説明

事前条件付きECGシステム及び方法

【課題】事前条件付きECGシステム及び方法を提供する。
【解決手段】事前条件付きECGシステム(80)及び方法(50,60)は、ECG測定を行うことができるように患者(82)の活動を最小にするように患者に警報を出し、また更に測定が完了したときを患者(82)に警報を出すように構成されている患者信号装置(34,40)を含む。事前条件付きECGシステム及び方法はまた、事前設定された長さのECGデータを保持するように構成され、且つ平均R−R間隔、R−R間隔の標準偏差、又は簡単な心拍リズム分析のような事前設定されたECGパラメータを保持するように構成されているプリセット・バッファ(12,22)を含む。本システム及び方法は、事前設定されたパラメータが満たされたとき又は選択されたパラメータが満たされたときに現在の10秒のECGデータ(14,24)を分析することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、心臓学の分野に関するものである。より具体的には、本発明は、特殊診断用心臓学に関するものである。
【背景技術】
【0002】
診断用心臓学の業界で重要な面は、QT延長と呼ばれる生理学的状態に起因したECG信号のQTセグメントを正しく識別して測定することである。QT延長は、近年幾つかの処方薬に起因した正常な心拍サイクルの遅延である。QT延長を測定するためにECGを取得し臨床試験を行うことに力が注がれ、また数時間にわたるホルター(Holter)記録か又は規則的な10秒安静時ECGを使用すべきかどうかについて議論されている。
【0003】
現在の心電計装置、すなわち、安静時ECG装置は、該装置上のボタンを押したときに、12〜16誘導の範囲の10秒多誘導測定値を同時に取得する。この簡単な設定は幾つかの定型的なタスクに取っては適切であるが、取得される10秒を越える履歴データのより正確な報告を必要とするQTセグメント測定のような他のタスクについては制限される。例えば、新しい薬剤の臨床試験の際、徹底的QT研究(TQT)と呼ばれているものを遂行する。その研究では、安静時ECG装置によって、又はホルター記録器のような携帯型ECG装置によって、一連のECGが取得され、且つそれらのECGから心拍数補正QT間隔が計算される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
心拍数補正QT間隔を計算するとき、10秒ECGデータに基づいた瞬時心拍数はQT及びRR間隔の時間遅れ関係又は「ヒステリシス」を反映するほどに十分でないことがある。或る研究によれば、1〜2分前のECGデータに基づいた平均心拍数がQT間隔補正(QTc)のために瞬時心拍数よりも良好であることが示唆されている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
事前条件付き(pre-conditioned) ECGシステム及び方法は、ECG測定を行うことができるように患者の活動を最小にするように患者に警報を出し、また更に測定が完了したときに患者に警報を出すように構成されている患者信号装置を含む。事前条件付きECGシステム及び方法はまた、ECGデータの事前設定された長さを保持するように構成され、また更に平均R−R間隔、R−R間隔の標準偏差、又は簡単な心拍リズム分析のような、事前設定されたECGパラメータを保持するように構成されているプリセット・バッファを含む。本システム及び方法は、事前設定されたパラメータが満たされたとき又は選択されたパラメータが満たされたときに現在の10秒のECGデータを分析することができる。
【0006】
本発明の一面は、患者からECGデータを収集するためのECG取得装置であり、このECG取得装置は、患者に接続されて、患者から一組のECGデータを収集するように構成されている一組のECG導線と、一組の開始及び停止時点を含む一組の命令データを受け取るように構成されている通信ポートと、開始時点が生じたとき及び停止時点が生じたときに患者に信号を送るように構成されている患者信号機構とを有し、前記一組のECGデータが前記開始時点と前記停止時点との間に患者から収集される。前記通信ポートは更に信号出力を持つように構成されており、前記信号出力は前記開始時点及び前記停止時点に対応する可聴信号を含んでおり、一組の命令データを受け取り且つ信号出力を送る通信ポートのいずれか一方が有線接続を介して達成されるか、又は信号出力が無線接続を介して達成される。前記一組のECG導線が少なくとも1本のECG導線又は標準的な導線の組を含んでいる。前記ECG取得装置はホルター・モニタとすることができる。本発明の患者信号機構は、警報灯と、可聴警報音又は可聴命令のいずれかを生じるように構成されている可聴信号機構と、振動機構との内のいずれかを含む。ECG取得装置は、更に、一組の命令データを記憶するように構成されているデータ記憶媒体、及び一組の命令データを読み込んで実行するように構成されている処理装置とを含む。
【0007】
本発明の別の面は、患者から一組のECGデータを収集する方法であり、本方法は、一組のECG導線により取得装置を患者に接続する段階と、一組の開始時点及び停止時点を含む一組の命令データを前記取得装置にロード(load)する段階と、ECG導線により一組のECGデータを記録することを合図する開始時点に到達したときに患者に警報を出す段階と、ECGデータの記録が終了したことを合図する停止時点に到達したときに患者に警報を出す段階とを含む。警報を出す段階は、警報灯と、可聴警報音又は可聴命令のいずれかを生じるように構成されている可聴信号機構と、振動機構との内のいずれかによって達成される。ロード(load)する段階は、通信ポートによって達成され、通信ポートは更に信号出力を持つように構成されており、前記信号出力は開始時点及び停止時点に対応する可聴信号を含んでいる。ロードする段階又は信号出力のいずれか一方は有線接続又は無線接続を介して達成され、また前記一組のECG導線は少なくとも1本のECG導線又は標準的な導線の組を含んでおり、またECG取得装置はホルター・モニタである。
【0008】
本発明は更に、患者からECGデータを収集するためにECGシステムを事前条件付けする方法を含み、本方法は、一組のECG導線により取得装置を患者に接続する段階と、取得装置に一組の事前条件をロードする段階と、以前のセグメント(prior segment) のECGデータが一組の事前条件を満足したときに以前のセグメントのECGデータ及び現在のセグメント(current segment) のECGデータを収集して記憶する段階とを有しており、前記一組の事前条件は、次のパラメータ、すなわち、平均R−R間隔、R−R間隔の標準偏差、再分極の変化、及び簡単な心拍リズム分析のいずれかを含む。ここで、再分極の変化は、QT変化及びT波形態変化の関数である。更に、以前のセグメントのECGデータ及び現在のセグメントのECGデータの持続時間はユーザによって調節可能である。本方法は更に、以前のセグメントのECGデータについての所定のECG分析を行う段階を含んでいる。
【0009】
本発明の更に別の面は、事前条件ECGシステムであり、該システムは、患者から以前のセグメントのECGデータ及び現在のセグメントのECGデータを収集するように構成されている一組のECG導線と、以前の及び現在のセグメントのECGデータを記憶するためのデータベースと、コンピュータ・アプリケーション及び一組の事前条件を記憶するための記憶媒体と、前記一組のECG導線及び前記記憶媒体に結合されていて、前記コンピュータ・アプリケーションを実行するように構成されている処理装置とを有し、前記コンピュータ・アプリケーションを実行する際、前記一組の事前条件が満たされたときに前記現在のセグメントのECGデータが分析され、更に一組の結果が前記データベースに記憶される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
事前条件付きECGシステム及び方法は、QTc値及び他の心拍数関連補正値を計算するために不適切な心拍数が用いられることを防止するための多数の実施形態を含む。一実施形態は、ECGデータを取得するときの患者の心拍数が変動しない状態にあるように、ECGを取る患者に、データ取得の前に出来る限りリラックスした状態を保つように警報を出す構成にしたデータ取得装置である。別の実施形態は、データ取得の2〜5分前の及びデータ取得中の心拍数を監視して、心拍数が最も変動しない状態でのECGを記憶することを含む。別のパラメータは信号のノイズ・レベルとすることができる。データはノイズ・レベルが低いときのみ分析され、ノイズは「緑」、「黄」又は「赤」状態で示すことができる。この場合、「緑」は信号にノイズがないことを意味し、「黄」は信号に中位のノイズがあることを意味し、「赤」は信号に多大なノイズがあることを意味する。ある場合には、信号は「緑」状態が示されているときのみ記憶され分析される。別の場合には、信号は「緑」又は「黄」状態のいずれかが示されているときに記憶し分析することができる。「赤」状態が示されているときは、信号の品質を改善するために、患者にリラックスするように又は動きやおしゃべりを止めるように注意する。この実施形態は、別々に又は組み合わせて具現化することができる。
【0011】
上述の第2の実施形態では、心室性期外収縮(PVC)、発作性心房細動(PAFIB)、T波交互脈(TWA)及び他の重度の不整脈のような或る特定の事象の後又は事象中に10秒のECGを収集するのが好ましい。
【0012】
一実施形態のデータ取得システムは、一般的に、N誘導携帯型ECG記録器(ここで、Nは典型的には12又は3であるが、ゼロより大きい任意の誘導数であってよい。)と、患者信号機構とを含む。患者信号機構は、次のもののいずれか、すなわち、記録を再生することのできるスピーカー、簡単な可聴警報機構、警報灯、ブザー又は振動機構、開始/停止時点をダウンロードするための通信ポート(ここで、通信ポートは有線又は無線ポートであってよい)、及び/又はユーザが信号を聞くためにヘッドフォン又はイヤホンを付けることを可能にするオプションのヘッドホン差込み口を含む。
【0013】
動作について説明すると、ユーザが開始/停止時点を装置へダウンロードする。開始時点に到達したとき、記録器が、例えば「活動を最小にして下さい」と云うような記録を再生し、ブザーを鳴らし、ビープ音を鳴らし、又は警報灯を点灯することによって、患者に警報を出す。そこで患者は記録器が停止信号を供給するまで身体的活動を最小にする。停止信号は、例えば、別のメッセージを再生し、ブザーを鳴らし、又は警報灯を消灯することによって、与えられる。信号は音と光の組合せにしてもよいと考えられる。
【0014】
図1は、ECG取得装置30の一実施形態を示す。この場合、ECG取得装置30は、患者に接続される一組のECG導線32及び通信ポート36を含むホルター・モニタ38として示されている。通信ポート36は、無線で又は有線で、この装置を管理する医療従事者から、又はこの患者を監視する臨床システムから、一組のデータを受け取ることができる。図1において、ホルター記録器38はまたヘッドホン差込み口42を含み、これにより患者は一対のヘッドホンを介してホルター記録器38から可聴信号を受け取ることができる。しかしながら、通信ポート36もまたヘッドホン差込み口、又は無線ヘッドホン装置を含むことができると考えられる。ホルター記録器38はまた、患者に開始及び停止時点を合図するためのスピーカー40及び警報灯34を含む。動作について説明すると、ホルター記録器38がECG導線32により患者に取り付けられて、開始及び停止時点を含む一組の命令データが通信ポート36を介してロードされる。患者は、可聴信号及び可視信号のいずれか一方又は両方のためにヘッドホン差込み口42を利用するか又はホルター記録器38を設定することができる。開始時点に到達したとき、選択された信号装置は、ホルター記録器38がECGデータを記録し始めることを表す警報を患者に出す。この警報は、点滅灯34、ブザー、又はスピーカー40からの可聴命令、或いはヘッドホン差込み口42を介しての同様なものにより、行うことができる。この警報はまた、振動機構(図示せず)によって達成することもできる。ノイズ・レベルは実時間で監視する。ノイズが許容レベルよりも大きい場合、可視又は可聴手段のいずれかにより、患者に更にリラックスするように注意催促する。臨床医はその状態をオーバーライトして、データ収集を開始することが可能である。次いで、ホルター記録器38がECG導線32を介してECGデータを収集し、そして停止時点に到達したとき、信号装置が再び患者に警報を出す。収集されたECGデータは通信ポート36を介して医療従事者へ無線又は有線で伝送することができ、或いは、医療従事者によってホルター記録器38を収集して、別の態様でデータを抽出することができる。ここで、ECG取得装置30がホルター記録器38であってよいこと、或いは医療分野における任意の他の適用可能な装置であってよいことに再度留意されたい。
【0015】
図2は、取得方法60の一実施形態を例示する。段階62で、取得装置を患者に接続する。前に述べたように、取得装置はホルター記録器か又は任意の他の既知の装置であってよく、一組のECG導線を介して患者に接続される。段階64で、開始及び停止時点を含むデータを取得装置にロードする。段階66で、開始時点に到達したときに患者に警報を出し、次いで段階68で、ECGデータを含む一組の生理学的データを患者から収集する。段階70で、停止時点に到達したときに患者に警報を出して、ECGデータ収集の終了を合図する。段階72で、取得装置に追加の開始及び停止時点がある場合、本方法は段階66へ戻って継続する。取得装置に他の追加の開始及び停止時点がない場合、段階74へ進む。段階74で、取得装置に更にロードすべき追加のデータがある場合、本方法は段階64へ進んで動作を継続し、また、追加のデータが存在しない場合には、本方法は終了する。取得装置にロードするための追加の開始及び停止時点が無い場合、取得装置は記録し続けることができ、或いは記録を停止して、患者から切り離すことができる。
【0016】
別の実施形態は、図3〜図5に示されているような事前条件付きECGシステムを含む。この実施形態では、循環バッファにより、事前設定された長さ(例えば、設定に依存して1〜10分)のECGデータを保持する。複数のパラメータ・バッファ、すなわち、現在の10秒のバッファ、及び一連の以前のセグメントのバッファがある。これらのバッファは、平均R−R間隔、R−R間隔の標準偏差、再分極の変化(T波形態変化)、又は簡単な心拍リズム分析のような、事前設定されたECGパラメータを保持する。
【0017】
一実施形態では、上述の装置を利用して以前のセグメントの状態に関係なくECG分析プログラムにより現在の10秒のECGデータを分析することのようなシステムについての事前条件オプションを含む。また、システムは、両方の種類のパラメータ・バッファに基づいて事前設定された条件が満たされたときにのみ、例えば、現在の10秒のデータ・バッファと以前のデータ・セグメントとの間でのR−R間隔の平均及び偏差が同様な値に達したとき、及び/又は[以前の心拍数]≒[現在の心拍数]のように同様な心拍リズムに達したとき、及び/又はT波形態変化が事前設定された閾値よりも小さくなったとき、現在の10秒のECGデータを分析することができる。また更に、システムは、無条件に、且つ分析に以前のセグメントからの選択されたパラメータを使用して、例えば、QTc計算のために以前の及び現在の10秒のバッファ全体についての平均R−R間隔を使用して、現在の10秒のECGデータを分析することができる。
【0018】
10秒セグメント・データ・バッファが比較的安定な状態に達したとき、分析及び計算がより正確になり、基本的な患者の状態をより良好に反映する。QT間隔補正の場合、RR/QT適応のように或る特定のパラメータのヒステリシス効果を低減することができる。
【0019】
待ち時間が事前設定された期限を越えた場合、システム及び方法は現在の10秒のデータを、以前のセグメントからの幾つかのパラメータを利用して素早く分析することができる。他の幾つかの場合には、現在のデータ・セグメントを分析する前に或る特定の事象が生じるのを待つように、事前条件を調節することができる。
【0020】
図3は、分析方法50の一実施形態を例示する。前に述べたように、以前のセグメントの段階52及び現在のセグメントの段階54は、患者からECGデータを収集して記録することを含む。この場合、以前のセグメントのデータは、現在のセグメントを使用する時点を決定するために分析することができる。再び図3について説明すると、段階56で、以前のセグメントが一組の事前条件を満たしている場合、段階58でECG分析を行う。段階56で、以前のセグメントが事前条件を満たしていない場合、段階59で、収集すべき追加のデータがあるか否か決定する。収集すべき追加のデータがある場合、段階52及び54で追加のデータを収集する。段階59で、収集すべき追加のデータが無いと決定された場合、本方法は終了する。また更に、段階58でECG分析が行われた後、本方法は段階59へ進む。
【0021】
図4及び図5は、不安定な心拍リズム10と安定な心拍リズム20とを対比して示す。不安定な心拍リズムでは、不安定な以前のセグメント12が不安定な現在のセグメント14を生成することは明らかである。同様に、安定な心拍リズムでは、安定な以前のセグメント22が安定な現在のセグメント24を生成する。図4及び図5は例示の目的のためにのみこの説明に含まれている。図4は、恐らく図3の段階56における事前条件を満たさない不安定な以前のセグメント12が不安定な現在のセグメント14を生成する様子を例示する。同様に、安定な以前のセグメント22は、図3の段階56で述べた以前のセグメントの事前条件を満たす確立が高く、従ってシステム及び方法が安定な現在のセグメント24についてECG分析を行うことを可能にする。
【0022】
図6は、分析システム80の一実施形態を例示する。分析システム80では、患者82が一組のECG導線84に接続され、ECG導線84は取得装置96に結合される。取得装置96は、処理装置86、記憶媒体88及びデータベース90を含む。取得装置96は、グラフィカル・ユーザ・インターフェース(GUI)94及び入力装置98を含む電子装置92に結合することができる。動作について説明すると、取得装置96が医療従事者から一組の事前条件を受け取り、このような事前条件は記憶媒体88にロードされる。記憶媒体88はまた、処理装置86で実行することのできるソフトウエアを含む。処理装置86はロードされた事前条件を利用してソフトウエア・プログラムを実行し、且つ患者82から以前のセグメントのECGデータ及び現在のセグメントのECGデータを収集してデータベース90に記録するようにECG導線84に指示する。ソフトウエア・プログラムは、事前条件が満たされた場合にデータベース90に記憶されているセグメントについてECG分析を行う。セグメント及び結果は電子装置92のGUI94でユーザが観察でき、また入力装置98により分析を結果と共に操作することができる。
【0023】
ECGデータ及びパラメータの記憶に関して数個の実施形態がある。ユーザは現在のセグメント(例えば、10秒のセグメント)のECGデータ及び事前条件付きパラメータ(例えば、以前のセグメントのR−R期間列)のみを記憶させることができる。ユーザはまた、現在及び以前の両方のセグメントのECGデータ並びにパラメータを記憶させることができる。このオプションはより多くの記憶容量を必要とするが、再分析の利点が得られる。最後に、ユーザは、全ての現在のセグメントのデータ及び選択された導線(1つ又は複数)の以前のセグメントのデータを記憶させることができる。
【0024】
事前条件の手法は、個々のセグメントのECG分析が使用されるとき連続12誘導ホルター及びストレスECG分析まで拡張することができる。同様な以前のセグメントのパラメータ及びデータ・バッファを現在のセグメントの分析と関連させることができる。
【0025】
本発明のシステム及び方法は、薬剤臨床試験に使用されるQTcのような一層ロバストなECGパラメータ推定法として有利である。試験の最も臨床的に関連したデータの記録の品質が様々な環境の下で可能な最良の品質のものになる。このシステム及び方法は、読者が高品質の12誘導を求める分析システムと共に過ごさなければならない時間を最小限にする。
【0026】
以上、発明の構成及び動作の原理を理解し易くするために細部を含む特定の実施形態について本発明を説明した。このような特定の実施形態及びそれらの細部についての説明は、特許請求の範囲を制限しようとするものではない。当業者には、本発明の範囲から逸脱することなく、例示した実施形態に様々な変更を為すことができることが明らかであろう。また、図面の符号に対応する特許請求の範囲中の符号は、単に本願発明の理解をより容易にするために用いられているものであり、本願発明の範囲を狭める意図で用いられたものではない。そして、本願の特許請求の範囲に記載した事項は、明細書に組み込まれ、明細書の記載事項の一部となる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の一実施形態の患者警報機構を備えた連続ECG取得装置を例示するブロック図である。
【図2】本発明の方法の一実施形態の流れ図である。
【図3】本発明の一実施形態による事前条件付きECG分析方法の流れ図である。
【図4】不安定な心拍リズムを表すグラフである。
【図5】正常な比較的安定な心拍リズムを表すグラフである。
【図6】本発明のシステムの一実施形態のブロック図である。
【符号の説明】
【0028】
10 不安定な心拍リズム
12 不安定な以前のセグメント
14 不安定な現在のセグメント
20 安定な心拍リズム
22 安定な以前のセグメント
24 安定な現在のセグメント
30 ECG取得装置
32 ECG導線
34 警報灯
36 通信ポート
38 ホルター・モニタ
40 スピーカー
42 ヘッドホン差込み口
50 分析方法
60 取得方法
80 分析システム
82 患者
84 ECG導線
86 処理装置
88 記憶媒体
90 データベース
92 電子装置
94 グラフィカル・ユーザ・インターフェース(GUI)
96 取得装置
98 入力装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者(82)からECGデータを収集するためのECG取得装置(30)であって、
患者(82)に接続されて、患者(82)から一組のECGデータを収集するように構成されている一組のECG導線(32)と、
一組の開始及び停止時点を含む一組の命令データを受け取るように構成されている通信ポート(36)と、
開始時点が生じたとき及び停止時点が生じたときに患者(82)に合図を送るように構成されている患者信号機構(34,40)と、を有し、
前記一組のECGデータが前記開始時点と前記停止時点との間に患者(82)から収集されること、
を特徴とするECG取得装置(30)。
【請求項2】
前記患者信号機構(34,40)は、警報灯(34)と、可聴警報音又は可聴命令のいずれかを生じるように構成されている可聴信号機構(40)と、振動機構との内のいずれかを含んでいる、請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記通信ポート(36)は更に信号出力を持つように構成されており、前記信号出力は前記開始時点及び前記停止時点に対応する可聴信号を含んでいる、請求項1記載の装置。
【請求項4】
一組の命令データを受け取り且つ信号出力を送る前記通信ポート(36)のいずれか一方が有線接続を介して達成される、請求項3記載の装置。
【請求項5】
一組の命令データを受け取り且つ信号出力を送る前記通信ポート(36)のいずれか一方が無線接続を介して達成される、請求項3記載の装置。
【請求項6】
前記一組のECG導線(32)が少なくとも1本のECG導線を含んでいる、請求項1記載の装置。
【請求項7】
前記一組のECG導線(32)が標準的な導線の組を含んでいる、請求項1記載の装置。
【請求項8】
前記ECG取得装置(30)はホルター・モニタである、請求項1記載の装置。
【請求項9】
更に、一組の命令データを記憶するように構成されているデータ記憶媒体(88)と、一組の命令データを読み込んで実行するように構成されている処理装置(86)とを含んでいる請求項1記載の装置。
【請求項10】
患者(82)から以前のセグメントのECGデータ及び現在のセグメントのECGデータを収集するように構成されている一組のECG導線(84)と、
以前の及び現在のセグメントのECGデータを記憶するためのデータベース(90)と、
コンピュータ・アプリケーション及び一組の事前条件を記憶するための記憶媒体(88)と、
前記一組のECG導線(84)及び前記記憶媒体(88)に結合されていて、前記コンピュータ・アプリケーションを実行するように構成されている処理装置(86)と、を有し、
前記コンピュータ・アプリケーションを実行する際、前記一組の事前条件が満たされたときに前記現在のセグメントのECGデータが分析され、更に一組の結果が前記データベース(90)に記憶されること、
を特徴とする事前条件ECGシステム(80)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−86770(P2008−86770A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−254134(P2007−254134)
【出願日】平成19年9月28日(2007.9.28)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【Fターム(参考)】