説明

中空管路に沿った媒体の貫流を遮断又は解放するための弁ユニット、並びに媒体を配量して吐出するための配量システム内でのその使用、並びに媒体を配量して吐出するための方法

加圧下で中空管路(3)に沿って流れる媒体の中空管路(3)に沿った貫流を遮断又は解放するための弁ユニット、並びに配量システム内での弁ユニットの好ましい使用、並びにカートリッジ−針構造から媒体を配量して吐出するための方法が説明され、このカートリッジ−針構造のカートリッジは、少なくとも一つの中空管路(3)を介して針構造と結合しており、且つ開放的に形成されたカートリッジ端部を有しており、このカートリッジ端部に、カートリッジ内に備えられた媒体を加圧により針構造の方向に放出のために動かすことのできる圧力手段が負荷をかけている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中空管路に沿った媒体の貫流を遮断又は解放するための弁ユニットに関し、この媒体は、加圧下で中空管路に沿って流れる。さらに本発明は、カートリッジ−針構造から媒体を配量して吐出するための配量システム内での弁ユニットの使用に関し、このカートリッジ−針構造のカートリッジは、少なくとも一つの中空管路を介して針構造と結合しており、且つ開放的に形成されたカートリッジ端部を有しており、このカートリッジ端部に、カートリッジ内に備えられた媒体を加圧により針構造の方向に放出のために動かすことのできる圧力手段が負荷をかけている。
【背景技術】
【0002】
粘性媒体、例えばいくつかだけ挙げるとすれば油、油脂、接着剤、及びはんだペーストのような、好ましくは低粘性、中粘性、及び高粘性の液体を配量して吐出するための属概念の装置は、しばしば「ディスペンサ」という名称でも知られており、且つ精密機構技術、ナノ技術、マイクロ技術、特にマイクロ電子工学、マイクロ光学、マイクロメカニクスの領域のような非常に様々な技術分野において、さらにバイオ技術及び医療技術においても使用される。中粘性及び高粘性の媒体用のこのようなディスペンサシステムの典型的な適用事例は、例えば電子機器製造における接合のための非常に小さな接着剤滴の厳密な吐出及び位置決め、機械製造における、好ましくはマイクロメカニクスの領域における油及び油脂による軸受の注油、並びに化学工業における、又は分析技術のための試薬の連続的又は周期的な搬送、又はさらに特に集中治療における患者治療のために非常に精密に配量された液体の薬を投与するための連続的又は周期的な搬送に関する。
【0003】
「productronic」(1991)、No.4、18〜20ページにおいて発表されたエフ.コーラー(F.Kohler)の寄稿論文「Punkt fuer Punkt−Die Techniken fuer das Dispensen von Lotpasten」からは、当時の市場で入手可能な、中粘性及び高粘性の媒体用のディスペンサシステムの概要を読み取ることができ、これらのディスペンサシステムは特に、媒体の周期的な分注の枠内での、液滴、いわゆるドットの生成及び配置に適している。これに関しては、原則的に以下のシステムを区別する。
【0004】
a)時間/圧力式カートリッジ型配量システム
このシステムは基本システムとして理解することができ、このシステムは同じ形態又は変形形態において、粘性媒体を配量して供給するための以下に簡単に解説するディスペンサシステム内でも使用される。この基本システムと称したディスペンサシステムは、カートリッジの下端部にディスペンサ針を備え、且つ上端部には圧力キャップを備えたカートリッジから成る。このカートリッジの上端部内での狙い通りの圧力上昇を介して、一種のピストンユニットが、残りのカートリッジボリュームに向かってプレスされ、この残りのカートリッジボリューム内には、配量針を通して放出するための分注すべき粘性媒体がある。カートリッジ/ディスペンサ針−ユニットは、使い捨て品として提供することができ、且つ相応の圧力接続部に対して取外し可能に固定的に提供することができる。
【0005】
b)回転スクリュー型配量システム
いわゆる回転スクリュー型配量システムは、たいていは伝動モータを介して駆動可能な回転スクリューを備えており、この回転スクリューは、放出すべき粘性媒体のための搬送スクリューとして用いられ、且つディスペンサ針に対して軸方向に配置されている。搬送スクリューの長手方向に、分注すべき粘性媒体が低い圧力で、例えば上述の時間/圧力式カートリッジ型配量システムを使用して供給される。回転スクリューとして形成された搬送スクリューの回転速度に応じて、針ユニットを通って放出される粘性媒体の流量を非常に精密に配量調整することができる。
【0006】
c)蠕動式ディスペンサ
この場合も、粘性媒体で満たされたカートリッジが、一種のプラスチックチューブ内への僅かな圧力での狙い通りの媒体放出のために用いられ、このチューブは、二つの閉鎖可能なチューブ端部を備えている。一方の端部でキャップが開かれると、カートリッジからチューブ内に媒体が流れ込み得る。その後、第1のキャップは閉じられ、且つ第2のキャップが相応に開かれ、その際、第2の開口部を通して粘性媒体を相応のディスペンサ針内に搬送するため、両方のキャップの間に備えられたプッシャがチューブを押す。
【0007】
d)ピストン型容積式配量システム
いわゆるピストン型容積式配量システムは一般的に、粘性媒体で満たされたカートリッジを有しており、このカートリッジは媒体を、僅かな圧力で管路を通してポンプチャンバへと導き、このポンプチャンバに沿ってピストンが可動に配置されており、このピストンは、上に移動する際にポンプチャンバ内に負圧を発生させ、これにより粘性材料がカートリッジからポンプチャンバ内に流れる。ピストンが下に動くと、カートリッジに沿った材料供給が遮断され、且つピストンが所望の量の媒体を、ポンプチャンバに対して軸方向に配置されている相応のディスペンサ針を通して搾り出す。
【0008】
上で簡単に概略を述べたディスペンサシステムは、確かに原則的には粘性媒体を、ボリュームを配量して局所的に予め定め得る領域に放出することができるが、しかし非常に小さなボリュームの放出に関する精度、並びに放出されたボリューム量の高精度の再現性については、粘性媒体で満たされたカートリッジの排出全体にわたって限界がある。こうして、説明したディスペンサシステム及びカートリッジの使用は、粗悪なボリューム反復精度を示し、つまり次々に吐出された個々のドットのボリュームが様々に変化し、増え、これは一つには、材料の粘性が湿度及び温度の変動に基づき変化するからであり、その結果、同じボリュームを分注するために圧力値の相応の変更が必要になる。もう一つには、いっぱいのカートリッジに、ほぼ空のカートリッジにかけるのと同じ圧力がかけられるであろう場合に、分注されたボリュームに変化が生じる。こうして例えば10cmのカートリッジを使用する場合、最高19%の一定の搬送圧力でのカートリッジからのボリューム放出が変化する。
【0009】
上記の問題点は、これまで技術的には、上で項目d)に示したピストン型容積式システムによって最もうまく対処することができるが、但しこのようなシステムは、構造に起因して、最も労力がかかり、したがって最も費用がかかる。さらに上述の配量システムは、このようなシステムを小型化しようという努力において機能の限界に突き当たる。
【0010】
これに加えて既知のディスペンサシステムは、配量針を持ち上げる際、それぞれ材料放出後に、配量針に沿った材料放出のために必要な超過圧が十分に低下されない、又は適時には十分に低下されないので、滴漏れの傾向がある。
【0011】
上で述べたように、時間/圧力式カートリッジ型配量システムも知られており、この場合、分注すべき媒体を蓄えているカートリッジと針構造の間に、切替え可能な弁が備えられており、この弁は、電磁ベース又は圧電ベースで働き、且つ制御のために電流を必要とし、この電流が、結果的にまたシステムを妨害的に加熱し、且つ厳密な媒体放出を、特にナノリットル範囲での非常に小さな物質量の投与の際に妨げる。それに加えこのような切替え可能な貫流弁システムは、たいてい大きな設置寸法を有しており、これによりマイクロ配量システム内での組込み及び特に適用は、条件付きでしか可能でない。さらにそれ自体既知の弁の場合、構造に起因して、閉鎖工程が針内での一時的な圧力上昇を招き、この圧力上昇が、回避する必要がある滴漏れを引き起こす。これに加えてこれまで既知の貫流弁システムは、気体媒体か液体媒体のどちらかの貫流遮断に適している。液体の凝集状態での媒体も気体の凝集状態での媒体も制御可能な弁システムは、目下のところ知られていない。最後に、既知の弁に結びついている製造費はかなりの額である。
【0012】
DE2839774A1に記載された、弁の貫流断面を調整するための装置は、軸を回るネジ山を介して保持された永久磁石が、永久磁石を径方向に取り囲んでいるリング状の磁石のねじれによって、同様に回転変位されることを基礎とし、これにより内側にある永久磁石を、ネジ山の案内によって軸方向で位置決めすることができる。内側にある永久磁石は円錐ピンと結合されており、この円錐ピンが、永久磁石の軸方向の位置に依存して弁開口部を閉ざすことができる。
【0013】
DE38 02 658A1は磁石弁を記載しており、この磁石弁の機能方式は、中空管路に対して軸方向に可動に支持された永久磁石の、軸方向のポジションによって決定される。磁石弁内にある永久磁石の磁性状態に基づき、この弁構造は、外的な力の作用を負っていない基本ポジションでは、軸方向に可動の磁石ユニットが、同様に中空管路内に備えられた磁石ユニットによる軸方向に作用する反発力を受けるので、開いたままである。これに対し、相応に軸方向に作用する流れ圧力又は流量Vが弁座3に作用すると、最大流量の際に弁ユニットが閉鎖状態に移行するまで、弁座が軸方向にずらされ、且つ弁針に向かって移動する。弁体の成形により、及び軸方向の弁座の長手方向可動性を大きくしようとすることにより、特に有利なやり方において、既知の磁石弁を磁石調整弁として使用することができる。この目的のため、空隙の壁に沿って光学センサが、弁座の軸方向の位置を捕捉するために備えられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の課題は、液体の凝集状態での媒体も気体の凝集状態での媒体も、高い精密さ及び定義された開閉挙動で切り替えることができる弁ユニットを提案することである。この弁ユニットは好ましくは、カートリッジ−針構造から媒体を配量して吐出するための配量システム内での使用に適しているべきである。これに関し、以下の要求を満たす必要があり、要するに、力動性の高い配量が行われるべきであり、つまり弁開放信号又は弁閉鎖信号が存在する際に、できるだけ迅速な媒体放出又は放出終了を行うべきである。媒体放出は、周期的及び連続的な放出に関してできるだけ柔軟に可能であるべきであり、つまり進行している分注工程中に、点状の媒体放出と線状の媒体放出の転換が可能であるべきであろう。さらに媒体放出後にまだ針内にある媒体の滴漏れを回避させる必要がある。この弁ユニットの構造的構造は、製造において単純且つ割安であるべきであり、さらに弁ユニットの簡単なクリーニングが可能であるべきであろう。この弁ユニットは、モジュラー式で、様々なシステム内にできるだけ高い組込み度で実装可能であるべきであろう。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の基礎となる課題の解決策は請求項1に提案されている。請求項1の主題の本解決策による使用は請求項18に提案されている。請求項25には、粘性媒体を配量して吐出するための本発明による方法がある。本発明のアイディアを有利にさらに発展させる特徴は、従属請求項の主題、並びに本発明から、特に例示的実施形態の説明に関連して、読み取ることができる。
【0016】
本解決策による、加圧下で中空管路に沿って流れる媒体の中空管路に沿った貫流を遮断又は解放するための弁ユニットは、中空管路に沿った少なくとも一つの区間内に、中空管路を通る媒体の貫流方向に沿って軸方向に可動に取り付けられた少なくとも一つの第1の磁石ユニットが、第1の磁場を発生させるために備えられていることを特徴とする。さらに第2の磁石ユニットが備えられており、この第2の磁石ユニットの第2の磁場が、第1と第2の磁石ユニットの間に、磁石ユニットを軸方向に相互に引きつける磁力が作用するように、第1の磁場と相互作用する。それだけでなく中空管路に沿って機械的なストッパが備えられており、このストッパに向かって第1の磁石ユニットを、磁力によって発生させ得る保持力で動かすことができ、且つその際、軸方向のあるポジションをとり、このポジションでのみ、第1の磁石ユニットが中空管路を流体密に密閉し、その一方で媒体が、加圧下で軸方向に、保持力の作用方向に逆らって第1の磁石ユニットに負荷をかけている。最終的に弁ユニットを作動させるため、つまり弁ユニットを開放又は閉鎖へと作動させるためには、第1の磁石ユニットに、保持力に逆らって作用し、可変に予め定め得る力を発生させ得るユニットが必要である。このユニットは、媒体の加圧状態を変化させるユニットの形で形成することができる。媒体によって作用する流れ圧力が、磁石保持力より少し上に調整される場合、軸方向に可動に配置された第1の磁石ユニットが、弁ユニットの開放ポジションに動かされ、これに対し媒体の流れ圧力が磁石保持力より低下すると、第1の磁石ユニットが自然に弁ユニットの閉鎖ポジションに移動する。このため弁ユニット自体を通り抜けて流れる媒体に、適切に選択され、弁ユニットの磁石保持力に合わせられた流れ圧力変化を印加すること以外には、弁ユニットを作動させるためにいかなる追加的なエネルギー消費も必要ない。
【0017】
代替案として、弁ユニットの開放及び閉鎖のために、永久磁石ユニット又は電磁石ユニットの形の磁石ユニットを備えることができ、この磁石ユニットは、中空管路に対して分離されて配置されており、且つ外部の磁場を発生させ、この外部の磁場は、第1の磁石ユニットと相互作用することができ、且つ第1の磁石ユニットを保持力に逆らって加勢して制御し、変位させる。例えば外部の磁石ユニットを弁ユニットの方向に接近させると、第1の磁石ユニットの領域内で有効な外部の磁場が増加し、これにより第1と第2の磁石ユニットの間にかかっている磁石保持力が、外部の磁力によって減少される。この位置関係においては、変化することなく、可動の第1の磁石ユニットに負荷をかけている流体の圧力手段による圧力が、減少した磁石保持力に逆らって、可動の第1の磁石ユニットに、第2の磁石ユニットからの間隔をあけさせることができ、これによって弁ユニットが開放される。これに対し、外部の磁石ユニットが再び弁ユニットから遠ざけられると、磁石保持力が優勢となり、且つ第1の磁石ユニットを再び機械的なストッパに向かって引っ張り、これにより中空管路は流体密に閉じられる。
【0018】
可能な構造的及び機能的な様態に関する弁ユニットのさらなる説明のために、カートリッジ−針構造による媒体放出を非常に精密なやり方において行い得る配量装置の枠内での弁ユニットの使用を解説する。
【0019】
カートリッジが、少なくとも一つの中空管路を介して針構造と結合しており、且つ開放的に形成されたカートリッジ端部を有しており、このカートリッジ端部に、カートリッジ内に蓄えられた媒体を加圧により針構造の方向に放出のために動かすことのできる圧力手段が負荷をかけているようなカートリッジ−針構造から媒体を配量して吐出するための、本解決策により形成された配量システムは、カートリッジと針構造の間に、中空管路に沿って少なくとも一つの磁石弁ユニットを備えることを特徴とし、この磁石弁ユニットは、磁石保持力がもたらされている間だけ中空管路を流体密に密閉し、この磁石保持力は、以下に詳細に述べるように、二つの磁石ユニットの間で作用しており、この二つの磁石ユニットは、針構造とカートリッジの間に備えられた中空管路を流体密に密閉することができる。他方では、媒体に作用する圧力手段によって発生された圧力が、少なくとも磁石弁の一部に負荷をかけており、この磁石弁は、圧力が磁石保持力を超えて上昇するまでは、磁石保持力により、圧力に逆らって閉じたままである。この場合には、弁が突然に開放位置に移行し、これにより気体でも、低粘性、中粘性、又は高粘性の液体でもあり得る媒体が、弁構造を通り抜けて針構造へと流れることができ、この針構造から、媒体を例えば基体表面に吐出することができる。
【0020】
したがって本解決策に基づく配量システムによる媒体放出の配量は、カートリッジ内に蓄えられた媒体への圧力手段の加圧状態の調節によって行われ、これは、媒体に沿って磁石弁に作用する圧力を、所望の磁石弁位置に応じて、磁石に基づく保持力より少なく調整し、この場合に磁石弁が閉鎖位置をとるか、又は磁石保持力より少し大きく選択し、この場合に磁石弁が開放位置に移り得るというように行われる。
【0021】
したがって本解決策による配量システムは、カートリッジ−針構造内に組み込まれた貫流調整弁の開放及び閉鎖のために、貫流弁の場所でのいかなる外部からのエネルギー供給も必要とせず、カートリッジ内に蓄えられた媒体に適切なやり方において様々な圧力をかけることだけを必要とする。
【0022】
このために本解決策による配量システムは、カートリッジと針構造の間の中空管路に沿った少なくとも一つの区間内に、中空管路を通る媒体の貫流方向に沿って軸方向に可動に取り付けられた少なくとも一つの第1の磁石ユニットを備えており、この第1の磁石ユニットが第1の磁場を発生させる。これに加え第2の磁石ユニットが備えられており、この第2の磁石ユニットの第2の磁場が、第1と第2の磁石ユニットの間に、磁石ユニットを軸方向に相互に引きつける磁力が作用するように、第1の磁場と相互作用する。好ましくは第2の磁石ユニットは、第1の磁石ユニットに対して軸方向に中空管路に沿って間隔をあけて、固定的に中空管路内に組み込まれている。それだけでなく中空管路に沿って機械的なストッパが備えられており、このストッパに向かって第1の磁石ユニットを、磁力によって発生させ得る保持力で動かすことができ、且つその際、軸方向のあるポジションをとり、このポジションでのみ、第1の磁石ユニットが中空管路を流体密に密閉し、その一方で媒体が、加圧下で軸方向に、保持力の作用方向に逆らって第1の磁石ユニットに負荷をかけている。これに対し第1の磁石ユニットに、機械的なストッパからの軸方向の間隔をあけさせなければならず、これにより中空管路を解放させ、且つ配量針への媒体の貫流を可能にさせる場合には、媒体によって第1の磁石ユニットにかけられる圧力が磁石保持力より大きいように、圧力手段による媒体への加圧を上昇させる必要がある。このために、圧力手段の加圧状態を変化させるユニットが必要である。
【0023】
特に好ましい実施形態では、圧力手段が圧縮空気導管内に入れられ、一方で圧縮空気導管の内部で案内される圧縮空気が力をかけられて、カートリッジ内に蓄えられた媒体を軸方向に押す。圧縮空気導管に沿ってかかっている空気圧の設定値に応じて、上述の磁石弁構造を閉鎖又は開放することができる。もちろん、軸方向に案内されたピストンユニットなどのような、媒体の加圧の別の可能性も考えられる。
【0024】
以下に、本解決策による配量システムの構造的形成並びに配量システムの基礎となる機能方式を、具体的な例示的実施形態に基づいてさらに詳しく解説する。
【0025】
さらに、圧力調節のための代替案としての、磁石の力の利用だけで弁ユニットの閉鎖及び開放を可能にする機能メカニズムを、具体的な例示的実施形態に基づき説明する。
【0026】
以下に本発明を、全般的な発明のアイディアを制限することなく、例示的実施形態に基づき図面に関連して例示的に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本解決策によるカートリッジ−針構造の模式化された縦断面図である。
【図2】本解決策により形成された、流体のバイパス導管を備えた配量システムの模式図である。
【図3】磁石構造の領域内での弁ユニットの細部の縦断面図である。
【図4】代替案としての弁構造の開放及び閉鎖に関する連続図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1に示されているのは、三つの異なる拡大段階での、本解決策により形成された配量システムの縦断面図であり、針構造1及びカートリッジ2を備えており、その両方が、カートリッジ2及び針構造1を流体密につないでいる中空管路3を介して結合している。図1に基づく表示では右の、片側で開放的に形成されたカートリッジ端部4は、好ましくは気密に、さらには図示されていない圧縮空気導管に接続されており、この圧縮空気導管によって、カートリッジ2内に蓄えられた媒体5を、予め定め得る圧力pで、配量して圧縮することができる。カートリッジ4内にあり、それ自体は液体又は気体であり得る媒体5は、図1に示した開放的に形成された左のカートリッジ端部6を通って、中空管路3内に放出されている。この中空管路に沿って貫流方向に磁石弁構造7が備えられており、以下に、図1における詳細図に示した部分縦断面図に関連して、この磁石弁構造の機能方式について論ずる。
【0029】
さらに簡略的に説明するために五つの軸方向の部品31〜35に分けられた中空管路3に沿って、二つの磁石ユニット8、9から成る磁石弁構造7が備えられており、この磁石ユニット8、9のうち、いわゆる第2の磁石ユニット8は、軸方向に固定的に、カートリッジ2及び針構造1を互いに結合するモジュラー式に形成されたハウジングユニット10内で組み込まれている。このいわゆる第2の磁石ユニット8は、リング磁石として形成されており、したがって内側の中空管路を有しており、この内側の中空管路は同時に、媒体5によって貫流可能な中空管路区間32も形成しており、この中空管路区間32については以下でさらに論ずる。流方向(矢印表示を参照)において、第2の磁石ユニット8の後ろに離隔要素11が配列されており、この離隔要素は、第2の磁石ユニット8のように、中心にもたらされた穿孔を備えており、この穿孔は、さらなる中空管路区間33として、中空管路区間32に、下流で軸方向に整列して接続している。離隔要素11に対して下流にもまた、中空管路3の長手方向において軸方向に、又は中空管路区間31〜33に対して軸方向に、その中空管路区間31〜33へと可動に、第1の磁石ユニット9が配置されている。第1及び第2の磁石ユニット9、8とも、それぞれ永久磁石として形成されており、その磁極は、両方の磁石ユニット8、9の磁場が、両方の磁石ユニット8、9を相互に引きつける磁力を発生させるように、互いに対して位置合わせされている。図1に示した構造において、これは、磁力の影響を受けて、第2の磁石ユニット8の方向に、又は両方の磁石ユニットの間に備えられた離隔要素11の方向に、第1の磁石ユニット9を変位させる結果となる。さらに図1における詳細図からは、離隔要素11が、第1の磁石ユニット9の側で、中空管路区間33を径方向に取り囲む溝状の凹部12を備えており、この凹部内に、好ましくは弾性変形可能なOリングの形の密閉要素13がはめ込まれていることを読み取ることができる。
【0030】
図1に示した状態では、第1の磁石ユニット9が、磁力に基づく両方の磁石ユニット間の引きつける力により、力をかけられて軸方向に、溝状の凹部12内に備えられた密閉要素13を押していることを前提とし、これにより第1の磁石ユニット9が、互いに連絡している中空管路区間32及び33の空隙領域を、中空管路区間34に対して流体密に仕切っている。中空管路区間34は、一方ではハウジングユニット10内で止まり穴状に形成された凹部14内に、より小さい寸法で入っている第1の磁石ユニット9によって境界付けられており、他方では凹部14の内壁によって境界付けられている。
【0031】
この位置関係において磁石弁ユニット7は、媒体が磁石弁構造7を通り抜けて流れ得ない閉鎖位置をとっている。
【0032】
しかし、媒体が、閉じた磁石弁状態においても、軸方向における中空管路区間31、32、及び33を介して、第1の磁石ユニット9のうち、密閉要素13によって径方向で制限されており、最大の詳細図において平行斜線で示された表面領域に負荷をかけているので、この閉じた磁石弁状態が保証され得るのは、加圧下の媒体の側から、軸方向に可動の第1の磁石ユニット9へと作用する圧力が、第1の磁石ユニット9を軸方向に密閉要素13に向かって押圧する磁力に基づく保持力より小さい間である。
【0033】
媒体の側からの圧力が上昇し、且つ磁石保持力を上回ると、第1の磁石ユニット9が軸方向に、針構造1の方向に変位し、これにより第1の磁石ユニット9と密閉要素13の間に間隙が生じ、この間隙によって結果的に、接続している中空管路区間34及び35を介した媒体の流れが生じ、この媒体の流れが結果的に、針構造1を通して媒体を配量して吐出することに至る。媒体によって第1の磁石ユニットに作用する圧力が、再び磁石保持力より低下するとすぐに、第1の磁石ユニット9が、密閉要素13に向かって磁力に動かされて流体密に押し付けられることによって、磁石弁7が自動的に閉じる。
【0034】
有利なやり方としては、可動に支持された第1の磁石ユニット9の軸方向の、磁石弁7の貫流方向に逆らって方向付けられた逆移動が、中空管路領域35内で負圧を発生させ、この負圧は最終的に針構造内でも生じ、このため磁石弁構造7の閉鎖時に媒体が針内で引き戻され、これにより妨害的な滴漏れを回避することができる。
【0035】
短い時間で次々と多数の非常に小さな媒体滴を吐出するための本解決策による配量システムをできるだけ迅速に作動させるには、ちょうど、圧力手段により媒体内に発生させることができ、最終的に軸方向に、長手方向に可動の第1の磁石ユニット9に負荷をかける圧力が、両方の磁石ユニットの間に作用する磁力の周りで僅かにだけ高く、又は低く変化するように、カートリッジ内に蓄えられた媒体に作用する作動圧力を変化させることが有利である。
【0036】
圧力変更に関しては、使用する圧力手段の選択に応じて複数のそれ自体既知の可能性がでてくる。既に上で述べたように、空気圧による加圧である場合、適切に選択されて調節されるポンプによって、空気圧を、磁石保持力に相応する特定の作動圧力の周りで調節することができる。圧縮空気導管の代わりに通常のピストンによって加圧を行うことも可能であり、このピストンは、片側で開放的に形成されたカートリッジ内に軸方向に突き出ており、且つカートリッジ内に蓄えられている媒体に適切に圧力をかける。この場合には、相応に構想され、且つ調節して稼働させ得るピストンユニット調整駆動装置が、加圧のために用いられる。
【0037】
さらなる加圧変更については、下で図2に関連して詳しく論ずる。
【0038】
対応する永久磁石の設定値に基づき、両方の磁石ユニットの間に作用する磁力を狙い通りに調整することも可能である。これは、軸方向で向かい合っている両方の磁石ユニット8、9の間隔変更によって、例えば軸方向に延びている離隔要素11の適切な厚さ選択によって行うことができる。
【0039】
好ましくはハウジングユニット10が、モジュラー式に形成されており、且つさらには図示されていない結合部を介して、一方で針構造1に、また他方ではカートリッジ2に、取外し可能で流体密に取り付けられることを提案する。これには、それ自体既知の例えばルアーロック式結合のような結合フランジが適している。磁石ユニット8、9の間での望ましく決定された磁石保持力の調整のために、冒頭に解説した中空管路区間31〜35に沿った通流断面を、そして特に離隔要素11の軸方向の厚みも、吐出すべき媒体に応じて、特に媒体の粘性を考慮して選択することができる。
【0040】
媒体の側から、可動に配置された磁石ユニット9にかかる圧力を調整するためのさらなる措置として、中空管路区間32及び33内の中空管路断面を相応に寸法決定することを提案する。例えば、できるだけ高い圧力を発生させる必要がある場合、中空管路区間32、33を通る通流断面は比較的大きく選択されるべきであろう。この場合には、磁石ユニット8での磁石ボリュームも相応に減るので、同様に磁力が発生させる保持力も低下する。
【0041】
図2には、模式的に示されており、本解決策により形成された、針構造1、磁石弁構造7、及びカートリッジ2から成る配量システムが示されており、このカートリッジは、加圧のため、その開放的なカートリッジ端部4を介して圧縮空気導管15と結合されている。この圧縮空気導管15に沿って、バイパス導管16が備えられており、これにより下流の分岐点17で、圧縮空気供給管15に沿って備えられた空気圧pが、それぞれのさらに先へ案内する導管16、15’に沿ってかかっている部分圧力p1及びp2に分割される。部分供給管15’に沿ってかかっている空気圧p1は、ちょうど、これによって引き起こされた圧力が、上で解説した磁石弁構造7内の両方の磁石ユニットの間に作用する保持力より小さいように選択され、これにより磁石弁は閉鎖状態をとる。バイパス導管16は、同じく、開いて通じている導管端部16’を有しており、この管端部は、針先端1’に対して、定義された縦方向の間隔を有している。導管端部16’と針先端1’は均一の水準(破線を参照)にあることが好ましい。図2に模式的に示した配量システムが基体17の表面に接近又は載置されることにより、バイパス導管16の導管端部での補助圧力が増し、それによって部分供給管15’に沿った圧力が上昇する。これにより、長手方向に可動の磁石ユニットへと、媒体によってかけられた圧力が、磁石の発生させた保持力を上回り、それによって磁石弁7が開く。配量システムを基体17の表面から持ち上げると、媒体によって可動の磁石ユニットにかけられている圧力も減少し、且つ弁が自動的に閉まる。
【0042】
図3は、第1及び第2の磁石ユニットの領域内の弁構造の、大幅に模式化した細部の縦断面を示している。詳細には、中空管路3内で固定的に配置された第2の磁石ユニット8が、中空管路3を制限している中空管路区間32を有しており、この中空管路区間32の流出口に、球状に形成された第1の磁石ユニット9が備えられており、その際、第1の磁石ユニット9は、第2の磁石ユニット8の中空管路区間32の通流断面より大きく決められた最大球径を有していることを前提とする。
【0043】
このやり方で、磁石ユニット8及び9の間に作用して引きつけている磁石保持力が自由に動く第1の磁石ユニット9を中空管路区間32内に引き込み得ることが阻止され、且つ他方では、球状の第1の磁石ユニット9が、第2の磁石ユニット8の、断面が円形に形成された通抜口との間でぴったりと隣接して接触した(押圧した)場合に、両方の磁石ユニットの間に流体密の閉鎖が作られることが保証される。そのうえ、流体密性をより良くするために、磁石ユニット8での流出口の縁を少し面取りすることができ、これにより第2の磁石ユニット8で、球状に形成された第1の磁石ユニット9との間が緊密にぴったりと隣接している状態の場合、弁構造を通る流体貫流は成立しない(図3に基づく表示においての場合のように)。これに対して例えば流れ圧力が両方の磁石ユニットの間の磁石保持力を超えて上昇すると、球状に形成された磁石ユニット9は、普通は流方向に対して横に寄り、且つ第2の磁石ユニット8の、流方向において下のリング状の円形平面で、自動的に付着し続ける。第2の磁石ユニット8から、球状の第1の磁石ユニット9が完全に離れて落ちた場合に、この第1の磁石ユニットが流体流によって本格的にさらっていかれることを回避するため、第2の磁石ユニット8に対して下流に、球状の磁石ユニット9を相応に磁石ユニット8の近くで留めておくための相応の対策を講じる必要がある。
【0044】
図4a〜図4cは、それぞれ本解決策による弁構造の変形形態の模式化された縦断面を示す三つの連続図を、時間的な順序で示している。既知の符号で既に説明した弁構造のコンポーネントをもう一度解説することは繰り返しになるので省略し、上の説明を参照するよう指示する。
【0045】
流路に沿った圧力調節を介した弁構造の制御とは違い、図4の場合には、弁構造を通して吐出すべき流体に中空管路3に沿った進路をとらせる作動圧力pは、一定であると仮定する。
【0046】
弁構造を開放するために、可動に配置された第1の磁石ユニット8に向けられた追加的な力を発生させ、この力は、両方の磁石ユニット8と9の間に作用する保持力を低下させることができ、少なくとも、可動の磁石ユニット8が一定の作動圧力pによって、第2の磁石ユニット9から間隔をあけさせられるまでは低下させることができる。このために、例えば外部の磁石ユニット18が基体17の下に備えられており、この外部の磁石ユニットは、提案したやり方では少なくとも直線的に可動に支持されており、且つ弁構造に対して離れた第1のポジションP1から第2のポジションP2に一時的に移すことができる。この第2のポジションでは、外部の磁石ユニット18は、弁ユニットに対してより短い距離であることが前提となっており、これにより第1の磁石ユニット8の場所では、外部の磁石ユニット18による有効な外部の磁場がかかり、この磁場が、かかっている作動圧力pと一緒に、加勢して、磁石ユニット8を、第1と第2の磁石ユニットの間の保持力に逆らって変位させることができる。この状況は、図4に基づく真ん中の表示において示されている。弁ユニットを閉じる必要がある場合は、図4での他の両方の表示に基づき、外部の磁石ユニット18を弁ユニットから離すだけでよい。外部の磁石ユニット18は、永久磁石として形成されていることを前提とし、且つ中空管路3の長手方向に対して軸方向の直線変位は、適切なやり方において機械的に解決される。但し代替案として、外部の磁石ユニット18を電磁石ユニットとして形成することも可能であり、これにより図4a〜図4cに示した軸方向の磁石変位は必要ない。この場合には、相応に備えられた電磁石の活性化又は不活化だけを必要とする。
【0047】
この位置で、すべての可能な実施形態を代表して、第2の磁石ユニット9に相対的に可動に配置されている第1の磁石ユニット8が必ずしも永久磁石から成る必要はないことが好ましいということを述べておく。むしろ、第2の磁石ユニット8が永久磁石として形成され、且つ第1の磁石ユニット9が少なくとも強磁性材料を有する場合には、上述の機能方式も実現可能である。
【0048】
本解決策による配量システムは、適切に選択された密閉手段を備えることにより、配量された形においてカートリッジ−針構造を介して吐出する必要がある液体の媒体のためにも気体の媒体のためにも使用することができる。
【0049】
本解決策により形成された磁石弁が稼働可能な開放時間及び閉鎖時間に依存して、非常に精密に、且つ再現可能に、相応の基体表面でのいわゆるドットの形の点状の材料押出も、材料線も、配量して吐出することができる。軸方向の長手方向に可動に配置された磁石ユニットの、貫流方向に逆らって方向付けられた逆移動によって、閉鎖行程中に、針構造内での迅速な圧力低下が達成され、この圧力低下は同時に、針管内にある媒体を引き戻し、これにより滴漏れを完全に阻止することができる。
【0050】
さらに本解決策による弁ユニットは、閉鎖及び開放の特に高い力動性を備えており、つまり開放及びそのすぐ後に続く媒体貫流に関する反応所要時間が特別に短い。この理由は、弁ユニットの閉鎖状態において、軸方向に可動の第1の磁石ユニットに、媒体が加圧下で負荷をかけていることにある。弁ユニットを開放するためには、磁石保持力を僅かに上回る追加的な流れ圧力(流圧)だけを必要とし、但しこの流れ圧力は、開放状態における弁ユニットを貫流する媒体自体によってもたらされる。
【0051】
本解決策により形成された配量システムの特別な利点として、電気的に制御可能なコンポーネントを完全に用いないことであり、これにより、配量結果に悪い影響を及ぼす熱の発生が起こらない。これは、配量システムが故障しにくいことの理由でもあり、これは、配量システムの機能方式が、吐出すべき媒体によってかけられている流れ圧力と、両方の磁石ユニットの間に作用する磁力との間の調整可能なバランスだけに基づくからである。配量システムの操作のほぼエネルギー的に自立的な方式は、使い捨てできるシステムなどの形での割安な実現化のための理想的条件も提供する。これは、使い捨てシステムには、高価値で、且つ場合によっては別々に廃棄すべきコンポーネントを有さないことが要求され得るからである。それでもなお、これによって優れた動的特性を達成することができる。また本解決策による配量システムは、模範的には、大きなロットにおける大量生産にも適している。
【0052】
本解決策による配量システムは、針構造と、磁石弁構造と、カートリッジとを、統一的なコンパクトな構造形式として実現するか、又は別々のモジュラー式のコンポーネントの形で作製するという可能性を提供し、その際、後者の場合には、磁石弁構造は、適切に選択された規格化されたフランジ結合を介して、それ自体既知の針構造及びカートリッジ構造と適合させることができる。それだけでなくモジュラー式の構造方式は、簡単な取扱い、クリーニング、及びメンテナンス、並びに様々なカートリッジサイズへの適応を可能にする。
【0053】
配量システム内に組み込まれた磁石弁ユニット自体がモジュラー式の構造を備えており、この構造が、一方では問題のない製造を可能にし、しかし他方では弁ユニットの個々のコンポーネントの、多大な作業労力なしでのクリーニング又はメンテナンスも可能にする。こうして、その時々の使用条件及び稼働条件に応じて、磁石弁ユニットの個々のコンポーネントを選択及び交換することができ、例えば離隔要素を、適切に選択された別の離隔要素と交換することが簡単に可能である。容易で問題のない組立てにより、製造費を少なく保つこともでき、これにより本解決策による磁石弁ユニットは、大きなロットで製造され得る使い捨て品としての形成に特に良く適している。
【0054】
そのうえ本解決策による配量システムが、組込み及び小型化に関する高い能力を備えていることにより、例えば媒体をそれぞれ基体上の異なる位置に並行して分注できるように、複数の弁構造を一つのアレイディスペンサツールへと組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0055】
1 針構造
2 カートリッジ
3 中空管路
4 開放的なカートリッジ端部
5 媒体
6 開放的なカートリッジ端部
7 磁石弁構造
8 第2の磁石ユニット
9 第1の磁石ユニット
10 ハウジングユニット
11 離隔要素
12 溝状の凹部
13 密閉要素
14 止まり穴状の穿孔
15 圧縮空気導管
16 バイパス導管
16’ 開放的なバイパス導管端部
17 基体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加圧下で中空管路に沿って流れる媒体の中空管路に沿った貫流を遮断又は解放するための弁ユニットにおいて、
中空管路に沿った少なくとも一つの区間内に、中空管路を通る媒体の貫流方向に沿って軸方向に可動に取付けられた少なくとも一つの第1の磁石ユニットが、第1の磁場を発生させるために備えられていること、
第2の磁石ユニットが備えられており、前記第2の磁石ユニットの第2の磁場が、第1と第2の磁石ユニットの間に、磁石ユニットを軸方向に相互に引きつける磁力が作用するように、第1の磁場と相互作用すること、
中空管路に沿って機械的なストッパが備えられており、前記ストッパに向かって第1の磁石ユニットを、磁力によって発生させ得る保持力で動かすことができ、且つその際、軸方向のあるポジションをとり、前記ポジションでのみ、第1の磁石ユニットが中空管路を流体密に密閉し、その一方で媒体が、加圧下で軸方向に、保持力の作用方向に逆らって第1の磁石ユニットに負荷をかけていること、及び
第1の磁石ユニットに、保持力に逆らって作用し、可変に予め定め得る力を発生させ得るユニットが備えられていること
を特徴とする弁ユニット。
【請求項2】
第2の磁石ユニットが、中空管路に沿って固定的に配置されることを特徴とする請求項1に記載の弁ユニット。
【請求項3】
第2の磁石ユニットが、中空管路を少なくとも一つの区間においてリング状に取り囲む、又は中空管路を少なくとも部分的に、間接的又は直接的に制限することを特徴とする請求項1又は2に記載の弁ユニット。
【請求項4】
貫流方向において第2の磁石ユニットに対して下流に、媒体が貫流方向に周囲を流れ得る及び/又は貫流し得る離隔要素が備えられており、前記離隔要素により、第2の磁石ユニットが、第1の磁石ユニットから軸方向に間隔をあけ得ることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の弁ユニット。
【請求項5】
離隔要素が、穴あき円盤状に形成されており、且つ中空管路を一区間において径方向に包囲することを特徴とする請求項4に記載の弁ユニット。
【請求項6】
貫流方向において離隔要素に対して下流で、且つ第1の磁石ユニットに対して上流に、密閉手段が備えられており、第1の磁石ユニットが軸方向のあるポジションにある場合には、前記密閉手段が第1の磁石ユニットによって離隔要素に向かって流体密に押圧されており、前記ポジションでのみ、第1の磁石ユニットが中空管路を流体密に密閉することを特徴とする請求項4又は5に記載の弁ユニット。
【請求項7】
中空管路のうち、第1の磁石ユニットが軸方向に可動に取り付けられている軸方向の領域内では、第1の磁石ユニットに割当可能な断面より大きな中空管路断面が備えられており、これにより径方向で、前記中空管路に割当可能な中空管路壁と第1の磁石ユニットの間に、媒体によって貫流可能な空隙が備えられていることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の弁ユニット。
【請求項8】
穴あき円盤状に形成された離隔要素の領域内で中空管路に割当可能な管路断面が、中空管路のうち、第1の磁石ユニットが軸方向に可動に取り付けられている軸方向の領域内での中空管路断面より小さく寸法付けられていることを特徴とする請求項5及び7に記載の弁ユニット。
【請求項9】
中空管路のうち、第1及び第2の磁石ユニットが配置されている区間が、モジュラー式の構造ユニットとして形成されており、且つハウジングによって取り囲まれており、前記ハウジングが、中空導管に対する流体密の結合のために二つの接続アダプタを備えることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の弁ユニット。
【請求項10】
接続アダプタが、それぞれルアーロック式接続であることを特徴とする請求項9に記載の弁ユニット。
【請求項11】
配量して吐出すべき媒体が、気体又は液体であることを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の弁ユニット。
【請求項12】
両方の磁石ユニットの一方が永久磁石により形成されており、且つもう一方の磁石ユニットが強磁性材料を有することを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の弁ユニット。
【請求項13】
第1の磁石ユニットに、保持力に逆らって作用し、可変に予め定め得る力を発生させ得るユニットが、媒体の加圧状態を変化させるユニットであることを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載の弁ユニット。
【請求項14】
前記ユニットが、媒体を、圧力可変で、中空管路を通して搬送するポンプとして形成されることを特徴とする請求項13に記載の弁ユニット。
【請求項15】
前記ユニットが、永久磁石ユニット又は電磁石ユニットの形の磁石ユニットであり、前記磁石ユニットが、中空管路に対して分離されて配置されており、且つ外部の磁場を発生させ、前記磁場が、第1の磁石ユニットと相互作用し得ることを特徴とする請求項1から13のいずれか一項に記載の弁ユニット。
【請求項16】
外部の磁場を発生させるための磁石ユニットが、第1の磁石ユニットに相対的に可動に取付けられており、且つ少なくとも二つのポジションに移すことができ、第1のポジションでは、外部の磁場が、第1の磁石ユニットに負荷をかけている圧力手段による作動圧力と一緒に、第1の磁石ユニットを、保持力に逆らって、第1の磁石ユニットが機械的なストッパから間隔をあけている開放位置に保ち、並びに第2のポジションでは、第1の磁石ユニットが中空管路を流体密に密閉することを特徴とする請求項15に記載の弁ユニット。
【請求項17】
第1の磁石ユニットが、球状に形成されており、且つ中空管路断面より大きい球径を有していること、
第2の磁石ユニットが、中空管路を部分的に取り囲む、又は中空管路を形づくること、及び
第1の磁石ユニットが、直接的に第2の磁石ユニットに押圧しており、且つ中空管路を流体密に密閉すること
を特徴とする請求項1から16のいずれか一項に記載の弁ユニット。
【請求項18】
カートリッジが、少なくとも一つの中空管路を介して針構造と結合しており、且つ開放的に形成されたカートリッジ端部を有しており、前記カートリッジ端部に、カートリッジ内に備えられた媒体を加圧により針構造の方向に放出のために動かすことのできる圧力手段が負荷をかけているようなカートリッジ−針構造から媒体を配量して吐出するための配量システム内での、請求項1から17のいずれか一項に記載の弁ユニットの使用において、
弁ユニットが中空管路に沿って取り付けられること、及び
圧力手段の加圧状態を変化させるユニットが備えられており、前記ユニットによって媒体が圧力をかけられる、若しくは永久磁石ユニット又は電磁石ユニットの形の外部の磁石ユニットが備えられており、前記磁石ユニットが、中空管路に対して分離されて配置されており、且つ外部の磁場を発生させ、前記磁場が、第1の磁石ユニットと相互作用することができ、且つ第1の磁石ユニットを、保持力に逆らって圧力手段と一緒に変位させ得ること
を特徴とする使用。
【請求項19】
圧力手段が、ピストンユニットとして形成されており、前記ピストンユニットが片側で開放的に形成されたカートリッジ内において軸方向に、前記カートリッジの中に蓄えられた媒体に圧力をかけて作用することを特徴とする請求項18に記載の使用。
【請求項20】
圧力手段が、加圧下の流体導管の形で形成されており、前記流体導管が、片側で開放的に形成されたカートリッジに接続されること、及び
流体導管内で案内される流体が加圧下で、カートリッジ内に蓄えられた媒体に圧力をかけて作用すること
を特徴とする請求項18又は19に記載の使用。
【請求項21】
流体導管に沿って、カートリッジへの接続に対して上流に、流体バイパス導管が備えられており、前記流体バイパス導管が、流体導管を通過する流体流の一部を流体バイパス導管を介して脇に導き得るように形成されること、
流体バイパス導管が開放的な導管端部を備えており、前記導管端部が、針構造に割当可能な針先端の横の領域内に配置されること
を特徴とする請求項20に記載の使用。
【請求項22】
圧力手段の加圧状態を変化させるユニットが、圧力手段によって第1の磁石ユニットに作用する圧力を、保持力より大きい力値から、保持力より小さい力値に、及びその逆に、変更又は切替え可能であるように形成されることを特徴とする請求項18から21のいずれか一項に記載の使用。
【請求項23】
外部の磁石ユニットが、針構造に対して間隔をあけて、針の長手方向において向かい合って配置されることを特徴とする請求項18に記載の使用。
【請求項24】
外部の磁石ユニットが、針の長手方向に対して軸方向の少なくとも二つのポジションの間で移動可能であり、第1のポジションでは、外部の磁場が、第1の磁石ユニットに負荷をかけている圧力手段による作動圧力と一緒に、第1の磁石ユニットを、保持力に逆らって、第1の磁石ユニットが機械的なストッパから間隔をあけている開放位置に保ち、並びに第2のポジションでは、第1の磁石ユニットが中空管路を流体密に密閉することを特徴とする請求項23に記載の使用。
【請求項25】
カートリッジが、少なくとも一つの中空管路を介して針構造と結合しており、且つ開放的に形成されたカートリッジ端部を有しており、前記カートリッジ端部に、カートリッジ内に備えられた媒体を加圧により針構造の方向に放出のために動かすことのできる圧力手段が負荷をかけているようなカートリッジ−針構造から媒体を配量して吐出するための方法において、
中空管路に沿って磁石弁が備えられており、前記磁石弁に、媒体が加圧下で作用しており、且つ前記磁石弁が、磁力により発生させ得る保持力の作用下でのみ、媒体によって磁石弁に負荷をかけている圧力に逆らって、中空管路を流体密に密閉し、
磁石弁の開放が、圧力を制御して保持力より高くすることによって行われ、且つ磁石弁の閉鎖が、圧力を制御して保持力より低くすることによって行われる、
若しくは、
磁石弁の開放が、保持力を低下させる磁力が発生する外部の磁場を制御することによって行われ、且つ磁石弁の閉鎖が、外部の磁場を低下させることによって行われること
を特徴とする方法。
【請求項26】
媒体として液体又は気体の媒体が、配量されて放出されることを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項27】
圧力手段として、加圧下の流体が使用され、前記流体が、流体導管を介してカートリッジに接続されることを特徴とする請求項25又は26に記載の方法。
【請求項28】
圧力を制御して高くすること及び低くすることが、流体導管に沿ってかかっている流れ圧力の変更によって行われることを特徴とする請求項27に記載の方法。
【請求項29】
流体導管に沿ってかかっている流れ圧力の変更が、圧力ポンプによって行われることを特徴とする請求項28に記載の方法。
【請求項30】
流体導管に沿ってかかっている流れ圧力の変更が、流体バイパス導管により流体流の一部を脇に導くことによって行われることを特徴とする請求項28に記載の方法。
【請求項31】
流体バイパス導管に沿って生じる流れ圧力が、流体バイパス導管の開放端部での、制御して設定可能な補助圧力の変更によって発生されることを特徴とする請求項30に記載の方法。
【請求項32】
補助圧力の制御された設定が、流体バイパス導管の開放端部に、基体表面からの間隔をあけさせることによって行われ、前記基体表面に、媒体が制御されて吐出されることを特徴とする請求項31に記載の方法。
【請求項33】
流体として圧縮空気が使用されることを特徴とする請求項27から32のいずれか一項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2010−504482(P2010−504482A)
【公表日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−528653(P2009−528653)
【出願日】平成19年9月25日(2007.9.25)
【国際出願番号】PCT/EP2007/008330
【国際公開番号】WO2008/037430
【国際公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【出願人】(500242786)フラウンホファー ゲセルシャフトツール フェールデルンク ダー アンゲヴァンテン フォルシュンク エー.ファオ. (47)
【Fターム(参考)】