説明

交換可能なトランスデューサ及びディスプレイを有する超音波アセンブリシステム

超音波アセンブリは、入力側及び出力側を有するモジュールと、モジュールの入力側からの接続及び非接続のために構成されたマイクロビームフォーマを有する超音波トランスデューサと、モジュールの出力側に備えられたディスプレイとを有する。超音波システムについても記載している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
入力側及び出力側を有するモジュールと、モジュールの入力側からの接続及び非接続のために構成されたマイクロビームフォーマを有する超音波トランスデューサと、モジュールの出力側に備えられたディスプレイとを有する超音波アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
音響波(特に、超音波を有する)は、医療診断及び医療処理、医療用部品の非破壊制御並びに水中撮像等の多くの科学的又は技術的フィールドで有用である。音響波は、電磁波に対して透過性である媒体中を進むことが可能であるため、音響波は、光学的観測に対して相補的である診断及び視覚化を可能にする。
【0003】
一アプリケーションにおいては、音響波は医師により、医療処理を実行する過程で、又は身体の特定の解剖学的領域の画像を与えるように、用いられることが可能である。しばしば、音響撮像装置は、医療処理の成功裏の実行を容易化するように、医師に対して対象領域の画像を提供するように用いられる。
【0004】
当業者が理解することができるように、音響撮像装置は、音響トランスデューサからの電気信号を捕捉して、モニタ又は他の装置における表示のためにその電気信号を処理する信号処理エレクトロニクス及び超音波トランスデューサを有する。モニタは、その場合、医師がリアルタイムに観察することが可能であり、後のレビューのために記憶される/再生されることが可能であり、又はそれらを併せて行うことが可能である。
【0005】
知られているように、超音波画像を捕捉するために用いられる種々の種類のトランスデューサが存在している。例えば、超音波において用いられることが可能であるリニアトランスデューサ、カーブドリニアトランスデューサ及びフェーズドアレイトランスデューサが存在している。それらのトランスデューサは、エコーデータの狭いスライス、互いに対して異なるオリエンテーションにあるエコーデータの複数の狭いスライス、又はエコーデータのフルボリュームセット、の捕捉を可能にする一次元的に又は二次元的に配列された要素を有することが可能である。各々の種類のアレイは有利点を有し、撮像される医療に関する解剖学的構造に依存して、医師は、他の種類のトランスデューサを凌駕する一の種類のトランスデューサを選択することが可能である。明らかであるように、既知のシステムにおいては、これは、複製可能なトランスデューサエレクトロニクス、トランスデューサハウジング及びケーブルをもたらし、故に、医療施設に対して全体としての設備投資を増加させるものである。
【0006】
更に、撮像室における医療装置の配置は、ユーザが走査セッション中に観察する必要がある超音波システム及びそのディスプレイの位置決めのために、やりがいのあるものである。撮像室内で複数のトランスデューサプローブに収容して、使用することは、ケーブル及び装置で患者の領域を一杯にする問題を悪化させる。
【0007】
更に、そのような既知のシステムにおいては、主超音波システム及びそのディスプレイは典型的には、場所をとり、比較的移動不可能であるため、配置について同様の問題を有する。従来の超音波スキャナは大きく、数百ポンドの重量があり、車輪のついたカートと一体化されるものである。より小さく、軽量なカートに典型的には半永久的に搭載された最新の“コンパクトな”超音波ディスプレイシステムにおいては、ディスプレイは超音波技術者には可視的であるが、カートは十分に医療処理の邪魔にならないような実際的な場所に移動される必要がある。これは、実現するには困難な譲歩であり、しばしば、医師がディスプレイを観察するために患者に対してもたれかからなければならないような厄介な視角又は動きに繋がる。
【0008】
従って、必要なものは、上記のような既存のアセンブリ及びシステムの短所を少なくとも克服する超音波アセンブリ及びシステムである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
代表的な実施形態に従って、超音波アセンブリは、入力側及び出力側を有するモジュールと、そのモジュールの入力側との取り付け及びその入力側からの取り外しのために構成されたマイクロビームフォーマを有する超音波トランスデューサと、モジュールの出力側に連結されたディスプレイとを有する。
【0010】
他の代表的な実施形態に従って、超音波撮像のためのシステムは超音波アセンブリを有する。その超音波アセンブリは、入力側及び出力側を有するモジュールと、そのモジュールの入力側との連結及びその入力からの分離のために構成されたマイクロビームフォーマを有する超音波トランスデューサと、モジュールの出力側に連結されたディスプレイとを有する。
【0011】
本発明については、添付図を参照しながら読むとき、以下の詳細説明から十分に理解することができる。図は必ずしもスケーリングして描かれていない。実際には、同じ参照番号は同じ構成要素を表している。
【0012】
本明細書で用いているように、単数表現は、1つ又は2つ以上として規定される。
【0013】
それらの通常の意味に加えて、“実質的な”又は“実質的に”は、当業者にとって許容できる限度又は程度にあることを意味している。例えば、‘略同じ’は、当業者がそのアイテムが同じであることに匹敵するとみなすことを意味するものである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】代表的な実施形態に従った超音波アセンブリを示す斜視図である。
【図2】代表的な実施形態に従った超音波アセンブリの簡略化した模式図である。
【図3】代表的な実施形態に従った超音波撮像のためのシステムの簡略化した模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下の詳細説明においては、説明目的であって、限定的でなく、特定の詳細について開示している代表的な実施形態について、本明細書の全体を通しての理解を与えるように、説明している。既知の装置、材料及び製造方法についての説明は、例示としての実施形態の説明を曖昧にすることを回避するように、省略している場合がある。それにも拘わらず、当業者の認識の範囲内にある装置、材料及び方法が、代表的な実施形態に従って用いられている場合もある。
【0016】
図1は、代表的な実施形態に従った超音波アセンブリの斜視図である。そのアセンブリは、その前方部分にトランスデューサ要素101を有するフェーズドアレイトランスデューサ102を有する。トランスデューサ要素101は、代表的な実施形態において二次元アレイとして示されている。本明細書の説明を進めるにつれてより明確になるように、トランスデューサ要素は、リニアアレイとして、カーブドリニアアレイとして、又は当業者の認識の範囲内にある他のトランスデューサ構成として構成されることが可能である。トランスデューサ要素101を覆うレンズが通常は含まれるが、本明細書の図には示していないことに留意されたい。
【0017】
トランスデューサ102は、取り外し可能に超音波(US)モジュール103に接続されている。モジュール103は、例示として、トランスデューサ102から生成される超音波画像(図示せず)を与えるように構成されたディスプレイ104を有する。ディスプレイ104は、例示として、小さい形状因子の液晶ディスプレイ(LCD)であるが、他の技術に基づいたディスプレイであることも可能である。例えば、ディスプレイ104は、LCDに代わる唯一の代替のディスプレイを名付けた小さい形状因子の有機発光ダイオード(OLED)であることが可能である。既知の技術に基づいた他の種類のディスプレイに代えられることも可能である。
【0018】
特に、アセンブリ100は、医師による可搬使用のために意図されて、デザインされているため、ディスプレイ104は、上記の相対的に小さい形状因子を有利に有する。ディスプレイ104は、単に超音波システムのディスプレイであることが可能であり、又は、医療処理又は試験中に医師により用いられる補助ディスプレイであることが可能である。当業者が理解できるように、ディスプレイ104のその位置付けは、特定の処理及び試験中の容易さ及び正確さを向上させる。ディスプレイ104はモジュールに存在するため、有利に、医師は、彼又は彼女が物理的に走査している場所を観察して、遠隔のディスプレイの方に眼を向けることなく、ディスプレイ104における結果として得られた画像を観察することができる。例えば、ディスプレイ104は、容易に回転する及び傾けることが可能であるようにトランスデューサの背後に取り付けられることが可能であり、又は、所謂“フリップアウト(flip−out)”型構成でモジュール103の側面に位置付けられることが可能である(顧客のビデオカメラと類似して)。
【0019】
更に、ディスプレイ104は、トランスデューサ及びモジュールの本体から離れた所望の場所に位置付けられるように取り外し可能であることが可能である。他の有利点としては、これは、生体検査のための針の配置又は身体へのカテーテルの挿入等の他のアクションを同時に有効にする場合に有用である。医師は、一方の手でアセンブリ100を持つことができ、遠隔のモニタ(図示せず)の方に眼を向けて観察する必要なく、処理を容易にするようにディスプレイ104における画像を用いて、他方の手で針/カテーテルを案内することができる。
【0020】
モジュール103は、コネクション105を介してシステム(図示せず)に接続されることが可能である。代表的な実施形態においては、コネクション105は、規格により提供された種々の無線プロトコルの1つの下で動作する。そのようなプロトコルについては、当業者に知られていて、故に、代表的な実施形態の説明を曖昧にしないように、ここでは説明していない。しかしながら、特に、医療情報に守秘的に関連する問題のために、選択されたプロトコルは、医療情報守秘義務の遵守を保証するようにセキュリティの要求に適う能力を有する可能性が高い。
【0021】
代替としては、コネクション105は有線コネクションであるように示されていて、種々の規格の1つと適合することが可能である。図示しているように、コネクションは、ユニバーサルシリアルバス(USB)又は低電圧作動信号(LVDS)伝送等の信号差動直列対であることが可能である。しかしながら、他の種類のコネクションも用いることが可能であることが考えられる。
【0022】
上記のように、トランスデューサ102はモジュール103に取り外し可能に備えられる。ここで更に詳細に説明するが、トランスデューサ102の選択的取り付け及び取り外しを行うことにより、医師は、行われる特定の試験/測定に基づいて、そして全く異なるアセンブリを選択して、備える必要なく、異なる種類のトランスデューサを選択する能力が与えられる。理解できるように、この動作は有利に、医療施設について、各々の種類のトランスデューサについて完全な超音波アセンブリを備える必要はなく、複数のトランスデューサについて1つのモジュールを備えることにより設備投資を低減することを可能にする。
【0023】
同様に、ディスプレイ104は例示として、モジュール103に取り外し可能に備えられている。上記のように、ディスプレイ104は、撮像セッション中に超音波技術者の視野における最適な配置のために取り外されることが可能である。ディスプレイ104とモジュール103との間のデータ接続は、例えば、USB又は類似する高速シリアルインタフェースを用いて有線で、若しくは、例えば、WiMedia Allianceにより促進されている超広帯域(UWB)プロトコルを用いて無線で行われることが可能である。無線の場合、ディスプレイ104は、ACアダプタのためのDC入力コネクタ又は電池等の電力を供給する設備を有する必要がある。
【0024】
ディスプレイ104の取り外し可能な特徴の有利点を利用して、医療設備は、別個に与えられる取り外し可能な表示ユニットにより、全体的な設備投資を低減する、超音波スキャナの総合的な信頼性高める、又は動作可能時間を増加させる能力が備えられる。表示ユニットは、その場合、患者の負担が変化するときに又はディスプレイユニットがときどき故障するときに、1つ又はそれ以上の超音波トランスデューサ及びモジュールと任意に結合されることが可能である。
【0025】
代表的な実施形態においては、トランスデューサ102はモジュール103と磁気的に接続されている。代替として、トランスデューサ102は、ラッチ機構(図示せず)又は摩擦嵌合(即ち、‘スナップオン’)機構等のモジュール103に機械的に接続されることが可能である。下で詳しく説明しているように、トランスデューサ102は、トランスデューサ102に電力を供給し、トランスデューサ102からの電気信号を渡すように動作するインタフェース(図1に図示せず)によりモジュールに電気的に接続されている。例示として、電気的機械的接続は、モジュール103の端部において電気的タブ(図示せず)に結合するトランスデューサの下端にコーティングされた金を有する銅を有するタブ(図示せず)を有することが可能である。反対側の端部に対してモジュールを位置合わせするトランスデューサ102又はモジュール103のどちらかの周囲に、スカートが位置付けられることが可能である。接続された構造は、流体の進入に対して耐性があるように、封止されている。例えば、モジュール103に対するトランスデューサ102の電気的機械的接続は、米国特許第6,635,019号明細書に記載されているものと同様に行われることが可能であり、米国特許第6,635,019号明細書が本願の明細書に引用して援用されている。
【0026】
しかしながら、特に、下で説明しているように、トランスデューサ102内に位置付けられているマイクロビームフォーマのために、結合するために必要な電気的接続は、アナログ信号が必要とされ、故に、必要な機械的公差がかなり小さい“スナップオン”機構等のより容易な機械的接続を可能にする。その電気的接続は、時間経過につれての消耗が尚もロバストな電気的接続を可能にする容易な接続/非接続を可能にして、かなり実際的に達成可能である。
【0027】
図2は、代表的な実施形態に従った超音波アセンブリ200の簡略化された模式図である。アセンブリ200は、図1に関連付けて説明しているアセンブリ100に対して多くの共通の特徴を有する。そのような共通の特徴についてはしばしば重複して説明していないが、更に詳細に説明することもあり得る。
【0028】
トランスデューサ102は、上記のトランスデューサ要素101を有する。トランスデューサ要素101は、米国特許第6,436,048号明細書に記載されているように、リニアアレイ、フェーズドアレイ又はそれらの組み合わせであることが可能である。トランスデューサ要素101からのビームはまた、米国特許第7,037,264号明細書に記載されているように、操作されることが可能である。上記のように、トランスデューサ要素101は、米国特許第6,540,682号明細書に記載されているように、カーブドリニア(1D)アレイ(CLA)であることが可能である。それらの特許文献は、本譲渡人に譲渡されたものであり、本願の明細書に引用して援用されている。
【0029】
トランスデューサ102はまた、マイクロビームフォーマ201を有する。マイクロビームフォーマ201については、米国特許第6,436,048号明細書に記載されているようなものであることが可能である。トランスデューサ102のトランスデューサ要素101によるエコーはマイクロビームフォーマ201により部分的にビーム整形される。代表的な実施形態においては、マイクロビームフォーマ201は、トランスデューサ要素101の要素(“パッチ”)の複数の群に適用される信号を制御し、各々の群の要素により受け入れられるエコー信号の一部の処理をもたらす回路を有する。トランスデューサ102におけるマイクロビーム整形は、アセンブリ100と超音波システム(図示せず)との間の接続における導体の数を有利に減少させることができる。マイクロビーム整形からもたらされる有利点の更なる詳細については、本願の明細書に引用して援用されている、同一出願人による米国特許第5,997,479号明細書及び米国特許第6,436,048号明細書に記載されている。例えば、マイクロビームフォーマ201のエレクトロニクスがトランスデューサ要素101に近接していて、複雑な相互接続、ケーブル配線並びに長い電気的接続の電力損失及び付帯信号歪を削除するために、より優れた電気的性能が実現する。
【0030】
更に、マイクロビーム整形はトランスデューサ要素101と物理的に結合されているために、マイクロビーム整形は、トランスデューサ要素101のアレイの種類と特別に適合されることが可能である。更に、特定の種類のセンサアレイへのマイクロビームフォーマ201の適合のために、マイクロビームフォーマ201の異なるバージョンは、異なるセンサクラス(例えば、セクタ、リニア、CLA)及び異なる周波数/インピーダンスについて最適化されることが可能である。従って、多くの種類のトランスデューサの各々と満足に連携する包括的マイクロビームフォーマとしてではなく、本発明は、各々の個別のトランスデューサ102のトランスデューサアレイの種類が最適に適合しない場合の改善が可能である。
【0031】
例示として、マイクロビームフォーマ201は、センサアレイ101の音響要素のレイアウトに対して寸法が適合することが可能であり、その場合、センサ自体に直接備えられることが可能であり、空間を節約し、マイクロビームフォーマ201とセンサとの間の相互接続スキームを簡単化し、信号トレース長さを最小化することにより電気ノイズ及び信号損失を低減することが可能である。
【0032】
更に、マイクロビームフォーマ201は、音響センサ要素の共鳴周波数範囲に対応して、そして高品質の撮像のための十分高い解像度であるが、回路構成要素を無駄使いする程高い解像度でない解像度と前記周波数範囲を適合させるビーム整形遅延を適用するように、最適化されることが可能である。同様に、マイクロビームフォーマ回路は、センサ要素101の特性インピーダンスを適合させるように最適化されることが可能である。
【0033】
上記のように、トランスデューサ102は、インタフェース202を介してモジュール103に接続され、インタフェース202は、機械的接続及び電気的接続の両方を有する。機械的接続は、上記のように、モジュール103へのトランスデューサ102の取り付け及びモジュール103からのトランスデューサ102の取り外しを可能にする。電気的接続は、トランスデューサ102に、特に、一体化されたマイクロビームフォーマに、電力を、そして更なる処理のためのマイクロビームフォーマ201からモジュール103への信号を供給する。電気的機械的接続は、標準的なUSB型のラッチ接続、機械的カスタムラッチ型接続、スナップフィット、又は、“Wireless Ultrasound Probe Cable”と題され、2007年6月1日に出願された、同時係属の米国特許出願公開第60/941,427号明細書に記載されている磁気型接続を用いて行われることが可能である。この特許文献の開示内容については特に、本願の明細書に引用して援用されている。
【0034】
モジュール103は、例えば、米国特許第6,436,048号明細書、米国特許第7,037,264号明細書に記載されているような走査制御器203及び主ビームフォーマ204を有する。モジュール103はまた、マルチモード(例えば、階調、フロー、PW、CW)にある信号検出経路のためのDSP回路を有することが可能である。更に、モジュール103は、モジュール103に電力供給する電源206、トランスデューサ102及び表示構成要素104を有する。そのモジュールはまた、ユーザが走査制御を予め設定して取得された画像、及びユーザがプログラムしたビーム整形係数を記憶するメモリ207を有する。
【0035】
電源206は、所望のDC電圧を供給するように動作可能であるAC/DC変換器であることが可能である。代替として、電源206は従来型の電池であることが可能である。後者の実施形態は、既知の装置に対して特定の有利点を提供する。先ず、電力のためにケーブルは必要ないため、アセンブリ100は、携帯性及び使用性の容易さを提供する無線プロトコルに従って、容易に実施されることが可能である。更に、充電可能である電池は、同じ(有線の)接続に対して、データ転送と同時に充電することが可能である。例えば、USB接続は、充電のための電力及びデータの両方を実現するように用いられることが可能である。
【0036】
電池を使用することによりまた、局所的にディスプレイ104に電力供給する有利点を与える。従って、ディスプレイ104は遠隔電力供給を必要とせず、ディスプレイ自体の電池を有することが可能である。従って、ディスプレイ104はコンパクトで軽量であることが可能である。それとは対照的に、別個のモニタ、又は携帯情報端末(PDA)における外部ディスプレイは、電源及び中央演算処理装(CPU)を必要とし、そのことは、システムを複雑なものとし、内蔵型のアセンブリ100からもたらされる人間工学に基づく有利点を損なわせるものである。
【0037】
更に、画像のレンダリング及びフォーマッティングがモジュール103にもたらされることが可能であり、故に、ディスプレイ104における処理の必要性を最小化することが可能である。このことは、システムの大きさ及び重量のみでなく、ディスプレイ104のコストを低減することができる。ディスプレイ104は、モジュール103への接続又は非接続を容易にし、故に、ユーザの位置取りにおける高い自由度を可能にする。少ない電気信号で済んでしまうことにより、電気タブの位置合わせ及び許容範囲が容易に達成可能であるために、機械的電気的接続は容易になり得る。モジュールの電気タブ(上記)は、例えば、磁気的接続、摩擦嵌合又は他の種類のラッチ接続により、ディスプレイ104の電気タブに対して結合されることが可能である。この機械的接続は、ディスプレイの回転及びチルトを可能にする。
【0038】
図3は、代表的な実施形態に従った超音波撮像のためのシステム300の簡略化されたブロック図である。システム300は、図示しているように、コネクション105により接続されたアセンブリ100及びシステムモニタ301を有する。システム300は、図1及び2の代表的な実施形態と関連付けて説明した特徴及び細部と共通の多くの特徴及び細部を有する。
【0039】
システムモニタ301は、アセンブリ100を用いる医師により用いられるスタンドアロンモニタであることが可能であり、ディスプレイ104と連携する又はディスプレイ104に付加するものであることが可能である。代替として、システムモニタ300は、リアルタイムにアセンブリから又はメモリを介して画像へのアクセスを提供する医療設備の中央ユニット(例えば、サーバ)であることが可能である。また、アセンブリ100とモニタ301との間の連結は、モニタから、モニタに接続されたネットワークの他の装置への連結であることが可能であるように、無線又は有線であることが可能である。
【0040】
本明細書の開示内容に照らして、種々の超音波アセンブリ及びシステムの超音波撮像は、多様な装置、構成要素、ソフトウェア、ハードウェア及びファームウェアを有することが可能である。更に、医療撮像以外のアプリケーションも、本発明から恩恵を受けることができる。更に、種々の装置、構成要素、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア及びパラメータは、単なる例示として、そして制限的でなく、含まれることが可能である。本明細書の開示内容に照らして、当業者は、当業者自体のアプリケーション、及びそれらのアプリケーションを実施するために必要な装置、構成要素、ソフトウェア、ハードウェア及びファームウェアを決定する上で、又は同時提出の特許請求の範囲における範囲内で、本発明を実行することが可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力側及び出力側を有するモジュール;
前記モジュールの入力側からの接続及び非接続のために構成されたマイクロビームフォーマを有する超音波トランスデューサ;並びに
前記モジュールの前記出力側に備えられたディスプレイ;
を有する超音波アセンブリ。
【請求項2】
前記超音波トランスデューサはリニアトランスデューサアレイを有し、前記モジュールは、前記リニアトランスデューサアレイから入力信号を受け取り、前記ディスプレイに出力信号を供給する、請求項1に記載の超音波アセンブリ。
【請求項3】
前記超音波トランスデューサはフェーズドアレイトランスデューサアレイを有し、前記モジュールは、前記フェーズドアレイトランスデューサアレイから入力信号を受け取り、前記ディスプレイに出力信号を供給する、請求項1に記載の超音波アセンブリ。
【請求項4】
前記超音波トランスデューサはカーブドトランスデューサアレイを有し、前記モジュールは、前記カーブドトランスデューサアレイから入力信号を受け取り、前記ディスプレイに出力信号を供給する、請求項1に記載の超音波アセンブリ。
【請求項5】
前記モジュールはマイクロコントローラ及びメモリを有し、前記マイクロコントローラは、前記メモリからトランスデューサパラメータを取得する、請求項1に記載の超音波アセンブリ。
【請求項6】
前記マイクロコントローラは、前記トランスデューサパラメータを取得した後に、前記トランスデューサアレイからデータを受け取る、請求項5に記載の超音波アセンブリ。
【請求項7】
前記マイクロコントローラは、前記超音波トランスデューサの構成係数及び走査係数の演算を最適化する、請求項5に記載の超音波アセンブリ。
【請求項8】
前記は前記モジュールにおいて備えられている、請求項1に記載の超音波アセンブリ。
【請求項9】
前記モジュール及び前記トランスデューサは、互いに機械的に取り付けられる及び互いから機械的に取り外される、請求項1に記載の超音波アセンブリ。
【請求項10】
前記ディスプレイは有線で、前記アセンブリに電気的に接続されている、請求項1に記載の超音波アセンブリ。
【請求項11】
前記モジュール及び前記ディスプレイは、互いに機械的に取り付けられる及び互いから機械的に取り外される、請求項1に記載の超音波アセンブリ。
【請求項12】
前記ディスプレイは無線で、前記アセンブリに電気的に接続される、請求項1に記載の超音波アセンブリ。
【請求項13】
超音波アセンブリ;
を有する、超音波撮像のためのシステムであって、前記超音波アセンブリは:
入力側及び出力側を有するモジュール;
前記モジュールの前記出力側に取り付ける又は前記出力側から取り外すためのマイクロビームフォーマを有する超音波トランスデューサ;並びに
前記モジュールの前記出力側に取り付けられたディスプレイ;
を有する、システム。
【請求項14】
前記超音波トランスデューサはリニアトランスデューサアレイを有し、前記モジュールは、前記リニアトランスデューサアレイから入力信号を受け取り、前記ディスプレイに出力信号を供給する、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記超音波トランスデューサはフェーズドアレイトランスデューサアレイを有し、前記モジュールは、前記フェーズドアレイトランスデューサアレイから入力信号を受け取り、前記ディスプレイに出力信号を供給する、請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
前記超音波トランスデューサはカーブドトランスデューサアレイを有し、前記モジュールは、前記カーブドトランスデューサアレイから入力信号を受け取り、前記ディスプレイに出力信号を供給する、請求項13に記載のシステム。
【請求項17】
前記超音波トランスデューサはメモリを有し、前記モジュールは、前記メモリからトランスデューサパラメータを取得するマイクロコントローラを有する、請求項13に記載のシステム。
【請求項18】
前記マイクロコントローラは、前記トランスデューサパラメータを取得した後に、前記トランスデューサアレイからデータを受け取る、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記マイクロコントローラは、前記超音波トランスデューサの構成係数及び走査係数の演算を最適化する、請求項13に記載のシステム。
【請求項20】
前記ディスプレイは前記モジュールの上に備えられている、請求項13に記載のシステム。
【請求項21】
前記モジュール及び前記トランスデューサは、互いに機械的に取り付けられる及び互いから機械的に取り外される、請求項13に記載のシステム。
【請求項22】
前記機械的に取り付けることは摩擦嵌合による、請求項13に記載のシステム。
【請求項23】
前記超音波アセンブリに対して離れた他のディスプレイを更に有する、請求項13に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2012−510333(P2012−510333A)
【公表日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−539120(P2011−539120)
【出願日】平成21年11月10日(2009.11.10)
【国際出願番号】PCT/IB2009/054999
【国際公開番号】WO2010/064156
【国際公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】