説明

乾燥装置

【課題】粉粒体を均一に加熱することができ、効率よく粉粒体を乾燥させることができる乾燥装置を提供する。
【解決手段】樹脂ペレットなどの粉粒体を乾燥させる乾燥装置1に、粉粒体を貯留する乾燥ホッパ2と、乾燥ホッパ2内に熱風を供給する気流形成部材16とを設け、気流形成部材16の長手方向に沿って、互いに間隔を隔てるように、熱風の通過を許容する多数の網目を形成し、各網目から、乾燥ホッパ2内に熱風を均一に供給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乾燥装置、詳しくは、粉粒体を乾燥する乾燥装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、樹脂ペレットなどの粉粒体を乾燥させるための乾燥装置として、粉粒体を熱風で加熱して乾燥する熱風乾燥機が知られている。
【0003】
このような熱風乾燥機として、例えば、粉粒体を受け入れる熱風乾燥ホッパー、空気を熱風乾燥ホッパーに送る乾燥ブロワ、乾燥ブロワと熱風乾燥ホッパーとの間において乾燥ブロワからの空気を加熱する乾燥ヒータとを備える熱風乾燥機が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
この熱風乾燥機では、乾燥ブロワ、乾燥ヒータおよび熱風乾燥ホッパーが互いに送風配管を介して接続されることにより、順次、乾燥ブロワ、乾燥ヒータおよび熱風乾燥ホッパーを経て、再び乾燥ブロワへ戻るクローズドラインが形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−62830号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかるに、上記した特許文献1に記載の熱風乾燥機では、熱風を熱風乾燥ホッパーへ流入させるための送風配管の熱風吹出し口が、熱風乾燥ホッパー内の下端部に配置される一方、ホッパー内の熱風を乾燥ブロワへ排出するための送風配管の熱風排出口が、熱風乾燥ホッパー内の上端部に配置されている。
【0007】
そして、乾燥ヒータから熱風乾燥ホッパー内の下端部に供給された熱風は、熱風乾燥ホッパー内に供給された後、熱風乾燥ホッパー内を下方から上方に向かって流れる。
【0008】
このとき、熱風は、下方から上方へ向かうに従ってその温度が低下することから、上方の粉粒体よりも、下方の粉粒体の方がより加熱されることとなり、上下方向において、粉粒体を均一に加熱することが困難である。
【0009】
その結果、上方の粉粒体の乾燥に時間が掛かり、効率よく粉粒体を乾燥させることが困難である。
【0010】
これを改善する方法として、例えば、熱風の風速を速くする方法が検討される。しかし、乾燥ホッパーに粉粒体が多量に充填されている場合には、圧力損失が大きくなり、乾燥ブロワに対する負荷が大きくなるため、熱風の風速を速くすることが困難である。
【0011】
また、熱風乾燥ホッパーに粉粒体が多量に充填されている場合には、上方の粉粒体と、下方の粉粒体との間において、均一な加熱および乾燥がより困難となる。
【0012】
そのため、熱風乾燥ホッパーに多量の粉粒体が充填される場合と、熱風乾燥ホッパーに少量の粉粒体が充填される場合とで、粉粒体の熱履歴(加熱温度や加熱時間など)が異なり、乾燥された粉粒体の品質を安定させることが困難な場合がある。
【0013】
そこで、本発明の目的は、粉粒体を均一に加熱することができ、効率よく粉粒体を乾燥させることができる乾燥装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記した課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、乾燥装置であって、粉粒体を貯留する貯留槽と、前記貯留槽内に配置され、乾燥媒体を供給する供給部とを備え、前記供給部には、乾燥媒体の通過を許容する通過箇所が、前記供給部が延びる方向に沿って配置されていることを特徴としている。
【0015】
このような構成によれば、供給部が延びる方向に沿って配置される各通過箇所から、貯留槽内に乾燥媒体が供給される。
【0016】
そのため、供給部が延びる方向において、均一に、貯留槽内に乾燥媒体を供給することができる。
【0017】
その結果、供給部が延びる方向において、粉粒体を均一に加熱することができ、効率よく粉粒体を乾燥させることができる。
【0018】
また、これにより、粉粒体の充填量に関わらず乾燥度合いをより一定に保つことができ、乾燥された粉粒体の品質を安定させることができる。
【0019】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記通過箇所は、前記供給部が延びる方向に沿って、互いに間隔を隔てて複数形成されていることを特徴としている。
【0020】
このような構成によれば、通過箇所を、供給部が延びる方向に沿って、互いに間隔を隔てて形成するという簡易な構成で、供給部が延びる方向において均一に、貯留槽内に乾燥媒体を供給することができる。
【0021】
その結果、簡易な構成で、供給部が延びる方向において、粉粒体を均一に加熱することができ、効率よく粉粒体を乾燥させることができる。
【0022】
また、これにより、簡易な構成で、粉粒体の充填量に関わらず乾燥度合いをより一定に保つことができ、乾燥された粉粒体の品質を安定させることができる。
【0023】
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、各前記通過箇所は、前記供給部が延びる方向において、互いに等間隔を隔てて配置されていることを特徴としている。
【0024】
このような構成によれば、供給部が延びる方向において、より均一に、貯留槽内に乾燥媒体を供給することができる。
【0025】
その結果、供給部が延びる方向において、より均一に、加熱することができ、より効率よく粉粒体を乾燥させることができる。
【0026】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、前記通過箇所は、前記供給部の周方向に沿って、互いに間隔を隔てて複数形成されていることを特徴としている。
【0027】
このような構成によれば、簡易な構成で、供給部の周方向において、粉粒体を均一に加熱することができ、より効率よく粉粒体を乾燥させることができる。
【0028】
また、これにより、簡易な構成で、粉粒体の充填量に関わらず乾燥度合いを、より一層、一定に保つことができ、乾燥された粉粒体の品質を安定させることができる。
【0029】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の発明において、前記通過箇所は、前記供給部が延びる方向において、前記貯留槽における粉粒体を最大限充填し得る充填可能領域の30%以上に対応するように、形成されていることを特徴としている。
【0030】
このような構成によれば、通過箇所が、充填可能領域の30%以上に対応するように形成されている。
【0031】
そのため、粉粒体を貯留槽内に最大限充填した場合においても、供給部が延びる方向において、均一に、貯留槽に乾燥媒体を供給することができる。
【0032】
その結果、供給部が延びる方向において、粉粒体をより均一に加熱することができる。
【0033】
また、請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれかに記載の発明において、前記供給部は、乾燥媒体を、前記供給部が延びる方向と直交する直交方向に向かって供給することを特徴としている。
【0034】
このような構成によれば、供給部が延びる方向と直交する直交方向において粉粒体に乾燥媒体を作用させることができる。
【0035】
そのため、粉粒体の充填量に関わらず、粉粒体を均一に加熱することができ、より一層効率よく粉粒体を乾燥させることができる。
【0036】
また、請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれかに記載の発明において、前記貯留槽の内壁において、前記貯留槽内から乾燥媒体を排出する排出部、および/または、前記供給部を備えていることを特徴としている。
【0037】
このような構成によれば、貯留槽の内壁に沿って乾燥媒体を供給または排出することができる。
【0038】
そのため、貯留槽の内容量を確保しつつ、粉粒体の均一な乾燥を達成することができる。
【0039】
また、請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の発明において、前記供給部の少なくとも一部が、前記排出部に対して、前記直交方向に等間隔を隔てて配置されていることを特徴としている。
【0040】
このような構成によれば、供給部と排出部とが、少なくとも一部において、直交方向に等間隔を隔てて配置されている。
【0041】
そのため、供給部と排出部とが等間隔を隔てて配置されている部分において、より均一に、粉粒体を乾燥させることができる。
【0042】
また、請求項9に記載の発明は、請求項7または8に記載の発明において、前記供給部は、前記貯留槽の内壁に対して、前記供給部が延びる方向と直交する直交方向に間隔を隔てて配置されており、前記排出部は、前記貯留槽の内壁に設けられていることを特徴としている。
【0043】
このような構成によれば、供給部が貯留槽の内壁に対して間隔を隔てて設けられている。すなわち、供給部が貯留槽の中央付近に設けられている。
【0044】
そのため、乾燥媒体を貯留槽の中央から供給して、貯留槽の中央から粉粒体を加熱することができる。
【0045】
これにより、供給された乾燥媒体の熱が貯留槽の設置環境の影響によって失われることを抑制でき、乾燥媒体の熱を効率よく粉粒体に伝えることができる。
【0046】
その結果、より効率よく粉粒体を乾燥させることができる。
【0047】
また、請求項10に記載の発明は、請求項7または8に記載の発明において、前記排出部は、前記貯留槽の内壁に対して、前記排出部が延びる方向と直交する直交方向に間隔を隔てて配置されており、前記供給部は、前記貯留槽の内壁に設けられていることを特徴としている。
【0048】
このような構成によれば、供給部が、貯留槽の内壁に設けられており、排出部が、貯留槽の内壁に対して間隔を隔てて、すなわち、貯留槽の中央付近に設けられている。
【0049】
そのため、貯留槽の内壁から中央へ向かって収束させるように、乾燥媒体を供給することができる。
【0050】
これにより、供給された乾燥媒体の温度が、貯留槽の設置環境の影響によって、直交方向において変動することを抑制できる。
【0051】
その結果、貯留槽の内壁近傍と、排出部近傍との温度差を低減することができ、より均一に粉粒体を乾燥させることができる。
【0052】
また、請求項11に記載の発明は、請求項7または8に記載の発明において、前記供給部は、前記直交方向一方側の内壁に設けられており、前記排出部は、前記直交方向他方側の内壁に設けられていることを特徴としている。
【0053】
このような構成によれば、貯留槽の内壁において乾燥媒体を供給および排出することができる。
【0054】
そのため、貯留槽の内容量を確保しつつ、粉粒体の均一な乾燥を達成することができる。
【0055】
また、このような構成によれば、排出部および供給部を内壁に設けるので、構成をより簡略化することができる。
【発明の効果】
【0056】
請求項1に記載の発明によれば、供給部が延びる方向において、粉粒体を均一に加熱することができ、効率よく粉粒体を乾燥させることができる。これにより、乾燥された粉粒体の品質を安定させることができる。
【0057】
請求項2に記載の発明によれば、簡易な構成で、供給部が延びる方向において、粉粒体を均一に加熱することができ、効率よく粉粒体を乾燥させることができる。これにより、簡易な構成で、乾燥された粉粒体の品質を安定させることができる。
【0058】
請求項3に記載の発明によれば、供給部が延びる方向において、より均一に、加熱することができ、より効率よく粉粒体を乾燥させることができる。
【0059】
請求項4に記載の発明によれば、簡易な構成で、供給部の周方向において、粉粒体を均一に加熱することができ、より効率よく粉粒体を乾燥させることができる。これにより、簡易な構成で、乾燥された粉粒体の品質を、より安定させることができる。
【0060】
請求項5に記載の発明によれば、供給部が延びる方向において、粉粒体をより均一に加熱することができる。
【0061】
請求項6に記載の発明によれば、粉粒体の充填量に関わらず、粉粒体を均一に加熱することができ、より一層効率よく粉粒体を乾燥させることができる。
【0062】
請求項7に記載の発明によれば、貯留槽の内容量を確保しつつ、粉粒体の均一な乾燥を達成することができる。
【0063】
請求項8に記載の発明によれば、供給部と排出部とが等間隔を隔てて配置されている部分において、より均一に、粉粒体を乾燥させることができる。
【0064】
請求項9に記載の発明によれば、供給された乾燥媒体の熱が貯留槽の設置環境の影響によって失われることを抑制でき、乾燥媒体の熱を効率よく粉粒体に伝えることができる。その結果、より効率よく粉粒体を乾燥させることができる。
【0065】
請求項10に記載の発明によれば、供給された乾燥媒体の温度が、貯留槽の設置環境の影響によって、直交方向において変動することを抑制できる。その結果、貯留槽の内壁近傍と、排出部近傍との温度差を低減することができ、より均一に粉粒体を乾燥させることができる。
【0066】
請求項11に記載の発明によれば、貯留槽の内容量を確保しつつ、粉粒体の均一な乾燥を達成することができる。また、構成をより簡略化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の乾燥装置の第1実施形態を示し、 (a)は、乾燥装置の概略構成図であり、 (b)は、(a)に示す乾燥ホッパのA−A断面図である。
【図2】図1(a)に示される気流制御部材の斜視図である。
【図3】図2に示される気流制御部材に設けられるガイド部材を説明するための説明図である。
【図4】図2に示される気流制御部材の径方向断面図である。
【図5】本発明の乾燥装置の第2実施形態を示し、 (a)は、乾燥装置の概略構成図であり、 (b)は、(a)に示す乾燥ホッパのB−B断面図である。
【図6】本発明の乾燥装置の第3実施形態を示し、 (a)は、乾燥装置の概略構成図であり、 (b)は、(a)に示す乾燥ホッパのC−C断面図である。
【図7】本発明の乾燥装置の第4実施形態に設けられる気流制御部材を示す概略構成図である。
【図8】変形例における気流形成部材のガイド部材を説明するための説明図である。
【図9】変形例における気流形成部材の第1保持部を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0068】
(第1実施形態)
図1は、本発明の乾燥装置の第1実施形態を示し、(a)は、乾燥装置の概略構成図であり、(b)は、(a)に示す乾燥ホッパのA−A断面図である。
【0069】
乾燥装置1は、図1(a)に示すように、樹脂ペレットなどの粉粒体を貯留する乾燥ホッパ2(貯留槽の一例)と、乾燥ホッパ2に熱風(乾燥媒体の一例)を供給する熱風供給部3と、乾燥ホッパ2内を減圧する減圧部4とを備えている。
【0070】
乾燥ホッパ2は、略円筒形状の上側部分と、下方に向かって開口断面積が小さくなる略円錐形状の下側部分とが連続するように形成されている。また、乾燥ホッパ2の周壁は、外壁11と内壁12とを備える二重構造を形成している。
【0071】
外壁11は、乾燥ホッパ2の外側を構成し、略円筒形状の上側部分と、下方に向かって開口断面積が小さくなる略円錐形状の下側部分とが連続するように形成されている。
【0072】
内壁12は、多数の貫通穴28が形成されたパンチングメタルからなり、外壁11の径方向内側において、わずかに間隔を隔てて設けられている。また、内壁12は、排出部として機能する。すなわち、排出部は、内壁12に設けられている。
【0073】
各貫通穴28の孔径は、粉粒体の通過を規制しながら空気の通過を許容するように、粉粒体の大きさよりも小さく形成されている。
【0074】
また、乾燥ホッパ2の上端部には乾燥ホッパ2を上方から被覆する蓋13が設けられており、蓋13には、粉粒体が供給される粉粒体供給口14が設けられている。また、粉粒体供給口14には、第1バルブ15が設けられている。
【0075】
第1バルブ15は、粉粒体供給口14を閉鎖して、乾燥ホッパ2への粉粒体の通過を規制する閉位置と、粉粒体供給口14を開放して、乾燥ホッパ2への粉粒体の通過を許容する開位置とに切り替えられる。
【0076】
そして、乾燥ホッパ2は、その最下端部L(すなわち、乾燥ホッパ2の底部)から、その最上端部H(すなわち、蓋13の下端面)までの間において、粉粒体を貯留する。すなわち、乾燥ホッパ2の最下端部Lから最上端部Hまでの間が、粉粒体を最大限充填し得る充填可能領域Fである。
【0077】
熱風供給部3は、気流形成部材16(供給部の一例)、吸気ライン17、ブロワ18、ヒータ19および還流ライン20を備えている。
【0078】
気流形成部材16は、図2に示すように、一方および他方に延び、一端部および他端部が閉鎖される略中空円筒形状に形成されている。また、気流形成部材16の周壁は、網目状に形成されている。
【0079】
詳しくは、気流形成部材16は、第1保持部41、網部42および第2保持部43を備えている。
【0080】
第1保持部41は、気流形成部材16の一端部に配置されており、気流形成部材16の長手方向(一方と他方とを結ぶ方向。以下、気流形成部材16の説明において、単に長手方向とする。)に延びる略円筒形状の筒部44と、筒部44の他端部から、気流形成部材16の径方向(以下、気流形成部材16の説明において、単に径方向とする。)外側へ突出する略円板形状の鍔部45とを備えている。
【0081】
網部42は、長手方向に延びる複数の直杆46と、気流形成部材16の周方向(以下、気流形成部材16の説明において、単に周方向とする。)に延びる複数のリング杆47とを備えている。
【0082】
各直杆46は、金属からなり、所定の厚みを有する平板であり、長手方向一端部において、第1保持部41の周端部に接続されている。また、各直杆46は、その幅方向(長手方向、および、直杆46の厚み方向の両方と直交する方向)が気流形成部材16の径方向に沿うように(図4参照)、周方向において、互いに等間隔を隔てるように配置されている。
【0083】
また、各直杆46のうち、周方向に約90°の間隔を隔てて配置される4つの直杆46には、支持部53が形成されている(図3および図4参照)。
【0084】
支持部53は、直杆46の径方向内側端部から径方向内側へ延びるように、長手方向に間隔を隔てて4つ並列配置されている。
【0085】
各リング杆47は、略円環形状に形成されており、径方向外側から周方向に沿ってすべての直杆46を包囲するように、設けられている。また、各リング杆47は、長手方向に互いに等間隔を隔てるように配置されている。また、各リング杆47の径方向内面は、各直杆46の径方向外面に接触されており、各リング杆47は、各直杆46に対して、溶接などの方法によって、固定されている。
【0086】
そして、各直杆46と各リング杆47とが、互いに直交するように交差することによって、網部42には、多数の略矩形状の網目40(通過箇所の一例)が形成されている。
【0087】
すなわち、網目40は、互いに隣接する直杆46と、互いに隣接するリング杆47とによって囲まれる開口である。
【0088】
また、各網目40は、粉粒体の通過を規制しながら空気の通過を許容するように、粉粒体の最小長さよりも短い開口長さを有する開口として形成されている。
【0089】
また、気流形成部材16は、長手方向他方側半分部分において、複数の規制部材48を備えている。
【0090】
規制部材48は、長手方向に所定の厚みを有する平面視略円環形状に形成されており、径方向外側から、網部42に外嵌されている。これにより、規制部材48が外嵌されている部分では、網目40が規制部材48によって閉鎖されており、気流の通過が規制されている。
【0091】
すなわち、網部42の長手方向一方側半分部分においては、すべての網目40が、通過箇所として機能する。なお、網部42の長手方向一方側半分部分を、通過箇所形成領域A1とする。
【0092】
また、網部42の長手方向他方側半分部分においては、各規制部材48が外嵌されていない部分の網目40のみが、通過箇所として機能する。なお、網部42の長手方向他方側半分部分において、各規制部材48が外嵌されていない部分を、それぞれ、通過箇所形成領域A2、A3、A4、A5、A6、A7とする。
【0093】
つまり、網部42の長手方向一方側半分部分は、網部42の長手方向他方側半分部分よりも高い開口率(網部42の外周面積に対する、通過箇所として機能する網目40の総開口面積の割合)を有している。
【0094】
そして、各通過箇所形成領域A1〜A7の長手方向長さの総和は、乾燥ホッパ2の充填可能領域Fの長手方向長さに対して、30%以上、好ましくは、50%以上である。
【0095】
言い換えると、通過箇所として機能する網目40は、長手方向において、乾燥ホッパ2の充填可能領域Fの30%以上、好ましくは、50%以上(本実施形態では、70%)に対応するように、設けられている。
【0096】
第2保持部43は、気流形成部材16の長手方向他端部に配置されており、長手方向に延びる略円筒形状の筒部50と、筒部50の長手方向一端部から径方向外側へ突出する略円環形状の鍔部51とを備えている。そして、第2保持部43には、鍔部51の周端部において、各直杆46の長手方向他端部が接続されている。
【0097】
なお、第2保持部43の筒部50は、その長手方向他端部が閉鎖されている。
【0098】
また、気流形成部材16は、図3および図4に示すように、気流形成部材16に供給された気流を、気流形成部材16の径方向外側へ案内するガイド部材52を備えている。
【0099】
ガイド部材52は、長手方向一端部および長手方向他端部が開放され、長手方向一端部の直径が長手方向他端部の直径よりも小径である略円錐台形状に形成され、その稜線は、長手方向他方に向かうに従って径方向外側へ湾曲されている。また、ガイド部材52は、その周端縁において、直杆46の支持部53に上側から当接されるように、長手方向に沿って複数(図3において4つ)配置されている。
【0100】
また、各ガイド部材52の上端部は、より下方に配置されるガイド部材52の方が、より上方に配置されるガイド部材52よりも小径に形成されている。また、ガイド部材52の下端部は、径方向において対向する2つの直杆46の間隔よりも小径に形成されている。
【0101】
そして、各ガイド部材52は、直杆46の径方向内側端部よりも径方向内側において網目40と対向するように、気流形成部材16に固定されている。
【0102】
そして、気流形成部材16は、図1(b)に示すように、その長手方向一端部が上側に配置され、その長手方向他端部が下側に配置されるように、上下方向に沿って、乾燥ホッパ2内の径方向略中央部に配置されている。これにより、気流形成部材16は、乾燥ホッパ2の内壁1に対して水平方向に間隔を隔てて配置されている。より詳しくは、気流形成部材16は、その長手方向すべてにわたって、乾燥ホッパ2の内壁1に対して水平方向に等間隔を隔てて配置されている。
【0103】
吸気ライン17は、図1(a)に示すように、気流形成部材16に、熱風を供給する配管であり、その供給方向上流側端部が大気開放されており、その供給方向下流側端部が気流形成部材16の第1保持部41の上端部に接続されている。
【0104】
また、吸気ライン17の供給方向上流側端部には、第2バルブ10が設けられている。
【0105】
第2バルブ10は、吸気ライン17を閉鎖して、吸気ライン17の供給方向上流側端部からブロワ18へ向かう外気の通過を規制する閉位置と、吸気ライン17を開放して、吸気ライン17の供給方向上流側端部からブロワ18へ向かう外気の通過を許容する開位置とに切り替えられる。
【0106】
ブロワ18は、吸気ライン17の途中に設けられており、吸気ライン17内に気流形成部材16へ向かう気流を発生させる。
【0107】
ヒータ19は、気流形成部材16とブロワ18との間に設けられており、ブロワ18から気流形成部材16へ向かう気流を加熱する。
【0108】
還流ライン20は、乾燥ホッパ2内の空気をブロワ18へ還流させる配管である。還流ライン20の還流方向上流側端部は、乾燥ホッパ2の外壁11と内壁12との間に臨むように乾燥ホッパ2に接続されている。また、還流ライン20の還流方向下流側端部は、吸気ライン17の第2バルブ10とブロワ18との間において、吸気ライン17に接続されている。
【0109】
また、還流ライン20には、第3バルブ23とフィルタ29とが設けられている。
【0110】
第3バルブ23は、還流ライン20を閉鎖して、乾燥ホッパ2からブロワ18へ向かう気流の通過を規制する閉位置と、還流ライン20を開放して、乾燥ホッパ2からブロワ18へ向かう気流の通過を許容する開位置とに切り替えられる。
【0111】
フィルタ29は、還流ライン20の途中に設けられており、還流ライン20を通過する空気に含まれる粉塵などを捕集する。
【0112】
減圧部4は、減圧ライン24、真空ポンプ25および圧縮タンク26を備えている。
【0113】
減圧ライン24は、乾燥ホッパ2内の空気を排気する配管であり、その排気方向上流側端部は、還流ライン20の還流方向上流側端部と第3バルブ23との間において、還流ライン20に接続されている。
【0114】
真空ポンプ25は、減圧ライン24の排気方向下流側端部に接続されており、減圧ライン24を介して乾燥ホッパ2内を排気する。
【0115】
圧縮タンク26は、真空ポンプ25よりも排気方向上流側において、減圧ライン24の途中に設けられており、乾燥ホッパ2から排気される空気に含まれる水分を除去する。
【0116】
また、減圧ライン24の排気方向上流側端部と、圧縮タンク26との間には、第4バルブ27が設けられている。
【0117】
第4バルブ27は、減圧ライン24を閉鎖して、還流ライン20から真空ポンプ25へ向かう気流の通過を規制する閉位置と、減圧ライン24を開放して、還流ライン20から真空ポンプ25へ向かう気流の通過を許容する開位置とに切り替えられる。
【0118】
次いで、乾燥装置1の乾燥動作を説明する。なお、第1バルブ15、第2バルブ10、第3バルブ23および第4バルブ27は、乾燥装置1が作動する前には、すべて開位置に配置されている。
【0119】
乾燥装置1を用いて粉粒体を乾燥させるには、まず、乾燥ホッパ2に粉粒体を充填する。なお、乾燥ホッパ2の下端部には、図示しない開閉弁が設けられており、粉粒体の充填時には、閉位置に配置されている。
【0120】
乾燥ホッパ2に粉粒体を充填するには、粉粒体供給口14から乾燥ホッパ2に粉粒体を供給する。すると、粉粒体が、上下方向に沿って乾燥ホッパ2内に充填される。
【0121】
次いで、乾燥ホッパ2に充填された粉粒体を熱風により加熱し、乾燥する。
【0122】
粉粒体を熱風により乾燥するには、第1バルブ15および第4バルブ27を閉位置に切り替え、ブロワ18およびヒータ19を作動させる。
【0123】
すると、ブロワ18により、ブロワ18から気流形成部材16へ向かう気流が形成される。ブロワ18から気流形成部材16へ向かう気流は、ヒータ19により加熱され、熱風となって気流形成部材16へ送風される。
【0124】
気流形成部材16へ送風された熱風は、図2に示すように、気流形成部材16内を上方から下方へ向かって流れる。このとき、気流形成部材16内を流れる熱風の一部は、上方から下方へ向かう途中で、ガイド部材52によって、下方に向かうに従って、気流形成部材16の径方向略中央部から径方向外側に向かうように案内され、網目40を通過して、乾燥ホッパ2内へ、径方向外側に向かって供給される。すなわち、気流形成部材16は、熱風を、水平方向に向かって供給する。
【0125】
このとき、気流形成部材16から供給された熱風は、図1(b)に示すように、気流形成部材16から乾燥ホッパ2内へ放射状に供給され、乾燥ホッパ2の径方向外側に向かって、粉粒体の隙間を通過する。
【0126】
これにより、粉粒体は、乾燥ホッパ2の径方向内側から加熱されて、乾燥される。
【0127】
そして、粉粒体の隙間を通過した熱風は、乾燥ホッパ2の内壁12の貫通穴28を通過して、内壁12と外壁11との間に流入し、その後、還流ライン20に流入する。
【0128】
還流ライン20に流入した熱風は、還流ライン20内を流れて、吸気ライン17の供給方向上流側端部から流入する空気とともに、再びブロワ18に供給される。
【0129】
次いで、熱風により乾燥された粉粒体を、減圧乾燥により、さらに乾燥させる。
【0130】
粉粒体を減圧乾燥するには、まず、第2バルブ10および第3バルブ23を閉位置に切り替え、第4バルブ27を開位置に切り替える。そして、ブロワ18およびヒータ19を停止させて、真空ポンプ25を作動させる。
【0131】
すると、真空ポンプ25により、乾燥ホッパ2および減圧部4内が減圧される。
【0132】
これにより、乾燥ホッパ2内の粉粒体が減圧乾燥され、乾燥装置1における粉粒体の乾燥動作が完了する。
【0133】
その後、図示しない開閉弁を開位置に切り替えて、乾燥ホッパ2の下端部から、乾燥された粉粒体を排出する。
【0134】
この乾燥装置1によれば、図1(a)に示すように、気流形成部材16の長手方向(上下方向)に沿って配置される各網目40から、乾燥ホッパ2内に熱風が供給される。
【0135】
そのため、気流形成部材16の長手方向において、均一に、乾燥ホッパ2内に熱風を供給することができる。
【0136】
また、
その結果、気流形成部材16の長手方向において、粉粒体を均一に加熱することができ、効率よく粉粒体を乾燥させることができる。
【0137】
また、これにより、粉粒体の充填量に関わらず乾燥度合いをより一定に保つことができ、乾燥された粉粒体の品質を安定させることができる。
【0138】
また、この乾燥装置1によれば、図2に示すように、網目40を、気流形成部材16の長手方向に沿って、互いに間隔を隔てて形成するという簡易な構成で、気流形成部材16の長手方向において均一に、乾燥ホッパ2内に熱風を供給することができる。
【0139】
その結果、簡易な構成で、気流形成部材16の長手方向において、粉粒体を均一に加熱することができ、効率よく粉粒体を乾燥させることができる。
【0140】
また、これにより、簡易な構成で、粉粒体の充填量に関わらず乾燥度合いをより一定に保つことができ、乾燥された粉粒体の品質を安定させることができる。
【0141】
また、この乾燥装置1によれば、図2に示すように、網目40は、気流形成部材16の長手方向において、互いに等間隔を隔てて配置されている。
【0142】
そのため、気流形成部材16の長手方向において、より均一に、乾燥ホッパ2内に熱風を供給することができる。
【0143】
その結果、気流形成部材16の長手方向において、より均一に、加熱することができ、より効率よく粉粒体を乾燥させることができる。
【0144】
また、この乾燥装置1によれば、図2に示すように、網目40は、気流形成部材16の周方向に沿って、互いに間隔を隔てて複数形成されている。
【0145】
そのため、簡易な構成で、気流形成部材16の周方向において、粉粒体を均一に加熱することができ、より効率よく粉粒体を乾燥させることができる。
【0146】
また、これにより、簡易な構成で、粉粒体の充填量に関わらず乾燥度合いを、より一層、一定に保つことができ、乾燥された粉粒体の品質を安定させることができる。
【0147】
また、この乾燥装置1によれば、図1(a)に示すように、通過箇所として機能する網目40は、長手方向において、乾燥ホッパ2の充填可能領域Fの30%以上(本実施形態では70%)に対応するように、設けられている。
【0148】
そのため、粉粒体を乾燥ホッパ2内に最大限充填した場合においても、気流形成部材16の長手方向において、均一に、乾燥ホッパ2に熱風を供給することができる。
【0149】
その結果、気流形成部材16の長手方向において、粉粒体をより均一に加熱することができる。
【0150】
また、この乾燥装置1によれば、網目40が粉粒体の最小長さよりも短い開口長さを有するため、粉粒体が網目40に入ることを低減して、粉粒体が網目40に詰まることを低減することができる。
【0151】
また、上記した特許文献1に記載の乾燥装置1では、熱風を、乾燥ホッパーに粉粒体が充填される方向(上下方向)に作用させるため、粉粒体の充填量によって、熱風の圧力損失(圧損)が変動するという不具合がある。具体的には、粉粒体の充填量が増加するに従って、熱風の圧損が大きくなり、熱風が流れにくくなる。
【0152】
そのため、上記した特許文献1に記載の乾燥装置1では、粉粒体の充填量が増加するに従って、粉粒体を乾燥することが困難になるという不具合がある。
【0153】
しかし、この乾燥装置1では、図1(a)に示すように、気流形成部材16は、熱風を水平方向に向かって供給している。
【0154】
そのため、粉粒体が充填される方向(上下方向)と直交する水平方向において、粉粒体に熱風を作用させることができる。
【0155】
これにより、粉粒体が乾燥ホッパ2に多量に充填された場合に、熱風の圧損を低減することができ、より効率よく、均一に、熱風を粉粒体に作用させることができる。また、熱風の圧損が低減されているため、熱風の風速を速くすることができる。
【0156】
その結果、粉粒体の充填量に関わらず、粉粒体を均一に加熱することができ、より一層効率よく粉粒体を乾燥させることができる。
【0157】
また、この乾燥装置1によれば、図1(a)に示すように、乾燥ホッパ2の内壁12が排出部として作用する。
【0158】
そのため、乾燥ホッパ2の内壁12に沿って、熱風を排出することができる。
【0159】
その結果、乾燥ホッパ2の内容量を確保しつつ、粉粒体の均一な乾燥を達成することができる。
【0160】
また、この乾燥装置1によれば、図1(a)に示すように、気流形成部材16は、その長手方向すべてにわたって、乾燥ホッパ2の内壁12に対して、水平方向に等間隔を隔てて配置されている。
【0161】
そのため、気流形成部材16と、乾燥ホッパ2の内壁12とが、等間隔を隔てて配置されている部分において、より均一に、粉粒体を乾燥させることができる。
【0162】
また、この乾燥装置1によれば、気流形成部材16が乾燥ホッパ2の内壁12に対して間隔を隔てて設けられている。すなわち、気流形成部材16が乾燥ホッパ2の中央付近に設けられている。
【0163】
そのため、熱風を乾燥ホッパ2の中央から供給して、乾燥ホッパ2の中央から粉粒体を加熱することができる。
【0164】
また、減圧乾燥時に熱風の供給が停止されたとしても、加熱乾燥時に供給された熱風の熱が、乾燥ホッパ2の設置環境の影響(例えば、外気温の影響)によって失われることを抑制でき、熱風の熱を効率よく保温することができる。
【0165】
その結果、より効率よく粉粒体を乾燥させることができる。
(第2実施形態)
図5は、本発明の乾燥装置の第2実施形態を示し、(a)は、乾燥装置の概略構成図であり、(b)は、(a)に示す乾燥ホッパのB−B断面図である。なお、図5において、第1実施形態と同様の部材には、第1実施形態と同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0166】
上記した第1実施形態では、吸気ライン17の供給方向下流側端部に気流形成部材16を接続し、還流ライン20の還流方向上流側端部を乾燥ホッパ2に接続して、乾燥ホッパ2内の径方向略中央に配置される気流形成部材16から、乾燥ホッパ2の内壁12に向かって熱風を供給したが、第2実施形態では、図3(a)に示すように、吸気ライン17の供給方向下流側端部を乾燥ホッパ2に接続し、還流ライン20の還流方向上流側端部に気流形成部材16(排出部の一例)に接続して、乾燥ホッパ2の内壁12から、乾燥ホッパ2内の径方向略中央に配置される気流形成部材16に向かって熱風を供給してもよい。
【0167】
第2実施形態では、乾燥ホッパ2の内壁12に形成される各貫通穴28は、粉粒体の通過を規制しながら空気の通過を許容するように、粉粒体の最小長さよりも短い開口長さを有している。
【0168】
また、各貫通穴28は、上下方向に互いに等間隔を隔てて形成されている。
【0169】
また、貫通穴28は、上下方向において、乾燥ホッパ2の充填可能領域Fの30%以上、好ましくは、50%以上に対応するように、形成されている。
【0170】
また、吸気ライン17は、その供給方向上流側端部が大気開放されており、その供給方向下流側端部が、乾燥ホッパ2の外壁11と内壁12との間に臨むように乾燥ホッパ2の上端部に接続されている。
【0171】
また、還流ライン20の還流方向上流側端部は、気流形成部材16の上端部に接続されており、還流ライン20の還流方向下流側端部は、吸気ライン17の供給方向上流側端部と、ブロワ18との間において、吸気ライン17に接続されている。
【0172】
そして、第1乾燥工程において、粉粒体を熱風により乾燥するには、第1バルブ15および第4バルブ27を閉位置に切り替え、ブロワ18およびヒータ19を作動させる。
【0173】
すると、ブロワ18により、ブロワ18から乾燥ホッパ2へ向かう気流が形成される。ブロワ18から乾燥ホッパ2へ向かう気流は、ヒータ19により加熱され、熱風となって乾燥ホッパ2の外壁11と内壁12との間へ送風される。
【0174】
乾燥ホッパ2へ送風された熱風は、外壁11と内壁12との間を上方から下方へ向かって流れる。すると、外壁11と内壁12との間を流れる熱風は、内壁12の貫通穴28(通過箇所の一例)を通過して、乾燥ホッパ2内へ、径方向内側に向かって供給される。すなわち、乾燥ホッパ2の内壁12は、供給部として機能する。
【0175】
そして、内壁12の貫通穴28から供給された熱風は、図3(b)に示すように、乾燥ホッパ2の径方向内側に向かって、粉粒体の隙間を通過する。
【0176】
これにより、粉粒体は、加熱されて、乾燥される。
【0177】
そして、粉粒体の隙間を通過した熱風は、気流形成部材16の網目40を通過して、気流形成部材16内に流入し、その後、還流ライン20に流入する。
【0178】
還流ライン20に流入した熱風は、還流ライン20内を流れて、吸気ライン17の供給方向上流側端部から流入する空気とともに、再びブロワ18に供給される。
【0179】
第2実施形態の乾燥装置1においても、上記した第1実施形態と同様の作用効果をえることができる。
【0180】
また、第2実施形態の乾燥装置1によれば、乾燥ホッパ2の内壁12が供給部として作用し、気流形成部材16が、乾燥ホッパ2の内壁12に対して間隔を隔てて、すなわち、乾燥ホッパ2の中央付近に設けられている。
【0181】
そのため、乾燥ホッパ2の内壁12から中央へ向かって収束させるように、熱風を供給することができる。
【0182】
これにより、供給された熱風の温度が、乾燥ホッパ2の設置環境の影響(例えば、外気温などの影響)によって、水平方向において変動すること(具体的には、乾燥ホッパ2が外気によって冷却されることにより、乾燥ホッパ2の内壁12近傍の温度が、乾燥ホッパ2の中央近傍の温度よりも低くなる場合)を抑制できる。
【0183】
その結果、乾燥ホッパ2の内壁12近傍と、気流形成部材16近傍との温度差を低減することができ、より均一に粉粒体を乾燥させることができる。
(第3実施形態)
図6は、本発明の乾燥装置の第3実施形態を示し、(a)は、乾燥装置の概略構成図であり、(b)は、(a)に示す乾燥ホッパのC−C断面図である。なお、図6において、第1実施形態と同様の部材には、第1実施形態と同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0184】
上記した第1実施形態では、上側部分が略円筒形状の乾燥ホッパ2の径方向略中央に気流形成部材16を設け、吸気ライン17の供給方向下流側端部に気流形成部材16を接続し、還流ライン20の還流方向上流側端部を乾燥ホッパ2に接続して、気流形成部材16から乾燥ホッパ2の内壁12に向かって熱風を供給している。
【0185】
しかし、第3実施形態では、図4(b)に示すように、乾燥ホッパ30の上側部分を略角筒形状に形成し、乾燥ホッパ2の水平方向一方側(図4における紙面右側)の供給側内壁31から、水平方向他方側(図4における紙面左側)の排出側内壁32へ向かって熱風を供給してもよい。
【0186】
第3実施形態では、乾燥ホッパ30は、略角筒形状の上側部分と、下方に向かって開口断面積が小さくなる略角錐形状の下側部分とが連続するように形成されている。また、乾燥ホッパ30は、外壁33と、水平方向一方側において供給側内壁31(供給部の一例)と、水平方他方側において排出側内壁32(排出部の一例)とを備えている。
【0187】
外壁33は、乾燥ホッパ30の外側を構成し、略角筒形状の上側部分と、下方に向かって開口断面積が小さくなる略角錐形状の下側部分とが連続するように形成されている。
【0188】
供給側内壁31は、多数の貫通穴34(通過箇所の一例)が形成されたパンチングメタルからなり、水平方向一方側の外壁33の内方において、わずかに間隔を隔てて設けられている。
【0189】
排出側内壁32は、供給側内壁31と同様に、多数の貫通穴34が形成されたパンチングメタルからなり、水平方向他方側の外壁33の内方において、わずかに間隔を隔てて設けられている。
【0190】
各貫通穴34は、粉粒体の通過を規制しながら空気の通過を許容するように、粉粒体の最小長さよりも短い開口長さを有している。
【0191】
また、各貫通穴34は、上下方向に等間隔を隔てて形成されている。
【0192】
また、貫通穴34は、上下方向において、乾燥ホッパ30の充填可能領域Fの30%以上、好ましくは、50%以上に対応するように、設けられている。
【0193】
そして、吸気ライン17は、その供給方向上流側端部が大気開放されており、その供給方向下流側端部が、乾燥ホッパ2の外壁33と供給側内壁31との間に臨むように乾燥ホッパ2の上端部に接続されている。
【0194】
また、還流ライン20の還流方向上流側端部は、乾燥ホッパ2の外壁33と排出側内壁32との間に臨むように乾燥ホッパ2の上端部に接続されており、還流ライン20の還流方向下流側端部は、吸気ライン17の供給方向上流側端部とブロワ18との間において、吸気ライン17に接続されている。
【0195】
そして、第1乾燥工程において、粉粒体を熱風により乾燥するには、第1バルブ15および第4バルブ27を閉位置に切り替え、ブロワ18およびヒータ19を作動させる。
【0196】
すると、ブロワ18により、ブロワ18から乾燥ホッパ2へ向かう気流が形成される。ブロワ18から乾燥ホッパ2へ向かう気流は、ヒータ19により加熱され、熱風となって乾燥ホッパ2の外壁33と供給側内壁31との間へ送風される。
【0197】
乾燥ホッパ2へ送風された熱風は、外壁33と供給側内壁31との間を上方から下方へ向かって流れる。すると、外壁33と供給側内壁31との間を流れる熱風は、供給側内壁31の貫通穴34を通過して、乾燥ホッパ2内へ、水平方向に向かって供給される。
【0198】
そして、供給側内壁31の貫通穴34から供給された熱風は、図3(b)に示すように、乾燥ホッパ2の径方向内側に向かって、粉粒体の隙間を通過する。
【0199】
これにより、粉粒体は、加熱されて、乾燥される。
【0200】
そして、粉粒体の隙間を通過した熱風は、排出側内壁32の貫通穴34を通過して、排出側内壁32と外壁33との間に流入し、その後、還流ライン20に流入する。
【0201】
還流ライン20に流入した熱風は、還流ライン20内を流れて、吸気ライン17の供給方向上流側端部から流入する空気とともに、再びブロワ18に供給される。
【0202】
第3実施形態の乾燥装置1においても、上記した第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0203】
また、第3実施形態の乾燥装置1によれば、乾燥ホッパ2の供給側内壁31に沿って熱風を供給し、乾燥ホッパ2の排出側内壁32に沿って熱風を排出することができる。
【0204】
そのため、乾燥ホッパ2の内容量を確保しつつ、粉粒体の均一な乾燥を達成することができる。
【0205】
また、第3実施形態の乾燥装置1によれば、乾燥ホッパ30の内壁として、排出側内壁32を設けるとともに供給側内壁31を設けるので、構成をより簡略化することができる。
(第4実施形態)
図7は、本発明の乾燥装置の第4実施形態に設けられる気流形成部材を示す概略構成図である。なお、図7において、第1実施形態と同様の部材には、第1実施形態と同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0206】
上記した第1実施形態では、気流形成部材16は、各直杆46と各リング杆47とが、多数の略矩形状の網目40を形成するように、互いに交差される網状に形成されているが、第4実施形態では、気流形成部材16は、多数の貫通穴61を有するパンチングメタルからなる略円筒形状に形成されている。
【0207】
第4実施形態では、貫通穴61は、粉粒体の通過を規制しながら空気の通過を許容するように、粉粒体の最小長さよりも短い開口長さを有している。
【0208】
また、各貫通穴61は、気流形成部材16の長手方向に等間隔を隔てて形成されている。
【0209】
また、貫通穴61は、長手方向において、乾燥ホッパ2の充填可能領域Fの30%以上、好ましくは、50%以上に対応するように、形成されている。
【0210】
第4実施形態の乾燥装置1においても、上記した第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
(その他の変形例)
なお、上記した第1実施形態では、気流形成部材16には、多数の略矩形状の網目40を形成されているが、気流形成部材16には、その長手方向に延びるスリットが形成されていてもよい。
【0211】
また、上記した第1実施形態では、図2に示すように、網目40の開口長さは、ほぼ均等に形成されているが、特に限定されず、例えば、長手方向他端側に向かうに従って、徐々に網目40の開口長さが長くなるように形成してもよい。
【0212】
また、上記した第1実施形態では、網部42の長手方向一方側半分部分を、網部42の長手方向他方側半分部分よりも高い開口率を有するように形成した。
【0213】
しかし、網部42は、長手方向一方側半分部分と長手方向他方側半分部分との2つの領域に分割される場合に限られず、3つ以上の複数の領域に分割されてもよい。また、各領域の開口率は、互いに等しくてもよく、長手方向において一方から他方に向かうに従って大きくなってもよく、また、長手方向において一方から他方に向かうに従って小さくなってもよい。
【0214】
また、上記した第1実施形態では、ガイド部材52は、その稜線が長手方向他方に向かうに従って径方向外側へ湾曲される略円錐台形状に形成されているが、ガイド部材52の形状は、気流形成部材16の長手方向に沿って供給される気流を、気流形成部材16の径方向に向かうように案内できれば特に限定されない。
【0215】
ガイド部材52の形状としては、例えば、単なる円錐台形状や、複数の羽根を有するプロペラ形状などが挙げられる。
【0216】
ガイド部材52の形状がプロペラ形状である場合には、例えば、図8に示すように、気流形成部材16に、長手方向に沿って延びる回転軸71を設け、ガイド部材52を回転軸71に対して相対回転可能に設けることもできる。
【0217】
ガイド部材52が回転可能であると、気流形成部材16に熱風が供給されたときには、ガイド部材52は、熱風を径方向に案内するとともに、熱風によって回転される。
【0218】
これにより、気流形成部材16は、周方向において、均一に熱風を供給することができる。
【0219】
また、上記した第1実施形態では、図2に示すように、第1保持部41は、長手方向に延びる略円筒形状の筒部44と、筒部44の他端部から、径方向外側へ突出する略円板形状の鍔部45とを備えている。
【0220】
しかし、第1保持部41は、長手方向に延びる略円筒形状に形成されていてもよく、また、図9に示すように、ガイド部材52と同様に、長手方向一端部および長手方向他端部が開放され、長手方向一端部の直径が長手方向他端部の直径よりも小径である略円錐台形状に形成され、その稜線は、長手方向他方に向かうに従って径方向外側へ湾曲されていてもよい。
【0221】
この変形例によれば、気流形成部材16内に供給された熱風が、第1保持部41の近傍で乱れることを抑制することができる。
【0222】
また、上記した第1実施形態では、気流形成部材16の長手方向他端部に第2保持部43を設けたが、第2保持部43を設けず、気流形成部材16の長手方向他端部を開放しておいてもよい。
【0223】
気流形成部材16に第2保持部43を設けない場合には、網部42の長手方向他端部を、長手方向他方へ向かうに従って、徐々に拡径されるように形成してもよく、また、長手方向他方へ向かうに従って、一旦拡径された後、縮径されるように形成してもよい。
【0224】
また、上記した第1実施形態では、気流形成部材16をそのまま乾燥ホッパ2内に設けたが、熱風の圧損への影響が少なく、熱風の流れに支障がない範囲で、気流形成部材16の周囲を目詰まり防止フィルタで被覆し、その気流形成部材16を乾燥ホッパ2内に設けてもよい。
【符号の説明】
【0225】
1 乾燥装置
2 乾燥ホッパ(貯留槽)
12 内壁(供給部、排出部)
16 気流形成部材(供給部、排出部)
28 貫通穴(通過箇所)
30 乾燥ホッパ(貯留槽)
31 供給側内壁(供給部)
32 排出側内壁(排出部)
34 貫通穴(通過箇所)
40 網目(通過箇所)
61 貫通穴(通過箇所)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉粒体を貯留する貯留槽と、
前記貯留槽内に配置され、乾燥媒体を供給する供給部とを備え、
前記供給部には、乾燥媒体の通過を許容する通過箇所が、前記供給部が延びる方向に沿って配置されていることを特徴とする、乾燥装置。
【請求項2】
前記通過箇所は、前記供給部が延びる方向に沿って、互いに間隔を隔てて複数形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の乾燥装置。
【請求項3】
各前記通過箇所は、前記供給部が延びる方向において、互いに等間隔を隔てて配置されていることを特徴とする、請求項2に記載の乾燥装置。
【請求項4】
前記通過箇所は、前記供給部の周方向に沿って、互いに間隔を隔てて複数形成されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の乾燥装置。
【請求項5】
前記通過箇所は、前記供給部が延びる方向において、前記貯留槽における粉粒体を最大限充填し得る充填可能領域の30%以上に対応するように、形成されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の乾燥装置。
【請求項6】
前記供給部は、乾燥媒体を、前記供給部が延びる方向と直交する直交方向に向かって供給することを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の乾燥装置。
【請求項7】
前記貯留槽の内壁において、前記貯留槽内から乾燥媒体を排出する排出部、および/または、前記供給部を備えていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の乾燥装置。
【請求項8】
前記供給部の少なくとも一部が、前記排出部に対して、前記直交方向に等間隔を隔てて配置されていることを特徴とする、請求項7に記載の乾燥装置。
【請求項9】
前記供給部は、前記貯留槽の内壁に対して、前記供給部が延びる方向と直交する直交方向に間隔を隔てて配置されており、
前記排出部は、前記貯留槽の内壁に設けられていることを特徴とする、請求項7または8に記載の乾燥装置。
【請求項10】
前記排出部は、前記貯留槽の内壁に対して、前記排出部が延びる方向と直交する直交方向に間隔を隔てて配置されており、
前記供給部は、前記貯留槽の内壁に設けられていることを特徴とする、請求項7または8に記載の乾燥装置。
【請求項11】
前記供給部は、前記直交方向一方側の内壁に設けられており、
前記排出部は、前記直交方向他方側の内壁に設けられていることを特徴とする、請求項7または8に記載の乾燥装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−202829(P2011−202829A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−68975(P2010−68975)
【出願日】平成22年3月24日(2010.3.24)
【出願人】(000129183)株式会社カワタ (120)
【Fターム(参考)】