説明

乗員保護装置の駆動制御方法及び乗員保護制御装置

【課題】事後の解析の際に有用な最小限のデータを、バッテリ電源の余裕の有無に関わらず、確実に取得可能とする。
【解決手段】制御部1は、車両の衝突の有無の診断結果に基づいてエアバック装置7A,7Bの起動要と判定されるまでの間に、バッテリ電圧VBが所定の値を超えているか否かを判定すると共に(S502)、バックアップ電源電圧を入力し(S300)、エアバック装置7A,7Bの起動要と判定された際(S506)には、その判定結果に応じてエアバック装置7A,7Bの起動のための信号が生成、出力される前に、バッテリ電圧VBの判定結果、バックアップ電源電圧、バッテリ電圧の供給が絶たれていると判定された場合には、その判定時からの経過時間(OFF時間)が不揮発性メモリ3に書き込み(S510)されよう構成されたものとなっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、いわゆるエアバック装置に代表される乗員保護装置の駆動制御方法及びその装置に係り、特に、乗員保護装置起動後における動作解析に有用なデータの確実な取得等を図ったものに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、エアバック装置に代表される乗員保護装置を駆動制御する乗員保護制御装置においては、乗員保護装置のさらなる信頼性の向上等の観点から、車両が衝突して、例えば、エアバックが展開された場合、事後に衝突状況を解析し、装置動作の妥当性や動作のさらなる改善等に資するために、展開前後の車両や制御装置の電子制御ユニットなどにおける動作状態のデータを衝突情報として不揮発性メモリに記録する技術が提案、実用化されている(例えば、特許文献1、特許文献2等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2000−512955号公報(第3−7頁、図1)
【特許文献2】特開2002−37014号公報(第3−4頁、図1−図4)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、不揮発性メモリへのデータの書き込みは、RAM(Random Access Memory)の場合と比較して時間を要し、場合によっては数秒におよぶ時間が必要となることもある。
一方、乗員保護制御装置に用いられる電子制御ユニットは、その求められる機能から、衝突の際にバッテリーが破損したり、電源ラインが断線した場合に備えて、内部にバックアップ電源を搭載するのが一般的である。
このバックアップ電源により、衝突の際に電子制御ユニットへの車両用バッテリからの電源供給が断たれた場合にも、エアバックを展開するためのインフレーターを点火するに必要となる電流供給を可能として乗員保護装置の動作が確実に確保できるようにしている。
【0005】
しかしながら、バックアップ電源と言えどもその電流供給には限りがあり、一定時間が経過すれば、バックアップ電源による電子制御ユニットの動作も停止状態となるため、仮に、何らかの原因によりエアバックの展開判断が遅延した場合には、バックアップ電源が必ずしもインフレーターを点火するに十分な電流供給を可能とする状態にあるとは限らず、もし、インフレーターが点火できエアバックが展開できたとしても、前述したような不揮発性メモリへの衝突情報の全部、又は、一部の記録ができなくなる虞がある。
【0006】
本発明は、上記実状に鑑みてなされたもので、事後の解析の際に有用な最小限のデータを、バッテリ電源の余裕の有無に関わらず、確実に取得可能とする乗員保護制御装置の駆動制御方法及び乗員保護制御装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記本発明の目的を達成するため、本発明に係る乗員保護制御装置の駆動制御方法は、
乗員保護装置の起動が必要と判定された際に、前記乗員保護装置の起動前に、バッテリの状態、及び、バックアップ電源電圧を、不揮発性メモリに記録するよう構成されてなるものである。
上記本発明の目的を達成するため、本発明に係る乗員保護制御装置は、
車両の衝突の有無を診断し、その診断結果に基づいて乗員保護装置の起動の要否を判定可能に構成されてなる制御部を有すると共に、前記制御部により乗員保護装置の起動要と判定された際に、前記乗員保護装置に対して、その起動のための信号を生成、出力可能に構成されてなる乗員保護制御装置であって、
前記制御部は、車両の衝突の有無の診断結果に基づいて前記乗員保護装置の起動要と判定されるまでの間に、バッテリ電圧が所定の値を超えているか否かを判定すると共に、バックアップ電源電圧を入力し、前記乗員保護装置の起動要と判定された際には、その判定結果に応じて前記乗員保護装置の起動のための信号が生成、出力される前に、前記バッテリ電圧の判定結果、及び、バックアップ電源電圧を、不揮発性メモリに書き込むよう構成されてなるものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、従来と異なり、乗員保護装置の起動時、例えば、具体的には、スクイブへの点灯時ではなく、乗員保護装置の起動が必要と判定された際、すなわち、例えば、エアバックの展開が必要と判定された際に、バッテリ電圧の状態、バックアップ電源電圧を不揮発性メモリへ書き込み、記録するようにすることで、従来の方法による衝突情報が記録されていない場合には、不揮発性メモリへ記録されたバッテリ電圧の状態、バックアップ電源電圧を解析することで、衝突データの記録がなされなかった原因の特定を従来に比して容易とすることができ、衝突データが正常に記録された場合であっても、そのデータの整合性を、不揮発性メモリへ記録されたバッテリ電圧の状態、バックアップ電源電圧の解析により裏付けすることが可能となり、装置の信頼性向上に寄与することができるという効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施の形態における乗員保護制御装置の構成例を示す構成図である。
【図2】図1に示された本発明の実施の形態における乗員保護制御装置を構成する制御部により実行される駆動制御処理の概略を示すフローチャートである。
【図3】図2に示された乗員保護制御装置の駆動制御処理の点火制御に至るまでのより詳細な処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図1乃至図3を参照しつつ説明する。
なお、以下に説明する部材、配置等は本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
最初に、本発明の実施の形態における乗員保護制御装置(以下「本装置」と称する)の構成について、図1を参照しつつ説明する。
本装置は、制御部(図1においては「CPU」と表記)1と、点火回路2と、不揮発性メモリ3と、ランプ駆動回路4と、バックアップ電源5と、電源回路6とを主たる構成要素として構成されたものとなっている。
【0011】
制御部1は、例えば、公知・周知の構成を有してなるマイクロコンピュータ(図示せず)を中心に、RAMやROM等の記憶素子(図示せず)を有し、本装置全体に対する故障診断処理や後述する乗員保護装置の駆動制御処理が実行されるものとなっている。
かかる制御部1には、加速度センサ9の検出信号が入力され、故障診断処理や乗員保護装置の駆動制御処理に供されるようになっている。また、制御部1には、イグニッションスイッチ10の開閉成状態が入力されるようになっており、イグニッションスイッチ10の開閉成に応じて、制御部1の動作のオン・オフが行われるようになっている。
【0012】
点火回路2は、本装置の外部に設けられたエアバック装置7A,7Bに設けられたスクイブ11a,11bを点火せしめるための回路で、制御部1からの制御信号に応じてスクイブ11a,11bの点火動作を行うよう構成された、周知・公知の構成を有してなるものである。
不揮発性メモリは3は、後述する特定のデータを記録するためのもので、具体的には、例えば、EEPROMなどを用いてなるものである。かかる不揮発性メモリは3は、良く知られているように電源供給が断たれても、データの記憶、保持が可能となっているものである。
【0013】
ランプ駆動回路4は、制御部1により実行される本装置に対する故障診断処理の結果、規定された故障状態と判定された場合に、警報ランプ8を点灯するための回路である。
電源回路6は、図示されない車両用バッテリから供給されるバッテリ電圧VBに安定化を施して本装置の必要な箇所に供給すると共に、バッテリ電圧VBを必要とされる他の電圧に変換し、本装置の必要な箇所に供給するものとなっている。
【0014】
バックアップ電源5は、本装置への外部からの電源供給が断たれた場合に、本装置の動作に必要な電源供給を行うものである。なお、通常の動作状態、すなわち、バッテリ電圧VBが外部から供給されている場合には、バックアップ電源5は、電源回路6により電源供給を受けると共に動作状態となるいわゆるフローティング動作状態とされている。
【0015】
図2には、制御部1により実行される乗員保護制御装置の駆動制御処理の概略手順がフローチャートに示されており、同図を参照しつつ、その内容について説明する。
乗員保護制御装置の駆動制御処理は、通常処理と、割り込み処理とに大別されたものとなっており、まず、通常処理は、基本的な処理手順から構成されており、図2においては、特に、衝突情報(衝突データ)の記録に関する処理のみが示されている。
【0016】
すなわち、通常処理は、常時繰り返し実行される複数の処理からなるもので、図2において図示が省略されている複数の処理が実行された後、不揮発性メモリ3に対する記録要求が発生したか否かが判定されるようになっている(図2のステップS102参照)。
このステップ102において、不揮発性メモリ3に対する記録要求が発生したと判定されるのは、後述する割り込み処理において、衝突データの取込処理(図2のステップS700参照)が実行されると共に記録開始の要求が発生された場合である。
【0017】
しかして、ステップS102において、不揮発性メモリ3に対する記録要求が発生したと判定された場合(YESの場合)には、不揮発性メモリ3へ衝突データの記録が行われ(図2のステップS104)、次いで、通常処理の一連の処理が最初から開始されることとなる。
また、ステップS102において、揮発性メモリ3に対する記録要求は発生していないと判定された場合(NOの場合)には、通常処理の一連の処理が最初から開始されることとなる。
【0018】
一方、割り込み処理は、予め定められた一定時間間隔で、又は、所定の条件の成立の度毎に、処理が実行されるもので、図2においては、診断処理(図2のS200参照)以降が示されているが、それより以前に行われる処理については図示を省略してある。
以下、かかる割り込み処理について説明すれば、診断処理においては、本装置が正常な動作状態にあるか否かの判定が行われ、次いで、衝突診断処理などの以後の処理に必要とされるアナログデータが制御部1内においてディジタルデータに変換される(図2のステップS300)。
【0019】
次に、エアバック装置7A,7Bの展開を必要とする衝突が発生しているか否かを診断するための衝突診断処理が行われる(図2のステップS400参照)。
次いで、外部からの電源供給の状態、及び、バックアップ電源5の状態がモニタされると共に、電源に関する所定のデータの不揮発性メモリ3への記録(詳細は後述)が行われる(図2のステップS500参照)。この後、上述の衝突診断処理によりスクイブ11a,11bへの点火が必要と判定された場合には、必要な点火制御が実行されることとなる(図2のステップS600参照)。
【0020】
そして、予め定められた衝突データの取込、すなわち、不揮発性メモリ3への書き込み記録の要求がなされることとなる(図2のステップS700参照)。
ここで、衝突データは、従来、例えば、車両の動作状態や、制御部1の動作状態等を表すデータ、さらには、他の電子制御ユニット(図示せず)における動作状態等を表すデータ等であるが、特定の種類のデータに限定される必要はなく、如何なるデータを衝突データとするかは、乗員保護装置の種類やその制御装置の構成などに応じて、適宜選択されるべきものである。
この記録要求は、先に述べたように、通常処理のステップS102の処理に引き継がれ、ステップS102における記録要求の有無の判定において、記録要求有りとの判定を生じせしめることとなる。
【0021】
次に、上述の割り込み処理におけるステップS300〜ステップS600に至る処理のより具体的な手順について、図3に示されたフローチャートを参照しつつ説明する。
まず、ステップS300においては、外部から本装置に供給されているバッテリ電圧VB、及び、バックアップ電源5の出力電圧がそれぞれアナログ・ディジタル変換されて、制御部1内の適宜な記憶領域に記憶される。
【0022】
次いで、従来同様に衝突診断処理が行われる(図3のステップS400参照)。
次に、バッテリ電圧VBが所定のOFF電圧を超えているか否かが判定される(図3のステップS502参照)。
ここで、OFF電圧は、本装置の正常な動作を確保することができなくなる電圧であり、具体的な値は、個々の装置の具体的な仕様に基づいてそれぞれ設定されるべきものである。
【0023】
そして、ステップS502において、バッテリ電圧VBが所定のOFF電圧を超えていると判定された場合(YESの場合)には、後述するステップS504の処理へ進む一方、バッテリ電圧VBが所定のOFF電圧を超えていないと判定された場合(NOの場合)には、本装置が正常に動作できる状態ではないとして次述するステップS512の処理へ進むこととなる。なお、本発明の実施の形態においては、バッテリ電圧VBが所定のOFF電圧を超えていないと判定された場合(NOの場合)には、図示されない車両用バッテリと本装置を接続する電線(図示せず)が断線しているとして、ステップS512の処理へ進むこととしている。
【0024】
ステップS512においては、「バッテリ状態」が「OFF」とされる。
ここで、「バッテリ状態」は、バッテリ電圧VBがOFF電圧を超えているか否かを表すフラグ名称で、「OFF」は、バッテリ電圧VBがOFF電圧を超えていないことを意味する。より具体的には、「OFF」の場合には、例えば、「バッテリ状態」は”0”に設定されるものとなっている。
【0025】
次いで、「OFF時間計測中」が「真」であるか否かが判定される(図3のステップS514参照)。
ここで、「OFF時間計測中」は、OFF時間の計測が行われているか否かを表すフラグ名称で、「OFF時間計測中」が「真」に設定されていることは、OFF時間の計測が行われていることを意味する。なお、より具体的には、「真」の場合には、例えば、「OFF時間計測中」は”1”に設定されるものとなっている。
ここで、先のステップS502において、バッテリ電圧VBが所定のOFF電圧を超えていないと判定された場合(NOの場合)に、その状態が継続されている時間の計測が開始されるようになっており、OFF時間は、その計測された時間である。
【0026】
そして、ステップS514において、「OFF時間計測中」は「真」であると判定された場合(YESの場合)、すなわち、現在OFF時間計測中であると判定された場合には、「OFF時間」がアップ、すなわち、時間計測が続行され(図3のステップS516参照)、後述するステップS506の処理へ進むこととなる。
一方、ステップS514において、「OFF時間計測中」は「真」ではないと判定された場合(NOの場合)、すなわち、現在OFF時間は計測されていないと判定された場合には、「OFF時間計測中」は「真」とされ、OFF時間計測が新たに開始されることとなり(図3のステップS518参照)、その後、後述するステップS506の処理へ進むこととなる。
【0027】
次に、ステップS504においては、「バッテリ状態」は「正常」であるとされる。具体的には、例えば、「バッテリ状態」は「正常」を表す”1”に設定される。
また、同時に、「OFF時間」がリセットされると共に、「OFF時間計測中」が「偽」、すなわち、例えば、”0”に設定される。
【0028】
そして、先の衝突診断処理(図3のステップS400参照)において、エアバック装置7A,7Bの展開必要との判断がなされたか否かが判定され(図3のステップS506参照)、展開必要との判断がされた(展開判断有り)と判定された場合(YESの場合)には、次述するステップS508の処理へ進む一方、展開判断は無しと判定された場合(NOの場合)には、一連の処理は終了されることとなる。
【0029】
ステップS508においては、点火制御中であるか否か、すなわち、スクイブ11a,11bを点火するための制御動作中であるか否かが判定され、制御中であると判定された場合(YESの場合)には、点火制御が続行されることとなる(図3のステップS600参照)。
一方、ステップS508において、点火制御中ではないと判定された場合(NOの場合)には、この時点における「バッテリ状態」、「バックアップ電源電圧」、及び、「OFF時間」の3つのデータが、点火制御に先立ち不揮発性メモリ3に記録され(図3のステップ510参照)、その後、点火制御が実行されることとなる(図3のステップS600参照)。
【0030】
このように、本発明の実施の形態における乗員保護制御装置は、従来と異なり、エアバック装置7A,7Bの展開が必要との判断がなされた際、換言すれば、スクイブ11a,11bに対する点火制御が実行される前に、少なくとも「バッテリ状態」、「バックアップ電源電圧」、及び、「OFF時間」の3つのデータが、不揮発性メモリ3に書き込まれ、記録、保持されるように構成されることで、装置の信頼性向上に資するものとなっている。
すなわち、点火制御後の衝突データの不揮発性メモリ3への書き込み(図2のステップS104参照)の際に、何らかの原因により、予定した衝突データの一部しか正常に記録されないことや、全ての衝突データが記録されないことなど、衝突データが正常に記録されない事態が起こり得ることが経験的に知られている。
【0031】
これに対して、「バッテリ状態」、「バックアップ電源電圧」、及び、「OFF時間」の3つのデータは、上述したタイミングで不揮発性メモリ3に書き込まれるために、衝突データに比して正常に記録されている可能性が極めて高い。
そして、これら3つのデータが正常に記録されている場合には、この3つのデータを後に検証することで、衝突データの記録が正常でなかった原因が、少なくともバックアップ電源5にあるのか否か、図示されない車両バッテリからのバッテリ電圧の供給にあるのか否かの判断が可能となり、衝突データの一部又は全部が記録されなかったことの原因分析を従来に比してより容易とすると共に、予定されている衝突データが全て記録されていた場合にあっては、上述の3つのデータを検証することで、衝突データが整合性あることを確認することができ、ひいては装置の信頼性向上に資するものとなるものである。
【産業上の利用可能性】
【0032】
衝突データのさらなる信頼性向上が所望される乗員保護制御装置に適する。
【符号の説明】
【0033】
1…制御部
2…点火回路
3…不揮発性メモリ
5…バックアップ電源
7A,7B…エアバック装置
11a,11b…スクイブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両乗員を保護する乗員保護装置の動作を制御する乗員保護制御装置の駆動制御方法であって、
前記乗員保護装置の起動が必要と判定された際に、前記乗員保護装置の起動前に、バッテリの状態、及び、バックアップ電源電圧を、不揮発性メモリに記録することを特徴とする乗員保護制御装置の駆動制御方法。
【請求項2】
バッテリの状態は、バッテリによる電源供給が正常になされているか否かを表し、バッテリによる電源供給が絶たれたと判定された場合には、不揮発性メモリへの書き込みまでの経過時間を計測し、その計測結果を不揮発性メモリへ書き込むことを特徴とする請求項1記載の乗員保護制御装置の駆動制御方法。
【請求項3】
車両の衝突の有無を診断し、その診断結果に基づいて乗員保護装置の起動の要否を判定可能に構成されてなる制御部を有すると共に、前記制御部により乗員保護装置の起動要と判定された際に、前記乗員保護装置に対して、その起動のための信号を生成、出力可能に構成されてなる乗員保護制御装置であって、
前記制御部は、車両の衝突の有無の診断結果に基づいて前記乗員保護装置の起動要と判定されるまでの間に、バッテリ電圧が所定の値を超えているか否かを判定すると共に、バックアップ電源電圧を入力し、前記乗員保護装置の起動要と判定された際には、その判定結果に応じて前記乗員保護装置の起動のための信号が生成、出力される前に、前記バッテリ電圧の判定結果、及び、バックアップ電源電圧を、不揮発性メモリに書き込むよう構成されてなることを特徴とする乗員保護制御装置。
【請求項4】
制御部は、バッテリ電圧が所定の電圧を超えていないと判定された際には、その判定時からの経過時間を計測し、前記乗員保護装置の起動要と判定された際には、その判定結果に応じて前記乗員保護装置の起動のための信号が生成、出力される前に、前記経過時間の計測結果、及び、バックアップ電源電圧を、不揮発性メモリに書き込むよう構成されてなることを特徴とする請求項3記載の乗員保護制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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