説明

並列通信装置及びその通信方法

【課題】本発明では、マスタ装置と、局番指定機能がない複数のスレーブ装置を通信網で接続して並列通信を行えるように溝成する。
【解決手段】本発明による並列通信装置(300)は、マスタ装置(100)を介して送信される通信データを受信する第1受信端子と、第1受信端子を介して受信された通信データをスレーブ装置(200)に送信する第1送信端子と、第1送信端子と複数のスレーブ装置との間に形成される通信ラインを取り締まるスイッチと、通信データに含まれた目的地情報利用して通信データが送信される第1スレーブ装置を確認し、確認された第1スレーブ装置に受信された通信データが送信されるように制御する制御部と、を含み、制御部は第1送信端子と第1スレーブ装置との間に形成された通信ラインが活性化されるようにスイッチを制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、並列通信装置に関し、特に太陽光インバータに適用する並列通信装置及びその通信方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
太陽光発電システムは、太陽光モジュールと太陽光インバータからなる。また、大規模太陽光発電システムの場合には、複数の太陽光モジュールと複数の太陽光インバータを接続して発電している。
【0003】
この際、太陽光インバータは、太陽光モジュールから発生する直流エネルギーを利用して常用系統に電力を伝達する発電装置である。
【0004】
一方、太陽光インバータの容量は制限されており、これによって大容量の発電設備を構築するためには複数の太陽光インバータをお互い並列に接続して出力が大きくなるようシステムを構成するべきである。
【0005】
この複数の太陽光インバータを並列に構成して太陽光発電システムを構成する場合、各々の太陽光インバータは相互間の通信を行わなければならず、通信のための通信方式はシステム構成において非常に重要な要素となる。
【0006】
図1は、従来技術による太陽光インバータ通信装置の構成図である。
【0007】
図1を参照すると、太陽光インバータ通信装置は、マスタ装置10と、マスタ装置10の通信送信線路を介して接続された少なくとも一つのスレーブ装置20からなる。図1は、1台のマスタ装置10と、3台のスレーブ装置20が接続された並列通信装置の例示である。
【0008】
並列通信を構成する際、マスタ装置10から各々のスレーブ装置20と個別的通信を行うために、各々のスレーブ装置20には局番が付けなければならない。局番は、各々のスレーブ装置20をお互い区分するための識別番号である。
【0009】
太陽光インバータ通信装置の動作を見ると、マスタ装置10から通信データを送信すると、通信網で接続された全スレーブ装置20は送信される通信データを受信する。
【0010】
この際、送信される通信データはマスタ装置10が指定した特定スレーブ装置20にだけ適用されなければならない。
【0011】
これによって、マスタ装置10は通信データの最終目的地(通信データが適用されるスレーブ装置)に対応する局番情報を通信データに挿入する。
【0012】
これによって、各々のスレーブ装置20は、受信の通信データに含まれた局番情報が自己の局番情報である時のみマスタ装置10との通信に応答する。
【0013】
言い換えると、マスタ装置10を介して送信された通信データは全スレーブ装置20で受信されるが、通信データに含まれた局番情報に対応するスレーブ装置だけが送信された通信データに応答するので、並列通信が可能である。
【0014】
上述のように、複数のスレーブ装置20を並列に接続して通信を行う際には各太陽光インバータに局番を付与して相互区分をすることによって、通信する際に生じえる各スレーブ装置間のデータ衝突や通信エラーを防止した。
【0015】
しかし、上述のように従来の通信方式を利用した並列通信を行うためには各々のスレーブ装置20に局番を指定しなければならないので通信プロトコルに局番を反映するべきであり、もし各々のスレーブ装置20に局番を指定する機能がない場合、上述の並列通信システムを構成できないという問題がある。
【0016】
また、製造会社がお互い異なるスレーブ装置を並列接続して通信しようとする場合、各々のスレーブ装置において使用する通信プロトコルが異なると並列通信の構成が不可能であるから、並列通信を構成する際に通信プロトコルが同じスレーブ装置のみを選定しなければならない不便が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明では、マスタ装置と、局番指定機能がない複数のスレーブ装置を通信網で接続して並列通信を行えるように溝成する。
【0018】
また、本発明では、マスタ装置と、お互い異なる通信プロトコルを使用する複数のスレーブ装置を通信網で接続して並列通信を行えるように構成する。
【0019】
一方、本発明で達成しようとする技術的課題は、以上で言及した技術的課題に制限されず、言及されない他の技術的課題は、以下で提案される本発明が属する技術分野で通常の知識を持つ者に明確に理解されるだろう。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明による並列通信装置は、マスタ装置を介して送信される通信データを受信する第1受信端子と、前記第1受信端子を介して受信される通信データをスレーブ装置に送信する第1送信端子と、前記第1送信端子と複数のスレーブ装置間に形成される通信ラインを取り締まるスイッチと、前記通信データに含まれた目的地情報を利用して前記通信データが送信される第1スレーブ装置を確認し、前記確認された第1スレーブ装置に前記受信された通信データが送信されるように制御する制御部と、を含み、前記制御部は、前記第1送信端子と前記第1スレーブ装置との間に形成される通信ラインが活性化されるように前記スイッチを制御する。
【0021】
また、本発明による並列通信方法は、マスタ装置を介して送信される通信データを受信するステップと、前記通信データ内に含まれた目的地情報を確認して、複数のスレーブ装置のうち前記通信データが送信される第1スレーブ装置を確認するステップと、前記第1スレーブ装置が確認されると、前記第1スレーブ装置と接続される通信ラインを活性化するステップと、前記活性化される通信ラインを介して前記受信される通信データを前記第1スレーブ装置に送信するステップと、を含む。
【発明の効果】
【0022】
上述の本発明によれば、マスタ装置と局番指定機能がない複数のスレーブ装置を通信網で接続して並列通信を行うことができる。また、上述の本発明によれば、複数のスレーブ装置で使用する通信プロトコルと、マスタ装置で使用する通信プロトコルがお互い異なっても正常の並列通信を効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】従来技術による太陽光インバータ通信装置の構成図である。
【図2】第1実施例による通信システムの構成図である。
【図3】第2実施例による通信システムの構成図である。
【図4】実施例による通信データの送信方法をステップ別に表したフローチャートである。
【図5】実施例による応答データの送信方法をステップ別に表したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明は、多様な変更を加えることができ、幾つかの実施例を有することができるところ、特定実施例を図面に例示して詳しく説明する。
【0025】
しかし、これは本発明を特定した実施形態に対して限定することではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物乃至代替物を含むことと理解されるべきである。
【0026】
第1、第2の用語は、多様な構成要素を説明する際に使用されることがあるが、構成要素は用語によって限定されることはない。用語は一つの構成要素を異なる構成要素と区別する目的にだけ使用される。例えば、本発明の権利範囲を外さないと同時に、第1構成要素は第2構成要素として命名されてもよく、同様に第2構成要素も第1構成要素として命名されてもよい。「及び/または」という用語は、複数の関連した記載の項目の組み合わせまたは複数の関連した記載の項目のうち何れかの項目を含む。
【0027】
また、他の定義がない限り、技術的または科学的用語を含めて本明細書で使用される全ての用語は、本発明が属する技術分野において通常の知識を持つ者によって一般的に理解されることと同じ意味を有する。一般的に使用される辞書に定義されている用語は、関連技術の文脈上に持つ意味と一致する意味を持つことに解析されなければならず、本願において明白に定義されない限り、理想的であるかあまり形成的な意味に解析されることはない。
【0028】
以下、添付の図面を参照して、本発明の好ましい実施例をさらに詳しく説明する。本発明を説明することにおいて、全体的な理解を容易にするために、図面上の同じ構成要素に対しては同じ参照符号を使用し、同じ構成要素に対して重なる説明は略する。
【0029】
図2は、第1実施例による通信システムの構成図で、図3は、第2実施例による通信システムの構成図である。
【0030】
図2は、2台のスレーブ装置200が並列に接続されている場合に対応する通信システムの構成図で、図3は、N台のスレーブ装置200がお互い並列に接続されている場合に対応する通信システムの構成図である。
【0031】
言い換えると、実施例による通信システムで並列に接続されるスレーブ装置200の数は、主たる要素ではなく、スレーブ装置200の数が増加するほど、増加されるスレーブ装置の数に対応する通信ライン及び増加した通信ラインを取り締まるためのスイッチのみが選択的に増えるだろう。
【0032】
図2を参照すると、通信システムはマスタ装置100、複数のスレーブ装置200及び並列通信装置300を含む。
【0033】
複数のスレーブ装置200は、第1スレーブ装置201及び第2スレーブ装置202を含む。
【0034】
また、並列通信装置300は、マスタ装置100を介して送信される通信データを受信し、受信された通信データを複数のスレーブ装置200のうち何れか一つのスレーブ装置に送信する。
【0035】
また、並列通信装置300は、スレーブ装置200を介して送信される応答データを受信し、受信した応答データをマスタ装置100に送信する。
【0036】
以下、上述の通信システムに対してより具体的に説明する。
【0037】
マスタ装置100は、複数のスレーブ装置200の動作状態のモニタリングを行い、モニタリング結果に応じて複数のスレーブ装置200の動作を制御する。
【0038】
スレーブ装置200は、太陽光発電用インバータであってもよい。太陽光発電用インバータは逆変換部、フィルタ部、常用周波変圧器、インバータ出力部で構成されることができる。
【0039】
太陽光発電用インバータの動作を概略して見る。
【0040】
太陽電池アレイの直流電力の入力部から直流電力が入力されると、逆変換部は直流電力を交流電力に変換する。また、逆変換部は系統の位相と周波数を計算し、それに従って系統と同期して変換して交流電力を出力する。
【0041】
逆変換部によって出力される交流電力はフィルタ部を経て正弦波に変換された上、常用周波変圧器に伝達される。常用周波変圧器は系統と電気的に絶縁されて、上述の伝達される正弦波を昇圧または降圧した後、インバータ出力部を介して系統に出力する。
【0042】
上述の太陽光発電用インバータは、大容量の発電設備を構築するために複数のインバータがお互い並列に接続されて、太陽光発電システムを構成する。
【0043】
並列通信装置300は、通信データまたは応答データの送受信を制御する制御部310と、制御部310から入力される制御信号に応じて各々のスレーブ装置200と接続された通信ラインを取り締まる複数のスイッチ320を含む。
【0044】
この際、図2に示すように、スレーブ装置が2台で構成される場合、複数のスイッチ320は第1スレーブ装置201と接続される通信ラインを取り締まる第1スイッチと、第2スレーブ装置202と接続された通信ラインを取り締まる第2スイッチとを含むことができる。
【0045】
また、図3に示すように、スレーブ装置200がN台で構成される場合、スイッチはスレーブ装置200の数と同じN台で構成されることができる。
【0046】
制御部310は、マスタ装置100から送信される通信データを受信する第1受信端子311と、第1受信端子311を介して受信された通信データをスレーブ装置200に送信する第1送信端子312と、スレーブ装置200から送信される応答データを受信する第2受信端子313と、第2受信端子313を介して受信された応答データをマスタ装置100に送信する第2送信端子314とを含む。
【0047】
言い換えると、制御部310は、マスタ装置100を介して送信される通信データを受信する受信端子と、受信した通信データをスレーブ装置に送信するための送信端子とを含む。
【0048】
また、制御部310は、スレーブ装置を介して送信される応答データを受信する受信端子と、受信した応答データをマスタ装置に送信する送信端子とを含む。
【0049】
これによって、制御部310は、複数の受信端子と複数の送信端子を含む。
【0050】
以下、添付の図4及び図5を参照して、上述と同様に構成された通信システムの動作に対してより詳しく説明する。この際、説明の便宜のために、図2に図示された構成要素と結び付けて、図4及び図5に図示された通信システムの動作を説明する。
【0051】
図4は、本発明の実施例による通信データの送信方法をステップ別に示したフローチャートで、図5は、本発明の実施例による応答データの送信方法をステップ別に示したフローチャートである。
【0052】
この際、実施例を説明する際に通信データ及び応答データを用いるが、通信データはマスタ装置100からスレーブ装置300に送信されるデータであり、応答データは通信データに応答してスレーブ装置300からマスタ装置100に送信されるデータである。
【0053】
先ず、図4を参照すると、制御部310は第1受信端子311を介してマスタ装置100から送信される通信データを受信する(ステップS100)。
【0054】
通信データは、マスタ装置100から特定スレーブ装置300に送信されるデータであり、通信データには特定スレーブ装置300に反映される動作状態情報などを含めてもよい。
【0055】
制御部310は、通信データが受信されると、受信された通信データ内に含まれた目的地情報を確認し(ステップS110)、確認された目的地情報を利用して通信データが送信されるスレーブ装置を確認する(ステップS120)。
【0056】
即ち、通信データには目的地情報を含めている。言い換えると、マスタ装置100は特定スレーブ装置に送信する通信データが存在すると、通信データに特定スレーブ装置に対応する目的地情報を挿入し、目的地情報が挿入された通信データを並列通信装置200に送信する。
【0057】
これによって、制御部310は、通信データに含まれた目的地情報を解析して、通信データを伝達するスレーブ装置を確認する。
【0058】
この際、目的地情報は、接続された複数のスレーブ装置200を各々区分するために付与された局番情報であってもよい。この際、各々のスレーブ装置200には局番が指定されていない。つまり、局番情報は、マスタ装置100と通信装置300との間にだけ複数のスレーブ装置200を区分するために仮想で指定した識別情報といえる。
【0059】
例えば、マスタ装置100と通信装置300との間の約束によって、第1スレーブ装置201は「1」という局番情報が仮想で指定されることができ、第2スレーブ装置202は「2」という局番情報が仮想で指定されることができ、第Nスレーブ装置は「N」という局番情報が仮想で指定されることができる。
【0060】
これによって、マスタ装置100は特定スレーブ装置と通信するデータが発生する場合、スレーブ装置に送信する通信データを生成し、生成した通信データにスレーブ装置に仮想で指定された局番情報を挿入する。この際、挿入された局番情報は、通信データが送信されるスレーブ装置に対応する目的地情報であってもよい。
【0061】
制御部310は通信データに含まれた目的地情報が確認されると、受信された通信データの目的地に対応するスレーブ装置を確認する。例えば、目的地情報が「1」である場合、通信データの最終目的地は第1スレーブ装置201であると確認される。
【0062】
制御部310は、通信データの最終目的地に対応するスレーブ装置201が確認される場合、通信データ内に含まれた目的地情報を削除する(ステップS130)。
【0063】
即ち、目的地情報は、マスタ装置100と通信装置300との間にだけの約束情報である。言い換えると、目的地情報は各々のスレーブ装置200で解析不可能な情報であり、マスタ装置100と通信装置300にだけ解析可能な情報である。
【0064】
しかし、上述の目的地情報が通信データ内に含まれて特定スレーブ装置200に送信される場合、スレーブ装置200では通信データ内に含まれた目的地情報により通信データを間違えって解析する恐れがある。言い換えると、目的地情報が含まれた通信データがスレーブ装置に送信される場合、目的地情報によってデータ通信エラーなどの問題が発生する恐れがある。
【0065】
これによって、実施例では、通信データの最終目的地に対応するスレーブ装置が確認されると、通信データ内に含まれた目的地情報を削除する。
【0066】
制御部310は通信データに含まれた目的地情報が削除されると、通信データの形式と、通信データが送信されるスレーブ装置で使用するデータ形式を比較し、比較結果に応じて通信データの形式を変換する(ステップS140)。
【0067】
即ち、実施例では、お互い異なる製造会社で製造された複数のスレーブ装置がお互い並列に接続されることができ、並列接続された複数のスレーブ装置ではお互い異なる通信プロトコルを使用してデータ通信を行える。
【0068】
よって、制御部310は並列接続された各々のスレーブ装置200で使用する通信プロトコルに対する情報を格納する。そして、制御部310は格納された情報を利用して後に通信プロトコルに対応するように通信データの形式を変換する。
【0069】
これによって、マスタ装置100は約束の共通規格形式に合わせて通信データを生成して通信装置300に送信する。
【0070】
そして、制御部310は通信データが受信されると、通信データが送信されるスレーブ装置の通信プロトコルを確認する。また、制御部310は確認したスレーブ装置の通信プロトコル及び通信データの通信プロトコルがお互い同じであるか否かを判断する。この際、通信データの通信プロトコルはマスタ装置100で使用する通信プロトコルである。
【0071】
制御部310は二つの通信プロトコルが同じである場合、変換ステップを行わず、目的地情報が削除された通信データをそのままスレーブ装置に送信する。しかし、制御部310は二つの通信プロトコルがお互い相違する場合、スレーブ装置で使用する通信プロトコルに合わせて受信された通信データの形式を変換する。
【0072】
次に、制御部310は確認されたスレーブ装置と接続された通信ラインを活性化する(ステップS150)。
【0073】
このため、制御部310は通信データが送信されるスレーブ装置が確認されると、スレーブ装置と接続された通信ラインを取り締まるスイッチを確認する。例えば、通信データの最終目的地が第1スレーブ装置201であると決定されると、第1スイッチSW1がスレーブ装置と接続された通信ラインを取り締まるスイッチとして確認される。
【0074】
スイッチが確認されると、制御部310はスイッチと接続された制御ラインを介して確認されたスレーブ装置と接続された通信ラインを活性化するための制御信号を出力する。
【0075】
この際、通信データが受信される前には、各々の通信ラインを取り締まる全スイッチはオフ状態を維持している。言い換えると、全通信ラインは非活性化状態を維持している。
【0076】
また、通信データが受信されると、制御部310は確認されたスイッチのみをオンに変換して、通信データが送信されるスレーブ装置と接続された通信ラインだけを活性化する。
【0077】
これによって、制御部310は第1送信端子312を介して活性化された通信ラインで通信データを送信する(ステップS160)。
【0078】
次に、図5を参照すると、制御部310は第2受信端子313を介して現在活性化されている通信ラインから送信される応答データを受信する(ステップS200)。
【0079】
この際、活性化されている通信ラインは、通信データの送信のために活性化された通信ラインである。言い換えると、通信データの最終目的地に対応するスレーブ装置と接続された通信ラインである。
【0080】
また、応答データは送信された通信データに応答して通信データを受信したスレーブ装置がマスタ装置に送信するデータである。つまり、応答データは通信データを基準として動作が行われることによる処理結果信号である。
【0081】
制御部310は応答データが受信されると、受信された応答データの出発地情報を確認する(ステップS210)。
【0082】
即ち、制御部310は応答データを送信したスレーブ装置に対して仮想で指定された局番情報を確認する。
【0083】
出発地情報が確認されると、制御部310は確認された出発地情報を受信された応答データ内に挿入する(ステップS220)。
【0084】
制御部310は応答データ内に出発地情報が挿入されると、応答データを送信したスレーブ装置で使用する通信プロトコルと、マスタ装置で使用する通信プロトコルを比較し、二つの通信プロトコルがお互い同じであるか、または相違するかを確認する。
【0085】
制御部310は二つの通信プロトコルがお互い同じである場合、出発地情報が挿入された応答データをそのままマスタ装置100に送信する。しかし、制御部310は二つの通信プロトコルがお互い相違する場合、マスタ装置100で使用する通信プロトコルに合わせて応答データの形式を変換する(ステップS230)。
【0086】
制御部310は応答データの形式が変換されると、第2送信端子134を介してマスタ装置100に送信する(ステップS240)。
【0087】
この実施例によると、マスタと局番指定機能がない複数のスレーブ装置とを通信網で接続して並列通信を行うことができ、複数のスレーブ装置がマスタ装置と同じ通信プロトコルを使用しなくても、並列通信を行うことができる。
【0088】
以上で本発明に対してその好ましい実施例を中心に説明したが、これはただの例示に過ぎず、本発明を限定するものではなく、本発明が属する分野の通常の知識を持つ者であれば、本発明の実質的な特性を外さない範囲内で、以上に例示されてない多様な変形と応用が可能であることがわかる。例えば、本発明の実施例に具体的に表した各溝成要素は変形して実施できるだろう。そして、この変形と応用に関係する違いは、添付の請求範囲から規定する本発明の範囲に含まれることと解析されなければならない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マスタ装置と接続されて、前記マスタ装置を介して送信される通信データを受信し、並列接続された複数のスレーブ装置のうち少なくとも一つのスレーブ装置に前記受信された通信データを送信する並列通信装置において、
前記マスタ装置を介して送信される通信データを受信する第1受信端子と、
前記第1受信端子を介して受信された通信データを前記少なくとも一つのスレーブ装置に送信する第1送信端子と、
前記第1送信端子と複数のスレーブ装置との間に形成される通信ラインを取り締まるスイッチと、
前記通信データに含まれた目的地情報を利用して前記通信データが送信される第1スレーブ装置を確認し、前記確認された第1スレーブ装置に前記受信された通信データが送信されるように制御する制御部と、を含み、
前記制御部は、
前記スイッチを制御して前記第1送信端子と前記通信データが送信される第1スレーブ装置との間に形成された通信ラインを活性化する、
並列通信装置。
【請求項2】
前記マスタ装置と前記並列通信装置との間の約束によって複数のスレーブ装置には、前記複数のスレーブ装置を各々区分するための仮想の局番情報が指定され、
前記目的地情報は、
前記通信データが送信されるスレーブ装置に指定された局番情報である、
請求項1に記載の並列通信装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記通信データが送信される第1スレーブ装置が確認されると、前記通信データ内に含まれた目的地情報を削除し、
前記目的地情報が削除された通信データを前記第1スレーブ装置に送信する、
請求項2に記載の並列通信装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記第1スレーブ装置で使用する通信プロトコルを確認して前記確認された通信プロトコルに対応するように前記受信された通信データを変換し、
前記変換された通信データを前記第1スレーブ装置に送信する、
請求項3に記載の並列通信装置。
【請求項5】
前記第1スレーブ装置を介して送信される応答データを受信する第2受信端子と、
前記第2受信端子を介して受信された応答データを前記マスタ装置に送信する第2送信端子をさらに含む、
請求項1乃至4のうち何れか一項に記載の並列通信装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記通信データが送信された第1スレーブ装置を介して前記応答データが受信される時点まで前記第1送信端子と前記第1スレーブ装置との間に形成された通信ラインの活性化を維持する、
請求項5に記載の並列通信装置。
【請求項7】
前記制御部は、
前記応答データが受信されると、前記応答データに前記応答データの出発地に対する出発地情報を挿入し、前記出発地情報が挿入された応答データを前記マスタ装置に送信し、
前記出発地情報は、
前記応答データを送信した第1スレーブ装置に仮想で指定された局番情報を含む、
請求項6に記載の並列通信装置。
【請求項8】
前記制御部は、
前記マスタ装置で使用する通信プロトコルを確認して前記確認された通信プロトコルに対応するように前記受信された応答データを変換し、
前記変換された応答データを前記マスタ装置に送信する、
請求項7に記載の並列通信装置。
【請求項9】
マスタ装置と接続されて、前記マスタ装置を介して送信される通信データを受信し、並列接続された複数のスレーブ装置のうち少なくとも一つのスレーブ装置に前記受信された通信データを送信する並列通信装置の通信方法において、
前記マスタ装置を介して送信される通信データを受信するステップと、
前記通信データ内に含まれた目的地情報を確認して、前記複数のスレーブ装置のうち前記通信データが送信される第1スレーブ装置を確認するステップと、
前記第1スレーブ装置が確認される場合、前記第1スレーブ装置と接続された通信ラインを活性化するステップと、
前記活性化された通信ラインを介して前記受信された通信データを前記第1スレーブ装置に送信するステップと、
を含む並列通信方法。
【請求項10】
前記マスタ装置と前記並列通信装置との間の約束によって複数のスレーブ装置には、前記複数のスレーブ装置を各々区分するための仮想の局番情報が指定され、
前記目的地情報は、
前記通信データが送信されるスレーブ装置に仮想で指定された局番情報である、
請求項9に記載の並列通信方法。
【請求項11】
前記通信データが送信される第1スレーブ装置が確認されると、前記通信データ内に含まれた目的地情報を削除するステップをさらに含み、
前記送信するステップは、
前記目的地情報が削除された通信データを前記第1スレーブ装置に送信するステップを含む、
請求項10に記載の並列通信方法。
【請求項12】
前記第1スレーブ装置で使用する通信プロトコルを確認して、前記確認された通信プロトコルに対応するように前記受信された通信データを変換するステップをさらに含み、
前記送信するステップは、
前記変換された通信データを前記第1スレーブ装置に送信するステップを含む、
請求項11に記載の並列通信方法。
【請求項13】
前記送信した通信データに対応する応答データが受信されると、前記受信された応答データを前記マスタ装置に送信するステップをさらに含み、
前記第1スレーブ装置と接続された通信ラインは、
前記送信した通信データに対応する応答データが受信される時点まで活性化を維持する、
請求項9乃至12のうち何れか一項に記載の並列通信方法。
【請求項14】
前記応答データが受信されると、前記応答データに前記応答データの出発地に対する出発地情報を挿入するステップをさらに含み、
前記出発地情報は、
前記応答データを送信した第1スレーブ装置に仮想で指定された局番情報を含む、
請求項13に記載の並列通信方法。
【請求項15】
マスタ装置で使用する通信プロトコルを確認して、前記確認された通信プロトコルに対応するように前記応答データを変換するステップをさらに含む、
請求項14に記載の並列通信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−257250(P2012−257250A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−130472(P2012−130472)
【出願日】平成24年6月8日(2012.6.8)
【出願人】(593121379)エルエス産電株式会社 (221)
【氏名又は名称原語表記】LSIS CO., LTD
【Fターム(参考)】