説明

予約管理装置、経路誘導装置、予約管理方法、経路誘導方法、予約管理プログラム、経路誘導プログラムおよび記録媒体

【課題】駐車場の利用を希望するユーザに適切な情報を提供すること。
【解決手段】予約管理装置110は、駐車場の駐車区画に対する予約を管理する。受信部111は、駐車場に対する予約要求を経路誘導装置120から受信する。検知部112は、駐車場における空き駐車区画の有無を検知する。予約部113は、予約要求を受信した時点において空き駐車区画がある場合、予約要求に対応する空き駐車区画への予約を成立させる。送信部114は、駐車場への予約結果に関する情報を予約要求の送信元に送信する。送信部114は、予約要求を受信した時点において空き駐車区画がない場合、空き駐車区画の発生に伴って、所定の情報を予約要求の送信元である経路誘導装置120に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、駐車場の駐車区画に対する予約を管理する予約管理装置、予約管理方法、予約管理プログラムおよび記録媒体に関する。また、この発明は、駐車場への予約をおこなう経路誘導装置、経路誘導方法、経路誘導プログラムおよび記録媒体に関する。ただし、この発明の利用は、上述した予約管理装置、経路誘導装置、予約管理方法、経路誘導方法、予約管理プログラム、経路誘導プログラムおよび記録媒体に限られない。
【背景技術】
【0002】
従来、経路誘導装置で設定された目的地の周辺の駐車場を検索し、検索された駐車場の予約をおこなう駐車場予約システムが考案されている(たとえば、下記特許文献1参照)。下記特許文献1では、ナビゲーションシステムによって目的地の位置情報を含む予約条件を指定し、その予約条件データを電話回線を介して駐車場管理ホストに送信する。駐車場管理ホストは、予約条件データなどに基づいて空き駐車区画のある駐車場を検索する。そして、ナビゲーションシステムから予約指示を受けて、駐車場管理ホストは、検索された駐車場の空き駐車区画を予約する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−078331号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の従来技術にあっては、駐車場を予約しようとする際、その駐車場に空き駐車区画がない(すなわち、満車である)場合には、予約をおこなうことができないという問題点が一例として挙げられる。予約をおこなうことができない場合、ユーザは駐車場を利用できるか否か不確定なまま目的地に向かうか、確実に駐車できる駐車場を検索し直す必要がある。
【0005】
また、駐車場の空き状況は刻々と変化するが、従来技術では、ユーザが利用を希望する駐車場に空きが発生しても、その直後に駐車場に到着した車に空き駐車区画を利用されてしまう可能性が高い。このように、上述した従来技術では、予約システムを利用する実益を得ることができない場合が多いという問題点が一例として挙げられる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1の発明にかかる予約管理装置は、駐車場の駐車区画に対する予約を管理する予約管理装置であって、前記駐車場に対する予約要求を受信する受信手段と、前記駐車場における空き駐車区画の有無を検知する検知手段と、前記予約要求を受信した時点において前記空き駐車区画がある場合、前記予約要求に対応する前記空き駐車区画への予約を成立させる予約手段と、前記駐車場への予約結果に関する情報を前記予約要求の送信元に送信する送信手段と、を備え、前記送信手段は、前記予約要求を受信した時点において前記空き駐車区画がない場合、前記空き駐車区画の発生に伴って、所定の情報を前記予約要求の送信元に送信することを特徴とする。
【0007】
また、請求項7の発明にかかる経路誘導装置は、車両の走行経路を誘導する経路誘導装置であって、目的地の候補地点を検索する検索手段と、前記検索手段によって検索された候補地点周辺の駐車場を抽出する抽出手段と、前記抽出手段によって抽出された駐車場に対する予約要求を、前記駐車場の駐車区画に対する予約を管理する予約管理装置に送信する送信手段と、前記予約管理装置から前記予約結果に関する情報を受信する受信手段と、前記予約結果に関する情報に基づいて前記目的地を設定する設定手段と、を備え、前記受信手段は、前記駐車場の空き駐車区画がない場合にそれ以降に発生する前記空き駐車区画への仮予約に関する情報を受信するとともに、前記空き駐車区画が発生した場合に前記仮予約に基づく通常の予約に関する情報を受信し、前記設定手段は、前記受信手段から前記仮予約に関する情報を受信した場合に前記目的地を前記候補地点に設定し、その後、前記通常の予約に関する情報を受信した場合に前記目的地を前記駐車場に変更することを特徴とする。
【0008】
また、請求項8の発明にかかる予約管理方法は、駐車場の駐車区画に対する予約を管理する予約管理装置における予約管理方法であって、前記駐車場における空き駐車区画の有無を検知する検知工程と、前記駐車場に対する前記予約要求を受信する受信工程と、前記予約要求を受信した時点において前記空き駐車区画がある場合、前記予約要求に対応する前記空き駐車区画への予約を成立させる予約工程と、前記駐車場への予約結果に関する情報を前記予約要求の送信元に送信する第1の送信工程と、前記予約要求を受信した時点において前記空き駐車区画がない場合、前記空き駐車区画の発生に伴って、所定の情報を前記予約要求の送信元に送信する第2の送信工程と、を含んだことを特徴とする。
【0009】
また、請求項9の発明にかかる経路誘導方法は、車両の走行経路を誘導する経路誘導装置における経路誘導方法であって、目的地の候補地点を検索する検索工程と、前記検索工程で検索された候補地点周辺の駐車場を抽出する抽出工程と、前記抽出工程で抽出された駐車場に対する予約要求を、前記駐車場の駐車区画に対する予約を管理する予約管理装置に送信する送信工程と、前記予約管理装置から前記予約結果に関する情報を受信する受信工程と、前記予約結果に関する情報に基づいて前記目的地を設定する設定工程と、を含み、前記受信工程では、前記駐車場の空き駐車区画がない場合にそれ以降に発生する前記空き駐車区画への仮予約に関する情報を受信するとともに、前記空き駐車区画が発生した場合に前記仮予約に基づく通常の予約に関する情報を受信し、前記設定工程では、前記受信工程で前記仮予約に関する情報を受信した場合に前記目的地を前記候補地点に設定し、その後、前記通常の予約に関する情報を受信した場合に前記目的地を前記駐車場に変更することを特徴とする。
【0010】
また、請求項10の発明にかかる予約管理プログラムは、請求項8に記載の予約管理方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0011】
また、請求項11の発明にかかる経路誘導プログラムは、請求項9に記載の経路誘導方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0012】
また、請求項12の発明にかかる記録媒体は、請求項10に記載の予約管理プログラムまたは請求項11に記載の経路誘導プログラムをコンピュータに読み取り可能な状態で記録したことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施の形態にかかる駐車場予約システムの機能的構成を示すブロック図である。
【図2】予約管理装置による駐車場管理処理の手順を示すフローチャートである。
【図3】経路誘導装置による予約要求処理の手順を示すフローチャートである。
【図4】実施例にかかる駐車場予約システムのシステム構成を示す説明図である。
【図5】ナビゲーション装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図6】駐車場管理サーバによる予約管理処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】ナビゲーション装置による予約要求処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る予約管理装置、経路誘導装置、予約管理方法、経路誘導方法、予約管理プログラム、経路誘導プログラムおよび記録媒体の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0015】
(実施の形態)
図1は、実施の形態にかかる駐車場予約システムの機能的構成を示すブロック図である。実施の形態にかかる駐車場予約システム100は、予約管理装置110と経路誘導装置120とで構成される。図1に示す駐車場予約システム100では、予約要求をおこなう端末として経路誘導装置120を用いているが、これに限らず、たとえば携帯電話やパーソナルコンピュータなどの情報処理端末から予約要求をおこなってもよい。
【0016】
予約管理装置110は、受信部111、検知部112、予約部113、送信部114によって構成され、駐車場の駐車区画に対する予約を管理する。予約管理装置110は、複数の駐車場のそれぞれの駐車区画に対する予約を管理していてもよい。また、図1には経路誘導装置120を1つのみ示しているが、予約管理装置110は、複数の経路誘導装置120(または他の情報処理端末)からの予約を管理するようにしてもよい。
【0017】
受信部111は、経路誘導装置120から送信された駐車場に対する予約要求を受信する。予約要求には、ブラウザやメールなどを用いたデータ通信の他、電話などを用いてもよい。また、予約要求には、たとえば、予約を希望する時間(駐車場に到着する時刻や利用予定時間の情報など)が含まれていてもよい。
【0018】
検知部112は、駐車場における空き駐車区画の有無を検知する。予約管理装置110が複数の駐車場の駐車区画への予約を管理する場合、検知部112は、複数の駐車場それぞれの空き区画の有無を検知する。検知部112は、たとえば、駐車場内に設置されたセンサからの出力データや料金回収機の稼働状況、画像認識などによって、空き駐車区画の有無を検知する。
【0019】
予約部113は、予約要求を受信した時点において空き駐車区画がある場合、予約要求に対応する空き駐車区画への予約を成立させる。また、予約部113は、予約要求を受信した時点において空き駐車区画がない場合、予約要求に対応して、以降に発生する空き駐車区画への仮予約を成立させるようにしてもよい。
【0020】
仮予約とは、以降に発生する空き駐車区画を仮に予約するものである。仮予約をおこなった場合、空き駐車区画が発生すると、その空き駐車区画に対して仮予約に基づく通常の予約をおこなうことができる。しかし、ユーザ側では、状況の変化(たとえば目的地の変更など)により、駐車場を利用する必要がなくなる可能性がある。このため、予約管理装置110は、仮予約された駐車場に空き駐車区画が発生すると、通常の予約をおこなうか否かを確認する確認情報を経路誘導装置120に送信する。これにより、ユーザの状況に合わせて駐車場の予約をおこなうことができる。なお、確認情報を送信せずに、空きが発生した場合にはそのまま通常の予約をおこなうようにしてもよい。
【0021】
送信部114は、駐車場への予約結果に関する情報を予約要求の送信元に送信する。予約結果に関する情報とは、たとえば、駐車場への予約成立、仮予約の成立、予約が成立しなかった旨などを通知する情報である。予約結果に関する情報の送信は、ブラウザやメールなどのデータ通信の他、電話などを用いてもよい。
【0022】
また、送信部114は、予約要求を受信した時点において空き駐車区画がない場合、空き駐車区画の発生に伴って、所定の情報を予約要求の送信元に送信する。所定の情報とは、たとえば、空き駐車区画が発生した旨の情報や、仮予約が成立している場合に仮予約に基づいて通常の予約をおこなうか否かを確認する確認情報である。
【0023】
また、予約管理装置110が複数の駐車場の駐車区画に対する予約を管理している場合、送信部114は、予約が要求されている駐車場に空き駐車区画がない場合、その駐車場の近隣に位置し、かつ空き駐車区画がある他の駐車場の情報を送信する。また、1つの駐車場に対して複数の送信元から予約要求を受信した場合、予約部113は、複数の送信元それぞれに対して仮予約を成立させる。空き駐車区画が発生すると、送信部114は、予約要求を受信した順番に基づいて複数の送信元のいずれかに通常の予約をおこなうか否かの確認情報を送信する。
【0024】
経路誘導装置120の説明に移り、経路誘導装置120は、検索部121、抽出部122、送信部123、受信部124、設定部125によって構成される。経路誘導装置120は、車両に搭載され、車両の走行経路を誘導する。
【0025】
検索部121は、目的地の候補地点を検索する。検索部121は、たとえば、ユーザから指定された目的地の条件(ジャンルや住所など)に適合する地物を地図データから検索して目的地の候補とする。
【0026】
抽出部122は、検索部121によって検索された候補地点周辺の駐車場を抽出する。抽出部122は、たとえば、候補地点周辺の地図データを用いて、候補地点周辺の駐車場を抽出する。なお、抽出部122は、複数の駐車場を抽出するようにしてもよい。
【0027】
送信部123は、抽出部122によって抽出された駐車場に対する予約要求を、駐車場の駐車区画に対する予約を管理する予約管理装置110に送信する。予約要求は、ブラウザやメールなどのデータ通信の他、電話などを用いてもよい。送信部123は、車両が駐車場に到着する時刻や利用予定時間の情報に基づいて、予約要求に予約希望時間の情報を含めるようにしてもよい。
【0028】
受信部124は、予約管理装置110から予約結果に関する情報を受信する。予約結果に関する情報とは、上述のように、駐車場への予約成立、仮予約の成立、予約が成立しなかった旨などを通知する情報などである。予約結果に関する情報も、ブラウザやメールなどを用いたデータ通信の他、電話などを用いて受信してもよい。
【0029】
設定部125は、予約結果に関する情報に基づいて目的地を設定する。設定部125は、たとえば、駐車場への予約が成立した場合には、駐車場を目的地として設定する。また、予約要求を送信した時点において駐車場に空き駐車区画がなく、仮予約をおこなった場合、設定部125は、目的地を候補地点(行き先の地物そのもの)に設定する。そして、空き駐車区画が発生し、仮予約に基づく通常の予約をおこなうかの確認情報を受信した場合、設定部125は目的地を駐車場に変更する。このようにすることで、ユーザは行き先の地物に向かいつつ、駐車場に空きが出るのを待ち、空きが出た場合には、その駐車場を目的地として移動することができる。
【0030】
図2は、予約管理装置による駐車場管理処理の手順を示すフローチャートである。図2のフローチャートにおいて、予約管理装置110は、経路誘導装置120から駐車場の予約要求を受信するまで待機する(ステップS201:Noのループ)。予約要求を受信すると(ステップS201:Yes)、予約管理装置110は、検知部112によって検知された情報に基づいて、駐車場に空き駐車区画があるか否かを判断する(ステップS202)。
【0031】
空き駐車区画がある場合(ステップS202:Yes)、予約管理装置110は、ステップS207に移行する。一方、空き駐車区画がない場合(ステップS202:No)、予約管理装置110は、経路誘導装置120に対して駐車場の仮予約を成立させる(ステップS203)。予約管理装置110は、空き駐車区画が発生するまで待機して(ステップS204:Noのループ)、空き駐車区画が発生すると(ステップS204:Yes)、経路誘導装置120に仮予約に基づいて通常の予約をおこなうか否かを確認する確認情報を送信する(ステップS205)。
【0032】
仮予約に基づく通常の予約をおこなう場合(ステップS206:Yes)、予約管理装置110は、空き駐車区画に対する予約を成立させ(ステップS207)、経路誘導装置120に対して予約の成立を通知して(ステップS208)、本フローチャートによる処理を終了する。一方、予約をおこなわない場合(ステップS206:No)、予約管理装置110は、そのまま本フローチャートによる処理を終了する。
【0033】
図3は、経路誘導装置による予約要求処理の手順を示すフローチャートである。図3のフローチャートにおいて、経路誘導装置120は、まず、検索部121によって目的地の候補地点を検索する(ステップS301)。つぎに、経路誘導装置120は、ステップS301で検索した候補地点周辺の駐車場を抽出し(ステップS302)、抽出した駐車場に対する予約要求を予約管理装置110に送信する(ステップS303)。
【0034】
経路誘導装置120は、予約管理装置110から受信した予約結果に関する情報に基づいて、駐車場への予約が成立したか否かを判断し(ステップS304)、予約が成立した場合は(ステップS304:Yes)、ステップS307に移行する。一方、予約が成立しなかった場合は(ステップS304:No)、駐車場は仮予約の状態にあるため、経路誘導装置120は、ステップS301で検索した候補地点を目的地に設定する(ステップS305)。この後、経路誘導装置120を搭載した車両は、目的地に向かって走行を開始する。
【0035】
経路誘導装置120は、予約管理装置110から駐車場に空きが発生したことが通知されるまで待機する(ステップS306:Noのループ)。ここで、空きの発生の通知は、仮予約に基づいて通常の予約をおこなうか否かを確認する確認情報に対応する。空きの発生が通知されると(ステップS306:Yes)、経路誘導装置120は、確認情報に対応して予約をおこなう旨を通知するとともに、予約が成立した駐車場を目的地に設定して(ステップS307)、本フローチャートによる処理を終了する。また、フローチャートには示されていないが、空きの発生が通知されるまでに目的地に到達した場合は、そのまま本フローチャートによる処理を終了する。
【0036】
以上説明したように、実施の形態にかかる予約管理装置110によれば、経路誘導装置120から予約要求を受信した駐車場に空き駐車区画がない場合、空き駐車区画の発生に伴って所定の情報を経路誘導装置120に送信する。これにより、経路誘導装置120のユーザは、利用を希望する駐車場の空き状況に関する情報を得ることができ、利用を希望する駐車場が満車であっても、その周辺で空きが発生するまで待機する必要がなくなる。このため、満車時における駐車場周辺の道路の混雑を緩和することができる。
【0037】
予約管理装置110は、具体的には、たとえば空き駐車区画が発生した旨の情報を経路誘導装置120に送信する。これにより、経路誘導装置120のユーザは、利用を希望する駐車場に空きが発生した時点で再度予約要求をおこなうことができる。
【0038】
また、予約管理装置110は、たとえば、予約要求に対応して、以降に発生する空き駐車区画への仮予約を成立させ、空き駐車区画が発生した場合には通常の予約をおこなうか否かを確認する確認情報を送信する。予約管理装置110は、経路誘導装置120からの予約要求の受信順序に基づいて、仮予約の優先順位を管理する。これにより、経路誘導装置120のユーザは、利用を希望する駐車場に空き駐車区画が発生した場合、発生した空き駐車区画を優先して利用することができる。また、予約管理装置110は、空き駐車区画が発生した際に、通常の予約をおこなうか否かを経路誘導装置120に確認するので、駐車場の利用が必要なくなった経路誘導装置120に空き駐車区画の予約をおこなうことはない。これにより、予約管理装置110は、経路誘導装置120に対して効率的に空き駐車区画を割り振ることができる。
【0039】
また、予約管理装置110は、たとえば、予約要求を受信した駐車場に空き駐車区画がない場合、その駐車場の近隣に位置し、かつ空き駐車区画がある他の駐車場の情報を経路誘導装置120に送信する。これにより、経路誘導装置120のユーザは、目的地周辺の他の駐車場を容易に予約することができる。
【0040】
また、実施の形態にかかる経路誘導装置120によれば、駐車場の予約結果に関する情報に基づいて目的地を設定する。具体的には、経路誘導装置120は、駐車場への予約が成立した場合にはその駐車場を目的地として設定する。また、経路誘導装置120は、駐車場を仮予約した場合、本来の行き先(候補地点)を目的地に設定し、仮予約した駐車場に空きが発生した場合(本予約が成立した場合)には駐車場を目的地に変更する。これにより、経路誘導装置120は、ユーザに煩雑な作業をおこなわせることなく目的地を適切な場所に設定することができる。
【実施例】
【0041】
以下に、本発明の実施例について説明する。本実施例では、駐車場管理サーバ410を予約管理装置110、車両430に搭載されたナビゲーション装置420を経路誘導装置120とする駐車場予約システム400において、本発明を適用した場合の一例について説明する。
【0042】
図4は、実施例にかかる駐車場予約システムのシステム構成を示す説明図である。駐車場予約システム400は、駐車場管理サーバ410およびナビゲーション装置420によって構成される。駐車場管理サーバ410は、駐車場440(440a〜440c)の駐車区画に対する予約を管理する。後述するように、駐車場管理サーバ410は、ナビゲーション装置420から駐車場440への予約要求を受信し、駐車場440の空き状況に基づいて予約を成立させたり、仮予約をおこなったりする。
【0043】
駐車場管理サーバ410は、たとえば各駐車場440に設置された端末(図示なし)と接続されている。各駐車場に設置された端末は、各駐車場における空き駐車区画の有無を検知したり、駐車区画に対する予約情報を管理したりする。なお、図4において、駐車場管理サーバ410は、複数の駐車場440の予約を管理するものとしているが、1つの駐車場440の予約のみを管理するようにしてもよい。
【0044】
ナビゲーション装置420は、車両430に搭載され、経路の探索や経路誘導情報の出力をおこなう。ナビゲーション装置420には、通信モジュールが搭載されており、駐車場管理サーバ410との間で通信をおこなう。ナビゲーション装置420は、駐車場440に対する予約要求や駐車場の空き状況に関する問い合わせを駐車場管理サーバ410に送信し、予約結果に関する情報や駐車場の空き状況に関する情報を駐車場管理サーバ410から受信する。なお、駐車場440に対する予約は、ナビゲーション装置420からのみならず、たとえば、携帯電話端末やパーソナルコンピュータなどからおこなえるようにしてもよい。
【0045】
(駐車場管理サーバ410およびナビゲーション装置420のハードウェア構成)
つぎに、駐車場管理サーバ410およびナビゲーション装置420のハードウェア構成について説明する。駐車場管理サーバ410のハードウェア構成は、ナビゲーション装置420のハードウェア構成の一部と重複するため、はじめにナビゲーション装置420のハードウェア構成について説明する。
【0046】
図5は、ナビゲーション装置のハードウェア構成を示すブロック図である。図5において、ナビゲーション装置420は、CPU501と、ROM502と、RAM503と、磁気ディスクドライブ504と、磁気ディスク505と、光ディスクドライブ506と、光ディスク507と、音声I/F(インターフェース)508と、マイク509と、スピーカ510と、入力デバイス511と、映像I/F512と、ディスプレイ513と、通信I/F514と、GPSユニット515と、各種センサ516と、カメラ517と、を備えている。各構成部501〜517は、バス520によってそれぞれ接続されている。
【0047】
まず、CPU501は、ナビゲーション装置420の全体の制御を司る。ROM502は、ブートプログラム、データ更新プログラムなどのプログラムを記録している。また、RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用される。すなわち、CPU501は、RAM503をワークエリアとして使用しながら、ROM502に記録された各種プログラムを実行することによって、ナビゲーション装置420の全体の制御を司る。
【0048】
磁気ディスクドライブ504は、CPU501の制御にしたがって磁気ディスク505に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。磁気ディスク505は、磁気ディスクドライブ504の制御で書き込まれたデータを記録する。磁気ディスク505としては、たとえば、HD(ハードディスク)やFD(フレキシブルディスク)を用いることができる。
【0049】
また、光ディスクドライブ506は、CPU501の制御にしたがって光ディスク507に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。光ディスク507は、光ディスクドライブ506の制御にしたがってデータが読み出される着脱自在な記録媒体である。光ディスク507は、書き込み可能な記録媒体を利用することもできる。着脱可能な記録媒体として、光ディスク507のほか、MO、メモリカードなどを用いることができる。
【0050】
磁気ディスク505および光ディスク507に記録される情報の一例としては、地図データが挙げられる。地図データは、建物、河川、地表面などの地物(フィーチャ)をあらわす背景データ、道路の形状をあらわす道路形状データなどを含んでいる。ナビゲーション装置420では、地図データを用いてディスプレイ513に地図を表示したり、目的地までの経路を探索したりする。また、ナビゲーション装置420は、ユーザから指定された地点(たとえば、目的地)周辺の駐車場を、地図データを用いて検索して、検索された駐車場に対する予約要求を駐車場管理サーバ410に送信したりする。
【0051】
音声I/F508は、音声入力用のマイク509および音声出力用のスピーカ510に接続される。マイク509に受音された音声は、音声I/F508内でA/D変換される。マイク509は、たとえば、車両430のダッシュボード部などに設置され、その数は単数でも複数でもよい。スピーカ510からは、所定の音声信号を音声I/F508内でD/A変換した音声が出力される。
【0052】
入力デバイス511は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えたリモコン、キーボード、タッチパネルなどが挙げられる。入力デバイス511は、リモコン、キーボード、タッチパネルのうちいずれか1つの形態によって実現されてもよいが、複数の形態によって実現することも可能である。
【0053】
映像I/F512は、ディスプレイ513に接続される。映像I/F512は、具体的には、たとえば、ディスプレイ513全体を制御するグラフィックコントローラと、即時表示可能な画像情報を一時的に記録するVRAM(Video RAM)などのバッファメモリと、グラフィックコントローラから出力される画像データに基づいてディスプレイ513を制御する制御ICなどによって構成される。
【0054】
ディスプレイ513には、アイコン、カーソル、メニュー、ウインドウ、あるいは文字や画像などの各種データが表示される。ディスプレイ513としては、たとえば、TFT液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどを用いることができる。
【0055】
通信I/F514は、無線を介してインターネットなどの通信網に接続され、この通信網とCPU501とのインターフェースとしても機能する。通信網には、公衆回線網や携帯電話網、DSRC(Dedicated Short Range Communication)、LAN、WANなどがある。具体的には、通信I/F514は、たとえば、公衆回線用接続モジュールやETC(ノンストップ自動料金支払いシステム)ユニット、FMチューナー、VICS(Vehicle Information and Communication System)/ビーコンレシーバなどである。
【0056】
GPSユニット515は、GPS衛星からの電波を受信し、車両430の現在位置を示す情報を出力する。GPSユニット515の出力情報は、後述する各種センサ516の出力値とともに、CPU501による車両430の現在位置の算出に際して利用される。現在位置を示す情報は、たとえば緯度・経度、高度などの、地図データ上の1点を特定する情報である。
【0057】
各種センサ516は、車速センサ、加速度センサ、角速度センサなどの、車両430の位置や挙動を判断するための情報を出力する。各種センサ516の出力値は、CPU501による車両430の現在位置の算出や、速度や方位の変化量の算出に用いられる。
【0058】
カメラ517は、車両430の内部あるいは外部の映像を撮影する。映像は静止画あるいは動画のどちらでもよく、たとえば、カメラ517によって車両430の外部を撮影し、撮影した画像をCPU501において画像解析したり、映像I/F512を介して磁気ディスク505や光ディスク507などの記録媒体に出力したりする。
【0059】
駐車場管理サーバ410は、上述したナビゲーション装置420のハードウェア構成のうち、少なくともCPU501、ROM502、RAM503、磁気ディスクドライブ504、磁気ディスク505(または光ディスクドライブ506および光ディスク507)、通信I/F514があればよい。
【0060】
図1に示した予約管理装置110の受信部111、検知部112、予約部113、送信部114は、上述した駐車場管理サーバ410におけるROM502、RAM503、磁気ディスク505、光ディスク507などに記録されたプログラムやデータを用いて、CPU501が所定のプログラムを実行し、駐車場管理サーバ410の各部を制御することによってその機能を実現する。
【0061】
また、図1に示した経路誘導装置120の検索部121、抽出部122、送信部123、受信部124、設定部125は、上述したナビゲーション装置420におけるROM502、RAM503、磁気ディスク505、光ディスク507などに記録されたプログラムやデータを用いて、CPU501が所定のプログラムを実行し、ナビゲーション装置420の各部を制御することによってその機能を実現する。
【0062】
(駐車場予約システム400による駐車場管理処理)
つづいて、駐車場予約システム400による駐車場管理処理の詳細について説明する。上述のように、駐車場予約システム400では、駐車場管理サーバ410がナビゲーション装置420から駐車場に対する予約要求を受信し、予約要求に基づいて駐車場への予約を成立させる。
【0063】
ここで、予約要求された駐車場に空き駐車区画がある場合には、そのまま予約を成立させることができるが、空き駐車区画がない場合には予約を成立させることができない。この場合、駐車場管理サーバ410は、空き駐車区画の発生に伴ってナビゲーション装置420に所定の情報を送信する。具体的には、空き駐車区画が発生した際にその旨を通知したり、これから発生する空き駐車区画への仮予約を成立させたりする。ナビゲーション装置420のユーザは、利用したい駐車場に空きがない場合、その駐車場を仮予約したり、近隣の空きがある駐車場に予約をおこなったりすることができる。これにより、ユーザはより確実に目的地周辺の駐車場を予約することができ、円滑に目的地に移動することができる。
【0064】
図6は、駐車場管理サーバによる予約管理処理の手順を示すフローチャートである。図6のフローチャートにおいて、駐車場管理サーバ410は、ナビゲーション装置420から予約要求を受信するまで待機する(ステップS601:Noのループ)。予約要求は、駐車場管理サーバ410が管理する複数の駐車場のうち、特定の駐車場を指定したものであってもよいし、たとえば、特定のエリアが指定されており、駐車場管理サーバ410でそのエリアに位置する駐車場を検索してもよい。また、ナビゲーション装置420が搭載された車両430が駐車場に到着する時刻がわかる場合には、予約時間を特定して予約要求をおこなってもよい。
【0065】
予約要求を受信すると(ステップS601:Yes)、駐車場管理サーバ410は、予約要求された駐車場に空き駐車区画があるか否かを判断する(ステップS602)。空き駐車区画がある場合(ステップS602:Yes)、駐車場管理サーバ410は、空き駐車区画に対して本予約を成立させ(ステップS603)、本予約の完了をナビゲーション装置420に通知して(ステップS604)、本フローチャートによる処理を終了する。なお、本予約とは、正式に空き駐車区画を予約するものであり、仮予約と異なり通常の予約を指す。
【0066】
一方、空き駐車区画がない場合(ステップS602:No)、駐車場管理サーバ410は、以後に発生する空き駐車区画に対して仮予約をおこなうか否かを判断する(ステップS605)。仮予約をおこなうか否かは、その都度ナビゲーション装置420のユーザに問い合わせてもよいし、あらかじめユーザとの間で取り決めておいてもよい。また、空き駐車区画がない場合、その駐車場の周辺で空きがある他の駐車場を検索し、検索された駐車場の情報をナビゲーション装置420に送信するようにしてもよい。
【0067】
仮予約をおこなう場合(ステップS605:Yes)、駐車場管理サーバ410は、以降に発生する空き駐車区画に対して仮予約を成立させる(ステップS606)。その後、駐車場管理サーバ410は、空き駐車区画が発生するまで待機して(ステップS607:No)、空き駐車区画が発生すると(ステップS607:Yes)、ナビゲーション装置420の仮予約順位が1位か否かを判断する(ステップS608)。複数のナビゲーション装置420が仮予約をおこなっている場合、駐車場管理サーバ410は、たとえば予約要求を受信した順番に仮予約順位を決定する。この場合、仮予約をおこなっているナビゲーション装置420のうち、最も早く予約要求を送信してきたナビゲーション装置420が仮予約順位1位となる。なお、仮予約には有効期間を設けてもよい。たとえば、ナビゲーション装置420が搭載された車両430が駐車場に到着する時刻が予測できる場合、その時刻から所定時間経過した後は、仮予約を取り消すようにする。これは、駐車場を利用する可能性がなくなったナビゲーション装置420に対して仮予約状態を継続するのを回避するためである。また、仮予約の有効期間をユーザに設定させてもよい。
【0068】
仮予約順位が1位でない場合(ステップS608:No)、駐車場管理サーバ410は、ステップS607に戻り、あらたに空き駐車区画が発生するまで待機する。一方、仮予約順位が1位の場合(ステップS608:Yes)、駐車場管理サーバ410は、空き通知(空き駐車区画が発生した旨の通知)をナビゲーション装置420に送信する(ステップS609)。そして、ナビゲーション装置420から空き駐車区画に対する本予約要求を受信したか否かを判断する(ステップS610)。このように、仮予約に基づく本予約をおこなうか否かを確認するのは、予約要求から時間が経過しているため、すでに他の駐車場に予約を成立させていたり、目的地を変更していたりする可能性があるためである。
【0069】
本予約要求を受信した場合(ステップS610:Yes)、駐車場管理サーバ410は、空き駐車区画に対して本予約を成立させ(ステップS611)、本予約の完了をナビゲーション装置420に通知して(ステップS612)、本フローチャートによる処理を終了する。一方、ステップS610において、本予約をおこなわない場合(ステップS610:No)、駐車場管理サーバ410はそのまま本フローチャートによる処理を終了する。なお、ステップS609で空き通知を送信した後、所定時間が経過してもナビゲーション装置420から応答がない場合は、ナビゲーション装置420の仮予約をキャンセルして、予約順位2位のナビゲーション装置420に予約権を移すようにしてもよい。
【0070】
また、ステップS605において、仮予約をおこなわない場合(ステップS605:No)、駐車場管理サーバ410は、空き駐車区画が発生した旨の通知(空き通知)をおこなうか否かを判断する(ステップS613)。空き通知をおこなうか否かは、その都度ナビゲーション装置420のユーザに問い合わせてもよいし、あらかじめユーザとの間で取り決めておいてもよい。
【0071】
空き通知をおこなう場合(ステップS613:Yes)、駐車場管理サーバ410は、空き駐車区画が発生するまで待機して(ステップS614:Noのループ)、空き駐車区画が発生すると(ステップS614:Yes)、ナビゲーション装置420に対して空き通知を送信して(ステップS615)、本フローチャートによる処理を終了する。ナビゲーション装置420では、空き通知を受信した時点で必要があれば空き駐車区画に対する予約要求を送信することができる。また、ステップS613において、空き通知をおこなわない場合は(ステップS613:No)、そのまま本フローチャートによる処理を終了する。
【0072】
図7は、ナビゲーション装置による予約要求処理の手順を示すフローチャートである。図7のフローチャートにおいて、ナビゲーション装置420は、まず、目的地の候補地点を検索する(ステップS701)。候補地点の検索は、たとえば、ユーザから指定された目的地の条件(ジャンルや場所など)に適合する地物を地図データの中から検索することによっておこなう。なお、候補地点そのものをユーザに指定させるようにしてもよい。
【0073】
つぎに、ナビゲーション装置420は、ステップS701で検索された候補地点周辺の駐車場を抽出し(ステップS702)、抽出した駐車場の位置情報などをユーザに提示する(ステップS703)。これは、候補地点周辺に複数の駐車場が存在する可能性があるためである。ナビゲーション装置420は、提示した駐車場の中からユーザが利用を希望する駐車場が選択されるまで待機する(ステップS704:Noのループ)。
【0074】
駐車場が選択されると(ステップS704:Yes)、ナビゲーション装置420は、選択された駐車場への予約要求を駐車場管理サーバ410に送信する(ステップS705)。なお、ステップS702において複数の駐車場が抽出されなかった場合には、ステップS703およびS704の処理をおこなわなくてもよい。また、駐車場の抽出は、ナビゲーション装置420でおこなうのではなく、駐車場管理サーバ410でおこなうようにしてもよい。この場合、ナビゲーション装置420は候補地点の位置情報または名称情報などを駐車場管理サーバ410に送信し、駐車場管理サーバ410で候補地点周辺の駐車場を抽出する。
【0075】
その後、ナビゲーション装置420は、駐車場管理サーバ410から予約結果に関する情報を受信する。本予約ができた場合(ステップS706:Yes)、すなわち、駐車場管理サーバ410から本予約が成立した旨の通知があった場合、ナビゲーション装置420は、本予約できた駐車場を目的地に設定して(ステップS707)、本フローチャートによる処理を終了する。その後、ナビゲーション装置420は、現在位置から目的地までの経路を探索し、探索された経路に沿って誘導情報を出力する。ユーザは、ナビゲーション装置420が出力する誘導情報に従って車両430を走行させて目的地に向かう。ステップS707では、ユーザが向かう地物(ステップS701で検索した候補地点)周辺の駐車場が予約できたため、ナビゲーション装置420は駐車場を目的地として設定している。
【0076】
一方、ステップS706で駐車場の本予約ができなかった場合(ステップS706:No)、ナビゲーション装置420は、仮予約をおこなうか否かをユーザに判断させる(ステップS708)。仮予約をおこなうか否かは、その都度ユーザに問い合わせてもよいし、あらかじめユーザとの間で取り決めておいてもよい。仮予約をおこなう場合(ステップS708:Yes)、ナビゲーション装置420は、仮予約要求を駐車場管理サーバ410に送信する(ステップS709)。そして、ステップS701で検索した候補地点を目的地に設定する(ステップS710)。ステップS710で候補地点を目的地に設定するのは、仮予約をおこなっている段階では、その駐車場を確実に利用できるか否かはわからないためである。
【0077】
なお、仮予約をおこなった後、空きがある他の駐車場に対して予約要求をおこなってもよい。この場合、空きがある駐車場に対する本予約が成立した際には、最初に予約要求した駐車場への仮予約を取り消すようにしてもよい。また、他の駐車場に対して本予約をおこなった後も最初に予約要求した駐車場への仮予約を継続し、最初に予約要求した駐車場に空きが発生した場合(本予約できた場合)には、他の駐車場に対する本予約を取り消すようにしてもよい。仮予約や本予約の取り消しは、ナビゲーション装置420が自動でおこなってもよいし、ユーザが手動でおこなってもよい。
【0078】
その後、ナビゲーション装置420は、候補地点への誘導をおこないながら、駐車場に空き駐車区画が発生するまで待機する(ステップS711:Noのループ)。この間、候補地点周辺などで空きがある駐車場を見つけた場合には、その駐車場を利用することも可能である。空き駐車区画が発生すると(ステップS711:Yes)、ナビゲーション装置420は、ユーザに本予約をおこなうか否かを確認する(ステップS712)。本予約をおこなう場合(ステップS712:Yes)、ナビゲーション装置420は、駐車場管理サーバ410に本予約要求を送信し(ステップS713)、目的地を駐車場に変更して(ステップS714)、本フローチャートによる処理を終了する。また、ステップS712で本予約をおこなわない場合は(ステップS712:No)、そのまま本フローチャートによる処理を終了する。
【0079】
一方、ステップS708で仮予約をおこなわないと判断した場合(ステップS708:No)、ナビゲーション装置420は、他の駐車場に対して予約要求をおこなうか否かをユーザに判断させる(ステップS715)。他の駐車場に対して予約要求をおこなう場合(ステップS715:Yes)、ナビゲーション装置420は、ステップS703に戻り、以降の処理をくり返す。一方、他の駐車場への予約要求をおこなわない場合は(ステップS715:No)、候補地点を目的地に設定して(ステップS716)、本フローチャートによる処理を終了する。この場合、駐車場の予約をおこなわないで候補地点に向かうことになる。
【0080】
なお、この他、予約要求をおこなった駐車場に空きが発生した場合、空き通知を送信するよう駐車場管理サーバ410に要求することができる(図6のステップS613参照)。この場合、ナビゲーション装置420は、候補地点を目的地として設定して走行を開始する。空き通知を受信した場合、ユーザは、その時点において駐車場に対して予約要求をおこなうか否か判断することが可能である。また、いずれかの駐車場を予約した場合でも、他の駐車場の空き通知を受けることが可能である。
【0081】
以上説明したように、駐車場管理サーバ410によれば、ナビゲーション装置420から予約要求を受信した駐車場に空き駐車区画がない場合、空き駐車区画の発生に伴って所定の情報をナビゲーション装置420に送信する。これにより、ナビゲーション装置420のユーザは、利用を希望する駐車場の空き状況に関する情報を得ることができ、利用を希望する駐車場が満車であっても、その周辺で空きが発生するまで待機する必要がなくなる。このため、満車時における駐車場周辺の道路の混雑を緩和することができる。
【0082】
具体的には、駐車場管理サーバ410は、たとえば空き駐車区画が発生した旨の情報をナビゲーション装置420に送信する。これにより、ナビゲーション装置420のユーザは、利用を希望する駐車場に空きが発生した時点で再度予約要求をおこなうことができる。
【0083】
また、駐車場管理サーバ410は、たとえば、予約要求に対応して、以降に発生する空き駐車区画への仮予約を成立させ、空き駐車区画が発生した場合には通常の予約をおこなうか否かを確認する確認情報を送信する。この場合、駐車場管理サーバ410は、ナビゲーション装置420からの予約要求の受信順序に基づいて、仮予約の優先順位を管理する。これにより、ナビゲーション装置420のユーザは、利用を希望する駐車場に空き駐車区画が発生した場合、発生した空き駐車区画を優先して利用することができる。また、駐車場管理サーバ410は、空き駐車区画が発生した際に、通常の予約をおこなうか否かをナビゲーション装置420に確認するので、駐車場の利用が必要なくなったナビゲーション装置420に空き駐車区画の予約をおこなうことはない。これにより、駐車場管理サーバ410は、ナビゲーション装置420に対して効率的に空き駐車区画を割り振ることができる。
【0084】
また、駐車場管理サーバ410は、たとえば、予約要求を受信した駐車場に空き駐車区画がない場合、その駐車場の近隣に位置し、かつ空き駐車区画がある他の駐車場の情報をナビゲーション装置420に送信する。これにより、ナビゲーション装置420のユーザは、目的地周辺の他の駐車場を容易に予約することができる。
【0085】
また、ナビゲーション装置420によれば、駐車場の予約結果に関する情報に基づいて目的地を設定する。具体的には、ナビゲーション装置420は、駐車場への予約が成立した場合にはその駐車場を目的地として設定する。また、ナビゲーション装置420は、駐車場を仮予約した場合、本来の行き先(候補地点)を目的地に設定し、仮予約した駐車場に空きが発生した場合(本予約が成立した場合)には駐車場を目的地に変更する。これにより、ナビゲーション装置420は、ユーザに煩雑な作業をおこなわせることなく目的地を適切な場所に設定することができる。
【0086】
なお、本実施の形態で説明した予約管理方法および経路誘導方法は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。
【符号の説明】
【0087】
100 駐車場予約システム
110 予約管理装置
111 受信部
112 検知部
113 予約部
114 送信部
120 経路誘導装置
121 検索部
122 抽出部
123 送信部
124 受信部
125 設定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車場の駐車区画に対する予約を管理する予約管理装置であって、
前記駐車場に対する予約要求を受信する受信手段と、
前記駐車場における空き駐車区画の有無を検知する検知手段と、
前記予約要求を受信した時点において前記空き駐車区画がある場合、前記予約要求に対応する前記空き駐車区画への予約を成立させる予約手段と、
前記駐車場への予約結果に関する情報を前記予約要求の送信元に送信する送信手段と、を備え、
前記送信手段は、前記予約要求を受信した時点において前記空き駐車区画がない場合、前記空き駐車区画の発生に伴って、所定の情報を前記予約要求の送信元に送信することを特徴とする予約管理装置。
【請求項2】
前記送信手段は、前記空き駐車区画が発生した場合、前記空き駐車区画が発生した旨の情報を送信することを特徴とする請求項1に記載の予約管理装置。
【請求項3】
前記予約手段は、前記予約要求を受信した時点において前記空き駐車区画がない場合、前記予約要求に対応して、以降に発生する前記空き駐車区画への仮予約を成立させ、
前記送信手段は、前記空き駐車区画が発生した場合、前記仮予約に基づいて通常の予約をおこなうか否かを確認する確認情報を送信することを特徴とする請求項1に記載の予約管理装置。
【請求項4】
前記受信手段は、複数の送信元からそれぞれ前記予約要求を受信し、
前記予約手段は、複数の送信元からそれぞれ受信した複数の前記予約要求に基づいて、複数の前記仮予約を成立させ、
前記送信手段は、前記空き駐車区画が発生した場合、前記予約要求を受信した順番に基づいて前記複数の送信元のいずれかに前記確認情報を送信することを特徴とする請求項3に記載の予約管理装置。
【請求項5】
前記予約管理装置は、複数の前記駐車場のそれぞれの前記駐車区画に対する予約を管理し、
前記送信手段は、所定の駐車場に対する前記予約要求を受信した時点において前記所定の駐車場に前記空き駐車区画がない場合、前記所定の駐車場の近隣に位置し、かつ前記空き駐車区画がある他の駐車場の情報を送信することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の予約管理装置。
【請求項6】
前記受信手段は、車両の走行経路を誘導する経路誘導装置から前記予約要求を受信し、
前記送信手段は、前記経路誘導装置に対して予約結果に関する情報を送信することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の予約管理装置。
【請求項7】
車両の走行経路を誘導する経路誘導装置であって、
目的地の候補地点を検索する検索手段と、
前記検索手段によって検索された候補地点周辺の駐車場を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段によって抽出された駐車場に対する予約要求を、前記駐車場の駐車区画に対する予約を管理する予約管理装置に送信する送信手段と、
前記予約管理装置から前記予約結果に関する情報を受信する受信手段と、
前記予約結果に関する情報に基づいて前記目的地を設定する設定手段と、を備え、
前記受信手段は、前記駐車場の空き駐車区画がない場合にそれ以降に発生する前記空き駐車区画への仮予約に関する情報を受信するとともに、前記空き駐車区画が発生した場合に前記仮予約に基づく通常の予約に関する情報を受信し、
前記設定手段は、前記受信手段が前記仮予約に関する情報を受信した場合に前記目的地を前記候補地点に設定し、その後、前記通常の予約に関する情報を受信した場合に前記目的地を前記駐車場に変更することを特徴とする経路誘導装置。
【請求項8】
駐車場の駐車区画に対する予約を管理する予約管理装置における予約管理方法であって、
前記駐車場における空き駐車区画の有無を検知する検知工程と、
前記駐車場に対する前記予約要求を受信する受信工程と、
前記予約要求を受信した時点において前記空き駐車区画がある場合、前記予約要求に対応する前記空き駐車区画への予約を成立させる予約工程と、
前記駐車場への予約結果に関する情報を前記予約要求の送信元に送信する第1の送信工程と、
前記予約要求を受信した時点において前記空き駐車区画がない場合、前記空き駐車区画の発生に伴って、所定の情報を前記予約要求の送信元に送信する第2の送信工程と、
を含んだことを特徴とする予約管理方法。
【請求項9】
車両の走行経路を誘導する経路誘導装置における経路誘導方法であって、
目的地の候補地点を検索する検索工程と、
前記検索工程で検索された候補地点周辺の駐車場を抽出する抽出工程と、
前記抽出工程で抽出された駐車場に対する予約要求を、前記駐車場の駐車区画に対する予約を管理する予約管理装置に送信する送信工程と、
前記予約管理装置から前記予約結果に関する情報を受信する受信工程と、
前記予約結果に関する情報に基づいて前記目的地を設定する設定工程と、を含み、
前記受信工程では、前記駐車場の空き駐車区画がない場合にそれ以降に発生する前記空き駐車区画への仮予約に関する情報を受信するとともに、前記空き駐車区画が発生した場合に前記仮予約に基づく通常の予約に関する情報を受信し、
前記設定工程では、前記受信工程で前記仮予約に関する情報を受信した場合に前記目的地を前記候補地点に設定し、その後、前記通常の予約に関する情報を受信した場合に前記目的地を前記駐車場に変更することを特徴とする経路誘導方法。
【請求項10】
請求項8に記載の予約管理方法をコンピュータに実行させることを特徴とする予約管理プログラム。
【請求項11】
請求項9に記載の経路誘導方法をコンピュータに実行させることを特徴とする経路誘導プログラム。
【請求項12】
請求項10に記載の予約管理プログラムまたは請求項11に記載の経路誘導プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータに読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−3026(P2011−3026A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−145770(P2009−145770)
【出願日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】