説明

二次元バーコード画像処理システム

【課題】インターネットの情報検索は世界中のホームページが対象となり検索結果は使いにくいものとなっている。さらに例えば観光旅行情報などはインターネットで公開された情報は現地のパンフレット等でも使いたい等、他の場面や場所で使いたい事がある。このような場合には二重三重の制作作業が必要でありここでは情報の統一管理と再利用が図られていない。更に情報の提供に対してはコンピュータ情報表示端末が利用されているがこの情報表示の為には個々にプログラミングがなされている為に開発作業、保守作業に時間がかかっている。
【解決手段】本発明は、情報提供の為のデータおよびシステムコントロールの為の制御データを二次元バーコードで制作しこれに関連する表題、説明文、写真等を背景画像と共に一体化て画像で形成し情報検索、情報の再利用、コンピュータシステムの制御などに生かす二次元バーコード画像による情報処理システムを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、観光、防災、防犯等の情報と、コンピュータシステムを制御する制御情報とをテキスト情報にて共に二次元バーコードの画像を形成し、さらにこの情報に関連する表題、説明文などの文字情報、並びに写真等を背景画像と共に一体化して単一画像で形成し、この単一画像を種々の業務に利用する事を目的とする二次元バーコード画像処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、旅行情報や自治体が実施している市民に対する、観光、防災、防犯等の情報提供は市報、町内会の回覧板やインターネットのホームページにより行われていた。またインターネットや表示端末に表示する情報の編集、画面コントロールは個々にプログラム作成によるシステム開発が必要とされた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記従来の技術によれば次のような解決すべき課題があり本発明はその改善の目的で行うものである。
「課題1」:インターネットによる情報提供と情報検索
現在インターネットのホームページの情報検索はYAHOOやGOOGLE等の検索サイトを利用して行っている。この場合に検索キーワードを入力して行う訳であるが検索範囲は世界中のホームページが対象となる為に検索に該当したホームページは膨大になる。しかしながら利用目的に応じては限られた検索範囲で十分な場合がある。例えば観光旅行を例として挙げると利用者の訪問地域はあらかじめ分かっているので当該地域の観光資源である景色、歴史、文化、更にホテル、旅館等の宿泊地、レストラン、産物などの情報を対象として検索を行えば良い。つまり検索はまずキーワードがあるのでは無くて検索目的がありこの目的に沿って検索範囲を狭めて精度の高い情報提供が行われる必要がある。
「課題2」:インターネットのホームページの制作
インターネットのホームページはHTML言語で作られている。従ってこの作成はHTML言語を駆使して行うが、特にテキストや画像を組み込む場合には作業が面倒であるし更に将来ホームページの一部に写真、文字などの修正がある場合にはHTML言語で再度プログラミングしなければならずその作業は大変煩雑であった。
「課題3」画面コントロール
コンピュータ端末である情報表示装置への情報表示は専用の表示画面作成のプログラミングが必要とされそのプログラミングは大変時間のかかるものでありもし内容が変更した場合にはその修正作業は大変面倒であった。
「課題4」:情報の一貫利用
インターネットのホームページで掲載された情報を、例えば旅行情報を例とすれば現地でそれを利用したい場合がある。このような場合今までパソコンから当該ホームページをプリントアウトして使っていた。この場合、現地、観光地での観光案内などはホームページと同じものを準備すれば十分な事が多い。さらに昨今二次元バーコードの携帯電話で利用が多く行われているがインターネット情報と、観光地の観光情報の提供と、二次元バーコードによる携帯電話への情報提供が同一ソースを入力源として行われていない場合が多かった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、上記の課題を解決するために行うものでありその基本的考え方は、利用者へ提供したい情報を二次元バーコード画像で形成し、さらにこれに関連する文字情報、写真などを同時に枠組みを持った一体化した画像に取りまとめ生成しこの画像をインターネットのホームページ掲載する事にある。そしてこの一体化した画像をインターネットのみの利用に留まらず、他の場面でもこの画像ユニットそのまま利用するシステムを提供する事にある。さらにこの二次元バーコードの中には、上記の一般的なデータのみならずコンピュータ制御のコマンドを同時に格納する。例えばインターネットホームページアドレス、メールアドレス、電話番号の他、この画像ユニットに動作指示(例えば画像クリック)を行えばその結果諸々のシステム的な制御ができる制御用のコマンドが含まれている点に特徴がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。
本図1は二次元バーコード画像ユニットAの構成を示す図である。二次元バーコード画像ユニットは表題1、説明文2、写真3、二次元バーコード4、それに背景画像から構成される。これらは総て画像データに変換され利用目的に応じ管理番号、検索番号としてナンバリングされ保存される。なお二次元バーコードの中に保存されるテキストデータとしては次の3種類に分類される。
【0006】
「分類1」:検索用のテキストデータ群:利用者へ利用情報の提供を行うものである。この情報は検索情報としても利用されテキスト形式で記述されている。
「分類2」:制御用コマンド群:コンピュータ利用環境を制御するものであり、インターネットホームページアドレス、メールアドレス、電話番号、更にコンピュータ機器を制御する制御コマンド等がテキスト形式で記述されている。例えば端末画面の表示コントロール制御、リンク先の画面表示制御などがある。
「分類3」:空白データ群:この二次元バーコード画像ユニットは単なる画像表示や表示画面レイアウト調整用の目的で使われるものでありこの場合には二次元バーコードの中身は空白である。
なお背景画像であるが、画像にあるルールを基に色、記号等を表示しておけばこの二次元バーコード画像ユニットAが制作された日時とか場所が利用者に判読できる。
【0007】
本図2は、二次元バーコードユニットAに係する情報の初期登録作業に関する。二次元バーコードユニットAは画像データとして当該運営サイトのシステム管理者にて管理される。システム管理者は登録システムBを起動しこの二次元バーコードユニットAに含まれている二次元バーコード4を解析してデータベースシステムCに登録する。この作業を通じて二次元バーコードユニットAが画像データとして、二次元バーコードの内容はテキスト情報として整理されてデータベースシステムCへ登録管理される。
その後システム管理者は彼が運営管理しいるインターネットサイトへ本バーコードユニットAを含んだ画像を編集しインターネット上で情報公開する。
【0008】
本図3は、利用者Xが本システムをインターネットDによる情報検索の方法を説明したものである。利用者XはインターネットD上で当サイトのホームページをパソコン7に表示させ検索システムE稼働する。利用者Xは情報検索を行うために該当するキーワードを当サイトの画面から入力する。検索システムEはデータベースシステムCに保存されたテキストデータ群5を検索して該当する二次元バーコードユニットAをパソコン画面に一覧表示する。なおこの作業はインターネットの本ホームページから指示を受けて実施される。利用者Xはこれを見ながら該当する二次元バーコードユニットAを印刷するかパソコン編集領域にコピーし編集加工して彼の後の作業に利用する。
なお本情報検索に際しては検索用にテキストデータ群5を使って検索を行っているが本検索システム稼働時にデータベースシステムC中の二次元バーコードユニットAの二次元バーコード4を一件毎に全件解読して検索作業を行ってもよい。このような方法を採らずテキストデータ群5を別途情報としてデータベースシステムCに保存した理由は検索時間の短縮を図るためである。なお二次元バーコードユニットAはインターネットで掲示したものがそのまま、例えば観光名所、ホテル、レストランなどの観光資源の多い場所に設置され利用される。その他に防災、防犯に係わる場所にも設置される。特に野外や海上など自然環境の悪い場所では自然環境に強く半永久的な耐久性のある陶板などが用いられその表面には二次元バーコードユニットAが印刷加工し制作される。また防災、防犯への利用に関しては防災監視拠点への監視カメラを設置し常時インターネットで情報配信を行うものとし、二次元バーコードで記載されているリンク先はこのリンク先アドレスを記載する。なおここまでは二次元バーコードユニットAの画像内容はインターネット公開時のものをそのまま転用すると説明を行ってきたが、利用者の利用状態により二次元バーコード4の内容、例えばインターネットホームアドレスやメールアドレスは違ったものを記載した方が良い場合もある。この事は利用者が現場で二次元バーコードユニットAを見た証明にもなりそれに応じたサービス等も提供できる。
【0009】
本図4は情報表示端末に関する利用方法を述べる。
ここでの情報表示端末Fとはパソコンのディスプレー装置、市役所や図書館や病院、その他観光案内所でよく見られる検索や情報提供に用いられる端末を意味する。
ここでは市役所等の行政で使われる防災情報端末の利用を例として説明する。本情報表示端末は常時または必要時に稼働しており、当該防災に関係する情報が常時表示されている。以下この画面での二次元バーコードユニットAの使い方を説明する。二次元バーコードユニットAには2種類あり、一つは情報提供用であり残りの一つは画面制御用である。
まず情報提供用二次元バーコードユニットGはこの目的で制作されたものであり以下その使い方を説明する。ここでの二次元バーコードユニットAは災害観測拠点からの情報提供の目的で設計されている。ここには監視カメラが設置されており常時当地点での映像がインターネットを通じて配信されている。二次元バーコードユニットAをパソコンのマウス、又はタッチパネルの操作で起動開始となる。この時この画面表示システムはこの二次元バーコードユニットA中の二次元バーコード4に記載されたリンク先のアドレスを読み取りここに書かれているリンク先の映像情報をインターネットを通じて表示する。
次に画面コントロール用二次元バーコードユニットHは画面コントロールを目的として制作したもであり以下この機能を説明する。
画面コントロールとは例えば、前画面に戻るとか次の画面へ進む等の画面制御であり画面コントロール用二次元バーコードユニットHを用いて行う。この画面コントロール用二次元バーコードユニットには表示画面の画面コントロール用のコマンドのみ二次元バーコード4の中に記述されているのでシステムはこれを用いて画面コントロールする事ができる。なおこの場合標準的にプログラミングされたものが事前に開発元から提供されているのでこれを使う事とする。このようにして二次元バーコードユニットAを画面上にレイアウト表示し画面構成をすれば簡単に画面制御を行う事ができる。もし観測地点の変更(追加、削除)があれば二次元バーコードユニットAのみを取り替えれば良い。もしこの方法を採らないとすれば観測点の追加、変更、削除等はその都度プログラムの変更となり大変面倒な作業が求められる。
【0010】
さて情報提供者が緊急に災害や防犯情報を行政担当者へ通報したい場合を考察する。
ここでは市役所、警察、消防署など連絡先はもともと二次元バーコードユニットAとして作成され常時この情報表示端末に表示されるものとする。情報提供者は当該二次元バーコードユニットA中の二次元バーコード4を彼が保有する携帯電話を用い内容を読み取る。その後ここで記載されているメールアドレスに災害情報写真を添付したり、災害の情報などを本文に記入し纏めて併せてメール送信したり、またその中に記載された電話番号に電話をかけたり、さらにここに記載されているホームページを表示させて諸々の情報を入手する事ができる。
【0011】
また、請求項2にかかわる発明は、二次元バーコード画像ユニットAを利用目的毎に整理し複数枚をインターネットのホームページ上に公開し諸々の利用目的に提供するものである。例えば大規模工場建設のプロジェクト管理、生産機器などの設置スケジュール管理、機器の保守点検等にはマニュアル等の管理用書類が必要とされる。例えば生産工場内に設置された機器の保守・点検に関して例をあげると通常機器が故障した場合には、当該機器に張り付けられた銘板の製造番号や製造年月日を基にして製造メーカに問い合わせを行っている。しかしながらこの情報入手には非常に手間がかかる事が指摘されている。もしこの保守情報を二次元バーコードユニットAに記載しそれを点検マニュアルとして複数並べて掲載すれば非常に便利な使い方になると思われる。また工場建設の設計、資材管理、進捗管理なども応用する事ができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明では、二次元バーコードの中に記載されたテキスト情報を情報提供手段と画面端末制御手段に利用した点に特徴がある。さらに二次元バーコードユニットとしてこの二次元バーコードとこれに関連する説明文や写真などを一体化して画像として形成した点に特徴がある。このようなデータとメソッドを同時に隠蔽化してオブジェクトとして取り扱う考え方はオブジェクト指向と呼ばれる。このオブジェクト単位での情報処理は諸々の利用局面で大変便利な考え方であることは公知の事実である。更にインターネットのホームページ掲載時に作成した二次元バーコードユニットがこれを利用する下位の場面まで利用される事は一環し連続したデータ管理が行える事となり作業の軽減化や現場での二重三重の説明書などの作成の手間が軽減される。
【産業上の利用可能性】
【0013】
いままで述べたとおり本発明を用いて観光資源、災害、防災の情報管理がインターネットのホームページで作成した情報を末端現場まで一貫して利用できる他、情報表示画面の作成と保守などのコンピュータシステム開発の手法としては有効である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】 本発明の実施の形態を表す二次元バーコードユニットAの構成を示す図である。
【図2】 本発明の実施の形態に関わる二次元バーコードユニット情報の登録作業手順を示す説明である。
【図3】 本発明の実施の形態に関わるインターネットによる情報検索を行う場合の作業手順を示す説明である。
【図4】 本発明の実施の形態に関わる情報表示端末における二次元バーコードユニットの使用方法の一例を説明したものである。
【符号の説明】
【0015】
A 二次元バーコードユニット
B 登録システム
C データベースシステム
D インターネット
E 検索システム
F 情報表示用端末
G 情報提供用二次元バーコードユニット
H 画面コントロール用二次元バーコードユニット
X 利用者
1 表題
2 説明文
3 写真
4 二次元バーコード
5 テキストデータ群
6 二次元バーコードユニット画像群
7 パソコン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
観光、災害、防犯、産業機械等に係わるテキスト情報とコンピュータシステム制御情報を二次元バーコード画像で形成し、更にこれに関連する文字、写真などと共に背景画像を中に一体化して画像成形した二次元バーコード画像ユニットと、この二次元バーコード中のテキスト情報を検索したり、またコンピュータ制御情報を解析しその結果をコンピュータ端末に指示するソフトウェアとからなる二次元バーコード画像処理システム。
【請求項2】
上記二次元バーコード画像ユニットは利用目的毎に整理され複数枚をインターネットのホームページ上に公開し諸々の利用目的に提供する請求項1に記載の二次元バーコード画像処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−305360(P2008−305360A)
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−174598(P2007−174598)
【出願日】平成19年6月6日(2007.6.6)
【出願人】(591229532)
【Fターム(参考)】