説明

乗物用シート

【課題】よりシンプルな構造にて、乗物が後方から衝突を受けた際、衝撃を適切に吸収できるとともに、乗員の頭部を支持する個所の後方への移動量をより小さくすることができる乗物用シートを提供する。
【解決手段】シートクッション部とシートバック部とを有する乗物用シートであって、シートクッション部は骨格となるクッションフレーム3Fを有し、シートバック部は骨格となるバックフレーム2Fを有し、クッションフレームとバックフレームは、乗物用シートに着座した乗員に対して左右方向に一対で設けられた連結部材50にて連結されている。連結部材50には、乗物用シートが設けられた乗物が後突された場合に乗物用シートに着座している乗員の後方荷重によって、シートクッション部に対するシートバック部の位置を、乗員に対して少なくとも後方に移動させるように変形する脆弱部53P、54Pが形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗物に設けられた乗物用シートに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、乗物用シートは、万一、乗物が衝突を受けた際に乗員の安全を確保するための種々の構造を有している。
例えば特許文献1に記載された従来技術には、乗物が後方からの衝突を受けた際、できるだけヘッドレスト部の高さを変えずに、乗物用シート全体を後退させて後突衝撃を吸収する、車両用シートの骨組み構造体が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−29185号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
乗物が後方からの衝突を受けた際、乗員の首への衝撃が大きいといわゆる「むち打ち」になりやすい。
特許文献1に記載された従来技術では、後突時の衝撃を吸収するために乗物用シート全体が後退するのでヘッドレスト部も後退し、乗員の頭部の移動距離が長くなるので、乗員の首への衝撃を低減することは困難である。乗員の首への衝撃を低減するには、ヘッドレスト部の後方への移動距離がより短いほうが好ましい。
また特許文献1に記載された従来技術では、後突衝撃を吸収するためのシリンダ状の後突衝撃吸収ユニットを備えているとともに、後突時に乗物用シート全体を後退させるための複雑なリンク機構を備えている。このため、乗物用シートの部品点数が多く、乗物用シートの構造が複雑化している。
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、よりシンプルな構造にて、乗物が後方から衝突を受けた際、衝撃を適切に吸収できるとともに、乗員の頭部を支持する個所の後方への移動量をより小さくすることができる乗物用シートを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明に係る乗物用シートは次の手段をとる。
まず、本発明の第1の発明は、乗員が腰を下ろすシートクッション部と、前記乗員が背中を凭せ掛けるシートバック部と、を有する乗物用シートである。
前記シートクッション部は、骨格となるクッションフレームを有しており、前記シートバック部は、骨格となるバックフレームを有しており、前記クッションフレームと前記バックフレームは、前記乗物用シートに着座した乗員に対して左右方向に一対で設けられた連結部材にて連結されている。
そして、前記連結部材には、前記乗物用シートが設けられた乗物が後突された場合に前記乗物用シートに着座している乗員の後方荷重によって、前記シートクッション部に対する前記シートバック部の位置を、前記乗員に対して少なくとも後方に移動させるように変形する脆弱部が形成されている。
【0006】
この第1の発明では、クッションフレームとバックフレームとを連結する連結部材に脆弱部を設けるというシンプルな構造にて、後突された際に脆弱部を変形させて衝撃を適切に吸収することができる。
【0007】
次に、本発明の第2の発明は、上記第1の発明に係る乗物用シートであって、前記連結部材は、板状の連結プレートを有している。
そして、前記連結プレートは、前記バックフレームの側に固定される面である浮島面と、前記クッションフレームの側に固定される面であるベース面と、を有しており、前記浮島面と前記ベース面との境界にはスリット部が形成されて前記ベース面に対して前記浮島面が区画形成されており、前記脆弱部は、前記乗物用シートに着座した乗員に対して上方から下方に向かって延びるように形成されて前記ベース面と前記浮島面とを接続するブリッジ部にて構成されている。
【0008】
この第2の発明によれば、浮島面は、上方から下方に向かって延びるブリッジ部にてベース面と接続されている。
このシンプルな構造により、後突の衝撃を受けた際、ブリッジ部を変形させて、浮島面を振り子のように弧を描かせながらベース面に対して上方、且つ後方へと移動させることで、衝撃を適切に吸収することができる。
また、浮島面を振り子のように移動させるので、浮島面に固定されたバックフレームはクッションフレームに対して後方に移動するとともに前方に向かって傾斜する。従って、乗員の頭部を支持する個所における後方への移動量をより小さくすることができる。
更に、連結プレートの構造を、よりシンプルな構造とすることができる。
【0009】
次に、本発明の第3の発明は、上記第2の発明に係る乗物用シートであって、前記ブリッジ部は、前記浮島面に対して上方に形成された上方ブリッジ部と、前記浮島面に対して下方に形成された下方ブリッジ部と、を有しており、前記下方ブリッジ部のほうが前記上方ブリッジ部よりも脆弱となるように形成されている。
【0010】
この第3の発明によれば、脆弱部の構造を、よりシンプルに実現することができるとともに、乗物が衝突を受けていない通常時において、ベース面に対して浮島面を支持する剛性を適切に確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】乗物用シート1の外観と、乗物用シート1の内部のクッションフレーム3Fとバックフレーム2Fの概略を説明する斜視図である。
【図2】クッションフレーム3Fとバックフレーム2Fとを連結する連結部材50の構造を説明する斜視図である。
【図3】連結プレート50Pの外観と、他の連結プレートの例を説明する図である。
【図4】後方からの衝突を受けた際の乗物用シート1の挙動と、乗員の頭部を支持する個所の移動量ΔM1を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に本発明を実施するための形態を図面を用いて説明する。なお、図1〜図4においてX軸、Y軸、Z軸は直交座標を示しており、X軸方向は乗物の前後方向(X軸の向かう方向が前)を示し、Y軸方向は乗物の左右方向(Y軸の向かう方向が左)を示し、Z軸方向は乗物の上下方向(Z軸の向かう方向が上)を示している。
【0013】
●[乗物用シート1の外観(図1)]
図1は、乗物用シート1の全体を斜視図にて示している。
図1に示すように、乗物用シート1は、乗員が腰を下ろすシートクッション部3と、乗員が背中を凭せ掛けるシートバック部2と、乗員が頭を凭せ掛けるヘッドレスト部6(乗員の頭部を支持する個所に相当)と、を有している。なお、ヘッドレスト部6を省略してシートバック部2の上部にて乗員の頭部を支持するように構成されていてもよい。本実施の形態の説明では、ヘッドレスト部6を有する乗物用シート1の例にて説明する。
また、シートクッション部3は、骨格となるクッションフレーム3Fを有しており、シートバック部2は、骨格となるバックフレーム2Fを有している。そしてバックフレーム2Fの左右はコネクティングロッド2Rにて接続されており、クッションフレーム3Fの左右はコネクティングロッド3Rにて接続されている。
そしてクッションフレーム3Fとバックフレーム2Fは、乗物用シート1に着座した乗員に対して左右一対で設けられた連結部材50にて連結されている。
【0014】
また、乗物用シート1は、乗物の床面Fに固定された左右一対のスライド装置4に取り付けられている。
スライド装置4は、支持具40F、40Rと、ロアレール20と、アッパレール10と、支持フレーム40、スライドレバー30L等を有している。
支持具40F、40Rは前後方向に配置され、それぞれが床面Fに固定されている。
ロアレール20は、前後方向に延びるレールであり、支持具40F、40Rに固定されている。
アッパレール10は、前後方向に延びるレールであり、ロアレール20に挿通されて、ロアレール20に対して前後方向にスライド可能である。
支持フレーム40は、アッパレール10に固定されており、乗物用シート1のシートクッション部3が支持フレーム40に接続されている。
【0015】
乗員は、スライドレバー30Lを操作することでスライドロック機構を解除して、乗物用シート1の前後方向の位置を調整することが可能であり、スライドレバー30Lを離すことでスライドロック機構をロック状態にすることができる。なお、スライドロック機構の詳細については説明を省略する。
また、乗員は、リクライニングレバー5を操作することでリクライニングロック機構を解除して、シートクッション部3に対するシートバック部2の傾斜角度を調整することが可能であり、リクライニングレバー5を離すことでリクライニングロック機構をロック状態にすることができる。なお、リクライニングロック機構の詳細については説明を省略する。
【0016】
●[連結部材50の構造(図2)と、連結プレート50Pの構造(図3)]
次に図2を用いて連結部材50の構造について説明する。なお、図2では図1におけるリクライニングレバー5やスプリング等の記載を省略している。
連結部材50は、クッションフレーム3Fに対してバックフレーム2Fの傾斜角度を調整可能なリクライニング調整部材50Aと、板状の連結プレート50Pにて構成されている。リクライニング調整部材50Aは、バックフレーム2Fの取付面2Mに固定される固定部50Bと、固定部50Bに対して相対的に回転可能な可動部50Cとを有している。
そして固定部50Bはバックフレーム2Fの取付面2Mに固定され、可動部50Cは連結プレート50Pに固定され、連結プレート50Pはクッションフレーム3Fに固定されている。
なお、リクライニング調整部材50Aは既存のものを利用可能であり、リクライニング調整部材50Aの詳細については説明を省略する。
【0017】
連結プレート50Pは、衝撃によって変形可能な金属等にて形成されており、ベース面51Pと、浮島面52Pと、ブリッジ部53P、54P、スリット部56、取付孔55等を有している。
浮島面52Pは、バックフレーム2Fの側に固定される面(図2の例では、バックフレーム2Fに固定されたリクライニング調整部材50Aの可動部50Cに固定される面)である。
ベース面51Pは、クッションフレーム3Fの側に固定される面であり、図2に示す例では、浮島面52Pの周囲を囲む面である。またベース面51Pは、取付孔55に挿通されたボルトB1等にてクッションフレーム3Fの取付孔3Hに固定される。
そして浮島面52Pとベース面51Pとの境界にはスリット部56が形成されて、ベース面51Pに対して浮島面52Pが区画形成されている。
【0018】
連結プレート50Pには、乗物が後方からの衝突を受けた際に、乗物用シート1に着座している乗員の後方荷重によって、シートクッション部3に対するシートバック部2の位置を少なくとも後方に移動させるように変形する脆弱部が形成されており、この脆弱部はブリッジ部53P、54Pである。
ブリッジ部53P、54Pは、ベース面51Pに対して浮島面52Pを接続及び支持しており、上方から下方に向かって延びるように形成されている。なお、本実施の形態にて説明するブリッジ部は、上方から下方に向かって延びているが、鉛直方向よりもやや前方に向かって角度θAにて傾斜している(図3(A)〜(C)参照)。しかし、前項に向かって傾斜していても、鉛直方向であっても、後方に向かって傾斜していても、とにかく水平方向でなく(斜めも含めて)上から下へと延びていればよい。なお、傾斜の角度θAは、実験等によって適宜設定される。
また、上方に形成されているブリッジ部53P(上方ブリッジ部に相当)の幅W1は、下方に形成されているブリッジ部54P(下方ブリッジ部に相当)の幅W2よりも大きい。従って、下方のブリッジ部54Pのほうが、上方のブリッジ部53Pよりも脆弱となるように形成されている。
【0019】
次に図3を用いて連結プレート50Pの他の例について説明する。
図3(A)は第1の実施の形態の連結プレート50Paの構造の例を示し、図3(B)は第2の実施の形態の連結プレート50Pbの構造の例を示し、図3(C)は第3の実施の形態の連結プレート50Pcの例を示している。
図3(A)に示す連結プレート50Paでは、ベース面51Paに対して浮島面52Paは、上方から下方に向かって延びるブリッジ部53Pa、54Paにて接続及び支持されている。また、「ブリッジ部53Paの幅>ブリッジ部54Paの幅」となるように形成されており、下方のブリッジ部54Paは上方のブリッジ部53Paよりも脆弱となるように形成されている。
【0020】
図3(B)に示す連結プレート50Pbでは、ベース面51Pbに対して浮島面52Pbは、上方から下方に向かって延びるブリッジ部53Pbのみにて接続及び支持されている。図3(B)に示す連結プレート50Pbは、図3(A)に示す連結プレート50Paから下方のブリッジ部54Paを省略した形状である。
【0021】
図3(C)に示す連結プレート50Pcでは、ベース面51Pcに対して浮島面52Pcは、上方から下方に向かって延びるブリッジ部53Pc、54Pcと、接続補助部57Pcにて接続及び支持されている。また、「ブリッジ部53Pcの幅>ブリッジ部54Pcの幅」となるように形成されており、下方のブリッジ部54Pcは上方のブリッジ部53Pcよりも脆弱となるように形成されている。なお、接続補助部57Pcは任意の位置に、任意の数が設けられており、接続補助部57Pcの幅は、下方のブリッジ部54Pcの幅よりも更に小さく形成され、接続補助部57Pcは下方のブリッジ部54Pcよりも更に脆弱となるように形成されている。このため接続補助部57Pcは、乗物が衝突を受けた際の乗員の荷重にて、ブリッジ部53Pcとブリッジ部54Pcよりも伸びやすい(変形し易い)構造とされている。
【0022】
乗物が後突を受けた際は、乗員の後方荷重がかかり、当該後方荷重がシートバック部2のバックフレーム2Fから連結プレート50P(50Pa〜50Pc)の浮島面52P(52Pa〜52Pc)に集中し、上方のブリッジ部53P(53Pa〜53Pc)と下方のブリッジ部54P(54Pa、54Pc及び接続補助部57Pc)が変形する。そして変形の際、下方のブリッジ部54Pの変形量のほうが、上方のブリッジ部53Pの変形量よりも大きい。つまり、乗員の後方荷重がかかった際は、図3(A)〜(C)に点線にて示すように、ベース面51P(51Pa〜51Pc)に対して浮島面52P(52Pa〜52Pc)が、スリット部56の空洞部内において振り子のように弧を描くように移動する(浮島面52P(52Pa〜52Pc)が振り子の錘に相当し、ブリッジ部53P(53Pa〜53Pc)が振り子の糸に相当する)。この場合、図3(A)〜(C)に示すように、浮島面52Pa〜52Pcが振り子のように移動し、浮島面52Pa〜52Pcの中心Pが、中心P´へと移動する。
このため、浮島面52P(52Pa〜52Pc)に接続されているバックフレーム2F(すなわちシートバック部2)は、シートクッション部3に対して、後方にΔLだけ移動するとともに上方にΔHだけ移動し、前方に向かって角度θ1だけ傾斜するように移動する。
【0023】
●[本願の効果(図4)]
次に図4を用いて本実施の形態における連結プレート50Pによる効果について説明する。
図4は、後方からの衝突を受けた際、本実施の形態における連結部材50(連結プレート50P)によって、衝突の前後における乗物用シート1の挙動を説明する図であり、衝突前の状態を実線にて表している。また、本実施の形態の連結プレート50Pを用いた乗物用シートにおける衝突後の状態を一点鎖線にて表し、本実施の形態の連結プレート50Pを用いていない従来の乗物用シートにおける衝突後の状態を点線にて表している。
スライド装置4のロアレール20に対してアッパレール10がスライド可能であるため、ロアレール20とアッパレール10との間には必ず隙間がある。この隙間によって、本実施の形態の乗物用シート1も、従来の乗物用シートも、後突後は、角度θ2にて後方に向かって傾斜し、点線で示した従来の乗物用シートは、ヘッドレスト部(乗員の頭部を支持する個所)の後方への移動量ΔM2が大きい。
【0024】
これに対して本願の連結プレート50Pを用いた乗物用シート1では、後突後において、シートクッション部3の位置は従来の乗物用シートと同じであるが、シートバック部2の位置は大きく異なる。
後突後、連結プレート50Pの浮島面52Pは、乗員の後方荷重によってベース面51Pに対して振り子のように移動する。これにより、シートバック部2は、シートクッション部3に対して後方に移動する(図3(A)〜(C)のΔL参照)とともに上方にも移動(図3(A)〜(C)のΔH参照)し、更に、前方に向かって傾斜する(図3(A)〜(C)の角度θ1参照)。この角度θ1の傾斜によって、図4に示すように、ヘッドレスト部6(乗員の頭部を支持する個所)が、従来の後突後のヘッドレスト部の位置よりも前方へと移動するので、ヘッドレスト部6の移動量ΔM1は、従来の乗物用シートのヘッドレスト部の移動量ΔM2よりも小さくなる。
すなわち、乗物が後方からの衝突を受けた際において、シートクッション部3に対してシートバック部2の位置を少なくとも後方に移動させて衝撃を吸収し、更にヘッドレスト部6の移動量ΔM1を、従来よりも小さくすることが可能であり、乗員の首への衝撃をより小さく抑えることができる。
しかも、連結プレート50Pの構造は、プレスで型抜きすればよい程度の非常にシンプルな構造であり、製造も容易である。また、複雑なリンク機構も衝撃吸収装置も特に必要なく、乗物用シート1の部品点数を増加させることなく、安全性をより向上させることができる。
【0025】
本発明の乗物用シート1は、本実施の形態で説明した外観、構成、構造、形状等に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。
本実施の形態の説明では、連結部材50がリクライニング調整部材50Aを有している例で説明したが、リクライニング機構を有していない乗物用シートの場合は、連結プレート50Pのみにて連結部材50を構成し、連結プレート50Pのベース面51Pをクッションフレーム3Fに固定し、連結プレート50Pの浮島面52Pをバックフレーム2Fに固定するようにしてもよい。
また、連結プレート50Pの形状は、図2及び図3(A)〜(C)に示す形状に限定されず、種々の形状とすることが可能である。
【符号の説明】
【0026】
1 乗物用シート
2 シートバック部
3 シートクッション部
4 スライド装置
5 リクライニングレバー
6 ヘッドレスト部(乗員の頭部を支持する個所)
10 アッパレール
20 ロアレール
50 連結部材
50P 連結プレート
51P ベース面
52P 浮島面
53P、53Pa、53Pb、53Pc (上方の)ブリッジ部
54P、54Pa、54Pc (下方の)ブリッジ部
56 スリット部
57Pc 接続補助部
ΔM1、ΔM2 (ヘッドレスト部の)移動量



【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗員が腰を下ろすシートクッション部と、
前記乗員が背中を凭せ掛けるシートバック部と、を有する乗物用シートにおいて、
前記シートクッション部は、骨格となるクッションフレームを有しており、
前記シートバック部は、骨格となるバックフレームを有しており、
前記クッションフレームと前記バックフレームは、前記乗物用シートに着座した乗員に対して左右方向に一対で設けられた連結部材にて連結されており、
前記連結部材には、前記乗物用シートが設けられた乗物が後突された場合に前記乗物用シートに着座している乗員の後方荷重によって、前記シートクッション部に対する前記シートバック部の位置を、前記乗員に対して少なくとも後方に移動させるように変形する脆弱部が形成されている、
乗物用シート。
【請求項2】
請求項1に記載の乗物用シートであって、
前記連結部材は、板状の連結プレートを有しており、
前記連結プレートは、前記バックフレームの側に固定される面である浮島面と、前記クッションフレームの側に固定される面であるベース面と、を有しており、
前記浮島面と前記ベース面との境界にはスリット部が形成されて前記ベース面に対して前記浮島面が区画形成されており、
前記脆弱部は、前記乗物用シートに着座した乗員に対して上方から下方に向かって延びるように形成されて前記ベース面と前記浮島面とを接続するブリッジ部にて構成されている、
乗物用シート。
【請求項3】
請求項2に記載の乗物用シートであって、
前記ブリッジ部は、前記浮島面に対して上方に形成された上方ブリッジ部と、前記浮島面に対して下方に形成された下方ブリッジ部と、を有しており、
前記下方ブリッジ部のほうが前記上方ブリッジ部よりも脆弱となるように形成されている、
乗物用シート。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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