説明

乾式構造物の構成要素のための固定エレメント及びそのような固定エレメントの製造方法

本発明は、乾式工法の構成要素のための固定エレメント(1、1’、1’’)であって、少なくとも1つの結合区分(5)有する板材料(15)を備えており、該板材料(15)が、前記少なくとも1つの結合区分(5)の領域で多数の凹部(6)を備えており、該凹部(6)が、前記板材料(15)の変形領域によって形成されており、これにより、前記板材料の一方の面にある凹部(6)が、前記板材料(15)の反対の面で隆起部(7)を形成しているものに関する。本発明は、前記凹部(6)がそれぞれ、少なくとも部分的に、結合区分(5)内に若しくは結合区分(5)を通して設けられる結合手段のための、前記板材料(15)の仮想の中心線(M)に対して傾斜している摺動面(9)に取り囲まれていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乾式構造物若しくは乾式工法における構造物(Trockenbau)の構成要素のための固定エレメント及びそのような固定エレメントの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
スイス国特許第486281号明細書より、互いに垂直に交差する2つの波形部を有する金属からなる波形プレートが公知である。この波形部は、波形プレートの一方の面に凹部を、もう一方の面に隆起部を形成している。この波形プレートを製造するためには、歯列を有する2つのローラ間に帯状の金属を通過させる。
【0003】
欧州特許第0674551号明細書からは、隆起部及び凹部を有する別の板材料が公知であり、そのような材料の製造方法も記載されている。この特許文献2によれば、製造時に使用されるローラにインボリュート形状の歯列が設けられている。
【0004】
欧州特許第0891234号明細書において公知の方法では、板材料の変形のために、上側で丸められた歯列を有するローラが使用されている。
【0005】
国際出願PCT/GB81/00095号明細書からは、多数の突出部を有する金属板及びその製造方法が公知である。
【0006】
乾式工法による構造物の構成要素のための固定エレメントは、板材料内若しくは板材料を貫通させてねじ込まれるねじを利用して規則正しく固定される。この固定エレメントがそのねじ込み箇所で平坦に構成されている場合、ねじ込みの正確な位置決めは、常に問題なく行われる訳ではない。それというのは、ねじが、使用時(通常、自動ねじ締め機(Akkuschrauber)を使用する)に、滑り動いてしまうことがあるからである。しかし、従来技術で公知の波形の領域を設けるだけでは、固定エレメントの最適な取り扱い性が得られることはない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
よって、本発明の課題は、乾式工法における構造物の構成要素のための、特に簡単に取り付けることができる固定エレメント、並びにそのような固定エレメントの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような課題は、乾式工法における構造物の構成要素のための固定エレメントであって、少なくとも1つの結合区分を有する板材料を備えていて、該板材料が、少なくとも1つの結合区分の領域で、多数の凹部を備えており、該凹部が、板材料の変形された領域によって形成されており、前記板材料の一方の面にある前記凹部が、前記板材料の反対の面で隆起部を形成しており、前記凹部がそれぞれ、結合区分内に若しくは結合区分を通して設けられている結合手段のための、板材料の仮想の中心線に対して傾斜している摺動面に少なくとも部分的に取り囲まれている、固定エレメントによって解決される。
【0009】
この場合、摺動面によって、固定エレメントの特に簡単な固定が可能となる。ここでねじを使用する場合、ねじは、摺動面の作用によって、それぞれが、最も近接する凹部へと摺動し、ねじ込まれる。このようにして、ねじ込みが、常に正確に規定された位置で行われ、そのための付加的な手間若しくはコストが生じることはない。
【0010】
さらに、ねじは、前記の各摺動面が、板材料の仮想の中心線に対して5°より大きな傾斜角を、特に7°より大きな傾斜角なす場合に、特に簡単に使用することができる。
【0011】
本発明の特に有利な構成によれば、板材料は、少なくとも1つの結合区分に、凹部及び/又は隆起部から見て、板材料の仮想の中心線に対して平行な表面を有していない。
【0012】
本発明によれば、個々の凹部間の中点距離が、板材料の材料厚みの3〜10倍であり、特に板材料の材料厚みの4〜7倍であると有利である。この場合、材料厚みというのは、板材料自体の厚み、つまり隆起部及び凹部を考慮しない厚みである。これにより、同時に、固定エレメントの良好な取り付け性及び高い安定値も得られる。
【0013】
さらに、隆起部及び凹部が、板材料の両面に設けられていると有利である。
【0014】
良好な取り付け性を有すると同時に高い安定性を得ることは、隆起部が、板材料の仮想の中心線から測定して、板材料の板厚みの0.8〜1.4倍の高さを有することによって、且つ/又は凹部が、板材料の外側包絡面から測定して、板材料の材料厚みの0.3〜2.0倍、特に0.3〜1.0倍の深さを有する場合に得られる。
【0015】
本発明の有利な態様によれば、板材料の材料厚みは、0.2〜2.0mm、特に0.3〜0.8mm、有利には0.4〜0.7mmである。
【0016】
さらに、本発明によれば、変形した板材料の全高さが、結合区分で、板材料の材料厚みの2〜3倍であってよい。この場合、全高さは、材料厚みとは異なり、場合によっては両面に設けられている隆起部を考慮して測定された値である。
【0017】
本発明によれば、固定エレメントは、特にC字形状、U字形状、L字形状、帽子形状(Hutprofil)、T字形状又はZ字形状として形成されていてよい。
【0018】
本発明の課題は、本発明による固定エレメントの製造方法であって、実質的に平坦な板材料を、第1の歯列を有する上部ローラ及び第2の歯列を有する下部ローラによって形成されたギャップに通して、凹部及び隆起部並びに傾斜した摺動面を形成する、方法によっても解決される。
【0019】
上部ローラ及び/又は下部ローラは、互いに隣接して配置された歯付きディスクを有しているので、互いに隣接して設けられた多数の列をなす凹部並びに隆起部を得ることができる。さらに、このような上部ローラ並びに下部ローラは、特に簡単に且つ低コストで製造することができ、それというのは、個々の歯付きディスクを別個に加工することができ、最後の段階で初めて、上部ローラ並びに下部ローラを形成すべく組み合せられるからである。
【0020】
有利には、歯付きディスクは、その周囲面に、第1及び第2の歯列の列を有している。
【0021】
本発明によれば、歯はそれぞれ、真直ぐに延びる4つの歯側を有しており、この歯側は、ディスクの中心面に対して特に25°〜35°、有利には30°傾斜している。
【0022】
さらに、本発明によれば、上部ローラの第1の歯列及び下部ローラの第2の歯列は、互いに内外に噛み合っており、且つ/又は上部ローラ及び下部ローラは、第1の歯列の1つの歯がそれぞれ、第2の歯列の2つの歯の間の間隙の中央にそれぞれ突出するように配置されている。
【0023】
本発明のさらなる目的、特徴及び利用の可能性は、図面に基づく以下の実施形態の説明によって理解される。その場合、全ての記載された且つ又は図示された特徴は、それ自体で又は組み合わせて本発明の対象を構築し、また特許請求の範囲の個々の請求項又はそれを引用する従属項の記載に依存しない。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1a】本発明の第1の実施形態による固定エレメントの斜視図である。
【図1b】図1aの固定エレメントの結合区分の一部の拡大された断面図である。
【図2】本発明の別の実施形態による固定エレメントである。
【図3】本発明の別の実施形態による固定エレメントである。
【図4a】本発明による固定エレメントの結合区分におけるねじのねじ込みを示す図である。
【図4b】本発明による固定エレメントの結合区分におけるねじのねじ込みを示す図である。
【図4c】本発明による固定エレメントの結合区分におけるねじのねじ込みを示す図である。
【図5a】本発明による上部ローラ及び下部ローラの概略図である。
【図5b】図5aの拡大された断面図である。
【図6a】上部ローラ及び下部ローラの歯付きディスクの、上面から見た概略図である。
【図6b】図6aの歯付きディスクの断面図である。
【図7a】上部ローラ又は下部ローラのさらなる歯付きディスクの、上面から見た概略図である。
【図7b】図7aの歯付きディスクの断面図である。
【図8a】図6a及び7aに示す歯付きディスクの個々の歯の拡大された詳細図である。
【図8b】図6a及び7aに示す歯付きディスクの個々の歯の拡大された詳細図である。
【図8c】図6a及び7aに示す歯付きディスクの個々の歯の拡大された詳細図である。
【図9a】上部ローラ及び下部ローラの個々の歯付きディスクの配置を概略的に示した簡略図であある。
【図9b】図9aからの拡大された詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1a、2及び3にそれぞれ、乾式工法構造物の構成要素のための固定エレメント1、1’、1’’を示す。この固定エレメント1,1’、1’’はそれぞれ、輪郭形状が付与された若しくは成形された板材料からなっていて、底部区分2を有し且つその両端部には曲げられた脚部区分3が設けられている。脚部区分3は、それぞれ1つの固定フランジを形成しており、底部区分2から実質的に直角に延びている。
【0026】
図1a及び2に示す実施形態では、脚部区分3は、その外端部で、曲げられ且つ内方を向く条片4をそれぞれ有し、この条片4は、支持縁部を形成している。このような固定エレメント1、1’は、C字形状とも呼ばれる。
【0027】
図3に示す固定エレメント1’’は、脚部区分3の外縁部に、曲げられた条片を有しておらず、いわゆるU字形状と呼ばれる。
【0028】
上記の固定エレメント1、1’、1’’は、乾式工法において、支持構造として、例えば介在壁(Zwischenwaende)、吊り下げ天井(abhaengte Decke)等の設置の際に使用することができる。
【0029】
この場合、図示の固定エレメント1、1’、1’’は、金属、特に亜鉛めっきされた鋼板からなっており、実質的に平坦な板材料からの変形加工によって、図示のような固定エレメント1、1’、1’’の立体形状とされる。
【0030】
固定エレメント1、1’、1’’の板材料はそれぞれ、少なくとも1つの結合区分5を有している。図1及び2に示す実施形態では、両方の脚部区分3が結合区分5として構成されており、その領域には多数の凹部6が設けられており、これらの凹部6は、板材料の変形された領域によって形成されている。図示のものとは別態様で、結合区分に、脚部区分3の面の一部上にのみ凹部6を設けることもできる。これに対して図3に示す固定エレメント1’’では、脚部区分3だけでなく、底部区分2も前記凹部6を備えている。
【0031】
図1a及び2に示す固定エレメント1、1’では、底部区分2が、点状の凹部を有しておらず且つ単に長手方向に延びる条溝8のみを有するが、これは、底部区分2が、他の構成部材との結合に全く不適であるということを意味するものではない。そうではなくて、上記の2つの実施形態では、例えばねじのような結合手段のねじ込みを容易にする凹部6が、特に頻繁に他の構成部材が固定される領域に限定されているのであr。
【0032】
図1bに、図1aに示した固定エレメント1の、結合区分5の領域における拡大された部分図を示す。しかし、これを見る限りでは、図2及び3に示した固定エレメント1’及び1’’との相違は十分に認識できないが、凹部6が、板材料の変形された領域によって形成されており、板材料の一方の面にある凹部6が、板材料の反対の面で隆起部7を形成しているということがよく理解されるであろう。
【0033】
この場合、凹部6は、少なくとも部分的に、結合区分5内に且つ結合区分5を通って設けられる結合手段のための、板材料の仮想の中心線Mに対して傾斜した摺動面9によって囲まれている。この場合、摺動面9は、板材料の仮想の中心線Mに対して5度より大きな、特に7度より大きな傾斜角Nを有する。これに相応して、凹部6の周りには、各凹部6への案内のための領域が形成されている。よって、ねじは、以下により詳細に説明するように、摺動面9上を凹部6に向かって摺動(滑動)する。
【0034】
さらに、図1bでは、隆起部7及び凹部6が、板材料の両面に成形されていることがよく認められる。この場合、図1a及び3では、隆起部7は小さな円の、凹部6は小さな菱形の記号で表されている。
【0035】
個々の凹部6間の中点距離Aは、本発明によれば、有利には、板材料の材料厚みSの3〜10倍、特に材料厚みSの4〜6倍であると有利である。凹部6が、図示のように、結合区分5の両面で成形されている場合には、中点距離Aは、板材料のどちらの面で各凹部6が形成されているかに関係なく隣接している凹部6間のものをそれぞれ対象とする。
【0036】
隆起部7は、有利には、板材料の仮想の中心線Mから測定して、板材料の材料厚みSの0.8〜1.4倍の高さHを有する。
【0037】
凹部6に関しては、この凹部6が、板材料の外側包絡面Fから測定して、板材料の材料厚みSの0.3〜2.0倍、特に0.3〜1.0倍の深さTを有するようになっている。外側包絡面Fは、各隆起部7の最高点によって形成されている。
【0038】
板材料の材料厚みSは、有利には0.2〜1.0mm、特に0.3〜0.8mm、さらに有利には0.4〜0.7mmである。
【0039】
この場合、凹部6及び隆起部7によって、安定性向上が得られる。これは、固定エレメントが、従来の固定エレメントと比較して、同じ材料厚みで、著しく向上した荷重耐性を有することを意味する。これによって、板材料の材料厚みS及びひいては製造コストを低減させ、しかも高い荷重耐性を達成することが可能となる。
【0040】
凹部6及び隆起部7は、結合区分5内の、変形させた板材料の全高さが、板材料の材料厚みSの2〜3倍となるように形成されている。
【0041】
図4a、4b及び4cに、摺動面9の有利な作用を明示する。図4aに示すように、ねじ10(先端のみを図示)が結合区分上に載置されると、傾斜した摺動面9の作用によって、最も近接する凹部6へと簡単に滑り、明確に規定された若しくは1つに規定された箇所に位置するようになる。その状態を図4bに示す。ここで、ねじ10の先端は、連続する板材料内へとねじ込まれる(図4c)。この場合、凹部6が、ねじ10がねじ込まれる際に滑ってずれてしまうことを防止している。このようにして、ねじ10を、特に迅速にしかも極めて正確に(点レベルで正確に)、結合区分5においてねじ込むことができる。
【0042】
固定エレメント1、1’、1’’を製造する際、実質的に平坦な板材料15を、第1の歯列11を有する上部ローラ12及び第2の歯列13を有する下部ローラ14から形成されたギャップ内を通過させる。このことは、図5a及び図5bで示された拡大図に、よく図示されている。ここで、左側から供給される平坦な板材料15が、突出し且つ互いに内外に噛み合う第1及び第2の歯列11、13の作用下で変形し、これに相応して、凹部6及び隆起部7が形成されることが十分に理解されるだろう。それぞれの歯頂点が、板材料15に明確な押型を残し、これにより、鋼板の表面に凹部6が形成される。
【0043】
さらに、相応に加工された板材料15は、その後の図示されていない段階で、例えば、図1a及び2に示すC字形状又は図3に示すU字形状に変形加工される。
【0044】
この場合、上部ローラ12及び下部ローラ14はそれぞれ、互いに隣接して配置されている多数の歯付きディスク16、17を有しており、これについては、図6a、6b、7a、7b及び8a〜cにより詳細に示す。この歯付きディスク16、17はいずれも、外側に、周囲にわたり均一に分配されて配置されている歯の列を有する。各歯は、実質的に正方形の平坦な歯頂点18を有し、図示の実施形態では、その正方形の横長さは0.4mmである。このために、各歯は、4つの平坦な歯側19を有しており、この場合、2つの対向する歯側間の角度は、図示の実施形態では、約60°度である(図8a及び図8cを比較参照)。したがって、歯側19と歯付きディスク16、17の中心面Mとの間の角度は30度となっている。
【0045】
歯付きディスク16及び17はそれぞれ、その中央に、図示していない駆動シャフトを受容するための空洞20を有している。駆動シャフトと歯付きディスク16、17との間に形状接続(嵌め合いによる結合)を構築するために、その中には、嵌め合いキー溝21が形成されている。
【0046】
図6a及び7aに示す歯付きディスク16、17は、互いに十分に同一に形成されている。しかし、歯列が、周囲方向で見て、空洞20内に形成されている嵌合キー溝21に対して歯部分の半分だけ互いにずらされて配置されているという相違がある。
【0047】
図9aに、個々の歯付きディスク16、17がそれぞれ、上部ローラ12及び下部ローラ14にどのように組み合わせられているかを概略的に示す。
【0048】
図9aに、上部ローラ12及び下部ローラ14を、単に概略的に一部断面のみを示す。線22によって上部ローラ12の回転軸線を、線23によって下部ローラ14の回転軸線を示す。ここでは、上部ローラ12の下方の半分、下部ローラ14の上方の半分のみが示されている。しかし、これらの図面では、上部ローラ14にも下部ローラ12にも、互いに歯付きディスク16、17が配置されていることが明らかとなっている。つまり、歯付きディスク16の隣に歯付きディスク17が設けられており、またその逆となっている。個々のディスク16、17の歯列がそれぞれ、歯部分の半分だけ互いにずらされているので、よって、上部及び下部ローラ12、14の歯列が、斜めの列をなすように配置されている。
【0049】
上部ローラ12及び下部ローラ14は、さらに、複数のスペーサDを有している。これによって、板材料がスペーサによって形成された領域で変形することなく、板材料を上部及び下部ローラ12、14間で通過させることができる。
【0050】
上部ローラ12及び下部ローラ14はそれぞれ、図9aに示すように、歯車によって同期的に駆動されるようになっている。
【0051】
図9aから明らかなように、この場合、上部ローラ12の歯付きディスク16、17は、下部ローラ14の歯付きディスク16、17に対して、軸線方向のずれなく配置されている。相応に、上部ローラ12の歯付きディスク16、17の歯頂点はそれぞれ、下部ローラ14の歯付きディスク16、17の2つの歯の間の歯間隙の中央に突出している。
【符号の説明】
【0052】
1、1’、1’’ 固定エレメント
2 底部区分
3 脚部区分
4 条片
5 結合区分
6 凹部
7 隆起部
8 条溝
9 摺動面
10 ねじ
11 第1の歯列
12 上部ローラ
13 第2の歯列
14 下部ローラ
15 板材料
16 歯付きディスク
17 歯付きディスク
18 歯頂点
19 歯側
20 空洞
21 嵌め合いキー溝
22 回転軸線
23 回転軸線
M 中心線
N 傾斜角
A 中点距離
S 材料厚み
H 高さ
D スペーサ
T 深さ
F 包絡面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
乾式工法構造物の構成要素のための固定エレメント(1、1’、1’’)であって、該固定エレメントが、少なくとも1つの結合区分(5)を有する板材料(15)を備えており、該板材料(15)が、前記少なくとも1つの結合区分(5)の領域で多数の凹部(6)を備えており、該凹部(6)が、前記板材料(15)の変形された領域によって形成されており、それにより、前記板材料(15)の一方の面にある当該凹部(6)が、前記板材料(15)のもう一方の側で隆起部(7)を形成しており、
前記凹部(6)がそれぞれ、前記結合区分(5)内で若しくは結合区分(5)を介して設けられる結合手段のための、前記板材料(15)の仮想の中心線(M)に対して傾斜した摺動面(9)に少なくとも部分的に取り囲まれている、固定エレメント。
【請求項2】
前記摺動面(9)がそれぞれ、前記板材料(15)の仮想の中心線(M)に対して5°より大きい、特に7°より大きい傾斜角(N)をなす、請求項1に記載の固定エレメント。
【請求項3】
前記少なくとも1つの結合区分(5)において、前記板材料(15)が、前記凹部(6)及び/又は前記隆起部(7)から見て、前記板材料(15)の仮想の中心線(M)に対して平行な表面を有していない、請求項1又は2に記載の固定エレメント。
【請求項4】
個々の凹部(6)間の中点距離(A)が、前記板材料(15)の材料厚み(S)の3〜10倍であり、特に前記板材料(15)の材料厚み(S)の4〜6倍である、請求項1から3のいずれか1項に記載の固定エレメント。
【請求項5】
前記隆起部(7)及び前記凹部(6)が、前記板材料(15)の両面に設けられている、請求項4に記載の固定エレメント。
【請求項6】
前記隆起部(7)が、前記板材料(15)の仮想の中心線(M)から測定して、前記板材料(15)の材料厚み(S)の0.8〜1.4倍の高さ(H)を有する、請求項1から5のいずれか1項に記載の固定エレメント。
【請求項7】
前記凹部(6)が、前記板材料の外側包絡面(F)から測定して、前記板材料(15)の材料厚み(S)の0.3〜2.0倍、特に0.3〜1.0倍の深さ(T)を有する、請求項1から6のいずれか1項に記載の固定エレメント。
【請求項8】
前記板材料(15)の材料厚み(S)が、0.2〜2.0mm、特に0.3〜0.8mm、有利には0.4〜0.7mmである、請求項1から7のいずれか1項に記載の固定エレメント。
【請求項9】
前記変形させた板材料の、前記結合区分(5)における全高さが、前記板材料(15)の材料厚み(S)の2〜3倍である、請求項1から8のいずれか1項に記載の固定エレメント。
【請求項10】
前記固定エレメント(1、1’、1’’)が、C字形状、U字形状、L字形状、帽子形状、T字形状又はZ字形状として形成されている、請求項1から9のいずれか1項に記載の固定エレメント。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか1項に記載の固定エレメントの製造方法であって、実質的に平坦な板材料(15)を、第1の歯列(11)を有する上部ローラ(12)及び第2の歯列(12)を有する下部ローラ(14)から形成されたギャップに通過させ、これにより、前記凹部(6)及び前記隆起部(7)並びに傾斜した摺動面(9)を成形する、方法。
【請求項12】
前記上部ローラ(12)及び/又は前記下部ローラ(14)が、互いに隣接して配置されている多数の歯付きディスク(16、17)を備えている、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記歯付きディスク(16、17)が、その周面に、前記第1及び第2の歯列(11、13)を備えている、請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1及び第2の歯列(11、13)がそれぞれ、4つの真直ぐな歯側(19)を備えており、当該歯側が、前記歯付きディスク(16、17)の中心面(E)に対して特に25°〜35°、有利には30°傾斜している、請求項11から13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記上部ローラ(12)の第1の歯列(11)及び前記下部ローラ(14)の第2の歯列(13)が、互いに内外に噛み合う、請求項11から14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記上部ローラ(12)及び下部ローラ(14)が、それぞれ、前記第1の歯列(11)の1つの歯が、前記第2の歯列(13)の2つの歯の間の間隙の中央へと突出するように配置されている、請求項11から15のいずれか1項に記載の方法。

【図1a】
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【図1b】
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【図2】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4c】
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【図5】
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【図6a】
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【図6b】
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【図7a】
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【図7b】
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【図8a】
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【図8b】
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【図8c】
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【図9a】
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【図9b】
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【公表番号】特表2009−536098(P2009−536098A)
【公表日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−508210(P2009−508210)
【出願日】平成19年5月3日(2007.5.3)
【国際出願番号】PCT/EP2007/003902
【国際公開番号】WO2007/128490
【国際公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【出願人】(508331006)リヒター システム ゲーエムベーハー ウント コー カーゲー (2)
【Fターム(参考)】