説明

乾式のスプリンクラー設備

【課題】水道連結型の乾式のスプリンクラー設備を設置する施設において、スプリンクラーヘッドの設置数が所定数を超える区域を設ける場合にも有効に延焼防止・消火を行えるようにする。
【解決手段】スプリンクラーヘッド(30)と、水道配管の途中から分岐してスプリンクラーヘッドへ水道水を供給可能な消火用配管と、水道配管と消火用配管を分岐し通常は閉状態にされている電動弁(31)と、電動弁を作動させる信号を生成し出力する電動弁制御盤(50)と、複数の区域にそれぞれ配設された火災感知器(32)とを備えた乾式のスプリンクラー設備において、建物内部には、蓄積処理される火災感知器およびn個以下のスプリンクラーヘッドが配設された第1の区域と、蓄積処理される火災感知器および非蓄積型の火災感知器とn+1個以上のスプリンクラーヘッドが配設された第2の区域とを設け、電動弁制御盤は第2の区域では非蓄積型の火災感知器が火災検出信号を出力したことに応じて電動弁を開状態にさせるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スプリンクラー設備に関し、特にスプリンクラーヘッドへの給水管を生活用の水道管に連結させた水道連結型のスプリンクラー設備に関する。
【背景技術】
【0002】
スプリンクラー設備には、消火ポンプ等を用いるものと生活用の水道管に連結させた水道連結型のスプリンクラー設備とがある。従来、消火ポンプ等を用いるものが一般的であったが、消防法施行令等の改正により、延べ床面積275m以上、1000m未満の小規模社会福祉施設については、スプリンクラー設備の設置が義務付けられ、また、水道連結型のスプリンクラー設備が許容されるようになった。
【0003】
また、スプリンクラー設備には、常時スプリンクラーヘッドまで水が到達している湿式のスプリンクラー設備と、給水管の途中の制御弁まで水が到達しスプリンクラーヘッドには水が到達していていない乾式のスプリンクラー設備とがある。乾式のスプリンクラー設備においては、火災感知器等からの出力信号に基づいて給水管途中の制御弁が開放されてスプリンクラーヘッドまで水が到達し、消火のための放水が行われる。なお、水道連結型のスプリンクラー設備に関する発明としては、特許文献1や2に開示されているものがある。
【0004】
特許文献1に開示されているスプリンクラー設備は、水道管が生活用に開放・使用されたままの状態でスプリンクラー設備が作動した場合、スプリンクラーヘッドに所望の水圧の水道水が供給されず、スプリンクラーヘッドから消火に必要な量の水が噴出されず、効果的に消火できないおそれがある点に鑑みてなされたもので、生活使用箇所の側に向かう水道管の途中からスプリンクラーヘッドに向かう水道管を分岐させ、この分岐箇所から生活使用箇所の側に向かう水道管の途中に、火災感知器の出力信号によって閉動作させる電動弁を設けたものである。これにより、水道管が生活用に開放・使用されたままの状態でスプリンクラー設備が作動した場合にも、効果的に消火を行うことができるという利点があるとしている。しかし、同時に多数のスプリンクラーヘッドが開放された場合の放水量の低下を回避することはできない。
【0005】
また、特許文献2に開示されているスプリンクラー設備は、リビング室のような広い部屋に設置される複数のスプリンクラーヘッドは2つのグループに分け、水道管と直結される主配管から2つのサブ配管を分岐させて2つのグループのスプリンクラーヘッドへ消火水を供給可能にするとともに、各サブ配管にそれぞれ制御弁を設けるようにしたものである。これにより、広い部屋の複数のスプリンクラーヘッドを同時に開放させても、放水圧力が大きく低下するのを回避することができるという利点がある。しかし、同一のスペースに対して2つのサブ配管を配設しなくてはならないため、コストアップを招くという不具合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実用新案登録第3160542号公報
【特許文献2】特開2007−330400号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
水道連結型のスプリンクラー設備においては、水道管の送水能力の関係から火災発生時に同時に開放されるスプリンクラーヘッドの数をあまり多くすることができない。一方、消防法施行規則では、スプリンクラーヘッドのうち小区画型スプリンクラーヘッドの場合、天井の各部分から一のスプリンクラーヘッドまでの水平距離が2.6m以下で、かつ、一のスプリンクラーヘッドで防護される床面積は13m以下になるように設けることが定められている。
また、グループホームのような福祉施設では、入居者各個人の居室は20m以下であることが多くその場合、個人の居室にはスプリンクラーヘッドを2個も設ければ十分である。
【0008】
一方、小規模社会福祉施設には、食堂や居間のような共用スペースを設けることが必要であり、このような共用スペースは比較的広い床面積を有することが多く、その場合、1つの部屋にスプリンクラーヘッドが4個を越えて設置しなければならいないことがある。ところが、さまざまな火災実験によって、スプリンクラーヘッドまで水が到達している湿式の場合、上記条件でスプリンクラーヘッドが設置されていると、同時に4個のスプリンクラーヘッドを開放して放水すれば有効に延焼防止・消火可能であることが確かめられている。従って、1つの区域に4個を超えてスプリンクラーヘッドが設置されている場合にも、同時に開放するスプリンクラーヘッドの数は最大4個として水源水量が消防法で定められている。
【0009】
なお、スプリンクラーヘッドには水が到達していていない乾式のスプリンクラー設備においても、火災感知器がスプリンクラーヘッドより20秒以上早く作動し、配管充水時間が最大20秒であれば、スプリンクラーヘッドからの放水開始タイミングは湿式のスプリンクラー設備と同等であるため、1つの区域にスプリンクラーヘッドが4個を超えて設置されていても同時に放水するスプリンクラーヘッドは4個を越えることはない。
【0010】
ところで、火災感知器を備えた自動火災報知設備においては、火災感知器が誤動作する場合があるため、火災感知器から検出信号が入ってきた場合に直ちに給水管の途中の電動弁を作動させるとスプリンクラーヘッドまでの配管内に水が入るという望ましくない事態が発生するので、これを回避するため火災感知器が煙や温度を検出しても直ちに火災と判断せず、所定時間継続して火災感知器が検出した場合にスプリンクラーヘッドを作動させる制御を行う蓄積方式が実用化されている。
従って、スプリンクラーヘッド設置数が4個を越える区域を有する施設に設置する乾式のスプリンクラー設備に蓄積方式の自動火災報知設備を併用して設けた場合、火災感知器が湿式スプリンクラーヘッドより20秒以上早く作動したとしても、蓄積方式による制御の遅延によって電動弁の開放が遅れるため、同時に作動するスプリンクラーヘッドの数が4個を越えることが考えられるため、湿式のスプリンクラー設備と同様の設計・施工ではなく、例えば同時に6個のスプリンクラーヘッドを開放したとすると、スプリンクラーヘッド1個当たりの放水量が減少して、有効に消火を行えなくなるため別途加圧送水ポンプが必要となり設備のコストが高くなるという不具合がある。
【0011】
本発明は、上記のような事情に鑑みなされたもので、水道連結型の乾式のスプリンクラー設備を設置する施設において、蓄積方式の自動火災報知設備を本スプリンクラー設備用の感知器とした場合で、スプリンクラーヘッドの設置数が所定数(例えば4個)を越える区域を設ける場合にも、有効に延焼防止・消火を行えるようにする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
建物内部の複数の区域にそれぞれ配設されたスプリンクラーヘッドと、
水道配管の途中から分岐してスプリンクラーヘッドへ水道水を供給可能であって通常は充水されない消火用配管と、
該消火用配管と前記水道配管の境界に配置され通常は閉状態にされている電動弁と、
前記電動弁を作動させる信号を生成し出力する電動弁制御盤と、
前記複数の区域にそれぞれ配設された火災感知器と、
を備えた乾式のスプリンクラー設備であって、
前記建物内部に設けられた前記複数の区域には、n個(nは正の整数)以下のスプリンクラーヘッドが配設された第1区域と、n+1個以上のスプリンクラーヘッドが配設された第2区域とがあり、
前記電動弁制御盤は、
前記第1区域で火災感知器により火災状態が検出された場合に、蓄積処理された信号を受信したことに応じて前記電動弁を開状態にさせ、
前記第2区域で火災感知器により火災状態が検出された場合に、蓄積処理されない信号を受信したことに応じて前記電動弁を開状態にさせるように構成されていることを特徴とする。
【0013】
請求項1に記載の発明によれば、電動弁からスプリンクラーヘッドまでの消火用水道配管に通常状態では水が満たされていない水道連結型の乾式のスプリンクラー設備において、非蓄積型の火災感知器が配設された区域において火災が発生した場合に、閉鎖型スプリンクラーヘッドが火災の熱で開放状態になる前に、スプリンクラーヘッドまで水を供給して開放状態のスプリンクラーヘッドから放水を開始させることが可能となり、有効な延焼防止・消火を行うことができる。
【0014】
請求項2に記載の発明は、
建物内部の複数の区域にそれぞれ配設された乾式のスプリンクラーヘッドと、
水道配管の途中から分岐してスプリンクラーヘッドへ水道水を供給可能であって通常は充水されない消火用配管と、
該消火用配管と前記水道配管の境界に配置され通常は閉状態にされている電動弁と、
前記電動弁を作動させる信号を生成し出力する電動弁制御盤と、
前記複数の区域にそれぞれ配設された火災感知器と、
前記火災感知器からの火災検出信号を受信する火災受信機と、
を備えた乾式のスプリンクラー設備であって、
前記建物内部に設けられた前記複数の区域には、n個(nは正の整数)以下のスプリンクラーヘッドが配設された第1区域と、n+1個以上のスプリンクラーヘッドが配設された第2区域とがあり、
前記第1区域には、火災状態が検出された場合に火災検出信号を出力し前記火災受信機により蓄積処理される火災感知器が配設される一方、
前記第2区域には、蓄積処理される火災感知器および火災状態が検出された場合に火災検出信号を出力する非蓄積型の火災感知器が配設され、
前記電動弁制御盤は、前記火災受信機により蓄積処理された信号を受信したこと、または、前記非蓄積型の火災感知器が火災検出信号を出力したことに応じて前記電動弁を開状態にさせるように構成されていることを特徴とする。
【0015】
請求項2に記載の発明によれば、電動弁からスプリンクラーヘッドまでの消火用配管に通常状態では水が満たされていない水道連結型の乾式のスプリンクラー設備において、n+1個(例えば5個)以上の閉鎖型スプリンクラーヘッドが配設された共用スペースのような比較的面積の広い区域には非蓄積型の火災感知器が配設されるため、かかる区域において火災が発生した場合にもn+1個以上の閉鎖型スプリンクラーヘッドが火災の熱で開放状態になる前にスプリンクラーヘッドまで水を供給して、スプリンクラーヘッドが開放状態になると放水を開始させることが可能となり、有効な延焼防止・消火を行うことができる。
【0016】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の乾式のスプリンクラー設備において、
前記電動弁制御盤には、前記非蓄積型の火災感知器から出力された火災検出信号が直接送信され、前記電動弁制御盤は前記非蓄積型の火災感知器からの火災検出信号に基づいて前記電動弁を開状態にさせるように構成されていることを特徴とする。
【0017】
請求項3に記載の発明によれば、電動弁制御盤には非蓄積型の火災感知器から出力された火災検出信号が直接伝送されるので、n+1個以上のスプリンクラーヘッドが配設された第2区域で火災が発生した場合にその火災を逸早く認知し、スプリンクラーヘッドまで水を給水するための送水を開始させることができる。そして、スプリンクラーヘッドが開放状態になる前に早期に放水を開始させることができるため(湿式のスプリンクラーヘッド設備と同等のタイミングで放水を開始することができるようになるため)、5個以上のスプリンクラーヘッドが作動する前に延焼防止・消火を行うことができ、放水量が有効な延焼防止・消火が可能な放水量以下に減少するのを回避することができる。
【0018】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の乾式のスプリンクラー設備において、
前記火災受信機には前記蓄積処理される火災感知器および前記非蓄積型の火災感知器から出力された火災検出信号が送信され、前記火災受信機は前記火災感知器からの火災検出信号を受信したことに応じて前記電動弁制御盤へ信号を送信し、前記電動弁制御盤は前記火災受信機からの信号の受信に基づいて前記電動弁を開状態にさせるように構成されていることを特徴とする。
【0019】
請求項4に記載の発明によれば、火災受信機には蓄積型および非蓄積型の火災感知器から出力された火災検出信号が伝送されるので、n個以下のスプリンクラーヘッドが配設された第1区域と、n+1個以上のスプリンクラーヘッドが配設された第2区域のいずれの区域で火災が発生しても火災感知器からの信号でそれを認知することができる。また、火災受信機が非蓄積型の火災感知器から出力された火災検出信号を受信すると電動弁制御盤へ信号が送信されるため、電動弁制御盤は電動弁を開状態にさせるため、閉鎖型スプリンクラーヘッドが火災の熱で開放状態になる前にスプリンクラーヘッドまで水を供給して、速やかに(湿式のスプリンクラーヘッド設備と同等のタイミングで)放水を開始させることができる。さらに、電動弁制御盤が外部からの信号を受ける端子(ポート)を一つしか有していない場合にも、火災が発生した区域に応じた電動弁の適切な制御が可能となる。
【0020】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4に記載の乾式のスプリンクラー設備において、前記スプリンクラーヘッドは、火災により発生した熱によって開放状態となる閉鎖型スプリンクラーヘッドにより構成されていることを特徴とする。
【0021】
請求項5に記載の発明によれば、火災感知器の誤作動で電動弁が開かれたとしてもスプリンクラーヘッドからの放水が開始されないため、火災でないにもかかわらず放水されて施設内が水浸しになるのを回避することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、水道連結型の乾式のスプリンクラー設備を設置する施設において、蓄積方式の自動火災報知設備を本スプリンクラー設備用の感知器とした場合で、スプリンクラーヘッドの設置数が所定数(例えば4個)を超える区域を設ける場合にも、有効に延焼防止・消火を行えるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明に係る水道連結型のスプリンクラー設備の一実施形態の概略構成を示す説明図である。
【図2】本発明に係るスプリンクラー設備と自動火災報知設備の一実施形態を示す説明図である。
【図3】自動火災報知設備を備えた本発明に係るスプリンクラー設備の第1の実施例の概略構成を示す説明図である。
【図4】自動火災報知設備を備えた本発明に係るスプリンクラー設備の第2の実施例の概略構成を示す説明図である。
【図5】図4に示す実施例に係る自動火災報知設備を備えたスプリンクラー設備の変形例を示す説明図である。
【図6】図3に示す実施例に係る自動火災報知設備を備えたスプリンクラー設備の変形例を示す説明図である。
【図7】実施例に係るスプリンクラー設備および自動火災報知設備を備えたシステムに使用される火災受信機の構成例を示すブロック図である。
【図8】図2乃至図6における火災受信機と電動弁制御盤を接続する信号線(L−C線など)の断線監視を行うための構成を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。
図1には、本発明に係るスプリンクラー設備を適用して有効なグループホームのような小規模社会福祉施設の一実施形態の概略構成が示されている。図1全体は施設(建物)10の平面見取り図を表しており、施設10の内部には、玄関11、エントランスホール12、事務室13、食堂兼居間としての共用スペース14、台所15、浴室16、脱衣所17、入居者の各人の居室18、廊下19等が設けられている。20は、水道水を生活使用箇所(図示せず)へ供給する生活用水道配管であり、生活用水道配管20の途中には分岐部21が設けられている。
【0025】
分岐部21からは電動弁31を経て消火用メイン配管22が枝分かれし、消火用メイン配管(水道配管)22は廊下19に沿って共用スペース14まで延設され、途中には各居室18等へ向かう消火用サブ配管(水道配管)23が分岐されて、各サブ配管23にスプリンクラーヘッド30が設けられている。消火用メイン配管22の生活用水道配管20からの分岐部21の近傍には通常時は閉状態にある電動弁31が設けられており、詳細には、この電動弁31を境にして生活用水道配管20と消火用メイン配管22とが区分されている。
スプリンクラーヘッド30は、いわゆる閉鎖型のスプリンクラーヘッドであり、周囲温度が所定の温度(例えば72℃)を超えるとスプリンクラーヘッドのハンダ溶着部のハンダが溶解し、弁体が外れる(閉鎖状態が解除される)ことによりスプリンクラーヘッドが作動・開放する(放水を開始する)ように構成されている。なお、かかる機能を有する閉鎖型スプリンクラーヘッドについては従来より種々の構造のものが提供されており、本発明においては従来と同様の構造の閉鎖型スプリンクラーヘッドを使用できるので、詳しい説明は省略する。
【0026】
特に限定されるわけではないが、各居室18へ向かう消火用サブ配管23にはそれぞれ2個のスプリンクラーヘッド30が設けられ、台所15へ向かう消火用サブ配管23には1個のスプリンクラーヘッド30が設けられている。また、共用スペース14においては、消火用メイン配管22から4本の消火用サブ配管23が分岐され、合計で7個のスプリンクラーヘッド30が設けられている。また、事務室13には、別系統の消火用メイン配管25から2本の消火用サブ配管26が分岐され、合計で4個のスプリンクラーヘッド30が設けられている。
【0027】
さらに、事務室13には自動火災報知設備を構成する火災受信機40およびスプリンクラー設備を構成する電動弁制御盤50が設けられているとともに、施設10内には、複数の火災感知器32と、これらの火災感知器32へ給電するとともに感知器からの火災検出信号を上記火災受信機40へ送信するための伝送線(L−C線)33と、上記電動弁制御盤50から電動弁31へ駆動信号を送信するための信号線34とが設けられている。
【0028】
図2には、本発明を適用して有効なスプリンクラー設備と自動火災報知設備との関係が示されている。本発明においては、図2(および図6)に示すように、自動火災報知設備による監視区域とスプリンクラー設備による放水区域が対応して設けられており、例えば監視区域A1に設けられている火災感知器32aが火災を検出すると火災検出信号を防災監視用の火災受信機40へ送信する。そして、防災監視用の火災受信機40が火災検出信号を受け取ると、火災受信機40は火災感知器32aが接続された回線(伝送線33)に対していわゆる蓄積処理を行わずに起動信号を電動弁制御盤50に送り、電動弁制御盤50が電動弁31を開動作させる動作信号を出力する。すると、消火用配管22、23を介して水道水がスプリンクラーヘッド30へ送られる。そして、監視区域A1に設置されているスプリンクラーヘッド30aは火災に伴う熱により閉鎖状態が解除されると(作動して開放状態になると)放水を行う。また、火災感知器32aの火災検出信号は電動弁制御盤50へ直接送信されても良い(図2の点線または図3)。火災感知器32aとしては、火災を感知すると直ちに火災検出信号を出力する非蓄積型の感知器が使用される。
【0029】
一方、監視区域A1,A2に設置されている火災感知器32bが火災を検出すると、火災検出信号を防災監視用の火災受信機40へ送信する。そして、防災監視用の火災受信機40が火災検出信号を受け取ると、いわゆる蓄積処理を行う。すなわち、火災受信機40は蓄積機能を有しており、火災検出信号を受信した回線に対して復旧処理を行った後、所定時間内に再度火災検出信号を受信すると火災発生と判断し、火災警報等を行う。また、火災受信機40は火災と断定すると起動信号を電動弁制御盤50に送り、電動弁制御盤50により電動弁31が開動作されて消火用配管22、23を介して水道水が送られ、監視区域A1またはA2に設置されているスプリンクラーヘッド30aまたは30bが火災に伴う熱により閉鎖状態が解除され放水を行うように構成されている。
【0030】
しかし、監視区域A1には、蓄積処理されない火災感知器32aが通常は火災感知器32bの近傍に設けられているので、監視区域A1で火災が発生した場合には、蓄積処理されない火災感知器32aおよび火災感知器32bはともに火災検出するが、火災受信機40は、火災感知器32bを蓄積処理する前または蓄積処理中に、蓄積処理を行わない火災感知器32aからの火災検出信号を受信したことを優先して電動弁制御盤50に起動信号を送る。したがって、スプリンクラーヘッド30aには、火災感知器32aの火災検出に伴って水道水が送られる。
【0031】
なお、自動火災報知設備(P型)に用いられる火災感知器32bは一般的に非蓄積型が用いられるが、蓄積型の感知器としても良い。すなわち、監視区域A1およびA2には、法令等の規定に従って自動火災報知設備用の火災感知器が設けられており、これらの火災信号が法令等で規定されている蓄積処理を施され、自動火災報知設備として火災確定・火災警報を行えるものであればよい。そしてさらに、監視区域A1のようなスプリンクラーヘッドを5個以上設置する必要がある区域においては、自動火災報知設備に用いられる火災感知器(32b)の近傍に電動弁制御盤50に起動信号を送るための専用の火災感知器32aを併設し、火災発生から放水までのタイミングが湿式のスプリンクラー設備と同等のタイミングで放水を開始することができるような構成であればよい。
【0032】
上記のように、本実施形態においては、火災受信機40と電動弁制御盤50はそれぞれ火災感知器32a,32bからの信号を電動弁31へ伝えるリレー(継電器)のような機能を備える。なお、図2には、放水区域が1つの場合が示されているが、図1に示すように放水区域が2つの場合には、図1のような自動火災報知設備による監視区域とスプリンクラー設備による放水区域が2系統設けられる。
【0033】
ここで、図2に示すような監視区域A1に蓄積処理されない火災感知器32aと蓄積処理される火災感知器32bを設けた理由を説明する。
上記のように乾式のスプリンクラーヘッドを使用した水道直結型のスプリンクラー設備を設置した施設においては、前述したように、同時に作動するスプリンクラーヘッドの数が最大で4個という制限があるため、スプリンクラーヘッドを5個以上設置した区域である監視区域A1に蓄積処理される火災感知器を使用しその蓄積処理された検出信号で電動弁の制御を行うようにしたとすると、電動弁の作動が遅れて放水開始が遅くなり5個以上のスプリンクラーヘッドが開放状態になって単位面積当たりの放水量が規定量以下になってしまい、有効に延焼防止・消火が行えなくなるおそれがある。
【0034】
そこで、本実施形態のスプリンクラー設備を設置した施設では、電動弁の制御方式を工夫した。具体的には、蓄積処理される火災感知器と蓄積処理されない(非蓄積型の)火災感知器とを組み合わせ、スプリンクラーヘッドの設置数が4個以下の監視区域には蓄積処理される火災感知器を使用し、スプリンクラーヘッドの設置数が5個以上の監視区域には自動火災報知設備に用いられる蓄積処理される火災感知器と蓄積処理されない火災感知器を併用して、自動火災報知設備とスプリンクラー設備を併設することとした。これにより、スプリンクラーヘッドの設置数が5個以上の監視区域で火災が発生した場合に、速やかに(湿式のスプリンクラー設備と同等のタイミングで)放水が開始されることで、5個以上のスプリンクラーヘッドが開放状態になって単位面積当たりの放水量が規定量以下になってしまうのを回避することができる。
【0035】
以下、スプリンクラー設備と自動火災報知設備を備えた施設における電動弁の具体的な制御の仕方について説明する。
(実施例)
図3に示す第1の実施例においては、自動火災報知設備を構成する火災受信機40およびスプリンクラー設備を構成する電動弁制御盤50と、スプリンクラーヘッド30の設置数が5個以上の監視区域に設置されている火災感知器32aからの信号を送信するための伝送線33aと、スプリンクラーヘッド30の設置数が5個以上の監視区域および4個以下の監視区域に設置されている火災感知器32bからの信号を送信するための伝送線33bと、制御盤50から電動弁31の駆動モータ31Mへ駆動信号を送信するための配線34と、が設けられている。また、各伝送線33aと33bの終端には、断線状態を検出可能にするための終端器(終端抵抗)35a,35bが設けられている。
【0036】
本実施例では、火災感知器32bが接続される火災受信機40は、いわゆる蓄積処理を有効に行う自動火災報知設備を構成するものが使用されていればよいので、火災感知器32bとして、感知器が煙や熱を検出した場合に直ちに火災検出信号を出力する非蓄積型の火災感知器が使用され、火災受信機40として蓄積処理機能(回路)を有する公知のP型火災受信機を使用する。一方、火災感知器32aとして、煙や熱を検出した場合に直ちに火災検出信号を出力する蓄積型の火災感知器を使用する。
【0037】
電動弁制御盤50は、火災検出信号を受信すると直ちに電動弁31の駆動モータ31Mへ駆動信号を送って電動弁を開状態へ作動させる。なお、図1に示されているように、2系統の消火用メイン配管を設ける場合には、それぞれの水道配管の分岐部近傍に電動弁31を設け、各電動弁31に対して電動弁制御盤50を1つ、つまり電動弁31と電動弁制御盤50とを1:1の関係で設けるのが良い。これにより、誤動作を防止しつつ、電動弁作動時に消火用サブ配管が給水で満たされる時間を、1系統の場合よりも短縮することができる。
【0038】
なお、図3において、太い実線で示されているのは、電動弁31から終端のスプリンクラーヘッド30へ水道水を送水するための消火用配管22である。また、破線で示されているのが、火災感知器32a,32bからの信号を伝える伝送線であり、非蓄積型の火災感知器32aからの信号を伝える伝送線33aは太い破線で示され、蓄積処理される火災感知器32bからの信号を伝える伝送線33bは細い破線で示されている。伝送線33a,33bは、それぞれ2本の配線(L−C線)により構成されており、各火災感知器および終端抵抗(図示省略)が並列に接続され、火災感知器が火災を検出すると2本の配線間を短絡させることで火災の発生を火災受信機40または電動弁制御盤50へ知らせる。4個以下のスプリンクラーヘッド30を設ける区域で火災が発生した場合、火災受信機40が、火災感知器32bからの信号を受けて蓄積処理した後、再度火災の発生を検出すると火災確定し、図示しない火災受信機の音響警報装置を鳴らすとともに電動弁制御盤50へ信号を送信し、電動弁制御盤50はこの信号を受信すると電動弁31を作動させるモータの駆動信号を出力する。
【0039】
このシステムにおいては、5個以上のスプリンクラーヘッド30を設ける区域(共用スペース)で火災が発生すると、非蓄積型の火災感知器32aと蓄積型の火災感知器32bの両方が火災を検出し、自動火災報知設備用であって蓄積処理される火災感知器32bから火災検出信号を受けた火災受信機40は、蓄積処理を行って火災と判断するまで、電動弁制御盤50へ検出信号を送信しないが、非蓄積型の火災感知器32aは火災を検出すると直ちに検出信号を電動弁制御盤50へ送信し、電動弁制御盤50はこの信号を受信すると電動弁31を作動させるモータの駆動信号を出力する。
【0040】
図4には、第2の実施例を示す。図3と図4との違いは、図3のシステムでは火災受信機40から出力される移報信号を直接電動弁制御盤50へ送信するようにしているのに対して、図4のシステムでは非蓄積型の火災感知器32aからの信号を伝える伝送線(L−C線)33aを延設して火災受信機40と接続して火災受信機40から出力される移報信号を、伝送線33aを介して電動弁制御盤50へ送信するようにしている点にある。
【0041】
火災受信機40は、無電圧接点を有し情報を出力する移報端子を備えており、火災感知器からの信号に基づいて火災発生と判断するとこの無電圧接点を閉じる(短絡する)動作を行う。伝送線33aの端部は、上記移報端子に接続することができる。電動弁制御盤50は、伝送線33aの短絡を検出すると電動弁31を作動させるモータの駆動信号を出力する。
図4のシステムは、電動弁制御盤50が入力端子(入力ポート)を一つしか持たない場合に適用することができる。
【0042】
(変形例)
図5および図6には、上記実施例の自動火災報知設備およびスプリンクラー設備を備えたシステムの変形例が示されている。
このうち図5のシステムは、図4のシステムにおいて、5個以上のスプリンクラーヘッド30を設ける監視区域(共用スペース)に設けられた非蓄積型の火災感知器32aからの信号および火災受信機40からの移報信号を送信する伝送線(L−C線)33aの途中に、電動弁制御盤50へ電動弁31を強制的に開かせる信号を送信するための手動で操作可能な緊急操作スイッチ36を設けたものである。図3に示されているシステムにおいても、伝送線33aの途中に緊急操作スイッチ36を設けても良い。
また、電動弁31を強制的に開かせるための信号を送信するための緊急操作スイッチ36は、スプリンクラーヘッド30が設けられる共用スペース等に限定されず、電動弁制御盤50あるいは火災受信機40に設けても良い。
【0043】
一方、図6は、図3のシステムにおいて、5個以上のスプリンクラーヘッド30を設ける監視区域(共用スペース)に設けられた非蓄積型の火災感知器32aからの信号を送信する伝送線(L−C線)33aを、電動弁制御盤50ではなく火災受信機40に接続したものである。他の構成は図3と同様である。この変形例は、電動弁制御盤50が火災検出信号を受信可能な入力端子(ポートあるいは回線)および回路(回線)を1組のみしか有しておらず、かつ火災受信機40が複数(2以上)の入力端子(ポートあるいは回線)を有している場合に有効な構成方法である。
【0044】
なお、本実施例では、さらに火災受信機40は入力端子(ポートあるいは回線)および蓄積機能を有し、各回線毎に蓄積、非蓄積の設定が可能であり、スプリンクラーヘッド30の設置数が4個以下の監視区域に設けられる火災感知器32bに対して蓄積処理する設定を行い、スプリンクラーヘッド30の設置数が5個以上の監視区域に設けられる非蓄積型の火災感知器32aに対しては、蓄積処理しない設定を行って、各火災感知器から送信される火災検出信号を処理する。
図8は、図2乃至図6における火災受信機40と電動弁制御盤50を接続する信号線(L−C線33aなど)の断線監視を行うための構成を示す概略図である。火災受信機40と電動弁制御盤50を接続する信号線は、電動弁制御盤50の耐雷回路51を介して警戒地区監視回路52に接続され、火災受信機40の移報出力端子F,F’および無電圧接点SWに接続され、さらに終端器35cと並列に接続されている。
【0045】
図7には、上記実施例に係るスプリンクラー設備および自動火災報知設備を備えたシステムに使用される火災受信機40の構成例を示す。
図7に示すように、火災受信機40は、火災感知器からの信号を送信する信号線が接続される共通端子Cおよびn個の個別端子L1〜Lnと、雷から内部回路を保護する耐雷回路41と、n本の信号線に対応した端子L1〜Lnへ電流を出力するとともにその端子電圧の変化を監視する警戒地区監視回路42と、該警戒地区監視回路42の検出信号に基づいて火災の判断や断線の検出、警報器の鳴動などの処理を行う制御装置としてのCPU43と、移報出力端子F,F’、該端子間に設けられた無電圧接点SW0、警報器が接続される端子BC,B、CPUが火災発生と判断した場合に該接点SW0を導通させる信号を生成する移報回路44、AC100Vの交流電源に基づいて内部回路の動作に必要な直流電源電圧を生成する電源回路45などを備える。電動弁制御盤50も図7の火災受信機40と同様な構成あるいはCPU43を省略した簡単な回路によって構成することができるので、具体的な構成の図示および説明は省略する。
【0046】
以上本発明者によってなされた発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではない。例えば、前記実施形態においては、蓄積処理される火災感知器と非蓄積型の火災感知器を使用したシステムについて説明したが、火災感知器は、スプリンクラー設備専用としてすべての区域に非蓄積型の火災感知器を設定して自動火災報知設備専用の火災感知器と併用させ、スプリンクラー設備と自動火災報知設備を独立させる構成としても良い。
【0047】
また、火災感知器は、熱感知器あるいは煙感知器さらには熱および煙を感知可能な複合型感知器のいずれであってもよい。さらに、前記実施形態においては、4個以下のスプリンクラーヘッドが配設された区域には蓄積型の火災感知器を配設し、5個以上のスプリンクラーヘッドが配設された区域には非蓄積型の火災感知器を配設するとしたが、水道配管により送水される水道水の圧力が既存の水道設備における圧力から変更されれば、蓄積型と非蓄積型の火災感知器をそれぞれ設置する区域におけるスプリンクラーヘッド数も変わることはいうまでもない。
【0048】
なお、スプリンクラーヘッドとして開放型のスプリンクラーヘッドを使用しても良い。その場合、スプリンクラーヘッドまでの消火用配管を監視区域(=放水区域)毎に別々に設けて、各配管の途中に設けた電動弁31を、火災を検出した火災感知器に応じて開動作させるように構成する。あるいは、消火用メイン配管とサブ配管との分岐点にそれぞれ電動弁を設け、火災を検出した火災感知器に応じた電動弁を開動作させるように構成しても良い。
【0049】
以上、本発明を水道連結型のスプリンクラー設備に適用したものを説明したが、本発明は水源水槽および加圧送水装置(ポンプ)を備えたスプリンクラー設備などにも広く利用することができる。
【符号の説明】
【0050】
10 施設
14 共用スペース
18 居室
20 生活用水道配管
21 分岐部
22、25 消火用メイン配管
23,26 消火用サブ配管
30 スプリンクラーヘッド
31 電動弁
32 火災感知器
33 伝送線
40 火災受信機
50 電動弁制御盤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物内部の複数の区域にそれぞれ配設されたスプリンクラーヘッドと、
水道配管の途中から分岐してスプリンクラーヘッドへ水道水を供給可能であって通常は充水されない消火用配管と、
該消火用配管と前記水道配管の境界に配置され通常は閉状態にされている電動弁と、
前記電動弁を作動させる信号を生成し出力する電動弁制御盤と、
前記複数の区域にそれぞれ配設された火災感知器と、
を備えた乾式のスプリンクラー設備であって、
前記建物内部に設けられた前記複数の区域には、n個(nは正の整数)以下のスプリンクラーヘッドが配設された第1区域と、n+1個以上のスプリンクラーヘッドが配設された第2区域とがあり、
前記電動弁制御盤は、
前記第1区域で火災感知器により火災状態が検出された場合に、蓄積処理された信号を受信したことに応じて前記電動弁を開状態にさせ、
前記第2区域で火災感知器により火災状態が検出された場合に、蓄積処理されない信号を受信したことに応じて前記電動弁を開状態にさせるように構成されていることを特徴とする乾式のスプリンクラー設備。
【請求項2】
建物内部の複数の区域にそれぞれ配設された乾式のスプリンクラーヘッドと、
水道配管の途中から分岐してスプリンクラーヘッドへ水道水を供給可能であって通常は充水されない消火用配管と、
該消火用配管と前記水道配管の境界に配置され通常は閉状態にされている電動弁と、
前記電動弁を作動させる信号を生成し出力する電動弁制御盤と、
前記複数の区域にそれぞれ配設された火災感知器と、
前記火災感知器からの火災検出信号を受信する火災受信機と、
を備えた乾式のスプリンクラー設備であって、
前記建物内部に設けられた前記複数の区域には、n個(nは正の整数)以下のスプリンクラーヘッドが配設された第1区域と、n+1個以上のスプリンクラーヘッドが配設された第2区域とがあり、
前記第1区域には、火災状態が検出された場合に火災検出信号を出力し前記火災受信機により蓄積処理される火災感知器が配設される一方、
前記第2区域には、蓄積処理される火災感知器および火災状態が検出された場合に火災検出信号を出力する非蓄積型の火災感知器が配設され、
前記電動弁制御盤は、前記火災受信機により蓄積処理された信号を受信したこと、または、前記非蓄積型の火災感知器が火災検出信号を出力したことに応じて前記電動弁を開状態にさせるように構成されていることを特徴とする乾式のスプリンクラー設備。
【請求項3】
前記電動弁制御盤には、前記非蓄積型の火災感知器から出力された火災検出信号が直接送信され、前記電動弁制御盤は前記非蓄積型の火災感知器からの火災検出信号に基づいて前記電動弁を開状態にさせるように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の乾式のスプリンクラー設備。
【請求項4】
前記火災受信機には前記蓄積処理される火災感知器および前記非蓄積型の火災感知器から出力された火災検出信号が送信され、前記火災受信機は前記火災感知器からの火災検出信号を受信したことに応じて前記電動弁制御盤へ信号を送信し、前記電動弁制御盤は前記火災受信機からの信号の受信に基づいて前記電動弁を開状態にさせるように構成されていることを特徴とする請求項3に記載の乾式のスプリンクラー設備。
【請求項5】
前記スプリンクラーヘッドは、火災により発生した熱によって開放状態となる閉鎖型スプリンクラーヘッドにより構成されていることを特徴とする請求項1〜4に記載の乾式のスプリンクラー設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−81144(P2012−81144A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−231044(P2010−231044)
【出願日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【出願人】(000111074)株式会社LIXILニッタン (93)
【Fターム(参考)】