説明

二次電池およびその製造方法

【課題】 段差を有する部位における、液体金属の濡れ広がりに起因した溶接欠陥の発生を防止することができる。
【解決手段】 蓋13の外側の溶接時には、第2かしめ部11dおよびこれに隣接した外部端子16の表面における第2溶接部に、溶融池24が形成される。そして酸素雰囲気によって、溶融池の表面には、酸化被膜25が形成される。溶融金属が濡れ広がるためには、内側から酸化被膜を破壊する必要があるが、酸化被膜は破壊エネルギーが高く、酸化被膜は容易には破壊されない。また、溶融池に隣接して形成される酸化被膜27は、溶融池の周囲を支持するので、溶融池の広がりが抑制される。従って、溶融池の濡れ広がりが抑制され、表面積が狭まり、溶融池の表面が凸形状のままで凝固する。凸形状で凝固した溶融池は、表面の中心における引張応力が低減され、割れ防止に有効である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はリチウム二次電池などの二次電池およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ハイブリッド自動車や電気自動車等の動力源として大容量(Wh)のリチウム二次電池が開発されており、その中でもエネルギー密度(Wh/kg)の高い角形のリチウム二次電池が注目されている。
【0003】
角形のリチウム二次電池においては、正極活物質を正極箔に塗布した正極電極、負極活物質を負極箔に塗布した負極電極およびそれぞれの接触を防ぐためのセパレータを捲回した扁平形状の捲回群を缶に収納し、蓋に設けられ外部に露出した正極接続端子および負極接続端子と捲回群とを集電板により電気的に接続する。さらに、缶と蓋を封止溶接し、蓋に設けられた注液口から電解液を注液し、注液口を注液栓により溶接して封止する。
【0004】
特許文献1記載の電池では、円筒形状の接続端子を、外部端子、絶縁部材、蓋、ガスケットのそれぞれに形成された貫通孔に挿入し、接続端子を、その中心軸より外周側に広げて、それぞれの部材をかしめ固定し、さらに、接続端子のかしめ部の外周端と外部端子とをスポット・レーザ溶接している。
【0005】
特許文献2には酸素雰囲気中で実施される、アルミニウムのレーザ溶接方法が記載され、酸化被膜によってレーザビームに対する反射率を低下させ、とけ込み深さを深くしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−259524号公報
【特許文献2】特開昭62−254992号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1は、かしめ部外周端の溶接に際して、かしめ部の外周端が溶融して外部端子の表面に濡れ広がり、凝固時の引張応力により割れが発生する懸念があった。
【0008】
一方、特許文献2は、かしめ部等、段差を有する部位、すなわち、液体金属の濡れ広がりについては何ら配慮されていない。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)請求項1の発明による二次電池は、正極電極と負極電極とをセパレータを介して捲回した捲回群と、前記捲回群が収納された缶と、前記缶を封止する蓋と、前記捲回群と外部負荷との間で充放電電力を入出力する入出力導電部材とを備え、前記入出力導電部材は、少なくとも、一端が前記正極電極および前記負極電極にそれぞれ接続された正負極集電板と、一端が前記正負極集電板の他端に接続され、他端が前記蓋の外側まで延在する正負極外部導電部材とを有し、前記正負極外導電部材の一端は、前記正負極集電板の他端にそれぞれかしめ溶着され、前記かしめ溶着された溶着部表面のそれぞれには酸化被膜が形成されていることを特徴とする。
(2)請求項8に記載の二次電池は、正極電極と負極電極とをセパレータを介して捲回した捲回群と、前記捲回群が収納された缶と、前記缶を封止する蓋と、前記捲回群と外部負荷との間で充放電電力を入出力する入出力導電部材とを備え、前記入出力導電部材は、少なくとも、一端が前記正極電極および前記負極電極にそれぞれ接続された正負極集電板と、一端が前記正負極集電板に接続された正負極接続端子と、前記蓋の外側に配置され、前記正負極接続端子の他端が貫通され、かつ前記正負極接続端子がかしめ溶着された正負極外部端子とを有し、前記正負極接続端子が前記正負極外部端子にかしめ溶着された溶着部表面のそれぞれに前記酸化被膜が形成されていることを特徴とする。
(3)請求項11の発明は、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の二次電池の製造方法において、酸素を10%以上含む雰囲気中でレーザ溶接して前記かしめ溶着部を形成する溶接工程を有することを特徴とする。
(4)請求項13の発明は、請求項11または12に記載の二次電池の製造方法において、前記正極電極と前記負極電極とを前記セパレータを介して捲回して前記捲回群を製作する第1工程と、前記正極電極および前記負極電極を前記正負極外部端子に接続するための前記正負極集電板に前記正負極接続端子をそれぞれかしめる第2工程と、前記正負極外部端子に前記正負極接続端子をそれぞれかしめる第3工程と、前記正極電極および前記負極電極にそれぞれ前記正負極集電板を接続する第4工程と、前記第2工程によるかしめ部を所定濃度の酸素雰囲気中で溶接する第5工程と、前記第3工程によるかしめ部を所定濃度の酸素雰囲気中で溶接する第6工程と、前記第3〜第6工程で前記正負極集電板と前記正負極接続端子と前記正負極外部端子とが一体化された蓋・端子組立体を前記捲回群に接続して蓋組立体を製作する第7工程と、開口部を有する缶内に、前記蓋組立体を収納する第8工程と、前記開口部を蓋で覆って前記缶を封止する第9工程と、前記缶に電解液を注入する第10工程とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、とくに段差を有する部位における溶融金属の濡れ広がりに起因した溶接欠陥の発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明による二次電池の実施形態を示す斜視図。
【図2】図1の二次電池における捲回群と集電板の接続状態を示す斜視図。
【図3】図1の二次電池における蓋組立て部材を示す斜視図。
【図4】図1の二次電池における捲回群を示す斜視図。
【図5】図1の二次電池における正極集電板と正極接続端子を示す分解斜視図。
【図6】図5の正極集電板と正極接続端子の組み立て状態を示す縦断面図。
【図7】図6の正極接続端子のかしめ状態を示す縦断面図。
【図8】図1の二次電池におけるガスケットかしめ部を示す分解斜視図。
【図9】図7の正極接続端子に正極外部端子を組み付けた状態を示す縦断面図。
【図10】図9の正極接続端子のかしめ状態を示す縦断面図。
【図11】正極集電板と正極接続端子の溶接後の状態を蓋内部側から見る斜視図。
【図12】溶接装置を説明する斜視図。
【図13】図10の正極接続端子の正極外部端子への溶接初期の状態を示す縦断面図。
【図14】図10の正極接続端子の正極外部端子への溶接中期の状態を示す縦断面図。
【図15】図10の正極接続端子の正極外部端子への溶接後期の状態を示す縦断面図。
【図16】図11の正極集電板と正極接続端子の溶接状態を示す縦断面図。
【図17】本発明における二次電池の製造方法の実施形態を示すフローチャート。
【図18】図17における外部端子と接続端子の溶接工程を示すフローチャート。
【図19】図18における集電板と接続端子の溶接工程を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明による二次電池の実施形態を図面を参照して説明する。
【0013】
[全体構成]
図1に示すように、二次電池100は、缶61に図2に示す蓋組立体150を挿入した後に、缶61を密封して構成される。図2は蓋組立体150を示し、蓋組立体150は、図3に示す蓋・端子組立体170に、図4に示す捲回群6を組み付けたものである。
【0014】
蓋・端子組立体170は、図3に示すように、蓋13に、正負極外部端子16,32および正負極集電板10、31を装着したものである。蓋13は、その周縁部が缶61に溶接され、これによって缶61が封止される。蓋13には、注液口13bが設けられ、缶61の密封後、注液口13bから缶61内に電解液(図示省略)が注入され、その後、注液口13bには注液栓62が封止溶接される。
【0015】
正負極外部端子16,32には、貫通孔16b、32bが設けられ、貫通孔16b、32bに挿通されたボルト(図示省略)によって、正負極外部端子16,32はバスバー(図示省略)に接続される。
【0016】
[捲回群]
図4に示すように、捲回群6は、セパレータ5を挟んで正極箔1と負極箔3とを扁平形状に捲回して構成されている。正極箔1は厚さ30μmのアルミニウム箔であり、負極箔3は厚さ15μmの銅箔である。また、セパレータ5は多孔質のポリエチレン樹脂である。正極箔1の両面には正極活物質2が塗布されており、負極箔3の両面には負極活物質4が塗布されている。捲回群6の正極活物質2と負極活物質4との間で電気を充放電する。正負極箔4、3の長手方向に沿う両端にはそれぞれ活物質2,4が塗布されていない金属箔露出部が形成されている。この露出部は平面状に押し潰され、正負極集電板10、31が溶接される。
【0017】
[蓋組立体150]
図2に示すように、蓋組立体150は、蓋・端子組立体170と、捲回群6とで構成されている。蓋・端子組立体170は正負極集電板10、31を有し、正負極集電板10、31は、捲回群6の両端に露出する正負極箔1、3に溶接され、これにより、正負極集電板10、31と捲回群60とが電気的、機械的に接続されている。
【0018】
[蓋・端子組立体170]
図3に示すように、蓋・端子組立体170は、蓋13と、正負極集電板10、31と、正負極接続端子11、33と、ガスケット12と、絶縁部材14と、正負極外部端子16,32とを備え、後述する工程で一体化されている。正負極集電板10、31は、捲回群6の軸方向両端部の側面形状に沿って折曲された金属板であり、正負極箔1、3の材質と同じ、アルミニウム、銅よりなる。
【0019】
図5〜図11を参照して蓋・端子組立体170の詳細を説明する。なお、正極側と負極側とは同一の形状、構成であり、図5〜図11は正極側の構成を示している。
【0020】
[蓋・端子組立体170のかしめについて]
図5に示す正負極集電板10、31と正負極接続端子11、33は、図6、図7に示すように予めかしめ固定される。すなわち、正負極集電板10、31には貫通孔10a、31aが設けられ、正負極接続端子11、33の両端にはそれぞれ筒状部11a、11b(33a、33b)が設けられている。
【0021】
図5〜図10に示すように、かしめ固定に際しては、正負極接続端子11、33の筒状部11a、33aを正負極集電板10、31の貫通孔10a、31aに挿入し、その後、筒状部11a、33aを外周側に広がるようにかしめ固定して、かしめ部11c、33cを形成する。これによって、正負極集電板10、31と正負極接続端子11、33とがかしめ固定される。
【0022】
図8に示すように、蓋13には、正負極接続端子11、33を挿通する貫通孔13aが穿設されている。正負極接続端子11、33は、貫通孔13aに挿入されて蓋13の外側に突出する軸部11b、33bと、軸部よりも大径の頭部11f、33fとを有する。
【0023】
図9に示すように、正負極接続端子11、33は、軸部11b、33bにガスケット12を嵌装した状態で貫通孔13aに挿入され、また、正負極接続端子11、33の軸部11b、33bには、蓋13の外側で、絶縁部材14を介して正負極外部端子16、32が嵌装されている。その後、軸部11b、33bには、かしめ工程および溶接工程が施される。
【0024】
図10は、かしめ工程により正負極外部端子16,32とともに蓋13に正負極接続端子11、33、すなわち、正負極集電板10、31を固定した様子を示す断面図である。図10に示すように、正負極接続端子11、33には、蓋13の内外で、かしめ部11c、33c、かしめ部11d、33dが形成され、正負極接続端子11、33のかしめ固定により、正負極集電板10、31、絶縁部材14、正負極外部端子16、32が蓋13に固着される。
【0025】
このようにして、軸部11b、33bを各部材に貫通させた後、後述するかしめ工程により、ガスケット12に頭部11f、33fが圧接され、正負極接続端子11、33と蓋13の隙間がシールされる。そして、正負極接続端子11、33の軸部11b、33bは、蓋13に対して電気的に絶縁されつつ、正負極外部端子16,32に電気的に接続される。
【0026】
以下、集電板10、31の固定のために形成されたかしめ部11c、33cを第1かしめ部、外部端子16、32の固定のために形成されたかしめ部11d、33dを第2かしめ部という。
【0027】
本発明による二次電池100では、上述した第1かしめ部11c、33cと第2かしめ部11d、33dは機械的固定に加えて溶接により固着されている。かしめ固定は部材を強固に機械的に固定する。また、溶接固着は正負極接続端子と正負極外部端子を電気的に接続して接続抵抗を低減する。
【0028】
本発明は、第1および第2かしめ部を酸素雰囲気中で溶接し、溶接部表面に酸化被膜を積極的に形成することにより、溶融金属、すなわち溶融池の濡れ広がりを抑制して溶接部を凸形状にするものである。
【0029】
[第1および第2かしめ部の溶接について]
第1かしめ部11c、33cの溶接箇所について図11を参照して説明する。図11は、蓋13の裏面側から見た正極集電板10の第1かしめ部11cを示す斜視図であるが、負極側の構成部材の符号も付している。なお、図13〜図16についても同様であり、負極側の構成部材の符号を示している。
【0030】
図11に示すように、第1かしめ部11c、33cの周縁部には、レーザ光によるスポット・レーザ溶接によって、複数の溶接部60が形成される。以下、第1かしめ部11c、33cのための溶接部60を第1溶接部という。
【0031】
一方、図1〜3に示すように、第2かしめ部11d、33dの周縁部には、レーザ光によるスポット・レーザ溶接により、複数の溶接部34、35がそれぞれ形成される。以下、第2かしめ部11d、33dのための溶接部34、35を第2溶接部という。
【0032】
このように、かしめ固定と溶接固着によるかしめ溶着により、正負極集電板10、31、正負極接続端子11、33、および正負極外部端子16、32の電気的、機械的接続が確実に行われ、信頼性の向上に寄与する。
【0033】
[第1溶接部60、第2溶接部34,35の溶接の概要について]
図12を参照して、第2溶接部34、35の溶接装置300の概要を説明する。溶接装置300は、レーザ発振器40と、光ファイバー41と、加工ヘッド42と、チャンバー43とを備えている。
【0034】
チャンバー43内には、レーザ光20を溶接部34、35に照射する加工ヘッド42が設置され、加工ヘッド42には、光ファイバー41を介して発振器40が接続されている。発振器40は、YAGレーザ光を発振、生成し、光ファイバー41に入射する。光ファイバー41は、入射したレーザ光を加工ヘッド42に伝送し、加工ヘッド42はレーザ光を集光レンズ(図示省略)によって集光して、レーザスポット光20を出力する。チャンバー43には流入口44および排出口45が設けられ、内部の雰囲気を調整することができる。
【0035】
−第2かしめ部34,35の溶接−
図12に示すように、正負極接続端子11、33と正負極外部端子16,32とが蓋13にかしめ固定された製造途中の蓋・端子組立体170Aがャンバー43内に収納される。チャンバー43内は、排出口45から内部の空気を排出しながら流入口44に流入する酸素によって酸素置換され、チャンバー43内の酸素濃度が所定値に調整される。これによって、第2溶接部34、35は所定酸素濃度の雰囲気内で溶接される。
【0036】
本実施形態における二次電池では、チャンバー43において、図13に示すように、レーザスポット光20を第2かしめ部34,35に照射することにより、正負極接続端子11、33と正負極外部端子16、32とのかしめ部11d、33dを酸素雰囲気でレーザ溶接する。これにより、本実施形態における二次電池では、図15に示すように、溶接部34、35に酸化被膜25〜27が形成されている。この酸化被膜25〜27により溶融池24の濡れ広がりが抑制される(濡れ性が抑制される)。さらに、溶融池が凸状態のまま凝固し、溶接部34、35の割れを防止することができる。
【0037】
−第1かしめ部60の溶接−
本実施形態における二次電池ではまた、正負極集電板10、31と正負極接続端子11、32とのかしめ部11c、31cを酸素雰囲気でレーザ溶接する。すなわち、図16に示すように、ノズル47から酸素を溶接部60に向けて供給しながらかしめ部11c、33cをレーザスポット溶接する。したがって、溶接部60は酸化され、酸化被膜50および酸化被膜51が形成される。この酸化被膜50、51により溶融池48の濡れ広がりが抑制される。また、溶融池が凸状態のまま凝固し、溶接部60の割れを防止することができる。
【0038】
[第1溶接部60、第2溶接部34,35の溶接の詳細について]
図14、図15に示すように、蓋13の外側の溶接時には、第2かしめ部11d、33dおよびこれに隣接した外部端子16、32の表面(同図では正極外部端子16のみを示す)における第2溶接部34、35に溶融池21、24が形成される。そして酸素雰囲気によって、溶融池21、24の表面には酸化被膜22、25が形成され、第2かしめ部11d、33dにおける溶融池21、24の近傍には酸化被膜23、26が形成され、第2かしめ部11d、33dに隣接した外部端子16、32表面には酸化被膜27が形成される。
【0039】
一方、図16に示すように、蓋13の内側の溶接時には、第1かしめ部11c、33cおよびこれに隣接した集電板10、31の表面(同図では正極集電板10のみを示す)における第1溶接部60に溶融池48が形成される。そして、酸素雰囲気によって、溶融池48の表面には酸化被膜49、50が形成され、第1かしめ部11c、33cにおける溶融池48の近傍には酸化被膜51が形成され、第1かしめ部11c、33cに隣接した集電板10、31表面には、酸化被膜51が形成される。
【0040】
溶融金属が濡れ広がるためには、溶融池21,24,48の熱により、隣接して形成される酸化被膜23,26,27,51を破壊する必要があるが、酸化被膜は破壊エネルギーが高く、酸化被膜は容易には破壊されない。そのため、溶融池21,24,48の広がりが抑制される。
【0041】
第2かしめ部11d、33dの周縁部は正負極外部端子16、32に対して段差部であり、第1かしめ部11c、33cの周縁部は正負極集電板10、31の表面に対して段差部である。このため、かしめ部11c、11d、33c、33dに形成された溶融池21、24、48はより低位置の正負極外部端子16、32、正負極集電板10、31に流下する傾向にあるが、酸化被膜22、23、25〜27、49〜51の強力な支持力によってその流下が阻止される。
【0042】
このため、溶融池と近傍の溶接部表面の濡れ性が悪くなり、溶融池の濡れ広がりが抑制され、溶融池21、24、48の表面積が狭くなり、溶融池21、24、48の表面が凸形状のままで凝固する。凸形状で凝固した溶融池21、24、48は、表面の中心における引張応力が低減され、割れ防止に有効である。
【0043】
すなわち、本実施形態の二次電池によれば、正負極集電板10、31と正負極接続端子11、33の溶接、および正負極外部端子16、32と正負極接続端子11、33の溶接に際して、溶融池周囲の部材の表面を酸化させることで、溶接部表面の濡れ広がりを抑制し、溶接部の割れを防止することができる。
【0044】
[二次電池の製造方法について]
図17は、上記二次電池の製造方法の手順を示す図である。
【0045】
工程S1701:正負極電極を扁平形状になるよう捲回して、捲回群6(図4)を作製する。
工程1702:正負極集電板10、31と正負極接続端子11、33とを、それぞれかしめ固定する。
工程S1703:正負極外部端子16、32と正負極接続端子11、33とを、それぞれかしめ固定する。
【0046】
工程S1704:正負極外部端子16、32と正負極接続端子11、33を、それぞれレーザ溶接する。詳細については後述する。
工程S1705:正負極集電板10、31と正負極接続端子11、33とを、それぞれレーザ溶接する。詳細については後述する。
工程S1706:捲回群6と正負極集電板10、31とを接続する。
【0047】
工程S1707:蓋13を缶61に溶接して缶61を封止する。
工程S1708:注液口13bから缶61内に電解液を注液する。
工程S1709:注液口13bを注液栓62によって密封する。
【0048】
工程S1710:以上の工程S1701〜S1709により、二次電池の組立が完了する。
【0049】
[第2溶接部34,35の溶接手順について]
図18において、図17の製造工程における正負極外部端子16、32と正負極接続端子11、33との溶接(工程S1704)は以下の工程による。
【0050】
工程S1801:正負極集電板10、31と正負極接続端子11、33とのかしめ固定、正負極外部端子16、32と正負極接続端子11、33とのかしめ固定が完了した蓋・端子組立体170の仕掛品170Aをチャンバー43内にセットする(図12)。
なお、仕掛品をセットした段階では、チャンバー43の流入口44および排出口45は大気に開放されており、チャンバー43内の雰囲気は空気である。
【0051】
工程S1802:排気口45を大気に開放しつつ、流入口44から、酸素濃度を所定値に調整した気体を流入させる。
【0052】
工程S1803:排気口45を大気に開放しつつ、流入口44からチャンバー43内への気体送給を所定時間継続する。これによって、チャンバー43内の雰囲気は所定濃度の酸素を含む気体に置換される。
【0053】
工程S1804:正負極接続端子11、33と正負極外部端子16、32をレーザ光20によって、例えば4カ所、スポット溶接する。このときのレーザ光20は、例えば、30Jのパルスエネルギーに設定される。
【0054】
溶接に際しては、まず、図13に示すように、かしめ部11d、33dの周辺部に向かって、例えば、直径0.4mmの円形状に集光されたレーザ光20が溶接部34、35の表面に集光するように照射される。照射角度は、例えば、正負極外部端子16、32に対して60度である。
【0055】
溶接初期ではかしめ部11d、33dと正負極外部端子16、32の温度が上昇するが溶融までには至らない。そして、温度上昇したかしめ部11d、33dの表面は周囲の酸素と反応して酸化被膜19が形成される。溶接前にも溶接部表面には非常に薄い自然酸化被膜が存在するが、高温の酸素雰囲気にさらされることにより、より厚く形成される。
図13では、自然酸化被膜は図示せず、酸化により厚くなった酸化被膜19のみ示す。
【0056】
図14は溶接中期の断面図を示す。図13の状態から、レーザ光20の照射を継続し、所定時間が経過すると、かしめ部11d、33dの一部が溶融し始め、溶融池21が生成される。溶融池21の表面ではアルミニウム(銅)の酸化被膜が形成され、また溶融池21内部で生成された酸化被膜は、液体アルミニウム(液体銅)よりも比重が小さいため、溶融池21の表面に浮き上がり、表面の酸化被膜とともに肉厚の酸化被膜22を形成する。そして、図13で形成された酸化被膜19は、酸化の進行により厚く広い酸化被膜22になる。さらに、溶融池21近傍のかしめ部11d、33dの表面は高温になるため、周囲の酸素と反応して厚い酸化被膜23が形成される。
【0057】
図15に溶接後期の断面図を示す。図14の状態から、レーザ光20の照射を継続し、所定時間が経過すると、溶融池は容積を拡大し、大容量の溶融池24が生成される。溶融池24の表面には、図14で形成された酸化被膜22、23を含む、肉厚の酸化被膜25が形成される。
【0058】
さらに、かしめ部11d、33dにおける溶融池4の近傍の溶接部表面には、酸化被膜26が形成され、正負極外部端子16、32における、溶融池24の近傍の溶接部表面には、酸化被膜27が形成される。酸化被膜26と酸化被膜27は高温で酸素雰囲気に曝されることから新たに形成されたものである。
【0059】
溶接の進行にともなって、溶融池24は近傍の溶接部表面の、肉厚で融点の高いアルミニウム酸化被膜26を破壊しながら拡大していくことになるが、この酸化被膜26の破壊に、大きな破壊エネルギーが必要であり、溶融池24と近傍の溶接部表面の濡れ性が低下する。これによって、溶融池24の濡れ広がりは抑制され、溶融池24は表面積の拡大が阻止される。従って、溶融池24は、表面が凸形状のまま、凝固することになる。凸形状の溶融池24は、最終凝固形状の表面中心において、引張応力が低減され、割れ防止に有効である。
以上説明したとおり、酸化被膜25〜27は溶融金属の濡れ性を抑制するに必要な膜厚となっている。
【0060】
チャンバー43内の雰囲気の酸素濃度を0、10、20、30、40、50、100%で変化させて、残りを窒素として混合濃度雰囲気で溶接実験した結果、酸素濃度が10%以上のときに、割れ防止に有効であることを確認できた。また、チャンバー43を使用せず、酸素濃度が20%である空気中で溶接を行った際にも、割れ防止効果を確認できた。
【0061】
なお、濡れ広がりを抑制することで、溶融池の表面積が狭くできるので、凝固時の凝固収縮による引張残留応力を低減でき割れ発生の防止に有効である。特に、アルミニウムは凝固収縮率が大きいので、正極側において効果が大きい。また、酸化させることでレーザ光20の吸収率が高くなり、溶込みやすくできる二次的な利点もある。
【0062】
工程S1805:以上の工程S1801〜S1804により、正負極接続端子11、33と、正負極外部端子16、32との溶接が完了する。
【0063】
[第1溶接部60の溶接手順について]
図19において、図17の製造工程における正負極集電板10、31と正負極接続端子11、33との溶接(工程S1705)は以下の工程による。
【0064】
工程S1901:図16に示すように、正負極接続端子11、33と正負極外部端子16、32との溶接中に、蓋・端子組立体170の仕掛品170Bに対して、サイドガスによる酸素吹き付けを行う。「サイドガス」はレーザ光20の照射方向に対して傾斜した方向から溶接部60に向かってガスを吹き付ける工程を意味する。これに対して、レーザ光20と同軸で、ガスを吹き付ける工程を「センターガス」という。
【0065】
図16に正負極集電板10、32と正負極接続端子11、33との溶接中の断面図を示す。レーザ光20は正負極集電板10、32の表面に対して60°傾斜させて照射する。空気中での溶接であるが、溶接部60にノズル47から酸素を溶接部に向けて噴きつけて、溶接部を酸化させながら酸化被膜50および酸化被膜51を形成することにより、溶融池48の表面積の濡れ広がりを抑制する。これによって、溶融池48の表面は凸形状となり、その最終凝固形態の表面中心部の引張応力が低減され、割れ防止に有効である。酸素雰囲気の条件は、正負極接続端子11、33と正負極外部端子16、32との溶接のときと同様である。
【0066】
工程S1902:正負極接続端子11、33と正負極外部端子16、32との溶接のときと同様のエネルギー、スポットサイズで、例えば4カ所、溶接を行う。溶接時には、正負極接続端子11、33と正負極外部端子16、32との溶接時と同様、かしめ部11c、33cにおいて、初期の酸化被膜が肉厚となり、溶融池近傍の酸化被膜と合体しつつより大きく肉厚の酸化被膜50が生成される。レーザ光20の照射により、かしめ部11c、33cにおける溶融池48の近傍の溶接部表面、および、正負極集電板10、33における、溶融池24の近傍の溶接部表面には、酸化被膜51が形成される。
【0067】
これによって、溶融池48と近傍の溶接部表面の濡れ性が低下し、溶融池48の濡れ広がりは抑制され、溶融池24は、表面が凸形状のまま、凝固する。これによって、最終凝固形状の表面中心において、引張応力が低減され、割れ防止に有効である。負極側も同様に、負極集電板31と負極接続端子33を4箇所スポット溶接する。
【0068】
工程S1903:以上の工程S1901、S1902により、正負極集電板10、31と正負極接続端子11、33との溶接が完了する。
以上説明したとおり、酸化被膜50、51は溶融金属の濡れ性を抑制するに必要な膜厚となっている。
【0069】
以上説明したとおり、本発明による二次電池の製造方法は、酸素を10%以上含む雰囲気中でレーザ溶接してかしめ溶着部を形成する溶接工程を有する。
【0070】
また、実施の形態の二次電池の製造方法は、正極電極1と負極電極3とをセパレータ5を介して捲回して捲回群6を製作する第1工程と、正極電極1および負極電極3を正負極外部端子16、32に接続するための正負極集電板10、31に負極接続端子11,33をそれぞれかしめる第2工程と、正負極外部端子16、32に正負極接続端子11、33をそれぞれかしめる第3工程と、正極電極1および負極電極3にそれぞれ正負極集電板10、31を接続する第4工程と、第2工程によるかしめ部を所定濃度の酸素雰囲気中で溶接する第5工程と、第3工程によるかしめ部を所定濃度の酸素雰囲気中で溶接する第6工程と、第3〜第6工程で正負極集電板10、31と正負極接続端子11、33と正負極外部端子16、32とが一体化された蓋・端子組立体170を捲回群6に接続して蓋組立体150を製作する第7工程と、開口部を有する缶61内に、蓋組立体150を収納する第8工程と、開口部を蓋13で覆って缶61を封止する第9工程と、缶61に電解液を注入する第10工程とを備える。
【0071】
[変形例]
以上の実施形態は以下のように変形することができる。
(1)以上の実施形態では、正負極集電板10、31と正負極接続端子11、33とを酸素を吹きつける雰囲気中でレーザ溶接したが、正負極接続端子11、33と正負極外部端子16、32の溶接と同様に、チャンバー43内に所定濃度の酸素雰囲気を生成し、その中で溶接を行ってもよい。
【0072】
(2)以上の実施の形態では、正負極集電板10,31と、正負極接続端子11、33と、正負極外部端子16,32とを設けた二次電池について、正負極集電板10,31と正負極接続端子11、33とをかしめ固定して溶着し(第1固定部)、また、正負極接続端子11、33と正負極外部端子16,32とをかしめ固定して溶着した(第2固定部)が、本発明はこれに限定されない。たとえば、第1固定部だけ溶接した二次電池、第2固定部だけ溶接した二次電池にも本発明を適用できる。
【0073】
したがって、次のように構成される二次電池も本発明に含まれる。
正極電極1と負極電極3とをセパレータ5を介して捲回した捲回群6と、捲回群6が収納された缶61と、缶61を封止する蓋13と、捲回群6と外部負荷との間で充放電電流を入出力する入出力導電部材(10、11、16、31、33、32)とを備え、入出力導電部材は、少なくとも、一端が正極電極1および負極電極3にそれぞれ接続された正負極集電板10、31と、一端が正負極集電板10、31の他端に接続され、他端が蓋13の外側まで延在する正負極外部導電部材11、33とを有し、正負極外導電部材11、33の一端は、正負極集電板10、31の他端にそれぞれかしめ溶着され、かしめ溶着された溶着部表面のそれぞれには酸化被膜50、51が形成されている二次電池。
【0074】
正極電極1と負極電極3とをセパレータ5を介して捲回した捲回群6と、捲回群6が収納された缶61と、缶61を封止する蓋13と、捲回群6と外部負荷との間で充放電電流を入出力する入出力導電部材(10、11、16、31、33、32)とを備え、入出力導電部材は、少なくとも、一端が正極電極1および負極電極3にそれぞれ接続された正負極集電板10、31と、一端が正負極集電板10、31に接続された正負極接続端子11、33と、蓋13の外側に配置され、正負極接続端子11、33の他端が貫通され、かつ正負極接続端子11、33がかしめ溶着された正負極外部端子16、32とを有し、正負極接続端子11、33が正負極外部端子16、32にかしめ溶着された溶着部表面のそれぞれに酸化被膜25〜27が形成されている二次電池。
【0075】
(3)正負極集電板10,31と、正負極接続端子11、33と、正負極外部端子16,32とを設けた二次電池について説明したが、これに限定されない。たとえば、正負極外部端子16、32を省略した二次電池にも本発明を適用できる。すなわち、集電板10,31にかしめ固定しかつ溶着した正負極接続端子11、33の先端に、換言すると蓋13を貫通して外部に突出する先端部に、バスバーを直接固定する二次電池にも本発明を適用できる。
【0076】
なお、先端部の形状は軸状に限定されず、先端部が平板状である二次電池にも本発明を適用できる。その他、集電板の形状、構成、捲回群の形状、構成についても本発明は実施の形態に限定されない。
【0077】
なお、酸素雰囲気中での溶接装置も上記実施の形態に限定されない。
【符号の説明】
【0078】
1 正極箔
1A、3A 露出部
2 正極活物質
3 負極箔
4 負極活物質
5 セパレータ
6 捲回群
10 正極集電板
10a、12a、13a、14a、16a、16b、31a、32a、32b 貫通孔
11 正極接続端子
11a、13b、33a、33b 筒状部
11c、11d、33c、33d かしめ部
12 ガスケット
13 蓋
13b 注液口
14 絶縁部材
16 正極外部端子
19、22、23、25、26、27、49、50、51 酸化被膜
20、46 レーザ光
21、24、48 溶融池
31 負極集電板
32 負極外部端子
33 負極接続端子
34、35、60 溶接部
40 発振器
41 光ファイバー
42 加工ヘッド
43 チャンバー
44 流入口
45 排出口
46 レーザ光
47 ノズル
61 缶
61a 開口面
62 注液栓
100 二次電池
150 蓋組立て体
170 蓋・端子組み立て体


【特許請求の範囲】
【請求項1】
正極電極と負極電極とをセパレータを介して捲回した捲回群と、
前記捲回群が収納された缶と、
前記缶を封止する蓋と、
前記捲回群と外部負荷との間で充放電電力を入出力する入出力導電部材とを備え、
前記入出力導電部材は、少なくとも、
一端が前記正極電極および前記負極電極にそれぞれ接続された正負極集電板と、
一端が前記正負極集電板の他端に接続され、他端が前記蓋の外側まで延在する正負極外部導電部材とを有し、
前記正負極外導電部材の一端は、前記正負極集電板の他端にそれぞれかしめ溶着され、
前記かしめ溶着された溶着部表面のそれぞれには酸化被膜が形成されていることを特徴とする二次電池。
【請求項2】
請求項1記載の二次電池において、
前記酸化被膜は、前記かしめ溶着部における溶融金属の濡れ性を抑制するために必要な膜厚を有することを特徴とする二次電池。
【請求項3】
請求項1または2項記載の二次電池において、
前記かしめ溶着された正負極外部導電部材の一端は、前記正負極集電板を貫通して前記正負極集電板の表面から突出した段差部を有し、
前記段差部において前記正負極外部導電部材と正負極集電板とが溶着され、その溶着部表面に前記酸化被膜が形成されていることを特徴とする二次電池。
【請求項4】
請求項1および3のいずれか1項記載の二次電池において、
前記正負極外部導電部材は、
一端が前記正負極集電板にかしめ溶着された正負極接続端子と、
前記蓋の外側に配置され、前記正負極接続端子の他端が貫通され、かつ前記正負極接続端子がかしめ溶着された正負極外部端子とを有し、
前記正負極接続端子が前記正負極外部端子にかしめ溶着された溶着部表面のそれぞれに前記酸化被膜が形成されていることを特徴とする二次電池。
【請求項5】
請求項4記載の二次電池において、
前記かしめ溶着された正負極接続端子の他端は正負極外部端子の表面から突出した段差部を有し、
前記段差部において前記正負極接続端子と正負極外部端子とが溶着され、その溶着部表面に酸化被膜が形成されていることを特徴とする二次電池。
【請求項6】
請求項1または2記載の二次電池において、
前記正負極外部導電部材の他端はそれぞれ外部負荷と接続される端子であることを特徴とする二次電池。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の二次電池において、
前記かしめ溶着された溶着部の表面が凸形状であることを特徴とする二次電池。
【請求項8】
正極電極と負極電極とをセパレータを介して捲回した捲回群と、
前記捲回群が収納された缶と、
前記缶を封止する蓋と、
前記捲回群と外部負荷との間で充放電電流を入出力する入出力導電部材とを備え、
前記入出力導電部材は、少なくとも、
一端が前記正極電極および前記負極電極にそれぞれ接続された正負極集電板と、
一端が前記正負極集電板に接続された正負極接続端子と、
前記蓋の外側に配置され、前記正負極接続端子の他端が貫通され、かつ前記正負極接続端子がかしめ溶着された正負極外部端子とを有し、
前記正負極接続端子が前記正負極外部端子にかしめ溶着された溶着部表面のそれぞれに前記酸化被膜が形成されていることを特徴とする二次電池。
【請求項9】
請求項8記載の二次電池において、
前記かしめ溶着された正負極接続端子の他端は正負極外部端子の表面から突出した段差部を有し、
前記段差部において前記正負極接続端子と正負極外部端子とが溶着され、その溶着部表面に酸化被膜が形成されていることを特徴とする二次電池。
【請求項10】
請求項8または9に記載の二次電池において、
前記かしめ溶着部は表面が凸形状であることを特徴とする二次電池。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれか1項に記載の二次電池の製造方法において、
酸素を10%以上含む雰囲気中でレーザ溶接して前記かしめ溶着部を形成する溶接工程を有することを特徴とする二次電池の製造方法。
【請求項12】
請求項11記載の二次電池の製造方法において、
前記溶接工程では、被溶接部材を空気中に曝してレーザ溶接することを特徴とする二次電池の製造方法。
【請求項13】
請求項11または12に記載の二次電池の製造方法において、
前記正極電極と前記負極電極とを前記セパレータを介して捲回して前記捲回群を製作する第1工程と、
前記正極電極および前記負極電極を前記正負極外部端子に接続するための前記正負極集電板に前記正負極接続端子をそれぞれかしめる第2工程と、
前記正負極外部端子に前記正負極接続端子をそれぞれかしめる第3工程と、
前記正極電極および前記負極電極にそれぞれ前記正負極集電板を接続する第4工程と、
前記第2工程によるかしめ部を所定濃度の酸素雰囲気中で溶接する第5工程と、
前記第3工程によるかしめ部を所定濃度の酸素雰囲気中で溶接する第6工程と、
前記第3〜第6工程で前記正負極集電板と前記正負極接続端子と前記正負極外部端子とが一体化された蓋・端子組立体を前記捲回群に接続して蓋組立体を製作する第7工程と、
開口部を有する缶内に、前記蓋組立体を収納する第8工程と、
前記開口部を蓋で覆って前記缶を封止する第9工程と、
前記缶に電解液を注入する第10工程とを備えることを特徴とする二次電池の製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2012−54203(P2012−54203A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−197854(P2010−197854)
【出願日】平成22年9月3日(2010.9.3)
【出願人】(505083999)日立ビークルエナジー株式会社 (438)
【Fターム(参考)】