説明

亜臨界流体を利用して粒子を生成する方法と構造

予め定義したサイズの粒子を生成する方法、及び/または生産構造での物質の形態に関し、次のステップを含む:i)スプレーノズル内およびフロー状態下での混合であり、物質が流体の流れに溶かされている液状の溶液の流れを条件とし、そしてii)ノズルのスプレー出口を通してスプレーの形で混合物を通し、粒子収集容器へ入れ、そしてiii)容器内に粒子を分離し収集する。本発明の特徴は、溶解力のあるものが液体であるということで、流体は亜臨界の状態の水のような液体である。好ましいノズルは2本の共軸の内部輸送導管を持つ。1つの形態は本発明の方法で使用できる生産構造の形態である。その特徴は、a)プロセス中で使用される流体を再利用する機能であり、b)流体の流れにメーキャップ剤を含んでおり、および/または粒子形成と平行して生産を増加させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、予め定義したサイズの一群の粒子の制御された生産方法に関し、および/または溶剤に溶かされ、あるいは分散した粒子を生ずる物質を含む溶液からの生産形態に関する。
【0002】
本発明方法は以下を含む。i)溶液をスプレーノズルの内の流体と混合すること、ii)ノズルのスプレー出口を通してジェット(スプレー)として混合物がノズルから離れることを強いること、そしてiii)混合物から形成された粒子を分けて収集すること。核形成および粒子形成は、ノズル中の混合の後に続くところで起きる。
【0003】
本発明はまた、以下に関する。a)既述の方法で生成された粒子のサイズと形態の特性を制御する方法、b)本発明方法で使用することができる生産構造、そしてc)本明細書で与えられた方法によって製造された粒子の製薬の化学式(構成)を組み込む。
【0004】
形成された粒子は、他のものでも使用するが、生体内の使用のための構成において使用され得る特徴を有するように意図されている。
【0005】
本明細書で使用する用語「制御した」または、「制御する」は、粒子の形態に関する、平均粒径、粒子サイズ分配などおよび粒子間均質のようなサイズ特性に関しての予め定めた範囲内である一群の反復可能な生産に言及するものである。つまり個々の粒子、例えば無定形の性質および/または結晶の特性の程度である。
【0006】
本明細書で引用したすべての特許と特許出願の内容は本明細書の記載内容を構成する。
【背景技術】
【0007】
上述した粒子形成加工技術で使用することができるノズルを含む様々な構造は、米国特許第5,851,453号(WO9501221)、米国特許第6,063,188号および米国特許出願第2006073087号(WO9600610)、米国特許第6,440,337号(WO9836825)、WO9944733、米国特許第6,576,262号(WO9959710)、米国特許第7,150,766号および米国特許第6,860,907号、WO0115664、米国特許出願第2007116650号など(WO05061090)(WO0103821)に記載されている。さらに本願出願人の国際特許出願PCT/SE2008/000674「粒子の生産用の方法および構造」(出願日:2008年12月1日)をも参照されたい。
【0008】
臨界流体(SEDS技術)による溶液に増強された分散は上に定義された種類の粒子形成技術である。
超臨界流体の使用は見込みの成果に帰着したが、第1に、研究所規模の生産のために用いられた。パイロットプラント規模へ拡大する場合、十分に小さな粒子(中間のサイズ)及び/または十分に精密なサイズ分配がある粒子を得るための問題は増加している。
粒子を生ずる物質のための溶剤は、微粒子状態に変形される物質の可溶性特性および水のようか非水性に依存する種類のものである。水のような溶剤については、集合用に主として形成された粒子のためのより強い傾向による非水性の溶剤用よりも、サイズに関する問題およびサイズ分配はもっと明白であった。生物活性物質、例えばほとんどの蛋白質のように活動用の特定の三次元の構造および他の生体高分子(水のような溶剤)を要求するものは、非水性の溶剤および/または有機溶媒がしばしば性質を変えてしまうので、通常は好まれる。
【0009】
典型的なスプレーノズルは、溶液と流体用の個別の内部導管を含んでいる。これらの導管は、ノズルのスプレー出口に、あるいはその上流の混合構造に合流する。典型的な変形例では、少なくともスプレー出口及び/または混合構造に接近する場合、導管のうちの1つは別の導管の内部に置かれ、例えば内部の導管と円筒状で共軸の外部導管であって、そして2本の導管間の、および2つの流れ間の合流角度を本質的0°とする。ノズルは、典型的にはチャンバ(粒子を収集するチャンバ)内に置かれ、チャンバ内では、形成された粒子は、使用された溶剤及び流体から分別収集される。粒子の生産力は低かった。アップスケーリングことは主として下記の事実により困難であった。粒子サイズ特性及び/または形態が、ノズル・パラメーターを増加させることにより生産力を増加させる時に変わるためである。例えば、フロー速度、内部導管のディメンション、溶液などでの粒子を生ずる物質の濃度のようなパラメータである。粒子の平均サイズおよびサイズ分配用の利用可能な範囲では、多量の物質のためには不十分だった。特に製薬に使用するとの意図のもとでは不十分だった。これらの問題は、希望の平均粒径がμm範囲の最低の部分にある一群で最も目立つ。例えば10μm以下、すなわち5μmまたは3μm以下のようなもので目立つ。
【0010】
これらの問題の有望な解決策は、WO2005061090の中で示されたスプレーノズルから与えられる。このノズルでは、流体の流れは、30°−150°の範囲にある角度βで物質を含んでいる溶液の流れと合流する。最も重要な変形例では、流れのうちの1つのフロー、例えば溶液流れは、合流ポイントで、円筒状のフローの軸方向と一致する方向で円筒状であるが、別の流れのフローでは、円筒状のフローの軸を中心で放射状に外方向へ環状である。WO2005061090号公報の図1から図3を参照されたい。WO2005061090号公報に示されたノズルの設計が生産力増加、形態の制御の改善、粒子の平均サイズ、そしてサイズ分布の制御を容易にする。したがって、平均サイズを下げ、より狭いサイズ分布を備えることを可能にした。このノズルで得られた有望な成果にもかかわらずより大きく様々な物質およびそれらの異なる用途をカバーするためにさらに高い生産力及び/またはサイズと形態の中で広範囲の制御を容易にする改良の必要がまだある。
エタノールのような水混和する有機溶媒は、核形成および粒子形成を促進し、そのため流体へ水の抽出を容易にするために粒子を生ずる物質を含んでいる溶液に変性剤として含まれている。米国特許第6,063,188号および米国特許出願第2006073087号(WO9600610)を例えば参照されたい。他の変形例では、流体は臨界超過の状態で変性剤を含んでいる。
米国特許第7,108,867号および米国特許出願第2007009604号(WO2002058674)はそのプロセスについて記述している。それは、粒子を生ずる物質は、マイナスの温度依存性と可溶性を持っている剤と一緒に水に溶かされる。また、超臨界流体は、水と超臨界流体の両方と混和する液体を含んでいる。そのプロセスは、剤の雲点を上回る温度で行なわれる。
米国特許第6,461、642号(WO0030613)は、粒子を生ずる物質を含んでいる溶液と混合する前に、超臨界流体に水が含まれているプロセスについて記述している。
さらに米国特許第5,851,453号(WO9501221)、米国特許第6,063,188号および米国特許出願第2006073087号(WO9600610)を参照されたい。
溶剤を含んでいる超臨界流体も、前もって形作られた粒子の修正のために使用された。米国6,475,524(WO0030614)を参照されたい。
超臨界流体の再利用及び/またはいくつかの粒子収集チャンバを含む構造でSEDSプロセスを実施することは、WO9501221およびWO9600610で示唆されていた。チャンバでのプロセスは順に実行されると示唆されている。すなわち別のチャンバでプロセスが開始されようとしている一方で、1つのチャンバを収穫するのであるつまり一種の連続的なプロセスである。
【0011】
溶かされた粒子成形加工物質を含んでいる溶液からの反溶解力のある沈殿による粒子の生産の論究は、米国特許出願第20080193518号(シェーリング・プラウ)において与えられている。
超臨界流体を備えた好結果にもかかわらず、上に引用された粒子形成技術が希望の粒子特性を備えた一群を得ることに関して不十分な物質があると判明した。代替となる経済的に実現可能な方法が望まれている。それは、粒子を生ずる物質のために使用することができ、方法の使用が、コストを考慮に入れても、実現可能であると通常考えられる方法であり、a)流体、b)粒子の生成のために使用された装置、c)生産力などを増加させる容易さに関する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】米国特許第5,851,453号公報O9501221公報)
【特許文献2】米国特許第6,063,188号公報
【特許文献3】米国特許出願第2006073087号(WO9600610公報)
【特許文献4】米国特許第6,440,337号公報(WO9836825公報)
【特許文献5】WO9944733公報
【特許文献6】米国特許第6,576,262号公報(WO9959710公報)
【特許文献7】米国特許第7,150,766号公報
【特許文献8】米国特許第6,860,907号公報
【特許文献9】WO0115664公報
【特許文献10】WO05061090公報
【特許文献11】WO0103821公報
【特許文献12】WO2005061090公報
【特許文献13】米国特許第7,108,867号公報
【特許文献14】米国特許出願第2007009604号(WO2002058674公報)
【特許文献15】米国特許第6,461、642号公報(WO0030613公報)
【特許文献16】米国6,475,524号公報WO0030614公報)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の主要な目的は、上記の少なくとも1つの言及された問題に関しての改良を提供することであり、特に、生産力および/またはサイズの制御および/または形態に関する問題を解決することである。
【0014】
第1の目的は、このように方法が技術分野で定義したのと同じ種類である、新しい経済的に実現可能な方法を設計することである。新方式は、流体として臨界超過の二酸化炭素を使用する場合に研究所規模、パイロットプラント規模及び/または予め定義して希望の特性の粒子の大規模生産が問題の少なくとも1つの物質を好んで含む、1つ以上の粒子を生ずる物質に好んで適用可能である。
【0015】
別の目的は制御可能に粒子の一群を生産することである。各群の粒子サイズは、
a)0.1μmあるいは0.5μmを最低限界とし、20μm以下の範囲、例えば10μm以下、5μm以下、あるいは3μm以下、またあるいは2μm以下で、
及び/または
b)粒子サイズの分布の80%以上が、30μm以下の幅の範囲、例えば20μm以下、あるいは15μm以下、あるいは10μm以下、あるいは5μm以下、3μm以下、2μm以下のものである。幅が例えば1μm以下または0.5μm以下のように、さらに少ない一群を考えることができ、それらの粒子群は好ましくは3μm以下のサイズ、および/または
c)粒子サイズの分布の少なくとも80%以上が、75%以下の幅を持つサイズの範囲内にある。例えば平均粒子直径の±50%以下、±25%以下である。
この明細中の用語「粒子サイズ」、「粒子サイズ直径」および「粒子サイズ分布」は、後述する実験(モールヴァン・インストルメンツ株式会社(ウースタシア、英国)のMastersizer2000(商標)の使用によるレーザー回析)で与え得る値を指す。「平均粒径」あるいは「中間の粒子直径」の意味は、後記実験の部分を参照されたい。
【0016】
第3の目的は、粒子の一群の制御する生産を可能にすることである。どの一群が各々の形態的特徴に関して改善された粒子間均質を備えた粒子を持っているか、例えば結晶タイプあるいは無定形の性質および/または結晶としての程度を持っているかの制御である。言いかえれば、この副次的目的は、典型的には一群の生産を意味し、一群の粒子の個々は、50%以下、例えば60%あるいは70%以下。あるいは80%あるいは90%、>95%以下であり、無定形の性質および結晶の特徴および/または異なる結晶形式間で同じバランスを保っている。
【0017】
第4の目的は、0.5g/h以下の生産力を備えた粒子の一群を制御可能に生産することを可能にすることである。生産された粒子の分離および収集のために使用されたチャンバごとに1.0g/h以下、2.0g/h以下、5.0g/h以下、そして10g/h以下のように分けた。あるいは、1つ以上の粒子を収集するチャンバがある生産構造とした。この副次的目的は、これらの範囲が実現可能な生産構造を提供することを含む。
第5の目的は、上述の目的及び/または上述の副次的目的の2つ以上の組み合わせを遂行することである。好ましい組み合わせは上述のような生産力レベルを有する。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の構造は、2本の共軸の内部輸送導管(1つは溶液用、1つは流体用)に基づいたノズル構造で、合流角度が0°である。図中の参照符号は3桁の数字である。第1の数字は、図番を示し、第2と第3数字は図示した特定の要素を示す。異なる図の中の対応する要素は同じ、第2と第3の数字を符号に含む。
【0019】
本願発明者は以下のように認識した。これらの目的は、水が亜臨界の状態であれば、少なくとも部分的に遂行することができる。それは、第1ページの第1のパラグラフに定義された方法で流体として使用される。さらに分かったことは以下のとおりである。それは、ノズルがこの明細書で以下に議論するように共軸の2本の内部輸送導管を持っていれば、本発明の方法と構造に好都合である。これらの導管のうちの1つは流体用、もう1つは溶液用で別のものである。
本願発明者はさらに以下のように認識した。混合(ステップ(i))に入る流体が得られた粒子のサイズに影響を及ぼす剤を含むことを許される場合、部分的な完成も獲得することができる。つまり、好ましくはいわゆる「メーキャップ剤」、別個の相(液体および例えば流動性の過程)へ流体の、あるいは溶液流動性の混合物の分離を引き起こさずに、である。メーキャップ剤は流体の流れへ接触させることができまる。例えば、液状の流れを備えた流体の流れの混合の位置の上流においてである。導入のための典型的な位置は、a)スプレーノズルの上流に位置した流体用の貯蔵タンク、あるいはb)様々な機能を含む前記貯蔵タンクとノズルの間の輸送導管であって導管に沿っていて接続している部分、あるいはc)ノズル内の流体用の輸送導管、つまりこの導管の入り口と、ステップ(i)での混合位置の間の位置である。粒子サイズおよび/または形態に係るこれらの位置で液体/流体相の分離を引き起こさないメーキャップ剤を加える結果はほぼ予期できない。
【0020】
本願発明者は、以下のように認識した。すなわちa)流量の割合、濃度などのようなノズルのディメンションあるいはパラメータを増加させることによって、あるいはb)次々といくつかのノズル/チャンバを運転することによっては、粒子の収益率の高い大規模生産用の生産力の十分なアップスケールに達することは可能ではない。その代わり、いくつかのスプレーノズルを少なくとも部分的に運転することにより、上述の構造におけるスプレーステップに平行させることのほうが、より実現可能である。言いかえれば、上述の生産構造の使用によって、(i)同じ収集チャンバに置かれた2つ以上のスプレーノズル、および/または(ii)2つ以上のスプレーノズルを含んでいる、2つ以上の収集チャンバ、を持つことになる。
【0021】
さらなる目的及び利点は、詳細な記述より当業者に理解されるであろう。本発明は、非制限的実施形態として提供される下記図面に関連して記載される。
【発明の効果】
【0022】
本発明における利点は、亜臨界流体を利用して粒子を生成する方法と構造問題に関して、従来の技術を改良して生産力および/またはサイズの制御および/または形態に関する問題を解決できることである。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】典型的な1つのノズルを有する本発明の構造例を示す図。
【図2】好ましいノズルを示し、WO2005061090号公報の図1〜3に一致する図。
【図3】別の好ましいノズルを示し、WO2005061090号公報の図5に一致する図。
【図4a】2つ以上のスプレーノズルを含む収集チャンバを示し、収集チャンバを上方から見て示す図
【図4b】同じく側面を示す図
【図5a】同一の生産構造に2つ以上の粒子収集チャンバを有する例を示し、収集チャンバを上方から見て示す図
【図5b】同じく側面を示す図
【図6a】2本の共軸の内部輸送導管(1つは溶液用、1つは流体用)に基づいたノズル構造で、合流角度が0°の例を示す図
【図6b】同上の図
【図7】図2に示したノズルの別の構造を例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の主な形態は、物質をなす一群の粒子を生成する方法であり、粒子は、サイズ(主として、中間の粒子直径および/または粒子サイズ分布として測定される)および/または形態を予め定義する。この方法は、
(i)スプレーノズル(101,201,301)内でかつ流れている状態下での混合は、溶液(102,202)の流れがあり、その中で粒子を生ずる物質は、反溶剤の役割をすることができる流体(103,203)の流れを備えた溶剤に溶かされるか分散していることを条件とし、
(ii)スプレー(204)の形をしているステップ(i)で得られた混合物を、ノズル(101,201,301)のスプレー出口(109,209,309)を通すこと、
そして、(iii)前述の混合物から粒子を分けて収集すること、
というステップを含む。
【0025】
溶液の流れ(102,202)および流体の流れ(103,203)の体積流量速度間の比率および/または溶液での粒子を生ずる物質の濃度が、混合物での粒子の核形成および形成を促進するために選択される。ノズル(101,201,301,401,501)からは、ステップ(iii)が実行される粒子収集チャンバ(105,405,505)にスプレー伝播がなされる。ここで言うスプレー伝播は、スプレーが収集チャンバに向けられることを意味する。
本方法の主な特徴は、溶解力のあるものは液体であり、また、流体は、水のような液体の形をしている亜臨界状態にある。好ましくは、ノズルは少なくとも2本の内部輸送導管を含み、それらはそれぞれ互いに共軸で、ノズルの内部は流体と溶液の輸送を意図している。溶剤と流体および共軸の導管に関するその他の詳細は、後述する「流体の流れおよび溶液の流れ」および「スプレーノズル」で説明する。
【0026】
本発明の方法は、さらに副次的態様として次のものを含み得る。
A)流体の流れ(103,203)に、例えば混合位置(108)に上流の位置で、1つ以上のメーキャップ剤(107,207)を供給するさらなるステップ(iv)、
及び/または、
B)スプレーノズルとスプレー伝播の関係にある1つ、2つ、あるいはそれ以上の粒子収集チャンバを備える同じ生産構造に属する2つ以上の別個のスプレーノズル(401a、b...、501a、b...)の中で少なくともステップ(i)および(ii)を同時に行なう。
ここで、
(a)同じ粒子収集チャンバ(405)とスプレー伝播に置かれた少なくとも2つのノズル、
及び/または
(b)各々少なくとも1つのノズル(501a、b...)を含んでいる2以上の粒子収集チャンバ(505a、b...)を用いる(ここで、「含んでいる」とは、スプレー伝播の関係に置かれたことを意味する)。
【0027】
本発明の方法は、後述した生産構造で典型的に実施する。いくつかのスプレーノズルおよび粒子収集チャンバがある場合には、それらが同じ生産構造の一部をなす。「同時の」との用語の意味は後述する。
生産された一群の粒子の平均サイズ、サイズ分布および形態は、典型的には、「発明の目的」で記載した範囲内である。
ステップ(i)から(iii)は、おそらくはステップ(i)とステップ(ii)の間及び/またはステップ(ii)とステップ(iii)の間に追加の1ステップ以上を挿入して実施する。
ノズル(101,201,301)を通過する間の圧力低下は、溶液中の溶剤の種類、流体の種類、溶液の体積流量速度及び混合時の流体の流れ速度の間の比率、混合などの流体中のメーキャップ剤の集中および種類、それらは、スプレー出口(109,209,309)で、予め定義したサイズ及び/または形態の粒子を与える核形成および粒子形成を促進するのに有効となるように選択される。好ましくは、溶液流れを備えた流体の流れの混合も流体の流れを持ったメーキャップ剤も、液体/流体相へ相分離を引き起こさないようにする。つまり、1つの過程からなるシステムが好ましい(希望の粒子をプロセスで生じさせたい場合を除く)。
【0028】
本発明の別の主たる形態は、第1ページの第1段落において定義された方法で使用されるための生産構造(100)(すなわち装置、製造設備、生産装置)である。その構造は図面に示され、少なくとも以下を含む:
a)流体の入り口(111,113,211,213)を備えた内部輸送導管(210または212,310、312)を持つスプレーノズル(101,201,301)、溶液の入り口(111,113,211,213)を備えた内部輸送導管(210または212,310、312)、そして、内部輸送導管(210,212,310,312)の下流で流体と溶液を互いに混合するための混合構造(114,214,314)、及びスプレー出口(109,209,309)、
b)スプレー出口(109)を含むチャンバ(105)、および溶液流動性の混合物から生成された粒子を分けて収集するための分離機能部(115)(すなわち粒子を収集するチャンバ)、そして
c)ノズル(101,201)の流体入り口(111,113,211,213)に流体(103,203)を転送するためのノズル外部の輸送導管(116,216)。
前記(b)での用語「含む」は、スプレーは粒子収集チャンバ(105)に向けられる。つまり、チャンバとのスプレー伝播関係にある。
【0029】
本構造の主な特有の特徴は以下の通りのものを含む。
a)メーキャップ剤(107,207)および(または)流体を導入するための1本以上の入り口導管で、あらかじめ混合構造(114,214)の上流で流体の流れ(103,203)の位置でプロセス(方法)に使用され(矢印106,206)、例えばプロセスの流体の流れ(103,203)の中への入り口/導管(117/139,217/239およびそれぞれ118/119,218/219)によって導入されるのであって、つまり、及び/または、
b)スプレー伝播関係に置かれている少なくともそれらの2つを備えた2つ以上のスプレーノズル(401a、b・・・、501a、b・・・)であり、
i)同じ収集チャンバ(405)および/または、
ii)少なくとも1つあるいは2以上のスプレーノズルを含んでいる異なる収集チャンバ(505a、b・・・)
及び/または
c)少なくとも1つの入り口(118,218)、つまり混合構造(114,214)に上流の位置で、流体の流れ(103,203)へプロセスで使用される流体(106,206)を再利用するための再利用機能部(118+119+120,218+219)。
再利用機能は、第1ページの第1段落に定義された方法の変形例で主として使用するように意図されており、そのために、流体は、非水性臨界超過あるいは亜臨界の有機あるいは無機の流体である。以下にこのような流体に関して述べる。
【0030】
図示されるように、構造(100)は、さらに、既に言及された流体輸送導管(116,216)に加えてノズル(101,201)の溶液を転送するために輸送導管(121,221)を含む。これらノズル輸送外部導管の一方または両方が、それらの上流の終端に流体あるいは溶液(122および123、それぞれ)用の貯蔵タンクに接続することができる。さらに、それらは、典型的な温度制御のために適切な機能を備え(例えば、発熱体(141)、及び/または圧力および‥例えばバルブやポンプなどのフロー制御手段(124a、b、c)を含む)、温度、流れ速度及び/また収集チャンバ(105)中の要求圧力を維持する。これらはチャンバ(105)への流体の流れ(103,203)の上流側に位置する。例えば準臨界超過あるいは臨界超過の流体及び/または溶液/流体混合物の状態及び/または予め定義した平均サイズ、サイズ分布及び/または生成される粒子の形態を維持する。貯蔵タンク、例えば流体(122)タンクは、気圧調節されたチューブの形とすることができ、超臨界流体が使用される場合、そのようなチューブに連結可能とするかもしれない。
【0031】
再利用機能(c)が存在する場合、好ましくは、溶剤の中で消耗された流体を与えるために溶液/流体混合物から流体を分けるための機能部(120)が好ましい。この機能部(120)は、粒子収集チャンバ(105)の下流に置かれる。この機能部(120)が存在する場合は、典型的にはサイクロンの形をとる。収集チャンバ(105)の下流の終了(出口)および流動性の分離する機能部(120)の上流の端部は、スプレー出口(109)を通ってフロー速度の変化を可能にするために、典型的にはバック・プレッシャ調整装置(126)を含んでいる輸送導管(125)によって互いに接続される。流体を分離する機能部(120)は、典型的にはバルブ(128)を備えた出口導管(127)を含み、そこから溶液の放出を可能とし、流体(例えば、使い尽くされた)から解放してやり、そして(例えば、使い尽くされた)溶液から流体を解放するための流体用の出口(129)をも含む。この位置では、もしノズル中の臨界超過の状態で使用されれば、溶液は液状の状態で、流体はガス状態となる。プロセスへ流体を再循環させる変形例では、流体分離機能部(120)の流体の出口導管(119,219)は、入り口導管(118,218)によって流体の流れ(103,203)に典型的には接続される。その接続位置は、本明細書の他の個所で述べるように混合構造(114,214)に対して上流の位置である。
【0032】
<スプレーノズル>
既述のように、スプレーノズルは、スプレー(ジェット)を形成することができる出口(109,209,309)、溶液を流体と混合するための構造部(214,314)、そして流体およびそれぞれ溶液用の内部輸送導管(210,212,310,312)を含む。好ましい変形例では、ノズルは、さらに、混合構造(214)及び/または、混合構造(214)からスプレー出口(109)へ混合物をガイドする出口輸送導管(230)の一部として微小な混合孔(214’)を含む。出口導管(230)および混合孔(214’)の両方がある場合、それらは、部分的にあるいは完全に一致させ得る。好ましい変形例では、本発明に係る技術分野では既に知られているように、上記導管(210,212,310,312)の1つを他方の内部に入れて好ましくは共軸とする。
【0033】
混合構造(214,314)での混合は、流体の流れおよび溶液の流れが合流する際に、混乱体を作成することにより促進される。この目的のために、混合構造は、前方の流れのために、ある種類の後流部分を含み得る。その位置は混合構造の位置かそれより下流で、例えば関係のある導管の設計によって(例えば混合穴として)溶液の流れおよび流体の流れが合流する。そして、急な回転か角度(典型的には30°以上)及び/または横断面の次元(広くなるか狭くなること)の急な変化でのように機械的な流れ妨害手段を伴う。0−180°の範囲で選択された角度βで溶液流れ(202,302)および流体の流れ(203,303)が合流する適切な混合構をは含み、それは典型的には混合穴で、合流ポイントの下流にある。角度βの合流が30°−150°の範囲から選択されていることが好ましく、さらに85°−105°が好ましく、90°が最も好ましい。ほとんどの場合、さらにその意味するものは、溶液と流体用のノズル内部輸送導管(210,212,310,312)は、それぞれ、同じ優先権を備えた角度βと同じ範囲の中から選択されている角度β’で合流している。
【0034】
好ましいノズル内部輸送導管は共軸である。また、それらは、図2および3に図示されている。これらのノズルは下流の一部分(231,331)および上流の一部分(232,332)を持つ。下流の部分は前に妨害します‥‥ノズルの少なくとも1つのノズル内部輸送導管(210,212,310,312)の下流の終端を流れ、それによって、それは、この終端を通り抜ける流れの流れ方向を円盤状の環状の流れに変形する。それは、外へ向けられ、下流部分(231,331)と上流部分(232,332)の間に定義されたスロット(233,333)を通り抜ける放射状の要素を含んでいる。その後、この円盤状の流れは合流角度βで、別の内部輸送導管の流れと合流する。それは、好ましくは、上述した角度と同じ範囲である。合流した流れは、おそらくアキシャル要素を含んでおり、好ましくは放射状に外へ向く環状のスプレー状にノズルから放出される。アキシャル要素が近づいてない場合、スプレー方向は、共軸の内部輸送導管(=ノズルの)の軸の方向で90°の角度を定義する。アキシャル要素分が存在する場合、角度は90°から離れるであろう。個々の内部輸送導管(210,212)は、それらの他の1つ(混合構造で)、つまりノズル内部輸送導管と合流する場合、流れは下流の部分(231,331)によって妨害される。その部分は、さらにスロット(233,333)の一部(234+235,334+335)を含む。
【0035】
図2の変形例は、このように下流の部分(231)および上流の部分(232)(すなわち、流れでより下流の部位と、より上流の部位)を含む。上流の部分(232)では、内部輸送導管(212)および外部円筒状輸送導管(210)があり、外部円筒状輸送導管(210)は内部輸送導管(212)と共軸である。下流の部分と上流の部分(231,232)の間に配されたスロット(233)は、下流の方向を向いている。環状の円盤状の導管(234+235)と、環状の混合構造/混合穴(214/214」と、混合物のための環状の出口導管(230)とで環状のスプレー出口(209)が構成される。外部の円筒状の輸送導管(210)の中で前に流れる流れは、下流部分(231)により妨害され、また円盤状の導管(234,235)中で放射状に外へ向いた円盤状の環状の流れに変形される。下流の部分(231)も、内部の輸送導管(212)中の前方への流れを妨害するようになっている。しかし、妨害は下流の部分(231)内に起きている。反対方向への円筒状の流れへ内部の流れを変形することによってであり、円筒形状の直径より大きい直径で、オリジナルの外部の流れが流れることによる。この後の流れの変形は、内部の輸送導管(212)が前方の拡張部(236)を備えた下流の部分(231)によりなされる。その部分には円盤状の導管(237)が続き、それに、前方の拡張部(236)の方向の反対方向を向く円筒状の導管(238)が接続している。それゆえ、混合構造(214)の上流の終端において外部の輸送導管(210)の下流部に円盤状の導管(234の+235)の部分(234)を合流させることができる。合流角度β’はこの図2では90°である。他の合流角度とすることもできる。それは、
a)下流の部分(231)の表面の設計を円筒状の導管(238)の軸に関する合流角度を90°以外の角度とするか、
あるいは
b)円筒状の導管(238)を円錐形にすること
で達成できる。
90°と異なる角度の合流がこの方法で作られる場合対応する湾曲を備えた上流の部分の対になった表面をさらに設計することが適切である。
【0036】
図3は、内部流体および溶液輸送導管の部分を含んでいない下流に妨害する部分(331)を備えた変形例を示す。上流の部分(332)は共軸の円筒状の輸送導管(310,312)で、1つが溶液用、1つが流体用のものを含む。下流の部分(331)は、同じ位置で両方の導管中の前方への流れを妨害する。2つの部分の間のスロット(333)は、円盤状の導管(334の+335)の中で、放射状に外へ向いた円盤状の流れへの円筒状の流れに変形する。それは、環状の混合構造(314)の中の外側の円筒状の流れを混合し、混合物の輸送を環状のスプレー出口(309)への環状の出口輸送導管(330)の中で行うことによる。合流角度βおよびβ’は90°である。他の合流角度を、円錐形の合流ポイントの下流部分の表面を作ることにより作ることができる。そして、対応する湾曲を備えた上流の部分の対になった表面を設計することも要する。
【0037】
ノズル変形例として、内部導管(210,212,310,312)は共軸であるが、それは溶液の流れ(202,302)のための内部輸送導管(212,312)および図に示されるような流体の流れ(203,303)のための外部輸送導管(210,310)を使用することが好ましい。
また、内部の輸送導管および外部の輸送導管を含んでいるスプレーノズルの他の変形例では、流れの前方側で妨害する下流側の部分はない。この種のノズルは、あまり好ましくはないかもしれないが、米国特許第5,851,453号(WO9501221)の図3および図4の中に示されている。これらの図に示されたノズルの混合構造は、内部の導管(31)の出口からスタートし、さらにスプレーノズルの出口である外部の導管(41)の出口まで及ぶ。混合穴は、内部の導管および外部の導管の出口間で定まる。溶液と流体用の輸送導管間の合流する角度は、それぞれ、ほぼ0°になるであろう。符号の数字はWO9501221(米国特許第5,851,453号)の中で与えられているものと同じである。さらにWO9600610(米国特許第6,063,188号および米国特許出願第2006073087号)を参照されたい。
ノズルの他の変形例では、溶液/流体の混合物が他の流れと混じり合う。例えば亜臨界の流体か超臨界流体、あるいは液体/溶剤を含んでいるものと混じる。それは、スプレー出口を通って粒子収集チャンバへ入る前である。例えば米国特許第6,440,337号(WO9836825)を参照されたい。
前述のスプレーノズルのスプレー方向は、輸送導管のうちの1つは他方の内部で置かれ、これら輸送導管に関して全く軸方向に沿って及び/または完全に放射状に位置する。
【0038】
ノズルによる流れ速度の調節は、ノズル(201,301)における出入部位の圧力差を調節することにより行われる。例えば粒子収集チャンバ(105)の下流に位置するバック・プレッシャ調整装置(126)を調節し及び/またはノズル上流に位置する圧力規制手段(ポンプ(バルブなど))(124a、b)からの出力を変更することによって行う。調整可能な流れの妨害がある変形例で、これらは、スプレー出口(209,309)を通って流れ速度の微妙なチューニングのために使用することができる。例えば図2および3で、および米国特許出願第2007116650号(WO05061090)で図示される種類のノズルで、下流の部分(231、331)と上流の部分(232,332)の間で形成されたスロット(233,333)の幅は、それは、1つあるいは2つの部分の両方あるいはいずれかが互いの軸方向に移動可能なように整えることにより典型的には調整可能である。スロットの幅の変更によって、スロット(233,333)による体積流量速度は変わるであろう。幅による流れ速度の微妙なチューニングは、2つの部分(231,232,331,332)が、調整可能な圧縮する力にリンクされるストリング、ガス・クッションあるいは他の弾力がありかつ、または圧縮可能な手段によって互いの方へ押される場合に得られる。米国特許出願第2007116650号(WO05061090)をさらに参照されたい。
【0039】
導管、および前述のノズルの穴の適切なディメンションは、前記引用された特許および特許出願で見つけることができる。
第1ページの第1段落で定義された方法中に、亜臨界流体を利用しているものがあり、それは、気圧と室温では液体であり、ノズルのすぐ上流及び下流の構造内の圧力は、典型的には超臨界流体が使用される場合より著しく低いが、例えば1バール以上であり、例えば1.25バール以上、2バール以上、あるいは5バール以上であって、典型的な上限値は、30バールあるいは20バール、あるいは10バールである。温度が室温に下がり、あるいはさらに低くなると、流体は液状の状態で残る。本発明の方法の属する技術分野、つまり流体が水のような液体である場合には、
第1ページの第1段落で定義された方法の変形例では、超臨界流体を利用し、ノズルのすぐ上流及び下流の構造内の圧力は、使用した流体の臨界圧pcおよび臨界温度Tc以上であることが典型的である。圧力については、典型的には、(1.0−7.0)xpcの範囲の圧力で、あるいは10バール以上の範囲で、20バール以上が適当であり、好ましくは30バール以上であり、圧力pcより高く、そして圧力pcより実証値での上限の100バール、200バールおよび300バール高い。ここで、「Tcを上回る」とは、差が0℃の場合を含み、(1.0−4.0)xTc内、あるいは5°C以上の範囲内にあることを典型的には意味し、適切には、Tcを10℃以上上回り、好ましくは15°C以上は上回り、実証値の上限としてはTcの10°C以上、40°C以上および50°C以上上回る。
室温と気圧のガスの状態で、亜臨界状態で使用した流体のために、圧力は、上に与えられた範囲内に典型的にあり、また臨界温度より下の温度で、範囲は(0.9−1.0)xTcのようにする。
【0040】
第1ページの第1段落で定義された方法では、亜臨界流体の利用ノズル(201,301)における適切な圧力降下は、典型的には範囲1.25バール以上、あるいは2バール以上、5バール以上であり、典型的な上限値は30バール、あるいは20バール、10バールであり、範囲は、1.5−10以上、好ましくは2−5バールである。適切な超臨界流体を利用する方法については、圧力低下は、10−60のバールの範囲で見つけることができる。例えば10バール以上だが50バール以下、例えば40バールか30バール以下のようになる。
【0041】
スプレー出口(209,309)による流れ速度は、少なくとも75ml/分が最小であるように、多くのケースでの好ましい値として50−200ml/分の範囲の中で選択されるべきである。混合構造(114,214,314)の上流端に、粒子を生ずる物質を含んでいる溶液流れ(102,202,302)の体積流量速度は、典型的にはある値未満となるように、例えば流速の90%以下、あるいは80%以下、あるいは70%以下から選択され、それが一般の圧力および温度で超臨界流体中の溶液の溶剤の飽和を与える。つまり、溶剤/流体相分離は回避されるべきである。適切な典型的な変形では、混合構造(114,214,314)の上流端における溶液流れ(102,202,302)の体積流量速度は、0.01−20%の範囲で見い出すことができる。例えば、流対の流れ(103,203,303)の流れ速度の0.1%以上あるいは0.5%以上、またあるいは1%以上および/または15%以上あるいは10%以上あるいは5%以上である。メーキャップ剤が使用される場合、入り口導管(117,217)での流体の流れとの混合におけるメーキャップ剤(107,207)の流れの体積流量速度は、粒子を生ずる物質を含んでいる溶液の流れ速度と同じ相対的なパーセンテージの範囲の中から典型的には選択される。典型的には、相分離を引き起こさずに、流れが混合するように選択する。メーキャップ剤が再利用された流体(106,206)において出現する場合、メーキャップ剤の適切な流れ速度は、入り口導管(118,218)での流体の速度と比較すると、それは、0.01−20%の範囲のより低い部分に見い出すことができる。例えば5%以下、3%以下、あるいは1%以下で、流体分離機能部(120)がどれくらい有効か、あるいはさらにメーキャップ剤、媒体などが分離機能部(120)のに下流で加えられたことに依存する。
【0042】
<粒子収集チャンバ>
本発明の構造では、少なくとも1つの粒子収集チャンバ(105,405,505)を備える。粒子収集チャンバは、少なくとも1つのスプレーノズル(101,401a、b...、501a、b..)を含み得る。
図1は、1つの関連するノズルがある粒子収集チャンバの変形例を示す。この変形例は上述した。さらに以下を参照されたい。図4a−bでは、スプレー出口(409a、b..)で2つ以上のノズル(401a、b..)を備える収集チャンバ(405)を示す。流体(416a(b)..)用の、溶液(421a、b)用の、およびメーキャップ剤(439a、b...)のための輸送導管は、流体、溶液およびメーキャップ剤用の貯蔵タンクに接続された部位の上流側にそれぞれある。チャンバの下流側に、バック・プレッシャ調整装置(426)との出口導管(425)がある。出口導管(425)は、バック・プレッシャ調整装置の下流に、消耗すべき溶剤/流体の混合物を輸送するか、あるいは分離機能部へ輸送する。分離機のうぶでは、流体は溶剤から分けられ、流体の流れへ戻して再利用される。
同じチャンバ(405)の中のノズル(401a、b...)のスプレー出口(409a(b)...)は、同じレベルに典型的には置かれ、チャンバの中心軸のまわりで対称的に位置し、そして円筒状の導管および/または共軸の導管の軸を備えたチャンバの上部で典型的には垂直に向けられ、好ましくは下方への流れ方向に向けられる。チャンバのノズルの数は典型的には1つで、2、3、4あるいは5以上でもよく、典型的には10または20が上限である。チャンバの最良なノズルの最大配置数は、チャンバの中心軸に垂直なチャンバ直径によって決定される。20cmの横断面の直径を持っているチャンバについては、米国特許出願第2007116650号(WO05061090)のノズルの最適の最大の数が、7である。これらの7つのノズルは、中心に1つのノズルを配置し、その軸のまわりで対称的にチャンバおよび他の6つのノズルが置かれるべきである。これは、3つのノズルがあるチャンバ用の好ましいポジショニングと類似している。図4を参照されたい。
【0043】
図5a−bに示される配置は、2つ以上の収集チャンバ(505a、b...)を含み、収集チャンバ当たり少なくとも1つ、2つ、あるいは以上ノズルを備えている。流体(516a(b)..)用、溶液(521a、b)及びメーキャップ剤(539a、b...)用の外部輸送導管ノズルは上流側にあり、流体、溶液および/またはメーキャップ剤用の貯蔵タンク(図示せず)にそれぞれ接続している。同じ種類の液体、流体および剤用の貯蔵タンクは、ノズル/収集チャンバの配置としては一般的であろう。各チャンバの下流の側に、バック・プレッシャ調整装置(526a、b...)を備えた出口導管(525a、b...)がある。出口導管(525a、b..)は、共通の導管(542)へのバック・プレッシャ調整装置の前で、あるいは該調整装置の後で合流し得る。それは消耗あるいは分離する機能部に溶剤/流体の混合物を輸送し、その中で、流体は溶剤から分けられ、本構造の流体の流れに戻されて再利用される。
【0044】
流体あるいは溶液の共通の貯蔵タンクからのいくつかのスプレーノズルへの輸送は、個別の導管によってもなし得る。導管は、分岐のないものとするか、あるいは各ノズルの共通スタート導管による。そのために、1本、2本のあるいはそれ以上の枝導管(主要な枝導管)へ1つ以上の位置で分割する。各導管は、各々1つ以上のスプレーノズルに接続される。主要な枝導管が2つ以上のスプレーノズルに接続される場合、主要な枝導管は、第2の枝導管などへさらに枝分かれさせる。適切な流れおよび/または圧力制御機能を含むことが適切かもしれない。スプレーノズルに結びつく各枝導管の中への溶液および流体の等しい輸送のために、粒子サイズおよび形態に関して受け入れ可能な最下のノズル間の可変性を容易にする。平均サイズ、サイズ分布および形態のためにプリセット(前もって定義した)値に応じる。この種の機能は、収集チャンバおよび/またはポンプおよび/またはバルブの下流のバック・プレッシャ調整装置、および/または上流、下流の部分(231,331,232,332)をともに圧する力を規制し、かつ制御するべきである。
【0045】
図4、5からわかるように、粒子収集チャンバは、少なくともスプレーノズルの高さに、循環用横断部を好ましくは持つ。
本構造での粒子収集チャンバの数は典型的には1典型的には1つで、2、3、4あるいは5以上でもよく、典型的には10または20が上限である。
チャンバ(105)の下流端に、粒子を生ずる物質に関して消耗し、たとえばチャンバで生成された粒子が全然ない溶液−流体混合物の選択的な出口が典型的にはある。これを達成するために、形成された粒子から混合物を分けるための機能部(115)は、フィルタのように、粒子収集チャンバ(105)を下流端に典型的には含む。この出口は、典型的には、ノズルのスプレー出口より下のレベルに置かれる。
【0046】
その場合に生産構造は2つ以上のチャンバおよび/または上述したような2つ以上のノズルを含み、これらのチャンバおよび/またはノズルは順次作動させることができ、それによって、前もって定義したサイズおよび形態の特性を持っている大きな一群の粒子を生成する。言いかえれば、別のチャンバが動作を始めようとしている一方で、1つのチャンバで生成された粒子は収穫され得る。米国特許第5,851,453号(WO9501221)、米国特許第6,063,188号および米国特許出願第2006073087号(WO9600610)を例えば参照されたい。代わりに、あるいはさらに特別の一群に関しての生産力を増加させるために、いくつかのノズルおよび/または同じ生産構造の中にあるチャンバを、同時に運転することができる。用語「同時」は、2つ以上のチャンバ/ノズルを含む生産構造において、チャンバ/ノズルが利用される期間がm少なくとも部分的に、それは、本構造の他のチャンバ/ノズルのうちの1つあるいは2以上によって利用される期間とオーバーラップすることを言う。オーバーラップする部分は、100%から0%を上まわれば、1%以上、5%以上、10%以上、25%以上、あるいは50%以上もかまわない。正確なものはオーバーラップは実際的な考察に依存するが、生産構造用の最も高い生産力は100%オーバーラップで達成可能であるべきである。使用されたチェンバースおよびノズの両方とも、連続モードでもまたは同時モードでも本質的には同じであるべきである。
【0047】
<メーキャップ剤>
メーキャップ剤は、流体の状態である場合、平均サイズ、サイズ分布および/または粒子の形態に影響を及ぼす。流体は混合時、革新的な方法で与えられるような臨界未満の状態かもしれないが、、第1ページの第1段落で定義された他の種類の方法では、流体は超臨界的な状態かもしれない。
ある種類の典型的なメーキャップ剤は、核形成および/または溶液でのおよび/または溶液流動性の混合物での粒子を生ずる物質の粒子形成を促進する。例えば、粒子を生ずる物質のための反溶剤である。この種の剤は、さらに沈澱剤の役割を果たす。
【0048】
別の種類の典型的なメーキャップ剤は、粒子を生ずる物質の可溶化を促進する。例えば、それは粒子を生ずる物質のための溶剤である。
典型的なメーキャップ剤は、上述のような粒子を生ずる物質に影響することができる液体中で選択し得る。それらは好ましくは、部分的に混和するか、あるいは流体および/または溶液の溶剤において溶解可能である。言いかえれば、好ましいメーキャップ剤は、希望の粒子の形成以外の相分離を引き起こさない。剤の候補は、下記の「溶液の流れおよび流体の流れ」の項で示す。溶液の溶剤の1つ以上の構成要素を備えた共沸混合物を形成する液体は、形成された粒子を乾燥させるかもしれないし水和するかもしれない。そのことが特別に興味を引く。
メーキャップ剤は、原則としては、流動する流れのどのような位置でも構造へ接触させることができる。たとえば混合構造(114)の上流の任意の位置でである。その導入は、このように、下記の接続された個別の入り口導管(217)によってなされる。
A)流体(ノズル(201)内の)用の内部輸送導管(210)、
及び/または
B)加熱萩能部(141)中でノズル(101,201)に例えば流体をガイドする外部輸送導管(116,216)、
及び/または
C)外部輸送導管(116)の上流の位置での構造、例えば流体用の外部輸送導管(116)の上流端で外部輸送導管(116)に沿って置かれた加熱位置(141)に直接あるいは間接的に取り付けられる液体貯蔵タンク(122)。
メーキャップ剤は、システムに、あるいは1つ以上の他の構成要素と結合して単独で加えられ得る。これらの他の構成要素は他のメーキャップ剤を包含し得る。それは、好ましくは流体と混和する媒体および/または、関係のあるメーキャップ剤などのための溶剤である。これは、流体が、メーキャップ剤のために媒体として使用されてもよいことを含む。メーキャップ剤の導入のために使用された構成は流体と同じ状態かもしれない。つまり亜臨界あるいは超臨界の状態かもしれない。メーキャップ剤を流体の流れ(103)に加える導管(139,239)は、流体の流れ(103)に関する流れ速度の制御のために、適切なバルブ機能、ポンプおよび他の機能(140,240)を装備している。
【0049】
メーキャップ剤が加えられる好ましい位置は、ノズルに流体を転送する外部輸送導管(116,216)内である。
メーキャップ剤の追加は、流体の流れの1つ、2つのあるいはそれ以上の位置で行ってもよい。異なる剤あるいは同じ剤は異なる位置で接触させら得る。
【0050】
メーキャップ剤を加える1つの方法は、ステップ(iii)後の流体が溶剤/溶液から分離され、メーキャップ剤がシステム/構造へ接触させられる位置のうちの1つへ循環処理させられるのであれば、実行可能である。多くの場合では、このように循環処理される流体は、物質が最初に溶かされたか分散した残余の量の溶剤を含むであろう。これらの残余量は典型的には粒子サイズおよび/またはメーキャップ剤の役割を果たし、そのために形成された粒子の形態に影響を及ぼすであろう。それは、やはり循環処理される流体に、主たる流体の流れへ戻す輸送の間に、別のメーキャップ剤を加えることである。つまり循環処理するための導管(119)にこの種の剤を加えることである。
流体の流れと受け入れられるメーキャップ剤の割合は、本明細の他の箇所で述べる。
【0051】
<流体の流れおよび溶液の流れ>
溶剤と流体は互いに混和する。粒子を生ずる物質は、流体においてではなく溶剤において可溶である。「可溶の」および「しかし・・・ない」という表現は、本明細書中では、流体中でよりも溶剤中で「より可溶である」という意味である。以下を参照されたい。
本発明の方法の実施形態中の亜臨界状態で使用される、実例となる流体は、室温及び大気圧中で水のような液体である。好ましくは、それらは、さらに室温と気圧で揮発性である。有用な流体中の水は、典型的には50%以上、たとえば60%以上、好ましくは、75%以上、たとえば90%以上あるいは99%(v/v %)である。水に加えて、これらの流体はさらに他の液状の構成要素および/またはスプレーする剤および反溶剤の役割をすることができる流体を与える他の剤を含み得る。水以外の液状の構成要素は、溶液のために上述した異なる溶剤中から選択され得る。そのような液状の構成成分は典型的には水混和性である。以下を参照されたい。他の剤はpH−を増加させ、あるいは剤を減少させるpH−を含む。たとえば、酸、塩基および/またはpH−緩衝成分である。流体が溶液と混じり合った時、混合物(例えば沈殿)中の核生成および粒子形成を引き起こすことを可能にする。
本発明の構造の態様中で超臨界流体として使用することができる、実例となる流体は、室温と気圧で典型的にガスである。既述の流体に関しては、それらが、粒子を生ずる物質に対する、剤および反溶剤をスプレーすること役割を果たすことができることで典型的には選択されている。それらが選ぶことができる特定の合成物/成分は、二酸化炭素(Pc=74バールおよびTc=31°C)、亜酸化窒素(Pc=72バールおよびTc=36°C)、六フッ化硫黄(Pc=37バールおよびTc=45°C)、エタン(Pc=48バールおよびTc=32°C)、エチレン(Pc=51バールおよびTc=10°C(キセノン(Pc=58バールおよびTc=16°C))、トリフルオロメタン(pc=47バールおよびTc=26°C)およびクロロトリフルオロメタン(pc=39バールおよびTc=29°C)および混合物である。前記Pcは、臨界圧を、Tcは臨界温度である。
【0052】
実例となる液体は、溶液中で溶剤として超臨界あるいは亜臨界の流体と一緒に使用される。それらは、典型的には液状の状態にあるが、室温と大気圧で揮発性を有する。さらに、それらは、溶液流れのプロセス温度で溶液に溶かされた形態で粒子を生ずる物質を典型的には維持することができる。つまり、溶かされた物質の濃度は物質の飽和濃度未満であり、典型的には、混合構造の上流に印加された圧力および温度で、圧力と温度の飽和濃度の80%である。溶液中の粒子を形成する物質の適切な濃度は、それらは、典型的には20%以下の範囲、たとえば10%以下、あるいは5%以下、あるいは3%以下であり、下限は005%あるいは0.1%(すべてw/v %)である。本発明の説明中で、溶剤には典型的な用語「揮発性」は大気圧下で150°C以下の沸点、たとえば110°C以下あるいは100°C以下でのものである。例としては、非水性の無機溶剤と同様に水も含む無機溶剤、および対称及び非対称C1−5ジアルキルケトンを含む有機溶媒である。たとえばアセトン、ブタノン、ペンタノン、対称及び非対称C1−5ジアルキルエーテルなど、たとえばジエチルエーテル、メチルプロピルエーテル、メチルブチルエーテル、メチルペンチルエーテル、エチルプロピルエーテルなど、フッ素で処理された形態および様々な第一の、第二、第三の形態を含むC1−5アルカノール、たとえば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノールおよび様々なブタノール、ペンタノールなどのように、C1−5カルボン酸、C1−5アルキルエステル、たとえば、エチルアセテート、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルフォルムアミド、アクリロニトリルなどである。潜在的に有用なフッ素で処理されたアルカノールはトリフルオロエタノールである。用語「溶剤」は、混和する液体の混合物を含む。溶液は剤を含み得る。剤は粒子を生ずる物質の可溶性を増強するか縮小する。例えばpH−を増加させる成分、pH−を減少させる成分、および/または緩衝成分である。これは、特に溶液が水であり、本発明の方法の形態の水のような流体と一緒に使用される場合に当てはまるかもしれない。
【0053】
本発明の方法の実施形態中では、溶液の溶剤の水成分は条件に応じて広い範囲内で変わり得る。その高い水含有量(例えば25v/v−%以上)は、典型的には、溶液は、可溶性を高める剤を含んでいなければならず、及び/または、流体は、可溶性を減少させる剤、好ましくは沈澱剤を含んでいなければならない。したがって、溶剤の水分含有量は、すべてv/v−%で、典型的には50%以下、たとえば40%以下で、好ましくは25%以下、たとえば10%以下あるいは1%以下である。この情況中での可溶性は、粒子を生ずる物質の可溶性に関連がある。
粒子を生ずる物質
【0054】
ここで、用語「物質」は広く単一の合成物を含めて、本発明の情況中で解釈されるであろう。合成物の混合物も同様である。たとえ、変質させられる典型的な物質が、単一の合成物あるいは同様の化学的および物理的な特性がある合成物の混合物を意味するとしてもである。本発明の方法で粒子に変質される多くの物質は、それらは生物学的にアクティブであり、あるいは媒体、添加剤、賦形剤として作用し、粒子は本発明によるそれらの生産の後に組み入れられる。最も重要な物質は薬理学的な意味して使用され、たいていは「生物学的に活発な」という用語は、「治療上有効な」ことを意味する。物質は、本発明で使用される溶液で希望の濃度で溶ける水溶性あるいは水不溶性のものであり得る。それらはポリペプチド構造および/またはヌクレオチド構造のような非ポリペプチド構造を示すかもしれまない。たとえば、炭水化物構造、脂質構造、ステロイド構造、ホルモン、鎮静剤、抗炎症性の物質などである。
【0055】
粒子を生ずる物質は溶液に対して可溶であるが、流体中ではそうではない。したがって、典型的には、溶剤に対して流体中でよりも高い可溶性を持っている。例えばファクターとして5以上、たとえば10以上、あるいは25以上、あるいは50以上、またあるいは100以上である。ファクターの増加は典型的には本発明の方法の実施形態中における利点に結びつくであろう。
【0056】
本発明の薬学的製剤は、オプションの薬学的に許容し得るキャリアー/媒体、添加物などと一緒に製剤時に組み入れられる治療上有効な成分(薬)を含む。式中の成分の少なくとも1つ、典型的には治療上有効な成分、たとえば薬、あるいは媒体あるいは添加剤のような成分は、本明細書に示した方法によって製造された粒子の形で使用される。典型的な製剤形態は、タブレット、カプセル、錠剤、ペレット、ばらつき、噴霧、軟膏、溶液などである。
【0057】
<実験>
実験例1:
アセトン中の2%のw/vブデソニド液を、図1の構造に置かれた図2のノズルへ導入し(再使用可能性を除く)、メーキャップ剤4.2ml/minのアセトンで緩和された125g/minの超臨界二酸化炭素(約150ml/min)と一緒に、個別の高速液体クロマトグラフィーポンプを1.4ml/min使用した。このシステムでの圧力は100気圧であった。また、温度は60℃であった。流れはすべて、粒子収集チャンバ中で形成され、収集されたノズルおよびブデソニドパウダーと接触する。超臨界二酸化炭素とアセトンはバック・プレッシャ調整装置出口経由で排出した。その後、さらに洗浄プロセスを超臨界二酸化炭素中で混合された溶剤を除去するために行なった。洗浄プロセスの後に、COは、チャンバからゆっくり流出させた。一旦COが完全に削除されたならば、フィルタ上の、および壁上の粒子を分析のために収集した。粒子は、Mastersizer2000(商品名:モールヴァン・インストルメンツ株式会社製(ウースタシア、英国))のレーザー回析によって特徴を見た。
【0058】
実験例2:
さらなる実験を実験例1で使用した装置で行った。プロセス・パラメーターは、2.1ml/分と最小だったメーキャップ剤の流れ速度を除いて、実験例1と同じ値にセットした。
【0059】
実験例3:
さらなる実験を再現性の制御のために実験例1で使用した装置で行った。プロセス・パラメーターは、実験例1と同じ値にセットした。
【0060】
実験例4:
またさらなる実験を実験例1で使用した装置で行った。プロセス・パラメーターは、1.4ml/時間だったメーキャップ剤の流れ速度を除いて、実験例1と同じ値にセットした。
【0061】
実験例5:
またさらなる実験を実験例1で使用した装置で行った。使用したノズルは、同じ種類の新しい生産ノズルに交換した。プロセス・パラメーターは、実験例1と同じ値にセットした。
【0062】
実験例1から5の結果を下表に示す。
【表1】

*各コラムd(0.1)、d(0.5)およびd(0.9)は、それぞれ分析された資料の10%、50%および90%までのうちで最も小さな粒子の直径を示す。d(0.5)のコラムに見合う価値は本明細書中で示した一群の平均粒径と呼び得るであろう。
【0063】
実験例6(溶液=アセトン、および流体=水)
使用される生産構造を、図6に示す。それは2つの高圧ポンプ(商品名:JascoPU980)を持つ。ひとつのポンプ(624b)は輸送導管(621)によって溶液(アセトン(2%のw/v)中に0.2ml/分のピロキシカムを入れたもの)(602)を供給するために使用される。そして他のポンプ(624a)は、粒子収集チャンバ(605)に置かれたスプレーノズル(601)に輸送導管(616)によって10ml/分の水(流体、反溶剤)(603)を与えるために使用される。粒子収集チャンバ(605)は、粒子(フィルタ)(615)の分離機能をその出口(625)に含んでいる。ノズル内部輸送導管は2本のステンレス鋼チューブ(610,612)である。それらを同軸に配し、内側のチューブ(612)は、溶液輸送のためにポンプ(624b)に接続し、外側のチューブ(610)は流体輸送のためにポンプ(624a)へ接続した。粒子が形成された後、チャンバ(605)は水とアセトンを削除するためにNでパージした。粒子の形態およびサイズはTM−1000(商品名:日立製作所製)の走査電子顕微鏡を使用して、検査した。粒子サイズは3未満μmであるとわかった。少数の塊が観察できた。
【0064】
実験例7
使用した生産構造を図7に示す。高圧ポンプ(商品名:Thar P50)(724a)は輸送導管(716)によって50ml/分の水(流体、反溶剤)(703)を供給するために使用した。また高圧ポンプ(商品名:JascoPU980)(724b)はその出口(725)にフィルタ・カップ(715)の形をしている粒子分離機能含んでいる粒子収集チャンバ(705)に置かれたノズル(701)に輸送導管(721)によってアセトン(2% w/v)(702)の中のピロキシカム1ml/分の溶液を与えるために使用したノズルは、図2で示したものと同じ種類である。流泰の流れ(703)のための輸送導管(716)は、内部の導管への溶液流れ(702)のための外部の導管および輸送導管(721)に接続した。粒子形成の後に、チャンバ(705)は水とアセトンをパージするためにNで除去した。フィルタ・カップ中の結晶の形態およびサイズTM−1000(商品名:日立製作所製)の走査電子顕微鏡を使用して決定する。粒子サイズは2μmへの0.5μmの間にあるとわった。少数の塊が観察された。
【0065】
以上本発明について説明し、本発明の作用する具体例に関して記述し、指摘てきたが、本発明はその精神から外れずに、様々な変更、修正、代用および省略を行なうことができることは当業者には理解されるであろう。本発明は、したがって、特許請求の範囲に係る発明との等価物を包含するものである。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一群の物質の粒子を生成する方法であって、前記物質が粒子成形加工物質であり、その生産構造において、前記粒子は、主として、平均粒子直径および/またはサイズ分布として測定される前もって定義したサイズ及び/または形態を持ち、次のステップを含む。
i)スプレーノズル(101、201)内の混合、および流れの下での混合は、液状の溶液(102,202)の流れを条件とし、その中で物質は流体(103,203)の流れで溶かされるか分散し、溶液での溶剤の種類、流体の種類、および溶液のボリュームの割合は、流体の体積に応じて、核形成及び混合物での物質の粒子形成を促進するために選択され、そして
ii)チャンバ(105,205)などの粒子収集容器中へノズル(101,201,301)のスプレー出口(109,209,309)によるスプレー(204)の形で通過するよう前記混合物を通し、そして
iii)前記容器内で前記混合物から前記粒子を分離して集める方法において、溶液は液体であり、また流体は臨界未満の状態の水状の液体であることを特徴とする方法。

【請求項2】
請求項1の方法において、前記流体及び前記容器が互いに混和することを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1または2のうちのいずれかの方法において、混合構造(114,214,314)の上流端に溶液の流れ(102,202,302)の体積流量速度は、0.01−20%の範囲で見つけることができ、それは、流れ(103,203,303)の体積流量速度の、たとえば0.1%以上あるいは0.5%以上あるいは1%以上、および/または15%以下あるいは10%以下あるいは5%以下であることを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項1から3のうちのいずれかの方法において、溶液中での粒子形成物質の濃度は物質の飽和濃度未満であり、混合時に印加された圧力および温度の飽和濃度の、典型的には80%以下及び/または1%以上であり、たとえば5%以上あるいは15%以上、あるいは25%以上であることを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項1から4のうちのいずれかの方法において、ノズルのスプレー出口上の圧力低下は30バール以下で、たとえば、20バール以下、あるいは10バール以下である。
【請求項6】
請求項1から5のうちのいずれかの方法において、ステップ(i)および(ii)は、2つ以上の別個のスプレーノズル(401a、b...)中で実行され、それは、少なくともノズルの2つを備えた生産構造において行われるものであり、ノズルは、粒子収集容器(405)とのスプレー伝播関係にあることを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項1から6のうちのいずれかの方法において、ステップ(i)および(ii)は、2つ以上の別個のスプレーノズル(401a、b...)の中で実行され、それらノズルは、粒子収集容器(505a、b...)を備えた生産構造に属し、該容器(505a、b...)はそれぞれ少なくとも1つのノズル(501a、b...)を含んでいることを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項6または7のうちのいずれかの方法において、
a)2つ以上の前記ノズルが本質的に同一のものであり、及び/または
b)少なくとも2つ以上の前記ノズル中で2つの粒子形成を同時に実行することを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項1から8のうちのいずれかの方法において、一群の粒子の前もって定義した平均径20μm以下あるいは10μm以下に選択され、及び/または一群中の粒子の粒度分布は、粒子の80%が30μm以下の幅の範囲のサイズを持つことを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項1から9のうちのいずれかの方法において、混合は、流体の流れおよび溶液の流れの合流により始まり、合流角度は0°から180°の範囲で選択された角度であり、好ましくは30°―150°の範囲、および絶対的な好ましい角度は90°または0°であることを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項1から10のうちのいずれかの方法において、
A)ノズル(201,301)が以下を含み、
a)それぞれ溶液用、流体用の2本の内部輸送導管(202,203,203,303)であって、該導管は少なくともそれらの上流部分において共軸であり、それらの下流端(238,234)は互いに合流しており、
b)後続および/または一致する混合配置構造(214,314)、
c)スプレー出口(209,309)、そして
B)前記混合配置で前記ステップ(i)を、前記スプレー出口で前記ステップ(ii)を実行することを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項11の方法において、
a)2本の内部輸送導管(210,212,310,312)のうちの1つの下流側の部品(238,342)は円筒状であり、別の導管と合流する位置で円筒状の流れを与え、そして
b)導管の他の1つの下流側の部品(234,334)は円盤状であり、環状の流れを与え、円筒状の流れの軸と一致する中心から放射状に外へでる流れとなり、2本の導管間の合流角度は、30°から150°の範囲で選択されており、そして
b)2本の内部輸送導管(210,212,310,312)の合流で環状の上流端、下流端で、混合配置構造(214,314)が環状をなし、そして
c)スプレー出口(209)は環状であり、上流側で混合配置構造の環状の下流端と通じることを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項12の方法において、2本の共軸の内部輸送導管(210,212)の内側の一本(212)は、その下流端(238)において円筒状であり、また、外側の一本(210)は、その下流端(234)で円盤状であることを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項14の方法において、2本の共軸の内部輸送導管は、合流ポイント(混合ポイント)に向かい共軸であることを特徴とする方法。
【請求項15】
請求項11から15のうちのいずれかの方法において、溶液は、内部輸送導管(210,212,310,312)の内側のもの(212,312)により流れ、内部輸送導管は上流端で共軸であり、そして流体は、これらの導管25(210,212,310,312)の外側のもの(210,310)により流れることを特徴とする方法。
【請求項16】
請求項1から16のいずれかの方法において、混合位置の流体の流れにメーキャップ剤を含むことを特徴とする方法。
【請求項17】
請求項1から17のうちのいずれかによる方法において、前記物質が薬理学的にアクティブなものであることを特徴とする方法。
【請求項18】
製薬の調合方法において、治療上有効な成分を含み、該成分が媒体、添加物などと一緒に存するものにおて、成分の少なくとも1つは、調合の製造過程で請求項1−18いずれかによって生産された粒子の形で使用されることを特徴とする方法。
【請求項19】
溶液から粒子を生産するための生産構造であって、溶液をスプレーするための流体及び反溶剤と混合することによって溶液中に溶けたか分散された、粒子を生ずる物質を含み、
a)流体の輸送導管(210,212,310,312)を有するスプレーノズル(101,201,301)、溶液輸送導管(210,212,310,312)、及び流体との混合のための混合構造(114,214,314)を備え、そして溶液は互いに内部輸送導管(210,212,310,312)及びスプレー出口(109,209,309)の下流で混合され、
b)ノズルのスプレー出口(109)が置かれる粒子収集チャンバー(105)とスプレーノズルからの溶液と流体の混合物中で、生産された粒子を分離し収集するための機能部(115)を備え、またc)
ノズル(101,201)の流体輸送導管(210,212,310,312)に流体(103、203)を転送するため、ノズル外部に輸送導管(116,216)を有し、さらに、
(i)メーキャップ剤を導入するための、および/または生産構造(117,118および217,218、)においてそれぞれで使用された流体を生産構造での生産に再利用するための流体の流れ(103,203)に使用される1本以上の入り口導管であって、混合構造(114,214)に上流側の流体の流れの位置に配されるもの、及び/または
ii)同じ粒子収集チャンバー(405)に置かれている少なくとも2つ(401a、b...)以上の、及び/または、少なくとも異なる粒子収集チャンバ(505a、b...)に置かれている2つ(501a、b...)のスプレーノズル(401a、b..、501a、b...)を備え、各粒子収集チャンバは、少なくとも1つ、2つあるいはそれ以上スプレーノズルを含んでおり、及び/または
iii)入り口導管(118,218)の一つを介する流体の流れ(103,203)へ、プロセスで再使用するための流体(106,206)を再循環させる機能部(118+119+120,218+219)であって、混合構造(114,214)に上流側に位置するものを備えることを特徴とする生産構造。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5a】
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【図5b】
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【図6a】
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【図6b】
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【図7】
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【公表番号】特表2011−506059(P2011−506059A)
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−536881(P2010−536881)
【出願日】平成20年12月5日(2008.12.5)
【国際出願番号】PCT/SE2008/000683
【国際公開番号】WO2009/072953
【国際公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【出願人】(510158266)エクスプレイ ミクロパーティクルズ アクティエボラーグ (2)
【Fターム(参考)】