説明

交換レンズおよび交換レンズアクセサリ

【課題】 三脚座の搭載有無にかかわりなく、装着する一眼カメラの形状や一眼カメラ用外部アクセサリの形状が無線信号の受信感度に影響を及ぼしにくい、小型の受信センサ搭載交換レンズおよび小型の受信センサ搭載交換レンズアクセサリの構成を提示することを目的とする。
【解決手段】 カメラ本体に着脱可能な交換レンズ、もしくは交換レンズ用アクセサリであって、前記カメラ本体と通信可能な通信手段と、前記通信手段と電気的に接続された、無線によって電気信号を受信可能な電子部品とを有し、前記電子部品が、前記交換レンズ、もしくは前記交換レンズ用アクセサリの筐体内に、最上面よりも下方に一つ以上配置され、かつ、前記電子部品が、前記交換レンズ、もしくは前記交換レンズ用アクセサリの筐体内の、光軸中心よりも上方に一つ以上配置されている交換レンズ、もしくは交換レンズ用アクセサリ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線により電気信号を受信するセンサを搭載した交換レンズおよび交換レンズ用アクセサリに関するものであり、特に、三脚座の搭載有無にかかわりなく、装着する一眼カメラの形状や一眼カメラ用外部アクセサリの形状が無線信号の受信感度に影響を及ぼしにくい、小型の受信センサ搭載交換レンズおよび、小型の受信センサ搭載交換レンズアクセサリの構成に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、デジタル一眼カメラの機能を拡張するような一眼カメラ用外部アクセサリが公知であり、特に、複数の衛星からの信号を受信することで、現在位置を測位できるGPSセンサを搭載した外部アクセサリが知られている。このGPS機能により、画像撮影地点の緯度および経度、高度などを測位し、撮影した画像データとともに、デジタル一眼カメラに搭載された記録媒体に記録することが可能となる。
【0003】
特許文献1には図9のようなGPSセンサ50を備えた一眼カメラ用交換レンズ51の構成が開示されている。
【0004】
交換レンズ51は、光軸方向(図示Z方向)と直交する面内で回動する回動部52を有しており、回動部52にはGPSセンサ50が搭載されている。また、回動面内で、回動部52上のGPSセンサ50が搭載されている位置に対し、光軸を挟んで反対側の位置の回動部52上には、三脚座53が構成されている。
【0005】
交換レンズ51をデジタル一眼カメラ54に装着した状態で、三脚座53を三脚(図示せず)などに固定すると、三脚座53が鉛直下方(−Y方向)に位置するため、対極に位置するGPSセンサ50は、鉛直上方(Y方向)位置で固定される。それにより、上空のGPS衛星からの信号を効率的に受信しやすい構成となっている。
【0006】
また、デジタル一眼カメラ54は、上部にストロボ発光部55を備えているものが公知である。内蔵ストロボ55は、図9に示すようなデジタル一眼カメラ54に収納される収納位置と、デジタル一眼カメラ54から突出し、ストロボ発光面(図示せず)が被写体に対面する発光位置(図示せず)との間で移動可能となっている。
【0007】
一般的に、交換レンズ51からの光をデジタル一眼カメラ54のファインダー側へと導くためのペンタプリズム(図示せず)と干渉しない位置に、内蔵ストロボ55が配置される。なおかつ、デジタル一眼カメラ54の高さ方向のサイズを小型化させるため、交換レンズ取り付け面よりもY方向に突出させて、内蔵ストロボ55を配した構成が一般的に知られている。
【0008】
また、デジタル一眼カメラ54の上部には、外付けストロボ等のカメラ用外部アクセサリ(図示せず)などを固定し、デジタル一眼カメラ54で通信制御を行うためのアクセサリーシュー56が構成されているものも広く公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2011-27826号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
図9のように、内蔵ストロボ55を備えたデジタル一眼カメラ54に、特許文献1に記載された構成の交換レンズ51を取り付けた場合、GPSセンサ50の一部もしくは全部が、内蔵ストロボ55の突出部の下方に位置してしまい、上空のGPS衛星から信号を受信できる受信エリアが限定され、受信感度が低下してしまう可能性があった。
【0011】
同様に、カメラ用外部アクセサリ(図示せず)を、デジタル一眼カメラ54上部のアクセサリーシュー56に取り付けた場合にも、カメラ用外部アクセサリの形状によっては、GPSセンサ50の上方の一部もしくは全部が覆われてしまうことで、GPS信号の受信感度が低下してしまう可能性があった。
【0012】
また、特許文献1に開示された従来技術は、超望遠レンズなどの三脚座53を配置できる大きさを備えた交換レンズには、回動部52およびGPSセンサ50を設置することが可能であるが、構成レンズ枚数が少ない単焦点レンズなど、三脚座53を構成する大きさを持たない交換レンズにGPSセンサ50を搭載させる場合は、交換レンズの製品サイズが大型化してしまうといった問題も生じていた。
【0013】
そこで本発明の目的は、一眼カメラの形状や一眼カメラ用外部アクセサリの形状が無線信号の受信感度に影響を及ぼしにくい、小型の受信センサ搭載交換レンズおよび、小型の受信センサ搭載交換レンズアクセサリの構成に関するものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本出願に係る発明の目的を実現する構成は、請求項1に記載のように、
カメラ本体に着脱可能な交換レンズ、もしくは交換レンズ用アクセサリであって、
前記カメラ本体と通信可能な通信手段と、
前記通信手段と電気的に接続されており、無線によって電気信号を受信可能な電子部品とを有し、
前記電子部品が、前記交換レンズ、もしくは前記交換レンズ用アクセサリの筐体内に、光軸中心を通る鉛直面上にかからない位置に一つ以上配置され、
かつ、前記電子部品が、前記交換レンズ、もしくは前記交換レンズ用アクセサリの筐体内の、光軸中心よりも上方に一つ以上配置されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、一眼カメラの形状や一眼カメラ用外部アクセサリの形状が無線信号の受信感度に影響を及ぼしにくい、小型の受信センサ搭載交換レンズおよび、小型の受信センサ搭載交換レンズアクセサリを提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第一および第二の実施例であるデジタル一眼カメラ用交換レンズをデジタル一眼レフカメラに装着した状態を前方(被写体側)から見た斜視図である。
【図2】本発明の第一の実施例であるデジタル一眼カメラ用交換レンズを後方(撮影者側)からみた図である。
【図3】本発明の第一の実施例であるデジタル一眼カメラ用交換レンズをデジタル一眼レフカメラに装着して、縦位置撮影する際のカメラ姿勢を前方(被写体側)から見た斜視図である。
【図4】本発明の第二の実施例であるデジタル一眼カメラ用交換レンズを後方(撮影者側)からみた図である。
【図5】本発明の第三および第四の実施例である交換レンズ用アクセサリのレンズアダプタをデジタル一眼レフカメラと、デジタル一眼カメラ用交換レンズに装着した状態を前方(被写体側)から見た斜視図である。
【図6】本発明の第三の実施例である交換レンズ用アクセサリのレンズアダプタを後方(撮影者側)および前方(被写体側)からみた図である。
【図7】本発明の第三の実施例である交換レンズ用アクセサリのレンズアダプタをデジタル一眼レフカメラと、デジタル一眼カメラ用交換レンズに装着して、縦位置撮影する際のカメラ姿勢を前方(被写体側)から見た斜視図である。
【図8】本発明の第三の実施例である交換レンズ用アクセサリのレンズアダプタを後方(撮影者側)および前方(被写体側)からみた図である。
【図9】従来のデジタル一眼カメラ用交換レンズをデジタル一眼レフカメラに装着した状態を前方(被写体側)から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。
【0018】
[実施例1]
図1は、本実施例である、デジタル一眼カメラ用交換レンズをデジタル一眼レフカメラに装着した状態を前方(被写体側)から見た斜視図を示す。
【0019】
図2(a)は、本実施例である、デジタル一眼カメラ用交換レンズを後方(撮影者側)からみた図を示す。
【0020】
図2(b)は、本実施例である、デジタル一眼カメラ用交換レンズを後方(撮影者側)からみた斜視図を示す。
【0021】
図3(a)は、本実施例である、デジタル一眼カメラ用交換レンズをデジタル一眼レフカメラに装着し、デジタル一眼レフカメラのグリップ部を下にして縦位置撮影する際のカメラ姿勢を前方(被写体側)から見た斜視図を示す。
【0022】
図3(b)は、本実施例である、デジタル一眼カメラ用交換レンズをデジタル一眼レフカメラに装着し、デジタル一眼レフカメラのグリップ部を上にして縦位置撮影する際のカメラ姿勢を前方(被写体側)から見た斜視図を示す。
【0023】
図1のように、交換レンズ1は、請求項のカメラ本体に対応するデジタル一眼レフカメラ2に脱着可能な、請求項記載のデジタル一眼カメラ用交換レンズである。
【0024】
デジタル一眼レフカメラ2の筐体上部には、ストロボ部3が内蔵されており、図1に示すような収納位置と、カメラ本体2からから突出し、ストロボ発光面(図示せず)が被写体に対面する発光位置(図示せず)との間で移動可能に構成されている。また、デジタル一眼レフカメラ2の筐体上部には、アクセサリーシュー4も配置されており、外付けストロボ装置などのカメラ用外部アクセサリ(図示せず)を設置することが可能である。
【0025】
図2(a)のように、交換レンズ1の鏡筒5の内部上面には、鉛直上方(Y方向)よりおおよそ45°傾いた位置に、請求項の電子部品に対応するGPSセンサ6が一つ配置されている。また、GPSセンサ6の信号受信面は、光軸と並行になるように構成されている。
【0026】
GPSセンサ6をこの位置に配置することにより、交換レンズ1をデジタル一眼レフカメラ2に取り付けた場合、GPSセンサ6が内蔵ストロボ3の真下を避けて設置されるため、内蔵ストロボ3の形状に妨げられてGPSの受信感度が低下するのを防ぐことが可能となる。
【0027】
同様に、デジタル一眼レフカメラ2にカメラ用外部アクセサリ(図示せず)が装着されている場合においても、カメラ用外部アクセサリの形状に妨げられてGPSの受信感度が低下するのを防ぐことが可能となる。
【0028】
なお、鏡筒5の筐体部分のうち、少なくともGPSセンサ6の上部7は、エンジニアプラスチック等の非導電性樹脂で構成することで、GPS位置情報信号をより効率的に受信することができる。なお、上部7を筐体5と異種材料にすることで、ユーザにGPSセンサ6の配置位置を示すこともできる。この際、上部7の外観面の色を筐体5と変えたり、上部7に印刷を施したりすることでユーザにGPSセンサ6の配置位置を示してもよい。
【0029】
図2(b)のように、交換レンズ1のカメラ接続側側面には、交換レンズ1の種類を識別する電気信号やレンズ駆動のための電力などを、デジタル一眼レフカメラ2と伝達するための、請求項の通信手段に対応する接点部8が設置されている。
【0030】
接点部8は、鏡筒5の内部でフレキシブル基板9やケーブルなどによって、GPSセンサ6と電気的に接続されている。この接点部8を通じて、デジタル一眼レフカメラ2からGPSセンサ6へ電力が供給されるとともに、GPSセンサ6によって測位した位置情報信号を、デジタル一眼レフカメラ2へ伝送する。
【0031】
デジタル一眼レフカメラ2では、伝送された位置信号を、撮影画像とともにデジタル一眼レフカメラ2の記録手段(図示せず)に記録したり、デジタル一眼レフカメラ2の表示手段(図示せず)に表示させたりすることが可能となる。
【0032】
図3(a)のように、デジタル一眼レフカメラ2のグリップ部10を下側にして縦位置撮影を行う場合は、GPSセンサ6は正位置時と同様に、おおよそ上方を向いているため、デジタル一眼レフカメラ2の姿勢差によるGPSセンサ6の受信感度低下を防ぐことが可能となる。
【0033】
図3(b)のように、デジタル一眼レフカメラ2のグリップ部10を上側にして縦位置撮影を行う場合においては、GPSセンサ6が下方に位置してしまうために、GPSセンサ6の受信感度が低下してしまう可能性がある。しかしながら前述の通り、鏡筒5の上部7の色や材料、印刷などにより、ユーザにGPSセンサ6の配置位置を示すことで、GPSセンサ6の受信感度が低下することをユーザに対し注意喚起することが出来る。
【0034】
なお、デジタル一眼レフカメラ2に姿勢検知機能が備わっている場合には、デジタル一眼レフカメラ2が図3(b)の姿勢になった際に、デジタル一眼レフカメラ2の表示手段(図示せず)に、GPSセンサ6の受信感度低下を示す警告表示を行ってもよい。警告表示を行うことで、ユーザに対し、GPSの受信感度が低下することへの注意を促すことができる。また、接点部8を通じて、一時的にGPSセンサ6の受信を中止するように、デジタル一眼レフカメラ2で交換レンズ1を制御してもよい。
【0035】
上記によれば、デジタル一眼レフカメラ2の形状やカメラ用外部アクセサリの形状が無線信号の受信感度に影響を及ぼしにくい、GPSセンサ6を搭載した小型の交換レンズ1を提供することが可能となる。
【0036】
[実施例2]
図1は、本実施例である、デジタル一眼カメラ用交換レンズをデジタル一眼レフカメラに装着した状態を前方(被写体側)から見た斜視図を示す。
【0037】
図4(a)は、本実施例である、デジタル一眼カメラ用交換レンズを後方(撮影者側)からみた図を示す。
【0038】
図4(b)は、本実施例である、デジタル一眼カメラ用交換レンズを後方(撮影者側)からみた斜視図を示す。
【0039】
図1のように、交換レンズ1は、請求項のカメラ本体に対応するデジタル一眼レフカメラ2に脱着可能な、請求項記載のデジタル一眼カメラ用交換レンズである。
【0040】
デジタル一眼レフカメラ2の筐体上部には、ストロボ部3が内蔵されており、図1に示すような収納位置と、カメラ本体2からから突出し、ストロボ発光面(図示せず)が被写体に対面する発光位置(図示せず)との間で移動可能に構成されている。また、デジタル一眼レフカメラ2の筐体上部には、アクセサリーシュー4も配置されており、外付けストロボ装置などのカメラ用外部アクセサリ(図示せず)を設置することが可能である。
【0041】
図4(a)のように、交換レンズ1の鏡筒5の内部上面には、鉛直上方(Y方向)より各々おおよそ45°傾いた位置に、請求項の電子部品に対応するGPSセンサ6が二つ配置されている。また、二つのGPSセンサ6の信号受信面は、各々、光軸と並行になるように構成されている。
【0042】
GPSセンサ6をこの位置に配置することにより、交換レンズ1をデジタル一眼レフカメラ2に取り付けた場合、GPSセンサ6が内蔵ストロボ3の真下を避けて設置されるため、内蔵ストロボ3の形状に妨げられてGPSの受信感度が低下するのを防ぐことが可能となる。
【0043】
同様に、デジタル一眼レフカメラ2にカメラ用外部アクセサリ(図示せず)が装着されている場合においても、カメラ用外部アクセサリの形状に妨げられてGPSの受信感度が低下するのを防ぐことが可能となる。
【0044】
なお、鏡筒5の筐体部分のうち、少なくともGPSセンサ6の上部7は、エンジニアプラスチック等の非導電性樹脂で構成することで、GPS位置情報信号をより効率的に受信することができる。
【0045】
図4(b)のように、交換レンズ1のカメラ接続側側面には、交換レンズ1の種類を識別する電気信号やレンズ駆動のための電力などを、デジタル一眼レフカメラ2と伝達するための、請求項の通信手段に対応する接点部8が設置されている。
【0046】
接点部8は、鏡筒5の内部でフレキシブル基板9やケーブルなどによって、GPSセンサ6と電気的に接続されている。この接点部8を通じて、デジタル一眼レフカメラ2からGPSセンサ6へ電力が供給されるとともに、GPSセンサ6によって測位した位置情報信号を、デジタル一眼レフカメラ2へ伝送する。
【0047】
デジタル一眼レフカメラ2では、伝送された位置信号を、撮影画像とともにデジタル一眼レフカメラ2の記録手段(図示せず)に記録したり、デジタル一眼レフカメラ2の表示手段(図示せず)に表示させたりすることが可能となる。
【0048】
縦位置撮影を行う場合においても、GPSセンサ6のどちらか一方がおおよそ上方を向いているため、デジタル一眼レフカメラ2の姿勢差によるGPSの受信感度低下を防ぐことが可能となる。
【0049】
なお、デジタル一眼レフカメラ2に姿勢検知機能が備わっている場合には、デジタル一眼レフカメラ2の縦位置撮影時の姿勢に応じて、交換レンズ1に設置されたGPSセンサ6のうち、鉛直上方に近い側のGPSセンサ6の位置情報信号を優先的に選択し、選択したGPSセンサ6の位置情報信号を、接点部8を通じてデジタル一眼レフカメラ2に伝送するように、デジタル一眼レフカメラ2で交換レンズ1を制御させてもよい。
【0050】
上記によれば、デジタル一眼レフカメラ2の形状やカメラ用外部アクセサリの形状が無線信号の受信感度に影響を及ぼしにくい、GPSセンサ6を搭載した小型の交換レンズ1を提供することが可能となる。
【0051】
[実施例3]
図5は、本実施例である、交換レンズ用アクセサリのレンズアダプタをデジタル一眼レフカメラと、デジタル一眼カメラ用交換レンズに装着した状態を前方(被写体側)から見た斜視図を示す。
【0052】
図6(a)は、本実施例である、交換レンズ用アクセサリのレンズアダプタを後方(撮影者側)からみた図を示す。
【0053】
図6(b)は、本実施例である、交換レンズ用アクセサリのレンズアダプタを前方(被写体側)からみた斜視図を示す。
【0054】
図7(a)は、本実施例である、交換レンズ用アクセサリのレンズアダプタをデジタル一眼レフカメラと、デジタル一眼カメラ用交換レンズに装着し、デジタル一眼レフカメラのグリップ部を下にして縦位置撮影する際のカメラ姿勢を前方(被写体側)から見た斜視図を示す。
【0055】
図7(b)は、本実施例である、交換レンズ用アクセサリのレンズアダプタをデジタル一眼レフカメラと、デジタル一眼カメラ用交換レンズに装着し、デジタル一眼レフカメラのグリップ部を上にして縦位置撮影する際のカメラ姿勢を前方(被写体側)から見た斜視図を示す。
【0056】
図5のように、レンズアダプタ11は、請求項の交換レンズに対応するデジタル一眼カメラ用交換レンズ12および、請求項のカメラ本体に対応するデジタル一眼レフカメラ13に脱着可能な、請求項記載の交換レンズ用アクセサリである。レンズアダプタ11は、交換レンズ12のボディマウント規格と、デジタル一眼レフカメラ13のレンズマウント規格が一致しない場合に、交換レンズ12とデジタル一眼レフカメラ13を接続するために使用される。
【0057】
デジタル一眼レフカメラ13の筐体上部には、ストロボ部14が内蔵されており、図5に示すような収納位置と、カメラ本体13から突出し、ストロボ発光面(図示せず)が被写体に対面する発光位置(図示せず)との間で移動可能に構成されている。また、デジタル一眼レフカメラ13の筐体上部には、アクセサリーシュー15も配置されており、外付けストロボ装置などのカメラ用外部アクセサリ(図示せず)を設置することが可能である。
【0058】
図6(a)のように、レンズアダプタ11の筐体内部の上面には、鉛直上方(Y方向)よりおおよそ45°傾いた位置に、請求項の電子部品に対応するGPSセンサ16が一つ配置されている。また、GPSセンサ16の信号受信面は、光軸と並行になるように構成されている。
【0059】
GPSセンサ16をこの位置に配置することにより、レンズアダプタ11を交換レンズ12とデジタル一眼レフカメラ13に取り付けた場合、GPSセンサ16が内蔵ストロボ14の真下を避けて設置されるため、内蔵ストロボ14の形状に妨げられてGPSの受信感度が低下するのを防ぐことが可能となる。
【0060】
同様に、デジタル一眼レフカメラ13にカメラ用外部アクセサリ(図示せず)が装着されている場合においても、カメラ用外部アクセサリの形状に妨げられてGPSの受信感度が低下するのを防ぐことが可能となる。
【0061】
なお、レンズアダプタ11の筐体部分のうち、少なくともGPSセンサ16の上部17は、エンジニアプラスチック等の非導電性樹脂で構成することで、GPS位置情報信号をより効率的に受信することができる。なお、上部17を筐体と異種材料にすることで、ユーザにGPSセンサ16の配置位置を示すこともできる。この際、上部17の外観面の色を筐体と変えたり、上部17に印刷を施したりすることでユーザにGPSセンサ16の配置位置を示してもよい。
【0062】
レンズアダプタ11のカメラ接続側側面には、レンズアダプタ11とデジタル一眼レフカメラ13とを、電気的に接続するための、請求項のカメラ通信手段に対応するカメラ側接点部18が設置されている。
【0063】
また、図6(b)のように、レンズアダプタ11のレンズ接続側側面には、カメラ側接点部18と各々の端子が電気的に接続された、請求項の交換レンズ通信手段に対応するレンズ側接点部19が設置されている。
【0064】
レンズアダプタ11のカメラ側接点部18およびレンズ側接点部19を通じて、レンズ駆動のための電力などを、デジタル一眼レフカメラ13から交換レンズ12に電気的に伝送する。さらに、交換レンズ12の種類を識別する電気信号などを、交換レンズ12からデジタル一眼レフカメラ13へ伝送する。
【0065】
GPSセンサ16は、レンズアダプタ11の筐体内部でフレキシブル基板20やケーブルなどによって、カメラ側接点部18に電気的に接続されている。このカメラ側接点部18を通じて、デジタル一眼レフカメラ13からGPSセンサ16へ電力が供給されるとともに、GPSセンサ16によって測位した位置情報信号を、デジタル一眼レフカメラ13へ伝送する。
【0066】
デジタル一眼レフカメラ13では、伝送された位置信号を、撮影画像とともにデジタル一眼レフカメラ13の記録手段(図示せず)に記録したり、デジタル一眼レフカメラ13の表示手段(図示せず)に表示させたりすることが可能となる。
【0067】
図7(a)のように、デジタル一眼レフカメラ13のグリップ部21を下側にして縦位置撮影を行う場合は、GPSセンサ16は正位置時と同様に、おおよそ上方を向いているため、デジタル一眼レフカメラ13の姿勢差によるGPSセンサ16の受信感度低下を防ぐことが可能となる。
【0068】
図7(b)のように、デジタル一眼レフカメラ13のグリップ部21を上側にして縦位置撮影を行う場合においては、GPSセンサ16が下方に位置してしまうために、GPSセンサ16の受信感度が低下してしまう可能性がある。しかしながら前述の通り、筐体の上部17の色や材料、印刷などにより、ユーザにGPSセンサ16の配置位置を示すことで、GPSセンサ16の受信感度が低下することをユーザに対し注意喚起することが出来る。
【0069】
なお、デジタル一眼レフカメラ13に姿勢検知機能が備わっている場合には、デジタル一眼レフカメラ13が図7(b)の姿勢になった際に、デジタル一眼レフカメラ13の表示手段(図示せず)に、GPSセンサ16の受信感度低下を示す警告表示を行ってもよい。警告表示を行うことで、ユーザに対し、GPSの受信感度が低下することへの注意を促すことができる。また、カメラ側接点部18を通じて、一時的にGPSセンサ16の受信を中止するように、デジタル一眼レフカメラ13でレンズアダプタ11を制御してもよい。
【0070】
なお、本実施例で示したレンズアダプタ11の替わりに、コンバージョンレンズに本構成を適応させてもよい。
【0071】
上記によれば、デジタル一眼レフカメラ13の形状やカメラ用外部アクセサリの形状が無線信号の受信感度に影響を及ぼしにくい、GPSセンサ16を搭載した小型の交換レンズ用アクセサリ11を提供することが可能となる。
【0072】
[実施例4]
図5は、本実施例である、交換レンズ用アクセサリのレンズアダプタをデジタル一眼レフカメラと、デジタル一眼カメラ用交換レンズに装着した状態を前方(被写体側)から見た斜視図を示す。
【0073】
図8(a)は、本実施例である、交換レンズ用アクセサリのレンズアダプタを後方(撮影者側)からみた図を示す。
【0074】
図8(b)は、本実施例である、交換レンズ用アクセサリのレンズアダプタを前方(被写体側)からみた斜視図を示す。
【0075】
図5のように、レンズアダプタ11は、請求項の交換レンズに対応するデジタル一眼カメラ用交換レンズ12および、請求項のカメラ本体に対応するデジタル一眼レフカメラ13に脱着可能な、請求項記載の交換レンズ用アクセサリである。レンズアダプタ11は、交換レンズ12のボディマウント規格と、デジタル一眼レフカメラ13のレンズマウント規格が一致しない場合に、交換レンズ12とデジタル一眼レフカメラ13を接続するために使用される。
【0076】
デジタル一眼レフカメラ13の筐体上部には、ストロボ部14が内蔵されており、図5に示すような収納位置と、カメラ本体13から突出し、ストロボ発光面(図示せず)が被写体に対面する発光位置(図示せず)との間で移動可能に構成されている。また、デジタル一眼レフカメラ13の筐体上部には、アクセサリーシュー15も配置されており、外付けストロボ装置などのカメラ用外部アクセサリ(図示せず)を設置することが可能である。
【0077】
図8(a)のように、レンズアダプタ11の筐体内部の上面には、鉛直上方(Y方向)より各々おおよそ45°傾いた位置に、請求項の電子部品に対応するGPSセンサ16が二つ配置されている。また、二つのGPSセンサ16の信号受信面は、各々、光軸と並行になるように構成される。
【0078】
GPSセンサ16をこの位置に配置することにより、レンズアダプタ11を交換レンズ12とデジタル一眼レフカメラ13に取り付けた場合、GPSセンサ16が内蔵ストロボ14の真下を避けて設置されるため、内蔵ストロボ14の形状に妨げられてGPSの受信感度が低下するのを防ぐことが可能となる。
【0079】
同様に、デジタル一眼レフカメラ13にカメラ用外部アクセサリ(図示せず)が装着されている場合においても、カメラ用外部アクセサリの形状に妨げられてGPSの受信感度が低下するのを防ぐことが可能となる。
【0080】
なお、レンズアダプタ11の筐体部分のうち、少なくともGPSセンサ16の上部17は、エンジニアプラスチック等の非導電性樹脂で構成することで、GPS位置情報信号をより効率的に受信することができる。
【0081】
レンズアダプタ11のカメラ接続側側面には、レンズアダプタ11とデジタル一眼レフカメラ13とを、電気的に接続するための、請求項のカメラ通信手段に対応するカメラ側接点部18が設置されている。
【0082】
また、図8(b)のように、レンズアダプタ11のレンズ接続側側面には、カメラ側接点部17と各々の端子が電気的に接続された、請求項の交換レンズ通信手段に対応するレンズ側接点部19が設置されている。
【0083】
レンズアダプタ11のカメラ側接点部18およびレンズ側接点部19を通じて、レンズ駆動のための電力などを、デジタル一眼レフカメラ13から交換レンズ12に電気的に伝送する。さらに、交換レンズ12の種類を識別する電気信号などを、交換レンズ12からデジタル一眼レフカメラ13へ伝送する。
【0084】
GPSセンサ16は、レンズアダプタ11の筐体内部でフレキシブル基板20やケーブルなどによって、カメラ側接点部18に電気的に接続されている。このカメラ側接点部18を通じて、デジタル一眼レフカメラ13からGPSセンサ16へ電力が供給されるとともに、GPSセンサ16によって測位した位置情報信号を、デジタル一眼レフカメラ13へ伝送する。
【0085】
デジタル一眼レフカメラ13では、伝送された位置信号を、撮影画像とともにデジタル一眼レフカメラ13の記録手段(図示せず)に記録したり、デジタル一眼レフカメラ13の表示手段(図示せず)に表示させたりすることが可能となる。
【0086】
縦位置撮影を行う場合においても、GPSセンサ16のどちらか一方がおおよそ上方を向いているため、デジタル一眼レフカメラ13の姿勢差によるGPSの受信感度低下を防ぐことが可能となる。
【0087】
なお、デジタル一眼レフカメラ13に姿勢検知機能が備わっている場合には、デジタル一眼レフカメラ13の縦位置撮影時の姿勢に応じて、レンズアダプタ11に設置されたGPSセンサ16のうち、鉛直上方に近い側のGPSセンサ16の位置情報信号を優先的に選択し、選択したGPSセンサ16の位置情報信号を、カメラ側接点部18を通じてデジタル一眼レフカメラ13に伝送するように、デジタル一眼レフカメラ13でレンズアダプタ11を制御させてもよい。
【0088】
なお、本実施例で示したレンズアダプタ11の替わりに、コンバージョンレンズに本構成を適応させてもよい。
【0089】
上記によれば、デジタル一眼レフカメラ13の形状やカメラ用外部アクセサリの形状が無線信号の受信感度に影響を及ぼしにくい、GPSセンサ16を搭載した小型の交換レンズ用アクセサリ11を提供することが可能となる。
【0090】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0091】
1 デジタル一眼カメラ用交換レンズ(実施例1および実施例2)
2 デジタル一眼レフカメラ(実施例1および実施例2)
3 内蔵ストロボ(実施例1および実施例2)
4 アクセサリーシュー(実施例1および実施例2)
5 鏡筒(実施例1および実施例2)
6 GPSセンサ(実施例1および実施例2)
7 鏡筒(GPSセンサ上部)(実施例1および実施例2)
8 接点部(実施例1および実施例2)
9 フレキシブル基板(実施例1および実施例2)
10 グリップ部(実施例1)
11 レンズアダプタ(実施例3および実施例4)
12 デジタル一眼カメラ用交換レンズ(実施例3および実施例4)
13 デジタル一眼レフカメラ(実施例3および実施例4)
14 内蔵ストロボ(実施例3および実施例4)
15 アクセサリーシュー(実施例3および実施例4)
16 GPSセンサ(実施例3および実施例4)
17 レンズアダプタ筐体(GPSセンサ上部)(実施例3および実施例4)
18 カメラ側接点部(実施例3および実施例4)
19 レンズ側接点部(実施例3および実施例4)
20 フレキシブル基板(実施例3および実施例4)
21 グリップ部(実施例3)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラ本体(2)に着脱可能な交換レンズ(1)であって、
前記カメラ本体(2)と通信可能な通信手段(8)と、
前記通信手段(8)と電気的に接続されており、無線によって電気信号を受信可能な電子部品(6)とを有し、
前記電子部品(6)が、前記交換レンズ(1)の鏡筒(5)内に、光軸中心を通る鉛直面上にかからない位置に一つ以上配置され、
かつ、前記電子部品(6)が、前記交換レンズ(1)の鏡筒(5)内の、光軸中心よりも上方に一つ以上配置されていることを特徴とする交換レンズ。
【請求項2】
前記電子部品(6)の信号受信面が、光軸中心と並行になるように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の交換レンズ。
【請求項3】
カメラ本体(13)、および、交換レンズ(12)に着脱可能な交換レンズ用アクセサリ(11)であって、
前記カメラ本体(13)と通信可能なカメラ通信手段(18)と、
前記交換レンズ(12)と通信可能な交換レンズ通信手段(19)とを有し、
前記カメラ通信手段(18)と、前記交換レンズ通信手段(19)とが、電気的に接続されており、
前記カメラ通信手段(18)と電気的に接続されていて、無線によって電気信号を受信可能な電子部品(16)を有し、
前記電子部品(16)が、前記交換レンズ用アクセサリ(11)の筐体内に、光軸中心を通る鉛直面上にかからない位置に一つ以上配置され、
かつ、前記電子部品(16)が、前記交換レンズ用アクセサリ(11)の筐体内の、光軸中心よりも上方に一つ以上配置されていることを特徴とする交換レンズ用アクセサリ。
【請求項4】
前記電子部品(16)の信号受信面が、光軸中心と並行になるように配置されていることを特徴とする請求項3に記載の交換レンズ用アクセサリ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−105014(P2013−105014A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−248631(P2011−248631)
【出願日】平成23年11月14日(2011.11.14)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】