説明

二量体IAP阻害剤

本発明は、式M−L−M’(ここで、MおよびM’は各々独立して式(I)


の単量体基であり、Lはリンカーである)の化合物を提供する。二量体化合物は急速に分裂している細胞におけるアポトーシスの促進に有効であることが判明した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、アポトーシスタンパク質阻害因子(IAP)の阻害剤として作用する二量体化合物、ならびにその医薬組成物、その使用方法およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
プログラム細胞死は細胞数制御およびストレスを受けたまたは損傷した細胞の正常組織からの除去に重要な役割を有する。実際、ほとんどの細胞型に固有のアポトーシスシグナリング機構は、ヒト癌の発症および進行に対する重要なバリアを提供する。最も一般的に使用される放射線療法および化学療法がアポトーシス経路の活性化により癌細胞を殺すため、プログラム細胞死を回避できる腫瘍細胞はしばしば処置に耐性となる。
【0003】
アポトーシスシグナリングネットワークは、細胞死受容体−リガンド相互作用が仲介する外因性または細胞ストレスおよびミトコンドリア透過化が仲介する内因性に分類される。両方の経路とも最終的に個々のカスパーゼ類、システイン−アスパラギンプロテアーゼ類に集約される。活性化されたら、カスパーゼ類は多くの細胞死関連基質を開裂し、細胞を破壊する。
【0004】
腫瘍細胞は、アポトーシスを回避するための多くの戦略を用意している。最近報告された分子機構の一つはIAP(アポトーシス阻害タンパク質)ファミリーのメンバーの過発現を含む。IAPは、カスパーゼ類と直接相互作用し、中和することによりアポトーシスを回避する。プロトタイプIAPである、XIAPおよびcIAPは、BIR1、2および3ドメインと呼ばれる3個の機能的ドメインを有する。BIR3ドメインは直接カスパーゼ9と相互作用し、その天然基質であるプロカスパーゼ3と結合し、開裂する能力を阻害する。
【0005】
プロアポトーシスミトコンドリアタンパク質であるSmac(別名DIABLO)は、XIAPおよび/またはcIAPを、BIR3表面上のペプチド結合ポケット(Smac結合部位)と結合することにより中和し、それによりカスパーゼ9との相互作用を妨げることができる。Smac由来のペプチド類の結合はまた自己触媒的ポリユビキチン化および続くcIAP1のプロテオソーム仲介分解の引き金を引くことも報告されている。本発明は、Smac結合ポケットに結合し、それにより急速に分裂している細胞でアポトーシスを促進する治療分子に関する。かかる治療分子は、癌を含む増殖性疾患の処置に有用である。
【発明の概要】
【0006】
要約
本発明は、急速に分裂している細胞におけるアポトーシスの促進に有効であることが判明した式M−L−M’の化合物に関する。有利に、本発明の化合物は、異常細胞、例えば正常細胞よりも急速に増殖している細胞、特にヒト腫瘍または癌細胞に選択的により毒性である。従って、本発明の化合物は、細胞増殖により特徴付けられる疾患および状態の処置に有用である。
【0007】
下の各態様において、MおよびM’は好ましくは相互に同じである。
【0008】
本発明の一つの態様において、式M−L−M’の化合物であって、MおよびM’は各々独立して式(I)
【化1】

〔式中:
は(C−C)アルキルまたは水素であり;
は水素、(C−C)アルキル、ハロ置換(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、−CH−(C−C)シクロアルキル、ベンジル、HO−(C−C)アルキル−またはCHNHC(O)−であり;
は(C−C)アルキル、ハロ置換(C−C)アルキルまたは水素であるか;
またはRは、窒素原子が結合している窒素原子と共にRと一体となって、場合によりN、OおよびSから独立して選択される1〜2個のさらなるヘテロ環原子を含んでよい3〜6員ヘテロ環を形成し;
Qは(C1−)アルキル、(C1−)アルコキシ、−OH、−C(O)−(C−C)アルキル、−O−C(O)−(C−C)アルキル、−NH、−NH−(C−C)アルキル、−N((C−C)アルキル)、−NH−C(O)−(C−C)アルキル、−NHSO(C−C)アルキル、−NHSO(フェニル)、−N((C−C)アルキル)−SO(C−C)アルキル、−N((C−C)アルキル)−SO(フェニル)、−NHSO(C−C)アルキル、−NHSO(フェニル)、−N((C−C)アルキル)−SO(C−C)アルキルまたは−N((C−C)アルキル)−SO(フェニル)であり;
oは0、1または2であり;
Aは少なくとも1個のN環ヘテロ原子を含む6員ヘテロアリール環であり;
Dは結合、−C(O)−、−O−、−NH−、−S−、−S(O)−、−SO−、−N((C−C)アルキル)−、−N((C−C)アルキル−OH)−、−N((C−C)シクロアルキル)−、−NHC(O)−、−N((C−C)アルキル)C(O)−、−C(O)NH−、−C(O)−N((C−C)アルキル)−、−N((C−C)アルキル−CO−(C−C)アルキル)−、−(C−C)アルキレン、(C−C)アルケニレン、−CH(OH)−、−C(O)−(C−C)アルキレン、−NH−(C−C)アルキレン、−S−(C−C)アルキレン、−S(O)−(C−C)アルキレン、−SO−(C−C)アルキレン、−NHSO(C−C)アルキレン、−NHSO(C−C)アルキレンまたは−CH(R)−、ここでRはNH、−NH((C−C)アルキレン)フェニル)、−NH(C−C)アルキル、−O((C−C)アルキレン)フェニル)または−O(C−C)アルキルであり、ここで、該((C−C)アルキレン)フェニル)または(C−C)アルキルは場合によりハロで置換されていてよく;
【0009】
はH、CF、フェニル、ナフチル、一部または完全に飽和した(C−C)シクロアルキル、O、SもしくはNから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を含む、5〜12員の一部または完全に飽和したヘテロ環またはO、SもしくはNから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を含む5〜10員ヘテロアリールであり、ここで、該フェニル、ナフチルおよびヘテロアリールは、場合により、ハロ、(C−C)アルキル、ハロ置換(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、−C(O)NHCH、−C(O)N(CH)、CNまたはNOから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてよく、そして
該ヘテロ環およびシクロアルキルは、場合により、フェニルにまたはO、SもしくはNから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を含む6員ヘテロアリールに縮合していてよく、そして該ヘテロ環、該シクロアルキル、該縮合ヘテロ環および該縮合シクロアルキルは、場合によりオキソ、ハロ、(C−C)アルキル、ハロ置換(C−C)アルキルまたは(C−C)アルコキシで置換されていてよく;
Wは結合、(C−C10)アルキレン、(C−C10)アルケニレン、((C−C)アルキレン)−(Y)−Bまたは((C−C)アルケニレン)−(Y)−Bであり、ここで、mおよびnは独立して0または1であり、Yはフェニレン、ナフチレン、一部または完全に飽和した3〜6員シクロアルキレン、O、SもしくはNから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を含む5〜6員の完全にまたは一部飽和した5〜6員ヘテロ環またはO、SもしくはNから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を含む5〜10員ヘテロアリーレンおよびBは結合、−O−、(C−C)アルキレンまたは−(CH)(フェニレン)であり、
ここで、該(C−C10)アルキレン、(C−C10)アルケニレン、(C−C)アルキレンまたは(C−C)アルケニレン基は、場合により、アルキレン鎖中に酸素原子または窒素原子を含んでよく、場合によりオキソ、−CF、フェニル、ナフチル、O、SもしくはNから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を含む5〜10員ヘテロアリール、一部または完全に飽和した5〜6員シクロアルキル、O、SもしくはNから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を含む5〜6員の完全にまたは一部飽和したヘテロ環および/または1個以上のハロで置換されていてよく、
ここで、該一部または完全に飽和したヘテロ環は、場合によりオキソ、(C−C)アルキルまたはハロから独立して選択される1〜2個の置換基で置換されていてよく、ここで、該ヘテロアリールまたは該ヘテロアリーレンは、場合によりハロまたは(C−C)アルキルから選択される1〜3個の置換基で置換されていてよく、そして
ここで、該フェニレン、該フェニル、該ナフチル、該ナフチレン、該シクロアルキレンまたは該シクロアルキルは、場合によりハロ、−CF、(C−C)アルキルまたは(C−C)アルコキシから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてよく、
またはWが((C−C)アルキレン)−(Y)−Bまたは((C−C)アルケニレン)−(Y)−Bであり、LがNR−C(O)−X−C(O)−NR−または−NR−S(O)−X−S(O)−NR−であるとき、Bは、Rと共にRが結合している窒素と一体となってアジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、1H−ピロリル、ピペリジニル、1H−インドリル、インドリニル、1H−ジヒドロイミダゾリル、1H−イミダゾリル、ピペラジニル、ヘキサヒドロピリミジニル、1,2,3,4−テトラヒドロキノリニル、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリニル、5,6,7,8−テトラヒドロピリド[3,4−b]ピラジニル、オキサゾリジニルおよびチアゾリジニルから成る群から選択されるヘテロ環を形成し、ここで、該ヘテロ環は場合により(C−C)アルキル、−OHまたはオキソから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてよく;
Lは−C(O)−NR−X−NR−C(O)−、−S(O)−NR−X−NR−S(O)−、−NR−C(O)−X−C(O)−NR−および−NR−S(O)−X−S(O)−NR−から成る群から選択されるリンカー基であり、
ここで、Rは水素、(C−C)アルキル、ベンジルまたはシクロヘキシルであり;
【0010】

(i)結合、
(ii)(C−C10)アルキレン、(C−C10)アルケニレン、(C−C10)アルキニレン、((C−C10)アルキレン)−(O(C−C)アルキレン)−または(C−C10)アルキレン−NH(C−C)アルキレン(ここで、pは0、1または2である)、
(iii)フェニレン、ナフチレン、フルオレニレン、9H−フルオレン−9−オニレン、9,10−ジヒドロアントラセニレン、アントラセン−9,10−ジオニレン、一部または完全に飽和した(C−C)シクロアルキレン、O、SもしくはNから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を含む5〜7員ヘテロ環またはO、SもしくはNから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を含む5〜10員ヘテロアリーレン(ここで、該フェニレンは場合により(C−C)シクロアルキルに縮合していてよい)、
(iv)(フェニレン)−G−(フェニレン)(ここで、Gは結合、O、S、−NH−、−N=N−、−S=S−、−SO−、(C−C)アルキレン、(C−C)アルケニレン、(C−C10)アルキニレン、(C−C)シクロアルキレン、O、SもしくはNから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を含む5〜6員ヘテロアリールまたはO、SもしくはNから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を含む5〜6員の一部または完全に飽和したヘテロ環であり、そして該フェニレンは場合によりフェニルと縮合していてよい)、
(v)((C−C)アルキレン)−Z−((C−C)アルキレン)または((C−C)アルケニレン)−Z−((C−C)アルケニレン)(ここで、rおよびsは独立して0、1または2であり;Zは−O−、−N=N−、(C−C)シクロアルキレン、フェニレン、O、SもしくはNから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を含む5〜6員の一部または完全に飽和したヘテロ環またはO、SもしくはNから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を含む5〜6員ヘテロアリーレンであり、ここで、該ヘテロアリーレンおよび該ヘテロ環は場合によりフェニル、フェニレン、O、SもしくはNから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を含む5〜6員の一部または完全に飽和したヘテロ環またはO、SもしくはNから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を含む5〜6員ヘテロアリーレンと縮合していてよい)、または
(vi)(C−C20)アルキレンまたは−NH−((C−C20)アルキレン)−NH−(ここで、該アルキレンはアルキレン鎖内に1〜6個の酸素原子を含み、該アルキレン鎖内に場合により1個または2個のフェニレン基を含んでよい)
であるか;
またはXは、両方のR基と両方のRが結合している窒素原子と一体となって、2,6−ジアザスピロ[3.3]ヘプタンを形成し;
【0011】

(i)結合または−O−、−NH−または−N((C−C)アルキル)−、
(ii)(C−C10)アルキレン、−(O(C−C)アルキレン)−、−((C−C)アルキレンO)−、−O−((C−C)アルキレンO)−、(C−C10)アルケニレン、((C−C10)アルキレン)−(O(C−C)アルキレン)−、−O−((C−C10)アルキル)−O−、(C−C10)アルキレン−NH(C−C)アルキレンまたは(C−C10)アルキニレン(ここで、pおよびqは各々独立して1、2または3である)、
(iii)フェニレン、ナフチレン、フルオレニレン、9H−フルオレン−9−オニレン、9,10−ジヒドロアントラセニレン、アントラセン−9,10−ジオニレン、一部または完全に飽和した(C−C)シクロアルキレン、O、SもしくはNから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を含む5〜7員ヘテロ環またはO、SもしくはNから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を含む5〜10員ヘテロアリーレン(ここで、該フェニレンは場合により(C−C)シクロアルキルに縮合していてよい)、
(iv)(フェニレン)−G−(フェニレン)または−O−(フェニレン)−G−(フェニレン)−O−(ここで、Gは結合、O、S、−NH−、−N=N−、−S=S−、−SO−、(C−C)アルキレン、(C−C)アルケニレン、(C−C)シクロアルキレン、O、SもしくはNから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を含む5〜6員ヘテロアリールまたはO、SもしくはNから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を含む5〜6員の一部または完全に飽和したヘテロ環であり、そして該フェニレンは場合によりフェニルと縮合していてよい、
(v)((C−C)アルキレン)−Z−((C−C)アルキレン)、((C−C)アルケニレン)−Z−((C−C)アルケニレン)または−(O(C−C)アルキレン)−Z−((C−C)アルキレンO)−であり、ここで、r、s、uおよびvは各々独立して0、1または2であり;ZおよびZは−O−、−N=N−、(C−C)シクロアルキレン、フェニレン、O、SもしくはNから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を含む5〜6員の一部または完全に飽和したヘテロ環またはO、SもしくはNから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を含む5〜6員ヘテロアリーレンであり、ここで、該ヘテロアリーレンおよび該ヘテロ環は、場合によりフェニル、フェニレン、O、SもしくはNから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を含む5〜6員の一部または完全に飽和したヘテロ環またはO、SもしくはNから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を含む5〜6員ヘテロアリーレンと縮合していてよい)、または
(vi)(C−C20)アルキレンまたは−NH−((C−C20)アルキレン)−NH−(ここで、該アルキレンはアルキレン鎖内に1〜6個の酸素原子を含み、該アルキレン鎖内に場合により1〜2個のフェニレン基を含んでよい)
であり;
ここで、該グループ(ii)において、XおよびXの基は、各々独立して1個以上のフルオロ原子またはハロ、オキソ、アミノ、フェニル、ナフチル、(C3−C6)シクロアルキルまたはO、NまたはSから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を含む5〜6員ヘテロ環から独立して選択される1〜2個の置換基で置換されており、ここで、該フェニル、該シクロアルキルおよび該ヘテロ環は、場合により、ハロ、(C−C)アルキルまたはトリフルオロメチルから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてよく、ここで、該グループ(iii)および(iv)において、XおよびXの基は、場合により(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、ハロ、アミノ、−OH、ベンジルまたは縮合5〜6員シクロアルキルから独立して選択される1〜4個の置換基で置換されていてよく、ここで、該(C−C)アルキル、該(C−C)アルコキシおよび該縮合シクロアルキルは、場合によりハロ、(C−C)アルキルから選択される1〜3個の置換基で置換されていてよく、
ここで、該グループ(v)において、XおよびXの基は、場合によりハロ、ヒドロキシ、オキソ、アミノ、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシまたはフェニルから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてよい。〕
の単量体基である化合物またはその薬学的に許容される塩が提供される。
【0012】
好ましくは、MおよびM’は同一である;またはその薬学的に許容される塩である。
【0013】
一つの態様において、Lは−C(O)−NR−X−NR−C(O)−または−S(O)−NR−X−NR−S(O)−であり、ここで、Rは水素または(C−C)アルキルである;またはその薬学的に許容される塩である。
【0014】
他の態様において、Lは−NR−C(O)−X−C(O)−NR−または−NR−S(O)−X−S(O)−NR−であり、ここで、Rは水素または(C−C)アルキルである;またはその薬学的に許容される塩である。
【0015】
各態様において、Rは好ましくは水素であり、RおよびRは好ましくは両方ともメチルであり、Dは好ましくは結合、−C(O)−、−CH−、−CH(OH)−、−CH(NH)−、−O−、−S−、−S(O)−、−S(O)−、−NH−、−N((C−C)アルキル)−、−N((C−C)アルキル−OH)−または−N(シクロプロピル)−である;またはその薬学的に許容される塩である。
【0016】
各態様において、Wは好ましくは(C−C10)アルキレン、5〜6員シクロアルキレンまたは((C−C)アルキレン)フェニレンである;またはその薬学的に許容される塩である。
【0017】
他の態様において、式M−L−M’の化合物であって、MおよびM’が式(II):
【化2】

〔式中、
は(C1−)アルキルまたは水素であり;
は(C1−)アルキルまたは水素であり;
は(C1−)アルキルまたは水素であるか;
またはRは、それが結合している窒素原子およびRと一体となって、場合によりN、OおよびSから独立して選択される1〜2個のさらなるヘテロ環原子を含んでよい3〜6員ヘテロ環を形成し;
Aは少なくとも1個のN環ヘテロ原子を含む6員ヘテロアリール環であり、ここで、該ヘテロアリールは場合により(C−C)アルキル、−SCH、−OCHまたはハロで置換されていてよく;
Dは結合、−C(O)−、−CH−、−CH(OH)−、−CH(NH)−、−O−、−S−、−S(O)−、−S(O)−、−NH−、−N((C−C)アルキル)−、−N((C−C)アルキル−OH)−または−N(シクロプロピル)−であり;
Wは(C−C10)アルキレン、5〜6員シクロアルキレンまたは((C−C)アルキレン)フェニレンであり;
dは0、1、2または3であり;
はハロ、−CF、(C−C)アルキルまたは(C−C)アルコキシであり;
Lは−C(O)−NR−X−NR−C(O)−、−S(O)−NR−X−NR−S(O)−、−NR−C(O)−X−C(O)−NR−および−NR−S(O)−X−S(O)−NR−から成る群から選択されるリンカー基であり、ここで、Rは水素または(C−C)アルキルであり;XおよびXは(C−C10)アルキレン、−(O(C−C)アルキレン)−、−((C−C)アルキレンO)−、(C−C10)アルケニレン、フェニレン、ナフチレンまたはビス(フェニレン)であり、ここで、pおよびqは各々独立して1、2、3または4である。〕
の単量体基である化合物またはその薬学的に許容される塩が提供される。
【0018】
特定の態様において、Aはピリジニルまたはピリミジルである;またはその薬学的に許容される塩である。
【0019】
各態様において、Rは好ましくは水素であり、RおよびRは好ましくは両方ともメチルである;またはその薬学的に許容される塩である。
【0020】
各態様において、Dは好ましくは−C(O)−、−CH−、−O−、−NH−、−N((C−C)アルキル)−または−N(シクロプロピル)−である;またはその薬学的に許容される塩である。
【0021】
各態様において、MおよびM’は好ましくは同じ単量体基である;またはその薬学的に許容される塩である。
【0022】
さらに別の態様において、式M−L−M’の化合物であって、MおよびM’が同一であり、式(III)
【化3】

〔式中、
は(C1−)アルキルまたは水素であり;
は(C1−)アルキルまたは水素であり;
は(C1−)アルキルまたは水素であるかまたは
またはRは、RまたはRが結合している窒素と共にRと一体となって、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニルまたはピペリジニルを形成し;
はフッ素であり;
Wは(C−C10)アルキレンまたは(C−C)アルキレンフェニレンであり;
Lは−C(O)−NR−X−NR−C(O)−、−S(O)−NR−X−NR−S(O)−、−NR−C(O)−X−C(O)−NR−および−NR−S(O)−X−S(O)−NR−から成る群から選択されるリンカー基であり、ここで、Rは水素であり、XおよびXは(C−C10)アルキレン、フェニレン、ナフチレンまたはビス(フェニレン)である。〕
の単量体基である化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【0023】
一つの態様において、Rは水素であり;Rはメチルであり;Rは好ましくはメチルである;またはその薬学的に許容される塩である。
【0024】
他の態様において、Rは水素であり;RはRと一体となってアゼチジニルを形成する;またはその薬学的に許容される塩である。
【0025】
さらに別の態様において、Wはn−ブチレンまたは−CH−(フェニレン)−である;またはその薬学的に許容される塩である。
【0026】
他の態様において、Wはn−ブチレンである;またはその薬学的に許容される塩である。
【0027】
さらに別の態様において、Wは−CH−(フェニレン)−である;またはその薬学的に許容される塩である。
【0028】
一つの態様において、Lは−NR−C(O)−X−C(O)−NR−であり、ここで、Xはn−プロピレン、n−ブチレン、n−ペンチレン、n−ヘキシレン、n−ヘプチレン、n−オクチレン、1,3−フェニレン、1,4−フェニレンまたは4,4’−ビフェニルである;またはその薬学的に許容される塩である。
【0029】
他の態様において、Lは−NR−S(O)−X−S(O)−NR−であり、ここで、Xは1,3−フェニレン、4,4’−ビフェニル、2,7−ナフチレンまたは2,6−ナフチレンである;またはその薬学的に許容される塩である。
【0030】
代表的化合物は:ヘプタン二酸ビス−{[(S)−6−{(S)−2−[5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピリジン−3−イル]−ピロリジン−1−イル}−5−((S)−2−メチルアミノ−プロピオニルアミノ)−6−オキソ−ヘキシル]−アミド};(S)−N−((S)−1−((S)−2−(5−(4−フルオロベンゾイル)ピリジン−3−イル)ピロリジン−1−イル)−6−(3−(N−((S)−6−((S)−2−(5−(4−フルオロベンゾイル)ピリジン−3−イル)ピロリジン−1−イル)−5−((S)−2−(メチルアミノ)プロパンアミド)−6−オキソヘキシル)スルファモイル)フェニルスルホンアミド)−1−オキソヘキサン−2−イル)−2−(メチルアミノ)プロパンアミド;N,N’−ビス−[(S)−6−{(S)−2−[5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピリジン−3−イル]−ピロリジン−1−イル}−5−((S)−2−メチルアミノ−プロピオニルアミノ)−6−オキソ−ヘキシル]−テレフタルアミド;(S)−N−((S)−1−((S)−2−(5−(4−フルオロベンゾイル)ピリジン−3−イル)ピロリジン−1−イル)−6−(4’−(N−((S)−6−((S)−2−(5−(4−フルオロベンゾイル)ピリジン−3−イル)ピロリジン−1−イル)−5−((S)−2−(メチルアミノ)プロパンアミド)−6−オキソヘキシル)スルファモイル)ビフェニル−4−イルスルホンアミド)−1−オキソヘキサン−2−イル)−2−(メチルアミノ)プロパンアミド;N,N’−ビス−[(S)−6−{(S)−2−[5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピリジン−3−イル]−ピロリジン−1−イル}−5−((S)−2−メチルアミノ−プロピオニルアミノ)−6−オキソ−ヘキシル]−イソフタルアミド;ノナン二酸ビス−{[(S)−6−{(S)−2−[5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピリジン−3−イル]−ピロリジン−1−イル}−5−((S)−2−メチルアミノ−プロピオニルアミノ)−6−オキソ−ヘキシル]−アミド};デカン二酸ビス−{[(S)−6−{(S)−2−[5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピリジン−3−イル]−ピロリジン−1−イル}−5−((S)−2−メチルアミノ−プロピオニルアミノ)−6−オキソ−ヘキシル]−アミド};(S)−N−((S)−1−((S)−2−(5−(4−フルオロベンゾイル)ピリジン−3−イル)ピロリジン−1−イル)−6−(7−(N−((S)−6−((S)−2−(5−(4−フルオロベンゾイル)ピリジン−3−イル)ピロリジン−1−イル)−5−((S)−2−(メチルアミノ)プロパンアミド)−6−オキソヘキシル)スルファモイル)ナフタレン−2−スルホンアミド)−1−オキソヘキサン−2−イル)−2−(メチルアミノ)プロパンアミド;(S)−N−((S)−1−((S)−2−(5−(4−フルオロベンゾイル)ピリジン−3−イル)ピロリジン−1−イル)−6−(6−(N−((S)−6−((S)−2−(5−(4−フルオロベンゾイル)ピリジン−3−イル)ピロリジン−1−イル)−5−((S)−2−(メチルアミノ)プロパンアミド)−6−オキソヘキシル)スルファモイル)ナフタレン−2−スルホンアミド)−1−オキソヘキサン−2−イル)−2−(メチルアミノ)プロパンアミド;ビフェニル−4,4’−ジカルボン酸ビス−{[(S)−6−{(S)−2−[5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピリジン−3−イル]−ピロリジン−1−イル}−5−((S)−2−メチルアミノ−プロピオニルアミノ)−6−オキソ−ヘキシル]−アミド};ビフェニル−4,4’−ジカルボン酸ビス−[((S)−5−[((S)−アゼチジン−2−カルボニル)−アミノ]−6−{(S)−2−[5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピリジン−3−イル]−ピロリジン−1−イル}−6−オキソ−ヘキシル)−アミド];ヘプタン二酸ビス−({4−[(S)−3−{(S)−2−[5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピリジン−3−イル]−ピロリジン−1−イル}−2−((S)−2−メチルアミノ−プロピオニルアミノ)−3−オキソ−プロピル]−フェニル}−アミド);デカン二酸ビス−({4−[(S)−3−{(S)−2−[5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピリジン−3−イル]−ピロリジン−1−イル}−2−((S)−2−メチルアミノ−プロピオニルアミノ)−3−オキソ−プロピル]−フェニル}−アミド);ヘキサン二酸ビス−({4−[(S)−3−{(S)−2−[5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピリジン−3−イル]−ピロリジン−1−イル}−2−((S)−2−メチルアミノ−プロピオニルアミノ)−3−オキソ−プロピル]−フェニル}−アミド);N,N’−ビス−{4−[(S)−3−{(S)−2−[5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピリジン−3−イル]−ピロリジン−1−イル}−2−((S)−2−メチルアミノ−プロピオニルアミノ)−3−オキソ−プロピル]−フェニル}−イソフタルアミド;ノナン二酸ビス−({4−[(S)−3−{(S)−2−[5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピリジン−3−イル]−ピロリジン−1−イル}−2−((S)−2−メチルアミノ−プロピオニルアミノ)−3−オキソ−プロピル]−フェニル}−アミド);およびペンタン二酸ビス−({4−[(S)−3−{(S)−2−[5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピリジン−3−イル]−ピロリジン−1−イル}−2−((S)−2−メチルアミノ−プロピオニルアミノ)−3−オキソ−プロピル]−フェニル}−アミド)である;またはその薬学的に許容される塩である。
【0031】
好ましい代表的化合物は:ヘプタン二酸ビス−{[(S)−6−{(S)−2−[5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピリジン−3−イル]−ピロリジン−1−イル}−5−((S)−2−メチルアミノ−プロピオニルアミノ)−6−オキソ−ヘキシル]−アミド};N,N’−ビス−[(S)−6−{(S)−2−[5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピリジン−3−イル]−ピロリジン−1−イル}−5−((S)−2−メチルアミノ−プロピオニルアミノ)−6−オキソ−ヘキシル]−テレフタルアミド;N,N’−ビス−[(S)−6−{(S)−2−[5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピリジン−3−イル]−ピロリジン−1−イル}−5−((S)−2−メチルアミノ−プロピオニルアミノ)−6−オキソ−ヘキシル]−イソフタルアミド;ノナン二酸ビス−{[(S)−6−{(S)−2−[5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピリジン−3−イル]−ピロリジン−1−イル}−5−((S)−2−メチルアミノ−プロピオニルアミノ)−6−オキソ−ヘキシル]−アミド};デカン二酸ビス−{[(S)−6−{(S)−2−[5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピリジン−3−イル]−ピロリジン−1−イル}−5−((S)−2−メチルアミノ−プロピオニルアミノ)−6−オキソ−ヘキシル]−アミド};ビフェニル−4,4’−ジカルボン酸ビス−{[(S)−6−{(S)−2−[5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピリジン−3−イル]−ピロリジン−1−イル}−5−((S)−2−メチルアミノ−プロピオニルアミノ)−6−オキソ−ヘキシル]−アミド};ビフェニル−4,4’−ジカルボン酸ビス−[((S)−5−[((S)−アゼチジン−2−カルボニル)−アミノ]−6−{(S)−2−[5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピリジン−3−イル]−ピロリジン−1−イル}−6−オキソ−ヘキシル)−アミド];ヘプタン二酸ビス−({4−[(S)−3−{(S)−2−[5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピリジン−3−イル]−ピロリジン−1−イル}−2−((S)−2−メチルアミノ−プロピオニルアミノ)−3−オキソ−プロピル]−フェニル}−アミド);デカン二酸ビス−({4−[(S)−3−{(S)−2−[5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピリジン−3−イル]−ピロリジン−1−イル}−2−((S)−2−メチルアミノ−プロピオニルアミノ)−3−オキソ−プロピル]−フェニル}−アミド);およびノナン二酸ビス−({4−[(S)−3−{(S)−2−[5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピリジン−3−イル]−ピロリジン−1−イル}−2−((S)−2−メチルアミノ−プロピオニルアミノ)−3−オキソ−プロピル]−フェニル}−アミド);またはその薬学的に許容される塩を含む。
【0032】
より好ましい代表的化合物は:ビフェニル−4,4’−ジカルボン酸ビス−{[(S)−6−{(S)−2−[5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピリジン−3−イル]−ピロリジン−1−イル}−5−((S)−2−メチルアミノ−プロピオニルアミノ)−6−オキソ−ヘキシル]−アミド};デカン二酸ビス−{[(S)−6−{(S)−2−[5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピリジン−3−イル]−ピロリジン−1−イル}−5−((S)−2−メチルアミノ−プロピオニルアミノ)−6−オキソ−ヘキシル]−アミド};デカン二酸ビス−({4−[(S)−3−{(S)−2−[5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピリジン−3−イル]−ピロリジン−1−イル}−2−((S)−2−メチルアミノ−プロピオニルアミノ)−3−オキソ−プロピル]−フェニル}−アミド);ノナン二酸ビス−{[(S)−6−{(S)−2−[5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピリジン−3−イル]−ピロリジン−1−イル}−5−((S)−2−メチルアミノ−プロピオニルアミノ)−6−オキソ−ヘキシル]−アミド};ヘプタン二酸ビス−({4−[(S)−3−{(S)−2−[5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピリジン−3−イル]−ピロリジン−1−イル}−2−((S)−2−メチルアミノ−プロピオニルアミノ)−3−オキソ−プロピル]−フェニル}−アミド);およびノナン二酸ビス−({4−[(S)−3−{(S)−2−[5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピリジン−3−イル]−ピロリジン−1−イル}−2−((S)−2−メチルアミノ−プロピオニルアミノ)−3−オキソ−プロピル]−フェニル}−アミド);またはその薬学的に許容される塩を含む。
【0033】
本発明の他の局面において、上に記載する何れか一つの化合物またはその薬学的に許容される塩および薬学的に許容される担体、希釈剤または添加物を含む医薬組成物が提供される。医薬組成物はさらに少なくとも1種の付加的薬剤(下に記載する)を含んでよい。特に、少なくとも1種の付加的薬剤はパクリタキセル、PI3K阻害剤、トポイソメラーゼ阻害剤、Trail抗体、組み換えTrailまたはTrail受容体アゴニストである。より具体的に、少なくとも1種の付加的薬剤はパクリタキセルである。
【0034】
本発明の他の局面において、対象におけるIAPの過発現と関連する疾患、障害または状態の処置方法であって、かかる処置を必要とする対象に治療有効量の上に記載する何れか一つの化合物またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法が提供される。
【0035】
さらに別の局面において、IAPが仲介する疾患、障害または状態の処置方法であって、かかる処置を必要とする対象に治療有効量の上に記載する何れか一つの化合物またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法が提供される。
【0036】
さらに別の局面において、腫瘍または癌細胞におけるアポトーシスの誘発または促進のための、上に記載する何れか一つの化合物の使用が提供される。
【0037】
上に記載する何れか一つの化合物は医薬として使用し得る。
【0038】
またはここに記載するのは、IAPが仲介する疾患、障害または状態の処置用医薬の製造における、上に記載する何れか一つの化合物の使用である。
【0039】
他の局面において、IAPの過発現と関連する疾患、障害または状態の処置のための上に記載する何れか一つの化合物の使用が提供される。
【0040】
さらに別の局面において、IAPが仲介する疾患、障害または状態の処置方法であって、かかる処置を必要とする患者に
(i) 上に記載する何れか一つの化合物またはその薬学的に許容される塩;および
(ii) 少なくとも1種の付加的薬剤
を投与することを含む、方法が提供される。
【0041】
特に、付加的薬剤はパクリタキセル、PI3K阻害剤、トポイソメラーゼ阻害剤、Trail抗体、組み換えTrailまたはTrail受容体アゴニストである。より具体的に、付加的薬剤はパクリタキセルである。
【0042】
化合物またはその薬学的に許容される塩および付加的薬剤を同時に投与しても連続的に投与してもよい。
【0043】
さらに別の局面において、IAPが仲介する疾患、障害または状態の処置方法であって、かかる処置を必要とする患者に、上に記載する何れか一つの化合物またはその薬学的に許容される塩および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を投与することを含む、方法が提供される。本方法の組成物はさらに少なくとも1種の付加的薬剤を含んでよい。特に、付加的薬剤はパクリタキセル、PI3K阻害剤、トポイソメラーゼ阻害剤、Trail抗体、組み換えTrailまたはTrail受容体アゴニストである。より具体的に、付加的薬剤はパクリタキセルである。
【0044】
さらに別の局面において、IAPが仲介する疾患、障害または状態の処置方法であって、かかる処置を必要とする対象に
(i) 上に記載する何れか一つの化合物またはその薬学的に許容される塩および薬学的に許容される担体を含む第一組成物;および
(ii) 少なくとも1種の付加的薬剤(下に記載)および薬学的に許容される担体を含む第二組成物を投与することを含む、方法を提供する。特に、付加的薬剤はパクリタキセル、PI3K阻害剤、トポイソメラーゼ阻害剤、Trail抗体、組み換えTrailまたはTrail受容体アゴニストである。より具体的に、付加的薬剤はパクリタキセルである。第一組成物および第二組成物は同時に投与しても、連続的に投与してもよい。
【0045】
定義
ここで使用する用語“アルキル”は、一般式C2n+1の炭化水素基を意味する。アルカン基は直鎖でも分枝鎖でもよい。例えば、用語“(C−C10)アルキル”は1〜10個の炭素原子を含む一価の、直鎖または分枝鎖脂肪族基を意味する(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、ネオペンチル、3,3−ジメチルプロピル、ヘキシル、2−メチルペンチル、ヘプチルなど)。同様に、アルコキシのアルキル部分(すなわち、アルキル基)は上と同じ定義である。“場合により置換されていてよい”と記載されているとき、アルカン基またはアルキル基は置換されていなくても、1個以上の置換基(一般的に、ペルクロロアルキルまたはペルフルオロアルキルのようなハロゲン置換基以外、1〜3個の置換基)で置換されていてもよい。“ハロ置換アルキル”は、少なくとも1個のハロゲン置換を有するアルキル基を意味する。
【0046】
用語“アルケニル”は、アルキル基に少なくとも1個の不飽和を含むアルキル基を意味する。アルケニル基は直鎖でも分枝鎖でもよい。例えば、ビニル、プロプ−1−エニル、プロプ−2−エニル、アレニル、2−メチルプロプ−2−エニル、3−メチルブト−2−エニル、ブタジエニルなど。
【0047】
用語“アルキニル”は、少なくとも1個の三重結合を含むアルキル基を意味する。アルキニル基は直鎖でも分枝鎖でもよい。例えば、CH−C≡C−、H−C≡C−CH−、CH−C≡C−CH−、H−C≡C−CH(CH)−、H−C≡C−CHCH−、H−C≡C−CH(CH)CH−、H−C≡C−CH−C≡C−CH−など。
【0048】
用語“アルキレン”または“アルキレニル”は、2個の結合部位を含むアルキル基を意味する。アルキレン基は直鎖(例えば、−(CH)−、−(CH)−、−(CH)−)または分枝鎖(例えば、−CH(CH)−、−C(CH)−、−CHCH(CH)−、−CH(CH)−CH−、−C(CH)−CH−など)であり得る。適当なアルキレン部分は、1個の代わりに2個の結合部位を有する以外、上に記載したアルキルと同一である。
【0049】
用語“アルケニレン”または“アルケニレニル”は、2個の結合部位を含むアルケニル基を意味する。例えば、−CH−CH=CH−CH−、−CH=CH−CH=CH−など。適当なアルケニレン基は、1個の代わりに2個の結合部位を有する以外、上に記載したアルケニルと同一である。
【0050】
用語“アルキニレン”または“アルキニレニル”は、2個の結合部位を含むアルキニル基を意味する。例えば、−CH−C≡C−CH−。適当なアルキニレン基は、1個の代わりに2個の結合部位を有する以外、上に記載したアルキニルと同一である。
【0051】
用語“アリール”は、単(例えば、フェニル)または縮合環系(例えば、ナフタレン、アントラセン、フェナントレンなど)を有する芳香族基を意味する。典型的アリール基は、6〜14員芳香族性炭素環である。縮合芳香環系は、一部または完全に飽和したシクロアルキルに縮合したフェニルも含み得る。例えば、2,3−ジヒドロインデニル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレニル、1,2−ジヒドロナフタレニル、2,3−ジヒドロナフタレニル、9,10−ジヒドロアントラセニル、フルオレニルなど。
【0052】
用語“アリーレン”は、2個の結合部位を有する炭素環式芳香族基を意味する。適当なアリーレンは、1個の代わりに2個の結合部位を有する以外、上に記載したアリール基を含む。例えば、1,2−フェニレン、1,3−フェニレン、1,4−フェニレン、1,3−ナフチレン、1,4−ナフチレン、1,5−ナフチレン、1,6−ナフチレン、1,7−ナフチレン、2,3−ナフチレン、2,4−ナフチレン、2,5−ナフチレン、2,6−ナフチレン、2,7−ナフチレン、3,4−ナフチレン、3,5−ナフチレン、3,6−ナフチレン、3,7−ナフチレンなど。縮合アリーレン系の2個の結合部位は同じ環にあっても、異なる環にあってもよい。
【0053】
用語“一部または完全に飽和したシクロアルキル”は、完全に水素化した(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルなど)または一部水素化した(例えば、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンチル、シクロペンタ−1,3−ジエニル、シクロヘキセニル、シクロヘキサ−1,3−ジエニル、シクロヘキサ−1,4−ジエニルなど)炭素環を意味する。炭素環は単環(上に記載の通り)、二環(例えば、オクタヒドロペンタレニル、ビシクロ[1.1.1]ペンタニル、ビシクロ[2.1.1]ヘキサニル、ビシクロ[2.1.1]ヘキサ−2−エニル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エニル、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、ビシクロ[2.2.2]オクタニル、ビシクロ[2.2.2]オクト−2−エニル、ビシクロ[2.2.2]オクタ−2,5−ジエニルなど)またはスピロ環(例えば、スピロ[2.2]ペンタニルなど)など。
【0054】
用語“一部または完全に飽和したシクロアルキレン”は、2個の結合部位を含む環に不飽和がない(完全に水素化)または、芳香族性ではなく少なくとも1個の不飽和を有する(一部水素化)炭素環を意味する。適当な環系は、1個の代わりに2個の結合部位を有する以外、一部または完全に飽和したシクロアルキルについて上に記載した通りである。例えば、1,2−シクロプロピル、1,2−シクロプロプ−1−エニル、1,2−シクロブチル、1,3−シクロブチル、1,2−シクロブト−1−エニル、3,4−シクロブト−1−エニル、3,5−シクロペント−1−エニル、1,4−シクロペンタ−1,3−ジエニル、1,5−シクロペンタ−1,3−ジエニル、1,2−シクロペンタ−1,3−ジエニル、1,3−シクロペンタ−1,3−ジエニルなど。炭素環は単環、二環またはスピロ環であってよく、二環およびスピロ環の2個の結合部位は同じ環上でも別の環上でもよい。例えば、下図参照。
【化4】

【0055】
用語“一部または完全に飽和したヘテロ環”は、一部または完全に水素化された非芳香環であり、単環、二環(縮合環を含む)またはスピロ環を含む。特にことわらない限り、ヘテロ環は一般的に硫黄、酸素および/または窒素から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子(好ましくは1個または2個のヘテロ原子)を含む3〜12員環である。一部飽和したまたは完全に飽和したヘテロ環は、例えばエポキシ、アジリジニル、アゼチジニル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、ジヒドロピリジニル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、1H−ジヒドロイミダゾリル、ヘキサヒドロピリミジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピラゾリジニル、2H−ピラニル、4H−ピラニル、2H−クロメニル、オキサジニル、モルホリノ、チオモルホリノ、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロチエニル1,1−ジオキシド、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、オクタヒドロピロロ[3,2−b]ピロリルなどの基を含む。一部飽和したヘテロ環はまた、ヘテロ環がアリールまたはヘテロアリール環に縮合した基(例えば、2,3−ジヒドロベンゾフラニル、インドリニル(または2,3−ジヒドロインドリル)、2,3−ジヒドロベンゾチオフェニル、2,3−ジヒドロベンゾチアゾリル、1,2,3,4−テトラヒドロキノリニル、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリニル、5,6,7,8−テトラヒドロピリド[3,4−b]ピラジニルなど)も含む。スピロ環の例は2,6−ジアザスピロ[3.3]ヘプタニル、3−アザスピロ[5.5]ウンデカニル、3,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカニルなどを含む。
【0056】
用語“一部または完全に飽和したヘテロ環”は、1個の代わりに2個の結合部位を有する以外、一部または完全に飽和したヘテロ環(上に記載の通り)を意味する。ヘテロ環は単環、二環またはスピロ環であってよく、二環およびスピロ環の2個の結合部位は同じ環上でも別の環上でもよい。例えば、下図参照。
【化5】

【0057】
用語“ヘテロアリール”は、5〜10員芳香環系に少なくとも1個のヘテロ原子(例えば、酸素、硫黄、窒素またはそれらの組合せ)を含む芳香族基を意味する(例えば、ピロリル、ピリジル、ピラゾリル、インドリル、インダゾリル、チエニル、フラニル、ベンゾフラニル、オキサゾリル、イミダゾリル、テトラゾリル、トリアジニル、ピリミジル、ピラジニル、チアゾリル、プリニル、ベンゾイミダゾリル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゾリル、1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾリルなど)。ヘテロ芳香族基は単環または縮合環系を含み得る。典型的単ヘテロアリール環は、1〜3個の酸素、硫黄および窒素から独立して選択されるヘテロ原子を含む5〜6員環であり、典型的縮合ヘテロアリール環系は、1〜4個の酸素、硫黄および窒素から独立して選択されるヘテロ原子を含む9〜10員環系である。縮合ヘテロアリール環系は互いに縮合した2個のヘテロアリールまたはアリール(例えば、フェニル)に縮合したヘテロアリールを含み得る。
【0058】
用語“ヘテロアリーレン”は、1個の代わりに2個の結合部位を有するヘテロアリールを意味する。適当なヘテロアリーレン基は、1個の代わりに2個の結合部位を有する上に記載したヘテロアリールである。
【0059】
特にことわらない限り、用語“本発明の化合物”は、式(I)、(II)および(III)の化合物およびその塩類、ならびに全立体異性体(ジアステレオ異性体およびエナンチオマーを含む)、回転異性体、互変異性体および同位体標識された化合物(重水素置換を含む)、ならびに本質的に形成された基(例えば、多形、溶媒和物および/または水和物)を意味する。
【0060】
詳細な記載
本発明は、アポトーシスの阻害が仲介するまたはそれが原因である疾患、状態および/または障害の処置に有用な化合物およびその医薬製剤に関する。
【0061】
本発明の化合物は、特に、本明細書の記載に照らして、化学分野で周知の方法に準じる方法を含む合成経路で合成し得る。出発物質は一般的にAldrich Chemicals(Milwaukee, Wis.)のような販売業者から入手可能であるか、または当業者に既知の方法により容易に製造される(例えば、一般的にLouis F. Fieser and Mary Fieser, Reagents for Organic Synthesis, v. 1-19, Wiley, New York (1967-1999 ed.)または補遺を含むBeilsteins Handbuch der organischen Chemie, 4, Aufl. ed. Springer-Verlag, Berlin(Beilstein online databaseを介しても入手可能)に記載される方法により製造)。
【0062】
説明の目的で、下に記載する反応スキームは、本発明の化合物ならびに重要な中間体を合成することが可能な経路を説明する。個々の反応工程についてのより詳細な記載は、下の実施例部分を参照のこと。当業者には、本発明の化合物を合成するのに他の合成経路を使用し得ることは当然である。特定の出発物質および反応材をスキームに記載し、下に述べているが、他の出発物質および反応材を容易に置き換えて、種々の誘導体および/または反応条件を提供し得る。加えて、下に記載する方法で製造した化合物の多くが、本明細書の記載に照らして、当業者に既知の慣用の化学を使用して、さらに修飾できる。
【0063】
本発明の化合物の製造において、中間体の遠隔官能基(例えば、1級または2級アミノ基またはカルボキシル基)の保護が必要であるかもしれない。かかる保護の必要性は、遠隔官能基の性質および反応方法の条件により変わる。適当なアミノ保護基(NH−Pg)は、アセチル、トリフルオロアセチル、t−ブトキシカルボニル(BOC)、ベンジルオキシカルボニル(CBz)および9−フルオレニルメチレンオキシカルボニル(Fmoc)を含む。適当なカルボキシル保護基(C(O)O−Pg)はアルキルエステル類(例えば、メチル、エチルまたはt−ブチル)、ベンジルエステル類、シリルエステル類などを含む。かかる保護の必要性は当業者が容易に決定し得る。保護基およびその使用についての一般的な記載について、T. W. Greene, Protective Groups in Organic Synthesis, John Wiley & Sons, New York, 1991参照。
【0064】
スキーム1(下記)は、出発物質(SM−1)とカップリング部位含有アミノ酸基(SM−2)(これは、C”に保護基を含み得る)を反応させて、アミド中間体(Ia)を形成させることによる、式M−L−M’の化合物の製造が可能な経路を記載する。アミノ保護基除去後、中間体(Ia)を出発物質(SM−3)と反応させて、ジアミド中間体(1b)を得ることができ、これは、カップリング部位(C”)を有する単量体MまたはM’の均等物である。中間体(Ib)をリンカー(SM−4)を反応させて、結合が単量体単位とリンカーの間に形成されるようにCおよびC’が結合部位(C”)と相補的反応基である本発明の化合物(M−L−M’)を形成し得る。C”が保護基を含むならば、保護基をSM−4との反応前に除去する。例えば、単量体単位上のアミノ基(C”)を酸クロライド(CおよびC’)と反応させて、2個のアミド結合を形成させ、架橋基−NH−C(O)−X−C(O)−NH−を形成する。基A、D、A、Q、n、W、Lg、XおよびLは上に定義した通りである。当業者には、種々の出発物質および中間体(例えば、Rが水素であるとき)に使用される遠隔官能基によりさらなる保護基が必要であるかもしれないことは当然である。下のスキーム1に示す各反応は、当業者に既知の条件下で実施できる。条件のさらに詳細な記載については、下の実施例部分を参照のこと。
【化6】

【0065】
単量体MおよびM’が同一であるとき、式M−L−M’の化合物は、上に示す一般スキーム1により得ることができる。単量体MおよびM’が異なるとき、出発物質(SM−1)が別々の基A、D、A、Qまたはnを含むおよび/または出発物質(SM−2)がMまたはM’いずれかの合成のために異なる基WまたはC”を含む。換言すれば、2種の単量体中間体(1b)をリンカー化合物(SM−4)と反応させる。単量体単位の種々の組合せを、所望の組合せに向かうように異なるカップリング部位で保護基を使用することにより制御できる。
【0066】
種々のSM−2化合物を本発明の化合物の製造に使用して、種々のW基、例えばアミノ置換(NHR)アルファ−アミノ酸化合物、アミノ置換(NH)アルファ−アミノ酸化合物およびカルボキシル置換アルファ−アミノ酸類を提供し得る。Wの結合部位(C”)は保護基を含まなくても、リンカー化合物とのカップリング前に除去し得る保護基を含んでいてもよい。
【0067】
適当なアミノ置換(NHR)アルファ−アミノ酸化合物(保護基を含むように修飾し得る)は、2,2−ジアミノ酢酸、(S)−2−アミノ−2−(ピペリジン−4−イル)酢酸、3−(2−アミノ−2−カルボキシエチル)ピロリジン−1−カルボン酸、(S)−2−アミノ−3−(アミノオキシ)プロパン酸、2−アミノ−2−(ピペリジン−2−イル)酢酸、(S)−2−アミノ−4−((R)−2,2−ジメチルオキサゾリジン−5−イル)ブタン酸、(S)−2−アミノ−3−((S)−アジリジン−2−イル)プロパン酸、(S)−2−アミノ−3−((S)−ピロリジン−3−イル)プロパン酸、(S)−2−アミノ−3−(1H−インドール−3−イル)プロパン酸、(S)−2−アミノ−2−(アゼチジン−3−イル)酢酸、(S)−2−アミノ−6−(メチルアミノ)ヘキサン酸、2−アミノ−3−(インドリン−7−イル)プロパン酸、(S)−2−アミノ−4−(アミノオキシ)ブタン酸、(S)−メチル2−アミノ−3−(1H−イミダゾール−5−イル)プロパン酸、(2S)−2−アミノ−3−(インドリン−3−イル)プロパン酸、(S)−2−アミノ−2−(1H−ピロール−3−イル)酢酸、2−アミノ−3−(ピペリジン−3−イル)プロパン酸、(S)−2−アミノ−3−(4−(アミノオキシメチル)−フェニル)プロパン酸、2−アミノ−2−(ピロリジン−2−イル)酢酸、2−アミノ−3−(ピペリジン−2−イル)プロパン酸、(S)−2−アミノ−3−((S)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−3−イル)プロパン酸、2−アミノ−2−(ピロリジン−3−イル)酢酸、2−アミノ−3−(ピペリジン−4−イル)プロパン酸、2−アミノ−3−(5,6,7,8−テトラヒドロピリド[3,4−b]ピラジン−7−イル)プロパン酸、(S)−2−アミノ−3−((S)−アゼチジン−2−イル)プロパン酸、(S)−2−アミノ−3−(ピペラジン−1−イル)プロパン酸、(S)−2−アミノ−6−(シクロヘキシルアミノ)ヘキサン酸、(S)−2−アミノ−3−(アゼチジン−3−イル)プロパン酸、2−アミノ−3−(1−アミノピロリジン−2−イル)プロパン酸、(S)−3−(4−(1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−2−アミノプロパン酸、(S)−2−アミノ−5−(アミノオキシ)ペンタン酸、(S)−2−アミノ−3−(2−(アミノオキシ)アセトアミド)−プロパン酸、(R)−2−アミノ−6−(ベンジルアミノ)ヘキサン酸、(S)−2−アミノ−3−(1H−イミダゾール−5−イル)−プロパン酸、(E)−2−アミノ−4−(ピペリジン−4−イル)ブト−3−エン酸、(S)−2−アミノ−3−(4−(イソプロピルアミノメチル)−フェニル)プロパン酸、(S)−2−アミノ−3−((S)−2,3−ジヒドロ−1H−ピロール−2−イル)プロパン酸、(S)−2−アミノ−4−(ピペリジン−4−イル)ブタン酸、2−アミノ−3−(4−(ピペラジン−1−イル)フェニル)プロパン酸、(S)−2−アミノ−3−((S)−ピロリジン−2−イル)プロパン酸、(S)−2−アミノ−4−(ピペラジン−1−イル)ブタン酸、2−アミノ−3−(2−(ピペラジン−1−イル)フェニル)プロパン酸、(S)−2−アミノ−2−((S)−ピペリジン−3−イル)酢酸、(S)−2−アミノ−6−(イソプロピルアミノ)ヘキサン酸、2−アミノ−3−(4−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)ピロリジン−2−イル)プロパン酸および(S)−2−アミノ−4−(2−(アミノオキシ)アセトアミド)ブタン酸を含む。
【0068】
適当なアミノ置換(NH)アルファ−アミノ酸化合物(保護基を含むように修飾し得る)は、(R)−2,3−ジアミノプロパン酸、(S)−2−アミノ−3−(2−アミノ−1H−イミダゾール−4−イル)プロパン酸、(S)−2−アミノ−4−(2−アミノピリミジン−4−イル)ブタン酸、(2R,3R)−2,3−ジアミノブタン酸、(2S,3R)−2−アミノ−3−(2−アミノアセトキシ)ブタン酸、(2R,5R)−2,5−ジアミノ−6,6,6−トリフルオロヘキサン酸、(S)−2,4−ジアミノブタン酸、(S)−2−アミノ−3−(2−アミノフェニル)プロパン酸、2−アミノ−3−(4−(アミノメチル)シクロヘキシル)プロパン酸、(S)−2,5−ジアミノペンタン酸、(R)−2−アミノ−3−(3−アミノフェニル)プロパン酸、(S)−2−アミノ−4−(2−アミノフェニル)−4−オキソブタン酸、(R)−2−アミノ−4−(アミノオキシ)ブタン酸、(S)−2−アミノ−3−(4−アミノフェニル)プロパン酸、2−アミノ−3−(2−アミノ−5−クロロフェニル)プロパン酸、(E)−2,6−ジアミノヘキサ−4−エン酸、2−アミノ−3−(2−アミノピリジン−3−イル)プロパン酸、2−アミノ−3−(2−アミノ−1H−インドール−3−イル)プロパン酸、(R)−2,6−ジアミノヘキサン酸、2−アミノ−3−(4−アミノピリジン−3−イル)プロパン酸、2−アミノ−3−(5−アミノ−1H−インドール−3−イル)プロパン酸、(S)−2−アミノ−3−(2−アミノエトキシ)プロパン酸、2−アミノ−3−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)プロパン酸、(S,E)−2−アミノ−4−(2−アミノエトキシ)ブト−3−エン酸、(S)−2,6−ジアミノ−5,5−ジフルオロヘキサン酸、(2S)−2−アミノ−5−(2−アミノ−5−メチル−4−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)ペンタン酸、(S)−2,7−ジアミノヘプタン酸、2−アミノ−3−(2−アミノピリミジン−5−イル)プロパン酸、2−アミノ−3−(3−アミノナフタレン−2−イル)プロパン酸、2,6−ジアミノ−5−フルオロヘキサン酸、(S)−2−アミノ−3−(2−(アミノメチル)−フェニル)プロパン酸、2−アミノ−3−(4−アミノ−2,6−ジクロロフェニル)−プロパン酸、(S)−2−アミノ−3−(2−アミノエトキシ)プロパン酸、(S)−2−アミノ−3−(4−(アミノメチル)−フェニル)プロパン酸、2−アミノ−4−(2−アミノフェニル)−3−ブロモ−4−オキソブタン酸、(S)−2−アミノ−2−(4−アミノフェニル)酢酸、(S)−2−アミノ−3−(3−(アミノメチル)−フェニル)プロパン酸、2−アミノ−3−(2−アミノ−5−ヨードピリジン−3−イル)プロパン酸および2−アミノ−3−(4−アミノ−5−メチルピリジン−3−イル)プロパン酸を含む。
【0069】
適当なカルボキシル置換アルファ−アミノ酸類(保護基を含むように修飾し得る)は、(S)−2−アミノコハク酸、(R)−2−アミノオクタン二酸、(2S,4S)−2−アミノ−4−(ピリジン−3−イルメチル)−ペンタン二酸、(2R,3R)−2−アミノ−3−メチルコハク酸、(1S,3S)−3−((S)−アミノ(カルボキシ)メチル)−2,2−ジフルオロシクロプロパン−カルボン酸、(2S,4S)−2−アミノ−4−(ピリジン−4−イルメチル)ペンタン二酸、(S)−2−アミノペンタン二酸、(S)−4−(アミノ(カルボキシ)メチル)安息香酸、(2S,4R)−2−アミノ−4−(チオフェン−2−イルメチル)ペンタン二酸、(2R)−2−アミノ−3−フルオロコハク酸、2−(アミノ(カルボキシ)−メチル)安息香酸、(2S,4S)−2−アミノ−4−ベンジルペンタン二酸、(1S,2S)−2−((S)−アミノ(カルボキシ)メチル)シクロプロパンカルボン酸、(2R,4R)−2−アミノ−4−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル)ペンタン二酸、(2S,3S)−2−アミノ−3−メチルペンタン二酸、(2S,4S)−2−アミノ−4−ブチルペンタン二酸、(S)−3−(2−アミノ−2−カルボキシエチル)−1H−インドール−4−カルボン酸、(S)−2−アミノヘキサン二酸、(2S,4S)−2−アミノ−4−イソブチルペンタン二酸、(S)−2−(2−アミノ−2−カルボキシエチル)−2H−インダゾール−6−カルボン酸、(2S,4S)−2−アミノ−4−メチルペンタン二酸、(R)−4−(アミノ(カルボキシ)−メチル)−3−メチル安息香酸、(2S,4S)−2−アミノ−4−(4−メチルベンジル)ペンタン二酸、(2S)−2−アミノ−4−フルオロペンタン二酸、(S)−4−(2−アミノ−2−カルボキシエチル)安息香酸、(2R,3R)−2−アミノ−3−(4−クロロフェニル)ペンタン二酸、(S)−4−アミノ−2,2−ジメチルペンタン二酸、(S)−3−(2−アミノ−2−カルボキシエチル)安息香酸、(S)−4−(4−アミノ−4−カルボキシブタノイルオキシ)安息香酸、(S)−2−アミノヘプタン二酸、5−(アミノ(カルボキシ)メチル)−4−メチルチオフェン−2−カルボン酸、(2S,4S)−2−アミノ−4−(4−メトキシベンジル)ペンタン二酸、2−アミノヘプタン二酸、(R)−2−アミノ−6−(2−カルボキシエチルアミノ)ヘキサン酸、(2S,4S)−2−アミノ−4−(ナフタレン−2−イルメチル)−ペンタン二酸、4−アミノ−2,2−ジフルオロペンタン二酸、(S)−2−アミノ−4−(3−カルボキシプロパノイルオキシ)ブタン酸、(2S,4S)−2−アミノ−4−(4−(トリフルオロメチル)−ベンジル)ペンタン二酸、(S)−2−アミノペンタン二酸、(2S,4S)−2−アミノ−4−(フラン−2−イルメチル)ペンタン二酸、(2S,4S)−2−アミノ−4−(4−ブロモベンジル)ペンタン二酸、(R)−3−(アミノ(カルボキシ)メチル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン−1−カルボン酸、3−(アミノ(カルボキシ)メチル)−1,2,2−トリメチルシクロペンタンカルボン酸、(S)−2−((3−(2−アミノ−2−カルボキシエチル)−2,6−ジオキソ−2,3−ジヒドロピリミジン−1(6H)−イル)メチル)安息香酸、(2S,4S)−2−アミノ−4−ベンジルペンタン二酸、(2S,3R)−2−((S)−アミノ(カルボキシ)メチル)−3−フェニルシクロプロパンカルボン酸および(S)−2−((3−(2−アミノ−2−カルボキシエチル)−5−ヨード−2,6−ジオキソ−2,3−ジヒドロピリミジン−1(6H)−イル)メチル)安息香酸を含む。
【0070】
ジカルボン酸クロライド化合物、ジスルホニルクロライド化合物およびジアミン類を含む種々のリンカー化合物C−X−C’(SM−4)を本発明の化合物の製造に使用し得る。
【0071】
適当なジカルボン酸クロライド化合物は、オキサリルジクロライド、ピリジン−2,4−ジカルボニルジクロライド、(2E,2’E)−3,3’−(1,4−フェニレン)ビス−2−プロペノイルクロライド、マロニルジクロライド、ピラジン−2,3−ジカルボニルジクロライド、ドデカンジオイルジクロライド、フマロイルジクロライド、1−メチル−1H−ピラゾール−3,4−ジカルボニルジクロライド、シクロヘキサン−1,4−ジイルビス(メチレン)ジカーボノクロリデート、スクシニルジクロライド、チオフェン−2,5−ジカルボニルジクロライド、(3R,6R)−ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3,6−ジイルジカーボノクロリデート、ビス(クロロカルボニル)メチルアミン、(E)−オクト−4−エンジオイルジクロライド、2,2’−(エタン−1,2−ジイルビス(オキシ))ビス(エタン−2,1−ジイル)ジカーボノクロリデート、2,2−ジメチルマロニルジクロライド、シクロヘキサン−1,4−ジカルボニルジクロライド、2,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロペンタンジオイルジクロライド、グルタロイルジクロライド、オクタンジオイルジクロライド、ビフェニル−2,2’−ジカルボニルジクロライド、2,2’−オキシジアセチルクロライド、ブタン−1,4−ジイルジカーボノクロリデート、ビフェニル−4,4’−ジカルボニルジクロライド、シクロブタン−1,2−ジカルボニルジクロライド、2−ブロモテレフタロイルジクロライド、アジポイルジクロライド、(1R,2S,3S,4S)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボニルジクロライド、4−ブロモイソフタロイルジクロライド、エタン−1,2−ジイルジカーボノクロリデート、(1R,3S,4S)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボニルジクロライド、1−ベンジル−1H−ピラゾール−3,5−ジカルボニルジクロライド、1H−ピラゾール−3,5−ジカルボニルジクロライド、4−メチルチアゾール−2,5−ジカルボニルジクロライド、4,4’−オキシジベンゾイルクロライド、1H−ピラゾール−4,5−ジカルボニルジクロライド、ノナンジオイルジクロライド、2,3−ジフェニルフマロイルジクロライド、1H−1,2,3−トリアゾール−4,5−ジカルボニルジクロライド、2,2,3,3−テトラフルオロスクシニルジクロライド、(E)−4,4’−(ジアゼン−1,2−ジイル)ジベンゾイルクロライド、2,2−ジエチルマロニルジクロライド、2,2’−オキシビス(エタン−2,1−ジイル)ジカーボノクロリデート、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロヘキサンジオイルジクロライド、3−メチルヘキサンジオイルジクロライド、4−メトキシイソフタロイルジクロライド、2,3,5,6−テトラクロロテレフタロイルジクロライド、2,2−ジメチルペンタンジオイルジクロライド、(E)−2,2’−(ジアゼン−1,2−ジイル)ジブタノイルクロライド、(E)−2,2’−(ジアゼン−1,2−ジイル)ジベンゾイルクロライド、ヘプタンジオイルジクロライド、デカンジオイルジクロライド、4,4’−(プロパン−2,2−ジイル)ビス(4,1−フェニレン)ジカーボノクロリデート、イソフタロイルジクロライド、1H−インドール−3,5−ジカルボニルジクロライド、4,5−ジブロモフタロイルジクロライド、テレフタロイルジクロライド、ヘキサン−1,6−ジイルジカーボノクロリデート、1,1’−ビナフチル−2,2’−ジカルボニルジクロライド、フタロイルジクロライド、2−ベンジルスクシニルジクロライド、4,4’−(シクロヘキサン−1,4−ジイル)ビス(4,1−フェニレン)ジカーボノクロリデート、ピリジン−3,5−ジカルボニルジクロライド、ナフタレン−2,3−ジカルボニルジクロライド、5−アミノ−2,4,6−トリヨードイソフタロイルジクロライド、ピリジン−2,6−ジカルボニルジクロライド、ナフタレン−2,6−ジカルボニルジクロライド、ピリジン−3,4−ジカルボニルジクロライドおよび5−アミノイソフタロイルジクロライドを含む。
【0072】
あるいは、ジカルボン酸化合物を、適当な反応材(例えば、塩化チオニル、三塩化リンまたは五塩化リン)で処理することにより酸クロライド均等物に変換し得る。ジカルボン酸化合物を、カルボン酸基のヒドロキシル基を、単量体単位との結合を形成させるために置換できる脱離基とすることによっても修飾できる。適当なジカルボン酸化合物は、2,2’−(エタン−1,2−ジイルビス(オキシ))二酢酸、2,2’−(2,2’−オキシビス(エタン−2,1−ジイル)ビス(オキシ))二酢酸、4,7,9,12−テトラoxaペンタデカン−1,15−二酸、2,2’−(2,2’−(2,2’−オキシビス(エタン−2,1−ジイル)ビス(オキシ))ビス(2,1−フェニレン))ビス(オキシ)二酢酸および2,2’−(2,2’−(2,2’−(エタン−1,2−ジイルビス(オキシ))ビス(エタン−2,1−ジイル))ビス(オキシ)ビス(2,1−フェニレン))ビス(オキシ)二酢酸を含む。
【0073】
適当なジスルホニルクロライドリンカーはメタンジスルホニルジクロライド、2,3−ジヒドロ−1H−インデン−4,6−ジスルホニルジクロライド、ビフェニル−4,4’−ジスルホニルジクロライド、ピロスルフリルクロライド、5−クロロチオフェン−2,4−ジスルホニルジクロライド、9H−フルオレンe−2,7−ジスルホニルジクロライド、メチレンジスルホクロリダート、2,4,6−トリメチルベンゼン−1,3−ジスルホニルジクロライド、4,4’−メチレンジベンゼン−1−スルホニルクロライド、ブタン−1,4−ジスルホニルジクロライド、4−アミノ−6−クロロベンゼン−1,3−ジスルホニルジクロライド、4,4’−オキシジベンゼン−1−スルホニルクロライド、ベンゼン−1,2−ジスルホニルジクロライド、ナフタレン−2,7−ジスルホニルジクロライド、9−オキソ−9H−フルオレンe−2,7−ジスルホニルジクロライド、ベンゼン−1,3−ジスルホニルジクロライド、ナフタレン−2,6−ジスルホニルジクロライド、9,10−ジオキソ−9,10−ジヒドロアントラセン−2,7−ジスルホニルジクロライド、ピペラジン−1,4−ジスルホニルジクロライド、4−クロロ−6−ヒドロキシベンゼン−1,3−ジスルホニルジクロライド、9,10−ジオキソ−9,10−ジヒドロアントラセン−2,6−ジスルホニルジクロライド、4−メチルベンゼン−1,3−ジスルホニルジクロライド、5−クロロ−4−ヒドロキシベンゼン−1,3−ジスルホニルジクロライド、2,2’−オキシビス(1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホニルクロライド)、2,4−ジメチルベンゼン−1,3−ジスルホニルジクロライド、2,4,5,6−テトラメチルベンゼン−1,3−ジスルホニルジクロライド、3,3’−スルホニルジベンゼン−1−スルホニルクロライド、4,4’−(2−(ブロモメチル)オキサゾール−4,5−ジイル)ジベンゼン−1−スルホニルクロライド、4,6−ジメトキシベンゼン−1,3−ジスルホニルジクロライド、4,4’−ジスルファンジイルジベンゼン−1−スルホニルクロライド、4,5−ジクロロベンゼン−1,3−ジスルホニルジクロライドおよび4,4’−(2−メチルオキサゾール−4,5−ジイル)ジベンゼン−1−スルホニルクロライドを含む。
【0074】
市販のまたは文献から容易に製造できる適当なジアミノ化合物は、2,6−ジアザスピロ[3.3]ヘプタン;2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジアミン;4,7,10,13,16−ペンタオキサノナデカン−1,19−ジアミン;3,3’−オキシジプロパン−1−アミン;2,2’−(エタン−1,2−ジイルビス(オキシ))ジエタナミン;3,3’−(2,2’−オキシビス(エタン−2,1−ジイル)ビス(オキシ))ジプロパン−1−アミン;2,2’−(2,2’−オキシビス(エタン−2,1−ジイル)ビス(オキシ))ジエタナミン;3,3’−(エタン−1,2−ジイルビス(オキシ))ジプロパン−1−アミン;プロパン−1,3−ジアミン;ブタン−1,4−ジアミン;4−[2−(4−アミノフェニル)エチニル]アニリン;1,4−ビス(3−アミノフェニル)ブタジイン;1,4−ジアミノ−2−ブチン;ヘキサ−3−イン−2,5−ジアミン;ヘキサ−2,4−ジイン−1,6−ジアミン(例えば、Jeon, J. H.; Sayre, L. M., Biochem. Biophys. Res. Commun. 2003, 304(4), 788-794参照);N,N−ジエチルブト−2−イン−1,4−ジアミン;(E)−N,N−ジエチルブト−2−エン−1,4−ジアミン;cis−オクタヒドロ−ピロロ[3,4−c]ピリジン;1,1’−エチレンジピペラジン;1,5−ジエチル−3,7−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン−9−オン;1−エチル−5−メチル−3,7−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン−9−オール;1−エチル−5−メチル−3,7−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン−9−オン;4,10−ジアザ−12−クラウン−4−エーテル;1,5,9−トリアザシクロドデカン;1,5−ジメチル−3,7−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン−9−オール;4,4−ビピペリジン;1,5−ジメチル−3,7−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン−9−オン;1,5−ジメチル−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン;2,8−ジアザスピロ[5,5]ウンデカン;デカヒドロ−2,7−ナフチリジン;1,4,7−トリアザシクロノナン;6,6−ジメチル−1,4−ジアゼパン;(S)−2,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン;cis−オクタヒドロ−ピロロ[3,4−c]ピリジン;1,5−ジアザシクロオクタン;6−メチル−[1,4]ジアゼパン;3,7−ジアザビシクロ[3.3.0]オクタン;ホモピペラジン;2,6−ジアザスピロ[3.3]ヘプタン;ピペラジン;(3aS,7aR)−オクタヒドロ−ピロロ[2,3−c]p;(3aR,7aS)−オクタヒドロ−ピロロ[2,3−c]p;1−(フラン−2−イル)−N−(ピペリジン−4−イルメチル)メタンアミン;2,2,2−トリフルオロ−N−(ピロリジン−3−イルメチル)エタナミン;N−((モルホリン−2−イル)メチル)エタナミン;メチル−モルホリン−2−イルメチル−アミン;メチル−ピペリジン−4−イルメチル−アミン;エチル−ピロリジン−3−イルメチル−アミン;メチル−ピロリジン−3−イルメチル−アミン;N−メチル−3−アゼチジンメタンアミン;および(2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)メタンアミンを含む。当業者は、さらなる誘導体を製造するために文献の製造法または市販化合物をどのように修飾したら良いか知っている。
【0075】
二量体化合物は単離し、化合物それ自体またはその塩として使用してよい。ここで使用する用語“塩”または“塩類”は、本発明の化合物の酸付加塩または塩基付加塩を意味する。“塩類”は、特に“薬学的に許容される塩類”を含む。用語“薬学的に許容される塩類”は、本発明の化合物の生物学的効果および特性を保持し、典型的に生物学的にまたは他の点で望ましくないものではない塩類を意味する。多くの場合、本発明の化合物はアミノおよび/またはカルボキシル基または類似の基の存在により、酸および/または塩基塩類を形成できる。
【0076】
薬学的に許容される酸付加塩類は無機酸類および有機酸類と形成でき、例えば、酢酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベシル酸塩、ブロマイド/ヒドロブロマイド、ビカーボネート/カーボネート、ビスルフェート/スルフェート、カンファースルホン酸塩、クロライド/ヒドロクロライド、クロルテオフィロネート、クエン酸塩、エタンジスルホン酸塩、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、馬尿酸塩、ヒドロアイオダイド/アイオダイド、イセチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メシレート、メチル硫酸塩、ナフチル酸塩、ナプシル酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オクタデカン酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ホスフェート/ハイドロジェン・ホスフェート/ジハイドロジェン・ホスフェート、ポリガラクツロン酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、スルホサリチル酸塩、酒石酸塩、トシル酸塩およびトリフルオロ酢酸塩である。
【0077】
塩類を生じ得る無機酸類は、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などを含む。
【0078】
塩類を生じ得る有機酸類は、例えば、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、スルホサリチル酸などを含む。薬学的に許容される、塩基付加塩類は無機および有機塩基と形成できる。
【0079】
塩類が由来し得る無機塩基は、例えば、アンモニウム塩および周期表のIからXII欄までの金属を含む。ある態様では、塩類は、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、銀、亜鉛および銅に由来する;特に適切な塩類はアンモニウム、カリウム、ナトリウム、カルシウムおよびマグネシウム塩を含む。
【0080】
塩類が由来し得る有機塩基は、例えば、1級、2級および3級アミン、自然に存在する置換アミンを含む、置換アミン、環状アミン、塩基性イオン交換樹脂などを含む。ある種の有機アミンはイソプロピルアミン、ベンザチン、コリネート、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、リジン、メグルミン、ピペラジンおよびトロメタミンを含む。
【0081】
本発明の薬学的に許容される塩類は、慣用の化学法により親化合物から、塩基性または酸性基により合成できる。一般に、そのような塩類は適切な塩基(例えばNa、Ca、MgまたはKの水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩など)の化学量論量とこれらの化合物の遊離酸形態を反応させることにより、または適切な酸の化学量論量をこれらの化合物の遊離塩基形態と反応させることにより製造することができる。かかる反応は典型的に水または有機溶媒中またはこれら2種の混合物中で行う。一般的に、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノールまたはアセトニトリルのような非水性媒体が、使用できるなら好ましい。さらなる適当な塩類の一覧は、例えば、“Remington’s Pharmaceutical Sciences”, 20th ed., Mack Publishing Company, Easton, Pa., (1985); and in “Handbook of Pharmaceutical Salts: Properties, Selection, and Use” by Stahl and Wermuth (Wiley-VCH, Weinheim, Germany, 2002)に見ることができる。
【0082】
ここに記載するいずれの式も、該化合物の標識されていないならびに同位体標識された形態を表すことも意図する。同位体標識化合物は、1個以上の原子が選択された原子質量または質量数を有する原子で置換されている以外、ここに示す式により示される構造を有する。本発明の化合物に取り込める同位体の例は、水素、炭素、窒素、酸素、亜リン酸、フッ素、および塩素の同位体、例えば、それぞれH、H、11C、13C、14C、15N、1831P、32P、35S、36Cl、125Iを含む。本発明は、ここで定義した種々に同位体標識された化合物、例えば、H、13Cおよび14Cのような放射性同位体が存在するものを含む。かかる同位体標識された化合物は代謝試験(14Cで)、反応動態試験(例えば2Hまたは3Hで)、薬物または基質組織分布アッセイおよび患者の放射活性処置における検出または造影技法、例えば陽電子放出断層撮影(PET)または単光子放射型コンピュータ断層撮影法(SPECT)に有用である。特に、18Fまたは標識化合物は、特にPETまたはSPECT試験に望ましい。同位体標識された本発明の化合物およびそのプロドラッグは、一般的に下に記載するスキームまたは実施例および製造に開示した方法を非同位体標識反応材を容易に入手可能な同位体標識された反応材に変えて実施することにより製造できる。
【0083】
さらに、重い同位体、特に、重水素(すなわちHまたはD)での置換は、大きな代謝安定性に起因するある種の治療上の利点、例えば、生体内の半減期延長または必要用量減少、cyp阻害減少(競合的または時間依存的)または治療係数の改善をもたらし得る。例えば、重水素での置換は、非重水素化化合物の望ましくない副作用、例えば競合的cyp阻害、経時的cyp不活性化などを調節し得る。この情況において重水素が式(I)の化合物の置換基と見なされることが理解される。このような重い同位体(特に重水素)の濃度は同位体富化指数により定義されてもよい。ここで使用する用語“同位体富化指数”は、特定の同位体の同位体量と天然量の比である。本発明の化合物における置換基が重水素と指定されているならば、かかる化合物は、各指定された重水素原子について、少なくとも3500(各指定された重水素原子について52.5%重水素取り込み)、少なくとも4000(60%重水素取り込み)、少なくとも4500(67.5%重水素取り込み)、少なくとも5000(75%重水素取り込み)、少なくとも5500(82.5%重水素取り込み)、少なくとも6000(90%重水素取り込み)、少なくとも6333.3(95%重水素取り込み)、少なくとも6466.7(97%重水素取り込み)、少なくとも6600(99%重水素取り込み)または少なくとも6633.3(99.5%重水素取り込み)の同位体富化指数を有する。
【0084】
同位体標識した式(I)の化合物は、一般に当業者に既知の慣用の方法を使用してまたは添付する実施例および製造に記載した方法に準じて、適当な同位体標識した反応材を先に用いた非標識反応材に代えて使用することにより製造できる。
【0085】
本発明に従う薬学的に許容される溶媒和物は、結晶化溶媒が同位体置換されていてよい、例えばDO、d−アセトン、d−DMSOであるものを含む。
【0086】
本発明の化合物がキラル中心を含み得、そうして異なる異性体形態で存在し得ることは当業者には当然である。ここで使用する用語“異性体”は、同じ分子式を有するが、原子の配位および配置が異なる、別の化合物を意味する。またここで使用する用語“光学異性体”または“立体異性体”は、ある本発明の化合物で存在し得、幾何異性体を含む多様な立体異性配置のいずれかを意味する。置換基がキラル中心の炭素原子に結合し得ることは当然である。それ故、本発明は、本化合物のエナンチオマー、ジアステレオマーまたはラセミ体を含む。
【0087】
“エナンチオマー”は、互いに重なり合わない鏡像である一対の立体異性体である。一対のエナンチオマーの1:1混合物は“ラセミ”混合物である。本用語は、適切であるならばラセミ混合物を指定するために使用する。
【0088】
“ジアステレオ異性体”は、少なくとも2個の不斉原子を有するが、互いに鏡像ではない立体異性体である。絶対的立体化学は、カーン・インゴールド・プレローグR−Sシステムに従い特定する。絶対配置が未知である分割した化合物は、ナトリウムD線波長で平面偏光を回転させる方向(右旋性−または左旋性)によって(+)または(−)に指定できる。ここに記載する化合物のいくつかは、1個以上の不斉中心を有し、それ故に、エナンチオマー、ジアステレオマーおよび絶対立体化学の点で、(R)−または(S)−と定義し得る他の立体異性形態を生じ得る。
【0089】
特にことわらない限り、本発明の化合物は、ラセミ混合物、光学的に純粋な形態および中間的な混合物を含む、全てのかかる可能な異性体を含むことを意図する。光学活性(R)−および(S)−異性体は、キラルシントンまたはキラル反応材を使用してまたは慣用法による分割により製造できる。化合物が二重結合を含むとき、置換基はEまたはZ配置であり得る。化合物が二置換シクロアルキルを含むとき、シクロアルキル置換基はcis−またはtrans−配置を有し得る。全ての互変異性体が含まれることも意図する。
【0090】
水素結合のドナーおよび/またはアクセプターとして作用できる基を含む本発明の化合物は、適当な共結晶形成剤と共結晶を形成できる。これらの共結晶は、本発明)の化合物から、既知共結晶形成法により製造できる。かかる方法は粉砕、加熱、共昇華、共融解または溶液中での本発明の化合物と共結晶形成剤の結晶化条件下での接触とそれにより形成された共結晶の単離を含む。適当な共結晶形成剤はWO2004/078163に開示されたものを含む。それ故に、本発明はさらに本発明の化合物を含む共結晶を提供する。
【0091】
本発明の化合物はアポトーシスを誘発または促進し、それ故に癌の処置に有用であることが判明した。結果として、本発明の化合物は、対象(または哺乳動物、好ましくはヒト)におけるIAPの過発現に関連する疾患、状態または障害の処置、腫瘍または癌細胞におけるアポトーシスの誘発、IAPタンパク質のカスパーゼタンパク質への結合の阻害または腫瘍または癌細胞のアポトーシスシグナルへの感作用医薬の製造に使用し得る。本過程において、本発明の化合物はまた細胞における個々のまたは複数のIAP(特にcIAP1、cIAP2および/またはXIAP)の分解も誘発でき、ある細胞におけるTNFα発現を誘発し得る。
【0092】
本発明の化合物は、典型的に医薬組成物(例えば、本発明の化合物および少なくとも1種の薬学的に許容される担体)として使用される。ここで使用する用語“薬学的に許容される担体”は、一般的に安全と認識されている(GRAS)溶媒、分散媒体、界面活性剤、抗酸化剤、防腐剤(例えば、抗細菌剤、抗真菌剤)、等張化剤、塩類、防腐剤、薬物安定化剤、緩衝剤(例えば、マレイン酸、酒石酸、乳酸、クエン酸、酢酸、重炭酸ナトリウム、ナトリウムホスフェートなど)などおよびそれらの組合せを含み、当業者に既知の通りである(例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences, 18th Ed. Mack Printing Company, 1990, pp. 1289 - 1329参照)。何らかの慣用の担体が活性成分と不適合でない限り、その治療または医薬組成物への使用が意図される。本発明の目的で、溶媒和物および水和物は、本発明の化合物と溶媒(すなわち、溶媒和物)または水(すなわち、水和物)を含む医薬組成物と見なされる。
【0093】
製剤は慣用の溶解および混合工程を使用して製造できる。例えば、医薬原体(すなわち、本発明の化合物または安定化形態の該化合物(例えば、シクロデキストリン誘導体または他の既知の錯化剤との複合体))を適当な溶媒に上記の1種以上の添加物の存在下で溶解する。本発明の化合物は、典型的に薬物投与量が容易に制御でき、患者に洗練され、取り扱いが容易な製品を提供するために医薬投与形態に製剤される。
【0094】
投与用医薬組成物(または製剤)は、医薬の投与に使用される方法によって種々の方法で包装し得る。一般的に、流通品は、適当な形態の医薬製剤が入った容器を含む。適当な容器は当業者に既知であり、ビン(プラスチックおよびガラス)、包袋、アンプル、ビニール袋、金属シリンダーなどのような資材を含む。容器はまた包装の内容物への不正接触を妨げるために、不正操作防止装置も含み得る。加えて、容器には、容器の内容物を記載するラベルがその内に入っている。ラベルは適切な警告も含み得る。
【0095】
投与用医薬組成物(または製剤)は、医薬の投与に使用される方法によって種々の方法で包装し得る。一般的に、流通品は、適当な形態の医薬製剤が入った容器を含む。適当な容器は当業者に既知であり、ビン(プラスチックおよびガラス)、アンプル、ビニール袋、金属シリンダーなどのような資材を含む。容器はまた包装の内容物への不正接触を妨げるために、不正操作防止装置も含み得る。加えて、容器には、容器の内容物を記載するラベルがその内に入っている。ラベルは適切な警告も含み得る。
【0096】
治療有効量の本発明の化合物を含む医薬組成物は、一般的に非経腸投与としての使用のために製剤される。医薬組成物(例えば、静脈内(iv)製剤)は、慣用の製剤操作、例えば滅菌に付してよくおよび/または慣用の不活性希釈剤または緩衝剤、ならびに当業者に既知のアジュバント、例えば防腐剤、安定化剤、湿潤剤、乳化剤および緩衝剤を含んでよい。
【0097】
ある場合には、本発明の化合物を少なくとも1種のさらなる医薬(または治療)剤(例えば、抗癌剤または典型的に化学療法で使用される補助療法)と組み合わせて投与するのが有利であり得る。本発明の化合物を、1種以上の他の治療剤と同時に、前にまたは後に投与してよい。あるいは、本発明の化合物を別々に、同じまたは異なる投与経路でまたは他の薬剤と同じ医薬組成物で投与してよい。
【0098】
適当なさらなる抗癌剤は次のものを含む:
(i) タキサン抗新生物剤、例えばカバジタキセル(1−ヒドロキシ−7β,10β−ジメトキシ−9−オキソ−5β,20−エポキシタキシ−11−エン−2α,4,13α−トリイル−4−アセテート−2−ベンゾエート−13−[(2R,3S)−3−{[(tert−ブトキシ)カルボニル]アミノ}−2−ヒドロキシ−3−フェニルプロパノエート)、ラロタキセル((2α,3ξ,4α,5β,7α,10β,13α)−4,10−ビス(アセチルオキシ)−13−({(2R,3S)−3−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2−ヒドロキシ−3−フェニルプロパノイル}オキシ)−1−ヒドロキシ−9−オキソ−5,20−エポキシ−7,19−シクロタキシ−11−エン−2−イルベンゾエート)およびパクリタキセル;
【0099】
(ii) 血管内皮細胞増殖因子(VEGF)受容体阻害剤および抗体例えばベバシズマブ(Genentech/Rocheにより商品名Avastin(登録商標)で販売)、アクシチニブ、(N−メチル−2−[[3−[(E)−2−ピリジン−2−イルエテニル]−1H−インダゾール−6−イル]スルファニル]ベンズアミド、別名AG013736、PCT公開番号WO01/002369に記載)、ブリバニブアラニネート((S)−((R)−1−(4−(4−フルオロ−2−メチル−1H−インドール−5−イルオキシ)−5−メチルピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)2−アミノプロパノエート、別名BMS−582664)、モテサニブ(N−(2,3−ジヒドロ−3,3−ジメチル−1H−インドール−6−イル)−2−[(4−ピリジニルメチル)アミノ]−3−ピリジンカルボキサミド、PCT公開番号WO02/066470に記載)、パシレオチド(別名SOM230、PCT公開番号WO02/010192に記載)およびソラフェニブ(商品名Nexavar(登録商標)で販売);
【0100】
(iii) チロシンキナーゼ阻害剤、例えば塩酸エルロチニブ(Genentech/Rocheにより商品名Tarceva(登録商標)で販売)、リニファニブ(N−[4−(3−アミノ−1H−インダゾール−4−イル)フェニル]−N’−(2−フルオロ−5−メチルフェニル)ウレア、別名ABT 869、Genentechから入手可能)、リンゴ酸スニチニブ(Pfizerにより商品名Sutent(登録商標)で販売)、ボスチニブ(4−[(2,4−ジクロロ−5−メトキシフェニル)アミノ]−6−メトキシ−7−[3−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロポキシ]キノリン−3−カルボニトリル、別名SKI−606、US特許番号6,780,996に記載)、ダサチニブ(Bristol-Myers Squibbにより商品名Sprycel(登録商標)で販売)、armala(別名パゾパニブ、GlaxoSmithKlineにより商品名Votrient(登録商標)で販売)およびイマチニブおよびメシル酸イマチニブ(Novartisにより商品名Gilvec(登録商標)およびGleevec(登録商標)で販売);
【0101】
(iv) Bcr/Ablキナーゼ阻害剤、例えば塩酸ニロチニブ(Novartisにより商品名Tasigna(登録商標)で販売);
【0102】
(v) DNA合成阻害剤、例えばカペシタビン(Rocheにより商品名Xeloda(登録商標)で販売)、塩酸ゲムシタビン(Eli Lilly and Companyにより商品名Gemzar(登録商標)で販売)およびネララビン((2R,3S,4R,5R)−2−(2−アミノ−6−メトキシ−プリン−9−イル)−5−(ヒドロキシメチル)オキソラン−3,4−ジオール、GlaxoSmithKlineにより商品名Arranon(登録商標)およびAtriance(登録商標)で販売);
【0103】
(vi) 抗新生物剤、例えばオキサリプラチン(Sanofi-Aventisにより商品名Eloxatin(登録商標)で販売、US特許番号4,169,846に記載);
【0104】
(vii) 上皮細胞増殖因子受容体(EGFR)阻害剤、例えばゲフィチニブ(商品名Iressa(登録商標)で販売)、N−[4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−7−[[(3”S”)−テトラヒドロ−3−フラニル]オキシ]−6−キナゾリニル]−4(ジメチルアミノ)−2−ブテンアミド、Boehringer Ingelheimにより商品名Tovok(登録商標)で販売)、セツキシマブ(Bristol-Myers Squibbにより商品名Erbitux(登録商標)で販売)およびパニツムマブ(Amgenにより商品名Vectibix(登録商標)で販売);
【0105】
(viii) プロアポトーシス受容体アゴニスト(PARAs)、例えばDulanermin(別名AMG−951、Amgen/Genentechから入手可能);
【0106】
(ix) PI3K阻害剤、例えば4−[2−(1H−インダゾール−4−イル)−6−[[4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル]メチル]チエノ[3,2−d]ピリミジン−4−イル]モルホリン(別名GDC 0941、PCT公開番号WO09/036082およびWO09/055730に記載)および2−メチル−2−[4−[3−メチル−2−オキソ−8−(キノリン−3−イル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]フェニル]プロピオニトリル(別名BEZ 235またはNVP−BEZ 235、PCT公開番号WO06/122806に記載);
【0107】
(x) BCL−2阻害剤、例えば4−[4−[[2−(4−クロロフェニル)−5,5−ジメチル−1−シクロヘキセン−1−イル]メチル]−1−ピペラジニル]−N−[[4−[[(1R)−3−(4−モルホリニル)−1−[(フェニルチオ)メチル]プロピル]アミノ]−3−[(トリフルオロメチル)スルホニル]フェニル]−スルホニル]ベンズアミド(別名ABT−263、PCT公開番号WO09/155386に記載);
【0108】
(xi) トポイソメラーゼI阻害剤、例えばイリノテカン(Pfizerにより商品名Camptosar(登録商標)で販売)、トポテカンヒドロクロライド(GlaxoSmithKlineにより商品名Hycamtin(登録商標)で販売);
【0109】
(xii) トポイソメラーゼII阻害剤、例えばエトポシド(別名VP−16およびリン酸エトポシド、商品名Toposar(登録商標)、VePesid(登録商標)およびEtopophos(登録商標)で販売)およびテニポシド(別名VM−26、商品名Vumon(登録商標)で販売);
【0110】
(xiii) CTLA−4阻害剤、例えばトレメリムマブ(Pfizerから入手可能なIgG2モノクローナル抗体、以前はチシリムマブとしても既知、CP−675,206)およびイピリムマブ(CTLA−4抗体、別名MDX−010、CAS No. 477202-00-9);
【0111】
(xiv) ヒストンデアセチラーゼ阻害剤(HDI)、例えばボリノスタット(Merckにより商品名Zolinza(登録商標)で販売)およびパノビノスタット(N−ヒドロキシ−3−[4−[[[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)エチル]アミノ]メチル]フェニル]−(2E)−2−プロペンアミド、PCT公開番号02/0022577またはUS特許番号7,067,551に記載);
【0112】
(xv) アルキル化剤、例えばテモゾロミド(Schering-Plough/Merckにより商品名Temodar(登録商標)およびTemodal(登録商標)で販売)、ダクチノマイシン(別名アクチノマイシン−Dおよび商品名Cosmegen(登録商標))、メルファラン(別名L−PAM、L−サルコシンおよびフェニルアラニンマスタード、商品名Alkeran(登録商標))、アルトレタミン(別名ヘキサメチルメラミン(HMM)、商品名Hexalen(登録商標))、カルムスチン(商品名BiCNU(登録商標))、ベンダムスチン(商品名Treanda(登録商標))、ブスルファン(商品名Busulfex(登録商標)およびMyleran(登録商標))、カルボプラチン(商品名Paraplatin(登録商標))、ロムスチン(別名CCNU、商品名CeeNU(登録商標))、シスプラチン(別名CDDP、商品名Platinol(登録商標)およびPlatinol(登録商標)−AQ)、クロラムブシル(商品名Leukeran(登録商標))、シクロホスファミド(商品名Cytoxan(登録商標)およびNeosar(登録商標))、ダカルバジン(別名DTIC、DICおよびイミダゾールカルボキサミド、商品名DTIC-Dome(登録商標))、アルトレタミン(別名ヘキサメチルメラミン(HMM)、商品名Hexalen(登録商標))、イホスファミド(商品名Ifex(登録商標))、プロカルバジン(商品名Matulane(登録商標))、メクロレタミン(別名窒素マスタード、ムスチンおよび塩酸メクロロエタミン、商品名Mustargen(登録商標))、ストレプトゾシン(商品名Zanosar(登録商標))およびチオテパ(別名チオホスホアミド、TESPAおよびTSPA、商品名Thioplex(登録商標);
【0113】
(xvi)抗腫瘍抗生物質例えばドキソルビシン(商品名アドリアマイシン(登録商標)およびRubex(登録商標)で市販)、ブレオマイシン(商品名lenoxane(登録商標))、ダウノルビシン(別名塩酸ダウノルビシン、ダウノマイシンおよび塩酸ルビドマイシン、商品名Cerubidine(登録商標))、ダウノルビシンリポソーマル(クエン酸ダウノルビシンリポソーム、商品名DaunoXome(登録商標))、ミトキサントロン(別名DHAD、商品名Novantrone(登録商標))、エピルビシン(商品名EllenceTM)、イダルビシン(商品名Idamycin(登録商標)、Idamycin PFS(登録商標))およびマイトマイシンC(商品名Mutamycin(登録商標));
【0114】
(xvii) 抗有糸分裂剤、例えばドセタキセル(Sanofi-Aventisにより商品名タキソテール(登録商標)で販売);
【0115】
(xviii) プロテアソーム阻害剤、例えばボルテゾミブ(商品名ベルケイド(登録商標));
【0116】
(xix) 植物アルカロイド類、例えばパクリタキセルタンパク質結合(商品名アブラキサン(登録商標)で販売)、ビンブラスチン(別名硫酸ビンブラスチン、ビンカロイコブラスチンおよびVLB、商品名Alkaban-AQ(登録商標)およびVelban(登録商標))、ビンクリスチン(別名硫酸ビンクリスチン、LCRおよびVCR、商品名Oncovin(登録商標)およびVincasar Pfs(登録商標))、ビノレルビン(商品名Navelbine(登録商標))およびパクリタキセル(商品名タキソールおよびOnxalTM);
【0117】
(xx) グルココルチコステロイド、例えばヒドロコルチゾン(別名コルチゾン、コハク酸ヒドロコルチゾンナトリウム、リン酸ヒドロコルチゾンナトリウムおよび商品名Ala-Cort(登録商標)、リン酸ヒドロコルチゾン、Solu-Cortef(登録商標)、Hydrocort Acetate(登録商標)およびLanacort(登録商標))、デキサメタゾン((8S,9R,10S,11S,13S,14S,16R,17R)−9−フルオロ−11,17−ジヒドロキシ−17−(2−ヒドロキシアセチル)−10,13,16−トリメチル−6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−3H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−オン)、プレドニゾロン(商品名Delta-Cortel(登録商標)、Orapred(登録商標)、Pediapred(登録商標)およびPrelone(登録商標))、プレドニゾン(商品名Deltasone(登録商標)、Liquid Red(登録商標)、Meticorten(登録商標)およびOrasone(登録商標))およびメチルプレドニゾロン(別名6−メチルプレドニゾロン、メチルプレドニゾロンアセテート、コハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム、商品名Duralone(登録商標)、Medralone(登録商標)、Medrol(登録商標)、M-Prednisol(登録商標)およびSolu-Medrol(登録商標));
【0118】
(xxi) 腫瘍壊死因子関連アポトーシス誘発リガンド(TRAIL、Apo2リガンドとも呼ばれる)受容体アゴニスト例えばTRAIL抗体(例えば、Adecatumumab、ベリムマブ、Cixutumumab、Conatumumab、Figitumumab、Iratumumab、Lexatumumab、Lucatumumab、Mapatumumab、Necitumumab、オファツムマブ、Olaratumab、Panitumumab、Pritumumab、Pritumumab、Robatumumab、Votumumab、ザルツムマブおよびTRAIL(引用により本明細書に包含されるUS特許番号7,229,617およびPCT公開番号WO2008/066854に記載される抗DR−5と呼ばれる)抗体)および組み換えTRAIL(例えば、Dulanermin(別名AMG 951(rhApo2L/TRAIL));および
【0119】
(xxii) 腫瘍血管破壊剤、例えばバディメザン(5,6−ジメチル−9−オキソ−9H−キサンテン−4−酢酸、US特許番号5,281,620に記載)。
【0120】
本発明の化合物と組み合わせて使用するのに好ましい抗癌剤はパクリタキセルである。
【0121】
本発明の化合物と組み合わせて使用するのに好ましい他の抗癌剤はPI3K阻害剤(例えば、2−メチル−2−[4−[3−メチル−2−オキソ−8−(キノリン−3−イル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]フェニル]プロピオニトリル)である。
【0122】
本発明の化合物と組み合わせて使用するのに好ましい他の抗癌剤はTRAIL(または抗DR−5)抗体または組み換えTRAILである。
【0123】
補助療法に適当な治療剤は、ステロイド類、抗炎症剤、抗ヒスタミン類、制吐剤およびここに記載する疾患、状態または障害で処置されている患者のクオリティ・オブ・ライフの改善において使用することが当業者に既知の他の薬剤を含む。
【0124】
ヒトに使用するための本発明の化合物またはその医薬組成物は、典型的に約100mg/kg、75mg/kg、50mg/kg、25mg/kg、10mg/kg、7.5mg/kg、5.0mg/kg、3.0mg/kg、1.0mg/kg、0.5mg/kg、0.05mg/kgまたは0.01mg/kg以下であるが、好ましくは約0.0001mg/kg未満ではない治療投与量の点滴により静脈内投与する。投与量は製剤を投与する点滴速度により得る。一般に、化合物、医薬組成物またはそれらの組合せの治療的有効投与量は、対象の種、体重、年齢および個々の状態、処置する障害または疾患またはその重症度により得る。通常の技術の医師、薬剤師、臨床医または獣医師は、障害または疾患の予防、処置または進行阻止に必要な有効成分の各々の有効量を容易に決定できる。
【0125】
上記投与量特性は、インビトロおよびインビボ試験で、有利に哺乳動物、例えば、マウス、ラット、イヌ、サルまたは単離臓器、組織およびその調製物を使用して証明できる。本発明の化合物は、インビトロで溶液、例えば、水溶液の形態で、インビボで経腸的、非経腸的、有利に静脈内に、例えば、懸濁液または水溶液で適用できる。インビトロでの投与量は約10−3モル濃度から10−9モル濃度の範囲であり得る。
【0126】
一般に、治療有効量の本発明の化合物を、処置を必要とする患者に投与する。本発明の化合物の“治療有効量”なる用語は、対象において生物学的または医学的応答、例えば、酵素またはタンパク質活性の減少または阻害または症状軽減、状態軽減、疾患進行減速または遅延または疾患予防などを誘発する、本発明の化合物量である。
【0127】
一つの態様非限定的態様において、用語“治療有効量”は、対象に投与したとき、(1)IAPが仲介するまたはかかるIAP仲介または作用の正常または異常活性により特徴付けられる状態、障害または疾患の少なくとも部分的軽減、阻止、予防および/または改善;または(2)癌計画細胞死(アポトーシス)亢進に有効な本発明の化合物の量である。好ましくは、癌細胞または組織または非細胞生物学的物質または媒体に投与したとき、本発明の化合物は、少なくとも一部、アポトーシスの増加または促進に有効である。何らかの特定の機構に縛られないが、本発明の化合物は、直接的または間接的に、IAPタンパク質のカスパーゼタンパク質への結合を阻害し得るおよび/またはXIAP、cIAP1および/またはcIAP2の分解を開始し得る。
【0128】
一つの態様において、IAPタンパク質と本発明の化合物を接触させることを含む、IAPタンパク質のカスパーゼタンパク質への結合の阻害方法が提供される。
【0129】
他の態様において、細胞に本発明の化合物を挿入することを含む、腫瘍または癌細胞におけるアポトーシス誘発方法が提供される。
【0130】
さらに別の態様において、細胞に本発明の化合物を挿入することを含む、腫瘍または癌細胞をアポトーシスシグナルに対して感作する方法を含む。
【0131】
さらに別の態様において、哺乳動物に有効量の本発明の化合物を投与することを含む、哺乳動物におけるIAPの過発現と関連する疾患、障害または状態の処置方法を提供する。
【0132】
さらに別の態様において、処置を必要とする哺乳動物に有効量の本発明の化合物を投与することを含む、哺乳動物における癌の処置方法を提供する。特に有用な方法は乳癌の処置である。
【0133】
ここで使用する用語“対象”は動物を意味する。典型的に、動物は哺乳動物である。対象はまた例えば、霊長類(例えば、ヒト、男性または女性)、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、マウス、魚類、鳥類などである。ある態様において、対象は霊長類である。好ましくは、対象はヒトである。
【0134】
ここで使用する用語“阻害”、“阻害し”または“阻害する”は、ある状態、症状または障害または疾患の減少または抑制、または生物学的活性または過程のベースラインの顕著な減少を意味する。
【0135】
ここで使用する何らかの疾患または障害を“処置”、“処置し”または“処置する”なる用語は、(i)疾患または障害の改善(すなわち、疾患またはその臨床症状の少なくとも1種の発症の遅延または停止または減少);(ii)患者により認識できないものを含む少なくとも1個の身体的パラメータの改善または軽減;または(iii)疾患または障害の発現または発症または進行の予防または遅延を意味する。一般に、用語“処置”または“処置する”なる用語は、疾患、状態または障害と闘う目的での患者の管理およびケアを意味し、症状または合併症の予防、症状または合併用の軽減または疾患、状態または障害を無くすための本発明の化合物の投与を含む。
【0136】
ここで使用する対象は、かかる対象がそのような処置から生物学上、医学的にまたはクオリティ・オブ・ライフで利益を得る場合、処置を“必要とする”(好ましくは、ヒト)。
【0137】
本発明の他の局面は、アポトーシスの促進のための治療において同時に、別々に、または連続的に使用する組合せ製剤としての、本発明の化合物および少なくとも1種の他の治療剤(または薬剤)を含む製品である。
【0138】
本発明の組合せ治療において、本発明の化合物および他の治療剤を、同じまたは異なる製造者が製造および/または製剤してよい。さらに、本発明の化合物および他の治療剤(または薬剤)を:(i)組合せ製品が医師に販売される前に(例えば本発明の化合物と他の治療剤を含むキットの場合);(ii)投与直前に医師自身により(または医師の指導の下に);(iii)患者自身が、例えば本発明の化合物と他の治療剤の連続的投与中に組合せ治療にしてよい。
【0139】
従って、本発明は、IAP阻害(またはアポトーシス促進)により疾患または状態を処置するための本発明の化合物の使用を提供し、ここで、該医薬は他の治療剤と投与するために製造される。本発明はまた他の治療剤の使用も提供し、ここで、該医薬は、本発明の化合物と他の治療剤の組合せ剤として投与される。
【0140】
本発明の態様を次の実施例により説明する。しかしながら、本発明の態様は、本気債に鑑みて、他の変法が当業者には知られているか、明らかであるため、これらの実施例の特定の詳細に限定されないと理解すべきである。
【実施例】
【0141】
特にことわらない限り、出発物質は、一般的にAldrich Chemicals Co.(Milwaukee、Wis.)、Lancaster Synthesis、Inc.(Windham、N.H.)、Acros Organics(Fairlawn、N.J.)、Maybridge Chemical Company、Ltd.(Cornwall、England)、Tyger Scientific(Princeton、N.J.)およびAstraZeneca Pharmaceuticals(London、England)のような商業的供給源から利用可能である。
【0142】
(4−フルオロ−フェニル)−((S)−5−ピロリジン−2−イル−ピリジン−3−イル)−メタノンの製造は、PCT公開番号WO08/016893の実施例2(工程5)に記載されている。
【0143】
実施例1
ヘプタン二酸ビス−{[(S)−6−{(S)−2−[5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピリジン−3−イル]−ピロリジン−1−イル}−5−((S)−2−メチルアミノ−プロピオニルアミノ)−6−オキソ−ヘキシル]−アミド}(1A)の製造
【化7】

【0144】
工程1:中間体((S)−5−tert−ブトキシカルボニルアミノ−6−{(S)−2−[5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピリジン−3−イル]−ピロリジン−1−イル}−6−オキソ−ヘキシル)−カルバミン酸9H−フルオレン−9−イルメチルエステル(I−1a)の製造
【化8】

(4−フルオロ−フェニル)−((S)−5−ピロリジン−2−イル−ピリジン−3−イル)−メタノン(1.0g、3.7mmol)、(S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−6−(9H−フルオレン−9−イルメトキシカルボニルアミノ)−ヘキサン酸(2.0g、4.4mmol)およびエチルジイソプロピルアミン(3mL)のDMF(20mL)溶液に、2−(1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルイソウロニウムヘキサフルオロホスフェート(V)(1.67g、4.4mmol)および1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−1−オール(0.6g、4.4mmol)のDMF(10mL)を添加し、混合物を16時間振盪した。反応混合物を酢酸エチル(300mL)で希釈し、連続的に塩水(2×)(300mL)、飽和重炭酸水溶液(300mL)、塩水(300mL)、水(300mL)および塩水(300mL)で洗浄し、NaSO/MgSOで乾燥させ、真空で濃縮して、粗((S)−5−tert−ブトキシカルボニルアミノ−6−{(S)−2−[5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピリジン−3−イル]−ピロリジン−1−イル}−6−オキソ−ヘキシル)−カルバミン酸9H−フルオレン−9−イルメチルエステルを明黄色泡状物として得た。
MS (ESI) m/e 721.6 (M + H+);HPLC(Novapak 150 X 3.9 mm C18カラム:移動相:35−90%アセトニトリル/水と0.1%TFA、2mL/分で5分間) t 3.655分。粗化合物をさらに精製せずに次工程に使用した。
【0145】
工程2:中間体((S)−5−アミノ−6−{(S)−2−[5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピリジン−3−イル]−ピロリジン−1−イル}−6−オキソ−ヘキシル)−カルバミン酸9H−フルオレン−9−イルメチルエステル(I−1b)の製造
【化9】

((S)−5−tert−ブトキシカルボニルアミノ−6−{(S)−2−[5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピリジン−3−イル]−ピロリジン−1−イル}−6−オキソ−ヘキシル)−カルバミン酸9H−フルオレン−9−イルメチルエステル(I−1a)のジクロロメタン(15mL)溶液に、トリフルオロ酢酸(5mL)を添加した。45分間撹拌後、反応混合物を真空で濃縮して、粗((S)−5−アミノ−6−{(S)−2−[5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピリジン−3−イル]−ピロリジン−1−イル}−6−オキソ−ヘキシル)−カルバミン酸9H−フルオレン−9−イルメチルエステルを暗琥珀色残留物として得た。
MS (ESI) m/e 621.5 (M + H+);HPLC(Novapak 150 X 3.9 mm C18カラム:移動相:35−90%アセトニトリル/水と0.1%TFA、2mL/分で5分間.) t 2.297分。粗化合物をさらに精製せずに次工程に使用した。
【0146】
工程3:中間体((S)−5−[(S)−2−(tert−ブトキシカルボニル−メチル−アミノ)−プロピオニルアミノ]−6−{(S)−2−[5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピリジン−3−イル]−ピロリジン−1−イル}−6−オキソ−ヘキシル)−カルバミン酸9H−フルオレン−9−イルメチルエステル(I−1c)の製造
【化10】

3((S)−5−アミノ−6−{(S)−2−[5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピリジン−3−イル]−ピロリジン−1−イル}−6−オキソ−ヘキシル)−カルバミン酸9H−フルオレン−9−イルメチルエステル(I−1b:2.3g、3.7mmol)、(S)−2−(tert−ブトキシカルボニル−メチル−アミノ)−プロピオン酸(0.89g、4.4mmol)およびエチルジイソプロピルアミン(7ml)のDMF(20mL)溶液に、2−(1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルイソウロニウムヘキサフルオロホスフェート(V)(1.67g、4.4mmol)および1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−1−オール(0.6g、4.4mmol)のDMF(10mL)溶液を添加し、混合物を16時間振盪した。反応混合物を酢酸エチル(300mL)で希釈し、連続的に塩水(2X)(300mL)、飽和重炭酸水溶液(300mL)、塩水(300mL)、水(300mL)および塩水(300mL)で洗浄し、NaSO/MgSOで乾燥させ、真空で濃縮して、粗((S)−5−[(S)−2−(tert−ブトキシカルボニル−メチル−アミノ)−プロピオニルアミノ]−6−{(S)−2−[5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピリジン−3−イル]−ピロリジン−1−イル}−6−オキソ−ヘキシル)−カルバミン酸9H−フルオレン−9−イルメチルエステルを明黄色泡状物として得た。
MS (ESI) m/e 806.6 (M + H+);HPLC(Novapak 150 X 3.9 mm C18カラム:移動相:35−90%アセトニトリル/水と0.1%TFA2mL/分で5分間.) t 3.669分。粗化合物をさらに精製せずに次工程に使用した。
【0147】
工程4:中間体[(S)−1−((S)−5−アミノ−1−{(S)−2−[5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピリジン−3−イル]−ピロリジン−1−カルボニル}−ペンチルカルバモイル)−エチル]−メチル−カルバミン酸tert−ブチルエステル(I−1d)の製造
【化11】

((S)−5−[(S)−2−(tert−ブトキシカルボニル−メチル−アミノ)−プロピオニルアミノ]−6−{(S)−2−[5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピリジン−3−イル]−ピロリジン−1−イル}−6−オキソ−ヘキシル)−カルバミン酸9H−フルオレン−9−イルメチルエステル(I−1c:2.98g、3.7mmol)に、2M ジメチルアミンのTHF(20mL)溶液を添加し、混合物を2時間撹拌した。反応混合物を真空で濃縮し、半分取逆相HPLC(300 x 50 mm)で、10−60%アセトニトリル/水で45分間溶出し、所望のフラクションを凍結乾燥して精製して、[(S)−1−((S)−5−アミノ−1−{(S)−2−[5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピリジン−3−イル]−ピロリジン−1−カルボニル}−ペンチルカルバモイル)−エチル]−メチル−カルバミン酸tert−ブチルエステル(1.5g、4工程で69%)を得た。
MS (ESI) m/e 584.5 (M + H+);HPLC(Novapak 150 X 3.9 mm C18カラム:移動相:15−90%アセトニトリル/水と0.1%TFA2mL/分で5分間.) t 2.537分。
【0148】
工程5:中間体化合物(I−1e)の製造
【化12】

[(S)−1−((S)−5−アミノ−1−{(S)−2−[5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピリジン−3−イル]−ピロリジン−1−カルボニル}−ペンチルカルバモイル)−エチル]−メチル−カルバミン酸tert−ブチルエステル(I−1d:0.150g、0.257mmol)およびエチルジイソプロピルアミン(0.066g、0.512mmol)のDCM(5mL)溶液に、ヘプタンジオイルジクロライド(0.025g、0.128mmol)のDCM(1mL)溶液を添加し、混合物を30分間振盪した。反応混合物を飽和重炭酸水溶液(100mL)で洗浄し、真空で濃縮して、粗表題化合物(I−1e)を得た。
MS (ESI) m/e 1292.2 (M + H+);HPLC(Novapak 150 X 3.9 mm C18カラム:移動相:35−90%アセトニトリル/水と0.1%TFA2mL/分で5分間) t 2.729分。粗化合物をさらに精製せずに次工程に使用した。
【0149】
最終工程:ヘプタン二酸ビス−{[(S)−6−{(S)−2−[5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピリジン−3−イル]−ピロリジン−1−イル}−5−((S)−2−メチルアミノ−プロピオニルアミノ)−6−オキソ−ヘキシル]−アミド}(1A)の製造
中間体(I−1e:35mg、0.025mmol)のジクロロメタン(4mL)溶液に、トリフルオロ酢酸(2mL)を添加し、混合物を30分間撹拌した。反応混合物を真空で濃縮して、暗琥珀色残留物を得た。半分取逆相HPLC(300 x 50 mm)で、10−60%アセトニトリル/水w/0.1%TFAモディファイヤーで45分間溶出し、所望のフラクションを凍結乾燥して精製して、化合物1Aのトリフルオロ酢酸塩(実施例1A−1)を得た。本物質を、重炭酸MP樹脂のカラムを通し、メタノール(10mL)で流して中和し、真空で濃縮して、表題化合物(1A)の遊離塩基を得た。本物質を酢酸エチル(10mL)およびメタノール(0.5mL)に溶解し、クエン酸の酢酸エチル飽和溶液(5.5mL)で処理した。得られた沈殿を窒素下で濾別し、真空で乾燥させて、化合物1Aのクエン酸塩(実施例1A−2:21.8mg、3工程で15.6%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CD3OD):δ 8.61 - 8.82 (m, 4.56, H), 7.81 - 8.11 (m, 6.74 H), 7.20 - 7.37 (m, 4.19 H), 7.02 -7.16 (m, 0.91 H), 5.31 -5.44 (m, 1.02 H), 5.12 - 5.23 (m, 2.01 H), 4.62 - 4.73 (m, 1.91 H), 4.22 - 4.36 (m, 1.01 H), 3.94 - 4.05 (m, 1.90 H), 3.75 - 3.94 (m, 3.92 H), 3.59 - 3.75 (m, 1.37 H), 3.44 - 3.54 (m, 0.65 H), 3.04 - 3.25 (m, 4.37 H), 2.70 - 2.90 (m, 10.17 H), 2.60 - 2.70 (m, 4.46 H), 2.54 -2.60 (m, 0.55 H), 2.38 - 2.54 (m, 2.96 H), 1.74 - 2.23 (m, 12.54 H), 1.28 - 1.74 (m, 19.81 H); MS (ESI) m/e 1092.1 (M + H+);
HPLC(Novapak 150 X 3.9 mm C18カラム:移動相:10−90%アセトニトリル/水と0.1%TFA2mL/分で5分間) t 2.645分。
【0150】
下の表1Aの化合物は、適当な出発物質を用いて、上に記載した実施例1A、1A−1および1A−2の製造方法に準じて製造した。
【0151】
【表1】

【表2】

【0152】
【表3】

【表4】

【0153】
【表5】

【表6】

【0154】
【表7】

【表8】

【0155】
【表9】

【表10】

【0156】
実施例1Lは、表1A(特に1J)の他の実施例化合物の製造に使用したのと同様の方法で、上記方法の工程3における(S)−2−(tert−ブトキシカルボニル−トリジュウテロメチル−アミノ)−プロピオン酸を(S)−2−(tert−ブトキシカルボニル−メチル−アミノ)−プロピオン酸に置き換えて、当業者は製造し得る。(S)−2−(tert−ブトキシカルボニル−トリジュウテロメチル−アミノ)−プロピオン酸は、(S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロピオン酸のトリジュウテロメチルアイオダイドによる、水素化ナトリウムを用いたアルキル化により製造する。
【0157】
実施例2
ヘプタン二酸ビス−({4−[(S)−3−{(S)−2−[5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピリジン−3−イル]−ピロリジン−1−イル}−2−((S)−2−メチルアミノ−プロピオニルアミノ)−3−オキソ−プロピル]−フェニル}−アミド)(2A)の製造
【化13】

【0158】
工程1:中間体[4−((S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−{(S)−2−[5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピリジン−3−イル]−ピロリジン−1−イル}−3−オキソ−プロピル)−フェニル]−カルバミン酸9H−フルオレン−9−イルメチルエステル(I−2a)の製造
【化14】

(4−フルオロ−フェニル)−((S)−5−ピロリジン−2−イル−ピリジン−3−イル)−メタノン(1.0g、3.7mmol)、(S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−[4−(9H−フルオレン−9−イルメトキシカルボニルアミノ)−フェニル]−プロピオン酸(2.21g、4.4mmol)およびエチルジイソプロピルアミン(3mL)のDMF(20mL)溶液に、2−(1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルイソウロニウムヘキサフルオロホスフェート(V)(1.67g、4.4mmol)および1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−1−オール(0.6g、4.4mmol)のDMF(10mL)溶液を添加し、反応混合物を16時間振盪した。反応混合物を酢酸エチル(300ml)で希釈し、連続的に塩水(2X)(300mL)、飽和重炭酸水溶液(300mL)、塩水(300mL)、水(300mL)および塩水(300mL)で洗浄し、NaSO/MgSOで乾燥させ、真空で濃縮して、粗生成物[4−((S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−{(S)−2−[5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピリジン−3−イル]−ピロリジン−1−イル}−3−オキソ−プロピル)−フェニル]−カルバミン酸9H−フルオレン−9−イルメチルエステルを明黄色泡状物として得た。
MS (ESI) m/e 755.5 (M + H+);HPLC(Novapak 150 X 3.9 mm C18カラム:移動相:35−90%アセトニトリル/水と0.1%TFA2mL/分で5分間.) t 3.885分。粗化合物をさらに精製せずに次工程に使用した。
【0159】
工程2:中間体((S)−5−アミノ−6−{(S)−2−[5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピリジン−3−イル]−ピロリジン−1−イル}−6−オキソ−ヘキシル)−カルバミン酸9H−フルオレン−9−イルメチルエステル(I−2b)の製造
【化15】

[4−((S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−{(S)−2−[5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピリジン−3−イル]−ピロリジン−1−イル}−3−オキソ−プロピル)−フェニル]−カルバミン酸9H−フルオレン−9−イルメチルエステル(I−2a)のジクロロメタン(15mL)溶液に、トリフルオロ酢酸(5mL)を添加した。45分間撹拌後、反応混合物を真空で濃縮して、粗((S)−5−アミノ−6−{(S)−2−[5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピリジン−3−イル]−ピロリジン−1−イル}−6−オキソ−ヘキシル)−カルバミン酸9H−フルオレン−9−イルメチルエステルを暗琥珀色残留物として得た。
HPLC(Novapak 150 X 3.9 mm C18カラム:移動相:35−90%アセトニトリル/水と0.1%TFA2mL/分で5分間.) t 2.473分。粗生成物をさらに精製せずに次工程に使用した。
【0160】
工程3:中間体[4−((S)−2−[(S)−2−(tert−ブトキシカルボニル−メチル−アミノ)−プロピオニルアミノ]−3−{(S)−2−[5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピリジン−3−イル]−ピロリジン−1−イル}−3−オキソ−プロピル)−フェニル]−カルバミン酸9H−フルオレン−9−イルメチルエステル(I−2c)の製造
【化16】

[4−((S)−2−アミノ−3−{(S)−2−[5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピリジン−3−イル]−ピロリジン−1−イル}−3−オキソ−プロピル)−フェニル]−カルバミン酸9H−フルオレン−9−イルメチルエステル(I−2b:2.4g、3.7mmol)、(S)−2−(tert−ブトキシカルボニル−メチル−アミノ)−プロピオン酸(0.89g、4.4mmol)およびエチルジイソプロピルアミン(7mL)のDMF(20mL)溶液に、2−(1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルイソウロニウムヘキサフルオロホスフェート(V)(1.67g、4.4mmol)および1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−1−オール(0.6g、4.4mmol)のDMF(10mL)溶液を添加し、反応混合物を16時間振盪した。反応混合物を酢酸エチル(300mL)で希釈し、連続的に塩水(2X)(300mL)、飽和重炭酸水溶液(300mL)、塩水(300mL)、水(300mL)および塩水(300mL)で洗浄し、NaSO/MgSOで乾燥させ、真空で濃縮して、粗[4−((S)−2−[(S)−2−(tert−ブトキシカルボニル−メチル−アミノ)−プロピオニルアミノ]−3−{(S)−2−[5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピリジン−3−イル]−ピロリジン−1−イル}−3−オキソ−プロピル)−フェニル]−カルバミン酸9H−フルオレン−9−イルメチルエステルを黄色泡状物として得た。
MS (ESI) m/e 840.7 (M + H+);HPLC(Novapak 150 X 3.9 mm C18カラム:移動相:35−90%アセトニトリル/水と0.1%TFA2mL/分で5分間.) t 3.902分。粗生成物をさらに精製せずに次工程に使用した。
【0161】
工程4:中間体[(S)−1−((S)−1−(4−アミノ−ベンジル)−2−{(S)−2−[5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピリジン−3−イル]−ピロリジン−1−イル}−2−オキソ−エチルカルバモイル)−エチル]−メチル−カルバミン酸tert−ブチルエステル(I−2d)の製造
【化17】

[4−((S)−2−[(S)−2−(tert−ブトキシカルボニル−メチル−アミノ)−プロピオニルアミノ]−3−{(S)−2−[5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピリジン−3−イル]−ピロリジン−1−イル}−3−オキソ−プロピル)−フェニル]−カルバミン酸9H−フルオレン−9−イルメチルエステル(I−2c:2.98g、3.7mmol)に、2M ジメチルアミンのTHF(20mL)溶液を添加し、反応混合物を2時間撹拌した。反応混合物を真空で濃縮し、半分取逆相HPLC(300 x 50 mm)で、w/10−60%アセトニトリル/水を45分間にわたり溶出して精製し、所望のフラクションを凍結乾燥した。これにより、[(S)−1−((S)−1−(4−アミノ−ベンジル)−2−{(S)−2−[5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピリジン−3−イル]−ピロリジン−1−イル}−2−オキソ−エチルカルバモイル)−エチル]−メチル−カルバミン酸tert−ブチルエステル(1.5g、4工程で65.6%)を得た。
MS (ESI) m/e 618.5 (M + H+);HPLC(Novapak 150 X 3.9 mm C18カラム:移動相:15−90%アセトニトリル/水と0.1%TFA2mL/分で5分間.) t 2.677分。
【0162】
工程5:中間体(I−2e)の製造
【化18】

[(S)−1−((S)−1−(4−アミノ−ベンジル)−2−{(S)−2−[5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピリジン−3−イル]−ピロリジン−1−イル}−2−オキソ−エチルカルバモイル)−エチル]−メチル−カルバミン酸tert−ブチルエステル(I−2d:0.150g、0.243mmol)およびトリエチルアミン(0.126g、0.971mmol)のDCM(5mL)溶液に、ヘプタンジオイルジクロライド(0.024g、0.121mmol)のDCM(1mL)溶液を添加し、混合物を16時間振盪した。反応混合物を飽和重炭酸溶液(100ml)で洗浄し、真空で濃縮して、粗中間体(I−2e)を得た。
HPLC(Novapak 150 X 3.9 mm C18カラム:移動相:35−90%アセトニトリル/水と0.1%TFA2mL/分で5分間.) t 2.977分。粗生成物を精製せずに次工程に直接使用した。
【0163】
最終工程:ヘプタン二酸ビス−({4−[(S)−3−{(S)−2−[5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピリジン−3−イル]−ピロリジン−1−イル}−2−((S)−2−メチルアミノ−プロピオニルアミノ)−3−オキソ−プロピル]−フェニル}−アミド)(2A)の製造
中間体I−2e(35mg、0.025mmol)のジクロロメタン(4mL)溶液にトリフルオロ酢酸(2mL)を添加し、混合物を30分間撹拌した。反応混合物を真空で濃縮して、粗化合物2Aを暗琥珀色残留物として得た。半分取逆相HPLC(300 x 50 mm)で、10−60%アセトニトリル/水で45分間にわたり溶出して精製し、所望のフラクションを凍結乾燥して、化合物2Aのトリフルオロ酢酸塩(化合物2A−1)を得た。本物質を重炭酸MP樹脂カラムを通し、連続的にメタノール(10mL)で溶出し、真空で濃縮して、遊離塩基(化合物2A)を得た。本物質を酢酸エチル(10mL)およびメタノール(0.5mL)に溶解し、クエン酸の酢酸エチル飽和溶液(5.5mL)で処理した。得られた沈殿を窒素下で濾別し、真空で乾燥させて、化合物2Aのクエン酸塩(化合物2A−2:2.4mg、3工程で0.85%)を得た:
1H NMR (400 MHz, CD3OD):δ 8.66 - 8.86 (m, 3.52 H), 8.49 - 8.65 (m, 3.03 H), 7.86 - 8.04 (m, 5.86 H), 7.38 - 7.58 (m, 4.83 H), 7.07 - 7.38 (m, 8.44 H), 5.10 - 5.25 (m, 2.44 H), 5.00 - 5.10 (m, 2.07 H), 4.45 - 5.09 (m, 3.05 H), 3.97 - 4.08 (m, 1.65 H), 3.45 - 3.91 (m, 6.99 H), 2.92 - 3.19 (m, 4.15 H), 2.74 - 2.92 (m, 14.96 H), 2.33 - 2.53 (m, 8.74 H), 2.06 - 2.22 (m, 2.00 H), 1.58 - 2.02 (m, 7.89 H), 1.40 - 1.58 (m, 5.16 H), 1.21 - 1.28 (m, 1.72 H):
MS (ESI) m/e 1159.8 (M + H+);
HPLC(Novapak 150 X 3.9 mm C18カラム:移動相:10−90%アセトニトリル/水と0.1%TFA2mL/分で5分間) t 2.742分。
【0164】
下の表2の化合物は、適当な出発物質を用いて、上に記載した実施例2A、2A−1および2A−2の製造方法に準じて製造した。
【0165】
【表11】

【表12】

【0166】
【表13】

【表14】

【0167】
【表15】

【0168】
薬理学的データ
上記化合物を、細胞アッセイ(SKOV3またはPanc3.27腫瘍細胞を使用)および結合アッセイによりプロファイルして、XIAP−BIR3およびcIAP1−BIR3結合グローブ占拠について、本発明の化合物とsmac7量体ペプチドの競合を決定した。
【0169】
細胞アッセイ − 二量体IAPアンタゴニストでのSKOV3またはPanc3.27腫瘍細胞の処置
1日目に、付着SKOV3およびPanc3.27細胞を2種の96ウェル、透明、平底プレートに播種した。行Aの全ウェルは90μLの媒体を含んだ。行B−Gの全ウェルは総量90μL/ウェルでSKOV3については2000細胞/ウェルおよびPanc3.27細胞株については4000細胞/ウェル含む。プレートを、一夜(18時間)、37℃、5%COでインキュベートした。
2日目、細胞を式M−L−M’の化合物で処理する。処理をトリプリケートで行う。化合物を最初にDMSOで連続的に希釈し、次いで培地に添加して、細胞添加時に0.2%DMSOの最終濃度とする。細胞を10μLの連続的に希釈した式M−L−M’の化合物で、最終濃度1000nM、200nM、40nM、8nM、1.6nM、0.32nM、0.06nM、0.013nM、0.0026nMで処理し、一つ未処置ウェルとする。プレート2を0時プレートとして使用する。
【0170】
細胞生存能を検定するために、50μLのCell Titer Glo(CTG)溶液を行A(媒体のみ)および行B(細胞+媒体)に添加する。CTGをPromega Corporation catalog number G7573から購入する。溶液を業者の指示通りに調製する。CTGは、生存可能細胞から遊離されるATPの量を測定し、それは各ウェルの細胞数に比例する。10分間、CTGとインキュベートした後、プレートをルミネセンスリーダーで700nM波長で読む。読み取り時間は96ウェルプレートでおおよそ1秒/ウェルである。
5日目に、50μLのCTGをプレート1の行A−Gを10分間、室温でインキュベートし、ルミネセンスリーダーで読む。生データを0時プレートならびにバックグラウンドノイズの計数に対して調節する。トリプリケート値を平均化し、対照成長パーセントを計算する。対照成長パーセントを次の論理式を使用して計算する:ウェル読み取りデータ点(a)が0時データ点(t=0)より大きいとき、100*[(a)−(t=0)]/[(72時間総成長)−(t=0)]または100*[(a)−(t=0)]/[(t=0)]。データを化合物濃度をx軸に、対照成長パーセントをy軸に置く線グラフにより表す。
結果を下の表3に示す。
【0171】
結合アッセイ
本方法は、(SPR)ベースのバイオセンサー(BiacoreTM, GE Healthcare, Uppsala, Sweden)を使用して、XIAP−BIR3およびcIAP1−BIR3結合グローブ占拠について、本発明の化合物とsmac7量体ペプチドの競合を試験した。
BiacoreTMは表面プラズモン共鳴(SPR)を使用して結合相互作用を検出し、測定する。典型的Biacore実験において、相互作用する分子の一方を可塑性デキストランマトリックスに固定し、相互作用相手を誘導体化した表面上を流す。結合相互作用はセンサー表面の質量増加およびセンサー表面の近似の媒体の屈折率の対応する直接変化をもたらす。屈折率またはシグナルの変化を共鳴単位(R.U.)として記録する。シグナルの複合体の結合および解離による変化を非侵襲性の方法で、連続的におよびリアルタイムでモニターし、その結果をセンサーグラムの形で報告する。
【0172】
溶液阻害アッセイ形式
BiacoreTM T100(GE Healthcare, Uppsala, Sweden)を、ここに記載する全実験の実施に使用した。センサー表面調製および相互作用分析を25℃で行った。緩衝液およびBiacore反応材をGE Healthcareから購入した。10mM Hepes、pH7.4、150mM 塩化ナトリウム、1.25mM ジチオスレイトール、2%ジメチルスルホキシドおよび0.05%ポリソルベート20含有ランニング緩衝液を全実験で使用した。
ビオチニル化smac7量体ペプチドをランニング緩衝液で10nMに希釈し、ストレプトアビジンで予め誘導体化したセンサー表面(センサーチップSA)に、40−100R.U.の範囲のペプチド表面密度となるよう捕捉する。ペプチド捕捉表面を500μM PEO−ビオチン(Thermo Scientific)で遮断する。ブランクフローセルを同様にPEO−ビオチンでブロックし、競合アッセイにおける参照フローセルとして使用した。
【0173】
相互作用分析を、最初に各化合物を、1μM〜0.06nMの範囲の6点以内の7倍化合物希釈で、100nM XIAP−BIR3でまたは6nM cIAP1−BIR3でと少なくとも1時間、装置スタートアップ工程中平衡化した。次いで、タンパク質化合物混合物を参照およびsmac7量体ペプチド表面に、60秒間、60μL/分の流速で順次注入した。表面再生を、各分析サイクルの最後に30秒間、10mM グリシン、pH 2.5、1M 塩化ナトリウム、0.05%ポリソルベート20の注入により行った。さらに、対照化合物サンプルおよび対照XIAP−BIR3またはcIAP1−BIR3サンプルを調製し、一定間隔で流して、表面およびアッセイ性能をモニターした。
データ解析をBiacoreTM T100評価ソフトウェアv2.0を使用して行い、アッセイ品質を確認した。結合レベル報告点を、化合物濃度対数値に対してプロットし、Graphpad prism 5で、非線形回帰を介して、片側競合モデル(one-site competition model)を使用して分析した。EC50値を得て、阻害剤能の指標として使用した。
結果を下の表3に示す。
【0174】
【表16】

【0175】
インビトロ組合せ試験を、細胞を固定濃度のIAP阻害剤で処理し、組合せ剤の投与レベルを変えた以外、上に記載した細胞アッセイに従い行った。組合せ活性(相加的または相乗的)は、いずれかの薬剤単独で顕著な活性がないときに起こり、第二剤のIC50は、組合せの結果≧5倍まで左側にシフトする(すなわち、薬剤の効果が増強した)。効果の≧5倍増強は、実施例1Jの化合物とパクリタキセルの組合せで観察された;一方実施例1Jの化合物もパクリタキセルも単独では顕著な効果を示さなかった。
【0176】
インビボ組合せ試験を、上のインビトロ試験の後にモデル化した。マウスのコホート(n=8)を(1)コホートA:実施例1Jの化合物(3mg/kg、1回/週)、(2)コホートB:パクリタキセル(12mg/kg、3回/週)または(3)コホートC:実施例1Jの化合物(3mg/kg、1回/週)+パクリタキセル(12mg/kg、3回/週)の組合せで処理した。試験を、典型的に異種移植腫瘍が100mに達したときに開始し、2〜3週間続けた。一剤が抗腫瘍活性を示さないが(すなわち処置動物の腫瘍増殖が未処置動物の>50%である)、組合せが未処置動物と比べて腫瘍増殖の>80%制御をもたらすとき、正の組合せ活性が起こる。コホートAおよびBの両方で、腫瘍増殖制御は<50%であったが、コホートC(実施例1Jの化合物とパクリタキセルの組合せ)で腫瘍増殖の>80%制御が観察された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式M−L−M’の化合物であって、MおよびM’は各々独立して式(I)
【化1】

〔式中:
は(C−C)アルキルまたは水素であり;
は水素、(C−C)アルキル、ハロ置換(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、−CH−(C−C)シクロアルキル、ベンジル、HO−(C−C)アルキル−またはCHNHC(O)−であり;
は(C−C)アルキル、ハロ置換(C−C)アルキルまたは水素であるか;
またはRは、窒素原子が結合している窒素原子と共にRと一体となって、場合によりN、OおよびSから独立して選択される1〜2個のさらなるヘテロ環原子を含んでよい3〜6員ヘテロ環を形成し;
Qは(C1−)アルキル、(C1−)アルコキシ、−OH、−C(O)−(C−C)アルキル、−O−C(O)−(C−C)アルキル、−NH、−NH−(C−C)アルキル、−N((C−C)アルキル)、−NH−C(O)−(C−C)アルキル、−NHSO(C−C)アルキル、−NHSO(フェニル)、−N((C−C)アルキル)−SO(C−C)アルキル、−N((C−C)アルキル)−SO(フェニル)、−NHSO(C−C)アルキル、−NHSO(フェニル)、−N((C−C)アルキル)−SO(C−C)アルキルまたは−N((C−C)アルキル)−SO(フェニル)であり;
oは0、1または2であり;
Aは少なくとも1個のN環ヘテロ原子を含む6員ヘテロアリール環であり;
Dは結合、−C(O)−、−O−、−NH−、−S−、−S(O)−、−SO−、−N((C−C)アルキル)−、−N((C−C)アルキル−OH)−、−N((C−C)シクロアルキル)−、−NHC(O)−、−N((C−C)アルキル)C(O)−、−C(O)NH−、−C(O)−N((C−C)アルキル)−、−N((C−C)アルキル−CO−(C−C)アルキル)−、−(C−C)アルキレン、(C−C)アルケニレン、−CH(OH)−、−C(O)−(C−C)アルキレン、−NH−(C−C)アルキレン、−S−(C−C)アルキレン、−S(O)−(C−C)アルキレン、−SO−(C−C)アルキレン、−NHSO(C−C)アルキレン、−NHSO(C−C)アルキレンまたは−CH(R)−であり、ここで、RはNH、−NH((C−C)アルキレン)フェニル)、−NH(C−C)アルキル、−O((C−C)アルキレン)フェニル)または−O(C−C)アルキルであり、ここで、該((C−C)アルキレン)フェニル)または(C−C)アルキルは場合によりハロで置換されていてよく;
はH、CF、フェニル、ナフチル、一部または完全に飽和した(C−C)シクロアルキル、O、SもしくはNから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を含む、5〜12員の一部または完全に飽和したヘテロ環またはO、SもしくはNから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を含む5〜10員ヘテロアリールであり、ここで、該フェニル、ナフチルおよびヘテロアリールは、場合により、ハロ、(C−C)アルキル、ハロ置換(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、−C(O)NHCH、−C(O)N(CH)、CNまたはNOから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてよく、そして
該ヘテロ環およびシクロアルキルは、場合により、フェニルにまたはO、SもしくはNから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を含む6員ヘテロアリールに縮合していてよく、そして該ヘテロ環、該シクロアルキル、該縮合ヘテロ環および該縮合シクロアルキルは、場合によりオキソ、ハロ、(C−C)アルキル、ハロ置換(C−C)アルキルまたは(C−C)アルコキシで置換されていてよく;
Wは結合、(C−C10)アルキレン、(C−C10)アルケニレン、((C−C)アルキレン)−(Y)−Bまたは((C−C)アルケニレン)−(Y)−Bであり、ここで、mおよびnは独立して0または1であり、Yはフェニレン、ナフチレン、一部または完全に飽和した3〜6員シクロアルキレン、O、SもしくはNから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を含む5〜6員の完全にまたは一部飽和した5〜6員ヘテロ環またはO、SもしくはNから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を含む5〜10員ヘテロアリーレンであり、Bは結合、−O−、(C−C)アルキレンまたは−(CH)(フェニレン)、ここで、該(C−C10)アルキレン、(C−C10)アルケニレン、(C−C)アルキレンまたは(C−C)アルケニレン基は、場合により、アルキレン鎖中に酸素原子または窒素原子を含んでよく、場合によりオキソ、−CF、フェニル、ナフチル、O、SもしくはNから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を含む5〜10員ヘテロアリール、一部または完全に飽和した5〜6員シクロアルキル、O、SもしくはNから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を含む5〜6員の完全にまたは一部飽和したヘテロ環および/または1個以上のハロで置換されていてよく、ここで、該一部または完全に飽和したヘテロ環は、場合によりオキソ、(C−C)アルキルまたはハロから独立して選択される1〜2個の置換基で置換されていてよく、ここで、該ヘテロアリールまたは該ヘテロアリーレンは、場合によりハロまたは(C−C)アルキルから選択される1〜3個の置換基で置換されていてよく、
ここで、該フェニレン、該フェニル、該ナフチル、該ナフチレン、該シクロアルキレンまたは該シクロアルキルは、場合によりハロ、−CF、(C−C)アルキルまたは(C−C)アルコキシから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてよくまたはWが((C−C)アルキレン)−(Y)−Bまたは((C−C)アルケニレン)−(Y)−Bであり、LがNR−C(O)−X−C(O)−NR−または−NR−S(O)−X−S(O)−NR−であり、Bが、Rと共にRが結合している窒素と一体となってアジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、1H−ピロリル、ピペリジニル、1H−インドリル、インドリニル、1H−ジヒドロイミダゾリル、1H−イミダゾリル、ピペラジニル、ヘキサヒドロピリミジニル、1,2,3,4−テトラヒドロキノリニル、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリニル、5,6,7,8−テトラヒドロピリド[3,4−b]ピラジニル、オキサゾリジニルおよびチアゾリジニルから成る群から選択されるヘテロ環を形成し、ここで、該ヘテロ環は場合により(C−C)アルキル、−OHまたはオキソから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてよく;
Lは−C(O)−NR−X−NR−C(O)−、−S(O)−NR−X−NR−S(O)−、−NR−C(O)−X−C(O)−NR−および−NR−S(O)−X−S(O)−NR−から成る群から選択されるリンカー基であり、
ここで、Rは水素、(C−C)アルキル、ベンジルまたはシクロヘキシルであり;

(i)結合、
(ii)(C−C10)アルキレン、(C−C10)アルケニレン、(C−C10)アルキニレン、((C−C10)アルキレン)−(O(C−C)アルキレン)−または(C−C10)アルキレン−NH(C−C)アルキレン(ここで、pは0、1または2である)、
(iii)フェニレン、ナフチレン、フルオレニレン、9H−フルオレン−9−オニレン、9,10−ジヒドロアントラセニレン、アントラセン−9,10−ジオニレン、一部または完全に飽和した(C−C)シクロアルキレン、O、SもしくはNから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を含む5〜7員ヘテロ環またはO、SもしくはNから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を含む5〜10員ヘテロアリーレン(ここで、該フェニレンは場合により(C−C)シクロアルキルに縮合していてよい)、
(iv)(フェニレン)−G−(フェニレン)(ここで、Gは結合、O、S、−NH−、−N=N−、−S=S−、−SO−、(C−C)アルキレン、(C−C)アルケニレン、(C−C10)アルキニレン、(C−C)シクロアルキレン、O、SもしくはNから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を含む5〜6員ヘテロアリールまたはO、SもしくはNから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を含む5〜6員の一部または完全に飽和したヘテロ環であり、そして該フェニレンは場合によりフェニルと縮合していてよい)、
(v)((C−C)アルキレン)−Z−((C−C)アルキレン)または((C−C)アルケニレン)−Z−((C−C)アルケニレン)(ここで、rおよびsは各々独立して0、1または2であり;Zは−O−、−N=N−、(C−C)シクロアルキレン、フェニレン、O、SもしくはNから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を含む5〜6員の一部または完全に飽和したヘテロ環またはO、SもしくはNから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を含む5〜6員ヘテロアリーレンであり、ここで、該ヘテロアリーレンおよび該ヘテロ環は、場合によりフェニル、フェニレン、O、SもしくはNから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を含む5〜6員の一部または完全に飽和したヘテロ環またはO、SもしくはNから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を含む5〜6員ヘテロアリーレンと縮合していてよい)、または
(vi)(C−C20)アルキレンまたは−NH−((C−C20)アルキレン)−NH−(ここで、該アルキレンはアルキレン鎖内に1〜6個の酸素原子を含み、該アルキレン鎖内に場合により1個または2個のフェニレン基を含んでよい)
であるか;
またはXは、両方のR基と両方のRが結合している窒素原子と一体となって、2,6−ジアザスピロ[3.3]ヘプタンを形成し;

(i)結合または−O−、−NH−または−N((C−C)アルキル)−、
(ii)(C−C10)アルキレン、−(O(C−C)アルキレン)−、−((C−C)アルキレンO)−、−O−((C−C)アルキレンO)−、(C−C10)アルケニレン、((C−C10)アルキレン)−(O(C−C)アルキレン)−、−O−((C−C10)アルキル)−O−または(C−C10)アルキレン−NH(C−C)アルキレンまたは(C−C10)アルキニレン(ここで、pおよびqは各々独立して1、2または3である)、
(iii)フェニレン、ナフチレン、フルオレニレン、9H−フルオレン−9−オニレン、9,10−ジヒドロアントラセニレン、アントラセン−9,10−ジオニレン、一部または完全に飽和した(C−C)シクロアルキレン、O、SもしくはNから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を含む5〜7員ヘテロ環またはO、SもしくはNから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を含む5〜10員ヘテロアリーレン(ここで、該フェニレンは場合により(C−C)シクロアルキルに縮合していてよい)、
(iv)(フェニレン)−G−(フェニレン)または−O−(フェニレン)−G−(フェニレン)−O−(ここで、Gは結合、O、S、−NH−、−N=N−、−S=S−、−SO−、(C−C)アルキレン、(C−C)アルケニレン、(C−C)シクロアルキレン、O、SもしくはNから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を含む5〜6員ヘテロアリールまたはO、SもしくはNから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を含む5〜6員の一部または完全に飽和したヘテロ環であり、そして該フェニレンは場合によりフェニルと縮合していてよい)、
(v)((C−C)アルキレン)−Z−((C−C)アルキレン)、((C−C)アルケニレン)−Z−((C−C)アルケニレン)または−(O(C−C)アルキレン)−Z−((C−C)アルキレンO)−(ここで、r、s、uおよびvは各々独立して0、1または2であり;ZおよびZは−O−、−N=N−、(C−C)シクロアルキレン、フェニレン、O、SもしくはNから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を含む5〜6員の一部または完全に飽和したヘテロ環またはO、SもしくはNから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を含む5〜6員ヘテロアリーレンであり、ここで、該ヘテロアリーレンおよび該ヘテロ環は、場合によりフェニル、フェニレン、O、SもしくはNから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を含む5〜6員の一部または完全に飽和したヘテロ環またはO、SもしくはNから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を含む5〜6員ヘテロアリーレンと縮合していてよい)、または
(vi)(C−C20)アルキレンまたは−NH−((C−C20)アルキレン)−NH−(ここで、該アルキレンはアルキレン鎖内に1〜6個の酸素原子を含み、該アルキレン鎖内に場合により1〜2個のフェニレン基を含んでよい)
であり;
ここで、該基(ii)XおよびXの基は、各々独立して1個以上のフルオロ原子またはハロ、オキソ、アミノ、フェニル、ナフチル、(C3−C6)シクロアルキルまたはO、NまたはSから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を含む5〜6員ヘテロ環から独立して選択される1〜2個の置換基で置換されており、ここで、該フェニル、該シクロアルキルおよび該ヘテロ環は、場合により、ハロ、(C−C)アルキルまたはトリフルオロメチルから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてよく、ここで、該基(iii)および(iv)XおよびXの基は、場合により(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、ハロ、アミノ、−OH、ベンジルまたは縮合5〜6員シクロアルキルから独立して選択される1〜4個の置換基で置換されていてよく、ここで、該(C−C)アルキル、該(C−C)アルコキシおよび該縮合シクロアルキルは、場合によりハロ、(C−C)アルキルから選択される1〜3個の置換基で置換されていてよく、ここで、該基(v)XおよびXの基は、場合によりハロ、ヒドロキシ、オキソ、アミノ、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシまたはフェニルから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてよい。〕
の単量体基である化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
MおよびM’が同一である;請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
Lが−C(O)−NR−X−NR−C(O)−または−S(O)−NR−X−NR−S(O)−であり、ここで、Rが水素または(C−C)アルキルである;請求項1または2に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項4】
Lが−NR−C(O)−X−C(O)−NR−または−NR−S(O)−X−S(O)−NR−であり、ここで、Rが水素または(C−C)アルキルである;請求項1または2に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項5】
が水素であり、RおよびRが両方ともメチルであり、Dが結合、−C(O)−、−CH−、−CH(OH)−、−CH(NH)−、−O−、−S−、−S(O)−、−S(O)−、−NH−、−N((C−C)アルキル)−、−N((C−C)アルキル−OH)−または−N(シクロプロピル)−である;請求項1、2、3または4に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項6】
Wが(C−C10)アルキレン、5〜6員シクロアルキレンまたは((C−C)アルキレン)フェニレンである;請求項1、2、3、4または5に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項7】
式M−L−M’の化合物であって、MおよびM’が各々独立して式(II):
【化2】

〔式中、
は(C1−)アルキルまたは水素であり;
は(C1−)アルキルまたは水素であり;
は(C1−)アルキルまたは水素であるか;
またはRは、それが結合している窒素原子およびRと一体となって、場合によりN、OおよびSから独立して選択される1〜2個のさらなるヘテロ環原子を含んでよい3〜6員ヘテロ環を形成し;
Aは少なくとも1個のN環ヘテロ原子を含む6員ヘテロアリール環であり、ここで、該ヘテロアリールは場合により(C−C)アルキル、−SCH、−OCHまたはハロで置換されていてよく;
Dは結合、−C(O)−、−CH−、−CH(OH)−、−CH(NH)−、−O−、−S−、−S(O)−、−S(O)−、−NH−、−N((C−C)アルキル)−、−N((C−C)アルキル−OH)−または−N(シクロプロピル)−であり;
Wは(C−C10)アルキレン、5〜6員シクロアルキレンまたは((C−C)アルキレン)フェニレンであり;
dは0、1、2または3であり;
はハロ、−CF、(C−C)アルキルまたは(C−C)アルコキシであり;
Lは−C(O)−NR−X−NR−C(O)−、−S(O)−NR−X−NR−S(O)−、−NR−C(O)−X−C(O)−NR−および−NR−S(O)−X−S(O)−NR−から成る群から選択されるリンカー基であり、ここで、Rは水素または(C−C)アルキルであり;XおよびXは(C−C10)アルキレン、−(O(C−C)アルキレン)−、−((C−C)アルキレンO)−、(C−C10)アルケニレン、フェニレン、ナフチレンまたはビス(フェニレン)であり、ここで、pおよびqは各々独立して1、2、3または4。〕
の単量体基である化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項8】
Aがピリジニルまたはピリミジルである;請求項7に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項9】
が水素であり、RおよびRが両方ともメチルである;請求項7または8に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項10】
Dが−C(O)−、−CH−、−O−、−NH−、−N((C−C)アルキル)−または−N(シクロプロピル)−である;請求項7、8または9に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項11】
MおよびM’が同一単量体基である;請求項7、8、9または10に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項12】
式M−L−M’の化合物であって、MおよびM’は同一であり、各々
【化3】

〔式中、
は(C1−)アルキルまたは水素であり;
は(C1−)アルキルまたは水素であり;
は(C1−)アルキルまたは水素であるかまたは
またはRは、RまたはRが結合している窒素と共にRと一体となって、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニルまたはピペリジニルを形成し;
はフッ素であり;
Wは(C−C10)アルキレンまたは(C−C)アルキレンフェニレンであり;
Lは−C(O)−NR−X−NR−C(O)−、−S(O)−NR−X−NR−S(O)−、−NR−C(O)−X−C(O)−NR−および−NR−S(O)−X−S(O)−NR−から成る群から選択されるリンカー基であり、ここで、Rは水素であり、XおよびXは(C−C10)アルキレン、フェニレン、ナフチレンまたはビス(フェニレン)。〕
の単量体基である化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項13】
が水素であり;Rがメチルであり;Rがメチルである;請求項12に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項14】
が水素であり;RがRと一体となってアゼチジニルを形成する;請求項12に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項15】
Wがn−ブチレンまたは−CH−(フェニレン)−である;請求項12、13または14に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項16】
Wがn−ブチレンである;請求項15に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項17】
Wが−CH−(フェニレン)−である;請求項15に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項18】
Lが−NR−C(O)−X−C(O)−NR−であり、ここで、Xがn−プロピレン、n−ブチレン、n−ペンチレン、n−ヘキシレン、n−ヘプチレン、n−オクチレン、1,3−フェニレン、1,4−フェニレンまたは4,4’−ビフェニルである;請求項12、13、14、15、16または17に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項19】
Lが−NR−S(O)−X−S(O)−NR−であり、ここで、Xが1,3−フェニレン、4,4’−ビフェニル、2,7−ナフチレンまたは2,6−ナフチレンである;請求項12、13、14、15、16または17に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項20】
次のものから成る群から選択される、化合物:
ヘプタン二酸ビス−{[(S)−6−{(S)−2−[5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピリジン−3−イル]−ピロリジン−1−イル}−5−((S)−2−メチルアミノ−プロピオニルアミノ)−6−オキソ−ヘキシル]−アミド};
(S)−N−((S)−1−((S)−2−(5−(4−フルオロベンゾイル)ピリジン−3−イル)ピロリジン−1−イル)−6−(3−(N−((S)−6−((S)−2−(5−(4−フルオロベンゾイル)ピリジン−3−イル)ピロリジン−1−イル)−5−((S)−2−(メチルアミノ)プロパンアミド)−6−オキソヘキシル)スルファモイル)フェニルスルホンアミド)−1−オキソヘキサン−2−イル)−2−(メチルアミノ)プロパンアミド;
N,N’−ビス−[(S)−6−{(S)−2−[5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピリジン−3−イル]−ピロリジン−1−イル}−5−((S)−2−メチルアミノ−プロピオニルアミノ)−6−オキソ−ヘキシル]−テレフタルアミド;
(S)−N−((S)−1−((S)−2−(5−(4−フルオロベンゾイル)ピリジン−3−イル)ピロリジン−1−イル)−6−(4’−(N−((S)−6−((S)−2−(5−(4−フルオロベンゾイル)ピリジン−3−イル)ピロリジン−1−イル)−5−((S)−2−(メチルアミノ)プロパンアミド)−6−オキソヘキシル)スルファモイル)ビフェニル−4−イルスルホンアミド)−1−オキソヘキサン−2−イル)−2−(メチルアミノ)プロパンアミド;
N,N’−ビス−[(S)−6−{(S)−2−[5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピリジン−3−イル]−ピロリジン−1−イル}−5−((S)−2−メチルアミノ−プロピオニルアミノ)−6−オキソ−ヘキシル]−イソフタルアミド;
ノナン二酸ビス−{[(S)−6−{(S)−2−[5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピリジン−3−イル]−ピロリジン−1−イル}−5−((S)−2−メチルアミノ−プロピオニルアミノ)−6−オキソ−ヘキシル]−アミド};
デカン二酸ビス−{[(S)−6−{(S)−2−[5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピリジン−3−イル]−ピロリジン−1−イル}−5−((S)−2−メチルアミノ−プロピオニルアミノ)−6−オキソ−ヘキシル]−アミド};
(S)−N−((S)−1−((S)−2−(5−(4−フルオロベンゾイル)ピリジン−3−イル)ピロリジン−1−イル)−6−(7−(N−((S)−6−((S)−2−(5−(4−フルオロベンゾイル)ピリジン−3−イル)ピロリジン−1−イル)−5−((S)−2−(メチルアミノ)プロパンアミド)−6−オキソヘキシル)スルファモイル)ナフタレン−2−スルホンアミド)−1−オキソヘキサン−2−イル)−2−(メチルアミノ)プロパンアミド;
(S)−N−((S)−1−((S)−2−(5−(4−フルオロベンゾイル)ピリジン−3−イル)ピロリジン−1−イル)−6−(6−(N−((S)−6−((S)−2−(5−(4−フルオロベンゾイル)ピリジン−3−イル)ピロリジン−1−イル)−5−((S)−2−(メチルアミノ)プロパンアミド)−6−オキソヘキシル)スルファモイル)ナフタレン−2−スルホンアミド)−1−オキソヘキサン−2−イル)−2−(メチルアミノ)プロパンアミド;
ビフェニル−4,4’−ジカルボン酸ビス−{[(S)−6−{(S)−2−[5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピリジン−3−イル]−ピロリジン−1−イル}−5−((S)−2−メチルアミノ−プロピオニルアミノ)−6−オキソ−ヘキシル]−アミド};
ビフェニル−4,4’−ジカルボン酸ビス−[((S)−5−[((S)−アゼチジン−2−カルボニル)−アミノ]−6−{(S)−2−[5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピリジン−3−イル]−ピロリジン−1−イル}−6−オキソ−ヘキシル)−アミド];
ヘプタン二酸ビス−({4−[(S)−3−{(S)−2−[5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピリジン−3−イル]−ピロリジン−1−イル}−2−((S)−2−メチルアミノ−プロピオニルアミノ)−3−オキソ−プロピル]−フェニル}−アミド);
デカン二酸ビス−({4−[(S)−3−{(S)−2−[5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピリジン−3−イル]−ピロリジン−1−イル}−2−((S)−2−メチルアミノ−プロピオニルアミノ)−3−オキソ−プロピル]−フェニル}−アミド);
ヘキサン二酸ビス−({4−[(S)−3−{(S)−2−[5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピリジン−3−イル]−ピロリジン−1−イル}−2−((S)−2−メチルアミノ−プロピオニルアミノ)−3−オキソ−プロピル]−フェニル}−アミド);
N,N’−ビス−{4−[(S)−3−{(S)−2−[5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピリジン−3−イル]−ピロリジン−1−イル}−2−((S)−2−メチルアミノ−プロピオニルアミノ)−3−オキソ−プロピル]−フェニル}−イソフタルアミド;
ノナン二酸ビス−({4−[(S)−3−{(S)−2−[5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピリジン−3−イル]−ピロリジン−1−イル}−2−((S)−2−メチルアミノ−プロピオニルアミノ)−3−オキソ−プロピル]−フェニル}−アミド);および
ペンタン二酸ビス−({4−[(S)−3−{(S)−2−[5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピリジン−3−イル]−ピロリジン−1−イル}−2−((S)−2−メチルアミノ−プロピオニルアミノ)−3−オキソ−プロピル]−フェニル}−アミド);
またはその薬学的に許容される塩。
【請求項21】
次のものから成る群から選択される、請求項20に記載の化合物:
ヘプタン二酸ビス−{[(S)−6−{(S)−2−[5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピリジン−3−イル]−ピロリジン−1−イル}−5−((S)−2−メチルアミノ−プロピオニルアミノ)−6−オキソ−ヘキシル]−アミド};
N,N’−ビス−[(S)−6−{(S)−2−[5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピリジン−3−イル]−ピロリジン−1−イル}−5−((S)−2−メチルアミノ−プロピオニルアミノ)−6−オキソ−ヘキシル]−テレフタルアミド;
N,N’−ビス−[(S)−6−{(S)−2−[5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピリジン−3−イル]−ピロリジン−1−イル}−5−((S)−2−メチルアミノ−プロピオニルアミノ)−6−オキソ−ヘキシル]−イソフタルアミド;
ノナン二酸ビス−{[(S)−6−{(S)−2−[5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピリジン−3−イル]−ピロリジン−1−イル}−5−((S)−2−メチルアミノ−プロピオニルアミノ)−6−オキソ−ヘキシル]−アミド};
デカン二酸ビス−{[(S)−6−{(S)−2−[5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピリジン−3−イル]−ピロリジン−1−イル}−5−((S)−2−メチルアミノ−プロピオニルアミノ)−6−オキソ−ヘキシル]−アミド};
ビフェニル−4,4’−ジカルボン酸ビス−{[(S)−6−{(S)−2−[5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピリジン−3−イル]−ピロリジン−1−イル}−5−((S)−2−メチルアミノ−プロピオニルアミノ)−6−オキソ−ヘキシル]−アミド};
ビフェニル−4,4’−ジカルボン酸ビス−[((S)−5−[((S)−アゼチジン−2−カルボニル)−アミノ]−6−{(S)−2−[5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピリジン−3−イル]−ピロリジン−1−イル}−6−オキソ−ヘキシル)−アミド];
ヘプタン二酸ビス−({4−[(S)−3−{(S)−2−[5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピリジン−3−イル]−ピロリジン−1−イル}−2−((S)−2−メチルアミノ−プロピオニルアミノ)−3−オキソ−プロピル]−フェニル}−アミド);
デカン二酸ビス−({4−[(S)−3−{(S)−2−[5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピリジン−3−イル]−ピロリジン−1−イル}−2−((S)−2−メチルアミノ−プロピオニルアミノ)−3−オキソ−プロピル]−フェニル}−アミド);および
ノナン二酸ビス−({4−[(S)−3−{(S)−2−[5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピリジン−3−イル]−ピロリジン−1−イル}−2−((S)−2−メチルアミノ−プロピオニルアミノ)−3−オキソ−プロピル]−フェニル}−アミド);
またはその薬学的に許容される塩。
【請求項22】
次のものから成る群から選択される、請求項20に記載の化合物:
ビフェニル−4,4’−ジカルボン酸ビス−{[(S)−6−{(S)−2−[5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピリジン−3−イル]−ピロリジン−1−イル}−5−((S)−2−メチルアミノ−プロピオニルアミノ)−6−オキソ−ヘキシル]−アミド};
デカン二酸ビス−{[(S)−6−{(S)−2−[5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピリジン−3−イル]−ピロリジン−1−イル}−5−((S)−2−メチルアミノ−プロピオニルアミノ)−6−オキソ−ヘキシル]−アミド};
デカン二酸ビス−({4−[(S)−3−{(S)−2−[5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピリジン−3−イル]−ピロリジン−1−イル}−2−((S)−2−メチルアミノ−プロピオニルアミノ)−3−オキソ−プロピル]−フェニル}−アミド);
ノナン二酸ビス−{[(S)−6−{(S)−2−[5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピリジン−3−イル]−ピロリジン−1−イル}−5−((S)−2−メチルアミノ−プロピオニルアミノ)−6−オキソ−ヘキシル]−アミド};
ヘプタン二酸ビス−({4−[(S)−3−{(S)−2−[5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピリジン−3−イル]−ピロリジン−1−イル}−2−((S)−2−メチルアミノ−プロピオニルアミノ)−3−オキソ−プロピル]−フェニル}−アミド);および
ノナン二酸ビス−({4−[(S)−3−{(S)−2−[5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピリジン−3−イル]−ピロリジン−1−イル}−2−((S)−2−メチルアミノ−プロピオニルアミノ)−3−オキソ−プロピル]−フェニル}−アミド);
またはその薬学的に許容される塩。
【請求項23】
請求項1〜22のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩および薬学的に許容される担体、希釈剤または添加物を含む、医薬組成物。
【請求項24】
さらに少なくとも1種の付加的薬剤を含む、請求項23に記載の医薬組成物。
【請求項25】
該少なくとも1種の付加的薬剤がパクリタキセル、PI3K阻害剤、トポイソメラーゼ阻害剤、Trail抗体、組み換えTrailまたはTrail受容体アゴニストである、請求項24に記載の医薬組成物。
【請求項26】
該少なくとも1種の付加的薬剤がパクリタキセルである、請求項24に記載の医薬組成物。
【請求項27】
対象におけるIAPの過発現と関連する疾患、障害または状態を処置する方法であって、処置を必要とする対象に治療有効量の請求項1〜22のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法。
【請求項28】
IAPが仲介する疾患、障害または状態を処置する方法であって、処置を必要とする対象に治療有効量の請求項1〜22のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法。
【請求項29】
腫瘍または癌細胞におけるアポトーシスの誘発または促進のための、請求項1〜22のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項30】
医薬として使用するための、請求項1〜22のいずれかに記載の化合物。
【請求項31】
IAPが仲介する疾患、障害または状態の処置用医薬の製造における、請求項1〜22のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項32】
IAPの過発現と関連する疾患、障害または状態の処置のための、請求項1〜22のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項33】
IAPが仲介する疾患、障害または状態の処置方法であって、かかる処置を必要とする患者に
(i) 請求項1〜22のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩;aおよび
(ii) 少なくとも1種の付加的薬剤
を投与することを含む、方法。
【請求項34】
該付加的薬剤がパクリタキセル、PI3K阻害剤、トポイソメラーゼ阻害剤、Trail抗体、組み換えTrailまたはTrail受容体アゴニストである、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
該付加的薬剤がパクリタキセルである、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
該化合物またはその薬学的に許容される塩および該付加的薬剤を同時に投与する、請求項33、34または35に記載の方法。
【請求項37】
該化合物またはその薬学的に許容される塩および該付加的薬剤を連続的に投与する、請求項33、34または35に記載の方法。
【請求項38】
IAPが仲介する疾患、障害または状態の処置方法であって、該処置を必要とする患者に請求項1〜22のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を投与することを含む、方法。
【請求項39】
該組成物がさらに少なくとも1種の付加的薬剤を含む、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
該付加的薬剤がパクリタキセル、PI3K阻害剤、トポイソメラーゼ阻害剤、Trail抗体、組み換えTrailまたはTrail受容体アゴニストである、請求項38または39に記載の方法。
【請求項41】
該付加的薬剤がパクリタキセルある、請求項38または39に記載の方法。
【請求項42】
IAPが仲介する疾患、障害または状態の処置方法であって、かかる処置を必要とする患者に
(i) 請求項1〜22のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩および薬学的に許容される担体を含む第一組成物;および
(ii) 少なくとも1種の付加的薬剤および薬学的に許容される担体を含む第二組成物
を投与することを含む、方法。
【請求項43】
該付加的薬剤がパクリタキセル、PI3K阻害剤、トポイソメラーゼ阻害剤、Trail抗体、組み換えrailまたはTrail受容体アゴニストである、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
該付加的薬剤がパクリタキセルである、請求項42に記載の方法。
【請求項45】
該第一組成物および該第二組成物を同時に投与する、請求項42、43または44に記載の方法。
【請求項46】
該第一組成物および該第二組成物を連続的に投与する、請求項42、43または44に記載の方法。

【公表番号】特表2013−520466(P2013−520466A)
【公表日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−554332(P2012−554332)
【出願日】平成23年2月23日(2011.2.23)
【国際出願番号】PCT/EP2011/052662
【国際公開番号】WO2011/104266
【国際公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(504389991)ノバルティス アーゲー (806)
【Fターム(参考)】