二次電池
【課題】相対的に高強度の金属材料からなるボルトを備え、バスバーと電極端子との接続抵抗が小さく、且つ、組立が容易な二次電池を提供する。
【解決手段】集電板13を介して蓄電要素の電極に接続される接続端子6と、接続端子6と電気的に接続され、且つバスバーと当接されるバスバー当接面15を有する外部端子4と、外部端子4のバスバー当接面15でバスバーを締付固定するために、バスバー当接面15から電池缶50の外側へ向かって突出しているボルト1と、を備え、外部端子4に、外部端子4および接続端子6に比して高強度の金属からなるボルト1を保持させている。また、外部端子4と接続端子6は一体成形もしくは溶接接合されている。
【解決手段】集電板13を介して蓄電要素の電極に接続される接続端子6と、接続端子6と電気的に接続され、且つバスバーと当接されるバスバー当接面15を有する外部端子4と、外部端子4のバスバー当接面15でバスバーを締付固定するために、バスバー当接面15から電池缶50の外側へ向かって突出しているボルト1と、を備え、外部端子4に、外部端子4および接続端子6に比して高強度の金属からなるボルト1を保持させている。また、外部端子4と接続端子6は一体成形もしくは溶接接合されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は二次電池に関し、特に大容量のリチウムイオン二次電池に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ハイブリッド自動車や電気自動車等の動力源として大容量の角形リチウム二次電池の開発が進められている。
【0003】
角形のリチウム二次電池においては、正極活物質合剤層を形成した正極箔、負極活物質合剤層を形成した負極箔およびそれぞれを絶縁するためのセパレータを重ね合わせて捲回した扁平形状の蓄電要素を、電池缶の蓋に設けられた正極端子および負極端子に電気的に接続する。そして、蓄電要素を電池缶に収容して電池缶の開口部を蓋で封止溶接し、蓋に設けられた注液口から電解液を注液し、注液口に注液栓を挿入してレーザ溶接により封止溶接することで二次電池を作製する。
【0004】
また、上記した角形の二次電池を複数直列に接続して組電池とするために、バスバーの一端を二次電池の正極端子に設けたボルトにナットで締付固定し、バスバーの他端を隣接する二次電池の負極端子に設けたボルトにナットで締付固定することで、隣接する二次電池同士の電極端子を電気的に接続する。
【0005】
ところで、二次電池の電極端子は電解液に対して耐性を有する必要があることから、その形成素材としては、一般にアルミニウムや銅等の電気抵抗の低い金属材料が採用されている。しかしながら、アルミニウムや銅等の金属材料は材料強度が低く、アルミニウムや銅等からなる電極端子に設けたボルトにナットを締め付ける際、その締付トルクが過大となると前記ボルトが損傷してしまう可能性がある。
【0006】
このような問題に対して、特許文献1には、電極端子のボルトにバスバーを簡便に締付固定することのできる従来の二次電池が開示されている。
【0007】
特許文献1に開示されている二次電池は、正極端子の蓄電要素と接続される部分(接続端子)をアルミニウム又はアルミニウム合金から構成するとともに、バスバー接続のために前記接続端子から電池缶の外側へ突出させた正極端子のボルトを接続端子に比して相対的に高強度の鉄系材料から構成して、その接続端子とボルトを溶接固定したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2010−170920号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1に開示されている二次電池によれば、正極端子のボルトをアルミニウム又はアルミニウム合金からなる接続端子に比して高強度の導電性材料から構成することで、相対的に高いトルクで前記ボルトにバスバーを容易に締付固定することができるとともに、このボルトやナットを介してバスバーと接続端子を電気的に接続することができる。
【0010】
しかしながら、特許文献1に開示されている二次電池においては、ナットを介してバスバーをボルトに締付固定しているためにボルトやナットとバスバーとの接触面積が小さくなると共に、導電性の低いボルトやナットを導通パスとして使用しており、接続抵抗が大きくなるといった問題がある。また、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる接続端子と鉄系材料からなるボルトとを溶接する必要があるため、双方を高品質に溶接することが困難であり、二次電池の組立性が低下するといった問題がある。
【0011】
本発明は、前記問題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、バスバーを締付固定するために相対的に高強度の材料からなるボルトを備えると共に、バスバーと電極端子との接続抵抗が小さく、且つ、組立が容易な二次電池を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記する課題を解決するために、本発明に係る二次電池は、集電板を介して蓄電要素の電極に接続される接続端子と、前記接続端子と電気的に接続され、且つバスバーと当接されるバスバー当接面を有する外部端子と、前記外部端子の前記バスバー当接面でバスバーを締付固定するために、前記バスバー当接面から電池缶の外側へ向かって突出しているボルトと、を備え、前記外部端子に、前記外部端子および前記接続端子に比して高強度の金属からなる前記ボルトを保持させているものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、外部端子に設けられたバスバー当接面で外部端子とバスバーとを当接させてバスバーと接続端子を電気的に接続することで、バスバーと接続端子の接続抵抗を小さくすることができると共に、相対的に高強度の金属からなるボルトを外部端子で保持しながら、当該ボルトを用いて外部端子のバスバー当接面でバスバーを締付固定することで、二次電池の組立性を高めることができる。
【0014】
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係る二次電池の第1の実施形態の外観を示す全体斜視図。
【図2】図1に示す二次電池の分解斜視図。
【図3】図2に示す二次電池の蓄電要素(捲回体)の分解斜視図。
【図4】図2に示す二次電池の蓋組立体を示す斜視図。
【図5】図4に示す蓋組立体の負極側を拡大して示す拡大斜視図。
【図6】図5に示す蓋組立体の負極側のA−A矢視図。
【図7】図5に示す蓋組立体の負極側の分解斜視図。
【図8】図7に示す負極端子を示す斜視図。
【図9】図8に示す負極端子の縦断面図。
【図10】図8に示す負極端子の分解斜視図。
【図11】図4に示す蓋組立体の正極側を拡大して示す拡大斜視図。
【図12】図11に示す蓋組立体の正極側のB−B矢視図。
【図13】図11に示す蓋組立体の正極側の分解斜視図。
【図14】図13に示す正極端子を示す斜視図。
【図15】図14に示す正極端子の縦断面図。
【図16】図14に示す正極端子の分解斜視図。
【図17】本発明に係る二次電池の第2の実施形態の外観を示す全体斜視図。
【図18】図17に示す二次電池の蓋組立体の負極側を拡大して示す拡大斜視図。
【図19】図18に示す蓋組立体の負極側のC−C矢視図。
【図20】図18に示す蓋組立体の負極側の分解斜視図。
【図21】図20に示す負極端子の分解斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る二次電池をハイブリッド自動車や電気自動車に搭載される角型のリチウムイオン二次電池に適用した実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において同一の機能を有するものは同一の符号を付してその繰り返しの説明は省略する。
【0017】
[第1の実施形態]
まず、図1〜16を参照して、本発明に係る二次電池の第1の実施形態について詳細に説明する。
【0018】
図1は、本発明に係る二次電池の第1の実施形態の外観を示したものである。
【0019】
図示する二次電池(リチウムイオン二次電池)500は、一端部に開口(図2参照)を有する矩形箱状の電池缶50と、電池缶50内に収容される蓄電要素組立体100とから大略構成されている。ここで、蓄電要素組立体100は矩形平板状の蓋11を有しており、電池缶50の開口部は、蓄電要素組立体100の蓋11と溶接されて封止されている。また、蓋11には、電池缶50内に電解液を注入するための注液孔31(図2参照)が設けられており、注液孔31を介して電池缶50内に電解液を注入した後、この注液孔31に注液栓51が挿入され、電解液が外部に漏洩しないようにレーザ溶接により封止されている。
【0020】
また、蓋11には、ボルト1と外部端子4と接続端子6(図6参照)からなる負極端子110と、ボルト20と外部端子27と接続端子23(図12参照)からなる正極端子120が配設されている。なお、後述するように、負極端子110の外部端子4と接続端子6とは一体成形されている。
【0021】
上記する二次電池500を複数並べて配列し、バスバーの一端を二次電池500の負極端子110のボルト1にナットを用いて締付固定し、バスバーの他端を隣接する二次電池500の正極端子120のボルト20にナットを用いて締付固定することで、二次電池500が複数直列に接続された組電池となる。
【0022】
図2は、図1に示す二次電池500を分解して示したものであり、集電板と蓄電要素(捲回体)とが接続された状態を示したものである。
【0023】
図示する二次電池500の蓄電要素組立体100は、蓋組立体32と捲回体45とを備えている。ここで、捲回体45の幅方向(捲回軸方向)の両端部は、一方の端部が正極活物質合剤層41(図3参照)が形成されていない未塗工部(正極箔40の露出部)が積層された部分とされ、他方の端部が負極活物質合剤層44(図3参照)が形成されていない未塗工部(負極箔43の露出部)が積層された部分とされている。また、蓋組立体32の捲回軸方向の両端部には、それぞれ蓋11から下方に向かって正極集電板30と負極集電板13が設けられている。上記する正極側の正極箔40の未塗工部の積層体および負極側の負極箔43の未塗工部の積層体は、それぞれ蓋組立体32の正極集電板30および負極集電板13に予め押し潰され、超音波接合部33,34で正極集電板30および負極集電板13に超音波接合されて接続されている。
【0024】
なお、蓋組立体32の略中央部には、電池缶50内に電解液を注入するための注液孔31が設けられている。
【0025】
図3は、図2に示す二次電池500の蓄電要素(捲回体45)を一部分解して示したものである。なお、図3は、捲回体45の正極箔40と負極箔43の未塗工部を正極集電板30と負極集電板13に押圧変形させる前の状態を示している。
【0026】
蓄電要素である捲回体45は、セパレータ42を介在させて長尺状の正極箔40と負極箔43とを扁平状に捲回させ、正極箔40とセパレータ42と負極箔43とを積層させて構成されている。また、正極箔40の両面に、正極活物質合剤が塗工された正極活物質合剤層41が形成されており、負極箔43の両面に、負極活物質合剤が塗工された負極活物質合剤層44が形成されており、正極活物質と負極活物質との間で充放電が行われるようになっている。
【0027】
ここで、正極箔40は、厚さ30μm程度のアルミニウム箔からなり、負極箔43は、厚さ20μm程度の銅箔からなり、セパレータ42は、多孔質のポリエチレン樹脂からなる。なお、正極箔40はアルミニウム箔に限定されず、例えばアルミニウム合金箔であってもよい。また、負極箔43は銅箔に限定されず、例えば銅合金箔であってもよい。
【0028】
図4は、図2に示す二次電池500の蓋組立体32を示したものである。
【0029】
図示する蓋組立体32は、電池缶50の開口(図2参照)を塞ぐ蓋11と、ガスケット10を介して蓋11に配置された負極端子110および正極端子120と、負極端子110および正極端子120にそれぞれ接続された負極集電板13および正極集電板30と、を備えている。ここで、負極端子110および正極端子120と負極集電板13および正極集電板30はそれぞれ、負極端子110の接続端子6の軸部16(図6参照)の先端部および正極端子120の接続端子23の軸部24(図12参照)の先端部をかしめることによって接続されている。また、負極集電板13および正極集電板30と蓋11との間には、それぞれ樹脂からなる絶縁シート12が介在されている。このように、負極端子110および正極端子120と負極集電板13と正極集電板30とが、それぞれガスケット10や絶縁シート12によって蓋11と絶縁されており、蓋11は電気的に中立となっている。
【0030】
次に、図5〜10を参照して、図4に示す蓋組立体32の負極側の部品構成についてより具体的に説明する。
【0031】
図5は、図4に示す蓋組立体32の負極側を拡大して示したものであり、図6は、図5に示す蓋組立体32の負極側のA−A矢視図である。なお、図6は、負極端子110のボルト1にバスバーBの一端をナット1Aで締付固定した状態を示している。
【0032】
図5および図6に示すように、負極端子110は、負極集電板13を介して捲回体45の負極に電気的に接続される接続端子6と、接続端子6と電気的に接続され、バスバーと当接される略平面状のバスバー当接面15を有する外部端子4と、外部端子4のバスバー当接面15でバスバーを締付固定するために、バスバー当接面15から電池缶50の外側へ向かって突出しているボルト1と、を備えている。ここで、外部端子4は、ガスケット10を介して蓋11に配置されており、ボルト1は、外部端子4のバスバー当接面15の略中心に配置されている。また、外部端子4と接続端子6は一体成形されており、ボルト1のねじ部2の軸心L1と接続端子6の軸部16の軸心L16とは同心配置されている。
【0033】
また、ボルト1は、その基端部に角錐台形状のフランジ部3を有し、外部端子4は、その上端部に前記フランジ部3を受け入れるために少なくともフランジ部3の底面および側面と相補的な形状を呈する凹部7を備えた受け部5を有している。そして、ボルト1のフランジ部3が外部端子4の凹部7に配置された状態で、外部端子4の受け部5のうちボルト1のフランジ部3の周囲の部分、すなわちボルト1の傾斜面(上面)9の近傍の部分を傾斜面9側へ塑性変形させて、ボルト1の傾斜面9にかしめ部8を形成することで、ボルト1のフランジ部3が外部端子4の受け部5に保持されている。そのかしめ工程の際、外部端子4のバスバー当接面15は塑性変形することなく、略平坦が維持されている。なお、上記するように、ボルト1のフランジ部3の上面を、電池缶50の外側へ向かってフランジ部3の外形が小さくなるように傾斜した傾斜面9で構成し、その傾斜面9にかしめ部8を形成することで、たとえばフランジ部3の上面が底面と略平行な平面からなる場合と比較して、かしめ部8の形成を簡素化することができる。
【0034】
上記する外部端子4と接続端子6は、電解液に対して耐性を有すると共に、接続抵抗を低減するために電気抵抗の低い金属材料が選定され、負極箔43と同種金属である銅あるいは銅合金から構成されている。また、ボルト1は、ナット1Aを用いてバスバーBの一端をボルト1に締付固定する際にナット1Aの締付トルクを高めるために、銅あるいは銅合金に比して高強度の炭素鋼から構成されている。
【0035】
なお、図示するように、負極端子110の接続端子6の軸部16の先端部をかしめてかしめ部14を形成することで、ガスケット10、蓋11、絶縁シート12および負極集電板13が、外部端子4の上端部(受け部5)とかしめ部4とで挟持されて固定されるとともに、電池缶50内部の電解液の液漏れが防止されている。
【0036】
また、図6に示すように、バスバーBの一端が負極端子110のボルト1のねじ部2に締め付けられたナット1Aと外部端子4のバスバー当接面15とで挟持されて固定されることで、接続端子6および外部端子4を介して負極集電板13からバスバーBへ向かう導通パスX1が形成される。
【0037】
このように、導電性の低い炭素鋼からなるボルト1を介することなく導通パスX1を形成することができ、バスバーBと外部端子4を略平面からなるバスバー当接面15で電気的に接続することができることから、負極端子110とバスバーBとの接続抵抗を格段に小さくすることができる。また、ボルト1のねじ部2の軸心L1と接続端子6の軸部16の軸心L16とを同心配置することにより、負極集電板13からバスバーBへ向かう導通パスX1を最短化することができ、負極端子110とバスバーBとの接続抵抗をより一層小さくすることができる。また、かしめによってボルト1のフランジ部3を外部端子4に保持させることにより、外部端子4や接続端子6に比して高強度のボルト1を容易に外部端子4に取り付けることができる。
【0038】
図7は、図5に示す蓋組立体32の負極側を分解して示したものである。なお、図7は、負極端子110の接続端子6の軸部16の先端部をかしめる前の状態を示している。
【0039】
蓋組立体32の負極側は、図示するように、負極端子110、ガスケット10、蓋11、絶縁シート12および負極集電板13を備えている。なお、ガスケット10およびは絶縁シート12は樹脂製であって、ガスケット10は主として電池缶50内の電解液の液漏れを防止するためのものであり、絶縁シート12は主として負極集電板13と蓋11とを絶縁するためのものである。
【0040】
負極端子110は、ボルト1が電池缶50の外側へ向くような姿勢で、接続端子6の軸部16がガスケット10、蓋11、絶縁シート12および負極集電板13にそれぞれ設けられた貫通孔に挿入され、上記するように、その軸部16の先端部がかしめられてかしめ部14が形成される。これにより、ガスケット10、蓋11、絶縁シート12および負極集電板13が、外部端子4の上端部(受け部5)とかしめ部14とで挟持されて固定される。
【0041】
図8は、図7に示す負極端子110を示したものであり、図9は、図8に示す負極端子110の縦断面図であり、図10は、図8に示す負極端子110を分解して示したものである。
【0042】
図8および図9に示すように、負極端子110は、外部端子4と接続端子6とボルト1を備えている。ここで、外部端子4と接続端子6とは一体成形されている。ボルト1は、その基端部に電池缶50の外側へ向かって先細となるような傾斜面9を備えた角錐台形状のフランジ部3を有していて、外部端子4は、その上端部にボルト1の前記フランジ部3を受けるために少なくともフランジ部3の底面および側面と相補的な形状を呈する凹部7を備えた受け部5を有している。
【0043】
これにより、図10に示すように、ボルト1のフランジ部3が外部端子4の受け部5に設けられた凹部7に挿入された後、外部端子4の凹部7の周囲がフランジ部3の傾斜面9側へかしめられて、その傾斜面9にかしめ部8が形成され、ボルト1のフランジ部3が外部端子4に挟持されて固定される。その際、外部端子4の受け部5の傾斜面9の近傍は塑性変形されるものの、バスバー当接面15は塑性変形されず、平坦に維持されている。
【0044】
このような構成とすることで、負極端子110のバスバーとの接触面積を増加させることができ、従来技術と比較してバスバーと接続端子6の接続抵抗を小さくすることができる。また、ボルト1と外部端子4をかしめ固定することで、高強度のボルト1を用いながら、ボルト1と外部端子4の異種金属同士の溶接、具体的には銅あるいは銅合金と炭素鋼の溶接を行う必要がなく、容易にボルト1を外部端子4に取り付けることができ、従来技術と比較して二次電池500の組立性を向上させることができる。
【0045】
また、ボルト1のねじ部2の軸心L1と接続端子6の軸部16の軸心L16とを近接して配置する、より好ましくは同心配置することにより、負極集電板13からバスバーBへ向かう導通パスX1を短くすることができ、負極端子110とバスバーBとの接続抵抗をより一層小さくすることができる。
【0046】
なお、ボルト1と外部端子4とをかしめ固定するに当たり、ボルト1のフランジ部3の全周に亘ってかしめ部8を形成することで、ボルト1と外部端子4の保持力を格段に高めることができる。また、図示するように、ボルト1のフランジ部3の底面と外部端子4の受け部5の凹部7の底面の双方を平面視で多角形状とすることで、ナット1Aをボルト1に締め付ける際の外部端子4に対するボルト1の相対的な回転を効果的に防止することができ、二次電池500の組立性をより一層向上させることができる。
【0047】
次に、図11〜16を参照して、図4に示す蓋組立体32の正極側の部品構成についてより具体的に説明する。
【0048】
図11は、図4に示す蓋組立体32の正極側を拡大して示したものであり、図12は、図11に示す蓋組立体32の正極側のB−B矢視図である。なお、図12は、バスバーBの他端を正極端子120のボルト20にナット20Aで締付固定した状態を示している。
【0049】
図11および図12に示すように、正極端子120は、正極集電板30を介して捲回体45の正極に電気的に接続される接続端子23と、接続端子23と電気的に接続され、バスバーと当接される略平面状のバスバー当接面28を有する外部端子27と、外部端子27のバスバー当接面28でバスバーを締付固定するために、バスバー当接面28から電池缶50の外側へ向かって突出しているボルト20と、を備えている。ここで、接続端子23は、ガスケット10を介して蓋11に配置されており、ボルト20は、外部端子27のバスバー当接面28の略中心に配置されている。また、ボルト20のねじ部21の軸心L20と接続端子23の軸部24の軸心L24とが同心配置されている。
【0050】
また、外部端子27と接続端子23は、外部端子27と接続端子23の外周面に形成された外部端子27と接続端子23の境界部29Aで溶接接合されて一体に構成されている。すなわち、外部端子27と接続端子23の外周面には、外部端子27と接続端子23とを接合する溶接部29が形成されている。
【0051】
より具体的には、外部端子27は、その中心部にボルト20のねじ部21を貫通させる貫通孔27Bを備えた円筒形状を呈しており、接続端子23の上端部は、その中心部にボルト20のフランジ部22を受け入れるために少なくともフランジ部3の底面および側面と相補的な形状を呈する凹部26を備えた円筒形状を呈している。また、外部端子27と接続端子23は、それぞれ平面視で略同一の形状を備えており、外部端子27のバスバー当接面28と直交する方向に延在している側端面27A,23Aを有している。そして、外部端子27と接続端子23の側端面27A,23Aに上記する溶接部29が形成され、外部端子27と接続端子23とは、バスバー当接面28と対向する面からなる接続端子当接面で当接された姿勢で溶接接合されている。
【0052】
また、ボルト20は、その基端部に略矩形平板状のフランジ部22を有し、接続端子23は、その上端部に前記フランジ部22を受け入れるための凹部26を備えた受け部25を有している。さらに、外部端子27は、接続端子23の凹部26の上方に、ボルト20のねじ部21の外形よりも大きく、ボルト20のフランジ部22の外形よりも小さい寸法の貫通孔27Bを有している。したがって、ボルト20のフランジ部22が接続端子23の受け部25の凹部26に配置されてボルト20のねじ部21が貫通孔27Bを貫通している状態で、外部端子27を溶接部29にて接続端子23と溶接接合することで、ボルト20のフランジ部22が接続端子23と外部端子27で挟持される。なお、前記溶接部29の溶込み深さを調整することによって、ボルト20のフランジ部22を挟持する荷重を調整することができる。
【0053】
上記する外部端子27と接続端子23は、電解液に対して耐性を有すると共に、接続抵抗を低くし、さらに溶接を容易にするために同種の金属材料が選定され、正極箔40と同種金属であるアルミニウムあるいはアルミニウム合金から構成されている。また、ボルト20は、ナット20Aを用いてバスバーBの他端をボルト20に締付固定する際にナット20Aの締付トルクを高めるために、アルミニウムあるいはアルミニウム合金に比して高強度の炭素鋼から構成されている。
【0054】
なお、図示するように、正極端子120の接続端子23の軸部24の先端部をかしめてかしめ部35を形成することで、ガスケット10、蓋11、絶縁シート12および正極集電板30が、接続端子23の上端部(受け部25)とかしめ部35とで挟持されて固定されるとともに、電池缶50内部の電解液の液漏れが防止されている。
【0055】
また、図12に示すように、バスバーBの他端が正極端子120のボルト20のねじ部21に締め付けられたナット20Aと外部端子27のバスバー当接面28とで挟持されて固定されることで、接続端子23および外部端子27を介して正極集電板30からバスバーBへ向かう導通パスY1が形成される。
【0056】
このように、導電性の低い炭素鋼からなるボルト20を介することなく導通パスY1を形成することができ、バスバーBと外部端子27を相対的に接触面積の大きい略平面からなるバスバー当接面28で電気的に接続することができることから、正極端子120とバスバーBとの接続抵抗を格段に小さくすることができる。また、ボルト20のねじ部21の軸心L20と接続端子23の軸部24の軸心L24とを同心配置することにより、正極集電板30からバスバーBへ向かう導通パスY1を最短化することができ、正極端子120とバスバーBとの接続抵抗をより一層小さくすることができる。また、ボルト20のフランジ部22を外部端子27と接続端子23で挟持させて保持させることにより、外部端子27や接続端子23に比して高強度のボルト20を容易に外部端子27に取り付けることができる。
【0057】
図13は、図11に示す蓋組立体32の正極側を分解して示したものである。なお、図13は、正極端子120の接続端子23の軸部24の先端部をかしめる前の状態を示している。
【0058】
蓋組立体32の正極側は、図示するように、正極端子120、ガスケット10、蓋11、絶縁シート12および正極集電板30を備えている。
【0059】
正極端子120は、ボルト20が電池缶50の外側へ向くような姿勢で、接続端子23の軸部24がガスケット10、蓋11、絶縁シート12および負極集電板13にそれぞれ設けられた貫通孔に挿入され、上記するように、その軸部24の先端部がかしめられてかしめ部35が形成される。これにより、ガスケット10、蓋11、絶縁シート12および正極集電板30が、接続端子23の上端部(受け部25)とかしめ部35とで挟持されて固定される。
【0060】
図14は、図13に示す正極端子120を示したものであり、図15は、図14に示す正極端子120の縦断面図であり、図16は、図14に示す正極端子120を分解して示したものである。
【0061】
図14および図15に示すように、正極端子120は、外部端子27と接続端子23とボルト20を備えており、外部端子27と接続端子23は、外部端子27と接続端子23の境界部29Aに設けられた溶接部29で溶接されている。また、ボルト20は、その基端部に矩形平板状のフランジ部22を有していて、接続端子23は、その上端部にボルト20の前記フランジ部22を受けるための凹部26を備えた受け部25を有している。また、外部端子27は、その上面に略平面状のバスバー当接面28を有すると共に、バスバー当接面28の中心部にボルト20のねじ部21の外形よりも大きく、ボルト20のフランジ部22の外形よりも小さい寸法の貫通孔27Bを有している。
【0062】
これにより、図16に示すように、ボルト20のフランジ部22が接続端子23の受け部25に設けられた凹部26に挿入された後、ボルト20のねじ部21を外部端子27の貫通孔27Bに挿入するようにして接続端子23と外部端子27を嵌合させ、その境界部29Aをレーザ溶接して接続端子23と外部端子27の側端面23A,27Aの全周に亘って溶接部29を形成することで、ボルト20のフランジ部22が接続端子23と外部端子27で挟持されて固定される。
【0063】
ここで、外部端子27の接続端子23と当接する接続端子当接面は、その側端部が中心部よりも突出した凹形状を呈しており(図15参照)、接続端子23の外部端子27と当接する外部端子当接面は前記接続端子当接面と相補的な形状を呈しており、外部端子27の前記接続端子当接面と接続端子23の前記外部端子当接面とが嵌合された状態で外部端子27と接続端子23が溶接接合されることで、上記溶接工程の際の外部端子27と接続端子23との相対的な位置のずれを効果的に抑制することができる。
【0064】
また、前記溶接部29は、上記するように、接続端子23と外部端子27の外周面のうち、外部端子27のバスバー当接面28に直交する側端面23A,27Aに設けられる。これにより、レーザ溶接の際にスパッタが発生するものの、前記スパッタが外部端子27のバスバー当接面28に付着することを防止することができ、バスバーとバスバー当接面28との接触抵抗の増加を効果的に抑制することができる。さらに、接続端子23の軸部24へのスパッタの付着も防止することができるため、上記する正極端子120の蓋11等に対するかしめ不良を効果的に抑制することができる。
【0065】
なお、前記溶接部29は、接続端子23と外部端子27の外周面に部分的に形成することができるものの、図示するように、接続端子23と外部端子27の側端面23A,27Aの全周に亘って溶接部29を形成することで、接続端子23と外部端子27を均一に接合することができ、接続端子23と外部端子27の接続抵抗を小さくすることができる。
【0066】
このような構成とすることで、正極端子120のバスバーとの接触面積を増加させることができると共に、接続端子23からバスバー当接面28までを溶接により金属結合された一体の部材で構成することができ、従来技術と比較してバスバーと接続端子23の接続抵抗を小さくすることができる。また、ボルト20のフランジ部22を接続端子23と外部端子27で挟持して保持することで、相対的に高強度のボルト20を用いながら、たとえばボルト20と外部端子27の異種金属同士の溶接、具体的にはアルミニウムあるいはアルミニウム合金と炭素鋼の溶接を行う必要がなく、容易にボルト20を外部端子27に取り付けることができ、従来技術と比較して二次電池500の組立性を向上させることができる。
【0067】
なお、接続端子23と外部端子27とを溶接するに当たり、溶接部29の溶込み深さを調整することによって、接続端子23と外部端子27によるボルト20のフランジ部22の保持力を調整することができる。また、図示するように、ボルト20のフランジ部22の底面と接続端子23の受け部25の凹部26の底面の双方を平面視で多角形状とすることで、ボルト20にナット20Aを締め付ける際の接続端子23に対するボルト20の相対的な回転を効果的に防止することができ、二次電池500の組立性をより一層向上させることができる。
【0068】
なお、第1の実施形態の二次電池500においては、負極側について接続端子6と外部端子4を一体成形とし、外部端子4の一部をかしめてボルト1を保持し、正極側について接続端子23と外部端子27を溶接により一体に構成し、ボルト20を接続端子23と外部端子27で挟持して保持する形態としたが、負極側について接続端子6と外部端子4を溶接により一体に構成してもよいし、正極側について接続端子23と外部端子27を一体成形としてもよい。しかしながら、正極側の接続端子23と外部端子27で使用するアルミニウムあるいはアルミニウム合金は、一般に負極側の接続端子6と外部端子4で使用する銅あるいは銅合金よりも強度が低く、上記するような外部端子のかしめによってボルトのフランジ部を強固に保持することが難しいため、少なくともアルミニウムあるいはアルミニウム合金を使用する正極側については、接続端子23と外部端子27を溶接により一体に構成し、接続端子23と外部端子27でボルト20のフランジ部22を挟持する形態が好ましい。
【0069】
[第2の実施形態]
次に、図17〜21を参照して、本発明に係る二次電池の第2の実施形態について詳細に説明する。
【0070】
第1の実施形態の二次電池500に対して第2の実施形態の二次電池600は、電極端子の外部端子の外形を円筒形状に代えて矩形平板状としている点(相違点1)、正負極双方の電極端子において外部端子と接続端子を別体とし、外部端子と接続端子を溶接により接合して一体に構成している点(相違点2)、ボルトのねじ部の軸心と接続端子の軸部の軸心が偏心している点(相違点3)で相違しており、その他の構成は第1の実施形態の二次電池500と同様である。したがって、以下では上記相違点1〜3についてのみ詳細に説明し、第1の実施形態の二次電池500と同様の構成についてはその詳細な説明は省略する。
【0071】
図17は、本発明に係る二次電池の第2の実施形態の外観を示したものである。
【0072】
図示する二次電池600は、一端部に開口を有する矩形箱状の電池缶76と、電池缶76内に収容される蓄電要素組立体200とから大略構成されている。ここで、蓄電要素組立体200は矩形平板状の蓋66を有しており、電池缶76の開口部は、蓄電要素組立体200の蓋66と溶接されて封止されている。また、蓋66には、電池缶76内に電解液を注入するための注液孔(不図示)が設けられており、注液孔を介して電池缶76内には電解液を注入した後、この注液孔に注液栓70が挿入され、電解液が外部に漏洩しないようにレーザ溶接により封止されている。
【0073】
ここで、上記相違点1で述べたように、蓋66に配設された負極端子210の外部端子60および正極端子220の外部端子80の外形は略矩形平板状を呈しており、それぞれの外部端子60,80のバスバー当接面63,83の外形は平面視で略長方形を呈している。より具体的には、外部端子60,80のバスバー当接面63,83は、平面視で矩形平板状の蓋66の長手方向に沿った方向に長辺を有する長方形を呈している。これにより、たとえば第1の実施形態のようなバスバー当接面の外形が平面視で略円形を呈する場合と比較して、外部端子60,80とバスバーとの接触面積、特に電池缶76の蓋66の長手方向におけるバスバーとの当接面積を増加させることができ、負極端子210および正極端子220とバスバーとの接続抵抗を格段に低減することができる。なお、外部端子60,80のバスバー当接面63,83は、平面視で長方形状に代えて、少なくとも略円形を呈する場合よりも接触面積が大きくなるような多角形状であってもよい。
【0074】
なお、負極端子210と正極端子220は、それぞれ樹脂製の端子台64,84を介して電池缶76の蓋66に配設されており、負極端子210および正極端子220と蓋66とは絶縁されている。また、負極端子210と正極端子220のボルト61,81は、それぞれ外部端子60,80のバスバー当接面63,83の略中央部から電池缶76の外側へ向かって突出するように配置されている。
【0075】
上記相違点2で述べたように、第2の実施形態の二次電池600においては、正負極双方の電極端子において外部端子と接続端子を別体とし、外部端子と接続端子を溶接により接合して一体に構成している。すなわち、正極端子と負極端子はその形成素材が異なるものの、ほぼ同様の構成を有している。そのため、以下では二次電池600の負極側について具体的に説明し、正極側についての詳細な説明は省略する。
【0076】
図18は、図17に示す二次電池600の蓋組立体72の負極側を拡大して示したものであり、図19は、図18に示す蓋組立体72の負極側のC−C矢視図である。なお、図19は、バスバーBの一端を負極端子210のボルト61にナット61Aで締付固定した状態を示している。
【0077】
図18および図19に示すように、負極端子210は、負極集電板68を介して捲回体の負極に電気的に接続される接続端子62と、接続端子62と電気的に接続され、バスバーと当接される平面視で略長方形且つ略平面状のバスバー当接面63を有する外部端子60と、外部端子60のバスバー当接面63でバスバーを締付固定するために、バスバー当接面63から電池缶76の外側へ向かって突出しているボルト61と、を備えている。ここで、接続端子62は、端子台64を介して蓋66に配置されており、ボルト61は、外部端子60のバスバー当接面63の略中心に配置されている。
【0078】
また、外部端子60と接続端子62は、外部端子60と接続端子62の外周面に形成された外部端子60と接続端子62の境界部69Aで溶接されて一体に構成されている。すなわち、外部端子60と接続端子62の外周面には、外部端子60と接続端子62を接合する溶接部69が形成されている。
【0079】
より具体的には、外部端子60は、その中心部にボルト61のねじ部71を貫通させる貫通孔60Bを備えた略矩形平板状を呈しており、接続端子62の上端部は、その中心部にボルト61のフランジ部73を受け入れるための凹部78を備えた略矩形平板状を呈している。また、外部端子60と接続端子62は、それぞれ平面視で略同一の形状を備えており、外部端子60のバスバー当接面63と直交する方向に延在している側端面60A,62Aを有している。そして、外部端子60と接続端子62の側端面60A,62Aに、上記する溶接部69が形成され、外部端子60と接続端子62とは、バスバー当接面63と対向する面からなる接続端子当接面で当接された姿勢で溶接接合されている。
【0080】
また、ボルト61は、その基端部に略矩形平板状のフランジ部73を有し、接続端子62は、その上端部に前記フランジ部73を受け入れるために少なくともフランジ部73の底面および側面と相補的な形状を呈する凹部78を備えた受け部77を有している。さらに、外部端子60は、接続端子62の凹部78の上方に、ボルト61のねじ部71の外形よりも大きく、ボルト61のフランジ部73の外形よりも小さい寸法の貫通孔60Bを有している。したがって、ボルト61のフランジ部73が接続端子62の受け部77の凹部78に挿入されてボルト61のねじ部71が貫通孔60Bを貫通している状態で、外部端子60を溶接部69にて接続端子62と接合することで、ボルト61のフランジ部73が接続端子62と外部端子60で挟持される。
【0081】
なお、外部端子60と接続端子62は、負極箔と同種金属である銅あるいは銅合金から構成されており、ボルト61は、銅あるいは銅合金に比して高強度の炭素鋼から構成されている。
【0082】
また、負極端子210の接続端子62の軸部74の先端部をかしめてかしめ部75を形成することで、端子台64、ガスケット65、蓋66、絶縁シート67および負極集電板68が、接続端子62の上端部(受け部77)とかしめ部75で挟持されて固定されると共に、電池缶76内部の電解液の液漏れが防止されている。
【0083】
ここで、ニッケルは銅よりも耐食性に優れており、例えば二次電池600が腐食環境に放置される場合には、負極端子210とバスバーとの接触抵抗を低減するために、少なくとも外部端子60のバスバー当接面63をニッケルめっきで被膜することが好ましい。
【0084】
仮に、外部端子60と接続端子62が一体成形である場合には、上記する接続端子62の軸部74のかしめ工程においてニッケルめっきが剥離する可能性があり、一体成形された外部端子60と接続端子62を均一にニッケルめっきで被膜して使用することが困難である。
【0085】
一方で、第2の実施形態の二次電池600においては、外部端子60と接続端子62を別体とし、外部端子60と接続端子62を溶接により接合して一体に構成することで、バスバー当接面63を有する外部端子60のみを均一にニッケルめっきで被膜することができ、バスバー当接面63の材質を耐食性に優れたニッケルとして負極端子210とバスバーBとの接触抵抗を低減することができる。
【0086】
なお、上記するニッケルめっきに代えて、外部端子60のバスバー当接面63にすずめっきで被膜した場合であっても同様の効果を得ることができる。ニッケルとすずを選定した理由としては、耐食性に優れているという理由のほか、外部端子60と接続端子62の溶接部69に割れ等の悪影響を及ぼさないことが挙げられる。
【0087】
そして、図19に示すように、バスバーBの一端が負極端子210のボルト61のねじ部71に締め付けられたナット61Aと外部端子60のバスバー当接面63とで挟持されて固定されることで、接続端子62および外部端子60を介して負極集電板68からバスバーBへ向かう導通パスX2が形成される。その際、上記するように、バスバー当接面63は平面視で蓋66の長手方向に沿った方向に長辺を有する略長方形を呈しており、例えばバスバー当接面が円形の場合と比較して外部端子60とバスバーBとの接触面積を大きくすることができるため、バスバーBとの接触抵抗を効果的に低減させることができる。
【0088】
さらに、第2の実施形態の二次電池600においては、上記相違点3で述べたように、ボルト61のねじ部71の軸心L61と接続端子62の軸部74の軸心L74が偏心配置(オフセット)されている。より具体的には、ボルト61のねじ部71の軸心L61は、接続端子62の軸部74の軸心L74よりも捲回体45の捲回軸方向外側に配置されている。
【0089】
たとえば第1の実施形態の二次電池500のように、ボルト61の軸心L61と接続端子62の軸部74の軸心L74が同心配置されている場合には、バスバー当接面63にバスバーBを置いた後、ボルト61にナット61Bを締め付けてバスバーBを固定する際、ナット61Bの締付トルクが過大となると、接続端子62が蓋66に対して相対的に回転し、負極集電板68も電池缶76内で回転してしまう可能性がある。
【0090】
そこで、上記するように、ボルト61のねじ部71の軸心L61と接続端子62の軸部74の軸心L74を偏心配置させることにより、ナット61Bを用いてバスバーBを締付固定する際、過大な締付トルクが作用した場合であっても、蓋66に対する接続端子62の相対的な回転を抑制することができ、電池缶76内での負極集電板68の回転を効果的に抑制することができる。
【0091】
なお、正極端子の外部端子についても、ニッケルめっきで被膜することで負極端子と同様の効果を得ることができる。すなわち、正極端子の外部端子80はアルミニウムから構成されており、アルミニウムは表面の酸化被膜が厚く、アルミニウムの酸化物は絶縁体となるため、ニッケルめっきで被膜することで、正極端子とバスバーとの接触抵抗を効果的に低減することができる。この場合においても、接続端子の軸部(かしめられる部分)にニッケルめっき処理を施すと、かしめ工程においてニッケルめっきが剥離してしまう可能性があるため、負極端子と同様、外部端子80のみをニッケルめっきで被膜する。また、ニッケルめっきに代えて、例えばすずめっき等その他のめっきで被膜しても同様の効果を得ることができる。
【0092】
図20は、図18に示す蓋組立体72の負極側を分解して示したものである。なお、図20は、負極端子210の接続端子62の軸部74の先端部をかしめる前の状態を示している。
【0093】
蓋組立体72の負極側は、図示するように、負極端子210、端子台64、ガスケット65、蓋66、絶縁シート67および負極集電板68を備えている。なお、端子台64、ガスケット65および絶縁シート67は樹脂製であって、負極端子210と蓋66、および負極集電板68と蓋66とがそれぞれ絶縁されている。
【0094】
負極端子210は、ボルト61が電池缶76の外側へ向くような姿勢で、接続端子62の軸部74が端子台64、ガスケット65、蓋66、絶縁シート67および負極集電板68に設けられた貫通孔に挿入され、上記するように、その軸部74の先端部がかしめられてかしめ部75が形成される。これにより、端子台64、ガスケット65、蓋66、絶縁シート67および負極集電板68が、接続端子60の上端部(受け部77)とかしめ部75で挟持されて固定される。
【0095】
図21は、図20に示す負極端子210を分解して示したものである。
【0096】
負極端子210は、外部端子60と接続端子62とボルト61を備えている。また、ボルト61は、その基端部に略矩形平板状のフランジ部73を有していて、接続端子62は、その上端部にボルト61の前記フランジ部73を受けるための凹部78を備えた受け部77を有している。また、外部端子60は、その上面にニッケルめっきで被膜された略平面からなるバスバー当接面63を有すると共に、バスバー当接面63の中央部にボルト61のねじ部71の外形よりも大きく、ボルト61のフランジ部73の外形よりも小さい寸法の貫通孔60Bを有している。
【0097】
これにより、ボルト61のフランジ部73が接続端子62の受け部77に設けられた凹部78に挿入された後、ボルト61のねじ部71を外部端子60の貫通孔60Bに挿入するようにして接続端子62と外部端子60を嵌合させ、その境界部69Aをレーザ溶接して接続端子62と外部端子60の外周面の全周に亘って溶接部69を形成することで、ボルト61のフランジ部73が接続端子62と外部端子60で挟持されて固定される。
【0098】
このような構成とすることで、負極端子210とバスバーとの接触面積を格段に増加させることができ、従来技術と比較してバスバーと接続端子62の接続抵抗を一層小さくすることができる。
【0099】
また、外部端子60のバスバー当接面63をニッケルめっきやすずめっきなどによって被膜することで、外部端子60のバスバー当接面63の耐食を抑制することができ、外部端子60とバスバーとの接触抵抗の増加を効果的に抑制することができる。
【0100】
さらに、負極端子210のボルト61の軸心L61と接続端子62の軸部74の軸心L74を偏心配置することで、ナット61Aをボルト61に締め付ける際の電池缶76内での負極集電板68の回転を抑制することができ、二次電池600の組立性をより一層向上させることができる。
【0101】
なお、本発明は上記した第1,2の実施形態に限定されるものではなく、様々な変形形態が含まれる。例えば、上記した第1,2の実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各第1,2の実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【符号の説明】
【0102】
1:ボルト、2:ねじ部、3:フランジ部、4:負極外部端子、5:受け部、6:負極接続端子、7:凹部、8:かしめ部、9:傾斜面、10:ガスケット、11:蓋、12:絶縁シート、13:負極集電板、14:かしめ部、15:バスバー当接面、16:軸部、20:ボルト、21:ねじ部、22:フランジ部、23:正極接続端子、24:軸部、25:受け部、26:凹部、27:正極外部端子、28:バスバー当接面、29:溶接部、30:正極集電板、31:注液孔、32:蓋組立体、33:負極側超音波接合部、34:正極側超音波接合部、35:かしめ部、40:正極箔、41:正極活物質合剤層、42:セパレータ、43:負極箔、44:負極活物質合剤層、45:捲回体、50:電池缶、51:注液栓、60:負極外部端子、61:ボルト、62:負極接続端子、63:バスバー当接面、64:端子台、65:ガスケット、66:蓋、67:絶縁シート、68:負極集電板、69:溶接部、70:注液栓、71:ねじ部、72:蓋組立体、73:フランジ部、74:軸部、75:かしめ部、76:電池缶、77:受け部、78:凹部、80:正極外部端子、81:ボルト、83:バスバー当接面、84:端子台、100,200:蓄電要素組立体、110,210:負極端子、120,220:正極端子、500,600:二次電池、B:バスバー
【技術分野】
【0001】
本発明は二次電池に関し、特に大容量のリチウムイオン二次電池に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ハイブリッド自動車や電気自動車等の動力源として大容量の角形リチウム二次電池の開発が進められている。
【0003】
角形のリチウム二次電池においては、正極活物質合剤層を形成した正極箔、負極活物質合剤層を形成した負極箔およびそれぞれを絶縁するためのセパレータを重ね合わせて捲回した扁平形状の蓄電要素を、電池缶の蓋に設けられた正極端子および負極端子に電気的に接続する。そして、蓄電要素を電池缶に収容して電池缶の開口部を蓋で封止溶接し、蓋に設けられた注液口から電解液を注液し、注液口に注液栓を挿入してレーザ溶接により封止溶接することで二次電池を作製する。
【0004】
また、上記した角形の二次電池を複数直列に接続して組電池とするために、バスバーの一端を二次電池の正極端子に設けたボルトにナットで締付固定し、バスバーの他端を隣接する二次電池の負極端子に設けたボルトにナットで締付固定することで、隣接する二次電池同士の電極端子を電気的に接続する。
【0005】
ところで、二次電池の電極端子は電解液に対して耐性を有する必要があることから、その形成素材としては、一般にアルミニウムや銅等の電気抵抗の低い金属材料が採用されている。しかしながら、アルミニウムや銅等の金属材料は材料強度が低く、アルミニウムや銅等からなる電極端子に設けたボルトにナットを締め付ける際、その締付トルクが過大となると前記ボルトが損傷してしまう可能性がある。
【0006】
このような問題に対して、特許文献1には、電極端子のボルトにバスバーを簡便に締付固定することのできる従来の二次電池が開示されている。
【0007】
特許文献1に開示されている二次電池は、正極端子の蓄電要素と接続される部分(接続端子)をアルミニウム又はアルミニウム合金から構成するとともに、バスバー接続のために前記接続端子から電池缶の外側へ突出させた正極端子のボルトを接続端子に比して相対的に高強度の鉄系材料から構成して、その接続端子とボルトを溶接固定したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2010−170920号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1に開示されている二次電池によれば、正極端子のボルトをアルミニウム又はアルミニウム合金からなる接続端子に比して高強度の導電性材料から構成することで、相対的に高いトルクで前記ボルトにバスバーを容易に締付固定することができるとともに、このボルトやナットを介してバスバーと接続端子を電気的に接続することができる。
【0010】
しかしながら、特許文献1に開示されている二次電池においては、ナットを介してバスバーをボルトに締付固定しているためにボルトやナットとバスバーとの接触面積が小さくなると共に、導電性の低いボルトやナットを導通パスとして使用しており、接続抵抗が大きくなるといった問題がある。また、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる接続端子と鉄系材料からなるボルトとを溶接する必要があるため、双方を高品質に溶接することが困難であり、二次電池の組立性が低下するといった問題がある。
【0011】
本発明は、前記問題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、バスバーを締付固定するために相対的に高強度の材料からなるボルトを備えると共に、バスバーと電極端子との接続抵抗が小さく、且つ、組立が容易な二次電池を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記する課題を解決するために、本発明に係る二次電池は、集電板を介して蓄電要素の電極に接続される接続端子と、前記接続端子と電気的に接続され、且つバスバーと当接されるバスバー当接面を有する外部端子と、前記外部端子の前記バスバー当接面でバスバーを締付固定するために、前記バスバー当接面から電池缶の外側へ向かって突出しているボルトと、を備え、前記外部端子に、前記外部端子および前記接続端子に比して高強度の金属からなる前記ボルトを保持させているものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、外部端子に設けられたバスバー当接面で外部端子とバスバーとを当接させてバスバーと接続端子を電気的に接続することで、バスバーと接続端子の接続抵抗を小さくすることができると共に、相対的に高強度の金属からなるボルトを外部端子で保持しながら、当該ボルトを用いて外部端子のバスバー当接面でバスバーを締付固定することで、二次電池の組立性を高めることができる。
【0014】
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係る二次電池の第1の実施形態の外観を示す全体斜視図。
【図2】図1に示す二次電池の分解斜視図。
【図3】図2に示す二次電池の蓄電要素(捲回体)の分解斜視図。
【図4】図2に示す二次電池の蓋組立体を示す斜視図。
【図5】図4に示す蓋組立体の負極側を拡大して示す拡大斜視図。
【図6】図5に示す蓋組立体の負極側のA−A矢視図。
【図7】図5に示す蓋組立体の負極側の分解斜視図。
【図8】図7に示す負極端子を示す斜視図。
【図9】図8に示す負極端子の縦断面図。
【図10】図8に示す負極端子の分解斜視図。
【図11】図4に示す蓋組立体の正極側を拡大して示す拡大斜視図。
【図12】図11に示す蓋組立体の正極側のB−B矢視図。
【図13】図11に示す蓋組立体の正極側の分解斜視図。
【図14】図13に示す正極端子を示す斜視図。
【図15】図14に示す正極端子の縦断面図。
【図16】図14に示す正極端子の分解斜視図。
【図17】本発明に係る二次電池の第2の実施形態の外観を示す全体斜視図。
【図18】図17に示す二次電池の蓋組立体の負極側を拡大して示す拡大斜視図。
【図19】図18に示す蓋組立体の負極側のC−C矢視図。
【図20】図18に示す蓋組立体の負極側の分解斜視図。
【図21】図20に示す負極端子の分解斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る二次電池をハイブリッド自動車や電気自動車に搭載される角型のリチウムイオン二次電池に適用した実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において同一の機能を有するものは同一の符号を付してその繰り返しの説明は省略する。
【0017】
[第1の実施形態]
まず、図1〜16を参照して、本発明に係る二次電池の第1の実施形態について詳細に説明する。
【0018】
図1は、本発明に係る二次電池の第1の実施形態の外観を示したものである。
【0019】
図示する二次電池(リチウムイオン二次電池)500は、一端部に開口(図2参照)を有する矩形箱状の電池缶50と、電池缶50内に収容される蓄電要素組立体100とから大略構成されている。ここで、蓄電要素組立体100は矩形平板状の蓋11を有しており、電池缶50の開口部は、蓄電要素組立体100の蓋11と溶接されて封止されている。また、蓋11には、電池缶50内に電解液を注入するための注液孔31(図2参照)が設けられており、注液孔31を介して電池缶50内に電解液を注入した後、この注液孔31に注液栓51が挿入され、電解液が外部に漏洩しないようにレーザ溶接により封止されている。
【0020】
また、蓋11には、ボルト1と外部端子4と接続端子6(図6参照)からなる負極端子110と、ボルト20と外部端子27と接続端子23(図12参照)からなる正極端子120が配設されている。なお、後述するように、負極端子110の外部端子4と接続端子6とは一体成形されている。
【0021】
上記する二次電池500を複数並べて配列し、バスバーの一端を二次電池500の負極端子110のボルト1にナットを用いて締付固定し、バスバーの他端を隣接する二次電池500の正極端子120のボルト20にナットを用いて締付固定することで、二次電池500が複数直列に接続された組電池となる。
【0022】
図2は、図1に示す二次電池500を分解して示したものであり、集電板と蓄電要素(捲回体)とが接続された状態を示したものである。
【0023】
図示する二次電池500の蓄電要素組立体100は、蓋組立体32と捲回体45とを備えている。ここで、捲回体45の幅方向(捲回軸方向)の両端部は、一方の端部が正極活物質合剤層41(図3参照)が形成されていない未塗工部(正極箔40の露出部)が積層された部分とされ、他方の端部が負極活物質合剤層44(図3参照)が形成されていない未塗工部(負極箔43の露出部)が積層された部分とされている。また、蓋組立体32の捲回軸方向の両端部には、それぞれ蓋11から下方に向かって正極集電板30と負極集電板13が設けられている。上記する正極側の正極箔40の未塗工部の積層体および負極側の負極箔43の未塗工部の積層体は、それぞれ蓋組立体32の正極集電板30および負極集電板13に予め押し潰され、超音波接合部33,34で正極集電板30および負極集電板13に超音波接合されて接続されている。
【0024】
なお、蓋組立体32の略中央部には、電池缶50内に電解液を注入するための注液孔31が設けられている。
【0025】
図3は、図2に示す二次電池500の蓄電要素(捲回体45)を一部分解して示したものである。なお、図3は、捲回体45の正極箔40と負極箔43の未塗工部を正極集電板30と負極集電板13に押圧変形させる前の状態を示している。
【0026】
蓄電要素である捲回体45は、セパレータ42を介在させて長尺状の正極箔40と負極箔43とを扁平状に捲回させ、正極箔40とセパレータ42と負極箔43とを積層させて構成されている。また、正極箔40の両面に、正極活物質合剤が塗工された正極活物質合剤層41が形成されており、負極箔43の両面に、負極活物質合剤が塗工された負極活物質合剤層44が形成されており、正極活物質と負極活物質との間で充放電が行われるようになっている。
【0027】
ここで、正極箔40は、厚さ30μm程度のアルミニウム箔からなり、負極箔43は、厚さ20μm程度の銅箔からなり、セパレータ42は、多孔質のポリエチレン樹脂からなる。なお、正極箔40はアルミニウム箔に限定されず、例えばアルミニウム合金箔であってもよい。また、負極箔43は銅箔に限定されず、例えば銅合金箔であってもよい。
【0028】
図4は、図2に示す二次電池500の蓋組立体32を示したものである。
【0029】
図示する蓋組立体32は、電池缶50の開口(図2参照)を塞ぐ蓋11と、ガスケット10を介して蓋11に配置された負極端子110および正極端子120と、負極端子110および正極端子120にそれぞれ接続された負極集電板13および正極集電板30と、を備えている。ここで、負極端子110および正極端子120と負極集電板13および正極集電板30はそれぞれ、負極端子110の接続端子6の軸部16(図6参照)の先端部および正極端子120の接続端子23の軸部24(図12参照)の先端部をかしめることによって接続されている。また、負極集電板13および正極集電板30と蓋11との間には、それぞれ樹脂からなる絶縁シート12が介在されている。このように、負極端子110および正極端子120と負極集電板13と正極集電板30とが、それぞれガスケット10や絶縁シート12によって蓋11と絶縁されており、蓋11は電気的に中立となっている。
【0030】
次に、図5〜10を参照して、図4に示す蓋組立体32の負極側の部品構成についてより具体的に説明する。
【0031】
図5は、図4に示す蓋組立体32の負極側を拡大して示したものであり、図6は、図5に示す蓋組立体32の負極側のA−A矢視図である。なお、図6は、負極端子110のボルト1にバスバーBの一端をナット1Aで締付固定した状態を示している。
【0032】
図5および図6に示すように、負極端子110は、負極集電板13を介して捲回体45の負極に電気的に接続される接続端子6と、接続端子6と電気的に接続され、バスバーと当接される略平面状のバスバー当接面15を有する外部端子4と、外部端子4のバスバー当接面15でバスバーを締付固定するために、バスバー当接面15から電池缶50の外側へ向かって突出しているボルト1と、を備えている。ここで、外部端子4は、ガスケット10を介して蓋11に配置されており、ボルト1は、外部端子4のバスバー当接面15の略中心に配置されている。また、外部端子4と接続端子6は一体成形されており、ボルト1のねじ部2の軸心L1と接続端子6の軸部16の軸心L16とは同心配置されている。
【0033】
また、ボルト1は、その基端部に角錐台形状のフランジ部3を有し、外部端子4は、その上端部に前記フランジ部3を受け入れるために少なくともフランジ部3の底面および側面と相補的な形状を呈する凹部7を備えた受け部5を有している。そして、ボルト1のフランジ部3が外部端子4の凹部7に配置された状態で、外部端子4の受け部5のうちボルト1のフランジ部3の周囲の部分、すなわちボルト1の傾斜面(上面)9の近傍の部分を傾斜面9側へ塑性変形させて、ボルト1の傾斜面9にかしめ部8を形成することで、ボルト1のフランジ部3が外部端子4の受け部5に保持されている。そのかしめ工程の際、外部端子4のバスバー当接面15は塑性変形することなく、略平坦が維持されている。なお、上記するように、ボルト1のフランジ部3の上面を、電池缶50の外側へ向かってフランジ部3の外形が小さくなるように傾斜した傾斜面9で構成し、その傾斜面9にかしめ部8を形成することで、たとえばフランジ部3の上面が底面と略平行な平面からなる場合と比較して、かしめ部8の形成を簡素化することができる。
【0034】
上記する外部端子4と接続端子6は、電解液に対して耐性を有すると共に、接続抵抗を低減するために電気抵抗の低い金属材料が選定され、負極箔43と同種金属である銅あるいは銅合金から構成されている。また、ボルト1は、ナット1Aを用いてバスバーBの一端をボルト1に締付固定する際にナット1Aの締付トルクを高めるために、銅あるいは銅合金に比して高強度の炭素鋼から構成されている。
【0035】
なお、図示するように、負極端子110の接続端子6の軸部16の先端部をかしめてかしめ部14を形成することで、ガスケット10、蓋11、絶縁シート12および負極集電板13が、外部端子4の上端部(受け部5)とかしめ部4とで挟持されて固定されるとともに、電池缶50内部の電解液の液漏れが防止されている。
【0036】
また、図6に示すように、バスバーBの一端が負極端子110のボルト1のねじ部2に締め付けられたナット1Aと外部端子4のバスバー当接面15とで挟持されて固定されることで、接続端子6および外部端子4を介して負極集電板13からバスバーBへ向かう導通パスX1が形成される。
【0037】
このように、導電性の低い炭素鋼からなるボルト1を介することなく導通パスX1を形成することができ、バスバーBと外部端子4を略平面からなるバスバー当接面15で電気的に接続することができることから、負極端子110とバスバーBとの接続抵抗を格段に小さくすることができる。また、ボルト1のねじ部2の軸心L1と接続端子6の軸部16の軸心L16とを同心配置することにより、負極集電板13からバスバーBへ向かう導通パスX1を最短化することができ、負極端子110とバスバーBとの接続抵抗をより一層小さくすることができる。また、かしめによってボルト1のフランジ部3を外部端子4に保持させることにより、外部端子4や接続端子6に比して高強度のボルト1を容易に外部端子4に取り付けることができる。
【0038】
図7は、図5に示す蓋組立体32の負極側を分解して示したものである。なお、図7は、負極端子110の接続端子6の軸部16の先端部をかしめる前の状態を示している。
【0039】
蓋組立体32の負極側は、図示するように、負極端子110、ガスケット10、蓋11、絶縁シート12および負極集電板13を備えている。なお、ガスケット10およびは絶縁シート12は樹脂製であって、ガスケット10は主として電池缶50内の電解液の液漏れを防止するためのものであり、絶縁シート12は主として負極集電板13と蓋11とを絶縁するためのものである。
【0040】
負極端子110は、ボルト1が電池缶50の外側へ向くような姿勢で、接続端子6の軸部16がガスケット10、蓋11、絶縁シート12および負極集電板13にそれぞれ設けられた貫通孔に挿入され、上記するように、その軸部16の先端部がかしめられてかしめ部14が形成される。これにより、ガスケット10、蓋11、絶縁シート12および負極集電板13が、外部端子4の上端部(受け部5)とかしめ部14とで挟持されて固定される。
【0041】
図8は、図7に示す負極端子110を示したものであり、図9は、図8に示す負極端子110の縦断面図であり、図10は、図8に示す負極端子110を分解して示したものである。
【0042】
図8および図9に示すように、負極端子110は、外部端子4と接続端子6とボルト1を備えている。ここで、外部端子4と接続端子6とは一体成形されている。ボルト1は、その基端部に電池缶50の外側へ向かって先細となるような傾斜面9を備えた角錐台形状のフランジ部3を有していて、外部端子4は、その上端部にボルト1の前記フランジ部3を受けるために少なくともフランジ部3の底面および側面と相補的な形状を呈する凹部7を備えた受け部5を有している。
【0043】
これにより、図10に示すように、ボルト1のフランジ部3が外部端子4の受け部5に設けられた凹部7に挿入された後、外部端子4の凹部7の周囲がフランジ部3の傾斜面9側へかしめられて、その傾斜面9にかしめ部8が形成され、ボルト1のフランジ部3が外部端子4に挟持されて固定される。その際、外部端子4の受け部5の傾斜面9の近傍は塑性変形されるものの、バスバー当接面15は塑性変形されず、平坦に維持されている。
【0044】
このような構成とすることで、負極端子110のバスバーとの接触面積を増加させることができ、従来技術と比較してバスバーと接続端子6の接続抵抗を小さくすることができる。また、ボルト1と外部端子4をかしめ固定することで、高強度のボルト1を用いながら、ボルト1と外部端子4の異種金属同士の溶接、具体的には銅あるいは銅合金と炭素鋼の溶接を行う必要がなく、容易にボルト1を外部端子4に取り付けることができ、従来技術と比較して二次電池500の組立性を向上させることができる。
【0045】
また、ボルト1のねじ部2の軸心L1と接続端子6の軸部16の軸心L16とを近接して配置する、より好ましくは同心配置することにより、負極集電板13からバスバーBへ向かう導通パスX1を短くすることができ、負極端子110とバスバーBとの接続抵抗をより一層小さくすることができる。
【0046】
なお、ボルト1と外部端子4とをかしめ固定するに当たり、ボルト1のフランジ部3の全周に亘ってかしめ部8を形成することで、ボルト1と外部端子4の保持力を格段に高めることができる。また、図示するように、ボルト1のフランジ部3の底面と外部端子4の受け部5の凹部7の底面の双方を平面視で多角形状とすることで、ナット1Aをボルト1に締め付ける際の外部端子4に対するボルト1の相対的な回転を効果的に防止することができ、二次電池500の組立性をより一層向上させることができる。
【0047】
次に、図11〜16を参照して、図4に示す蓋組立体32の正極側の部品構成についてより具体的に説明する。
【0048】
図11は、図4に示す蓋組立体32の正極側を拡大して示したものであり、図12は、図11に示す蓋組立体32の正極側のB−B矢視図である。なお、図12は、バスバーBの他端を正極端子120のボルト20にナット20Aで締付固定した状態を示している。
【0049】
図11および図12に示すように、正極端子120は、正極集電板30を介して捲回体45の正極に電気的に接続される接続端子23と、接続端子23と電気的に接続され、バスバーと当接される略平面状のバスバー当接面28を有する外部端子27と、外部端子27のバスバー当接面28でバスバーを締付固定するために、バスバー当接面28から電池缶50の外側へ向かって突出しているボルト20と、を備えている。ここで、接続端子23は、ガスケット10を介して蓋11に配置されており、ボルト20は、外部端子27のバスバー当接面28の略中心に配置されている。また、ボルト20のねじ部21の軸心L20と接続端子23の軸部24の軸心L24とが同心配置されている。
【0050】
また、外部端子27と接続端子23は、外部端子27と接続端子23の外周面に形成された外部端子27と接続端子23の境界部29Aで溶接接合されて一体に構成されている。すなわち、外部端子27と接続端子23の外周面には、外部端子27と接続端子23とを接合する溶接部29が形成されている。
【0051】
より具体的には、外部端子27は、その中心部にボルト20のねじ部21を貫通させる貫通孔27Bを備えた円筒形状を呈しており、接続端子23の上端部は、その中心部にボルト20のフランジ部22を受け入れるために少なくともフランジ部3の底面および側面と相補的な形状を呈する凹部26を備えた円筒形状を呈している。また、外部端子27と接続端子23は、それぞれ平面視で略同一の形状を備えており、外部端子27のバスバー当接面28と直交する方向に延在している側端面27A,23Aを有している。そして、外部端子27と接続端子23の側端面27A,23Aに上記する溶接部29が形成され、外部端子27と接続端子23とは、バスバー当接面28と対向する面からなる接続端子当接面で当接された姿勢で溶接接合されている。
【0052】
また、ボルト20は、その基端部に略矩形平板状のフランジ部22を有し、接続端子23は、その上端部に前記フランジ部22を受け入れるための凹部26を備えた受け部25を有している。さらに、外部端子27は、接続端子23の凹部26の上方に、ボルト20のねじ部21の外形よりも大きく、ボルト20のフランジ部22の外形よりも小さい寸法の貫通孔27Bを有している。したがって、ボルト20のフランジ部22が接続端子23の受け部25の凹部26に配置されてボルト20のねじ部21が貫通孔27Bを貫通している状態で、外部端子27を溶接部29にて接続端子23と溶接接合することで、ボルト20のフランジ部22が接続端子23と外部端子27で挟持される。なお、前記溶接部29の溶込み深さを調整することによって、ボルト20のフランジ部22を挟持する荷重を調整することができる。
【0053】
上記する外部端子27と接続端子23は、電解液に対して耐性を有すると共に、接続抵抗を低くし、さらに溶接を容易にするために同種の金属材料が選定され、正極箔40と同種金属であるアルミニウムあるいはアルミニウム合金から構成されている。また、ボルト20は、ナット20Aを用いてバスバーBの他端をボルト20に締付固定する際にナット20Aの締付トルクを高めるために、アルミニウムあるいはアルミニウム合金に比して高強度の炭素鋼から構成されている。
【0054】
なお、図示するように、正極端子120の接続端子23の軸部24の先端部をかしめてかしめ部35を形成することで、ガスケット10、蓋11、絶縁シート12および正極集電板30が、接続端子23の上端部(受け部25)とかしめ部35とで挟持されて固定されるとともに、電池缶50内部の電解液の液漏れが防止されている。
【0055】
また、図12に示すように、バスバーBの他端が正極端子120のボルト20のねじ部21に締め付けられたナット20Aと外部端子27のバスバー当接面28とで挟持されて固定されることで、接続端子23および外部端子27を介して正極集電板30からバスバーBへ向かう導通パスY1が形成される。
【0056】
このように、導電性の低い炭素鋼からなるボルト20を介することなく導通パスY1を形成することができ、バスバーBと外部端子27を相対的に接触面積の大きい略平面からなるバスバー当接面28で電気的に接続することができることから、正極端子120とバスバーBとの接続抵抗を格段に小さくすることができる。また、ボルト20のねじ部21の軸心L20と接続端子23の軸部24の軸心L24とを同心配置することにより、正極集電板30からバスバーBへ向かう導通パスY1を最短化することができ、正極端子120とバスバーBとの接続抵抗をより一層小さくすることができる。また、ボルト20のフランジ部22を外部端子27と接続端子23で挟持させて保持させることにより、外部端子27や接続端子23に比して高強度のボルト20を容易に外部端子27に取り付けることができる。
【0057】
図13は、図11に示す蓋組立体32の正極側を分解して示したものである。なお、図13は、正極端子120の接続端子23の軸部24の先端部をかしめる前の状態を示している。
【0058】
蓋組立体32の正極側は、図示するように、正極端子120、ガスケット10、蓋11、絶縁シート12および正極集電板30を備えている。
【0059】
正極端子120は、ボルト20が電池缶50の外側へ向くような姿勢で、接続端子23の軸部24がガスケット10、蓋11、絶縁シート12および負極集電板13にそれぞれ設けられた貫通孔に挿入され、上記するように、その軸部24の先端部がかしめられてかしめ部35が形成される。これにより、ガスケット10、蓋11、絶縁シート12および正極集電板30が、接続端子23の上端部(受け部25)とかしめ部35とで挟持されて固定される。
【0060】
図14は、図13に示す正極端子120を示したものであり、図15は、図14に示す正極端子120の縦断面図であり、図16は、図14に示す正極端子120を分解して示したものである。
【0061】
図14および図15に示すように、正極端子120は、外部端子27と接続端子23とボルト20を備えており、外部端子27と接続端子23は、外部端子27と接続端子23の境界部29Aに設けられた溶接部29で溶接されている。また、ボルト20は、その基端部に矩形平板状のフランジ部22を有していて、接続端子23は、その上端部にボルト20の前記フランジ部22を受けるための凹部26を備えた受け部25を有している。また、外部端子27は、その上面に略平面状のバスバー当接面28を有すると共に、バスバー当接面28の中心部にボルト20のねじ部21の外形よりも大きく、ボルト20のフランジ部22の外形よりも小さい寸法の貫通孔27Bを有している。
【0062】
これにより、図16に示すように、ボルト20のフランジ部22が接続端子23の受け部25に設けられた凹部26に挿入された後、ボルト20のねじ部21を外部端子27の貫通孔27Bに挿入するようにして接続端子23と外部端子27を嵌合させ、その境界部29Aをレーザ溶接して接続端子23と外部端子27の側端面23A,27Aの全周に亘って溶接部29を形成することで、ボルト20のフランジ部22が接続端子23と外部端子27で挟持されて固定される。
【0063】
ここで、外部端子27の接続端子23と当接する接続端子当接面は、その側端部が中心部よりも突出した凹形状を呈しており(図15参照)、接続端子23の外部端子27と当接する外部端子当接面は前記接続端子当接面と相補的な形状を呈しており、外部端子27の前記接続端子当接面と接続端子23の前記外部端子当接面とが嵌合された状態で外部端子27と接続端子23が溶接接合されることで、上記溶接工程の際の外部端子27と接続端子23との相対的な位置のずれを効果的に抑制することができる。
【0064】
また、前記溶接部29は、上記するように、接続端子23と外部端子27の外周面のうち、外部端子27のバスバー当接面28に直交する側端面23A,27Aに設けられる。これにより、レーザ溶接の際にスパッタが発生するものの、前記スパッタが外部端子27のバスバー当接面28に付着することを防止することができ、バスバーとバスバー当接面28との接触抵抗の増加を効果的に抑制することができる。さらに、接続端子23の軸部24へのスパッタの付着も防止することができるため、上記する正極端子120の蓋11等に対するかしめ不良を効果的に抑制することができる。
【0065】
なお、前記溶接部29は、接続端子23と外部端子27の外周面に部分的に形成することができるものの、図示するように、接続端子23と外部端子27の側端面23A,27Aの全周に亘って溶接部29を形成することで、接続端子23と外部端子27を均一に接合することができ、接続端子23と外部端子27の接続抵抗を小さくすることができる。
【0066】
このような構成とすることで、正極端子120のバスバーとの接触面積を増加させることができると共に、接続端子23からバスバー当接面28までを溶接により金属結合された一体の部材で構成することができ、従来技術と比較してバスバーと接続端子23の接続抵抗を小さくすることができる。また、ボルト20のフランジ部22を接続端子23と外部端子27で挟持して保持することで、相対的に高強度のボルト20を用いながら、たとえばボルト20と外部端子27の異種金属同士の溶接、具体的にはアルミニウムあるいはアルミニウム合金と炭素鋼の溶接を行う必要がなく、容易にボルト20を外部端子27に取り付けることができ、従来技術と比較して二次電池500の組立性を向上させることができる。
【0067】
なお、接続端子23と外部端子27とを溶接するに当たり、溶接部29の溶込み深さを調整することによって、接続端子23と外部端子27によるボルト20のフランジ部22の保持力を調整することができる。また、図示するように、ボルト20のフランジ部22の底面と接続端子23の受け部25の凹部26の底面の双方を平面視で多角形状とすることで、ボルト20にナット20Aを締め付ける際の接続端子23に対するボルト20の相対的な回転を効果的に防止することができ、二次電池500の組立性をより一層向上させることができる。
【0068】
なお、第1の実施形態の二次電池500においては、負極側について接続端子6と外部端子4を一体成形とし、外部端子4の一部をかしめてボルト1を保持し、正極側について接続端子23と外部端子27を溶接により一体に構成し、ボルト20を接続端子23と外部端子27で挟持して保持する形態としたが、負極側について接続端子6と外部端子4を溶接により一体に構成してもよいし、正極側について接続端子23と外部端子27を一体成形としてもよい。しかしながら、正極側の接続端子23と外部端子27で使用するアルミニウムあるいはアルミニウム合金は、一般に負極側の接続端子6と外部端子4で使用する銅あるいは銅合金よりも強度が低く、上記するような外部端子のかしめによってボルトのフランジ部を強固に保持することが難しいため、少なくともアルミニウムあるいはアルミニウム合金を使用する正極側については、接続端子23と外部端子27を溶接により一体に構成し、接続端子23と外部端子27でボルト20のフランジ部22を挟持する形態が好ましい。
【0069】
[第2の実施形態]
次に、図17〜21を参照して、本発明に係る二次電池の第2の実施形態について詳細に説明する。
【0070】
第1の実施形態の二次電池500に対して第2の実施形態の二次電池600は、電極端子の外部端子の外形を円筒形状に代えて矩形平板状としている点(相違点1)、正負極双方の電極端子において外部端子と接続端子を別体とし、外部端子と接続端子を溶接により接合して一体に構成している点(相違点2)、ボルトのねじ部の軸心と接続端子の軸部の軸心が偏心している点(相違点3)で相違しており、その他の構成は第1の実施形態の二次電池500と同様である。したがって、以下では上記相違点1〜3についてのみ詳細に説明し、第1の実施形態の二次電池500と同様の構成についてはその詳細な説明は省略する。
【0071】
図17は、本発明に係る二次電池の第2の実施形態の外観を示したものである。
【0072】
図示する二次電池600は、一端部に開口を有する矩形箱状の電池缶76と、電池缶76内に収容される蓄電要素組立体200とから大略構成されている。ここで、蓄電要素組立体200は矩形平板状の蓋66を有しており、電池缶76の開口部は、蓄電要素組立体200の蓋66と溶接されて封止されている。また、蓋66には、電池缶76内に電解液を注入するための注液孔(不図示)が設けられており、注液孔を介して電池缶76内には電解液を注入した後、この注液孔に注液栓70が挿入され、電解液が外部に漏洩しないようにレーザ溶接により封止されている。
【0073】
ここで、上記相違点1で述べたように、蓋66に配設された負極端子210の外部端子60および正極端子220の外部端子80の外形は略矩形平板状を呈しており、それぞれの外部端子60,80のバスバー当接面63,83の外形は平面視で略長方形を呈している。より具体的には、外部端子60,80のバスバー当接面63,83は、平面視で矩形平板状の蓋66の長手方向に沿った方向に長辺を有する長方形を呈している。これにより、たとえば第1の実施形態のようなバスバー当接面の外形が平面視で略円形を呈する場合と比較して、外部端子60,80とバスバーとの接触面積、特に電池缶76の蓋66の長手方向におけるバスバーとの当接面積を増加させることができ、負極端子210および正極端子220とバスバーとの接続抵抗を格段に低減することができる。なお、外部端子60,80のバスバー当接面63,83は、平面視で長方形状に代えて、少なくとも略円形を呈する場合よりも接触面積が大きくなるような多角形状であってもよい。
【0074】
なお、負極端子210と正極端子220は、それぞれ樹脂製の端子台64,84を介して電池缶76の蓋66に配設されており、負極端子210および正極端子220と蓋66とは絶縁されている。また、負極端子210と正極端子220のボルト61,81は、それぞれ外部端子60,80のバスバー当接面63,83の略中央部から電池缶76の外側へ向かって突出するように配置されている。
【0075】
上記相違点2で述べたように、第2の実施形態の二次電池600においては、正負極双方の電極端子において外部端子と接続端子を別体とし、外部端子と接続端子を溶接により接合して一体に構成している。すなわち、正極端子と負極端子はその形成素材が異なるものの、ほぼ同様の構成を有している。そのため、以下では二次電池600の負極側について具体的に説明し、正極側についての詳細な説明は省略する。
【0076】
図18は、図17に示す二次電池600の蓋組立体72の負極側を拡大して示したものであり、図19は、図18に示す蓋組立体72の負極側のC−C矢視図である。なお、図19は、バスバーBの一端を負極端子210のボルト61にナット61Aで締付固定した状態を示している。
【0077】
図18および図19に示すように、負極端子210は、負極集電板68を介して捲回体の負極に電気的に接続される接続端子62と、接続端子62と電気的に接続され、バスバーと当接される平面視で略長方形且つ略平面状のバスバー当接面63を有する外部端子60と、外部端子60のバスバー当接面63でバスバーを締付固定するために、バスバー当接面63から電池缶76の外側へ向かって突出しているボルト61と、を備えている。ここで、接続端子62は、端子台64を介して蓋66に配置されており、ボルト61は、外部端子60のバスバー当接面63の略中心に配置されている。
【0078】
また、外部端子60と接続端子62は、外部端子60と接続端子62の外周面に形成された外部端子60と接続端子62の境界部69Aで溶接されて一体に構成されている。すなわち、外部端子60と接続端子62の外周面には、外部端子60と接続端子62を接合する溶接部69が形成されている。
【0079】
より具体的には、外部端子60は、その中心部にボルト61のねじ部71を貫通させる貫通孔60Bを備えた略矩形平板状を呈しており、接続端子62の上端部は、その中心部にボルト61のフランジ部73を受け入れるための凹部78を備えた略矩形平板状を呈している。また、外部端子60と接続端子62は、それぞれ平面視で略同一の形状を備えており、外部端子60のバスバー当接面63と直交する方向に延在している側端面60A,62Aを有している。そして、外部端子60と接続端子62の側端面60A,62Aに、上記する溶接部69が形成され、外部端子60と接続端子62とは、バスバー当接面63と対向する面からなる接続端子当接面で当接された姿勢で溶接接合されている。
【0080】
また、ボルト61は、その基端部に略矩形平板状のフランジ部73を有し、接続端子62は、その上端部に前記フランジ部73を受け入れるために少なくともフランジ部73の底面および側面と相補的な形状を呈する凹部78を備えた受け部77を有している。さらに、外部端子60は、接続端子62の凹部78の上方に、ボルト61のねじ部71の外形よりも大きく、ボルト61のフランジ部73の外形よりも小さい寸法の貫通孔60Bを有している。したがって、ボルト61のフランジ部73が接続端子62の受け部77の凹部78に挿入されてボルト61のねじ部71が貫通孔60Bを貫通している状態で、外部端子60を溶接部69にて接続端子62と接合することで、ボルト61のフランジ部73が接続端子62と外部端子60で挟持される。
【0081】
なお、外部端子60と接続端子62は、負極箔と同種金属である銅あるいは銅合金から構成されており、ボルト61は、銅あるいは銅合金に比して高強度の炭素鋼から構成されている。
【0082】
また、負極端子210の接続端子62の軸部74の先端部をかしめてかしめ部75を形成することで、端子台64、ガスケット65、蓋66、絶縁シート67および負極集電板68が、接続端子62の上端部(受け部77)とかしめ部75で挟持されて固定されると共に、電池缶76内部の電解液の液漏れが防止されている。
【0083】
ここで、ニッケルは銅よりも耐食性に優れており、例えば二次電池600が腐食環境に放置される場合には、負極端子210とバスバーとの接触抵抗を低減するために、少なくとも外部端子60のバスバー当接面63をニッケルめっきで被膜することが好ましい。
【0084】
仮に、外部端子60と接続端子62が一体成形である場合には、上記する接続端子62の軸部74のかしめ工程においてニッケルめっきが剥離する可能性があり、一体成形された外部端子60と接続端子62を均一にニッケルめっきで被膜して使用することが困難である。
【0085】
一方で、第2の実施形態の二次電池600においては、外部端子60と接続端子62を別体とし、外部端子60と接続端子62を溶接により接合して一体に構成することで、バスバー当接面63を有する外部端子60のみを均一にニッケルめっきで被膜することができ、バスバー当接面63の材質を耐食性に優れたニッケルとして負極端子210とバスバーBとの接触抵抗を低減することができる。
【0086】
なお、上記するニッケルめっきに代えて、外部端子60のバスバー当接面63にすずめっきで被膜した場合であっても同様の効果を得ることができる。ニッケルとすずを選定した理由としては、耐食性に優れているという理由のほか、外部端子60と接続端子62の溶接部69に割れ等の悪影響を及ぼさないことが挙げられる。
【0087】
そして、図19に示すように、バスバーBの一端が負極端子210のボルト61のねじ部71に締め付けられたナット61Aと外部端子60のバスバー当接面63とで挟持されて固定されることで、接続端子62および外部端子60を介して負極集電板68からバスバーBへ向かう導通パスX2が形成される。その際、上記するように、バスバー当接面63は平面視で蓋66の長手方向に沿った方向に長辺を有する略長方形を呈しており、例えばバスバー当接面が円形の場合と比較して外部端子60とバスバーBとの接触面積を大きくすることができるため、バスバーBとの接触抵抗を効果的に低減させることができる。
【0088】
さらに、第2の実施形態の二次電池600においては、上記相違点3で述べたように、ボルト61のねじ部71の軸心L61と接続端子62の軸部74の軸心L74が偏心配置(オフセット)されている。より具体的には、ボルト61のねじ部71の軸心L61は、接続端子62の軸部74の軸心L74よりも捲回体45の捲回軸方向外側に配置されている。
【0089】
たとえば第1の実施形態の二次電池500のように、ボルト61の軸心L61と接続端子62の軸部74の軸心L74が同心配置されている場合には、バスバー当接面63にバスバーBを置いた後、ボルト61にナット61Bを締め付けてバスバーBを固定する際、ナット61Bの締付トルクが過大となると、接続端子62が蓋66に対して相対的に回転し、負極集電板68も電池缶76内で回転してしまう可能性がある。
【0090】
そこで、上記するように、ボルト61のねじ部71の軸心L61と接続端子62の軸部74の軸心L74を偏心配置させることにより、ナット61Bを用いてバスバーBを締付固定する際、過大な締付トルクが作用した場合であっても、蓋66に対する接続端子62の相対的な回転を抑制することができ、電池缶76内での負極集電板68の回転を効果的に抑制することができる。
【0091】
なお、正極端子の外部端子についても、ニッケルめっきで被膜することで負極端子と同様の効果を得ることができる。すなわち、正極端子の外部端子80はアルミニウムから構成されており、アルミニウムは表面の酸化被膜が厚く、アルミニウムの酸化物は絶縁体となるため、ニッケルめっきで被膜することで、正極端子とバスバーとの接触抵抗を効果的に低減することができる。この場合においても、接続端子の軸部(かしめられる部分)にニッケルめっき処理を施すと、かしめ工程においてニッケルめっきが剥離してしまう可能性があるため、負極端子と同様、外部端子80のみをニッケルめっきで被膜する。また、ニッケルめっきに代えて、例えばすずめっき等その他のめっきで被膜しても同様の効果を得ることができる。
【0092】
図20は、図18に示す蓋組立体72の負極側を分解して示したものである。なお、図20は、負極端子210の接続端子62の軸部74の先端部をかしめる前の状態を示している。
【0093】
蓋組立体72の負極側は、図示するように、負極端子210、端子台64、ガスケット65、蓋66、絶縁シート67および負極集電板68を備えている。なお、端子台64、ガスケット65および絶縁シート67は樹脂製であって、負極端子210と蓋66、および負極集電板68と蓋66とがそれぞれ絶縁されている。
【0094】
負極端子210は、ボルト61が電池缶76の外側へ向くような姿勢で、接続端子62の軸部74が端子台64、ガスケット65、蓋66、絶縁シート67および負極集電板68に設けられた貫通孔に挿入され、上記するように、その軸部74の先端部がかしめられてかしめ部75が形成される。これにより、端子台64、ガスケット65、蓋66、絶縁シート67および負極集電板68が、接続端子60の上端部(受け部77)とかしめ部75で挟持されて固定される。
【0095】
図21は、図20に示す負極端子210を分解して示したものである。
【0096】
負極端子210は、外部端子60と接続端子62とボルト61を備えている。また、ボルト61は、その基端部に略矩形平板状のフランジ部73を有していて、接続端子62は、その上端部にボルト61の前記フランジ部73を受けるための凹部78を備えた受け部77を有している。また、外部端子60は、その上面にニッケルめっきで被膜された略平面からなるバスバー当接面63を有すると共に、バスバー当接面63の中央部にボルト61のねじ部71の外形よりも大きく、ボルト61のフランジ部73の外形よりも小さい寸法の貫通孔60Bを有している。
【0097】
これにより、ボルト61のフランジ部73が接続端子62の受け部77に設けられた凹部78に挿入された後、ボルト61のねじ部71を外部端子60の貫通孔60Bに挿入するようにして接続端子62と外部端子60を嵌合させ、その境界部69Aをレーザ溶接して接続端子62と外部端子60の外周面の全周に亘って溶接部69を形成することで、ボルト61のフランジ部73が接続端子62と外部端子60で挟持されて固定される。
【0098】
このような構成とすることで、負極端子210とバスバーとの接触面積を格段に増加させることができ、従来技術と比較してバスバーと接続端子62の接続抵抗を一層小さくすることができる。
【0099】
また、外部端子60のバスバー当接面63をニッケルめっきやすずめっきなどによって被膜することで、外部端子60のバスバー当接面63の耐食を抑制することができ、外部端子60とバスバーとの接触抵抗の増加を効果的に抑制することができる。
【0100】
さらに、負極端子210のボルト61の軸心L61と接続端子62の軸部74の軸心L74を偏心配置することで、ナット61Aをボルト61に締め付ける際の電池缶76内での負極集電板68の回転を抑制することができ、二次電池600の組立性をより一層向上させることができる。
【0101】
なお、本発明は上記した第1,2の実施形態に限定されるものではなく、様々な変形形態が含まれる。例えば、上記した第1,2の実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各第1,2の実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【符号の説明】
【0102】
1:ボルト、2:ねじ部、3:フランジ部、4:負極外部端子、5:受け部、6:負極接続端子、7:凹部、8:かしめ部、9:傾斜面、10:ガスケット、11:蓋、12:絶縁シート、13:負極集電板、14:かしめ部、15:バスバー当接面、16:軸部、20:ボルト、21:ねじ部、22:フランジ部、23:正極接続端子、24:軸部、25:受け部、26:凹部、27:正極外部端子、28:バスバー当接面、29:溶接部、30:正極集電板、31:注液孔、32:蓋組立体、33:負極側超音波接合部、34:正極側超音波接合部、35:かしめ部、40:正極箔、41:正極活物質合剤層、42:セパレータ、43:負極箔、44:負極活物質合剤層、45:捲回体、50:電池缶、51:注液栓、60:負極外部端子、61:ボルト、62:負極接続端子、63:バスバー当接面、64:端子台、65:ガスケット、66:蓋、67:絶縁シート、68:負極集電板、69:溶接部、70:注液栓、71:ねじ部、72:蓋組立体、73:フランジ部、74:軸部、75:かしめ部、76:電池缶、77:受け部、78:凹部、80:正極外部端子、81:ボルト、83:バスバー当接面、84:端子台、100,200:蓄電要素組立体、110,210:負極端子、120,220:正極端子、500,600:二次電池、B:バスバー
【特許請求の範囲】
【請求項1】
集電板を介して蓄電要素の電極に接続される接続端子と、
前記接続端子と電気的に接続され、且つバスバーと当接されるバスバー当接面を有する外部端子と、
前記外部端子の前記バスバー当接面でバスバーを締付固定するために、前記バスバー当接面から電池缶の外側へ向かって突出しているボルトと、を備え、
前記外部端子に、前記外部端子および前記接続端子に比して高強度の金属からなる前記ボルトを保持させていることを特徴とする二次電池。
【請求項2】
前記外部端子と前記接続端子とは同種金属からなることを特徴とする請求項1に記載の二次電池。
【請求項3】
前記外部端子と前記接続端子とは一体成形されていることを特徴とする請求項1または2に記載の二次電池。
【請求項4】
前記ボルトは、その基端部にフランジ部を有し、
前記外部端子は、その上端部に前記フランジ部を受け入れるために少なくとも該フランジ部の底面および側面と相補的な形状を呈する凹部を備えた受け部を有し、
前記フランジ部が前記凹部に配置され、前記外部端子のうち前記フランジ部の周囲の少なくとも一部が前記フランジ部側へかしめられ、前記フランジ部の上面にかしめ部が形成されて、前記ボルトの前記フランジ部が前記外部端子の前記受け部に保持されていることを特徴とする請求項3に記載の二次電池。
【請求項5】
前記外部端子のうち前記フランジ部の周囲の全周が前記フランジ部側へかしめられていることを特徴とする請求項4に記載の二次電池。
【請求項6】
前記フランジ部の底面および前記凹部の底面は、平面視で多角形状を呈していることを特徴とする請求項4または5に記載の二次電池。
【請求項7】
前記フランジ部の前記上面は、前記電池缶の外側へ向かって前記フランジ部の外形が小さくなるように傾斜した傾斜面で構成されていることを特徴とする請求項4から6のいずれか一項に記載の二次電池。
【請求項8】
前記フランジ部は角錐台形状を呈していることを特徴とする請求項7に記載の二次電池。
【請求項9】
前記外部端子と前記接続端子とは溶接接合されていることを特徴とする請求項1または2に記載の二次電池。
【請求項10】
前記外部端子と前記接続端子はそれぞれ、平面視で同一の形状を備え、前記外部端子の前記バスバー当接面と直交する方向に延在している側端面を有し、
前記外部端子は、前記バスバー当接面と対向する面に前記接続端子と当接する接続端子当接面を有し、
前記外部端子と前記接続端子とは、前記接続端子当接面で当接された姿勢で、前記側端面の前記外部端子と前記接続端子との境界部で溶接接合されていることを特徴とする請求項9に記載の二次電池。
【請求項11】
前記外部端子と前記接続端子とは、前記側端面の全周で溶接接合されていることを特徴とする請求項10に記載の二次電池。
【請求項12】
前記ボルトは、その基端部にフランジ部を有し、
前記接続端子は、その上端部に前記フランジを受け入れるために少なくとも該フランジ部の底面および側面と相補的な形状を呈する凹部を備えた受け部を有し、
前記外部端子は、前記接続端子の前記凹部の上方に、前記フランジ部の外径よりも小さく、前記ボルトのねじ部の外形よりも小さい寸法からなる貫通孔を有し、
前記フランジ部が前記凹部に配置されて前記ねじ部が前記貫通孔を貫通した姿勢で前記外部端子と前記接続端子とが溶接接合され、前記ボルトの前記フランジ部が前記外部端子と前記接続端子とで保持されていることを特徴とする請求項9から11のいずれか一項に記載の二次電池。
【請求項13】
前記フランジ部の底面および前記凹部の底面は、平面視で多角形状を呈していることを特徴とする請求項12に記載の二次電池。
【請求項14】
前記外部端子の前記接続端子と当接する接続端子当接面は、その側端部が中心部よりも突出した凹形状を呈しており、
前記接続端子の前記外部端子と当接する外部端子当接面は、前記接続端子当接面と相補的な形状を呈しており、
前記外部端子の前記接続端子当接面と前記接続端子の前記外部端子当接面とが嵌合されて、前記外部端子と前記接続端子とが溶接接合されていることを特徴とする請求項9から13のいずれか一項に記載の二次電池。
【請求項15】
前記外部端子は、ニッケルめっきもしくはすずめっきで被膜されていることを特徴とする請求項9から14のいずれか一項に記載の二次電池。
【請求項16】
前記外部端子の前記バスバー当接面は、平面視で円形状を呈していることを特徴とする請求項1から15のいずれか一項に記載の二次電池。
【請求項17】
前記外部端子の前記バスバー当接面は、平面視で多角形状を呈していることを特徴とする請求項1から15のいずれか一項に記載の二次電池。
【請求項18】
前記二次電池は、蓄電要素が収容された電池缶を封止する矩形平板状の蓋を備え、
前記外部端子の前記バスバー当接面は、平面視で前記蓋の長手方向に沿った方向に長辺を有する長方形状を呈していることを特徴とする請求項17に記載の二次電池。
【請求項19】
前記ボルトのねじ部の軸心と前記接続端子の軸部の軸心とは同心配置されていることを特徴とする請求項1から18のいずれか一項に記載の二次電池。
【請求項20】
前記ボルトのねじ部の軸心と前記接続端子の軸部の軸心とは偏心配置されていることを特徴とする請求項1から18のいずれか一項に記載の二次電池。
【請求項1】
集電板を介して蓄電要素の電極に接続される接続端子と、
前記接続端子と電気的に接続され、且つバスバーと当接されるバスバー当接面を有する外部端子と、
前記外部端子の前記バスバー当接面でバスバーを締付固定するために、前記バスバー当接面から電池缶の外側へ向かって突出しているボルトと、を備え、
前記外部端子に、前記外部端子および前記接続端子に比して高強度の金属からなる前記ボルトを保持させていることを特徴とする二次電池。
【請求項2】
前記外部端子と前記接続端子とは同種金属からなることを特徴とする請求項1に記載の二次電池。
【請求項3】
前記外部端子と前記接続端子とは一体成形されていることを特徴とする請求項1または2に記載の二次電池。
【請求項4】
前記ボルトは、その基端部にフランジ部を有し、
前記外部端子は、その上端部に前記フランジ部を受け入れるために少なくとも該フランジ部の底面および側面と相補的な形状を呈する凹部を備えた受け部を有し、
前記フランジ部が前記凹部に配置され、前記外部端子のうち前記フランジ部の周囲の少なくとも一部が前記フランジ部側へかしめられ、前記フランジ部の上面にかしめ部が形成されて、前記ボルトの前記フランジ部が前記外部端子の前記受け部に保持されていることを特徴とする請求項3に記載の二次電池。
【請求項5】
前記外部端子のうち前記フランジ部の周囲の全周が前記フランジ部側へかしめられていることを特徴とする請求項4に記載の二次電池。
【請求項6】
前記フランジ部の底面および前記凹部の底面は、平面視で多角形状を呈していることを特徴とする請求項4または5に記載の二次電池。
【請求項7】
前記フランジ部の前記上面は、前記電池缶の外側へ向かって前記フランジ部の外形が小さくなるように傾斜した傾斜面で構成されていることを特徴とする請求項4から6のいずれか一項に記載の二次電池。
【請求項8】
前記フランジ部は角錐台形状を呈していることを特徴とする請求項7に記載の二次電池。
【請求項9】
前記外部端子と前記接続端子とは溶接接合されていることを特徴とする請求項1または2に記載の二次電池。
【請求項10】
前記外部端子と前記接続端子はそれぞれ、平面視で同一の形状を備え、前記外部端子の前記バスバー当接面と直交する方向に延在している側端面を有し、
前記外部端子は、前記バスバー当接面と対向する面に前記接続端子と当接する接続端子当接面を有し、
前記外部端子と前記接続端子とは、前記接続端子当接面で当接された姿勢で、前記側端面の前記外部端子と前記接続端子との境界部で溶接接合されていることを特徴とする請求項9に記載の二次電池。
【請求項11】
前記外部端子と前記接続端子とは、前記側端面の全周で溶接接合されていることを特徴とする請求項10に記載の二次電池。
【請求項12】
前記ボルトは、その基端部にフランジ部を有し、
前記接続端子は、その上端部に前記フランジを受け入れるために少なくとも該フランジ部の底面および側面と相補的な形状を呈する凹部を備えた受け部を有し、
前記外部端子は、前記接続端子の前記凹部の上方に、前記フランジ部の外径よりも小さく、前記ボルトのねじ部の外形よりも小さい寸法からなる貫通孔を有し、
前記フランジ部が前記凹部に配置されて前記ねじ部が前記貫通孔を貫通した姿勢で前記外部端子と前記接続端子とが溶接接合され、前記ボルトの前記フランジ部が前記外部端子と前記接続端子とで保持されていることを特徴とする請求項9から11のいずれか一項に記載の二次電池。
【請求項13】
前記フランジ部の底面および前記凹部の底面は、平面視で多角形状を呈していることを特徴とする請求項12に記載の二次電池。
【請求項14】
前記外部端子の前記接続端子と当接する接続端子当接面は、その側端部が中心部よりも突出した凹形状を呈しており、
前記接続端子の前記外部端子と当接する外部端子当接面は、前記接続端子当接面と相補的な形状を呈しており、
前記外部端子の前記接続端子当接面と前記接続端子の前記外部端子当接面とが嵌合されて、前記外部端子と前記接続端子とが溶接接合されていることを特徴とする請求項9から13のいずれか一項に記載の二次電池。
【請求項15】
前記外部端子は、ニッケルめっきもしくはすずめっきで被膜されていることを特徴とする請求項9から14のいずれか一項に記載の二次電池。
【請求項16】
前記外部端子の前記バスバー当接面は、平面視で円形状を呈していることを特徴とする請求項1から15のいずれか一項に記載の二次電池。
【請求項17】
前記外部端子の前記バスバー当接面は、平面視で多角形状を呈していることを特徴とする請求項1から15のいずれか一項に記載の二次電池。
【請求項18】
前記二次電池は、蓄電要素が収容された電池缶を封止する矩形平板状の蓋を備え、
前記外部端子の前記バスバー当接面は、平面視で前記蓋の長手方向に沿った方向に長辺を有する長方形状を呈していることを特徴とする請求項17に記載の二次電池。
【請求項19】
前記ボルトのねじ部の軸心と前記接続端子の軸部の軸心とは同心配置されていることを特徴とする請求項1から18のいずれか一項に記載の二次電池。
【請求項20】
前記ボルトのねじ部の軸心と前記接続端子の軸部の軸心とは偏心配置されていることを特徴とする請求項1から18のいずれか一項に記載の二次電池。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
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【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2013−73745(P2013−73745A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−210997(P2011−210997)
【出願日】平成23年9月27日(2011.9.27)
【出願人】(505083999)日立ビークルエナジー株式会社 (438)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月27日(2011.9.27)
【出願人】(505083999)日立ビークルエナジー株式会社 (438)
【Fターム(参考)】
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