二次電池の形状
【課題】サイクル寿命の増加が可能な二次電池を提供すること。
【解決手段】 ケース2及びその中に密閉される電極アセンブリは、波形に又は湾曲して形成されている。電極アセンブリは複数の電極ペアを積層することにより、又は、電極ペアを巻回して形成される。電極ペアは、シート状のセパレータを挟んでサンドイッチされたシート状の正極体及びシート状の負極体からなる。正極体は、シート状の正極活物質が密着するシート状の集電体を有する。負極体は、シート状の負極活物質が密着するシート状の集電体を有する。これにより、電池のサイクル寿命を改善することができる。
【解決手段】 ケース2及びその中に密閉される電極アセンブリは、波形に又は湾曲して形成されている。電極アセンブリは複数の電極ペアを積層することにより、又は、電極ペアを巻回して形成される。電極ペアは、シート状のセパレータを挟んでサンドイッチされたシート状の正極体及びシート状の負極体からなる。正極体は、シート状の正極活物質が密着するシート状の集電体を有する。負極体は、シート状の負極活物質が密着するシート状の集電体を有する。これにより、電池のサイクル寿命を改善することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次電池の形状の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
組電池は二次電池セル(以下、セルと略称される)を直列接続して構成される。セルは、電気二重層コンデンサ(EDLC)として知られているプロトンセルを含む。種々のリチウムセルが電気自動車用途のために開発されている。セルは、電池ケースで収容された電極アセンブリを備える。電極アセンブリは、積層された複数の電極対又は螺旋巻きされた電極対により構成されている。下記の特許文献1は、積層電極対の変形例として、ジグザグに曲げられた電極対を記載する。
【0003】
積層された複数の電極対は、セパレーターを挟んで厚さ方向へ互いに隣接している。螺旋巻きされた電極対の各ターンは、セパレーターを挟んで厚さ方向へ互いに隣接している。セルとして、円筒セル、角形セル及びパウチ形セルが知られている。ボビン形セルを含む円筒セルは、円筒形ケースに収容された螺旋巻き電極対を有する。角形セルは、積層された複数の電極対、扁平化された螺旋巻き電極対、ジグザグに曲げられた電極対を角形ケースに収容することにより、構成されることができる。
【0004】
角形セルに用いる角形ケースが図1で示される。円筒形セルに用いる円筒形ケースが図2に示される。図1において、角形ケース100は、2つの平坦な主側面101を有する。図2において、ケース200は円筒面201を有している。ケースは、アルミニウム合金などの金属板で好適に形成されるが、樹脂板で形成されることもできる。ケースは正極端子及び負極端子の一方又は両方を兼ねることができる。放熱に有利な金属ケースは、正ターミナル及び負ターミナルの一方または両方として用いられることができる。
【0005】
正極体は、活物質が密着する集電体を有する。正極体の集電体は正極端子に接続される。負極体は、活物質が密着する集電体を有する。負極体の集電体は負極端子に接続される。集電体は、一般に金属シートにより構成される。活物質は、電池の種類により規定される種々の組成を有する。ケースには電解質が収容される。上記した二次電池の基本構造は周知であるので、これ以上の説明は省略される。
【0006】
特許文献2は、充放電による活物質の膨張収縮が電極ペアに局部的な膨張収縮量の差を発生させることを記載する。更に、この膨張収縮量の差が電極アセンブリに捻れを発生させることを記載する。更に、特許文献2は、この捻れを抑制するためにケースの内面に線状凹溝及び線状突起を交互に設けることを記載する。
【0007】
線状凹溝及び線状突起は角形の断面形状をもつ。ケースの線状凹溝及び線状突起は、電極アセンブリの線状突起及び線状凹溝と噛み合う。その結果、ケース2は、電極アセンブリの捻れを抑制する。けれどもケースの内面に線状突起及び線状凹溝を形成することはケースコストの大幅な増大を招く。更に、角形断面をもつケースの線状突起は、電極アセンブリに局部的な応力集中を発生させるため、活物質のクラックが容易に発生する。
【0008】
円筒形ケースに収容された円筒形セルは、次に説明する2つの問題をもつ。最初の問題は、セル体積当たりのケースの外周面の面積の割合が角形電池よりも小さいため、放熱性が悪いことである。第2の問題は、活物質層が螺旋巻きされた集電体に固定されているため、充放電による活物質の体積変化に、セルの径が変化しにくいことである。その結果、生じたストレスにより活物質層と集電体との結合力が低下する。
【0009】
角形ケースに収容された積層セルは、温度変化により活物質層と集電体との結合力が低下する問題をもつ。無機物質を主成分とする活物質層と金属集電体とは線膨張率が異なる。その結果、温度上昇により、集電体は、活物質層よりもその延在方向へ伸びる。面方向へ伸びる平坦な集電体の伸び量は、集電体の面方向への長さと温度上昇量との積に比例する。その結果、平坦な集電体の端部とそれに結合する活物質層との間に、集電体の面方向への剥離力が発生する。
【0010】
角形ケースに収容された積層セルは、充放電による活物質の体積変化により活物質層と集電体との結合力が低下する問題をもつ。充放電サイクルによる活物質層の体積増加は、活物質層の厚さを増加させ、その面方向の長さを増加させる。面方向への活物質層の長さの増加は、活物質層と集電体との間に面方向への剥離ストレスを発生させる。集電体及び活物質層が平坦であるため、このストレスは集電体の端部で最大となる。結局、これらの原因は、円筒形セル及び角形セルにおける集電体と活物質層との間の接触性の低下により、セルの電気抵抗の増加させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開10ー79254
【特許文献2】特開2005ー343274
【発明の概要】
【0012】
(発明の目的)
本発明は二次電池の劣化の抑止が可能な二次電池の形状を提供することをその目的としている。
【0013】
(発明の特徴)
角形ケースは、厚さが基本的に一定であるプレートからなる2つの主側板部を有する。2つの主側板部は、厚さが基本的に一定である電極アセンブリを介して平行に配置される。各主側板部は、長さ方向と直角な湾曲部を有する。すなわち、主側板部は、電極アセンブリを介して互いに隣接する少なくとも1つの凹部と少なくとも1つの凸部とを有する。したがって、電池の内部空間は厚さ方向と幅方向とで湾曲しており、その結果、電極アセンブリも湾曲している。
【0014】
すなわち、角形ケースの主側板部に面する電極アセンブリの主側面部も互いに厚さ方向に隣接する凹部と凸部とを有する。したがって、電極アセンブリを構成する電極ペアも湾曲しており、電極ペアを構成するアノード、セパレータ及びカソードも湾曲している。アノード及びカソードは、シート状の集電体に接着されたシート状の活物質層を有する。集電体及び活物質層も、凹部と凸部とをもつ。これらの凹部及び凸部は、ケースの長さ方向へ真っ直ぐに延在していることが好ましい。セルの長さは、セルの幅より短いくてもよく、長くてもよい。液状又はゲル状又は固体状の電解質材料がケース内に配置されるのは当然である。
【0015】
従来の技術では、角形ケースの主側板部は本質的に平坦であり、角形ケースの主側板部に面する電極アセンブリの主側面部も平坦に形成されている。しかし、温度変化サイクル及び充放電サイクルは、集電体の幅と活物質層の幅との間の幅の差を増加させる。更に、充放電サイクルを変更させる。この問題は、凹凸を有する本発明の電極ペアにより改善される。本発明のセルは、湾曲セルと呼ばれることができる。湾曲セルの利点が以下に詳しく説明される。
【0016】
集電体の湾曲面と活物質層の湾曲面は、充放電サイクル及び温度変化サイクルによる集電体と活物質層との間の幅方向寸法変化を抑止する。その結果、活物質層と集電体との結合性が改善される。また、湾曲セルの集電体は、円筒セルの集電体のように螺旋状に巻かれていないので、厚さ方向への活物質層の体積変化を容易とし、かつ、ケースの主側板部を通じての冷却性を向上する。
【0017】
本発明の電極アセンブリは、従来の角形セルと同様に、電極ペアを積層することにより、又は、電極ペアを巻回することにより、又は電極ペアをジグザグに折り曲げることにより厚さ方向へ重ねられる。
【0018】
好適な態様において、ケースの主側板部の凹部及び凸部は、ケースの幅方向及び厚さ方向において湾曲し、ケースの長さ方向へ真っ直ぐに延在する。その結果として、ケースと電極ペアの湾曲作業は簡単になる。
好適な態様において、ケースの一対の主側面及び電極アセンブリの一対の主側面は、互いに等しい数の凸部と、互いに等しい数の凹部とを有する。これにより、ケースの製造及び組電池の組み立てが容易となる。
【0019】
好適な態様において、電極ペアの2つの主側面部の一つはケースの主側板部の凹部に隣接して凹部を有し、電極ペアの2つの主側面部の他の一つはケースの主側板部の凸部に隣接して凸部を有する。これらの凹部及び凸部は、電極アセンブリの厚さ方向へ隣接する。その結果、電極アセンブリの厚さは略一定となる。
好適な態様において、集電体とこの集電体に接着された活物質層は、一緒に湾曲する。その結果として、集電体と活物質層との接触性が改善される。
【0020】
好適な態様において、集電体及び活物質層は、波形に形成された凹部及び凸部を有する。ケースも波形に形成された凹部及び凸部を有する。これにより、放熱性が改善され、かつ、集電体からの活物質層の剥離が抑制される。
【0021】
好適な態様において、複数のセルがその厚さ方向へ重ねて配置される。一つのセルの主側板部の凹部は他の一つのセルの主側板部の凸部と隣接する。凸部は凹部よりも大きな半径をもつ。これにより、凹部と凸部との間に冷却流体の通路が形成される。この通路をセルの長さ方向へ貫通する冷却流体は各セルの主側板部を良好に冷却する。冷却の流体通路に、ヒートパイプのような伝熱部材を挿入してもよい。通路は三日月形状の断面をもつので、ケースと冷却流体との接触面積が増大する。
【0022】
好適な態様において、ケースの一対の主側板部は、等しい形状をもつ。セルの一対の主側面部は等しい形状をもち、各凸部は互いに等しい形状を有し、各凹部は互いに等しい形状を有する。これにより、製造が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は従来の平坦な積層型電池のケースを示す部分模式断面図である。
【図2】図2は従来の円筒型電池のケースを示す模式断面図である。
【図3】図3は実施例1の湾曲セルを重ねて構成した組電池の模式断面図である。
【図4】図4は図3の湾曲セルの模式斜視図である。
【図5】図5は図4の湾曲セルの電極アセンブリを構成する電極ペアの部分模式断面図である。
【図6】図6は波形電池セルの上部を示す模式側面図である。
【図7】図7は図6のAA線矢視模式断面図である。
【図8】図8は図6の波形電池セルを積み重ねた組電池の模式断面図である。
【図9】図9は温度上昇前の集電体と活物質との状態を示す模式説明図である。
【図10】図10は温度上昇後の集電体と活物質との状態を示す模式説明図である。
【図11】図11は平坦な集電体と平坦な活物質との状態を示す模式断面図である。
【図12】図12は螺旋巻きされた集電体と活物質との状態を示す模式断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の好適な実施形態が図面を参照して説明される。図において、Wはセルのほぼ幅方向を示す。Tはセルのほぼ厚さ方向を示す。Lはセルの長さ方向を示す。
【0025】
(実施例1)
実施例1が図1、図2及び図3を参照して説明される。図3は角形組電池の模式断面図である。図4は図3の湾曲角形セルの斜視図である。図5は図4の湾曲角形セルの電極ペアの模式断面図である。組電池100は、角形のバッテリーケース101に収容された10個の二次電池セル102を有する。10個のセル102はその厚さ方向に重ねられている。各セル102は、リチウムイオン二次電池からなる。
【0026】
セル102は、セルケース103に収容された電極アセンブリを有する。セルケース103は、互いに平行に延在する主側壁(主側板部とも言う)103Aと103Bとを有する。主側壁103Aと103Bとは電極アセンブリを挟んで全体で互いに隣接している。主側壁103Aは、幅方向と厚み方向において凸面形の横断面形状を有する。主側壁103Bは、幅方向と厚み方向において凹面形の横断面形状を有する。
【0027】
主側壁103Aと103Bとの間のセルの厚さはほぼ一定である。積層された電極ペアからなる電極アセンブリは湾曲している。すなわち、主側壁103Aに隣接する電極アセンブリの主側面は凸面形である。主側壁103Bに隣接する電極アセンブリの主側面は凹面形である。各凹部及び各凸部は、セルの長さ方向へ真っ直ぐに延在している。
【0028】
主側壁103Aは相対的に大きな半径で湾曲している。主側壁103Bは相対的に小さな半径で湾曲している。したがって、互いに隣接する第1のセル102の主側壁103Aと、第2のセル102の主側壁103Bとの間に隙間Gが形成される。隙間Gは、セルの長さ方向へ貫通して冷却流体通路を構成している。この冷却流体通路を流れる冷却油は、各セルを良好に冷却する。冷却油を流す代わりに、隙間Gにヒートパイプなどの熱伝導部材を挿入してもよい。
【0029】
電極アセンブリの一部を構成する電極ペア104は、シート形のアノード104Aと、シート形のカソード104Bと、それらを隔てるシート形のセパレーター104Cとを有している。アノード104Aは、シート形の金属集電体104ABにシート形のアノード活物質層104AAを接着してなる。カソード104Bは、シート形の金属集電体104BAにシート形のカソード活物質層104BBを接着してなる。集電体、活物質層及びセパレータは一緒に湾曲している。
【0030】
これにより、電極ペア104の主側面105は凸面形状をもち、電極ペア104の主側面106は凹面形状をもつ。たとえば、セルケース103は溶接されたステンレス板により構成された容器である。セルケース103は、従来の平坦な角形セルケースよりも高い機械強度をもつ。セルケース103は、従来の円筒型セルケースよりも良好な放熱性を有する。
【0031】
電極アセンブリを湾曲させる工程が以下に説明される。活物質層を含む合剤ペーストが集電体上に一定の厚さに塗布された後、乾燥され、その後、セパレータを挟んで電極ペアとして一体化される。湾曲した集電体に合剤ペーストを一定厚さに塗布することにより、湾曲した電極ペアを製造することができる。その他、合剤ペーストが塗布された集電体を乾燥前又は乾燥後に湾曲させてもよい。その他、完成された電極ペアを湾曲させてもよい。その他、電極アセンブリをセルケースに収容する前に湾曲させてもよい。
【0032】
(実施例2)
実施例2が図6、図7及び図8を参照して説明される。図6は波形電池セルの上部を示す模式側面図である。図7は図6のAA線矢視模式断面図である。図8は図6の波形電池セルを積み重ねた組電池の模式断面図である。
【0033】
二次電池であるセル1は、図略の電極アセンブリを内蔵する角形ケース2を有する。3はケース2の上端面から突出するアノード端子である。4はケース2の上端面から突出するカソード端子である。角形ケース2は、ステンレス板を深絞り加工して製造された缶体と、この缶体の上端開口を閉口する樹脂製の封口板とを有する。アノード端子3及びカソード端子4は封口板に固定されている。その他、公知の種々のケース構造及びその製造方法がケース2に適用されることができる。
【0034】
図略の電極アセンブリは、複数の電極ペアを積層することにより、又は、電極ペアを巻回することにより形成される。電極ペアは、シート状のセパレータを挟んでサンドイッチされたシート状の正極体及びシート状の負極体からなる。正極体は、シート状の正極活物質層が密着するシート状の集電体を有する。負極体は、シート状の負極活物質層が密着するシート状の集電体を有する。集電体は、アルミニウムシート又は銅シートからなる。
【0035】
ケース2のAA線矢視断面が図7に部分的に示される。ケース2は、ケース2の幅方向(W)へ延在する波形形状を有する。ケース2内には、ケース2の断面とほぼ同一の波形形状をもつ電極アセンブリ(図示せず)が収容されている。ケース2は、実線により簡単に模式的に示されている。ケース2の一対の主側面21及び22は、ケース2の厚さ方向(T)と略直角な方向である幅方向(W)へ向けて所定ピッチで配列された線状の凸部23及び線状の凹部24を有する。
【0036】
主側面21の凸部23及び主側面22の凹部24は電極アセンブリを挟んで厚さ方向(T)へ隣接している。主側面21の凹部24及び主側面22の凸部23は電極アセンブリを挟んで厚さ方向(T)へ隣接している。各凸部23及び各凹部24は、互いに平行にケースの長さ方向(L)へ延在している。なお、ケースの長さはケースの幅よりも小さくてもよい。
【0037】
ケース2の主側面21及び22は、交互に配置された凸部23及び凹部24により構成される波形形状をそれぞれ有する。主側面21及び22の凸部23の数は等しい。主側面21及び22の凹部24の数は等しい。結局、主側面21は主側面22と等しい形状を有する。凸部23の曲率半径は、凹部24の曲率半径よりも大きい。波形形状のケース2に密閉される電極アセンブリもケース2と略等しい波形形状を有する。したがって、電極アセンブリを構成する各電極ペアの正極体及び負極体も波形形状を有する。
【0038】
図8は組電池の一部を構成する3つの二次電池すなわちセル11、12及び13を示す。セル11、12及び13は、図7に示す横断面形状をもつ。3つのセル11、12及び13は、厚さ方向に順番に隣接している。
第1のセル11の凹部24は、第2のセル12の凸部23に隣接する。第1のセル11の凹部24と第2のセル12の凸部23との間にギャップGが形成される。
【0039】
同じく、第1のセル11の凸部23は、第2のセル12の凹部24に隣接する。第1のセル11の凸部23と第2のセル12の凹部24との間にギャップGが形成される。
【0040】
第2のセル12の凹部24は、第3のセル13の凸部23に隣接する。第2のセル12の凹部24と第3のセル13の凸部23との間に上下方向へ延在する線状のギャップGが形成される。ギャップGの横断面は、三日月状に形成される。同じく、第2のセル12の凸部23は、第3のセル13の凹部24に隣接する。第2のセル12の凸部23と第3のセル13の凹部24との間にギャップGが形成される。
【0041】
ケース2の長さ方向へ延在する各ギャップGは、冷却空気流が流れる冷却通路を構成している。冷却通路に熱を長さ方向へ伝達する伝熱部材を挿入してもよい。伝熱部材として、ヒートパイプを採用することができる。波形の二次電池1は、積層型の二次電池の扁平形状及び巻回型電池の筒形形状よりも優れたサイクル寿命をもつ。その理由が以下に説明される。
【0042】
(集電体と活物質との間の熱膨張率の差の説明)
最初に熱膨張率の差による電池の劣化が図9に示す模式図を参照して説明される。図9は説明を簡単とするために、三角形状に屈曲された網状金属板からなる集電体6と、集電体6の両側面に密着する活物質層7とを示す模式説明図である。活物質層7はほぼ一定厚さをもつシート形状をもつ。金属板からなる集電体6は、無機材料を主成分とする活物質層7よりも大きな線膨張率をもつ。以下、説明を簡単とするために、活物質層7は、集電体6に所定の密着力で結合する固体と見なされる。集電体6は、斜めに延在する多数の小板部60の集合体と見なすことができる。
【0043】
二次電池1の温度が上昇すると、奇数番目の小板部60は、斜め下方向へ伸びる。偶数番目の小板部60は、斜め上方向へ伸びる。集電体6に密着する活物質層7の線膨張率は小さいので、温度上昇が大きい時、各小板部60は活物質層7に対して小板部60の面方向へスライドしようとする。このスライドは、集電体6と活物質層7との結合力が大きい部位を支点として発生する。
【0044】
スライド後の状態が図10に示される。互いに隣接する2つの小板部60の膨張方向が異なる。したがって、集電体6と活物質層7との間のストレスは、各小板部60の結合部において最も大きくなる。特に、凸部23に隣接する部位にて、活物質層7に大きな面方向への伸びストレスが生じる。
このストレスは、小板部60の面方向(S)の長さに比例する。結局、波状に屈曲した集電体6のスライドにより、凸部23の近傍の活物質層7に最初に破断が生じる。実際には、凸部23の近傍の活物質層7と集電体6との接着力が集電体6の膨張力を超えない限り、活物質層7が集電体6から剥離することは無い。
【0045】
波形の集電体6の重要な効果は、複数の凸部23が集電体6の幅方向に存在するため、集電体6と活物質層7との間の膨張率の差に基づくストレスが分散されることである。このストレスの分散は、集電体6の各部のストレスの大きさが小さくなることを意味する。更に、波形の集電体6は連続的に湾曲しているため、応力が活物質7に局部的に集中をするのを回避する。
【0046】
参考例として、積層型電池に用いられる扁平な集電体6Aとこの集電体6に密着する扁平な活物質層7Aとが図11に示される。図11は、集電体6Aの両端が温度上昇により活物質層7Aの両端よりも幅方向へ伸びた状態を示す。二次電池1の温度が上昇すると、集電体6Aの幅方向(W)への伸び量ΔLは、k×Waとなる。kは集電体6Aの線膨張率である。Waは集電体6Aの幅である。
【0047】
集電体6Aに密着する活物質層7Aの線膨張率は小さいので、集電体6Aは、活物質層7Aとの接触面に沿いつつ活物質層7Aに対して相対的にスライドしようとする。この活物質層7Aに対する集電体6Aのスライドは、集電体6の幅方向における中心点Xを中心として両側へ生じる。結局、平坦な集電体6Aの幅Waが大きいため、集電体6Aの両端は容易に活物質層7Aから剥離してしまう。
【0048】
巻回型電池に用いられる円筒状の集電体6Bとこの集電体6Bに密着する円筒状の活物質層7Bとが図12に示される。図12は、温度上昇により、集電体6Bの外周側の先端が活物質層7Bの外周側の先端よりも周方向へ伸びた状態を示す。集電体6Bの温度が上昇する時、集電体6Bの外周側の先端は周方向へ伸びる。集電体6Bのこの伸長は、集電体6Bの内周側の先端を支点として行われると見なすことができる。その結果、図11に示す平板状の集電体6Aの場合と同様に、活物質層7Bは円筒状の集電体6Bの外周側の先端から剥離する。ただし、円筒状の集電体6Bの湾曲形状は、活物質層の剥離を抑制する。
【0049】
結局、従来の積層型電池及び筒型電池においては、温度変化による活物質と集電体との線膨張率の差により、集電体が活物質に対して集電体の面方向へ相対変位するという問題がある。この熱膨張率の差により、クラックが活物質に生じたり、活物質が集電体から剥離したりする。これは、集電体と活物質との間の電気抵抗の増大を招く。
【0050】
これに対して、この実施例の集電体6及び活物質層7は、幅方向へ波形形状をもつ。集電体6が各屈曲点の間にそれぞれ小板部60をもち、各小板部60が延在する方向が異なるので、集電体6の各小板部60は、温度上昇によりそれぞれ独立に異なる方向へ伸張する。その結果、幅が小さい各小板部60の膨張力の最大値が小さくなり、各小板部60と活物質層7との間の接着力を超えない。その結果、集電体6と活物質層7との間の電気抵抗の増大を抑制することができる。
【0051】
(電極アセンブリの冷却の問題)
充放電により、二次電池1の電極アセンブリの温度は上昇する。二次電池の劣化はその温度上昇と正相関をもつ。すなわち、二次電池の冷却性能の改善により、二次電池のサイクル寿命は延長される。
【0052】
電極アセンブリの熱の多くは、電極アセンブリを収容するケース2から外部に放熱される。筒型電池は、その内部容積当たりのケース2の表面積が最も小さい。筒型電池の内部温度上昇は、この筒型電池と同一の高さ(長さ)及び体積をもつ電極アセンブリを収容する扁平なブロック型電池のそれよりも大きい。更に、多数の筒型電池を直列接続して構成される組電池の必要スペースは大きい。
【0053】
積層型電池(扁平ブロック型電池)は扁平なケースを採用するため、その内部容積当たりのケースの表面積は大きい。このため、積層型電池は冷却に有利となる。しかし、多数の積層型電池を直列接続して構成される組電池において、互いに隣接する2つの積層型電池を密着させる場合には、扁平なケース2からの放熱が難しくなる。
【0054】
これに対して、波形の二次電池は、その容積当たりのケース2の表面積が筒型電池及び扁平ブロック型電池よりも大きい。したがって、冷却が有利となる。
更に、組電池を形成する場合、隣接する2つの波形二次電池の間に三日月状のギャップGを形成することができるので、各二次電池の冷却が容易となる。更に、波形の二次電池を用いる組電池は、筒型電池を用いる組電池よりも無駄なスペースが小さいので、コンパクトに構成される。
【0055】
(変形問題)
積層型電池のケースは扁平形状をもつので、ケースの平坦な表面と直角に加えられる力により容易に変形する。この変形は、活物質層7にクラックを生じさせる。これに対して、波形形状をもつ二次電池のケースに内蔵される波形の電極アセンブリは変形しにくい。これ効果は、たとえば波形形状の瓦を想像することにより容易に理解される。
【0056】
(変形態様)
波形形状のケース2は、2枚の金属波板を絶縁スペーサを介して結合することにより構成されることができる。この2枚の金属波板は正極端子及び負極端子として用いることができる。
【0057】
(変形態様)
上記実施形態では、ケース2及び電極アセンブリは、正極端子及び負極端子の突出方向と直角なケース2の幅方向へ波形に延在する。その代わりに、ケース2及び電極アセンブリは、正極端子及び負極端子の突出方向へ波形に延在することができる。
【符号の説明】
【0058】
1は二次電池、2はケース、3は正極端子、4は負極端子、6は集電体、7は活物質層、11、12及び13は二次電池、21及び22はケースの主側面、23は凸部、24は凹部である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次電池の形状の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
組電池は二次電池セル(以下、セルと略称される)を直列接続して構成される。セルは、電気二重層コンデンサ(EDLC)として知られているプロトンセルを含む。種々のリチウムセルが電気自動車用途のために開発されている。セルは、電池ケースで収容された電極アセンブリを備える。電極アセンブリは、積層された複数の電極対又は螺旋巻きされた電極対により構成されている。下記の特許文献1は、積層電極対の変形例として、ジグザグに曲げられた電極対を記載する。
【0003】
積層された複数の電極対は、セパレーターを挟んで厚さ方向へ互いに隣接している。螺旋巻きされた電極対の各ターンは、セパレーターを挟んで厚さ方向へ互いに隣接している。セルとして、円筒セル、角形セル及びパウチ形セルが知られている。ボビン形セルを含む円筒セルは、円筒形ケースに収容された螺旋巻き電極対を有する。角形セルは、積層された複数の電極対、扁平化された螺旋巻き電極対、ジグザグに曲げられた電極対を角形ケースに収容することにより、構成されることができる。
【0004】
角形セルに用いる角形ケースが図1で示される。円筒形セルに用いる円筒形ケースが図2に示される。図1において、角形ケース100は、2つの平坦な主側面101を有する。図2において、ケース200は円筒面201を有している。ケースは、アルミニウム合金などの金属板で好適に形成されるが、樹脂板で形成されることもできる。ケースは正極端子及び負極端子の一方又は両方を兼ねることができる。放熱に有利な金属ケースは、正ターミナル及び負ターミナルの一方または両方として用いられることができる。
【0005】
正極体は、活物質が密着する集電体を有する。正極体の集電体は正極端子に接続される。負極体は、活物質が密着する集電体を有する。負極体の集電体は負極端子に接続される。集電体は、一般に金属シートにより構成される。活物質は、電池の種類により規定される種々の組成を有する。ケースには電解質が収容される。上記した二次電池の基本構造は周知であるので、これ以上の説明は省略される。
【0006】
特許文献2は、充放電による活物質の膨張収縮が電極ペアに局部的な膨張収縮量の差を発生させることを記載する。更に、この膨張収縮量の差が電極アセンブリに捻れを発生させることを記載する。更に、特許文献2は、この捻れを抑制するためにケースの内面に線状凹溝及び線状突起を交互に設けることを記載する。
【0007】
線状凹溝及び線状突起は角形の断面形状をもつ。ケースの線状凹溝及び線状突起は、電極アセンブリの線状突起及び線状凹溝と噛み合う。その結果、ケース2は、電極アセンブリの捻れを抑制する。けれどもケースの内面に線状突起及び線状凹溝を形成することはケースコストの大幅な増大を招く。更に、角形断面をもつケースの線状突起は、電極アセンブリに局部的な応力集中を発生させるため、活物質のクラックが容易に発生する。
【0008】
円筒形ケースに収容された円筒形セルは、次に説明する2つの問題をもつ。最初の問題は、セル体積当たりのケースの外周面の面積の割合が角形電池よりも小さいため、放熱性が悪いことである。第2の問題は、活物質層が螺旋巻きされた集電体に固定されているため、充放電による活物質の体積変化に、セルの径が変化しにくいことである。その結果、生じたストレスにより活物質層と集電体との結合力が低下する。
【0009】
角形ケースに収容された積層セルは、温度変化により活物質層と集電体との結合力が低下する問題をもつ。無機物質を主成分とする活物質層と金属集電体とは線膨張率が異なる。その結果、温度上昇により、集電体は、活物質層よりもその延在方向へ伸びる。面方向へ伸びる平坦な集電体の伸び量は、集電体の面方向への長さと温度上昇量との積に比例する。その結果、平坦な集電体の端部とそれに結合する活物質層との間に、集電体の面方向への剥離力が発生する。
【0010】
角形ケースに収容された積層セルは、充放電による活物質の体積変化により活物質層と集電体との結合力が低下する問題をもつ。充放電サイクルによる活物質層の体積増加は、活物質層の厚さを増加させ、その面方向の長さを増加させる。面方向への活物質層の長さの増加は、活物質層と集電体との間に面方向への剥離ストレスを発生させる。集電体及び活物質層が平坦であるため、このストレスは集電体の端部で最大となる。結局、これらの原因は、円筒形セル及び角形セルにおける集電体と活物質層との間の接触性の低下により、セルの電気抵抗の増加させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開10ー79254
【特許文献2】特開2005ー343274
【発明の概要】
【0012】
(発明の目的)
本発明は二次電池の劣化の抑止が可能な二次電池の形状を提供することをその目的としている。
【0013】
(発明の特徴)
角形ケースは、厚さが基本的に一定であるプレートからなる2つの主側板部を有する。2つの主側板部は、厚さが基本的に一定である電極アセンブリを介して平行に配置される。各主側板部は、長さ方向と直角な湾曲部を有する。すなわち、主側板部は、電極アセンブリを介して互いに隣接する少なくとも1つの凹部と少なくとも1つの凸部とを有する。したがって、電池の内部空間は厚さ方向と幅方向とで湾曲しており、その結果、電極アセンブリも湾曲している。
【0014】
すなわち、角形ケースの主側板部に面する電極アセンブリの主側面部も互いに厚さ方向に隣接する凹部と凸部とを有する。したがって、電極アセンブリを構成する電極ペアも湾曲しており、電極ペアを構成するアノード、セパレータ及びカソードも湾曲している。アノード及びカソードは、シート状の集電体に接着されたシート状の活物質層を有する。集電体及び活物質層も、凹部と凸部とをもつ。これらの凹部及び凸部は、ケースの長さ方向へ真っ直ぐに延在していることが好ましい。セルの長さは、セルの幅より短いくてもよく、長くてもよい。液状又はゲル状又は固体状の電解質材料がケース内に配置されるのは当然である。
【0015】
従来の技術では、角形ケースの主側板部は本質的に平坦であり、角形ケースの主側板部に面する電極アセンブリの主側面部も平坦に形成されている。しかし、温度変化サイクル及び充放電サイクルは、集電体の幅と活物質層の幅との間の幅の差を増加させる。更に、充放電サイクルを変更させる。この問題は、凹凸を有する本発明の電極ペアにより改善される。本発明のセルは、湾曲セルと呼ばれることができる。湾曲セルの利点が以下に詳しく説明される。
【0016】
集電体の湾曲面と活物質層の湾曲面は、充放電サイクル及び温度変化サイクルによる集電体と活物質層との間の幅方向寸法変化を抑止する。その結果、活物質層と集電体との結合性が改善される。また、湾曲セルの集電体は、円筒セルの集電体のように螺旋状に巻かれていないので、厚さ方向への活物質層の体積変化を容易とし、かつ、ケースの主側板部を通じての冷却性を向上する。
【0017】
本発明の電極アセンブリは、従来の角形セルと同様に、電極ペアを積層することにより、又は、電極ペアを巻回することにより、又は電極ペアをジグザグに折り曲げることにより厚さ方向へ重ねられる。
【0018】
好適な態様において、ケースの主側板部の凹部及び凸部は、ケースの幅方向及び厚さ方向において湾曲し、ケースの長さ方向へ真っ直ぐに延在する。その結果として、ケースと電極ペアの湾曲作業は簡単になる。
好適な態様において、ケースの一対の主側面及び電極アセンブリの一対の主側面は、互いに等しい数の凸部と、互いに等しい数の凹部とを有する。これにより、ケースの製造及び組電池の組み立てが容易となる。
【0019】
好適な態様において、電極ペアの2つの主側面部の一つはケースの主側板部の凹部に隣接して凹部を有し、電極ペアの2つの主側面部の他の一つはケースの主側板部の凸部に隣接して凸部を有する。これらの凹部及び凸部は、電極アセンブリの厚さ方向へ隣接する。その結果、電極アセンブリの厚さは略一定となる。
好適な態様において、集電体とこの集電体に接着された活物質層は、一緒に湾曲する。その結果として、集電体と活物質層との接触性が改善される。
【0020】
好適な態様において、集電体及び活物質層は、波形に形成された凹部及び凸部を有する。ケースも波形に形成された凹部及び凸部を有する。これにより、放熱性が改善され、かつ、集電体からの活物質層の剥離が抑制される。
【0021】
好適な態様において、複数のセルがその厚さ方向へ重ねて配置される。一つのセルの主側板部の凹部は他の一つのセルの主側板部の凸部と隣接する。凸部は凹部よりも大きな半径をもつ。これにより、凹部と凸部との間に冷却流体の通路が形成される。この通路をセルの長さ方向へ貫通する冷却流体は各セルの主側板部を良好に冷却する。冷却の流体通路に、ヒートパイプのような伝熱部材を挿入してもよい。通路は三日月形状の断面をもつので、ケースと冷却流体との接触面積が増大する。
【0022】
好適な態様において、ケースの一対の主側板部は、等しい形状をもつ。セルの一対の主側面部は等しい形状をもち、各凸部は互いに等しい形状を有し、各凹部は互いに等しい形状を有する。これにより、製造が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は従来の平坦な積層型電池のケースを示す部分模式断面図である。
【図2】図2は従来の円筒型電池のケースを示す模式断面図である。
【図3】図3は実施例1の湾曲セルを重ねて構成した組電池の模式断面図である。
【図4】図4は図3の湾曲セルの模式斜視図である。
【図5】図5は図4の湾曲セルの電極アセンブリを構成する電極ペアの部分模式断面図である。
【図6】図6は波形電池セルの上部を示す模式側面図である。
【図7】図7は図6のAA線矢視模式断面図である。
【図8】図8は図6の波形電池セルを積み重ねた組電池の模式断面図である。
【図9】図9は温度上昇前の集電体と活物質との状態を示す模式説明図である。
【図10】図10は温度上昇後の集電体と活物質との状態を示す模式説明図である。
【図11】図11は平坦な集電体と平坦な活物質との状態を示す模式断面図である。
【図12】図12は螺旋巻きされた集電体と活物質との状態を示す模式断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の好適な実施形態が図面を参照して説明される。図において、Wはセルのほぼ幅方向を示す。Tはセルのほぼ厚さ方向を示す。Lはセルの長さ方向を示す。
【0025】
(実施例1)
実施例1が図1、図2及び図3を参照して説明される。図3は角形組電池の模式断面図である。図4は図3の湾曲角形セルの斜視図である。図5は図4の湾曲角形セルの電極ペアの模式断面図である。組電池100は、角形のバッテリーケース101に収容された10個の二次電池セル102を有する。10個のセル102はその厚さ方向に重ねられている。各セル102は、リチウムイオン二次電池からなる。
【0026】
セル102は、セルケース103に収容された電極アセンブリを有する。セルケース103は、互いに平行に延在する主側壁(主側板部とも言う)103Aと103Bとを有する。主側壁103Aと103Bとは電極アセンブリを挟んで全体で互いに隣接している。主側壁103Aは、幅方向と厚み方向において凸面形の横断面形状を有する。主側壁103Bは、幅方向と厚み方向において凹面形の横断面形状を有する。
【0027】
主側壁103Aと103Bとの間のセルの厚さはほぼ一定である。積層された電極ペアからなる電極アセンブリは湾曲している。すなわち、主側壁103Aに隣接する電極アセンブリの主側面は凸面形である。主側壁103Bに隣接する電極アセンブリの主側面は凹面形である。各凹部及び各凸部は、セルの長さ方向へ真っ直ぐに延在している。
【0028】
主側壁103Aは相対的に大きな半径で湾曲している。主側壁103Bは相対的に小さな半径で湾曲している。したがって、互いに隣接する第1のセル102の主側壁103Aと、第2のセル102の主側壁103Bとの間に隙間Gが形成される。隙間Gは、セルの長さ方向へ貫通して冷却流体通路を構成している。この冷却流体通路を流れる冷却油は、各セルを良好に冷却する。冷却油を流す代わりに、隙間Gにヒートパイプなどの熱伝導部材を挿入してもよい。
【0029】
電極アセンブリの一部を構成する電極ペア104は、シート形のアノード104Aと、シート形のカソード104Bと、それらを隔てるシート形のセパレーター104Cとを有している。アノード104Aは、シート形の金属集電体104ABにシート形のアノード活物質層104AAを接着してなる。カソード104Bは、シート形の金属集電体104BAにシート形のカソード活物質層104BBを接着してなる。集電体、活物質層及びセパレータは一緒に湾曲している。
【0030】
これにより、電極ペア104の主側面105は凸面形状をもち、電極ペア104の主側面106は凹面形状をもつ。たとえば、セルケース103は溶接されたステンレス板により構成された容器である。セルケース103は、従来の平坦な角形セルケースよりも高い機械強度をもつ。セルケース103は、従来の円筒型セルケースよりも良好な放熱性を有する。
【0031】
電極アセンブリを湾曲させる工程が以下に説明される。活物質層を含む合剤ペーストが集電体上に一定の厚さに塗布された後、乾燥され、その後、セパレータを挟んで電極ペアとして一体化される。湾曲した集電体に合剤ペーストを一定厚さに塗布することにより、湾曲した電極ペアを製造することができる。その他、合剤ペーストが塗布された集電体を乾燥前又は乾燥後に湾曲させてもよい。その他、完成された電極ペアを湾曲させてもよい。その他、電極アセンブリをセルケースに収容する前に湾曲させてもよい。
【0032】
(実施例2)
実施例2が図6、図7及び図8を参照して説明される。図6は波形電池セルの上部を示す模式側面図である。図7は図6のAA線矢視模式断面図である。図8は図6の波形電池セルを積み重ねた組電池の模式断面図である。
【0033】
二次電池であるセル1は、図略の電極アセンブリを内蔵する角形ケース2を有する。3はケース2の上端面から突出するアノード端子である。4はケース2の上端面から突出するカソード端子である。角形ケース2は、ステンレス板を深絞り加工して製造された缶体と、この缶体の上端開口を閉口する樹脂製の封口板とを有する。アノード端子3及びカソード端子4は封口板に固定されている。その他、公知の種々のケース構造及びその製造方法がケース2に適用されることができる。
【0034】
図略の電極アセンブリは、複数の電極ペアを積層することにより、又は、電極ペアを巻回することにより形成される。電極ペアは、シート状のセパレータを挟んでサンドイッチされたシート状の正極体及びシート状の負極体からなる。正極体は、シート状の正極活物質層が密着するシート状の集電体を有する。負極体は、シート状の負極活物質層が密着するシート状の集電体を有する。集電体は、アルミニウムシート又は銅シートからなる。
【0035】
ケース2のAA線矢視断面が図7に部分的に示される。ケース2は、ケース2の幅方向(W)へ延在する波形形状を有する。ケース2内には、ケース2の断面とほぼ同一の波形形状をもつ電極アセンブリ(図示せず)が収容されている。ケース2は、実線により簡単に模式的に示されている。ケース2の一対の主側面21及び22は、ケース2の厚さ方向(T)と略直角な方向である幅方向(W)へ向けて所定ピッチで配列された線状の凸部23及び線状の凹部24を有する。
【0036】
主側面21の凸部23及び主側面22の凹部24は電極アセンブリを挟んで厚さ方向(T)へ隣接している。主側面21の凹部24及び主側面22の凸部23は電極アセンブリを挟んで厚さ方向(T)へ隣接している。各凸部23及び各凹部24は、互いに平行にケースの長さ方向(L)へ延在している。なお、ケースの長さはケースの幅よりも小さくてもよい。
【0037】
ケース2の主側面21及び22は、交互に配置された凸部23及び凹部24により構成される波形形状をそれぞれ有する。主側面21及び22の凸部23の数は等しい。主側面21及び22の凹部24の数は等しい。結局、主側面21は主側面22と等しい形状を有する。凸部23の曲率半径は、凹部24の曲率半径よりも大きい。波形形状のケース2に密閉される電極アセンブリもケース2と略等しい波形形状を有する。したがって、電極アセンブリを構成する各電極ペアの正極体及び負極体も波形形状を有する。
【0038】
図8は組電池の一部を構成する3つの二次電池すなわちセル11、12及び13を示す。セル11、12及び13は、図7に示す横断面形状をもつ。3つのセル11、12及び13は、厚さ方向に順番に隣接している。
第1のセル11の凹部24は、第2のセル12の凸部23に隣接する。第1のセル11の凹部24と第2のセル12の凸部23との間にギャップGが形成される。
【0039】
同じく、第1のセル11の凸部23は、第2のセル12の凹部24に隣接する。第1のセル11の凸部23と第2のセル12の凹部24との間にギャップGが形成される。
【0040】
第2のセル12の凹部24は、第3のセル13の凸部23に隣接する。第2のセル12の凹部24と第3のセル13の凸部23との間に上下方向へ延在する線状のギャップGが形成される。ギャップGの横断面は、三日月状に形成される。同じく、第2のセル12の凸部23は、第3のセル13の凹部24に隣接する。第2のセル12の凸部23と第3のセル13の凹部24との間にギャップGが形成される。
【0041】
ケース2の長さ方向へ延在する各ギャップGは、冷却空気流が流れる冷却通路を構成している。冷却通路に熱を長さ方向へ伝達する伝熱部材を挿入してもよい。伝熱部材として、ヒートパイプを採用することができる。波形の二次電池1は、積層型の二次電池の扁平形状及び巻回型電池の筒形形状よりも優れたサイクル寿命をもつ。その理由が以下に説明される。
【0042】
(集電体と活物質との間の熱膨張率の差の説明)
最初に熱膨張率の差による電池の劣化が図9に示す模式図を参照して説明される。図9は説明を簡単とするために、三角形状に屈曲された網状金属板からなる集電体6と、集電体6の両側面に密着する活物質層7とを示す模式説明図である。活物質層7はほぼ一定厚さをもつシート形状をもつ。金属板からなる集電体6は、無機材料を主成分とする活物質層7よりも大きな線膨張率をもつ。以下、説明を簡単とするために、活物質層7は、集電体6に所定の密着力で結合する固体と見なされる。集電体6は、斜めに延在する多数の小板部60の集合体と見なすことができる。
【0043】
二次電池1の温度が上昇すると、奇数番目の小板部60は、斜め下方向へ伸びる。偶数番目の小板部60は、斜め上方向へ伸びる。集電体6に密着する活物質層7の線膨張率は小さいので、温度上昇が大きい時、各小板部60は活物質層7に対して小板部60の面方向へスライドしようとする。このスライドは、集電体6と活物質層7との結合力が大きい部位を支点として発生する。
【0044】
スライド後の状態が図10に示される。互いに隣接する2つの小板部60の膨張方向が異なる。したがって、集電体6と活物質層7との間のストレスは、各小板部60の結合部において最も大きくなる。特に、凸部23に隣接する部位にて、活物質層7に大きな面方向への伸びストレスが生じる。
このストレスは、小板部60の面方向(S)の長さに比例する。結局、波状に屈曲した集電体6のスライドにより、凸部23の近傍の活物質層7に最初に破断が生じる。実際には、凸部23の近傍の活物質層7と集電体6との接着力が集電体6の膨張力を超えない限り、活物質層7が集電体6から剥離することは無い。
【0045】
波形の集電体6の重要な効果は、複数の凸部23が集電体6の幅方向に存在するため、集電体6と活物質層7との間の膨張率の差に基づくストレスが分散されることである。このストレスの分散は、集電体6の各部のストレスの大きさが小さくなることを意味する。更に、波形の集電体6は連続的に湾曲しているため、応力が活物質7に局部的に集中をするのを回避する。
【0046】
参考例として、積層型電池に用いられる扁平な集電体6Aとこの集電体6に密着する扁平な活物質層7Aとが図11に示される。図11は、集電体6Aの両端が温度上昇により活物質層7Aの両端よりも幅方向へ伸びた状態を示す。二次電池1の温度が上昇すると、集電体6Aの幅方向(W)への伸び量ΔLは、k×Waとなる。kは集電体6Aの線膨張率である。Waは集電体6Aの幅である。
【0047】
集電体6Aに密着する活物質層7Aの線膨張率は小さいので、集電体6Aは、活物質層7Aとの接触面に沿いつつ活物質層7Aに対して相対的にスライドしようとする。この活物質層7Aに対する集電体6Aのスライドは、集電体6の幅方向における中心点Xを中心として両側へ生じる。結局、平坦な集電体6Aの幅Waが大きいため、集電体6Aの両端は容易に活物質層7Aから剥離してしまう。
【0048】
巻回型電池に用いられる円筒状の集電体6Bとこの集電体6Bに密着する円筒状の活物質層7Bとが図12に示される。図12は、温度上昇により、集電体6Bの外周側の先端が活物質層7Bの外周側の先端よりも周方向へ伸びた状態を示す。集電体6Bの温度が上昇する時、集電体6Bの外周側の先端は周方向へ伸びる。集電体6Bのこの伸長は、集電体6Bの内周側の先端を支点として行われると見なすことができる。その結果、図11に示す平板状の集電体6Aの場合と同様に、活物質層7Bは円筒状の集電体6Bの外周側の先端から剥離する。ただし、円筒状の集電体6Bの湾曲形状は、活物質層の剥離を抑制する。
【0049】
結局、従来の積層型電池及び筒型電池においては、温度変化による活物質と集電体との線膨張率の差により、集電体が活物質に対して集電体の面方向へ相対変位するという問題がある。この熱膨張率の差により、クラックが活物質に生じたり、活物質が集電体から剥離したりする。これは、集電体と活物質との間の電気抵抗の増大を招く。
【0050】
これに対して、この実施例の集電体6及び活物質層7は、幅方向へ波形形状をもつ。集電体6が各屈曲点の間にそれぞれ小板部60をもち、各小板部60が延在する方向が異なるので、集電体6の各小板部60は、温度上昇によりそれぞれ独立に異なる方向へ伸張する。その結果、幅が小さい各小板部60の膨張力の最大値が小さくなり、各小板部60と活物質層7との間の接着力を超えない。その結果、集電体6と活物質層7との間の電気抵抗の増大を抑制することができる。
【0051】
(電極アセンブリの冷却の問題)
充放電により、二次電池1の電極アセンブリの温度は上昇する。二次電池の劣化はその温度上昇と正相関をもつ。すなわち、二次電池の冷却性能の改善により、二次電池のサイクル寿命は延長される。
【0052】
電極アセンブリの熱の多くは、電極アセンブリを収容するケース2から外部に放熱される。筒型電池は、その内部容積当たりのケース2の表面積が最も小さい。筒型電池の内部温度上昇は、この筒型電池と同一の高さ(長さ)及び体積をもつ電極アセンブリを収容する扁平なブロック型電池のそれよりも大きい。更に、多数の筒型電池を直列接続して構成される組電池の必要スペースは大きい。
【0053】
積層型電池(扁平ブロック型電池)は扁平なケースを採用するため、その内部容積当たりのケースの表面積は大きい。このため、積層型電池は冷却に有利となる。しかし、多数の積層型電池を直列接続して構成される組電池において、互いに隣接する2つの積層型電池を密着させる場合には、扁平なケース2からの放熱が難しくなる。
【0054】
これに対して、波形の二次電池は、その容積当たりのケース2の表面積が筒型電池及び扁平ブロック型電池よりも大きい。したがって、冷却が有利となる。
更に、組電池を形成する場合、隣接する2つの波形二次電池の間に三日月状のギャップGを形成することができるので、各二次電池の冷却が容易となる。更に、波形の二次電池を用いる組電池は、筒型電池を用いる組電池よりも無駄なスペースが小さいので、コンパクトに構成される。
【0055】
(変形問題)
積層型電池のケースは扁平形状をもつので、ケースの平坦な表面と直角に加えられる力により容易に変形する。この変形は、活物質層7にクラックを生じさせる。これに対して、波形形状をもつ二次電池のケースに内蔵される波形の電極アセンブリは変形しにくい。これ効果は、たとえば波形形状の瓦を想像することにより容易に理解される。
【0056】
(変形態様)
波形形状のケース2は、2枚の金属波板を絶縁スペーサを介して結合することにより構成されることができる。この2枚の金属波板は正極端子及び負極端子として用いることができる。
【0057】
(変形態様)
上記実施形態では、ケース2及び電極アセンブリは、正極端子及び負極端子の突出方向と直角なケース2の幅方向へ波形に延在する。その代わりに、ケース2及び電極アセンブリは、正極端子及び負極端子の突出方向へ波形に延在することができる。
【符号の説明】
【0058】
1は二次電池、2はケース、3は正極端子、4は負極端子、6は集電体、7は活物質層、11、12及び13は二次電池、21及び22はケースの主側面、23は凸部、24は凹部である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
角形のケースと、前記ケースに密閉される電極アセンブリとを備え、
前記電極アセンブリは、シート状のセパレータを挟んでサンドイッチされたシート状のアノード及びシート状のカソードからなる複数の電極ペアを厚さ方向へ重ねることにより構成され、
前記アノードは、シート状のアノード活物質層が密着するシート状の金属集電体を有し、
前記カソードは、シート状のカソード活物質層が密着するシート状の金属集電体を有する二次電池において、
前記ケース及び前記ケースに隣接する前記電極アセンブリは、
その長さ方向と直角な横断面において湾曲し、
前記ケースの一対の主側板部の一方は、少なくとも一つの凸部を有し、
前記ケースの一対の主側板部の他方は、前記凸部に対して前記電極アセンブリを挟んで厚さ方向へ隣接する少なくとも一つの凹部を有し、
前記ケースの一対の主側板部は、前記電極アセンブリを挟んで略一定の厚さを有し、
前記電極アセンブリの一対の主側面部の一方は、前記ケースの凸部に隣接する凸部を有し、
電極アセンブリの一対の主側面部の他方は、前記ケースの凹部に隣接する凹部を有することを特徴とする二次電池。
【請求項2】
前記ケースの主側板部及び前記電極アセンブリの主側面部はそれぞれ、前記凹部と前記凸部とが交互に形成されてなる波形形状を有する請求項1記載の二次電池。
【請求項3】
前記凹部及び前記凸部は、前記ケースの長さ方向へ直線的に延在する請求項2記載の二次電池。
【請求項4】
前記凹部は前記凸部よりも小さい曲率半径を有し、
その略厚さ方向へ重ねられた前記二次電池群の一つの前記凹部は、前記二次電池の他の一つの前記凸部に隣接し、
前記二次電池群の一つの前記凸部は、前記二次電池の他の一つの前記凹部に隣接し、
線状に形成された前記凹部と前記凸部との間の形成されて長さ方向に延在する冷却流体通路を有する請求項1記載の二次電池。
【請求項5】
前記集電体及び前記活物質層は、長さ方向へそれぞれ延在する凹部及び凸部を有する請求項1記載の二次電池。
【請求項6】
前記集電体及び前記活物質層は、長さ方向と直角な断面において波形形状を有し、かつ、長さ方向へ直線上に延在する請求項1記載の二次電池。
【請求項1】
角形のケースと、前記ケースに密閉される電極アセンブリとを備え、
前記電極アセンブリは、シート状のセパレータを挟んでサンドイッチされたシート状のアノード及びシート状のカソードからなる複数の電極ペアを厚さ方向へ重ねることにより構成され、
前記アノードは、シート状のアノード活物質層が密着するシート状の金属集電体を有し、
前記カソードは、シート状のカソード活物質層が密着するシート状の金属集電体を有する二次電池において、
前記ケース及び前記ケースに隣接する前記電極アセンブリは、
その長さ方向と直角な横断面において湾曲し、
前記ケースの一対の主側板部の一方は、少なくとも一つの凸部を有し、
前記ケースの一対の主側板部の他方は、前記凸部に対して前記電極アセンブリを挟んで厚さ方向へ隣接する少なくとも一つの凹部を有し、
前記ケースの一対の主側板部は、前記電極アセンブリを挟んで略一定の厚さを有し、
前記電極アセンブリの一対の主側面部の一方は、前記ケースの凸部に隣接する凸部を有し、
電極アセンブリの一対の主側面部の他方は、前記ケースの凹部に隣接する凹部を有することを特徴とする二次電池。
【請求項2】
前記ケースの主側板部及び前記電極アセンブリの主側面部はそれぞれ、前記凹部と前記凸部とが交互に形成されてなる波形形状を有する請求項1記載の二次電池。
【請求項3】
前記凹部及び前記凸部は、前記ケースの長さ方向へ直線的に延在する請求項2記載の二次電池。
【請求項4】
前記凹部は前記凸部よりも小さい曲率半径を有し、
その略厚さ方向へ重ねられた前記二次電池群の一つの前記凹部は、前記二次電池の他の一つの前記凸部に隣接し、
前記二次電池群の一つの前記凸部は、前記二次電池の他の一つの前記凹部に隣接し、
線状に形成された前記凹部と前記凸部との間の形成されて長さ方向に延在する冷却流体通路を有する請求項1記載の二次電池。
【請求項5】
前記集電体及び前記活物質層は、長さ方向へそれぞれ延在する凹部及び凸部を有する請求項1記載の二次電池。
【請求項6】
前記集電体及び前記活物質層は、長さ方向と直角な断面において波形形状を有し、かつ、長さ方向へ直線上に延在する請求項1記載の二次電池。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−70998(P2011−70998A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−222180(P2009−222180)
【出願日】平成21年9月28日(2009.9.28)
【出願人】(507348676)有限会社 スリ−アイ (35)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月28日(2009.9.28)
【出願人】(507348676)有限会社 スリ−アイ (35)
【Fターム(参考)】
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