二重層固体電池
電子システムの製造及びそのシステムが提供される。電子システムは、第1の表面(202a)を持つ第1の基板(202)及び第2の表面(208a)を持つ第2の基板(208)を含む。前記システムはまた、前記第1及び第2の表面(203,209)上の複数の横方向に間隔が開けられた領域上に設けられた複数の電池セル(106から112)を含む。前記システムにおいて、前記第1の表面上の前記電池セル層の部分は、前記第2の表面上の前記電池セル層の部分と物理的接触し、前記第1の表面及び第2の表面上の電池セル層は前記第1及び第2の表面上の複数の電気的に相互接続された電池セル(206,212)を形成し、これは横方向に間隔が開けられて1又はそれ以上の電池(200)を定める。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池及びその形成方法に関し、さらに具体的には二重層固体電池及びその形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロエレクトロメカニカルシステム(MEMS)は通常電子部品及び機械部品、センサ、アクチュエータなどをミクロ製造技術を用いてシリコン基板上に集積する。単一基板上へのこれらの部品の製造及び集積は1チップ上に完全なシステムの実現を可能とする。しかしMEMSラジオ周波数及び光学リレーは通常操作のために80から120ボルトのDCを必要とする静電アクチュエータを用いる。従って、MEMS技術の開発は、一般的に安価なコンパクトなエネルギー源の利用によって制限されてきた。
【0003】
例えばノートブックコンピュータ及びカメラなどの大規模な消費者用装置において、電池は通常、より大きな電力及び高電圧を作るために複数の個々のパッケージ化された電池を直列に接続することで形成される。高電圧を作る他の方法は、カソード及びアノード電極層を非浸透性導電箔の反対側に形成させ、かつ前記バイポーラシートをイオン性導電性電解質セパレータとを交互にスタックさせることで形成される。得られるいわゆるバイポーラ電池は電極のそれぞれのペアを効果的に直列に接続し、それにより相当な大きさの空間を必要とすることなく高電圧を形成する。かかるバイポーラ電池は製造が難しく、かつ一般的には普及していない。さらに、半導体技術に基づく現在の電池は一般的にかかるマルチレイヤーバイポーラ電池の形成を可能としない。例えばMEMS中のリチウム薄膜電池の場合に、アノード材料は一般的にカソード材料のために必要なアニール温度への対象とはされ得ない。従って、共通の基板上にアノードとカソードの製造は、一般的に前記カソード、イオン伝導性電解質セパレータを連続して製造したその後に、前記アノードを個別に製造することで製造され得る。その結果、MEMS基板の相当な領域が、その装置のために十分な高電圧を与えるための多数の単層電池を形成するために必要とされる。このことが集積電池のいくつかのタイプにとって可能な前記最小サイズを限定する。従って、かかる電池を含むMEMS装置にとって可能な前記最小サイズもまた制限されることとなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施態様は、二層固体電池及びそれを含む装置の製造方法に関する。本発明の第1の実施態様では、電子システムが提供される。前記システムは、第1の表面を含む第1の基板及び前記第1の表面に面する第2の表面を持つ第1の基板を含む。前記システムはさらに、前記第1及び第2の表面上の複数の横向きに間隔が開けられた領域上に配置される複数の電池セル層を含む。前記システムで、前記第1の表面上の前記電池セル層の部分が、前記第2の表面上の前記電池セル層の部分と物理的接触している。前記第1の表面と第2の表面上の前記電池セル層は、横方向に間隔を開けて離された前記第1及び第2の表面上で複数の電気的に相互接続された電池セルを形成して、1又はそれ以上の電池を定める。
【0005】
本発明の第2の実施態様では、電子システムの形成のための方法が提供される。前記方法は、第1の表面を持つ第1の基板と第2の表面を持つ第2の基板を準備することを含む。前記方法はまた、前記第1及び第2の表面上の横方向に間隔が開けられた複数の領域のそれぞれの上に複数の電池セル層を配列形成することを含む。前記方法はさらに、前記第1及び第2の基板を、前記第1の表面上の前記電池セル層の部分が前記第2の表面上の前記電池セル層の部分と物理的接触をするように整列させることを含み、前記第1の表面及び第2の表面上の前記電池セル層が、横向きの間隔が開けられた前記第1及び第2の表面上に複数の電気的に相互接続された電池セルを形成し、それらが1又はそれ以上の電池を定める。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】図1は、本発明の1つの実施態様による電池バンクを含む、電池基板の1部分を模式的に示す。
【図2A】図2Aは、本発明の1つの実施態様による電池の分解図面である。
【図2B】図2Bは、本発明の1つの実施態様による電池の組立図面である。
【図3A】図3Aは、本発明の1つの実施態様による電池を含むシステムの分解図面である。
【図3B】図3Bは、本発明の1つの実施態様による電池を含むシステムの組立図面である。
【図4】図4は、本発明の1つの実施態様による、電池と、電源接続の他の構成を含むシステムの組立図面である。
【図5】図5は、本発明の1つの実施態様による電池を含むスタックシステムの組立図面を示す。
【図6】図6は、本発明の他の実施態様による、電池と、電源接続の他の構成を含む他のスタックシステムの組立図である。
【図7】図7は、本発明の1つの実施態様による、他の電池基板の部分の模式図である。
【図8】図8は、本発明の1つの実施態様による、図7の電池基板に基づく、電池を含む装置の部分の模式図である。
【図9】図9は、本発明の1つの実施態様による、さらに他の電池基板の部分の模式図である。
【図10】図10は、本発明の1つの実施態様による、図9の電池基板に基づく、電池を含む装置の部分の模式図である。
【図11A】図11Aは、本発明の1つの実施態様による例示的電池基板を製造する種々のステップの間の断面図を示す。
【図11B】図11Bは、本発明の1つの実施態様による例示的電池基板を製造する種々のステップの間の断面図を示す。
【図11C】図11Cは、本発明の1つの実施態様による例示的電池基板を製造する種々のステップの間の断面図を示す。
【図11D】図11Dは、本発明の1つの実施態様による例示的電池基板を製造する種々のステップの間の断面図を示す。
【図11E】図11Eは、本発明の1つの実施態様による例示的電池基板を製造する種々のステップの間の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明は添付の図面を参照して説明され、図中類似の数字は類似又は均等な要素に与えられている。前記図面は寸法の通りには描かれていない。また図面は本発明を図示するためだけの目的である。本発明のいくつかの側面が、以下説明のための例示応用を参照して説明される。理解されるべきことは、多くの具体的な詳細、関係及び方法は、本発明を完全に理解するために提供されている、ということである。しかし当業者は、本発明は、1つ又はそれ以上の詳細な説明がなくても又は他の方法でも実施可能であるということを理解できる。他の例では、よく知られた構造又は操作については本発明を曖昧にすることを避けるために詳細には示されていない。本発明は、図示された作用又は事象の順番に限定されず、ある作用は他の作用又は事象とは異なる順で及び/又は同時に起こり得る。さらに、全ての図示された作用又は事象が本発明による方法論を実施するために必要ではない。
【0008】
上述のように、MEMS及び絶縁性基板及び/又は半導体基板上に形成される類似の装置のための電池形成のための本来的な制限の1つは、これらの電池中の材料のいくつかは追加の電池層形成のために続いて必要とされる高温度の対象とはできない、ということである。例えば、リチウム電池セルのアノードとして共通に使用されている金属リチウム材料は、リチウムコバルト酸化物カソードを形成するために必要とされるアニール温度の対象とはできない。従って、電極層スタックを含む集積電池は一般的にはMEMS又はその他の類似の装置では可能ではない。ここで定められる用語「集積電池」とは、セル間の電気的相互接続が前記電池パッケージ内で作られる電池を意味し、これは別々にパッケージ化された個々のセル間の外部相互接続を作るために組み立てられる電池とは対照的な電池である。結果として、MEMSのための集積電池は、MEMSのために必要な高電圧を与えるために多数の横向きに間隔の開けられた電池セルの形成を必要とする。さらにかかる構成はまた、前記横向きに間隔の開けられた電池を相互接続するために結線構造の形成を必要とする。これらの結線構造はまた、さらなる空間を基板上に要求し、従ってさらに前記電池に必要となる表面が増加する。従って、コンパクトで高電圧集積電池の形成はMEMS装置において達成することは通常困難である。
【0009】
従来の前記制限を克服するために、本発明の実施態様は、コンパクトな二層基板電池及びその製造方法を提供する。本発明の種々の実施態様において、かかるコンパクトな電池を含む装置は、その上に形成された第1の電池バンクを持つ第1の基板及びその上に形成された第2の電池バンクを持つ第2の基板を準備することで形成される。それぞれの電池バンクは1つ又はそれ以上の電池セルを含む。本発明の種々の実施態様では、前記基板は、前記第1電池バンクを前記第2の電池バンクと物理的に接触させるように配置させる。この結果、前記電池セルの直列配置となり、空間と結線を低減させる。これは図1から3に概念的に説明されている。
【0010】
本発明の種々の実施態様は、主にリチウム電池技術及び化学に関して説明されるが、本発明はこれに限定されるものではない。むしろ、ここで説明されるシステム及び方法は、全ての電池技術及びその化学種に等しく適用され得る。例えば、本発明の種々の実施態様は、亜鉛炭素、亜鉛塩化物、アルカリ、オキシニッケル水酸化物、水銀酸化物、亜鉛空気、銀酸化物(銀亜鉛)、ニッケルカドミニウム、ニッケル金属水素及びリチウムイオン化学種などその他の化学種と共に使用され得る。液体又は移動性固体又はゲル化電解質を用いる電池技術の場合には、前記電池セルは保持構造を必要とするか、又は製造の際に前記電解質の位置を保持するための他のプロセスを必要とする。
【0011】
図1は、本発明の1つの実施態様による、電池バンク102を含む電池基板100の部分を示す。図1に示されるように、電池バンク102は前記基板100上に配置された一連の電池セル104を含む。前記電池セル104のそれぞれは、複数の電池セル層からなる。具体的には、前記電池セル層は基板100上に設けられたカソード集電層部分106、部分106上に設けられたカソード層部分108、部分108上に設けられた電解質/セパレータ層部分110、及び部分110上に設けられたアノード層部分112を含む。例えば、リチウムイオン電池セルでは、部分106、108、110及び112はそれぞれ、銅含有部分、リチウムコバルト酸化物部分、リチウムリン酸化窒化物(LiPON)及び金属リチウム部分である。部分106から112は、基板100上の表面上に、基板100の横向きに間隔が開けられた領域101に設けられる。対象物又は異なる位置の配置に関してここで使用される用語「横向きに間隔が開けられた」とは、共通の表面上にお互いに隣接して設けられた対象物又は位置を意味する。しかし、用語「横向きに間隔が開けられた」はまた、以下説明されるように、部分的に重なった異なる表面上で隣接する領域をも意味する。
【0012】
本発明の種々の実施態様で、電池セル104の前記部分106から112はまた、横向きに伸びる接触構造を持つように構成される。すなわち、前記電池セル104は、アノード層部分112及びカソード層部分108を接触するため基板100に沿った第1及び第2の隣接領域を含み、例えば図1に示されるように、前記集電層部分106(電気的にカソード層部分108と接触する)はさらに、基板100に沿って部分108から112に比較して伸びることができる。この伸びた部分は、それぞれの電池セル104のカソード接触領域114を定める。アノード接触領域116は、それぞれのアノード層部分112の頂部又は最上部により定められる。本発明の種々の実施態様で、前記カソード接触領域114及びアノード接触領域116は、それぞれのバンク102内で連続して交互に配置される。すなわち、前記それぞれのバンク102での電池104は、1つのカソード接触領域114のみが、2つのアノード接触領域116の間に定められるように構成される。その結果、カソード接触領域及びアノード接触領域の交互連続が基板100に亘って提供されることとなる。
【0013】
さらに、本発明の種々の実施態様では、前記電池セル104は、基板100上に電気的に接続されず、分離されている。即ち、電気接続は、同じバンク内の2つのセル間には一般的に与えられない。従って、前記基板100の上部表面は電気的絶縁材料を含むことができ、これにより電池バンク102中の隣接する電池セル104間を分離する。例えば、1つの実施態様では、前記電気的絶縁材料は、基板を含むシリコン上に設けられたシリコン酸化物(SixO1−x)を含み得る。しかし本発明の種々の実施態様はこれに限定されるものではない。むしろ全ての電気的絶縁材料が使用され得る。又は、電流集電層部分106の底部表面が電気的絶縁材料を含み得る。
【0014】
図1に示されるように、前記電池セル104は前記基板100で物理的に分離される。本発明の種々の実施態様で、電池セル104間の横向き間隔は、第2の基板上に設けられた電池セルの第2のバンクが、前記カソード接触領域114とアノード接触領域116に接触できるように選択され、前記電池セル104が前記第2の基板上の前記電池セルと連続して電気的に接続され得る。かかる構成が、図2A及び2Bに関して説明される。
【0015】
図2A及びBは、本発明の1つの実施態様による、電池200の部分の分解図面及び組立図面を示す。図2A及び2Bに示されるように、電池200はその上に設けられた電池206の第1の電池バンク204を持つ第1の電池基板202、及びその上に設けられた電池212の第2の電池バンク210を持つ第2の電池基板208とを含む。前記第1の電池基板202及び第1の電池バンク204の構成は、図1に示された構成と類似する。従って、上の説明は、第1の電池基板202及び第1の電池バンク204を説明するために十分である。同様に、第2の電池基板208及び第2の電池バンク210の構造は、図1に示される構造に類似する。従って、上の記載は、第2の電池基板208及び第2の電池バンク210を説明するために十分である。
【0016】
電池200を組み立てるために、電池基板202及び208を、それらの上部表面202a及び208a(その上に電池セル206及び212を持つ)のそれぞれが、お互いにそれぞれ面するように配置させる。その結果、電池セル212は電池セル204に関して上下逆にされる。さらに、電池基板202と208はお互いに近づけて、電池セル206が電池セル121と物理的に電気的に接触するように配置される。具体的には、基板202及び208は、電池セル206のアノード接触領域206aが、電池セル212のカソード接触領域212bと電気的に物理的に接触するように配置される。さらに、電池セル212のaのカソード接触領域212aは、電池セル206のカソード接触領域206bと電気的物理的に接触する。従ってその結果、一連のアノード/カソード接触が複数の直列接続された電池セルを得る。
【0017】
図2A及び2Bに示される実施態様では、前記基板202及び208は接近して並列である。しかし、本発明の種々の実施態様はこれには限定されるものではない。本発明のいくつかの実施態様では、それぞれのバンクに沿ったそれぞれの電池セルの種々の層の厚さに依存して、実質的に並列配置ではない場合もあり得る。
【0018】
上述のように、電池バンク204と210のそれぞれにおいて横向きに間隔を開けて配置された電池セルは、電池セル206と212が物理的および電気的に接触することを可能にする。具体的には、電池セル204と210において横向き間隔は、1つの電池セル206のアノード接触領域212aの少なくとも1部分が、電池バンク201の2つの隣接する電池セル212の間に挿入され得るように選択される。さらに、電池セル206及び212の前記アノード、カソード及び電解質部分は、電池セル206の前記アノード接触領域206aが、第1の隣接する電池セル212の前記カソード接触領域121bに接触し、かつ電池セル206の前記カソード接触領域206bが、第2の隣接する電池セル212のアノード接触領域212aに接触することができるように選択される。
【0019】
同様に、電池バンク204及び210内の横向き間隔はまた、電池セル212の1つのアノード接触領域212aの少なくとも1部分が、電池バンク210の2つの隣接する電池セル206間に挿入されることができるように選択される。さらに、電池セル206と212の前記アノード、カソード及び電解質の組み合わせた高さは、電池セル212の前記アノード接触領域212aが、第1の隣接する電池セル212の前記カソード接触領域206bと接触し、かつ電池セル212の前記カソード接触領域212bが、第2の隣接する電池セル206のアノード接触領域206aに接触できるように選択される。
【0020】
図2Bは、電池セル206のアノード接触領域206aが、電池セル212の1つのカソード接触領域212aの比較的小さい部分に接触することを示しているが、本発明はそれに限定されるものではない。本発明の種々の実施態様において、アノード接触領域とカソード接触領域との間の接触の程度は変化し得る。例えば、前記アノード接触領域及び前記カソード接触領域を与える材料が比較的高抵抗を与える場合には、前記カソード接触領域のサイズは、接触抵抗を下げるために大きくされ得る。他の実施態様では、前記カソード接触領域のサイズは、製造公差や設計上の制約に基づいて調節され得る。
【0021】
上述のように、本発明の種々の実施態様は、MEMSシステムなどの集積システムのためのコンパクトな集積電池を与えるために使用され得る。従って、本発明の1つの実施態様による電池は、単一の基板上の集積システムを提供するために使用され得る。これは図3A及び3Bを参照して説明される。
【0022】
図3A及び3Bは、本発明の1つの実施態様による、電池302(図3Aでは分解)を含むシステム300の分解及び組立図を示す。図3A及び3Bで示されるように、装置及びその他の回路304は、1つ又はそれ以上の装置領域308内にシステム基板306上に形成され得る。さらに、第1の電池バック310は前記システム基板306の電池領域312内に形成され得る。第1の電池バンク310の構造は、図1に示された構造と類似する。従って、上での説明は、第1の電池バンク310を説明するために十分である。
【0023】
システム300で、電池302は、第2の基板316上の電池セルの第2の電池バンク314を準備することで形成される。基板316上の電池バンク314の構造は、図1で示される構造と類似する。従って、上の説明は電池バンク314の説明のために十分である。図3Bに示されるように、その後前記第2の電池バンク314が、電池バンク312と電気的及び物理的に接触されるように配置される。得られる電池310は、図2Bに関して上で説明した電池と類似し、上下逆向きにされた電池セル314が電池バンク310の電池セルと物理的に電気的に接触する。従って、電池バンク310と314から電池セルの交互に直列する配置が提供され、これは図2Bと類似する配置である。従って、図2Bで説明された配置及び操作は、電池302の構造及び操作を説明するために十分である。
【0024】
組み立てられると、電池302はシステム300で装置304に電力を提供するために使用され得る。図3A及び3Bに示される実施態様では、前記電池302は、電力接続318と320を介して装置304に電気的に接続される。前記電力接続318と320は、電池302内の最端部電池セルを装置304に電気的に接続するために使用され得る。ここで電池セルに関して使用される用語「最端部」とは、電池内の一連の電池セルの最初及び最後の電池を意味する。例えば、システム300の場合には、前記接続された電池バンク310と314は、基板306上の第1の最端部電池セル322を有し、かつ基板316上に第2の最端部324を持つ。電力接続318と320は、前記最端部の電池セルの構成に依存して種々の方法で設けられ得る。
【0025】
電力接続の第1の構成では、最端部電池セルは、前記システム基板と異なる基板上であり、アノード接触が前記電池内の他の電池セルと接続されていないアノード接触領域を持ち得る。かかる構成は、最端部電池セル324により図3A及び3Bに示される。図3A及び3Bで示されるように、最端部電池セル324は上下逆にされ、カソード接触領域324bが電池302内の次の電池セル325に接触する。しかし、最端部電池セル324の前記アノード接触領域は全ての他の電池セルと接触していない。その代わり、図3A及び3Bに示されるように、電力接続318は、装置304の一つから、最端部電池セル324の前記アノード接触領域324aの下側に伸ばされている。従って、基板316が基板306と近づけられると、最端部電池セル324の前記アノード接触領域324aは電力接続318と物理的に電気的に接触する。かかる実施態様では、前記電力接続318は、種々の方法で構成され得る。例えば、電力接続318は、第1の部分を持ち、それが装置304から伸びてアノード接触領域324aの下のパッド部分と接触して終り、これにより最端部電池セル324の前記アノード接触領域324aの接触を容易にする。しかし本発明の種々の実施態様はこれに限定されるものではない。
【0026】
電力接続の第2の構成では、最端部電池セルがシステム基板上にあり、前記電池内に他の電池セルとは接続されないカソード接触領域を持ち得る。かかる構成は図3A及び3Bに、最端部電池セル322により示される。図3A及び3Bに示されるように、最端部電池322のアノード接触領域322aは、電池302内で1つ前の電池セル323と接触する。しかし、最端部電池セル322の前記カソード接触領域322bは他の全ての電池セルとは接触していない。その代わりに、図3A及び3Bに示されるように、電力接続320は装置の1つから伸ばされて最端部電池セル322の前記カソード接触領域322bに接触する。かかる実施態様では、電力接続320は種々の方法で構成され得る。例えば、電力接続及び最端部電池セル322の前記カソード集電部分は一体で形成され得る。他の例では、電力接続320は、最端部電池セル322の前記カソード集電部分と少なくとも部分的に重なり得る。しかし、本発明の種々の実施態様はこれには限定されるものではない。
【0027】
電池セルの他の構成において、追加のセル構造が、本発明のいくつかの実施態様における前記最端部電池セルに接触するために必要となる場合がある。これは図4に示されている。図4は、システム400の組立図面を示し、電池402及び本発明の1つの実施態様による電池接続の他の構成を有する。図4に示される前記システム400の構成は、図3A及び3Bに示される構成に類似する。具体的には、図4は、図3A、及び3Bに関して説明された部品302から320に類似する部品を含む。しかしシステム400の場合には、接続された電池バンク410と414が含まれる。前記電池バンク410と414は、一連の電池セルの配置を与え、基板316上に第1(最初)の最端部電池セル427と基板306上に第2の最端部電池セル429を持つ。
【0028】
従って、電力接続の第3の構成において、1つの最端部電池セルは前記システム基板とは異なる基板上に存在し、前記電池内の他の電池と接続されていないカソード接触領域を持つ。かかる構成は最端部電池セル427により図4に示されている。図4に示されるように、最端部電池セル427は、アノード接触領域427aと共に上下逆にされ電池402内の先行する電池セル428と接触する。しかし最端部電池セル427の前記カソード接触領域427bは全ての他の電池セルとは接触していない。さらに、電力接続320が横に伸ばされて最端部電池セル427と接触する場合には、この電池セルの前記アノード接触領域427aが接触し得る。結果として、最端部電池セル427により与えられる前記電力、電流及び電圧は電池402のためには利用できないものであろう。従って、かかる構成での電池セルとの接触のために、電力端子426が電力接続320から垂直に伸びるように構成される。さらに、電力接続320と電力端子426は、合わせた高さが、電池バンク310での電池セルの高さに等しくなるように構成される。従って、基板316が基板306に近づけられると、最端部電池セル427の前記カソード接触領域が物理的に電気的に電力端子426と接触する。かかる実施態様では、前記電力端子426は種々の方法で設けられ得る。例えば、本発明のいくつかの実施態様では、電力端子426は、導電性エポキシやはんだ材料などの導電性接着剤を電力接続320に供することで与えられ得る。その後基板316は基板306上に配置され得る。他の例では、電力端子426及び電力接続320は、装置304及び/又は電池バンク410を形成するために使用された同じ製造方法を用いて形成され得る。しかし本発明の種々の実施態様はこれに限定されるものではない。
【0029】
電力接続の第4の構成は、最端部電池セルは前記システム基板上に存在し得るが、前記電池内の他の電池に接続されていないアノード接触領域を持ち得る。かかる構成は最端部電池セル429により図4に示される。図4に示されるように、最端部電池セル429は、電池402内でつぎの電池セル430に接触するカソード接触領域429bを持つ。しかし、最端部電池セル429の前記アノード接触領域429aは全ての他の電池セルとは接触していない。さらに、電力接続318が横に伸ばされて最端部電池セル429に接触する場合には、この電池セルの前記カソード接触領域429bのみが接触され得る。結果として、最端部電池セル429により与えられる前記電力、電流及び電圧は利用されないこととなる。又は、電力接続318が横及び最端部電池セル429の上に縦に伸ばされる場合には、追加の絶縁材料が、電力接続318が最端部電池セル429の前記アノードとカソードが短絡することを避けるために必要となるであろう。これは電池セル402の設計及び製造に新たな複雑性を導入することとなり望ましくない。
【0030】
従って、かかる構成の電池セルは、基板316上の接触パッド432及び、電力接続318と接触パッド432との間を垂直に伸びる接触端子434を設けることで接触させ得る。さらに、接触パッド432と電力端子434は、その組み合わせた高さが、電池バンク414内の電池セルの高さと等しい高さを持つように構成される。さらに、接触パッド432は、電池バンク414内の前記電池セルの前記カソード集電部分の厚さと等しい高さを持つように構成される。従って、基板316が基板306と近づけられると、最端部電池セル429の前記アノード接触領域は物理的に電気的に接触パッド432と接触し、電力端子434は電力接続318と接触する。かかる実施態様において、前記電力端子434は種々の方法で与えられ得る。例えば、本発明のいくつかの実施態様では、電力端子434は、導電性エポキシやはんだなどの導電性接着剤を電力接続318又は接触パッド432へ供することで与えられ得る。その後基板316を基板306上に配置され得る。他の例では、電力端子434と接触パッド432は、電池バンク414を形成するために使用された同じ製造ステップを用いて形成され得る。さらに他の例では、電力端子434と電力接続318は、装置304及び/又は電池バンクを形成するために使用される同じ製造ステップを用いて形成され得る。しかし本発明の種々の実施態様はこれに限定されるものではない。
【0031】
本発明の種々の実施態様は、図3B及び4に示される接続構成にのみ限定されるものではない。本発明の種々の実施態様では、前記電池バンクの電池セルの構成に依存して上で説明された全てのタイプの接続の組合せが単一のシステムで使用され得る。
【0032】
図3A、3B及び4で示される種々の実施態様において、前記装置は本発明による電池に関して横方向に配置される。即ち、装置は電池セルと同じ表面上に形成される。しかし本発明はこれに限定されるものではなく、その他の構成もまた可能である。例えば、他の構成は図5及び6に示される。
【0033】
図5は、本発明の1つの実施態様による、電池302を含むスタックシステム500の組立図面である。図5に示されるシステム500の構成は図3A及び3Bで示された構成に類似する。図6は、本発明の他の実施態様による、電池402と他の電力接続の構成を含む他のスタックシステム600の組立図面である。図6で示されるシステム600の構成は図4で示された構成に類似する。しかしシステム500及び600において、前記装置504は、それぞれ、それぞれの電池が上に形成されるシステム基板の同じ表面上に設けられていない。むしろ前記装置は、システム500及び600ではシステム基板306の対抗する表面上に形成される。かかる構成は電池と装置のスタック構造を与える。その結果、システム500及び600のサイズはシステム300及び400とそれぞれ比較して低減され得る。
【0034】
システム500及び600では、電池302及び402への電気接続は種々の方法で与えられ得る。第1に、電池302と402は、図3A、3B及び4に関して上で説明されたように、電力接続318及び320へ接続され得る。例えば、いくつかの実施態様では、電池302の最端部電池セル322と324を電力接続320と318にそれぞれ接続するための図5の構成が使用され得る。他の実施態様では、最端部電池セル323と325を電力接続320と318にそれぞれ接続するために図6の構成が使用され得る。さらに、これらの全ての組合せがまた、与えられる前記電池バンクの構成に依存して使用され得る。
【0035】
次に、装置504への電力接続318と320の接続はいくつかの方法で達成され得る。第1の構成では、接続はシステム基板306を通じて作られ得る。例えば、電気的導電性要素が基板306内に、基板貫通ビア536と538を用いて形成され得る(図5及び6に示される)。かかる構成においては、開口部又はビアは、その上部及び下部表面の間の基板306内に形成され得る。前記開口部又はビアはその後少なくとも部分的に電気的導電性材料で埋められて電気的導電性接続を与える。第2の構成では、接続は基板306の回りに作られる。かかる構成では、電力接続318と320は基板306の回りに伸ばされ、電気的に装置304と接続する。これは図5および6に、電力接続318及び320の伸びた部分518及び520のそれぞれにより示される。しかし、本発明の種々の実施態様は、電池302と装置304の間の1つの接続タイプに限定されるものではない。本発明の種々の実施態様では、上で説明された種々のタイプの接続の全ての組合せもまた単一のシステムで使用され得る。
【0036】
上で説明された種々の実施態様において、前記電池セルは、その上に形成される前記基板へ平行に伸びる層を含む。しかし、かかる構成は最終的に供給可能な前記電流と電圧を限定する。というのはかかるパラメータは最終的には、種々の層又はそれぞれの電池セルの部分の表面積により定められるからである。この限定に関して、本発明の他の側面は、少なくとも部分的に垂直方向に伸びる、電池セル内の層を提供する。その結果、それぞれの電池セルの層の全表面積を、基板上で必要とされる面積の全量を増やすことを必要としないで増やすことができる。これは概念的に図7から10に示される。
【0037】
図7は、本発明の1つの実施態様による、電池基板700の部分を模式的に示す。図1の電池基板同様に、前記電池基板700は電池バンクを含み、これは少なくとも基板700上に設けられたカソード集電層部分706、部分706上に設けられるカソード層部分708、部分708上に設けられた電解質/セパレータ層部分710及び部分710上に設けられたアノード層部分712を持つ少なくとも1つの電池セル703を含む。
【0038】
図1の電池セルと同様に、電池セル702の前記部分706から712はまた、横に伸びる接触構成を持つように構成される。即ち、電池セル702は、アノード層部分712とカソード層部分708に接触するために基板700に沿って伸びる第1及び第2の隣接表面領域を含む。例えば図7に示されるように、集電層部分706(電気的接触カソード層部分708)はさらに部分708から712に比べて横に伸びて電池セル702のためのカソード接触領域714を定める。アノード接触領域716はアノード層部分712の頂部又は上部部分により定められ得る。本発明の種々の実施態様では、前記カソード接触領域714及びアノード接触領域716は、図1において上で説明されたように交互に直列に配列される。即ち、基板700上の電池セルは、1つだけのカソード接触領域714が、電池バンク内で2つのアノード接触領域716の間に定められるように構成される。その結果、カソード接触領域とアノード接触領域の交互直列配列が、電池バンク内の基板700に亘り与えられることとなる。
【0039】
図1の電池セルとは異なり、図7の電池セルはまた、縦方向及び横方向に伸びている。図7に示される実施態様では、これは、カソード接触領域714を定める前記伸びる部分よりも大きい厚さの少なくとも1部分を含むために層706を形成することで達成される。従って、層708から712hが形成された後、効果的な大きい面積を有する電池セルが形成されるが、しかし基板上700では同じ面積である。かかる大きい面積の電池セルはそれにより、図1から6の電池セルのように横方向にのみ伸びた電池セルに比較して、より多くの電流を集めることができるより大きい容量を与える。従って、従来に集積電池と比較して、実質的により高い電圧、容量及び集電容量を与える、従来の集積電池と実質的に同じ足元の大きさを持つ集積電池が製造可能となる。かかる電池は図8に示される。
【0040】
図8は、本発明の1つの実施態様による、図7の電池基板に基づく、電池800の部分を示す。図8に示されるように、前記電池800は、その上に設けられた電池セル806の第1の電池バンク804を持つ第1の電池基板802及びその上に設けられた電池セル812の第2の電池バンク810を持つ第2の電池基板808を含む。第1の電池基板802内の前記電池セル及び第1の電池バンク804の構成は図1から7に記載の構成に類似する。従って、上の説明は、第1の電池基板802及び第1の電池バンク804を説明するために十分である。同様に、第2の電池基板808内の前記電池セル及び第2の電池バンク810の構成は図1から7に記載の構成に類似する。従って、上の説明は、第1の電池基板808及び第1の電池バンク810を説明するために十分である。
【0041】
電池800を組み立てるために、電池基板802と808が、それらの上部表面802a及び808aが対抗するように(即ちお互いが面するように)配置される。即ち、上に形成された電池セル806を持つ上部表面802a及び、上に形成された電池セル812を持つ上部表面808aがお互いに面するように配置される。その結果、電池セル812が電池セル806に関して上下逆される。さらに、電池セル802及び808はお互いに近接して配置されることで、電池セル806が電池セル812と物理的に電気的に接触する。具体的には、基板802及び808は、電池セル806のアノード接触領域806aが電池セル812のカソード接触領域812bに電気的に物理的に接触し、かつ電池セル812のアノード接触領域812aが電池セル806のカソード接触領域806bに電気的に物理的に接触するように配置される。従って、アノード/カソード接触の前記集まりは、図1から6に示された構成に類似する、複数の直列接続された電池セルを与える結果となる。
【0042】
図7及び8の実施態様は前記カソード集電層の厚い部分として三角形状断面を示すが、本発明の種々の実施態様はこれに限定されるものではない。本発明の種々の実施態様で、前記カソード集電層の断面形状は全ての他の形状を持つように構成され得る。例えば、前記断面形状は、長方形状、楕円形状又は台形状であり得る。しかし本発明はこれに限定されるものではない。
【0043】
いくつかの場合において、前記アノード接触領域と前記カソード接触領域の直接接触は、前記アノード層及び前記カソード層を含む金属の合金化を起こし得る。前記アノード接触領域及び前記カソード接触領域が比較的大きい面積で接触する場合には、前記合金化は一般的には前記2つの領域の間の電気的接触には悪い影響は与えない。しかし、図8の電池の場合において、前記アノード接触領域は前記カソード接触領域と比較的小さい面積で接触する。従って、少量の合金化が生じた場合でも、電気的接触の性質が大きく変動し得ることとなる。これは、例えば、前記層間の接触抵抗を増加させて、電池により輸送される電流及び電圧を低下させる結果となる。従って、本発明のいくつかの実施態様では、バリア金属接触パッドが設けられ得る。これは図7及び8に示される。具体的には、図7で示されるように、電池セル702がさらに、カソード接触領域714上に形成されるバリア接触パッド726を含む。従って、かかる電池セルが図8の基板802及び808で使用される場合には、前記アノード接触領域806a及び812bでの合金化はほとんど又は全く生じない。
【0044】
図7及び8の実施態様は、電池セル層を垂直に伸ばすためにより厚いカソード集電層部分を設けることが示されるが、本発明の種々の実施態様はこれに限定されるものではない。例えば、本発明のいくつかの実施態様では、前記基板は、凸部又は凹部などの構造を含み、前記電池セルのそれぞれにおいて前記層が少なくとも部分的に垂直方向に伸びるような構成を含むように構成され得る。凸部の場合には、得られる電池の構造は、より厚いカソード集電層部分の代わりに基板700が図7で点線718で示される凸部を与えること以外は、図7及び8で示される構造に実質的に類似する構造である。凹部の場合は以下の図9及び10に示される。
【0045】
図9は、本発明の1つの実施態様による、他の電池基板900の部分を模式的に示す。図1の電池基板同様、前記電池基板900は、基板900上に設けられたカソード集電層部分906、部分906上に設けられたカソード層部分908、部分908上に設けられた電解質/セパレータ層部分910及び部分910上に設けられたアノード層部分912を含む少なくとも1つの電池セル902を含む電池バンクを含む。
【0046】
図9の実施態様は、凹部918について三角形上の断面を示すが、本発明の種々の実施態様はこれに限定されるものではない。本発明の種々の実施態様では、前記カソード集電層の断面形状は全ての形状であり得る。例えば、前記断面形状は、長方形上、楕円形状又は台形状であり得る。しかし本発明はこれに限定されるものではない。
【0047】
図1の電池セルとは異なり、凹部918は電池セル902のために基板900に設けられる。層906から914は、凹部918の輪郭に従い基板900上に設けられ得る。その結果、電池セルは横方向と垂直方向に伸びて、その有効面積を増加し、それにより供給電圧及び電流を増加する。
【0048】
図1の電池セルと同様に、電池セル902はまた、アノード層部分912及びカソード層部分908に接続するための第1及び第2の横方向に伸びる隣接領域を含む。例えば、図9に示されるように、前記集電層部分906(電気的接触カソード層部分908)は、部分908から912に比較して第1の方向へさらに横方向に伸びて電池セル902のためのカソード接触領域914を定める。具体的には、層906は、第1の方向に凹部918からさらに伸びるように構成され得る。
【0049】
アノード接触領域916は、凹部918から第2の方向へ伸びてアノード層部分912の最上部を形成するアノード層912の部分を与えることで定められる。本発明の種々の実施態様では、図1に上で説明されたように、前記カソード接触領域914及びアノード接触領域916は直列に交互に配列される。すなわち、基板900上の電池セルは、ひとつのカソード接触領域914のみが2つのアノード接触領域916の間に定められるように構成される。その結果、カソード接触領域とアノード接触領域の交互に直列する配列が基板900に亘って提供される。
【0050】
従って、凹部918及び層908から912が形成された後、有効なより大きい面積を持つ電池セルが形成される。かかるより大きい面積を持つ電池セルはそれゆえに、図1から6の電池セルなどの横方向にのみ伸びる電池セルに比較して、受け入れる電流容量が増加したより大きい容量を提供することができる。従って、従来の集積電池に比較して、従来の集積電池と実質的に同じ足元サイズであるが、実質的により高い電圧、容量及び集積容量を与える集積電池が製造され得る。かかる電池は図10に示される。
【0051】
図10は、本発明の1つの実施態様による、図9に記載の電池基板に基づく電池1000の部分を模式的に示す。図10に示されるように、電池1000は、そこに設けられた電池セル1006の第1の電池バンク1004を持つ第1の電池基板及びそこに設けられた電池セル1008の第2の電池バンク1010を持つ第2の電池基板を含む。第1の電池基板1002内の電池セル及び電池バンク1004の構成は、図9に示される構成に類似する。従って、上の説明は、第1の電池基板1002及び第1の電池バンク1004のために十分である。同様に、第2の電池基板1008及び第2の電池バンク1010の構成は、図9に示される構成に類似する。従って、上の説明は、第2の電池基板1008及び第2の電池バンク1010のために十分である。
【0052】
電池1000を組み立てるために、電池基板1002と1008が、電池セル1006と1012を持つそれらの上部表面1002aと1008aが、それぞれ、お互いに面するように配置される。その結果、電池セル1012は電池セル1004に関して上下逆にされる。さらに、電池基板1002と1008は、お互いに近づけて配置され、それにより電池基板1006が物理的に電気的に電池セル1012と接触する。具体的には、電池基板1002と1008は、電池セル1006のアノード接触領域1006aが電池セル1012のカソード接触領域1012bと電気的物理的に接触し、かつ電池セル1012のアノード接触領域1012aが電池セル1006のカソード接触領域1006bと接触するように配置される。従って、アノード/カソード接触の前記集まりは、図1から6に示される構成に類似した、複数の直列に配列された電池セルを与えることとなる。
【0053】
図1から10に示される電池基板は種々の方法で製造され得る。1つの例示的方法は、以下図11Aから11Eに示される。図11Aから11Eは、本発明の1つの実施態様による、例示的電池基板を製造する種々のステップの間の断面を示す。具体的には、図11Aから11Eは、図9及び10の電池セルを形成するための断面を示す。しかし、以下説明される方法において種々のステップは、本発明の種々の実施態様による電池基板を製造するために等しく適用可能なものである。
【0054】
前記製造プロセスは、前記電池セル902が形成される基板900を準備することから開始される。いくつかの実施態様では、前記基板900は、半導体表面を含む。例えば、前記基板は、単結晶半導体ウェハ、絶縁体上半導体(SOI)ウェハ、フラットパネルディスプレー(例えばガラスプレート上のシリコン層)又は電子装置を形成するために使用される全てのタイプの基板などであり得る。基板900は、nータイプ又はp−タイプドーパントなどのドーパントを含む。さらに、基板900は、その上にすでに形成された電子部品又は電子部品の一部を含むことができる。かかる電子部品は、例えば、注入領域、フィールド分離領域又はその他の、トランジスタ及びMEMS装置などの電子部品を形成するために使用されるその他の層を含む。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、電子部品が電池902が形成された後に形成され得る。
【0055】
基板900が準備されると、垂直方向に伸びる構造が形成され得る。これは、図11Aに示され、基板900に凹部918が形成される。凹部918は種々の方法で形成され得る。1つの実施態様では、凹部はフォトリソグラフィー技術により形成され得る。これには基板900上に堆積されたレジスト層(図示されていない)の特定に部分に放射線を暴露するためにレチクルを用い、続いて暴露された部分を除去して開口部を持つパターン化されたレジスト層を形成することを含む。除去プロセスは前記基板の部分を除去して凹部918を形成するために使用され得る。一般には前記凹部918は選択的除去プロセスを用いて形成され得る。本発明の1つの実施態様では、凹部918の形成はエッチング技術を含み、これはプラズマ又はドライプロセスを用いる異方性エッチング又は等方性エッチングを含み得る。他の実施態様は湿式エッチング技術を使用し得る。類似のプロセスが凸部を形成するために使用され得る。
【0056】
上で説明されたように、前記基板は半導体基板を含む。従って、その上に形成された前記電池セル間を電気的に分離するために、基板の残る表面は何らかの方法で電気的に非導電性表面に変化させる必要がある。1つの実施態様では、これは基板900上及び凹部918内に電気的に絶縁層1102を堆積させることで達成され得る。例えば、シリコン含有基板の場合では、シリコン酸化物を含む層が、凹部が形成された後に基板上に成長させるか堆積させることができる。
【0057】
凹部918(及び必要な場合層1102)を基板900上に形成した後、前記カソード集電層部分906がそれぞれの電池セルのために基板900上に形成され得る。カソード集電層部分906は種々の方法で形成され得る。第1に、材料を含むカソード集電層部分906が基板900上に堆積され得る。例えば、リチウムセルの場合に、銅含有材料の層が前記基板上に堆積され得る。例えば、化学蒸着方法又は電気めっき方法が使用され得る。さらに、1又はそれ以上の接着層(図示されていない)がまた、前記カソード集電層部分906と前記下部基板900との間の接着性を改善するために形成され得る。その後前記カソード集電層部分906が、それぞれの電池セルについてフォトリソグラフィー技術を用いて形成され、それにより上で説明されたように、凹部918内の前記カソード集電層部分906と凹部918外の前記カソード接触領域914を定める。除去プロセスがその後前記カソード集電層部分906を形成するために使用され得る。例えば、銅含有材料の場合に、エッチング技術が使用され、これにはプラズマ又はドライプロセスを用いる異方法エッチング又は等方性エッチングが含まれ得る。他の実施態様は湿式エッチング技術を使用し得る。このプロセスの結果が図11Bに示される。
【0058】
前記カソード集電層部分906が形成された後、前記カソード層部分908が形成され得る。カソード層部分908は種々の方法で形成され得る。第1に、材料を含む前記カソード層部分906が基板上に堆積され得る。例えば、リチウムセルの場合には、リチウムコバルト酸化物材料の層が少なくとも凹部918上に基板900上に堆積され得る。例えば、スパッタリング又は化学蒸着技術が使用され得る。前記カソード層部分908はその後、それぞれの電池セルについて、フォトリソグラフィー技術を用いて形成され、上で説明されたように、凹部918内に前記カソード層部分908を形成するためのパターンを定めることができる。除去プロセスはその後使用されて、前記カソード層部分908を形成する。例えば、エッチング技術が使用され、これにはプラズマ又は他のドライエッチングプロセスを用いる異方性エッチング又は等方性エッチングが含まれ得る。他の実施態様は、湿式エッチング技術を使用し得る。さらに、リソグラフィー及びエッチングの前又は後に、アニーリングステップが前記リチウムコバルト酸化物を硬化させるために使用される。このプロセスの結果が図11Cに示される。
【0059】
前記カソード層部分908が形成されると、前記電解質/セパレータ層部分910が形成され得る。電解質/セパレータ層部分910は種々の方法で形成され得る。第1に、材料含有電解質/セパレータ層部分910の層が基板900上に堆積され得る。例えば、電解質層は、1つ又はそれ以上の固体イオン伝導体又はゲル化電解質の層を含み得る。例えば、リチウムセルの場合には、リチウムイオンを伝動するが電気的に絶縁性であるLiPON材料の層が少なくとも凹部918を覆うように基板900上に堆積され得る。本発明のいくつかの実施態様では、かかるLiPON材料は窒素プラズマ中でマグネトロンスパッタリングにより堆積され得る。しかし本発明の種々の実施態様はこれには限定されず、LiPONを堆積する全ての他の方法が使用され得る。前記電解質/セパレータ層部分910がその後それぞれの電池セルについてフォトリソグラフィー技術を用いて形成され、それにより、上で説明されたように、凹部918内に前記電解質/セパレータ層部分910を形成するためのパターンを定めることができる。除去プロセスはその後、前記電解質/セパレータ層部分910を形成するために使用され得る。例えば、エッチング技術が使用され、これにはプラズマ又はその他のドライエッチングプロセスを用いる異方性エッチング又は等方性エッチングを含み得る。他の実施態様は湿式エッチング技術を使用し得る。このプロセスの結果が図11Dに示される。
【0060】
前記電解質/セパレータ層部分910が形成されると、前記アノード層部分912が形成され得る。アノード層部分912は種々の方法で形成され得る。第1に、材料含有前記アノード層部分912の層が基板900上に堆積され得る。例えば、リチウムセルの場合、リチウム金属の層が基板900上に堆積され得る。前記アノード層部分912はその後、それぞれの電池セルについて、フォトリソグラフィー技術を用いて形成され、上で説明されたように、凹部918内に前記アノード層部分912及び凹部918から伸びるアノード接触領域916を形成するためのパターンを定めることができる。除去プロセスはその後、前記アノード層部分912とアノード接触領域916を形成するために使用され得る。例えば、エッチング技術が使用され、これにはプラズマ又はその他のドライエッチングプロセスを用いる異方性エッチング又は等方性エッチングを含み得る。」他の実施態様は湿式エッチング技術を使用し得る。このプロセスの結果が図11Eに示される。
【0061】
本発明の種々の実施態様が上で説明されてきたが、理解されるべきことは、これらは例示の方法でのみ提示されたものであり、なんらを限定するものではない、ということである。開示された実施態様の多くの変更が、ここでの開示に基づき、本発明の本質又は範囲から離れることなく可能である。従って、本発明の本質及び範囲は上で説明された実施態様のいかなるものにも限定されるべきではない。むしろ本発明の範囲は以下の特許請求の範囲及びその均等の範囲で定められる。本発明は1又はそれ以上の実施に関して説明されてきたが、明細書及び添付の図面を読み、理解することにより、均等な変更及び修正などを当業者は想到するものであろう。さらに、本発明の具体的な構成が1つ又はいくつかの実施態様に関して開示されてきたが、かかる構成は、いかなる所与の又は具体的な応用にとって望ましい場合及び有利である場合には、他の実施における1つ又はそれ以上の構成と組合せ得るものである。
【0062】
ここで使用される用語は具体的な実施態様を説明することのみを目的として使用されており本発明を制限することを意図するものではない。ここで使用される単数形「1つの」、「前記」には特別の記載がない限り複数形をも含む。さらに、用語「含む」、「持つ」、「と共に」又はこれらの変更用語は、詳細な説明及び/又は特許請求の範囲で使用されるが、かかる用語は用語「含む」と同様に包括的であることが意図される。
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池及びその形成方法に関し、さらに具体的には二重層固体電池及びその形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロエレクトロメカニカルシステム(MEMS)は通常電子部品及び機械部品、センサ、アクチュエータなどをミクロ製造技術を用いてシリコン基板上に集積する。単一基板上へのこれらの部品の製造及び集積は1チップ上に完全なシステムの実現を可能とする。しかしMEMSラジオ周波数及び光学リレーは通常操作のために80から120ボルトのDCを必要とする静電アクチュエータを用いる。従って、MEMS技術の開発は、一般的に安価なコンパクトなエネルギー源の利用によって制限されてきた。
【0003】
例えばノートブックコンピュータ及びカメラなどの大規模な消費者用装置において、電池は通常、より大きな電力及び高電圧を作るために複数の個々のパッケージ化された電池を直列に接続することで形成される。高電圧を作る他の方法は、カソード及びアノード電極層を非浸透性導電箔の反対側に形成させ、かつ前記バイポーラシートをイオン性導電性電解質セパレータとを交互にスタックさせることで形成される。得られるいわゆるバイポーラ電池は電極のそれぞれのペアを効果的に直列に接続し、それにより相当な大きさの空間を必要とすることなく高電圧を形成する。かかるバイポーラ電池は製造が難しく、かつ一般的には普及していない。さらに、半導体技術に基づく現在の電池は一般的にかかるマルチレイヤーバイポーラ電池の形成を可能としない。例えばMEMS中のリチウム薄膜電池の場合に、アノード材料は一般的にカソード材料のために必要なアニール温度への対象とはされ得ない。従って、共通の基板上にアノードとカソードの製造は、一般的に前記カソード、イオン伝導性電解質セパレータを連続して製造したその後に、前記アノードを個別に製造することで製造され得る。その結果、MEMS基板の相当な領域が、その装置のために十分な高電圧を与えるための多数の単層電池を形成するために必要とされる。このことが集積電池のいくつかのタイプにとって可能な前記最小サイズを限定する。従って、かかる電池を含むMEMS装置にとって可能な前記最小サイズもまた制限されることとなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施態様は、二層固体電池及びそれを含む装置の製造方法に関する。本発明の第1の実施態様では、電子システムが提供される。前記システムは、第1の表面を含む第1の基板及び前記第1の表面に面する第2の表面を持つ第1の基板を含む。前記システムはさらに、前記第1及び第2の表面上の複数の横向きに間隔が開けられた領域上に配置される複数の電池セル層を含む。前記システムで、前記第1の表面上の前記電池セル層の部分が、前記第2の表面上の前記電池セル層の部分と物理的接触している。前記第1の表面と第2の表面上の前記電池セル層は、横方向に間隔を開けて離された前記第1及び第2の表面上で複数の電気的に相互接続された電池セルを形成して、1又はそれ以上の電池を定める。
【0005】
本発明の第2の実施態様では、電子システムの形成のための方法が提供される。前記方法は、第1の表面を持つ第1の基板と第2の表面を持つ第2の基板を準備することを含む。前記方法はまた、前記第1及び第2の表面上の横方向に間隔が開けられた複数の領域のそれぞれの上に複数の電池セル層を配列形成することを含む。前記方法はさらに、前記第1及び第2の基板を、前記第1の表面上の前記電池セル層の部分が前記第2の表面上の前記電池セル層の部分と物理的接触をするように整列させることを含み、前記第1の表面及び第2の表面上の前記電池セル層が、横向きの間隔が開けられた前記第1及び第2の表面上に複数の電気的に相互接続された電池セルを形成し、それらが1又はそれ以上の電池を定める。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】図1は、本発明の1つの実施態様による電池バンクを含む、電池基板の1部分を模式的に示す。
【図2A】図2Aは、本発明の1つの実施態様による電池の分解図面である。
【図2B】図2Bは、本発明の1つの実施態様による電池の組立図面である。
【図3A】図3Aは、本発明の1つの実施態様による電池を含むシステムの分解図面である。
【図3B】図3Bは、本発明の1つの実施態様による電池を含むシステムの組立図面である。
【図4】図4は、本発明の1つの実施態様による、電池と、電源接続の他の構成を含むシステムの組立図面である。
【図5】図5は、本発明の1つの実施態様による電池を含むスタックシステムの組立図面を示す。
【図6】図6は、本発明の他の実施態様による、電池と、電源接続の他の構成を含む他のスタックシステムの組立図である。
【図7】図7は、本発明の1つの実施態様による、他の電池基板の部分の模式図である。
【図8】図8は、本発明の1つの実施態様による、図7の電池基板に基づく、電池を含む装置の部分の模式図である。
【図9】図9は、本発明の1つの実施態様による、さらに他の電池基板の部分の模式図である。
【図10】図10は、本発明の1つの実施態様による、図9の電池基板に基づく、電池を含む装置の部分の模式図である。
【図11A】図11Aは、本発明の1つの実施態様による例示的電池基板を製造する種々のステップの間の断面図を示す。
【図11B】図11Bは、本発明の1つの実施態様による例示的電池基板を製造する種々のステップの間の断面図を示す。
【図11C】図11Cは、本発明の1つの実施態様による例示的電池基板を製造する種々のステップの間の断面図を示す。
【図11D】図11Dは、本発明の1つの実施態様による例示的電池基板を製造する種々のステップの間の断面図を示す。
【図11E】図11Eは、本発明の1つの実施態様による例示的電池基板を製造する種々のステップの間の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明は添付の図面を参照して説明され、図中類似の数字は類似又は均等な要素に与えられている。前記図面は寸法の通りには描かれていない。また図面は本発明を図示するためだけの目的である。本発明のいくつかの側面が、以下説明のための例示応用を参照して説明される。理解されるべきことは、多くの具体的な詳細、関係及び方法は、本発明を完全に理解するために提供されている、ということである。しかし当業者は、本発明は、1つ又はそれ以上の詳細な説明がなくても又は他の方法でも実施可能であるということを理解できる。他の例では、よく知られた構造又は操作については本発明を曖昧にすることを避けるために詳細には示されていない。本発明は、図示された作用又は事象の順番に限定されず、ある作用は他の作用又は事象とは異なる順で及び/又は同時に起こり得る。さらに、全ての図示された作用又は事象が本発明による方法論を実施するために必要ではない。
【0008】
上述のように、MEMS及び絶縁性基板及び/又は半導体基板上に形成される類似の装置のための電池形成のための本来的な制限の1つは、これらの電池中の材料のいくつかは追加の電池層形成のために続いて必要とされる高温度の対象とはできない、ということである。例えば、リチウム電池セルのアノードとして共通に使用されている金属リチウム材料は、リチウムコバルト酸化物カソードを形成するために必要とされるアニール温度の対象とはできない。従って、電極層スタックを含む集積電池は一般的にはMEMS又はその他の類似の装置では可能ではない。ここで定められる用語「集積電池」とは、セル間の電気的相互接続が前記電池パッケージ内で作られる電池を意味し、これは別々にパッケージ化された個々のセル間の外部相互接続を作るために組み立てられる電池とは対照的な電池である。結果として、MEMSのための集積電池は、MEMSのために必要な高電圧を与えるために多数の横向きに間隔の開けられた電池セルの形成を必要とする。さらにかかる構成はまた、前記横向きに間隔の開けられた電池を相互接続するために結線構造の形成を必要とする。これらの結線構造はまた、さらなる空間を基板上に要求し、従ってさらに前記電池に必要となる表面が増加する。従って、コンパクトで高電圧集積電池の形成はMEMS装置において達成することは通常困難である。
【0009】
従来の前記制限を克服するために、本発明の実施態様は、コンパクトな二層基板電池及びその製造方法を提供する。本発明の種々の実施態様において、かかるコンパクトな電池を含む装置は、その上に形成された第1の電池バンクを持つ第1の基板及びその上に形成された第2の電池バンクを持つ第2の基板を準備することで形成される。それぞれの電池バンクは1つ又はそれ以上の電池セルを含む。本発明の種々の実施態様では、前記基板は、前記第1電池バンクを前記第2の電池バンクと物理的に接触させるように配置させる。この結果、前記電池セルの直列配置となり、空間と結線を低減させる。これは図1から3に概念的に説明されている。
【0010】
本発明の種々の実施態様は、主にリチウム電池技術及び化学に関して説明されるが、本発明はこれに限定されるものではない。むしろ、ここで説明されるシステム及び方法は、全ての電池技術及びその化学種に等しく適用され得る。例えば、本発明の種々の実施態様は、亜鉛炭素、亜鉛塩化物、アルカリ、オキシニッケル水酸化物、水銀酸化物、亜鉛空気、銀酸化物(銀亜鉛)、ニッケルカドミニウム、ニッケル金属水素及びリチウムイオン化学種などその他の化学種と共に使用され得る。液体又は移動性固体又はゲル化電解質を用いる電池技術の場合には、前記電池セルは保持構造を必要とするか、又は製造の際に前記電解質の位置を保持するための他のプロセスを必要とする。
【0011】
図1は、本発明の1つの実施態様による、電池バンク102を含む電池基板100の部分を示す。図1に示されるように、電池バンク102は前記基板100上に配置された一連の電池セル104を含む。前記電池セル104のそれぞれは、複数の電池セル層からなる。具体的には、前記電池セル層は基板100上に設けられたカソード集電層部分106、部分106上に設けられたカソード層部分108、部分108上に設けられた電解質/セパレータ層部分110、及び部分110上に設けられたアノード層部分112を含む。例えば、リチウムイオン電池セルでは、部分106、108、110及び112はそれぞれ、銅含有部分、リチウムコバルト酸化物部分、リチウムリン酸化窒化物(LiPON)及び金属リチウム部分である。部分106から112は、基板100上の表面上に、基板100の横向きに間隔が開けられた領域101に設けられる。対象物又は異なる位置の配置に関してここで使用される用語「横向きに間隔が開けられた」とは、共通の表面上にお互いに隣接して設けられた対象物又は位置を意味する。しかし、用語「横向きに間隔が開けられた」はまた、以下説明されるように、部分的に重なった異なる表面上で隣接する領域をも意味する。
【0012】
本発明の種々の実施態様で、電池セル104の前記部分106から112はまた、横向きに伸びる接触構造を持つように構成される。すなわち、前記電池セル104は、アノード層部分112及びカソード層部分108を接触するため基板100に沿った第1及び第2の隣接領域を含み、例えば図1に示されるように、前記集電層部分106(電気的にカソード層部分108と接触する)はさらに、基板100に沿って部分108から112に比較して伸びることができる。この伸びた部分は、それぞれの電池セル104のカソード接触領域114を定める。アノード接触領域116は、それぞれのアノード層部分112の頂部又は最上部により定められる。本発明の種々の実施態様で、前記カソード接触領域114及びアノード接触領域116は、それぞれのバンク102内で連続して交互に配置される。すなわち、前記それぞれのバンク102での電池104は、1つのカソード接触領域114のみが、2つのアノード接触領域116の間に定められるように構成される。その結果、カソード接触領域及びアノード接触領域の交互連続が基板100に亘って提供されることとなる。
【0013】
さらに、本発明の種々の実施態様では、前記電池セル104は、基板100上に電気的に接続されず、分離されている。即ち、電気接続は、同じバンク内の2つのセル間には一般的に与えられない。従って、前記基板100の上部表面は電気的絶縁材料を含むことができ、これにより電池バンク102中の隣接する電池セル104間を分離する。例えば、1つの実施態様では、前記電気的絶縁材料は、基板を含むシリコン上に設けられたシリコン酸化物(SixO1−x)を含み得る。しかし本発明の種々の実施態様はこれに限定されるものではない。むしろ全ての電気的絶縁材料が使用され得る。又は、電流集電層部分106の底部表面が電気的絶縁材料を含み得る。
【0014】
図1に示されるように、前記電池セル104は前記基板100で物理的に分離される。本発明の種々の実施態様で、電池セル104間の横向き間隔は、第2の基板上に設けられた電池セルの第2のバンクが、前記カソード接触領域114とアノード接触領域116に接触できるように選択され、前記電池セル104が前記第2の基板上の前記電池セルと連続して電気的に接続され得る。かかる構成が、図2A及び2Bに関して説明される。
【0015】
図2A及びBは、本発明の1つの実施態様による、電池200の部分の分解図面及び組立図面を示す。図2A及び2Bに示されるように、電池200はその上に設けられた電池206の第1の電池バンク204を持つ第1の電池基板202、及びその上に設けられた電池212の第2の電池バンク210を持つ第2の電池基板208とを含む。前記第1の電池基板202及び第1の電池バンク204の構成は、図1に示された構成と類似する。従って、上の説明は、第1の電池基板202及び第1の電池バンク204を説明するために十分である。同様に、第2の電池基板208及び第2の電池バンク210の構造は、図1に示される構造に類似する。従って、上の記載は、第2の電池基板208及び第2の電池バンク210を説明するために十分である。
【0016】
電池200を組み立てるために、電池基板202及び208を、それらの上部表面202a及び208a(その上に電池セル206及び212を持つ)のそれぞれが、お互いにそれぞれ面するように配置させる。その結果、電池セル212は電池セル204に関して上下逆にされる。さらに、電池基板202と208はお互いに近づけて、電池セル206が電池セル121と物理的に電気的に接触するように配置される。具体的には、基板202及び208は、電池セル206のアノード接触領域206aが、電池セル212のカソード接触領域212bと電気的に物理的に接触するように配置される。さらに、電池セル212のaのカソード接触領域212aは、電池セル206のカソード接触領域206bと電気的物理的に接触する。従ってその結果、一連のアノード/カソード接触が複数の直列接続された電池セルを得る。
【0017】
図2A及び2Bに示される実施態様では、前記基板202及び208は接近して並列である。しかし、本発明の種々の実施態様はこれには限定されるものではない。本発明のいくつかの実施態様では、それぞれのバンクに沿ったそれぞれの電池セルの種々の層の厚さに依存して、実質的に並列配置ではない場合もあり得る。
【0018】
上述のように、電池バンク204と210のそれぞれにおいて横向きに間隔を開けて配置された電池セルは、電池セル206と212が物理的および電気的に接触することを可能にする。具体的には、電池セル204と210において横向き間隔は、1つの電池セル206のアノード接触領域212aの少なくとも1部分が、電池バンク201の2つの隣接する電池セル212の間に挿入され得るように選択される。さらに、電池セル206及び212の前記アノード、カソード及び電解質部分は、電池セル206の前記アノード接触領域206aが、第1の隣接する電池セル212の前記カソード接触領域121bに接触し、かつ電池セル206の前記カソード接触領域206bが、第2の隣接する電池セル212のアノード接触領域212aに接触することができるように選択される。
【0019】
同様に、電池バンク204及び210内の横向き間隔はまた、電池セル212の1つのアノード接触領域212aの少なくとも1部分が、電池バンク210の2つの隣接する電池セル206間に挿入されることができるように選択される。さらに、電池セル206と212の前記アノード、カソード及び電解質の組み合わせた高さは、電池セル212の前記アノード接触領域212aが、第1の隣接する電池セル212の前記カソード接触領域206bと接触し、かつ電池セル212の前記カソード接触領域212bが、第2の隣接する電池セル206のアノード接触領域206aに接触できるように選択される。
【0020】
図2Bは、電池セル206のアノード接触領域206aが、電池セル212の1つのカソード接触領域212aの比較的小さい部分に接触することを示しているが、本発明はそれに限定されるものではない。本発明の種々の実施態様において、アノード接触領域とカソード接触領域との間の接触の程度は変化し得る。例えば、前記アノード接触領域及び前記カソード接触領域を与える材料が比較的高抵抗を与える場合には、前記カソード接触領域のサイズは、接触抵抗を下げるために大きくされ得る。他の実施態様では、前記カソード接触領域のサイズは、製造公差や設計上の制約に基づいて調節され得る。
【0021】
上述のように、本発明の種々の実施態様は、MEMSシステムなどの集積システムのためのコンパクトな集積電池を与えるために使用され得る。従って、本発明の1つの実施態様による電池は、単一の基板上の集積システムを提供するために使用され得る。これは図3A及び3Bを参照して説明される。
【0022】
図3A及び3Bは、本発明の1つの実施態様による、電池302(図3Aでは分解)を含むシステム300の分解及び組立図を示す。図3A及び3Bで示されるように、装置及びその他の回路304は、1つ又はそれ以上の装置領域308内にシステム基板306上に形成され得る。さらに、第1の電池バック310は前記システム基板306の電池領域312内に形成され得る。第1の電池バンク310の構造は、図1に示された構造と類似する。従って、上での説明は、第1の電池バンク310を説明するために十分である。
【0023】
システム300で、電池302は、第2の基板316上の電池セルの第2の電池バンク314を準備することで形成される。基板316上の電池バンク314の構造は、図1で示される構造と類似する。従って、上の説明は電池バンク314の説明のために十分である。図3Bに示されるように、その後前記第2の電池バンク314が、電池バンク312と電気的及び物理的に接触されるように配置される。得られる電池310は、図2Bに関して上で説明した電池と類似し、上下逆向きにされた電池セル314が電池バンク310の電池セルと物理的に電気的に接触する。従って、電池バンク310と314から電池セルの交互に直列する配置が提供され、これは図2Bと類似する配置である。従って、図2Bで説明された配置及び操作は、電池302の構造及び操作を説明するために十分である。
【0024】
組み立てられると、電池302はシステム300で装置304に電力を提供するために使用され得る。図3A及び3Bに示される実施態様では、前記電池302は、電力接続318と320を介して装置304に電気的に接続される。前記電力接続318と320は、電池302内の最端部電池セルを装置304に電気的に接続するために使用され得る。ここで電池セルに関して使用される用語「最端部」とは、電池内の一連の電池セルの最初及び最後の電池を意味する。例えば、システム300の場合には、前記接続された電池バンク310と314は、基板306上の第1の最端部電池セル322を有し、かつ基板316上に第2の最端部324を持つ。電力接続318と320は、前記最端部の電池セルの構成に依存して種々の方法で設けられ得る。
【0025】
電力接続の第1の構成では、最端部電池セルは、前記システム基板と異なる基板上であり、アノード接触が前記電池内の他の電池セルと接続されていないアノード接触領域を持ち得る。かかる構成は、最端部電池セル324により図3A及び3Bに示される。図3A及び3Bで示されるように、最端部電池セル324は上下逆にされ、カソード接触領域324bが電池302内の次の電池セル325に接触する。しかし、最端部電池セル324の前記アノード接触領域は全ての他の電池セルと接触していない。その代わり、図3A及び3Bに示されるように、電力接続318は、装置304の一つから、最端部電池セル324の前記アノード接触領域324aの下側に伸ばされている。従って、基板316が基板306と近づけられると、最端部電池セル324の前記アノード接触領域324aは電力接続318と物理的に電気的に接触する。かかる実施態様では、前記電力接続318は、種々の方法で構成され得る。例えば、電力接続318は、第1の部分を持ち、それが装置304から伸びてアノード接触領域324aの下のパッド部分と接触して終り、これにより最端部電池セル324の前記アノード接触領域324aの接触を容易にする。しかし本発明の種々の実施態様はこれに限定されるものではない。
【0026】
電力接続の第2の構成では、最端部電池セルがシステム基板上にあり、前記電池内に他の電池セルとは接続されないカソード接触領域を持ち得る。かかる構成は図3A及び3Bに、最端部電池セル322により示される。図3A及び3Bに示されるように、最端部電池322のアノード接触領域322aは、電池302内で1つ前の電池セル323と接触する。しかし、最端部電池セル322の前記カソード接触領域322bは他の全ての電池セルとは接触していない。その代わりに、図3A及び3Bに示されるように、電力接続320は装置の1つから伸ばされて最端部電池セル322の前記カソード接触領域322bに接触する。かかる実施態様では、電力接続320は種々の方法で構成され得る。例えば、電力接続及び最端部電池セル322の前記カソード集電部分は一体で形成され得る。他の例では、電力接続320は、最端部電池セル322の前記カソード集電部分と少なくとも部分的に重なり得る。しかし、本発明の種々の実施態様はこれには限定されるものではない。
【0027】
電池セルの他の構成において、追加のセル構造が、本発明のいくつかの実施態様における前記最端部電池セルに接触するために必要となる場合がある。これは図4に示されている。図4は、システム400の組立図面を示し、電池402及び本発明の1つの実施態様による電池接続の他の構成を有する。図4に示される前記システム400の構成は、図3A及び3Bに示される構成に類似する。具体的には、図4は、図3A、及び3Bに関して説明された部品302から320に類似する部品を含む。しかしシステム400の場合には、接続された電池バンク410と414が含まれる。前記電池バンク410と414は、一連の電池セルの配置を与え、基板316上に第1(最初)の最端部電池セル427と基板306上に第2の最端部電池セル429を持つ。
【0028】
従って、電力接続の第3の構成において、1つの最端部電池セルは前記システム基板とは異なる基板上に存在し、前記電池内の他の電池と接続されていないカソード接触領域を持つ。かかる構成は最端部電池セル427により図4に示されている。図4に示されるように、最端部電池セル427は、アノード接触領域427aと共に上下逆にされ電池402内の先行する電池セル428と接触する。しかし最端部電池セル427の前記カソード接触領域427bは全ての他の電池セルとは接触していない。さらに、電力接続320が横に伸ばされて最端部電池セル427と接触する場合には、この電池セルの前記アノード接触領域427aが接触し得る。結果として、最端部電池セル427により与えられる前記電力、電流及び電圧は電池402のためには利用できないものであろう。従って、かかる構成での電池セルとの接触のために、電力端子426が電力接続320から垂直に伸びるように構成される。さらに、電力接続320と電力端子426は、合わせた高さが、電池バンク310での電池セルの高さに等しくなるように構成される。従って、基板316が基板306に近づけられると、最端部電池セル427の前記カソード接触領域が物理的に電気的に電力端子426と接触する。かかる実施態様では、前記電力端子426は種々の方法で設けられ得る。例えば、本発明のいくつかの実施態様では、電力端子426は、導電性エポキシやはんだ材料などの導電性接着剤を電力接続320に供することで与えられ得る。その後基板316は基板306上に配置され得る。他の例では、電力端子426及び電力接続320は、装置304及び/又は電池バンク410を形成するために使用された同じ製造方法を用いて形成され得る。しかし本発明の種々の実施態様はこれに限定されるものではない。
【0029】
電力接続の第4の構成は、最端部電池セルは前記システム基板上に存在し得るが、前記電池内の他の電池に接続されていないアノード接触領域を持ち得る。かかる構成は最端部電池セル429により図4に示される。図4に示されるように、最端部電池セル429は、電池402内でつぎの電池セル430に接触するカソード接触領域429bを持つ。しかし、最端部電池セル429の前記アノード接触領域429aは全ての他の電池セルとは接触していない。さらに、電力接続318が横に伸ばされて最端部電池セル429に接触する場合には、この電池セルの前記カソード接触領域429bのみが接触され得る。結果として、最端部電池セル429により与えられる前記電力、電流及び電圧は利用されないこととなる。又は、電力接続318が横及び最端部電池セル429の上に縦に伸ばされる場合には、追加の絶縁材料が、電力接続318が最端部電池セル429の前記アノードとカソードが短絡することを避けるために必要となるであろう。これは電池セル402の設計及び製造に新たな複雑性を導入することとなり望ましくない。
【0030】
従って、かかる構成の電池セルは、基板316上の接触パッド432及び、電力接続318と接触パッド432との間を垂直に伸びる接触端子434を設けることで接触させ得る。さらに、接触パッド432と電力端子434は、その組み合わせた高さが、電池バンク414内の電池セルの高さと等しい高さを持つように構成される。さらに、接触パッド432は、電池バンク414内の前記電池セルの前記カソード集電部分の厚さと等しい高さを持つように構成される。従って、基板316が基板306と近づけられると、最端部電池セル429の前記アノード接触領域は物理的に電気的に接触パッド432と接触し、電力端子434は電力接続318と接触する。かかる実施態様において、前記電力端子434は種々の方法で与えられ得る。例えば、本発明のいくつかの実施態様では、電力端子434は、導電性エポキシやはんだなどの導電性接着剤を電力接続318又は接触パッド432へ供することで与えられ得る。その後基板316を基板306上に配置され得る。他の例では、電力端子434と接触パッド432は、電池バンク414を形成するために使用された同じ製造ステップを用いて形成され得る。さらに他の例では、電力端子434と電力接続318は、装置304及び/又は電池バンクを形成するために使用される同じ製造ステップを用いて形成され得る。しかし本発明の種々の実施態様はこれに限定されるものではない。
【0031】
本発明の種々の実施態様は、図3B及び4に示される接続構成にのみ限定されるものではない。本発明の種々の実施態様では、前記電池バンクの電池セルの構成に依存して上で説明された全てのタイプの接続の組合せが単一のシステムで使用され得る。
【0032】
図3A、3B及び4で示される種々の実施態様において、前記装置は本発明による電池に関して横方向に配置される。即ち、装置は電池セルと同じ表面上に形成される。しかし本発明はこれに限定されるものではなく、その他の構成もまた可能である。例えば、他の構成は図5及び6に示される。
【0033】
図5は、本発明の1つの実施態様による、電池302を含むスタックシステム500の組立図面である。図5に示されるシステム500の構成は図3A及び3Bで示された構成に類似する。図6は、本発明の他の実施態様による、電池402と他の電力接続の構成を含む他のスタックシステム600の組立図面である。図6で示されるシステム600の構成は図4で示された構成に類似する。しかしシステム500及び600において、前記装置504は、それぞれ、それぞれの電池が上に形成されるシステム基板の同じ表面上に設けられていない。むしろ前記装置は、システム500及び600ではシステム基板306の対抗する表面上に形成される。かかる構成は電池と装置のスタック構造を与える。その結果、システム500及び600のサイズはシステム300及び400とそれぞれ比較して低減され得る。
【0034】
システム500及び600では、電池302及び402への電気接続は種々の方法で与えられ得る。第1に、電池302と402は、図3A、3B及び4に関して上で説明されたように、電力接続318及び320へ接続され得る。例えば、いくつかの実施態様では、電池302の最端部電池セル322と324を電力接続320と318にそれぞれ接続するための図5の構成が使用され得る。他の実施態様では、最端部電池セル323と325を電力接続320と318にそれぞれ接続するために図6の構成が使用され得る。さらに、これらの全ての組合せがまた、与えられる前記電池バンクの構成に依存して使用され得る。
【0035】
次に、装置504への電力接続318と320の接続はいくつかの方法で達成され得る。第1の構成では、接続はシステム基板306を通じて作られ得る。例えば、電気的導電性要素が基板306内に、基板貫通ビア536と538を用いて形成され得る(図5及び6に示される)。かかる構成においては、開口部又はビアは、その上部及び下部表面の間の基板306内に形成され得る。前記開口部又はビアはその後少なくとも部分的に電気的導電性材料で埋められて電気的導電性接続を与える。第2の構成では、接続は基板306の回りに作られる。かかる構成では、電力接続318と320は基板306の回りに伸ばされ、電気的に装置304と接続する。これは図5および6に、電力接続318及び320の伸びた部分518及び520のそれぞれにより示される。しかし、本発明の種々の実施態様は、電池302と装置304の間の1つの接続タイプに限定されるものではない。本発明の種々の実施態様では、上で説明された種々のタイプの接続の全ての組合せもまた単一のシステムで使用され得る。
【0036】
上で説明された種々の実施態様において、前記電池セルは、その上に形成される前記基板へ平行に伸びる層を含む。しかし、かかる構成は最終的に供給可能な前記電流と電圧を限定する。というのはかかるパラメータは最終的には、種々の層又はそれぞれの電池セルの部分の表面積により定められるからである。この限定に関して、本発明の他の側面は、少なくとも部分的に垂直方向に伸びる、電池セル内の層を提供する。その結果、それぞれの電池セルの層の全表面積を、基板上で必要とされる面積の全量を増やすことを必要としないで増やすことができる。これは概念的に図7から10に示される。
【0037】
図7は、本発明の1つの実施態様による、電池基板700の部分を模式的に示す。図1の電池基板同様に、前記電池基板700は電池バンクを含み、これは少なくとも基板700上に設けられたカソード集電層部分706、部分706上に設けられるカソード層部分708、部分708上に設けられた電解質/セパレータ層部分710及び部分710上に設けられたアノード層部分712を持つ少なくとも1つの電池セル703を含む。
【0038】
図1の電池セルと同様に、電池セル702の前記部分706から712はまた、横に伸びる接触構成を持つように構成される。即ち、電池セル702は、アノード層部分712とカソード層部分708に接触するために基板700に沿って伸びる第1及び第2の隣接表面領域を含む。例えば図7に示されるように、集電層部分706(電気的接触カソード層部分708)はさらに部分708から712に比べて横に伸びて電池セル702のためのカソード接触領域714を定める。アノード接触領域716はアノード層部分712の頂部又は上部部分により定められ得る。本発明の種々の実施態様では、前記カソード接触領域714及びアノード接触領域716は、図1において上で説明されたように交互に直列に配列される。即ち、基板700上の電池セルは、1つだけのカソード接触領域714が、電池バンク内で2つのアノード接触領域716の間に定められるように構成される。その結果、カソード接触領域とアノード接触領域の交互直列配列が、電池バンク内の基板700に亘り与えられることとなる。
【0039】
図1の電池セルとは異なり、図7の電池セルはまた、縦方向及び横方向に伸びている。図7に示される実施態様では、これは、カソード接触領域714を定める前記伸びる部分よりも大きい厚さの少なくとも1部分を含むために層706を形成することで達成される。従って、層708から712hが形成された後、効果的な大きい面積を有する電池セルが形成されるが、しかし基板上700では同じ面積である。かかる大きい面積の電池セルはそれにより、図1から6の電池セルのように横方向にのみ伸びた電池セルに比較して、より多くの電流を集めることができるより大きい容量を与える。従って、従来に集積電池と比較して、実質的により高い電圧、容量及び集電容量を与える、従来の集積電池と実質的に同じ足元の大きさを持つ集積電池が製造可能となる。かかる電池は図8に示される。
【0040】
図8は、本発明の1つの実施態様による、図7の電池基板に基づく、電池800の部分を示す。図8に示されるように、前記電池800は、その上に設けられた電池セル806の第1の電池バンク804を持つ第1の電池基板802及びその上に設けられた電池セル812の第2の電池バンク810を持つ第2の電池基板808を含む。第1の電池基板802内の前記電池セル及び第1の電池バンク804の構成は図1から7に記載の構成に類似する。従って、上の説明は、第1の電池基板802及び第1の電池バンク804を説明するために十分である。同様に、第2の電池基板808内の前記電池セル及び第2の電池バンク810の構成は図1から7に記載の構成に類似する。従って、上の説明は、第1の電池基板808及び第1の電池バンク810を説明するために十分である。
【0041】
電池800を組み立てるために、電池基板802と808が、それらの上部表面802a及び808aが対抗するように(即ちお互いが面するように)配置される。即ち、上に形成された電池セル806を持つ上部表面802a及び、上に形成された電池セル812を持つ上部表面808aがお互いに面するように配置される。その結果、電池セル812が電池セル806に関して上下逆される。さらに、電池セル802及び808はお互いに近接して配置されることで、電池セル806が電池セル812と物理的に電気的に接触する。具体的には、基板802及び808は、電池セル806のアノード接触領域806aが電池セル812のカソード接触領域812bに電気的に物理的に接触し、かつ電池セル812のアノード接触領域812aが電池セル806のカソード接触領域806bに電気的に物理的に接触するように配置される。従って、アノード/カソード接触の前記集まりは、図1から6に示された構成に類似する、複数の直列接続された電池セルを与える結果となる。
【0042】
図7及び8の実施態様は前記カソード集電層の厚い部分として三角形状断面を示すが、本発明の種々の実施態様はこれに限定されるものではない。本発明の種々の実施態様で、前記カソード集電層の断面形状は全ての他の形状を持つように構成され得る。例えば、前記断面形状は、長方形状、楕円形状又は台形状であり得る。しかし本発明はこれに限定されるものではない。
【0043】
いくつかの場合において、前記アノード接触領域と前記カソード接触領域の直接接触は、前記アノード層及び前記カソード層を含む金属の合金化を起こし得る。前記アノード接触領域及び前記カソード接触領域が比較的大きい面積で接触する場合には、前記合金化は一般的には前記2つの領域の間の電気的接触には悪い影響は与えない。しかし、図8の電池の場合において、前記アノード接触領域は前記カソード接触領域と比較的小さい面積で接触する。従って、少量の合金化が生じた場合でも、電気的接触の性質が大きく変動し得ることとなる。これは、例えば、前記層間の接触抵抗を増加させて、電池により輸送される電流及び電圧を低下させる結果となる。従って、本発明のいくつかの実施態様では、バリア金属接触パッドが設けられ得る。これは図7及び8に示される。具体的には、図7で示されるように、電池セル702がさらに、カソード接触領域714上に形成されるバリア接触パッド726を含む。従って、かかる電池セルが図8の基板802及び808で使用される場合には、前記アノード接触領域806a及び812bでの合金化はほとんど又は全く生じない。
【0044】
図7及び8の実施態様は、電池セル層を垂直に伸ばすためにより厚いカソード集電層部分を設けることが示されるが、本発明の種々の実施態様はこれに限定されるものではない。例えば、本発明のいくつかの実施態様では、前記基板は、凸部又は凹部などの構造を含み、前記電池セルのそれぞれにおいて前記層が少なくとも部分的に垂直方向に伸びるような構成を含むように構成され得る。凸部の場合には、得られる電池の構造は、より厚いカソード集電層部分の代わりに基板700が図7で点線718で示される凸部を与えること以外は、図7及び8で示される構造に実質的に類似する構造である。凹部の場合は以下の図9及び10に示される。
【0045】
図9は、本発明の1つの実施態様による、他の電池基板900の部分を模式的に示す。図1の電池基板同様、前記電池基板900は、基板900上に設けられたカソード集電層部分906、部分906上に設けられたカソード層部分908、部分908上に設けられた電解質/セパレータ層部分910及び部分910上に設けられたアノード層部分912を含む少なくとも1つの電池セル902を含む電池バンクを含む。
【0046】
図9の実施態様は、凹部918について三角形上の断面を示すが、本発明の種々の実施態様はこれに限定されるものではない。本発明の種々の実施態様では、前記カソード集電層の断面形状は全ての形状であり得る。例えば、前記断面形状は、長方形上、楕円形状又は台形状であり得る。しかし本発明はこれに限定されるものではない。
【0047】
図1の電池セルとは異なり、凹部918は電池セル902のために基板900に設けられる。層906から914は、凹部918の輪郭に従い基板900上に設けられ得る。その結果、電池セルは横方向と垂直方向に伸びて、その有効面積を増加し、それにより供給電圧及び電流を増加する。
【0048】
図1の電池セルと同様に、電池セル902はまた、アノード層部分912及びカソード層部分908に接続するための第1及び第2の横方向に伸びる隣接領域を含む。例えば、図9に示されるように、前記集電層部分906(電気的接触カソード層部分908)は、部分908から912に比較して第1の方向へさらに横方向に伸びて電池セル902のためのカソード接触領域914を定める。具体的には、層906は、第1の方向に凹部918からさらに伸びるように構成され得る。
【0049】
アノード接触領域916は、凹部918から第2の方向へ伸びてアノード層部分912の最上部を形成するアノード層912の部分を与えることで定められる。本発明の種々の実施態様では、図1に上で説明されたように、前記カソード接触領域914及びアノード接触領域916は直列に交互に配列される。すなわち、基板900上の電池セルは、ひとつのカソード接触領域914のみが2つのアノード接触領域916の間に定められるように構成される。その結果、カソード接触領域とアノード接触領域の交互に直列する配列が基板900に亘って提供される。
【0050】
従って、凹部918及び層908から912が形成された後、有効なより大きい面積を持つ電池セルが形成される。かかるより大きい面積を持つ電池セルはそれゆえに、図1から6の電池セルなどの横方向にのみ伸びる電池セルに比較して、受け入れる電流容量が増加したより大きい容量を提供することができる。従って、従来の集積電池に比較して、従来の集積電池と実質的に同じ足元サイズであるが、実質的により高い電圧、容量及び集積容量を与える集積電池が製造され得る。かかる電池は図10に示される。
【0051】
図10は、本発明の1つの実施態様による、図9に記載の電池基板に基づく電池1000の部分を模式的に示す。図10に示されるように、電池1000は、そこに設けられた電池セル1006の第1の電池バンク1004を持つ第1の電池基板及びそこに設けられた電池セル1008の第2の電池バンク1010を持つ第2の電池基板を含む。第1の電池基板1002内の電池セル及び電池バンク1004の構成は、図9に示される構成に類似する。従って、上の説明は、第1の電池基板1002及び第1の電池バンク1004のために十分である。同様に、第2の電池基板1008及び第2の電池バンク1010の構成は、図9に示される構成に類似する。従って、上の説明は、第2の電池基板1008及び第2の電池バンク1010のために十分である。
【0052】
電池1000を組み立てるために、電池基板1002と1008が、電池セル1006と1012を持つそれらの上部表面1002aと1008aが、それぞれ、お互いに面するように配置される。その結果、電池セル1012は電池セル1004に関して上下逆にされる。さらに、電池基板1002と1008は、お互いに近づけて配置され、それにより電池基板1006が物理的に電気的に電池セル1012と接触する。具体的には、電池基板1002と1008は、電池セル1006のアノード接触領域1006aが電池セル1012のカソード接触領域1012bと電気的物理的に接触し、かつ電池セル1012のアノード接触領域1012aが電池セル1006のカソード接触領域1006bと接触するように配置される。従って、アノード/カソード接触の前記集まりは、図1から6に示される構成に類似した、複数の直列に配列された電池セルを与えることとなる。
【0053】
図1から10に示される電池基板は種々の方法で製造され得る。1つの例示的方法は、以下図11Aから11Eに示される。図11Aから11Eは、本発明の1つの実施態様による、例示的電池基板を製造する種々のステップの間の断面を示す。具体的には、図11Aから11Eは、図9及び10の電池セルを形成するための断面を示す。しかし、以下説明される方法において種々のステップは、本発明の種々の実施態様による電池基板を製造するために等しく適用可能なものである。
【0054】
前記製造プロセスは、前記電池セル902が形成される基板900を準備することから開始される。いくつかの実施態様では、前記基板900は、半導体表面を含む。例えば、前記基板は、単結晶半導体ウェハ、絶縁体上半導体(SOI)ウェハ、フラットパネルディスプレー(例えばガラスプレート上のシリコン層)又は電子装置を形成するために使用される全てのタイプの基板などであり得る。基板900は、nータイプ又はp−タイプドーパントなどのドーパントを含む。さらに、基板900は、その上にすでに形成された電子部品又は電子部品の一部を含むことができる。かかる電子部品は、例えば、注入領域、フィールド分離領域又はその他の、トランジスタ及びMEMS装置などの電子部品を形成するために使用されるその他の層を含む。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、電子部品が電池902が形成された後に形成され得る。
【0055】
基板900が準備されると、垂直方向に伸びる構造が形成され得る。これは、図11Aに示され、基板900に凹部918が形成される。凹部918は種々の方法で形成され得る。1つの実施態様では、凹部はフォトリソグラフィー技術により形成され得る。これには基板900上に堆積されたレジスト層(図示されていない)の特定に部分に放射線を暴露するためにレチクルを用い、続いて暴露された部分を除去して開口部を持つパターン化されたレジスト層を形成することを含む。除去プロセスは前記基板の部分を除去して凹部918を形成するために使用され得る。一般には前記凹部918は選択的除去プロセスを用いて形成され得る。本発明の1つの実施態様では、凹部918の形成はエッチング技術を含み、これはプラズマ又はドライプロセスを用いる異方性エッチング又は等方性エッチングを含み得る。他の実施態様は湿式エッチング技術を使用し得る。類似のプロセスが凸部を形成するために使用され得る。
【0056】
上で説明されたように、前記基板は半導体基板を含む。従って、その上に形成された前記電池セル間を電気的に分離するために、基板の残る表面は何らかの方法で電気的に非導電性表面に変化させる必要がある。1つの実施態様では、これは基板900上及び凹部918内に電気的に絶縁層1102を堆積させることで達成され得る。例えば、シリコン含有基板の場合では、シリコン酸化物を含む層が、凹部が形成された後に基板上に成長させるか堆積させることができる。
【0057】
凹部918(及び必要な場合層1102)を基板900上に形成した後、前記カソード集電層部分906がそれぞれの電池セルのために基板900上に形成され得る。カソード集電層部分906は種々の方法で形成され得る。第1に、材料を含むカソード集電層部分906が基板900上に堆積され得る。例えば、リチウムセルの場合に、銅含有材料の層が前記基板上に堆積され得る。例えば、化学蒸着方法又は電気めっき方法が使用され得る。さらに、1又はそれ以上の接着層(図示されていない)がまた、前記カソード集電層部分906と前記下部基板900との間の接着性を改善するために形成され得る。その後前記カソード集電層部分906が、それぞれの電池セルについてフォトリソグラフィー技術を用いて形成され、それにより上で説明されたように、凹部918内の前記カソード集電層部分906と凹部918外の前記カソード接触領域914を定める。除去プロセスがその後前記カソード集電層部分906を形成するために使用され得る。例えば、銅含有材料の場合に、エッチング技術が使用され、これにはプラズマ又はドライプロセスを用いる異方法エッチング又は等方性エッチングが含まれ得る。他の実施態様は湿式エッチング技術を使用し得る。このプロセスの結果が図11Bに示される。
【0058】
前記カソード集電層部分906が形成された後、前記カソード層部分908が形成され得る。カソード層部分908は種々の方法で形成され得る。第1に、材料を含む前記カソード層部分906が基板上に堆積され得る。例えば、リチウムセルの場合には、リチウムコバルト酸化物材料の層が少なくとも凹部918上に基板900上に堆積され得る。例えば、スパッタリング又は化学蒸着技術が使用され得る。前記カソード層部分908はその後、それぞれの電池セルについて、フォトリソグラフィー技術を用いて形成され、上で説明されたように、凹部918内に前記カソード層部分908を形成するためのパターンを定めることができる。除去プロセスはその後使用されて、前記カソード層部分908を形成する。例えば、エッチング技術が使用され、これにはプラズマ又は他のドライエッチングプロセスを用いる異方性エッチング又は等方性エッチングが含まれ得る。他の実施態様は、湿式エッチング技術を使用し得る。さらに、リソグラフィー及びエッチングの前又は後に、アニーリングステップが前記リチウムコバルト酸化物を硬化させるために使用される。このプロセスの結果が図11Cに示される。
【0059】
前記カソード層部分908が形成されると、前記電解質/セパレータ層部分910が形成され得る。電解質/セパレータ層部分910は種々の方法で形成され得る。第1に、材料含有電解質/セパレータ層部分910の層が基板900上に堆積され得る。例えば、電解質層は、1つ又はそれ以上の固体イオン伝導体又はゲル化電解質の層を含み得る。例えば、リチウムセルの場合には、リチウムイオンを伝動するが電気的に絶縁性であるLiPON材料の層が少なくとも凹部918を覆うように基板900上に堆積され得る。本発明のいくつかの実施態様では、かかるLiPON材料は窒素プラズマ中でマグネトロンスパッタリングにより堆積され得る。しかし本発明の種々の実施態様はこれには限定されず、LiPONを堆積する全ての他の方法が使用され得る。前記電解質/セパレータ層部分910がその後それぞれの電池セルについてフォトリソグラフィー技術を用いて形成され、それにより、上で説明されたように、凹部918内に前記電解質/セパレータ層部分910を形成するためのパターンを定めることができる。除去プロセスはその後、前記電解質/セパレータ層部分910を形成するために使用され得る。例えば、エッチング技術が使用され、これにはプラズマ又はその他のドライエッチングプロセスを用いる異方性エッチング又は等方性エッチングを含み得る。他の実施態様は湿式エッチング技術を使用し得る。このプロセスの結果が図11Dに示される。
【0060】
前記電解質/セパレータ層部分910が形成されると、前記アノード層部分912が形成され得る。アノード層部分912は種々の方法で形成され得る。第1に、材料含有前記アノード層部分912の層が基板900上に堆積され得る。例えば、リチウムセルの場合、リチウム金属の層が基板900上に堆積され得る。前記アノード層部分912はその後、それぞれの電池セルについて、フォトリソグラフィー技術を用いて形成され、上で説明されたように、凹部918内に前記アノード層部分912及び凹部918から伸びるアノード接触領域916を形成するためのパターンを定めることができる。除去プロセスはその後、前記アノード層部分912とアノード接触領域916を形成するために使用され得る。例えば、エッチング技術が使用され、これにはプラズマ又はその他のドライエッチングプロセスを用いる異方性エッチング又は等方性エッチングを含み得る。」他の実施態様は湿式エッチング技術を使用し得る。このプロセスの結果が図11Eに示される。
【0061】
本発明の種々の実施態様が上で説明されてきたが、理解されるべきことは、これらは例示の方法でのみ提示されたものであり、なんらを限定するものではない、ということである。開示された実施態様の多くの変更が、ここでの開示に基づき、本発明の本質又は範囲から離れることなく可能である。従って、本発明の本質及び範囲は上で説明された実施態様のいかなるものにも限定されるべきではない。むしろ本発明の範囲は以下の特許請求の範囲及びその均等の範囲で定められる。本発明は1又はそれ以上の実施に関して説明されてきたが、明細書及び添付の図面を読み、理解することにより、均等な変更及び修正などを当業者は想到するものであろう。さらに、本発明の具体的な構成が1つ又はいくつかの実施態様に関して開示されてきたが、かかる構成は、いかなる所与の又は具体的な応用にとって望ましい場合及び有利である場合には、他の実施における1つ又はそれ以上の構成と組合せ得るものである。
【0062】
ここで使用される用語は具体的な実施態様を説明することのみを目的として使用されており本発明を制限することを意図するものではない。ここで使用される単数形「1つの」、「前記」には特別の記載がない限り複数形をも含む。さらに、用語「含む」、「持つ」、「と共に」又はこれらの変更用語は、詳細な説明及び/又は特許請求の範囲で使用されるが、かかる用語は用語「含む」と同様に包括的であることが意図される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子システムであり、前記電子システムは:
第1の表面を持つ第1の基板と、前記第1の表面から対抗する第2の表面を持つ第2の基板;及び
前記第1及び第2の表面の横方向に間隔が開けられた領域上に設けられた複数の電池セルを含み;
前記第1の表面上の前記電池セルの部分が、前記第2の表面上の前記電池セル層の部分に物理的に接触し、及び
前記第1の表面上と前記第2の表面上の前記電池セル層が、前記第1及び前記第2の表面上に複数の電気的に相互接続された電池セルを形成し、それらが横方向に間隔が開けられ1又はそれ以上の電池を定める、電子システム。
【請求項2】
請求項1に記載の電子システムであり、前記第1の表面上の前記横方向に間隔が開けられた複数の領域上設けられた前記電池セル層が、第1の複数の横方向に間隔が開けられた電池セルを形成する、電子システム。
【請求項3】
請求項1に記載の電子システムであり、前記物理的接触が、前記第1の本表面上の前記相互接続された電池セルのアノードと、前記第2の表面上の第2の前記相互接続された電池セルのカソードとの間の電気接続を与える、電子システム。
【請求項4】
請求項1に記載の電子システムであり、前記第1の表面上の前記電池セル層の少なくとも1つの層が、前記第2の表面上の前記電池セルの少なくとも1つの層と重なって前記物理的接触を形成する、電子システム。
【請求項5】
請求項1に記載の電子システムであり、さらに、前記第1及び前記基板上に設けられ、及び前記電池の少なくとも1つにより電力が供給される少なくとも1つの装置を含む、電子システム。
【請求項6】
請求項1に記載の電子システムであり、前記少なくとも1つの電池セル層が、前記第1及び第2の表面を横切る少なくとも1つの方向に伸びる表面を持つ、電子システム。
【請求項7】
請求項1に記載の電子システムであり、前記少なくとも1つの電池セルが、前記第1及び第2の表面と平行な少なくとも1つの方向に伸びる表面を持つ、電子システム。
【請求項8】
請求項1に記載の電子システムであり、前記横方向に間隔が開けられた領域が、前記第1及び第2の表面の少なくとも1つの表面に形成された少なくとも1つの凹部表面構造を含む、電子システム。
【請求項9】
請求項1に記載の電子システムであり、前記第1及び第2の表面から突出する凸部表面構造を含む、電子システム。
【請求項1】
電子システムであり、前記電子システムは:
第1の表面を持つ第1の基板と、前記第1の表面から対抗する第2の表面を持つ第2の基板;及び
前記第1及び第2の表面の横方向に間隔が開けられた領域上に設けられた複数の電池セルを含み;
前記第1の表面上の前記電池セルの部分が、前記第2の表面上の前記電池セル層の部分に物理的に接触し、及び
前記第1の表面上と前記第2の表面上の前記電池セル層が、前記第1及び前記第2の表面上に複数の電気的に相互接続された電池セルを形成し、それらが横方向に間隔が開けられ1又はそれ以上の電池を定める、電子システム。
【請求項2】
請求項1に記載の電子システムであり、前記第1の表面上の前記横方向に間隔が開けられた複数の領域上設けられた前記電池セル層が、第1の複数の横方向に間隔が開けられた電池セルを形成する、電子システム。
【請求項3】
請求項1に記載の電子システムであり、前記物理的接触が、前記第1の本表面上の前記相互接続された電池セルのアノードと、前記第2の表面上の第2の前記相互接続された電池セルのカソードとの間の電気接続を与える、電子システム。
【請求項4】
請求項1に記載の電子システムであり、前記第1の表面上の前記電池セル層の少なくとも1つの層が、前記第2の表面上の前記電池セルの少なくとも1つの層と重なって前記物理的接触を形成する、電子システム。
【請求項5】
請求項1に記載の電子システムであり、さらに、前記第1及び前記基板上に設けられ、及び前記電池の少なくとも1つにより電力が供給される少なくとも1つの装置を含む、電子システム。
【請求項6】
請求項1に記載の電子システムであり、前記少なくとも1つの電池セル層が、前記第1及び第2の表面を横切る少なくとも1つの方向に伸びる表面を持つ、電子システム。
【請求項7】
請求項1に記載の電子システムであり、前記少なくとも1つの電池セルが、前記第1及び第2の表面と平行な少なくとも1つの方向に伸びる表面を持つ、電子システム。
【請求項8】
請求項1に記載の電子システムであり、前記横方向に間隔が開けられた領域が、前記第1及び第2の表面の少なくとも1つの表面に形成された少なくとも1つの凹部表面構造を含む、電子システム。
【請求項9】
請求項1に記載の電子システムであり、前記第1及び第2の表面から突出する凸部表面構造を含む、電子システム。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【図11D】
【図11E】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【図11D】
【図11E】
【公表番号】特表2013−521629(P2013−521629A)
【公表日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−557082(P2012−557082)
【出願日】平成23年3月2日(2011.3.2)
【国際出願番号】PCT/US2011/026795
【国際公開番号】WO2011/112400
【国際公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【出願人】(594071675)ハリス コーポレイション (287)
【氏名又は名称原語表記】Harris Corporation
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月2日(2011.3.2)
【国際出願番号】PCT/US2011/026795
【国際公開番号】WO2011/112400
【国際公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【出願人】(594071675)ハリス コーポレイション (287)
【氏名又は名称原語表記】Harris Corporation
【Fターム(参考)】
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