する前記過程、新たな基準平均ピクセル出力値を決定する前記過程、新たな基準平均ピクセル出力値がその前の基準平均ピクセル出力値に等しいか否かを求める前記過程及び新たな基準平均ピクセル出力値に置き換える前記過程を繰返すイメージャのピクセル信号補正方法。
【請求項15】
イメージャ行における複数のピクセル列と関連する対応の複数のピクセル出力値に対する平均ピクセル出力値を決定するピクセル値補正回路と、
複数のピクセル出力の各々と計算した平均ピクセル出力値との差を計算することにより、複数のピクセル出力の各々に対するオフセット値を発生させるように構成した列方向オフセット校正モジュールと、
これらオフセット値を記憶する記憶回路と、
各オフセット値を対応のピクセル出力信号と合成するように構成した加算回路と
を具え、前記オフセット値はイメージャ雑音を低減させるのに用いられるようにしたイメージャの雑音低減化回路。
【請求項16】
請求項15に記載のイメージャの雑音低減化回路において、並列入力演算平均モジュールを用いることにより、オフセット値を発生させるとともに平均ピクセル出力値を計算するようになっているイメージャの雑音低減化回路。
【請求項17】
請求項15に記載の雑音低減化回路において、複数のピクセル出力値が、N個のピクセルより成るイメージャ行におけるn個のピクセルと関連し、イメージャ行におけるピクセルの複数の組でその各組がn個のピクセルより成る当該各組に、前記ピクセル値補正回路、前記列方向オフセット校正モジュール、前記記憶回路及び前記加算回路が適用されるようになっている雑音低減化回路。
【請求項18】
請求項15に記載の雑音低減化回路において、この雑音低減化回路が更に、イメージャ行における複数の光学的に黒のピクセルに対する平均ピクセル出力を求めることにより、複数のピクセル出力に対する追加のオフセット値を決定する行方向オフセット校正モジュールを有している雑音低減化回路。
【請求項19】
請求項18に記載の雑音低減化回路において、前記行方向オフセット校正モジュールは更に、複数の光学的に黒のピクセル出力値に対する最初の平均ピクセル出力値を計算し、この最初の平均ピクセル出力値に基準平均ピクセル出力値を設定し、この基準平均ピクセル出力値とは、予め決定したしきい値だけ異なるピクセル出力値を識別し、この識別されたピクセル出力値の代わりに前の基準平均ピクセル出力値を用いた後に新たな基準平均ピクセル出力値を決定するように構成されている雑音低減化回路。
【請求項20】
請求項19に記載の雑音低減化回路において、前記行方向オフセット校正モジュールは更に、新たな平均ピクセル出力値が前の基準平均ピクセル出力値に等しいか否かを求め、前の基準平均ピクセル出力値を新たな平均ピクセル出力値に置き換え、新たに決定される平均ピクセル出力値がその前の基準平均ピクセル出力値に等しくなるまで、ピクセル出力値を識別する過程、新たな基準平均ピクセル出力値を決定する過程、新たな平均ピクセル出力値がその前の基準平均ピクセル出力値に等しいか否かを求める過程及び新たな平均ピクセル出力値に置き換える過程を繰返すように構成されている雑音低減化回路。
【請求項21】
請求項20に記載の雑音低減化回路において、この雑音低減化回路は、基準平均ピクセル出力値とは、予め決定したしきい値だけ異なるピクセル出力値が存在しなくなるまで、ピクセル出力値を識別する前記過程、新たな基準平均ピクセル出力値を決定する前記過程、新たな基準平均ピクセル出力値がその前の基準平均ピクセル出力値に等しいか否かを求める前記過程及び新たな基準平均ピクセル出力値に再設定する前記過程を繰返すように構成されている雑音低減化回路。
【請求項22】
イメージャ行におけるピクセルの組からのピクセル値をそれぞれ用いる入力端の組と、
これらの入力端に供給されるピクセル値から平均ピクセル値を発生させ、供給される前記ピクセル値の各々に対し前記平均ピクセル値からの対応オフセット値を決定する補正値決定回路と
を具えるイメージャピクセル補正値発生装置。
【請求項23】
請求項22に記載のイメージャピクセル補正値発生装置において、この装置が更に、前記オフセット値を記憶するメモリを具えているイメージャピクセル補正値発生装置。
【請求項24】
請求項22に記載のイメージャピクセル補正値発生装置において、並列入力演算平均モジュールを用いることにより、オフセット値を発生させるとともに平均ピクセル値を計算するようになっているイメージャピクセル補正値発生装置。
【請求項25】
請求項22に記載のイメージャピクセル補正値発生装置において、前記補正値決定回路が、イメージャ行におけるピクセルの複数の順次の組に対する平均ピクセル値及び対応のオフセット値を発生するようになっているイメージャピクセル補正値発生装置。
【請求項26】
請求項22に記載のイメージャピクセル補正値発生装置において、前記補正値決定回路は更に、イメージャ行における複数の光学的に黒のピクセルに対する平均ピクセル出力を求めることにより、イメージャ行における全てのピクセル値に対する追加のオフセット値を決定するように構成されているイメージャピクセル補正値発生装置。
【請求項27】
請求項26に記載のイメージャピクセル補正値発生装置において、前記補正値決定回路は更に、入力の組に対する最初の平均ピクセル値を計算し、この最初の平均ピクセル値に基準平均ピクセル値を設定し、この基準平均ピクセル値とは、予め決定したしきい値だけ異なるピクセル値を識別し、この識別されたピクセル値の代わりに前の基準平均ピクセル値を用いた後に新たな基準平均ピクセル値を決定するように構成されているイメージャピクセル補正値発生装置。
【請求項28】
請求項27に記載のイメージャピクセル補正値発生装置において、前記補正値決定回路は更に、新たな平均ピクセル値がその前の基準平均ピクセル値に等しいか否かを求め、前の基準平均ピクセル値を新たな平均ピクセル値に置き換え、新たに決定される平均ピクセル値がその前の基準平均ピクセル値に等しくなるまで、ピクセル値を識別する過程、新たな基準平均ピクセル値を決定する過程、新たな平均ピクセル値がその前の基準平均ピクセル値に等しいか否かを求める過程及び新たな平均ピクセル値に置き換える過程を繰返すように構成されているイメージャピクセル補正値発生装置。
【請求項29】
請求項28に記載のイメージャピクセル補正値発生装置において、前記補正値決定回路は、基準平均ピクセル値とは、予め決定したしきい値だけ異なるピクセル値が存在しなくなるまで、ピクセル値を識別する前記過程、新たな基準平均ピクセル値を決定する前記過程、新たな基準平均ピクセル値がその前の基準平均ピクセル値に等しいか否かを求める前記過程及び新たな基準平均ピクセル値に置き換える前記過程を繰返すように構成されているイメージャピクセル補正値発生装置。
【請求項30】
イメージャにおける複数のピクセル列と関連する対応の複数のピクセル出力値に対する平均ピクセル出力値を計算する計算手段と、
複数のピクセル出力の各々と計算した平均ピクセル出力値との差を計算することにより、複数のピクセル出力の各々に対するオフセット値を発生させる発生手段と、
オフセット値を記憶する記憶手段と、
各オフセット値を対応のピクセル出力と合成する合成手段と
を具えるイメージャの雑音低減化回路。
【請求項31】
請求項30に記載のイメージャの雑音低減化回路において、並列入力演算平均モジュールを用いることにより、オフセット値を発生させるとともに平均ピクセル出力値を計算するようになっているイメージャの雑音低減化回路。
【請求項32】
請求項30に記載のイメージャの雑音低減化回路において、複数のピクセル出力値が、N個のピクセルより成るイメージャ行におけるn個のピクセルと関連し、イメージャ行におけるピクセルの複数の組でその各組がn個のピクセルより成る当該各組に、前記計算手段、前記発生手段、前記記憶手段及び前記合成手段が適用されるようになっているイメージャの雑音低減化回路。
【請求項33】
請求項30に記載のイメージャの雑音低減化回路において、この回路が更に、イメージャ行の光学的に黒の部分からのピクセルに対する平均ピクセル出力を求めることにより、イメージャ行全体に対する追加のオフセット値を決定する計算手段を具えているイメージャの雑音低減化回路。
【請求項34】
請求項33に記載のイメージャの雑音低減化回路において、前記計算手段が更に、
光学的に黒のピクセル出力値に対する最初の平均ピクセル出力値を求める計算手段と、
この最初の平均ピクセル出力値に基準平均ピクセル出力値を設定する設定手段と、
この基準平均ピクセル出力値とは、予め決定したしきい値だけ異なるピクセル出力値を識別する識別手段と、
この識別したピクセル出力値の代わりに前の基準平均ピクセル出力値を用いた後に新たな基準平均ピクセル出力値を決定する決定手段と
を有しているイメージャの雑音低減化回路。
【請求項35】
請求項34に記載のイメージャの雑音低減化回路において、追加のオフセット値を決定する前記計算手段が更に、
新たな平均ピクセル出力値が前の基準平均ピクセル出力値に等しいか否かを決定する認定手段と、
前の基準平均ピクセル出力値を前記新たな平均ピクセル出力値に置き換える置き換え手段と、
新たに決定される平均ピクセル出力値が前の基準平均ピクセル出力値に等しくなるまで、前記識別手段、前記決定手段、前記認定手段及び前記置き換え手段の使用を繰返す繰返し手段と
を有しているイメージャの雑音低減化回路。
【請求項36】
請求項35に記載のイメージャの雑音低減化回路において、この回路は、基準平均ピクセル出力値とは、予め決定したしきい値だけ異なるピクセル出力値が存在しなくなるまで、ピクセル出力値を識別する識別過程、新たな基準平均ピクセル出力値を決定する決定過程、新たな平均ピクセル出力値がその前の基準平均ピクセル出力値に等しいか否かを決定する認定過程及び新たな平均ピクセル出力値に置き換える置き換え過程を繰返すように構成されているイメージャの雑音低減化回路。
【請求項37】
雑音低減化回路を具えるイメージャにおいて、前記雑音低減化回路が、
イメージャにおける複数のピクセル列と関連する対応の複数のピクセル出力値に対する平均ピクセル出力値を計算するように構成したピクセル値補正回路と、
複数のピクセル出力の各々と計算した平均ピクセル出力値との差を計算することにより、複数のピクセル出力の各々に対するオフセット値を発生させるように構成した列方向オフセット校正モジュールと、
これらオフセット値を記憶する記憶回路と、
各オフセット値を対応のピクセル出力と合成するように構成した加算回路と
を有するイメージャ。
【請求項38】
請求項37に記載のイメージャにおいて、並列入力演算平均モジュールを用いることにより、オフセット値を発生させるとともに平均ピクセル出力値を計算するようになっているイメージャ。
【請求項39】
請求項37に記載のイメージャにおいて、複数のピクセル出力値が、N個のピクセルより成るイメージャ行におけるn個のピクセルと関連し、イメージャ行におけるピクセルの複数の組でその各組がn個のピクセルより成る当該各組に、前記ピクセル値補正回路、前記列方向オフセット校正モジュール、前記記憶回路及び前記加算回路が適用されるようになっているイメージャ。
【請求項40】
請求項37に記載のイメージャにおいて、前記雑音低減化回路が更に、イメージャ行における複数の光学的に黒のピクセルに対する平均ピクセル出力を求めることにより、複数のピクセル出力に対する追加のオフセット値を決定する行方向オフセット校正モジュールを有しているイメージャ。
【請求項41】
請求項40に記載のイメージャにおいて、前記行方向オフセット校正モジュールは更に、複数のピクセル出力値に対する最初の平均ピクセル出力値を計算し、この最初の平均ピクセル出力値に基準平均ピクセル出力値を設定し、この基準平均ピクセル出力値とは、予め決定したしきい値だけ異なるピクセル出力値を識別し、この識別されたピクセル出力値の代わりに前の基準平均ピクセル出力値を用いた後に新たな基準平均ピクセル出力値を決定するように構成されているイメージャ。
【請求項42】
請求項41に記載のイメージャにおいて、前記行方向オフセット校正モジュールは更に、新たな平均ピクセル出力値が前の基準平均ピクセル出力値に等しいか否かを求め、前の基準平均ピクセル出力値を新たな平均ピクセル出力値に置き換え、新たに決定される平均ピクセル出力値が前の基準平均ピクセル出力値に等しくなるまで、ピクセル出力値を識別する過程、新たな基準平均ピクセル出力値を決定する過程、新たな平均ピクセル出力値が前の基準平均ピクセル出力値に等しいか否かを求める過程及び新たな平均ピクセル出力値に置き換える過程を繰返すように構成されているイメージャ。
【請求項43】
請求項42に記載のイメージャにおいて、前記行方向オフセット校正モジュールは、基準平均ピクセル出力値とは、予め決定したしきい値だけ異なるピクセル出力値が存在しなくなるまで、ピクセル出力値を識別する前記過程、新たな基準平均ピクセル出力値を決定する前記過程、新たな平均ピクセル出力値が前の基準平均ピクセル出力値に等しいか否かを求める前記過程及び新たな平均ピクセル出力値に置き換える前記過程を繰返すように構成されているイメージャ。
【請求項44】
イメージャを具える撮像システムにおいて、前記イメージャが雑音低減化回路を具え、この雑音低減化回路が、
イメージャにおける複数のピクセル列と関連する対応の複数のピクセル出力値に対する平均ピクセル出力値を計算するように構成したピクセル値補正回路と、
複数のピクセル出力の各々と計算した平均ピクセル出力値との差を計算することにより、複数のピクセル出力の各々に対するオフセット値を発生させるように構成した列方向オフセット校正モジュールと、
これらオフセット値を記憶する記憶回路と、
各オフセット値を対応のピクセル出力と合成するように構成した加算回路と
を有する撮像システム。
【請求項45】
請求項44に記載の撮像システムにおいて、並列入力演算平均モジュールを用いることにより、オフセット値を発生させるとともに平均ピクセル出力値を計算するようになっている撮像システム。
【請求項46】
請求項44に記載の撮像システムにおいて、複数のピクセル出力値が、N個のピクセルより成るイメージャ行におけるn個のピクセルと関連し、イメージャ行におけるピクセルの複数の組でその各組がn個のピクセルより成る当該各組に、前記ピクセル値補正回路、前記列方向オフセット校正モジュール、前記記憶回路及び前記加算回路が適用されるようになっている撮像システム。
【請求項47】
請求項44に記載の撮像システムにおいて、前記雑音低減化回路が更に、イメージャ行における複数の光学的に黒のピクセルに対する平均ピクセル出力を求めることにより、複数のピクセル出力に対する追加のオフセット値を決定する行方向オフセット校正モジュールを有している撮像システム。
【請求項48】
請求項47に記載の撮像システムにおいて、前記行方向オフセット校正モジュールは更に、複数のピクセル出力値に対する最初の平均ピクセル出力値を計算し、この最初の平均ピクセル出力値に基準平均ピクセル出力値を設定し、この基準平均ピクセル出力値とは、予め決定したしきい値だけ異なるピクセル出力値を識別し、この識別されたピクセル出力値の代わりに前の基準平均ピクセル出力値を用いた後に新たな基準平均ピクセル出力値を決定するように構成されている撮像システム。
【請求項49】
請求項48に記載の撮像システムにおいて、前記行方向オフセット校正モジュールは更に、新たな平均ピクセル出力値が前の基準平均ピクセル出力値に等しいか否かを求め、前の基準平均ピクセル出力値を新たな平均ピクセル出力値に置き換え、新たに決定される平均ピクセル出力値が前の基準平均ピクセル出力値に等しくなるまで、ピクセル出力値を識別する過程、新たな基準平均ピクセル出力値を決定する過程、新たな平均ピクセル出力値が前の基準平均ピクセル出力値に等しいか否かを求める過程及び新たな平均ピクセル出力値に置き換える過程を繰返すように構成されている撮像システム。
【請求項50】
請求項49に記載の撮像システムにおいて、前記行方向オフセット校正モジュールは、基準平均ピクセル出力値とは、予め決定したしきい値だけ異なるピクセル出力値が存在しなくなるまで、ピクセル出力値を識別する前記過程、新たな基準平均ピクセル出力値を決定する前記過程、新たな平均ピクセル出力値が前の基準平均ピクセル出力値に等しいか否かを求める前記過程及び新たな平均ピクセル出力値に置き換える前記過程を繰返すように構成されている撮像システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2007−28521(P2007−28521A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2005−211477(P2005−211477)
【出願日】平成17年7月21日(2005.7.21)
【出願人】(596079127)マイクロン・テクノロジー・インコーポレーテッド (55)
【氏名又は名称原語表記】MICRON TECHNOLOGY,INC.
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−211477(P2005−211477)
【出願日】平成17年7月21日(2005.7.21)
【出願人】(596079127)マイクロン・テクノロジー・インコーポレーテッド (55)
【氏名又は名称原語表記】MICRON TECHNOLOGY,INC.
【Fターム(参考)】
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