説明

乗客コンベア

【課題】乗客コンベアの自動運転で、無線通信の電波の発生を最小限になるものとし、乗客が持つ携帯電話の電波との干渉を抑制すること。
【解決手段】人検知センサーをもつセンサー側制御部と、駆動制御部をもつ本体側制御部と、を有し、乗客コンベアの運転開始と運転一時停止を行う自動運転方式を備え、センサー側制御部は、人検知センサー、マイコン及び送信用アンテナを有し、運転停止中に人検知センサーでの乗客検知にしたがってマイコンによって運転開始の制御信号を創出して本体側制御部に当該制御信号を無線送信し、さらに、乗客コンベアに乗客が搭乗しているか否かを乗客検知のタイミングをもとにマイコンによって演算し、演算結果として非搭乗のときに運転一時停止の制御信号を創出し、センサー側制御部は、乗客が搭乗している間は運転開始と運転一時停止のいずれの制御信号をも送信用アンテナから電波送信しないこと。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗客コンベア(例.エスカレータ)の自動運転において、乗客コンベアに乗り込む乗客の有無を乗客検知センサーで検知したときに、センサー側制御部から本体側制御部へ送る信号を無線通信とした場合の自動運転制御方式に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、センサーで乗客を検知してエスカレータの運転開始を行う場合の自動運転制御について、図6を用いて説明する。図6は従来技術に関する乗客コンベアの自動運転方式における運転パターンを図解する説明図である。エスカレータの乗り口に設けられた光電装置を用いた人検知センサー12で乗客を検知すると、センサー側制御部13は、検知の都度、ケーブルを通して本体側制御部14に人検知信号を送信し、本体側制御部14で人検知信号を処理することによって、エスカレータを運転開始したり、運転停止したりして制御を行っていた。
【0003】
近時、エスカレータにおける運転制御方式において、乗客コンベア側装置と管理室側との間の通信・伝送方式として、上記従来例の有線通信に代えて、無線通信を使う方式が提案されている。例として、特許文献1に示すように、エスカレータにおける異常状態を監視するために、ビルの管理室とエスカレータ制御部との通信に無線通信を用いて情報を伝送している。
【0004】
また、コンベアにおける自動運転の機能性を向上させるための従来技術として、例えば、特許文献2に開示するように、乗客コンベアの搭乗口に近付いた利用者の複数の画像を取得し、この画像を処理し判断することでコンベアの運転の開始又は休止を制御することが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平1−281287号公報
【特許文献2】特開2004−83207号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1に開示するように、エスカレータの制御情報の伝送に無線通信を活用する場合には、エスカレータへの電波発生源(一例として、携帯電話)の接近又は電波発生源の電波強度の変化などによって、互いの電波の干渉、フェージング等の影響を起因とする通信障害が課題となる。
【0007】
本発明の目的は、乗客コンベア(例.エスカレータ)の運転開始又は運転一時停止を含む自動運転の制御の際に無線通信を利用する場合、電波発生源との電波干渉を回避するために、自動運転のための制御信号の送信をできる限り少なく限定する自動運転制御を備えた乗客コンベアを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、本発明は主として次のような構成を採用する。
乗客コンベアの乗降口に設けられた、人検知センサーをもつセンサー側制御部と、前記乗客コンベアの駆動制御部をもつ本体側制御部と、を有し、前記乗客コンベアの運転開始と運転一時停止を行う自動運転方式を備えた乗客コンベアであって、前記センサー側制御部は、前記人検知センサー、マイコン及び送信用アンテナを有し、前記センサー側制御部は、前記乗客コンベアの運転停止中に前記人検知センサーでの乗客検知にしたがって前記マイコンによって前記運転開始の制御信号を創出し、前記送信用アンテナを通して前記本体側制御部に当該制御信号を無線送信し、さらに、前記乗客コンベアに乗客が搭乗しているか否かを前記乗客検知の検知タイミングをもとに前記マイコンによって演算し、前記演算の結果として非搭乗のときに前記運転一時停止の制御信号を創出し、前記送信用アンテナを通して前記本体側制御部に当該制御信号を無線送信し、前記センサー側制御部は、乗客が前記乗客コンベアに搭乗している間は、前記運転開始と前記運転一時停止のいずれの制御信号をも前記送信用アンテナから電波送信しない構成とする。
【0009】
また、前記乗客コンベアにおいて、一人の乗客が前記乗客コンベアに乗ってから降りるまでの時間を時間t1としたとき、前記センサー側制御部は、前記人検知センサーで最後に乗客を検知してから前記時間t1以上の所定の時間以内に再度の乗客検知がされなかった場合には、前記運転一時停止の制御信号を無線送信し、前記人検知センサーで最後に乗客を検知してから前記所定の時間以内に再度の乗客検知がされた場合には、前記運転一時停止の制御信号を無線送信せず運転を継続する構成とする。さらに、前記人検知センサーは、前記乗客コンベアに乗客が乗り込む位置よりも乗客の進行方向寄りの位置に配置する構成とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、センサー側制御部にCPUとメモリを有することで乗客の乗降に対応して運転開始と運転一時停止の制御信号を創り出して本体側制御部に送り出すことができ(すなわち、乗客の乗降に伴う検知信号の送信が不要である)、センサー側制御部からの無線通信の送信頻度を最小限にすることができる。また、センサー側制御部で乗客の乗降の都度に検知信号を送信しなくて済むので、乗客が持つ電波発生源の通信電波との干渉の抑制が可能となる。また、乗客が乗客コンベアに搭乗している間は、運転開始と運転一時停止のいずれの制御信号をも送信用アンテナから電波送信しないので、乗客が持つ電波発生源の通信電波との干渉の抑制が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態に係る乗客コンベアの自動運転方式における運転パターンを図解する説明図である。
【図2】本実施形態に係る乗客コンベアの自動運転方式における運転パターンのタイミングを示す説明図である。
【図3】本実施形態に係る乗客コンベアの自動運転方式で用いられるセンサー側制御部と本体側制御部のブロック構成を示す図である。
【図4】本実施形態に係る乗客コンベアの自動運転方式における運転モードの手順を示すフローチャートである。
【図5】本実施形態に係る下降エスカレータ(乗客コンベアの一例)の自動運転方式で用いられる乗客検知センサーの配置位置を示す図である。
【図6】従来技術に関する乗客コンベアの自動運転方式における運転パターンを図解する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施形態に係る乗客コンベアの自動運転方式について、図面を参照しながら以下説明する。ここでは、乗客コンベアの一例としてのエスカレータを取り上げて説明するが、本発明はエスカレータに限定されるものではなく、乗客コンベアの一種である動く歩道などにも適用が可能である。本実施形態に係る乗客コンベアの自動運転方式は、その詳細は後述するが、エスカレータの乗降口に設けられたセンサー側制御部と、エスカレータの駆動制御部をもつ本体側制御部とを備え、センサー側制御部から本体側制御部へエスカレータの運転開始と運転一時停止の制御信号を無線で送信する運転方式を用いるものである。
【0013】
まず、本実施形態に係るエスカレータ自動運転方式の運転パターンについて、図1を用いて説明する。図1は人検知センサー2を天井に設置した場合の側面から見たエスカレータの全体図である。
【0014】
図1は本実施形態で対象となる3つの運転パターンを示した図である。図1に示すように、パターン1とパターン2においては乗客がエスカレータに乗っているケースであり、センサー側制御部1から運転開始と運転一時停止の運転制御信号の電波を送信しない。パターン3に示されるように、エスカレータから乗客が降りた後、エスカレータに乗る乗客がいなかったときに、センサー側制御部1から本体側制御部21へ運転一時停止の信号を送信して運転を一時停止する。
【0015】
まず、人検知センサー2で最初に乗客の乗り込みを検知したときには、エスカレータの運転開始の制御信号を無線で本体側制御部21に送信する。その後、パターン1のようにエスカレータに乗客が乗っている間は、無線発生源(例.携帯電話)との電波干渉を避けるため、又は乗客の携帯機器が自動運転の無線制御信号で影響をなるべく受けなくするために、無線を送信しないようにすることが本実施形態の特徴の1つである。同様に、パターン2では、前に乗った人が降りる前に次の人が乗ってきた場合は運転を継続して、この間も制御信号を送信しないようにする。パターン3では、乗客が降りたときに次の人が乗ってこない場合のときに、運転を一時停止するように、運転一時停止の制御信号をセンサー側制御部1が本体側制御部21に送信する。なお、乗客が乗ってから降りるまでの時間は、設定されているエスカレータの運行スピードおよびエスカレータの長さに基づいてセンサー側制御部1のマイコン3が計算して求める。
【0016】
次に、図1に示す運転パターンを実施するためのタイミングチャートが図2に示されており、4つのタイミングチャートで運転パターンを説明する。
【0017】
一人の乗客がエスカレータに乗ってから降りるまでの時間をt1とすると(センサー側マイコン3でt1の算出可能)、エスカレータに乗り込む乗客を検知して運転を開始した後、t1経っても次の乗客を検知しなければ運転を一時停止する(図2のタイミングチャート1)が、最後に乗客を検知してからt1以内に再度乗客を検知した場合は運転を継続し続ける(図2のタイミングチャート2を参照)。
【0018】
また、一時停止した後、次に乗客を検知したならば運転を再開するが(タイミングチャート3と4を参照)、運転を再開した後も前述したように、最後に乗客を検知してからt1経っても人を検知しなかった場合は運転を一時停止したり(タイミングチャート3を参照)、最後に乗客を検知してからt1以内に人を検知した場合は運転を継続する(タイミングチャート2と4を参照)。尚、ここでは閾値判断に用いる所定の時間を一人の乗客がエスカレータに乗ってから降りるまでの時間であるt1としたが、誤検知を防ぐためにt1よりも長い時間を閾値判断に用いる所定の時間に設定してもよい。
【0019】
次に、図3を用いて、本実施形態に係る乗客コンベアの自動運転方式で用いられるセンサー側制御部と本体側制御部のブロック構成を説明する。センサー側制御部1は、人検知センサー(乗客検知センサ)2、センサー側制御部マイコン3、センサー側制御部マイコン内蔵のメモリ4、センサー側制御部マイコン内蔵のCPU5、送信機6、送信用アンテナ7、入力回路8、出力回路9、変調回路10、から構成される。また、センサー側制御部1から送信される運転開始と運転一時停止等の制御信号を受信する本体側制御部21は、駆動制御部22、本体側制御部マイコン23、本体側制御部マイコン内蔵のメモリ24、本体側制御部マイコン内蔵のCPU25、受信機26、受信用アンテナ27、入力回路28、出力回路29、復調回路30、から構成され、センサー側制御部1からの制御信号に基づいて、駆動制御部22によってエスカレータの運転開始と運転一時停止等の駆動を制御するものである。
【0020】
ここで、図3に示すような本実施形態の構成においては、センサー側制御部1にマイコン3を設け、このマイコン3が、マイコン3内のCPU5で一人の乗客がエスカレータに乗ってから降りるまでの時間t1を算出し、この時間t1と人検知センサー2による人検知信号に基づいて、上述した図2に示すような運転開始と運転一時停止の制御信号を演算して送出することが本実施形態の特徴の1つとなっている。
【0021】
上記の本実施形態の特徴について、図6に示す従来の自動運転の制御方式との対比で説明すると、図6に示す方式では、人検知センサー12において検知した乗客検知の情報を逐次有線で送信するものとなっていた。この場合においてはセンサー側制御部13から送信すべきか否かの判断をする必要は無く、単に人検知センサー12が人を検知したならばその都度信号を送るというものであった。
【0022】
これに対して、本実施形態においては,無線通信用の電波送信を極力少なくするとともに,乗客がエスカレータに乗っている間は制御信号の送信用電波を送信しない制御としており、センサー側制御部1において運転を開始してからの時間の積算あるいは最後に乗客を検知してからの時間の積算あるいは最後に乗客を検知した時刻、エスカレータの速度あるいは乗客が乗ってから降りるまでの標準的な時間を記憶するメモリ4を設けている。また、必要な演算や判断をセンサー側制御部1にあるマイコン3に内蔵されたCPU5及びメモリ4で実施している。
【0023】
本実施形態における運転制御方式を実行するための制御ソフトは次のような機能を備えている。すなわち、「一人の乗客がエスカレータに乗ってから降りるまでの時間t1」は、各エスカレータの構造に応じて使い分けられるものであり、各エスカレータの速度及び工程の長さから算出され、このt1をメモリ4内に記憶させておき、図2に示すタイミングチャートに応じた運転制御が必要な時にこのt1がCPU5の判断に適用される。あるいは、このt1による閾値判断に代えて、このt1以上の長さの時間を所定の時間として記憶し、閾値判断に用いる。
【0024】
次に、本実施形態に係る運転制御方式について、図4のフローチャートを用いて説明する。本実施形態のエスカレータは自動運転であるため、運転時間になっても乗り込む乗客が無い場合は、まず待機として運転を停止している(S1及びS2)。次に、時間が経ち、人検知センサー2により乗客を検知した時に(S3)、図3に示すブロック構成図において、センサー側制御部1のマイコン3から送信機6、送信用アンテナ7、受信用アンテナ27、受信機26を介して本体側制御部21のマイコン23へ「運転開始」の信号を送り(S6)、エスカレータの運転を開始する(S7)。
【0025】
ここで、運転開始と同時にセンサー側のCPU5で運転開始からの時間を積算する(S5)。この積算時間とメモリ4に記憶されている上記のt1を常時比較(閾値判断)し(S9)、積算時間がt1以内に乗客を検知した場合は乗機時間の積算をリセットし、この時点から乗機時間の積算を開始し(S10)、そのまま運転を継続し(S12)、何らの制御信号も送らない(具体的には、運転一時停止の制御信号を送らない)。
【0026】
S9で、もしt1になっても(t1が経過したとき)乗客を検知しなかった場合に、図3に示すブロック構成図に示すように、センサー側制御部1のマイコン3から送信機6、送信用アンテナ7、受信用アンテナ27、受信機26を介して本体側制御部21のマイコン23へ「運転停止」(運転一時停止)の制御信号を送り(S11)、本体側制御部21が駆動制御部22を介してエスカレータの運転を一時停止する(S14)。
【0027】
ここで、一度運転を停止した後は次に乗客を検知するまで待機するものとする(S16)。この一連の動作を連続し、エスカレータの運転終了時間になった時(S13及びS15)、一日のエスカレータ運転を全停止する(S17)。
【0028】
次に、本実施形態に係る下降エスカレータの自動運転方式で用いられる人検知センサーの配置位置について、図5を用いて説明する。本実施形態を示す図1や従来例を示す図6の配置構成から分かるように、エスカレータの本体側制御部21,14は、通常上部階の床下に取り付けられている。本実施形態を示す図1においては上昇するエスカレータの場合を示したため、乗客がエスカレータに乗り込む前あるいは乗客がエスカレータから降りた後にセンサー側制御部1からの信号を電波で送信すれば、乗客が持っている携帯電話等の電波との干渉は極力抑制できるものとなっていた。
【0029】
しかし、下降するエスカレータの場合は図5に示すように、センサー側制御部から送信する電波がエスカレータに乗り込む乗客あるいはその周囲の領域に入り込む場合があるため、センサー側制御部からの信号を電波で送信したとき、乗客が持っている携帯電話等の電波との干渉が頻繁に生じる危険性が出てくる。
【0030】
したがって、下降のエスカレータの場合には、センサー側制御部1の人検知センサー2の取り付け位置は、図5に示すように、乗客が乗り込む位置からある程度前方(乗客が乗り込む位置よりも乗客の進行方向寄りの位置)に設置することとする。なお、本体側制御部21が上述の上部階とは異なり下部階の床下に取り付けられた配置構造において、上昇エスカレータに乗客が乗り込む場合についても、図5と同様の人検知センサーの配置が必要であり、乗客が乗り込む位置からある程度前方に人検知センサー2を設置することとする。
【0031】
以上説明したように、本発明の実施形態に係る自動運転方式は、その動作概要を説明すると、乗客がエスカレータに乗っている間は、乗客検知センサーのエスカレータ本体制御部への無線通信用電波の発生を無くする制御方式であり、センサー側制御部から本体側制御部への制御信号を運転開始及び運転一時停止の2つとし、一人の乗客がエスカレータに乗ってから降りるまでの時間を、センサー側制御部にあるマイクロコンピュータにおいてエスカレータの運転速度をもとに割り出し、それにより割り出された時間内に次の乗客がエスカレータに乗り込んだ場合はセンサー側制御部から制御信号の電波は出さず、エスカレータは運転を継続する。そして、割り出された時間が経っても乗客が乗り込まなかった場合にはセンサー側制御部からエスカレータ本体制御部へ運転停止の信号を送るものである。この制御方式により、乗客がエスカレータに乗っている間は、センサー側から運転開始あるいは運転一時停止のどちらの信号をも出すこと無しにエスカレータの潤滑な自動運転が可能となる。
【0032】
再度繰り返して本実施形態の機能または作用について説明すると、乗客がエスカレータに乗る直前に「運転開始」の信号をセンサー側制御部から本体側制御部へ送り、乗客が全員エスカレータから降りた時に「運転一時停止」の信号を送るものであり、乗客がエスカレータに乗っている期間中では、センサー側制御部から本体側制御部への無線通信用の電波の発生を無くすることが可能となる。これにより、センサー側制御部から本体側制御部への無線通信用電波の発生を最小限に抑え(運転停止中の最初の運転開始の制御信号は送信必要)、乗客が使用する携帯電話又は携帯機器の電波とエスカレータ自動運転の無線通信用電波の干渉を抑制するとともにフェージング等無線通信時の課題を最小限に止めることが可能となる。さらに、人検知センサーから本体制御部への信号の伝達において有線ケーブルの取り付けが困難である場合において、本実施形態係る制御方式は、特に実用性が高い。
【符号の説明】
【0033】
1 センサー側制御部
2 人検知センサー
3 センサー側制御部マイコン
4 センサー側制御部マイコン内蔵のメモリ
5 センサー側制御部マイコン内蔵のCPU
6 送信機
7 送信用アンテナ
8 入力回路
9 出力回路
10 変調回路
12 従来の人検知センサー
13 従来のセンサー側制御部
14 従来の本体側制御部
21 本体側制御部
22 駆動制御部
23 本体側制御部マイコン
24 本体側制御部マイコン内蔵のメモリ
25 本体側制御部マイコン内蔵のCPU
26 受信機
27 受信用アンテナ
28 入力回路
29 出力回路
30 復調回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗客コンベアの乗降口に設けられた、人検知センサーをもつセンサー側制御部と、前記乗客コンベアの駆動制御部をもつ本体側制御部と、を有し、前記乗客コンベアの運転開始と運転一時停止を行う自動運転方式を備えた乗客コンベアであって、
前記センサー側制御部は、前記人検知センサー、マイコン及び送信用アンテナを有し、
前記センサー側制御部は、前記乗客コンベアの運転停止中に前記人検知センサーでの乗客検知にしたがって前記マイコンによって前記運転開始の制御信号を創出し、前記送信用アンテナを通して前記本体側制御部に当該制御信号を無線送信し、さらに、前記乗客コンベアに乗客が搭乗しているか否かを前記乗客検知の検知タイミングをもとに前記マイコンによって演算し、前記演算の結果として非搭乗のときに前記運転一時停止の制御信号を創出し、前記送信用アンテナを通して前記本体側制御部に当該制御信号を無線送信し、
前記センサー側制御部は、乗客が前記乗客コンベアに搭乗している間は、前記運転開始と前記運転一時停止のいずれの制御信号をも前記送信用アンテナから電波送信しない
ことを特徴とする乗客コンベア。
【請求項2】
請求項1において、
一人の乗客が前記乗客コンベアに乗ってから降りるまでの時間を時間t1としたとき、
前記センサー側制御部は、前記人検知センサーで最後に乗客を検知してから前記時間t1以上の所定の時間以内に再度の乗客検知がされなかった場合には、前記運転一時停止の制御信号を無線送信し、前記人検知センサーで最後に乗客を検知してから前記所定の時間以内に再度の乗客検知がされた場合には、前記運転一時停止の制御信号を無線送信せず運転を継続する
ことを特徴とする乗客コンベア。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記人検知センサーは、前記乗客コンベアに乗客が乗り込む位置よりも乗客の進行方向寄りの位置に配置することを特徴とする乗客コンベア。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかにおいて、
前記乗客コンベアはエスカレータであることを特徴とする乗客コンベア。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−6732(P2012−6732A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−145295(P2010−145295)
【出願日】平成22年6月25日(2010.6.25)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】