説明

二流体噴霧バーナ

【課題】液体燃料供給流量が低いときでも、液体燃料供給流量の大きな変動を招くことなく、液体燃料を安定供給することができる二流体噴霧バーナを提供する。
【解決手段】液体燃料24を霧化用空気で霧化して燃焼させる二流体噴霧バーナ11において、筒状の側部20とこの側部20の下端に設けた底部21とを有し、液体燃料供給管25から供給された液体燃料24を貯留するとともにこの貯留した液体燃料24の液面23よりも下方に位置して底部21に開けた液体燃料流出穴22から、前記貯留した液体燃料24を流出させる構成の液体燃料タンク19を備え、この液体燃料タンク19の液体燃料流出穴22から流出した液体燃料24を霧化用気体46で霧化して燃焼させる構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液体燃料を霧化用気体で霧化した状態で燃焼させる二流体噴霧バーナに関する。
【背景技術】
【0002】
二流体噴霧バーナは液体燃料を霧化用気体で霧化した状態で燃焼させるものであり、例えば燃料発電システムの改質器の熱源などとして用いられる。
【0003】
従来の二流体噴霧バーナでは、液体燃料が液体燃料供給系統のポンプから、液体燃料供給管を介して供給され、当該液体燃料供給管の先端部から流出する。そして、この液体燃料供給管から流出した流体燃料に対して霧化用の空気を混合させることにより、当該液体燃料を霧化して燃焼させる。
【0004】
【特許文献1】特開2002−224592号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の二流体噴霧バーナは前記ポンプからの液体燃料の供給流量が多い場合を想定して設計されたものである。このため、前記液体燃料の供給流量が少ない状態で使用されると、前記ポンプからの間欠的(振動的)な液体燃料の供給により、図14(a)に例示するように液体燃料供給管1の先端部1Aからは、液体燃料が間欠的に流出する。従って、図14(b)に例示するように液体燃料の供給流量が大きく変動することになる。このため、液体燃料の安定供給ができなくなって安定燃焼を確立することが難しくなり、未燃排ガスの発生や失火を招くおそれがあった。
【0006】
なお、この対策としては低流量でも安定した燃料供給ができるように液体燃料供給系統のポンプ性能を上げることも考えられるが、かかる対策では高価なポンプが必要となるため、装置の高コスト化を招くことになってしまう。
【0007】
従って本発明は上記の事情に鑑み、液体燃料供給流量が低いときでも、液体燃料供給流量の大きな変動を招くことなく、液体燃料を安定供給することができる二流体噴霧バーナを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する第1発明の二流体噴霧バーナは、液体燃料を霧化用気体で霧化して燃焼させる二流体噴霧バーナにおいて、
筒状の側部とこの側部の下端に設けた底部とを有し、液体燃料供給管から供給された液体燃料を貯留するとともにこの貯留した液体燃料の液面よりも下方に位置して前記側部又は前記底部に開けた1つ又は複数の液体燃料流出穴から、前記貯留した液体燃料を流出させる構成の液体燃料タンクを備え、
この液体燃料タンクの前記液体燃料流出穴から流出した液体燃料を前記霧化用気体で霧化して燃焼させる構成としたことを特徴とする。
【0009】
また、第2発明の二流体噴霧バーナは、第1発明の二流体噴霧バーナにおいて、
前記液体燃料流出穴は前記液体燃料タンクの底部に開けられており、
前記液体燃料タンクの側部とこの側部の周囲を囲む外筒との間に形成した筒状の霧化用気体流路と、
前記外筒の下端部に設けられ、下側のノズル本体部と上側の霧化用気体導入部とを有し、前記液体燃料流出穴の下方に位置する二流体合流空間部を前記ノズル本体部及び前記霧化用気体導入部の中央部に形成し、この二流体合流空間部に通じる1つ又は複数の噴霧穴を前記ノズル本体部に形成し、且つ、前記霧化用気体流路と前記二流体合流空間部とを連通する1つ又は複数の溝を前記霧化用気体導入部に形成した構成の二流体噴霧ノズルと、
を備え、
前記液体燃料タンクは前記霧化用気体導入部上に設置し、
前記液体燃料流出穴から流出して前記二流体合流空間部に流入した液体燃料が、前記霧化用気体流路を下方へと流れた後に前記霧化用気体導入部で前記溝を流れて前記二流体合流空間部へと導かれた霧化用気体と、前記二流体合流空間部で合流した後、この霧化用気体とともに前記噴霧穴から噴霧される構成としたことを特徴とする。
【0010】
また、第3発明の二流体噴霧バーナは、第2発明の二流体噴霧バーナにおいて、
前記液体燃料タンクの底部の下面には先細りのテーパ面部を形成し、
且つ、前記霧化用気体導入部の上面にも先細りのテーパ面部を形成しており、
前記液体燃料タンクは、前記液体燃料タンクのテーパ面部が前記霧化用気体導入部のテーパ面部に嵌まり込むようにして当接した状態で、前記霧化用気体導入部上に設置されていることを特徴とする。
【0011】
また、第4発明の二流体噴霧バーナは、第1発明の二流体噴霧バーナにおいて、
前記液体燃料流出穴は前記液体燃料タンクの底部に開けられており、
前記液体燃料タンクの側部とこの側部の周囲を囲む外筒との間に形成した筒状の霧化用気体流路と、
前記外筒の下端部に設けられ、前記液体燃料流出穴の下方に位置する二流体合流空間部を中央部に形成し、且つ、この二流体合流空間部に通じる1つ又は複数の噴霧穴を形成した構成の二流体噴霧ノズルと、
を備え、
前記液体燃料タンクの底部の下面には先細りのテーパ面部を形成し、
且つ、前記二流体噴霧ノズルの上面にも先細りのテーパ面部を形成しており、
前記液体燃料タンクは、前記液体燃料タンクのテーパ面部が前記二流体噴霧ノズルのテーパ面部に嵌まり込むようして当接した状態で、前記二流体噴霧ノズル上に設置され、
前記液体燃料タンクの底部には、前記霧化用気体流路と前記二流体合流空間部とを連通する1つ又は複数の溝を形成し、
前記液体燃料流出穴から流出して前記二流体合流空間部に流入した液体燃料が、前記霧化用気体流路を下方へと流れた後に前記液体燃料タンクの底部で前記溝を流れて前記二流体合流空間部へと導かれた霧化用気体と、前記二流体合流空間部で合流した後、この霧化用気体とともに前記噴霧穴から噴霧される構成としたことを特徴とする。
【0012】
また、第5発明の二流体噴霧バーナは、第2〜第4発明の何れかの二流体噴霧バーナにおいて、
前記二流体合流空間部は上面視が円形状であり、
前記霧化用気体導入部の溝又は前記液体燃料タンクの底部の溝は、上面視において前記二流体合流空間部の円周の接線方向に沿うように形成したことを特徴とする。
【0013】
また、第6発明の二流体噴霧バーナは、第2〜第4発明の何れかの二流体噴霧バーナにおいて、
前記二流体合流空間部は上面視が円形状であり、
前記霧化用気体導入部の溝又は前記液体燃料タンクの底部の溝は、上面視において前記二流体合流空間部の径方向に沿うように形成したことを特徴とする。
【0014】
また、第7発明の二流体噴霧バーナは、第5又は第6発明の二流体噴霧バーナにおいて、前記霧化用気体導入部の溝又は前記液体燃料タンクの底部の溝は、前記二流体合流空間部の中心軸回りに回転対称の位置関係となるように複数形成されていることを特徴とする。
【0015】
また、第8発明の二流体噴霧バーナは、第2〜第7発明の二流体噴霧バーナにおいて、
前記液体燃料タンクを下方に押圧する押圧部材を備えることにより、
前記液体燃料タンクの底部を、前記二流体噴霧ノズルの霧化用空気導入部に押し付けて密着させた構成としたこと、
又は、前記液体燃料タンクの底部を、前記二流体噴霧ノズルに押し付けて密着させた構成としたこと、
を特徴とする。
【0016】
また、第9発明の二流体噴霧バーナは、第1発明の二流体噴霧バーナにおいて、
前記液体燃料流出穴は前記液体燃料タンクの底部に開けられており、
前記液体燃料タンクの側部とこの側部の周囲を囲む外筒との間に形成した筒状の第1の霧化用気体流路と、
前記外筒の下端部に設けられ、前記液体燃料流出穴の下方に位置する二流体合流空間部を中央部に形成し、且つ、この二流体合流空間部に通じる1つ又は複数の噴霧穴を形成した構成の二流体噴霧ノズルと、
を備え、
前記二流体噴霧ノズルの上面には先細りのテーパ面部を形成し、
前記液体燃料タンクの底部の下面にも先細りのテーパ面部を形成し、
前記液体燃料タンクの側部には複数の支持部を突設し、且つ、これらの支持部の下面にもテーパ面部を形成しており、
前記液体燃料タンクは、前記支持部のテーパ面部が前記二流体噴霧ノズルのテーパ面部に嵌まり込むようにして当接した状態で、前記二流体噴霧ノズル上に設置され、
前記支持部によって、前記液体燃料タンクのテーパ面部と前記二流体噴霧ノズルのテーパ面部との間に確保した隙間を、第2の霧化用気体流路とし、
前記液体燃料流出穴から流出して前記二流体合流空間部に流入した液体燃料が、前記第1の霧化用気体流路を下方へと流れた後に前記支持部の間の霧化用気体流通部を通過し、前記第2の霧化用気体流路を流れて前記二流体合流空間部へと導かれた霧化用気体と、前記二流体合流空間部で合流した後、この霧化用気体とともに前記噴霧穴から噴霧される構成としたことを特徴とする。
【0017】
また、第10発明の二流体噴霧バーナは、第2〜第9発明の何れかの二流体噴霧バーナにおいて、
前記二流体合流空間部は逆円錐状であり、この逆円錐状の空間部の頂点位置に前記噴霧穴が形成されていることを特徴とする。
【0018】
また、第11発明の二流体噴霧バーナは、第2〜第10の何れかの二流体噴霧バーナにおいて、
前記外筒と、前記外筒の周囲を囲む気体燃料供給管との間に形成した筒状の気体燃料流路を備え、
気体燃料は、前記気体燃料流路を下方へと流れ、前記気体燃料流路の下端から噴射されて燃焼される構成としたことを特徴とする。
【0019】
また、第12発明の二流体噴霧バーナは、第1〜第11発明の何れかの二流体噴霧バーナにおいて、
前記液体燃料供給管の先端部が、前記液体燃料タンクの側部の内周面に接していることを特徴とする。
【0020】
なお、上記第1〜第2発明の何れかの二流体噴霧バーナにおいて、更に次のような構成を備えたものとしてもよい。
【0021】
即ち、第1の構成の二流体噴霧バーナは、第1〜第2発明の何れかの二流体噴霧バーナであって、二流体噴霧器の二流体噴霧ノズルから、この二流体噴霧ノズルの下方の燃焼空間部へ液体燃料を噴霧して燃焼させるバーナにおいて、
前記二流体噴霧器と、前記二流体噴霧器の周囲を囲むバーナ外筒との間に形成した筒状の燃焼用空気流路と、
この燃焼用空気流路と前記燃焼空間部とを仕切る遮板と、
この遮板の外周側に設けた燃焼用空気流通穴と、
を備え、
前記燃焼用空気流路を下方へと流れてきた燃焼用空気が、前記遮板で遮られて前記遮板の外周側へと導かれることにより前記燃料噴射ノズルから遠ざけられ、前記燃焼用空気流通穴を通過して前記燃焼空間部に流入する構成としたことを特徴とする。
【0022】
また、第2の構成の二流体噴霧バーナは、第1の構成の二流体噴霧バーナにおいて、
前記遮板の下面から下方に延びた燃焼用空気供給遅延用の筒を設けて、この筒と前記バーナ外筒との間に前記燃焼用空気流通穴に通じる筒状の他の燃焼用空気流路を形成し、
前記燃焼用空気流通穴を通過した燃焼用空気が、前記他の燃焼用空気流路を下方へと流れた後に前記他の燃焼用空気流路の下端から、前記燃焼空間部に流入する構成としたことを特徴とする。
【0023】
また、第3の構成の二流体噴霧バーナは、第2の構成の二流体噴霧バーナにおいて、
前記遮板の下面から下方に延びたよどみ防止用の筒を、前記燃焼用空気供給遅延用の筒の内側に1つ又は複数設けたことを特徴とする。
【0024】
また、第4の構成の二流体噴霧バーナは、第1〜第3の構成の何れかの二流体噴霧バーナにおいて、
前記遮板には、前記燃焼用空気流通穴よりも内側に他の複数の燃焼用空気流通穴が形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
第1発明の二流体噴霧バーナによれば、筒状の側部とこの側部の下端に設けた底部とを有し、液体燃料供給管から供給された液体燃料を貯留するとともにこの貯留した液体燃料の液面よりも下方に位置して前記側部又は前記底部に開けた1つ又は複数の液体燃料流出穴から、前記貯留した液体燃料を流出させる構成の液体燃料タンクを備え、この液体燃料タンクの前記液体燃料流出穴から流出した液体燃料を前記霧化用気体で霧化して燃焼させる構成としたことにより、液体燃料が液体燃料供給管から液体燃料タンクに間欠的に供給されるときでも、液体燃料タンクの液体燃料流出穴からは、液体燃料タンクに貯留された液体燃料が連続的に流出することになる。即ち、液体燃料供給系統のポンプの供給流量が低下して、液体燃料供給管から液体燃料タンクへ液体燃料が間欠的に供給されるときでも、液体燃料タンク内に貯留される液体燃料の液面が多少上下に変動して液体燃料流出穴からの液体燃料の流出流量が多少変動する程度であり、従来のような大きな液体燃料供給流量の変動にはならない。このため、液体燃料供給流量が低いときにも、液体燃料の安定供給が可能になって、安定燃焼を確立することが容易になり、未燃排ガスの発生や失火を招くおそれがない。
【0026】
第2発明の二流体噴霧バーナによれば、前記液体燃料流出穴から流出して前記二流体合流空間部に流入した液体燃料が、前記霧化用気体流路を下方へと流れた後に前記霧化用気体導入部で前記溝を流れて前記二流体合流空間部へと導かれた霧化用気体と、前記二流体合流空間部で合流した後、この霧化用気体とともに前記噴霧穴から噴霧される構成としたため、液体燃料は溝で流速を速めた(水平方向の速度成分が増加した)霧化用気体と二流体合流空間部でよく混合されから、二流体噴霧ノズルの噴霧穴から噴射されることになる。このため、二流体合流空間部や溝を設けない場合に比べて、液体燃料の噴霧の広がり角が大きくなり、液体燃料が確実に霧化されるため、当該液体燃料の燃焼性が向上する。
【0027】
第3発明の二流体噴霧バーナによれば、前記液体燃料タンクは、前記液体燃料タンクのテーパ面部が前記霧化用気体導入部のテーパ面部に嵌まり込むようにして当接した状態で、前記霧化用気体導入部上に設置されているため、液体燃料タンクと二流体噴霧ノズルの中心軸を合せることが容易である。従って、液体燃料タンクの片寄りがなく、霧化用気体流路の幅を周方向に均一にして、霧化用気体流路における霧化用気体の流れを前記周方向に均一にすることができるため、二流体噴霧ノズルの噴霧穴からの液体燃料の噴霧の対称性(即ち火炎の対称性)を確保することができる。
【0028】
第4発明の二流体噴霧バーナによれば、前記液体燃料流出穴から流出して前記二流体合流空間部に流入した液体燃料が、前記霧化用気体流路を下方へと流れた後に前記液体燃料タンクの底部で前記溝を流れて前記二流体合流空間部へと導かれた霧化用気体と、前記二流体合流空間部で合流した後、この霧化用気体とともに前記噴霧穴から噴霧される構成としたことにより、液体燃料が、前記溝で流速を速めた(水平方向の速度成分が増加した)霧化用気体と二流体合流空間部でよく混合されて、噴霧穴から噴霧される。このため、二流体合流空間部や溝を設けない場合に比べて、液体燃料の噴霧の広がり角が大きくなり、液体燃料が確実に霧化されるため、液体燃料の燃焼性が向上する。
【0029】
更に、前記液体燃料タンクは、前記液体燃料タンクのテーパ面部が前記二流体噴霧ノズルのテーパ面部に嵌まり込むようして当接した状態で、前記二流体噴霧ノズル上に設置されているため、液体燃料タンクと二流体噴霧ノズルの中心軸を合せることが容易である。従って、液体燃料タンクの片寄りがなく、霧化用気体流路の幅を周方向に均一にして、霧化用気体流路における霧化用気体の流れを前記周方向に均一にすることができるため、二流体噴霧ノズルの噴霧穴からの液体燃料の噴霧の対称性(即ち火炎の対称性)を確保することができる。
【0030】
第5発明の二流体噴霧バーナによれば、前記霧化用気体導入部の溝又は前記液体燃料タンクの底部の溝は、上面視において前記二流体合流空間部の円周の接線方向に沿うように形成したことにより、二流体合流空間部では霧化用気体が旋回流となって液体燃料と混合されるため、液体燃料と霧化用気体とが、より確実に混合される。このため、二流体噴霧ノズルの噴霧穴から噴射される液体燃料を、より確実に霧化することができて当該液体燃料の燃焼性をより向上させることができる。
【0031】
第6発明の二流体噴霧バーナによれば、前記霧化用気体導入部の溝又は前記液体燃料タンクの底部の溝は、上面視において前記二流体合流空間部の径方向に沿うように形成したことにより、二流体合流空間部では霧化用気体が液体燃料に衝突するようにして液体燃料に混合されるため、液体燃料と霧化用気体とが、より確実に混合される。このため、二流体噴霧ノズルの噴霧穴から噴射される液体燃料を、より確実に霧化することができて当該液体燃料の燃焼性をより向上させることができる。
【0032】
第7発明の二流体噴霧バーナによれば、前記霧化用気体導入部の溝又は前記液体燃料タンクの底部の溝は、前記二流体合流空間部の中心軸回りに回転対称の位置関係となるように複数形成されているため、二流体噴霧ノズルの噴霧穴から噴霧された液体燃料の周方向の分布量を均一にして、当該液体燃料の燃焼性を向上させることができる。
【0033】
第8発明の二流体噴霧バーナによれば、前記液体燃料タンクを下方に押圧する押圧部材を備えることにより、前記液体燃料タンクの底部を、前記二流体噴霧ノズルの霧化用空気導入部に押し付けて密着させた構成としたこと、又は、前記液体燃料タンクの底部を、前記二流体噴霧ノズルに押し付けて密着させた構成としたことを特徴とするため、燃料タンクの底部の下面と霧化用気体導入部の上面とが密着、燃料タンクの底部のテーパ面部と霧化用気体導入部のテーパ面部とが密着、或いは、液体燃料タンクのテーパ面部と二流体噴霧ノズルのテーパ面部とが密着することにより、これらの接触面間に隙間ができるのを防止することができる。このため、霧化用気体が溝以外の部分を流れることを防止して、溝による広域噴霧の効果を充分に発揮することができる。
【0034】
第9発明の二流体噴霧バーナによれば、前記液体燃料流出穴から流出して前記二流体合流空間部に流入した液体燃料が、前記第1の霧化用気体流路を下方へと流れた後に前記支持部の間の霧化用気体流通部を通過し、前記第2の霧化用気体流路を流れて前記二流体合流空間部へと導かれた霧化用気体と、前記二流体合流空間部で合流した後、この霧化用気体とともに前記噴霧穴から噴霧される構成としたことにより、液体燃料は二流体合流空間部で霧化用気体と混合されてから、二流体噴霧ノズルの噴霧穴から噴霧されることになる。このため、二流体合流空間部を設けない場合に比べて、液体燃料の噴霧の広がり角が大きくなり、液体燃料が確実に霧化されるため、当該液体燃料の燃焼性が向上する。
【0035】
第10発明の二流体噴霧バーナによれば、前記二流体合流空間部は逆円錐状であり、この逆円錐状の空間部の頂点位置に前記噴霧穴が形成されているため、二流体合流空間部における液体燃料と霧化用気体との混合を、より確実に行うことができる。このため、噴霧穴から噴霧する液体燃料を、より確実に霧化して液体燃料の燃焼性を更に向上させることができる。
【0036】
第11発明の二流体噴霧バーナによれば、前記外筒と、前記外筒の周囲を囲む気体燃料供給管との間に形成した筒状の気体燃料流路を備え、気体燃料は、前記気体燃料流路を下方へと流れ、前記気体燃料流路の下端から噴射されて燃焼される構成としたことにより、筒状の気体燃料流路から噴射される気体燃料は周方向に均一なものとなるため、燃焼性が向上し、例えば液体燃料の供給量が少ないときなどには気体燃料による保炎効果を発揮する。
【0037】
第12発明の二流体噴霧バーナによれば、前記液体燃料供給管の先端部が、前記液体燃料タンクの側部の内周面に接しているため、液体燃料供給管からの液体燃料の流出量が少ないときにも、液体燃料は前記内周面を伝って流れ落ちるため、液体燃料流出穴からの液体燃料の流出を、より安定させることができる。即ち、液体燃料が粒状になって落下すると、液体燃料タンク内に貯留されている液体燃料の液面が大きく変動し、液面が非常に低い場合には一時的に液体燃料流出穴が露出して液体燃料の流出が途絶えることも考えられるが、液体燃料が液体燃料タンクの内周面を伝って流れ落ちるようにすれば、かかる不具合の発生を防止することができる。
【0038】
また、第1の構成の二流体噴霧バーナによれば、前記燃焼用空気流路を下方へと流れてきた燃焼用空気が、前記遮板で遮られて前記遮板の外周側へと導かれることにより前記燃料噴射ノズルから遠ざけられ、前記燃焼用空気流通穴を通過して前記燃焼空間部に流入する構成としたため、燃焼空間部では前記燃焼用空気の一部だけが、燃料噴射ノズルから噴射された燃料と混合されて当該燃料の燃焼に利用され、前記燃焼用空気の残りは、更に下方へと流れ、前記燃焼によって発生した燃焼排ガスと混合されることになる。このため、1度(1段)の燃焼用空気供給により、燃焼用空気と燃料との適度な混合を達成することができて、火炎を冷却し過ぎることなく、大量の燃焼排ガスを発生させることができる。従って、簡易な構成で大量の燃焼排ガスを発生させることができ、且つ、未燃ガスの発生や失火を招くおそれもない二流体噴霧バーナ等のバーナを実現することができる。
【0039】
更には、遮板によって燃焼用空気を燃料噴射ノズルから離れた位置で燃焼空間部に流入させるため、燃焼用空気の一部が燃料に供給される位置を、遮板から下方に遠ざけることができる。従って、火炎の位置も遮板から下方に遠ざかることなり、遮板の下面に煤が付着するのを防止することができる。遮板の下面に付着する煤の量が多くなると、煤による燃料噴射ノズルの目詰まりや、火炎の輻射熱を煤が吸収することによる燃料噴射器の異常な加熱などの不具合を生じる可能性があるが、上記の如く遮板の下面に煤が付着するのを防止することにより、かかる不具合の発生を未然に防ぐことができる。
【0040】
第2の構成の二流体噴霧バーナによれば、前記遮板の下面から下方に延びた燃焼用空気供給遅延用の筒を設けて、この筒と前記バーナ外筒との間に前記燃焼用空気流通穴に通じる筒状の他の燃焼用空気流路を形成し、前記燃焼用空気流通穴を通過した燃焼用空気が、前記他の燃焼用空気流路を下方へと流れた後に前記他の燃焼用空気流路の下端から、前記燃焼空間部に流入する構成としたため、燃焼用空気の一部が、燃料噴射ノズルから噴射された燃料に供給されるのを遅らせてことができる。即ち、燃焼用空気の一部が燃料に供給される位置を、遮板から下方に遠ざけることができる。従って、火炎の位置も遮板から下方に遠ざかることなり、遮板の下面に煤が付着するのを防止することができる。なお、この燃焼用空気の一部が燃料に供給される位置を遮板から下方に遠ざけるという作用効果は上記の如く遮板を設けるだけでも得られるが、本第2発明の如く、燃焼用空気供給遅延用の筒を設ければ、より確実に燃焼用空気の一部が燃料に供給される位置を、遮板から下方に遠ざけることができる。
【0041】
また、上記第1の構成において、バーナの大きさの制約などから、遮板をあまり大きくすることができずに燃料噴射ノズルから燃焼用空気流通穴までの距離を充分にとることができない場合には、燃料に供給される燃焼用空気の一部の量が多くなり過ぎて、火炎が過度に冷却されてしまうおそれがある。これに対して本第2の構成の如く、燃焼用空気供給遅延用の筒を設ければ、燃焼用空気の一部が燃料に供給される位置を遮板から下方に遠ざけることができるだけでなく、このときに燃料に供給される燃焼用空気の一部の量を低減して適切な量とすることもできる。従って、かかる観点からも本第2発明の如く筒を設けることは有効であり、筒を設けることによって遮板を小さくし、バーナの小型化を図ることもできる。
【0042】
第3の構成の二流体噴霧バーナによれば、前記遮板の下面から下方に延びたよどみ防止用の筒を、前記燃焼用空気供給遅延用の筒の内側に1つ又は複数設けたことにより、遮板の下面近傍で燃料のよどみ(対流)が生じるのをよどみ防止用の筒によって防ぐことができる。このため、遮板の下面近傍でよどむ燃料にも引火して遮板の下面に煤が付着するのを、防止することができる。
【0043】
第4の構成の二流体噴霧バーナによれば、前記遮板には、前記燃焼用空気流通穴よりも内側に他の複数の燃焼用空気流通穴を形成したことにより、燃焼用空気の一部が、これらの他の燃焼用空気流通穴も通るため、当該燃焼用空気の流れによって遮板の下面近傍に燃焼用空気のよどみ流が発生するのを抑制することができ、遮板の下面に煤が付着するのを抑制することができる。また、前記他の燃焼用空気流通穴を介して燃料噴射ノズルの近傍を低温の燃焼用空気が流れるため、この燃焼用空気によって火炎の輻射熱で過熱されやすい燃料噴射ノズルを冷却することができるという効果も得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
以下、本発明の実施の形態例を図面に基づいて詳細に説明する。
【0045】
<実施の形態例1>
図1は本発明の実施の形態例1に係る二流体噴霧バーナの構成を示す縦断面図、図2は図1のA−A線矢視の横断面図、図3は図1のB−B線矢視の横断面図である。また、図4(a)は図1の二流体噴霧バーナに備えた二流体噴霧器を抽出して示す拡大縦断面図、図4(b)は図4(a)のC−C線矢視の横断面図、図5(a)は前記二流体噴霧器の下側部分を拡大して示す縦断面図、図5(b)は前記二流体噴霧器に備えた二流体噴霧ノズルを抽出して示す上面図(図5(a)のD方向矢視図)である。
【0046】
図1、図2及び図3に基づき、本実施の形態例1の二流体噴霧バーナ11の概要を説明すると、本二流体噴霧バーナ11はバーナ外筒48を有しており、このバーナ外筒48内において上側の中央部には二流体噴霧器12が配置され、この二流体噴霧器12の下側が燃焼空間部13となっている。二流体噴霧器12の周囲には気体燃料供給路14が形成され、更に気体燃料供給路14の周囲には燃焼用空気供給路15が形成されている。また、燃焼用空気供給路15と燃焼空間部13との間は、遮板としてのプレート18で仕切られており、プレート18の下面には、燃焼用空気供給遅延用の筒としての第1円筒16と、よどみ防止用の筒としての第2円筒17とが設けられている。
【0047】
図4及び図5に基づき、二流体噴霧器12の構成について詳述する。なお、二流体噴霧器12は液体燃料と霧化用気体(霧化用空気)の二流体を噴射するもの、即ち前記液体燃料を前記霧化用気体で霧化して噴射するものである。
【0048】
図4及び図5に示すように、二流体噴霧器12には液体燃料タンク19が内蔵されている。液体燃料タンク19は円筒状の側部(胴体部)20と、この側部20の下端に設けられた底部21とを有する構造となっている。そして、液体燃料タンク19の内部にはバーナ燃焼用の液体燃料24が貯留されており、液体燃料タンク19の底部21の中央部には微細な液体燃料流出穴22が開けられている。液体燃料流出穴22は、液体燃料タンク19内に貯留された液体燃料24の液面23よりも下方に位置している。
【0049】
即ち、液体燃料供給管25から供給された液体燃料24が、一旦、液体燃料タンク19内に貯留され、この貯留された液体燃料24が、下の液体燃料流出穴22から液体燃料タンク19の外への流出するようになっている。このとき液体燃料タンク19内に貯留されている液体燃料24の液面23の高さ(底部21の内面21aから液面23までの高さ)は、液体燃料24が液体燃料流出穴22を流通するときの圧力損失分に対応した液柱ヘッド(詳細後述)が得られる高さとなる。バーナ燃焼用の液体燃料24としては例えば灯油、重油、アルコール、エーテルなどを使用することができる。
【0050】
液体燃料供給管25は、その先端部(下端部)25Aが、液体燃料タンク19の上端から下方に向かって液体燃料タンク19内に挿入されており、液体燃料タンク19内において液面23の上方で且つ中央部に位置するように配設されている。液体燃料供給管25の基端側は図示しない液体燃料供給系統の液体燃料供給ポンプに接続されている。
【0051】
なお、図5(a)に一点鎖線で示すように液体燃料供給管25の先端部25Aは、液体燃料タンク19の側部20の内周面20aに接触させてもよい。液体燃料24の供給流量が少ないとき、液体燃料供給管25の先端部25Aが液体燃料タンク19の内周面20aから離れている場合には液体燃料24が、図示例のように粒状になって落下するが、液体燃料供給管25の先端部25Aが液体燃料タンク19の内周面20aに接触している場合には液体燃料24が、当該内周面20aを伝って流れ落ちることになる。
【0052】
液体燃料タンク19は円筒状の噴霧器外筒27内に噴霧器外筒27と同心円状に設けられており、液体燃料タンク19の側部20と噴霧器外筒27との間の円筒状の空間部が、霧化用気体流路としての霧化用空気流路28となっている。噴霧器外筒27には空気流入穴29が開けられており、この空気流入穴29には霧化用空気供給管30の先端部30Aが接続されている。霧化用空気供給管30の基端側は図示しない霧化用空気供給系統の空気供給ブロアに接続されている。
【0053】
二流体噴霧ノズル38は噴霧器外筒27の下端部27Aに装着され、液体燃料タンク19の下側に位置している。即ち、二流体噴霧器12は液体燃料供給流量の変動を緩和するためのバッファ部として液体燃料タンク19を、液体燃料供給管25と二流体噴霧ノズル38との間に介在させた構成となっている。二流体噴霧ノズル38は円板状のノズル本体部39と、ノズル本体部39の上に形成された霧化用気体導入部としての霧化用空気導入部37とを有してなるものであり、ノズル本体部39の上面の周縁部を噴霧器外筒27の下端面に当接させ、且つ、霧化用空気導入部37を噴霧器外筒27の下端部27Aの内側に嵌合させた状態で溶接などの固定手段により、噴霧器外筒27の下端部27Aに固定されている。
【0054】
霧化用空気導入部37は円環状に形成され、その中央部に平面視(上面視)が円形状の空間部41を有している。ノズル本体部39は、その中央部に逆円錐状の空間部(凹部)42が形成されており、且つ、中心(逆円錐状の空間部42の頂点位置)に微細な噴霧穴44が開けられている。霧化用空気導入部37の空間部41とノズル本体部39の空間部42は連続しており、これらの空間部41,42が二流体合流空間部43を構成している。即ち、二流体合流空間部43は上面視が円形状となっており、その径が、噴霧穴44に向かうにしたがって徐々に小さくなる先細り構造となっている。霧化用空気導入部37には、その周方向の2箇所に溝(スリット)40が形成されている。これらの溝40は旋回型のものであり、上面視において二流体合流空間部43の円周の接線方向に沿い、且つ、二流体合流空間部43の中心軸(図示例では噴霧穴44の中心軸)回りに回転対称(周方向に等間隔)の位置関係となっている。
【0055】
一方、噴霧器外筒27の上端部27Bは、噴霧器外筒27内から外への霧化用空気も漏れを防止するための閉塞部材としてのキャップ31によって閉じられている。キャップ31は、その下部31Aの外周面に形成されたネジ部33を噴霧器外筒27の上端部27Bの内周面に形成されたネジ部32に螺合させることによって、噴霧器外筒27の上端部27Bに装着されている。キャップ31の段部31Bと噴霧器外筒27の上端部27Bとの間には、霧化用空気の漏れを確実に防止するためにOリング34が介設されている。液体燃料供給管25の先端部25Aはキャップ31を貫通し、噴霧器外筒27内(コイルばね36内)を経て、液体燃料タンク19の上端から液体燃料タンク19内へと挿入されている。
【0056】
キャップ31の下面側に設けられたワッシャ35と、液体燃料タンク19の上端側に設けられたワッシャ26との間には、押圧部材としてのコイルばね36が介設されている。このコイルばね36によって液体燃料タンク19を下方に押圧することにより、液体燃料タンク19の底部21の外面(下面)21bを、霧化用空気導入部37の上面37aに押し付けている。このことにより、互いに接触する底部21の外面(下面)21bと、二流体噴霧ノズル38(霧化用空気導入部37)の上面37aとが密着して、これらの接触面21b,37a間に隙間が生じるのを防止している。
【0057】
ワッシャ26と液体燃料供給管25との間には隙間45を有しており、この隙間45を介して液体燃料タンク19の内部空間と、液体燃料タンク19の外側における噴霧器外筒27の内部空間とが連通している。即ち、液体燃料タンク19の上端は噴霧器外筒27の内部空間に対して開放され、液体燃料タンク19の内部空間と霧化用空気流路28の上端部(上流部)とが連通している。このため、空気流入穴29から噴霧器外筒27内に流入して霧化用空気流路28に流入する霧化用空気46の圧力が、液体燃料タンク19内に貯留されている液体燃料24の液面23にも作用する。
【0058】
この二流体噴霧器12では、液体燃料供給ポンプから液体燃料供給管25を介して送られてくるバーナ燃焼用の液体燃料24が、液体燃料供給管25の先端部25Aから流出すると(比較的高流量の場合には連続的に流出し、比較的低流量の場合には図5(a)に例示するように間欠的に流出すると)、一旦、液体燃料タンク19内に貯留される。そして、この液体燃料タンク19内に貯留された液体燃料24が、液体燃料タンク19の底部21の液体燃料流出穴22から二流体合流空間部43へと連続的に流出する。なお、液体燃料供給管25の先端部25Aからの液体燃料の流出が間欠的である場合には、液体燃料24が液体燃料供給管25の先端部25Aから流出したときに液面23が上昇し、次に液体燃料24が液体燃料供給管25の先端部25Aから流出するまでの間は液面23が低下するという現象を繰り返し、この液位変動に応じて多少は液体燃料流出穴22から流出する液体燃料24の流量も変動することにはなるが、この流量変動は従来の流量変動に比べて僅かなものである。
【0059】
一方、空気供給ポンプから霧化用空気供給管30を介して送られてくる霧化用空気46は、空気流入穴29から噴霧器外筒27内に流入し、液体燃料タンク19と噴霧器外筒27との間の霧化用空気流路28を下方へと流れる。その後、霧化用空気46は二流体噴霧ノズル38において霧化用空気導入部37の溝40を流通することにより流速を速めた状態で二流体合流空間部43へと導入され、この二流体合流空間部43で旋回流となって、液体燃料タンク19の液体燃料流出穴22から流出した液体燃料24と合流(混合)する。その結果、液体燃料24と霧化用空気46とがよく混合され、液体燃料24は霧化用空気46によって霧化された状態で霧化用空気46とともに二流体噴霧ノズル38の噴霧穴44から、燃焼空間部13(火炎)へと噴射されて燃焼する。なお、霧化した液体燃料24への初期の点火は点火プラグ54によって行われる。
【0060】
ここで、液体燃料タンク19に貯留された液体燃料24の液柱ヘッドHについて詳述すると、当該液柱ヘッドHは、液体燃料24が液体燃料流出穴22を流通するときの圧力損失ΔP(穴)と、液体燃料流出穴22から流出した液体燃料24の運動エネルギーEと、溝40などにおける霧化用空気49の圧力損失ΔPairとから、次式によって求めることができる。
液柱ヘッドH=圧力損失ΔP(穴)+運動エネルギーE−圧力損失ΔPair
運動エネルギーEは液体燃料24の流速vと、液体燃料24の密度ρとから、次式によって求めることができる。
運動エネルギー=ρv2/2
【0061】
また、液体燃料タンク19における貯留液体燃料24の液面23の高さは、液体燃料供給管25を介して液体燃料タンク19に供給される液体燃料24の流量によって変化する。即ち、燃料供給ポンプの出力を調整して、液体燃料24の供給流量を多くしたときには液面23が高くなり、液体燃料24の供給流量を少なくしたときには液面23が低くなる。従って、液体燃料タンク19の高さは、所定の液体燃料24の供給流量の調整範囲に応じた液面23の高さの変化に対応した高さとする。
【0062】
また、液体燃料24は図5(a)に例示するように噴霧穴44から円錐状に噴霧されるが、このときの噴霧の広がり(噴霧角)は溝40の断面積(即ち溝40を流通するときの霧化用空気46の流速)や、噴霧穴44の大きさ(即ち穴径)などによって決まる。
【0063】
次に、二流体噴霧器12以外の構成について詳述する。図1、図2及び図3に示すように、噴霧器外筒27の周囲を囲むようにして円筒状の気体燃料供給管47が設けられている。気体燃料供給管47は噴霧器外筒27と同心円状に設けられており、気体燃料供給管47と噴霧器外筒27との間の円筒状の空間が、気体燃料流路14となっている。気体燃料供給系統から供給されるバーナ燃焼用の気体燃料49は、気体燃料流路14を下方へと流れ、気体燃料流路14の下端から燃焼空間部13へと噴射されて燃焼される。液体燃料24と気体燃料49は別々に燃焼させても、同時に燃焼させてもよい。バーナ燃焼用の気体燃料49としては例えばメタン、エタン、プロパン、ブタン、ジメチルエーテル、水素などを使用することができ、更に二流体噴霧バーナ11を改質器の熱源として使用する場合には燃料電池で発電に使用されずに二流体噴霧バーナ11へと戻される残余の改質ガスを使用することもできる(図13参照)。
【0064】
バーナ外筒48は円筒状であり、気体燃料供給管47の周囲を囲んでいる。バーナ外筒48と気体燃料供給管47は同心円状に設けられており、バーナ外筒48と気体燃料供給管47との間の円筒状の空間が、第1の燃焼用空気流路15となっている。従って、燃焼用空気供給系統の空気供給ブロアから供給される燃焼用空気50は、燃焼用空気流路15を下方へと流れる。
【0065】
そして、燃焼用空気流路15の下端部、即ち気体燃料供給管47の下端部とバーナ外筒48の下端部との間にはプレート18が設けられている。プレート18は円環状の板であり、燃焼用空気流路15と燃焼空間部13とを仕切っている。なお、この場合、図示例ではプレート18が二流体噴霧ノズル38とほぼ同じ高さに設置されているが、これに限らず、例えば二流体噴霧ノズル38よりも高い位置に設けてもよい。但し、プレートの18の位置を高くすると、第1円筒16及び第2円筒17を図示例よりも長くする必要があるため、図示例の如くプレート18を二流体噴霧ノズル38と同じ高さとすることが、最もコストがかからず合理的である。
【0066】
プレート18の内周面は気体燃料供給管47の外周面に溶接などの固定手段により固定される一方、プレート18の外周面には複数(図示例では4個)の突起51が形成されており、これらの突起51の先端面がバーナ外筒48の内周面に溶接などの固定手段によって固定されている。このため、気体燃料供給管47からバーナ外筒48の近傍まではプレート18によって塞がれているが、プレート18の外周側では突起51によってプレート18の外周面とバーナ外筒48の内周面48aとの間に隙間が形成されており、これらの隙間が燃焼用空気流通穴52となっている。即ち、燃焼用空気流路15と燃焼空間部13は、これらの燃焼用空気流通穴52によって連通されている。
【0067】
従って、燃焼用空気50は燃焼用空気流路15を下方へと流れた後、プレート18に遮られてプレート18の外周側へと導かれることにより二流体噴霧ノズル38(噴霧穴44)から遠ざけられ、燃焼用空気流通穴52を流通して燃焼空間部13に流入する。
【0068】
また、プレート18の下面には下方へと延びた外側の第1円筒16と、下方へと延びた内側の第2円筒17とが、溶接などの固定手段により固定されている。第1円筒16は燃焼用空気流通穴52よりも内側に位置し、バーナ外筒48と同心円状に配置されている。そして、バーナ外筒48と第1円筒16との間の円筒状の空間が、第2の燃焼用空気流路53となっている。
【0069】
従って、第1の燃焼用空気流路15を下方へと流れて燃焼用空気流通穴52を通過した燃焼用空気50は、更に第2の燃焼用空気流路53を下方へと流れる。そして、燃焼用空気50は、燃焼用空気流路53の下端から流出して燃焼空間部13全体に広がっていく。このため、燃焼用空気流路53から流出した燃焼用空気50の一部(例えば全体の約3割程度)が、二流体噴霧器12(二流体噴霧ノズル38)から噴霧された液体燃料24へ、プレート18から下方へ離れた位置で供給(混合)されて当該液体燃料24の燃焼に利用される。このとき液体燃料24に混合される燃焼用空気50の量は、例えば空気比の平均が1.5以下となるように設定する。そして、燃焼用空気流路53から流出した燃焼用空気50の残り(例えば全体の約7割程度)は、更に下方へと流れ、前記燃焼によって生じた燃焼排ガスと混合される。かくして、大量の燃焼排ガスが生成される。
【0070】
なお、第1円筒16を設置する目的は燃焼用空気50の一部が、霧化液体燃料24に供給されるのを遅らせること、即ちプレート18から下方へ離れた位置で霧化液体燃料24に供給されるようにすることであり、このことによって火炎がプレート18に接してプレート18に煤が付着するのを防止することができる。このため、第1円筒16の長さ、即ち第1円筒16の先端位置(下端位置)は、プレート18の大きさ(二流体噴霧ノズル38の噴霧穴44から燃焼用空気流通穴52までの距離)との関係で適宜設定すればよい。
【0071】
つまり、第1円筒16は設けず、プレート18とプレート18の外周部の燃焼用空気流通穴52とを設けるだけでも、燃焼用空気流通穴51が噴霧穴44から離れているため、燃焼用空気流通穴51を通過した燃焼用空気50の一部は、プレート18から下方へ離れた位置で霧化液体燃料24に供給される。そして、噴霧穴44から燃焼用空気流通穴52までの距離が長くなる程、燃焼用空気50の一部が霧化液体燃料24に供給される位置が、プレート18から離れることなる。なお、プレート18を大きくして噴霧穴44から燃焼用空気流通穴52までの距離を長くする程、二流体噴霧バーナ11の径は大きくなる。
【0072】
一方、二流体噴霧バーナ11の大きさの制約などよって噴霧穴44から燃焼用空気流通穴52までの距離が制約される場合、プレート18と燃焼用空気流通穴51を設けるだけでは、燃焼用空気50の一部が霧化液体燃料24に供給されるのを充分に遅らせることができないことがあり、このときには図示例の如く第1円筒16を設けることが非常に有効である。この場合、噴霧穴44から燃焼用空気流通穴52までの距離が短くなる程、第1円筒16を下方へ延長すればよい。但し、第1円筒16と噴霧された液体燃料24との干渉を避けるためには、第1円筒16の先端(下端)が、噴霧された液体燃料24の外形部24Aの外側(上側)に位置する必要がある。即ち、第1円筒16の先端(下端)は、噴霧された液体燃料24の外形部24Aまでしか延長することができない。
【0073】
なお、噴霧穴44から燃焼用空気流通穴52までの距離を短くすると、第1円筒16の設置位置も噴霧穴44に近づくため、プレート18から霧化液体燃料24の外形部24Aまでの距離も短くなるため、第1円筒16をあまり長くすることはできない。従って、このような制約も考慮して、噴霧穴44から燃焼用空気流通穴52までの距離と、第1円筒16の長さとを(第1円筒16の要否も含めて)、適宜決定すればよい。
【0074】
第2円筒17は第1円筒16の内側に位置し、第1円筒16と同心円状に配設されている。なお、第2円筒17を設置する目的はプレート18の近傍に霧化液体燃料24のよどみ(対流)が生じるのを防ぐことにより、火炎がプレート18に接してプレート18に煤が付着するのを防止することである。そのためには第2円筒17はできるだけ下方に延長させたほうがよい。しかし、第2円筒17と霧化液体燃料24との干渉を避けるためには、第2円筒17の先端(下端)が、霧化液体燃料24の外形部24Aの外側(上側)に位置する必要がある。即ち、第2円筒17の先端(下端)も、霧化液体燃料24の外形部24Aまでしか延長することができない。
【0075】
例えば図1に記載するように二流体噴霧ノズル38の噴霧穴44から第2円筒17までの距離をL1とし、噴霧された液体燃料24の外形部24Aの水平線との角度をθとすると、二流体噴霧ノズル38(噴霧穴44)の先端(下端)から第2円筒17の先端(下端)までの長さL2は、0<L2≦L1tanθを満たす必要がある。なお、第2円筒17の全体の長さは、L2にプレート18の下面から二流体噴霧ノズル38(噴霧穴44)の先端(下端)までの長さを加えた長さとなる。なお、このような条件は二流体噴霧ノズル38(噴霧穴44)の先端(下端)から第2円筒17の先端(下端)までの長さや、第1円筒16の全体の長さについても同様である。二流体噴霧ノズル38の噴霧穴44から第2円筒16までの距離は、例えば噴霧穴44の穴径(例えば1mm程度)の50倍以上や60倍以上の距離とする。
【0076】
以上のように、本実施の形態例1の二流体噴霧バーナ11によれば、円筒状の側部20とこの側部20の下端に設けた底部21とを有し、液体燃料供給管25から供給された液体燃料24を貯留するとともにこの貯留した液体燃料24の液面よりも下方に位置して底部21に開けた液体燃料流出穴22から、前記貯留した液体燃料24を流出させる構成の液体燃料タンク19を備え、この液体燃料タンク19の液体燃料流出穴22から流出した液体燃料24を霧化用空気46で霧化して燃焼させる構成としたことにより、液体燃料24が液体燃料供給管24から液体燃料タンク19に間欠的に供給されるときでも、液体燃料タンク19の液体燃料流出穴22からは、液体燃料タンク19に貯留された液体燃料が連続的に流出することになる。即ち、液体燃料供給系統のポンプの供給流量が低下して、液体燃料供給管25から液体燃料タンク19へ液体燃料24が間欠的に供給されるときでも、液体燃料タンク19内に貯留される液体燃料24の液面23が多少上下に変動して、液体燃料流出穴22からの液体燃料24の流出流量が多少変動する程度であり、従来のような大きな液体燃料供給流量の変動にはならない。このため、液体燃料供給流量が低いときにも、液体燃料24の安定供給が可能になって、安定燃焼を確立することが容易になり、未燃排ガスの発生や失火を招くおそれがない。
【0077】
また、本実施の形態例1の二流体噴霧バーナ11によれば、液体燃料流出穴22から流出して二流体合流空間部43に流入した液体燃料22が、霧化用空気流路28を下方へと流れた後に霧化用空気導入部37で溝40を流れて二流体合流空間部43へと導かれた霧化用空気と、二流体合流空間部43で合流した後、この霧化用空気とともに噴霧穴44から噴霧される構成としたため、液体燃料24は溝40で流速を速めた(水平方向の速度成分が増加した)霧化用空気46と二流体合流空間部43でよく混合されてから、二流体噴霧ノズル38の噴霧穴44から噴射されることになる。このため、二流体合流空間部43や溝40を設けない場合に比べて、液体燃料24の噴霧の広がり角が大きくなり、液体燃料24が確実に霧化されるため、液体燃料24の燃焼性が向上する。
【0078】
また、本実施の形態例1の二流体噴霧バーナ11によれば、霧化用空気導入部37の溝40は、上面視において二流体合流空間部43の円周の接線方向に沿うように形成したことにより、二流体合流空間部43では霧化用空気46が旋回流となって液体燃料24と混合されるため、液体燃料24と霧化用空気46とが、より確実に混合される。このため、二流体噴霧ノズル38の噴霧穴44から噴射される液体燃料24を、より確実に霧化することができて当該液体燃料24の燃焼性をより向上させることができる。
【0079】
また、本実施の形態例1の二流体噴霧バーナ11によれば、霧化用空気導入部37の溝40は、二流体合流空間部43の中心軸回りに回転対称の位置関係となるように複数形成されているため、二流体噴霧ノズル38の噴霧穴44から噴霧された液体燃料24の周方向の分布量を均一にして、当該液体燃料24の燃焼性を向上させることができる。
【0080】
また、本実施の形態例1の二流体噴霧バーナ11によれば、液体燃料タンク19を下方に押圧するコイルばね36を備えることにより、液体燃料タンク19の底部21を、二流体噴霧ノズル38の霧化用空気導入部37に押し付けて密着させた構成としたため、燃料タンク19の底部21の下面21bと霧化用空気導入部37の上面37aとが密着することにより、これらの接触面21b,37a間に隙間ができるのを防止することができる。このため、霧化用空気46が溝40以外の部分を流れることを防止して、溝40による広域噴霧の効果を充分に発揮することができる。
【0081】
また、本実施の形態例1の二流体噴霧バーナ11によれば、二流体合流空間部43は逆円錐状であり、この逆円錐状の空間部43の頂点位置に噴霧穴44が形成されているため、二流体合流空間部43における液体燃料24と霧化用空気46との混合を、より確実に行うことができる。このため、噴霧穴44から噴霧する液体燃料24を、より確実に霧化して液体燃料24の燃焼性を更に向上させることができる。
【0082】
また、本実施の形態例1の二流体噴霧バーナ11によれば、噴霧器外筒27と、噴霧器外筒27の周囲を囲む気体燃料供給管47との間に形成した円筒状の気体燃料流路14を備え、気体燃料49は気体燃料流路14を下方へと流れ、気体燃料流路14の下端から噴射されて燃焼される構成としたことにより、円筒状の気体燃料流路14から噴射される気体燃料49は周方向に均一なものとなるため、燃焼性が向上し、例えば液体燃料24の供給量が少ないときなどには気体燃料49による保炎効果を発揮する。
【0083】
また、本実施の形態例1の二流体噴霧バーナ11において、液体燃料供給管25の先端部25Aが、液体燃料タンク19の側部20の内周面20aに接している場合には液体燃料供給管25からの液体燃料24の流出量が少ないときにも、液体燃料24は内周面20aを伝って流れ落ちるため、液体燃料流出穴22からの液体燃料24の流出を、より安定させることができる。即ち、液体燃料24が粒状になって落下すると、液体燃料タンク19内に貯留されている液体燃料24の液面23が大きく変動し、液面23が非常に低い場合には一時的に液体燃料流出穴22が露出して液体燃料24の流出が途絶えることも考えられるが、液体燃料24が液体燃料タンク19の内周面20aを伝って流れ落ちるようにすれば、かかる不具合の発生を防止することができる。
【0084】
更には、本実施の形態例1の二流体噴霧バーナ11によれば、燃焼用空気流路15を下方へと流れてきた燃焼用空気50が、プレート18で遮られてプレート18の外周側へと導かれることにより二流体噴霧ノズル38から遠ざけられ、燃焼用空気流通穴52を通過して燃焼空間部13に流入する構成としたため、燃焼空間部13では燃焼用空気50の一部だけが、二流体噴霧ノズル38から噴霧された液体燃料24と混合されて当該液体燃料24の燃焼に利用され、燃焼用空気50の残りは、更に下方へと流れ、前記燃焼によって発生した燃焼排ガスと混合されることになる。このため、1度(1段)の燃焼用空気供給により、燃焼用空気50と液体燃料24との適度な混合を達成することができて、火炎を冷却し過ぎることなく、大量の燃焼排ガスを発生させることができる。即ち、簡易な構成で大量の燃焼排ガスを発生させることができ、且つ、未燃ガスの発生や失火を招くおそれもない二流体噴霧バーナ等のバーナを実現することができる。
【0085】
また、プレート18によって燃焼用空気50を二流体噴霧ノズル38から離れた位置で燃焼空間部13に流入させるため、燃焼用空気50の一部が燃料に供給される位置を、プレート18から下方に遠ざけることができる。従って、火炎の位置もプレート18から下方に遠ざかることなり、プレート18の下面に煤が付着するのを防止することができる。プレート18の下面に付着する煤の量が多くなると、煤による二流体噴霧ノズル38の目詰まりや、火炎の輻射熱を煤が吸収することによる二流体噴霧器12の異常な加熱などの不具合を生じる可能性があるが、上記の如くプレート18の下面に煤が付着するのを防止することにより、かかる不具合の発生を未然に防ぐことができる。
【0086】
また、本実施の形態例1の二流体噴霧バーナ11によれば、プレート18の下面から下方に延びた燃焼用空気供給遅延用の第1円筒16を設けて、この第1円筒16とバーナ外筒48との間に燃焼用空気流通穴52に通じる円筒状の燃焼用空気流路53を形成し、燃焼用空気流通穴52を通過した燃焼用空気50が、燃焼用空気流路53を下方へと流れた後に燃焼用空気流路53の下端から、燃焼空間部13に流入する構成としたため、燃焼用空気50の一部が、二流体噴霧ノズル38から噴霧された液体燃料24に供給されるのを遅らせてことができる。即ち、燃焼用空気50の一部が液体燃料24に供給される位置を、プレート18から下方に遠ざけることができる。従って、火炎の位置もプレート18から下方に遠ざかることなり、プレート18の下面に煤が付着するのを防止することができる。
【0087】
なお、この燃焼用空気50の一部が液体燃料24に供給される位置をプレート18から下方に遠ざけるという作用効果は上記の如くプレート18を設けるだけでも得られるが、本実施の形態例1の如く、燃焼用空気供給遅延用の第1円筒16を設ければ、より確実に燃焼用空気50の一部が液体燃料24に供給される位置を、プレート18から下方に遠ざけることができる。
【0088】
また、二流体噴霧バーナ11の大きさの制約などから、プレート18をあまり大きくすることができずに二流体噴霧ノズル38から燃焼用空気流通穴52までの距離を充分にとることができない場合には、液体燃料24に供給される燃焼用空気50の一部の量が多くなり過ぎて、火炎が過度に冷却されてしまうおそれがある。これに対して本実施の形態例1の如く、燃焼用空気供給遅延用の第1円筒16を設ければ、燃焼用空気50の一部が液体燃料24に供給される位置をプレート18から下方に遠ざけることができるだけでなく、このときに液体燃料24に供給される燃焼用空気50の一部の量を低減して適切な量とすることもできる。従って、かかる観点からも本実施の形態例1の如く第1円筒16を設けることは有効であり、第1円筒16を設けることによってプレート18を小さくし、二流体噴霧バーナ11の小型化を図ることもできる。
【0089】
また、本実施の形態例1の二流体噴霧バーナ11によれば、プレート18の下面から下方に延びたよどみ防止用の第2円筒17を、燃焼用空気供給遅延用の第1円筒16の内側に設けたことにより、プレート18の下面近傍で液体燃料24のよどみ(対流)が生じるのをよどみ防止用の第2円筒17によって防ぐことができる。このため、プレート18の下面近傍でよどむ液体燃料24にも引火してプレート18の下面に煤が付着するのを、防止することができる。
【0090】
また、本実施の形態例1の二流体噴霧バーナ11によれば、バーナ外筒48によって火炎を囲うことにより、燃焼空間部13において火炎(噴霧した液体燃料24)と燃焼用空気50とをよく混合することができるため、燃焼性が向上する。
【0091】
<実施の形態例2>
図6(a)は本発明の実施の形態例2に係る二流体噴霧バーナにおける二流体噴霧器の下側部分の構成を示す縦断面図、図6(b)は前記二流体噴霧器に備えた二流体噴霧ノズルを抽出して示す上面図(図6(a)のE方向矢視図)である。
【0092】
図6に示すように、本実施の形態例2における二流体噴霧器12の二流体噴霧ノズル38では、霧化用空気導入部37の周方向の4箇所に溝(スリット)61が形成されている。これらの溝61は衝突型のものであり、上面視が円形状である二流体合流空間部43の径方向に沿い、且つ、二流体合流空間部43の中心軸(図示例では噴霧穴44の中心軸)回りに回転対称の位置関係(周方向に等間隔)となるように形成されている。
【0093】
この二流体噴霧器21では、霧化用空気流路28を下方へと流れてきた霧化用空気46が、二流体噴霧ノズル38において霧化用空気導入部37の溝61を流通することにより流速を速めた状態で二流体合流空間部43へと導入され、この二流体合流空間部43で液体燃料タンク19の液体燃料流出穴22から流出した液体燃料24と衝突するようにして合流(混合)する。その結果、液体燃料24と霧化用空気46とがよく混合され、液体燃料24は霧化用空気46によって霧化された状態で霧化用空気46とともに二流体噴霧ノズル38の噴霧穴44から、燃焼空間部13へと噴射される。
【0094】
なお、図6の二流体噴霧器12における他の部分の構成は、図4の二流体噴霧器12と同様である。また、本実施の形態例2の二流体噴霧バーナにおける二流体噴霧器以外の部分の構成についても、図1〜図3の二流体噴霧バーナ11と同様である。
【0095】
本実施の形態例2の二流体噴霧バーナによれば、次のような作用効果が得られ、また、その他、上記実施の形態例1と同様の作用効果も得られる。
【0096】
即ち、本実施の形態例2の二流体噴霧バーナによれば、霧化用気体導入部37の溝61は、上面視において二流体合流空間部43の径方向に沿うように形成したことにより、二流体合流空間部43では霧化用空気46が液体燃料24に衝突するようにして液体燃料24に混合されるため、液体燃料24と霧化用空気46とが、より確実に混合される。このため、二流体噴霧ノズル38の噴霧穴44から噴射される液体燃料24を、より確実に霧化することができて当該液体燃料24の燃焼性をより向上させることができる。
【0097】
しかも、霧化用気体導入部37の溝61は、二流体合流空間部43の中心軸回りに回転対称の位置関係となるように複数形成されているため、二流体噴霧ノズル38の噴霧穴44から噴霧された液体燃料24の周方向の分布量を均一にして、当該液体燃料24の燃焼性を向上させることができる。
【0098】
<実施の形態例3>
図7(a)は本発明の実施の形態例3に係る二流体噴霧バーナにおける二流体噴霧器の下側部分の構成を示す縦断面図、図7(b)は前記二流体噴霧器に備えた二流体噴霧ノズルを抽出して示す上面図(図7(a)のF方向矢視図)である。
【0099】
図7に示すように、本実施の形態例3の二流体噴霧器12では、液体燃料タンク19の底部21の内面(上面)21aが先細り(逆円錐状)のテーパ面となっており、中心(逆円錐状のテーパ面の頂点位置)に微細な液体燃料流出穴22が形成されている。そして、液体燃料タンク19の底部21の外面(下面)21bは、外側部分21b−1が先細り(逆円錐台状)のテーパ面となっており、内側部分21b−2が円形状の水平面となっている。
【0100】
一方、二流体噴霧ノズル38の霧化用空気導入部37は円環状に形成されており、且つ、内周面37bが先細り(逆円錐台状)のテーパ面となっている。そして、液体燃料タンク19は、その底部21の下面21bの外側部分21b−1(テーパ面部)が霧化用空気導入部37の内周面37b(テーパ面部)に嵌まり込むようにして当接した状態で、霧化用空気導入部37上に設置されている。この場合、コイルばね36(図4参照)によって液体燃料タンク19を下方に押圧することにより、液体燃料タンク19の底部21の下面21bの外側部分21b−1(テーパ面部)が霧化用空気導入部37の内周面37b(テーパ面部)に押し付けられて密着し、これらの接触面21b−1,37b間に隙間が生じるのを防止する。
【0101】
二流体噴霧ノズル38のノズル本体部39は、その中央部に逆円錐状の空間部(凹部)42が形成され、且つ、その中心(逆円錐状の空間部42の頂点位置)に微細な噴霧穴44が形成されている。霧化用空気導入部37の空間部41とノズル本体部39の空間部42は連続しており、これらの空間部41,42が二流体合流空間部43を構成している。即ち、二流体合流空間部43は平面視(上面視)が円形となっており、その径が噴霧穴44に向かうにしたがって徐々に小さくなる先細り構造となっている。霧化用空気導入部37には、その周方向の2箇所に溝(スリット)40が形成されている。これらの溝40は図5の溝40と同様の旋回型のものであり、上面視において二流体合流空間部43の円周の接線方向に沿い、且つ、互いに二流体合流空間部43の中心軸周りに回転対称の位置関係(周方向に等間隔)となっている。なお、霧化用空気導入部37に形成する溝は旋回型に限らず、図6と同様の衝突型のものであってもよい。
【0102】
図7の二流体噴霧器12における他の部分の構成は、図4の二流体噴霧器12と同様である。また、本実施の形態例3の二流体噴霧バーナにおける二流体噴霧器以外の部分の構成についても、図1〜図3の二流体噴霧バーナ11と同様である。
【0103】
本実施の形態例3の二流体噴霧バーナによれば、次のような作用効果が得られ、また、その他、上記実施の形態例1,2と同様の作用効果も得られる。
【0104】
即ち、本実施の形態例3の二流体噴霧バーナによれば、液体燃料タンク19は、液体燃料タンク19のテーパ面部(底部21の下面21bの外側部分21b−1)が霧化用気体導入部37のテーパ面部(内周面37b)に嵌まり込むようにして当接した状態で、霧化用気体導入部37上に設置されているため、液体燃料タンク19と二流体噴霧ノズル38の中心軸を合せることが容易である。従って、液体燃料タンク19の片寄りがなく、霧化用空気流路28の幅を周方向に均一にして、霧化用空気流路28における霧化用空気46の流れを前記周方向に均一にすることができるため、二流体噴霧ノズル38の噴霧穴44からの液体燃料24の噴霧の対称性(即ち火炎の対称性)を確保することができる。
【0105】
また、本実施の形態例3の二流体噴霧バーナでは、コイルばね36(図4参照)によって液体燃料タンク19を下方に押圧することにより、液体燃料タンク19の底部21を二流体噴霧ノズル38の霧化用空気導入部37に押し付けて、燃料タンク19の底部21のテーパ面部(外側部分21b−1)と霧化用空気導入部37のテーパ面部(内周面37b)とが密着することにより、これらの接触面21b−1,37b間に隙間ができるのを防止することができる。このため、霧化用空気46が溝40以外の部分を流れることを防止して、溝40による広域噴霧の効果を充分に発揮することができる。
【0106】
<実施の形態例4>
図8(a)は本発明の実施の形態例4に係る二流体噴霧バーナにおける二流体噴霧器の下側部分の構成を示す縦断面図(図8(b)のG−G線矢視の縦断面図)、図8(b)は前記二流体噴霧器に備えた液体燃料タンクを抽出して示す下面図(図8(a)のH方向矢視図)、図8(c)は図8(b)のI方向矢視図、図8(d)は図8(a)のJ−J線矢視の横断面図である。
【0107】
図8に示すように、本実施の形態例4の二流体噴霧器12では、液体燃料タンク19の底部21の内面(上面)21aが先細り(逆円錐状)のテーパ面となっており、中心(逆円錐状のテーパ面の頂点位置)に微細な液体燃料流出穴22が形成されている。また、液体燃料タンク19の底部21の外面(下面)21bは、外側部分21b−1が先細り(逆円錐台状)のテーパ面となっており、内側部分21b−2が円形状の水平面となっている。
【0108】
一方、二流体噴霧ノズル38は霧化用空気導入部(図7参照)を有しておらず、噴霧器外筒27の下端に噴霧器外筒27と一体に形成されている(別体ものを溶接などで固定してもよい)。二流体噴霧ノズル38は、内面(上面)38aが先細り(逆円錐状)のテーパ面となっている。このため、液体燃料タンク19は、その底部21の下面21bの外側部分21b−1(テーパ面部)が、二流体噴霧ノズル38の内面38a(テーパ面部)に嵌まり込むようにして当接した状態で二流体噴霧ノズル38上に設置されている。この場合、コイルばね36(図4参照)によって液体燃料タンク19を下方に押圧することにより、液体燃料タンク19の底部21の下面21bの外側部分21b−1(テーパ面部)が二流体噴霧ノズル38の内面38a(テーパ面部)に押し付けられて密着し、これらの接触面21b−1,38b間に隙間が生じるのを防止する。
【0109】
また、テーパ構造の内面38aによって二流体噴霧ノズル38の中央部に形成される逆円錐状の空間部が、二流体合流空間部43となっている。微細な噴霧穴44は、この二流体合流空間部43の中心(逆円錐状の空間部43の頂点位置)に形成されており、二流体合流空間部43に通じている。即ち、二流体合流空間部43は平面視(上面視)が円形となっており、その径が噴霧穴44に向かうにしたがって徐々に小さくなる先細り構造となっている。
【0110】
そして、液体燃料タンク19の底部21の下面21b側には、その周方向の2箇所に溝(スリット)71が形成されている。これらの溝71は旋回型のものであり、上面視において二流体合流空間部43の円周の接線方向に沿い、且つ、互いに二流体合流空間部43の中心軸周りに回転対称の位置関係(周方向に等間隔)となっている。
【0111】
従って、霧化用空気流路28を下方へと流れてきた霧化用空気46は、液体燃料タンク19の底部21において溝71を流通することにより流速を速めた状態で二流体合流空間部43へと導入され、この二流体合流空間部43で旋回流となって、液体燃料タンク19の液体燃料流出穴22から流出した液体燃料24と合流(混合)する。その結果、液体燃料24と霧化用空気46とがよく混合され、液体燃料24は霧化用空気46により霧化された状態で霧化用空気46とともに二流体噴霧ノズル38の噴霧穴44から、燃焼空間部13へと噴射される。
【0112】
なお、図8の二流体噴霧器12における他の部分の構成は、図4の二流体噴霧器12と同様である。また、本実施の形態例4の二流体噴霧バーナにおける二流体噴霧器以外の部分の構成についても、図1〜図3の二流体噴霧バーナ11と同様である。
【0113】
本実施の形態例3の二流体噴霧バーナによれば、次のような作用効果が得られ、また、その他、上記実施の形態例1と同様の作用効果も得られる。
【0114】
即ち、本実施の形態例4の二流体噴霧バーナによれば、液体燃料流出穴44から流出して二流体合流空間部43に流入した液体燃料24が、霧化用空気流路28を下方へと流れた後に液体燃料タンク19の底部21で溝71を流れて二流体合流空間部43へと導かれた霧化用空気46と、二流体合流空間部43で合流した後、この霧化用空気46とともに噴霧穴44から噴霧される構成としたことにより、液体燃料24が、溝71で流速を速めた(水平方向の速度成分が増加した)霧化用空気46と二流体合流空間部43でよく混合されて、噴霧穴44から噴霧される。このため、二流体合流空間部43や溝71を設けない場合に比べて、液体燃料24の噴霧の広がり角が大きくなり、液体燃料24が確実に霧化されるため、液体燃料24の燃焼性が向上する。
【0115】
更に、液体燃料タンク19は、液体燃料タンク19のテーパ面部(底部21の下面21bの外側部分21b−1)が二流体噴霧ノズル38のテーパ面部(内面38a)に嵌まり込むようして当接した状態で、二流体噴霧ノズル38上に設置されているため、液体燃料タンク19と二流体噴霧ノズル38の中心軸を合せることが容易である。従って、液体燃料タンク19の片寄りがなく、霧化用空気流路28の幅を周方向に均一にして、霧化用空気流路28における霧化用空気46の流れを前記周方向に均一にすることができるため、二流体噴霧ノズル38の噴霧穴44からの液体燃料24の噴霧の対称性(即ち火炎の対称性)を確保することができる。
【0116】
また、液体燃料タンク19の底部21の溝71は、上面視において二流体合流空間部43の円周の接線方向に沿うように形成したことにより、二流体合流空間部43では霧化用空気46が旋回流となって液体燃料24と混合されるため、液体燃料24と霧化用空気46とが、より確実に混合される。このため、二流体噴霧ノズル38の噴霧穴44から噴射される液体燃料24を、より確実に霧化することができて当該液体燃料24の燃焼性をより向上させることができる。
【0117】
また、液体燃料タンク19の底部21の溝71は、二流体合流空間部43の中心軸回りに回転対称の位置関係となるように複数形成されているため、二流体噴霧ノズル38の噴霧穴44から噴霧された液体燃料24の周方向の分布量を均一にして、当該液体燃料24の燃焼性を向上させることができる。
【0118】
また、本実施の形態例4の二流体噴霧バーナでは、コイルばね36(図4参照)によって液体燃料タンク19を下方に押圧することにより、液体燃料タンク19の底部21を二流体噴霧ノズル38に押し付けて、燃料タンク19の底部21のテーパ面部(外側部分21b−1)と二流体噴霧ノズル38のテーパ面部(内面38a)とが密着することにより、これらの接触面21b−1,38a間に隙間ができるのを防止することができる。このため、霧化用空気46が溝71以外の部分を流れることを防止して、溝71による広域噴霧の効果を充分に発揮することができる。
【0119】
<実施の形態例5>
図9(a)は本発明の実施の形態例5に係る二流体噴霧バーナにおける二流体噴霧器の下側部分の構成を示す縦断面図(図9(b)のK−K線矢視断面図)、図9(b)は前記二流体噴霧器に備えた液体燃料タンクを抽出して示す下面図(図9(a)のL方向矢視図)、図9(c)は図9(a)のM−M線矢視の横断面図である。
【0120】
図9に示すように、本実施の形態例5の二流体噴霧器12では、液体燃料タンク19の底部21の内面(上面)21aが先細り(逆円錐状)のテーパ面となっており、中心(逆円錐状のテーパ面の頂点位置)に微細な液体燃料流出穴22が形成されている。また、液体燃料タンク19の底部21の外面(下面)21bは、外側部分21b−1が先細り(逆円錐台状)のテーパ面となっており、内側部分21b−2が円形状の水平面となっている。
【0121】
一方、二流体噴霧ノズル38は霧化用空気導入部(図7参照)を有しておらず、噴霧器外筒27の下端に噴霧器外筒27と一体に形成されている(別体のものを溶接などで固定してもよい)。二流体噴霧ノズル38は、内面(上面)38aが先細り(逆円錐状)のテーパ面となっている。このため、液体燃料タンク19は底部21の下面21bの外側部分21b−1(テーパ面部)が、二流体噴霧ノズル38の内面38a(テーパ面部)に嵌まり込むようにして当接した状態で二流体噴霧ノズル38の上に設置されている。この場合、コイルばね36(図4参照)によって液体燃料タンク19を下方に押圧することにより、液体燃料タンク19の底部21の下面21bの外側部分21b−1(テーパ面部)が二流体噴霧ノズル38の内面38a(テーパ面部)に押し付けられて密着し、これらの接触面21b−1,38b間に隙間が生じるのを防止する。
【0122】
また、テーパ構造の内面38aによって二流体噴霧ノズル38の中央部に形成される逆円錐状の空間が、二流体合流空間部43となっている。微細な噴霧穴44は、この二流体合流空間部43の中心(逆円錐状の空間部43の頂点位置)に形成されており、二流体合流空間部43に通じている。即ち、二流体合流空間部43は平面視(上面視)が円形となっており、その径が噴霧穴44に向かうにしたがって徐々に小さくなる先細り構造となっている。
【0123】
そして、液体燃料タンク19の底部21の下面21b側には、その周方向の4箇所に溝(スリット)81が形成されている。これらの溝81は衝突型のものであり、上面視において二流体合流空間部43の径方向に沿い、且つ、二流体合流空間部43の中心軸回りに回転対称の位置関係(周方向に等間隔)となるように形成されている。
【0124】
従って、霧化用空気流路28を下方へと流れてきた霧化用空気46は、液体燃料タンク19の底部21において溝81を流通することにより流速を速めた状態で二流体合流空間部43へと導入され、この二流体合流空間部43で液体燃料タンク19の液体燃料流出穴22から流出した液体燃料24と衝突するようにして合流(混合)する。その結果、液体燃料24と霧化用空気46とがよく混合され、液体燃料24は霧化用空気46によって霧化された状態で霧化用空気46とともに二流体噴霧ノズル38の噴霧穴44から、燃焼空間部13へと噴射される。
【0125】
なお、図9の二流体噴霧器12における他の部分の構成は、図4の二流体噴霧器12と同様である。また、本実施の形態例5の二流体噴霧バーナにおける二流体噴霧器以外の部分の構成についても、図1〜図3の二流体噴霧バーナ11と同様である。
【0126】
本実施の形態例5の二流体噴霧バーナによれば、次のような上記実施の形態例4と同様の作用効果が得られ、また、その他、上記実施の形態例1と同様の作用効果も得られる。
【0127】
即ち、本実施の形態例5の二流体噴霧バーナによれば、液体燃料流出穴44から流出して二流体合流空間部43に流入した液体燃料24が、霧化用空気流路28を下方へと流れた後に液体燃料タンク19の底部21で溝81を流れて二流体合流空間部43へと導かれた霧化用空気46と、二流体合流空間部43で合流した後、この霧化用空気46とともに噴霧穴44から噴霧される構成としたことにより、液体燃料24が、溝81で流速を速めた(水平方向の速度成分が増加した)霧化用空気46と二流体合流空間部43でよく混合されて、噴霧穴44から噴霧される。このため、二流体合流空間部43や溝81を設けない場合に比べて、液体燃料24の噴霧の広がり角が大きくなり、液体燃料24が確実に霧化されるため、液体燃料24の燃焼性が向上する。
【0128】
更に、液体燃料タンク19は、液体燃料タンク19のテーパ面部(底部21の下面21bの外側部分21b−1)が二流体噴霧ノズル38のテーパ面部(内面38a)に嵌まり込むようして当接した状態で、二流体噴霧ノズル38上に設置されているため、液体燃料タンク19と二流体噴霧ノズル38の中心軸を合せることが容易である。従って、液体燃料タンク19の片寄りがなく、霧化用空気流路28の幅を周方向に均一にして、霧化用空気流路28における霧化用空気46の流れを前記周方向に均一にすることができるため、二流体噴霧ノズル38の噴霧穴44からの液体燃料24の噴霧の対称性(即ち火炎の対称性)を確保することができる。
【0129】
また、液体燃料タンク19の底部21の溝81は、上面視において二流体合流空間部43の円周の接線方向に沿うように形成したことにより、二流体合流空間部43では霧化用空気46が旋回流となって液体燃料24と混合されるため、液体燃料24と霧化用空気46とが、より確実に混合される。このため、二流体噴霧ノズル38の噴霧穴44から噴射される液体燃料24を、より確実に霧化することができて当該液体燃料24の燃焼性をより向上させることができる。
【0130】
また、液体燃料タンク19の底部21の溝81は、二流体合流空間部43の中心軸回りに回転対称の位置関係となるように複数形成されているため、二流体噴霧ノズル38の噴霧穴44から噴霧された液体燃料24の周方向の分布量を均一にして、当該液体燃料24の燃焼性を向上させることができる。
【0131】
また、本実施の形態例4の二流体噴霧バーナでは、コイルばね36(図4参照)によって液体燃料タンク19を下方に押圧することにより、液体燃料タンク19の底部21を二流体噴霧ノズル38に押し付けて、燃料タンク19の底部21のテーパ面部(外側部分21b−1)と二流体噴霧ノズル38のテーパ面部(内面38a)とが密着することにより、これらの接触面21b−1,38a間に隙間ができるのを防止することができる。このため、霧化用空気46が溝81以外の部分を流れることを防止して、溝81による広域噴霧の効果を充分に発揮することができる。
【0132】
<実施の形態例6>
図10(a)は本発明の実施の形態例6に係る二流体噴霧バーナにおける二流体噴霧器の下側部分の構成を示す縦断面図、図10(b)は図10(a)のL−L線矢視の横断面図である。
【0133】
図10に示すように、本実施の形態例6の二流体噴霧器12では、液体燃料タンク19の底部21の内面(上面)21aが先細り(逆円錐状)のテーパ面となっており、中心(逆円錐状のテーパ面の頂点位置)に微細な液体燃料流出穴22が形成されている。また、液体燃料タンク19の底部21の外面(下面)21bも、先細り(逆円錐台状)のテーパ面となっている。一方、二流体噴霧ノズル38は霧化用空気導入部(図7参照)を有しておらず、噴霧器外筒27の下端に噴霧器外筒27と一体に形成されている(別体ものを溶接などで固定してもよい)。二流体噴霧ノズル38は、内面(上面)38aが先細り(逆円錐状)のテーパ面となっている。
【0134】
液体燃料タンク19の側部20の外周面20bの下端部には、複数(図示例では4つ)の支持部91が突設されている。これらの支持部91は側部20の周方向に等間隔で設けられており、下面91aの外側部分91a−1が、二流体噴霧ノズル38の内面38aに沿って内側に傾斜したテーパ面となっている。従って、液体燃料タンク19は支持部91の下面91aの外側部分91a−1が、二流体噴霧ノズル38の内面38aに嵌まり込むようにして当接した状態で支持されており、その結果、液体燃料タンク19の底部21の外面21aと、二流体噴霧ノズル38の内面38aとの間には先細り(逆円錐台状)の隙間が確保され、この隙間が霧化用空気流路92となっている。即ち、外側の第1の霧化用空気流路28と内側の二流体合流空間部43は、第2の霧化用空気流路92を介して連通されている。
【0135】
二流体合流空間部43は、テーパ構造の内面38aによって二流体噴霧ノズル38の中央部に形成された逆円錐状の空間である。微細な噴霧穴44は、この二流体合流空間部43の中心(逆円錐状の空間部43の頂点位置)に形成されており、二流体合流空間部43に通じている。即ち、二流体合流空間部43は液体燃料流出穴22の下方に位置し、平面視(上面視)が円形となっており、その径が噴霧穴44に向かうにしたがって徐々に小さくなる先細り構造となっている。
【0136】
霧化用空気流路28を下方へと流れてきた霧化用空気46は、支持部91の間の霧化用空気流通部93を通過し、霧化用空気流路92を流通して、二流体合流空間部43へと導入され、この二流体合流空間部43で液体燃料タンク19の液体燃料流出穴22から流出した液体燃料24と衝突するようにして合流(混合)する。その結果、液体燃料24は霧化用空気46により霧化された状態で霧化用空気46とともに二流体噴霧ノズル38の噴霧穴44から、燃焼空間部13へと噴射される。
【0137】
なお、図10の二流体噴霧器12における他の部分の構成は、図4の二流体噴霧器12と同様である。また、本実施の形態例6の二流体噴霧バーナにおける二流体噴霧器以外の部分の構成についても、図1〜図3の二流体噴霧バーナ11と同様である。
【0138】
本実施の形態例6の二流体噴霧バーナによれば、次のような作用効果が得られ、また、その他、上記実施の形態例1と同様の作用効果も得られる。
【0139】
即ち、本実施の形態例6の二流体噴霧バーナによれば、液体燃料流出穴22から流出して二流体合流空間部43に流入した液体燃料24が、第1の霧化用気体流路28を下方へと流れた後に支持部91の間の霧化用空気流通部93を通過し、第2の霧化用空気流路92を流れて二流体合流空間部43へと導かれた霧化用空気46と、二流体合流空間部43で合流した後、この霧化用空気46とともに噴霧穴44から噴霧される構成としたことにより、液体燃料タンク19の液体燃料流出穴22から流出した液体燃料24が、霧化用空気46と二流体合流空間部43で混合された後に二流体噴霧ノズル38の噴霧穴44から噴射される。このため、二流体合流空間部43を設けない場合に比べて、液体燃料24の噴霧の広がり角が大きくなり、液体燃料24が確実に霧化されるため、液体燃料の燃焼性が向上する。
【0140】
<実施の形態例7>
図11は本発明の実施の形態例7に係る二流体噴霧バーナの構成を示す縦断面図、図12は図11のM−M線矢視の横断面図である。
【0141】
図11及び図12に示すように、本実施の形態例7の二流体噴霧バーナではプレート18を多孔板としている。即ち、円環状のプレート18には複数の燃焼用空気流通穴101が形成されている。これらの燃焼用空気流通穴101は何れも、燃焼用空気流通穴52(第1円筒16)よりも内側に設けられている。従って、燃焼用空気流路15を下方へと流れてきた燃焼用空気50は、主にプレート19の外周側の燃焼用空気流通穴52を通過して第1円筒16の外側の燃焼用空気流路53を流通した後に燃焼空間部13へ流入するが、一部が第1円筒16の内側で燃焼用空気流通穴101を通って燃焼空間部13に流入する。
【0142】
なお、図11及び図12の二流体噴霧バーナ11における他の部分の構成は、図1〜図3の二流体噴霧バーナ11と同様である。
【0143】
本実施の形態例7の二流体噴霧バーナによれば、次のような作用効果が得られ、また、その他、上記実施の形態例1と同様の作用効果も得られる。
【0144】
即ち、本実施の形態例7の二流体噴霧バーナによれば、プレート18には、燃焼用空気流通穴52よりも内側に他の複数の燃焼用空気流通穴101を形成したことにより、燃焼用空気50の一部が、これらの燃焼用空気流通穴101も通るため、当該燃焼用空気50の流れによってプレート18の下面近傍に燃焼用空気のよどみ流が発生するのを抑制することができ、プレート18の下面に煤が付着するのを抑制することができる。また、他の燃焼用空気流通穴101を介して二流体噴霧ノズル38の近傍を低温の燃焼用空気が流れるため、この燃焼用空気によって火炎の輻射熱で過熱されやすい二流体噴霧ノズル38を冷却することができるという効果も得られる。
【0145】
<実施の形態例8>
図13は本発明の実施の形態例8に係る燃料電池発電システムの概要を示す系統図である。図13には上記実施の形態例1〜7の何れかの二流体噴霧バーナを、燃料電池発電システムにおける改質器の熱源として用いた場合の例を示している。
【0146】
図13に示すように、改質器111の上部には燃焼炉112が設けられており、この燃焼炉112の上から上記実施の形態例1〜7の何れかの二流体噴霧バーナ11が挿入されている。二流体噴霧バーナ11には図示しない液体燃料供給系、霧化用空気供給系、燃焼用空気供給系が接続されている。なお、二流体噴霧バーナ11の詳細については上記のとおりである。
【0147】
改質器111には図示しない原料供給系が接続されており、この原料供給系から改質用の原料としてメタンガスや灯油などの改質用燃料と、水とが供給される。そして、改質器111では、二流体噴霧バーナ11での燃焼によって発生する大量の燃焼排ガスの熱を利用して、前記改質用燃料を水蒸気改質することにより、改質ガス(水素リッチガス)を生成する。
【0148】
改質器11で生成された改質ガスは、発電用の燃料として燃料電池113のアノード側に供給される。燃料電池113では、このアノード側に供給された改質ガス(水素)と、カソード側に供給された空気(酸素)とを電気化学的に反応させることより、発電を行う。燃料電池113で発電に使用されなかった残余の改質ガスは、二流体噴霧バーナ11へ戻され、ここでバーナ燃焼用の気体燃料として利用される。
【0149】
本実施の形態例8の燃料電池発電システムによれば、上記実施の形態例1〜7の何れかの二流体噴霧バーナ11を、改質器111の熱源として用いたため、二流体噴霧バーナ11が上記のような優れた効果を発揮することにより、改質器111の性能向上やコスト低減などを図ることができる。
【0150】
なお、上記では液体燃料タンク19に液体燃料流出穴22を1つだけ設けているが、これに限定するものではなく、複数の液体燃料タンク22を設けてもよい。
【0151】
また、上記では液体燃料タンクの底部に液体燃料流出穴を設けたが、必ずしもこれに限定するものではなく、液体燃料タンクの側部に液体燃料流出穴を設けてもよい。即ち、液体燃料タンクは筒状の側部とこの側部の下端に設けた底部とを有し、液体燃料供給管から供給された液体燃料を貯留するとともにこの貯留した液体燃料の液面よりも下方に位置して側部又は底部に開けた1つ又は複数の液体燃料流出穴から、前記貯留した液体燃料を流出させる構成であればよい。
【0152】
また、上記では液体燃料タンクを噴霧器外筒内に設けているが、必ずしもこれに限定するものではなく、例えば噴霧器外筒の外に液体燃料タンクを設けて、液体燃料タンクの液体燃料流出穴から流出した液体燃料を、配管などを介して霧化用気体との合流空間部に供給するような構成としてもよい。
【0153】
また、上記では液体燃料タンクの上端側を開放して霧化用空気流路に流入する霧化用空気の圧力が液体燃料タンク内に貯留されている液体燃料の液面にも作用する構成としているが、必ずしもこれに限定するものではなく、例えば液体燃料タンクの上端側を大気開放するようにしてもよい。即ち、液体燃料タンクの内部と外部(二流体合流空間部)との圧力バランスにより、液体燃料供給管から流出した液体燃料が一旦、液体燃料タンク内に貯留されて当該液体燃料の液柱ヘッドが生じることより、この貯留された液体燃料が液体燃料流出穴から連続的に流出する構成となっていればよい。
【0154】
また、上記では溝を旋回型では2つ、衝突型では4つ設けているが、これに限定するものでなく適宜の数とすることができる。但し、液体燃料の噴霧量の周方向の分布の均一性を確保するためには、旋回型では溝の数を2つ以上とし、衝突型では溝の数を3つ以上とすることが望ましい。
【0155】
また、上記の如くプレート(遮板)、燃焼用空気供給遅延用の第1円筒、よどみ防止用の第2円筒などを設けるという構成(発明)は、上記のような液体燃料と霧化用気体を噴射する二流体噴霧器を燃料噴射器として備えた二流体噴霧バーナに限らず、液体燃料のみを噴射する燃料噴射器や気体燃料を噴射する燃料噴射器を備えたバーナにも適用することができる。
【0156】
また、上記ではプレート(遮板)の外周に突起を形成することよってプレート(遮板)の外周側に燃焼用空気流通穴を設けているが、これに限定するものではなく、プレート(遮板)の外周側に燃焼用空気流通穴が設けられていればよく、例えばプレート(遮板)自体の周縁部に穴を開けることによって、プレートの外周側に燃焼用空気流通穴を設けるようにしてもよい。
【0157】
また、上記ではプレート(遮板)を水平な板としているが、これに限定するものではなく、プレート(遮板)は内側から外側に向かって斜め下方に傾斜していてもよい。例えば、図11に一点鎖線で仮想的に図示するようにプレート18を円錐台状にしてもよい。この傾斜したプレートの場合には、燃焼用空気を燃料噴射ノズル(二流体噴霧ノズル38)から遠ざけるだけでなく、燃焼用空気の供給を遅延させるという第1円筒と同様の機能も発揮することになる。
【産業上の利用可能性】
【0158】
本発明は液体燃料を霧化用気体で霧化した状態で燃焼させる二流体噴霧バーナに関するものであり、例えば液体燃料の供給流量が少ない状態でも使用されることがある燃料電池発電システムの改質器用の二流体噴霧バーナに適用して有用なものである。
【図面の簡単な説明】
【0159】
【図1】本発明の実施の形態例1に係る二流体噴霧バーナの構成を示す縦断面図である。
【図2】図1のA−A線矢視の横断面図である。
【図3】図1のB−B線矢視の横断面図である。
【図4】(a)は図1の二流体噴霧バーナに備えた二流体噴霧器を抽出して示す拡大縦断面図、(b)は(a)のC−C線矢視の横断面図である。
【図5】(a)は前記二流体噴霧器の下側部分を拡大して示す縦断面図、(b)は前記二流体噴霧器に備えた二流体噴霧ノズルを抽出して示す上面図((a)のD方向矢視図)である。
【図6】(a)は本発明の実施の形態例2に係る二流体噴霧バーナにおける二流体噴霧器の下側部分の構成を示す縦断面図、(b)は前記二流体噴霧器に備えた二流体噴霧ノズルを抽出して示す上面図((a)のE方向矢視図)である。
【図7】(a)は本発明の実施の形態例3に係る二流体噴霧バーナにおける二流体噴霧器の下側部分の構成を示す縦断面図、(b)は前記二流体噴霧器に備えた二流体噴霧ノズルを抽出して示す上面図((a)のF方向矢視図)である。
【図8】(a)は本発明の実施の形態例4に係る二流体噴霧バーナにおける二流体噴霧器の下側部分の構成を示す縦断面図((b)のG−G線矢視の縦断面図)、(b)は前記二流体噴霧器に備えた液体燃料タンクを抽出して示す下面図((a)のH方向矢視図)、(c)は(b)のI方向矢視図、(d)は(a)のJ−J線矢視の横断面図である。
【図9】(a)は本発明の実施の形態例5に係る二流体噴霧バーナにおける二流体噴霧器の下側部分の構成を示す縦断面図((b)のK−K線矢視断面図)、(b)は前記二流体噴霧器に備えた液体燃料タンクを抽出して示す下面図((a)のL方向矢視図)、(c)は(a)のM−M線矢視の横断面図である。
【図10】(a)は本発明の実施の形態例6に係る二流体噴霧バーナにおける二流体噴霧器の下側部分の構成を示す縦断面図、(b)は(a)のL−L線矢視の横断面図である。
【図11】本発明の実施の形態例7に係る二流体噴霧バーナの構成を示す縦断面図である。
【図12】図11のM−M線矢視の横断面図である。
【図13】本発明の実施の形態例8に係る燃料電池発電システムの概要を示す系統図である。
【図14】(a)は従来の二流体噴霧バーナにおいて液体燃料供給管の先端部から液体燃料が間欠的に流出する様子を示す図、(b)は従来の二流体噴霧バーナにおいて液体燃料の供給流量が大きく変動する様子を示す図である。
【符号の説明】
【0160】
11 二流体噴霧バーナ
12 二流体噴霧器
13 燃焼空間部
14 気体燃料流路
15 燃焼用空気流路
16 第1円筒
17 第2円筒
18 プレート
19 液体燃料タンク
20 側部
20a 内周面
20b 外周面
21 底部
21a 内面(上面)
21b 外面(下面)
21b−1 外側部分
21b−2 内側部分
22 液体燃料流出穴
23 液面
24 液体燃料
24A 外形部
25 液体燃料供給管
25A 先端部(下端部)
26 ワッシャ
27 噴霧器外筒
27A 下端部
27B 上端部
28 霧化用空気流路
29 空気流入穴
30 霧化用空気供給管
30A 先端部
31 キャップ
32,33 ネジ部
31A 下部
31B 段部
34 Oリング
35 ワッシャ
36 コイルばね
37 霧化用気体導入部
37a 上面
37b 内周面
38 二流体噴霧ノズル
38a 内面(上面)
39 ノズル本体部
40 溝
41 空間部
42 空間部(凹部)
43 二流体合流空間部
44 噴霧穴
45 隙間
46 霧化用空気
47 気体燃料供給管
48 バーナ外筒
48a 内周面
49 気体燃料
50 燃焼用空気
51 突起
52 燃焼用空気流通穴
53 燃焼用空気流路
54 点火プラグ
61 溝
81 溝
91 支持部
91a 下面
91a−1 外側部分
92 霧化用空気流路
93 霧化用空気流通部
101 燃焼用空気流通穴
111 改質器
112 燃焼炉
113 燃料電池

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体燃料を霧化用気体で霧化して燃焼させる二流体噴霧バーナにおいて、
筒状の側部とこの側部の下端に設けた底部とを有し、液体燃料供給管から供給された液体燃料を貯留するとともにこの貯留した液体燃料の液面よりも下方に位置して前記側部又は前記底部に開けた1つ又は複数の液体燃料流出穴から、前記貯留した液体燃料を流出させる構成の液体燃料タンクを備え、
この液体燃料タンクの前記液体燃料流出穴から流出した液体燃料を前記霧化用気体で霧化して燃焼させる構成としたことを特徴とする二流体噴霧バーナ。
【請求項2】
請求項1に記載の二流体噴霧バーナにおいて、
前記液体燃料流出穴は前記液体燃料タンクの底部に開けられており、
前記液体燃料タンクの側部とこの側部の周囲を囲む外筒との間に形成した筒状の霧化用気体流路と、
前記外筒の下端部に設けられ、下側のノズル本体部と上側の霧化用気体導入部とを有し、前記液体燃料流出穴の下方に位置する二流体合流空間部を前記ノズル本体部及び前記霧化用気体導入部の中央部に形成し、この二流体合流空間部に通じる1つ又は複数の噴霧穴を前記ノズル本体部に形成し、且つ、前記霧化用気体流路と前記二流体合流空間部とを連通する1つ又は複数の溝を前記霧化用気体導入部に形成した構成の二流体噴霧ノズルと、
を備え、
前記液体燃料タンクは前記霧化用気体導入部上に設置し、
前記液体燃料流出穴から流出して前記二流体合流空間部に流入した液体燃料が、前記霧化用気体流路を下方へと流れた後に前記霧化用気体導入部で前記溝を流れて前記二流体合流空間部へと導かれた霧化用気体と、前記二流体合流空間部で合流した後、この霧化用気体とともに前記噴霧穴から噴霧される構成としたことを特徴とする二流体噴霧バーナ。
【請求項3】
請求項2に記載の二流体噴霧バーナにおいて、
前記液体燃料タンクの底部の下面には先細りのテーパ面部を形成し、
且つ、前記霧化用気体導入部の上面にも先細りのテーパ面部を形成しており、
前記液体燃料タンクは、前記液体燃料タンクのテーパ面部が前記霧化用気体導入部のテーパ面部に嵌まり込むようにして当接した状態で、前記霧化用気体導入部上に設置されていることを特徴とする二流体噴霧バーナ。
【請求項4】
請求項1に記載の二流体噴霧バーナにおいて、
前記液体燃料流出穴は前記液体燃料タンクの底部に開けられており、
前記液体燃料タンクの側部とこの側部の周囲を囲む外筒との間に形成した筒状の霧化用気体流路と、
前記外筒の下端部に設けられ、前記液体燃料流出穴の下方に位置する二流体合流空間部を中央部に形成し、且つ、この二流体合流空間部に通じる1つ又は複数の噴霧穴を形成した構成の二流体噴霧ノズルと、
を備え、
前記液体燃料タンクの底部の下面には先細りのテーパ面部を形成し、
且つ、前記二流体噴霧ノズルの上面にも先細りのテーパ面部を形成しており、
前記液体燃料タンクは、前記液体燃料タンクのテーパ面部が前記二流体噴霧ノズルのテーパ面部に嵌まり込むようして当接した状態で、前記二流体噴霧ノズル上に設置され、
前記液体燃料タンクの底部には、前記霧化用気体流路と前記二流体合流空間部とを連通する1つ又は複数の溝を形成し、
前記液体燃料流出穴から流出して前記二流体合流空間部に流入した液体燃料が、前記霧化用気体流路を下方へと流れた後に前記液体燃料タンクの底部で前記溝を流れて前記二流体合流空間部へと導かれた霧化用気体と、前記二流体合流空間部で合流した後、この霧化用気体とともに前記噴霧穴から噴霧される構成としたことを特徴とする二流体噴霧バーナ。
【請求項5】
請求項2〜4の何れか1項に記載の二流体噴霧バーナにおいて、
前記二流体合流空間部は上面視が円形状であり、
前記霧化用気体導入部の溝又は前記液体燃料タンクの底部の溝は、上面視において前記二流体合流空間部の円周の接線方向に沿うように形成したことを特徴とする二流体噴霧バーナ。
【請求項6】
請求項2〜4の何れか1項に記載の二流体噴霧バーナにおいて、
前記二流体合流空間部は上面視が円形状であり、
前記霧化用気体導入部の溝又は前記液体燃料タンクの底部の溝は、上面視において前記二流体合流空間部の径方向に沿うように形成したことを特徴とする二流体噴霧バーナ。
【請求項7】
請求項5又は6に記載の二流体噴霧バーナにおいて、
前記霧化用気体導入部の溝又は前記液体燃料タンクの底部の溝は、前記二流体合流空間部の中心軸回りに回転対称の位置関係となるように複数形成されていることを特徴とする二流体噴霧バーナ。
【請求項8】
請求項2〜7に記載の二流体噴霧バーナにおいて、
前記液体燃料タンクを下方に押圧する押圧部材を備えることにより、
前記液体燃料タンクの底部を、前記二流体噴霧ノズルの霧化用空気導入部に押し付けて密着させた構成としたこと、
又は、前記液体燃料タンクの底部を、前記二流体噴霧ノズルに押し付けて密着させた構成としたこと、
を特徴とする二流体噴霧バーナ。
【請求項9】
請求項1に記載の二流体噴霧バーナにおいて、
前記液体燃料流出穴は前記液体燃料タンクの底部に開けられており、
前記液体燃料タンクの側部とこの側部の周囲を囲む外筒との間に形成した筒状の第1の霧化用気体流路と、
前記外筒の下端部に設けられ、前記液体燃料流出穴の下方に位置する二流体合流空間部を中央部に形成し、且つ、この二流体合流空間部に通じる1つ又は複数の噴霧穴を形成した構成の二流体噴霧ノズルと、
を備え、
前記二流体噴霧ノズルの上面には先細りのテーパ面部を形成し、
前記液体燃料タンクの底部の下面にも先細りのテーパ面部を形成し、
前記液体燃料タンクの側部には複数の支持部を突設し、且つ、これらの支持部の下面にもテーパ面部を形成しており、
前記液体燃料タンクは、前記支持部のテーパ面部が前記二流体噴霧ノズルのテーパ面部に嵌まり込むようにして当接した状態で、前記二流体噴霧ノズル上に設置され、
前記支持部によって、前記液体燃料タンクのテーパ面部と前記二流体噴霧ノズルのテーパ面部との間に確保した隙間を、第2の霧化用気体流路とし、
前記液体燃料流出穴から流出して前記二流体合流空間部に流入した液体燃料が、前記第1の霧化用気体流路を下方へと流れた後に前記支持部の間の霧化用気体流通部を通過し、前記第2の霧化用気体流路を流れて前記二流体合流空間部へと導かれた霧化用気体と、前記二流体合流空間部で合流した後、この霧化用気体とともに前記噴霧穴から噴霧される構成としたことを特徴とする二流体噴霧バーナ。
【請求項10】
請求項2〜9の何れか1項に記載の二流体噴霧バーナにおいて、
前記二流体合流空間部は逆円錐状であり、この逆円錐状の空間部の頂点位置に前記噴霧穴が形成されていることを特徴とする二流体噴霧バーナ。
【請求項11】
請求項2〜10の何れか1項に記載の二流体噴霧バーナにおいて、
前記外筒と、前記外筒の周囲を囲む気体燃料供給管との間に形成した筒状の気体燃料流路を備え、
気体燃料は、前記気体燃料流路を下方へと流れ、前記気体燃料流路の下端から噴射されて燃焼される構成としたことを特徴とする二流体噴霧バーナ。
【請求項12】
請求項1〜11の何れか1項に記載の二流体噴霧バーナにおいて、
前記液体燃料供給管の先端部が、前記液体燃料タンクの側部の内周面に接していることを特徴とする二流体噴霧バーナ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2008−45776(P2008−45776A)
【公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−219574(P2006−219574)
【出願日】平成18年8月11日(2006.8.11)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【出願人】(000004444)新日本石油株式会社 (1,898)
【Fターム(参考)】