説明

二軸延伸ポリアミド積層フィルム及びその製造方法

【課題】酸素バリア性が高く、EVOHの架橋反応に起因する架橋ゲルの発生が抑制され、更に各層間の接着強度が高く、層間で剥離しにくい性能と共に印刷抜けの問題がない二軸延伸ポリアミド積層フィルムを提供する。
【解決手段】ポリアミド層、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(B)層、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(A)層、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(B)層及びポリアミド層をこの順で有し、これらの層を共押出法にて積層してなるポリアミド積層フィルムであって、共重合体(A)のエチレン単位の含有比率が20〜30モル%であり、共重合体(B)のエチレン単位の含有比率が共重合体(A)のエチレン単位の含有比率より3モル%以上高く、かつ、流れ方向及びこれと直角な方向の各々に2〜5倍延伸されてなる二軸延伸ポリアミド積層フィルム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品や医療品などの包装用途に使用される二軸延伸ポリアミド積層フィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
ポリ−ε−カプロラクタム、ポリヘキサメチレンアジパミド等のポリアミドからなるフィルムは、引張強度、引裂強度、衝撃強度、耐熱性などの機械的特性に優れているが、ガスバリア性が不十分である。このためポリアミドフィルムとシーラントフィルムとを貼り合わせただけでは、高度の酸素ガスバリア性が要求される食品、医薬品などの包装用途に使用することができない。一方、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(以下「EVOH」ということがある)からなるフィルムは酸素ガスバリア性は優れているが機械的強度に劣る。このためEVOHフィルムとシーラントフィルムとを貼り合わせただけでは、包装用途に使用することができない。
【0003】
EVOHとしては現在工業的にはエチレン単位の含有比率が24〜48モル%のものが広く使用されている。EVOHはエチレン単位の含有比率が低いほど、つまりビニルアルコール単位の含有比率が高いほど酸素バリア性が高く内容物の保存性に優れるが、逆に押出工程等の樹脂加工時の熱安定性が悪くなる。従って押出加工性及び柔軟性が問題となる用途ではエチレン単位の含有比率が高いものが使用されている。
一般にEVOHは220℃程度の押出温度、口金温度で加工することが可能であるため、単層フィルムあるいは低融点樹脂との共押出においてはエチレン単位の含有比率が比較的に低いEVOHでも使用可能である。しかし二軸延伸フィルムとして最も汎用的なポリアミド6(融点225℃程度)との共押出共延伸フィルムを製造する場合、口金温度は250〜260℃程度に設定される。このためエチレン単位の含有比率が低いEVOHを使用した場合、口金内で少し滞留するだけでEVOHの架橋反応が起こり、架橋ゲルが発生してしまう。特に印刷適性が要求される薄膜のフィルム用途では架橋ゲルにより印刷抜けの問題が発生することもあり、品質管理上、架橋ゲルの混入防止については年々厳しくなっている。
【0004】
このようなポリアミドフィルムやEVOHフィルムの欠点を補完し合い、これらの特徴を生かした包装用フィルムとして、ポリアミド系樹脂からなるフィルムに、EVOHからなるガスバリア層を積層した積層フィルムが知られている(特許文献1、特許文献2)。
特許文献1は、ポリアミド層/EVOH層/ポリアミド層の3層構造の二軸延伸積層フィルムであって、押出機の口金の内部においてEVOH層をポリアミド層で包み込む構成のものを提案しているが、EVOHの架橋ゲル化を抑制するために、酸素バリア性の低い高融点のEVOHを使用せざるを得ない点が問題である。
特許文献2は、ポリアミド層/接着性樹脂層/EVOH層/接着性樹脂層/ポリアミド層の5層構造の二軸延伸積層フィルムであって、融点の低い接着性樹脂の層でEVOH層を挟んだ構成のものを提案しているが、このフィルムのEVOH層を構成する樹脂のエチレン含有量は高くて酸素バリア性は充分とは言えず、またポリアミド層/接着性樹脂層の層間接着強度も充分とは言えない。
【0005】
【特許文献1】特開2003−53833号公報
【特許文献2】特開平05−254063号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
即ち、従来は、ポリアミド層とEVOH層を積層した二軸延伸積層フィルムであって酸素バリア性が充分に高くかつEVOHの架橋反応に起因する架橋ゲルの発生が抑制されたものは見出されていなかった。また各層間の接着強度が高く層間で剥離しにくい性能と共に、印刷抜けの問題がないという性能を更に備えた二軸延伸積層フィルムも見出されていなかった。本発明は、このような性能を備えた二軸延伸ポリアミド積層フィルムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者等は前記課題が以下の発明(1)〜(10)によって解決されることを見出した。
(1)ポリアミド層、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(B)層、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(A)層、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(B)層及びポリアミド層をこの順で有し、これらの層を共押出法にて積層してなるポリアミド積層フィルムであって、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(A)のエチレン単位の含有比率が20〜30モル%であり、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(B)のエチレン単位の含有比率がエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(A)のエチレン単位の含有比率より3モル%以上高く、かつ、流れ方向及びこれと直角な方向の各々に2〜5倍延伸されてなる二軸延伸ポリアミド積層フィルム、
(2)エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(B)のエチレン単位の含有比率が30〜50モル%である前記(1)に記載の二軸延伸ポリアミド積層フィルム、
(3)(B)層/(A)層/(B)層からなる積層部全体の厚みに対する(A)層の厚みの比率が50〜99.9%である前記(1)又は(2)のいずれかに記載の二軸延伸ポリアミド積層フィルム、
(4) 二軸延伸ポリアミド積層フィルムの厚みに対するポリアミド層全体の厚みの比率が40〜95%である前記(1)〜(3)のいずれかに記載の二軸延伸ポリアミド積層フィルム、
(5)ポリアミド層を構成するポリアミドが210℃〜250℃の融点を有する前記(1)〜(4)のいずれかに記載の二軸延伸ポリアミド積層フィルム、
(6)ポリアミド層を構成するポリアミドがポリアミド6を主成分とする前記(1)〜(5)のいずれかに記載の二軸延伸ポリアミド積層フィルム、
(7)流れ方向及びこれと直角な方向の各々に2〜5倍延伸された後、95℃の熱水中に5分間浸漬した際の熱水収縮率が両方向ともに0.5〜5.0%となるように熱固定された前記(1)〜(6)のいずれかに記載の二軸延伸ポリアミド積層フィルム、
(8)23℃、相対湿度50%の条件下での酸素透過度が10ml/(m2・24hr・MPa)以下である前記(1)〜(7)のいずれかに記載の二軸延伸ポリアミド積層フィルム、
(9)基材フィルム上に前記(1)〜(8)のいずれかに記載の二軸延伸ポリアミド積層フィルムを有するフィルム、
(10)共押出法により、ポリアミド層、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(B)層、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(A)層、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(B)層及びポリアミド層をこの順で積層する工程、及び、得られた積層体を流れ方向及びこれと直角な方向の各々に2〜5倍延伸する工程を有するポリアミド積層フィルムの製造方法であって、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(A)のエチレン単位の含有比率が20〜30モル%であり、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(B)のエチレン単位の含有比率がエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(A)のエチレン単位の含有比率より3モル%以上高い二軸延伸ポリアミド積層フィルムの製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、酸素バリア性が高く、EVOHの架橋反応に起因する架橋ゲルの発生が抑制された二軸延伸ポリアミド積層フィルムが提供される。また各層間の接着強度が高く層間で剥離しにくい性能と共に、印刷抜けの問題がないという性能を更に備えた二軸延伸ポリアミド積層フィルムが提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の二軸延伸ポリアミド積層フィルム(以下「積層フィルム」ということがある)を詳細に説明する。
本発明の積層フィルムは、ポリアミド層、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(B)層、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(A)層、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(B)層及びポリアミド層の5層が積層されたフィルムである。
【0010】
以下、(A)層を構成するEVOHを「EVOH(A)」ということがあり、(B)層を構成するEVOHを「EVOH(B)」ということがある。
本発明において、EVOH(A)のエチレン単位の含有比率は、酸素バリア性の観点から20〜30モル%である。20モル%未満では酸素バリア性の湿度依存性が高くなり、高湿度下での酸素バリア性が著しく低下する。またフィルムの腰(剛性)も硬くなり、耐ゲルボフレックス適性が低下し、しごきによるピンホールが発生しやすくなるため軟包装用フィルムとしては好ましくない。逆に30モル%を超えると酸素バリア性が不足する。酸素バリア性を重視してEVOH層の厚みを厚くすると強度が低下しコストもアップするため好ましくない。この観点から、EVOH(A)のエチレン含有比率は好ましくは22〜29モル%、より好ましくは23〜27モル%である。
EVOHのエチレン単位の含有比率は、重水素化ジメチルスルホキシドを溶媒とした1H−NMR測定により得られるスペクトルから算出することができる。測定器としては、日本電子社製「JNM−GX−500型」等が挙げられる。
【0011】
EVOH(B)のエチレン単位の含有比率はEVOH(A)のエチレン単位の含有比率に比べて3モル%以上高いことが必要であり、5モル%以上高いことが好ましく、7モル%以上高いことがより好ましく、10モル%以上高いことが特に好ましい。これは熱安定性の悪いEVOH(A)を熱安定性の良好なEVOH(B)によって覆うことで、共押出時においてEVOH(A)が、融点の高いポリアミドを共押出するために高温に設定された口金に直接接触することを防止し、EVOHの架橋ゲルの発生を抑えるためである。その結果、架橋ゲルの少ない良好な外観の積層フィルムを得ることができる。
EVOH(B)のエチレン単位の含有比率(絶対値)は、30〜50モル%であることが好ましい。架橋ゲルの発生の抑制を考慮すると30モル%以上であることが好ましい。EVOH(A)層やポリアミド層との層間接着強度を考慮すると50モル%以下であることが好ましい。積層フィルムの層間接着強度は延伸により弱くなりやすいため、共押出時の層間接着強度は非常に強固であることが望まれる。この観点から、EVOH(B)のエチレン単位の含有比率は、より好ましくは31〜49モル%であり、更に好ましくは32〜48モル%である。
(A)層の両側に配置される2つの(B)層は、同一のEVOH(B)で形成することもでき、異なるEVOH(B)で形成することもできる。
また、EVOH(A)及びEVOH(B)のケン化度は、いずれも、好ましくは96%以上であり、より好ましくは99モル%以上である。EVOH中のエチレン単位の含有比率及びケン化度を上記範囲に保つことにより、本発明の積層フィルムは、良好な酸素バリア性を維持できるとともに、共押出性とフィルムの強度並びに層間接着強度を良好なものにすることができる。
【0012】
共押出時におけるEVOHの架橋ゲルの発生は、温度と時間に大きく影響を受ける。温度が高い程、また共押出時間が長い程、架橋しやすくなる。特に押出機から口金までの溶融状態にある区間において滞留部分が生じると、熱を長時間受けることとなり架橋ゲルが発生しやすくなる。したがってゲル化を抑制するためには、共押出時にEVOH(A)が高温部の口金に入る前に、熱安定性の良いEVOH(B)でEVOH(A)を包み込むことが有効である。
EVOH(A)をEVOH(B)で包み込む方法については特に限定されないが、口金上でフィードブロックを用いて包み込む方法や、押出機から口金へ導く導管中においてその中心部にEVOH(A)を円柱状に流し、その周りに同心円状にEVOH(B)を展開させて積層させる方法等が挙げられる。その後、マルチマニホールドダイを用いてポリアミドと積層し、ポリアミド層/EVOH(B)層/EVOH(A)層/EVOH(B)層/ポリアミド層の積層体を得ることができる。ポリアミドとEVOHの積層は、フィードブロック方式でも良いが、各層の厚み分布が良好なマルチマニホールド方式の方が酸素バリア性が安定するので好ましい。
【0013】
ポリアミド層を構成するポリアミドとしては、3員環以上のラクタム類の重合体、アミノ酸類の重合体、及び、ジカルボン酸類とジアミン類との重縮合体等を用いることができる。具体的には、例えば、γ−ブチロラクタム、δ−バレロラクタム、ε−カプロラクタム、エナントラクタム、ω−ラウリルラクタム等のラクタム類の重合体、6−アミノカプロン酸、7−アミノヘプタン酸、8−アミノオクタン酸、9−アミノノナン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸等のアミノ酸類の重合体、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、デカメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン、1,3−又は1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ビス(p−アミノシクロヘキシルメタン)等の脂環式ジアミン、m−又はp−キシリレンジアミン等の芳香族ジアミン等のジアミン類と、グルタル酸、アジピン酸、β−メチルアジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカメチレンジカルボン酸、ドデカメチレンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸等のジカルボン酸類との重縮合体、及びこれらの共重合体等が挙げられる。
【0014】
ポリアミドとしては、これらの中でもフィルム強度およびEVOH(B)との層間接着強度の点で、ε−カプロラクタム単位を含むものが好ましく、ε−カプロラクタム単位の含有量は好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上、特に好ましくは99質量%以上である。具体的には、例えば、ε−カプロラクタムの重合体としてのポリアミド6、ε−カプロラクタムとω−ラウリルラクタムとの共重合体としてのポリアミド6/12、ε−カプロラクタムとヘキサメチレンジアミンとアジピン酸との共重合体としてのポリアミド6/66、ε−カプロラクタムとヘキサメチレンジアミンとテレフタル酸との共重合体としてのポリアミド6/6T等が挙げられる。
ポリアミドの融点は210〜250℃が好ましい。積層フィルムの熱固定が容易で収縮率を低くでき、製袋加工を行うためのヒートシール時の伸びを抑制できる点を考慮すると、融点は210℃以上であることが好ましい。EVOH(B)のゲル化を抑制するためには、ポリアミドの融点は250℃以下であることが好ましい。この観点から、ポリアミドの融点はより好ましくは215℃〜245℃、さらに好ましくは218℃〜240℃である。融点220〜225℃程度のポリアミド6が特に好ましい。
ポリアミドとしては2種類以上のポリアミドを混合しても良いが、最も高い融点を持つものでも融点は250℃以下であることが好ましい。また2種類以上のポリアミドを混合した場合、含有量が最も多いポリアミドの融点が210〜250℃であることが好ましく、ポリアミド6を主成分(50質量%以上含有)とするものが好ましい。
(B)層の両側に配置される2つのポリアミド層は、同一のポリアミドで形成することもでき、異なるポリアミドで形成することもできる。
【0015】
本発明の積層フィルムの各層中には耐屈曲ピンホール改質のために柔軟改質剤を添加することができる。柔軟改質剤としては、ポリオレフィン類、ポリアミドエラストマー類、ポリエステルエラストマー類などが挙げられる。
上記のポリオレフィン類は、主鎖中にポリエチレン単位、ポリプロピレン単位を50質量%以上含むものであり、無水マレイン酸等でグラフト変性されたものも使用できる。ポリエチレン単位、ポリプロピレン単位以外の構成単位としては、酢酸ビニル、あるいはこの部分けん化物、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、あるいはこれらの部分金属中和物(アイオノマー類)、ブテン等の1−アルケン類、アルカジエン類、スチレンなどが挙げられる。これらの構成単位を複数含むものも使用できる。
また、ポリアミドエラストマー類は、ポリエーテルアミド、ポリエーテルエステルアミド等のポリアミド系ブロック共重合体に属するものである。アミド成分としてはポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド12等が例示され、エーテル成分としては、ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシ−1,2−プロピレングリコール等が例示されるが、ポリアミドとの相溶性、押出時の熱安定性、柔軟性改質効果の点からポリオキシテトラメチレングリコールとポリラウリルラクタム(ポリアミド12)を主成分とする共重合体が最も好ましい。また、任意成分としてドデカンジカルボン酸、アジピン酸、テレフタル酸等のジカルボン酸単位を少量含むものも使用できる。
ポリエステルエラストマー類としては、例えばポリブチレンテレフタレートとポリオキシテトラメチレングリコールを組み合わせたポリエーテル・エステルエラストマーや、ポリブチレンテレフタレートとポリカプロラクトンを組み合わせたポリエステル・エステルエラストマーなどが挙げられる。
これらの柔軟改質剤は単独でも2種類以上を混合しても使用できる。特に架橋ゲルの発生を防止する効果を考慮するとEVOH層に添加するよりはポリアミド層に添加することが好ましい。ポリアミド100質量部に対する柔軟改質剤の添加量は、0.5〜10質量部程度であり、好ましくは1〜9質量部、より好ましくは2〜8質量部、特に好ましくは3〜7質量部である。
【0016】
本発明の積層フィルムの厚みは8〜30μmであることが好ましい。積層フィルムの強度を考慮すると8μm以上であることが好ましく、コストを考慮すると30μm以下であることが好ましい。この観点から、厚みはより好ましくは10〜28μm、更に好ましくは12〜25μmである。
(B)層/(A)層/(B)層からなる積層部全体の厚みに対する(A)層の厚みの比率は50〜99.9%であることが好ましい。(B)層は(A)層を口金に触れさせない最低限の厚みがあれば良く、(A)層の厚み比率は酸素バリア性をより高くするために極力高くすることが好ましい。この観点から(A)層の上記比率はより好ましくは65〜99.7%、更に好ましくは75〜99.5%、特に好ましくは85〜99%である。実際の(A)層の厚み範囲は、好ましくは0.4〜18μm、より好ましくは1〜10μm、特に好ましくは1.5〜6μmである。また(B)層の合計の厚み範囲は、好ましくは0.02〜2μm、より好ましくは0.06〜1μm、特に好ましくは0.1〜0.6μmである。
また、二軸延伸ポリアミド積層フィルムの厚みに対するポリアミド層全体の厚みの比率が40〜95%であることが好ましい。充分なフィルム強度の確保、安定的な二軸延伸を考慮すると40%以上であること、酸素バリア性を考慮すると95%以下であることが好ましい。この観点からポリアミド層全体の厚み比率はより好ましくは50〜93%、さらに好ましくは60〜92%である。実際のポリアミド層の合計の厚み範囲は、好ましくは4〜28μm、より好ましくは6〜24μm、特に好ましくは8〜15μmである。
本発明の積層フィルムは、23℃、相対湿度50%の条件下における酸素透過度が10ml/(m2・24hr・MPa)以下であることが好ましい。酸素透過度は、より好ましくは8ml/(m2・24hr・MPa)以下、更に好ましくは5ml/(m2・24hr・MPa)以下である。酸素透過度は後述の方法で測定される。
【0017】
次に本発明の積層フィルムの製造方法を具体的に説明する。
原料のポリアミドおよびEVOHはいずれも吸湿性が大きい性質を有している。従って、原料を熱溶融し押出す際に、水蒸気やオリゴマーが発生しフィルム化を阻害することがあるので、これらの原料は、事前に乾燥して水分含有率を0.1質量%以下とすることが好ましい。なお、これら原料樹脂中には、前記柔軟改質剤の他に、滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、ブロッキング防止剤、安定剤、染料、顔料、無機質微粒子等の各種添加剤を、積層フィルムの性質に影響を与えない範囲で添加することができる。
【0018】
本発明の積層フィルムは、従来公知の方法により製造することができる。まず、ポリアミド、EVOH、必要に応じて柔軟改質剤等を原料として用いて、実質的に無定型で配向していない未延伸のフィルム(以下「積層未延伸フィルム」ということがある)を、共押出法で製造する。この積層未延伸フィルムの製造は、例えば、上記原料を各々3〜5台の押出機により溶融し、フラットダイまたは丸ダイで押出した後、急冷することによりフラット状またはチューブ状の積層未延伸フィルムとする共押出法により行われる。この時、EVOH(A)はEVOH(B)と合流するまではEVOH(A)の押出に最適な温度に保つことが大切である。必要以上に温度を上げるとEVOH(A)の架橋反応が起こり、ゲル化が促進され好ましくない。EVOH(B)と合流後は、EVOH(A)はEVOH(B)に完全に包み込まれ、流路の壁面には露出していないことが好ましい。EVOH(B)との合流後に、ポリアミドと合流する口金等の高温温度帯に導入されることが好ましい。EVOH(A)の合流前の流路の温度は200〜230℃程度であることが好ましい。一方、ポリアミドの流路の温度が240〜270℃程度であることが一般的であることから、この温度差がEVOH(A)のゲル化を促進させる可能性があるので、ゲル化を抑制することが重要である。
【0019】
次に、このようにして得られた積層未延伸フィルムを、フィルムの流れ方向(MD方向)、およびこれと直角な方向(TD方向)の二軸方向に通常2〜5倍、好ましくは各々2.5〜4.5倍、さらに好ましくは2.5〜4.0倍の範囲で延伸する。縦横方向の延伸倍率が、各々2倍より小さい時は、フィルムの強度が劣り、またEVOHの配向結晶による酸素バリア性能の向上効果が小さくなる。また縦横二軸方向の延伸倍率が各々5倍より大きい時は、延伸時に積層フィルムが裂けたり破断したりするおそれがある。
二軸延伸としては、テンター式逐次二軸延伸、テンター式同時二軸延伸、チューブラー式同時二軸延伸等、公知の延伸方法を採用できる。例えば、テンター式逐次二軸延伸方法の場合には、積層未延伸フィルムを50〜110℃程度の温度範囲に加熱し、ロール式縦延伸機によって縦方向に2〜5倍に延伸し、続いてテンター式横延伸機によって60〜140℃程度の温度範囲内で横方向に2〜5倍に延伸する。また、テンター式同時二軸延伸やチューブラー式同時二軸延伸方法の場合は、例えば、60〜130℃程度の温度範囲において縦横同時に2〜5倍に延伸する。
【0020】
上記方法により二軸延伸された二軸延伸積層フィルムは、引き続き熱処理されて、常温における寸法安定性が付与される。熱処理温度は、110℃を下限としてポリアミドの融点より2℃低い温度を上限とする範囲を選択するのがよく、これにより常温寸法安定性のよい、任意の熱収縮率を持った延伸フィルムを得ることができる。熱処理操作により、充分に熱固定された二軸延伸積層フィルムは、常法により冷却し巻きとることができる。
上記熱処理操作によって得られる二軸延伸積層フィルムの95℃の熱水中に5分間浸漬した際の熱水収縮率はMD方向、TD方向ともに0.5〜5.0%とすることが好ましい。熱水収縮率を大きくして積層フィルムの機械強度を向上させるためには熱処理温度は低い方が好ましい。印刷、ラミネート、製袋加工等の後加工の際にかけられる熱による収縮、印刷見当ズレ、ラミネートシワ、製袋品の歪み等の問題を抑制するためには熱処理温度は高い方が好ましい。この観点から、熱水収縮率は好ましくは0.8〜4.5%、さらに好ましくは1.0〜4.0%である。
【0021】
本発明の積層フィルムは通常、ポリエチレン等のポリオレフィン系のシーラントフィルム等、他の基材フィルムの上に積層して使用される。積層方法としてはドライラミネート法、押し出しラミネート法、ポリサンドラミネート法等が挙げられるが、他の基材フィルムとの接着強度を改善するため、積層フィルムの片面または両面にコロナ放電処理等の表面処理を施すことができる。
【実施例】
【0022】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。なお、評価は、8時間製膜した後に得られた積層未延伸フィルム又は積層延伸フィルムを評価用サンプルとして、次の方法により行った。
(1)EVOHの熱安定性
各積層未延伸フィルムの任意の5ケ箇所から縦800mm×横250mmの評価用サンプルを切り出し、EVOH層1m2当たりの、1mm2以上の大きさのブツの個数をカウントした。尚、EVOH層のブツであるか否かは、光学顕微鏡による断面観察で確認した。
ブツ個数 0〜20個: ○
21〜50個: △
51個以上 : ×
(2)積層フィルムの各層の厚みの測定方法
各積層延伸フィルムの断面を電子顕微鏡観察して各層の厚みを測定した。
(3)酸素透過度
各積層延伸フィルムから縦100mm×横95mmの評価用サンプルを2枚切り出し、モダンコントロール(株)製の「OXY−TRAN2/21型酸素透過度測定装置」を使用して、温度23℃、相対湿度50%の条件下で測定した。測定結果は2枚の測定値の平均値で表示した。
(4)熱水収縮率
各積層延伸フィルムから流れ方向(MD方向)120mm及びこれと直角な方向(TD方向)120mmの評価用サンプルを5枚切り出した。各サンプルに、MD方向とTD方向に約100mmの基準線を引き、温度23℃、相対湿度50%の雰囲気下に24時間放置した後、MD方向とTD方向の基準線の長さFを測定した。このサンプルを95℃の熱水中に5分間浸漬した後、付着した水分を完全に拭き取り、温度23℃、相対湿度50%の雰囲気下で約5時間放置して乾燥させた後、前記基準線の長さGを測定した。
次式にて加熱収縮率を算出した。
加熱収縮率=[(F―G)/F]×100(%)
各方向の測定結果は、5枚の測定値の平均値で表示した。
(5)ポリアミド層/EVOH層の層間の接着性
各積層延伸フィルムから15mm幅の評価用サンプルを切り出し、引張試験機〔(株)島津製作所製、オートグラフAG−5〕を用いて、剥離速度20mm/分でT型剥離試験を実施し、ポリアミド/EVOHの層間接着強度を測定した。
【0023】
(実施例1)
最外層のポリアミド層を構成するポリアミド6(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製、ノバミッド1022C6、融点224℃)をφ65mmの押出機に、EVOH(B)(日本合成化学工業(株)製、ソアノールAT4403B エチレン単位の比率44モル%、融点164℃)をφ40mmの押出機に、EVOH(A)(日本合成化学工業(株)製、ソアノールV2504RB エチレン単位の比率25モル%、融点195℃)をφ50mmの押出機に投入し溶融させた。EVOHについては、口金の上流の220℃に温調された導管中において、EVOH(B)を内壁に沿って円筒状に展開させて、円柱状に流れるEVOH(A)を包み込む形で、EVOH(A)とEVOH(B)の同心円積層流を形成し、260℃に温調された口金に導入した。最外層のポリアミド層を構成するポリアミド6については分配ブロックでほぼ半々に分割して口金に導入した。マニホールドを3つ持つマルチマニホールド共押出Tダイ内で積層させて5層構造の溶融体として押出し、30℃の冷却ロール上で急冷して、厚み150μmの未延伸積層フィルム(ポリアミド6層/EVOH(B)層/EVOH(A)層/EVOH(B)層/ポリアミド6層)を得た。このときのポリアミド6層/EVOH層/ポリアミド6層の厚み比率が5.5/4/5.5となるように、またEVOH(B)/EVOH(A)の押出比率が5/95となるように押出量を調整した。尚、EVOH(B)を口金のマニホールドで円筒状に展開したため、未延伸積層フィルムの中央部におけるEVOH(B)の厚みは薄く、端部におけるEVOH(B)の厚みは厚くなる傾向が見られた。
次いで、この未延伸積層フィルムを50℃に加熱昇温した後、この温度条件でロール式縦延伸機を用いて縦方向に3倍延伸し、さらに120℃に加熱昇温して、テンター式横延伸機を用いて横方向に3.5倍延伸した。得られた二軸延伸フィルムを215℃の条件で6秒間熱処理することにより、厚み15μmの積層フィルムを得た。ポリアミド6層/EVOH(B)層/EVOH(A)層/EVOH(B)層/ポリアミド6層の各層の平均厚み(μm)は5.5/0.1/3.8/0.1/5.5であった。
この状態で8時間製膜し、製膜終了時の積層未延伸フィルムと積層未延伸フィルムを用いて各種評価を実施した。EVOHの熱安定性、酸素透過度、熱水収縮率及びポリアミド層/EVOH層の層間の接着性の測定結果を表1に示した。
【0024】
(実施例2)
積層フィルムの各層(ポリアミド6層/EVOH(B)層/EVOH(A)層/EVOH(B)層/ポリアミド6層)の厚み(μm)を5.5/0.3/3.4/0.3/5.5に設定した以外は実施例1と同様に実施し、表1の結果を得た。
(実施例3)
EVOHとして、EVOH(B)(日本合成化学工業(株)製、ソアノールDC3203B エチレン単位の比率32モル%、融点183℃)、及びEVOH(A)((株)クラレ製、エバールL171B エチレン単位の比率27モル%、融点191℃)を用いた以外は実施例1と同様に実施し、表1の結果を得た。
(実施例4)
EVOHとして、EVOH(B)((株)クラレ製、エバールG176B エチレン単位の比率48モル%、融点160℃)を用いた以外は実施例1と同様に実施し、表1の結果を得た。
(実施例5)
積層フィルムの各層(ポリアミド6層/EVOH(B)層/EVOH(A)層/EVOH(B)層/ポリアミド6層)の厚み(μm)を4.5/0.03/5.94/0.03/4.5に設定した以外は実施例1と同様に実施し、表1の結果を得た。
【0025】
(実施例6)
積層フィルムの各層(ポリアミド6層/EVOH(B)層/EVOH(A)層/EVOH(B)層/ポリアミド6層)の厚み(μm)を6.5/0.1/1.8/0.1/6.5に設定した以外は実施例1と同様に実施し、表1の結果を得た。
(実施例7)
ポリアミドとして、ポリアミド6(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製、ノバミッド1022C6)70質量%とMXD6(三菱ガス化学(株)製、MXナイロン6007、融点237℃)30質量%のブレンド物を使用した以外は実施例1と同様に実施し、表1の結果を得た。
(実施例8)
口金に入る前にフィードブロックを用いてEVOH(A)をEVOH(B)で包み込むように、EVOH(B)とEVOH(A)を合流させた以外は実施例1と同様に実施し、表1の結果を得た。
(実施例9)
EVOHとして、EVOH(B)(日本合成化学工業(株)製、ソアノールDC3803B エチレン単位の比率38モル%、融点173℃)、及びEVOH(A)((株)クラレ製、エバールL171B エチレン単位の比率27モル%、融点191℃)を用いた以外は実施例1と同様に実施し、表1の結果を得た。
【0026】
(比較例1)
EVOH(B)を使用せず、その他の条件は実施例1と同様にして、3層構造の厚み150μmの未延伸積層フィルムを得、更に厚み15μmの延伸積層フィルムを得た。ポリアミド6層/EVOH層/ポリアミド6層の各層の厚み比率は5.5/4/5.5である。評価結果を表1に示した。
(比較例2)
EVOH(ソアノールV2504RB)を、EVOH((株)クラレ製、エバールL171B、 エチレン単位の比率27モル%、融点191℃)に変更した以外は比較例1と同様に実施し、表1の結果を得た。
(比較例3)
EVOHとして、EVOH(B)((株)クラレ製、エバールL171B エチレン単位の比率27モル%、融点191℃)、及びEVOH(A)(日本合成化学工業(株)製、ソアノールDC3203B エチレン単位の比率32モル%、融点183℃)を用いた以外は実施例1と同様に実施し、表1の結果を得た。
(比較例4)
EVOH(ソアノールV2504RB)を、EVOH(日本合成化学工業(株)製、ソアノールET3808B エチレン単位の比率38モル%、融点173℃)に変更した以外は比較例1と同様に実施し、表1の結果を得た。
【0027】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明の二軸延伸ポリアミド積層フィルムは、高い機械強度を有するとともに高い酸素バリア性を有するので、食品や医療品など酸素透過による内容物の変質を嫌う包装用途に好適に使用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリアミド層、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(B)層、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(A)層、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(B)層及びポリアミド層をこの順で有し、これらの層を共押出法にて積層してなるポリアミド積層フィルムであって、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(A)のエチレン単位の含有比率が20〜30モル%であり、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(B)のエチレン単位の含有比率がエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(A)のエチレン単位の含有比率より3モル%以上高く、かつ、流れ方向及びこれと直角な方向の各々に2〜5倍延伸されてなる二軸延伸ポリアミド積層フィルム。
【請求項2】
エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(B)のエチレン単位の含有比率が30〜50モル%であることを特徴とする請求項1に記載の二軸延伸ポリアミド積層フィルム。
【請求項3】
(B)層/(A)層/(B)層からなる積層部全体の厚みに対する(A)層の厚みの比率が50〜99.9%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の二軸延伸ポリアミド積層フィルム。
【請求項4】
二軸延伸ポリアミド積層フィルムの厚みに対するポリアミド層全体の厚みの比率が40〜95%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の二軸延伸ポリアミド積層フィルム。
【請求項5】
ポリアミド層を構成するポリアミドが210℃〜250℃の融点を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の二軸延伸ポリアミド積層フィルム。
【請求項6】
ポリアミド層を構成するポリアミドがポリアミド6を主成分とすることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の二軸延伸ポリアミド積層フィルム。
【請求項7】
流れ方向及びこれと直角な方向の各々に2〜5倍延伸された後、95℃の熱水中に5分間浸漬した際の熱水収縮率が両方向ともに0.5〜5.0%となるように熱固定されたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の二軸延伸ポリアミド積層フィルム。
【請求項8】
23℃、相対湿度50%の条件下での酸素透過度が10ml/(m2・24hr・MPa)以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の二軸延伸ポリアミド積層フィルム。
【請求項9】
基材フィルム上に請求項1〜8のいずれかに記載の二軸延伸ポリアミド積層フィルムを有するフィルム。
【請求項10】
共押出法により、ポリアミド層、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(B)層、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(A)層、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(B)層及びポリアミド層をこの順で積層する工程、及び、得られた積層体を流れ方向及びこれと直角な方向の各々に2〜5倍延伸する工程を有するポリアミド積層フィルムの製造方法であって、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(A)のエチレン単位の含有比率が20〜30モル%であり、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(B)のエチレン単位の含有比率がエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(A)のエチレン単位の含有比率より3モル%以上高い二軸延伸ポリアミド積層フィルムの製造方法。

【公開番号】特開2010−111098(P2010−111098A)
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−287896(P2008−287896)
【出願日】平成20年11月10日(2008.11.10)
【出願人】(000006172)三菱樹脂株式会社 (1,977)
【Fターム(参考)】