説明

二次元バーコードを利用したくじ付きシュリンクラベル

【課題】本発明は、内容物の飲料を飲む前では二次元バーコードを読み取ることができずに、飲んだ後に読み取れるようにした二次元バーコードを利用したくじ付きシュリンクラベルを提供するものである。
【解決手段】透明な角型ペットボトル(10)にお茶等を充填した飲料用容器の外側を包むようにしてなるペットボトル用のシュリンクフィルムにおいて、該シュリンクフィルム(12)の適宜な位置に「アタリ」等のくじをコード化し、カメラ付き携帯電話により読み取れる二次元バーコード(15)を設けたことを特徴とする二次元バーコードを利用したくじ付きシュリンクラベルであり、この二次元バーコードの印刷色は、お茶と類似の茶系色或いは濃い色とすることを特徴とするものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペットボトルの外側保護フィルムに、当たり券、抽選券、或いは応募券等をコード化した二次元バーコードを印刷して、このバーコードを携帯電話により読み取り可能とした二次元バーコードを利用したくじ付きシュリンクラベルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、商品に「アタリ」や「ハズレ」券等の抽選券や応募券等を印刷して購買力を引き出すキャンペーン等が増えていることが知られている。
【0003】
しかし、直接「アタリ」券等を印刷するためには、購入する以前には消費者に直接見えないところ、例えば、ラベルの裏面側に印刷する、或いは表面に印刷してもその上からシールを貼る等の対策により隠さなければならなかった。すなわち、コーヒーや缶ビール等を購入した消費者のみが直接判定を可能とする方法を採用する必要があった。それには、作成コストもかかるし、応募券の場合には郵送等の消費者の手間もかかる問題がある。
【0004】
一方、抽選券や応募券ではないが最近新聞や雑誌等の広告ページに、二次元バーコードのマークを印刷し、このバーコードの読み取りに対応したカメラ付き携帯電話で、このバーコードマークを接写で読み取り、目的の携帯サイト(ホームページ等)に簡単にアクセスできるようにした二次元バーコードがカメラ付き携帯電話の発達とともに、現在多く利用されている。すなわち、普通に二次元バーコードを印刷して、消費者がそれぞれの携帯電話で読み取り、ウエブサイト(インターネットで情報発信や公開している内容が置かれている場所)にアクセスして情報を得ることは、パソコン等でアクセスをしなくとも、簡単にカメラ付き携帯電話により携帯サイト(ウエブサイト等も含む)にアクセスすることができる。そこで上記のカメラ付き携帯電話を利用して「アタリ」等を付与した二次元バーコードを印刷したシュリンクフィルムをペットボトル等の飲料用容器に利用することを検討した。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来においては、飲料用ペットボトルのシュリンクラベルの裏面に「アタリ」を印刷して、飲んだ後にこの「アタリ」が分かるようにした商品も出ていますが、この裏面の隠蔽性の印刷が難しくかなりの隠蔽性が必要であった。
【0006】
しかしながら、二次元バーコードに「アタリ」の印刷を施した例はなかった。そこで本発明は、内容物の飲料を飲む前では二次元バーコードを読み取ることができず、飲んだ後に読み取れるようにした二次元バーコードを利用したくじ付きシュリンクラベルを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の請求項1は、
透明な角型ペットボトルにお茶等を充填した飲料用容器の外側を包むようにしてなるペットボトル用のシュリンクフィルムにおいて、このシュリンクフィルムの適宜な位置に「アタリ」等のくじをコード化し、カメラ付き携帯電話により読み取れる二次元バーコードを設けた二次元バーコードを利用したくじ付きシュリンクラベルである。
【0008】
本発明の請求項2は、請求項1に記載の二次元バーコードを利用したくじ付きシュリンクラベルにおいて、
前記二次元バーコードの印刷色は、お茶と類似の茶系色或いは濃い色とすることを特徴とするものである。
【0009】
さらに本発明の請求項3は、請求項1または請求項2に記載の二次元バーコードを利用したくじ付きシュリンクラベルにおいて、
前記二次元バーコードには、ウエブ(Web)サイトのアドレスもコード化していくことにより種々のコンテンツのダウンロードを可能としたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の二次元バーコードを利用したくじ付きシュリンクラベルは、透明な角型ペットボトルにお茶等の濃度色を有する飲料を充填してなる飲料用容器の外側を包むようにしたペットボトル用のシュリンクフィルムであって、このシュリンクフィルムの適宜な位置に「アタリ」等の籤をコード化し、カメラ付き携帯電話により読み取れる二次元バーコードを設けたことを特徴とするものである。また、二次元バーコードの印刷色は、お茶と類似の茶系色とすることにより、消費者(お茶等のボトル購入者)は、携帯電話で読み取れるということと、飲んでから籤のあたり、はずれの判定が可能となるということで、趣のあるキャンペーン商品とすることができるものである。
【0011】
さらに、製造側から見て特に余分なコストや手間をかけずに「アタリ」「ハズレ」等のくじをコード化することにより二次元バーコードとして印刷することができる。
【0012】
また、前記二次元バーコードには、ウエブ(Web)サイトのアドレスもコード化していくことにより種々のコンテンツのダウンロードを可能としたことを特徴とするものであり、種々の優れた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の最良の形態を図により説明する。
【0014】
図1は、本発明の一実施例における二次元バーコードを利用したくじ付きシュリンクラベルである。
【0015】
図に基づき詳細に説明する。(10)は、透明なペットボトル、(11)は二次元バーコードを印刷したシュリンクフィルム、(15)は、くじをコード化した二次元バーコードである。本発明は、図1に示すように、透明な角型ペットボトルにお茶等を充填した飲料用容器の外側を包むようにしてなるペットボトル用のシュリンクフィルムである。このシュリンクフィルムの適宜な位置に「アタリ」等のくじをコード化し、カメラ付き携帯電話により読み取れるようにした二次元バーコードを設けたくじ付きシュリンクラベルである。
【0016】
なお、本発明に使用されるペットボトル(PET)(10)は、携帯電話で読み取り易いように角型のボトルを使用する。
【0017】
また、二次元バーコードを印刷するシュリンクフィルム(12)は、透明(無地)であって、この任意の位置に「アタリ」等のくじをコード化した二次元バーコード(15)を印刷するものである。この二次元バーコード(15)の刷り色は、茶色又は墨色を使用するものである。この前記二次元バーコードの印刷色をお茶と類似の茶系色としたことは、ペットボトルのお茶等の内容物を飲み干さないとコード化されたくじの判定(携帯電話による読み取り)を不可能としたものである。
【0018】
上記のテストとして、ペットボトルにお茶が一杯入っている容器は、カメラ付き携帯電
話で二次元バーコードを読めないことを確認した。このことは、店頭に並べられた内容物が入ったペットボトルの二次元バーコードを読み取り、購入することなくアクセスができないように、不正アクセスを防止できるもので、購入して内容物を飲み干さなければ読み取ることができないようにした。
【0019】
また、二次元バーコード(15)の裏面側の部分のボトルは、透明であることが必要であるが、ボトルのこの部分の反対側(向かい側)は、無地又は白色で良い。従って、ボトル自体の容器側面にはそれぞれの宣伝、商品銘などの印刷が印刷されていることが殆どであるが、二次元バーコード(15)の裏面側の部分はこの印刷を部分的に無くしておくことが好ましい。しかしこの対面側は印刷されていてもよい。
【0020】
さらに、ペットボトルに巻き付けるシュリンクフィルム(二次元バーコードを印刷するシュリンクフィルム)は、OPS(延伸ポリスチレン)フィルムを使用したもので、シュリンク(巻き付ける)温度は70℃から100℃でしっかりと巻き付けることができる。
【0021】
この二次元バーコード(15)の印刷に用いる印刷版は、グラビア印刷に用いる電子彫刻機(ヘリオクリッショグラフ社70L)のアングル4に設定し製版したものである。
【0022】
さらに、二次元バーコードとしてORコードを使用し、そのの作成条件は、モデル番号=2、セルサイズ=0.40以上、誤り訂正レベル=Q、セル補正=−0.05mで作成した。
【0023】
以上の条件で、ペットボトルに飲料が入っていないとき、携帯電話(ボーダホン=Vodafone社製)で二次元バーコードの読み取りができることを確認した。
【0024】
さらに、ペットボトルにお茶が一杯入っている容器はカメラ付き携帯電話においても二次元バーコードを読めないことを確認した。
【0025】
このことは、店頭に並べられた内容物が入ったペットボトルの二次元バーコードを読み取るような不正を防止できるもので、購入して内容物を飲み干さなければ読み取ることができない。
【0026】
また、本発明の前記二次元バーコード(15)には、「アタリ」という文字をコード化しておく以外に、ウエブ(Web)サイトのアドレスもコード化していくことにより種々のコンテンツ(インターネットや放送で提供される情報の内容・中身や番組そのもの)のダウンロードを可能としたものである。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の一実施例における二次元バーコードを利用したくじ付きシュリンクラベルである。
【符号の説明】
【0028】
10……ペットボトル
12……シュリンクフィルム(二次元バーコード入り)
15……二次元バーコード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明な角型ペットボトルにお茶等を充填した飲料用容器の外側を包むようにしてなるペットボトル用のシュリンクフィルムにおいて、該シュリンクフィルムの適宜な位置に「アタリ」等のくじをコード化し、携帯電話により読み取れる二次元バーコードを設けたことを特徴とする二次元バーコードを利用したくじ付きシュリンクラベル。
【請求項2】
前記二次元バーコードの印刷色は、お茶と類似の茶系色とすることを特徴とする請求項1に記載の二次元バーコードを利用したくじ付きシュリンクラベル。
【請求項3】
前記二次元バーコードには、ウエブ(Web)サイトのアドレスもコード化していくことにより種々のコンテンツのダウンロードを可能としたことを特徴とする請求項1乃至請求項2に記載の二次元バーコードを利用したくじ付きシュリンクラベル。

【図1】
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【公開番号】特開2006−317654(P2006−317654A)
【公開日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−139417(P2005−139417)
【出願日】平成17年5月12日(2005.5.12)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】