説明

乗客コンベア

【課題】ステップの移動に伴う振動を極力抑制して乗り心地の大幅な向上を実現することができ、且つ、低消費電力でステップを確実に循環移動させることができる乗客コンベアを提供する。
【解決手段】無端状に連結されて循環移動する多数のステップ1の裏面側に、磁束の向きを個別に設定可能な複数の磁性体片を組み合わせて構成された磁性体ブロック10をそれぞれ配設する。また、磁性体ブロック10が配設されたステップ1の裏面側と対向するように、ステップ1の移動経路の少なくとも一部に非磁性体プレート20を配設する。そして、磁性体ブロック10と非磁性体プレート20とによる誘導反発作用により、循環移動するステップ1に浮上力を働かせるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エスカレータや動く歩道などの乗客コンベアに関する。
【背景技術】
【0002】
エスカレータや動く歩道などの乗客コンベアは、チェーンにより無端状に連結された多数のステップを、トラス内部に配設されたガイドレールに沿ってモータ駆動により循環移動させることで、ステップに搭乗した乗客を乗り口から降り口へと搬送する構造が一般的である。このような構造の乗客コンベアでは、モータ駆動によって多数のステップを循環移動させる際に、ステップに取付けられたローラをガイドレール上で転動させながらステップを移動させるため、ステップに振動が伝わりやすく、乗り心地の悪化を招くという問題がある。
【0003】
このような乗り心地の悪化に繋がるステップの振動を抑制できる構造の乗客コンベアとしては、例えば特許文献1や特許文献2等に開示されているように、ステップを循環移動させる駆動源としてリニアモータを用いたリニアモータ駆動の乗客コンベアが知られている。リニアモータ駆動の乗客コンベアは、励磁コイルへの通電により発生する移動磁界の作用でステップに推進力を与えるため、通常のモータ駆動の乗客コンベアに比べるとステップの振動が抑えられる。
【特許文献1】特開昭62−136489号公報
【特許文献2】特開昭62−100395号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記特許文献1や特許文献2等にて開示されるリニアモータ駆動の乗客コンベアにおいても、ステップが循環移動する際にはステップに取付けられたローラがガイドレール上を転動する構成であるため、ステップの移動に伴う振動を大幅に抑制することは難しく、乗り心地が十分に改善されているとは言い難い。また、ローラとガイドレールとの間に生じる摩擦などの影響により、ステップを移動させるのに十分な推進力を得るにはリニアモータで強力な移動磁界を発生させる必要があり、多大な電力が消費されるといった問題がある。
【0005】
本発明は、以上のような従来の実情に鑑みて創案されたものであって、ステップの移動に伴う振動を極力抑制して乗り心地の大幅な向上を実現することができ、且つ、低消費電力でステップを確実に循環移動させることができる乗客コンベアを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る乗客コンベアは、無端状に連結されて循環移動する複数のステップと、複数のステップを駆動して循環移動させる駆動装置と、磁束の向きを個別に設定可能な複数の磁性体片を組み合わせて構成され、複数のステップの裏面側に各々配設された磁性体ブロックと、磁性体ブロックが配設されたステップの裏面側と対向するように、複数のステップの移動経路の少なくとも一部に配設された非磁性体プレートとを備える。そして、この乗客コンベアは、磁性体ブロックと非磁性体プレートとによる誘導反発作用により、駆動装置の駆動により循環移動する複数のステップに浮上力を働かせるようにしている。
【0007】
また、本発明に係る他の乗客コンベアは、無端状に連結されて循環移動する複数のステップと、磁束の向きを個別に設定可能な複数の磁性体片を組み合わせて構成され、複数のステップの裏面側に各々配設された磁性体ブロックと、磁性体ブロックが配設されたステップの裏面側と対向するように、複数のステップの移動経路の往路側に配設された非磁性体プレートと、磁性体ブロックが配設されたステップの裏面側と対向するように、複数のステップの移動経路の復路側に配設された励磁コイルとを備える。そして、この乗客コンベアは、複数のステップの移動経路の往路側では、磁性体ブロックと非磁性体プレートとによる誘導反発作用により、複数のステップに浮上力を働かせるとともに、複数のステップの移動経路の復路側では、励磁コイルへの通電により発生する移動磁界により、複数のステップに移動方向への推進力を働かせるようにしている。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る乗客コンベアによれば、複数のステップが循環移動する際にステップに浮上力が働くので、ステップの移動に伴う振動を極力抑制して乗り心地の大幅な向上を実現することができるとともに、低消費電力でステップを効率的に循環移動させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の具体的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の各実施形態では、多数のステップが連続して水平方向に移動する動く歩道への適用例を例示するが、本発明は、多数のステップが上下階に亘って斜めに移動するエスカレータに対しても有効に適用可能である。
【0010】
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る乗客コンベアの要部構成を模式的に示す斜視図である。この図1に示す乗客コンベアは、路面に対して略水平に設置されて乗客を搬送する動く歩道として構成されており、乗り口と降り口との間を循環移動する多数のステップ1を有する。これら多数のステップ1は、例えば各ステップ1の両端が無端状のチェーンなどにそれぞれ係合されることで一体化され、乗り口と降り口との間で連続した踏み面を形成するように、無端状に連結されている。なお、図1においては、無端状に連結された多数のステップ1の一部のみを図示している。
【0011】
また、この乗客コンベアは、無端状に連結された多数のステップ1を循環移動させるための駆動装置を備える。この駆動装置としては、多数のステップ1の連結に無端状のチェーンを用いた場合、一般的な構造の動く歩道と同様に、このチェーンを乗り口と降り口との間で周回させることでステップ1を循環移動させる構成のものが利用できる。具体的には、乗り口と降り口の一方に駆動スプロケット2、他方に従動スプロケット3を配置し、これら駆動スプロケット2と従動スプロケット3との間にチェーンを巻き掛けて、駆動スプロケット2を図示しないモータで回転駆動することによりチェーンを周回させ、多数のステップ1を乗り口と降り口との間で循環移動させる。なお、駆動装置の構成は以上の例に特に限定されるものではなく、多数のステップ1を循環移動させることが可能な構成であれば、如何なる構成のものも採用可能である。
【0012】
本実施形態の乗客コンベアは、以上のように、無端状に連結された多数のステップ1を駆動装置の駆動により乗り口と降り口との間で循環移動させることで、乗り口からステップ1上に搭乗した乗客を降り口へと搬送する。そして、特にこの乗客コンベアは、駆動装置の駆動により循環移動する多数のステップ1に浮上力を働かせる機構を付加することで、ステップ1の移動に伴う振動を極力抑制して乗り心地の大幅な向上を実現することができるようにするとともに、低消費電力でステップ1を効率的に循環移動させることができるようにした点に大きな特徴を有している。以下、このステップ1に浮上力を働かせる機構について、さらに詳しく説明する。
【0013】
本実施形態の乗客コンベアでは、図1に示すように、無端状に連結された多数のステップ1の裏面側に、磁性体ブロック10がそれぞれ配設されている。ここで、ステップ1の裏面側とは、乗客が搭乗するステップ1の踏み面とは逆側の面をいう。なお、図1に示す例では、各ステップ1の裏面側にそれぞれ3つずつの磁性体ブロック10を配設しているが、各ステップ1の裏面側に配設する磁性体ブロック10の数や大きさは特に限定されるものではなく、最適な浮上力が得られるように適宜設定すればよい。
【0014】
また、本実施形態の乗客コンベアでは、図1に示すように、ステップ1の移動経路における往路側に、磁性体ブロック10が配設されたステップ1の裏面側と対向するようにして、非磁性体プレート20が配設されている。なお、図1に示す例では、ステップ1の移動経路における往路側の全域、つまり乗り口と降り口との間の全ての領域に亘って一体の非磁性体プレート20を配設するようにしているが、非磁性体プレート20の配置や大きさなどは特に限定されるものではなく、例えば、分割された非磁性体プレート20を間欠的に配置するようにしてもよいし、往路側の中間位置などの一部のみに配置するようにしてもよい。また、ステップ1の移動経路の復路側にも、この復路側を移動するステップ1の裏面側と対向するように非磁性体プレート20を配設するようにしてもよい。
【0015】
磁性体ブロック10は、磁束の向きを個別に設定可能な複数の磁性体片を組み合わせて構成されており、各磁性体片の磁束の向きが最適化されることにより、路面に対して垂直な方向、すなわち、図1中矢印Aで示すステップ1の移動方向に対して垂直な矢印B方向に強力な磁界を発生する。この磁性体ブロック10を構成する各磁性体片には、例えば永久磁石が用いられる。
【0016】
非磁性体プレート20は、導電性を有する非磁性材料が所定の形状(例えば板状)に成形されてなるものである。この非磁性体プレート20を構成する非磁性材料としては、例えばアルミニウムが用いられる。アルミニウムは導電性を有する非磁性材料の中でも比較的軽量であるため、非磁性体プレート20の材料としてアルミニウムを用いるようにすれば、図1に例示したようにステップ1の移動経路における往路側の全域に亘って非磁性体プレート20を配設する場合でも、簡単な支持機構で非磁性体プレート20を所望の位置に適切に支持することができる。
【0017】
以上のように構成される本実施形態の乗客コンベアでは、上述したように駆動装置の駆動により無端状に連結された多数のステップ1が循環移動するが、循環移動の開始時には、各ステップ1の移動速度が徐々に増加していく。このとき、各ステップ1の裏面側に配設された磁性体ブロック10から路面に対して垂直な方向(ステップ1の移動方向に対して垂直な上下方向)に強力な磁界が発生しているため、磁性体ブロック10と非磁性体プレート20との間に反発力が発生し、各ステップ1に対して浮上力が働く。すなわち、ステップ1とともに移動する磁性体ブロック10の磁界により、磁性体ブロック10と対向する非磁性体プレート20に誘導電流が流れ、磁性体ブロック10と非磁性体プレート20との磁気的相互作用(誘導反発作用)により、磁性体ブロック10が配設されたステップ1を非磁性体プレート20から離間させる方向に持ち上げる浮上力が働く。
【0018】
このように、本実施形態の乗客コンベアでは、無端状に連結された多数のステップ1が循環移動する際に、各ステップ1の裏面側に配設した磁性体ブロック10と、この磁性体ブロック10と対向配置された非磁性体プレート20とによる誘導反発作用により、循環移動する各ステップ1に浮上力を働かせるようにしている。したがって、ステップ1の移動に伴う振動を極力抑制して乗り心地の大幅な向上を実現することができる。また、ステップ1に浮上力を働かせながら循環移動させるようにしているので、移動の際のステップ1と乗客コンベアの構造物との間の摩擦抵抗を大幅に低減させることができ、低消費電力でステップ1を効率的に循環移動させることができる。
【0019】
なお、以上では、本実施形態の乗客コンベアにおける特徴部分について具体例を挙げながら説明したが、本実施形態の乗客コンベアは、以上で説明した特徴部分以外の構成については、一般的な構造の動く歩道と同様の構成とされていてもよい。例えば、一般的な構造の動く歩道と同様に、循環移動するステップ1の左右両側に欄干パネルを立設し、この欄干パネルの周囲に手摺りベルトを周回させるようにしてもよい。また、無端状に連結された多数のステップ1の循環移動を案内するために、ガイドを設けるようにしてもよい。また、ステップ1の循環移動の開始時や終了時にステップ1の荷重を支えるために、ステップ1にローラを取り付けるようにしてもよい。ただし、本実施形態の乗客コンベアでは、循環移動しているステップ1には浮上力が働き、ローラに加わる荷重は僅かになるため、必ずしも全てのステップ1にローラを設ける必要はなく、適当な間隔で配置すればよい。
【0020】
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態の乗客コンベアは、磁性体ブロック10を構成する磁性体片の配列を、いわゆるハルバッハの配列とすることで、ステップ1に働かせる浮上力を増大させるようにしたものである。本実施形態の乗客コンベアにおける基本的な構成は上述した第1の実施形態と同様である。以下では、第1の実施形態と共通の構成要素については重複した説明は省略し、本実施形態に特徴的な部分についてのみ説明する。
【0021】
図2は、本実施形態の乗客コンベアにおける1つのステップ1を拡大して示す斜視図である。本実施形態の乗客コンベアにおけるステップ1の裏面側には、第1の実施形態と同様に複数の磁性体片を組み合わせて構成された磁性体ブロック10が配設されているが、本実施形態では、この磁性体ブロック10を構成する複数の磁性体片の配列が、いわゆるハルバッハの配列となっている。
【0022】
具体的に説明すると、本実施形態で用いる磁性体ブロック10は、図2に示すように、磁束の向きがステップ1の移動方向Aに対して平行で且つ移動方向Aの前方側に向く磁性体片11と、磁束の向きがステップ1の移動方向Aに対して垂直で且つ非磁性体プレート20側に向く磁性体片12と、磁束の向きがステップ1の移動方向Aに対して平行で且つ移動方向Aの後方側に向く磁性体片13と、磁束の向きがステップ1の移動方向Aに対して垂直で且つ非磁性体プレート20側とは逆側に向く磁性体片14とを、この順序で、ステップ1の移動方向Aに沿って順次配列した構成とされている。なお、図2において、各磁性体片11,12,13,14に付記した矢印は、各磁性体片11,12,13,14の磁束の向きを示している。
【0023】
このような磁石配列はハルバッハの配列と呼ばれ、磁界分布を所望の方向に集中させることが可能な配列として知られている。本実施形態の乗客コンベアでは、ステップ1の裏面側に配設する磁性体ブロック10の複数の磁性体片の配列をこのようなハルバッハの配列とすることで、磁性体ブロック10からの磁界を非磁性体プレート20側に集中して発生させることができるようにしている。
【0024】
なお、図2に示した例では、磁束の向きがステップ1の移動方向Aに対して平行となる磁性体片11,13と、磁束の向きがステップ1の移動方向Aに対して垂直となる磁性体片12,14とをステップ1の移動方向Aに沿って交互に配置しているが、図3に示すように、磁性体片11と磁性体片12との間、磁性体片12と磁性体片13との間、磁性体片13と磁性体片14との間、磁性体片14と磁性体片11との間に、それぞれ、磁束の向きがステップ1の移動方向Aに対して斜め(両隣りの磁性体片の磁束の向きを合成した向き)となる磁性体片15,16,17,18を配置するようにすれば、磁性体ブロック10から発生させる磁界の制御がより容易に行えるようになる。なお、図3において、各磁性体片11,12,13,14,15,16,17,18に付記した矢印は、各磁性体片11,12,13,14,15,16,17,18の磁束の向きを示している。
【0025】
磁性体ブロック10を構成する各磁性体片の配列をハルバッハの配列とした場合に観測される磁界分布の一例を図4に示す。また、比較例として、磁束の向きがステップ1の移動方向に対して垂直となる磁性体片12,14を交互に配置して磁性体ブロック10を構成した場合の磁界分布の一例を図5に示す。これら図4と図5との比較から分かるように、磁性体ブロック10を構成する各磁性体片の配列をハルバッハの配列とすることにより、磁性体ブロック10からの磁界を非磁性体プレート20側に集中して発生させることができる。
【0026】
以上のように、本実施形態の乗客コンベアでは、ステップ1の裏面側に配設される磁性体ブロック10の各磁性体片の配列をハルバッハの配列とすることで、磁性体ブロック10からの磁界を非磁性体プレート10側に集中して発生させるようにしている。したがって、循環移動するステップ1に対して働かせる浮上力を効率よく増大させることができ、第1の実施形態で説明した効果を高めることができる。具体的には、磁性体ブロック10の各磁性体片の配列を上述した比較例の配列とした場合と対比して考えると、本実施形態の乗客コンベアでは、磁性体ブロック10の各磁性体片の配列をハルバッハの配列とすることで、磁界エネルギとしては約2倍のエネルギが得られ、浮上力としては、図6に示すように約4倍の浮上力が得られる。
【0027】
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。本実施形態の乗客コンベアは、上述した第2の実施形態の変形例であり、磁性体ブロック10を構成する磁性体片の配列を基本的にはハルバッハの配列とするが、ステップ1の移動方向Aにおける少なくとも一方の端部には、磁束の向きがステップ1の移動方向Aに対して垂直となる磁性体片12(または磁性体片14)が配置されるようにするとともに、この端部に配置された磁性体片に隣接する位置に、端部に配置された磁性体片と磁束の向きが同じ磁性体片を配置するようにしたものである。本実施形態の乗客コンベアにおける基本的な構成は上述した第1の実施形態と同様である。以下では、第1の実施形態と共通の構成要素については重複した説明は省略し、本実施形態に特徴的な部分についてのみ説明する。
【0028】
図7は、本実施形態の乗客コンベアにおける1つのステップ1を拡大して示す斜視図である。本実施形態の乗客コンベアにおけるステップ1の裏面側には、第2の実施形態と同様に複数の磁性体片の配列がハルバッハの配列とされた磁性体ブロック10が配設されているが、本実施形態では、例えば図7に示すように、ステップ1の移動方向Aにおける一方の端部に、磁束の向きがステップ1の移動方向Aに対して垂直となる磁性体片14が配置され、この端部に配置された磁性体片14の隣りに、磁束の向きが同じとなる磁性体片14が配置されている。なお、図7に示す例では、ステップ1の移動方向における一方の端部のみに、磁束の向きがステップ1の移動方向Aに対して垂直となる磁性体片14を配置しているが、両端部に磁性体片14を配置するようにしてもよい。また、磁束の向きがステップ1の移動方向Aに対して垂直で且つ非磁性体プレート20側とは逆側に向く磁性体片14に代えて、磁束の向きがステップ1の移動方向Aに対して垂直で且つ非磁性体プレート20側に向く磁性体片12を配置するようにしてもよい。
【0029】
本実施形態の乗客コンベアでは、磁性体ブロック10を構成する各磁性体片の配列を以上のような配列とすることにより、ステップ1の移動方向Aにおける端部において、ステップ1の移動方向Aと平行な向きとなる磁界成分が抑制されることになる。したがって、ステップ1の移動方向Aにおける端部においても、非磁性体プレート20側に集中する分布の磁界を発生させることができ、第2の実施形態の効果をさらに高めることができる。
【0030】
[第4の実施形態]
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。本実施形態の乗客コンベアは、磁性体ブロック10を構成する磁性体片を、非磁性材料よりなる筒状体の内部に収納して一体化した状態で、ステップ1の裏面側に配設するようにしたものである。本実施形態の乗客コンベアにおける基本的な構成は上述した第1の実施形態と同様である。以下では、第1の実施形態と共通の構成要素については重複した説明は省略し、本実施形態に特徴的な部分についてのみ説明する。
【0031】
図8は、本実施形態の乗客コンベアにおいて、ステップ1の裏面側に配設される磁性体ブロック10を拡大して示す斜視図である。本実施形態の乗客コンベアで用いる磁性体ブロック10も複数の磁性体片の組み合わせで構成されるが、本実施形態では、図8に示すように、磁性体ブロック10を構成する複数の磁性体片が、非磁性材料よりなる筒状のホルダ30内部に収納されて一体化された状態で、ステップ1の裏面側に配設される。
【0032】
ホルダ30の形状は、内部に収納される磁性体ブロック10の形状に合わせた形状とされていればよく、例えば図8に示すように、磁性体ブロック10が直方体の形状であれば、この磁性体ブロック10を内部に収納可能な角パイプなどがホルダ30として用いられる。また、ホルダ30を構成する非磁性材料は特に限定されるものではなく、例えば樹脂やアルミニウムなどが有効に利用可能である。
【0033】
以上のように、本実施形態の乗客コンベアでは、磁性体ブロック10を構成する複数の磁性体片を、非磁性材料よりなる筒状のホルダ30内部に収納して一体化した状態でステップ1の裏面側に配設するようにしている。したがって、例えば第2の実施形態や第3の実施形態のように、磁性体ブロック10を構成する磁性体片の配列をハルバッハの配列とした場合など、隣接する磁性体片同士で磁束の向きが異なる場合にも、簡単な構成でこれらの磁性体片を確実に一体化させることができ、一体の磁性体ブロック10としてステップ1の裏面側に適切に配置することができる。
【0034】
[第5の実施形態]
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。本実施形態の乗客コンベアは、非磁性体プレート20を導電率の異なる2種類以上の非磁性材料で構成し、特に、導電率の低い非磁性材料と導電率の高い非磁性材料とを厚み方向に積層した構造として、導電率の高い非磁性材料で構成される層が、磁性体ブロック10が配設されたステップ1の裏面側と対向するように配設したものである。本実施形態の乗客コンベアにおける基本的な構成は上述した第1の実施形態と同様である。以下では、第1の実施形態と共通の構成要素については重複した説明は省略し、本実施形態に特徴的な部分についてのみ説明する。
【0035】
図9は、本実施形態の乗客コンベアで用いられる非磁性体プレート20を拡大して示す側面図である。本実施形態の乗客コンベアにおいても、上述した第1の実施形態と同様に、ステップ1の移動経路に非磁性体プレート20が配設されるが、本実施形態では、この非磁性体プレート20が、図9に示すように、導電率の低い非磁性材料よりなる第1の層21上に導電率の高い非磁性材料よりなる第2の層22が形成された積層構造とされており、第2の層22がステップ1の裏面側と対向するように、ステップ1の移動経路における往路側に配設されている。
【0036】
この非磁性体プレート20の第1の層21を構成する非磁性材料としては、例えばアルミニウムが用いられ、第2の層22を構成する非磁性材料としては、例えば銅が用いられる。アルミニウムは上述したように軽量ではあるが、導電率が低く電気抵抗が高い。一方、銅は導電率が高く電気抵抗を低くできるが、比較的重量が嵩む。本実施形態では、これらの非磁性材料を組み合わせて用いて非磁性体プレート20を構成し、特に導電率の高い方の非磁性材料である銅をステップ1の裏面側と対向させることによって、非磁性体プレート20全体の重量を軽量化しながら電気抵抗値を低く保てるようにしている。
【0037】
以上のように、本実施形態の乗客コンベアでは、非磁性体プレート20全体としての電気抵抗値が低く保たれるので、非磁性体プレート20に大きな誘導電流を流すことができるようになる。これにより、ステップ1の移動速度が遅い場合においてもステップ1に対して大きな浮上力を働かせることができ、第1の実施形態で説明した効果をさらに高めることができる。また、非磁性体プレート20全体の重量が軽量化されるので、簡単な支持機構で非磁性体プレート20を所望の位置に適切に支持することができる。
【0038】
[第6の実施形態]
次に、本発明の第6の実施形態について説明する。本実施形態の乗客コンベアは、非磁性体プレート20を、導電性を有する非磁性材料と非導電性の非磁性材料との組み合わせで構成し、これら導電性を有する非磁性材料と非導電性の非磁性材料とをステップ1の移動方向に沿って交互に配置し、導電性を有する非磁性材料と非導電性の非磁性材料との間隔を磁性体ブロック10が発生する磁極の間隔よりも短くし、導電性を有する非磁性材料からなる部分同士を短絡させた構造としたものである。本実施形態の乗客コンベアにおける基本的な構成は上述した第1の実施形態と同様である。以下では、第1の実施形態と共通の構成要素については重複した説明は省略し、本実施形態に特徴的な部分についてのみ説明する。
【0039】
図10は、本実施形態の乗客コンベアで用いられる非磁性体プレート20を拡大して示す側面図である。本実施形態の乗客コンベアにおいても、上述した第1の実施形態と同様に、ステップ1の移動経路に非磁性体プレート20が配設されるが、本実施形態では、この非磁性体プレート20が、図10に示すように、導電性を有する非磁性材料からなる第1の部分23と非導電性の非磁性材料からなる第2の部分24とをステップ1の移動方向Aの沿って交互に配置し、第1の部分23と第2の部分24との配置の間隔を磁性体ブロック10が発生する磁極の間隔よりも短くして、第2の部分24を挟んで隣り合う第1の部分23の端部同士を電気的に短絡させた構造とされている。
【0040】
この非磁性体プレート20の第1の部分23を構成する非磁性材料としては、例えば銅が用いられ、第2の部分24を構成する非磁性材料としては、例えば非導電性の樹脂材料などが用いられる。銅は上述したように比較的導電率が高い非磁性材料であるため、この銅で構成された第1の部分23を、複数の磁性体片で構成される磁性体ブロック10の磁極間隔よりも短くなる間隔でステップ1の移動方向Aに沿って間欠的に配置し、その間をプラスチックなどの樹脂材料からなる第2の部分24で埋めるようにして、第1の部分23の端部同士を短絡させる構造とすることによって、上述した第5の実施形態と同様に、非磁性体プレート20全体の電気抵抗値を低くすることができる。
【0041】
以上のように、本実施形態の乗客コンベアでは、非磁性体プレート20全体としての電気抵抗値が低く保たれるので、非磁性体プレート20に大きな誘導電流を流すことができるようになる。これにより、ステップ1の移動速度が遅い場合においてもステップ1に対して大きな浮上力を働かせることができ、第1の実施形態で説明した効果をさらに高めることができる。
【0042】
なお、以上の例では、非磁性体プレート20の厚み方向の全ての領域で、銅などを用いた第1の部分23とプラスチックなどの樹脂材料からなる第2の部分24とが、ステップ1の移動方向Aに沿って交互に配置される構造としているが、例えば図11に示すように、第2の部分24を板状に成形するとともに第1の部分23を導線などで構成し、第2の部分24の周囲に導線などからなる第1の部分23を巻回した構造としてもよい。非磁性体プレート20をこのような構造とした場合にも、磁性体ブロック10が配設されたステップ1の裏面側との対向面では、第1の部材23と第2の部材24とが、ステップ1の移動方向Aに沿って交互に配置された構造となるので、上述した例と同様に、非磁性体プレート20全体としての電気抵抗値を低く保って大きな誘導電流を流すことが可能となる。
【0043】
また、以上の例では、非磁性体プレート20の第1の部分23と交互に配置される第2の部分24を樹脂材料などの非導電性の非磁性材料で構成しているが、この第2の部分24を構成する非磁性材料は、第1の部分23を構成する非磁性材料よりも導電率が低い非磁性材料であればよく、例えば第1の部分23に銅、第2の部分24にアルミニウムなどを用いるようにした場合にも、上述した例と同様の効果が得られる。
【0044】
[第7の実施形態]
次に、本発明の第7の実施形態について説明する。本実施形態の乗客コンベアは、ステップ1の移動経路における復路側に、この復路側を移動するステップ1の裏面側と対向するように励磁コイルを配設し、ステップ1の移動経路の復路側では、励磁コイルへの通電により発生する移動磁界により、ステップ1に移動方向への推進力を働かせるようにしたものである。なお、ステップ1の移動経路における往路側の構成は上述した第1の実施形態と同様であり、ステップ1の裏面側に配設された磁性体ブロック10と、ステップ1の裏面側と対向するように配設された非磁性体プレート20とによる誘導反発作用により、ステップ1に浮上力を働かせるようにしている。以下では、第1の実施形態と共通の構成要素については重複した説明は省略し、本実施形態に特徴的な部分についてのみ説明する。
【0045】
図12は、本実施形態の乗客コンベアにおける要部構成を模式的に示す斜視図である。本実施形態の乗客コンベアでは、図12に示すように、ステップ1の移動経路における復路側に、この復路側を移動するステップ1の裏面側と対向するように励磁コイル40が配設されている。この励磁コイル40はインバータ電源41に接続されており、このインバータ電源41から、例えば3相交流の励磁電流が供給される構成となっている。なお、この励磁コイル40は、鉄心の周囲に銅線などの線状材を巻回した巻線状のコイルであってもよいし、板状の導体からなる導体板コイルであってもよい。
【0046】
本実施形態の乗客コンベアでは、ステップ1の移動経路における復路側に配設された励磁コイル40に対して、インバータ電源41から例えば3相交流の励磁電流を供給することにより、励磁コイル40から移動磁界が発生する。そして、この励磁コイル40から発生する移動磁界の作用により、復路側のステップ1の裏面側に配設された磁性体ブロック10が吸引と反発とを繰り返すことで、ステップ1に移動方向への推進力が働く。そして、この推進力を受けてステップ1が移動を開始した状態で、インバータ電源41から励磁コイル40に供給する例えば3相交流の周波数を上昇させることにより、移動磁界の移動速度が速くなり、ステップ1の移動速度が増加していく。このとき、ステップ1の移動方向における往路側では、磁性体ブロック10が配設されたステップ1の裏面側と対向するように非磁性体プレート20が配設されているため、ステップ1とともに移動する磁性体ブロック10の磁界により、磁性体ブロック10と対向する非磁性体プレート20に誘導電流が流れ、磁性体ブロック10と非磁性体プレート20との磁気的相互作用(誘導反発作用)により、磁性体ブロック10が配設されたステップ1を非磁性体プレート20から離間させる方向に持ち上げる浮上力が働く。これにより、無端状に連結された多数のステップ1は、その移動経路の往路側において浮上力を受けながら、乗り口と降り口との間を循環移動することになる。
【0047】
以上のように、本実施形態の乗客コンベアでは、無端状に連結された多数のステップ1が循環移動する際に、各ステップ1がその移動経路の往路側において浮上力を受けながら移動するので、第1の実施形態と同様に、ステップ1の移動に伴う振動を極力抑制して乗り心地の大幅な向上を実現することができる、また、移動の際のステップ1の摩擦抵抗を大幅に低減させることができ、低消費電力でステップ1を効率的に循環移動させることができる。さらに、本実施形態の乗客コンベアでは、ステップ1の移動経路における復路側ではリニアモータと同等の原理でステップ1に推進力を働かせるようにしているので、第1の実施形態で説明したモータなどを用いた駆動装置を不要とすることができ、また、モータなどを用いた駆動装置を併用する場合には、その駆動装置を小型化することができる。
【0048】
なお、本実施形態の乗客コンベアにおいても、ステップ1の裏面側に配設する磁性体ブロック10は、これを構成する複数の磁性体片の配列が上述した第2の実施形態や第3の実施形態で説明したようなハルバッハの配列とされていることが望ましい。磁性体ブロック10を構成する複数の磁性体片の配列をハルバッハの配列とすることにより、磁性体ブロック10から発生する磁界を非磁性体プレート20や励磁コイル40側に集中させることができ、ステップ1の移動経路における往路側ではステップ1に与える浮上力を高めることができるとともに、復路側ではステップ1に与える推進力を高めることができる。
【0049】
以上、本発明を適用した乗客コンベアの具体例として第1乃至第7の実施形態を例示して具体的に説明したが、本発明の技術的範囲は、以上の各実施形態の説明で開示した技術事項に限定されるものではなく、以上の開示内容をもとに一般的な技術常識も鑑みて当然に導かれる変形例、応用例も含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る乗客コンベアの要部構成を模式的に示す斜視図。
【図2】本発明の第2の実施形態を説明する図であり、乗客コンベアにおける1つのステップを拡大して示す斜視図。
【図3】磁性体ブロックの他の例を示す斜視図。
【図4】磁性体ブロックを構成する各磁性体片の配列をハルバッハの配列とした場合に観測される磁界分布の一例を示す図。
【図5】磁束の向きがステップの移動方向に対して垂直となる磁性体片を上向きと下向きとで交互に配置して磁性体ブロックを構成した場合(比較例)の磁界分布の一例を示す図。
【図6】磁性体ブロックを構成する各磁性体片の配列をハルバッハの配列とした場合に得られるステップの浮上力を比較例の場合と対比して示す図。
【図7】本発明の第3の実施形態を説明する図であり、乗客コンベアにおける1つのステップを拡大して示す斜視図。
【図8】本発明の第4の実施形態を説明する図であり、ステップの裏面側に配設される磁性体ブロックを拡大して示す斜視図。
【図9】本発明の第5の実施形態を説明する図であり、非磁性体プレートを拡大して示す側面図。
【図10】本発明の第6の実施形態を説明する図であり、非磁性体プレートを拡大して示す側面図。
【図11】非磁性体プレートの他の例を拡大して示す側面図。
【図12】本発明の第7の実施形態に係る乗客コンベアの要部構成を模式的に示す斜視図。
【符号の説明】
【0051】
1 ステップ
10 磁性体ブロック
11〜18 磁性体片
20 非磁性体プレート
21 第1の層
22 第2の層
23 第1の部分
24 第2の部分
30 ホルダ
40 励磁コイル
41 インバータ電源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無端状に連結されて循環移動する複数のステップと、
前記複数のステップを循環移動させる駆動装置と、
磁束の向きを個別に設定可能な複数の磁性体片を組み合わせて構成され、前記複数のステップの裏面側に各々配設された磁性体ブロックと、
前記磁性体ブロックが配設されたステップの裏面側と対向するように、前記複数のステップの移動経路の少なくとも一部に配設された非磁性体プレートとを備え、
前記磁性体ブロックと前記非磁性体プレートとによる誘導反発作用により、前記駆動装置の駆動により循環移動する複数のステップに浮上力を働かせることを特徴とする乗客コンベア。
【請求項2】
前記磁性体ブロックは、磁束の向きが前記ステップの移動方向に対して平行で且つ移動方向の前方側に向く磁性体片と、磁束の向きが前記ステップの移動方向に対して垂直で且つ前記非磁性体プレート側に向く磁性体片と、磁束の向きが前記ステップの移動方向に対して平行で且つ移動方向の後方側に向く磁性体片と、磁束の向きが前記ステップの移動方向に対して垂直で且つ前記非磁性体プレート側とは逆側に向く磁性体片とを、この順序で、前記ステップの移動方向に沿って順次配列した構成であることを特徴とする請求項1に記載の乗客コンベア。
【請求項3】
前記磁性体ブロックは、磁束の向きが前記ステップの移動方向に対して平行となる磁性体片と、磁束の向きが前記ステップの移動方向に対して垂直となる磁性体片との間に、さらに、磁束の向きが前記ステップの移動方向に対して斜めとなる磁性体片を配置した構成であることを特徴とする請求項2に記載の乗客コンベア。
【請求項4】
前記磁性体ブロックは、前記ステップの移動方向における少なくとも一方の端部に、磁束の向きが前記ステップの移動方向に対して垂直となる磁性体片が配置されているとともに、当該端部に配置された磁性体片とこれに隣接する磁性体片の磁束の向きが同じ向きとされていることを特徴とする請求項2又は3に記載の乗客コンベア。
【請求項5】
前記磁性体ブロックを構成する複数の磁性体片は、非磁性材料よりなる筒状体の内部に収納されて一体化された状態で、前記複数のステップの裏面側に各々配設されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の乗客コンベア。
【請求項6】
前記非磁性体ブロックを構成する複数の磁性体片は永久磁石よりなることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の乗客コンベア。
【請求項7】
前記非磁性体プレートを構成する非磁性材料はアルミニウムであることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の乗客コンベア。
【請求項8】
前記非磁性体プレートは、導電率の異なる2種類以上の非磁性材料で構成されていることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の乗客コンベア。
【請求項9】
前記非磁性体プレートは、導電率の低い非磁性材料と導電率の高い非磁性材料とを厚み方向に積層した構造を有し、導電率の高い非磁性材料で構成される層が、前記磁性体ブロックが配設されたステップの裏面側と対向するように、前記複数のステップの移動経路の少なくとも一部に配設されていることを特徴とする請求項8に記載の乗客コンベア。
【請求項10】
前記導電率の低い非磁性材料はアルミニウムであり、前記導電率の高い非磁性材料は銅であることを特徴とする請求項9に記載の乗客コンベア。
【請求項11】
前記非磁性体プレートは、導電性を有する非磁性材料と非導電性の非磁性材料とを前記ステップの移動方向に沿って交互に配置し、前記導電性を有する非磁性材料と前記非導電性の非磁性材料との間隔を前記磁性体ブロックが発生する磁極の間隔よりも短くし、
前記導電性を有する非磁性材料からなる部分同士を短絡させた構造とされていることを特徴とする請求項8に記載の乗客コンベア。
【請求項12】
無端状に連結されて循環移動する複数のステップと、
磁束の向きを個別に設定可能な複数の磁性体片を組み合わせて構成され、前記複数のステップの裏面側に各々配設された磁性体ブロックと、
前記磁性体ブロックが配設されたステップの裏面側と対向するように、前記複数のステップの移動経路の往路側に配設された非磁性体プレートと、
前記磁性体ブロックが配設されたステップの裏面側と対向するように、前記複数のステップの移動経路の復路側に配設された励磁コイルとを備え、
前記複数のステップの移動経路の往路側では、前記磁性体ブロックと前記非磁性体プレートとによる誘導反発作用により、前記複数のステップに浮上力を働かせるとともに、前記複数のステップの移動経路の復路側では、前記励磁コイルへの通電により発生する移動磁界により、前記複数のステップに移動方向への推進力を働かせることを特徴とする乗客コンベア。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−35355(P2009−35355A)
【公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−199196(P2007−199196)
【出願日】平成19年7月31日(2007.7.31)
【出願人】(390025265)東芝エレベータ株式会社 (2,543)
【Fターム(参考)】