説明

交換レンズおよびカメラボディ

【課題】MTF特性のデータ量を削減することが可能な交換レンズおよびカメラボディを提供する。
【解決手段】カメラボディ100が着脱可能に取り付けられるレンズマウント201と、絞り211を有し、第1の焦点距離から第2の焦点距離まで焦点距離が可変に構成された結像光学系210と、結像光学系210のMTF特性を表すMTF特性データをカメラボディ100に送信するレンズ側制御部203とを備え、MTF特性データは、3つの焦点距離と、2つのF値と、3つの像高位置と、の組み合わせにそれぞれ対応する複数のMTF値であり、3つの焦点距離は、第1の焦点距離と、第2の焦点距離と、中間値とであり、2つのF値は、結像光学系210の開放F値と、開放F値以外のF値とであり、3つの像高位置は、結像光学系210の光軸付近の位置と、画角の端部の位置と、中間の位置とである交換レンズ200。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交換レンズおよびカメラボディに関する。
【背景技術】
【0002】
レンズ交換可能なカメラシステムにおいて、交換レンズ側にレンズの光学特性等を予め記憶させておくことがある。カメラボディはこの光学特性等を参照し、交換レンズ毎に適切な制御を行う。例えば特許文献1に記載されているデジタルカメラシステムでは、レンズユニット内に多数のMTF情報が記録されている。このデジタルカメラシステムでは、カメラ本体がレンズユニットからMTF情報を収集し、HPFのカットオフ周波数の計算等に利用する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−258307号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のデジタルカメラシステムには、MTF情報として多量のデータを扱う必要があるという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る発明は、カメラボディが着脱可能に取り付けられる取付部と、絞りを有し、第1の焦点距離から第2の焦点距離まで焦点距離が可変に構成された結像光学系と、結像光学系のMTF特性を表すMTF特性データをカメラボディに送信するMTF特性送信手段とを備え、MTF特性データは、3つの焦点距離と、2つのF値と、3つの像高位置と、の組み合わせにそれぞれ対応する複数のMTF値であり、3つの焦点距離は、第1の焦点距離と、第2の焦点距離と、第1の焦点距離および第2の焦点距離の中間値とであり、2つのF値は、結像光学系の開放F値と、開放F値以外のF値とであり、3つの像高位置は、結像光学系の光軸付近の位置と、結像光学系の画角の端部の位置と、光軸付近の位置および端部の位置の中間の位置とであることを特徴とする交換レンズである。
請求項7に係る発明は、カメラボディが着脱可能に取り付けられる取付部と、絞りを有する結像光学系と、結像光学系のMTF特性を表すMTF特性データをカメラボディに送信するMTF特性送信手段とを備え、MTF特性データは、3つの焦点距離と、2つのF値と、3つの像高位置と、の組み合わせにそれぞれ対応する複数のMTF値であり、2つのF値は、結像光学系の開放絞り近傍の第1F値と、第1F値とは異なる第2F値とであり、3つの像高位置は、それぞれ異なる像高位置であることを特徴とする交換レンズである。
請求項16に係る発明は、請求項1〜15のいずれか一項に記載の交換レンズが着脱可能に取り付けられる取付部と、MTF特性データを交換レンズから受信するMTF特性受信手段と、被写体像を撮像し撮像信号を出力する撮像手段と、MTF特性データに基づく強度で、撮像信号に輪郭強調処理およびコントラスト強調処理のいずれか少なくとも一方を実行する画像処理手段と、を備えることを特徴とするカメラボディである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、MTF特性のデータ量を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明を適用したレンズ交換式のカメラシステムを示した斜視図である。
【図2】本発明を適用したレンズ交換式のカメラシステムを示した断面図である。
【図3】接点群102,202の詳細を示す模式図である。
【図4】MTF特性データの構成を示す図である。
【図5】第2の実施の形態に係るMTF特性データの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明を適用したレンズ交換式のカメラシステムを示した斜視図である。なお、図1では本発明に係わる機器および装置のみを示し、それ以外の機器および装置については図示と説明を省略する。カメラシステム1は、カメラボディ100と、カメラボディ100に着脱可能な交換レンズ200とから構成される。交換レンズ200は、不図示のズーム環に対する操作により焦点距離を変更可能な、いわゆるズームレンズである。
【0009】
カメラボディ100には交換レンズ200が着脱可能に取り付けられるレンズマウント101が設けられている。また交換レンズ200には、ボディ側のレンズマウント101に対応し、カメラボディ100が着脱可能に取り付けられるレンズマウント201が設けられている。交換レンズ200が装着されると、レンズマウント101上に設けられた複数の接点から成る接点群102が、交換レンズ200のレンズマウント201上に設けられた複数の接点から成る接点群202に接続される。接点群102,202は、カメラボディ100から交換レンズ200への電力供給、および、カメラボディ100と交換レンズ200との信号の送受信に利用される。
【0010】
カメラボディ100内のレンズマウント101後方には、被写体像を撮像し撮像信号を出力する撮像素子104が設けられる。カメラボディ100の上方には、入力装置たるボタン17a,17bが設けられている。ユーザはこれらのボタン17a,17bを用いてカメラボディ100に撮影指示や撮影条件の設定指示等を行う。
【0011】
図2は、本発明を適用したレンズ交換式のカメラシステムを示した断面図である。交換レンズ200は、被写体像を結像させる結像光学系210を備える。結像光学系210は絞り211を有する。また、結像光学系210は複数のレンズ210a〜210eにより構成されている。これら複数のレンズ210a〜210eには、被写体像のピント位置を制御するためのフォーカシングレンズ210dが含まれている。結像光学系210は、不図示のズーム環により、第1の焦点距離から第2の焦点距離まで焦点距離が可変に構成されている。
【0012】
交換レンズ200内部には、交換レンズ200の各部の制御を司るレンズ側制御部203が設けられている。レンズ側制御部203は不図示のマイクロコンピュータおよびその周辺回路等から構成される。レンズ側制御部203には、レンズ側送受信部217、レンズ駆動部212、レンズ位置検出部213、焦点距離検出部214、ROM215、およびRAM216が接続されている。
【0013】
レンズ側送受信部217は、接点群102、202を介してカメラボディ100との信号の送受信が可能である。なお、以下の説明において、レンズ側送受信部217が接点群102、202を介してカメラボディ100へデータを送信するように、レンズ側制御部203がレンズ側送受信部217を制御することを、「レンズ側制御部203がカメラボディ100にデータを送信する」と表記することがある。データの受信についても同様である。
【0014】
レンズ駆動部212は例えばステッピングモータ等のアクチュエータを有し、フォーカシングレンズ210dを駆動する。すなわち、フォーカシングレンズ210dは、レンズ駆動部212に駆動されることにより、その被駆動状態(フォーカシングレンズ210dの位置)が変化する。レンズ位置検出部213は、例えばレンズ駆動部212が有するステッピングモータに入力された信号のパルス数を計数して、フォーカシングレンズ210dの位置を検出し、レンズ位置信号を出力する。あるいは、交換レンズ200に設けられた周知の距離エンコーダ等を用いてフォーカシングレンズ210dの位置を検出してもよい。焦点距離検出部214は、例えばズームエンコーダ等を用いて結像光学系210の焦点距離を検出し、焦点距離信号を出力する。
【0015】
ROM215は不揮発性の記憶媒体であり、レンズ側制御部203が実行する所定の制御プログラムや、後述するMTF特性データが予め記憶される。RAM216は揮発性の記憶媒体であり、レンズ側制御部203により各種データの記憶領域として利用される。
【0016】
撮像素子104の前面には、シャッター115およびフィルター116が設けられている。結像光学系210を透過した被写体光は、シャッター115およびフィルター116を介して撮像素子104に入射する。シャッター115は、撮像素子104の露光状態を制御する。フィルター116は、光学的ローパスフィルターと赤外線カットフィルターを組み合わせた光学フィルターである。
【0017】
カメラボディ100内部には、カメラボディ100の各部の制御を司るボディ側制御部103が設けられている。ボディ側制御部103は不図示のマイクロコンピュータ、RAMおよびその周辺回路等から構成される。ボディ側制御部103にはボディ側送受信部117が接続されている。ボディ側送受信部117は接点群102に接続されており、レンズ側送受信部217と信号の送受信を行うことができる。なお、以下の説明において、ボディ側送受信部117が接点群102、202を介して交換レンズ200へデータを送信するように、ボディ側制御部103がボディ側送受信部117を制御することを、「ボディ側制御部103が交換レンズ200にデータを送信する」と表記することがある。データの受信についても同様である。
【0018】
カメラボディ100の背面には、LCDパネル等により構成される表示装置111が配置される。本実施形態において、いわゆるスルー画を表示するための撮像素子104の画像出力周期は毎秒60フレーム(約16ミリ秒につき1フレーム)である。すなわち、ボディ側制御部103には1秒間に60回、撮像素子104から出力される撮像信号が入力される。そしてボディ側制御部103は1秒間に60回、撮像信号に基づく被写体の画像を表示装置111に表示させる。なお表示装置111にはスルー画の他に、撮影条件等を設定するための各種のメニュー画面も表示される。
【0019】
(自動焦点調節の説明)
ボディ側制御部103は、周知の自動焦点調節処理を実行可能に構成されている。自動焦点調節処理は、現在の焦点調節状態を検出する焦点検出処理と、この検出結果に応じてフォーカシングレンズ210dを駆動し焦点調節を行う焦点調節処理とを含む。自動焦点調節処理において、ボディ側制御部103は2種類の焦点検出処理を使い分けることが可能に構成されている。具体的には、ボディ側制御部103はいわゆる撮像面位相差検出方式の焦点検出処理と、いわゆるコントラスト検出方式の焦点検出処理とを使い分けることが可能である。ボディ側制御部103は、撮影状況や被写体の特性等に応じてこれら2種類の焦点検出処理を使い分ける。
【0020】
ボディ側制御部103による撮像面位相差検出方式の焦点検出処理について説明する。本実施形態の撮像素子104は、フォーカス検出用の画素(焦点検出用画素と呼ぶ)を有する。フォーカス検出用画素は、特開2007−317951号公報に記載されているものと同様のものである。ボディ側制御部103は、焦点検出用画素からの画素出力データを用いて周知の位相差検出演算を行うことにより、焦点検出処理を行う。なお、この位相差検出演算については、例えば特開2007−317951号公報に記載されているものと同様のものであるため、説明を省略する。ボディ側制御部103は、この焦点検出処理により得られたデフォーカス量に基づいてフォーカシングレンズ210dを駆動させることにより、自動焦点調節を行う。
【0021】
ボディ側制御部103によるコントラスト検出方式の焦点検出処理について説明する。
ボディ側制御部103は、撮像素子104が有する撮像用画素からの画素出力データを用いて、いわゆる山登り法に基づく周知のコントラスト検出演算を行い、焦点評価値(コントラスト値)を算出する。ボディ側制御部103はこのコントラスト検出演算を、フォーカシングレンズ210dを後述する範囲で駆動させながら行い、焦点評価値がピークとなるフォーカシングレンズ210dの位置を検出することにより、自動焦点調節を行う。
【0022】
(データ通信の説明)
図3は接点群102,202の詳細を示す模式図である。図3に示すように、接点群102および202はそれぞれ、信号の送受信を行うための8つの接点を有している。すなわち、カメラボディ100と交換レンズ200との間には、各々の接点に対応する8つの信号線が存在する。なお、接点群102および202はこれらの接点以外にも、例えばカメラボディ100から交換レンズ200に電源供給を行うための接点等を有するが、ここでは図示および説明を省略する。以下、これら8つの信号線を、図3に示すように、HCLK,HREQ,HANS,HDAT,CLK,RDY,BDAT,LDATと呼ぶ。
【0023】
上述した8つの信号線のうち、HCLK,HREQ,HANS,HDATは第1伝送路310を構成する。同様に、CLK,RDY,BDAT,LDATは第2伝送路320を構成する。以下、これら2種類の伝送路のについて説明する。
【0024】
レンズ側制御部203は、第1伝送路310を介してカメラボディ100にフォーカシングレンズ210dの位置(すなわちフォーカシングレンズ210dの被駆動状態)を表すレンズ位置データを送信する。ボディ側制御部103は、所定周期(例えば1ミリ秒)ごとに、HREQの信号レベルを変化させる。レンズ側制御部203はHREQの信号レベルの変化に応じて通信準備処理を開始する。この通信準備処理とは具体的には、レンズ位置検出部213を用いてフォーカシングレンズ210dの位置を検出し、カメラボディ100に送信するためのレンズ位置データを用意する処理である。
【0025】
通信準備処理が完了すると、レンズ側制御部203はHANSの信号レベルを変化させる。ボディ側送受信部117はHANSの信号レベルの変化に応じて、HCLKにクロック信号を出力する。レンズ側送受信部217はこのクロック信号に同期してHDATにレンズ位置データを出力する。
【0026】
第2伝送路320は、カメラボディ100と交換レンズ200との間で、レンズ位置データ以外の各種データ(例えば交換レンズ200への制御指示を表すデータや、交換レンズ200の特性を表すデータ)の授受に利用される。第2伝送路320は全二重の伝送路である。すなわち、カメラボディ100から交換レンズ200に対するデータの送信と同時に、交換レンズ200からカメラボディ100に対するデータの送信が行われる。
【0027】
ボディ側制御部103は、第2伝送路320を用いて通信を行う必要が生じると、ボディ側送受信部117を制御し、CLKへクロック信号を出力させる。このときボディ側送受信部117は、クロック信号に同期してBDATに送信対象のデータを出力する。他方、レンズ側送受信部217は、クロック信号に同期してLDATに送信対象のデータを出力する。なおレンズ側送受信部217は、データの送受信が可能な場合とそうでない場合とで、RDYの信号レベルを変化させる。例えば、レンズ側送受信部217がデータの送受信のできない状態である場合にはRDYの信号レベルをHに、データの送受信が可能な状態である場合にはLにする。ボディ側送受信部117は通信の開始前にRDYの信号レベルを確認し、レンズ側送受信部217がデータの送受信のできない状態であった場合には通信を行わない。
【0028】
ボディ側制御部103は以上で説明した第2伝送路320を用いて、交換レンズ200
に各種の制御指示を表す制御指示データを送信する。制御指示データの例としては、フォーカシングレンズ210dを無限遠方向に特定のパルス数分(例えば10パルス分)移動させる制御指示データや、絞り211を特定の段数分(例えば2段分)絞る制御指示データなどがある。
【0029】
ボディ側制御部103が第2伝送路320を用いて送信するデータには他に、交換レンズ200の各種情報を要求する要求データがある。要求データの例としては、結像光学系210の現在の焦点距離を表すデータを要求する要求データや、絞り211の現在の絞り値を表すデータを要求する要求データなどがある。レンズ側制御部203は上記の要求データを受信すると、対応するデータを第2伝送路320を介してボディ側制御部103に送信する。
【0030】
なお、ボディ側制御部103が上記の第2伝送路320を利用してレンズ側制御部203から何らかの信号を受信するために必要な時間は、第1伝送路310を利用してレンズ位置データを受信するために必要な時間と比べて大きくなる。これは、第1伝送路310ではHREQの信号レベルを変化させるだけでレンズ側制御部203にデータを要求していることを伝えられていたのに対し、第2伝送路320ではまずCLKおよびBDATを用いて特定の情報の要求を表す要求データをレンズ側制御部203に送信する必要があるためである。
【0031】
(MTF特性データの説明)
本実施形態のレンズ側制御部203は、結像光学系210のMTF特性を表すMTF特性データをカメラボディ100に送信する。前述の通り、このMTF特性データはROM215に予め記憶されている。以下、MTF特性データについて説明する。
【0032】
図4は、MTF特性データの構成を示す図である。本実施形態においてMTF特性データ10は、3つの焦点距離12と、2つのF値13と、3つの像高位置14と、4つの空間周波数15と、の組み合わせにそれぞれ対応する複数のMTF値11である。なお図4では、3つの焦点距離12に対して同一のMTF値11が示されているが、一般に結像光学系210のMTF特性は焦点距離に応じて変化するので、実際のMTF特性データには3つの焦点距離12ごとに異なるMTF値11が格納されることとなる。
【0033】
MTF特性データ10における3つの焦点距離12とは、交換レンズ200のズーム域の広角端の焦点距離と望遠端の焦点距離とこれら2つの中間値とである。すなわち3つの焦点距離12は、第1の焦点距離と、第2の焦点距離と、第1の焦点距離および第2の焦点距離の中間値と、である。例えば交換レンズ200が80mm〜300mmの範囲で焦点距離が可変なズームレンズであれば、3つの焦点距離12は、80mmと、300mmと、190mmと、である。
【0034】
MTF特性データ10における2つのF値13とは、結像光学系210の開放F値と、開放F値以外のF値と、である。なお本実施形態において、上記の「開放F値以外のF値」はF11である。このF11というF値は、絞り211の最小絞り近傍のF値である。本実施形態のカメラシステム1において、カメラボディ100に取付可能な交換レンズ200は、いずれも少なくともF11まで絞り込むことが可能な交換レンズである。
【0035】
MTF特性データ10における3つの像高位置14とは、結像光学系210の光軸付近の位置と、結像光学系210の画角の端部の位置と、これら2つの位置の中間の位置と、である。MTF特性データ10における4つの空間周波数15とは、10本/mmと、20本/mmと、40本/mmと、80本/mmと、である。
【0036】
3(焦点距離)×2(F値)×3(像高位置)×4(空間周波数)=72であるので、MTF特性データ10は、72個のMTF値11から構成される。各々のMTF値11は、結像光学系210の0.0〜1.0のMTF値を0〜255に対応させた値であり、1
バイトの符号なし整数である。すなわち、実際のMTF値は、MTF値11を255で除算することにより算出される。例えば、80mmの焦点距離、1.4(開放)のF値、光軸付近の像高位置、10本/mmの空間周波数、の組み合わせに対応するMTF値11が100であれば、当該組み合わせに対応する結像光学系210のMTF値は約0.39である。
【0037】
なお、MTF特性データ10における3つの焦点距離12のいずれでもない焦点距離に対応するMTF値11が必要となった場合、ボディ側制御部103は3つの焦点距離12に対応するMTF値11を用いた補間演算を行い、適切なMTF値11を算出する。ボディ側制御部103は、絞り量についても同様に補間演算を行う。
【0038】
MTF特性データ10を構成するMTF値11の数は、ROM215の容量や通信時間等の観点からは、できるだけ少ないことが望ましい。本実施形態のMTF特性データ10において、F値の刻みが2つだけとなっているのは、MTF値11の個数の増加によるMTF特性データ10の肥大化を避けるためである。一般に、F値が大きければ大きいほど、すなわち絞り211を絞れば絞るほど、結像光学系210のMTF値は低下する。従って、F値の刻みは2つあれば十分であって、残りのF値に対応するMTF値は補間演算により算出すれば事足りる。
【0039】
他方、本実施形態のMTF特性データ10において、焦点距離の刻みは3つとなっている。これは、F値の場合とは異なり、広角端や望遠端においてMTF値がピークとなるとは限らず(中央の焦点距離部でMTF値がピークとなる山形状の特性データや、或いはボトムになる谷形状の特性データもあり得るので)、補間演算の精度を保つためには最低3点が必要となるためである。
【0040】
また、本実施形態のMTF特性データ10において、像高位置の刻みは3つとなっている。これは、MTF値は光軸付近において最も良くなるものの、例えば光軸から一定距離離れると急激にMTF値が低下するような結像光学系210が存在するためである。このような結像光学系210を有する交換レンズ200の場合には、最低でも3点におけるMTF値がなければ、補間演算を精度良く行うことができない。
【0041】
本実施形態のMTF特性データ10において、4つの空間周波数15がそれぞれ10本/mm、20本/mm、40本/mm、80本/mmとなっているのは、次のような理由によるものである。本実施形態において、10本/mmの空間周波数に対応するMTF値11は、ボディ側制御部103によるコントラスト強調処理(後述)に利用される。また、40本/mmの空間周波数に対応するMTF値11は、ボディ側制御部103による輪郭強調処理(後述)に利用される。しかしながら、交換レンズ200は画素ピッチが異なる撮像素子104を備えた複数種類のカメラボディ100に取り付けられる可能性がある。将来的により画素ピッチがより小さい撮像素子104を備えたカメラボディ100が登場したとき、10本/mmの空間周波数に対応するMTF値11や、40本/mmの空間周波数に対応するMTF値11だけでは、コントラスト強調処理および輪郭強調処理にとって十分ではない可能性がある。そこで本実施形態では、10本/mmおよび40本/mmの空間周波数に対応するMTF値11を画素ピッチが大きめの撮像素子104に、20本/mmおよび80本/mmの空間周波数に対応するMTF値11を画素ピッチが小さめの撮像素子104にそれぞれ対応させている。
【0042】
つまり、本実施形態のMTF特性データ10には、コントラスト強調処理のための空間周波数に対応するMTF値11と、輪郭強調処理のための空間周波数に対応するMTF値11と、のペアが、撮像素子104の画素ピッチが異なる2区分のカメラボディ100向けに2セット含まれている。
【0043】
このように各要素の刻みを設定することで、MTF特性データ10のデータ量をできるだけ少なくすると共に、コントラスト強調処理および輪郭強調処理にとって十分な精度を保つことが可能となる。
【0044】
ボディ側制御部103は初期通信時、第2伝送路320を介して交換レンズ200にMTF特性データ10を要求する。レンズ側制御部203はこの要求に応じて、ROM215に記憶されているMTF特性データ10を、第2伝送路320を介してカメラボディ100に送信する。
【0045】
なお、ここでいう初期通信とは、例えばカメラボディ100の電源スイッチがOFFからONになった時や、カメラボディ100に交換レンズ200が取り付けられた時に、ボディ側制御部103およびレンズ側制御部203により実行される通信のことを指す。初期通信において、ボディ側制御部103およびレンズ側制御部203は、結像光学系210の特性を表すデータやカメラボディ100の特性を表すデータの授受を行う。
【0046】
ボディ側制御部103は受信したMTF特性データ10を不図示のRAMに記憶させる。そして、このMTF特性データ10に基づいて、撮像素子104から出力される撮像信号に対し、後述の輪郭強調処理およびコントラスト強調処理を実行する。
【0047】
(輪郭強調処理およびコントラスト強調処理の説明)
輪郭強調処理やコントラスト強調処理に先立って、ボディ側制御部103は、交換レンズ200から、撮像時における結像光学系210の焦点距離および絞り211の絞り量を受信する。そして、受信した焦点距離および絞り量に対応するMTF値11を、MTF特性データ10から取り出す。
【0048】
なお、交換レンズ200から受信した焦点距離が、MTF特性データ10における3つの焦点距離12のいずれにも一致しない場合、ボディ側制御部103は前述の通り補間演算を行い適切なMTF値11を算出する。絞り量についても同様である。
【0049】
ボディ側制御部103はその後、取り出したMTF値11のうち、光軸付近の像高位置および10本/mmの空間周波数に対応するMTF値11に注目する。そして、このMTF値11が所定のしきい値(例えば153)以下であれば、画角全体のうち光軸付近の領域に対して周知のコントラスト強調処理を実行する。このコントラスト強調処理は、例えば半径の大きめな輪郭強調処理でもよいし、トーンカーブによる階調補正でもよい。また、当該領域の一部分に対し局所的にコントラスト強調を行う、いわゆるローカルコントラスト強調処理であってもよい。
【0050】
ボディ側制御部103は以上のコントラスト強調処理を、光軸付近の領域と端部付近の領域とその中間の領域と、のそれぞれに対して繰り返す。このとき用いられるMTF値11は、当然に各領域の像高位置に対応するMTF値11である。
【0051】
コントラスト強調処理の後、ボディ側制御部103は輪郭強調処理を実行する。ボディ側制御部103は輪郭強調処理についてもコントラスト強調処理と同様に、画角全体を3つの領域に分け、それぞれの領域について処理を実行する。輪郭強調処理を実行する際、ボディ側制御部103は40本/mmの空間周波数に対応するMTF値11を取得する。そして、このMTF値11が所定のしきい値(例えば77)以下の場合、ボディ側制御部103はそうでない場合に比べて強めの輪郭強調を行う。また、撮像時のF値が所定のしきい値(例えばF11)より大きい、すなわち小絞りである場合には、ボディ側制御部103は強めの輪郭強調を行う。このように小絞りである場合に輪郭強調を強めにかけるの
は、絞り211を絞れば絞るほど、回折の影響により限界解像度が低下するためである。
【0052】
ボディ側制御部103は以上のように、MTF特性データ10に基づく強度で、撮像信号に輪郭強調処理およびコントラスト強調処理を実行する。
【0053】
上述した第1の実施の形態によるカメラシステムによれば、次の作用効果が得られる。(1)レンズ側制御部203が結像光学系210のMTF特性を表すMTF特性データ10をカメラボディ100に送信する。このMTF特性データ10は、3つの焦点距離12と、2つのF値13と、3つの像高位置14と、の組み合わせにそれぞれ対応する複数のMTF値11であり、3つの焦点距離12は、第1の焦点距離と、第2の焦点距離と、第1の焦点距離および第2の焦点距離の中間値とであり、2つのF値13は、結像光学系210の開放F値と、開放F値以外のF値とであり、3つの像高位置14は、結像光学系210の光軸付近の位置と、結像光学系210の画角の端部の位置と、光軸付近の位置および端部の位置の中間の位置とである。このようにしたので、MTF特性データ10のデータ量を削減することができる。
【0054】
(2)2つのF値13は、結像光学系210の開放F値と、F11とである。このようにしたので、MTF特性データ10におけるF値の刻み数を十分に少なくし、ひいてはMTF特性データ10のデータ量を削減することが可能となる。
【0055】
(3)MTF特性データ10は、3つの焦点距離12と、2つのF値13と、3つの像高位置14と、4つの空間周波数15と、の組み合わせにそれぞれ対応する複数のMTF値11であり、4つの空間周波数15は、10本/mmと、20本/mmと、40本/mmと、80本/mmと、である。このようにしたので、将来的に画素ピッチの小さな撮像素子104を備えたカメラボディ100が登場した場合であっても、ボディ側制御部103が十分な精度でコントラスト強調処理および輪郭強調処理を実行することが可能になる。
【0056】
(4)レンズ側制御部203は、第1伝送路310を介してカメラボディ100にフォーカシングレンズ210dの被駆動状態を送信すると共に、第1伝送路310とは異なる第2伝送路320を介してカメラボディ100にMTF特性データ10を送信する。このようにしたので、レンズ側制御部203がフォーカシングレンズ210dの被駆動状態の送信に影響されることなく、MTF特性データ10を送信することができる。
【0057】
(5)カメラボディ100は、交換レンズ200が着脱可能に取り付けられるレンズマウント101と、MTF特性データ10を交換レンズ200から受信するボディ側制御部103と、被写体像を撮像し撮像信号を出力する撮像素子104とを備える。ボディ側制御部103は、MTF特性データ10に基づく強度で、撮像信号に輪郭強調処理およびコントラスト強調処理を実行する。このようにしたので、ボディ側制御部103は各々の交換レンズ200に最適な強度で、コントラスト強調処理および輪郭強調処理を実行することができる。
【0058】
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態に係るレンズ交換式のカメラシステムについて説明する。このカメラシステムの交換レンズは、第1の実施の形態と同様にMTF特性データをカメラボディに送信する。ただし、MTF特性データのデータ形式が、図4に示した第1の実施の形態のものとは異なっている。以下、第2の実施の形態のMTF特性データについて説明する。
【0059】
図5は、第2の実施の形態に係るMTF特性データの構成を示す図である。第1の実施形態とは異なり、本実施形態において各々のMTF値11は、結像光学系210の0.0〜1.0のMTF値そのものである。
【0060】
上述した第2の実施の形態によるカメラシステムによれば、第1の実施の形態によるカメラシステムと同様の作用効果が得られる。
【0061】
次のような変形も本発明の範囲内であり、変形例の一つ、もしくは複数を上述の実施形態と組み合わせることも可能である。
【0062】
(変形例1)
ボディ側制御部103が、コントラスト強調処理および輪郭強調処理のうち、いずれか一方のみを実行するようにしてもよい。
【0063】
(変形例2)
交換レンズ200を、焦点距離が可変ではないいわゆる単焦点レンズとしてもよい。こ
の場合、第1の焦点距離と第2の焦点距離とは同一の焦点距離であるものとして扱う。つまり、第1の焦点距離に対応するMTF値11と、第2の焦点距離に対応するMTF値11と、その中間値に対応するMTF値11と、は全て同一の値となる。すなわち、MTF特性データ10は、これら3つの焦点距離毎に同一のMTF値11を有することとなる。
【0064】
(変形例3)
上述した第1の実施の形態において、ボディ側制御部103はMTF特性データ10を初期通信において一度だけ送信していた。これを、レンズ側制御部203が撮像素子104の画像出力周期に応じた周期でMTF特性データ10をカメラボディ100に送信するようにしてもよい。例えば第1の実施の形態において撮像素子104の画像出力周期は毎秒60フレーム(約16ミリ秒につき1フレーム)であるので、レンズ側制御部203が約16ミリ秒毎にMTF特性データ10を送信するようにしてもよい。このようにレンズ側制御部203がMTF特性データ10を周期的に送信することで、結像光学系210のMTF特性が動的に変化するカメラシステム1を正しく機能させることができる。
【0065】
結像光学系210のMTF特性が動的に変化するカメラシステム1の例としては、交換レンズ200が結像光学系210の透過光量を調節するためのオンオフ可能なNDフィルタを内蔵しているものが挙げられる。このようなカメラシステムにおいては、NDフィルタのオンオフに応じて結像光学系210のMTF特性が変化する。そこで、ROM215にNDフィルタのオンオフに対応した2つのMTF特性データ10を記憶させておき、レンズ側制御部203がNDフィルタのオンオフに応じて異なるMTF特性データ10を送信するようにすればよい。あるいは、NDフィルタがオンの場合にはレンズ側制御部203がMTF特性データ10に所定の補正演算を行うようにしてもよい。
【0066】
その他のカメラシステム1の例としては、レンズ側制御部203を交換レンズ200の前面に取り付けられたフィルタを検知可能に構成し、この検知結果に応じて異なるMTF特性データ10を送信するものも挙げられる。
【0067】
(変形例4)
MTF特性データ10における3つの焦点距離12は、それぞれ異なる焦点距離であれば、必ずしもズーム域の広角端の焦点距離と望遠端の焦点距離とこれら2つの中間値とでなくてもよい。例えば交換レンズ200が80mm〜300mmの範囲で焦点距離が可変なズームレンズであるときに、3つの焦点距離12を、120mmと、180mmと、250mmと、にしてもよい。また、ズーム域に含まれない焦点距離を3つの焦点距離12に含めてもよい。この場合のMTF値11は、そのような焦点距離を仮定した場合における計算上のMTF値となる。
【0068】
また、MTF特性データ10における2つのF値13についても、結像光学系210の開放絞り近傍のF値と、それとは異なるF値であればよく、必ずしも結像光学系210の開放F値と、開放F値以外のF値と、でなくてもよい。例えば開放F値がF2である場合に、2つのF値13を、F2.4およびF8にしてもよい。また、開放絞りより小さい(開口径が大きい)F値や、最小絞りより大きい(開口径が小さい)F値を2つのF値13に含めてもよい。この場合のMTF値11は、そのようなF値を仮定した場合における計算上のMTF値となる。
【0069】
焦点距離およびF値と同様に、MTF特性データ10における3つの像高位置14は、それぞれ異なる3つの像高位置であればよく、必ずしも結像光学系210の光軸付近の位置と、結像光学系210の画角の端部の位置と、これら2つの位置の中間の位置と、でなくてもよい。また、MTF特性データ10における4つの空間周波数15についても、それぞれ異なる4つの空間周波数であればよく、必ずしも10本/mmと、20本/mmと、40本/mmと、80本/mmと、でなくてもよい。
【0070】
MTF特性データ10を以上のように構成することにより、MTF特性の精度を十分に保ったまま、MTF特性データ10のデータ量を削減することが可能となる。
【0071】
(変形例5)
MTF特性データ10における「2つのF値」は、必ずしもF値により定義されなくてもよい。例えば、絞り211の開口径や結像光学系210の射出瞳径、入射瞳径などにより定義することが可能である。これらはいずれもF値とほぼ一対一の対応関係を有しているので、例えば「F2とF11」の代わりに、「開口径25mmと開口径4.5mm」のようにMTF特性データ10を定義することが可能である。
【0072】
本発明の特徴を損なわない限り、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の形態についても、本発明の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0073】
1…カメラシステム、10、20…MTF特性データ、100…カメラボディ、101、201…レンズマウント、102、202…接点群、103…ボディ側制御部、104…撮像素子、111…表示装置、117…ボディ側送受信部、200…交換レンズ、203…レンズ側制御部、210…結像光学系、211…絞り、215…ROM、216…RAM、217…レンズ側送受信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラボディが着脱可能に取り付けられる取付部と、
絞りを有し、第1の焦点距離から第2の焦点距離まで焦点距離が可変に構成された結像光学系と、
前記結像光学系のMTF特性を表すMTF特性データを前記カメラボディに送信するMTF特性送信手段とを備え、
前記MTF特性データは、3つの焦点距離と、2つのF値と、3つの像高位置と、の組み合わせにそれぞれ対応する複数のMTF値であり、
前記3つの焦点距離は、前記第1の焦点距離と、前記第2の焦点距離と、前記第1の焦点距離および前記第2の焦点距離の中間値とであり、
前記2つのF値は、前記結像光学系の開放F値と、前記開放F値以外のF値とであり、
前記3つの像高位置は、前記結像光学系の光軸付近の位置と、前記結像光学系の画角の端部の位置と、前記光軸付近の位置および前記端部の位置の中間の位置とであることを特徴とする交換レンズ。
【請求項2】
請求項1に記載の交換レンズにおいて、
前記開放F値以外のF値は、F11であることを特徴とする交換レンズ。
【請求項3】
請求項1または2に記載の交換レンズにおいて、
前記MTF特性データは、前記3つの焦点距離と、前記2つのF値と、前記3つの像高位置と、4つの空間周波数と、の組み合わせにそれぞれ対応する複数のMTF値であり、
前記4つの空間周波数は、10本/mmと、20本/mmと、40本/mmと、80本/mmと、であることを特徴とする交換レンズ。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の交換レンズにおいて、
被駆動状態が変化するフォーカシングレンズと、
第1の伝送路を介して前記カメラボディに前記フォーカシングレンズの被駆動状態を送信する被駆動状態送信手段を更に備え、
前記MTF特性送信手段は、前記第1の伝送路とは異なる第2の伝送路を介して前記カメラボディに前記MTF特性データを送信することを特徴とする交換レンズ。
【請求項5】
請求項4に記載の交換レンズにおいて、
前記MTF特性送信手段は、前記カメラボディに設けられた撮像素子の画像出力周期に応じた周期で、前記MTF特性データを前記カメラボディに送信することを特徴とする交換レンズ。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の交換レンズにおいて、
前記第1の焦点距離と前記第2の焦点距離とは同一の焦点距離であり、
前記MTF特性データは、前記3つの焦点距離毎に同一のMTF値を有することを特徴とする交換レンズ。
【請求項7】
カメラボディが着脱可能に取り付けられる取付部と、
絞りを有する結像光学系と、
前記結像光学系のMTF特性を表すMTF特性データを前記カメラボディに送信するMTF特性送信手段とを備え、
前記MTF特性データは、3つの焦点距離と、2つのF値と、3つの像高位置と、の組み合わせにそれぞれ対応する複数のMTF値であり、
前記2つのF値は、前記結像光学系の開放絞り近傍の第1F値と、前記第1F値とは異なる第2F値とであり、
前記3つの像高位置は、それぞれ異なる像高位置であることを特徴とする交換レンズ。
【請求項8】
請求項7に記載の交換レンズにおいて、
前記結像光学系は、焦点距離が可変に構成され、
前記3つの焦点距離は、それぞれ異なる焦点距離であることを特徴とする交換レンズ。
【請求項9】
請求項8に記載の交換レンズにおいて、
前記結像光学系は、第1の焦点距離から前記第1の焦点距離より大きい第2の焦点距離まで焦点距離が可変に構成され、
前記3つの焦点距離は、前記第1の焦点距離と、前記第2の焦点距離と、前記第1の焦点距離より大きく前記第2の焦点距離より小さい第3の焦点距離と、であることを特徴とする交換レンズ。
【請求項10】
請求項7に記載の交換レンズにおいて、
前記結像光学系は、焦点距離が所定の焦点距離に固定され、
前記3つの焦点距離は、それぞれ前記所定の焦点距離であることを特徴とする交換レンズ。
【請求項11】
請求項7〜10のいずれか一項に記載の交換レンズにおいて、
前記第2F値は、F11であることを特徴とする交換レンズ。
【請求項12】
請求項7〜11のいずれか一項に記載の交換レンズにおいて、
前記3つの像高位置のうち2つの像高位置は、前記結像光学系の光軸付近の位置と、前記結像光学系の画角の端部近傍の位置と、であることを特徴とする交換レンズ。
【請求項13】
請求項7〜12のいずれか一項に記載の交換レンズにおいて、
前記MTF特性送信手段は、10本/mmの空間周波数に対応する前記MTF特性データと、20本/mmの空間周波数に対応する前記MTF特性データと、40本/mmの空間周波数に対応する前記MTF特性データと、80本/mmの空間周波数に対応する前記MTF特性データと、を前記カメラボディに送信することを特徴とする交換レンズ。
【請求項14】
請求項7〜13のいずれか一項に記載の交換レンズにおいて、
被駆動状態が変化するフォーカシングレンズと、
第1の伝送路を介して前記カメラボディに前記フォーカシングレンズの被駆動状態を送信する被駆動状態送信手段を更に備え、
前記MTF特性送信手段は、前記第1の伝送路とは異なる第2の伝送路を介して前記カメラボディに前記MTF特性データを送信することを特徴とする交換レンズ。
【請求項15】
請求項7〜14のいずれか一項に記載の交換レンズにおいて、
前記MTF特性送信手段は、前記カメラボディに設けられた撮像素子の画像出力周期に応じた周期で、前記MTF特性データを前記カメラボディに送信することを特徴とする交換レンズ。
【請求項16】
請求項1〜15のいずれか一項に記載の交換レンズが着脱可能に取り付けられる取付部と、
前記MTF特性データを前記交換レンズから受信するMTF特性受信手段と、
被写体像を撮像し撮像信号を出力する撮像手段と、
前記MTF特性データに基づく強度で、前記撮像信号に輪郭強調処理およびコントラスト強調処理のいずれか少なくとも一方を実行する画像処理手段と、
を備えることを特徴とするカメラボディ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−93712(P2012−93712A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−127147(P2011−127147)
【出願日】平成23年6月7日(2011.6.7)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】