説明

中継システム、中継装置及び同期方法

【課題】通信回線によって互いに接続された複数のレピータを介して無線端末装置同士が通信を行う際に、通信回線に同期信号を送出するマスタレピータが故障した場合でも、残りのレピータの中から選択された1つのレピータが自動的にマスタの役割を果たすようにする。
【解決手段】マスタレピータは、システムバス115に同期信号が送出されていない状態において、複数のレピータ111〜111の中から任意に選択されてシステムバス115に同期信号を送出するとともに、その同期信号に同期してシステムバス115に情報を書き込む。他のスレーブレピータは、マスタレピータによって送出された同期信号に同期して、システムバス115に情報を書き込む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中継システム、中継装置及び同期方法に関する。より詳しくは、無線端末装置が複数の中継装置の少なくとも1つを選択して他の無線端末装置と通信を行う分散型の中継システム、中継装置及び同期方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、業務用の陸上移動無線通信システムとしてトランキング方式の無線通信システム(以下、「トランキングシステム」と称する)が知られている。トランキングシステムにおいては、1つのサイト内に所定数のレピータを有しており、複数の無線端末装置は、所定数のレピータによる所定数の通話チャンネルを共有している。トランキングシステムには、専用の制御チャンネルを有する専用制御方式と呼ばれるものと、専用の制御チャンネルを有しない分散型制御方式と呼ばれるものがある。前者においては、制御チャンネルからの制御情報に基づいて、後者においては各無線端末装置に予め登録されているホームレピータからの制御情報に基づいて、空いている通話チャンネルを設定し、無線端末装置同士の通話を行うことによって、所定数の通話チャンネルを複数の無線端末装置で共有する。また、所定数のレピータは、その中の1台をマスタレピータとし、他をスレーブレピータとする。スレーブレピータは、マスタレピータから出力される同期信号によって同期を取りながら稼働している。
【0003】
この場合において、各レピータが勝手に同期信号を通信回線に送出すると、これらの同期信号の衝突によって同期が取れなくなってしまう。このため、複数のレピータの中から選択された特定のレピータ(これを「マスタレピータ」という)だけが同期信号を通信回線に送出し、他のレピータ(これを「スレーブレピータ」という)はマスタレピータが送出した同期信号に同期して、システムバスの情報のタイミングを捕捉する。このため、なんらかの原因でマスタレピータが故障したときは、残りのスレーブレピータの中から新たにマスタレピータを選択する必要がある。
【0004】
例えば、特許文献1においては、マスターのレピータと複数のスレーブのレピータとをシステムバスで接続し、同期信号を出力するマスターのレピータが故障したときには、新たなマスターのレピータへ自動的に切り換える技術が開示されている。マスターのレピータは、VCXO(発振回路)から出力された基準信号に基づいて同期信号を生成し、他の複数のスレーブのレピータに対して送信する。各レピータは、同期信号の授受のために同期信号コネクタによって他のレピータと接続されると共に、通信チャンネルの接続に関する制御の通信のためにLAN接続のイーサネット(登録商標)コネクタによって他のレピータと接続されている。
【0005】
特許文献1においては、同期信号を出力するマスタレピータが故障したと判断した場合、スレーブの各レピータのメインCPUは、LAN接続のイーサネット(登録商標)によって他のレピータと通信し、故障時のマスタであるか又はスレーブであるかの関係を決定することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−281800号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1においては、マスタレピータの故障時において、マスタであるか又はスレーブであるかを決定する際に、LAN接続部を介して他のレピータ用セットと通信し、その関係を決定するとあるのみで、その具体的な手順については何ら記載されていない。すなわち、特許文献1に記載された技術は抽象的な願望に過ぎず、当業者が実施できるような構成については記載されていない。したがって、特許文献1に記載された内容によっては、マスタレピータが故障した場合に、それまでスレーブレピータであった他のレピータの中から選択された1つのレピータが自動的にマスタレピータの役割を果たすという課題は解決されない。
【0008】
本発明は、上記課題を解決するものであり、通信回線によって互いに接続された複数の中継装置のうち、通信回線に同期信号を送出するマスター中継装置が故障した場合でも、他の中継装置が動作を継続可能な中継システム、中継装置及び同期方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、通信回線によって互いに接続された複数の中継装置のうち、通信回線に同期信号を送出するマスター中継装置が故障した場合に、他の中継装置が自動的にマスタの役割を果たすことができる中継システム、中継装置及び同期方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る中継システムは、通信回線を介して相互に接続され、各固有の中継用チャンネルが割り当てられた複数の中継装置から構成され、各中継装置が、自己に登録された無線端末装置が無線端末装置間の通信を行う中継用チャンネルを選択するために、前記通信回線から取得した情報に基づいて構築した制御情報を、該無線端末装置に対して無線送信するように構成された中継システムであって、前記複数の中継装置は、前記通信回線に同期信号を送出するとともに該同期信号に同期して該通信回線と通信する一つのマスター中継装置と、前記通信回線より同期信号を取得するとともに該同期信号に同期して該通信回線と通信するその他のスレーブ中継装置とから構成され、前記各中継装置が、前記通信回線に同期信号が送出されていない状態を検出したときに、所定の規則に従って1つの中継装置が同期信号を送出し、同期信号を送出した中継装置が前記マスター中継装置として機能する、ことを特徴とする。
【0010】
第1の観点における他の中継システムにおいて、前記通信回線に同期信号が送出されていない状態を検出したときに、別々の出力タイミングとなる所定の規定に従って同期信号を送出する、ことを特徴とする。
【0011】
第1の観点における他の中継システムにおいて、前記各中継装置が、前記通信回線に同期信号が送出されていない状態を検出したときに、1つの中継装置が選択される所定の規則に従って同期信号を送出する、ことを特徴とする。
【0012】
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点に係る中継装置は、通信回線を介して他の中継装置に接続されるともに、固有の中継用チャンネルが割り当てられ、自己に登録された無線端末装置が無線端末装置間の通信を行う中継用チャンネルを選択するために、前記通信回線から取得した情報に基づいて構築した制御情報を、該無線端末装置に対して無線送信する中継装置であって、前記通信回線に同期信号を送出するとともに該同期信号に同期して該通信回線と通信するマスター中継装置としての機能と、前記通信回線より同期信号を取得するとともに該同期信号に同期して該通信回線と通信するスレーブ中継装置としての機能とを備え、前記通信回線に同期信号が送出されていない状態を検出したときに、所定の規則に従って同期信号を送出するようにし、自己が最初に同期信号を送出した中継装置である場合、前記マスター中継装置として機能することを特徴とする。
【0013】
上記目的を達成するため、本発明の第3の観点に係る同期方法は、通信回線を介して相互に接続されるとともに、各固有の中継用チャンネルが割り当てられ、前記通信回線に同期信号を送出するとともに該同期信号に同期して該通信回線と通信する一つのマスター中継装置と、前記通信回線より同期信号を取得するとともに該同期信号に同期して該通信回線と通信するその他のスレーブ中継装置とからなる複数の中継装置からなり、各中継装置が、自己に登録された無線端末装置が無線端末装置間の通信を行う中継用チャンネルを選択するために、前記通信回線から取得した情報に基づいて構築した制御情報を、該無線端末装置に対して無線送信するようにした中継システムにおける同期方法であって、前記各中継装置が、前記通信回線に同期信号が送出されていない状態を検出したときに、それぞれ所定の規則に従って同期信号を送出するようにし、最初に同期信号を送出した中継装置をマスター中継装置とすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によると、通信回線によって互いに接続された複数の中継装置を介して、無線端末装置同士が通信を行う際に、通信回線に同期信号を送出するマスター中継装置が故障した場合でも、具体的な手順によって、残りの中継装置の中から選択された特定の中継装置が自動的にマスタの役割を果たすことができる。
【0015】
また、本発明によると、マスター中継装置が故障しない場合でも、通信回線に接続されていた複数の中継装置からマスター中継装置が除去された後に、残りの中継装置の中から選択された特定の中継装置が自動的にマスタの役割を果たすことができる。
【0016】
また、本発明によると、マスター中継装置が故障した場合又は通信回線に接続されていた複数の中継装置からマスター中継装置が除去された後に、改めて電源が投入された初期状態においても、複数の中継装置の中から選択された特定の中継装置が自動的にマスタの役割を果たすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態における無線通信システムの構成図である。
【図2】図1の無線端末装置の構成を示すブロック図である。
【図3】図1のレピータの構成を示すブロック図である。
【図4】計時部の構成を示す図である。
【図5】マスタレピータからシステムバスに送出される同期信号及び同期信号に続く各レピータに割当てられたタイムスロットを含む図である。
【図6】レピータと無線通信装置との間で送受信される通信フレームのフォーマットを示す図である。
【図7】図1のレピータのCPUによって実行されるフローチャートである。
【図8】図1のレピータに設定されるマスタレピータとして機能する優先順位の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る中継システム、中継装置及び同期方法の実施の形態について、図を参照して説明する。
【0019】
本実施の形態における無線通信システムのサイト100は、図1に示すように、複数(例えば最大30台)のレピータ111〜111が通信回線115を介して接続されている。複数のレピータ111〜111には、それぞれ固有の中継用チャンネルが割当てられており、同一の通信エリアの中継処理を担う。通信回線115で接続された複数のレピータ111〜111で、1つのレピータシステム(中継システム)130を構成する。つまり、レピータシステム130によって、チャンネル数n(nは、レピータの台数分)を有する1つの通信エリアが構成される。また、複数のレピータ111〜111によって構成されるレピータシステム130は、IP接続線などの通信回線116を介してサーバ104に接続される。一般に通信回線115を「システムバス」と称するので、以下の説明においては、通信回線115をシステムバスという。
【0020】
サーバ104は、複数のレピータ111〜111の各種設定を遠隔操作により行うことができる。各レピータ111〜111は、レピータユニットとコントローラユニットから構成されている。また、各レピータ111〜111に関する情報(例えば、中継中か否か)は、システムバス115を介してやり取りされ、共有されている。各レピータ111〜111には、予めどのタイムスロットでデータを送出するかが設定されている。このため、各レピータ111〜111は、予め設定されたタイムスロットにデータを送出する。
【0021】
複数のレピータ111〜111のうち、1台が「マスタレピータ」として設定される。以下、図1におけるレピータ111〜111のうちレピータ111がマスタレピータであるとして説明する。マスタレピータは、自装置も含めたレピータ111〜111の同期を取るための同期信号をシステムバス115に送出する。
【0022】
無線端末装置TA〜THは、レピータ111〜111のうち、いずれか1台のレピータをホームレピータとして登録している。無線端末装置TA〜THは、待ち受け状態においては、ホームレピータのダウンリンク信号を受信している。無線端末装置TA〜THは、ホームレピータのダウンリンク信号に挿入されている空きチャンネル情報を取得し、この空きチャンネルにチャンネル周波数を移動して、他の無線端末装置との通話を行う。そして、通話が終了すると、チャンネル周波数をホームレピータのチャンネル周波数に戻し、待ち受け状態に戻る。図1では、無線端末装置TA〜TDがレピータ111をホームレピータ、無線端末装置TE及びTFがレピータ111をホームレピータ、無線端末装置TG及びTHがレピータ111をホームレピータとしている。
【0023】
図1の無線通信システムは、無線端末装置TA〜THが複数のレピータ111〜111を共用し、その中から中継用に少なくとも1つのレピータを適宜選択する分散型のトランキングシステムである。分散型のトランキングシステムは、制御用の専用チャンネルを有しておらず、全てのチャンネルが、制御チャンネルであり、かつ、通話チャンネルとなる。例として、無線端末装置TAが同じホームレピータに登録された他の無線端末装置TB〜TDと通話を行う場合を想定する。この場合、無線端末装置TAは、自己のホームレピータであるレピータ111からのダウンリンク信号に含まれている通話可能なチャンネルを示すチャンネル情報を取得し、取得したチャンネル情報に基づいて通話可能なチャンネルを判別し、判別した通話可能なチャンネルの1つ(例えば、レピータ111のチャンネル)を選択し、選択したチャンネルに自己のチャンネル周波数を移動する。
【0024】
さらに、無線端末装置TAは、このチャンネル(レピータ111)に通話許可要求を送信し、このチャンネルを提供しているレピータ111より通話を許可する旨の応答を受け取ってリンクを確立する。通話の相手である無線端末装置TB〜TDは、ホームレピータ111より送信される、無線端末装置TAがリンクを確立した通話チャンネル(レピータ111のチャンネル)への移動を指示する制御信号を受け取り、チャンネル周波数を指示されたチャンネル用に変更し、無線端末装置TAとの通話を行う。つまり、レピータ111は、自己をホームレピータとして登録している無線端末装置TA〜TDに対しては、制御チャンネルとして動作し、他の無線端末装置TE〜THに対しては通話チャンネルとして動作する。ここで、無線端末装置TA〜TD間の通話は、無線端末装置TA〜TD全体でのグループ通話や、さらにグループの単位を細分化して、例えば、無線端末装置TA及びTBから構成される小グループでのグループ通話、又は、1台の無線端末装置を対象とした個別呼び出し(「Individual Call」という)などがある。
【0025】
次に、各無線端末装置TA〜TH及び各レピータ111〜111の構成及び機能について説明する。図2は、図1の無線端末装置TA〜THの構成を示すブロック図である。図3は、図1のレピータ111〜111の構成を示すブロック図である。図4は、マスタレピータ111からシステムバス115に送出される同期信号及び同期信号に続く各レピータに割当てられているタイムスロットを示す図である。図5(A)、(B)は、レピータと無線端末装置との間で送受信される通信フレームのフォーマットを示す図である。通信フレームはヘッダ部とデータ部で構成されている。ヘッダ部及びデータ部の詳細な内容については後述する。
【0026】
図2に示すように、無線端末装置TA〜THは、信号系のブロックとして、アンテナANTSR、送受信切換部11、送信部12、ベースバンド処理部13、A/D変換部14、マイク15、受信部16、ベースバンド処理部17、D/A変換部18、スピーカ19を備えている。また、無線端末装置TA〜THは、制御系のブロックとして、コントローラ20、計時部25、表示部26、操作部27を備えている。さらに、コントローラ20は、CPU(中央演算ユニット)21、I/O(入出力部)22、RAM(読み書き可能メモリ)23、ROM(読み出し専用メモリ)24、及びこれらを互いに接続する内部バスを備えている。
【0027】
無線端末装置TA〜THの信号系のブロックはCPU21によって制御される。CPU21は、ROM24に記憶されている制御プログラムを実行して無線端末装置の全体を制御し、I/O22を介して操作部27から入力されるコマンドやデータ、及びベースバンド処理部17から得られるデータを処理してRAM23に一時的に記憶する。また、CPU21は、必要に応じて記憶したコマンドやデータをLCD(Liquid Crystal Display)などからなる表示部26に表示する。また、CPU21は、計時部25から得られる現在時刻を表示部26に表示する。なお、コントローラ20は、無線端末装置の固有の識別情報を記録したフラッシュメモリ等の書き換え可能な不揮発性メモリカードが着脱可能に装着される構成であってもよい。
【0028】
次に、信号系のブロックに関して、送受信切換部11は、入力端がアンテナANTSRに接続され、出力端がCPU21の制御に応じて、送信部12と受信部16に択一的に接続される。操作部27により発信操作がされないときには、この無線端末装置は受信(待受)モードになっており、送受信切換部11の出力端は受信部16に接続されている。一方、操作部27により送信操作がされたときは、この無線端末装置は送信モードになり、送受信切換部11の出力端は送信部12に接続される。
【0029】
無線端末装置TA〜THが送信モードのときには、マイク15はユーザの音声入力に応じて、アナログの音声信号をA/D変換部14に出力する。
【0030】
A/D変換部14は、マイク15からのアナログ音声信号をデジタル音声信号に変換してベースバンド処理部13に出力する。
【0031】
ベースバンド処理部13は、A/D変換部14からのデジタル音声信号に基づいて、あるいはコントローラ20のRAM23に記憶されているデータに基づいて、所定のフォーマットの通信フレーム(ベースバンド信号)を生成して送信部12に出力する。
【0032】
送信部12は、ベースバンド処理部13からの通信フレームを用いて搬送波を変調し、送受信切換部11及びアンテナANTSRを介して中継動作中のレピータに対して送信する。送信部12の変調方式には、GMSK(Gaussian filtered Minimum Shift Keying)、PSK(Phase Shift Keying)、QAM(Quadrature Amplitude Modulation)、又はFSK(Frequency Shift Keying)などが用いられる。
【0033】
無線端末装置TA〜THが受信モードの場合には、送受信切換部11はアンテナANTSRと受信部16とを接続する。受信部16は、レピータ111〜111からの無線信号をアンテナANTSRを介して受信する。受信部16は、受信信号を増幅すると共に、復調処理などの信号処理を施して、その復調信号をベースバンド処理部17に出力する。
【0034】
ベースバンド処理部17は、受信部16から出力された復調信号から通信フレームを抽出する。さらに、抽出した通信フレームのヘッダ部Hの情報をCPU21に出力する。CPU21は、ヘッダ部Hの情報を分析して、その受信信号の送信先が自局の場合には、データ部Dに含まれている音声信号のデータについてはD/A変換部18に出力させ、データ部Dに含まれている音声信号以外のデータについてはRAM23に一時的にストアすると共に必要に応じて表示部26に表示する。D/A変換部18は、ベースバンド処理部17からの音声信号をデジタルからアナログに変換してスピーカ19から発音させる。
【0035】
レピータ111〜111は、図3に示すように、信号系のブロックとして、送信専用のアンテナANTS、送信部32、ベースバンド処理部33、受信専用のアンテナANTR、受信部36、ベースバンド処理部37、入力部6、出力部7、ネットワークI/F(インターフェース)8を備えている。また、各レピータは、制御系のブロックとして、コントローラ40、計時部45、表示部46、操作部47、を備えている。さらに、コントローラ40は、CPU(中央演算ユニット)41、I/O(入出力部)42、RAM(読み書き可能メモリ)43、ROM(読み出し専用メモリ)44、及びこれらを互いに接続する内部バス(図示せず)を備えている。また、ROM44は、通常のCPU41の動作と共にマスタレピータが故障してシステムバス115上に同期信号を出力しなくなった場合の対処プログラムを格納する。
【0036】
また、計時部45は、図4に示すように、経過時間タイマT1と、80msタイマT2と、現在時刻タイマT3を備える。経過時間タイマT1は、システムバス115上に同期信号が出力されてからの経過時間を計時する。80msタイマT2は1フレーム期間に相当する80msを計時する。現在時刻タイマT3は、現在時刻を計時する。CPU41は、システムバス115上の同期信号を検出すると、経過時間タイマT1をリセットする。
【0037】
また、レピータ111〜111は、システムバス115に自装置の情報を送出し、他のレピータからの情報を取得するためのバスI/F(インターフェース)9を備えている。また、ROM44は、自レピータがマスタレピータとして動作すると判別するまでの経過時間の基準値が登録されている。
【0038】
レピータ111〜111(例えば、レピータ111)は、送信元の無線端末装置(例えば、無線端末装置TA)から受信した無線信号を増幅処理や波形処理などの信号処理を行って、送信先の無線端末装置(例えば、無線端末装置TB)に対して送信するので、基本的には図2に示した無線端末装置TA〜THと同様の構成を備えている。したがって、図2に示した無線端末装置TA〜THの構成要素と基本的に同じものについては、同一の符号で表し、それらの動作については無線端末装置TA〜THと重複するので説明を省略する。
【0039】
レピータ111〜111を経由して無線端末装置TA〜TH同士が通信を行う場合には、無線端末装置からレピータへの送信のアップリンクと、レピータから無線端末装置への送信のダウンリンクとは、周波数又はタイムスロットを変えて実質的に同時に通信する。したがって、レピータ111〜111は送信専用のアンテナANTS及び受信専用のアンテナANTRを備えている。また、複数のレピータ111〜111の各々は、図1に示したように、システムバス115を介して相互に接続され、IP接続線などの通信回線116を介してサーバ104に接続されている。
【0040】
入力部6は、CPU41の入力制御によって、ネットワークI/F8を介して同期信号に書き込まれている他のレピータやサーバ104より要求されたデータ等を出力する。さらに、別の通信エリアを構成する他のサイト10との通信を行うマルチサイトネットワークを構築する場合は、ネットワークI/F8を介して他のサイト10のレピータ1〜nと通信フレームの送受信を行う。バスI/F9は、CPU41の入力制御によって、マスタレピータによってシステムバス115に送出された同期信号や、自装置以外の他のレピータからシステムバス115に送出されるレピータ情報の取得、CPU41の出力卸御によってシステムバス115への自装置の情報の送出を仲介する。
【0041】
次に、実施の形態における無線端末システムの無線通信方法について、図5及び図7を参照して説明する。
図5の同期信号は1周期が80msになっており、前半の40msは、スロット0からスロット31までの32個のスロットで構成されている。したがって、各スロットは1.25msの時間長になっている。最初のスロット0は同期信号であり、決められたアルゴリズムに従って、特定の1つのレピータすなわちマスタレピータ111が送出し、他のレピータ111〜111はスレーブレピータになって、この同期信号を取得する。レピータ111〜111、すなわちレピータシステム130は、この同期信号に同期して動作している。レピータ111〜111には、同期用のスロット0以外のスロット1〜スロット31のいずれかが割当てられている。各レピータ111〜111は、共用する各レピータの情報を自装置に割当てられたスロットに書き込む。マスタレピータであるレピータ111は、スロット0には同期信号を送出し、また、スロット1〜スロット31のうちレピータ111に割当てられたスロットにレピータ111の情報(例えば、空き状態か中継中かを示す情報等)を書き込む。なお、最後のスロット31は将来の拡張機能のための外部機器接続用として使用する。
【0042】
図6(A)に通話チャンネルとのリンク確立時の通信フレームのフォーマット、図6(B)に音声及びデータ通信時の通信フレームのフォーマットの一例を示す。図6(A)及び(B)において、通信フレームのフォーマットは80msの384ビットで構成される。また、初期送信時に限りフレームの先頭に24ビット以上のプリアンブル(P)が付加される。FSWはフレーム同期ワード、LICHはリンク情報チャンネル、SCCHはトランキング制御用のシグナリング情報チャンネル、FACCHは高速付随制御チャネル、Gはガードタイムである。
【0043】
前述の通り、マスタレピータは、図5におけるスロット0に同期信号を送出し、マスタレピータに対しスレーブレピータとなる他のレピータは、この同期信号を取得し、マスタレピータを含むレピータシステム130は、この同期信号に同期して稼動する。また、この同期信号は、通信フレームの周期と同じ80msec毎にシステムバス115上に送出される。実施の形態の無線通信システムは、初期立ち上げ時に所定の規則に従い、レピータ111〜111のうち1台のレピータがマスタレピータとなる。マスタレピータ以外の他のレピータは、自動的にスレーブレピータとなり、マスタレピータが送出する同期信号を取得する。またレピータシステムを構成する各レピータには、スロット1〜スロット30のいずれかのスロットが割当てられている。また、自装置以外の他のレピータがどのスロットに割当てられているかについても把握している。同期信号の送出、割当スロットへの情報の送出は、計時部45によってタイミングを計る。つまり、同期信号は80msec毎に、自装置の情報は、同期信号送出から割当スロットまでの時間を計測して送出する。これらを踏まえて、以下、任意のレピータがマスタレピータになり、他のレピータがスレーブレピータになる場合の動作について、図3のCPU41によって実行される図7のフローチャートを参照して説明する。
【0044】
ここでは、理解を容易にするため、図8に示すように、レピータ111の1番からn番が存在し、それぞれのROM44に、マスタレピータとなる優先度と計測時間が設定されているものとする。
【0045】
全てのレピータ111〜111に電源が投入されて、立ち上げ処理時に、複数のレピータ111〜111のうち、いずれか1台のレピータがマスタレピータとして動作を開始する。
なお、立ち上げ動作時に、全てのレピータのCPU41は、計時部45の経過時間タイマT1を初期化する。
【0046】
図7において、CPU41は、システムバス115上に同期信号が出力されていないかどうかを判断する(ステップS101)。同期信号が出力されていないと判断した場合(ステップS101;YES)には、自装置が同期信号を書き込むタイミングであるか否かを、経過時間タイマT1により判別する(ステップS102)。経過時間タイマT1の計測時間(図8)に達していれば、自装置が書き込むタイミングであると判定し(ステップS102;YES)、マスタレピータでなければ(優先度2位以下)、書き込むタイミングではないと判定し(ステップS102;NO)。ステップS101に戻る。
【0047】
起動から、80ms経過すると、経過時間タイマT1の計測時間が、レピータ111の基準時間に達し、自装置が書き込むタイミングであると判定する(ステップS102;YES)。
【0048】
ここで、仮に、レピータ111が故障しているとすると、ステップS101で同期信号が無い(YES)と判別され、同期信号が無い状態が82ms(80ms(1周期)+1スロット期間+一定の余裕期間)経過すると、ステップS102で、優先度2位のマスタレピータ111の経過時間タイマT1のカウント値が基準値(82ms)に達し、同期信号の書き込みタイミングであると判別する。
【0049】
仮に、優先度1位と2位のレピータ111と111が故障しているとすると、ステップS101で同期信号が無い(YES)と判別され、同期信号が無い状態が84ms経過すると、ステップS102で、優先度3位のマスタレピータ111の経過時間タイマT1のカウント値が基準値(84ms)に達し、同期信号の書き込みタイミングであると判別する。
【0050】
仮に、優先度1位〜3位のレピータ111、111、111が故障しているとすると、ステップS101で同期信号が無い(YES)と判別され、同期信号が無い状態が86ms経過すると、ステップS102で、優先度4位のマスタレピータ111の経過時間タイマT1のカウント値が基準値(86ms)に達し、同期信号の書き込みタイミングであると判別する。
【0051】
こうして、最初に、レピータ111〜111のうち、いずれか1台のレピータから同期信号が送出され、マスタレピータとなるまでステップS101〜S102の処理を繰り返す。
【0052】
システムバス115に同期信号が書き込まれておらず(ステップS101;YES)、同期信号を書き込むタイミングであると判断したときは(ステップS102;YES)、システムバス115に同期信号を書き込む(ステップS103)。システムバス115上に同期信号が書き込まれたため、各CPU41は、計時部45の同期信号出力後の経過時間を0にリセットする。ここで、システムバス115に同期信号を書き込んだレピータはマスタレピータとなる。
【0053】
また、マスタレピータとなったレピータは、同期信号を含むスロットの1周期を、80msタイマT2の計測を開始させる(ステップS104)。
【0054】
次に、割当スロットのタイミングになったか否かを、同期信号出力後の経過時間により判断し(ステップS105)、割当スロットのタイミングになったと判断したときは、そのスロットに自装置の情報を書き込む(ステップS106)。一方、割当スロットのタイミングでないと判断した場合、すなわち、他の装置の割当スロットのタイミングであると判断した場合には、そのスロットにシステムバス115に出力された情報を読み込む(ステップS107)。そして、読み込んだ情報によってRAM43に記憶している情報を更新する(ステップS108)。
【0055】
ステップS106において、自装置の情報を書き込んだ後、又は、ステップS108において、情報を更新した後は、80msecが経過したか否かを、80msタイマT2のカウント値から判断する(ステップS109)。80msecが経過していないと判断したときは、ステップS105に移行して、ステップS106の処理、又は、ステップS107及び108の処理を繰り返す。一方、80msecが経過したと判断したときは、ステップS103に移行して、次の周期の先頭に同期信号を書き込む。
【0056】
ステップS101において、システムバス115上に同期信号が出力されていると判断したときは、他のレピータがマスタレピータとして動作しているので、スレーブレピータとして動作する。すなわち、マスタレピータによって書き込まれた同期信号をシステムバス115から取得して(ステップS110)、計時部45に同期信号を含むスロットの1周期に対応する80msecの計測を開始させる(ステップS111)。
【0057】
次に、割当スロットのタイミングになったか否かを経過時間タイマT1のカウント値により判断し(ステップS112)、割当スロットのタイミングになったと判断したときは、そのスロットに自装置の情報を書き込む(ステップS113)。一方、割当スロットのタイミングでないと判断した場合、すなわち、他の装置の割当スロットのタイミングであると判断した場合には、そのスロットの情報を読み込む(ステップS114)。そして、読み込んだ情報によってRAM43に記憶している情報を更新する(ステップS115)。
【0058】
ステップS113において、自装置の情報を書き込んだ後、又は、ステップS115において、情報を更新した後は、80msecが経過したか否かを判断する(ステップS116)。80msecが経過していないと判断したときは、ステップS112に移行して、ステップS113の処理、又は、ステップS114及び115の処理を繰り返す。一方、80msecが経過したと判断したときは、システムバス115に次の周期の先頭に同期信号があるか否かを判断する(ステップS117)。同期信号があると判断したときは、その同期信号を取得する(ステップS110)。
【0059】
ステップS117において、同期信号がないと判断した場合には、それまで同期信号を送出していたマスタレピータ111に、同期信号を送出できない事情が発生したことになる。例えば、マスタレピータに故障が発生した場合、マスタレピータがレピータシステム130から切り離された場合、あるいは、レピータ111〜111を接続するシステムバス115が途中で切り離された場合などが考えられる。この場合には、ステップS101に移行して、それまでスレーブレピータであったいずれか1台のレピータが、マスタレピータとして動作を開始する。すなわち、ステップS102からステップS109までの処理を実行する。スレーブレピータであったいずれか1台のレピータが、新たなマスタレピータとして同期信号を送出すると、残りのレピータはスレーブレピータのまま、ステップS110からステップS117までの処理を繰り返す。
【0060】
以上のように、上記実施の形態においては、マスタレピータは、システムバス115に同期信号が送出されていない状態において、複数のレピータ(例えば、図1のレピータ111〜111)の中から基準に従って選択されてシステムバス115に同期信号を送出するとともに、その同期信号に同期してシステムバス115に情報を書き込む。システムバス115に同期信号が書き込まれると、他のレピータはスレーブレピータとなり、マスタレピータによって送出された同期信号に同期して、システムバス115に情報を書き込む。したがって、上記実施の形態によれば、システムバス115によって互いに接続された複数のレピータ111〜111を介して、無線端末装置TA〜TF同士が通信を行う際に、システムバス115に同期信号を送出するマスタレピータ(例えば、図1のレピータ111)が故障した場合でも、具体的な手順によって、残りのレピータ(レピータ111〜111)の中から選択された特定のレピータ(例えば、レピータ111)が自動的にマスタの役割を果たすことができる。
【0061】
すなわち、それぞれのレピータ111〜111は、いずれかのレピータ(例えば、図1のレピータ111)がマスタレピータとして同期信号をシステムバスに送出していることを検出すると、同期信号の送出をしない。その後、マスタレピータ111が故障などした場合でも、他のレピータ111〜111のうち、1台のレピータ111が自動的にマスタレピータとなるので、無線通信システムを停止することなく運用ができる。また、故障でなくとも、システムバスが途中で切り離され、レピータシステム130を複数に分割してしまった場合でも、マスタレピータが存在しない側のレピータシステム130にも、新たにマスタレピータが選定されてシステムを停止せず運用することが可能となる。さらに、故障などで一旦切り離された元々のマスタレピータ111が修理され復帰した(再接続された)場合でも、すでに、新たなマスタレピータ111が同期信号を送出しているので、復帰したレピータ111は、同期信号を送出せず、何ら設定することなく無線通信システムの運用が可能となる。
【0062】
なお、チャンネル番号順などとしておくだけでは、元々のマスタレピータ111が復帰した場合、再度、マスタレピータを設定する処理が必要になる。もしかしたら、新たにマスタレピータとなったレピータ111と復帰してきた元々のレピータ111の双方が同期信号を送出してしまうかもしれない等の問題が想定されるが、本実施形態では、そのような問題は発生しない。
【0063】
また、上記実施の形態によれば、システムバス115に接続されていた複数のレピータ(図1のレピータ111〜111)から、1つ又は2以上のレピータ(例えば、マスタレピータ111及び111)が除去された場合でも、残りのレピータ(レピータ111〜111)の中から選択された特定のレピータ(例えば、レピータ111)が自動的にマスタの役割を果たすことができる。
【0064】
また、上記実施の形態によれば、複数のレピータ(例えば、図1のレピータ111〜111)によって初めてシステムを構築した場合、又は、1つ若しくは2以上のレピータ(例えば、マスタレピータ111及び111)が除去された場合において、各レピータに電源が投入された初期状態において、その中から選択された1つの特定のレピータが自動的にマスタの役割を果たすことができる。
【0065】
なお、上記実施の形態は本発明を説明するためのものであり、本発明は上記実施の形態に限定されず、特許請求の範囲を逸脱しない限り、当業者によって考えられる他の実施の形態や変形例についても本発明に属するものである。
【0066】
例えば、全てのレピータ111〜111に電源が投入された立ち上げ処理時に、および、マスタレピータから同期信号が送出できない事情が発生したときに、マスタレピータを決定する場合には、以下の方法であってもよい。
【0067】
各レピータに書き込まれる固有のシリアルナンバー(ESN:Electric Serial Number)によって、同期用のスロットに同期信号を書き込むタイミングに時間差を持たせておき、いずれかのレピータから同期信号が送出されたときは、他のレピータは同期信号を送出しない。
【0068】
具体的に、システム立ち上げ時には、各レピータ111〜111のESNによって、同期信号を送出するタイミングに時間差を持たせている。その後、最初に選定されたマスタレピータ111からの同期信号を検出されなくなった場合、スレーブレピータ111〜111は、ほぼ同時に、同期信号が送出されていないことを検出できる。そして、同期信号が送出されなくなったことを検出したスレーブレピータ111〜111は、自装置の同期信号を送出するタイミングを待ち、同期信号が送出されなくなったことを検出した場合の同期信号を送出するタイミングも各レピータ111〜111によって時間差を持たせているため、この場合も、システム立ち上げ時と同様、いずれかのレピータ(図1のレピータ111)から同期信号が送出されると、残りのレピータ111〜111は、同期信号を送出しない。
【0069】
ESNによってマスタレピータを決める以外にも、チャンネル順によってマスタレピータとなるレピータをあらかじめ決めておいてもよいし、同期信号ではない最初のスロットに情報を書き込むように設定されているレピータをマスタレピータとしてあらかじめ決めておいてもよい。あるいは、電源が投入された立ち上げ処理時に、マスタレピータとなり得る資格やマスタレピータとならない資格を決めておいてもよい。この場合も、いずれかのレピータから同期信号が送出されたときは、他のレピータは同期信号を送出しない。
【0070】
また、各レピータ間の同期のための同期信号は、デジタル方式の無線通信システムのフレーム同期を用いており、その間隔も80msec間隔で同期用のスロットに同期信号が書き込まれる。このタイミングで全てのレピータが同期を取っているため、同一サイト内の各レピータが送信する通信フレームも同期していることになる。したがって、無線端末装置が通話チャンネルを変更したとしても、同期を維持した状態であるので、即座にフレーム同期を確立することが可能になり、即座に通話を行うことができる。
【0071】
また、上記実施の形態においては、中継装置はレピータ111〜111に相当し、マスター中継装置はレピータ111に相当し、スレーブ中継装置はレピータ111〜111に相当し、通信回線は通信回線5に相当し、無線端末装置は無線端末装置TA〜THに相当し、中継システムはレピータシステム130に相当する。
【符号の説明】
【0072】
TA〜TH 無線端末装置
111〜111 レピータ
115 システムバス(通信回線)
41 CPU
42 RAM
45 計時部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信回線を介して相互に接続され、各固有の中継用チャンネルが割り当てられた複数の中継装置から構成され、各中継装置が、自己に登録された無線端末装置が無線端末装置間の通信を行う中継用チャンネルを選択するために、前記通信回線から取得した情報に基づいて構築した制御情報を、該無線端末装置に対して無線送信するように構成された中継システムであって、
前記複数の中継装置は、前記通信回線に同期信号を送出するとともに該同期信号に同期して該通信回線と通信する一つのマスター中継装置と、前記通信回線より同期信号を取得するとともに該同期信号に同期して該通信回線と通信するその他のスレーブ中継装置とから構成され、
前記各中継装置が、前記通信回線に同期信号が送出されていない状態を検出したときに、所定の規則に従って1つの中継装置が同期信号を送出し、同期信号を送出した中継装置が前記マスター中継装置として機能する、ことを特徴とする中継システム。
【請求項2】
前記各中継装置が、前記通信回線に同期信号が送出されていない状態を検出したときに、別々の出力タイミングとなる所定の規定に従って同期信号を送出する、ことを特徴とする請求項1に記載の中継システム。
【請求項3】
前記各中継装置が、前記通信回線に同期信号が送出されていない状態を検出したときに、1つの中継装置が選択される所定の規則に従って同期信号を送出する、ことを特徴とする請求項1に記載の中継システム。
【請求項4】
通信回線を介して他の中継装置に接続されるともに、固有の中継用チャンネルが割り当てられ、自己に登録された無線端末装置が無線端末装置間の通信を行う中継用チャンネルを選択するために、前記通信回線から取得した情報に基づいて構築した制御情報を、該無線端末装置に対して無線送信する中継装置であって、
前記通信回線に同期信号を送出するとともに該同期信号に同期して該通信回線と通信するマスター中継装置としての機能と、
前記通信回線より同期信号を取得するとともに該同期信号に同期して該通信回線と通信するスレーブ中継装置としての機能とを備え、
前記通信回線に同期信号が送出されていない状態を検出したときに、所定の規則に従って同期信号を送出するようにし、自己が最初に同期信号を送出した中継装置である場合、前記マスター中継装置として機能することを特徴とする中継装置。
【請求項5】
通信回線を介して相互に接続されるとともに、各固有の中継用チャンネルが割り当てられ、前記通信回線に同期信号を送出するとともに該同期信号に同期して該通信回線と通信する一つのマスター中継装置と、前記通信回線より同期信号を取得するとともに該同期信号に同期して該通信回線と通信するその他のスレーブ中継装置とからなる複数の中継装置からなり、各中継装置が、自己に登録された無線端末装置が無線端末装置間の通信を行う中継用チャンネルを選択するために、前記通信回線から取得した情報に基づいて構築した制御情報を、該無線端末装置に対して無線送信するようにした中継システムにおける同期方法であって、
前記各中継装置が、前記通信回線に同期信号が送出されていない状態を検出したときに、それぞれ所定の規則に従って同期信号を送出するようにし、最初に同期信号を送出した中継装置をマスター中継装置とすることを特徴とする同期方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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